(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】シートバックに装着された後部エアバッグアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60R 21/207 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
B60R21/207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541697
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-29
(86)【国際出願番号】 US2022070162
(87)【国際公開番号】W WO2022159925
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー,デイビッド ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA02
3D054AA03
3D054AA07
3D054AA22
(57)【要約】
【解決手段】 シートバックに装着された後部エアバッグアセンブリ(100)が開示され、エアバッグアセンブリは、後方の車両着座位置の乗員の前方に装着され、乗員の前方の車両着座位置のシートバック(24)内に少なくとも部分的に配設されている。エアバッグアセンブリは、シートバック内に部分的に、かつヘッドレスト内に部分的に配設され、それによって、膨張可能なエアバッグクッションを乗員の前方に適切に配設するように、膨張可能なエアバッグクッション(140)の下部アタッチメント(146)及び上部アタッチメント(150)が、膨張可能なエアバッグクッションを複数の場所で結合している。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグアセンブリ(100)であって、
車両(10)のシート(22)のシートバック(24)内に配設された下部分(122)と、前記シートバック(24)の頂部(25)の外に部分的に配設された上部分(120)と、を備えている、ハウジング(118)と、
膨張ガスを供給するためのインフレータ(128)であって、前記ハウジング(118)内に少なくとも部分的に配設された、インフレータ(128)と、
前記インフレータ(128)から膨張ガスを受容するように前記ハウジング(118)内に配設され、かつ前記ハウジング(118)から展開構成に展開するように構成された膨張可能なエアバッグクッション(140)と、備え、
前記膨張可能なエアバッグクッション(140)が、前記ハウジング(118)の前記下部分(122)に結合する下部アタッチメント(146)と、前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に結合する上部アタッチメント(150)と、を備えていることを特徴とする、エアバッグアセンブリ(100)。
【請求項2】
前記ハウジング(118)の前記上部分(120)が、前記シートバック(24)の前記頂部(25)の外へ延在するように構成された延長部(121)を備えている、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記ハウジング(118)の前記上部分(120)が、前記ハウジング(118)の前記下部分(122)と比較して浅い深さを有する、請求項2に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記インフレータ(128)が、前記ハウジング(118)の前記下部分(122)に固定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記膨張可能なエアバッグクッション(140)の前記下部アタッチメント(146)が、前記インフレータ(128)に取り付けられている、請求項4に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記上部アタッチメント(150)が、前記膨張可能なエアバッグクッション(140)を前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に結合するテザー(160)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記上部アタッチメント(150)が、前記膨張可能なエアバッグクッション(140)を前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に結合する複数のテザー(160)を含む、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記テザー(160)が、前記膨張可能なエアバッグクッション(140)の上部分(142)に結合された第1の端部(161)と、前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に結合された第2の端部(162)と、を備えている、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記テザー(160)の前記第2の端部(162)が、前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に配設されたスロット(168)内へ摺動するように構成されたT字形状を備えている、請求項8に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記上部アタッチメント(150)が、前記膨張可能なエアバッグクッション(140)の上部分(142)及び前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に結合する複数のループ(180)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項11】
前記ハウジング(118)が、前記ハウジング(118)の前記上部分(120)に配設されたスロット(168)を備えている、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項12】
前記スロット(168)が、T字形状を備え、かつ前記上部アタッチメント(150)を受容するように構成され、前記上部アタッチメント(150)が、前記膨張可能なエアバッグクッション(140)の上部分(142)に結合する第1の端部(161)及び前記スロット(168)内へ摺動し、前記スロット(168)に結合する第2の端部(162)を有するテザー(160)を含む、請求項11に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【請求項13】
前記ハウジング(118)の後方に面する部分が開口しており、前記エアバッグアセンブリ(100)が、前記膨張可能なエアバッグクッション(140)の展開時に破断するように構成された破裂シーム(136)を備えたカバー(130)内に配設されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアバッグアセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、車両乗員のための自動車用保護システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、車両のシートバックに装着され、激突事象に応答して展開するように構成された膨張可能な後部エアバッグアセンブリなどの、エアバッグアセンブリに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
膨張可能なエアバッグアセンブリは、車両内に装着され、激突事象中に展開し得る。展開したエアバッグは、乗員への衝撃を緩和し、車両構造との有害な乗員の衝突を防止又は軽減し得る。いくつかのエアバッグは、1つ以上の欠点があり得るか、又は1つ以上の観点では最適に機能し得ない。本明細書に開示される特定の実施形態は、これらの問題のうちの1つ以上に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書の書面による開示は、非限定的でありかつ非網羅的である例示的な実施形態を説明する。図に示されるそのような例示的な実施形態のうちのいくつかを参照する。
【0004】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、部分的に展開された構成にある、シートバックに装着された後部エアバッグアセンブリ(「seatback-mounted rear airbag assembly、SRAA」)を備えた車両の内部の一部分の側面図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の一実施形態による、シート及びSRAAの詳細側面図である。
【
図2B】
図2Bは、膨張可能なエアバッグクッションが少なくとも部分的に展開した、
図2Aのシート及びSRAAの詳細側面図である。
【
図2C】
図2Cは、膨張可能なエアバッグクッションが少なくとも部分的に展開した、
図2Aのシート及びSRAAの詳細側面図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の一実施形態による、シートのシートバック及び未展開構成にあるSRAAの背面図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aのシートのシートバック、及びカバーがSRAAを覆っている状態の未展開構成にあるSRAAの背面図である。
【
図3C】
図3Cは、
図3Aのシートのシートバック及び展開構成にあるSRAAの背面図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の一実施形態による、膨張可能なエアバッグクッションが展開構成にある、SRAAの一部分の詳細側面図である。
【
図4B】
図4Bは、膨張可能なエアバッグクッションが展開構成にある、
図4AのSRAAの一部分の詳細側面図である。
【
図4C】
図4Cは、膨張可能なエアバッグクッションが展開構成にある、
図4AのSRAAの一部分の詳細側面図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の一実施形態による、SRAAに組み立てられる前のテザーを示す、SRAAのテザーの平面図である。
【
図5B】
図5Bは、SRAAに組み立てられる前の、より後の段階にある
図5AのSRAAのテザーの側面図である。
【
図5C】
図5Cは、SRAAに組み立てられる前の、完全に形成された
図5AのSRAAのテザーの側面図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の一実施形態による、テザーをハウジングに組み立てる前の、ハウジングの一部分及びSRAAのテザーの詳細な正面図である。
【
図6B】
図6Bは、テザーをハウジングに組み立てている間の、
図6Aのハウジングの一部分及びSRAAのテザーの詳細な正面図である。
【
図6C】
図6Cは、上部アタッチメントがハウジングに組み立てられた、
図6Aのハウジングの一部分及びSRAAのテザーの詳細な正面図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実施形態による、SRAAのループの平面図であり、ループは、SRAAに組み立てられる前のものが示されている。
【
図7C】
図7Cは、ループを組み立てている間の、
図7BのSRAAのループの変形例の側面図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示の一実施形態による、上部アタッチメントをハウジングに組み立てている間の、ハウジングの一部分及びSRAAのループの正面図である。
【
図8B】
図8Bは、上部アタッチメントをハウジングに組み立てた後に続く、
図8Aのハウジングの一部分及びSRAAのループの正面図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の一実施形態による、SRAAの膨張可能なエアバッグアセンブリを略下方に見下ろした部分図である。
【
図9B】
図9Bは、
図9AのSRAAの膨張可能なエアバッグアセンブリを略下方に見下ろした部分図である。
【
図9C】
図9Cは、
図9AのSRAAの膨張可能なエアバッグアセンブリを略下方に見下ろした部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
エアバッグアセンブリなどの乗員保護システムは、激突事象中の乗員の負傷を防止又は低減するために広く使用されている。エアバッグモジュールは、ハンドル、ダッシュボード/インストルメントパネル、サイドドア又はシートの側面内、シートのシートバック内又は上、ルーフレールに隣接した場所、などが挙げられるが、これらに限定されない、車両内の様々な場所に設置され得る。以下の開示では、「エアバッグ」は、一般に、例えば典型的には車両着座位置の前方の車両構造内に収容される同乗者エアバッグなどの、膨張可能なエアバッグを指すが、本明細書で論じられる原理は、他のタイプのエアバッグ(例えば、車両着座位置の上に装着されたエアバッグ、ドアに装着されたエアバッグ、ニーエアバッグ)にも当てはまり得る。以下の開示では、別の車両着座位置の後方にある車両着座位置で展開するように設計されたエアバッグアセンブリを特に参照する。
【0006】
設置中に、本開示のエアバッグは、典型的には、パッケージ化された状態で(例えば、巻かれた状態で、折り畳まれた状態で、及び/若しくは別様に圧縮された状態で)、又はコンパクトな構成で、ハウジングの内部に配設され、カバーの背後にパッケージ化された状態で保持され得る。激突事象中に、インフレータがトリガされ得、これにより、エアバッグクッションに膨張ガスが急速に充填される。膨張ガスは、エアバッグクッションを、コンパクトなパッケージ化された(すなわち、未展開の)状態から拡張状態又は展開状態に急速に移行させ得る。例えば、エアバッグの拡張により、(例えば、破裂シームを通して引き裂くことにより、又はドア状の構造体を開くことによって)エアバッグカバーが開かれ、ハウジングから出され得る。インフレータは、任意の好適なデバイス又はシステムによってトリガされてもよく、トリガは、1つ以上の車両センサへの応答であってもよく、及び/又は1つ以上の車両センサによって影響されてもよい。
【0007】
本明細書に開示されるエアバッグアセンブリのいくつかの実施形態は、車両の前部シートの後方に着座した乗員への衝撃を緩和するのに特によく適し得、そのような乗員が占有する車両着座位置の前方のシートバックに装着され得る。エアバッグアセンブリは、車両内の構造体(乗員の前方のシートのシートバックなど)に対する乗員の衝突(身体と構造体との衝突)の影響を低減することによって、激突事象中に車両の乗員が負傷するのを軽減することができる。エアバッグアセンブリは、そのような負傷を軽減するのに有用であるが、エアバッグへの乗員の衝突は、他の負傷リスクをもたらす。例えば、激突事象中に、前部シートの後方の乗員用のエアバッグは、単一の接点で乗員の前方のシートバックに展開して結合され(又は結合し)、エアバッグが、シートバックに対して、及び乗員に対して振動、回転、又は別様に移動することが許容され、それにより、エアバッグは、乗員を受容する瞬間に、乗員を保護するように受容する位置から外れ得る。エアバッグが乗員を適切に受容する位置から外れることによって、エアバッグは、身体構造とシートバックとの衝突を防止若しくは低減することができない場合があるか、又はエアバッグが乗員を適切に受容する位置から外れなければ乗員がぶつかることはなかったであろう別の構成要素(例えば、ドアポスト若しくは窓)に乗員がぶつかることを引き起こし得る。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、別の車両着座位置の後方の乗員位置にいる車両の乗員に、位置決め、緩衝性、及び/又は安全性を提供し得る。
【0009】
本明細書で一般に説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計することができる。したがって、図に示される様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単に様々な実施形態を表しているだけである。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、図面は、具体的に示されない限り、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。
【0010】
「接続する」及び「結合される」という用語は、これらの語句の通常の意味で使用されており、機械的相互作用及び流体相互作用を含む、2つ以上のエンティティ間の任意の好適な結合又は他の形態の相互作用を指すのに十分に広義である。2つの構成要素は、2つの構成要素が互いに直接接触していなくても、互いに結合され得る。「取り付けられた」という語句は、互いに直接接触している、及び/又は任意の好適な種類のファスナ(例えば、装着ハードウェア若しくは接着剤)のみによって互いに分離されている、2つ以上のエンティティ間の相互作用を指す。「流体連通」という語句は、この語句の通常の意味で使用され、要素が互いに流体連通するとき、流体(例えば、ガス又は液体)が1つの要素から別の要素に流れることができる構成を示すのに十分に広義である。
【0011】
本明細書で使用される場合、「前方(forward)」と、「後方(rearward)」(並びに「rear」及び「aft」)という用語は、関連する車両の前方及び後方に関して使用される。例えば、前方のドアは、別のドアよりも車両の前部の近くにあり得、後方のドアは、別のドアよりも車両の後部の近くにあり得る。
【0012】
「近位」及び「遠位」という方向用語は、本明細書では、エアバッグクッション又はエアバッグアセンブリの構成要素上の反対側の場所を指すために使用される。エアバッグクッションの近位端部は、エアバッグクッションが完全に膨張したときに、インフレータの最も近くにあるエアバッグクッションの端部である。エアバッグクッションの遠位端部は、エアバッグクッションの近位端部の反対側の端部である。換言すれば、「近位」及び「遠位」という用語は、エアバッグアセンブリハウジングにおけるエアバッグクッションの取り付け点及びエアバッグを展開するシートバックにおけるエアバッグアセンブリの取り付け点などの取り付け点に関する。具体的には、「近位」は、そのような取り付け点に向かって位置し、「遠位」は、そのような取り付け点から離れて位置する。
【0013】
「車両着座位置」という用語は、本明細書で使用される場合、乗員によって占有されるように構成された、又は別様に占有されることを意図する車両のキャビン内の場所を指す。
【0014】
「シート」という用語は、本明細書で使用される場合、車両着座位置に配設されて、乗員が車両内で輸送するためにその上/その中に着座し得るように設置された、車両のキャビン内の構造体を指す。
【0015】
「前部シート」という用語は、本明細書で使用される場合、車両のどちらの側に配設されているかにかかわらずインストルメントパネルのすぐ後方に配設され、車両内に存在し得る任意の「後部シート」(下で定義される)の前方に配設されている、任意のシートを指す。
【0016】
「後部シート」という用語は、本明細書で使用される場合、シートが車両内の最後部シートであるかどうかにかかわらず、車両の前部シートの後方に配設された任意のシートを指す。「後部シート」という用語はまた、他の後部シートの後方に配設された任意のシートを指す。
【0017】
「シートバック」という用語は、本明細書で使用される場合、シートの一部分を指し、一般に、シートの基部の後方部分の後方に配設され、そこに結合され、そこから上方に立ち上がっている。後方に面するシートの場合では、シートバックは、車両に対して前方に配設され得る。
【0018】
「車両」という用語は、車、トラック、ユーティリティービークル、バス、飛行機などの任意の車両を指し得る。
【0019】
「乗員」という用語は、一般に、車両内の人を指す。「乗員」という用語はまた、車両内のクラッシュ試験ダミーを含むこともできる。
【0020】
図1は、本開示の一実施形態による、シートバックに装着された後部エアバッグアセンブリ(「SRAA」)100を備えた車両10の内部の一部分の側面図である。車両10は、第1の車両着座位置20と、第2の車両着座位置40と、を備えている。シート22は、第1の車両着座位置20に配設されている。シート22は、シートバック24と、ヘッドレスト26と、を備えている。第2の車両着座位置40は、第1の車両着座位置20の後方に配設されている。第2の車両着座位置40は、シート42を備えている。第1の乗員30は、第1の車両着座位置20に着座して示されている。第2の乗員50は、第2の車両着座位置40に着座して示されている。
図1の例解では、第1の車両着座位置20は、車両10の前部シートとして描写されている。しかしながら、これは、本開示の便宜のためであり、限定するものではない。より具体的には、いくつかの車両、例えば、バン、スポーツユーティリティービークル(「SUV」)、バス、船艇、航空機、列車車両では、第2の車両着座位置40の複数の実例が存在し得、潜在的に、第1の車両着座位置20の後方に単独で又は列で配置されている。
【0021】
SRAA100は、膨張可能なエアバッグモジュール110を備えている。膨張可能なエアバッグモジュール110は、第1の車両着座位置20のシート22のシートバック24内に少なくとも部分的に装着されている。膨張可能なエアバッグモジュール110は、インフレータ128と、膨張可能なエアバッグクッション140と、を備えている。チューブ型のインフレータ128が示されているが、これは、本開示の便宜のためのものであり、限定するためのものではなく、本開示は、他のインフレータタイプが様々な実施形態で用いられ得ることを予想する。膨張可能なエアバッグクッション140は、参照し易くするために、少なくとも部分的に展開された状態で示されている。更に、本開示の便宜のためのものであり、限定するものではなく、本明細書では、第1の乗員30に対していかなる保護システムも示されていないか、又は更に述べられない。
【0022】
図2Aは、本開示の一実施形態による、第1の車両着座位置20のシート22の一部分及びSRAA100の詳細側面図である。膨張可能なエアバッグモジュール110は、ハウジング118と、膨張可能なエアバッグクッション140と、を備えている。ハウジング118は、前方パネル124と、下部パネル126と、を備えている。ハウジング118は、シートバック24内に部分的に配設されている。より具体的には、シートバック24は、ハウジング118の少なくとも一部分を収容するように構成された空洞、凹部、又は空間112とともに構成され得る。換言すれば、ハウジング118は、車両10のシート22のシートバック24内に少なくとも部分的に存在し得る。
【0023】
インフレータ128は、ハウジング118内に少なくとも部分的に配設されて、膨張ガスを膨張可能なエアバッグクッション140に供給するように構成されている。インフレータ128は、ハウジング118の下部分122に配設されている。インフレータ128は、ハウジング118の下部分122に固定され得る。
図2Aに例解される実施形態では、インフレータ128は、1つ以上の装着スタッド129によってハウジング118の下部パネル126に装着されている。いくつかの実施形態では、インフレータ128は、ハウジング118の前方パネル124に装着され得る。
【0024】
ハウジング118は、下部分122と、上部分120と、を備えている。上部分120は、シートバック24内に部分的に配設され得る。いくつかの実施形態では、上部分120は、シートバック24の頂部25の外へ部分的に配設されている。ハウジング118の上部分120は、ヘッドレスト26の陥凹領域114の中へ上方に延在し得る。上部分120は、シートバック24の頂部25の外へ上方に、及びシート22のヘッドレスト26の陥凹領域114の中へ延在する延長部121であり得る。延長部121は、シートバック24の頂部25から突出する突出部分であり得る。ヘッドレスト26は、支持部材28によってシート22のシートバック24の頂部25に、又はそれを通してシートバック24に構造的に結合し得る。ヘッドレスト26は、ユーザが支持部材28を摺動させて異なる位置にロックすることによってヘッドレストの高さを調節し得る、調節可能なヘッドレストであり得る。いくつかの実施形態では、ヘッドレスト26は、シートバック24と一体であり得、ハウジング118全体がシートバック24内に配設され得る。
【0025】
膨張可能なエアバッグクッション140は、コンパクトで圧縮された未展開構成でハウジング118内に配設され得る。膨張可能なエアバッグクッション140は、インフレータ128から膨張ガスを受容するように構成され得る。膨張可能なエアバッグクッション140のコンパクトで圧縮された未展開構成は、膨張可能なエアバッグクッション140をハウジング118内にコンパクトに折り畳むこと、巻くこと、ひだ状にすること、又は別様に配設することを含み得る。膨張可能なエアバッグクッション140は、上部分142と、下部分144と、を備えている。膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142は、コンパクトで圧縮された未展開構成にある間に、ハウジング118の上部分120(及び/又は延長部121)内に少なくとも部分的に配設され得る。同様に、膨張可能なエアバッグクッション140の下部分144は、コンパクトで圧縮された未展開構成にある間に、ハウジング118の下部分122内に少なくとも部分的に配設され得る。膨張可能なエアバッグクッション140は、コンパクトで圧縮された未展開構成でハウジング118内に配設され得、インフレータ128から膨張ガスを受容して、ハウジング118から展開構成に展開するように構成され得る。
【0026】
シートバック24及びヘッドレスト26は、カバー130とともに構成され得る。カバー130は、膨張可能なエアバッグモジュール110の後面を覆うように配設され得る。カバー130は、破裂シーム(又は裂け目シーム、裂け目ライン、又は引き裂きシーム)136とともに構成され得る。破裂シーム136は、破断するように、破裂するように、又は別様にカバー130内で分離を生じさせるように構成され得、それによって、膨張可能なエアバッグクッション140がハウジング118から出て、展開構成を達成することが可能である。別様に述べると、ハウジング118の後方に面する部分は、開口していてもよく、SRAA100は、膨張可能なエアバッグクッション140の展開時に破断するように構成された裂け目ライン(例えば、裂け目シーム、破裂シーム、引き裂きシーム)を有するカバー130とともに配設され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、SRAA100は、シートバック24及びヘッドレスト26を覆うためのカバー130を含まない。ハウジング118の上部分120は、露出し得る。シートバック24は、膨張可能なエアバッグクッション140がハウジング118から出て展開構成を達成することを可能にする、破裂シームを備え得る。ハウジング118はまた、ハウジング118の後部パネル127の上へ延在し、延長部121の中へ延在して、開口し、膨張可能なエアバッグクッション140がハウジング118から出て展開構成を達成することを可能にする、破裂シームを備え得る。
【0028】
図2Bは、膨張可能なエアバッグクッション140が部分的に展開した、
図2Aの第1の車両着座位置20のシート22の一部分及びSRAA100の詳細側面図である。膨張可能なエアバッグクッション140は、下部アタッチメント146を備えている。下部アタッチメント146は、インフレータ128、ハウジング118の下部分122、又は両方において結合するように構成され得る。換言すれば、膨張可能なエアバッグクッション140の下部アタッチメント146は、インフレータ128に取り付けられ、インフレータ128の装着スタッド129によって、ハウジング118の下部分122において効果的にアンカーされている。一実施形態では、膨張可能なエアバッグクッション140の下部アタッチメント146は、ハウジング118の下部分122において結合され得る。更に、一実施形態では、下部アタッチメント146は、膨張ガスをインフレータ128から膨張可能なエアバッグクッション140内に方向付けるように構成され得る。
【0029】
図2Bに示されるように、膨張可能なエアバッグクッション140の展開中に、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142は、略上方へ配設されたままであり得るか、又はインフレータ128の遠位に、かつハウジング118の上部分120の近位にあり得る。同様に、膨張可能なエアバッグクッション140の下部分144は、略下方へ配設されたままであり得るか、又はインフレータ128の、及びハウジング118の下部分122の近位にあり得る。ハウジング118の上部分120は、シートバック24及びヘッドレスト26内に、ハウジング118の下部分122の深さ123bよりも浅い深さ123aを有し得る。換言すれば、ハウジング118の上部分120は、ハウジング118の下部分122の深さ123bと比較して浅い深さ123aを有し得る。
【0030】
激突事象に応答して、インフレータ128が起動し得、それによって、膨張ガスが膨張可能なエアバッグクッション140内に方向付けられる。膨張ガスは、膨張可能なエアバッグクッション140を膨張させ得る。膨張可能なエアバッグクッション140の拡張は、破裂シーム136を分離させ得る。破裂シーム136の分離は、左側部分132及び右側部分134をカバー130内に配設し得、それによって、カバー130が開口して、拡張膨張可能なエアバッグクッション140がハウジング118から展開することを可能にする。
【0031】
図2Cは、膨張可能なエアバッグクッション140が少なくとも部分的に展開した、
図2Aの第1の車両着座位置20のシート22の一部分及びSRAA100の詳細側面図である。
図2Cの膨張可能なエアバッグクッション140は、
図2Bの膨張可能なエアバッグクッション140よりも大きく膨張する。シートバック24、ヘッドレスト26、並びに膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142及び下部分144のそれぞれが、参考のために識別される。膨張可能なエアバッグクッション140の下部アタッチメント146は、ハウジング118の下部分122に結合する。膨張可能なエアバッグモジュール110は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142を、ハウジング118の上部分120、又はハウジング118の延長部121の上部分に結合する、上部アタッチメント150を更に備えている。別様に述べると、膨張可能なエアバッグクッション140は、ハウジング118の下部分122に結合する下部アタッチメント146と、ハウジング118の上部分120に(又は延長部121の上部分に)結合する上部アタッチメント150と、を備えている。上部アタッチメント150は、シートバック24の頂部25の外へ上方に延在する上部分120に結合する。
【0032】
コールアウトAは、
図4A~
図4Cと併せてより具体的に説明される領域を識別する。同様に、切断線Bは、
図9A~
図9Cの視野角を示す。
【0033】
図3Aは、未展開構成のSRAA100のシート22のシートバック24の背面図である。本開示の便宜のために、カバー(
図2Aのカバー130を参照されたい)は省略されている。膨張可能なエアバッグモジュール110のハウジング118は、シートバック24及びヘッドレスト26内に少なくとも部分的に配設されて示されている。シートバック24は、ハウジング118の下部分122に収容するために、空洞(又は凹部又は空間)112とともに構成され得る。同様に、ヘッドレスト26は、ハウジング118の上部分120(又は延長部121)を収容するために、空洞(又は陥凹領域)114を備え得る。ハウジング118の前方パネル124及び下部パネル126は、参照のために識別される。ハウジング118は、ハウジング118の片側又は両側への側面パネル125とともに更に構成され得る。側面パネル125は、少なくとも、ハウジング118の上部分120側面に沿って延在する。膨張可能なエアバッグクッション140は、コンパクトで圧縮された未展開構成でハウジング118内に配設されている。インフレータ128は、膨張可能なエアバッグクッション140内に示され、下部パネル126に結合されている。
【0034】
図3Bは、未展開構成の
図3AのSRAA100のシート22のシートバック24の背面図である。膨張可能なエアバッグモジュール110は、シートバック24及びヘッドレスト26内に少なくとも部分的に配設されて示されている。ハウジング118、並びにハウジング118の上部分120及び下部分122、並びにインフレータ128は、参考のために示されている。膨張可能なエアバッグクッション140は、コンパクトで圧縮された未展開構成でハウジング118内に配設されている。カバー130は、開口した後方に面するハウジングの一部分118を覆うように配設されている。カバー130は、連続的で適切な材料から形成され得、また、連続的又は略連続的であり得、材料がシートバック24及びヘッドレスト26を覆う。いくつかの実施形態では、カバー130は、シートバック24を覆うが、ヘッドレスト26を覆わない。いくつかの実施形態では、延長部121の一部分は、カバー130の外に延在し、陥凹領域114内へ延在し得る。
【0035】
上で論じたように、カバー130は、破裂シーム136を備えている。破裂シーム136は、インフレータ128から膨張ガスを受容した結果として膨張可能なエアバッグクッション140が膨張し始めたときに壊れるように設計された裂け目シーム、裂け目ライン、引き裂きシーム、又は他の構成要素であり得る。カバー130は、破裂シーム136の左側又は右側にそれぞれ配設された、左側部分132と、右側部分134と、を備え得る。破裂シーム136は、膨張可能なエアバッグクッション140の展開中に意図的に壊れるように構成され得、それによって、カバー130が開口して、膨張可能なエアバッグクッション140が展開することを可能にする。
図3Bでは、破裂シーム136の裂け目ラインは、上部シーム及び下部シームを有する略I字形状を有して示されている。しかしながら、これは、本開示の便宜のためであり、限定するものではない。本開示は、破裂シーム136の他の構成が用いられ得ることを予想する。
【0036】
図3Cは、展開構成の
図3BのSRAA100のシート22のシートバック24の背面図である。シートバック24及びシート22のヘッドレスト26は、参考のために識別される。
図3Cの例解では、激突事象の結果としてインフレータ128が起動して、膨張ガスを膨張可能なエアバッグクッション140に進入させて、その結果、膨張可能なエアバッグクッション140が破裂シーム136に沿ってカバー130を開口させて、ハウジング118から展開する。膨張可能なエアバッグクッション140は、少なくとも部分的に展開した構成で示されている。カバー130の左側部分132及び右側部分134は、カバー130が裂けて開いた結果として、それぞれ左右に配設されている。
【0037】
膨張可能なエアバッグクッション140の下部アタッチメント146は、ハウジング118の下部分122において結合する。膨張可能なエアバッグクッション140は、上部アタッチメント150を更に備えている。
図4A~
図4Cと併せて更に詳細に説明されるように、上部アタッチメント150は、膨張可能なエアバッグクッション140とハウジング118の上部分120との間に結合する。
図3Cでは、2つの上部アタッチメント150が示されている。いくつかの実施形態では、2つを超える上部アタッチメント150が存在し得る。いくつかの実施形態では、ちょうど1つの上部アタッチメント150が存在し得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、上部アタッチメント150は、下で更に説明するテザー160の形態をとり得る(
図4A、
図5A~
図5C、及び
図6A~
図6Cを参照されたい)。いくつかの実施形態では、上部アタッチメント150は、下で更に説明するパネル170の形態をとり得る(
図4Bを参照されたい)。いくつかの実施形態では、上部アタッチメント150は、下で更に説明するループ180の形態をとり得る(
図4C及び
図7A~
図8Bを参照されたい)。
図3Cは、上部アタッチメント150を、1つのテザー160及び1つのパネル170として示しているが、これは、本開示の便宜のためであり、限定するものではない。いくつかの実施形態では、各上部アタッチメント150は、テザー160であり得る。いくつかの実施形態では、各上部アタッチメント150は、パネル170であり得る。いくつかの実施形態では、各上部アタッチメント150は、ループ180であり得る。いくつかの実施形態では、上部アタッチメント150は、テザー160、パネル170、及びループ180のいずれかのうちの1つ以上を組み合わせ得る。
【0039】
膨張可能なエアバッグクッション140の上部アタッチメント150及び下部アタッチメント146は、組み合わせて、シート22に対する膨張可能なエアバッグクッション140の横方向運動又は振動4を防止又は低減するように構成され得る。更に、膨張可能なエアバッグクッション140の上部アタッチメント150及び下部アタッチメント146は、組み合わせて、シート22に対する膨張可能なエアバッグクッション140の垂直運動、ボビング、又はディッピング6を防止又は低減するように構成され得る。シート22に対する膨張可能なエアバッグクッション140の横方向運動若しくは振動4及び/又は垂直運動、ボビング、若しくはディッピング6を防止又は低減することで、有利には、激突事象中に乗員50を受容するように膨張可能なエアバッグクッション140を配設し得る。換言すれば、膨張可能なエアバッグクッション140の上部アタッチメント150及び下部アタッチメント146は、予測可能な信頼性及び整合性で、乗員50を受容し、かつ押さえつけを提供する一方で、乗員を車両構造体(例えば、シートバック24、ヘッドレスト26、別のシート、別の乗員、ドアポスト、窓)に方向付けることなどの他の負傷機構をもたらすリスクを回避するように、膨張可能なエアバッグクッション140を配設し得る。
【0040】
図4Aは、膨張可能なエアバッグクッション140が展開構成にある、
図2CのコールアウトAによって示されるSRAA100の一部分の詳細側面図である。ヘッドレスト26及びヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114が示されている。ハウジング118の上部分120/延長部121は、ヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114内に少なくとも部分的に配設されて示されている。膨張可能なエアバッグクッション140は、展開構成にあり、膨張ガスによって少なくとも部分的に膨張している。上部アタッチメント150(例えば、テザー160)は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142をハウジング118の前方パネル124に結合する。より具体的には、テザー160は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の前方部分143aにおいて結合し、更に、ハウジング118の上部分120(又は延長部121)の前方パネル124において結合する。テザー160は、
図5A~
図6C及び
図9Aと併せてより詳細に説明される。
【0041】
図4Bは、膨張可能なエアバッグクッション140が展開構成にある、
図2CのコールアウトAによって示されるSRAA100の一部分の詳細側面図である。ヘッドレスト26及びヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114が示されている。ハウジング118の上部分120/延長部121は、ヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114内に少なくとも部分的に配設されて示されている。膨張可能なエアバッグクッション140は、展開構成にあり、膨張ガスによって少なくとも部分的に膨張される。上部アタッチメント150(例えば、テザー170)は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142をハウジング118の前方パネル124に結合する。より具体的には、パネル170は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の側面部分143bにおいて結合し、更に、ハウジング118の上部分120(又は延長部121)の側面パネル125において結合する。パネル170は、例えば膨張可能なエアバッグクッション140が形成されるのと同じ材料などの、任意の好適な曲げ可能で折り畳み可能な材料で形成され得る。パネル170は、第1の縁部171において、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の側面部分143bと結合される。パネル170は、更に、第2の縁部172において、上部分120の側面パネル125又はハウジング118の延長部121と結合される。パネル170は、
図9Bと併せて更に説明される。
【0042】
図4Cは、膨張可能なエアバッグクッション140が展開構成にある、
図2CのコールアウトAによって示されるSRAA100の一部分の詳細側面図である。ヘッドレスト26及びヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114が示されている。ハウジング118の上部分120/延長部121は、ヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114内に少なくとも部分的に配設されて示されている。膨張可能なエアバッグクッション140は、展開構成にあり、膨張ガスによって少なくとも部分的に膨張される。上部アタッチメント150(例えば、ループ180)は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142をハウジング118の前方パネル124と結合する。より具体的には、ループ180は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の前方部分143aにおいて結合し、更に、ハウジング118の上部分120(又は延長部121)の前方パネル124において結合する。ループ180は、
図7A~
図7C、
図8A~
図8B、及び
図9Cと併せてより詳細に説明される。
【0043】
上で説明したように、テザー160、パネル170、及びループ180は、それぞれ、前方部分143a、側面部分143b、及び前方部分143aに結合する。しかしながら、これは、本開示の便宜のためであり、限定するものではない。下に述べられるように、上部アタッチメント150は、テザー160、パネル170、又はループ180のいずれであっても、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の前方部分143a又は側面部分143bのいずれかに結合し得る。同様に、テザー160及びループ180は、ハウジング118の前方パネル124に結合されて示されており、パネル170は、ハウジング118の側面パネル125に結合されて示されている。これもまた、本開示の便宜のためのものであり、上部アタッチメント150は、テザー160、パネル170、又はループ180のいずれであっても、ハウジング118の前方パネル124又は側面パネル125に結合し得る。
【0044】
図5Aは、本開示の一実施形態によるテザー160の平面図である。テザー160は、第1の端部161と、第2の端部162と、を備え、第1の端部161及び第2の端部162は、互いの遠位に配設されている。
【0045】
図5Bは、本開示の一実施形態による、SRAA100に組み立てられる前の、より後の段階にあるテザー160の側面図である。第2の端部162は、第1の折り畳み163においてそれ自体の上に折り畳まれ、第1のステッチ165(又は別の機構)によって結合されている。第2の端部162は、第2の折り畳み164においてそれ自体の上に折り畳まれ、第2のステッチ166(又は別の機構)によって結合されている。第1のステッチは、テザー160の2つの層を一緒に結合し、第2のステッチは、テザー160の3つの層を一緒に結合している。
【0046】
図5Cは、SRAA100に組み立てられる前の、テザー160が完全に形成されたテザー160の側面図である。テザー160は、第1の端部161が第2の端部162を折り畳んで結合することによって形成されたT字形状167から略垂直に延在するように折り畳まれている。第1の端部161は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142において(ステッチなどによって)に結合148される。第1の端部161と第2の端部162の近くのT字形状167との間には、テザー160の立設部分161aがある。
【0047】
図6Aは、テザー160をハウジング118に組み立てる前の、ハウジング118の一部分及びSRAA100のテザー160の詳細な正面図である。テザー160のT字形状167は、ハウジング118の上部分120に配設されたスロット168内へ摺動するように構成されている。スロット168は、ハウジング118の前部パネル124内に配設されている。スロット168は、上部分168a及び下部分168bを有するT字形状を備え、下部分168bは、上部分168aから略垂直に延在する。テザー160のT字形状167は、スロット168の上部分168a内へ摺動するように構成されている。一致して、スロット168の上部分168aは、テザー160のT字形状167を受容するように構成されている。テザー160の立設部分161aは、参照のために示されている。
【0048】
図6Bは、テザー160をハウジング118に組み立てている間の、ハウジングの一部分118及びSRAA100のテザー160の詳細な正面図である。スロット168の上部分168a及び下部分168bは、参照のために識別される。スロット168は、前部パネル124内に、かつハウジング118の上部分120に配設されている。テザー160は、スロット168の上部分168a内へ部分的に挿入されて示されている。より具体的には、テザー160のT字形状167は、スロット168の上部分168aを通して部分的に挿入される。テザー160のT字形状167は、スロット168の上部分168aを通って摺動169するように構成されている。T字形状167をスロット168の上部分168a内へ摺動169させるために、T字形状167が前方パネル124の前方へ配設され始め、かつテザー160の立設部分161aがスロット168の下部分168bを通って後方に延在し始めるように、T字形状167を下方へ関節運動させる。換言すれば、スロット168は、テザー160をスロット168内へ摺動169させてそれと結合させることによって、テザー160を受容するように構成され、第2の端部162のT字形状167の頂部分は、ハウジング118の外側に配設されている。
【0049】
図6Cは、上部アタッチメント150がハウジング118に組み立てられた、ハウジングの一部分118及びSRAA100のテザー160の詳細な正面図である。テザー160は、スロット168において配設及び結合される。テザー160のT字形状167は、スロット168の上部分168aを通過し、前方パネル124の前方に、かつハウジング118の外側に配設され、テザー160の立設部分161aは、スロット168の下部分168bを通ってハウジング118内へ延在し、それによって、第1の端部は、膨張可能なエアバッグクッションの前方部分に結合される(
図5Cの第1の端部161、上部分142、及び膨張可能なエアバッグクッション140を参照されたい)。別の言い方をすれば、テザー160は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142に結合された第1の端部161と、ハウジング118の上部分120に結合された第2の端部162と、を備えている。
【0050】
図7Aは、本開示の一実施形態による、SRAA100に組み立てられる前のループ180の平面図である。ループ180は、第1の端部181と、第2の端部182と、を備え、第1の端部181及び第2の端部182は、互いの遠位に配設され、それらの間には、ループ180の立設部分183が配設されている。
【0051】
図7Bは、本開示の一実施形態による、ループ180がSRAA100に組み立てている間のより後の段階にある、SRAA100のループ180の側面図である。ループ180の第1の端部181は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142に結合(例えば、ステッチ)148される。ループ180の第2の端部182もまた、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142に結合(例えば、ステッチ)148される。一実施形態では、ループ180の第1の端部181及び第2の端部182は、一緒に結合され、次いで、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142に合同で結合され得る。
【0052】
図7Cは、本開示の一実施形態による、ループ180がSRAA100に組み立てられている間のより後の段階にある、ループ180の変形例の側面図である。ループ180の立設部分183は、参照のために示されている。
図7Cの変形例では、第1の端部181及び第2端部182は、第1の端部181及び第2の端部182が、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142において、ある横方向距離149だけ互いに離れて結合されるように、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142に別々に結合(例えば、ステッチ)148される。
【0053】
図8Aは、ループ180をハウジング118に組み立てている間の、ハウジング118の一部分及びSRAA100のループ180の正面図である。
図8Aに例解される実施形態では、略逆U字形状を有するスロット188が、前方パネル124に、かつハウジング118の上部分120内に配設されている。スロット188は、1つの上部分188aと、2つの下部分188bと、を備え、下部分188bは、スロット188の上部分188aまで略垂直に延在する。ループ180の立設部分183は、スロットの上部分188aを通って摺動189することによってスロット188に結合し得、それによって、第1の端部181及び第2の端部182は、スロット188のそれぞれの下部分188bを通って延在する。
【0054】
図8Bは、上部アタッチメント150をハウジング118に組み立てた後に続く、ハウジング118の一部分及びSRAA100のループ180の正面図である。スロット188の上部分188a及び下部分188bは、参照のために識別される。ループ180の立設部分183は、ハウジング118の外側に配設されるようにスロット188の上部分188aを通って配設され、ループ180の第1の端部181及び第2の端部182は、スロット188の下部分188bを通ってハウジング118内へ延在し、膨張可能なハウジングの上部分(
図4B、
図7B、及び
図7Cの上部分142及び膨張可能なエアバッグクッション140)に結合される。
【0055】
図9Aは、SRAA100の膨張可能なエアバッグモジュール110を略下方に見下ろした部分図である。
図9Aの視野角は、
図2Cの切断線Bによって示されている。シートバック24及びヘッドレスト26は、参照のために識別される。ハウジング118の下部分122は、シートバック24内の空洞又は空間112内に少なくとも部分的に配設されている。ハウジング118の上部分120は、ヘッドレスト26の空洞又は陥凹領域114内に少なくとも部分的に配設されている。ヘッドレスト26の支持部材28は、ハウジング118の前方に配設されている。インフレータ128は、ハウジング118内に少なくとも部分的に、かつ膨張可能なエアバッグクッション140内に少なくとも部分的に配設されている。インフレータ128は、ハウジング118の下部パネル126に、又はその近くに配設されている。膨張可能なエアバッグクッション140は、展開構成にあり、インフレータ128からの膨張ガスによって少なくとも部分的に膨張する。膨張可能なエアバッグクッション140の下部アタッチメント146は、ハウジング118の下部分122に結合する。一実施形態では、下部アタッチメント146は、ハウジング118の下部パネル126において結合し得る。一実施形態では、下部アタッチメント146は、インフレータ128において結合し得、それによって、下部アタッチメント146は、下部パネル126において、又は前方パネル124の下部分において、又はその両方においてハウジングの下部分122に結合される。
【0056】
図9Aの実施形態では、上部アタッチメント150は、膨張可能なエアバッグクッション140を上部ハウジングの一部分118に結合する複数のテザー160を備えている。より具体的には、2つのテザー160は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の前方部分143aの別個の位置において結合する。別の実施形態では、複数のテザー160は、2つを超えるテザー160を備え得る。各テザー160は、T字形状167とともに構成され、各T字形状167は、スロット(
図6A~
図6Cのスロット168を参照されたい)を通して配設及び結合され、それによって、T字形状167は、ハウジング118の外側にある。一実施形態では、1つ以上のテザー160は、膨張可能なエアバッグクッション140の側面部分(
図4B及び
図9Bの側面部分143bを参照されたい)において、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142に結合し得る。
【0057】
図9Bは、SRAA100の膨張可能なエアバッグモジュール110を略下方に見下ろした部分図である。
図9Bの視野角は、
図2Cの切断線Bによって示されている。シートバック24、ヘッドレスト26、及びハウジング118の上部分120は、参照のために識別される。
図9Bの実施形態では、上部アタッチメント150は、パネル170を備えている。パネル170の第1の縁部171は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の側面部分143bに結合され、第2の縁部172は、ハウジング118の上部分120において側面パネル125に結合される。一実施形態では、パネル170の第2の端部172は、テザーのT字形状(
図5C~
図6C及び
図9Aのテザー160のT字形状167を参照されたい)と同様のT字形状に形成され得る。更に、側面パネル125は、テザー160とともに用いられるスロット(
図6A~
図6Cのスロット168を参照されたい)と同様のT字形状のスロットとともに構成され得る。一実施形態では、スロット168と同様のスロットは、前方パネル124に配設され得る。T字形状167と同様のT字形状は、T字形状がハウジング118の外側に配設されるように、スロット168と同様のスロットを通して配設され得る。
【0058】
図9Bは、ハウジング118及び膨張可能なエアバッグクッション140の一方の側に配設された1つのパネル170を例解する。しかしながら、これは、本開示の便宜のためのものである。同様に、第2のパネル170は、ハウジング118及び膨張可能なエアバッグクッション140の反対側に配設され得る。一実施形態では、上部アタッチメント150は、複数のパネル170を備え得る。
【0059】
図9Cは、SRAA100の膨張可能なエアバッグモジュール110を略下方に見下ろした部分図である。シートバック24、ヘッドレスト26、及びハウジング118の上部分120は、参照のために識別される。
図9Cの実施形態では、上部アタッチメント150は、ループ180を備えている。ループ180は、ハウジング118の上部分120において、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142の前方部分143aを前方パネル124に結合する。
図9Cは、ハウジング118及び膨張可能なエアバッグクッション140の一方の側に向かって配設された1つのループ180を示しているが、これは、本開示の便宜のためであり、限定するものではない。本開示は、
図9Cの実施形態は、同様にハウジング118及び膨張可能なエアバッグクッション140の反対側に向かって配設された第2のループ180を備えることを予想する。一実施形態では、2つを超えるループ180が存在し得る。一実施形態では、上部アタッチメント150は、膨張可能なエアバッグクッション140の上部分142及びハウジング118の上部分120に結合する複数のループ180を備えている。
【0060】
本明細書に開示された任意の方法は、記載された方法を実行するための1つ以上のステップ又はアクションを含む。方法ステップ及び/又はアクションは、互いに入れ替えられ得る。換言すれば、実施形態の適切な動作のためにステップ又はアクションの特定の順序が必要とされない限り、特定のステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は修正され得る。更に、本明細書に記載された方法のサブルーチン又はその一部分のみが、本開示の範囲内の別の方法であり得る。別様に述べると、いくつかの方法は、より詳細な方法に記載されたステップの一部分のみを含み得る。
【0061】
本明細書全体における「一実施形態(an embodiment)」又は「実施形態(the embodiment)」への言及は、当該実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体において記載されている語句、又は語句の変形は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及してはいない。
【0062】
同様に、本開示の恩恵を受ける当業者は、上記の実施形態の説明において、本開示を合理化するために、様々な特性が、単一の実施形態、図面、又はその説明においてひとまとめにされる場合があることが理解されるべきである。しかしながら、開示のこの方法は、いずれかの請求項が当該請求項に明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、いずれの単一の前述の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。よって、この発明を実施するための形態に続く特許請求の範囲は、この発明を実施するための形態に明示的に組み込まれており、請求項のそれぞれは、別個の実施形態としてそれ自体で成立する。本開示は、独立請求項と独立請求項の従属請求項との全ての並べ替えを含む。
【0063】
特徴又は要素に関する「第1の」という用語の特許請求の範囲における記載は、第2の又は追加のこのような特徴又は要素の存在を必ずしも示唆しない。
【0064】
本開示の根本的な原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に変更が行われ得ることが、当業者に明らかになるであろう。排他的な所有権又は特権が請求されている本開示の実施形態は、以下のように定義される。
【国際調査報告】