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特表2024-504263敗血症を治療するための薬物組成物及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】敗血症を治療するための薬物組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/351 20060101AFI20240124BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240124BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240124BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240124BHJP
   A61K 31/34 20060101ALI20240124BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
A61K31/351
A61K31/7048
A61P43/00 121
A61P31/04
A61K31/34
A61K31/192
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538107
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2021082244
(87)【国際公開番号】W WO2022183539
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】202110225428.6
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519178593
【氏名又は名称】天津紅日薬業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TIANJIN CHASE SUN PHARMACEUTICAL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】NO. 20, QUANFA ROAD, TIANJIN WUQING DEVELOPMENT AREA, TIANJIN, 301700 PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】于洋
(72)【発明者】
【氏名】王建立
(72)【発明者】
【氏名】蒋春亮
(72)【発明者】
【氏名】王向成
(72)【発明者】
【氏名】李玉坤
(72)【発明者】
【氏名】李宝斎
(72)【発明者】
【氏名】張桂萍
(72)【発明者】
【氏名】董凱
(72)【発明者】
【氏名】姚小青
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA06
4C086BA07
4C086EA11
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB35
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA22
4C206MA03
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZB35
4C206ZC42
4C206ZC75
(57)【要約】
【要約】
本発明は敗血症を治療するための薬物組成物及びその使用を提供し、化学薬品の技術分野に属する。本発明は、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンを含む3成分薬物組成物を提供し、更にヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸を含む7成分薬物組成物を提供し、本発明は、2グループの薬物組成物が、細胞レベル及び動物レベルで効果的に敗血症を治療する効果を有することを検証し、同時に薬物毒性実験は、当該薬物が比較的高い安全性を有することを示した。本発明によって提供される薬物組成物は、Xuebijing注射剤の有効成分であるため、敗血症の臨床治療に使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式が式Iに示されるヒドロキシサフロールイエローA、構造式が式IIに示されるペオニフロリン及び構造式が式IIIに示されるアルビフロリンを含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は1~100:1~100:0.1~10であることを特徴とする敗血症を治療するための薬物組成物。
【化1】
【請求項2】
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は、1~100:1~100:1~10であることを特徴とする請求項1に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【請求項3】
更に、構造式が式IVに示される酸化ペオニフロリン、構造式が式Vに示されるセンキュノリドI、構造式が式VIに示されるダンシェンスナトリウム、及び構造式が式VIIに示されるフェルラ酸を含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の質量比が1~100:1~100:1~10:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.01~1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【化2】
【請求項4】
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸の質量比は1~100:1~100:1~10:1~10:1~10:1~10:0.1~1であることを特徴とする請求項3に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の薬物組成物の敗血症を治療するための薬物の調製における使用。
【請求項6】
前記薬物組成物の敗血症におけるIL-6、Foxp3、CTLA-4及び/又はHMGB1の発現を阻害する薬物の調製における使用を特徴とする請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記薬物組成物の敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害する薬物の調製における使用を特徴とする請求項5に記載の使用。
【請求項8】
前記薬物組成物の敗血症における敗血症制御性T細胞のアポトーシスを促進する薬物の調製における使用を特徴とする請求項5に記載の使用。
【請求項9】
前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの3つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであることを特徴とする請求項5~8に記載の使用。
【請求項10】
前記薬物組成物が、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸を含む7つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローA薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、センキュノリドIの薬用量は0.6~60mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの薬用量は0.6~60mg/kgであり、フェルラ酸の薬用量は0.06~6mg/kgであることを特徴とする請求項11~14に記載の使用。
【請求項11】
請求項1~4の何れか一項に記載の薬物組成物から調製された薬物を服用することを特徴とする敗血症を治療する方法。
【請求項12】
前記薬物組成物がIL-6、Foxp3、CTLA-4および/またはHMGB1の発現を阻害することによって敗血症の治療を実現することを特徴とする請求項11に記載の敗血症を治療する方法。
【請求項13】
前記薬物組成物が敗血症のTFおよび/またはTMの放出を阻害することによって敗血症の治療を実現することを特徴とする請求項11に記載の敗血症を治療する方法。
【請求項14】
前記薬物組成物が敗血症の制御性T細胞のアポトーシスを促進することによって敗血症の治療を実現することを特徴とする請求項11に記載の敗血症を治療する方法。
【請求項15】
前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリンおよびアルビフロリンの3つの活性化合物から構成される場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであることを特徴とする請求項11~14の何れか一項に記載の敗血症を治療する方法。
【請求項16】
前記薬物組成物が、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウムおよびフェルラ酸を含む7つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、センキュノリドIの薬用量は0.6~60mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの薬用量は0.6~60mg/kgであり、フェルラ酸の薬用量は0.06~6mg/kgであることを特徴とする請求項11~14の何れか一項に記載の敗血症を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年3月1日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110225428.6であり、発明の名称が「敗血症を治療するための薬物組成物及びその使用」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は、引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は化学薬品の技術分野に属し、詳しくは敗血症を治療するための薬物組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
敗血症は、感染に対する宿主の反応異常によって引き起こされる致死的な臓器機能障害であり、その悪質性と高致死率は、重症患者の死因の主な原因である。長年、従来の敗血症治療には抗生物質、抗ウイルス薬、血管拡張薬などが使用されてきたが、敗血症の発病メカニズムに十分な特異的な薬剤はまだ、臨床に投入されることはない。敗血症の発症・進展において、全身炎症反応、凝固機能障害、免疫機能障害をいかに速やかに修正し、早期に生体炎症促進-抗炎症動態バランスを回復し、患者の予後を効果的に改善するかは、敗血症の治療薬の研究開発における解決すべき重要課題になっている。
Xuebijing(血必浄)注射液は、「3つの症候と3つの方法」の弁証原則に基づいて、「細菌、毒、炎症の組み合わせ治療」の理論の指導の下で、清王朝の王清任の著書『YilinGaicuo』に収録された「血府逐オ湯」をもとに、開発された静脈内注射液であり、紅花、赤芍、川キュウ、丹参、当帰の5つの生薬から、抽出、精製、乾燥、配合の現代のプロセスによって調製され、敗血症や感染によって誘発される全身性炎症反応症候群に適し、多臓器不全症候群の臓器不全期の治療と併用することもできる。しかし、Xuebijing(血必浄)注射液は漢方薬から調製されており、敗血症の主な有効成分がまだ不明であるため、敗血症治療用の薬物組成物を調製するには、さまざまな漢方薬を抽出及び精製する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを鑑みて、本発明は、敗血症を治療するための新規薬物組成物及びその使用を提供することを目的とし、当該薬物組成物は、敗血症の活性化合物を直接配合しているため、生薬の抽出という面倒な工程を省き、薬物組成物の構成をより簡潔化にすることができ、製品の薬効を向上できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、構造式が式Iに示されるヒドロキシサフロールイエローA、構造式が式IIに示されるペオニフロリン及び構造式が式IIIに示されるアルビフロリンを含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は1~100:1~100:0.1~10である敗血症を治療するための薬物組成物を提供する。
【0006】
【化1】
【0007】
好ましくは、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は、1~100:1~100:1~10である。
【0008】
好ましくは、前記薬物組成物はさらに、構造式が式IVに示される酸化ペオニフロリン、構造式が式Vに示されるセンキュノリドI(senkynolideI)、構造式が式VIに示されるダンシェンスナトリウム、及び構造式が式VIIに示されるフェルラ酸を含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI(senkynolideI)、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の質量比は1~100:1~100:1~10:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.01~1である。
【0009】
【化2】
【0010】
好ましくは、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI)、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸の質量比は1~100:1~100:1~10:1~10:1~10:1~10:0.1~1である。
【0011】
本発明は、前記薬物組成物の敗血症治療薬の調製における使用を提供する。
【0012】
好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害するための薬物の調製に使用される。
【0013】
好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症制御性T細胞のアポトーシスを促進するための薬剤の調製に使用される。
【0014】
好ましくは、前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの3つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgである。
【0015】
好ましくは、前記薬物組成物が、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸を含む7つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、センキュノリドIの薬用量は0.6~60mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの薬用量は0.6~60mg/kgであり、フェルラ酸の薬用量は0.06~6mg/kgである。
【0016】
本発明はさらに、薬物組成物から調製された薬物を服用することによる敗血症の治療方法を提供する。
好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症におけるIL-6、Foxp3、CTLA-4及び/又はHMGB1の発現を阻害することによって敗血症を治療することができる。
【0017】
好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害することによって敗血症を治療することができる。
【0018】
好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症制御性T細胞のアポトーシスを促進することによって敗血症の治療を実現する。
【0019】
好ましくは、前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの3つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgである。
【0020】
好ましくは、前記薬物組成物が、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸を含む7つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、センキュノリドIの薬用量は0.6~60mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの薬用量は0.6~60mg/kgであり、フェルラ酸の薬用量は0.06~6mg/kgである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によって提供される敗血症を治療するための薬物組成物は、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリンを含み、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は1~100:1~100:0.1~10である。本発明は、前記薬物組成物が、敗血症におけるマクロファージIL-6、HMGB1、CTLA-4及びFoxp3の発現を抑制する作用を有し、敗血症におけるTF及びTMの放出を有効に抑制し、同時に制御性Tリンパ球のアポトーシスに対する促進作用を有することを細胞レベル及び動物レベルで証明し、本発明により提供される薬物組成物が、敗血症に対して明らかに細胞又は体細胞の免疫抑制状態を修正する作用を有し、敗血症を治療する目的を達成することを示している。
【0022】
同時に、本発明の前記薬物組成物の静脈内投与による急性毒性試験の結果、投与後の動物に明らかな異常が認められず、動物の体重及び体重増加率は対照グループと有意な差はなく、肉眼解剖学的構造に明らかな異常は認められず、本発明により提供される薬物組成物が薬剤安全性を有することを示している。
【0023】
さらに、本発明によって提供される薬物組成物は、さらに式IVに示される構造式を有する酸化ペオニフロリン、式Vに示される構造式を有するセンキュノリドI、式VIに示される構造式を有するダンシェンスナトリウム、及び式VIIに示される構造式を有するフェルラ酸を含み、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の質量比は1~100:1~100:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.01~1である。本発明は、ヒドロキシサフロールイエローAが敗血症治療用の紅花の有効成分として、ペオニフロリン、アルビフロリン及び酸化ペオニフロリンが敗血症治療用の赤芍と白芍の有効成分として、センキュノリドIが敗血症治療用の川キュウ及び当帰の有効成分として、フェルラ酸が敗血症治療用の当帰の有効成分として、ダンシェンスが敗血症治療用の丹参の活性成分として、フェルラ酸は敗血症治療用の当帰の活性成分として、3つの化合物からなる薬物組成物と比較して、7つの有効成分を厳密な用量と比率で配合した薬物組成物は、敗血症におけるマクロファージのIL-6、HMGB1、CTLA-4、Foxp3の発現により強力な抑制作用があり、敗血症におけるTF及びTMの放出に対してより強力な阻害作用があり、同時に制御性Tリンパ球のアポトーシスに対してより強力な促進作用があることを明らかにし、本発明の実験により、前記薬物組成物が敗血症の治療においてより強力な薬効を有し、より優れた治療効果を達成することが示される。
【0024】
同時に、本発明はまた、7つの有効成分からなる薬物組成物に対して静脈内急性毒性試験を実施し、その結果、投与後の動物に明らかな異常は認められず、動物の体重及び体重増加率は対照グループと有意な差はなく、肉眼解剖学的構造に明らかな異常は認められず、薬物組成物が本発明により提供される薬剤安全性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、敗血症を治療するための薬物組成物を提供し、構造式が式Iに示されるヒドロキシサフロールイエローA、構造式が式IIに示されるペオニフロリン及び構造式が式IIIに示されるアルビフロリンを含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は1~100:1~100:0.1~10である。
【0026】
【化3】
【0027】
本発明において、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は、好ましくは1~100:1~100:1~10であり、1~100:1:1、1~100:10:1、1~100:100:1、1~100:1:0.01、1~100:1:10、1~100:10:10、1~100:10:1、1~100:10:0.01を含み、具体的には、1:10:10、1:100:1、10:1:10、10:10:1、10:100:0.1、100:1:1、100:10:0.1及び10:10:1であり、最も好ましくは10:10:1である。ヒドロキシサフロールイエローAは、分子式がC27316、分子量が612.53である常用漢方薬紅花の有効成分であり、ヒドロキシサフロールイエローAは、モノカルコン配糖体化合物であり、紅花の薬理作用の最も有効な水溶性部分であり、血小板活性化因子による血小板の凝集と放出を阻害でき、血小板受容体への血小板活性化因子の結合を競合的に阻害でき、抗血小板及び抗心筋虚血作用があり、サフロールイエローの血行促進やむくみ解消の有効成分であり、同時に、抗炎症作用、細胞保護作用、抗腫瘍作用も有する。ペオニフロリン(Paeoniflorin)は、分子式がC232811、分子量が480.46である常用漢方薬赤芍と白芍の有効成分であり、ペオニフロリンは、モノテルペン配糖体化合物であり、薬理作用が多様であり、抗フリーラジカル損傷、細胞内カルシウム過負荷の抑制、抗神経毒性などの活性を有し、生体内実験では、血液粘度の低下、血管の拡張、微小循環の改善、抗酸化、抗けいれんなどのさまざまな生物学的作用があり、有害反応が少ないことが証明された。アルビフロリンは、分子式がC232811、分子量が480.46である。アルビフロリンはペオニフロリンと化学構造が類似しており、ペオニフロリンの異性体であり、含有量はペオニフロリンより低く、アルビフロリンは、免疫系の脾臓、胸腺、血液系の造血サイトカインに作用し、血液を豊かにする明確な作用があると同時に、神経系のHPA軸と脳内のモノアミンの神経伝達にも作用し、明らかな抗うつ作用がある。前記ヒドロキシサフロールイエローA、アルビフロリン及びペオニフロリンの形態には、それらのモノマー化合物だけでなく、好ましくは、それらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物、多結晶体、エナンチオマー又はラセミ混合物等を更に含む。
【0028】
本発明では、前記薬物組成物は、好ましくはさらに、構造式が式IVに示される酸化ペオニフロリン、構造式が式Vに示されるセンキュノリドI、構造式が式VIに示されるダンシェンスナトリウム、及び構造式が式VIIに示されるフェルラ酸を含み、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の質量比は1~100:1~100:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.01~1である。
【0029】
【化4】
【0030】
本発明において、前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の質量比は、好ましくは1~100:1~100:1~10:1~10:1~10:1~10:0.1~1であり、具体的に好ましくは1:10:1:1:1:1:0.1、1:100:10:10:10:10:1、10:1:0.1:1:1:10:1、10:10:1:10:10:0.1:0.01、10:100:10:0.1:0.1:1:0.1、100:0.1:1:0.1:10:1:1、100:10:0.1:10:1:0.1:10:0.01、100:100:0.1:10:1:0.1:1、1:1:10:10:1:1:0.01、1:10:0.1:0.1:10:10:1、1:100:1:1:0.1:0.1:1、10:1:1:0.1:1:0.1:0.1、10:10:10:10:0.1:0.1:1、10:100:0.1:1:10:1:0.01、100:1:10:1:10:0.1:1、100:10:0.1:10:0.1:1:1、100:100:1:0.1:1:10:0.01であり、最も好ましくは100:100:1:0.1:1:10:0.01である。酸化ペオニフロリンの含有量は、赤芍と白芍薬の中では比較的少なく、その薬理作用については、ほとんど報告がない。ペオニフロリンは、鎮痛、抗感染、抗酸化、抗がんなど作用があり、非常に高い応用価値を有するため、臨床推進に値する。センキュノリドIは川キュウや当帰などの漢方薬の抽出物の中から分離されたフタリド化合物であり、優れた脂溶性と水溶性を有し、多種な薬理作用があり、センキュノリドIはNF-κB経路を阻害することにより、抗炎症作用を発揮でき、In vivoの実験では、虚血再灌流障害に対する保護作用が確認され、同時に、赤血球の変形指数と指向係数を低下させ、赤血球の凝集を低下させ、抗凝固及び抗血小板凝集の活性の作用を有する。タンシノール(Tanshinol)は丹参の水溶性成分の主な有効成分であり、フェノール系の芳香族酸化合物の一種であり、安定性を高めるために、ダンシェンスと同じ効果を持つダンシェンスナトリウムに調製し、研究では、ダンシェンスが心筋梗塞の範囲と病気の経過を減らし、心筋虚血再灌流障害を減らし、心筋を保護する作用を有し、ダンシェンスは、血小板の凝集をさらに著しく阻害し、全血の粘度を低下させ、その抗凝固作用により、全身のさまざまな臓器(心臓、肝臓、肺など)の微小循環障害を改善し、体の組織の回復に寄与し、同時に、ダンシェンスには一定の抗菌効果と抗炎症効果があり、体の免疫力を高める作用があることが示される。フェルラ酸(Ferulic Acid)は当帰の有効成分の一つであり、フェノール酸化合物に属し、抗血小板凝集、血小板5-ヒドロキシトリプタミン放出の阻害、血小板トロンボキサンA2(TXA2)産生の阻害、プロスタグランジン活性の増強、鎮痛、血管痙攣の緩和等の作用を有する。実験により、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸がXuebijing注射液の中の有効成分であり、敗血症の治療における役割には、重要な実用的意義と応用価値があることが証明された。本発明において、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の形態には、それらのモノマー化合物のみならず、好ましくは、それらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物、多結晶体、エナンチオマー又はラセミ混合物等を更に含む。
【0031】
本発明において、前記薬物組成物の調製方法は、以下の工程を含むことが好ましい。
ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリンを上記質量比で混合して薬物組成物を得る。
【0032】
薬物組成物が7種を含む場合、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸を上記質量比に従って混合することにより得られる。
【0033】
本発明は、前記薬物組成物の敗血症治療薬の調製における使用を提供する。前記薬物組成物の敗血症の治療における使用を提供する。
【0034】
本発明において、好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症におけるIL-6、Foxp3、CTLA-4及び/又はHMGB1の発現を抑制するための薬物の調製に使用される。実験結果は、対照グループが細胞レベル及び動物レベルで少量のIL-6及びHMGB1を含むことを示し、モデルグループのIL-6、HMGB1、Foxp3、及びCTLA-4の含有量は有意に増加し、前記薬物組成物投与グループ(8時間、24時間及び48時間)のIL-6、HMGB1、Foxp3及びCTLA-4の血漿中含有量は、いずれもモデルグループより有意に低く、各用量グループの3成分の薬剤グループは、CLP敗血症におけるIL-6、HMGB1、Foxp3、及びCTLA-4の発現を大幅に減少させることができ、敗血症ラットモデルの初期炎症反応に対して明らかな抑制効果があることが示唆されている。前記薬学的組成物は、IL-6、Foxp3、CTLA-4及び/又はHMGB1の発現を阻害することにより、敗血症の初期炎症反応を治療する効果を達成する。
【0035】
本発明において、好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害するための薬物の調製に使用される。実験は、細胞レベル及び動物レベルで、対照グループで単球のTM及びTFが一定の発現されることを示し、モデルグループでTMとTF(手術後12時間、24時間、48時間、72時間)の発現は対照グループより有意に高く(p<0.05)、且つ手術後時間の延長とともに徐々に増加し、薬物組成物投与グループのTM及びTF(手術後12時間、24時間、48時間及び72時間)の発現は、モデルグループよりも有意に低かった(p<0.05)。前記薬物組成物が、敗血症ラットモデルに対して、明らかに凝固因子の放出を阻害し、凝固亢進状態を改善する作用があることを示している。前記薬物組成物は、敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害することによって、敗血症凝固疾患の治療効果を達成する。
【0036】
本発明において、好ましくは、前記薬物組成物は、敗血症制御性T細胞(Tred)のアポトーシスを促進するための薬剤の調製に使用される。実験は、モデルグループTreg細胞のアポトーシス細胞の比率は対照グループよりも有意に低く(p<0.05)、漢方薬組成物投与グループがモデルグループよりも有意に高かった(p<0.05)。モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループと7成分薬物グループは、いずれも敗血症Tregのアポトーシスを促進し、Tリンパ球の増殖と分泌機能に対する抑制効果をダウンレギュレートさせることができる。前記薬物組成物は、Tregアポトーシスを促進することにより、Tリンパ球の増殖及び分泌機能を調節できることを示す。
【0037】
本発明において、前記薬物組成物は細胞レベル及び動物レベルで、別々の薬物実験を行い、動物投与量に基づいて、徐叔云主編の『薬理実験方法学』におけるヒトと動物の間の体表面積換算法に従い、式Aに従ってヒトに投与される用量を算出する。
ヒトの用量=ラットの用量/0.018 式A
ここで、成人の体重70kg、ラットの体重0.2kgを基準とし。
【0038】
好ましくは、前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの3つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgである。好ましくは、前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸の7つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、センキュノリドIの薬用量は0.6~60mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの薬用量は0.6~60mg/kgであり、フェルラ酸の薬用量は0.06~6mg/kgである。
【0039】
本発明は、調製された薬剤の剤形に特別な限定はなく、例えば錠剤、カプセル剤、経口液剤、顆粒剤、顆粒剤、丸剤、粉末剤、軟膏剤、エリキシル剤、懸濁液剤、粉末剤、溶液剤、注射剤、坐剤、スプレー剤、ドロップ剤など、当技術分野で周知の医薬剤形を使用すればよい。本発明は、前記薬物の各剤形の調製方法に特別な制限はなく、当技術分野で周知の医薬剤形の調製方法を使用すればよい。
【0040】
本発明によって提供される敗血症を治療するための薬学的組成物及びその使用は、実施例を参照して以下に詳細に記載されるが、それらは本発明の保護範囲を限定するものとして解釈されることはできない。
実施例1
【0041】
1.実験材料
クリーングレードSDラット(雄雌各半分)180~220g、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、ダンシェンスナトリウムは、Shanghai Tongtian Biotechnology Co.,Ltd.から購入し、酸化ペオニフロリン、センキュノリドIとフェルラ酸はDingrui Chemical(Shanghai)Co.,Ltd.から購入し、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム注射液)。
【0042】
2.実験方法
適応期間の動物の体重増加、食事及び活動などに基づいて、80匹の動物(半分は雄、半分は雌)をスクリーニングして本試験に参加させ、ラットを体重グループ群分け法により4つのグループに分け、各グループ20匹ずつ、雌雄は各半分であった。
【0043】
3成分薬物の各成分の濃度は、ヒドロキシサフロールイエローA30mg/ml、ペオニフロリン40mg/ml、アルビフロリン4mg/mlであった。薬液の調製方法は、ヒドロキシサフラワーイエローA3.0g、ペオニフロリン4.0g、アルビフロリン0.4gをそれぞれ電子天秤(1/10000g)で量り、適量の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、100mLにしてろ過滅菌して3成分薬物に調製した。
【0044】
7成分薬物の各成分の濃度は、ヒドロキシサフロールイエローA30mg/ml、ペオニフロリン40mg/ml、アルビフロリン4mg/ml、酸化ペオニフロリン4mg/ml、センキュノリドI4mg/ml、ダンシェンスナトリウム4mg/ml、フェルラ酸0.5mg/mlであった。薬液の調製方法は、ヒドロキシサフラワーイエローA3.0g、ペオニフロリン4.0g、アルビフロリン0.4g、酸化ペオニフロリン0.4g、センキュノリドI0.4g、ダンシェンスナトリウム0.4g、フェルラ酸0.05gを量り、適量の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解し、100mLにしてろ過滅菌して7成分薬物に調製した。
【0045】
ラットの静脈内注射の限界量は6mL/kgであり、要約すると、3成分薬物の投与量は、ヒドロキシサフラワーイエローA180mg/kg、ペオニフロリン240mg/kg、アルビフロリン24mg/kgであった。
【0046】
7成分薬物の投与量はヒドロキシサフロールイエローA180mg/kg、ペオニフロリン240mg/kg、アルビフロリン24mg/kg、酸化ペオニフロリン24mg/kg、センキュノリドI24mg/kg、ダンシェンスナトリウム24mg/kg、フェルラ酸3mg/kgであった。
【0047】
実験グループには単回投与において、6mL/kgの上記の3成分薬と7成分薬をゆっくりと静脈内注射し、対照グループには同じ用量の生理食塩水を投与した。
【0048】
投与後、2時間以上連続して観察し、投与後1日目の午前と午後に各1回観察及び記録し、その後は1日1回、計14日間観察及び記録した。観察期間中、動物の毒性反応状況及び各グループの動物の死亡状況を観察及び記録し、死亡又は瀕死の動物をタイムリーに剖検した。投与後14日目に全生存動物を剖検し、肉眼で主要臓器の明らかな異常変化を観察し、臓器の体積、色、質感などが変化する場合、すべてを記録し、組織病理学的検査を実施する必要がある。
【0049】
3.実験結果
ラットに3成分の薬物をゆっくりと静脈内注射した結果により、(1)動物への投与後、異常症状がなかった、(2)投与グループと対照グループの動物の体重及び体重増加率に有意差はなかった、(3)肉眼的剖検では明らかな異常は見られなかったことが示される。
【0050】
ラットに7成分の薬物をゆっくりと静脈内注射した結果により、(1)動物への投与後、異常症状がなかった、(2)投与グループと対照グループの動物の体重及び体重増加率に有意差はなかった、(3)肉眼的剖検では明らかな異常は見られなかったことが示される。
実施例2
【0051】
LPSによって刺激されたラット腹腔マクロファージからのIL-6の放出に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0052】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、エンドトキシン(LPS)、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、RPMI-1640培地、24ウェルプレート、IL-6ELISAキット。
【0053】
2.実験方法
雄SDラットの腹腔マクロファージを分離し、具体的な方法は、雄SDラットを手術前に12時間絶食させ、麻酔後に腹腔を開き、10mLの予冷したPBS溶液を腹腔に注入し、腹壁を指で軽く押して液体を腹腔内で流動させる。腹腔内の液体を吸引して、無菌チューブに注入し、10mLの予冷したPBS溶液でもう1回洗浄し、操作は上記と同じである。収集した洗浄液250gを、4℃で10分間遠心分離し、上清を捨てる。赤血球ライセート2mLを加えて赤血球を溶解し、1回5秒ずつ、2回軽く振り、5分間静置してから、D-Hanks溶液4mLを加えて反応を終了させた。上記方法に従って再度遠心し、上清を捨てた。沈殿物を培地で洗浄した後、細胞を再懸濁して2×106/mLの細胞懸濁液を作成した。細胞懸濁液を24ウェルプレートに接種し、37℃、5%CO2の細胞培養インキュベーターで培養した。各グループは6つの平行ウェルであった。別々で12時間及び24時間培養した後、上清を回収し、イライザ法(ELISA、Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)によってサイトカインの含有量を測定した。
【0054】
実験は、対照グループ、モデルグループ、及び投与グループに分けられ、各グループの処理方法は、各グループの細胞を37℃、5%CO2の細胞インキュベーターで一晩培養した後、対照グループとモデルグループには対応する量の培養液を添加し、投与グループには対応する濃度の薬液を等量添加し、インキュベーター内で1時間培養後、対照グループにはLPSを添加せず、モデルグループと投与グループはLPS(75ng/mL)を添加して刺激し、各グループは12時間、24時間後、0.5mLの細胞培養上清を収集し、-20℃の冷蔵庫に保存し、集中して対応するサイトカインを検出した方法であった。ここで、投与グループは直交実験法を採用し、直交実験グループ分け法を表1、表2に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
表1において、ヒドロキシサフロールイエローAの3つの濃度は、低2μM、中20μM、高200μMであり、ペオニフロリンの3つの濃度は、低4μM、中40μM、高400μMであり、アルビフロリンの3つの濃度は、低2μM、中20μM、高200μMであり、酸化ペオニフロリンの3つの濃度は、低2μM、中20μM、高200μMであり、センキュノリドIの3つの濃度は、低4μM、中40μM、高400μMであり、ダンシェンスナトリウムの3つの濃度は、低2μM、中20μM、高200μMであり、フェルラ酸の3つの濃度は、低4μM、中40μM、高400μMであった。
【0057】
【表2】
【0058】
薬液の調製方法は、表1の各グループの対応する濃度に従って、適切な重量のヒドロキシサフラワーイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン電子天秤(1/10000g)で量り、異なる濃度の組み合わせに従って異なるメスフラスコに組み合わせ、それぞれ適切な量の培地(10%ウシ胎児血清を含む)に溶解し、対応する濃度の9グループの3成分薬物を作成し、
表2の対応する各グループの濃度に従って、ヒドロキシサフラワーイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリド、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の適切な重量を電子天秤(1/10000g)で秤量し、異なる濃度の組み合わせに従って異なるメスフラスコに組み合わせ、それぞれ適切な培地(10%ウシ胎児血清を含む)に溶解して、対応する濃度の18グループの7成分薬物を作成した。
【0059】
3.実験結果
実験結果(表3)は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループと7成分薬物グループはいずれも12時間及び24時間でラット腹腔マクロファージのIL-6の放出レベルを大幅に低下できることを示し、これは3成分の薬物グループと7成分の薬物グループは、敗血症細胞モデルの初期炎症因子に対して良好な抑制効果があったことを示す。
【0060】
【表3】
実施例3
【0061】
LPSによって刺激されたラット腹腔マクロファージからのHMGB1の放出に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0062】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、エンドトキシン(LPS)、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、RPMI-1640培地、24ウェルプレート、HMGB1 ELISAキット。
【0063】
2.実験方法
雄SDラットの腹腔マクロファージを分離し、具体的な方法は、雄SDラットを手術前に12時間絶食させ、麻酔後に腹腔を開き、10mLの予冷したPBS溶液を腹腔に注入し、腹壁を指で軽く押して液体を腹腔内で流動させた。腹腔内の液体を吸引して、無菌チューブに注入し、10mLの予冷したPBS溶液でもう1回洗浄し、操作は上記と同じである。収集した洗浄液250gを、4℃で10分間遠心分離し、上清を捨てた。赤血球ライセート2mLを加えて赤血球を溶解し、一回5秒ずつ、2回軽く振り、5分間静置してから、D-Hanks溶液4mLを加えて反応を終了させた。上記方法に従って再度遠心し、上清を捨てた。沈殿物を培地で洗浄した後、細胞を再懸濁して2×106/mLの細胞懸濁液を作成した。前記細胞懸濁液を24ウェルプレートに接種し、37℃、5%CO2の細胞培養インキュベーターで培養した。各グループは6つの平行ウェルであった。別々で48時間及び72時間培養した後、上清を回収し、イライザ法法(ELISA)によってサイトカインの含有量を測定した。
【0064】
実験は、対照グループ、モデルグループ、及び投与グループに分けられ、各グループの処理方法は、
各グループの細胞を37℃、5%CO2の細胞インキュベーターで一晩培養した後、対照グループとモデルグループには対応する量の培養液を添加し、投与グループには対応する濃度の薬液を等量添加し、インキュベーター内で1時間培養後、対照グループにはLPSを添加せず、モデルグループと投与グループはLPS(75ng/mL)を添加して刺激し、各グループは48時間、72時間後、0.5mLの細胞培養上清を収集し、-20℃の冷蔵庫に保存し、集中して対応するサイトカインを検出した方法であった。実験のグループ分け及び薬液調製方法は、実施例2と同じである。
【0065】
3.実験結果
実験結果(表4)は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループと7成分薬物グループはいずれも48時間及び72時間でラット腹腔マクロファージのHMGB1の放出レベルを大幅に低下できることを示し、これは3成分の薬物グループと7成分の薬物グループは、敗血症細胞モデルの後期炎症因子に対して良好な抑制効果があったことを示す。
【0066】
【表4】
実施例4
【0067】
LPSによって刺激されたラット腹部大動脈内皮細胞TMの放出に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0068】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、LPS、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、ECM培地、24ウェルプレート、組織因子(TM)ELISAキット。
【0069】
2.実験方法
ラットを頸椎脱臼により殺した後、75%のエタノールに5分間浸し、胸腔及び腹腔を一層ずつ開き、胸部と腹部の大動脈を完全に露出させ、その周囲の組織を分離し、大動脈を近位端から総腸骨動脈の枝まで分離し、PBSを含む培養皿の中に入れ、無菌的に血管外膜の脂肪組織と線維組織を剥がし、血管内腔をPBSで洗浄した。大動脈を約1.5mm×1.5mmの小片に切断し、6mLの0.25%IV型コラゲナーゼの中に入れ、37℃で15分間消化し、5分ごとに振とうし、注意しながら消化液を吸い取り、組織塊を保持し、次に1.0%中性プロテアーゼ6mLを加え、37℃で15分間消化し、5分ごとに振動させ、消化液を吸い取り、10mLのECMを補充し、ブローを繰り返し、1000r/minで10分間遠心分離し、培地と消化液を廃棄し、断片を保持し、組織片を10cm培養皿の底に広げ、37℃のオーブンに逆さにして2時間入れ、組織塊を強固に接着させ、適切な量のECMを加え、組織片を沈めることが好ましく、37℃の体積分率が5%であるCO2飽和湿度インキュベーター内に入れて培養し、培地は3日ごとに交換した。約7日で、内皮細胞が組織片の端から這い出し、徐々に外側に伸び、平らで短い紡錘形又は多角形を呈すことが見られ、組織塊を取り除き、その時点で0.25%のトリプシンで消化し、25cm2の培養フラスコに1:3の割合で継代し、3~4回目の継代細胞を使用して実験を行った。
【0070】
上記におけるラットの腹部大動脈内皮細胞の培養方法に従って細胞を培養し、細胞懸濁液を調製し、1.2×105/mLで細胞を接種し、細胞懸濁液を24ウェルプレートに接種し、37℃で培養し、約12時間後にモデルグループと投与グループをLPSで刺激を与え、1時間後異なる溶液をそれぞれ与えて介入させ、刺激後24時間、48時間、72時間にそれぞれ上清を回収した。
【0071】
実験は、対照グループ、モデルグループ、及び投与グループに分けられ、各グループの処理方法は、各グループの細胞を37℃、5%CO2の細胞インキュベーターで一晩培養した後、対照グループとモデルグループに対応する量の培養液を添加し、投与グループに対応する濃度の薬液を等量添加し、インキュベーター内で1時間培養後、対照グループにLPSを添加せず、モデルグループと投与グループにLPS(75ng/mL)を添加して刺激し、各グループは24時間、48時間、72時間後、0.5mLの細胞培養上清を収集し、-20℃の冷蔵庫に保存し、集中して対応するサイトカインを検出した。実験のグループ分け及び薬液調製方法は、実施例2と同じであった。
【0072】
3.実験結果
TMは、ラット腹部大動脈内皮細胞の表面に一般的に存在し、トロンビンに結合することで、プロテインCシステムを活性化して抗凝固作用を発揮し、敗血症の状態で、TMが周囲の血液に大量に放出されて、抗凝固効果を弱くさせた。薬物介入下でのTMの減少は、抗凝固因子/凝固促進因子のバランスに寄与し、細胞/生体の血液凝固機能の正常な状態への回復を促進するのに有益である。
【0073】
実験結果(表5)により、モデルグループと比較して、各濃度グループの3成分薬物グループと7成分薬物グループはいずれも24時間、48時間、72時間でラット腹部大動脈内皮細胞のTMの放出を低下でき、3成分の薬物グループと7成分の薬物グループでは、敗血症細胞モデルに対して血液凝固機能を正常に戻す効果があることが示される。
【0074】
【表5】
実施例5
【0075】
LPSによって刺激されたラットの腹部大動脈内皮細胞TFの放出に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0076】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、LPS、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、ECM培地、24ウェルプレート、組織因子(TF)ELISAキット。
【0077】
2.実験方法
実験方法及びグループ分け処理方法は実施例4と同じである。
【0078】
実験グループ分け及び薬液の調製方式は、実施例2と同じである。
【0079】
3.実験結果
TFは、ラットの腹部大動脈内皮細胞の重要な凝固促進因子であり、敗血症の状態で、凝固亢進状態はTFの大量放出として表現される。薬物介入下でのTFの減少は、抗凝固因子/凝固促進因子のバランスに寄与し、細胞/生体の血液凝固機能の正常な状態への回復を促進するのに有益である。
【0080】
実験結果(表6)により、モデルグループと比較して、各濃度グループの3成分薬物グループと7成分薬物グループはいずれも24時間、48時間、72時間でラット腹部大動脈内皮細胞凝固促進因子のTFの放出を低下でき、3成分の薬物グループと7成分の薬物グループでは、敗血症細胞モデルに対して血液凝固機能を正常に戻す効果があったことが示される。
【0081】
【表6】
実施例6
【0082】
LPSによって刺激されたラット脾臓の制御性T細胞(Treg)のアポトーシスに対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0083】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、LPS、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、1640培地、24ウェルプレート、フィコエリトリン(PE)-抗ラットCD25、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識抗ラットCD4、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識アネキシンVアポトーシスキット、ラットCD25-APC抗体キット、APC磁気ビーズ、CD4磁気ビーズ、MACSBuffer、MiniMACS磁気分離器及び分離カラム(LS)、抗ラットCD3モノクローナル抗体、抗ラットCD28モノクローナル抗体。
【0084】
2.実験方法
雄のSDラットを頸部脱臼により殺し、脾臓を収集し、脾臓を無菌シリンジプランジャーで粉砕し、ピペットで懸濁液を遠心チューブに移し、1200rpmで7分間遠心分離し、上清を捨て、適切な量のMACSBuffer(10mL/各脾臓)を加えて再懸濁し、チューブの壁に沿ってリンパ球分離溶液(1:1)の上層に加え、3000rpmで15分間遠心分離し、中間層をピペットで吸引し、別の遠心管に入れ、洗浄液を加えて1200rpmで7分間遠心分離し、上清を捨て、MACSBufferを加えて再懸濁して準備しておいた。
【0085】
1×107個の単球あたり1μLの抗CD25-APC抗体を加え、4℃で15分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄した。1×107細胞あたり20μLの抗APC磁気ビーズと80μLのMACSBufferを加え、4℃で15分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄し、適切な量のMACSBufferを加えて再懸濁し、LSカラムで磁気選別してCD25+細胞を得た。
【0086】
CD25+細胞をカウントした後、1×107細胞あたり20μLの解離剤を加え、4℃で1分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄し、1×107細胞あたり20μLの抗CD4磁気ビーズと30μLのターミネーターを加え、4℃で15分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄し、適量のMACSBufferを加えて再懸濁し、LSカラムで磁気選別してCD4+CD25+細胞を得た。
【0087】
Treg細胞を適量の培地で再懸濁し、細胞数を2.5×106/mLに調整し、96ウェルプレートの各ウェルに100μLの細胞を播種し、モデルグループと実験グループは、CD3/CD28(CD3は0.5μg/106、CD28は1μg/106)+LPS(1μg/mL)で刺激し、実験は、対照グループ、モデルグループ、及び投与グループに分け、1時間後、モデルグループと投与グループに異なる薬液をそれぞれ与えて介入し、37℃のCO2インキュベーターで72時間培養した。
【0088】
細胞を回収し、予冷したPBSで細胞を洗浄し、1mlの1×BindingBufferで再度洗浄し、遠心分離後、上清を除去して100μl残し、次に5μlのFITCAnnexin Vと5μlのPIを加え、室温(25℃)の暗所で15分間インキュベートし、次に200μlの1×BindingBufferを加えて均一に混合し、1時間以内にフローサイトメトリーで検出した。
【0089】
グループ分け処理方法は次のとおりである。モデルグループ:細胞を細胞インキュベーターで一晩培養した後、LPS(75ng/mL)を添加して刺激する。投与グループ:対応する濃度の薬液を加えて1時間培養し、LPS刺激を行い、濃度の異なる実験グループで72時間介入後、細胞培養液の上清0.5mLを収集し、-20℃の冷蔵庫に保存し、集中して対応するサイトカインを検出した。
実験のグループ分け及び薬液調製方法は、実施例2と同じである。
【0090】
3.実験結果
Treg細胞の機能が増強された後、IL-10、IL-35、TGF-βなど免疫抑制因子を産生することで通常のT細胞を阻害し、また、グランザイムBとパーフォリン-1で標的細胞を死滅させることにより、免疫抑制効果を発揮する。また、DC樹状細胞がインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼを生成するように誘導して、トリプトファンのキヌレンへの分解を触媒し、周囲の細胞の死を引き起こし、また、DC細胞に他のアミノ酸関連酵素の分泌を誘導して、エフェクターT細胞の増殖を阻害することにより、免疫抑制効果を発揮できる。したがって、薬物は一定の時期にTreg細胞のアポトーシスを促進し、生体免疫調節方面に非常に重要な作用を発揮する。モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループと7成分薬物グループは、いずれもラット制御性T細胞(Treg)のアポトーシスを促進できる(表7)。
【0091】
【表7】
実施例7
【0092】
LPSによって刺激されたラット脾臓の制御性T細胞のCTLA-4及びFoxp3発現に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0093】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、LPS、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、1640培地、24ウェルプレート、フィコエリトリン(PE)抗ラットCD25、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識抗ラットCD4、ラット抗PEキット、CD4磁気ビーズ、MiniMACS磁気分離器及び分離カラム、PE標識Foxp3キット、PE標識CTLA-4キット、抗ラットCD3モノクローナル抗体、抗ラットCD28モノクローナル抗体。
【0094】
2.実験方法
実験方法及びグループ分け処理方法は実施例6と同じである。
【0095】
実験グループ分け及び薬液の調製方式は、実施例2と同じである。
【0096】
3.実験結果
Foxp3+Treg細胞は、IL-10、IL-35、TGF-βなど免疫抑制因子を産生することで通常のT細胞を阻害し、グランザイムBとパーフォリン-1で標的細胞を死滅させることにより、免疫抑制効果を発揮する。CTLA-4は、DC樹状細胞がインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼを生成するように誘導して、トリプトファンのキヌレンへの分解を触媒し、周囲の細胞の死を引き起こし、DC細胞に他のアミノ酸関連酵素の分泌をさらに誘導して、エフェクターT細胞の増殖を阻害することにより、免疫抑制効果を発揮できる。したがって、Treg細胞はFoxp3とCTLA-4を介して生体免疫調節方面に非常に重要な作用を発揮し、Foxp3の発現は制御性T細胞(Treg)の機能と密接に関連する。
【0097】
モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループ及び7成分薬物グループは、いずれも72時間でラット制御性T細胞(Treg)のCTLA-4及びFoxp3の発現レベルを低下させることができ、3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが敗血症ラットの制御性T細胞(Treg)に対して72時間のCTLA-4とFoxp3の発現レベルを低下させる効果があることが示される(表8及び表9)。
【0098】
【表8】
【0099】
【表9】
実施例8
【0100】
CLP誘発敗血症ラットにおけるIL-6発現に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0101】
1.実験材料
1週間適応的に飼育した雄性クリーングレードSDラット(180~220g)。ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、IL-6ELISA検出キット。
【0102】
2.実験方法
2.1グループ分けと介入
290匹のラットをランダムに対照グループ、モデルグループ及び投与グループの合計29グループに分け、各グループ10匹ずつであり、ここで投与グループは直交実験法を採用し、直交実験のグループ分けの方法は表10、11に示すとおりである。
【0103】
【表10】
【0104】
表10では、ヒドロキシサフロールイエローAの3つの濃度は、それぞれが低0.9mg/kg、中9mg/kg、高90mg/kgであり、ペオニフロリンの3つの濃度は、低0.9mg/kg、中9mg/kg、高90mg/kgであり、アルビフロリンの3つの濃度は、低0.09mg/kg、中0.9mg/kg、高9mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの3つの濃度は、低0.09mg/kg、中0.9mg/kg、高9mg/kgであり、センキュノリドIの3つの濃度は、低0.09mg/kg、中0.9mg/kg、高9mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの3つの濃度は、低0.09mg/kg、中0.9mg/kg、高9mg/kgであり、フェルラ酸の3つの濃度は、低0.009mg/kg、中0.09mg/kg、及び高0.9mg/kgであった。
【0105】
【表11】
【0106】
溶液の調製方法と実験の注射量は次のとおりである。各ラットは200gとして計算され、実験の注射量は何れも1.0mL/回/匹である。表10の各グループに対応する濃度に従って、ヒドロキシサフラワーイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの適切な重量を電子天秤(1/10000g)で量り、異なる濃度の組み合わせに従って異なるメスフラスコにそれらを配合し、適切な量の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解して、対応する濃度の9グループの3成分薬物を作成し、表11の各グループの対応する濃度に従って、ヒドロキシサフラワーイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸の適切な重量を電子天秤(1/10000g)で秤量し、異なる濃度の組み合わせに従ってメスフラスコに配合して、それぞれ適切な量の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解して、対応する濃度の7成分医薬品の18グループを作成した。実験前に12時間絶食させ、体重を測定し、乱数表法に従ってグループに分けた。対照グループでは盲腸のみを開腹して露出させ、皮膚を縫合し、10mLの生理食塩水を皮下注射して蘇生し、モデルグループと投与グループは盲腸結紮穿刺(CLP)モデリングを行った後、生理食塩水10mLを皮下注射して蘇生した。CLPモデリングプロセスは次のとおりである。ケタミン注射+スミアンキシンII注射によって2:1の体積比で調製された混合物を筋肉内注射してラットを麻酔し、敗血症動物モデルをCLPによって調製した。盲腸と回腸の接合部を結紮し、18ゲージの針を使用して盲腸を2回貫通させて腸瘻を形成し、2つのドレナージストリップ(0.5cm×2.0cm)を所定の位置に残して、針の穴が治癒するのを防ぎ、その後皮膚を層ごとに縫合し、手術直後に10mLの生理食塩水を皮下注射しして蘇生した。ラットのCLP手術後、投与グループに、手術後2時間、12時間、24時間、36時間、48時間、及び60時間後に、尾静脈から上記の異なる薬液を注射し、モデルグループと対照グループに、対応する時間に尾静脈から生理食塩水を注射した。n=10まで当該実験を繰り返した。
【0107】
2.2採血と検査
CLP後の8時間、24時間、及び48時間に、麻酔後に各グループの動物に腹部大動脈から3mLの無菌血液を採取し、血漿中のIL-6含有量をELISA法で検出した。
【0108】
3.実験結果
実験結果(表12)は、対照グループの血漿が少量のIL-6を含み、CLP手術後早期に、モデルグループのIL-6含有量が大幅に増加し、IL-6のレベルは8時間でさらに増加し、24時間で徐々に減少したが、手術後48時間では対照グループよりも依然として高く、差は統計的に有意である(p<0.05)ことを示す。一方、投与グループのIL-6血漿含有量は、投与グループの術後8時間、24時間、及び48時間に、モデルグループよりも有意に低く(p<0.05)、対照グループのレベルに近い。
【0109】
上記の発見は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが何れもCLP敗血症ラットのIL-6の発現を有意に減少させることができ敗血症ラットモデルの初期炎症反応に対して明らかな抑制効果があることが示唆され、成人用量に換算すると、約3成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg)、7成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg、酸化ペオニフロリン0.6mg~60mg、センキュノリドI0.6mg~60mg、ダンシェンスナトリウム0.6mg~60mg、フェルラ酸0.06mg~6mg)である。[徐淑雲編『薬理実験方法学』のヒトと動物の体表面積換算法に基づく計算によると、ヒト用量=ラット用量/0.018(成体体重70kg、ラット体重0.2kg計)]。
【0110】
【表12】
実施例9
【0111】
CLP誘発敗血症ラットにおけるHMGB1の発現に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0112】
1.実験材料
適応的に1週間飼育した雄性クリーングレードSDラット(180~220g)。ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、HMGB1ELISA検出キット。
【0113】
2.実験方法
2.1 グループ分けと介入
実施例8を参照する。
【0114】
2.2採血と検査
CLP手術後の48時間及び72時間に、麻酔後の各グループの動物に腹部大動脈から3mLの無菌血液を採取し、血漿HMGB1含有量をELISA法で検出した。
【0115】
3.実験結果
実験結果(表13)では、対照グループの血漿が少量のHMGB1を含み、CLP手術後後期に、モデルグループのHMGB1含有量が大幅に増加し、48時間に徐々に増加し、手術後72時間に依然として対照グループよりも高く、差は統計的に有意だった(p<0.05)ことを示す。一方、手術後48時間及び72時間での投与グループのHMGB1の血漿含有量はいずれもモデルグループより大幅に低く(p<0.05)、対照グループのレベルに近い。上記の調査結果は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが何れもCLP敗血症ラットのHMGB1の発現を有意に減少させることでき、敗血症のラットモデルの後期炎症反応には明らかな抑制効果があることを示した。成人用量に換算すると、約3成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg)、7成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg、酸化ペオニフロリン0.6mg~60mg、センキュノリドI0.6mg~60mg、ダンシェンスナトリウム0.6mg~60mg、フェルラ酸0.06mg~6mg)である。[徐淑雲編『薬理実験方法学』のヒトと動物の体表面積換算法に基づく計算によると、ヒト用量=ラット用量/0.018(成体体重70kg、ラット体重0.2kg計)]。
【0116】
【表13】
実施例10
【0117】
CLP誘発敗血症ラットにおけるTF放出に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0118】
1.実験材料
適応的に1週間飼育した雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、TFELISA検出キット。
【0119】
2.実験方法
2.1 グループ分けと介入
実施例8を参照する。
【0120】
2.2 採血と検査
CLP手術後の12時間、24時間、48時間、及び72時間に、麻酔した各グループの動物に腹部大動脈から5mLの無菌血液を採取した。酵素免疫測定法(ELISA)でTF含有量を検出した。
【0121】
3.実験結果
実験結果(表14)は、対照グループの単球において一定のTF発現があり、モデルグループにおけるTF(術後12時間、24時間、48時間及び72時間)の発現は、対照グループより有意に高く(p<0.05)、術後時間の延長とともに徐々に増加したことを示す。投与グループにおけるTFの(手術後12時間、24時間、48時間及び72時間)発現は、モデルグループと比較して、有意な減少が見られた(p<0.05)。上記の調査結果は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが何れもCLP敗血症ラットのTFの放出を有意に減少させることができ、敗血症のラットモデルに対して、3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが凝固因子の放出を阻害し、凝固亢進状態を改善する明らかな効果を有したことを示す。成人用量に換算すると、約3成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg)、7成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg、酸化ペオニフロリン0.6mg~60mg、センキュノリドI0.6mg~60mg、ダンシェンスナトリウム0.6mg~60mg、フェルラ酸0.06mg~6mg)であった。
【0122】
【表14】
実施例11
【0123】
CLPにより誘発した敗血症ラットにおけるTMの放出に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0124】
1.実験材料
適応的に1週間飼育した雄性クリーングレードSDラット(180~220g)。ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、TMELISA検出キット。
【0125】
2.実験方法
2.1 グループ分けと介入
実施例8を参照する。
【0126】
2.2採血と検査
CLP手術後の12時間、24時間、48時間、及び72時間に、麻酔した各グループの動物に腹部大動脈から5mLの無菌血液を採取した。酵素免疫測定法(ELISA)でTM含有量を検出した。
【0127】
3.実験結果
実験結果(表15)は、対照グループの単球に一定のTF発現があり、モデルグループにおけるTM(手術後12時間、24時間、48時間及び72時間)の発現は、いずれも対照グループより有意に高く(p<0.05)、手術後時間の延長とともに徐々に増加したことを示す。投与グループにおけるTMの(手術後12時間、24時間、48時間及び72時間)発現は、いずれもモデルグループと比較して、有意な減少が見られた(p<0.05)。上記の調査結果は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが何れもCLP敗血症ラットのTMの放出を有意に減少させることができ、敗血症のラットモデルにおいて、3成分薬物グループ及び7成分薬物グループが凝固因子の放出を阻害し、凝固亢進状態を改善する明らかな効果を有したことを示す。成人用量に換算すると、約3成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg)、7成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg、酸化ペオニフロリン0.6mg~60mg、センキュノリドI0.6mg~60mg、ダンシェンスナトリウム0.6mg~60mg、フェルラ酸0.06mg~6mg)である。[徐淑雲編『薬理実験方法学』のヒトと動物の体表面積換算法に基づく計算によると、ヒト用量=ラット用量/0.018(成体体重70kg、ラット体重0.2kg計)]。
【0128】
【表15】
実施例12
【0129】
CLPにより誘発した敗血症制御性T細胞機能に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響の評価
【0130】
1.実験材料
雄性クリーングレードSDラット(180~220g)、エンドトキシン(LPS)、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸、1640培地、24ウェルプレート、フィコエリトリン(PE)-抗ラットCD25、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識抗ラットCD4、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識アネキシンVアポトーシスキット、ラット抗-PEキット、CD4磁気ビーズ、MiniMACS磁気分離器及び分離カラム、PE標識Foxp3キット、PE標識CTLA-4キット、抗ラットCD3モノクローナル抗体、抗ラットCD28モノクローナル抗体。
【0131】
2.実験方法
2.1 グループ分けと介入
実施例8を参照する。
【0132】
2.2細胞の分離と培養
CLP手術後の72時間後にラットを頸部脱臼により殺し、胸部と腹部をアルコール綿球で3回消毒した後、開腹し、完全な腹膜を保存した後、アルコール綿球を再度消毒し、別のピンセットで腹膜を開き、脾臓を取り出し、4℃の15mlPBSに入れた。ピンセットを使用して脾臓被膜を引き裂き、フィルターに入れ、PBSを加えて湿らせ、脾臓を引き裂き、筋膜を取り除き、脾臓を無菌シリンジプランジャーで粉砕し、ピペットで懸濁液を遠心チューブに移し、1200rpmで7分間遠心分離し、上清を捨て、適切な量のMACSBuffer(10mL/各脾臓)を加えて再懸濁し、チューブの壁に沿ってリンパ球分離溶液(1:1)の上層に加え、3000rpmで15分間遠心分離し、中間層をピペットで吸引し、別の遠心管に入れ、洗浄液を加えて1200rpmで7分間遠心分離し、上清を捨て、適量のMACSBufferを加えて再懸濁して準備しておいた。
【0133】
1×107単球あたり1μlの抗CD25-APC抗体を加え、4℃で15分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄した。1×107細胞あたり20μlの抗APC磁気ビーズと80μlのMACSBufferを加え、4℃で15分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄し、適切な量のMACSBufferを加えて再懸濁し、LSカラムで磁気選別してCD25+細胞を得た。
【0134】
CD25+細胞を数えた後、細胞1×107個あたり解離剤20μlを加え、4℃で10分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄し、細胞1×107個あたり抗CD4磁気ビーズ20μlとターミネーター30μlを加え、4℃で15分間インキュベートし、MACSBufferで洗浄し、適切な量のMACSBufferを加えて再懸濁し、LSカラムで磁気選別してCD4+CD25+細胞を得た。
【0135】
2.3検出と分析
Tregアポトーシス率の検出:細胞を収集し、予冷したPBSで細胞を洗浄し、1mlの1×BindingBufferで再度洗浄し、遠心分離後に、上清を除去して100μlを残し、次に5μlのFITCAnnexinVと5μlのPIを加え、室温(25℃)の暗所で15分間インキュベートし、200μlの1×BindingBufferを加えて均一に混合し、1時間以内にフローサイトメトリーで検出した。
【0136】
Foxp3とCTLA-4発現の検出:細胞上清を収集後、細胞をPBSで洗浄し、上清を除去し、CTLA-4-PE蛍光抗体を加え、4℃暗所で30分間インキュベートし、膜破壊剤を添加して一晩した。翌日、膜透過バッファーを加えて洗浄し、上清を除去し、Foxp3-PE-Cy7蛍光抗体を添加し、室温で光を避けて30分間インキュベートし、膜破壊バッファーを加えて洗浄し、上清を除去し、1%パラホルムアルデヒドで固定し、フローサイトメトリーで検出した。
【0137】
3.実験結果
3.1CLPにより誘発した敗血症ラットにおける制御性T細胞機能に対する3成分薬物及び7成分薬物の影響
【0138】
実験結果(表16)は、モデルグループにおけるTregのアポトーシス率が対照グループより有意に低く(p<0.05)、投与グループにおけるTregのアポトーシス率がモデルグループよりも有意に高いことを示す(p<0.05)。モデルグループのFoxp3とCTLA-4の発現は対照グループよりも有意に高く(p<0.05)、投与グループはいずれもモデルグループよりも有意に低かった(p<0.05)。上記の発見は、モデルグループと比較して、各用量グループの3成分薬グループ及び7成分薬グループがいずれも敗血症Tregのアポトーシスを促進し、Tリンパ球の増殖及び分泌機能に対する阻害効果をダウンレギュレートさせることができることを示唆する。敗血症のラットモデルに対して、各用量グループの三成分薬物グループ及び七成分薬物グループが生体細胞の免疫抑制状態を修正することに明らかな効果を有したことを示す。成人用量に換算すると、約3成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg)、7成分薬物グループ(ヒドロキシサフロールイエローA6mg~600mg、ペオニフロリン6mg~600mg、アルビフロリン0.6mg~60mg、酸化ペオニフロリン0.6mg~60mg、センキュノリドI0.6mg~60mg、ダンシェンスナトリウム0.6mg~60mg、フェルラ酸0.06mg~6mg)であった。[徐淑雲編『薬理実験方法学』のヒトと動物の体表面積換算法に基づく計算によると、ヒト用量=ラット用量/0.018(成体体重70kg、ラット体重0.2kg計)]。
【0139】
【表16】
【0140】
以上、実施例の説明は、本発明の方法及びその核心アイデアを理解するのを助けることを意図しているに過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、本発明のいくつかの改良及び修正を行うことができ、これらも本発明の請求項の保護範囲に含まれることに留意されたい。これらの実施例に対する様々な変更は、当業者にとって明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施例で実現できる。したがって、本発明は、本明細書に示されたこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に及ぶものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式が式Iに示されるヒドロキシサフロールイエローA、構造式が式IIに示されるペオニフロリン及び構造式が式IIIに示されるアルビフロリンを含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は1~100:1~100:0.1~10であることを特徴とする敗血症を治療するための薬物組成物。
【化1】
【請求項2】
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの質量比は、1~100:1~100:1~10であることを特徴とする請求項1に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の敗血症を治療するための薬物組成物と構造式が式IVに示される酸化ペオニフロリン、構造式が式Vに示されるセンキュノリドI、構造式が式VIに示されるダンシェンスナトリウム、及び構造式が式VIIに示されるフェルラ酸を含み、
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム、フェルラ酸の質量比が1~100:1~100:1~10:0.1~10:0.1~10:0.1~10:0.01~1であることを特徴とする敗血症を治療するための薬物組成物。
【化2】
【請求項4】
前記ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸の質量比は1~100:1~100:1~10:1~10:1~10:1~10:0.1~1であることを特徴とする請求項3に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【請求項5】
前記薬物組成物が敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害することによって敗血症の治療を実現することを特徴とする請求項1に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【請求項6】
前記薬物組成物が敗血症制御性T細胞のアポトーシスを促進することによって敗血症の治療を実現することを特徴とする請求項1に記載の敗血症を治療するための薬物組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の薬物組成物の敗血症を治療するための薬物の調製における使用。
【請求項8】
前記薬物組成物の敗血症におけるIL-6、Foxp3、CTLA-4及び/又はHMGB1の発現を阻害する薬物の調製における使用を特徴とする請求項に記載の使用。
【請求項9】
前記薬物組成物の敗血症におけるTF及び/又はTMの放出を阻害する薬物の調製における使用を特徴とする請求項に記載の使用。
【請求項10】
前記薬物組成物の敗血症における敗血症制御性T細胞のアポトーシスを促進する薬物の調製における使用を特徴とする請求項に記載の使用。
【請求項11】
前記薬物組成物がヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン及びアルビフロリンの3つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローAの薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであることを特徴とする請求に記載の使用。
【請求項12】
前記薬物組成物が、ヒドロキシサフロールイエローA、ペオニフロリン、アルビフロリン、酸化ペオニフロリン、センキュノリドI、ダンシェンスナトリウム及びフェルラ酸を含む7つの活性化合物からなる場合、ヒドロキシサフロールイエローA薬用量は6~600mg/kgであり、ペオニフロリンの薬用量は6~600mg/kgであり、アルビフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、酸化ペオニフロリンの薬用量は0.6~60mg/kgであり、センキュノリドIの薬用量は0.6~60mg/kgであり、ダンシェンスナトリウムの薬用量は0.6~60mg/kgであり、フェルラ酸の薬用量は0.06~6mg/kgであることを特徴とする請求項に記載の使用。
【国際調査報告】