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特表2024-504238被検体から漏出する試験ガスを光学センサを用いて検出する方法
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  • 特表-被検体から漏出する試験ガスを光学センサを用いて検出する方法 図1
  • 特表-被検体から漏出する試験ガスを光学センサを用いて検出する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】被検体から漏出する試験ガスを光学センサを用いて検出する方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/02 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
G01M3/02 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533944
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021087812
(87)【国際公開番号】W WO2022152564
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102021100405.5
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
【住所又は居所原語表記】Bonner Strasse 498, D-50968 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴェツィヒ,ダニエル
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA11
2G067CC04
2G067DD27
(57)【要約】
被検体(12)のガス漏れから脱出した試験ガス雲(16)を検出する方法であって、被検体(12)またはその背景から第1の時点で反射または放射された光放射(20)を、試験ガス(16)の光吸収スペクトルの少なくとも1つの波長または波長範囲を検出するように構成された光学センサ(22)で受けるステップと、画像点(xij)の信号振幅が、試験ガス(16)の少なくとも1つの吸収波長範囲の振幅に対応するように、第1の時点で受けられた光放射(20)から第1のデジタル画像(30)を生成するステップと、被検体(12)またはその背景から第2の時点で反射または放射された光放射(20)を光学センサ(22)を使用して受けるステップと、画像点(xijバー)の信号振幅が、試験ガス(16)の少なくとも1つの吸収波長範囲の振幅に対応するように、第2の時点で受けられた光放射(20)から第2のデジタル画像(30)を生成するステップと、第1の画像(30)を、第1の画像とは異なる、反射された光放射の少なくとも1つの第2のデジタル画像(32)と比較するステップと、を含み、第1の画像(30)の少なくとも第1の画像点(xij)の信号振幅と、第2の画像(32)の少なくとも第2の画像点(xijバー)の信号振幅との差が閾値を超えたときに、少なくともガス漏れ(14)が検出されたとみなされ、ここで、i、jは自然数であり、(xij)は、第1の画像(30)のi列j行の位置にある画像点であり、(xijバー)は、第2の画像(32)のi列j行の位置にある画像点である、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体(12)の漏出部から漏洩した試験ガス雲(16)を検出する方法であって、
被検体(12)またはその背景から第1の時点で反射または放射された光放射(20)を、試験ガス(16)の光吸収スペクトルの少なくとも1つの波長または波長範囲を検出するように構成された光学センサ(22)で受けるステップと、
画像点(下記の数式(1)であらわされる)の信号振幅が、試験ガス(16)の少なくとも1つの吸収波長範囲の振幅に対応するように、第1の時点で受けられた光放射(20)から第1のデジタル画像(30)を生成するステップと、
被検体(12)またはその背景から第2の時点で反射または放射された光放射(20)を光学センサ(22)を使用して受けるステップと、
画像点(下記の数式(2)であらわされる)の信号振幅が、試験ガス(16)の少なくとも1つの吸収波長範囲の振幅に対応するように、第2の時点で受けられた光放射(20)から第2のデジタル画像(30)を生成するステップと、
第1の画像(30)を、第1の画像とは異なる、反射された光放射の少なくとも1つの第2のデジタル画像(32)と比較するステップと、を含み、
第1の画像(30)の少なくとも第1の画像点(下記の数式(1)であらわされる)の信号振幅と、第2の画像(32)の少なくとも第2の画像点(下記の数式(2)であらわされる)の信号振幅との差が閾値を超えたときに、少なくともガス漏れ(14)が検出されたとみなされ、
ここで、
i、jは自然数であり、
下記の数式(1)であらわされる項は、第1の画像(30)のi列j行の位置にある画像点であり、
下記の数式(2)であらわされる項は、第2の画像(32)のi列j行の位置にある画像点である、
方法。
【数1】
【数2】
【請求項2】
第1の時点で画像を撮影した後、および第1の時点とは異なる第2の時点で第2の画像を撮影するまえに、そこから画像セクションが撮影される位置の方向に、ガスショックが放射される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
撮影された画像の画像セクションがほぼ同一であるように、光学センサ(22)および被検体(12)の位置が固定される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
被検体(12)の密封度の統合的評価のために、互いに対応する、第1の画像(30)の画像点(上記の数式(1)であらわされる)と、第2の画像(32)の画像点(上記の数式(2)であらわされる)の振幅の差の総和が形成され、総和がある閾値を超えた場合、ガス漏れ(14)が検出されたとみなされる、
請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
被検体(12)のガス漏れ(14)位置を特定するために、第1の画像(30)の少なくとも第1の画像点(上記の数式(1)であらわされる)の振幅と、第1の画像(30)の少なくとも第2の画像点の振幅との差が形成され、差がある閾値を超えた場合、第1の画像点(上記の数式(1)であらわされる)の位置のガス漏れ(14)が検出されたとみなされる、
請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
被検体(12)は、そのスペクトルが、試験ガス(16)の吸収スペクトルの少なくとも一部を含む、光放射(20)の放射を受ける、
請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
被検体(12)に反射され、受けられる光放射は、その通過帯域が、試験ガス(16)の光吸収スペクトルの少なくとも1つの吸収波長を含む光学フィルタ(24)によってフィルタされる、
請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
測定中、外部環境の空気の動きが被検体(12)から遠ざけられるように被検体(12)は外部環境から遮蔽される、
請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
被検体(12)は、その放射スペクトルが赤外熱放射の大きい部分をカバーする、ハロゲン灯、電球、放射ヒータ、またはフラッシュ灯などの放射源(18)により照射を受ける、
請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
被検体(12)は、その放射スペクトルが赤外熱放射の小さい部分のみをカバーする、例えばレーザーやLEDなどの放射源(18)により照射を受ける、
請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
2つの画像(30、32)の画像点(上記の数式(1)であらわされる)が互いに次の式によって比較され、
【数3】

ここで、
i、j、n、mは自然数であり、
上記の数式(1)であらわされる項は、第1の画像(30)のi列j行の位置にある画像点であり、
上記の数式(2)であらわされる項は、第2の画像(32)のi列j行の位置にある画像点である、
請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体(test specimen)から漏出する試験ガス(test gas)を検出する方法に関する。
【0002】
被検体から漏れる試験ガスの検出は、被検体の漏れを検出するために使用される。特に、設置された、および特に大きな被検体は、試験室内では検査されないが、通常は手持ち式のスニッファ(sniffer)プローブを用いて検査される。スニッファプローブは、オペレータによって、検査される被検体の試験場所に導かれる。スニッファプローブは、スニッファプローブの入口開口部から連続的に空気を吸い込む。吸い込まれた空気は、漏洩ガスを選択的に検出できるガス検出器に導かれる。漏洩ガス、すなわち被検体の漏出部から漏出するガスは、通常、被検体に充填された、または被検体にすでに存在する既知の試験ガスである。試験場所において、漏出部から試験ガスが漏れた場合、漏洩ガスは試験場所の環境の空気と一緒に取り込まれ、空気と試験ガスの混合ガスが検出器に導かれる。吸引されたスニッファガス流中の試験ガス濃度は、漏洩率と連続的に吸引される空気流の大きさに依存する。漏洩率が低く、引き込まれる空気流量が大きいほど、引き込まれるガス流中の試験ガス濃度は低くなる。
【0003】
さらに、サーモグラフィ赤外線カメラを使用して、赤外線活性ガス、すなわち吸収スペクトルが赤外線波長を有するガスを含むガス雲(gas cloud)を検出することが知られている。この場合、カメラのセンサフィールドに入射する波長域は光学フィルタによって制限され、フィルタの通過帯域(passband)は検出されるガスの吸収スペクトルまたは吸収帯域(absorption band)を含み、他の波長域は遮断される。カメラが対応するガス雲に向けられると、ガス雲を透過した放射線成分は、背景から反射された放射線よりも赤外吸収スペクトルの範囲で暗く見える。その結果、ガス雲は赤外線カメラの画像で暗くなった領域として表示される。
【0004】
例えば、FLIR GF320カメラは、連続する画像の個々のピクセルの振幅を減算することで、ガス雲の動きの表示を向上させることが知られている。
【背景技術】
【0005】
US2003/0025081Aには、赤外線カメラを使用したガス放出の定量的表示方法が記載されている。
【0006】
赤外線画像におけるガス雲の動きの撮像は、WO2018/45107A1、EP3392635A1、およびEP3351916A1に記載されている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、被検体から漏れる試験ガスを検出するための、改良され自動化された方法を提供することである。
【0008】
本発明による方法は、請求項1の特徴によって定義される。
【0009】
したがって、検査される被検体によって反射または放射された光放射(optical radiation)は、まず光学センサ、例えばデジタルセンサやCCDチップによって受信される。センサは、試験ガスの光吸収スペクトルの少なくとも1つの波長を感知するように構成される。好ましくは、赤外波長域の吸収スペクトルを有する試験ガスが使用される。センサは、吸収スペクトルの少なくとも1つの波長を検出する適切な光学系によって設計することができ、例えば、被検体とセンサとの間のビーム経路に適切な光学フィルタを使用して、吸収スペクトル外の波長を遮断する。例えば、このような光学フィルタの通過帯域は吸収スペクトルまたは吸収帯域を含み、フィルタの阻止帯域(stopband)は隣接する残りの波長の範囲をカバーすることができる。
【0010】
これは、検査される被検体によって反射または放射された光放射を受信し、受信された放射線スペクトルに基づいて、放射線が試験ガスを透過しているか否かを判定し、試験ガスの存在を結論付けるという考えに基づいている。
【0011】
光放射は、第1の時点で受信され、さらに第1の時点に続く第2の時点でも受信される。2つの時点の各々で受信された光放射から2つのデジタル画像が生成され、その画素は、当該位置における試験ガスの少なくとも1つの吸収波長の振幅に対応する信号振幅を有する。したがって、試験ガスがない場所の画像点は、試験ガスがある場所に対応する画像点よりも大きな信号振幅を有する。試験ガスのある場所では、吸収波長の放射線は吸収され、試験ガスを透過した放射線の振幅は、試験ガスを透過しない放射線の振幅よりも小さくなる。従って、試験ガスがある場所を撮像している画像点は、試験ガスがない場所の画像点よりも均一照明下で低い信号振幅を持つ。
【0012】
本発明の特徴は、2つの画像を撮影する時点の間で、ガス漏れから漏洩した試験ガスの可能性のあるガス雲を積極的に移動させることである。すなわち、言い換えれば、ガス漏れが存在するかまたは疑われる場所、およびこのように試験ガス雲が存在するかまたは疑われる場所で、例えば、試験ガスの可能性のある雲を吹き飛ばすガスショック(gas shock)が放出される。これは圧縮空気パルスとして、あるいはファンの助けを借りて行うことができる。試験ガス雲を移動させるガスは、試験ガスとは異なり、試験ガスと同じ吸収帯を持たないことが重要である。
【0013】
言い換えれば、ガス漏れが存在する、または疑われる場所、したがって試験ガス雲が存在する、または疑われる場所は、受信した光放射が反射または放射される場所、または画像セクションが撮影される場所である。
【0014】
本発明によれば、第1の画像は、反射および放射された光放射の第2の画像と比較され、第1の画像および第2の画像の画像点の信号振幅は、試験ガスの少なくとも1つの吸収波長範囲の振幅に対応する。ここで、1つまたは複数の動的に連続する画像は、1つまたは複数の継続的に連続して撮影された画像と比較される。その際、好ましくは、連続的に撮影された画像の画像セクションが同一となるように、カメラと対象物の両方を固定する。
【0015】
本発明によれば、第1の画像の少なくとも第1の画像点の信号振幅と第2の画像の少なくとも第2の画像点の信号振幅との差が閾値を超えたときに、少なくともガス漏れが検出されたと自動的にみなされる。ガスのサーモグラフィ撮像による公知の方法では、ガスの画像のみが撮像され、図示されるが、本発明による方法では、画像点の振幅の自動評価が漏れを検出するために実行される。これにより、使用者や距離に関係なくガス漏れを検出することができる。
【0016】
本発明による方法では、第1の画像と第2の画像の対応する画像点の差を合計することにより、被検体の密閉度(tightness)を統合的に評価することができる。これは、下記の数式(1)であらわされる第1の画像の画像点、ここでi=1...n、j=1...m(n、mは自然数)、の振幅が、第1の画像点に対応する、下記の数式(2)であらわされる第2の画像の画像点の振幅から差し引かれることを意味する。この差に、両画像の別の画像点、例えばxi+1,jまたはxi,j+1の振幅の差が複数の画像点について加算される。この加算は、例えば、選択された領域内のすべての画像点に対して、または画像全体のすべての画像点に対して、またはnを自然数として各n番目の画素に対して行うことができる。総和がある閾値を超えた場合、ガス漏れが検出されたとみなされる。
【数1】
【数2】
【0017】
受信した光放射が反射または透過する位置に試験ガス雲がない場合、この位置にガスショックを放射しても試験ガス雲は移動しないので、2つの画像の画像点の振幅は有意な差を示さない。このとき、画像点の差は適切な閾値以下となる。しかし、試験ガス雲がその場所に存在するとすぐに、ガスショックによってこのガス雲が移動するため、試験ガス雲は第1の画像では第2の画像とは異なる位置に表示される。2つの画像の画像点の振幅を差し引いた後、移動した試験ガス雲に起因する閾値以上の有意な振幅値がまだ存在する。その結果、画像点の振幅の差を計算することで、試験ガス雲を検出できる可能性がある。
【0018】
背景放射線、背景ノイズ、あるいは試験ガスで反射されなかった反射放射線に起因する振幅部分は、それぞれの画像点を減算することにより減少し、試験ガスのある場所に対応する画像点の吸収スペクトルの振幅部分は残る。これらの振幅の和がある値を超えるとすぐに、自動的に漏洩が検出されたとみなすことができる。このように、本発明によれば、それぞれの閾値との自動比較が行われる。前述の閾値を超えるとすぐに、「漏れがある」という情報を含む信号を生成および/または送信することができる。
【0019】
代替的または追加的に、被検体内のガス漏れの自動的な位置特定も行うことが可能であり、すなわち、第1の画像の少なくとも1つの第1画像点(上記数式(1)であらわされる)の振幅と、第1の画像の少なくとも1つの第2画像点の振幅であって第1画像点とは異なる振幅との差を形成することによって行うことができる。この差は閾値と比較され、差が閾値を超えた場合に、第1の画像点の位置にガス漏れがあるとみなされる。ここで、第1の画像の第1の領域における複数の画像点の振幅の和は、第1の画像の第1の領域とは異なる第2の領域における画像点の振幅の和と比較することもできる。2つの領域からの画像点の振幅の和の差が予め設定された閾値を超えた場合、第1の領域の位置で漏れが検出されたと考えられる。この場合も、ガス漏れが検出された、または検出されたと考えられるという情報を含む信号を自動的に送信および/または生成することができる。
【0020】
被検体は、好ましくは、試験ガスの吸収スペクトルをそのスペクトルに含む光放射を照射される。試験ガスの吸収スペクトルが赤外波長域の吸収波長である場合には、赤外放射線を照射する。
【0021】
本発明による方法を実施する際、外部環境の空気の動きが被検体または測定位置から遠ざけられるように、被検体および/または被検体上の測定位置が、例えば保護壁によって外部環境から遮蔽されていると有利である。
【0022】
放射スペクトルが赤外熱放射の50nm以上または100nm以上または数100ナノメートルなどの大部分をカバーする、すなわち、その放射スペクトルが広帯域熱スペクトルである放射源を、被検体を照射するために使用することができる。あるいは、放射スペクトルが数ナノメートルから50ナノメートルまでの熱放射のごく一部のみをカバーする狭帯域放射源、例えばレーザーやLEDを放射源とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下では、本発明の例示的な実施形態について、図を参照してより詳細に説明する。
【0024】
図1図1は、例示的な実施形態の模式図である。
図2図2は、撮影された画像の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、試験ガスを含む、あるいはそれ自体が試験ガスとして使用可能なガスまたは流体、例えば冷媒、を輸送するパイプラインの形態をとる被検体12が示されている。試験ガス16は被検体12の漏出部14から流出し、漏出部14の領域に雲を形成する。
【0026】
放射源18は被検体12に向けて赤外線20を放射するために使用される。放射線20は被検体12と被検体の背景によって反射される。反射された放射線20は、例えばCCDチップの形をとる赤外線カメラのセンサ22によって吸収される。光学フィルタ24は、反射された熱放射20のビーム経路を遮ってセンサ22の前に配置される。
【0027】
図2は、センサ22によって吸収された放射線20の第1の画像30と第2の画像32を示す。両方の画像30、32は、同じ数の画像点(上記数式(1)であらわされる)を有し、ここで、i=1...nは自然数であり、j=1...mは自然数である。したがって、2つの画像30、32のそれぞれは、n列およびm行からなる。2つの画像を比較する場合、第1の画像30の第1の領域34内の画像点と、第1の領域34に対応する第2の画像32の領域34内の画像点とを比較することができる。代替的または追加的に、一方の画像の第1の領域34の画像点を、第1の領域34とは異なる第2の領域36の画像点と比較することもできる。この第2の領域は、ガス漏れ位置を特定するために使用することができる。
【0028】
特に、2つの画像30、32の画像点(上記数式(1)であらわされる項、および数式(2)であらわされる項)の比較は、次の式のいずれかを使用して実行できる。
【数3】
【数4】
【0029】
ここで、上記数式(1)であらわされる項は、i列j行の位置にある第1の画像の画像点であり、上記数式(2)であらわされる項は、第1の画像点の位置に対応する第2の画像の画像点、すなわち、i列j行の位置にある第2の画像の画像点である。
【0030】
この項がある閾値を超えた場合、ガス漏れが検出されたとみなされる。これにより、ガス漏れが存在することを示す信号、またはガス漏れが検出されたことを示す信号が生成および/または出力される場合がある。
【0031】
先行技術と比較して、本発明による方法は、被検体のデジタル画像を撮影して評価することにより、撮影された画像の人間の観察者に評価を委ねることなく、被検体の自動ガス漏れ検知という利点を提供する。特に、本発明による方法、または少なくとも撮影された画像と画像点の比較および画像点の評価は、コンピュータ制御またはマイクロプロセッサによって実行することができる。
図1
図2
【国際調査報告】