(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】タイヤ製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/32 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
B29D30/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540764
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2021142571
(87)【国際公開番号】W WO2022143790
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011636146.7
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517095962
【氏名又は名称】▲軟▼控股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523248965
【氏名又は名称】青▲島▼▲軟▼控机▲電▼工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼孝松
(72)【発明者】
【氏名】李学
(72)【発明者】
【氏名】▲ゆ▼一航
(72)【発明者】
【氏名】胡▲まん▼
(72)【発明者】
【氏名】李▲興▼瑞
(72)【発明者】
【氏名】胡杰
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215VA02
4F215VD12
4F215VK14
4F215VL13
4F215VP03
(57)【要約】
本発明は、タイヤ製造方法及び装置を提供する。タイヤ製造装置は、主軸と、主軸の外部に嵌設されたターンアップロッドアセンブリと、シムプレートアセンブリと、ロックブロックアセンブリと、中ドラムアセンブリと、を備え、タイヤ製造方法は、シムプレートアセンブリと、ロックブロックアセンブリと、中ドラムアセンブリとの初期直径寸法を調節し、サイジング剤を貼着するステップと、ロックブロックアセンブリの外部にタイヤリムを装着し、ロックブロックアセンブリの直径を大きくするように調節して、ロックブロックアセンブリをタイヤリムに当接させ、タイヤリムをロックするステップと、シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの外面が面一となるようにシムプレートアセンブリと、中ドラムアセンブリとの直径を調節するステップと、ターンアップロッドアセンブリがターンオーバー動作を行ってサイジング剤をタイヤの側面に貼り合わせ、貼り合わせが完了した後にターンアップロッドアセンブリがリバース動作を行ってリセットするステップと、シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの直径を小さくするように調節して、タイヤを主軸から取り外されるステップと、を含む。本発明は、機械的成形ドラムのサイズの交換に時間と手間のかかる従来技術における問題を解決した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ製造方法であって、
タイヤ製造装置は、主軸(10)と、前記主軸(10)の外部に嵌設されたターンアップロッドアセンブリ(20)と、シムプレートアセンブリ(30)と、ロックブロックアセンブリ(40)と、中ドラムアセンブリ(50)と、を備え、
前記タイヤ製造方法は、前記シムプレートアセンブリ(30)と、前記ロックブロックアセンブリ(40)と、前記中ドラムアセンブリ(50)との初期直径を調節して、サイジング剤を貼着するステップと、タイヤリムを前記ロックブロックアセンブリ(40)の外部に装着し、前記ロックブロックアセンブリ(40)の直径を大きくするように調節して、前記ロックブロックアセンブリ(40)を前記タイヤリムに当接させ、前記タイヤリムをロックするステップと、前記シムプレートアセンブリ(30)と前記ロックブロックアセンブリ(40)と前記中ドラムアセンブリ(50)との外面が面一になって平坦な均一面を形成するように前記シムプレートアセンブリ(30)と前記中ドラムアセンブリ(50)との直径を調節するステップと、前記ターンアップロッドアセンブリ(20)がターンオーバー動作を行って前記サイジング剤を前記タイヤの側面に貼り合わせ、前記貼り合わせが完了した後に前記ターンアップロッドアセンブリ(20)がリバース動作を行ってリセットするステップと、前記シムプレートアセンブリ(30)と前記ロックブロックアセンブリ(40)と前記中ドラムアセンブリ(50)との直径を小さくするように調節して、前記タイヤを前記主軸(10)から取り外されるステップと、を含むことを特徴とするタイヤ製造方法。
【請求項2】
前記初期直径を調節する際に、被加工タイヤの寸法が第1のプリセット寸法であれば、前記シムプレートアセンブリ(30)を収縮させ、前記ロックブロックアセンブリ(40)と前記中ドラムアセンブリ(50)との直径を最小径に調節し、前記被加工タイヤの寸法が前記第1のプリセット寸法よりも大きい第2のプリセット寸法であれば、前記シムプレートアセンブリ(30)を膨張させ、前記ロックブロックアセンブリ(40)と前記中ドラムアセンブリ(50)との直径を中間直径に調節させ、前記中間直径は少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ製造方法。
【請求項3】
前記ターンアップロッドアセンブリ(20) がターンオーバー動作を行う前に、前記シムプレートアセンブリ(30)の進退駆動部材(33)は、前記シムプレートアセンブリ(30)のシムプレートブロック(32)を軸方向に移動するように駆動し、前記シムプレートブロック(32)を前記ターンアップロッドアセンブリ(20)のローラ(21)に退避させた後、前記ターンアップロッドアセンブリ(20)がターンオーバー動作を行って、前記ターンアップロッドアセンブリ(20)の前記ローラ(21)が前記サイジング剤を押圧して前記サイジング剤を前記タイヤの側面に貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ製造方法。
【請求項4】
前記シムプレートアセンブリ(30)の直径を調節する際に、前記シムプレートアセンブリ(30)の膨張駆動部材(31)の第1の斜面は、前記シムプレートアセンブリ(30)のシムプレートブロック(32)の第2の斜面と相互作用し、前記シムプレートブロック(32)の直径を目標値に変更することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ製造方法。
【請求項5】
前記ロックブロックアセンブリ(40)と前記中ドラムアセンブリ(50)との中の少なくとも一方の直径を調節する際に、前記ロックブロックアセンブリ(40)若しくは前記中ドラムアセンブリ(50)の駆動アセンブリ(41)のエアシリンダの異なるエアチャンバに圧力を加えることによって、前記ロックブロックアセンブリ(40)若しくは前記中ドラムアセンブリ(50)の伝動アセンブリ(42)は、前記ロックブロックアセンブリ(40)若しくは前記中ドラムアセンブリ(50)の可変径部材(43)を最小直径、中間直径或いは最大直径に調節するように前記駆動アセンブリ(41)のピストンが異なる距離を移動するように駆動し、または、
前記駆動アセンブリ(41)の前記エアシリンダに圧力を加えることによって、前記ピストンが収縮位置または膨張位置に移動するように駆動し、または、
前記エアシリンダに圧力を加えないことによって、前記ピストンは、前記伝達部材(42)が前記可変径部材(43)を前記最小直径、前記最大直径或いは前記中間直径に調節させるように前記駆動アセンブリ(41)の弾性部材(413)の作用下で中間位置に移動し、または、
前記駆動アセンブリ(41)のモータが前記駆動アセンブリ(41)のスクリューロッドを回転するよう駆動し、前記可変径部材(43)を前記最小直径、前記中間直径又は前記最大直径に調節するように前記スクリューロッドが前記駆動アセンブリ(41)のナットを軸方向に移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ製造方法。
【請求項6】
前記シムプレートアセンブリ(30)と、前記ロックブロックアセンブリ(40)と、前記中ドラムアセンブリ(50)との直径を調節する際に、段階的調節又は無段階的調節の方式で調節することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ製造方法。
【請求項7】
タイヤ製造装置であって、
主軸(10)と、タイヤの側辺を加工するためのターンアップロッドアセンブリ(20)と、前記主軸(10)に外嵌され、前記主軸(10)の径方向に膨張と収縮可能なシムプレートアセンブリ(30)と、前記主軸(10)に外嵌され、前記主軸(10)の径方向に膨張と収縮可能なロックブロックアッセンブリ(40)と、前記主軸(10)に外嵌され、前記主軸(10)の径方向に膨張と収縮可能な中ドラムアセンブリ(50)と、を備え、前記シムプレートアセンブリ(30)と、前記ロックブロックアセンブリ(40)と、前記ターンアップロッドアセンブリ(20)とは、いずれも複数であり、前記中ドラムアセンブリ(50)の両側に、前記中ドラムアセンブリ(50)から離れる方向に沿って、前記ロックブロックアセンブリ(40)と、前記シムプレートアセンブリ(30)と、前記ターンアップロッドアセンブリ(20)とは順次設置されていることを特徴とするタイヤ製造装置。
【請求項8】
前記シムプレートアセンブリ(30)は、前記主軸(10)の軸方向に沿って設置された膨張駆動部材(31)と、前記膨張駆動部材(31)の出力端に当接するシムプレートブロック(32)と、を備え、前記シムプレートブロック(32)は、前記膨張駆動部材(31)の駆動により前記主軸(10)の径方向に膨張と収縮可能であることを特徴とする請求項7に記載のタイヤ製造装置。
【請求項9】
前記膨張駆動部材(31)の出力端は、第1の斜面を有し、前記シムプレートブロック(32)の内側に第2の斜面を有し、前記第1の斜面が前記第2の斜面に当接して押圧するように合わせて、前記膨張駆動部材(31)は前記第1の斜面が前記第2の斜面に押圧することによって前記シムプレートブロック(32)を膨張と収縮させるように駆動することを特徴とする請求項8に記載のタイヤ製造装置。
【請求項10】
前記ターンアップロッドアセンブリ(20)は、前記中ドラムアセンブリ(50)に近接する一端にローラ(21)を有し、前記シムプレートアセンブリ(30)は、前記シムプレートブロック(32)に駆動連結され、前記ローラ(21)を遮蔽又は退避させるために前記シムプレートブロック(32)を前記主軸(10)の軸方向に移動させるように駆動する進退駆動部材(33)をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のタイヤ製造装置。
【請求項11】
前記ロックブロックアセンブリ(40)と前記中ドラムアセンブリ(50)との中の少なくとも一方は、駆動アセンブリ(41)と、前記駆動アセンブリ(41)に駆動連結された伝動アセンブリ(42)と、前記伝動アセンブリ(42)に連結され、最小直径と最大直径との間で切り替えるように前記伝動アセンブリ(42)の駆動の下で前記主軸(10)の径方向に膨張と収縮する可変径部材(43)と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載のタイヤ製造装置。
【請求項12】
前記駆動アセンブリ(41)は、前記主軸(10)の軸方向に沿って設置され、前記伝動アセンブリ(42)は、屈曲状となり、前記伝動アセンブリ(42)の一端が前記駆動アセンブリ(41)の出力端に連結され、前記伝動アセンブリ(42)の他端が前記可変径部材(43)に連結されていることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ製造装置。
【請求項13】
前記駆動アセンブリ(41)は、エアシリンダと、前記エアシリンダ内に可動に設置され、前記伝動アセンブリ(42)に連結されるピストンと、を備え、前記エアシリンダは、大きさが異なる複数のエアチャンバを形成可能であり、異なる大きさの複数の前記エアチャンバに圧力を加える際に、前記可変径部材(43)が前記最小直径と、前記最大直径と、前記最小直径と前記最大直径との間の少なくとも1つの中間直径と、をそれぞれ形成するように前記ピストンは異なる距離を移動し、且つ前記ピストンは前記エアシリンダの端部の収縮位置と膨張位置とに移動し、また、前記収縮位置と前記膨張位置との間の中間位置に移動することを特徴とする請求項11に記載のタイヤ製造装置。
【請求項14】
前記駆動アセンブリ(41)は、エアシリンダと、前記エアシリンダ内に可動に設置されているピストンと、前記ピストンに当接し、且つ前記伝動アセンブリ(42)に連結される弾性部材(413)と、を備え、前記ピストンは、前記エアシリンダの端部に移動する収縮位置と膨張位置と、前記収縮位置と前記膨張位置との間に中間位置とを有し、前記弾性部材(413)が自然状態の際に、前記ピストンが前記中間位置に位置し、前記ピストンが前記収縮位置と、前記中間位置と、前記膨張位置とに位置する際に、前記可変径部材(43)は直径が順次大きくなる前記最小直径、少なくとも1つの中間直径と、前記最大直径と、をそれぞれ形成することを特徴とする請求項11に記載のタイヤ製造装置。
【請求項15】
前記駆動アセンブリ(41)は、モータと、前記モータに駆動連結され、前記モータの駆動の下で回動するスクリューロッドと、ネジ山によって前記スクリューロッドに螺合され、前記伝動アセンブリ(42)に連結されるナットと、を備え、前記スクリューロッドは、前記可変径部材(43)を直径が順次大きくなる前記最小直径と、少なくとも1つの中間直径と、前記最大直径と、を形成するように前記ナットを収縮位置と、中間位置と、膨張位置との間で軸方向に移動させるように駆動することを特徴とする請求項11に記載のタイヤ製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年12月31日に中国特許庁に提出され、出願番号は202011636146.7であり、発明名称は「タイヤ製造方法及び装置」である中国特許出願の優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、タイヤ加工の技術分野に関し、具体的には、タイヤ製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、タイヤ成型用の成形ドラムはカプセルドラムと機械ドラムとに分けられており、この2種類のドラムは主にアンチパック方式の違いであり、カプセルドラムはアンチパックカプセルを用いて空気入りターンアップされており、機械ドラムはアンチパックバーでターンアップされている。タイヤ成型効率の点では、機械ドラムがカプセルドラムよりもはるかに高いため、セミスチール成形機では機械型に大きな市場占有率があるが、機械成形ドラムは構造が複雑で、寸法交換時にはサイドドラムを交換しなければならず、多くの一般規模のタイヤ工場では、サイドドラムを交換する回数が比較的多く、サイドドラムを1回交換する時間は一般的に20~30分程度であり、サイドドラムを交換する時間はタイヤ工場にとって大きな損失となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、従来技術における機械的成形ドラムのサイズ交換に時間と手間がかかる問題を解決するタイヤ製造方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の選択可能な一実施形態によれば、以下のタイヤ製造方法が提供される。タイヤ製造装置は、主軸と、主軸の外部に嵌設されたターンアップロッドアセンブリと、シムプレートアセンブリと、ロックブロックアセンブリと、中ドラムアセンブリと、を備える。タイヤ製造方法は、シムプレートアセンブリと、ロックブロックアセンブリと、中ドラムアセンブリとの初期直径のサイズを調節して、サイジング剤を貼着するステップと、タイヤリムをロックブロックアセンブリの外部に装着し、ロックブロックアセンブリの直径が大きくするように調節して、ロックブロックアセンブリをタイヤリムに当接させ、タイヤリムをロックするステップと、シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの外表面が面一になって平坦な均一面を形成するようにシムプレートアセンブリと中ドラムアセンブリとの直径を調節するステップと、ターンアップロッドアセンブリがターンオーバー動作を行ってサイジング剤をタイヤの側面に貼り合わせ、貼り合わせが完了した後にターンアップロッドアセンブリがリバース動作を行ってリセットするステップと、シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの直径を小さくするように調節して、タイヤを主軸から取り外されるステップと、を含む。
【0006】
選択可能な一実施形態では、初期直径の大きさを調節する際に、被加工タイヤの寸法が第1のプリセット寸法であれば、シムプレートアセンブリを収縮させ、ロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの直径を最小直径に調節し、被加工タイヤの寸法が第1のプリセット寸法よりも大きい第2のプリセット寸法であれば、シムプレートアセンブリを膨張させ、ロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの直径を中間直径に調節し、中間直径を少なくとも1つとする。
【0007】
選択可能な一実施形態では、ターンアップロッドアセンブリがターンオーバー動作を行う前に、シムプレートアセンブリの進退駆動部材は、シムプレートアセンブリのシムプレートブロックを軸方向に移動するように駆動し、シムプレートブロックをターンアップロッドアセンブリのローラに退避させた後、ターンアップロッドアセンブリがターンオーバー動作を行って、ターンアップロッドアセンブリのローラがサイジング剤を押圧してサイジング剤をタイヤの側面に貼り合わせる。
【0008】
選択可能な一実施形態では、シムプレートアセンブリの直径を調節する際に、シムプレートアセンブリの膨張駆動部材の第1の斜面は、シムプレートアセンブリのシムプレートブロックの第2の斜面と相互作用し、シムプレートブロックの直径を目標値に変更する。
【0009】
選択可能な一実施形態では、ロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの中の少なくとも一方の直径を調節する際に、ロックブロックアセンブリ若しくは中ドラムアセンブリの駆動アセンブリのエアシリンダの異なるエアチャンバに圧力を加えることによって、ロックブロックアセンブリ若しくは中ドラムアセンブリの伝動アセンブリは、ロックブロックアセンブリ若しくは中ドラムアセンブリの可変径部材を最小直径、中間直径或いは最大直径に調節するように駆動アセンブリのピストンが異なる距離を移動するように駆動し、または、駆動アセンブリのエアシリンダに圧力を加えることによって、ピストンが収縮位置または膨張位置に移動するように駆動し、または、エアシリンダに圧力を加えないことによって、ピストンは、伝達部材が可変径部材を最小直径、最大直径或いは中間直径に調節させるように駆動アセンブリの弾性部材の作用下で中間位置に移動し、または、駆動アセンブリのモータが駆動アセンブリのスクリューロッドを回転するよう駆動し、可変径部材を最小直径、中間直径又は最大直径に調節するようにスクリューロッドが駆動アセンブリのナットを軸方向に移動させる。
【0010】
選択可能な一実施形態では、シムプレートアセンブリと、ロックブロックアセンブリと、中ドラムアセンブリとの直径を調節する際に、段階的調節又は無段階的調節の方式で調節する。
【0011】
本発明の選択可能な一実施形態によれば、タイヤ製造装置が提供される。タイヤ製造装置は、主軸と、タイヤの側辺を加工するためのターンアップロッドアセンブリと、主軸に外嵌され、主軸の径方向に膨張と収縮可能なシムプレートアセンブリと、主軸に外嵌され、主軸の径方向に膨張と収縮可能なロックブロックアッセンブリと、主軸に外嵌され、主軸の径方向に膨張と収縮可能な中ドラムアセンブリと、を備え、シムプレートアセンブリと、ロックブロックアセンブリと、ターンアップロッドアセンブリとは、いずれも複数であり、中ドラムアセンブリの両側に、中ドラムアセンブリから離れる方向に沿って、ロックブロックアセンブリと、シムプレートアセンブリと、ターンアップロッドアセンブリとは順次設置されている。
【0012】
選択可能な一実施形態では、シムプレートアセンブリは、主軸の軸方向に沿って設置された膨張駆動部材と、膨張駆動部材の出力端に当接するシムプレートブロックと、を備え、シムプレートブロックは、膨張駆動部材の駆動により主軸の径方向に膨張と収縮可能である。
【0013】
選択可能な一実施形態では、膨張駆動部材の出力端は、第1の斜面を有し、シムプレートブロック内側に第2の斜面を有し、第1の斜面が第2の斜面に当接して押圧するように合わせて、膨張駆動部材は第1の斜面が第2の斜面に押圧することによってシムプレートブロックを膨張と収縮させるように駆動する。
【0014】
選択可能な一実施形態では、ターンアップロッドアセンブリは、中ドラムアセンブリに近接する一端にローラを有し、シムプレートアセンブリは、シムプレートブロックに駆動連結され、ローラを遮蔽又は退避させるためにシムプレートブロックを主軸の軸方向に移動させるように駆動する進退駆動部材をさらに備える。
【0015】
選択可能な一実施形態では、ロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの中の少なくとも一方は、駆動アセンブリと、駆動アセンブリに駆動連結された伝動アセンブリと、伝動アセンブリに連結され、最小直径と最大直径との間で切り替えるように伝動アセンブリの駆動の下で主軸の径方向に膨張と収縮する可変径部材と、を備えている。
【0016】
選択可能な一実施形態では、駆動アセンブリは、主軸の軸方向に沿って設置され、伝動アセンブリは、屈曲状となり、伝動アセンブリの一端が駆動アセンブリの出力端に連結され、伝動アセンブリの他端が可変径部材に連結されている。
【0017】
選択可能な一実施形態では、駆動アセンブリは、エアシリンダと、エアシリンダ内に可動に設置され、伝動アセンブリに連結されるピストンと、を備え、エアシリンダは、大きさが異なる複数のエアチャンバを形成可能であり、異なる大きさの複数のエアチャンバに圧力を加える際に、最小直径と、最大直径と、最小直径と最大直径との間の少なくとも1つの中間直径と、をそれぞれ形成するようにピストンは異なる距離を移動し、且つピストンはエアシリンダの端部の収縮位置と膨張位置とに移動し、また、収縮位置と膨張位置との間の中間位置に移動する。
【0018】
選択可能な一実施形態では、駆動アセンブリは、エアシリンダと、エアシリンダ内に可動に設置されているピストンと、ピストンに当接する弾性部材と、を備え、ピストンは、エアシリンダの端部に移動する収縮位置と膨張位置と、収縮位置と膨張位置との間にある中間位置とを有し、弾性部材が自然状態の際に、ピストンが中間位置、ピストンが収縮位置と、中間位置と、膨張位置とに位置する際に、可変径部材はそれぞれ直径が順次大きくなる最小直径、少なくとも1つの中間直径と、最大直径と、をそれぞれ形成する。
【0019】
選択可能な一実施形態では、駆動アセンブリは、モータと、モータに駆動連結され、モータの駆動の下で回動するスクリューロッドと、ネジ山によってスクリューロッドに螺合され、伝動アセンブリに連結されるナットと、を備え、スクリューロッドは、可変径部材を直径が順次大きくなる最小直径と、少なくとも1つの中間直径と、最大直径と、を形成するようにナットを収縮位置と、中間位置と、膨張位置との間で軸方向に移動させるように駆動する。
【0020】
本発明の技術的解決手段の適用において、シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの三者によって径方向の膨張、収縮を実現することができることによって、三者が各径方向位置に円柱状外面を形成することができ、タイヤを構成する各半部材料を貼り合わせるために用いて、使用する際に、加工されるタイヤの寸法によって、三者が共同して形成される円柱状の外面が貼着材等の加工ニーズに合致するようにシムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの初期直径の大きさを調節し、その後、タイヤリムの取付け、サイジング剤の貼着等の操作を行い、三者で形成の直径を調節することによってタイヤリムを固定して平坦な円面を形成することができ、その後、ターンアップロッドアセンブリを介して空気充填等の方式でタイヤを加工成形し、加工が完了した後、シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの三者の径を小さくすることによって、タイヤを取り出すことができる。シムプレートアセンブリとロックブロックアセンブリと中ドラムアセンブリとの直径はいずれも調節可能であるため、異なるサイズのタイヤを加工する際に三者の直径を適宜調節すればよい。このような設置方法によって、タイヤ製造装置は、複数のサイズのタイヤを加工することができるとともに、サイドドラムを交換する必要がなく、直径の大きさを調節すればよいので、複数のサイズのタイヤを簡単かつ迅速に加工することができ、時間と労力を節約するだけでなく、加工効率も向上し、サイドドラムを交換することによる様々な損失を回避することができる。同時に、1台装置で2つのサイズタイヤの加工が可能となり、製造コストを削減することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明から、本発明の上記の実施形態は、以下の技術的効果を奏することが分かる。
1.先行技術における機械的成形ドラムのサイズを交換するという、時間と手間がかかる問題を解決する。
2.タイヤ製造装置は、複数サイズのタイヤの加工が可能であり、また、サイドドラムの交換が不要であり、複数サイズのタイヤの加工を簡単かつ迅速に実現できる。
3.時間と労力を節約し、また、処理効率を向上させ、サイドドラムの交換によって様々な損失を回避することができる;
4.1台の装置で2つのサイズのタイヤを加工でき、製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の一部を構成する明細書図面は、本発明の更なる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【0023】
【
図1】本発明に係るタイヤ製造方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明のタイヤ製造装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態および実施形態における特徴は、矛盾することなく互いに組み合わせることができることに留意されたい。 以下、図面を参照し、実施形態と併せて本発明を詳細に説明する。
【0025】
従来技術における機械的成形ドラムのサイズの交換に時間がかかり、時間と手間のかかるという問題を解決するために、本発明は、タイヤ製造方法および装置を提供する。
【0026】
図1に示すのはタイヤ製造方法であり、
図2及び
図3に示すタイヤ製造装置は、主軸10と、主軸10の外部に嵌設されたターンアップロッドアセンブリ20と、シムプレートアセンブリ30と、ロックブロックアセンブリ40と、中ドラムアセンブリ50と、を備える。タイヤ製造方法は、シムプレートアセンブリ30と、ロックブロックアセンブリ40と、中ドラムアセンブリ50との初期直径を調節して、サイジング剤を貼着するステップと、タイヤリムをロックブロックアセンブリ40の外部に装着し、ロックブロックアセンブリ40の直径を大きくするように調節して、ロックブロックアセンブリ40をタイヤリムに当接させ、タイヤリムをロックするステップと、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50の外面が面一になって平坦な均一面を形成するようにシムプレートアセンブリ30と中ドラムアセンブリ50の直径を調節するステップと、ターンアップロッドアセンブリ20がターンオーバー動作を行ってサイジング剤をタイヤの側面に貼り合わせ、貼り合わせが完了した後にターンアップロッドアセンブリ20がリバース動作を行ってリセットするステップと、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50の直径を小さくするように調節して、タイヤを主軸10から取り外されるステップと、を含む。
【0027】
本実施形態は、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との三者によって径方向の膨張、収縮を実現することができることによって、三者が各径方向位置に円柱状外面を形成することができ、タイヤを構成する各半部材料を貼り合わせるために用いて、使用する際に、加工されるタイヤの寸法によって、三者が共同して形成される円柱状の外面が貼着材等の加工ニーズに合致するようにシムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との初期直径の大きさを調節し、その後、タイヤリムの取付、サイジング剤の貼着等の操作を行い、三者で形成の直径を調節することによってタイヤリムを固定して平坦な円面を形成することができ、その後、ターンアップロッドアセンブリ20を介して空気充填等の方式でタイヤを加工成形し、加工が完了した後、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との三者の径を小さくすることによって、タイヤを取り出すことができる。シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との直径はいずれも調節可能であるため、異なるサイズのタイヤを加工する際に三者の直径を適宜調節すればよい。このような設置方法によって、タイヤ製造装置は、複数のサイズのタイヤを加工することができるとともに、サイドドラムを交換する必要がなく、直径の大きさを調節すればよいので、複数のサイズのタイヤを簡単かつ迅速に加工することができ、時間と労力を節約することだけでなく、加工効率も向上し、サイドドラムを交換することによる様々な損失を回避することができる。同時に、1台装置で2サイズタイヤの加工が可能となり、製造コストを削減することができる。
【0028】
本実施形態は、2つのサイズのタイヤを加工する例を挙げて説明するが、2つのサイズが小さい第1のプリセット寸法と第2のプリセット寸法とに分けられ、初期直径の大きさを調節する際に、被加工タイヤの寸法が第1のプリセット寸法であれば、シムプレートアセンブリ30が収縮し、ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50とが最小直径に調節され、後続の直径が膨張する際に、タイヤリム等により自然に規制される。被加工タイヤの寸法が第1のプリセット寸法よりも大きい第2のプリセット寸法であれば、調節時にシムプレートアセンブリ30を膨張させ、ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との直径を中間直径に調節し、後続の再度膨張させた際に、最大直径に調節すればよい。もちろん、2つのサイズのタイヤを加工する他、調節可能な直径をさらに複数増設してよく、より複数のサイズのタイヤを加工する。
【0029】
本実施形態では、ターンアップロッドアセンブリ20がターンオーバー動作を行う前に、シムプレートアセンブリ30の進退駆動部材33がシムプレートアセンブリ30のシムプレートブロック32を軸方向に移動させ、シムプレートブロック32をターンアップロッドアセンブリ20のローラ21に退避させ、その後、ターンアップロッドアセンブリ20がターンオーバー動作を行って、ターンアップロッドアセンブリ20のローラ21がサイジング剤を押圧してサイジング剤をタイヤの側面に貼り合わせる。シムプレートブロック32は、径方向と軸方向の2方向の動作を有するものであり、径方向の動きは、径の大きさを調節するために、異なるサイズのタイヤに対応する。軸方向の動きは、ターンアップロッドアセンブリ20のローラ21を遮蔽又は回避するためであり、具体的には、ターンアップロッドアセンブリ20が動作していない時には、シムプレートアセンブリ30はターンアップロッドアセンブリ20のローラ21を遮蔽することにより、装置外面に平坦な弧面を形成し、凹凸を回避してサイジング剤の貼着等の操作に影響を与えることを回避して、ターンアップロッドアセンブリ20が動作する必要の時に、シムプレートブロック32が進退駆動部材33の駆動下でローラ21を回避することができることにより、ターンアップロッドアセンブリ20がタイヤを正常に加工することができる。
【0030】
本実施形態では、シムプレートアセンブリ30の直径を調節する際に、シムプレートアセンブリ30の膨張駆動部材31の第1の斜面とシムプレートアセンブリ30のシムプレートブロック32の第2の斜面との間を貼り合わせて押圧し、両者の相互作用により、シムプレートブロック32の直径を目標値まで収縮又は膨張させることができる。
【0031】
本実施形態では、ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50の構成はほぼ同じであり、両者の直径の調節方式も同様であり、ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50とで採用される構成が異なることによって、その具体的な調節方式は、具体的には以下のような方式を採用することができる。具体には:
【0032】
<方式1>
ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50は、複数のエアチャンバを有するエアシリンダとエアチャンバと嵌合するピストンとを備える駆動アセンブリ41と、伝動アセンブリ42と、可変径部材43と、を備えている。ロックブロックアセンブリ40または中ドラムアセンブリ50の駆動アセンブリ41のエアシリンダの異なるエアチャンバに圧力を加えることにより、エアチャンバの大きさが異なるため、エアチャンバが駆動アセンブリ41を駆動するピストンの移動距離が異なることによって、ピストンを収縮位置、中間位置、膨張位置で移動させ、ピストンの移動距離がそのまま可変径部材43の直径の大きさに影響されることによって、ロックブロックアセンブリ40または中ドラムアセンブリ50の伝動アセンブリ42がロックブロックアセンブリ40または中ドラムアセンブリ50の可変径部材43を最小直径、中間直径、最大直径に調節させる 。
【0033】
<方式2>
ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50は、依然上記の部材を備え、相違点は、エアシリンダに大きさの異なるエアチャンバがなく、弾性部材413が設置され、弾性部材413がピストンに当接し、弾性部材413が自然状態にある時に、ピストンが弾性部材413の作用により中間位置に位置することにある。駆動アセンブリ41のエアシリンダ内に圧力を加えることにより、ピストンが圧縮されたり、弾性部材413を引っ張ったりして収縮位置または膨張位置に移動し、ピストンが中間位置にある必要がある時には、エアシリンダ内に圧力を加えなく、ピストンが駆動アセンブリ41の弾性部材413の作用によって中間位置に移動することができ、これにより、伝動アセンブリ42が、可変径部材43を最小直径、最大直径または中間直径に調節させるように駆動する。
【0034】
<方式3>
ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50の駆動アセンブリ41は、駆動連結されたモータと、スクリューロッドと、ナットとを備えている。駆動アセンブリ41のモータが駆動アセンブリ41のスクリューロッドを回転させることにより、スクリューロッドが駆動アセンブリ41のナットを軸方向に移動させ、ナットを収縮位置、中間位置、膨張位置で移動させ、ナットが伝動アセンブリ42を介して可変径部材43を最小直径、中間直径または最大直径に調節させるように駆動する。
【0035】
上記3つの方式は、いずれも駆動アセンブリ41の出力端の軸方向の移動距離を制御することにより、可変径部材43の直径を制御するものである。勿論、上記3つの方式の他に、可変径部材43の直径の大きさを他の方式で調節してもよい。また、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との直径を調節する際には、例えば、異なるレベルの大きさの中間位置、中間直径等を複数設置して、段階的に調節するように調節してもよい。または、例えば最大直径と最小直径との間のいずれの直径も中間直径とすることができ、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との直径を無段階に調節することで目標値の等に調節してもよい。
【0036】
また、本実施形態はタイヤ製造装置を提供する。
図2及び
図3に示すように、タイヤ製造装置は、主軸10と、タイヤの側辺を加工するためのターンアップロッドアセンブリ20と、主軸10に嵌設され、主軸10の径方向に膨張と収縮可能なシムプレートアセンブリ30と、主軸10に嵌設され、主軸10の径方向に膨張と収縮可能なロックブロックアセンブリ40と、主軸10に嵌設され、主軸10の径方向に膨張と収縮可能な中ドラムアセンブリ50と、を備え、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50とは、いずれも複数であり、中ドラムアセンブリ50の両側において、中ドラムアセンブリ50から離れる方向に沿って、ロックブロックアセンブリ40とシムプレートアセンブリ30とターンアップロッドアセンブリ20とを順次設置する。前述したように、上記の各アセンブリとの間の相互の組み合わせ、及び上記の各アセンブリの形成の間の調節によって、タイヤ製造装置が複数のサイズのタイヤを加工することができ、かつ、サイドドラムを交換する必要とせず、直径の大きさを調節すればよいことで、複数のサイズのタイヤを簡単かつ迅速に加工することができ、時間と労力を節約することだけでなく、加工効率も向上し、サイドドラムを交換することによる様々な損失を回避することができる。
【0037】
図3に示すように、シムプレートアセンブリ30は、主軸10の軸方向に沿って設置された膨張駆動部材31と、膨張駆動部材31の出力端に当接し、膨張駆動部材31の駆動により主軸10の径方向に膨張と収縮可能なシムプレートブロック32とを備えている。具体的には、膨張駆動部材31の出力端が第1の斜面を有し、シムプレートブロック32の内側に第2の斜面を有し、第1の斜面が第2の斜面に当接して押圧するように合わせることで、膨張駆動部材31が動作すると、第1の斜面が第2の斜面を押圧し、膨張駆動部材31の軸方向の移動を径方向の移動に変換することによって、シムプレートブロック32を膨張と収縮させる。
【0038】
本実施形態では、ターンアップロッドアセンブリ20は、中ドラムアセンブリ50の一端に近接してローラ21を有し、シムプレートアセンブリ30は、主軸10の径方向に沿って設置され、直接又は間接的にシムプレートブロック32に駆動連結される進退駆動部材33をさらに備え、シムプレートブロック32は、直径を変える作用に加えて、ローラ21を遮蔽する作用を有し、具体的には、ターンアップロッドアセンブリ20が作動しない時に、シムプレートブロック32は進退駆動部材33の作用の下でローラ21を遮蔽することによって、装置の外面が平坦な円弧面が形成され、ターンアップロッドアセンブリ20が作動する必要な時に、進退駆動部材33はシムプレートブロック32を戻してローラ21を退避させるように駆動することによって、ターンアップロッドアセンブリ20がタイヤの側面を正常に加工することができる。
【0039】
本実施形態では、ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との構造はほぼ同じであり、いずれも主軸10の軸方向に沿って設置された駆動アセンブリ41と、駆動アセンブリ41に駆動連結される伝動アセンブリ42と、伝動アセンブリ42に連結された可変径部材43と、を備え、駆動アセンブリ41の軸方向は可変径部材43の膨張方向と直交し、可変径部材43は装置全体の最外側として円弧面を形成することによって、サイジング剤を貼着するために用いられ、可変径部材43は、伝動アセンブリ42の駆動により主軸10の径方向に膨張と収縮して、最小直径と最大直径との間で切り替え可能である。
【0040】
一般的に、ロックブロックアセンブリ40の可変径部材43は、タイヤリムにマッチしてタイヤリムを係止するためのロックブロックスライダであり、中ドラムアセンブリ50の可変径部材43は中ドラムであり、中ドラムは、主軸10の軸方向中間に位置し、サイジング剤にマッチする。
【0041】
本実施形態の中ドラムアセンブリ50の変径部43及びシムプレートアセンブリ30のシムプレートブロック32は、いずれも歯形ブロック構造を採用することが好ましい。
【0042】
ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50は、その一方の相違点は伝動アセンブリ42の具体的な構成にあり、ロックブロックアセンブリ40の伝動アセンブリ42が屈曲状をなすリンクであり、リンクの一端が駆動アセンブリ41の出力端に回動可能に連結され、他端が可変径部材43に回動可能に連結され、駆動アセンブリ41のプッシュリンクによって、リンクを回動させて可変径部材43を径方向に移動するように連動させて、移動方向の変換を実現している。中ドラムアセンブリ50の伝動アセンブリ42は、リンクに加えて中ドラムスライダをさらに備え、リンクが駆動アセンブリ41の一端から離間して中ドラムスライダに連結される。中ドラムスライダが可変径部材43に連結されることで、可変径部材43を径方向に移動するように連動される。勿論、上述した方式に加えて、伝動アセンブリ42は、必要に応じて他の部材を増設してもよい。なお、ロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50の伝動アセンブリ42は構成が異なっているが、その作用は同じであり、いずれも伝動やステアリングとして機能する。
【0043】
前述したように、駆動アセンブリ41は、駆動部材411と出力部材412とを備え、出力部材412が駆動部材411の軸方向に移動することにより、出力部材412の移動方向が、可変径部材43の膨張方向と直交するように構成されており、具体的な構成としては、以下の3つの構成が挙げられる。
【0044】
<方式1>
駆動部材411はエアシリンダであり、出力部材412はピストンであり、ピストンはエアシリンダ内に可動に設置され、複数の大きさの異なるエアチャンバを形成することができ、異なる大きさのエアチャンバに圧力を加える時にはピストンの動きが異なる距離となり、ピストンがエアシリンダの一端に移動する時は収縮位置となり、他端に移動する時は膨張位置となり、エアシリンダの両端の中間位置に移動する時は中間位置に位置し、3箇所の時には可変径部材43がそれぞれ最小直径、最大直径、及び最小直径と最大直径との間の中間直径を形成する。このように、異なるエアチャンバ内に圧力を加えることにより、ピストンの動きが異なる距離とすることで、可変径部材43を異なる直径に形成することができる。
【0045】
<方式2>
駆動部材411はエアシリンダであり、出力部材412はピストンであり、駆動アセンブリ41は、エアシリンダ内に可動に設置された弾性部材413をさらに備え、本方式が方式1との相違点は、本方式では大きさの異なるエアチャンバを設けず、弾性部材413によってピストンの移動を制御することにある。弾性部材413は、ピストンに当接して伝動アセンブリ42に連結されており、ピストンは、エアシリンダの端部に移動する収縮位置と膨張位置と、収縮位置と膨張位置との間の中間位置を有し、弾性部材413が自然状態にある時にピストンが中間位置に位置するようになっており、このように、可変径部材43が最小直径又は最大直径に形成される必要がある時には、エアシリンダ内ピストンの両側への押圧又はピストンの一方側への正負圧を加えることで別々に実現される。また、可変径部材43の中間直径を形成する必要がある時には、エアシリンダに圧力を加えず、ピストンが弾性部材413の作用によって移動して中間位置に保持され、すなわち、ピストンが収縮位置、中間位置、膨張位置にある時に、可変径部材43が順次大きくなる最小直径、中間直径、最大直径をそれぞれ形成し、可変径部材43が形成された直径の大きさの変更を実現している。本実施形態の図面に示す構成はこの方式を採用する。弾性部材413は、必要に応じてバネ等の弾性部材を選択することができる。
【0046】
<方式3>
駆動部材411はモータであり、出力部材412はスクリューロッドとナットであり、本形態ではモータ駆動の方式を採用しているので、モータ駆動はストロークを正確に制御することができるため、スクリューロッドをモータに駆動連結して、モータの駆動によって回転して、ナットがネジ山によってスクリューロッドに螺合され、伝動アセンブリ42に連結される。このように、可変径部材43の直径を変更する必要がある時には、モータによりスクリューロッドを回転させ、スクリューロッドがナットを収縮位置と中間位置と膨張位置との間で軸方向に移動させることで、可変径部材43が形成された直径は順次大きくなる最小直径と中間直径と最大直径を形成することができる。
【0047】
上記のようにして、駆動アセンブリ41は可変径部材43を所要位置へ移動するように駆動することを実現することができる。
【0048】
上記の中間位置、中間直径は、必要に応じて1つ又は複数設置され、有階段調節又は無段階的調節によって、シムプレートアセンブリ30とロックブロックアセンブリ40と中ドラムアセンブリ50との直径を、最小直径と最大直径と各中間直径との間で調節することができる。
【0049】
なお、上記実施形態における複数の意味は、少なくとも2つである。
【0050】
明らかに、上記で説明した実施形態は本発明の一部の実施形態に過ぎず、全ての実施形態ではない。本発明における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0051】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、当業者にとって、本発明は様々な変更や変更が可能である。本発明の精神及び原則内でなされたいかなる修正、同等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである
【符号の説明】
【0052】
10 主軸
20 ターンアップロッドアセンブリ
21 ローラ
30 シムプレートアセンブリ
31 膨張駆動部材
32 シムプレートブロック
33 進退駆動部材
40 ロックブロックアセンブリ
41 駆動アセンブリ
411 駆動部材
412 出力部材
413 弾性部材
42 伝動アセンブリ
43 可変径部材
50 中ドラムアセンブリ
【国際調査報告】