(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】グリシネート界面活性剤と、ポリオールと、アルキルグルコシドを含む非イオン性界面活性剤とを含むパーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240124BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240124BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240124BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/34
A61K8/60
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023533390
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2021081013
(87)【国際公開番号】W WO2022117290
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/133390
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ランファ
(72)【発明者】
【氏名】パン,チャンチャン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD391
4C083AD392
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE50
(57)【要約】
グリシネート界面活性剤と、ポリオールと、アルキルグルコシドを含む非イオン性界面活性剤とを含むパーソナルケア組成物であって、ポリオール対グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1であるパーソナルケア組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)グリシネート界面活性剤と、
(b)ポリオールと、
(c)アルキルグルコシドを含む非イオン性界面活性剤と、
を含むパーソナルケア組成物であって、
前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1であるパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記グリシネート界面活性剤が、アルキルグリシネート、アシルグリシネートまたはそれらの混合物を含み、好ましくは、前記グリシネート界面活性剤が、C
12~20アルキルグリシネート、C
12~20アシルグリシネートまたはそれらの混合物を含み、さらに好ましくは、前記グリシネート界面活性剤が、C
12~20アシルグリシネートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
グリシネート界面活性剤が、前記組成物の0.1~10重量%、好ましくは0.5~6重量%、さらに好ましくは1.5~4重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオールが、前記組成物の6~40重量%、好ましくは16~30重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が、少なくとも6.3:1である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリオールが、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールまたはそれらの混合物を含み、好ましくは、前記ポリオールが、グリセリンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、当該組成物の6~40重量%、好ましくは16~30重量%の量のグリセリンを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記グリセリン対前記グリシネート界面活性剤の重量比が、少なくとも6.3:1である、請求項6または7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤C
6~C
20アルキルグルコシド、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記非イオン性界面活性剤が、前記組成物の0.1~10重量%、好ましくは1.5~4重量%の量で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記グリシネート界面活性剤対前記非イオン性界面活性剤の重量比が、1:8~8:1、好ましくは1:2~2:1の範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、当該組成物の10~90重量%、好ましくは25~78重量%の量の水を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が皮膚クレンジング組成物である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
グリシネート界面活性剤を含有する組成物の乾燥残渣を減少させる方法であって、ポリオールを前記組成物に含める工程を含み、前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1である方法。
【請求項15】
グリシネート界面活性剤を含有する組成物の乾燥残渣を減少させるためのポリオールの使用であって、前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1である使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分注装置での使用に適したパーソナルケア組成物に関する。特に、そのような組成物は、それが泡としてポンプで送り出され、泡が乾燥した際に生成される残渣を少なくし、装置のノズルを塞ぐリスクを低減することができる。
【背景技術】
【0002】
自動分注装置は、そのような装置の利便性および非接触様式のために、パーソナルケア組成物、例えば、皮膚クレンジング組成物を提供するために多くの場合に広く使用されてきた。したがって、自動分注装置に適したパーソナルケア組成物の開発は、消費者の使用にとって重要である。アミノ酸系界面活性剤は、典型的なマイルドな界面活性剤であるため、そのような組成物に組み込むことが望ましい。
【0003】
しかし、本発明者らは、驚くべきことに、グリシネート界面活性剤を含有するパーソナルケア組成物が、そのような組成物が泡として装置からポンプで送り出され、そのような泡が乾燥した際に残渣を生成することを見出した。したがって、そのような組成物が自動分注装置に使用されると、ノズルを塞ぐリスクが高い。本発明者らは、乾燥した際の残渣が少ない、グリシネート界面活性剤を含有するパーソナルケア組成物を開発する必要性を認識した。驚くべきことに、非イオン性界面活性剤を組み合わせ、ポリオールを一定レベルで含むことによって、生成された残渣は顕著に減少したことが見出された。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様では、本発明は、グリシネート界面活性剤と、アルキルグルコシドを含む非イオン性界面活性剤と、ポリオールとを含むパーソナルケア組成物であって、ポリオール対グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1であるパーソナルケア組成物に関する。
【0005】
第2の態様では、本発明は、グリシネート界面活性剤を含有する組成物の乾燥残渣を減少させる方法であって、ポリオールを組成物に含める工程を含み、ポリオール対グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1である方法に関する。
【0006】
第3の態様では、本発明は、グリシネート界面活性剤を含有する組成物の乾燥残渣を減少させるためのポリオールの使用であって、ポリオール対グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1である使用に関する。
【0007】
本発明の他のすべての態様は、以下の詳細な説明および実施例を考慮することによって、さらに容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施例または他に明示されている場合を除いて、材料の量または反応条件、材料および/もしくは使用の物理的特性を示す本明細書中のすべての数字が、用語「約」によって修飾されるとして理解されてもよい。
【0009】
すべての量は、別途の記載がない限り、組成物の重量による。
【0010】
いかなる数値範囲の指定においても、あらゆる特定の上限値はあらゆる特定の下限値を伴い得ることに留意されたい。
【0011】
疑義を避けるために、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は網羅的である必要はない。
【0012】
請求項が多項従属または重複なしに見出され得るという事実に関わりなく、本明細書に見出される本発明の開示は互いに多項従属しているため、特許請求の範囲に見出されるような実施形態をすべて包含するものと考えられるべきである。
【0013】
本発明の特定の態様(例えば、本発明の組成物)に関して特徴が開示されている場合、そのような開示は、必要な変更を加えて、本発明の任意の他の態様(例えば、本発明の方法)にも適用されると考えられるべきである。
【0014】
好ましくは、グリシネート界面活性剤は、アルキルグリシネート、アシルグリシネート(アルキルカルボキシグリシネートまたはアルカノイルグリシネートとしても知られる)またはそれらの混合物を含む。さらに好ましくは、グリシネート界面活性剤は、C8~24アルキルグリシネート、C8~24アシルグリシネートまたはそれらの混合物を含む。さらになお好ましくは、グリシネート界面活性剤は、C12~20アルキルグリシネート、C12~20アシルグリシネートまたはそれらの混合物を含む。グリシネート界面活性剤は、非イオン性界面活性剤とは異なることに留意されたい。好ましくは、グリシネート界面活性剤はアニオン性である。
【0015】
好ましくは、グリシネート界面活性剤は、アシルグリシネート、さらに好ましくはC8~24アシルグリシネート、さらになお好ましくはC12~20アシルグリシネート、さらになお一層好ましくはココイルグリシネート、最も好ましくはココイルグリシネートナトリウムである。
【0016】
グリシネートは、一般に、それらの塩の形態で使用される。好ましくは、グリシネートは、アルカリ金属塩および/またはアンモニウム塩の形態である。さらに好ましくは、グリシネートは、カリウム、ナトリウム塩および/またはトリアルカノールアンモニウム塩の形態である。
【0017】
典型的には、グリシネート界面活性剤は、組成物の0.001~15重量%の量で存在する。好ましくは、グリシネート界面活性剤は、組成物の0.1~10重量%、さらに好ましくは0.5~6重量%、さらになお好ましくは1.5~4重量%の量で存在する。
【0018】
ポリオールとは、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物を示すために本明細書で使用される用語である。好ましくは、ポリオールは、2~20個の炭素原子、さらに好ましくは2~10個の炭素原子、最も好ましくは2~4個の炭素原子を有する。好ましくは、多価アルコールは、50~500、さらに好ましくは60~300の分子量を有する。
【0019】
典型的には、ポリオールは、グリセリン(すなわち、グリセリンまたはグリセロール)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールまたはそれらの混合物を含む。好ましくは、ポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールまたはそれらの混合物を含む。さらに好ましくは、ポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトールまたはそれらの混合物を含む。さらになお好ましくは、ポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコールまたはそれらの混合物を含む。最も好ましくは、多価アルコールはグリセリンを含む。
【0020】
典型的には、ポリオールは、組成物の0.1~50重量%の量で存在する。好ましくは、ポリオールは、組成物の4~45重量%、さらに好ましくは6~40重量%、さらになお好ましくは12~35重量%、さらになお一層好ましくは16~30重量%、最も好ましくは18~25重量%の量で存在する。好ましくは、組成物は、グリセリンが存在する場合、組成物の4~45重量%、さらに好ましくは6~40重量%、さらになお好ましくは12~35重量%、さらになお一層好ましくは16~30重量%、最も好ましくは18~25重量%の量のグリセリンを含む。
【0021】
ポリオール対グリシネート界面活性剤の重量比は、好ましくは少なくとも6.3:1、さらに好ましくは少なくとも7:1である。好ましくは、ポリオール対グリシネート界面活性剤の重量比は、好ましくは200未満:1、さらに好ましくは50未満:1である。グリセリン対グリシネート界面活性剤の重量比は、一般に少なくとも5.4:1、好ましくは少なくとも6.3:1、さらに好ましくは少なくとも7:1である。好ましくは、グリセリン対グリシネート界面活性剤の重量比は、グリセリンが存在する場合、好ましくは200未満:1、さらに好ましくは50未満:1である。
【0022】
非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、さらに好ましくはC6~C20アルキルグルコシドを含み、さらになお好ましくは、非イオン性界面活性剤は、デシルグルコシドというINCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)名を有する非イオン性界面活性剤を含む。本明細書で使用されるアルキルグルコシドには、アルキルポリグルコシドが含まれる。
【0023】
好ましいアルキルグルコシドは、RO-(G)nの式によって表され、式中、Rは、飽和または不飽和であり得る分岐鎖または直鎖アルキル基であり、Gは糖基であり、重合度nは、1~10の値を有し得、好ましくは、Rは、C5~C20の平均アルキル鎖長を有し、Gは、C5またはC6単糖残基から選択され、nは、1~6の値を有し、さらに好ましくは、Rは、C6~C16の平均アルキル鎖長を有し、Gはグルコースであり、nは、1~6の値を有する。さらになお好ましくは、RはC6~C16の平均アルキル鎖長を有し、Gはグルコースであり、nは1~6の値を有する。
【0024】
典型的には、非イオン性界面活性剤は、組成物の0.001~15重量%の量で存在する。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、組成物の0.1~10重量%、さらに好ましくは0.5~6重量%、さらになお好ましくは1.5~4重量%の量で存在する。
【0025】
典型的には、アルキルグルコシドは、組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、さらに好ましくは少なくとも0.5重量%、さらになお好ましくは少なくとも1重量%、さらになお一層好ましくは少なくとも1.5重量%の量で存在する。典型的には、アルキルグルコシドは、組成物の15重量%以下、好ましくは12重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下、さらになお好ましくは6重量%以下、さらになお一層好ましくは少なくとも6重量%の量で存在する。
【0026】
望ましいマイルド性およびクレンジング能力を達成するために、グリシネート界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は、好ましくは1:20~20:1、さらに好ましくは1:8~8:1、さらになお好ましくは1:4~4:1、最も好ましくは1:2~2:1の範囲である。グリシネート界面活性剤対アルキルグルコシドの重量比は、アルキルグルコシドが存在する場合、好ましくは1:20~20:1、さらに好ましくは1:8~8:1、さらになお好ましくは1:4~4:1、最も好ましくは1:2~2:1の範囲である。
【0027】
グリシネート界面活性剤およびアルキルグルコシドの総量は、好ましくは組成物の少なくとも2重量%である。さらに好ましくは、グリシネート界面活性剤およびアルキルグルコシドの総量は、組成物の2~20重量%、さらになお好ましくは2~15重量%、さらになお一層好ましくは3~10重量%、最も好ましくは4~8重量%である。
【0028】
組成物は、グリシネート以外のアミノ酸系界面活性剤、例えば、グルタメート、特にアシルグルタメート、さらに好ましくはC8~C20アシルグルタメートをさらに含み得る。グルタメートの量は、組成物の0.1~20重量%、好ましくは1~10重量%の範囲であり得る。
【0029】
組成物は、両性界面活性剤、好ましくはベタイン界面活性剤、好ましくはアルキルアミドプロピルベタイン界面活性剤、例えば、コカミドプロピルベタイン(CAPB)をさらに含むことが好ましい。好ましくは、組成物は、組成物の0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、さらに好ましくは1~5重量%のベタイン界面活性剤を含む。
【0030】
マイルド性のために、サルフェート含有アニオン性界面活性剤、例えば、SLES(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、SLS(ラウリル硫酸ナトリウム)、ならびに石鹸およびそれらのブレンドが、組成物の3、2または1重量%の最大濃度レベルで存在し、好ましくは組成物に存在しない。
【0031】
また、水不溶性皮膚有益剤が、コンディショナーおよび保湿剤として組成物に配合されてもよい。例には、シリコーン油;炭化水素、例えば、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスおよび鉱油;ならびに植物性トリグリセリド、例えば、ヒマワリ種子油および綿実油が挙げられる。
【0032】
一部の組成物は、増粘剤を含み得る。これらは、セルロース系、天然ガムおよびアクリルポリマーから選択され得るが、この増粘剤の種類によって限定されない。セルロース系の中には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの組合せがある。好適なガムには、キサンタン、ペクチン、カラヤ、寒天、アルジネートガムおよびそれらの組合せが含まれる。アクリル増粘剤の中には、カルボマーを含むアクリル酸およびメタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、例えば、Lubrizol Corporationから入手可能なCarbopol 1382、Carbopol 982、Ultrez、Aqua SF-1およびAqua SF-2がある。増粘剤の量は、組成物中の活性ポリマー(溶媒または水を除く)の0.01~3重量%の範囲であり得る。
【0033】
潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、本発明の組成物に防腐剤を望ましく組み込むことができる。本発明の組成物に適した従来の防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。最近使用されるようになった他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩および様々な第四級アンモニウム化合物が含まれる。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の用途と、防腐剤と他の成分との間に起こり得る不適合性とを考慮して選択すべきである。防腐剤は、組成物の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用されることが好ましい。
【0034】
様々な他の任意の材料が組成物に配合されてもよい。これらには、抗微生物薬、例えば、2-ヒドロキシ-4,2’,4’-トリクロロジフェニルエーテル(トリクロサン)、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシクロロベンゼンおよび3,4,4’-トリクロロカルバニリド;スクラブおよび剥離粒子、例えば、ポリエチレン、シリカまたはアルミナ;冷却剤、例えば、メントール;皮膚鎮静剤、例えば、アロエベラ;ならびに着色剤が含まれ得る。
【0035】
さらに、本発明の組成物は、0.5~10重量%の封鎖剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、EHDPまたは混合物;乳白剤およびパール化剤、例えば、エチレングリコールジステアレート、二酸化チタンまたはLytron 621(スチレン/アクリレートコポリマー)をさらに含んでもよい。これらはいずれも、製品の外観または特性を向上させるのに有用である。
【0036】
組成物は、組成物の10~90重量%、さらに好ましくは組成物の20~85重量%、さらになお好ましくは25~78重量%、最も好ましくは32~65重量%の量の水を含み得る。
【0037】
好ましくは、組成物は、約20s-1という比較的高い剪断速度で20℃で測定した場合に、少なくとも10mPa・s、さらに好ましくは30~10000mPa・sの範囲、さらになお好ましくは50~5000mPa・s、最も好ましくは100~2000mPa・sの粘度を有する。好ましくは、組成物は、流体の形態である。
【0038】
好ましくは、パーソナルケア組成物は皮膚クレンジング組成物である。本明細書で使用される用語「皮膚」は、顔、首、胸、腹部、背中、腕、脇の下、手および脚の皮膚を含む。好ましくは、「皮膚」は、顔および脇の下の皮膚を含み、さらに好ましくは、皮膚とは、唇および眼瞼以外の顔の皮膚を意味する。
【0039】
以下の実施例は、本発明の理解を容易にするために提供される。実施例は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0040】
[実施例]
[実施例1]
この実施例は、ポリオール対グリシネート界面活性剤の比の効果を実証する。
【表1】
【0041】
以下の標準的な手順によって、表1に従って、一連の皮膚クレンジング組成物を配合した。
【0042】
以下の手順によって試料の性能を評価した:試料はいずれも、ポンプを用いて同じボトルに入れた。同量の試料をボトルから時計皿上にポンプで送り出した。次いで、試料を含む水ガラスを55℃のオーブンに24時間にわたって入れた。次いで、これらの時計皿を取り出し、観察し、表2に記録した。
【表2】
【0043】
驚くべきことに、グリセリン対グリシネート界面活性剤の比を調整することによって、残渣が顕著に減少したことが見出された。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)グリシネート界面活性剤と、
(b)ポリオールと、
(c)アルキルグルコシドを含む非イオン性界面活性剤と、
を含むパーソナルケア組成物であって、
(i)前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1であ
り、
(ii)前記組成物がフェノキシエタノールを含み、
(iii)前記グリシネート界面活性剤およびアルキルグルコシドの総量が、前記組成物の少なくとも2重量%であるパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記グリシネート界面活性剤が、アルキルグリシネート、アシルグリシネートまたはそれらの混合物を含み、好ましくは、前記グリシネート界面活性剤が、C
12~20アルキルグリシネート、C
12~20アシルグリシネートまたはそれらの混合物を含み、さらに好ましくは、前記グリシネート界面活性剤が、C
12~20アシルグリシネートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
グリシネート界面活性剤が、前記組成物の0.1~10重量%、好ましくは0.5~6重量%、さらに好ましくは1.5~4重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオールが、前記組成物の6~40重量%、好ましくは16~30重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が、少なくとも6.3:1である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリオールが、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールまたはそれらの混合物を含み、好ましくは、前記ポリオールが、グリセリンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、当該組成物の6~40重量%、好ましくは16~30重量%の量のグリセリンを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記グリセリン対前記グリシネート界面活性剤の重量比が、少なくとも6.3:1である、請求項6または7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤C
6~C
20アルキルグルコシド、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記非イオン性界面活性剤が、前記組成物の0.1~10重量%、好ましくは1.5~4重量%の量で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記グリシネート界面活性剤対前記非イオン性界面活性剤の重量比が、1:8~8:1、好ましくは1:2~2:1の範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、当該組成物の10~90重量%、好ましくは25~78重量%の量の水を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が皮膚クレンジング組成物である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
グリシネート界面活性剤を含有する組成物の乾燥残渣を減少させるためのポリオールの使用であって、前記ポリオール対前記グリシネート界面活性剤の重量比が5.4以上:1である使用。
【国際調査報告】