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特表2024-504222スライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】スライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/16 20060101AFI20240124BHJP
   A61C 7/20 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
A61C7/16
A61C7/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578786
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2022017609
(87)【国際公開番号】W WO2023113247
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0179295
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404193
【氏名又は名称】ジーエヌアイ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドグ ス
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA01
4C052AA20
4C052JJ03
(57)【要約】
開示のスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体は、歯牙の表面に付着されるベース部(11)、及び前記ベース部(11)上に一体に形成され、アーチワイヤ(W)が挿入されるワイヤスロット(120)を第1壁(130)と第2壁(140)との間に有するボディー部(12)を含むブラケットボディーブロック(10)と、前記ワイヤスロット(120)を閉鎖する閉鎖位置と前記ワイヤスロット(120)を開放する開放位置との間でスライド移動するカバーブロック(20)と、前記カバーブロック(20)を前記閉鎖位置及び前記開放位置で拘束する拘束ユニットとを含み、前記第1壁(130)の平たい上面には、両側面が互いに平行な平坦面からなるガイド突出部(132)が形成され、前記カバーブロック(20)の下面には、前記ガイド突出部(132)が前後にスライド可能に挿入されるガイドリセス(22)が形成され、前記拘束ユニットは、前記ガイド突出部(132)の平たい上面から一定の深さまで形成されたピン挿入ホール(139)に挿入されて固定され、半径方向に収縮または拡張するように弾性変形または弾性復元する管状スプリングピン(40)と、前記ガイドリセス(22)内の天井面に形成された固定溝(222)に挿入されて固定され、前記管状スプリングピン(40)と協力して前記カバーブロック(20)を前記開放位置及び前記閉鎖位置で拘束する金属材の拘束リング(50)とを含む。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯牙の表面に付着されるベース部(11)、及び前記ベース部(11)上に一体に形成され、アーチワイヤ(W)が挿入されるワイヤスロット(120)を第1壁(130)と第2壁(140)との間に有するボディー部(12)を含むブラケットボディーブロック(10)と、
前記ワイヤスロット(120)を閉鎖する閉鎖位置と前記ワイヤスロット(120)を開放する開放位置との間でスライド移動するカバーブロック(20)と、
前記カバーブロック(20)を前記閉鎖位置及び前記開放位置で拘束する拘束ユニットとを含み、
前記第1壁(130)の平たい上面には、両側面が互いに平行な平坦面からなるガイド突出部(132)が形成され、
前記カバーブロック(20)の下面には、前記ガイド突出部(132)が前後にスライド可能に挿入されるガイドリセス(22)が形成され、
前記拘束ユニットは、
前記ガイド突出部(132)の平たい上面から一定の深さまで形成されたピン挿入ホール(139)に挿入されて固定され、半径方向に収縮または拡張するように弾性変形または弾性復元する管状スプリングピン(40)と、
前記ガイドリセス(22)内の天井面に形成された固定溝(222)に挿入されて固定され、前記管状スプリングピン(40)と協力して前記カバーブロック(20)を前記開放位置及び前記閉鎖位置で拘束する金属材の拘束リング(50)とを含み、
前記拘束リング(50)は、半径方向に収縮した管状スプリングピン(40)の端部が挿入されて直線スライドをガイドするガイド溝部(52)と、直線ガイド溝部(52)の幅より大きい内径を有するように前記直線ガイド部(52)の一端に備えられ、半径方向に拡張した管状スプリングピン(40)の端部が挿入され、前記閉鎖位置で前記カバーブロック(20)の動きを拘束する第1拘束溝部(54)と、前記直線ガイド溝部(52)の幅より大きい内径を有するように前記直線ガイド部(52)の他端に備えられ、半径方向に拡張した管状スプリングピン(40)の端部が挿入され、前記開放位置で前記カバーブロック(20)の動きを拘束する第2拘束溝部(56)とを含むことを特徴とする、スライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項2】
前記ガイドリセス(22)の前方は開放しており、前記ガイドリセス(22)の後方は塞がっており、
前記カバーブロック(20)は、前記閉鎖位置にあるとき、前記ワイヤスロット(120)を横切るように前方に突出した一対のカバー突出部(24、24)をさらに含み、
前記第2壁(140)は、前記閉鎖位置で前記カバーブロック(20)の前面と向き合う位置まで突出した上部突出部(142)と、前記閉鎖位置で前記ワイヤスロット(120)を横切る一対のカバー突出部(132)を収容するように陥没した収容陥没部(144)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体。
【請求項3】
前記固定溝(222)は方形に形成され、前記拘束リング(50)は弾性圧縮した状態で前記第1拘束溝部(54)の外面の3地点及び前記第2拘束溝部(56)の外面の3地点が前記固定溝(50)の内面に密着することで前記固定溝(222)に結合されて固定されることを特徴とする、請求項2に記載のスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライド型歯列矯正ブラケット組立体に関するものであり、より詳しくは、スロットが形成されたボディーブロックとスロットを開閉するようにスライドするカバーブロックとを含み、カバーブロックがスロットを開放する開放位置及びカバーブロックがスロットを閉鎖する閉鎖位置でカバーブロックが確実に拘束され、耐久性に非常に優れたスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上顎及び下顎の歯牙が一様でないか正常に噛み合わない状態を不正咬合と言う。不正咬合の場合、外観が良くないだけでなく、機能的にも飲食物をよくかむことを妨げ、発音に悪い影響を及ぼす。さらに、不正咬合をそのまま放置すれば、虫歯または歯茎疾患を引き起こし、身体の他の部分にも悪影響を及ぼして様々な他の疾病を引き起こすか悪化させることがある。
【0003】
このような不正咬合の治療のために、歯列矯正術が用いられる。歯列矯正術は、歯列矯正器を用いて、不規則に配列された歯牙に持続的な力をかけることで、歯牙を所望の位置に少しずつ動かすことによって歯牙の配列を直す矯正方法を言う。歯列矯正器は、歯牙の表面に直接付着されるブラケット(bracket)と、ブラケットに結合され、歯牙に所定の圧力または張力を提供するアーチワイヤ(Arch wire)とを含む。歯列矯正のために、前記アーチワイヤにかかる圧力及び張力とその方向を多様に調節することができ、その調節されて提供された圧力及び張力とその方向によって前記対象歯牙を徐々に移動させることができるものである。
【0004】
図1は通常的な歯列矯正方法を説明するための概念図であり、歯牙の矯正方式を全体的に示す。図1を参照して、今日一般的に行われている歯列矯正方式を説明すると次のようである。
【0005】
まず、歯牙矯正の対象となる対象歯牙10を中心として、対象歯牙10の表面にはブラケット20が付着されている。
【0006】
前記ブラケット20はアーチワイヤ30を介して連結されており、前記対象歯牙10に対して持続的な張力を与えるために、アーチワイヤ30に弾性部32を形成するか、または輪ゴム40を用いて張力の方向を調整することもある。
【0007】
また、前記弾性部32は、アーチワイヤ30の一部をU字形、P字形、R字形などのような多様な形状に曲げることによって形成されることができ、固定点(fixed point)と歯牙10との間に微細な張力またはねじれ(torsion)を形成することで、歯牙10の位置を移動させることができ、歯牙10の姿勢を変更させるために活用される。
【0008】
一方、歯列矯正を進めているうち、アーチワイヤ30は固定点(fixed point)に連結されており、所定の圧力及び張力を提供するアーチワイヤ30によって前記ブラケット20及び歯牙10が微細に移動することになる。
【0009】
ここで、歯牙10が動く方向に歯牙10を取り囲んでいる骨の組職は徐々に吸収され、反対側では新しい骨組職が形成されて空間を満たすようになる。
【0010】
このように、骨細胞の消滅及び生成の過程が繰り返され、その過程で前記対象歯牙10が微細に移動するので、歯牙が徐々に矯正される。
【0011】
前記のような矯正方式で遂行される歯列矯正は前述したような生物学的治療を伴うものであるので、その治療期間が概して長時間を必要として、概して2年前後の期間を必要とするものと知られている。このような既存のブラケット及びワイヤは美感が落ち、美感が悪い歯列矯正ブラケットを長期間使用する患者はひどい心的ストレスを感じることがある。
【0012】
これに対して、美感を向上させ、ハンドリングが容易な自己結紮歯列矯正ブラケット組立体が従来に提案されたことがある。そのうち、セラミック材のブラケットボディーにアーチワイヤが挟まれるスロットが形成され、板状を有するセラミック材の結紮スライドカバーがブラケット本体の上部スライド面に沿ってスライドすることで、ワイヤが挿入されるスロットを開閉することができる構造の自己結紮歯列矯正組立体がある。このような自己結紮歯列矯正組立体は、結紮スライドカバーを閉鎖位置及び開放位置で拘束するために、ブラケット本体に設けられ、半径方向に拡張/収縮可能なピンと、ピンの上端を収容するようにスライドカバーに形成された維持溝とを含み、その維持溝は、半径方向に弾性的に収縮したピンを収容してガイドするガイド部と、ガイド部の両端に形成され、弾性復元によって半径方向に拡張したピンを閉鎖位置及び開放位置で収容する固定溝部とを含む。
【0013】
しかし、従来技術は、結紮スライドカバーをガイドする一対のガイド溝がブラケット本体の上部スライド面の左右に形成された構造を有するので、結紮スライドカバーの厚さ制限によって強度が弱くなるしかなく、また、ガイド溝が形成された略L字形の部分が割れやすいという欠点がある。また、結紮スライドカバーとガイド溝との間に隙間を置くしかなく、結紮スライドカバーが軽くて容易に揺れるか歪む問題が発生する。特に、従来技術は、ピンと持続的に摩擦接触する維持溝の内面が易しく摩耗されて損傷され、さらに易しく割れるという深刻な問題があった。また、従来技術は、スプリングの機能を果たすピンが高熱膨張係数の金属からなり、ピンが挿入される維持溝の内面が高熱膨張係数のセラミック材からなるので、熱膨張の差によってピンと維持溝との間の隙間が可変的であり、これは開放状態及び閉鎖状態が確実に維持されることを阻害する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第8033824号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-2160387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は、既存のスライド型歯列矯正ブラケット組立体の問題点を解決するために案出されたものであり、簡単でコンパクトな構造を有し、開放状態及び閉鎖状態が確実に維持されることができ、特に、非常に優れた耐久性を有するスライド型歯列矯正ブラケット組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一側面によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体は、歯牙の表面に付着されるベース部(11)、及び前記ベース部(11)上に一体に形成され、アーチワイヤ(W)が挿入されるワイヤスロット(120)を第1壁(130)と第2壁(140)との間に有するボディー部(12)を含むブラケットボディーブロック(10)と、前記ワイヤスロット(120)を閉鎖する閉鎖位置と前記ワイヤスロット(120)を開放する開放位置との間でスライド移動するカバーブロック(20)と、前記カバーブロック(20)を前記閉鎖位置及び前記開放位置で拘束する拘束ユニットとを含み、前記第1壁(130)の平たい上面には、両側面が互いに平行な平坦面からなるガイド突出部(132)が形成され、前記カバーブロック(20)の下面には、前記ガイド突出部(132)が前後にスライド可能に挿入されるガイドリセス(22)が形成され、前記拘束ユニットは、
【0017】
前記ガイド突出部(132)の平たい上面から一定の深さまで形成されたピン挿入ホール(139)に挿入されて固定され、半径方向に収縮または拡張するように弾性変形または弾性復元する管状スプリングピン(40)と、前記ガイドリセス(22)内の天井面に形成された固定溝(222)に挿入されて固定され、前記管状スプリングピン(40)と協力して前記カバーブロック(20)を前記開放位置及び前記閉鎖位置で拘束する金属材の拘束リング(50)とを含み、前記拘束リング(50)は、半径方向に収縮した管状スプリングピン(40)の端部が挿入されて直線スライドをガイドするガイド溝部(52)と、直線ガイド溝部(52)の幅より大きい内径を有するように前記直線ガイド部52の一端に備えられ、半径方向に拡張した管状スプリングピン(40)の端部が挿入され、前記閉鎖位置で前記カバーブロック(20)の動きを拘束する第1拘束溝部(54)と、前記直線ガイド溝部(52)の幅より大きい内径を有するように前記直線ガイド部(52)の他端に備えられ、半径方向に拡張した管状スプリングピン(40)の端部が挿入され、前記開放位置で前記カバーブロック(20)の動きを拘束する第2拘束溝部(56)とを含む。
【0018】
一実施例によれば、前記ガイドリセス(22)の前方は開放しており、前記ガイドリセス(22)の後方は塞がっており、前記カバーブロック(20)は、前記閉鎖位置にあるとき、前記ワイヤスロット(120)を横切るように前方に突出した一対のカバー突出部(24、24)をさらに含み、前記第2壁(140)は、前記閉鎖位置で前記カバーブロック(20)の前面と向き合う位置まで突出した上部突出部(142)と、前記閉鎖位置で前記ワイヤスロット(120)を横切る一対のカバー突出部(132)を収容するように陥没した収容陥没部(144)とを含む。
【0019】
一実施例によれば、前記固定溝(222)は方形に形成され、前記拘束リング(50)は弾性圧縮した状態で前記第1拘束溝部(54)の外面の3地点及び前記第2拘束溝部(56)の外面の3地点が前記固定溝(50)の内面に密着することで前記固定溝(222)に結合されて固定される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるスライド型歯列矯正ブラケット組立体は、構造が簡単でコンパクトであり、開放状態及び閉鎖状態が確実に維持されることができ、特に耐久性に非常に優れるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】通常的な歯列矯正方法を説明するための概念図である。
図2】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す部分断面斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を下側から上側に見た部分分解斜視図である。
図5】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を下側から上側に見た部分分解断面図である。
図6】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す断面図である。
図7】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を開放位置で示す斜視図である。
図8】本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を開放位置で示す断面図である。
図9】カバーブロックと拘束リングとの結合状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に基づいて本発明を説明する。本明細書に開示するすべての実施例における任意の構造、材料、段階または特徴が本発明の一部である他の実施例の任意の構造、材料、段階または他の特徴と一緒にさらに他の実施例を構成することができるということに気をつける。詳細な説明及び関連の図面が本発明の保護範囲を限定するか定義するものではないということに気をつける。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって定義される。
【0023】
図1は通常的な歯列矯正方法を説明するための概念図であり、図2は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す斜視図であり、図3は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す斜視図であり、図3は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す部分断面斜視図であり、図4は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を下側から上側に見た部分分解斜視図であり、図5は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を下側から上側に見た部分分解断面図であり、図6は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を閉鎖位置で示す断面図であり、図7は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を開放位置で示す斜視図であり、図8は本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体を開放位置で示す断面図であり、図9はカバーブロックと拘束リングとの結合状態を示す斜視図である。
【0024】
図1図9に示すように、本発明の一実施例によるスライド型自己結紮歯列矯正ブラケット組立体は、歯列矯正の際、歯牙の表面に付着されてアーチワイヤWを選択的に結紮または結紮解除させることができるようにするものであり、接着性レジン(または、接着剤)によって歯牙の表面に付着されるベース部11と、前記ベース部11上に形成され、アーチワイヤWが挿入されるワイヤスロット120を第1壁130及び第2壁140の間に有するボディー部12を含むブラケットボディーブロック10と、前記ワイヤスロット120を開放する開放位置と前記ワイヤスロット120を閉鎖する閉鎖位置との間でスライド移動するカバーブロック20と、前記カバーブロック20を前記閉鎖位置及び前記開放位置で拘束する拘束ユニットとを含む。
【0025】
ここで、前記ブラケットボディーブロック10及び前記カバーブロック20はセラミック材から形成されることが好ましい。また、前記拘束ユニットを構成する要素はいずれも弾性力及び弾性復元力を有するように金属板を折り曲げるか曲げることによって形成されたものであり得る。
【0026】
前記ベース部11は、接着性レジン(または、接着剤)によって歯牙の表面に付着されるものであり、歯牙の表面に対応する曲面形状の底面を有する。前記ボディー部12は前記ベース部11の上部に一体に形成されたものであり、第1壁130及び第2壁140と、前記第1壁130と前記第2壁140との間を通過する断面正方形または長方形のアーチワイヤWが挿入されて着座されるように、前記第1壁130と前記第2壁140との間に形成されたワイヤスロット120とを含む。
【0027】
前記第1壁130の平たい上面には、両側面が互いに平行な平坦面からなるガイド突出部132が形成される。前記ガイド突出部132の前端は前記第1壁130と前記ワイヤスロット120とが会う直線エッジと一致する平坦面を有することが好ましい。前記ガイド突出部132の後端は曲面を有する。
【0028】
また、前記カバーブロック20の下面には、前記ガイド突出部132が前後にスライド可能に挿入されるガイドリセス22が形成される。前記ガイドリセス22の前方は開放しており、前記ガイドリセス22の後方は塞がっている。また、前記カバーブロック20は、閉鎖位置にあるとき、前記ワイヤスロット120を横切るように(または、通るように)、前方に突出した一対のカバー突出部24、24をさらに含む。前記ガイドリセス22は前記カバーブロック200の下面から前記一対のカバー突出部24、24の間まで拡張される。
【0029】
また、前記第2壁140は、閉鎖位置で前記カバーブロック20の前面と向き合う位置まで突出した上部突出部142と、閉鎖位置で前記ワイヤスロット120を横切っている一対のカバー突出部132を収容するように陥没した収容陥没部144とを含む。また、前記上部突出部142の先端中央には、指を入れてカバーブロック20を容易に操作することができるようにするためのフィンガーホール145が形成される。
【0030】
前述した構成により、前記カバーブロック20は前記ガイドリセス22に前記ガイド突出部142が挟まれた状態で揺れなしに前後にスライドすることができ、よって、ワイヤスロット120を開放する図7及び図8に示す開放位置とワイヤスロット120を閉鎖する図2図3及び図6に示す閉鎖位置との間で前後にスライドすることができる。
【0031】
一方、前記拘束ユニットは、前記ガイド突出部132の平たい上面から一定の深さまで形成されたピン挿入ホール139に挿入されて固定され、半径方向に収縮または拡張するように弾性変形または弾性復元する管状スプリングピン40と、前記ガイドリセス22内の天井面に形成された固定溝222に挿入されて固定され、前記管状スプリングピン40と協力して前記カバーブロック20を開放位置及び閉鎖位置で拘束する金属材の拘束リング50とを含む。
【0032】
前記拘束リング50は、半径方向に収縮した管状スプリングピン40の端部が挿入されて移動することを許す直線ガイド溝部52と、直線ガイド溝部52の幅より大きい内径を有するように前記直線ガイド部52の一端に備えられ、半径方向に拡張した管状スプリングピン40の端部が挿入されることで、閉鎖位置で前記カバーブロック20の動きを拘束する第1拘束溝部54と、前記直線ガイド溝部52の幅より大きい内径を有するように前記直線ガイド部52の他端に備えられ、半径方向に拡張した管状スプリングピン40の端部が挿入されることで、開放位置で前記カバーブロック20の動きを拘束する第2拘束溝部56とを含む。ここで、前記管状スプリングピン40の端部が前記固定溝222の内部の天井面と接しないように上側への突出長が決定される。
【0033】
前述したように、金属材からなり、半径方向に弾性収縮または弾性復元可能な金属材の管状スプリングピン40が同じ金属材からなる拘束リング50の第1拘束溝部54及び第2拘束溝部54に拘束されて接触するかまたは直線ガイド部52と摩擦接触するので、拘束リング50と管状スプリングピン40との間の持続的な摩擦接触にもかかわらず、拘束リング50や管状スプリングピン40の摩耗及び損傷はほとんど発生しない。また、拘束リング50と管状スプリングピン40とが実質的に同じ熱膨張係数を有する金属素材からなるので、拘束リング50と管状スプリングピン40との間には温度による変形量の差がほとんどないので、温度変化に関係なく確実な閉鎖状態及び開放状態を保障する。
【0034】
前記固定溝222は略方形に形成され、前記拘束リング50は弾性圧縮された状態で第1拘束溝部54の外面の3地点及び第2拘束溝部56の外面の3地点が固定溝50の内面に密着するが、残りの部分は離隔するように設けられることが有利である。
【0035】
管状スプリングピン40は金属板を中空円筒状を有するように曲げることで製作されることが好ましく、曲げられた金属板の両端の間が一つの長いスリット42として残っている。また、前記拘束リング50は、前記直線ガイド部52、前記第1拘束部54及び前記第2拘束部54が形成されるように金属板を折り曲げることで形成されることが好ましい。
【0036】
以上で本発明の具体的な実施例を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形の実施が可能であり、このような変形は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10 ブラケットボディーブロック
11 ベース部
12 ボディー部
120 ワイヤスロット
130 第1壁
132 ガイド突出部
20 カバーブロック
22 ガイドリセス
40 管状スプリングピン
50 拘束リング
52 直線ガイド部
54 第1拘束溝部
56 第2拘束溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】