(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】RRAM抵抗の上限設定
(51)【国際特許分類】
H10B 63/00 20230101AFI20240124BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20240124BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20240124BHJP
H10N 99/00 20230101ALI20240124BHJP
G11C 11/54 20060101ALI20240124BHJP
G11C 13/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H10B63/00
H10N70/00 Z
H10N70/20
H10N99/00
G11C11/54
G11C13/00 230
G11C13/00 270J
G11C13/00 270G
G11C13/00 400Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541254
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2022050126
(87)【国際公開番号】W WO2022152601
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】セオ、スン-チョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】オーケー、インジョ
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA30
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083PR03
5F083PR22
5F083PR40
(57)【要約】
電子回路は、複数のワード線と、複数のグリッド点において複数のワード線と交差する複数のビット線と、複数のグリッド点に位置する複数の抵抗変化型メモリセルを含む。抵抗変化型メモリセルのそれぞれが、ワード線の対応する1つとビット線の対応する1つとのうちの一方と連結される上部金属と、ワード線の対応する1つとビット線の対応する1つとのうちの他方と連結される下部金属と、上部金属と下部金属との間に挟まれた誘電体と、誘電体に並列に、上部金属と下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワード線と、
複数のグリッド点において、前記複数のワード線と交差する複数のビット線と、
前記複数のグリッド点に位置する複数の抵抗変化型メモリセルと
を備えた電子回路であって、前記抵抗変化型メモリセルのそれぞれが、
前記ワード線の対応する1つと前記ビット線の対応する1つとのうちの一方と連結される上部金属と、
前記ワード線の前記対応する1つと前記ビット線の前記対応する1つとのうちの他方と連結される下部金属と、
前記上部金属と前記下部金属との間に挟まれた誘電体と、
前記誘電体に並列に、前記上部金属と前記下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサと
を含む、電子回路。
【請求項2】
前記誘電体は、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合されたスイッチング可能な誘電体を含み、前記高抵抗半導体スペーサは、前記スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における抵抗の設計値に少なくとも等しい抵抗を有する、請求項1に記載の電子回路。
【請求項3】
前記高抵抗半導体スペーサは、前記スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における前記抵抗の前記設計値の100倍以下の抵抗を有する、請求項2に記載の電子回路。
【請求項4】
前記高抵抗半導体スペーサは、前記スイッチング可能な誘電体の前記抵抗の前記設計値の20倍以下の抵抗を有する、請求項3に記載の電子回路。
【請求項5】
前記高抵抗半導体スペーサは、前記スイッチング可能な誘電体の前記抵抗の前記設計値の10倍以上の抵抗を有する、請求項4に記載の電子回路。
【請求項6】
前記高抵抗半導体スペーサと前記スイッチング可能な誘電体の間に不動態層をさらに含み、前記不動態層は、酸素の拡散を遮断するのに十分厚く、電子トンネリングが可能となるように十分薄い、請求項2に記載の電子回路。
【請求項7】
前記高抵抗半導体スペーサは金属酸化物を含み、前記不動態層は窒化物及び炭化物のうちの1つを含む、請求項6に記載の電子回路。
【請求項8】
前記高抵抗半導体スペーサはタンタル酸化物を含み、前記不動態層は窒化シリコンを含む、請求項7に記載の電子回路。
【請求項9】
前記スイッチング可能な誘電体は酸化ハフニウムを含み、前記高抵抗半導体スペーサは窒化チタン及び窒化タンタルのうちの1つを含む、請求項2に記載の電子回路。
【請求項10】
前記高抵抗半導体スペーサはTa
4N
5を含む、請求項9に記載の電子回路。
【請求項11】
抵抗変化型メモリの作成方法であって、
下部接点を含むベース構造に、前記下部接点と接触する下部金属を形成すること、
前記下部金属の上に前記下部金属と接触する誘電体を形成すること、
前記誘電体の上に前記誘電体と接触する上部金属を形成すること、
前記上部金属の上に前記上部金属と接触するハード・マスクを形成すること、
前記上部金属と前記下部金属とを電気的に接触する高抵抗半導体スペーサを形成すること、
前記ハード・マスクと前記高抵抗半導体スペーサの上を覆って層間絶縁膜を堆積させること、
前記層間絶縁膜にビアとトレンチを形成すること、および
前記ビアとトレンチを金属で充填することにより、前記上部金属と接触する上部接点を形成すること
を含む、方法。
【請求項12】
前記誘電体を、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合されたスイッチング可能な誘電体として形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記高抵抗半導体スペーサを、前記スイッチング可能な誘電体の抵抗の設計値の100倍以下の抵抗を有するように形成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記高抵抗半導体スペーサを、前記スイッチング可能な誘電体の前記抵抗の前記設計値以上の抵抗を有するように形成することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記高抵抗半導体スペーサを、前記スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における前記抵抗の設計値の少なくとも10倍の抵抗を有するように形成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記高抵抗半導体スペーサを、前記スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における前記抵抗の設計値の20倍以下の抵抗を有するように形成することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スイッチング可能な誘電体は酸化ハフニウムを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記高抵抗半導体スペーサは窒化チタン及び窒化タンタルのうちの1つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
高抵抗半導体スペーサは金属酸化物を含み、前記スイッチング可能な誘電体と前記高抵抗半導体スペーサとの間に、窒化物を含有する不動態層を形成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ワード線とビット線との相互連結のための抵抗変化型メモリセルであって、
前記ワード線と前記ビット線のうちの一方と連結するよう構成された上部金属と、
前記ワード線と前記ビット線のうちの他方と連結するよう構成された下部金属と、
前記上部金属と前記下部金属との間に挟まれて、前記上部金属を前記下部金属へと電気的に接続するスイッチング可能な誘電体であって、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合された前記スイッチング可能な誘電体と、
前記誘電体に並列に、前記上部金属と前記下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサであって、前記スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における抵抗の設計値の少なくとも10倍であるが20倍以下となる抵抗を有する、前記高抵抗半導体スペーサと
を含む、抵抗変化型メモリセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気、電子、及びコンピュータ分野に関し、より詳細には、抵抗変化型メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化型メモリ(ReRAMまたはRRAM)は、誘電性固体材料の抵抗変化により動作する不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)の一種で、しばしばメモリスタと称する。本技術は導電性ブリッジRAM(CBRAM)や相変化メモリ(PCM)にいくつか類似する点を有する。RRAMの1つに、酸化物薄膜中にフィラメントを発生させることにより形成されるタイプがある。適切に作製されたRRAMにおいては、酸化物膜に導電性の高いパスが形成される低抵抗状態(LRS)と、酸化物膜に導電パスが形成されない高抵抗状態(HRS)との間を、電界によってフィラメントを形成させることで変化させられる。
【0003】
RRAMは、例えば、人工知能のアプリケーション(例えば、ニューラル・ネットワーク・トレーニング/ニューラル・ネットワーク推論)に有用である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の原理は、RRAM抵抗の上限を設定するための技術を提供する。
【0005】
一態様において、例示的な電子回路は、複数のワード線と、複数のグリッド点において複数のワード線と交差する複数のビット線と、複数のグリッド点に位置する複数の抵抗変化型メモリセルとを含む。抵抗変化型メモリセルのそれぞれが、ワード線の対応する1つとビット線の対応する1つとのうちの一方と連結される上部金属と、ワード線の対応する1つとビット線の対応する1つとのうちの他方と連結される下部金属と、上部金属と下部金属との間に挟まれた誘電体と、誘電体に並列に、上部金属と下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサとを含む。
【0006】
別の態様によれば、抵抗変化型メモリを作製するための例示的な方法が提供される。その方法は、下部接点を含むベース構造上に、下部金属が下部接点と接触するように下部金属を形成することを含む。その方法は、また、下部金属の上に下部金属と接触する誘電体を形成すること、誘電体の上に誘電体と接触する上部金属を形成すること、上部金属の上に上部金属と接触するハード・マスクを形成することを含む。その方法は、上部金属と下部金属とを電気的に接触させる高抵抗半導体スペーサを形成することをさらに含む。その方法は、また、ハード・マスクと高抵抗スペーサの上を覆って層間絶縁膜を堆積させること、層間絶縁膜にビアとトレンチを形成すること、ビアとトレンチを金属で充填することにより、上部金属と接触する上部接点を形成することを含む。
【0007】
さらに別の態様によれば、ワード線とビット線との相互連結のための例示的な抵抗変化型メモリセルは、ワード線とビット線のうちの一方と連結するよう構成された上部金属と、ワード線とビット線のうちの他方と連結するよう構成された下部金属と、上部金属と下部金属との間に挟まれて、上部金属を下部金属へと電気的に接続するスイッチング可能な誘電体であって、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合されたスイッチング可能な誘電体と、誘電体に並列に、上部金属と下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサであって、スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における抵抗の設計値に、少なくとも等しいが100倍以下となる抵抗を有する、高抵抗半導体スペーサとを含む。
【0008】
上記を鑑みれば、本発明の技術は、実質的で有益な技術的効果を提供することができる。例えば、1つまたは複数の実施形態は、以下の1つまたは複数を提供する。
【0009】
製造上の欠陥が存在する場合でも、信頼性の高いRRAMモジュール。
【0010】
RRAMモジュールの歩留まり向上。
【0011】
空気への露出を避けて封止することによるRRAMフィラメント層の安定性向上。
【0012】
本発明のこのような特徴、他の特徴、及び利点は、添付の図面に結びつけて読まれる以下の具体的な実施形態についての詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】並列抵抗を伴わない従来技術のRRAMモジュールが、上限抵抗が適切に形成された場合と未形成の場合を示す。
【
図3】例示的な一実施形態により、並列抵抗を伴うRRAMモジュールを示す。
【
図4】例示的な一実施形態により、並列抵抗を伴うRRAMモジュールが適切に形成された場合と未形成の場合の上限抵抗を示す。
【
図5】例示的な一実施形態により、並列抵抗を伴うRRAMモジュールを作製するプロセスのステップを(A)から(H)に示す。
【
図6】従来技術から知られているように、窒素/タンタル比(N/Ta比)に応じたTaN膜の抵抗率の変化を示す。
【
図7】別の例示的な実施形態により、並列抵抗及び不動態層(passivating liner)を伴う別のRRAMモジュールを示す。
【
図8】例示的な一実施形態により、RRAMを組み込んだニューラル・ネットワーク・アレイを示す。
【
図9】例示的な一実施形態により、RRAMを組み込んだニューラル・ネットワーク・アレイを示す。
【
図10】電界効果トランジスタと直列に存在する例示的な実施形態の任意の使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
RRAMモジュールの作製において、フィラメントは、通常、酸化物薄膜に形成される。モジュールの適切な動作は、フィラメントの適切な形成によって決まる。しかしながら、フィラメントが過度に形成される場合には、RRAMモジュールはその高抵抗状態(HRS)に到達できない「短絡」(抵抗が低すぎる)を発生させる。フィラメントが未形成となる場合には、RRAMモジュールがその低抵抗状態(LRS)に到達できない「開放」(抵抗が高すぎる)を発生させる。このような短絡や開放は、人工知能アプリケーション(例えば、ニューラル・ネットワーク・トレーニング/推論)におけるように、RRAMに依存する行列乗算演算にエラーを生じさせる可能性がある。
【0015】
1個のトランジスタと1個の抵抗(以下「1T1R」とも言う)の構成は、短絡の可能性の低減を目的として用いることができる。1T1Rの構成において、RRAMモジュールと直列に存在するトランジスタは、スイッチ・オンにならないと電流が流れない。トランジスタは、RRAMモジュールをHRSに設定するのと同じ信号でスイッチ・オフとなるので、たとえRRAMモジュールが短絡した場合でも、スイッチ・オフの状態のトランジスタは想定HRSをシミュレートする。つまり、1T1R方式は、高抵抗状態におけるRRAM抵抗に下限を提供する。
【0016】
1つまたは複数の実施形態は、任意の状態で、RRAM抵抗に有利に上限を提供する。上限は、モジュールに並列に存在する高抵抗構造(高抵抗スペーサ)を、モジュール本体と一体的に形成することにより提供される。1つまたは複数の例示的な実施形態では、金属・絶縁体遷移材料(例えば、TiOxNy-酸窒化チタン)は、高抵抗構造に用いることができる。1つまたは複数の実施形態では、TaxNy(窒化タンタル)膜またはTixNy(窒化チタン)膜を用いることができる。
【0017】
比較のため、
図1に、並列抵抗を有しない従来技術のRRAMモジュール100を示す。RRAMモジュール100は、上部金属102と、下部金属104と、酸化物膜106(一般的に、HfO
x(酸化ハフニウム)膜であるが、例示に限定されず、WO
x、TaO
x、TiO
x、NiO
x、SiO
x、GeS、GeSeのような他の材料も用いることも可能である)を含む。酸化物膜106は、意図的に欠陥のある誘電体として働き、十分な電界を印加することで、Hfのフィラメント(
図1に図示されない)が、膜を通過して導電するよう調整され得る。このようにして、フィラメントが適切に形成されると、酸化物膜106は、低抵抗状態と高抵抗状態の間を行ったり来たり変化する「スイッチング可能な」誘電体となる。フィラメントが未形成の場合には、RRAMモジュール100は、単なるコンデンサになる。
【0018】
図2は、適切にフィラメントが形成された場合(参照番号200)とフィラメントが未形成の場合(参照番号210)の2つの異なるシナリオについて、モジュール100の上限抵抗Rを示す。シナリオ200において、高抵抗状態においてR=R
HRS(設計値)である。シナリオ210において、R→常に∞である。
【0019】
一方、
図3は、例示的な実施形態に係る、並列抵抗301を伴うRRAMモジュール300を示す。並列抵抗(高抵抗半導体スペーサ)301は、高抵抗半導体材料、例えば、Ti
xN
y、Ta
xN
y、TaO
xN
yから形成される。1つまたは複数の実施形態において、「半導体」は、約100μΩ/cmから約5000μΩ/cmの範囲にある抵抗を示すが、例示に限定されない。1つまたは複数の実施形態において、並列抵抗は約500μΩ/cmから約2000μΩ/cmの範囲にある抵抗を有する。上部金属302と、下部金属304、及び(スイッチング可能な誘電体106と同様に形成される)酸化物膜(スイッチング可能な誘電体)306に加えて、並列抵抗301は、上部金属302から下部金属304へと、モジュールを通過する追加の導通経路を提供する。このように、モジュール300のフィラメントが未形成となる場合でも、上部接点318から下部接点320へと、モジュールを通って流れる導通経路がある。典型的な容量のデバイスにおいては、誘電体をバイパスし得る並列抵抗301のようなものを、電気シャント内に設定するのは好ましくないことに留意されたい。また、フィラメントは本来微細なもので、図示することはできないが、当業者にはよく知られたものであることにも留意されたい。
【0020】
図4は、フィラメントが適切に形成された場合(参照番号400)とフィラメントが未形成の場合(参照番号410)との2つの異なるシナリオについて、モジュール300の上限抵抗Rを図示する。シナリオ400では、R=R
HRS||R
301であり、高抵抗状態においてR→R
HRSであるので、R
301はR
HRSよりもはるかに広範囲で選択される。シナリオ410では、常にR→R
301であるので、R=∞||R
301となる。当業者に理解されるように、並列抵抗回路とは、複数の抵抗が同じ2点(またはノード)に接続されているものであり、共通の電圧源に接続された複数の電流経路を持つという事実によって識別される。n個の並列抵抗R
1、R
2、…、R
nの場合、並列抵抗の合成抵抗R
Tは、R
T=(1/R
1+1/R
2+…+1/R
n)
-1によって求められる。R
301>>R
HRSの第1のケースの場合、1/R
301は、1/R
HRSに対して無視できるほど小さくなる。R→∞の後者の場合、1/Rはゼロに近づき、1/R
301に対して無視できるほど小さくなる。
【0021】
図5(A)~(H)に示すように、並列抵抗301を形成することは、RRAMを作製するためのプロセス500にステップを追加することを含む。
【0022】
図5(A)は、ステップ502(図示を簡潔にする目的で、実際にはいくつかのステップが組み合わせられたもの)であって、上部金属302、酸化物306、下部金属304、及びハード・マスク308の、ベース構造310(下部接点320にも留意)へのRRAMスタック堆積を示す。本明細書の教示によって、従来の半導体製造技術が、1つまたは複数の実施形態を作製するのに用いられ得ることに留意されたい。
【0023】
図5(B)は、ステップ504であって、フォトレジスト312を伴うRRAMピラーのリソグラフィを示す。
【0024】
図5(C)はステップ506であって、RRAMピラーの反応性イオン・エッチング(RIE:reactive ion etching)を示す。
【0025】
図5(D)はステップ508であって、高抵抗材料301の堆積を示す。高抵抗材料は、金属物質を非金属と組み合わせて一体化し、コンデンサまわりのスペーサに一般に用いられるものよりは、まだ高い導電性であるとはいえ、低い導電性を生み出す。一般に、高抵抗材料301の組成は、A
XB
Yの合金成分によって調整される金属であってもよく、例えば、Aは(以下に限定されるものではないが)TaまたはTi等の金属元素であって、Bは(以下に限定されるものではないが)材料を半導性とするNまたはOのような合金材料である。異なる堆積プロセスが用いられてもよく、例えば、プラズマ原子層堆積(p-ALD:plasma atomic layer deposition)または熱ALD(t-ALD:thermal atomic layer deposition)が用いられてもよい。適切な堆積プロセスの選択が、高抵抗材料301の抵抗率及びその他の特性に影響を与えるものとなる。
【0026】
図5(E)はステップ510であって、高抵抗材料301のスペーサ金属エッチングを示す。
【0027】
図5(F)はステップ512であって、層間絶縁膜312の堆積後に、化学機械研磨を行うことを示す。
【0028】
図5(G)はステップ514であって、ハード・マスク308を介して上部接点ビア314をエッチングすること、及び層間絶縁膜312にトレンチ・パターン316をエッチングすること(
図5(F)に図示)を示す。
【0029】
図5(H)はステップ516であって、トレンチ316に金属を充填して上部接点318を形成することにより、上部接点の金属被膜化を示す。
【0030】
1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体材料301にTaN膜またはTiN膜が用いられる。このような膜の抵抗率は、堆積中の窒素流量の関数である。例えば
図6はTaN膜について示しているが、
図6には、その電気抵抗mΩ・cm(ミリ・オーム・センチメートル)(対数スケール)に対して、ラザフォード後方散乱分光法(RBS:Rutherford backscattering spectrometry)により決定されたN/Ta比がプロットされており、TaN膜の抵抗率が、従来技術から知られているように、100μΩ・cm(マイクロ・オーム・センチメートル)から5000μΩ・cmの範囲で変化可能であることを示している。
【0031】
1つまたは複数の実施形態において、
図7に示すように、変形例のRRAM700において、Ta
xO
yN
z膜が、高抵抗の並列抵抗(スペーサ)701に用いられる。変形例のRRAMは、上部金属702、酸化物706、下部金属704、及びベース構造710上のハード・マスク708のスタック711を含む。変形例のRRAMは、また、高抵抗材料701とスタック711との間に不動態層712を含む。不動態層712は、TaON膜から酸化物706へ酸素が拡散するのを阻止するが、このような拡散はRRAMのフィラメントに悪影響を与え得る。1つまたは複数の実施形態において、不動態層712は、Si
xN
yまたは他の非導電材料である。不動態層712は、厚み1nm~2nmほどの薄さで、酸素原子がスイッチング可能な誘電体706へと拡散するのを阻止するが、上部金属702から並列抵抗701への、および並列抵抗701から下部金属704への電子トンネリングを可能とする。
【0032】
1つまたは複数の実施形態において、高抵抗材料301または701は、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体306または706の抵抗よりはるかに高い抵抗を有する。例えば、1つまたは複数の実施形態において、並列抵抗301は、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体306の抵抗の設計値の少なくとも10倍の抵抗を有する。1つまたは複数の実施形態において、並列抵抗301の抵抗は、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体306の抵抗の設計値の20倍以下である。並列抵抗301の厚さTは、並列抵抗301の抵抗及び高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体306の設計抵抗に従って、必要とされる断面を提供するために選択される。例えば、1つまたは複数の実施形態において、スイッチング可能な誘電体は、厚さ2nm~10nmである。状況に応じて、1つまたは複数の実施形態において、並列抵抗301または701は、厚さ1nm~50nmである。例えば、並列抵抗301または701は、厚さ1nm~25nmであり、1つまたは複数の実施形態において、厚さ5nm~15nmである。このように、1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサ(並列抵抗301または701)は、スイッチング可能な誘電体の厚さの25倍以下の断面積を有する。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは、スイッチング可能な誘電体の厚さの2分の1以上の断面積を有する。
【0033】
並列抵抗301または701の材料組成は、スイッチング可能な誘電体との適合性で選択され、例えば、酸化物は並列抵抗301に使用されない。並列抵抗701におけるのと同様に、酸化物が使用される場合には、SixNyのような不動態層712が、並列抵抗701とスイッチング可能な誘電体706との間に配置される。1つまたは複数の実施形態において、不動態層712は、その抵抗にバイパスを形成してトンネル効果を得るのに十分薄い一方で、酸素を遮断するように、厚さ1nm~5nmと非常に薄い。1つまたは複数の実施形態において、不動態層712は、厚さ1nm~2nmである。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、
図8及び
図9に示すように、セル300または700は、ニューラル・ネットワーク・アレイに組み込まれる。ニューラル・ネットワーク・アレイは、ワード線801-1、801-2、及びビット線803-1、803-2(簡略化の目的で、それぞれ2つのみ示す)を含む。各グリッド点(ワード線とビット線の交差点)に、セルが位置する。
【0035】
一般に、ニューラル・ネットワークは、バック・プロパゲーション・アルゴリズムによりトレーニングされ、トレーニングデータが、フロント・エンドでネットワークに与えられ、バック・エンドへと、ネットワークを通過して「フォワード(順)」伝播される。バック・エンドでのネットワークの出力は、その後、専門的知見により先験的に提供される、期待された結果と比較される。出力と期待される結果との誤差が計算され、誤差勾配を得るために用いられる。誤差勾配は、各ニューロンの入力に割り当てられた重みを更新するために、その後、ネットワークを(バック・エンドからフロント・エンドへ向かって)通過して「バックワード(逆)」伝播される。この順伝播及び逆伝播のプロセスは、誤差の所望値または所望の誤差率(例えば、3%未満)が達成されるまで、その重みを反復的に更新することにより誤差を次第に減らすために、繰り返される。大規模なニューラル・ネットワークのトレーニングは、一般に、時間がかかる計算集約型のタスクであり、データ・センタ規模のコンピュータ資源を何日間も投入する必要がある。抵抗クロスポイント化デバイス(RRAM)のコンセプトは、より少ない計算上のパワーを用いながらも桁違いに、ニューラル・ネットワーク・トレーニングを潜在的に加速し得る。
【0036】
RRAMをトレーニングすることは、一般的なニューラル・ネットワーク・プロセシング・ユニットをトレーニングすることとは異なる。1つの実施形態において、3つのサイクル、すなわち、フォワード・サイクル、バックワード・サイクル、及びウェイト・アップデート・サイクル(以下、短く「ウェイト・アップデート」とも言う)を含むバック・プロパゲーション法(誤差逆伝播法)を用いて、RRAMモジュールはトレーニングされる。フォワード・サイクル及びバックワード・サイクルは、主に、順方向及び逆方向にベクトル‐行列乗算のコンピュータ計算を必要とする。RRAMモジュールに関連する重みは、2つの電圧、すなわちRRAMモジュールへの入力での活動を表す一方(例えば、ワード線上)と出力ニューロンによって計算された誤差を表す他方(例えば、ビット線上)との間の、単純なAND演算により更新され得る。正ビットまたは負ビットが一致する時に、RRAMモジュールの導電率が増加または減少し、そのことにより対応する重みを調整する。ビット・ストリームの長さは、任意の厳密さに対して重み更新の正確さを決定する。より多くのビットを伴うストリームは、誤差を修正するための「真」値へと、重みを近づける。
【0037】
図8は、周辺回路895が電圧ベクトルをワード線801-1、801-2に印加し、積分器811がカラム電流を積分する、バックワード・サイクルを示す。フォワード・サイクルは、電圧ベクトルが列に印加され、積分器が行を積分する以外は同じである。
図9は、確率的翻訳機(STR:stochastic translators)891が確率的パルスをワード線及びビット線に印加する確率的更新を示す。電圧源899及び制御回路897は、動作電圧を供給し、電圧ベクトル、確率的パルス及び積分の印加を制御する。当業者は、例えば、Gokmen T. and Vlasov Y.,“Acceleration of Deep Neural Network Training with Resistive Cross-Point Devices: Design Considerations”, Front. Neurosci. 10:333, doi: 10.3389/fnins.2016.00333, 21 July 2016.およびGokmen T., Onen M. and Haensch W., “Training Deep Convolutional Neural Networks with Resistive Cross-Point Devices”, Front. Neurosci. 11:538. doi: 10.3389/fnins.2017.00538, 10 October 2017から、RPUのアレイの動作および制御を熟知するものとなる。
【0038】
図10を参照して、上記の通り、いくつかの事例において、1個のトランジスタと1個の抵抗(「1T1R」)配置は、潜在的な短絡の可能性を低減するために用いることができる。1T1Rの配置において、RRAMモジュール300、700と直列に存在するトランジスタ1001は、スイッチ・オンにならないと電流が流れない。トランジスタは、RRAMモジュールをそのHRSに設定するのと同じ信号でスイッチ・オフとなるので、たとえRRAMモジュールが短絡した場合でも、スイッチ・オフの状態のトランジスタは想定HRSをシミュレートする。つまり、1T1R方式は、高抵抗状態におけるRRAM抵抗に下限を提供する。モジュール300、700は、本発明の態様に従って、この方式で用いることができ、このようにして有利に下限及び上限の両方を設定することができる。(トランジスタのゲートに接続される)ワード線WL、ビット線BL、及び公知の方法によりトランジスタ1001のソースに接続するソース線SLに留意する。
【0039】
一般に、上部接点318及び下部接点320は、それぞれ、グリッド点において、直接または1つもしくは複数のトランジスタ1001のような介在する要素を介して、対応するワード線またはビッド線に連結されている。
【0040】
1つまたは複数の実施形態は、例えば、機械学習のための積和(MAC)演算を実行するのに適する。例えば、全てのワード線801-1、801-2をオンにして、全ての情報を投入し、全ての結果を一度に出力する(つまり、従来のメモリのように、一度に1つのワード線だけを用いるのでなく、超並列メモリ計算を用いる)。
【0041】
これまでの議論を考慮すれば、概括的に、本発明の態様に従って、例示の電子回路は、複数のワード線801-1、801-2と、複数のグリッド点において、複数のワード線と交差する複数のビット線803-1、803-2と、複数のグリッド点に位置する複数の抵抗変化型メモリセル300、700とを含む。抵抗変化型メモリセルのそれぞれが、ワード線の対応する1つとビット線の対応する1つとのうちの一方と連結される上部金属302と、ワード線の対応する1つとビット線の対応する1つとのうちの他方と連結される下部金属304と、上部金属と下部金属との間に挟まれた誘電体306と、誘電体に並列に、上部金属と下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサ301とを含む。
図3における構成要素を参照して適用することができ、理解されるように、
図7の類似の構成要素を参照して適用することもできる。
【0042】
1つまたは複数の実施形態において、誘電体306は、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合されたスイッチング可能な誘電体であり、高抵抗半導体スペーサ301は、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体の抵抗の設計値の少なくとも10倍の抵抗を有する。設計値は、設計者が意図した値であり、例えば、ごく少数のセルが製造上の欠陥を有するだろうという合理的な想定の上で、マトリックス内のほとんどのセルが示す値によって明確に確認することのできる値となる。
【0043】
1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体の抵抗の設計値の20倍以下の抵抗を有する。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは、スイッチング可能な誘電体の設計フィラメントの断面の200倍以下の断面積を有する。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは、スイッチング可能な誘電体の設計フィラメントの断面の50倍以上の断面積を有する。ここでもまた、設計値または設計フィラメントは、設計者が意図した値であり、例えば、ごく少数のセルが製造上の欠陥を有するだろうという合理的な想定の上で、マトリックス内のほとんどのセルが示す値によって明確に確認することのできる値となる。
【0044】
1つまたは複数の実施形態において、セル700は、また、高抵抗半導体スペーサ701とスイッチング可能な誘電体706との間に、不動態層712を含む。不動態層は、酸素の拡散を遮断するのに十分厚く、電子トンネリングが可能となるように十分薄い。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサ701は金属酸化物を含み、不動態層712は、窒化物及び炭化物のうちの1つを含む。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは酸化タンタルを含み、不動態層は窒化シリコンを含む。
【0045】
1つまたは複数の実施形態において、スイッチング可能な誘電体306または706は、酸化ハフニウムを含み、高抵抗半導体スペーサ301または701は、窒化チタン及び窒化タンタルのうちの1つを含む。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサはTa4N5を含む。
【0046】
別の態様によれば、抵抗変化型メモリ作製のための例示的な方法500が提供される。502で、下部接点320を含むベース構造310の上に、下部接点と接触する下部金属304を形成し、下部金属の上に下部金属と接触する誘電体306を形成し、誘電体の上に誘電体と接触する上部金属302を形成し、上部金属の上に上部金属と接触するハード・マスク308を形成する。510で、上部金属と下部金属とを電気的に接触する高抵抗半導体スペーサ301を形成する。512で、ハード・マスクと高抵抗スペーサの上を覆って層間絶縁膜316を堆積する。514で、層間絶縁膜にビアとトレンチを形成する。516で、ビアとトレンチを金属318で充填することにより、上部金属と接触する上部接点を形成する。
【0047】
1つまたは複数の実施形態において、当該方法は、また、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合されたスイッチング可能な誘電体として、誘電体を形成することを含む。1つまたは複数の実施形態において、当該方法は、また、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体の抵抗の設計値の少なくとも10倍の抵抗を有するように、高抵抗半導体スペーサを形成することを含む。1つまたは複数の実施形態において、当該方法は、また、高抵抗状態におけるスイッチング可能な誘電体の抵抗の設計値の20倍以下の抵抗を有するように、高抵抗半導体スペーサを形成することを含む。1つまたは複数の実施形態において、スイッチング可能な誘電体は、酸化ハフニウムを含む。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは窒化チタン及び窒化タンタルのうちの1つを含む。1つまたは複数の実施形態において、高抵抗半導体スペーサは金属酸化物を含み、当該方法は、スイッチング可能な誘電体と高抵抗半導体スペーサとの間に、窒化物を含有する不動態層712を形成することをさらに含む。
【0048】
1つまたは複数の実施形態において、当該方法は、また、スイッチング可能な誘電体の設計フィラメントの断面の200倍以下の断面積を有する高抵抗半導体スペーサを形成することを含む。1つまたは複数の実施形態において、当該方法は、また、スイッチング可能な誘電体の設計フィラメントの断面の50倍以上の断面積を有する高抵抗半導体スペーサを形成することを含む。
【0049】
別の態様によれば、ワード線801-1、801-2とビット線803-1、803-2との相互連結のための抵抗変化型メモリセルは、上部金属302と、下部金属304と、上部金属と下部金属との間に挟まれて、上部金属を下部金属に電気的に接続するスイッチング可能な誘電体306と、上部金属と下部金属とを電気的に接続する高抵抗半導体スペーサ301を含む。スイッチング可能な誘電体は、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合される。高抵抗半導体スペーサは、スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における抵抗の設計値の少なくとも10倍であるが20倍以下となる抵抗を有する。上部金属は、ワード線及びビット線のうちの一方と連結され、下部金属は、ワード線及びビット線のうちの他方と連結される。
【0050】
上述した通り、図面は、例示となる構造の製造において、例示となるプロセスのステップ/ステージを描写する。全体的な製造方法及びそれにより形成された構造は、完全に新規なものであるが、その方法を実施するために必要とされる特定の個々のプロセスのステップは、従来の半導体製造技術や従来の半導体製造の機械設備を活用してもよい。このような技術や機械設備は、本明細書内で教示された関連分野の当業者には、既によく知られたものであるだろう。さらに、半導体デバイスを製造するために使用されるプロセスのステップ及び機械設備の1つまたは複数は、例えば、より最近の技術論文もしくは教科書またはその両方だけでなく、James D. Plummer et al., Silicon VLSI Technology: “Fundamentals, Practice, and Modeling” 1st Edition, Prentice Hall, 2001を含む容易に入手可能な多くの出版物にも記載されていることから、当業者には明らかとなろう。本明細書において、いくつか個別のプロセスのステップが示されているが、それらのステップは説明に役立つに過ぎず、当業者は、適用が可能となるいくつかの同様に適した代替案を熟知し得ることが強調される。
【0051】
本発明の様々な実施形態についての説明は、例示を目的として示されてきたが、包括的になるようまたは開示された実施形態に限定するよう意図したものではない。記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、様々な調整や変更が可能なことが、当業者には明らかであろう。本明細書で用いられる用語は、実施形態の原理や、市場で確認される技術への実際的な適用または技術的な改良を最もよく説明するため、または他の当業者が本明細書内で開示した実施形態を理解することができるように選択された。
【0052】
本発明の好ましい実施形態において、ワード線とビット線との相互連結のための抵抗変化型メモリセルが提供され、ワード線とビット線のうちの一方と連結するよう構成された上部金属と、ワード線とビット線のうちの他方と連結するよう構成された下部金属と、上部金属と下部金属との間に挟まれて、上部金属を下部金属へと電気的に接続するスイッチング可能な誘電体であって、第1の印加電界に応答して高抵抗状態をとるように、および第2の印加電界に応答して低抵抗状態をとるように適合されたスイッチング可能な誘電体と、誘電体に並列に、上部金属と下部金属に電気的に接続する高抵抗半導体スペーサであって、スイッチング可能な誘電体の高抵抗状態における抵抗の設計値の少なくとも10倍であって20倍以下の抵抗を有する高抵抗半導体スペーサとを含むことを特徴とする。
【国際調査報告】