(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】補綴インプラント除去ツールおよびツールセット
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20240124BHJP
A61F 2/32 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
A61B17/88
A61F2/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563463
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2022012238
(87)【国際公開番号】W WO2022155285
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522070042
【氏名又は名称】シンプレックス デザインズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョセ・リヴェラ・ジュニア
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C160LL27
(57)【要約】
補綴インプラントを除去するためのツールセットと関連する方法。ツールセットのツールはさまざまな補綴インプラントの除去に使用できるが、大腿骨インプラントの除去に特に適している。一実施形態では、外側ツールと内側ツールの両方が利用される。外側ツールは、弓形の内部を画定する直立した側壁を有する概ね弓形の形状を含む。外側ツールは、大腿骨インプラントの外側の輪郭に沿った寸法になっている。内側ツールは、内部開口部を画定する対向する側壁を含む。開口部は、大腿骨インプラントのネックを受け入れるサイズであり、それによってツールが内側骨/インプラント界面に密接に従うことを可能にする。別の実施形態では、J字型ツールおよびL時型ツールを利用して、大腿骨インプラントのアンダーカットの下を切断する。ツールセット内のツールは、一緒に、または個別に使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨インプラントを除去するためのツールであって、
近位端と、
前記近位端近くの近位コネクタと、
先端縁を有する遠位端と、
弓形の外側壁であって、前記遠位端が前記大腿骨インプラントの外側に沿ってほぼ密接して大腿骨に貫入することを可能にする、外側壁と、
前記近位端から前記遠位端に延在し、切断のために構成されている側縁と、
を備える、ツール。
【請求項2】
前記側縁が湾曲している、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
除去されるインプラントの機能部が通過することができる、前記外側壁に配置された少なくとも1つの開口部をさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項4】
前記外側壁には1つの開口部のみがある、請求項3に記載のツール。
【請求項5】
前記開口部は、長方形であり、前記ツールの長手方向軸に沿った長さを有し、前記開口部の前記長さは、前記開口部の幅より大きい、請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記開口部の近位縁は、前記側縁の近位端より遠位側にある、請求項4に記載のツール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部が鋭利な縁部を有する、請求項3に記載のツール。
【請求項8】
前記先端縁が鋭利である、請求項1に記載のツール。
【請求項9】
前記先端縁が2つの尖った端部と、前記尖った端部の近位側の面取り部とを有し、前記面取り部は、鋭利である、請求項1に記載のツール。
【請求項10】
前記2つの尖った端部の間の前記先端縁は、湾曲している、請求項9に記載のツール。
【請求項11】
前記2つの尖った端部の間の前記先端縁は、まっすぐである、請求項9に記載のツール。
【請求項12】
前記近位コネクタは、前記先端縁の切断面に対して平行なハンドルに連結するように構成されている、請求項1に記載のツール。
【請求項13】
前記外側壁は、大腿骨インプラント外側の外側形状に整合する内部表面形状を有する、請求項1に記載のツール。
【請求項14】
前記外側壁は、長手方向にまっすぐである、請求項1に記載のツール。
【請求項15】
前記ツールは、追加的な切断要素に対応する1または複数の凹所を有して、インプラントの除去をさらに容易にする、請求項1に記載のツール。
【請求項16】
前記側縁は、前記ツールの前記近位端から前記遠位端に向かって高さが先細である、請求項1に記載のツール。
【請求項17】
前記ツールが大腿骨にどのくらい挿入されたかを測定できるように、少なくとも1つの指標が2つの前記側縁の間に形成されている、請求項1に記載のツール。
【請求項18】
前記指標が窓である、請求項17に記載のツール。
【請求項19】
大腿骨インプラントを除去するためのツールであって、
近位端を有する本体と、
前記近位端近くの近位コネクタと、
前記本体は、遠位端を有し、先端縁を有する遠位端と、
前記遠位端に接続されたフックであって、前記フックのすべての縁部は、切断のために構成されている、フックと、
を備えるツール。
【請求項20】
大腿骨インプラントを除去するためのツールキットであって、
少なくとも1つの外側ツールと、
少なくとも1つの内側ツール、J字型ツール、またはL字型ツールのうちの少なくとも1つと、
を備え、
前記少なくとも1つの外側ツールが、
外側ツール近位端と、
前記外側ツール近位端近くの外側ツール近位コネクタと、
外側ツール先端縁を有する外側ツール遠位端と、
弓形の外側ツール外側壁であって、前記外側ツール遠位端が前記大腿骨インプラントの外側に沿ってほぼ密接して大腿骨に貫入することを可能にする外側ツール外側壁と、
前記外側ツール近位端から前記外側ツール遠位端に延在し、切断のために構成されている、外側ツール側縁と、
を備え、
前記少なくとも1つの内側ツールが、
内側ツール近位端と、
前記内側ツール近位端近くの内側ツール近位コネクタと、
内側ツール先端縁を有する内側ツール遠位端と、
弓形の内側ツール外側壁と、
前記近位端から前記遠位端に延在し、切断のために構成されている側縁と、
前記内側ツール外側壁に配置された少なくとも1つの開口部であって、前記内側ツールが大腿骨に向かって前進する際に、大腿骨インプラントが部分的に通過することができる少なくとも1つの開口部と、
を備え、
前記J字型ツールおよび前記L字型ツールがそれぞれ、
サイドツール近位端と、
前記サイドツール近位端近くのサイドツール近位コネクタと、
サイドツール先端縁を有するサイドツール遠位端と、
前記サイドツール遠位端に接続されたフックであって、前記フックのすべての縁部が切断のために構成されている、フックと、
を備える、ツールキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月14日に出願された仮出願第63/199,654号「補綴インプラント除去ツールおよび関連方法」、および2021年5月25日に出願された仮出願第63/202,053号「インプラント除去ツールセット」、および2021年7月28日に出願された非仮出願第17/387,805号「補綴インプラント除去ツールおよびツールセット」に対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、補綴インプラントを除去するためのツールセットに関する。より具体的には、本開示は、プロテーゼの除去中の骨損失を最小限に抑えるためのツールおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、米国および世界中でますます一般的になっている。関節形成術には、腰、膝、または肩の完全または部分的な置換が含まれる。これらのうち、股関節置換術は最も一般的な手術である。股関節置換術では、外科医は寛骨臼として知られる寛骨臼のソケットを寛骨臼カップに置換する。大腿骨ヘッドも大腿骨インプラントに置換される。大腿骨インプラントには、大腿骨の上端に挿入されるステムと、上向きに伸びる角度の付いたネックが含まれる。ネックは大腿骨の元のネックを模倣し、ヘッドを取り付けるための取り付け点を提供する。これらのインプラントには、骨の成長を促進してインプラントを大腿骨と股関節ソケットに固定するためのコーティングとテクスチャリングが含まれている。
【0004】
ほとんどの人工股関節置換術は、約25年間持続する。この期間を過ぎると、寛骨臼カップと大腿骨インプラントが機能しなくなり、修理または交換が必要になる場合がある。一般的に寿命が延びるにつれて、人々はより長い期間、人工股関節を使用して生活することになる。その結果、股関節の再手術が増加している。人工股関節の再手術は複雑になる可能性があり、多くの場合、元の人工股関節置換術よりもリスクが高くなる。再手術の間、外科医は周囲の骨や組織への損傷を最小限に抑えながら、既存のインプラントを除去しようとする。インプラントは時間をかけて周囲の骨と結合するように設計されているため、しばしば困難な作業となる。再手術中のこの骨の損失を最小限に抑えることで、新しいインプラントを適切に固定することが可能となる。また、再手術の期間と費用を削減し、回復時間をさらに短縮する。プロテーゼの効率的な除去を支援するツールを提供するための努力が長年にわたってなされてきた。
【0005】
この一例は、マッケの特許文献1に開示されている。マッケは、医療用インプラントの摘出方法に関する。この方法によれば、外科用切断ガイドが移植されたプロテーゼに取り付けられる。オステオトームは、外科用切断ガイドのスロットを通して、プロテーゼと骨の間の境界面の特定の位置に導かれる。プロテーゼは、オステオトームを使用して取り外される。次に、オステオトームがスロットから引き抜かれる。スロットは、骨損失を最小化するための湾曲を含むことができる。
【0006】
別のインプラント除去ツールが、マッシーニの特許文献2に開示されている。マッシーニは、プロテーゼと周囲の骨との間の境界面に切削ツールを差し向けるためのガイド手段を開示している。ガイド手段は、プロテーゼのより制御された分離および除去をもたらすために使用される。ガイドはプロテーゼ自体に配置することも、別のコンポーネントに配置することもできる。大腿骨インプラントの場合、ガイドは、インプラントのステムに沿って方向付けられたトラック、チャネル、または溝を含むことができる。
【0007】
アンバーによる特許文献3は、骨からプロテーゼを除去するための装置を開示している。この装置は、切断チップを有する切断ツールと、かなりの外側の屈曲を可能にするように設計された細長いシャンクとを含む。切断ツールに回転運動を提供するためのモーターが含まれる。切断ツールの反対側の手で持つように設計されたハンドルが設けられる。ハンドルは、切断ツールのシャンクを受け入れるための穴を備えたベアリングキャリアを含む。外科医は、ハンドルと切断ツールを操作して、プロテーゼの周囲を切断する。
【0008】
更なる例は、ペンドルトンによる特許文献4に示されている。ペンドルトンは、ハンドルに接続された少なくとも1つのブレードを有する装置を開示している。ブレードの形状は、ブレードの切断チップをインプラントおよび大腿骨に対して所望の位置に配置できるように、インプラントの一部に適合している。ブレードの切断チップが大腿骨からインプラントへの骨の成長を切断するように、ハンドルに力が加えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9,867,628号
【特許文献2】米国特許第6,187,012号
【特許文献3】米国特許第5,257,995号
【特許文献4】米国特許第10,751,070号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
背景技術は、プロテーゼを除去するための様々な装置および技術を示しているが、いずれも重大な欠点を抱えている。すなわち、背景技術の装置は、外科医の技術に大きく依存しており、除去されるプロテーゼの形状に適切に適合するツール、そうでなければ骨損失を最小化するツールを含んでいない。本開示のインプラント除去ツールは、背景技術に存在するこれらおよび他の欠点を克服することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示によれば、大腿骨インプラントを除去するためのツールが提供される。ツールは近位端と、近位端近くの近位コネクタと、先端縁を有する遠位端と、弓形であり、遠位端が大腿骨インプラントの外側に沿って実質的に近接して大腿骨内に貫入することを可能にする外側壁と、近位端から遠位端まで延び、切断するように構成されている側縁とを備える。
【0012】
また、本開示によれば、大腿骨インプラントを除去するためのツールが提供される。ツールは近位端と、近位端近くの近位コネクタと、先端縁を有する遠位端と、遠位端に接続されたフックとを備え、フックのすべての縁部は切断用に構成されている。
【0013】
さらに、本開示によれば、大腿骨インプラントの除去のためのツールセットが提供される。ツールセットは、少なくとも1つの外側ツールと、少なくとも1つの内側ツールと、J字型のツール、またはL字型のツールとを備える。少なくとも1つの外側ツールは、外側ツール近位端と、外側ツール近位端近くの外側ツール近位コネクタと、外側ツール先端縁を有する外側ツール遠位端と、弓形であり、外側ツール遠位端が大腿骨インプラントの外側に沿って実質的に近接して大腿骨内に貫入することを可能にする外側ツール外側壁と、外側ツール近位端から外側ツール遠位端まで延び、切断するように構成された外側ツール側縁とを備える。少なくとも1つの内側ツールは、内側ツール近位端と、内側ツール近位端近くの内側ツール近位コネクタと、内側ツール先端縁を有する内側ツール遠位端と、弓形の内側ツール外側壁と、切断用に構成された近位端から遠位端まで延びる側縁と、内側ツールが大腿骨内に前進する際に、大腿骨インプラントが部分的に通過することを可能にする、内側ツール外側壁に配置された少なくとも1つの開口部とを備える。J字型およびL字型のツールはそれぞれ、サイドツール近位端と、サイドツール近位端近くのサイドツール近位コネクタと、サイドツール先端縁を有するサイドツール遠位端と、サイドツールの遠位端に接続されたフックとを備え、フックのすべての縁部は切断用に構成されている。
【0014】
本開示およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による外側インプラント除去ツールの斜視図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による外側インプラント除去ツールの側面図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による内側インプラント除去ツールの斜視図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による内側インプラント除去ツールの側面図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による内側インプラント除去ツールの底面図である。
【
図6】内側インプラント除去ツールの別の実施形態の斜視図である。
【
図7】内側インプラント除去ツールの別の実施形態の側面図である。
【
図8】内側インプラント除去ツールの別の実施形態の底面図である。
【
図9】外側インプラント除去ツールの別の実施形態の斜視図である。
【
図10】外側インプラント除去ツールの別の実施形態の側面図である。
【
図11】
図10の線11-11に沿った外側インプラント除去ツールの代替実施形態の断面図である。
【
図11A】
図10の外側インプラント除去ツールの異なる断面を示す別の実施形態であり、それぞれ断面線11-11に沿ったものである。
【
図11B】
図10の外側インプラント除去ツールの異なる断面を示す別の実施形態であり、それぞれ断面線11-11に沿ったものである。
【
図11C】
図10の外側インプラント除去ツールの異なる断面を示す別の実施形態であり、それぞれ断面線11-11に沿ったものである。
【
図11D】
図10の外側インプラント除去ツールの異なる断面を示す別の実施形態であり、それぞれ断面線11-11に沿ったものである。
【
図11E】
図10の外側インプラント除去ツールの異なる断面を示す別の実施形態であり、それぞれ断面線11-11に沿ったものである。
【
図12】外側または内側ツールの挿入前の大腿骨インプラントを示す。
【
図18】外側ツールと内側ツールの両方を完全に挿入した状態を示す。
【
図19】外側および内側ツールを取り外した後の大腿骨インプラントを示す。
【
図20】
図3~
図5の内側ツールに固定されたインパクトハンマーの図である。
【
図21】
図1~
図2の外側ツールを挿入するために使用されるインパクトハンマーの図である。
【
図22】外側インプラント除去ツールの別の代替実施形態の斜視図である。
【
図23】
図22に示される外側インプラント除去ツールの正面図である。
【
図24】
図22に示される外側インプラント除去ツールの背面図である。
【
図25】
図22に示される外側インプラント除去ツールの側面図である。
【
図26】
図23の線26-26に沿った、
図22に示される外側インプラント除去ツールの断面図である。
【
図27】外側インプラント除去ツールのさらに別の実施形態の斜視図である。
【
図28】
図27に示される外側インプラント除去ツールの正面図である。
【
図29】
図27に示される外側インプラント除去ツールの背面図である。
【
図30】
図27に示される外側インプラント除去ツールの側面図である。
【
図31】
図28の線31-31に沿った、
図27に示される外側インプラント除去ツールの断面図である。
【
図32】ギグリ線鋸と組み合わせて作動する、
図27に示される外側インプラント除去ツールの図である。
【
図33】外側インプラント除去ツールのさらに別の代替実施形態の斜視図である。
【
図34】
図33に示される外側インプラント除去ツールの端面図である。
【
図35】
図33に示される外側インプラント除去ツールの正面図である。
【
図36】
図33に示される外側インプラント除去ツールの背面図である。
【
図37】
図33に示される外側インプラント除去ツールの側面図である。
【
図38】
図33に示される外側インプラント除去ツールの完全挿入の図である。
【
図39】J字型ツールの一実施形態の斜視図である。
【
図44】L字型ツールの一実施形態の斜視図である。
【
図49】フランジを備えた大腿骨インプラントの図です。
【
図50】
図49に示される大腿骨インプラントのフランジの下を切断する、
図39に示されるJ字型ツールの図である。同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通して同様の部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、補綴インプラントを除去するためのツールおよび関連する方法に関する。このツールは、さまざまな補綴インプラントの除去に使用できるが、大腿骨インプラントの除去に特に適している。一実施形態では、外側ツールと内側ツールの両方が利用される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの外側ツールが、1つまたは複数の内側ツール、J字型ツール、またはL字型ツールのうちの少なくとも1つとともに利用される。例示的で非限定的な実施形態では、外側ツールは、弓形の内部を画定する直立した側壁を有するほぼ弓形の形状を含む。したがって、外側ツールは、大腿骨インプラントの外側の輪郭に沿うように寸法決めされる。一実施形態では、内側ツールは、内部開口部を画定する対向する側壁を含む。開口部は、大腿骨インプラントのネックを受容するサイズであり、それによってツールが内側骨/インプラント界面に密接に従うことを可能にする。これらのツールの詳細、およびそれらを使用できる方法については、以下でさらに詳しく説明する。
【0017】
開示されたツールは、骨/インプラント界面に密接に従うことによって、埋め込まれたプロテーゼを解放するように特別に構成されている。このツールは、肩や股関節のインプラントなど、さまざまなプロテーゼを取り外すために使用できる。しかし、図示された実施形態では、ツールは、
図12に示される大腿骨インプラント20の周囲を切断し、取り外し、除去するために使用される。
図12に示すように、大腿骨インプラント20は、一般に、外側(がいそく)22および内側(ないそく)24を含む。インプラント20は、大腿骨28の上端に挿入されるステム26をさらに含む。骨の成長および大腿骨28へのインプラント20の移植を促進するために、様々なコーティングおよびテクスチャリングを使用することができる。図示のように、インプラント20は、骨の成長および適切な固定が重要であるその上部にテクスチャ加工された部分32を含む。大腿骨インプラント20はまた、インプラント20の本体に対して角度をなすネック34を含む。次いでヘッド(図示せず)がネック34の端部に固定され、ヘッドが最終的に寛骨臼カップ(図示せず)に嵌め込まれる。
【0018】
外側インプラント除去ツール
図1~
図2を参照すると、外側ツール36は、近位端および遠位端(38および42)を含み、遠位端42は、大腿骨28に挿入される先端縁を形成する。ツールをインパクトハンマー(
図20~21)に接続するために、近位端38は、ねじ付き開口44を含む。クイックリリース機構を介してツール36をインパクトハンマーに連結することも可能である。インパクトハンマーの使用については、以下でより詳細に説明する。大腿骨インプラントのサイズと形状はさまざまであるが、多くの場合、外側22は、大腿骨28の輪郭に一致するように湾曲している。このように、外側ツール36は、弧状範囲48を有する外側壁46を含む。外側ツール36は、対向する側壁52をさらに含む。湾曲したまたは弧状の内側部分54が、対向する側壁52の間の領域に画定される。ツール36の形状および外形は、異なるタイプのプロテーゼに対応するように変更することができる。
【0019】
一実施形態では、外側ツール36の各側壁52は、第1の角度付き範囲56と第2の湾曲範囲58とを含む。図示のように、角度付き範囲56は、ツール36の近位端38の近くに配置され、湾曲範囲58は、ツール36の遠位端42に配置される。ツール36の湾曲範囲58は、好ましくは、角度が付けられ、鋭利である。内側部分54を取り囲むすべての縁部60は、ツール36の挿入を容易にするために鋭くされ得る。これらの鋭利な縁部60は、骨/インプラント界面に沿った骨の成長を切断し、さもなければツール36の挿入を可能にする。外科医が、ツール36がどこまで挿入されたかを測定できるようにするために、側壁52の一方または両方に窓62を形成することができる。ツール36の遠位端42は、湾曲し鋭利な先端縁64を任意に含む。鋭利な先端縁64および鋭利な縁部60により、外側ツール36を大腿骨とインプラントの間の界面に沿ってできるだけ近くに挿入することができる。これにより、大腿骨インプラント20の効率的な除去が可能になる。
【0020】
内側インプラント除去ツール
図3~
図5を参照すると、内側ツール66は、近位端および遠位端(68および72)、ならびに対向する側壁74を含む。側壁74は、内縁および外縁(76および78)によって画定され、好ましい実施形態では、壁74の外縁78が鋭くなっている。しかしながら、外側ツール36とは異なり、内側ツール66は閉じていない。むしろ、内側ツール66は、略中央開口部82を含む。開口部82の目的は、以下に記載される。中央開口部82を取り囲む内縁および外縁80はすべて、好ましくは尖っている。鋭利な先端縁86を有するU字型トラフ84が、内側ツール66の遠位端72に形成される。内側ツール66は、大腿骨28および大腿骨インプラント20の内側24の間に挿入されるように適合される。外縁78、内縁76、および先端縁86を含む鋭利な縁部80のすべてが、挿入を補助する。さらに、大腿骨インプラント20のネック34は、内側ツール66の開口部82を通って延びることができる。この点に関して、開口部82は、ネック34およびインプラント20の端部を収容するように特別にサイズ設定されている。開口部82を取り囲む鋭利な縁部により、ツール66は、インプラント20の前側および後側ならびに内側面に沿って切断することができる。
【0021】
別の例示的な実施形態では、
図3~
図4に示されるように、側壁74は、異なる長さを有し、内側ツール66の全長が異なるインプラントに適応するようにすることができる。
【0022】
外側および内側ツールの使用方法
次に、外側ツール36および内側ツール66を使用する方法を、
図13~
図19に関連して説明する。大腿骨インプラント20を除去するために、外側ツール36および内側ツール66の両方を互いに関連して使用することができる。しかし、本開示は、両方のツール(36および66)の使用に限定されず、本明細書に開示される利点は、ツール36または66のいずれかを個別に使用することで実現可能である。各ツールは、関連するインパクトツール(88および96)を介して骨に挿入される(
図20~
図21)。より具体的には、第1のインパクトツール88(
図21)は、外側ツール36のねじ穴44に固定されたねじ付き範囲92を含む。ナット120は、外側ツール36に対するインパクトツール88の意図しない回転を防止するために、ねじ付き範囲92のすぐ上に固定することができる。インパクトツール88は、外科医が挿入中に外側ツール36を操作できるようにするテクスチャ付き範囲94を含む。外科医は、第1のインパクトツール88を使用して、外側ツール36の先端縁64および湾曲範囲58を大腿骨28内に案内する。加重スライド90をハンマーとして使用して、外側ツール36の上部に力を加える。外側ツール36の挿入中に、大腿骨インプラント20と大腿骨28との間の骨の成長部が切断される。
【0023】
第2のインパクトツール96(
図20)は、第1のインパクトツール88と実質的に同様であり、同様に内側ツール66を位置決めして挿入するために使用される。つまり、第2のインパクトツール96により、内側ツール66の先端縁86および外縁78、内縁76(および開口部82を取り囲むすべての縁部80)が挿入プロセス中に大腿骨インプラント20と大腿骨28との間の骨の成長部を切断することができる。同様に、第2のインパクトツール96は、ねじ付き範囲98、スライドウェイト100、およびガイド102を含む。各インパクトツール(88、96)は、手動で挿入することができる。または空気圧ハンマーまたは他の打撃ツールを介して任意に挿入することができる。
【0024】
説明したように、外側および内側インプラント除去ツール(36および66)は、互いに関連して使用することができる。内側ツール66の挿入および除去の前に、外側ツール36を挿入および除去することが好ましい。
図18は、好ましい実施形態において、外側および内側ツール(36および66)が、外側ツール36の湾曲範囲58が内側ツール66の外縁78と重なるように、大腿骨28に挿入されることを示している。
【0025】
重なり合う端部(58および78)は、インプラント20を直接取り囲むすべての骨成長部が確実に除去されるようにする。これにより、最小限の骨損失でインプラント20を効率的に除去することが保証される。
【0026】
内側ツールの代替実施形態
内側ツール112の別の実施形態が、
図6~
図8に示されている。ツール112は、一般に、内側ツール66(
図3~
図4)と同じであるが、開口部118と比較すると、より狭い遠位サイズになるサイドカットアウト114を含む。内側ツール112はまた、異なるネックの形状に対応するため開口部118を含み、下部の丸みを帯びた鋭利な縁部116を有する。内側ツール112はまた、内側の鋭利な縁部122を有する対向する側壁124を含む。側壁124は、異なるインプラントを収容する内側ツール66の全長を作るために、異なる長さを有することができる。
【0027】
外側ツールの代替実施形態
図9および
図10は、外側ツール104としての外側ツールの別の実施形態を示す。外側ツール104は、ほとんどの点で外側ツール36と同じである。外側ツール104は、ほぼ真っ直ぐな後壁106と、外側ツール36の先端縁60および64よりも湾曲した先端縁108とを含む。この形状は、除去されるインプラントの形状およびサイズに応じて、外側ツールにとって好ましい場合がある。
図11および
図11A~
図11Eは、外側ツール104の本体を構成するU字型の断面を示している。しかし、様々な断面形状のいずれも使用することができる。
図11および
図11A~
図11Eは、外側ツールのいくつかの可能な断面形状を示している。
【0028】
図22~
図26は、外側ツール200としての外側ツールの代替実施形態を示す。外側ツール200は、近位端202および遠位端204を含み、遠位端204は、大腿骨に挿入するための先端縁206を形成する。近位端202は、近位コネクタ208を含み、印210を含むことができる。近位端202から遠位端204まで延びる2つの対向する側壁212、および近位端202から遠位端204まで延びる外側壁214は、外側ツール200に、長手方向に垂直なほとんどの位置で、ほぼU字型またはC字型の断面を提供する。2つの対向する側壁212は、互いに実質的に平行であってもよい。対向する側壁212および外側壁214の内面は、ほぼ弓形の内部領域216を画定する。いくつかの実施形態では、外側壁214に開口部218があってもよい。開口部218は、外側壁214に完全に配置されるか、または部分的に外側壁214にあり、部分的に側壁212に配置され得る。長手方向に沿ったいくつかの場所では、開口部218は、外側壁214を効果的に除去し、側壁212または側壁212の一部のみを残す。
【0029】
図22~
図25に示されるように、先端縁206は、湾曲部と、2つの尖った端部220を有することができる。先端縁206は、鋭く、丸く、または鈍くすることができる。
【0030】
外側ツール200をインパクトハンマーに接続できるようにするために、
図20および
図21に示すように、近位コネクタ208は、ねじ付き開口、摩擦嵌め接続、ツイストロック、またはインパクトハンマーへの解放可能な接続を可能にする他のコネクタを含み得る。他の態様では、近位コネクタ208は、ハンドルまたは振動発生装置などの他の器具への解放可能な接続を可能にすることができる。近位コネクタ208はまた、クイックリリース機構またはより恒久的な固定機構を含み得る。
【0031】
印210は、識別のために使用することができる。
図22および
図24に示すように、非限定的な例では、印「14」を使用して、弓形ブレードに沿った開口部が幅14mmであることを示している。別の基準によってツールを識別する印と同様に、他のサイズも可能である。
【0032】
大腿骨インプラントの形状はさまざまであるが、外側壁214の内面は、大腿骨インプラントの外側輪郭に一致するように湾曲した範囲を有することが多い。いくつかの実施形態では、側縁222は、鋭利であるか、切断のために構成され、湾曲または弓形である。側縁222は、外側ツール200の側面の縁として理解されるべきであり、側壁212または外側壁214の縁であり得る。いくつかの実施形態では、外側ツール200は、近位端202から遠位端204に向かって先細りの高さを有する側壁212を有し得る。
【0033】
さらに、
図22~
図26の外側ツール200を参照すると、内部領域216を取り囲むすべての縁部は、外側ツール200の大腿骨への挿入を容易にするために鋭利であるか、切断のために構成されている。これらの縁部は、骨とインプラントの界面に沿って切断し、そうでなければ大腿骨への外側ツール200の挿入を可能にする。いくつかの態様では、これらの縁部は、骨の切断を助けるために、歯または波形の縁部で構成され得る。
【0034】
上述のように、先端縁206は2つの尖った端部220の間で湾曲していてもよいが、代わりに、先端縁206は、尖った端部220の間に1つ以上の真っ直ぐな縁部を含んでいてもよい。大腿骨への挿入を容易にするために、先端縁206は、1つまたは複数の歯または波形の縁部を含むことができる。先端縁206、側縁222、および外側壁214の内部の範囲により、外側ツール200を大腿骨とインプラントとの間の界面に沿ってできるだけ近くに挿入することが可能になる。これにより、インプラントの効率的な除去が有利に可能になる。
【0035】
図23~
図24では、開口部218は、外側ツール200の長手方向軸に沿った長さが幅より大きい長方形の形状として示されている。開口部218の角は、図示のように面取りを含んでもよいし、丸みを帯びていてもよい。近位開口縁228、遠位開口縁230、または側面開口縁232は、鋭利な縁、丸みを帯びた縁、または鈍い縁を含み得る。開口部218は、外側ツール200が大腿骨内に前進する際に、インプラントの特定の機能部が通過できるように形作られる。より具体的には、開口部218により、外側ツール200の内部領域216の形状がインプラントの外側の形状に完全には一致しないので、側縁222がインプラント/骨界面に沿って密接に切断できる。したがって、開口部218の形状は、除去されるインプラントのためにカスタマイズすることができる。例えば、開口部218は長方形として示されているが、楕円形または卵形などの別の形状を有してもよい。外側ツール200はまた、2つ以上の開口部を含んでもよい。開口部218は、外側ツール200のより小さな部分の上に配置され得る。
【0036】
前の実施形態を参照して説明したように、外科医が外側ツールがどれだけ挿入されたかを測定できるようにするために、窓(図示せず)または他の測定機能を、側壁212の一方または両方、または外側壁214に形成することができる。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態では、
図27~
図31に示されるように、外側ツール300は、以下の点を除いて外側ツール200と類似している。外側ツール300が、側縁322が外側壁314の縁になるように急速に先細になる高さを有する側壁312を有する点。内部領域316は、弓形の外側壁314の内面によって画定される領域になる点。側壁312または外側壁314に面取り324を形成し、尖端320に対して角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、面取り324は鋭利であるか、または切断用に構成されている。
【0038】
一実施形態では、
図32に示すように、外側ツール300の遠位端304は、ギグリ線鋸334または他の器具に対応するように構成することができ、外側ツール300がインプラント336に沿って挿入されると、外科医がギグリ線鋸を使用してインプラント336に沿って切断してインプラントの除去を容易にすることができる。好都合なことに、ソーワイヤ338は、導入前にインプラントの周りを横切ることができ、これにより、ギグリ線鋸334が、骨340からインプラント336の外側、内側、前方、および後方面を解放するのを補助することができる。ギグリ線鋸334が
図32のみに示されているが、本開示の他の例と共に使用することもできる。
【0039】
図33~
図37は、外側ツール400としての外側ツールのさらに別の代替実施形態を示す。外側ツール400は、近位端402および遠位端404を有する。
図34の外側ツール400の正面図に示されるように、外側ツール400は、2つの平行な側壁406と、湾曲した形状の断面を有する外側壁408とを有し、内部領域410を画定する。先端縁412および内部領域410の周りの側縁414は、外側ツール400が大腿骨内に前進するにつれて、インプラントの外側、前側、および後側を切断するように鋭利であるか、または切断のために構成される。
【0040】
外側ツール400の外側壁408は、実質的に長手方向に真っ直ぐであり、側縁414に対して角度を成す長手方向軸を有する。開口部416は、外側壁408のかなりの部分および隣接する側壁406の区画に配置され、外側壁408を外側ツール400の遠位端404付近にのみ存在するように残すことができる。外側壁408の断面形状は、除去されるインプラントの外側の形状に適合するようにカスタマイズすることができる。有利なことに、より短い外側壁408は、外側ツール400が、より多様な外側曲率を有するインプラントに適合することを可能にし得る。側縁414は、インプラントの前側および後側に沿って鋭くするか、または切断のために構成することができる。この例示的な実施形態では、側縁414は真っ直ぐである。しかし、側縁414は、湾曲または弓形であってもよく、またはインプラントの前側および後側の切断を容易にするために異なる角度のセグメントを有してもよい。
【0041】
開口部416は、
図38に示すように、鋭利にされた、または切断用に構成された縁部を有することができ、外側ツール400が大腿骨内に前進するときにインプラントの機能部が通過できるように十分に大きい。この例示的な実施形態では、インプラントの一部は、外側ツール 400 の内部領域 410の形状に適合せず、開口部416を通って外に伸びる。開口部416は、側縁414よりも短くてもよい。開口部416の近位縁418は、側縁414の近位端420の遠位側にある。しかし、開口部416の近位縁418は、側縁414の近位端に近接することができる。
【0042】
外側ツール400の近位端402は、近位コネクタ422を有することができる。いくつかの実施形態では、近位コネクタ422は、ネジ穴、摩擦嵌合接続、ツイストロック、またはインパクトハンマーへの解放可能な接続を可能にする他のコネクタを含むことができる。他の態様では、近位コネクタ422は、ハンドルまたは振動発生装置などの他の器具への解放可能な接続を可能にすることができる。近位コネクタ422はまた、クイックリリース機構またはより恒久的な固定機構を含み得る。
図33~
図37に示されるように、近位コネクタ422は、直線外側壁408の軸に対して一直線上またはオフセットを有する平行であってもよい。有利なことに、外側ツール400の外科医または操作者は、アタッチメントを介して近位コネクタ422に最適な向きで力を加えて、先端縁412が大腿骨内に前進するのを容易にすることができる。しかし、近位コネクタ422は、除去される特定のタイプのインプラントに対して最適化するために、直線外側壁408の軸に対してある角度になるようにカスタマイズされ得る。
【0043】
アンダーカットツール
いくつかの実施形態では、インプラントがステム近くにフランジを有する場合、
図39~
図43に示されるJ字型ツール500または
図44~
図48に示されるL字型ツールが使用される。J字型ツール500およびL字型ツール600はそれぞれ、略円筒形シェルの一部から形成される。J字形ツール500は、近位端504および遠位端506を有する直線ブレード502と、直線ブレード502の遠位端506に接続されたフック508とを有する。近位端504は、円筒形ツールベース510に接続される。フック508は、鋭利であるか、または切断のために構成されている近位端512を含む。L字型ツール600は、直線ブレード602の近位端604および遠位端606を有する直線ブレード602を有する。近位端604は、円筒形ツールベース610に接続される。ツールベース510または610は、任意の他の形状であり得、取り扱いを容易にする機能部を含み得る。フック608は、鋭利であるか、または切断のために構成された近位端512を含む。フック508または608は、それぞれ遠位端506または606から円周方向に延在し、同じ円筒形の湾曲をたどる。直線ブレード502または602およびフック508または608のすべての縁部は、鋭利であるか、または切断のために構成されている。
【0044】
図49は、大腿骨インプラント700を示す。
図49に示すいくつかの実施形態では、インプラント700は、アンダーカットである内側730を残して、そのステム720の近くにフランジ710を含み得る。インプラント700は、J字型ツール500またはL字型ツール600が、他の外側および/または内側ツールを使用する前または後に大腿骨内に前進させられ、回転してフック508または608をフランジ710の下にし、次いで内側730に沿って引っ張りながら、フック508または608の近位端512または612を使用して、インプラント700のフランジ710の下のインプラント/骨界面に沿って切断する。これにより、J字型ツール500またはL字型ツール600がインプラントのアンダーカットの周りを切断することが可能になる。
【0045】
図50は、インプラント700の内側730に沿って切断するJ字型ツール500を示す。当業者は、L字型ツール600を使用して同様のタスクを実行する方法を理解するであろう。当業者はまた、J字型ツール500およびL字型ツール600がインプラントの異なる位置でフランジの周りをどのように切断できるかを理解するであろう。
【0046】
開示されたツールおよびツールセットには、いくつかの利点がある。例えば、ツールセットのツールは、骨と大腿骨インプラントなどの補綴物との間の界面に適合するように形作られる。ツールはまた、通過するプロテーゼのネックまたは他の機能部に対応する開口部を含むことができるので、ツールの内部領域の形状は、インプラント/骨界面に沿った切断を可能にするためにインプラントの形状に完全に一致する必要はない。両側および開口部の周囲の縁部は鋭利であるか、切断用に構成することができるため、ツールは、インプラントの前側および後側に沿って切断すると同時に、外側または内側面に沿って切断することができる。これらすべてにより、プロテーゼのステムまたは他の機能部に直接隣接するプロテーゼの縁部に沿ってツールを挿入できるため、プロテーゼを効率的に取り外すことができる。
【0047】
本開示のツールの利点は、プロテーゼを効率的かつ最小限の時間で除去できることである。
【0048】
このツールのさらなる利点は、既存の骨の損失を最小限に抑えながらプロテーゼを除去できることである。
【0049】
このツールのさらなる利点は、プロテーゼを効率的に除去することで回復時間が大幅に短縮されることである。
【0050】
もう1つの利点は、プロテーゼを効率的に除去することで、麻酔の必要性と手術室の費用全般が削減されることである。
【0051】
一実施形態では、ツールは、インプラントの除去をさらに容易にするギグリ線鋸などの追加の切断要素に対応する溝または凹部を提供し、これによりプロテーゼの効率的な除去が可能になる。
【0052】
本開示の様々な実施形態は、これらの利点を全く、またはいくつか、またはすべて有してもよい。本開示の他の技術的利点は、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0053】
本開示は、特定の実施形態および一般的に関連する方法に関して説明されてきたが、これらの実施形態および方法の変更および置換は、当業者には明らかであろう。したがって、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義または制限するものではない。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、および変更も可能である。
【符号の説明】
【0054】
20 大腿骨インプラント
22 外側
24 内側
26 ステム
28 大腿骨
34 ネック
36,104,200,300,400 外側ツール
38 近位端
42 遠位端
44 ねじ付き開口
46 外側壁
48 弧状範囲
52 側壁
54 内側部分
56 第1の角度付き範囲
58 第2の湾曲範囲
60 縁部
62 窓
64 先端縁
66,112 内側ツール
68 近位端
72 遠位端
74 側壁
76 内縁
78 外縁
80 縁部
82 中央開口部
84 U字型トラフ
86 先端縁
88,96 インパクトツール
500 J字型ツール
600 L字型ツール
504,604 近位端
506,606 遠位端
502,602 直線ブレード
508,608 フック
510,610 円筒形ツールベース
【国際調査報告】