(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】水供給システムにおける現在の料金に基づくエネルギー使用量の調節のためのヒータ装置システム、方法、コンピュータ可読媒体および制御モジュール
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20220101AFI20240123BHJP
F28D 20/02 20060101ALI20240123BHJP
F24H 15/20 20220101ALI20240123BHJP
F24H 15/429 20220101ALI20240123BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20240123BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20240123BHJP
F24H 15/238 20220101ALI20240123BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20240123BHJP
F24H 15/156 20220101ALI20240123BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20240123BHJP
【FI】
F24H1/00 A
F28D20/02 D
F24H15/20
F24H15/429
F24H15/31
F24H15/37
F24H15/238
F24H4/02 F
F24H15/156
F24H1/18 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547673
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 IB2022051069
(87)【国際公開番号】W WO2022168038
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523293529
【氏名又は名称】オクトパス エナジー ヒーティング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OCTOPUS ENERGY HEATING LIMITED
【住所又は居所原語表記】UK House, 164-182 Oxford Street, London, W1D 1NN, UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】コノヴァルチック, ピーター
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA04
3L122AA12
3L122AA23
3L122AA53
3L122AB22
3L122BA02
3L122BA04
3L122BB02
3L122DA02
3L122DA22
3L122EA01
(57)【要約】
水出口に提供される水供給を制御するための水供給システム向けのヒータ装置システムであって、水出口が加熱水をユーザに提供するように構成されており、ヒータ装置システムが、水出口から遠隔に配設された水加熱デバイスと、水加熱デバイスに通信可能に結合された制御ユニットとを備え、制御ユニットが、ユーザからの要求を受信して温度を低減した水供給モードを有効化し、以て供給されるべき加熱水が第1の温度で一定の時間期間の間、水出口に供給されるように用意し、次いで一定時間経過したら、温度を第2の温度に下げるように用意し、要求が受信されたユーザに対して、ユーザが水出口を開いたことを検出したらすぐに、第1の温度で第1の継続期間の間、加熱水を提供し、次いで第1の時間期間が経過したら、加熱水の温度を第1の温度から第1の温度よりも低い第2の温度に低下させるように構成された、ヒータ装置システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水出口に提供される水供給を制御するための水供給システム向けのヒータ装置システムであって、前記水出口が加熱水をユーザに提供するように構成されており、前記ヒータ装置システムが、
前記水出口から遠隔に配設された水加熱デバイスと、
前記水加熱デバイスに通信可能に結合された制御ユニットと、
を備え、前記制御ユニットが、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうかを判定し、
前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するように構成されており、前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減することを含む、ヒータ装置システム。
【請求項2】
前記判定するステップが、さらに、前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、請求項1に記載のヒータ装置システム。
【請求項3】
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると決定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、請求項2に記載のヒータ装置システム。
【請求項4】
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度よりも低い、低下させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項5】
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、前記制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項6】
前記人工知能アルゴリズムが前記第1及び第2の温度の値又は前記第1及び第2の流量の値を予測し、前記アルゴリズムは、前記水供給システムの過去の使用量と関連付けられたデータに基づいて以前に訓練されたものである、請求項5に記載のヒータ装置システム。
【請求項7】
前記低減された消費モードが、加熱目標に従って、前記ヒータ装置システムによって提供される水の量又は温度を低減することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項8】
前記低減された消費モードが、加熱水を提供するための代替的な熱源に切り替えることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項9】
前記代替的な熱源が熱エネルギー貯蔵器である、請求項8に記載のヒータ装置システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モードが熱エネルギー貯蔵器を第1の温度まで予加熱することを含む、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~9のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵モードは、さらなる熱エネルギーが前記ヒータ装置システムを収容する建物の構造によって貯蔵されることが可能なように、加熱出力を増大させるために前記水供給システムに提供される加熱水の前記量及び/又は温度を増大させることを含む、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~10のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項12】
前記水加熱デバイスがヒートポンプ及び熱エネルギー貯蔵デバイスを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項13】
前記熱エネルギー貯蔵デバイスが相変化材料デバイスである、請求項12に記載のヒータ装置システム。
【請求項14】
前記相変化材料がパラフィンワックスである、請求項13に記載のヒータ装置システム。
【請求項15】
前記パラフィンワックスが40℃~60℃の温度で溶融する、請求項14に記載のヒータ装置システム。
【請求項16】
前記相変化材料の潜熱容量は、約180kJ/kgと230kJ/kgとの間であり、液相においてはおそらく2.27Jg
-1K
-1、固相においては2.1Jg
-1K
-1の比熱容量である、請求項13、14、又は15のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項17】
水供給システムにおいて水出口に提供される水供給を制御する方法であって、前記水出口が水加熱デバイスからユーザに加熱水を提供するように構成されており、前記方法が、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうか判定するステップと、
b)前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するステップであり、前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減することを含む、設定するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記判定するステップがさらに前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量より低い、低減することを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度より低い、低下させることを含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
機械可読コードを含むコンピュータ可読媒体であって、前記機械可読コードが、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項17~22のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
通信チャネルを介して水供給システムの動作を制御するように構成された制御モジュールであって、前記水供給システムが、主管からの水を加熱するように構成され前記制御モジュールによって制御される加熱システムを備え、前記水供給システムが、前記加熱システムによって加熱された水を1つ又は複数の水出口においてユーザに提供するように構成されており、前記制御モジュールが、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、あらかじめ構成されたハードウェア論理コンポーネントを有する、又は実行するソフトウェアを有するプロセッサを備える、制御モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般には、建物内の複数の水出口(蛇口、放熱器)に熱水を供給するための水供給システム用のヒータ装置システムなどの、水供給システムにおける水/エネルギーフローのユーティリティ管理に関する。特に、本開示は、水供給システムにおいて水及び/又はエネルギーを節約するために、無駄な水及び/又はエネルギーフローが水出口に到達するのを低減するための温度を低減した水供給モード(又は予算)の実装に関する。
【背景】
【0002】
従来、高いエネルギー(例えば、ガス又は電気)需要の期間中は、ユーティリティ供給者は一般に、エネルギーの単位コストをピーク料金まで増大させて、顧客に供給するためのより多くのエネルギーを購入しなければならない追加のコストをカバーしているが、低いエネルギー需要の期間中は、ユーティリティ供給者は一般に、ピーク期間中の代わりにオフピーク期間中に、顧客に、使用するエネルギーの切り替えを促す誘因として、エネルギーの単位コストをオフピーク料金まで低下させ、時間の経過とともに全体的によりバランスのとれたエネルギー消費を達成する。しかしながら、そのような戦略が有効であるのは、顧客が料金の変化を常に認識し、加えて、顧客が自身の消費習慣を変更できるように意識的に努力する場合だけである。
【0003】
商用環境であろうと家庭環境であろうと、加熱水は、一年中且つ一日中必要とされる。言うまでもなく、加熱水の供給には浄水及び熱源の両方が必要である。加熱水を供給するために、例えばユーザによって設定されたあらかじめ定められた温度まで水を加熱するためのしばしば集中される水供給システムには、加熱システムが設けられ、使用される熱源は従来、1つ若しくは複数の電気加熱要素又は天然ガスの燃焼である。
【0004】
ユーティリティとしての浄水は現在、多くの注目を集めている。浄水がますます不足するにつれ、水流を低減するための通気シャワー及び通気蛇口や運動が検出されない場合に水流を止める運動センサが備わっているシャワー及び蛇口などのシステム及びデバイスの開発とともに、浄水の保全に関しての公衆への教育を行うために多大な労力を費やしてきている。しかしながら、これらのシステム及びデバイスは、単一の特定の使用に制限されているので、問題のある水消費習慣には限定的な影響しか及ぼさない。
【0005】
エネルギー消費の環境影響に関する関心が増大するにつれて、家庭内加熱水を提供する方法としてヒートポンプ技術の使用に関する興味が最近ますます大きくなってきている。ヒートポンプは、熱源からの熱エネルギーを熱リザーバに移動させるデバイスである。ヒートポンプは、熱源からの熱エネルギーを熱リザーバに移動させる仕事を遂行するために電気を必要とするが、通常少なくとも3又は4の性能係数を有するので、一般に、電気抵抗ヒータ(電気加熱要素)よりも効率的である。これは、同じ電気使用量の下で、電気抵抗ヒータと比較して3倍又は4倍の熱量を、ヒートポンプを介してユーザに提供することができる。
【0006】
熱エネルギーを運搬する熱移動媒体は冷媒として知られる。空気(例えば、外気、若しくは家屋内の暑い部屋からの空気)又は土壌熱源(例えばグラウンドループ又は水で一杯の井戸)からの熱エネルギーは、受熱交換器によって抽出されて、封じ込められる冷媒に移される。次に、より高いエネルギーの冷媒が圧縮されて、それによりかなりの温度上昇が生じるが、ここでは、この高温冷媒は、熱交換器を介して熱エネルギーを加熱水ループと交換する。加熱水供給の文脈において、ヒートポンプによって抽出された熱は、熱エネルギー貯蔵器として機能する断熱タンク内の水に移すことができ、加熱水は後で必要なときに使用することができる。加熱水は必要に応じて、1つ又は複数の水出口、例えば、蛇口、シャワー、放熱器に進路を変えてもよい。しかしながら、ヒートポンプは一般に、水を所望の温度まで上げるために、電気抵抗ヒータと比較して、より長い時間が必要である。
【0007】
浄水消費、並びにエネルギー発生及び消費の環境影響に関する関心の高まりに伴い、さらにより差し迫っているのは、水及びエネルギー消費を低減する方法によってユーティリティ消費者を教育することだけでなく、消費を能動的に調節し、及び/又はユーティリティ消費者に消費習慣を修正する手助けをすることである。しかしながら、異なる家庭、職場、及び商業スペースには、異なるユーティリティの要件及び好みがあるため、ユーティリティ消費を調節することだけでは、使用料に一律の上限を設けることはできない。
【0008】
したがって、水供給システムにおけるユーティリティ消費の調節に備えることが望ましい。
【概要】
【0009】
本発明は、請求項1に記載の、水出口に設けられる水供給を制御するための水供給システム用のヒータ装置システムを提供する。
【0010】
本発明はさらに、請求項17に記載の、水出口に設けられる水供給を制御する方法を提供する。
【0011】
本発明はさらに、請求項23及び24に記載の対応するコンピュータプログラム製品及び制御モジュールを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
次に、本開示の実施形態について、添付図面を参照して説明することとする。
【
図1】
図1は、例示的な水供給システムの概略的なシステム概観図である。
【
図2】
図2は、例示的な水供給システムにおいて、一時的にエネルギーの、及び/又は水のフローを低減することに関係するステップを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、温度を低減した水供給モードを実装することに関係するステップを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、現在の料金による水供給システムにおいて、エネルギー使用量の調節を実施することに関係するステップを示すフローチャートである。
【詳細説明】
【0013】
前述に鑑みて、本開示は、家庭環境における水及びエネルギーを含むユーティリティの使用を制御するための様々な手法を提供する。一実施形態によると、水出口から出てくる加熱水の流量、及び/又は温度は、水出口の真下に物体が何もないと判定されたときに、水及び/又はエネルギーが必要とされないときに、水(水の水量がより低いために)及び/又はエネルギー(水の温度がより低いために)の使用量が低減されてもよいように、低減される。補足的な実施形態によると、音、又は光の点滅などの警告メッセージは、水出口が第1の時間期間の間、加熱水を継続的に提供してきていると判定されたときに開始され、水及び/又はエネルギー使用量は不必要と考えられたときに低減されてもよく、さらに浸水が防止されるように、水出口が、より長い第2の時間期間の間、加熱水を継続的に提供してきていると判定されたときに加熱水の供給を停止する。さらなる補足的な実施形態によると、例えば、ユーザに使用習慣を修正するように促すために、収集された加熱水使用量データに基づいてレポートが生成されてもよい。別の実施形態によると、異なる使用戦略が、エネルギーの現在の単位コスト(例えば、ピーク料金又はオフピーク料金)に基づいて、加熱水がコスト効果の高い様式で必要に応じて供給されてもよいように、提供されてもよい。さらなる実施形態によると、加熱水使用量は、あらかじめ定められた予算(又は温度を低減した水供給モード)に基づいて、エネルギー支出の改善された制御が可能になるように調節されてもよい。
【0014】
下記の実施形態において、加熱水が集中水加熱システムによって、個人住宅又は商業スペースなどの建物内の蛇口、シャワー、放熱器などを含む複数の水出口に提供される。水加熱システムは、1つ又は複数の電気加熱要素に供給されるエネルギーの量によって制御される温度まで冷水を直接的に加熱するための1つ又は複数の電気加熱要素を備えることができる。水加熱システムはさらに、より直接的でない、よりゆっくりと作用するが費用節約的で環境的にやさしい、例えば、周囲及び/又は熱エネルギー貯蔵器から熱エネルギーを抽出するためのヒートポンプの形態の、水を加熱するための熱源を備え、熱エネルギー貯蔵器は、例えば、熱エネルギー貯蔵器内に貯蔵されている熱エネルギーの量によって決まる温度まで冷水を加熱するために後で抽出されることになる熱エネルギーを貯蔵するための相変化材料を含む。水加熱システムは、水加熱システムに通信可能に結合された制御モジュールによって制御され、制御モジュールは、ヒートポンプに供給される電力を、起動、又は別の状況では制御及び調節するために、例えば、1つ又は複数の電気加熱要素に供給される電力を調節するように構成される。
水供給システム
【0015】
本技法の実施形態において、冷水及び加熱水が、集中水供給システムによって、家庭内環境又は商用環境内の建物のための蛇口、シャワー、放熱器などを含む複数の水出口に提供される。実施形態による例示的な水供給システムが
図1に示されている。本実施形態では、水供給システム100は、制御モジュール110を備え、制御モジュール110は機械学習アルゴリズム(Machine Learning Algorithm)120を含むことができる。制御モジュール110は、例えばシステムの内側及び外側の水流を制御するように構成された1つ又は複数のバルブの形態のフロー制御130と、熱を周囲から抽出して、抽出された熱を、水を加熱するために使用される熱エネルギー貯蔵器150に預けるように構成された(土壌熱源又は空気熱源)ヒートポンプ140と、電気加熱要素160に供給されるエネルギーの量を制御することによって、所望の温度まで冷水を直接的に加熱するように構成された1つ又は複数の電気加熱要素160とを含む、水供給システムの様々な要素に通信可能に結合され、水供給システムの様々な要素を制御するように構成されている。次いで、熱エネルギー貯蔵器150によって加熱されたか又は電気加熱要素160によって加熱された加熱水は、必要に応じて及び必要なときに、1つ又は複数の水出口に導かれる。実施形態において、ヒートポンプ140は、周囲からの熱を熱エネルギー貯蔵器150内の熱エネルギー貯蔵媒体へと抽出する。熱エネルギー貯蔵媒体は、さらに他の熱源によって加熱されてもよい。熱エネルギー貯蔵媒体は、所望の動作温度に到達するまで加熱され、次いで例えば主管からの冷水が熱エネルギー貯蔵媒体によって所望の温度まで加熱されることが可能である。次いで加熱水は、システム内の様々な水出口に供給されてもよい。
【0016】
本実施形態において、制御モジュール110は、複数のセンサ170-1、170-2、170-3、...、170-nからの入力を受信するように構成される。複数のセンサ170-1、170-2、170-3、...、170-nは、例えば、屋内及び/又は屋外に配設された1つ又は複数の空気温度センサ、1つ又は複数の水温度センサ、1つ又は複数の水圧センサ、1つ又は複数のタイマ、1つ又は複数の運動センサを含んでもよく、例えば、占有者が携帯し、通信チャネルを介して制御モジュールと通信状態にあるスマートフォン上のGPS信号受信器、カレンダ、天気予報アプリケーションなどの、水供給システム100に直接的にはリンクされない他のセンサを含むこともできる。制御モジュール110は、本実施形態において、受信された入力を使用して、様々な制御機能、例えば、フロー制御130を通り熱エネルギー貯蔵器150に到達する水流の又は水を加熱するための電気加熱要素160の制御を実行するように構成される。
【0017】
ヒートポンプは一般に、電気抵抗ヒータと比較して、水を加熱するのによりエネルギー効率が高く、水を加熱するために使用することができる前に熱エネルギー貯蔵媒体を所望の動作温度に到達させるために、熱エネルギーの十分な量を熱エネルギー貯蔵媒体へと移動させるのに時間が必要であり、したがって、ヒートポンプは、電気抵抗ヒータと比較して、水の同じ量を同じ温度まで加熱するのにより長い時間がかかる。さらに、いくつかの実施形態において、ヒートポンプ140は例えば、加熱時に固体から液体に変化する相変化材料(PCM)を熱エネルギー貯蔵媒体として使用してもよい。したがって、固体化することができた場合には、ヒートポンプは、最初に十分な量の熱を移動させてPCMを固体から液体に変えさせるのにさらなる時間が必要とされることがあり、その後、液化された熱貯蔵媒体の温度をさらに上昇させることができる。この手法で水を加熱すると時間はかかるが、電気加熱要素と比較して水を加熱するのに消費するエネルギーがより少なく、したがって、全体として、エネルギーは節約され、加熱水を提供するためのコストは低減される。
[相変化材料]
【0018】
本実施形態において、相変化材料をヒートポンプ用の熱貯蔵媒体として使用することができる。相変化材料の1つの好適なクラスは、家庭内の熱水を供給するための、及びヒートポンプとの組み合わせで使用するための対象温度での固液相変化を有するパラフィンワックスである。特に興味深いのは摂氏40~60度(℃)の範囲の温度で溶融するパラフィンワックスであり、この範囲内では、ろうは、特定の用途に適するように異なる温度で溶融することが見いだされることが可能である。典型的な潜熱容量は、約180kJ/kgと230kJ/kgとの間であり、液相においてはおそらく2.27Jg-1K-1、固相においては2.1Jg-1K-1の比熱容量である。核融合の潜熱を使用して非常に大きな量のエネルギーを貯蔵することができることが理解できる。より多くのエネルギーがさらに、融点よりも高い相変化液体を加熱することによって貯蔵することができる。例えば、電気コストが比較的低いオフピーク期間中に、ヒートポンプは、熱エネルギー貯蔵器を標準より高い温度まで「チャージ」するように動作され、熱エネルギー貯蔵器を「過度に加熱」してもよい。
【0019】
ろうの好適な選択は、n-トリコサンC23又はパラフィンC20-C33などの、ヒートポンプが約51℃の温度で動作することを必要とし、例えば台所の蛇口、シャワー/浴室の蛇口に十分な、一般の家庭内の熱水向けの約45℃の満足な温度まで水を加熱することが可能な、約48℃に融点があるものであってもよい。所望の場合、水の温度を下げるためにフローに冷水を追加してもよい。ヒートポンプの温度性能に対して検討を行う。一般に、ヒートポンプによって加熱される流体の入力温度と出力温度との間の最大の差は、10℃と高い場合もあるが、5℃~7℃の範囲に維持されるのが好ましい。
【0020】
パラフィンワックスは、熱エネルギー貯蔵媒体としての使用に好ましい材料であるが、他の好適な材料もまた使用することができる。例えば、含水塩もまた、本発明のような潜熱エネルギー貯蔵システムに好適である。本文脈において、含水塩は、無機塩と水との混合物であり、相変化では水の全て又は多くを失うものである。相遷移において、水和結晶は無水(又はより水を含まない)塩と水に分離される。含水塩の利点は、パラフィンワックスよりもはるかに高い熱伝導性を有し(2~5倍高い)、位相遷移に伴う体積変化がはるかに小さいことである。現在の用途に好適な含水塩は、約48℃~49℃の融点、及び200~220kJ/kgの潜熱を有するNa2S2O3・5H2Oである。
MLAの概要
【0021】
当技術分野では、多くの異なるタイプのMLA(機械学習アルゴリズム:Machine Learning Algorithm)が知られている。大まかに言えば、3つのタイプのMLAがある。すなわち、教師あり学習ベースのMLA、教師なし学習ベースのMLA、及び強化学習ベースのMLAである。
【0022】
教師あり学習のMLAプロセスは、所与の予測因子のセット(独立変数)から予測されるはずの目標-結果変数(又は従属変数)に基づく。これらの変数のセットを使用して、MLAは、(訓練中に)入力を所望の出力にマッピングする関数を生成する。訓練(training、トレーニング)プロセスは、MLAが、有効性確認データに対して所望の正確さのレベルを達成するまで、継続する。教師あり学習ベースのMLAの例は、回帰(Regression)、決定木(Decision Tree)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ロジスティック回帰(Logistic Regression)などを含む。
【0023】
教師なし学習ベースのMLAは、目標又は結果変数を予測することは本質的に含まない。そのようなMLAは、値の集団を異なるグループへとクラスタリングするために使用され、特定の介入のために顧客を異なるグループへと区分けするために広く使用されている。教師なし学習のMLAの例は、演繹的アルゴリズム、k-meansを含む。
【0024】
強化学習のMLAは、特定の決定を行うように訓練される。訓練中、MLAは、トライアンドエラーを使用して自身を継続的に訓練する訓練環境にさらされる。MLAは、過去の経験から学習し、正確な決定を行うために最良の知識を獲得しようと試みる。強化学習のMLAの例は、マルコフ決定過程である。
【0025】
異なる構造又はトポロジを有する異なるタイプのMLAは、様々なタスクのために使用されてもよいことが理解されるべきである。1つの特定のタイプのMLAは、ニューラルネットワーク(NN:neural network)としても知られる人工ニューラルネットワーク(ANN:artificial neural network)を含む。
[ニューラルネットワーク(NN)]
【0026】
一般的に言えば、所与のNNは、演算に対してコネクショニスト(connectionist)手法を使用して情報を処理する人工「ニューロン」の相互接続されたグループからなる。NNは、入力と出力との間の複雑な関係性をモデリングするため(実際には関係性を知らずに)、又はデータにおけるパターンを見いだすために使用される。NNは最初に、既知の「入力」のセットと、(モデリングされようと試みられている所与の状況のための)適切な出力を生成するようにNNを適合するための情報とが提供される訓練フェーズにおいてコンディショニングされる。この訓練フェーズ中に、所与のNNは、学習されている状況に適合し、(学習されたことに基づいて)新たな状況において所与の入力に対して理にかなった予想出力が提供できるように構造を変化させる。このように、所与のNNは、所与の状況に対する複雑な統計的な構成又は数学的なアルゴリズムを決定しようと試みるのではなく、状況に対する「感覚」に基づいて「直観的な」答えを提供することを目的とする。したがって、所与のNNは、訓練された「ブラックボックス」であると考えられ、「ブラックボックス」は、「ボックス」において発生することが重要でないときの状況において、所与の入力のセットに対して理にかなった答えを決定するように使用することができる。
【0027】
NNは、所与の入力に基づいて出力を知ることのみが重要であるそのような多くの状況で通常使用されるが、厳密にその出力がどのように導出されるかについてはあまり重要ではない又は重要ではない。例えば、NNは通常、サーバ間の、及びフィルタリング、クラスタリング、信号分離、圧縮、ベクトル生成などを含むデータ処理における、ウェブトラフィックの分布を最適化するために使用される。
[ディープニューラルネットワーク]
【0028】
本技術のいくつかの非限定的な実施形態において、NNはディープニューラルネットワークとして実装される可能性がある。NNは様々なNNのクラスに分類されることが可能であり、これらのクラスのうちの1つは回帰性ニューラルネットワーク(RNN)を含むことが理解されるべきである。
回帰性ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)
【0029】
RNNは、入力のシーケンスを処理するためにその「内部状態」(記憶されたメモリ)を使用するように構成される。これにより、RNNは、例えば、区分けされていない筆跡の識別及び音声の識別などのタスクによく適するようになる。RNNのこれらの内部状態は、制御されることができ、「ゲーテッド」状態又は「ゲーテッド」メモリと称される。
【0030】
RNN自体はさらに、RNNの様々な下位クラスへと分類されることができることもまた留意されるべきである。例えば、RNNは、長い短期メモリ(LSTM:Long Short-Term Memory)ネットワーク、ゲーテッド回帰ユニット(GRU:Gated Recurrent Unit)、二方向性RNN(BRNN:Bidrectional RNN)などを備える。
【0031】
LSTMネットワークは、ある意味で、非常に短いより以前の個別の時間ステップ中に発生した事象の「記憶」を必要とするタスクを学習することができる深層学習システムである。LSTMネットワークのトポロジは、実行することを「学習する」特定のタスクに基づいて変動する可能性がある。例えば、LSTMネットワークは、事象間で比較的長い遅れが発生する、又は事象が低い頻度で及び高い頻度で共に発生するときのタスクを実行することを学習してもよい。特定のゲーテッド機構を有するRNNは、GRUと称される。LSTMネットワークとは異なり、GRUには「出力ゲート」がなく、以てLSTMネットワークよりも有するパラメータが少ない。BRNNは、過去の状態と同様に未来の状態からも情報を使用できる可能性がある、反対方向に接続されたニューロンの「隠れた層」を有することができる。
残りのニューラルネットワーク(ResNet:Residual Neural Network)
【0032】
本技術の非限定的な実施形態を実施するために使用されることが可能なNNの別の例は、残りのニューラルネットワーク(ResNet)である。
【0033】
深層ネットワークは、生来、低/中/高レベルの特徴及び分類器をエンドツーエンドの多層の様式で統合し、特徴の「レベル」は、積層された層の数(深さ)によって高めることができる。
【0034】
要約すると、本技術の文脈における1つ又は複数のMLAのうちの少なくとも一部分の実施は、広く2つのフェーズ、訓練フェーズ及び使用中フェーズへとカテゴライズすることができる。最初に、所与のMLAが、1つ又は複数の適切な訓練データセットを使用して訓練フェーズにおいて訓練される。次いで、一旦、所与のMLAはどのデータを入力として期待するか及びどのデータを出力として提供するかについて学習した後、使用中フェーズにおいて使用中のデータを使用して所与のMLAを実行する。
【0035】
図2は、例えば、家庭環境においてユーティリティ使用量を制御するための方法の実施形態を示している。方法はS2001で始まり、S2001で、ユーザは、水出口(例えば浴室シンクの蛇口)を始動させるか、又は開けて、水出口から遠隔に配設された水加熱システムによって供給される加熱水を受け取り、水加熱システムは、
図1の制御モジュール110によって制御され、制御モジュール110は、水出口から遠隔に、及び、水出口の下にある物体(例えば、手を洗っている人の手)の存在を感知するために水出口に又は水出口の近くに配設されたセンサ(例えば、
図1に示す、センサ170-nのうちの1つ)と通信状態にあるように配設される。S2002において、制御モジュール110はセンサから信号を受信し、S2003において、水出口の下に物体が存在するかどうかを判定する。制御モジュールが、物体が存在すると判定した場合、方法はS2002に戻り、制御モジュールはセンサからの信号をモニタし続ける。制御モジュールが、物体が水出口の下に存在しないと判定した場合、S2004において、制御モジュールは、水出口に供給される加熱水の温度を低下させるように、及び/又は水出口に供給される加熱水の流量を低下させるように水加熱システムを制御する。次いで、方法はS2002に戻り、制御モジュールはセンサからの信号をモニタし続ける。そのようにすることにおいて、加熱水は水出口に供給され続けることができるが、エネルギー及び/又は水の使用量は低減される。例えば、ユーザが蛇口の下で加熱水で手を洗っているとき、ユーザが蛇口の下から手を除けて、例えば石けんに伸ばした場合、制御モジュールは加熱水の温度及びフローを低下させてエネルギー及び水を節約することができ、次いで、ユーザは手を蛇口に戻すと、加熱水の温度及びフローは初期レベルに戻されることが可能である。
【0036】
ユーザが蛇口を閉め忘れることがある場合がある可能性がある。したがって、代替の実施形態において、又は前の実施形態に加えて、加熱水が供給されるように水出口が始動されると、制御モジュールと通信状態にあるタイマが始動されて経過時間を記録する。S2005において、制御モジュールはタイマから信号を受信し、水出口からの加熱水の継続的な供給に対する経過時間Tを決定する。制御モジュールがS2006において、経過時間Tがあらかじめ定められた第1の閾値T1を超えていないと判定した場合、方法はS2005に戻り、制御モジュールはタイマからの信号をモニタし続ける。制御モジュールがS2006において、経過時間Tが第1の閾値T1を超えたと判定した場合、制御モジュールはS2007において警告シーケンスを開始し、警告シーケンスは、ユーザに、水出口は継続的に時間T1の間開いており、加熱水がもう必要ない場合、水出口を閉めるように促すように警告するために水出口で又は水出口の近くで音を発生させるか又は光信号を始動させることを含んでもよい。S2008において、制御モジュールは、経過時間Tが、第1の閾値T1よりも高いあらかじめ定められた第2の閾値T2を超えたかどうかを判定する。経過時間Tが第2の閾値T2を超えていないと判定された場合、方法はS2005に戻り、制御モジュールはタイマからの信号をモニタし続ける。制御モジュールがS2008において、経過時間Tが第2の閾値T2を超えたと判定した場合、次いで、制御モジュールは、S2009において水出口への加熱水の供給を止めるように水加熱システムを制御する。そのようにすることにおいて、加熱水がもはや必要とされないとき、エネルギー及び水は浪費されない。例えば、ユーザが手を洗った後に蛇口を閉め忘れた場合、又は子供が遊びのために蛇口を開けたままとした場合、加熱水の供給は自動的に停止しエネルギー及び水を節約することができる。あらかじめ値を定めることに加えて、2つの閾値T1及びT2の値はさらに、特定の建物内の水流の過去の使用量に基づいて訓練されてきた人工知能アルゴリズム(深層学習又は他のMLAなど)によって予測値を導出することによって決定することができるので、そのような水の使用が特定の家庭又は商業建物にとって正常である状況では、警告は生成されず水は止まらない。
【0037】
実施形態において、経時的に収集された加熱水使用量データ(S2010)は、ユーザに使用習慣を再検討及び潜在的に修正させるように促しエネルギー及び水の使用量を低減させるツールとして、使用量レポートを生成する(S2011)ために使用することができる。
【0038】
図3は、あらかじめ定められた温度を低減した水供給モード又は予算に基づいて加熱水の温度を調節するための方法の実施形態を示す。方法は、S2201において、エネルギーモード及び/又は加熱水使用量モードを設定することによって始まる。モードは、ユーザインターフェースを通じてユーザによって、又はソフトウェア機能によって若しくは、例えば平均的な使用に基づいてコスト効果のあるモードを決定する人工知能(AI)方法によって設定されてもよい。S2202において、ユーザが水出口を始動させて又は開いて加熱水を受け取ると、S2203において、制御モジュールは、例えば上述のように経過時間Tを決定する。S2204において、制御モジュールは、経過時間Tがあらかじめ定められた第3の閾値T3を超えたと判定した場合、制御モジュールは、水出口を開いたときにユーザによって設定された第1の温度からあらかじめ定められた第2のより低い温度に水出口に供給される加熱水の温度を低下させるように、S2206において水加熱システムを制御する。この温度の低下は、突然の低下ではなく、温度の段階的な低下であるのが好ましく、例えば、シャワーを浴びている間により高に温度に調節していたユーザに衝撃を与えないようにするものである。段階的な低下速度は、例えば、5秒ごとに摂氏1度であってもよい。
【0039】
S2204において、制御モジュールは、経過時間Tが第3の閾値T3を超えていないと判定した場合、制御モジュールは、S2205において、例えば、水加熱システムからの水流に基づいて、水出口はまだ加熱水を供給しているかどうかを判定する。水出口はまだ加熱水を供給していると判定された場合、方法はS2203に戻り、制御モジュールは経過時間Tをモニタし続ける。水出口はもはや加熱水を供給していないと判定された場合、方法は終了する。本実施形態において、第3の閾値T3及び第2の温度は、エネルギー予算及び/又は加熱水使用量予算に基づいて制御モジュールによって設定される。したがって、こうすることにおいて、予算に対してエネルギー支出を維持するように加熱水使用量を制御及び調節することができる。
【0040】
AIの方法又はアルゴリズム(例えば、
図1におけるMLA120)は、ユーザによる水供給システムの過去の使用量に基づいて訓練データによって訓練された後に、第1及び第2の温度の値並びに時間期間の値を予測するのが好ましい。
【0041】
図4は、現在のエネルギー料金に基づいて水出口(例えば蛇口)によってエネルギー及び水の消費を調節するための方法の実施形態を示す。方法は、S2101で始まり、S2101で、制御モジュール110は、例えば、エネルギー供給者から受信されたデータに基づいて、並びに/又はパブリックドメイン(例えば、エネルギー供給者は、ピークエネルギー料金が適用可能な日時、及びオフピークエネルギー料金が適用可能な日時の公知を提供することができる)から取得されたデータに基づいて現在のエネルギー料金を決定する。S2102において、制御モジュールは、現在のエネルギー料金が、エネルギーの単位コストが高いピーク料金であると決定した場合、低減した消費設定に入るように水加熱システムを制御する。制御モジュールは、低減した消費設定において複数の異なるピークタイム戦略を実行するようにプログラムされてもよい。ここに挙げたのはその一例であり、網羅的なものではない。
【0042】
S2103において、制御モジュールは、水加熱システムがより低流量の及び/又はより温度が低い加熱水を提供するように制御することができる。特に、制御モジュール110は、ピーク料金がS2102において検出された場合、水出口への水の流量を第1の流量から第1の流量よりも低い第2の流量に低減するようにフロー制御130を制御することができる。制御モジュール110は、さらに(又は代替的に)、ピーク料金がS2102において検出された場合、第1の温度から第1の温度よりも低い第2の温度に温度を低下させてより低い温度を達成するように、熱水加熱温度を制御することができる。第1及び第2の流量の値、並びに/又は第1及び第2の温度はユーザによって、若しくはユーティリティ会社によって設定されることが可能であり、又は建物による過去のユーティリティ使用量に基づいて、あらかじめ訓練データを使用して訓練された人工知能アルゴリズム若しくはMLAを使用することによって予測されることが可能である。
【0043】
S2104において、制御モジュール110は、例えば加熱目標に従って、中央加熱システムに提供される加熱水の量及び/又は温度を低減するように水加熱システムを制御することができる。例えば、温度は1又は2℃低下させることができる。
【0044】
S2105において、制御モジュール110は、例えば、熱エネルギー貯蔵器から熱エネルギーを抽出することによって、加熱水を提供するためにより低コストの熱源に切り替えるように水加熱システムを制御することができる。
【0045】
S2102において、制御モジュールが、現在のエネルギー料金がエネルギーの単位コストが低いオフピーク料金であると決定した場合、制御モジュールは、水加熱システムがエネルギー貯蔵設定に入るように制御する。制御モジュールは、エネルギー貯蔵設定において、複数の異なるオフピーク時間戦略を実行するようにプログラムされてもよい。ここに挙げたのはその一例であり、網羅的なものではない。
【0046】
S2106において、熱エネルギー貯蔵器が、エネルギーの単位コストが低いときに所望の又は好適な温度まで予加熱されて、その結果、後で、例えば、エネルギーの単位コストが高いときに、貯蔵された熱エネルギーが抽出されて水を加熱することができる(ステップS2105に関する上述など)。所望の又は好適な温度は、ユーティリティの過去の使用量からのデータに基づいて訓練された人工知能アルゴリズム(例えばMLA)によってなされた予測によって決まる可能性がある。
【0047】
S2107において、水加熱システムは、加熱出力を増大させるために中央加熱システムに提供された加熱水の量及び/又は温度を増大させるように制御されることが可能であり、その結果、追加の熱エネルギーが建物構造自体によって貯蔵されて後で抽出されることが可能である。
【0048】
制御モジュール110はソフトウェアにプログラムされて上述の機能を実行するものであり、
図2、3及び4に示されている。代替的に、制御モジュールは、ハードウェア論理に物理的に組み込まれて上述の機能を実行する。
【0049】
当業者によって理解されることであるが、本技法は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。したがって、本技法は、完全なハードウェアの実施形態、完全なソフトウェアの実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアを結合する実施形態の形態をとることができる。
【0050】
さらに、本技法は、具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、限定されるものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、若しくは半導体システム、装置、若しくはデバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせであってもよい。
【0051】
本技法の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、オブジェクト指向プログラミング言語及び従来の手続型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせにおいて記述されてもよい。
【0052】
例えば、本技法の動作を実行するためのプログラムコードは、C若しくはアセンブリコード、ASIC(特定用途向け集積回路:Application Specific Integrated Circuit)若しくはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ:Field Programmable Gate Array)をセットアップ若しくは制御するためのコード、若しくはVerilogTM若しくはVHDL(超高速集積回路ハードウェア記述言語:Very high-speed integrated circuit Hardware Description Language)などのハードウェア記述言語のためのコードなどの従来のプログラミング言語でのソース、オブジェクト又は実行可能なコードを含むことができる。
【0053】
コードコンポーネントは手順、方法などとして具現化されてもよく、高レベルのコンパイル型又は解釈型言語構成体に設定された固有命令の直接的な機械命令から任意の抽出レベルで命令の形態又は命令のシーケンスをとることができるサブコンポーネントを備えてもよい。
【0054】
本技法の好ましい実施形態による論理方法の全て又は一部は、方法のステップを実行する論理要素を備える論理装置において好適に具現化することができ、そのような論理要素は、論理ゲートインなどのコンポーネント、例えば、プログラマブル論理アレイ又は特定用途向け集積回路を含むことができることが当業者の一人であればさらに明らかであろう。そのような論理構成は、例えば、固定の又は伝達できるキャリア媒体を使用して記憶又は伝送させることができる実質的なハードウェア記述子言語を使用するそのようなアレイ又は回路における論理構造を一時的に又は永続的に確立するための有効化する要素においてさらに具現化されることが可能である。
【0055】
本明細書に記載された例及び条件文は、本技術の原理を理解する点において読者を助けることを意図するものであり、本技術の原理の範囲をそのような具体的に記載された例及び条件に限定することを意図するものではない。当業者は、本明細書に明確に記述又は示されていなくても、本技術の原理を具現化し添付の請求項によって規定されている範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されるであろう。
【0056】
さらに、理解の助けとして、上の記述は、本技術の比較的単純化された実装形態を記述することができる。当業者であれば理解するように、本技術の様々な実装形態は、ますます複雑になる可能性がある。
【0057】
いくつかの事例では、本技術に対して役立つ修正例であると信じられることが、さらに、記載されてもよい。これは、理解を単に助けるものとして行われ、再度、本技術の範囲を限定するものでも境界を定めるものでもない。これらの修正は網羅的なリストではなく、当業者であれば、本技術の範囲内を維持したままにもかかわらず他の修正を行うことができるものである。さらに、修正の例が記載されていなかった場合、修正ができないと、及び/又は記述されているのは、本技術の要素を実装する唯一の様式であると解釈されるべきではない。
【0058】
さらに、技術の原理、態様、及び実装形態並びにその特定の例を記載する本明細書の全ての文は、現在知られているかそれとも将来開発されるかにかかわらず、構造的及び機能的な等価物を包含することを意図するものである。したがって、例えば、本明細書における任意のブロック図は、本技術の原理を具現化する例示的な回路構成の概念図を表すものであることが当業者には理解されるであろう。同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどが、実質的に、コンピュータ可読媒体において表され、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されていようとなかろうと、そのようなコンピュータ又はプロセッサによってそのように実行される様々なプロセスを表すことが理解されるであろう。
【0059】
図に示される様々な要素の機能は、専用のハードウェアと、適切なソフトウェアと関連があるソフトウェアを実行することができるハードウェアとの使用を通じてもたらされてもよい。プロセッサ又は制御モジュールによってもたらされるとき、機能は単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又はそのうちのいくつかが共有されてもよい複数の個々のプロセッサによってもたらされてもよい。さらに、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の明らかな使用は、独占的にソフトウェアを実行することができるハードウェアを指すものと解釈されるべきではなく、限定はしないが、暗黙的にデジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び不揮発性ストレージを含んでもよい。他の従来型/カスタム型のハードウェアがさらに含まれてもよい。
【0060】
ソフトウェアモジュール、又はソフトウェアであることを含意する単にモジュールは、本明細書では、フローチャート要素、若しくはプロセスステップの実行を表す他の要素、及び/又は文字の記述の任意の組み合わせとして表されてもよい。そのようなモジュールは、明確に又は暗黙的に示されるハードウェアによって実行されてもよい。
【0061】
多くの改善及び修正が、本技法の範囲から逸脱することなく上述の例示的な実施形態になされることが可能であることが当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水出口に提供される水供給を制御するための水供給システム向けのヒータ装置システムであって、前記水出口が加熱水をユーザに提供するように構成されており、前記ヒータ装置システムが、
前記水出口から遠隔に配設された水加熱デバイスと、
前記水加熱デバイスに通信可能に結合された制御ユニットと、
を備え、前記制御ユニットが、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうかを判定し、
b)前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するように構成されており、
前記低減された消費モードが、
水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減すること
、又は
水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度よりも低い、低下させること
のいずれかを含む、ヒータ装置システム。
【請求項2】
前記判定するステップが、さらに、前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、請求項1に記載のヒータ装置システム。
【請求項3】
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると決定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、請求項2に記載のヒータ装置システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、前記制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、請求項1~
3のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項5】
前記人工知能アルゴリズムが前記第1及び第2の温度の値又は前記第1及び第2の流量の値を予測し、前記アルゴリズムは、前記水供給システムの過去の使用量と関連付けられたデータに基づいて以前に訓練されたものである、請求項
4に記載のヒータ装置システム。
【請求項6】
前記低減された消費モードが、加熱目標に従って、前記ヒータ装置システムによって提供される水の量又は温度を低減することを含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項7】
前記低減された消費モードが、加熱水を提供するための代替的な熱源に切り替えることを含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項8】
前記代替的な熱源が熱エネルギー貯蔵器である、請求項7に記載のヒータ装置システム。
【請求項9】
前記エネルギー貯蔵モードが
、
熱エネルギー貯蔵器を第1の温度まで予加熱すること
、又は
さらなる熱エネルギーが前記ヒータ装置システムを収容する建物の構造によって貯蔵されることが可能なように、加熱出力を増大させるために前記水供給システムに提供される加熱水の前記量及び/又は温度を増大させること
のいずれかを含む、請求項3に記載のヒータ装置システム。
【請求項10】
前記水加熱デバイスがヒートポンプ及び熱エネルギー貯蔵デバイスを備える、請求項1~
9のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項11】
前記熱エネルギー貯蔵デバイスが相変化材料デバイスである、請求項
10に記載のヒータ装置システム。
【請求項12】
前記相変化材料がパラフィンワックスである、請求項
11に記載のヒータ装置システム。
【請求項13】
前記パラフィンワックスが40℃~60℃の温度で溶融する、請求項
12に記載のヒータ装置システム。
【請求項14】
前記相変化材料の潜熱容量は、約180kJ/kgと230kJ/kgとの間であり、液相においては
約2.27Jg
-1K
-1、固相においては
約2.1Jg
-1K
-1の比熱容量である、請求項
11~13のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項15】
水供給システムにおいて水出口に提供される水供給を制御する方法であって、前記水出口が水加熱デバイスからユーザに加熱水を提供するように構成されており、前記方法が、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうか判定するステップと、
b)前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するステップであり、
前記低減された消費モードが、
水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減すること
、又は
水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度より低い、低下させること
のいずれかを含む、設定するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記判定するステップがさらに前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、請求項
15に記載の方法。
【請求項19】
機械可読コードを含むコンピュータ可読媒体であって、前記機械可読コードが、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項
15~18のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
通信チャネルを介して水供給システムの動作を制御するように構成された制御モジュールであって、前記水供給システムが、主管からの水を加熱するように構成され前記制御モジュールによって制御される加熱システムを備え、前記水供給システムが、前記加熱システムによって加熱された水を1つ又は複数の水出口においてユーザに提供するように構成されており、前記制御モジュールが、請求項
15~18のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、あらかじめ構成されたハードウェア論理コンポーネントを有する、又は実行するソフトウェアを有するプロセッサを備える、制御モジュール。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
多くの改善及び修正が、本技法の範囲から逸脱することなく上述の例示的な実施形態になされることが可能であることが当業者には明らかであろう。
[発明の項目]
[項目1]
水出口に提供される水供給を制御するための水供給システム向けのヒータ装置システムであって、前記水出口が加熱水をユーザに提供するように構成されており、前記ヒータ装置システムが、
前記水出口から遠隔に配設された水加熱デバイスと、
前記水加熱デバイスに通信可能に結合された制御ユニットと、
を備え、前記制御ユニットが、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうかを判定し、
前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するように構成されており、前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減することを含む、ヒータ装置システム。
[項目2]
前記判定するステップが、さらに、前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、項目1に記載のヒータ装置システム。
[項目3]
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると決定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、項目2に記載のヒータ装置システム。
[項目4]
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度よりも低い、低下させることを含む、項目1~3のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目5]
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、前記制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、項目1~4のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目6]
前記人工知能アルゴリズムが前記第1及び第2の温度の値又は前記第1及び第2の流量の値を予測し、前記アルゴリズムは、前記水供給システムの過去の使用量と関連付けられたデータに基づいて以前に訓練されたものである、項目5に記載のヒータ装置システム。
[項目7]
前記低減された消費モードが、加熱目標に従って、前記ヒータ装置システムによって提供される水の量又は温度を低減することを含む、項目1~6のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目8]
前記低減された消費モードが、加熱水を提供するための代替的な熱源に切り替えることを含む、項目1~7のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目9]
前記代替的な熱源が熱エネルギー貯蔵器である、項目8に記載のヒータ装置システム。
[項目10]
前記エネルギー貯蔵モードが熱エネルギー貯蔵器を第1の温度まで予加熱することを含む、項目3、又は項目3に従属するときの項目4~9のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目11]
前記エネルギー貯蔵モードは、さらなる熱エネルギーが前記ヒータ装置システムを収容する建物の構造によって貯蔵されることが可能なように、加熱出力を増大させるために前記水供給システムに提供される加熱水の前記量及び/又は温度を増大させることを含む、項目3、又は項目3に従属するときの項目4~10のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目12]
前記水加熱デバイスがヒートポンプ及び熱エネルギー貯蔵デバイスを備える、項目1~11のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目13]
前記熱エネルギー貯蔵デバイスが相変化材料デバイスである、項目12に記載のヒータ装置システム。
[項目14]
前記相変化材料がパラフィンワックスである、項目13に記載のヒータ装置システム。
[項目15]
前記パラフィンワックスが40℃~60℃の温度で溶融する、項目14に記載のヒータ装置システム。
[項目16]
前記相変化材料の潜熱容量は、約180kJ/kgと230kJ/kgとの間であり、液相においてはおそらく2.27Jg
-1
K
-1
、固相においては2.1Jg
-1
K
-1
の比熱容量である、項目13、14、又は15のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
[項目17]
水供給システムにおいて水出口に提供される水供給を制御する方法であって、前記水出口が水加熱デバイスからユーザに加熱水を提供するように構成されており、前記方法が、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうか判定するステップと、
b)前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するステップであり、前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減することを含む、設定するステップと、
を含む、方法。
[項目18]
前記判定するステップがさらに前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、項目17に記載の方法。
[項目19]
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量より低い、低減することを含む、項目17~19のいずれか一項に記載の方法。
[項目21]
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度より低い、低下させることを含む、項目17~20のいずれか一項に記載の方法。
[項目22]
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、項目20又は21に記載の方法。
[項目23]
機械可読コードを含むコンピュータ可読媒体であって、前記機械可読コードが、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに項目17~22のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
[項目24]
通信チャネルを介して水供給システムの動作を制御するように構成された制御モジュールであって、前記水供給システムが、主管からの水を加熱するように構成され前記制御モジュールによって制御される加熱システムを備え、前記水供給システムが、前記加熱システムによって加熱された水を1つ又は複数の水出口においてユーザに提供するように構成されており、前記制御モジュールが、項目17~22のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、あらかじめ構成されたハードウェア論理コンポーネントを有する、又は実行するソフトウェアを有するプロセッサを備える、制御モジュール。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水出口に提供される水供給を制御するための水供給システム向けのヒータ装置システムであって、前記水出口が加熱水をユーザに提供するように構成されており、前記ヒータ装置システムが、
前記水出口から遠隔に配設された水加熱デバイスと、
前記水加熱デバイスに通信可能に結合された制御ユニットと、
を備え、前記制御ユニットが、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうかを判定し、
前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するように構成されており、前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減することを含む、ヒータ装置システム。
【請求項2】
前記判定するステップが、さらに、前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、請求項1に記載のヒータ装置システム。
【請求項3】
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると決定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、請求項2に記載のヒータ装置システム。
【請求項4】
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度よりも低い、低下させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項5】
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、前記制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項6】
前記人工知能アルゴリズムが前記第1及び第2の温度の値又は前記第1及び第2の流量の値を予測し、前記アルゴリズムは、前記水供給システムの過去の使用量と関連付けられたデータに基づいて以前に訓練されたものである、請求項5に記載のヒータ装置システム。
【請求項7】
前記低減された消費モードが、加熱目標に従って、前記ヒータ装置システムによって提供される水の量又は温度を低減することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項8】
前記低減された消費モードが、加熱水を提供するための代替的な熱源に切り替えることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項9】
前記代替的な熱源が熱エネルギー貯蔵器である、請求項8に記載のヒータ装置システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モードが熱エネルギー貯蔵器を第1の温度まで予加熱することを含む、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~9のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵モードは、さらなる熱エネルギーが前記ヒータ装置システムを収容する建物の構造によって貯蔵されることが可能なように、加熱出力を増大させるために前記水供給システムに提供される加熱水の前記量及び/又は温度を増大させることを含む、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~10のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項12】
前記水加熱デバイスがヒートポンプ及び熱エネルギー貯蔵デバイスを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項13】
前記熱エネルギー貯蔵デバイスが相変化材料デバイスである、請求項12に記載のヒータ装置システム。
【請求項14】
前記相変化材料がパラフィンワックスである、請求項13に記載のヒータ装置システム。
【請求項15】
前記パラフィンワックスが40℃~60℃の温度で溶融する、請求項14に記載のヒータ装置システム。
【請求項16】
前記相変化材料の潜熱容量は、約180kJ/kgと230kJ/kgとの間であり、液相においてはおそらく2.27Jg
-1K
-1、固相においては2.1Jg
-1K
-1の比熱容量である、請求項13、14、又は15のいずれか一項に記載のヒータ装置システム。
【請求項17】
水供給システムにおいて水出口に提供される水供給を制御する方法であって、前記水出口が水加熱デバイスからユーザに加熱水を提供するように構成されており、前記方法が、
a)現在のエネルギー料金がピーク料金であるかどうか判定するステップと、
b)前記現在のエネルギー料金がピーク料金であると判定されると、ヒータ装置システムを低減された消費モードに設定するステップであり、前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量よりも低い、低減することを含む、設定するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記判定するステップがさらに前記エネルギー料金がオフピーク料金であるかどうかを判定する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記現在のエネルギー料金がオフピーク料金であると判定されると、前記ヒータ装置システムをエネルギー貯蔵モードに設定する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の流量を第1の流量から第2の流量に低減することであって、前記第2の流量が前記第1の流量より低い、低減することを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記低減された消費モードが、水出口に供給される加熱水の温度を第1の温度から第2の温度に低下させることであって、前記第2の温度が前記第1の温度より低い、低下させることを含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の温度又は前記第1及び第2の流量が、制御ユニットによって実行される人工知能アルゴリズムによって設定される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
機械可読コードを含むコンピュータ可読媒体であって、前記機械可読コードが、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項17~22のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
通信チャネルを介して水供給システムの動作を制御するように構成された制御モジュールであって、前記水供給システムが、主管からの水を加熱するように構成され前記制御モジュールによって制御される加熱システムを備え、前記水供給システムが、前記加熱システムによって加熱された水を1つ又は複数の水出口においてユーザに提供するように構成されており、前記制御モジュールが、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、あらかじめ構成されたハードウェア論理コンポーネントを有する、又は実行するソフトウェアを有するプロセッサを備える、制御モジュール。
【国際調査報告】