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特表2024-504296電源オフアラーム方法及び関連デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電源オフアラーム方法及び関連デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20240124BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240124BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20240124BHJP
   G06F 1/30 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W84/12
H04W8/22
G06F1/30 305
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541813
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2021125120
(87)【国際公開番号】W WO2022160793
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110104004.4
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リャオ、チアン
【テーマコード(参考)】
5B011
5K067
【Fターム(参考)】
5B011DA00
5B011EA02
5B011EA10
5B011GG03
5B011HH02
5K067AA27
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK05
(57)【要約】
本願の実施形態は、通信技術の分野で用いられ、電源オンにされた後に、端末デバイスがdying gaspパケットを構成する段階、ここで前記dying gaspパケットは、前記端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;及び、電源オフ信号を検出した後に前記端末デバイスが前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する段階を含む、電源オフアラーム方法及び関連デバイスを開示する。本願の実施形態において、電源オフ信号を検出すると、端末デバイスは、dying gaspパケットを用いることにより、端末デバイスの電源オフ状態を無線アクセスポイントに報告する。アクセスポイントデバイスが端末デバイスの電源オフの故障を適時に知り、端末デバイスを維持するようゲートウェイに示すことができる。このようにして、端末デバイスのメンテナンス費用を大いに削減することができ、メンテナンス効率を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源オフアラーム方法であって、
電源オンにされた後に端末デバイスによってdying gaspパケットを構成する段階、ここで前記dying gaspパケットは、前記端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;及び
電源オフ信号を検出した後に、前記端末デバイスによって、前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する段階
を備える、方法。
【請求項2】
前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることにより、前記端末デバイスによって、両方のdying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記dying gaspパケットが管理フレームパケットであり、端末デバイスによってdying gaspパケットを構成する前記段階が:前記端末デバイスによって、前記管理フレームパケットにおける予め設定されたフィールドの値を判定し、前記管理フレームパケットを前記dying gaspパケットとして判定する段階を有し、
前記方法が、前記電源オフ信号を検出した後に前記端末デバイスによって前記管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアし、前記端末デバイスによって、前記管理フレームパケットを前記クリアされた管理フレームキューに追加する段階をさらに備え、
前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記管理フレームパケットが追加された前記管理フレームキューを用いることにより、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記dying gaspパケットがデータフレームパケットであり、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記端末デバイスによって、前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が:
前記電源オフ信号を検出する前に前記端末デバイスによって複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定する段階;
前記端末デバイスによって、前記優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定する段階をさらに備え、
前記端末デバイスによって前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記端末デバイスによって前記データフレームパケットを前記ターゲットデータフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記ターゲットデータフレームキューを用いることによって前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記端末デバイスが専用キューを予め構成し、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記専用キューを用いることにより、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記端末デバイスに対応する入力電圧が予め設定された閾値未満であるときに前記電源オフ信号が生成される、
請求項1から3又は5から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記端末デバイス及び前記無線アクセスポイントの間に伝送チャネルが存在し、前記方法が:
前記端末デバイスによって、前記伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高める段階;及び
前記端末デバイスによって、前記伝送チャネルを介して前記dying gaspパケットを送信する段階
をさらに備える、請求項1から3又は5から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
電源オフアラーム方法であって、
無線アクセスポイントによって、端末デバイスにより送信されたdying gaspパケットを受信する段階;及び
前記無線アクセスポイントによって、前記dying gaspパケットに基づいて前記端末デバイスの電源オフ状態を判定する段階
を備える、方法。
【請求項10】
端末デバイスであって、
前記端末デバイスが電源オンにされた後にdying gaspパケットを予め構成するように構成された処理ユニット、ここで前記dying gaspパケットは、前記端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;
電源オフ信号を検出するように構成された検出ユニット;及び
前記電源オフ信号が検出された後に前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように構成された送信ユニット
を備える、端末デバイス。
【請求項11】
前記送信ユニットが、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって両方のdying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている、請求項10に記載の端末デバイス。
【請求項12】
前記dying gaspパケットが管理フレームパケットを有し、
前記処理ユニットが、前記管理フレームパケットにおける予め設定されたフィールドの値を判定し、前記管理フレームパケットを前記dying gaspパケットとして判定するように特に構成されており、
前記処理ユニットがさらに、前記検出ユニットが前記電源オフ信号を検出した後に前記管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアし、前記管理フレームパケットを前記クリアされた管理フレームキューに追加するように構成されており、
前記送信ユニットが、前記管理フレームパケットが追加された前記管理フレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている
請求項11に記載の端末デバイス。
【請求項13】
前記dying gaspパケットがデータフレームパケットを有し、
前記送信ユニットが、前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている
請求項11又は12に記載の端末デバイス。
【請求項14】
前記端末デバイスが判定ユニットをさらに備え、
前記判定ユニットは、前記検出ユニットが前記電源オフ信号を検出する前に複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定し、前記優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定するように構成されており、
前記送信ユニットが、前記データフレームパケットを前記ターゲットデータフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記ターゲットデータフレームキューを用いることにより前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている
請求項13に記載の端末デバイス。
【請求項15】
前記端末デバイスが専用キューを予め構成し、
前記送信ユニットが、前記専用キューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている、請求項10に記載の端末デバイス。
【請求項16】
前記端末デバイスに対応する入力電圧が予め設定された閾値未満であるときに前記電源オフ信号が生成される、
請求項10から12又は14から15のいずれか一項に記載の端末デバイス。
【請求項17】
前記端末デバイス及び前記無線アクセスポイントの間に伝送チャネルが存在し、
前記送信ユニットがさらに、前記伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高め、前記伝送チャネルを介して前記dying gaspパケットを送信するように構成されている
請求項10から12又は14から16のいずれか一項に記載の端末デバイス。
【請求項18】
端末デバイスによって送信されたdying gaspパケットを受信するように構成された受信ユニット;及び
前記dying gaspパケットに基づいて前記端末デバイスの電源オフ状態を判定するように構成された判定ユニット
を備える、アクセスポイントデバイス。
【請求項19】
プロセッサ及びメモリを備え、前記プロセッサが前記メモリに連結されており、前記メモリがプログラム命令を格納し、前記メモリに格納された前記プログラム命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法が実装される、端末デバイス。
【請求項20】
プロセッサ及びメモリを備え、前記プロセッサが前記メモリに連結されており、前記メモリがプログラム命令を格納し、前記メモリに格納された前記プログラム命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項9に記載の方法が実装される、アクセスポイントデバイス。
【請求項21】
端末デバイス及びアクセスポイントデバイスを備え、前記端末デバイスが請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行し、前記アクセスポイントデバイスが請求項9に記載の方法を実行する、電源オフアラームシステム。
【請求項22】
コンピュータに、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施形態は、通信技術の分野に関し、特に、電源オフアラーム方法及び関連デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の急速な発展に伴い、短距離無線技術としてのWi-Fi(登録商標)が様々な通信シナリオに幅広く適用されている。Wi-Fiシステムにおいて、端末デバイスは、Wi-Fiアクセスネットワークにより提供されるエアインタフェースリソースを共有する。通信を同時に実行する場合、Wi-Fiアクセスポイントデバイスへの接続を確立するために複数のWi-Fi端末デバイスがエアインタフェースリソースについて競合する必要がある。
【0003】
エアインタフェースがビジーである場合、競合によりWi-Fi端末デバイスがエアインタフェースリソースを取得できない場合があるため通信が中断する。Wi-Fi端末デバイスが電源オフである又はバッテリが枯渇している場合にも、Wi-Fi端末デバイス及びWi-Fiアクセスポイントデバイスの間の接続が切れる。しかしながら、Wi-Fiアクセスポイントデバイスに接続されたコアネットワークは、Wi-Fi端末デバイスの通信の中断の理由を認識することができず、したがって、Wi-Fi端末デバイスの故障を具体的に分析することができない。いくつかのシナリオでは、コアネットワークは、Wi-Fi端末デバイスの電源オフを知る必要がある。例えば、山岳地域又は貯水池に展開されたWi-Fiカメラは、バッテリ又は太陽エネルギーによって動力供給されている。コアネットワークが、電源オフ、バッテリの枯渇などに起因してカメラに生じている故障について認識することができる場合、メンテナンス費用を大いに削減することができる。したがって、Wi-Fi端末デバイスの電源オフの故障をどのようにして知るかが、緊急に解消する必要のある問題になっている。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施形態は、電源オフアラーム情報に基づいて端末デバイスの電源オフを知ることができるように、端末デバイスの電源オフアラーム情報を報告し、これにより端末デバイスのメンテナンス費用を削減するための電源オフアラーム方法及び関連デバイスを提供する。
【0005】
本願の実施形態の第1の態様は、以下を含む電源オフアラーム方法を提供する。
【0006】
Wi-Fi端末デバイス及びアクセスポイントデバイスが無線ネットワークを介してデータ伝送を実行する。バッテリの枯渇、電力の中断などを理由に電源オフ状態にあるとき、端末デバイスは状態をアクセスポイントデバイスに送信し得る。このようにして、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスの電源オフ状態をネットワーク管理デバイスに送信して、端末デバイスのその後のメンテナンスをしやすくし得る。したがって、電源オンにされた後、端末デバイスはdying gaspパケットを予め構成し、dying gaspパケットは、端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる。電源オフ信号を検出した後、端末デバイスは、dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する。
【0007】
前述の実施形態において、電源オフ信号を受信した後、端末デバイスは、dying gaspパケットをアクセスポイントデバイスに送信して、端末デバイスが電源オフ状態にあるというフィードバックを提供する。このようにして、アクセスポイントデバイスは、ネットワーク管理デバイスが端末デバイスの故障の理由を知り、次いで、端末デバイスを維持するようにネットワーク管理デバイスに状況を送信し得、これにより、端末デバイスのメンテナンス費用が大いに削減される。加えて、電源オンにされるとき、端末デバイスは、dying gaspパケットを予め構成し、電源オフ信号を検出した後にdying gaspパケットを直ちに送信する。このようにして、端末デバイスが電源オフにされる前に、dying gaspパケットを組み立てるための時間が削減され、パケット送信成功率が高まり、これにより、アクセスポイントデバイスが端末デバイスの電源オフ状態を知る能力が改善される。
【0008】
第1の態様に基づいて、本願は、第1の態様の第1の実装形態をさらに提供する。
【0009】
端末デバイスは、端末デバイスの電源オフ状態を、管理フレーム及びデータフレームの2つの形態で無線アクセスポイントにフィードバックし得る。すなわち、端末デバイスは、管理フレームの形態でdying gaspパケットを、及びデータフレームの形態でdying gaspパケットを組み立て、次いで、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって両方のdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信し得る。
【0010】
管理フレームは高伝送電力を有し、データフレームは高伝送速度を有することが理解され得る。2つのフレームの形態で端末デバイスの電源オフ状態をフィードバックすることにより、dying gaspパケットの送信成功率をさらに高めることができる。
【0011】
第1の態様の第1の実装形態に基づいて、本願は、第1の態様の第2の実装形態をさらに提供する。
【0012】
dying gaspパケットは、管理フレームパケット及びデータフレームパケットの形態であってよく、端末デバイスは、管理フレームパケットのける予備フィールドを用いることによって端末デバイスの電源オフ状態を反映してよい。管理フレームの形態のdying gaspパケットを組み立てるとき、端末デバイスは、まず、予め設定された予備フィールドの値を判定し、管理フレームパケットをdying gaspパケットとして判定する。電源オフ信号を検出した後、端末デバイスは、まず、端末デバイスの管理フレームキューをクリアし、dying gaspパケットをクリアされた管理フレームキューに追加し、管理フレームキューを用いることによってdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する。
【0013】
管理フレームの形態のdying gaspパケットを用いるとき、端末デバイスは、管理フレームキューを用いることによってパケットを送信する必要がある。端末デバイスが電源オフ状態となる場合、端末デバイスは、まず、電源オフ状態を無線アクセスポイントに反映する必要がある。したがって、管理フレームキューをクリアすることにより、dying gaspパケットの送信のために待機する時間を削減することができ、これにより、dying gaspパケットの送信成功率がさらに高まる。
【0014】
第1の態様の第1の実装形態及び第2の実装形態に基づいて、本願は、第1の態様の第3の実装形態をさらに提供する。
【0015】
端末デバイスはさらに、データフレームパケットの形態の端末デバイスの電源オフ状態を反映し得る。データフレームパケットの形態のdying gaspパケットを組み立てるとき、端末デバイスは、データフレームパケットをデータフレームキューに追加し、データフレームパケットが追加されたデータフレームキューを用いることによってdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する。
【0016】
一般に、データフレームパケットは高伝送速度を有するため、無線アクセスポイントが端末デバイスのdying gaspパケットを受信するのにかかる時間を削減することができ、無線アクセスポイントは、端末デバイスの電源オフをより迅速に知ることができる。
【0017】
第1の態様の第3の実装形態に基づいて、本願は、第1の態様の第4の実装形態をさらに提供する。
【0018】
データフレームを用いることによって電源オフ状態を反映するとき、端末デバイスは、データフレームパケットを組み立てる必要があるだけでなく、データフレームパケットを送信するためのデータフレームキューも判定する必要がある。したがって、電源オフ信号を検出する前に、端末デバイスは、ターゲットデータフレームキューを事前に判定する必要がある。具体的には、ターゲットデータフレームキューは、複数のデータフレームキューに対応する優先度に基づいて判定され得る。例えば、送信レベルが最も高いデータフレームキューがターゲットデータフレームキューとして判定され得る。電源オフ信号を検出した後、端末デバイスは、予め構成されたデータフレームパケットをターゲットデータフレームキューに追加し、データフレームパケットが追加されたターゲットデータフレームキューを用いることによってdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する。
【0019】
ターゲットデータフレームキューは、優先度に基づいて判定され、端末デバイスは、dying gaspパケットを送信するのに高い送信レベルのデータフレームキューを選択し得る。このようにして、dying gaspパケットの送信のために待機する時間を削減することができ、これにより、dying gaspパケットの送信成功率がさらに高まる。
【0020】
第1の態様に基づいて、本願は、第1の態様の第5の実装形態をさらに提供する。
【0021】
端末デバイスは、dying gaspパケットのための専用キューを指定し得、専用キューは、dying gaspパケットの送信のみに用いられ得ることが理解され得る。端末デバイスは、待機することなく専用キューを用いることによってdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信し、これにより、dying gaspパケットの送信成功率がさらに高まる。
【0022】
第1の態様の第1の実装形態から第5の実装形態に基づいて、本願は、第1の態様の第6の実装形態をさらに提供する。
【0023】
電源オフ信号は、端末デバイスの電源オフアラーム信号、すなわち、端末デバイスの電気エネルギーが枯渇しそうなときに送信されるアラーム情報である。したがって、端末デバイスは、端末デバイスの入力電圧を検出することによって電源オフ信号の生成を制御し得る。端末デバイスに対応する入力電圧が予め設定された閾値未満である場合、端末デバイスは電源オフ信号を生成する。
【0024】
第1の態様の第1の実装形態から第6の実装形態に基づいて、本願は、第1の態様の第7の実装形態をさらに提供する。
【0025】
端末デバイス及び無線アクセスポイントデバイスの間には伝送チャネルが存在し、伝送チャネルを介して通信が実装される。したがって、電源オフ状態にあり、dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するとき、端末デバイスは、まず、伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高め、伝送チャネルを介してdying gaspパケットを送信する。
【0026】
クリアチャネル評価値は、伝送チャネルのビジー度を反映するのに用いられる。端末デバイスは、クリアチャネル評価閾値に基づいて、チャネルを介して通信を実行するかどうかを判定する。チャネルの現在のクリアチャネル評価値がクリアチャネル評価閾値より大きいと判定すると、端末デバイスは、チャネルを用いることなく通信を実行する。したがって、端末デバイスがクリアチャネル評価閾値を高めた場合、それを介して通信が実行され得る伝送チャネルの量が増加し得、これにより、dying gaspパケットの送信成功率が高まる。
【0027】
本願の実施形態の第2の態様は、以下を含む電源オフアラーム方法を提供する。
【0028】
無線アクセスポイントが、端末デバイスによって送信されたdying gaspパケットを受信する。dying gaspパケットを受信した後、無線アクセスポイントは、端末デバイスが電源オフ状態にあると判定し得る。
【0029】
端末デバイスによって送信されたdying gaspパケットを受信すると、無線アクセスポイントは、端末デバイスが電源オフ状態にあることを知り得る。このようにして、アクセスポイントデバイスは、ネットワーク管理デバイスが端末デバイスの故障の理由を知り、端末デバイスを維持するようにネットワーク管理デバイスに状況を送信し得、これにより、端末デバイスのメンテナンス費用が大いに削減される。
【0030】
本願の実施形態の第3の態様は、端末デバイスが電源オンにされた後にdying gaspパケットを予め構成するように構成された処理ユニット、ここで前記dying gaspパケットは、前記端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;電源オフ信号を検出するように構成された検出ユニット;及び前記電源オフ信号が検出された後に前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように構成された送信ユニットを含む端末デバイスを提供する。
【0031】
第3の態様に基づいて、本願は、第3の態様の第1の実装形態をさらに提供する。
【0032】
前記送信ユニットは、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって両方のdying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0033】
第3の態様の第1の実装形態に基づいて、本願は、第3の態様の第2の実装形態をさらに提供する。
【0034】
前記dying gaspパケットは管理フレームパケットを含む。
【0035】
前記処理ユニットは、前記管理フレームパケットにおける予め設定されたフィールドの値を判定し、前記管理フレームパケットを前記dying gaspパケットとして判定するように特に構成されている。
【0036】
前記処理ユニットはさらに、前記検出ユニットが前記電源オフ信号を検出した後に前記管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアし、前記管理フレームパケットを前記クリアされた管理フレームキューに追加するように構成されている。
【0037】
前記送信ユニットは、前記管理フレームパケットが追加された前記管理フレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0038】
第3の態様の第1の実装形態及び第2の実装形態に基づいて、本願は、第3の態様の第3の実装形態をさらに提供する。
【0039】
前記dying gaspパケットはデータフレームパケットを含む。
【0040】
前記送信ユニットは、前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0041】
第3の態様の第3の実装形態に基づいて、本願は、第3の態様の第4の実装形態をさらに提供する。
【0042】
前記端末デバイスは、判定ユニットをさらに含む。
【0043】
前記判定ユニットは、前記検出ユニットが前記電源オフ信号を検出する前に複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定し、前記優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定するように構成されている。
【0044】
前記送信ユニットは、前記データフレームパケットを前記ターゲットデータフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記ターゲットデータフレームキューを用いることにより前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0045】
第3の態様に基づいて、本願は、第3の態様の第5の実装形態をさらに提供する。
【0046】
前記端末デバイスは、専用キューを予め構成する。
【0047】
前記送信ユニットは、前記専用キューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0048】
第3の態様の第3の実装形態から第5の実装形態に基づいて、本願は、第3の態様の第6の実装形態をさらに提供する。
【0049】
前記端末デバイスに対応する入力電圧が予め設定された閾値未満であるときに前記電源オフ信号が生成される。
【0050】
第3の態様の第3の実装形態から第6の実装形態に基づいて、本願は、第3の態様の第7の実装形態をさらに提供する。
【0051】
前記端末デバイス及び前記無線アクセスポイントの間に伝送チャネルが存在する。
【0052】
前記送信ユニットがさらに、前記伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高め、前記伝送チャネルを介して前記dying gaspパケットを送信するように構成されている。
【0053】
本願の実施形態の第4の態様は、端末デバイスによって送信されたdying gaspパケットを受信するように構成された受信ユニット;及び前記dying gaspパケットに基づいて前記端末デバイスの電源オフ状態を判定するように構成された判定ユニットを含むアクセスポイントデバイスを提供する。
【0054】
本願の第5の態様は、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含む端末デバイスを提供する。プロセッサ上で動作し得るコンピュータ実行可能命令がメモリに格納されている。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、端末デバイスは、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な実装形態における方法を実行する。
【0055】
本願の第6の態様は、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含むアクセスポイントデバイスを提供する。プロセッサ上で動作され得るコンピュータ実行可能命令がメモリに格納されている。コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、アクセスポイントデバイスは、第2の態様における方法を実行する。
【0056】
本願の第7の態様は、端末デバイス及びアクセスポイントデバイスを含む電源オフアラームシステムを提供する。端末デバイスは、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な実装形態における方法を実行する。アクセスポイントデバイスは、第2の態様における方法を実行する。
【0057】
本願の実施形態の第8の態様は、プログラムを含むコンピュータ記憶媒体を提供する。プログラムがコンピュータ上で動作すると、コンピュータは、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な実装形態における方法を実行するように有効化される。
【0058】
本願の第9の態様は、チップ又はチップシステムを提供する。チップ又はチップシステムは、少なくとも1つのプロセッサ及び通信インタフェースを含む。通信インタフェース及び少なくとも1つのプロセッサはラインを介して相互接続されている。少なくとも1つのプロセッサは、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な実装形態で説明された電源オフアラーム方法を実行するために、コンピュータプログラム又は命令を動作させるように構成されている。
【0059】
チップにおける通信インタフェースは、入力/出力インタフェース、ピン、又は回路などであり得る。
【0060】
可能な実装形態では、本願において上で説明されたチップ又はチップシステムは少なくとも1つのメモリをさらに含み、少なくとも1つのメモリには命令が格納されている。メモリは、レジスタ又はキャッシュなどの、チップの内部のストレージユニットであってよく、又は、チップのストレージユニット(例えば、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ)であってもよい。
【0061】
本願の第10の態様は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品はコンピュータソフトウェア命令を含み、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な実装形態における電源オフアラーム方法の手順を実装するために、プロセッサを用いることによってコンピュータソフトウェア命令をロードすることができる。
【0062】
前述の技術的解決手段から、本願の実施形態が以下の利点を有することを知ることができる。
【0063】
本願尾実施形態において、電源オンにされた後、端末デバイスはdying gaspパケットを予め構成し、電源オフ信号を検出した後、端末デバイスは、dying gaspパケットをアクセスポイントデバイスに送信して、端末デバイスが電源オフ状態にあるというフィードバックを提供する。アクセスポイントデバイスは、dying gaspパケットのメカニズムを用いることによって端末デバイスの電源オフの故障を知って、端末デバイスのその後のメンテナンスをしやすくすることができ、これにより、端末デバイスのメンテナンス費用が大いに削減される。加えて、電源オンにされるとき、端末デバイスは、dying gaspパケットを予め構成し、電源オフ信号を検出した後にdying gaspパケットを直ちに送信する。したがって、端末デバイスが完全に電源オフにされる前に、dying gaspパケットを組み立てるための時間が削減され得、パケット送信成功率が高まり得、これにより、無線アクセスポイントが端末デバイスの電源オフ状態を知る能力が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本願の一実施形態による電源オフアラーム方法の概略フローチャートである。
【0065】
図2】本願の一実施形態による、端末デバイスの構造の概略図である。
【0066】
図3】本願の一実施形態によるアクセスポイントデバイスの構造の概略図である。
【0067】
図4】本願の一実施形態による別の端末デバイスの構造の概略図である。
【0068】
図5】本願の一実施形態による別のアクセスポイントデバイスの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本願の実施形態は、電源オフアラーム情報に基づいて端末デバイスの電源オフを知ることができるように、端末デバイスの電源オフアラーム情報を報告し、これにより端末デバイスのメンテナンス費用を削減するための電源オフアラーム方法及び関連デバイスを提供する。
【0070】
以下では、本願における添付の図面を参照して、本願における技術的解決手段を明らかに説明する。説明される実施形態は、本願の実施形態の全てではなく一部に過ぎないことが明らかである。
【0071】
本願の本明細書、請求項、及び添付の図面において、「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」などの用語(存在する場合)は、類似の物体間で区別することを目的とするが、必ずしも具体的な順序又はシーケンスを示すものではない。そのような方法で用いられるデータは、本明細書で説明される実施形態が、本明細書で例示又は説明される内容以外の順序で実装されることができるように、適切な状況において交換可能であることが理解されるべきである。加えて、「含む」、「有する」、及びそれらの他の変形などの用語は、非排他的な包含を網羅することを目的としており、例えば、プロセス、一連の段階又はユニットを含む方法、システム、製品、又はデバイスは、必ずしも、明らかに列挙された段階又はユニットに限定されるものではなく、明らかに列挙されていない又はそのようなプロセス、方法、製品、又はデバイスの本質である他の段階又はユニットを含み得る。
【0072】
短距離無線ネットワーク伝送技術として、Wi-Fiは、有線ネットワーク信号を転送のために無線信号へと変換し得る。Wi-Fiシステムは、アクセスポイントデバイス及び端末デバイスを含み得る。アクセスポイントデバイスの一端は有線ネットワークに接続され、他端は無線チャネルを介して端末デバイスに接続されている。アクセスポイントデバイスは、有線信号及び無線信号の間の変換を実行するように構成されている。アクセスポイントデバイスは、有線ネットワークにおける有線信号を無線信号に変換し、次いで、無線信号を端末デバイスに転送し得、さらに、端末デバイスの無線信号を受信し、無線信号を有線信号へと変換し、有線信号を有線ネットワークに転送し得る。
【0073】
Wi-Fiシステムにおいて、全ての端末デバイスがエアインタフェースリソースを共有する。アクセスポイントデバイスが端末デバイスと通信する場合、端末デバイスは、エアインタフェースリソースについて競合する必要がある。したがって、端末デバイスが切断される理由は、競合を通じてエアインタフェースリソースが取得されなかった場合に引き起こされる通信障害であってよく、又は、端末デバイスの電源オフ又はバッテリの枯渇などの端末デバイスの故障により引き起こされたアクセスポイントデバイスとの通信障害であってよい。現在、Wi-Fiシステムは、ほとんどの事例において個人のホームデバイスに適用可能であり、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスが切断された理由を認識する必要がない。しかしながら、Wi-Fiシステムのいくつかの新たな適用シナリオでは、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスが切断された理由を知る必要がある。例えば、山岳地域又は貯水池に展開されたWi-Fiカメラは、バッテリ又は太陽エネルギーによって動力されており、アクセスポイントデバイスとの通信は、電源オフ又はバッテリの枯渇などの故障に起因して容易に中断される。現場での監視及びメンテナンスを実行するために専門家を配置する場合、十分な人力及び材料資源を消費する必要がある。端末デバイスが端末デバイスの電源オフ状態を自身で報告し得る場合、メンテナンス費用を大いに削減することができる。加えて、端末デバイスが、干渉による、又はリモート環境における電源オフ状態をどのようにして成功裏に報告するかも、緊急に解消する必要のある問題になる。
【0074】
前述の問題に基づいて、本願の実施形態は、dying gaspメカニズムを用いることによって端末デバイスの電源オフ状態を報告するために、電源オフアラーム方法及び関連デバイスを提供し、それにより、アクセスポイントデバイスが端末デバイスの電源オフの故障を適時に知り、その後、電源オフをゲートウェイに報告し、電源オフの故障に対するメンテナンスを実行することができ、これにより、メンテナンス費用が削減される。
【0075】
dying gaspメカニズムは、端末デバイスの電源に対する監視及びアラーム発生を実行するための方法である。dying gaspメカニズムの原理は以下の通りである:端末が電源のステータスを監視し、デバイスが電源オフである又はバッテリが枯渇していることを発見すると、大容量コンデンサ又はバックアップバッテリなどの、端末デバイスのエネルギー貯蔵コンポーネントにより貯蔵されたエネルギーを用いることによって端末デバイスの最終ステータス情報を送信する。したがって、端末デバイスは、dying gaspメカニズムを用いることによって、端末デバイスの電源オフ状態をアクセスポイントデバイスに報告し得、それにより、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスが切断された理由を知る。
【0076】
Wi-Fi端末デバイス及びアクセスポイントデバイスが無線ネットワークを介してデータ伝送を実行する。バッテリの枯渇、電力の中断などを理由に電源オフ状態にあるとき、端末デバイスはdying gaspパケットをアクセスポイントデバイスに送信し得る。このようにして、アクセスポイントデバイスは、dying gaspパケットに基づいて端末デバイスの電源オフ状態をネットワーク管理デバイスに送信して、端末デバイスのその後のメンテナンスをしやすくし得る。したがって、電源オフにされた後、端末デバイスは、まず、dying gaspパケットを予め構成し得る。電源オフ信号を検出した後、端末デバイスは、dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する。
【0077】
前述の実施形態において、電源オフ信号を受信した後、端末デバイスは、dying gaspパケットをアクセスポイントデバイスに送信して、端末デバイスが電源オフ状態にあるというフィードバックを提供する。このようにして、アクセスポイントデバイスは、ネットワーク管理デバイスが端末デバイスの故障の理由を知り、端末デバイスを維持するようにネットワーク管理デバイスに状況を送信し得、これにより、端末デバイスのメンテナンス費用が大いに削減される。
【0078】
具体的には、dying gaspパケットを送信するには、パケット構築、コア間通信、キューキャッシング、集約待ち、及びエアインタフェーススケジューリングなどの一連の段階を経る必要がある。したがって、端末デバイスが、電源オフ信号を検出した後にパケットを組み立てて送信する場合、パケットが組み立てられる前にエネルギー貯蔵コンポーネントの電気量が枯渇する可能性が非常に高い。加えて、dying gaspパケットが、通常の管理パケット又はデータパケットの形態で送信される場合、エアインタフェースについての競合が激しい又は端末デバイス及びアクセスポイントデバイスの間の距離が長いと、パケットが損なわれ、アクセスポイントデバイスに成功裏に送信され得ない可能性が高く、これにより、最終的には、端末デバイスの電源オフ状態の報告における障害を引き起こす。
【0079】
dying gaspパケットの送信成功率を高めるために、図1は、本願の一実施形態による電源オフアラーム方法の概略フローチャートである。図1に示されるように、電源オフアラーム方法は以下の段階を含む。
【0080】
101:電源オンにされた後、端末デバイスは、dying gaspパケットを構成し、電源オフ信号を検出する。
【0081】
dying gaspパケットが成功裏に送信されることを保証するために、dying gaspパケットは、電源オフ信号が検出される前に予め組み立てられる必要があり、それにより、dying gaspパケットは、電源オフ信号が出現した後に直ちに送信されることができ、これにより、パケットが組み立てられる前及び端末デバイスが電源オフにされた後にエネルギー貯蔵コンポーネントの電気量が枯渇する事例が回避される。
【0082】
具体的には、端末デバイスは、電源オンにされた後にdying gaspパケットを予め組み立て始めてよく、dying gaspパケットは、端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる。組み立てられたdying gaspパケットは格納される。端末デバイスは、バッテリのステータスを監視し始め、電源オフ信号を検出した後にdying gaspパケットを直ちに送信する。このようにして、端末デバイスが電源オフにされる前に、dying gaspパケットを組み立てるための時間が削減され、パケット送信成功率が高まる。
【0083】
dying gaspパケットの送信成功率をさらに高めるために、端末デバイスの電源オフ状態の情報を搬送するのに2つの形態のフレームがさらに用いられてよい。すなわち、dying gaspパケットは、管理フレームパケット及びデータフレームパケットを含む。管理フレームパケットは、管理フレームキューを用いることによって送信され、データフレームパケットは、データフレームキューを用いることによって送信される。管理フレームパケット及びデータフレームパケットは以下で個々に説明される。
【0084】
(1)管理フレームパケット
【0085】
管理フレームは高伝送電力を有し、それにより、無線ネットワークにおける電力損失を克服することができる。端末デバイス及びアクセスポイントデバイスの間の距離が長い場合、管理フレームの送信成功率は高い。Wi-Fiデバイス間の相互作用のための様々なタイプの管理フレームが存在する。アクセスポイントデバイスは、管理フレーム要求を端末デバイスに送信し得る。端末デバイスは、要求に応答し、管理フレーム回答をアクセスポイントデバイスに送信して、アクセスポイントデバイス及び端末デバイスの間の通信を完了させる。
【0086】
例えば、端末デバイスがアクセスポイントデバイスから切断されている場合、端末デバイスは、認証解除(deauth)管理フレームをアクセスポイントデバイスに送信し得る。したがって、端末デバイスが電源オフ状態にある場合、dying gaspパケットを組み立てるために、deauth管理フレームを用いることによって端末デバイスの電源オフ状態が搬送され得る。具体的には、端末デバイスの電源オフ状態は、deauth管理フレームにおける予備フィールドを用いることによって示され得る。
【0087】
例えば、端末デバイスの電源オフ状態を示すために、deauth管理フレームの予備フィールドにおいて識別子フィールドが拡張され得る。例えば、予備フィールドは、電源オフ状態の識別子ビットとして判定され、予備フィールドが1である場合、それは、端末デバイスが電源オフ状態にあることを示し、予備フィールドが0である場合、それは、端末デバイスが電源オフ状態にないことを示す。電源オンにされた後、端末デバイスは、deauth管理フレームを予め組み立て、電源オフ状態を反映する予備フィールドの値を1として判定し、deauth管理フレームをカプセル化し、deauth管理フレームをdying gaspパケットとして判定し得る。電源オフ状態にあるとき、端末デバイスはdying gaspパケットを送信する。アクセスポイントデバイスは、受信したdying gaspパケットを検出し、電源オフ状態を反映する予備フィールドの値に基づいて端末デバイスのステータスを知る。
【0088】
(2)データフレームパケット
【0089】
データフレームは高伝送速度を有し、それにより、無線ネットワークにおける高速の伝送を実装することができ、無線ネットワークにおける別の信号からの干渉が低減され、dying gaspパケットの送信成功率が高まる。例えば、端末デバイスは、プリアンブル+TLVフォーマットの形態でデータフレームを埋めてよく、無線アクセスポイントデバイスは、プリアンブル+TLVフォーマットの形態で解析を実行して、データフレームの内容を判定する。具体的には、端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すデータフレームパケットの形態は限定されない。
【0090】
2つの形態のフレームにおいてdying gaspパケットを組み立てる場合、端末デバイスは、端末デバイスの電源オフ状態をより効果的に報告し得、これにより、アクセスポイントデバイスが端末デバイスの電源オフ状態を知る可能性が高まることが理解され得る。管理フレームパケットは、管理フレームキューを用いることによって送信されてよく、データフレームは、データフレームキューを用いることによって送信される。端末デバイスはさらに、dying gaspパケットのための専用キューを予め構成し得る。すなわち、専用キューは、別のパケットの代わりに、dying gaspパケットを送信するためのみに用いられる。このようにして、dying gaspパケットを迅速に、かつ効果的に送信することができ、これにより、パケットの送信のために待機する時間が削減され、パケット送信成功率が高まる。
【0091】
102:端末デバイスが、複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定する。
【0092】
端末デバイスは、様々なタイプのデータフレームキューを有し、データフレームキューは、異なる優先度を有することが理解され得る。データフレームキューにおける優先度の高いデータフレームが優先的に送信される。例えば、端末デバイスは、VIキュー及びVOキューを含む。VIキューは、映像データを送信するのに用いられ、VOキューは、音声データを送信するのに用いられる。VIキューの優先度は、VOキューの優先度より高い。したがって、VOキューにおけるデータフレームと比較して、VIキューにおけるデータフレームが優先的に送信される。
【0093】
103:端末デバイスが、優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定する。
【0094】
dying gaspパケットが電源オフの後に迅速に送信されることを保証して、エネルギー貯蔵コンポーネントの電気量が枯渇したことを理由にパケットが送信されない事例を回避するために、端末デバイスは、優先度の高いデータフレームキューを送信のために選択する必要があることが理解され得る。例えば、優先度の最も高いデータフレームキューがターゲットデータフレームキューとして選択され得る。電源オフ状態にあるとき、dying gaspパケットの送信成功率を高めるために、端末デバイスは、ターゲットデータフレームキューを用いることによってデータフレームパケットを送信する。
【0095】
端末デバイスは、電源オンにされた後にターゲットデータフレームキューを直ちに選択し得ることが理解され得る。すなわち、段階101は、段階102及び103と同時に実行されてよく、時間シーケンスの関係は存在しない。
【0096】
104:端末デバイスが電源オフ信号を検出する。
【0097】
電源オフ信号は、端末デバイスの電源オフアラーム信号、すなわち、端末デバイスが電源オフである又はバッテリが枯渇したときに送信されるアラーム信号であり得る。具体的には、端末デバイスの検出ユニットは、端末デバイスの入力電圧を監視し得る。入力電圧がある値未満であることが検出されると、端末デバイスが電源オフ状態となることが示される。この事例では、dying gaspパケットをアクセスポイントデバイスに送信して、端末デバイスの電源オフの故障を報告するよう端末デバイスに示すために電源オフ信号が送信される。
【0098】
105:端末デバイスが、管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアする。
【0099】
具体的には、管理フレームパケットが管理フレームキューを用いることによって送信される場合、端末デバイスは、管理フレームキューにおける別の管理フレームパケットをクリアする必要がある。端末デバイスは、キューにおける管理フレームパケットの順序でパケットを順次に送信し、端末デバイスが完全に電源オフにされる前に端末デバイスがdying gaspパケットを送信することを保証するためには、dying gaspパケットを送信するための待機時間を削減するべきである。したがって、キューにおける最初に送信されるべきパケットがクリアされ得、それにより、dying gaspパケットを待機することなく直接送信することができ、これにより、dying gaspパケットの送信成功率がさらに高まる。
【0100】
106:端末デバイスが管理フレームパケットをクリアされた管理フレームキューに追加する。
【0101】
管理フレームキューをクリアした後、端末デバイスは、クリアされた管理フレームキューに管理フレームパケットを追加し、送信ウィンドウ:管理フレームキューを介して管理フレームパケットを送信する。
【0102】
107:端末デバイスがデータフレームパケットをターゲットデータフレームキューに追加する。
【0103】
端末デバイスは、ターゲットデータフレームキューを用いることによってデータフレームパケットを送信し、データフレームパケットを優先的に送信し得、それにより、dying gaspパケットが迅速に送信され、dying gaspパケットの送信成功率が高まる。
【0104】
端末デバイスは、段階106及び段階107を同時に実行することができることが理解され得る。すなわち、端末デバイスによって、管理フレームパケットを管理フレームキューに追加する段階、及びデータフレームパケットをデータフレームキューに追加する段階は、互いに独立しており、時間シーケンスは存在しない。端末デバイスは、管理フレームパケットを管理フレームキューに優先的に追加してよく、又は、データフレームパケットをデータフレームキューに優先的に追加してよく、又は、この2つの段階を同時に実行してもよい。これは具体的に限定されない。
【0105】
例えば、端末デバイスの処理チップはさらに、特定のサービスパケットを送信するためのハードウェアキューを個々に提供し得る。ハードウェアキューの送信優先度は、別のキューの送信優先度より高い場合がある。端末デバイスは、キューのための特別なサービスパケットを指定し、dying gaspパケットを特別に送信するためにキューを予め構成してよい。具体的には、チップは、別のプロトコルスタック及びキャッシュキューを迂回するために専用の予め構成されたインタフェースを提供する。このようにして、通常のパケットを送信するために要求される、コア間通信、キューキャッシング、及び集約待ちなどの段階が省略され、これにより、dying gaspパケットのパケット送信効率が高まる。
【0106】
108:端末デバイスが、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって、管理フレームパケット及びデータフレームパケットの両方を無線アクセスポイントに送信する。
【0107】
端末デバイスは、アクセスポイントデバイスがdying gaspパケットを受信する可能性を高めるために、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって、2つの形態のdying gaspパケットの両方を送信し得る。例えば、管理フレームキュー及びデータフレームキューが周期的に送信されるように構成され得る。すなわち、端末デバイスは、アクセスポイントデバイスの受信ステータスに注意を払うことはないが、送信を続ける。複数回にわたって送信を実行することにより、アクセスポイントデバイスのパケット受信成功率が高まり得、それにより、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスの電源オフ状態を知り、これにより、dying gaspパケットの報告成功率が高まる。
【0108】
管理フレームキュー及びデータフレームキューは、端末デバイスのキャッシュキューであり、かつ、パケットの「送信ウィンドウ」であり、端末デバイス及びアクセスポイントデバイスの間には無線通信チャネルがさらに存在することが理解され得る。一般に、端末デバイスがアクセスポイントデバイスと通信する場合、各通信チャネルのびビジー度を取得するために、複数の伝送チャネルのクリアチャネル評価値を検出する必要がある。しかしながら、通信チャネルのクリアチャネル評価値がクリアチャネル評価閾値より大きい場合、それは、通信チャネルに対応するエアインタフェースの競合干渉が非常に強力であることを示し、端末デバイスは、通信のためにその通信チャネルを選択しない。しかしながら、本実施形態において、dying gaspパケットの送信成功率を高めるために、伝送チャネルがビジーであっても、dying gaspパケットは依然として伝送チャネルを介して送信される必要がある。したがって、端末デバイスは、伝送チャネルのクリアチャネル評価閾値を高める必要がある。このようにして、端末デバイスによって選択され得る通信チャネルの量が増加し、dying gaspパケットは複数の伝送チャネルを介して送信され得、これにより、パケット送信成功率が高まる。
【0109】
本実施形態において、端末デバイスは、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって両方のdying gaspパケットを送信し、他の伝送を合わせて実行して、dying gaspパケットの送信成功率を可能な限り高め、それにより、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスの電源オフ状態を知り、これにより、端末デバイスの後のメンテナンスのための必要条件が提供され、端末デバイスのメンテナンス費用が削減される。
【0110】
図2は、本願の一実施形態による端末デバイスの構造概略図である。
図2に示されるように、端末デバイスは、端末デバイスが電源オンにされた後にdying gaspパケットを予め構成するように構成された処理ユニット201、ここでdying gaspパケットは、端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;電源オフ信号を検出するように構成された検出ユニット202;及び電源オフ信号が検出された後にdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように構成された送信ユニット203を含む。
【0111】
任意選択の実装形態において、送信ユニット203は、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって両方のdying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0112】
任意選択の実装形態において、dying gaspパケットは管理フレームパケットを含む。
【0113】
処理ユニット201は、管理フレームパケットにおける予め設定されたフィールドの値を判定し、管理フレームパケットをdying gaspパケットとして判定するように特に構成されている。
【0114】
処理ユニット201はさらに、検出ユニット202が電源オフ信号を検出した後に管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアし、管理フレームパケットをクリアされた管理フレームキューに追加するように構成されている。
【0115】
送信ユニット203は、管理フレームパケットが追加された管理フレームキューを用いることにより、dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0116】
任意選択の実装形態において、dying gaspパケットはデータフレームパケットを含む。
【0117】
送信ユニット203は、データフレームパケットをデータフレームキューに追加し、データフレームパケットが追加されたデータフレームキューを用いることにより、dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0118】
任意選択の実装形態において、端末デバイスは判定ユニット204をさらに含む。
【0119】
判定ユニット204は、検出ユニット202が電源オフ信号を検出する前に複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定し、優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定するように構成されている。
【0120】
送信ユニット203は、データフレームパケットをターゲットデータフレームキューに追加し、データフレームパケットが追加されたターゲットデータフレームキューを用いることによりdying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0121】
任意選択の実装形態において、端末デバイスは専用キューを予め構成する。
【0122】
送信ユニット203は、専用キューを用いることにより、dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている。
【0123】
任意選択の実装形態において、端末デバイスに対応する入力電圧が予め設定された閾値未満であるときに電源オフ信号が生成される。
【0124】
任意選択の実装形態において、端末デバイス及び無線アクセスポイントの間に伝送チャネルが存在する。
【0125】
送信ユニット203はさらに、伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高め、伝送チャネルを介して前記dying gaspパケットを送信するように構成されている。
【0126】
図3は、本願の一実施形態によるアクセスポイントデバイスの構造の概略図である。
図3に示されるように、アクセスポイントデバイスは、端末デバイスによって送信されたdying gaspパケットを受信するように構成された受信ユニット301;及びdying gaspパケットに基づいて端末デバイスの電源オフ状態を判定するように構成された判定ユニット302を含む。
【0127】
図4は、本願の一実施形態による端末デバイス400の構造の概略図である。端末デバイス400は、プロセッサ401、メモリ402、及び通信インタフェース403を含む。
【0128】
プロセッサ401、メモリ402、及び通信インタフェース403は、バスを用いることによって相互接続されている。バスは、周辺コンポーネント相互接続(peripheral component interconnect、略してPCI)バス、又は、拡張業界標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture、略してEISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、及び制御バスなどに分類されてよい。表現を容易にするために、図4における表現には一本の太線のみを用いているが、これは、1つのバスのみ又は1つのタイプのバスのみが存在することを意味しているわけではない。
【0129】
メモリ402は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含んでよい。代替的には、メモリは、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、又はソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)を含んでよい。代替的には、メモリ402は、上述のタイプのメモリの組み合わせを含んでよい。
【0130】
プロセッサ401は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(英語:network processor、NP)、又はCPU及びNPの組み合わせであってよい。プロセッサ401は、ハードウェアチップをさらに含んでよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)、又はそれらの組み合わせであってもよい。PLDは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルロジックゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic、GAL)、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0131】
通信インタフェース403は、有線通信インタフェース、無線通信インタフェース、又はそれらの組み合わせであってよい。有線通信インタフェースは、例えば、イーサネット(登録商標)インタフェースであってよい。イーサネットインタフェースは、光インタフェース、電気インタフェース又はそれらの組み合わせであってよい。無線通信インタフェースは、WLANインタフェース、セルラネットワーク通信インタフェース、又はそれらの組み合わせであってよい。
【0132】
プロセッサ401は、メモリ402内のコンピュータプログラム又は命令を動作させて、図1に示される実施形態の可能な実装形態のいずれか1つにおける、端末デバイスによって実行される段階を実行するように構成されている。
【0133】
図5は、本願の一実施形態によるアクセスポイントデバイス500の構造の概略図である。アクセスポイントデバイス500は、プロセッサ501、メモリ502、及び通信インタフェース503を含む。
【0134】
プロセッサ501、メモリ502、及び通信インタフェース503は、バスを用いることによって相互接続されている。バスは、周辺コンポーネント相互接続(peripheral component interconnect、略してPCI)バス、又は、拡張業界標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture、略してEISA)バスなどであってよい。バスは、アドレスバス、データバス、及び制御バスなどに分類されてよい。表現を容易にするために、図5における表現には一本の太線のみを用いているが、これは、1つのバスのみ又は1つのタイプのバスのみが存在することを意味しているわけではない。
【0135】
メモリ502は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含んでよい。代替的には、メモリは、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、又はソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)を含んでよい。代替的には、メモリ502は、上述のタイプのメモリの組み合わせを含んでよい。
【0136】
プロセッサ501は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(英語:network processor、NP)、又はCPU及びNPの組み合わせであってよい。プロセッサ501は、ハードウェアチップをさらに含んでよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)、又はそれらの組み合わせであってもよい。PLDは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルロジックゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic、GAL)、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0137】
通信インタフェース503は、有線通信インタフェース、無線通信インタフェース、又はそれらの組み合わせであってよい。有線通信インタフェースは、例えば、イーサネットインタフェースであってよい。イーサネットインタフェースは、光インタフェース、電気インタフェース又はそれらの組み合わせであってよい。無線通信インタフェースは、WLANインタフェース、セルラネットワーク通信インタフェース、又はそれらの組み合わせであってよい。
【0138】
プロセッサ501は、メモリ502内のコンピュータプログラム又は命令を動作させて、図1に示される実施形態の可能な実装形態のいずれか1つにおける、アクセスポイントデバイスによって実行される段階を実行するように構成されている。
【0139】
本願の一実施形態は、電源オフアラームシステムをさらに提供する。電源オフアラームシステムは、端末デバイス及びアクセスポイントデバイスを含む。端末デバイスは、図2に示される実施形態において説明された端末デバイスであり、アクセスポイントデバイスは、図3に示される実施形態において説明されたアクセスポイントデバイスである。
【0140】
本願の一実施形態は、チップ又はチップシステムをさらに提供する。チップ又はチップシステムは、少なくとも1つのプロセッサ及び通信インタフェースを含む。通信インタフェース及び少なくとも1つのプロセッサはラインを介して相互接続されている。少なくとも1つのプロセッサは、図1に示される実施形態の可能な実装形態のいずれか1つにおいて説明された電源オフアラーム方法を実行するために、コンピュータプログラム又は命令を動作させるように構成されている。
【0141】
チップにおける通信インタフェースは、入力/出力インタフェース、ピン、又は回路などであり得る。
【0142】
可能な実装形態では、本願において上で説明されたチップ又はチップシステムは少なくとも1つのメモリをさらに含み、少なくとも1つのメモリには命令が格納されている。メモリは、レジスタ又はキャッシュなどの、チップの内部のストレージユニットであってよく、又は、チップのストレージユニット(例えば、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ)であってもよい。
【0143】
本願の一実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体は、端末デバイスによって用いられるコンピュータソフトウェア命令を格納するように構成されており、端末デバイスのために設計されたプログラムを含む。
【0144】
本願の一実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体は、アクセスポイントデバイスによって用いられるコンピュータソフトウェア命令を格納するように構成されており、アクセスポイントデバイスのために設計されたプログラムを含む。
【0145】
本願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品はコンピュータソフトウェア命令を含み、コンピュータソフトウェア命令は、電源オフアラーム方法における手順を実装するためにプロセッサを用いることによってロードされ得る。
【0146】
前述の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又は、それらの任意の組み合わせを用いることによって実装され得る。ソフトウェアが実施形態を実装するために用いられる場合、実施形態の全部又は一部がコンピュータプログラム製品の形式で実装されてよい。
【0147】
簡便かつ簡単な説明の目的のために、前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な作業プロセスについては、是述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが当業者により明らかに理解され得る。本明細書では、詳細について改めて説明しない。
【0148】
本願で提供されるいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置、及び方法は、他の方式で実装され得ることが、理解されるべきである。例えば、説明した装置の実施形態は、単なる一例に過ぎない。例えば、ユニットへの分割は、論理機能的分割に過ぎず、実際の実装形態では他の分割であり得る。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが、別のシステムに組み合わせられても、又は統合されてもよく、又は一部の機能が無視されても、又は行われなくてもよい。加えて、表示又は説明された相互連結又は直接的連結又は通信接続は、いくつかのインタフェースを介して実装されてよい。装置間又はユニット間の間接的結合又は通信接続は、電気的形式、機械的形式、又は別の形式で実装されてもよい。
【0149】
別個の部品として説明されるユニットは、物理的に別個である場合とそうでない場合があり、ユニットとして表示される部品は、物理ユニットである場合とそうでない場合があり、1つの位置に位置している場合と複数のネットワークユニットに分散されている場合がある。ユニットの一部又は全部が、実施形態の解決手段の目的を実現するための実際の要件に基づき選択され得る。
【0150】
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得る、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在し得る、又は、2又はそれより多くのユニットが1つのユニットに統合され得る。統合ユニットは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてもよい。
【0151】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合、統合ユニットは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。そのような理解に基づいて、本願における技術的解決手段は本質的になるが、従来技術に寄与する部分、又はその技術的解決手段の全部もしくは一部も、ソフトウェア製品の形態で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、本願の実施形態で説明された方法の段階の全部又は一部を実行するようコンピュータデバイス(コンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなどであり得る)に命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体には、プログラムコードを格納できるあらゆる媒体、例えば、USBフラッシュデバイス、着脱式ハードディスク、リードオンリメモリ(ROM、read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、random access memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなどが含まれる。
他の可能な項目
[項目1]
電源オンにされた後に端末デバイスによってdying gaspパケットを構成する段階、ここで前記dying gaspパケットは、前記端末デバイスが電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;及び
電源オフ信号を検出した後に、前記端末デバイスによって、前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する段階
を備える、電源オフアラーム方法。
[項目2]
前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることにより、前記端末デバイスによって、両方のdying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
項目1に記載の方法。
[項目3]
前記dying gaspパケットが管理フレームパケットであり、端末デバイスによってdying gaspパケットを構成する前記段階が:
前記端末デバイスによって、前記管理フレームパケットにおける予め設定されたフィールドの値を判定し、前記管理フレームパケットを前記dying gaspパケットとして判定する段階を有し、
前記方法が、前記電源オフ信号を検出した後に前記端末デバイスによって前記管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアし、前記端末デバイスによって、前記管理フレームパケットを前記クリアされた管理フレームキューに追加する段階をさらに備え、
前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記管理フレームパケットが追加された前記管理フレームキューを用いることにより、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
項目2に記載の方法。
[項目4]
前記dying gaspパケットがデータフレームパケットであり、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記端末デバイスによって、前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
項目2又は3に記載の方法。
[項目5]
前記方法が:
前記電源オフ信号を検出する前に前記端末デバイスによって複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定する段階;
前記端末デバイスによって、前記優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定する段階をさらに備え、
前記端末デバイスによって前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記端末デバイスによって前記データフレームパケットを前記ターゲットデータフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記ターゲットデータフレームキューを用いることによって前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
項目4に記載の方法。
[項目6]
前記端末デバイスが専用キューを予め構成し、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信する前記段階が、
前記専用キューを用いることにより、前記端末デバイスによって前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信する段階を有する
項目1に記載の方法。
[項目7]
前記方法は、前記端末デバイスに対応する入力電圧が予め設定された閾値未満であるときに前記電源オフ信号が生成される、ことをさらに備える、
項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記端末デバイス及び前記無線アクセスポイントの間に伝送チャネルが存在し、前記方法が:
前記端末デバイスによって、前記伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高める段階;及び
前記端末デバイスによって、前記伝送チャネルを介して前記dying gaspパケットを送信する段階
をさらに備える、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
無線アクセスポイントによって、端末デバイスにより送信されたdying gaspパケットを受信する段階;及び
前記無線アクセスポイントによって、前記dying gaspパケットに基づいて前記端末デバイスの電源オフ状態を判定する段階
を備える、電源オフアラーム方法。
[項目10]
前記端末デバイスが電源オンにされた後にdying gaspパケットを予め構成するように構成された処理ユニット、ここで前記dying gaspパケットは、前記端末が電源オフ状態にあることを示すのに用いられる;
電源オフ信号を検出するように構成された検出ユニット;及び
前記電源オフ信号が検出された後に前記dying gaspパケットを無線アクセスポイントに送信するように構成された送信ユニット
を備える、端末デバイス。
[項目11]
前記送信ユニットが、管理フレームキュー及びデータフレームキューを用いることによって両方のdying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている、項目10に記載の端末デバイス。
[項目12]
前記dying gaspパケットが管理フレームパケットを有し、
前記処理ユニットが、前記管理フレームパケットにおける予め設定されたフィールドの値を判定し、前記管理フレームパケットを前記dying gaspパケットとして判定するように特に構成されており、
前記処理ユニットがさらに、前記検出ユニットが前記電源オフ信号を検出した後に前記管理フレームキューにおける送信対象の管理フレームパケットをクリアし、前記端末デバイスによって、前記管理フレームパケットを前記クリアされた管理フレームキューに追加するように構成されており、
前記送信ユニットが、前記管理フレームパケットが追加された前記管理フレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている
項目11に記載の端末デバイス。
[項目13]
前記dying gaspパケットがデータフレームパケットを有し、
前記送信ユニットが、前記データフレームパケットを前記データフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記データフレームキューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている
項目11又は12に記載の端末デバイス。
[項目14]
前記端末デバイスが判定ユニットをさらに備え、
前記判定ユニットは、前記検出ユニットが前記電源オフ信号を検出する前に複数のデータフレームキューに対応する優先度を判定し、前記優先度に基づいてターゲットデータフレームキューを判定するように構成されており、
前記送信ユニットが、前記データフレームパケットを前記ターゲットデータフレームキューに追加し、前記データフレームパケットが追加された前記ターゲットデータフレームキューを用いることにより前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている
項目13に記載の端末デバイス。
[項目15]
前記端末デバイスが専用キューを予め構成し、
前記送信ユニットが、前記専用キューを用いることにより、前記dying gaspパケットを前記無線アクセスポイントに送信するように特に構成されている、項目10に記載の端末デバイス。
[項目16]
前記端末に対応する入力電圧が予め設定された閾値未満であるときに前記電源オフ信号が生成される、
項目10から15のいずれか一項に記載の端末デバイス。
[項目17]
前記端末及び前記無線アクセスポイントの間に伝送チャネルが存在し、
前記送信ユニットがさらに、前記伝送チャネルに対応するクリアチャネル評価閾値を高め、前記伝送チャネルを介して前記dying gaspパケットを送信するように構成されている
項目10から16のいずれか一項に記載の端末デバイス。
[項目18]
端末デバイスによって送信されたdying gaspパケットを受信するように構成された受信ユニット;及び
前記dying gaspパケットに基づいて前記端末デバイスの電源オフ状態を判定するように構成された判定ユニット
を備える、アクセスポイントデバイス。
[項目19]
プロセッサ及びメモリを備え、前記プロセッサが前記メモリに連結されており、前記メモリがプログラム命令を格納し、前記メモリに格納された前記プログラム命令が前記プロセッサによって実行されると、項目1から8のいずれか一項に記載の方法が実装される、端末デバイス。
[項目20]
プロセッサ及びメモリを備え、前記プロセッサが前記メモリに連結されており、前記メモリがプログラム命令を格納し、前記メモリに格納された前記プログラム命令が前記プロセッサによって実行されると、項目9に記載の方法が実装される、アクセスポイントデバイス。
[項目21]
端末デバイス及びアクセスポイントデバイスを備え、前記端末デバイスが項目1から8のいずれか一項に記載の方法を実行し、前記アクセスポイントデバイスが項目9に記載の方法を実行する、電源オフアラームシステム。
[項目22]
プログラムを備えるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムがコンピュータ上で動作すると、前記コンピュータが項目1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するように有効化される、コンピュータ可読記憶媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】