(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】回転誤用防止装置及びシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240124BHJP
B60N 2/14 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B60N2/28
B60N2/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543380
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2022052008
(87)【国際公開番号】W WO2022162125
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110118376.2
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、キンルイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、インチョン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA07
3B087BC20
3B087CE06
3B087CE09
(57)【要約】
【課題】回転誤用防止装置及び該回転誤用防止装置を備えるシートの提供。
【解決手段】相対回転する第1の部材と第2の部材との間に接続された回転誤用防止装置であって、回転誤用防止装置は、バリア部と、取付部材と、ストッパと、押動アセンブリとを備え、バリア部は、第1の部材に固定され、取付部材は、第2の部材に固定され、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁とを有し、底壁と側壁とは、収容空間を形成し、ストッパは、側壁の間に枢動可能に設けられ、少なくとも一部が収容空間に収容され、ロック位置と解放位置との間に枢動され、ロック位置において、ストッパは、第1の部材の回転を防止し、解放位置において、ストッパは、第1の部材の回転を許可し、押動アセンブリは、取付部材の底壁に設けられ、少なくとも一部が収容空間に収容され、押動アセンブリは、外力により底壁でスライドすることで、ストッパをロック位置から解放位置に枢動させる。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対回転する第1の部材と第2の部材との間に接続された回転誤用防止装置であって、
前記回転誤用防止装置は、バリア部と、取付部材と、ストッパと、押動アセンブリとを備え、
前記バリア部は、前記第1の部材に固定され、
前記取付部材は、前記第2の部材に固定され、底壁と、前記底壁から延在されて互いに対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、前記底壁と前記第1の側壁と前記第2の側壁とは、収容空間を形成し、
前記ストッパは、回転軸を介して前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に枢動可能に設けられ、少なくとも一部が前記収容空間に収容されてロック位置と解放位置との間に枢動され、前記ロック位置において、前記ストッパが前記バリア部に係合して前記第2の部材に対して前記第1の部材が回転方向に沿って回転することを防止し、前記解放位置において、前記ストッパと前記バリア部との係合を解除して前記第2の部材に対して前記第1の部材が該回転方向に沿って回転することを許可し、
前記押動アセンブリは、前記取付部材の前記底壁に設けられ、少なくとも一部が前記収容空間に収容され、前記押動アセンブリは、外力によって底壁でスライドすることで、前記ストッパを前記ロック位置から前記解放位置に枢動させる、
ことを特徴とする回転誤用防止装置。
【請求項2】
ねじりばねをさらに備え、
前記ねじりばねは、前記回転軸に外嵌され、その一端が前記ストッパに固定され、他端が前記取付部材に固定され、前記ストッパを前記ロック位置に付勢する、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転誤用防止装置。
【請求項3】
前記押動アセンブリは、駆動ブロックと、プッシュボタンと、接続部材とを備え、
前記駆動ブロックは、前記収容空間にスライド可能に設けられ、前記取付部材の前記底壁に位置し、
前記プッシュボタンは、前記取付部材の前記収容空間の外部に位置し、
前記接続部材は、前記駆動ブロックと前記プッシュボタンとを固定接続する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転誤用防止装置。
【請求項4】
前記取付部材の前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、前記駆動ブロックのスライド方向に沿って設けられた長尺状溝を有し、
前記接続部材は、前記長尺状溝を貫通して前記駆動ブロックと前記プッシュボタンとを固定接続し、前記長尺状溝に沿ってスライドすることができる、
ことを特徴とする請求項3に記載の回転誤用防止装置。
【請求項5】
前記駆動ブロックは、前記スライド方向に沿って第1の端と第2の端とを有し、前記第1の端と第2の端との間に突出部を有し、
前記スライド方向に垂直な高さ方向において、前記第1の端は、前記突起部に傾斜して移行した、徐々に増加する高さがを有し、前記第2の端は、前記突出部よりも低い略均一な高さを有し、
前記接続部材は、折棒状を成し、その一端が前記スライド方向と前記高さ方向とに垂直な方向に沿って前記突出部に挿設され、他端が前記プッシュボタンに固定されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の回転誤用防止装置。
【請求項6】
前記ストッパは、トップ面と、底面とを備え、
前記トップ面は、前記取付部材の前記底壁に背向し、前記底壁に略平行であり、
前記底面は、前記取付部材の前記底壁に対向し、前記底壁に略平行であり、
前記ストッパの底面に外部に突出した足部が設けられており、前記押動アセンブリは、前記足部を押して前記ストッパを前記ロック位置から前記解放位置に枢動させる、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の回転誤用防止装置。
【請求項7】
前記ストッパは、トップ面と、底面と、両側面とを備え、
前記トップ面は、前記取付部材の前記底壁に背向し、前記底壁に略平行であり、
前記底面は、前記取付部材の前記底壁に対向し、前記底壁に略平行であり、前記ストッパの底面の一端に外部に突出した足部が設けられており、
前記両側面は、前記トップ面と前記底面との間に位置し、
前記解放位置において、前記駆動ブロックは、前記長尺状溝の一端に位置し、前記足部は、前記駆動ブロックの前記第2の端に位置し、前記駆動ブロックのトップ面は、前記バリア部に対向し、
前記ロック位置において、前記駆動ブロックは、前記長尺状溝の他端に位置し、前記足部は、前記駆動ブロックの前記第1の端に位置し、前記ストッパの前記両側面のうちの1つが前記バリア部に係合する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の回転誤用防止装置。
【請求項8】
ベースと、押圧部材と、シート本体と、請求項1~7のいずれか1項に記載の回転誤用防止装置とを備えるシートであって、
前記ベースは、環状軌道を備え、前記環状軌道は、スライド方向を限定し、
前記押圧部材は、前記ベースに接続され前記環状軌道にスライド可能に挿入され、
前記シート本体は、前記押圧部材に固定され、前記押圧部材とともに前記ベースに対して回転することができ、
前記回転誤用防止装置は、前記ベースと前記押圧部材との間に取り付けられ、前記第1の部材は、前記押圧部材であり、前記第2の部材は、前記ベースである、
ことを特徴とするシート。
【請求項9】
前記押圧部材は、前記環状軌道でスライドすることができる押圧部材本体を備え、前記バリア部は、前記押圧部材本体に設けられ、前記環状軌道の径方向外方に延在している、
ことを特徴とする請求項8に記載のシート。
【請求項10】
前記回転誤用防止装置は、2つであり、前記ベースの両側にそれぞれ位置し、2つの前記回転誤用防止装置の間にトグルリンクが設けられており、2つの前記回転誤用防止装置のうちの一方の前記押動アセンブリを操作する場合、2つの前記回転誤用防止装置のうちの他方の前記押動アセンブリが同期されて操作される、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回転誤用防止装置及び該回転誤用防止装置を備えるシートに関する。
【背景技術】
【0002】
シートは、一般的な装置であり、異なる年齢の乳幼児が乗ることができ、通常、シートが前向き位置にある場合は年齢の高い乳幼児が乗るが、シートが後向き位置にある場合は年齢の小さい乳幼児が乗ることができる。いくつかの使用環境では、乗員の方向を変更するために、シートが回転できる必要がある。しかし、シートが回転した後、介護者が年齢の若い乳幼児を前向き位置のシートに置いて使用して誤用する可能性がある。このような使用環境は、車載チャイルドシートであり、ここで、シート本体が車体に固定されたベースに対して回転可能であり、シートの背もたれを後ろ向き状態と前向き状態との間で切り換えられる。そして、シートが前方に移動したら正しく安全に使用するように注意し、年齢の小さい乳幼児をシート前向きモードに放置してはならないように、介護者にさらに注意するための回転誤用防止装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
安全のために、回転可能なシートについては、シートの望ましくない使用を避けるために、回転誤用防止装置がシートをロックして使用者に注意を喚起する必要がある。使用者の使用体験を高めるためには、回転誤用防止装置は、安定して信頼性があり、操作しやすいという特徴が必要であり、シート全体の清潔な外観を容易にするためにその内部構造を隠す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、相対回転する第1の部材と第2の部材との間に接続された回転誤用防止装置を提供し、前記回転誤用防止装置は、バリア部と、取付部材と、ストッパと、押動アセンブリとを備え、バリア部は、前記第1の部材に固定され、取付部材は、前記第2の部材に固定され、底壁と、前記底壁から延在され互いに対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、前記底壁と前記第1の側壁と前記第2の側壁とは、収容空間を形成し、ストッパは、回転軸を介して前記第1の側壁と前記第2の側壁ととの間に枢動可能に設けられ、少なくとも一部が前記収容空間に収容されてロック位置と解放位置との間に枢動され、前記ロック位置において、前記ストッパが前記バリア部に係合して前記第2の部材に対して前記第1の部材が回転方向に沿って回転することを防止し、前記解放位置において、前記ストッパと前記バリア部との係合を解除して前記第2の部材に対して前記第1の部材が該回転方向に沿って回転することを許可し、押動アセンブリは、前記取付部材の底壁に設けられ、少なくとも一部が前記収容空間に収容され、前記押動アセンブリは、外力によって底壁でスライドすることで、前記ストッパを前記ロック位置から前記解放位置に枢動させる。
【0005】
一実施例では、前記回転誤用防止装置は、さらに、ねじりばねを備え、ねじりばねは、前記回転軸に外嵌され、その一端が前記ストッパに固定され、他端が前記取付部材に固定され、前記ストッパを前記ロック位置に付勢する。
【0006】
一実施例では、前記押動アセンブリは、駆動ブロックと、プッシュボタンと、接続部材とを備え、駆動ブロックは、前記収容空間にスライド可能に設けられ、前記取付部材の底壁に位置し、プッシュボタンは、前記取付部材の収容空間の外部に位置し、接続部材は、前記駆動ブロックと前記プッシュボタンとを固定接続する。
【0007】
一実施例では、前記取付部材の第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、前記駆動ブロックのスライド方向に沿って設けられた長尺状溝を有し、前記接続部材は、前記長尺状溝を貫通して前記駆動ブロックと前記プッシュボタンとを固定接続し、前記長尺状溝に沿ってスライドすることができる。
【0008】
一実施例では、前記駆動ブロックは、そのスライド方向に沿って第1の端と第2の端を有し、前記第1の端と第2の端との間に突出部を有し、前記スライド方向に垂直な高さ方向において、前記第1の端は、前記突起部に傾斜して移行した、徐々に増加する高さを有し、前記第2の端は、前記突出部よりも低い略均一な高さを有し、前記接続部材は、折棒状を成し、その一端が前記スライド方向と前記高さ方向とに垂直な方向に沿って前記突出部に挿設され、他端が前記プッシュボタンに固定されている。
【0009】
一実施例では、前記ストッパは、トップ面と、底面とを備え、トップ面は、前記取付部材の底壁に背向し、前記底壁に略平行であり、底面は、前記取付部材の底壁に対向し、前記底壁に略平行であり、ここで、前記ストッパの底面に外部に突出した足部が設けられており、前記押動アセンブリは、前記足部を押して前記ストッパを前記ロック位置から前記解放位置に枢動させる。
【0010】
一実施例では、前記ストッパは、トップ面と、底面と、両側面とを備え、トップ面は、前記取付部材の底壁に背向し、前記底壁に略平行であり、底面は、前記取付部材の底壁に対向し、前記底壁に略平行であり、前記ストッパの底面の一端に外部に突出した足部が設けられており、両側面は、前記トップ面と底面との間に位置し、ここで、前記解放位置において、前記駆動ブロックは、前記長尺状溝の一端に位置し、前記足部は、前記駆動ブロックの第2の端に位置し、前記駆動ブロックのトップ面は、前記バリア部に対向して設けられ、前記ロック位置において、前記駆動ブロックは、前記長尺状溝の他端に位置し、前記足部は、前記駆動ブロックの第1の端に位置し、前記ストッパの両側面のうちの一方は、前記バリア部に係合する。
【0011】
本願は、ベースと、押圧部材と、シート本体と、本願の上記の回転誤用防止装置とを備えるシートを提供し、ベースは、環状軌道を備え、前記環状軌道は、スライド方向を限定し、押圧部材は、前記ベースに接続され前記環状軌道にスライド可能に挿入され、シート本体は、前記押圧部材に固定され、前記押圧部材とともに前記ベースに対して回転することができ、前記回転誤用防止装置は、前記ベースと前記押圧部材との間に取り付けられ、前記第1の部材は、前記押圧部材であり、前記第2の部材は、前記ベースである。
【0012】
一実施例では、前記押圧部材は、前記環状軌道でスライドすることができる押圧部材本体を備え、前記バリア部は、前記押圧部材本体に設けられ、前記環状軌道の径方向外方に延在する。
【0013】
一実施例では、前記回転誤用防止装置は、2つであり、前記ベースの両側にそれぞれ位置し、2つの前記回転誤用防止装置の間にトグルリンクが設けられており、2つの前記回転誤用防止装置のうちの一方の押動アセンブリを操作する場合、2つの前記回転誤用防止装置のうちの他方の押動アセンブリが同期されて操作される。
【0014】
以下、図面を用いて本願の実施例を具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願のシートの斜視図であり、ここで、シート本体が前向き位置に回転した状態にある。
【
図2】本願のシートの他の角度からの斜視図であり、ここで、シート本体が後向き位置に回転した状態にある。
【
図3】本願のシートの他の角度からの斜視図であり、ここで、ベースの下のベースを省略し、シート本体が後向き位置に回転した状態にある。
【
図4】本願のシートの他の角度からの斜視図であり、ここで、ベースの下のベースを省略し、シート本体が前向き位置と後向き位置との間の中央位置に回転した状態にある。
【
図5A】本願のシートのベース、押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの斜視図であり、ここで、押圧部材がストッパと異なる位置に回転した状態にある。
【
図5B】本願のシートのベース、押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの他の角度からの斜視図であり、ここで、押圧部材がストッパと異なる位置に回転した状態にある。
【
図6】本願のシートのベース、押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの斜視図であり、ここで、押圧部材がストッパの位置に回転した状態にある。
【
図7】本願のシートの押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの斜視図であり、ここで、押圧部材がストッパと異なる位置に回転した状態にある。
【
図8】本願のシートの押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの斜視図であり、ここで、押圧部材がストッパの位置に回転した状態にある。
【
図9A】本願のシート的押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの斜視図であり、ここで、プッシュボタンは分解状態にある。
【
図10A】本願のシートの押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの斜視図であり、ここで、片側の取付部材、ストッパ及びプッシュボタン等の部材は分解状態にある。
【
図11】本願のシートの押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンのある角度のからの斜視図であり、ここで、片側の取付部材、ストッパ及びプッシュボタン等の部材は、断面図で示し、ここで、ストッパが押圧部材を阻止しない。
【
図12】本願のシートの押圧部材、取付部材、ストッパ及びプッシュボタンの他の角度からの斜視図であり、ここで、片側の取付部材、ストッパ及びプッシュボタン等の部材は、断面図で示し、ここで、押圧部材がストッパにより阻止される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書では、特定の実施例を参照して本発明を説明及び説明するが、本発明は図示の詳細に限定されるべきではない。正確には、特許請求の範囲の等価スキームの範囲内であって、本発明から逸脱していない場合には、これらの詳細について様々な修正を行うことができる。
【0017】
本明細書における「前」、「後」、「上」、「下」などの方向記述は、理解の便宜上のものであり、本発明はこれらの方向に限定されるものではなく、実際の状況に応じて調整することができる。
【0018】
まず、
図1を参照すると、
図1は、本願によるシート100を示す斜視図であり、ここで、シート本体110が前向きに回転した状態にある。図示するように、シート100は、シート本体110とベース120とを含む。シート本体110は、前向き位置(
図1)及び後向き位置(
図2)に回転可能するために、ベース120に回転可能に取り付けられている。ベース120は、ベース120の下方に位置する台座に取り付けられ、一実施例では、ベース120は、台座に対して前後にスライド可能であり、ベース120のより多くの位置を提供する。台座は、シート100全体を自動車などのキャリッジに固定するために使用される。
【0019】
次に、
図2を参照すると、
図2は、本願によるシート100の別の角度からの斜視図であり、シート本体110が後向き位置に回転した状態にある。図示するように、シート本体110は、
図1に示す前向き位置に対して、ベース120に対して180度回転してシート背面が前方に向く後向き位置に到達し、年齢の小さい乳幼児に使用され、この技術案では、0~4歳の乳幼児に対してこの方向が使用される。このように、例えば、走行中の自動車が急減速した場合、背向位置にあるシート100は、シート100中の子供に対する衝撃力を緩和し、子供を保護する役割を果たすことができる。また、シート本体110の回転軸線が一定の傾斜角度を有する場合には、背向位置にあるシート本体110は、一定の仰角を提供することができ、より快適な乗り心地を提供することができる。
【0020】
次に、
図3を参照すると、
図3は、本願によるシート100の他の角度からの斜視図であり、ここで、ベース120の下方の台座を省略し、シート本体110が後向き位置に回転した状態にある。
図3から、シート本体110とベース120との位置関係がより明確にわかる。
図3から、回転誤用防止装置のプッシュボタン160も見ることができる。プッシュボタン160は、ベース120の外側に位置し、この位置は、使用者が一方の手でシート本体110を回転させながら、他方の手でプッシュボタン160を操作できるように構成される。使用者は、プッシュボタン160で回転誤用防止装置を操作することができ、それによってシート本体110とベース120との間の相対回転をロック及びロック解除することができる。
【0021】
本願では、プッシュボタン160と、駆動ブロック170と、接続部材165とを押動アセンブリと呼ぶことができる。
【0022】
図4を参照すると、
図4は、本願のシート100の他の角度からの斜視図であり、ここで、ベース120の下の台座を省略し、シート本体110が前向き位置と後向き位置との間の中間位置まで回転した状態にある。このとき、シート本体110は、ベース120に対して略横方向である。本願の回転誤用防止装置によれば、シート100を任意の回転位置にロックするように設計することができる。この実施例では、シート本体110を前向き位置と後向き位置にロック可能な回転誤用防止装置を示したが、本願はこれら2つのロック位置に限定されないことを理解すべきである。
【0023】
次に、
図5A及び5Bを参照する。
図5A及び
図5Bは、本願によるシート100のベース120、押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の2つの異なる角度を示す斜視図であり、ここで、押圧部材130がストッパ150とは異なる位置に回転した状態にある。
【0024】
図示されているように、ベース120は、シート本体110に面する側に環状軌道を有し、押圧部材130は、この環状軌道でスライドすることができ、シート本体110に固定的に接続され、シート本体110に従ってベース120に対して回転可能である。図示された実施例では、環状軌道の円周に沿って2つの押圧部材130が均一に設けられ、各押圧部材130は、環状軌道にほぼ沿って延びる円弧部と、円弧部の両端にあるフック部とを有し、押圧部材130が環状軌道に沿ってスライド可能するように円弧部が環状軌道に挿入され、フック部がシート本体110の方向に延びてシート本体110の底部に接合される。なお、この実施例における押圧部材130の形状及び数は例示的なものに過ぎない。
【0025】
他の実施例では、押圧部材130は、単一又は複数に設定することができ、環状軌道の円周上に均一に分布するか、又は、非均一に分布することができる。他の実施例では、押圧部材130は、シート本体110に固定的に接続できる限り、異なる形状を有していてもよい。
【0026】
取付部材140は、ストッパ150等の部材を取付けるための構造を提供するために、ベース120に固定取付される。ストッパ150は、取付部材140に枢動可能に接続され、この回転軸は、環状軌道の径方向に略沿う。このように、ストッパ150の枢動により、ストッパ150の一端をシート本体110に向けて持ち上げることができ、これにより、押圧部材130(具体的には、押圧部材の環状部におけるバリア部131)と干渉し、押圧部材130が後向きからストッパ150の位置まで前向きに回転したとき(
図6)、押圧部材130の環状軌道に沿うスライドを阻止することができる。これについては後で詳細に説明する。
【0027】
プッシュボタン160は、ベース120の側壁に取り付けられ、一部が側壁の開口を介してシート100の外部に露出され、これにより、使用者がそれを操作することを容易にし、他の部分は取付部材140の駆動ブロック170(後述)に接続され、駆動ブロック170を介してストッパ150の枢動を駆動する。
【0028】
図に示す実施例では、2つのセットのアセンブリが環状軌道の円周に沿って均一に間隔を置いて設けられており、該アセンブリは、取付部材140、ストッパ150、プッシュボタン160及び駆動ブロック170を含む。さらに、2つのセットのアセンブリ間には、2つのセットのアセンブリにおけるストッパ150が対応する押圧部材130を同期的に阻止するか、阻止しないように同期連動装置が存在する。これにより、使用者は、1つのセットのアセンブリにおけるプッシュボタン160を操作するだけで、2セットのアセンブリを同時に制御することができる。図に示す実施例では、同期連動装置は、2つのプッシュボタン160に接続された環状の連動部材190であり、連動部材190は、環状軌道に沿って約180度の範囲を延びるが、この角度に限定されない。なお、他の形式の同期連動装置を採用することもできる。また、なお、使用者の操作し、各セットの間の同期連動によってすべてのアセンブリを駆動するために、1セットのみにプッシュボタン160を設けてもよい。
【0029】
次に、
図6を参照すると、
図6は、本願によるシート100のベース120、押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の斜視図であり、ここで、押圧部材130がストッパ150の位置に回転した状態にある。
図6に示すような位置では、使用者は、プッシュボタン160を操作して、ストッパ150を動かすことにより、押圧部材130の環状軌道に沿うスライドを阻止又は許容し、さらに、シート本体110のベース120に対する回転を阻止又は許容することができる。
【0030】
次に、
図7及び
図8を参照すると、
図7は、本願によるシート100の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の斜視図であり、ここで、押圧部材130がストッパ150と異なる位置に回転した状態にある。
図8は、本願によるシート100の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の斜視図であり、ここで、押圧部材130がストッパ150の位置に回転した状態にある。
図7及び
図8により、本願の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の位置関係がより明確に分かる。
【0031】
次に、
図9A及び
図9Bを参照すると、
図9Aは、本願によるシート100の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の斜視図であり、ここで、1つのプッシュボタン160は分解状態にあり、
図9Bは、
図9Aの部分拡大図である。
【0032】
図示するように、プッシュボタン160は、円弧状を成し、ベース120の内壁に沿って延びるプッシュボタンプレート161と、プッシュボタンプレート161の一側から突起するプッシュボタン操作部162と、プッシュボタンプレート161からプッシュボタン操作部162とは反対方向に延びるプッシュボタン接続部163とを備え、プッシュボタン接続部163には、ベース120に略垂直な方向に延びる複数の挿入孔が設けられている。使用中、プッシュボタンプレート161は、プッシュボタン160がベース120の側壁に沿って一定範囲内でスライドできるように、ベース120の側壁の内部に取り付けられている。プッシュボタン操作部162は、使用者がプッシュボタン160を操作するように、ベース120の側壁の開口から延出している。プッシュボタン接続部163の挿入孔には、駆動ブロック170に接続された接続部材165と、他のプッシュボタン160に接続された連動部材190とが挿入され、接続部材165と連動部材190をプッシュボタン160とともに移動させる。
【0033】
接続部材165は、複数のセグメントが延びる折棒部材であり、ここで、ベース120に略垂直な方向に延びプッシュボタン160に挿入される第1のセグメントと、ベース120の周方向に延び第1のセグメントと第3のセグメントとを接続するための第2のセグメントと、ベース120の径方向に沿って延び、取付部材140の第1の側壁141a及び第2の側壁141b上の長尺状溝142を通って駆動ブロック170に挿入され、駆動ブロック170とプッシュボタン160とを一緒に移動させる第3のセグメントとを備える。
【0034】
次に、
図10A及び10Bを参照する。
図10Aは、本願によるシート100の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150、プッシュボタン160の斜視図であり、ここで、片側の取付部材140、ストッパ150、プッシュボタン160などの部材は分解状態にある。
図10Bは、
図10Aの部分拡大図である。
【0035】
図示されるように、取付部材140は、底壁と、底壁の両側から起立する第1の側壁141a及び第2の側壁141bを有する略箱状をなしており、その両端には、ベース120に固定されるためにボルト孔などの取付特徴も設けられている。したがって、取付部材140は、少なくとも一部が駆動ブロック170及びストッパ150に収容されるように、片側が開放された収容空間を形成する。取付部材140の第1の側壁141a及び第2の側壁141bには、ストッパ150が取付部材140に枢動可能に組み付けられるように、それぞれピボット孔が設けられている。
【0036】
駆動ブロック170は、取付部材140の収容空間にスライド可能に設けられ、取付部材140の底壁に沿ってベース120の周方向にスライドする。駆動ブロック170は、そのスライド方向に沿って第1の端171と第2の端172とを有し、第1の端171と第2の端172との間に突出部173を有する。スライド方向に垂直な高さ方向において、第1の端171は、突出部173に傾斜して移行した、徐々に増加する高さを有し、第2の端172は、突出部173よりも低い、ほぼ均一な高さを有する。駆動ブロック170には、接続部材165が駆動ブロック170に挿入されるための駆動ブロック挿入孔も設けられている。
【0037】
ストッパ150は、取付部材140の底壁に背向し、底壁にほぼ平行なトップ面151と、取付部材140の底壁に対向し、底壁に略平行な底面152とを備え、ここで、ストッパ150の底面152には、外向きに突出する足部153が設けられており、押動アセンブリは、足部153を押すことによってストッパ150をロック位置から解放位置に枢動させる。ストッパ150におけるベース120の径方向に沿ってピボット孔も設けられており、回転軸(図示せず)は、取付部材140の第1の側壁141a及び第2の側壁141bのピボット孔及びストッパ150のピボット孔を貫通して、ストッパ150が取付部材140に枢動可能に組み付けられる。
【0038】
ストッパ150と取付部材140との間には、ねじりばね180も設けられている。ねじりばね180は、ストッパ150のピボット孔の周囲に外嵌され、一端がストッパ150に当接し、他端が取付部材140に当接して、ストッパ150をロック位置(すなわち、押圧部材130の移動を阻止する位置)に付勢する。
【0039】
なお、この実施例では、駆動ブロック170、プッシュボタン160、接続部材165が組み立てられて押動アセンブリを形成し、これにより、回転誤用防止装置全体の組み立てを容易にすることができる。他の実施例では、駆動ブロック170、プッシュボタン160、接続部材165は、一体部材として形成されてもよい。
【0040】
次に、
図11及び
図12を参照して、本願の回転誤用防止装置の動作について説明する。
図11は、本願によるシート100の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150、プッシュボタン160のある角度からの斜視図であり、ここで、片側の取付部材140、ストッパ150、プッシュボタン160などの部材は、断面図で示され、ストッパ150は、押圧部材130を阻止していない。
図12は、本願によるシート100の押圧部材130、取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160の他の角度からの斜視図であり、ここで、片側の取付部材140、ストッパ150及びプッシュボタン160等の部材は、断面図で示され、押圧部材130がストッパ150によって阻止されている。
【0041】
図11に示す解放位置では、駆動ブロック170は、駆動ブロック170の第1の端171が取付部材140の端壁に当接するように、取付部材140の収容空間内で図中の左側にスライドする。ストッパ150の足部153は、ストッパ150のトップ面151が取付部材140の底壁にほぼ平行になるように、駆動ブロック170の第2の端172と突出部173との間の均一な高さセグメント(又は平坦部分)に当接する。このようにして、ストッパ150は、押圧部材130が環状軌道に沿うスライドを阻止しない。
【0042】
使用者が押圧部材130(及びシート本体110)をロックする必要がある場合、プッシュボタン160を操作して図中の右方向に移動することで、駆動ブロック170をスライドして取付部材140の右側の端壁に当接する。このような過程で、ストッパ150の足部153は、駆動ブロック170の第2の端172の平坦な部分と突出部173との間の斜面を通って突出部173を乗り越え、その後、駆動ブロック170の第1の端171と突出部173との間の斜面に沿って取付部材140の底壁に当接するまで滑り落ちる。このとき、ストッパ150は、ストッパ150のトップ面151が取付部材140の底壁に対して傾斜するように、取付部材140に対して回転する。このため、ストッパ150の一端は、取付部材140から離れて持ち上げられ、押圧部材130のバリア部131と干渉するため、押圧部材130(及びシート本体110)の回転を阻止する。
【0043】
図に示す実施例では、ストッパ150が押圧部材130の回転を一方向に阻止することが示されている。他の実施例では、ストッパ150は、押圧部材130の回転を双方向に阻止するように構成することができることを理解されたい。例えば、ストッパ150の一端部は、押圧部材130のバリア部131に対応する切り欠きを有し、それにより、バリア部131を両方向に係止するように構成することができる。
【0044】
当業者は、明細書を考慮し、本明細書に開示された発明を実践した後、本願の他の実施例を容易に思いつくであろう。本出願は、本開示の一般的な原理に従い、本明細書に開示されていない当技術分野における公知の常識又は慣用的な技術手段を含む、本出願の任意の変形、用途又は適応的変化をカバーすることを目的とする。明細書及び実施例は単に例示とみなされ、本願の真の範囲及び精神は本願の請求項によって指摘される。
【0045】
本明細書は、例示的な実施例列挙を参照して説明されているが、使用される用語は例示的であり、限定的な用語ではない。本願は、本願の精神及び実質から逸脱することなく様々な形態で具体的に実施することができるので、上述の実施例は上述の詳細に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定された範囲内で最も広く解釈されるべきであるため、特許請求の範囲又はその等価範囲内に含まれるすべての変化は特許請求の範囲に含まれるべきであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0046】
100 シート
110 シート本体
120 ベース
130 押圧部材
131 バリア部
140 取付部材
141a 第1の側壁
141b 第2の側壁
142 長尺状溝
150 ストッパ
151 トップ面
152 底面
153 足部
160 プッシュボタン
161 プッシュボタンプレート
162 プッシュボタン操作部
163 プッシュボタン接続部
165 接続部材
170 駆動ブロック
171 第1の端
172 第2の端
173 突出部
180 ねじりばね
190 連動部材
【国際調査報告】