(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】患者インタフェース
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
A61M16/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543414
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 NZ2022050001
(87)【国際公開番号】W WO2022158987
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518329918
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FISHER & PAYKEL HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン ジェームス アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ツェルナー サッシャ クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ニオット ジョセフ ジュール
(72)【発明者】
【氏名】ペレラ アシャニ メリシャ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ヴィッキー ダン
(72)【発明者】
【氏名】ダシー ネイル グレイ
(72)【発明者】
【氏名】シャーリ サーチ
(72)【発明者】
【氏名】シュトラウス フレデリック ウォルター ウィリアムソン
(72)【発明者】
【氏名】ワームビー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】グラハム ライアン アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ファン シャルクウィク アンドレ
(57)【要約】
本開示は、非侵襲的換気用の患者インタフェースに関する。患者インタフェースは、患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成され、口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとを含む内部容積部を画定する外壁を含む。患者インタフェースは、第1チャンバを第2チャンバから分離する仕切り壁をさらに含む。患者インタフェースは、ガスが第1チャンバから第2チャンバに、又は第2チャンバから第1チャンバに流れ込むのを可能にする1つ又は複数の流れ誘導部をさらに含む。1つ又は複数の流れ誘導部は、1つ又は複数の鼻孔開口部を通るようにガス流を向けるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースであって、
(a)前記口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、前記鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとを含む内部容積部を画定する外壁と、
(b)前記第1チャンバを前記第2チャンバから分離する仕切り壁と、
(c)ガスが前記第1チャンバから前記第2チャンバに流れ込むのを可能にする1つ又は複数の流れ誘導部であって、前記1つ又は複数の鼻孔開口部を通るように前記ガスの流れを向けるように構成されている流れ誘導部と、
を含む非侵襲的患者インタフェース。
【請求項2】
患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースであって、
(a)前記患者インタフェースの内部容積部を画定する外壁であって、前記口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部と、前記鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部とを含む患者係合面を有する外壁と、
(b)前記内部容積部を、前記1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、前記1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとに分離する仕切り壁と、
(c)ガスが前記第1チャンバから前記第2チャンバに流れ込むのを可能にする、前記仕切り壁から延在する1つ又は複数の流れ誘導部であって、前記1つ又は複数の鼻孔開口部を通るように前記ガスの流れを向けるように構成されている流れ誘導部と、
を含み、
前記流れ誘導部が、前記流れ誘導部間の間隔を維持する離隔要素によって離隔して配置されている、非侵襲的患者インタフェース。
【請求項3】
患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースであって、
(a)前記患者インタフェースの内部容積部を画定する外壁であって、前記口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部と、前記鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部とを有する外壁と、
(b)前記内部容積部を、前記1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、前記1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとに分離する仕切り壁と、
を含み、
前記仕切り壁が、ガスが前記第1チャンバから前記第2チャンバに流れ込むのを可能にする、1つ又は複数の離隔して配置された流れ誘導部を含み、前記流れ誘導部が、前記鼻孔開口部を通すように前記ガスの流れを向けるように構成されている、非侵襲的患者インタフェース。
【請求項4】
患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースであって、
(a)前記口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、前記鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとを含む内部容積部を画定する外壁と、
(b)前記第1チャンバを前記第2チャンバから分離する仕切り壁と、
(c)ガスが前記第1チャンバから前記第2チャンバ内に、又は前記第2チャンバから前記第1チャンバ内に流れ込むのを可能にする1つ又は複数の流れ誘導部と、
を含む非侵襲的患者インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に呼吸ガスを送達するための患者インタフェースに関する。特に、本発明は、非侵襲的患者インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
胸郭拘束性疾患、急性呼吸不全、進行した神経筋疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD-肺気腫、難治性喘息及び慢性気管支炎を含む)等の呼吸器疾患に対する現時点での治療法の1つは、非侵襲的換気(NIV)である。NIV療法が挿管後の呼吸を補助するに有用であり得ることを示唆するいくつかのエビデンスがあり、これには再挿管の可能性を減らすことも含まれる。NIV治療は、吸気及び呼気の周期を通して肺に気道陽圧をかけ、気道を開くようにする。これにより、肺への且つ肺からの呼吸ガスの流れが改善される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現行のNIV治療でかけられる陽圧の副作用の1つは、かけられる治療圧力が患者を不快にさせ、したがって治療を受ける意欲を減退させる可能性があるということである。陽圧の副次的な影響は、患者インタフェースが、漏れを回避するために患者にしっかりと固定され、それにより、患者インタフェース及び呼吸器系において圧力が維持されるのを確実にする必要があるということである。特に、半意識又は無意識であり、したがって患者インタフェースの圧力により患者の皮膚に引き起こされるいかなる痛みに関するフィードバックも提供することができない患者の場合、このようにインタフェースをしっかりと固定して適用することにより、褥瘡がもたらされる可能性がある。
【0004】
NIV治療は、2つの難題、すなわち、コンプライアンス(患者が進んで治療に従う程度)及び褥瘡という難題を引き起こす。これらの難題に加えて、閉塞性呼吸疾患の患者にとってのさらなる難題は、解剖学的死腔から二酸化炭素をフラッシングすることである。具体的には、呼気周期の終了は、吐出呼吸ガスの圧力の低下によって特徴付けられる。これは、二酸化炭素を大量に含む呼吸ガスが、患者の喉、鼻及び口の中に残り、吸気周期の開始時に肺の中に引き戻されることを意味する。したがって、これらの領域で二酸化炭素を大量に含む呼吸ガスを、二酸化炭素を大量に含む呼吸ガスよりも高濃度の酸素を含む呼吸ガスと置換することは、患者が十分な呼吸を達成することに役立つ。
【0005】
患者の快適性を向上させるとともに、褥瘡を減少させる患者インタフェースを提供することが望ましい。
【0006】
解剖学的死腔のフラッシングを補助する患者インタフェースを提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで、本発明について、一組の実施形態によって説明する。しかしながら、本発明は、実施形態のうちの2つ以上の特徴を組み合わせることによって定義することができることが理解されよう。
【0008】
第1態様によれば、患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは、
(a)口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとを含む内部容積部を画定する外壁と、
(b)第1チャンバを第2チャンバから分離する仕切り壁と、
(c)ガスが第1チャンバから第2チャンバに流れ込むのを可能にする1つ又は複数の流れ誘導部であって、1つ又は複数の鼻孔開口部を通るようにガス流を向けるように構成されている流れ誘導部と、
を含む。
【0009】
1つ又は複数の流れ誘導部は、仕切り壁から延在することができる。
【0010】
1つ又は複数の流れ誘導部は、各流れ誘導部が仕切り壁の外周部から離隔して配置されるように、仕切り壁の中央領域に位置することができる。
【0011】
1つ又は複数の流れ誘導部は、仕切り壁から第1チャンバ内に、又は第2チャンバ内に、又は第1チャンバ及び第2チャンバの両方内に延在してもよい。
【0012】
1つ又は複数の流れ誘導部は、1つ又は複数の鼻孔開口部に向かって延在してもよい。
【0013】
仕切り壁を外壁と接合して、第1チャンバを第2チャンバから分離することができる。
【0014】
仕切り壁は、1つ又は複数の鼻孔開口部から離隔した位置で外壁と接合することができる。
【0015】
仕切り壁は、外壁の幅全体にわたって外壁と接合することができる。
【0016】
仕切り壁は、少なくとも1つ又は複数の鼻孔開口部と少なくとも1つ又は複数の口腔開口部との間で外壁と接合することができる。
【0017】
仕切り壁は、1つ又は複数の鼻孔開口部よりも1つ又は複数の口腔開口部の近くで外壁と接合することができる。
【0018】
外壁は、少なくとも1つ又は複数の鼻孔開口部と少なくとも1つ又は複数の口腔開口部との間の壁部分を含むことができ、仕切り壁と壁部分との間の接合部は、壁部分の下半分に位置することができる。壁部分の幅は、1つ又は複数の鼻孔開口部の横方向最外端部の間に画定することができる。
【0019】
1つ又は複数の流れ誘導部は、第1チャンバから第2チャンバへのガス流路を画定することができ、流れ誘導部はガス流路を包囲している。
【0020】
1つ又は複数の流れ誘導部は、仕切り壁と封止された接合部を有することができる。
【0021】
1つ又は複数の流れ誘導部の各々は、第2チャンバ内に、1つ又は複数の鼻孔開口部から引っ込んだ第2開口部を有することができる。
【0022】
1つ又は複数の流れ誘導部の各々は、第2チャンバ内に第2開口部を有することができ、第2開口部は、1つ又は複数の鼻孔開口部から離隔している。
【0023】
第2開口部は、リムによって画定され、リムは、リムの少なくとも一部が1つ又は複数の鼻孔開口部から実質的に一貫した間隔を有するような外形とすることができる。
【0024】
1つ又は複数の鼻孔開口部から実質的に一貫して離隔して配置することができるリムの部分は、少なくとも1つ又は複数の鼻孔開口部と少なくとも1つ又は複数の口腔開口部との間の外壁に隣接している。
【0025】
各第2開口部のリムは、リムが流れ誘導部の横方向内側において仕切り壁から延在するよりも、流れ誘導部の横方向外側において仕切り壁からさらに延在することができる。
【0026】
各第2開口部のリムは、リムが流れ誘導部の横方向外側で引っ込んでいるよりも、流れ誘導部の横方向内側で鼻孔開口部からさらに引っ込むように設けることができる。
【0027】
各第2開口部のリムは、流れ誘導部の横方向内側と流れ誘導部の横方向外側との間にある点で、鼻孔開口部から最も引っ込むように設けることができる。
【0028】
第2開口部のリムの少なくとも一部は、鼻孔開口部のリムの少なくとも一部と同心であり得る。
【0029】
患者インタフェースは、第1チャンバからの呼吸ガスと鼻孔からの吐出呼吸ガスとが第2チャンバに流れ込むことができる間隙によって離隔して配置された、少なくとも2つの流れ誘導部を含むことができる。
【0030】
各流れ誘導部のリムは、間隙と同じ側では、リムが間隙から離れた側で延在するほど、仕切り壁から延在しなくてもよい。
【0031】
流れ誘導部は、流れ誘導部からのガス流の方向を考慮して、リムの横方向外側が鼻孔開口部の側方リムに隣接するように構成することができる。
【0032】
その又は各流れ誘導部は、それぞれの流れ誘導部からのガス流の方向を考慮して、それぞれのリムの横方向外側が鼻孔開口部の側方リムに隣接するように構成することができる。
【0033】
流れ誘導部は、流れ誘導部からのガス流の方向を考慮して、リムの横方向外側が、鼻孔開口部の側方リムと位置合わせされるように構成することができる。
【0034】
別法として、1つ又は複数の流れ誘導部の各々は、1つ又は複数の鼻孔開口部と同じ高さの第2開口部を有していてもよい。
【0035】
1つ又は複数の流れ誘導部は、外壁から離隔して配置することができる。
【0036】
1つ又は複数の流れ誘導部は、外壁に連結することができる。
【0037】
第2態様によれば、患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは、
(a)患者インタフェースの内部容積部を画定する外壁であって、口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部と、鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部とを含む患者係合面を有する外壁と、
(b)内部容積部を、1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとに分離する仕切り壁と、
(c)ガスが第1チャンバから第2チャンバに流れ込むのを可能にする、仕切り壁から延在する1つ又は複数の流れ誘導部であって、1つ又は複数の鼻孔開口部を通るようにガス流を向けるように構成されている流れ誘導部と、
を含み、
流れ誘導部は、流れ誘導部間の間隔を維持する離隔要素によって離隔して配置されている。
【0038】
各流れ誘導部は、第2開口部リムによって画定された第2開口部を有することができ、第2開口部リムは、患者係合表面から離隔して配置されている。
【0039】
第2開口部リムは、患者係合面から引っ込むように設けることができる。
【0040】
各流れ誘導部は、第2チャンバの第2開口部と第1チャンバ内に開口する入口との間に延在する流れチャネルを画定する本体を備えることができ、ここで、本体は、患者係合面から離隔して配置されている。
【0041】
離隔要素は、流れ誘導部の間に配置することができる。
【0042】
離隔要素は、仕切り壁に連結することができる。
【0043】
離隔要素は、流れ誘導部を互いに連結することができる。
【0044】
離隔要素は、リブ又はウェブを含むことができる。
【0045】
離隔要素は、患者インタフェースの外壁から離隔して配置することができる。
【0046】
離隔要素は、流れ誘導部の間に延在する凹状の曲面を含むことができる。
【0047】
仕切り壁及び流れ誘導部に関する第1態様に関して開示した特徴は、この態様にも等しく適用可能である。
【0048】
第3態様では、患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは、
(a)患者インタフェースの内部容積部を画定する外壁であって、口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部と、鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部とを有する外壁と、
(b)内部容積部を、1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとに分離する仕切り壁と、
を含み、
仕切り壁は、ガスが第1チャンバから第2チャンバに流れ込むのを可能にする、1つ又は複数の離隔して配置された流れ誘導部を含み、流れ誘導部は、鼻孔開口部を通すようにガス流を向けるように構成されている。
【0049】
1つ又は複数の離隔して配置された流れ誘導部は、外壁に連結することができる。
【0050】
患者インタフェースは、第1チャンバからの呼吸ガスと鼻孔からの吐出呼吸ガスとが第2チャンバに流れ込むことができる間隙によって離隔して配置された、少なくとも2つの流れ誘導部を含むことができる。
【0051】
1つ又は複数の流れ誘導部の各々は、第2チャンバ内の第2開口部と、第1チャンバ内に開口する第1開口部とを有することができる。
【0052】
各流れ誘導部は、独立したガス流路を画定することができる。
【0053】
ガス流路が、一部は本体によって、一部は外壁によって画定されるように、流れ誘導部のうちの1つ又は複数の本体を外壁に連結することができる。
【0054】
1つ又は複数の流れ誘導部は、1つ又は複数の鼻孔開口部において又はそれに隣接して、外壁に連結することができる。
【0055】
1つ又は複数の流れ誘導部は、1つ又は複数の鼻孔開口部の横方向外向きに外壁に連結することができる。
【0056】
1つ又は複数の流れ誘導部は、1つ又は複数の鼻孔開口部の遠位側で外壁に連結することができる。
【0057】
1つ又は複数の流れ誘導部は、第1チャンバにおいて外壁に連結することができる。
【0058】
1つ又は複数の流れ誘導部は、第1チャンバにおいて且つ第2チャンバにおいて外壁に連結してもよい。
【0059】
流れ誘導部のうちの1つ又は複数の本体は、少なくとも1つ又は複数の鼻孔開口部と少なくとも1つ又は複数の口腔開口部との間で外壁に連結することができる。
【0060】
流れ誘導部のうちの1つ又は複数の本体は、1つ又は複数の鼻孔開口部の、壁部分とは反対側で外壁に連結してもよい。
【0061】
流れ誘導部のうちの1つ又は複数の本体は、1つ又は複数の鼻孔開口部において又はそれに隣接して、外壁に連結してもよい。
【0062】
患者インタフェースは、離隔して配置された少なくとも2つの流れ誘導部を含むことができ、流れ誘導部本体の各々の一部は、1つ又は複数の鼻孔開口部の側方リムの横方向外側で外壁と接合し、流れ誘導部本体の各々の別の一部は、1つ又は複数の鼻孔開口部の側方リムの横方向内側で外壁と接合することができる。
【0063】
各本体は、外側壁と内側壁とを有することができ、それらの両方が、壁部分において離隔した位置から延在し、壁部分から離れた位置で互いに当接する。
【0064】
外側壁及び内側壁は、仕切り壁から延在して外壁に当接することができる。
【0065】
外側壁は、少なくとも1つ又は複数の鼻孔開口部のリムが流れ誘導部のリムの一部を形成するように、1つ又は複数の鼻孔開口部の側方リムの横方向外側で外壁と接合してもよい。
【0066】
内側壁は、内側壁の一部が流れ誘導部のリムの一部を形成するように、1つ又は複数の鼻孔開口部の側方リムの横方向内側で外壁と接合してもよい。
【0067】
内側壁によって形成された第2開口部のリムは、1つ又は複数の鼻孔開口部の側方リムによって形成された第2開口部のリムよりも仕切り壁の近くであってもよい。
【0068】
本体は、連結要素によって外壁に連結することができる。
【0069】
1つ又は複数の流れ誘導部からの第2開口部は、一部、少なくとも1つ又は複数の鼻孔開口部によって画定することができる。
【0070】
各流れ誘導部の第2開口部は、呼吸ガスを横方向内向きに向けるように構成することができる。
【0071】
第1態様に関して開示した特徴は、第2及び第3態様にも等しく適用可能である。さらに、第2態様に関して開示した特徴は、第3態様にも等しく適用可能である。さらに、1つの態様からの特徴の適用は、別の態様からの特徴の適用を排除するものではない。
【0072】
以下の開示は、上記に開示した第1、第2及び第3態様の各々に適用される。
【0073】
仕切り壁は、流れ誘導部の変形に優先して、患者係合面との患者の接触によって引き起こされる少なくとも幾分かの変形力に適応する、1つ又は複数の優先変形領域を含むことができる。
【0074】
流れ誘導部は、1つ又は複数の優先変形領域から離隔して配置することができる。
【0075】
1つ又は複数の優先変形領域は、仕切り壁の1つの部分を仕切り壁の別の部分から切り離して、1つの部分に加えられる力が、切り離された部分が受ける力よりも大きくなるようにすることができる。
【0076】
優先変形領域は、仕切り壁の1つの部分を仕切り壁の別の部分から切り離して、2つの部分が互いに対して移動することができるようにすることができる。
【0077】
仕切り壁の2つの部分は、変形しにくい形状とすることができる。
【0078】
外壁又は仕切り壁は、仕切り壁の変形が優先変形領域に実質的に限定されるように、変形力を優先変形領域に伝える変形抵抗セクションを含むことができる。
【0079】
1つ又は複数の優先変形領域は、流れ誘導部と弾性領域との間に介在させることができる。
【0080】
1つ又は複数の優先変形領域は、第1弾性領域と、第1弾性領域と流れ誘導部との間に配置された変形パネルとを含むことができる。
【0081】
変形パネルは、第1弾性領域の厚さよりも小さい厚さを有することができる。
【0082】
変形パネルは、第1弾性領域から突出する第1壁と、第1壁を、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の第2弾性領域に接続する第2壁とを備えることができ、第1及び第2壁は連結線に沿って当接する。
【0083】
第1及び第2壁は、所定の順序で変形するように適合させることができる。
【0084】
所定の順序は、第1壁が第1弾性領域に向かって折り重なることを含むことができる。
【0085】
所定の順序は、第1弾性領域と、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域との間の間隔の低減に適応するように、第2壁が座屈することを含むことができる。
【0086】
第2壁は、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域と連結線との間の距離が第2壁の長さよりも小さい場合に座屈を誘発するように構成することができる。
【0087】
第2壁は、第2壁の座屈を誘発するように、連結線から1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域まで曲線輪郭を有していてもよい。
【0088】
第2壁は、接続部分から第2弾性領域まで厚さを増大させて、変形中の第1壁の初期折り重なりと、それに続く第2壁の座屈とを引き起こしてもよい。
【0089】
変形パネルは、第1及び第2弾性領域に優先して変形パネルの変形を誘発するように選択される壁厚を有することができる。
【0090】
第1弾性領域は、第1壁の厚さの少なくとも3倍の厚さを有していてもよい。
【0091】
第2壁は、第1壁から、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域まで、変形領域における変形に適応するために第2壁にローリング(rolling)運動を誘発するような輪郭を有していてもよい。
【0092】
第2壁は、第1壁から流れ誘導部領域まで厚さを増大させて、変形中の第1壁の初期折り重なりと、それに続く、第2壁と第1壁との間の交差部から開始する第2壁の後続のローリングとを引き起こしてもよい。
【0093】
第1弾性領域と第1壁との間の交差線から延在する想像線は、第1壁と第2壁との間の連結線に沿って延在する別の想像線と枢動点で一緒になることができる。
【0094】
第1弾性領域は、仕切り壁の第1厚化領域を含んでいてもよい。
【0095】
第1厚化領域は、変形パネルに隣接する弾性リップを含んでいてもよい。
【0096】
1つ又は複数の優先変形領域の変形は、第1弾性領域と、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域との間の間隔の低減を含んでもよく、間隔の低減に適応するために変形パネルの関連する変形を含んでもよい。
【0097】
患者インタフェースは、患者係合面に加えられる少なくとも幾分かの変形力に耐えるように構成された1つ又は複数の変形抵抗セクションを含むことができ、1つ又は複数の流れ誘導部は、変形抵抗セクションよりも耐えられる変形力が小さい。
【0098】
1つ又は複数の変形抵抗セクションは、患者係合面に加えられる変形力によって流れ誘導部が変形する程度を低減させるように構成することができる。
【0099】
流れ誘導部又は仕切り壁は、1つ又は複数の変形抵抗セクションを含むことができる。
【0100】
1つ又は複数の変形抵抗セクションは、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域の変形に対する抵抗を増大させることができる。
【0101】
仕切り壁は、患者係合面と優先変形領域との間に1つ又は複数の変形抵抗セクションを含むことができる。
【0102】
1つ又は複数の変形抵抗セクションは、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域にあり得る。
【0103】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、仕切り壁に関連付けられたリブを含むことができる。
【0104】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、仕切り壁と一体的に形成してもよい。
【0105】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、仕切り壁の他の部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する仕切り壁の部分を含んでいてもよい。
【0106】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、患者係合面に加えられる変形力を優先変形領域に向けるように構成することができる。
【0107】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、患者係合表面から又は患者係合表面に隣接して延在するとともに、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域内に延在して、変形力を優先変形領域に向けることができる。
【0108】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、患者係合面の又は患者係合面に隣接する端部において、患者係合面から離れた端部よりも幅広であり得る。
【0109】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、仕切り壁の下側に形成された変形伝達リブを含んでいてもよい。
【0110】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、流れ誘導部に患者係合面の変形に追従させるように構成してもよい。
【0111】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、仕切り壁の下側と上側で、少なくとも一部が重なるように構成してもよい。
【0112】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、流れ誘導部が仕切り壁と接合する場所に位置していてもよい。
【0113】
流れ誘導部が仕切り壁と接合する場所に位置する変形抵抗セクションの1つ又は複数は、患者係合面に連結してもよい。
【0114】
流れ誘導部が仕切り壁と接合する場所に位置する変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、1つ又は複数の他の変形抵抗セクションによって患者係合面に連結してもよい。
【0115】
流れ誘導部が仕切り壁と接合する場所に位置する変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、患者係合面に加えられる変形力の少なくとも一部が優先変形領域に伝達されるように、1つ又は複数の流れ誘導部を含む仕切り壁の領域を補強することができる。
【0116】
流れ誘導部が仕切り壁と接合する場所に位置する変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、仕切り壁の上側又は下側に配置することができ、下側又は上側にそれぞれ配置された1つ又は複数の他の変形抵抗セクションによって患者係合面に連結することができる。
【0117】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、離隔要素と重なり、流れ誘導部が離隔要素と重なる1つ又は複数の変形抵抗セクションの動きに追従するようにしてもよい。
【0118】
離隔要素と重なる変形抵抗セクションは、互いに対して実質的に直交して延在することができる。
【0119】
変形抵抗セクションのうちの1つ又は複数は、患者係合面の変形を優先変形領域の変形に伝達するように、仕切り壁の下側及び上側に構成することができる。
【0120】
変形抵抗セクションは、流れ誘導部が仕切り壁と当接する場所に位置する1つ又は複数の変形抵抗セクションのうちの別のものと少なくとも部分的に重なるように構成することができる。
【0121】
流れ誘導部は、呼吸ガスを第1開口部から第2開口部へ加速するように構成することができる。
【0122】
流れ誘導部の第2開口部は、1つ又は複数の鼻孔開口部の面積よりも小さい組み合わされた面積を有することができる。
【0123】
流れ誘導部の第2開口部は、1つ又は複数の鼻孔開口部の横方向外側に配置することができる。
【0124】
各流れ誘導部は、入口から出口までの方向において低減する断面積を有する本体を備えることができる。
【0125】
各流れ誘導部は、入口から出口まで実質的に一定の断面積を有する本体を備えてもよい。
【0126】
本体は、下部本体部分と上部本体部分とを含むことができ、上部本体部分は、下部本体部分の断面輪郭よりも小さい断面積を有する。
【0127】
下部本体部分は、円錐形輪郭を有することができる。
【0128】
下部本体は、一定の輪郭を有することができる。
【0129】
上部本体部分は、円錐形輪郭を有することができる。
【0130】
上部本体部分は、流れ誘導部が位置する仕切り壁に概して平行な断面において、円形、楕円形、又は卵形の形状を有することができる。
【0131】
本体は、流れ誘導部が位置する仕切り壁に概して直交する断面において、円錐形輪郭又は段付き輪郭を有することができる。
【0132】
本体は、流れ誘導部が位置する仕切り壁に概して直交する断面において、テーパ状輪郭を有していてもよい。
【0133】
患者インタフェースは、呼吸ガス用の第1チャンバへの入口を有することができる。
【0134】
患者インタフェースは、呼吸ガスを患者インタフェースから患者インタフェースの外部に通すように構成された排気口を有することができる。
【0135】
排気口は、呼吸ガスを第2チャンバから患者インタフェースの外部に通すように構成することができる。
【0136】
排気口は、第1チャンバ及び第2チャンバからの呼吸ガスを患者インタフェースの外部に通すように構成してもよい。
【0137】
外壁は、弾性シール部材及びハウジングを備えるクッションモジュールによって提供することができ、シール部材とハウジングとが一緒になって第1及び第2チャンバを形成している。
【0138】
シール部材は、患者係合面を含むことができる。
【0139】
入口はハウジングに形成することができる。
【0140】
排気口はハウジングに形成することができる。
【0141】
仕切り壁は、入口と排気口の間に配置することができる。
【0142】
仕切り壁は、1つ又は複数の口腔開口部と1つ又は複数の鼻孔開口部との間に配置することができる。
【0143】
シール部材は、1つ又は複数の鼻孔開口部を含む鼻孔封止部分を含むことができ、シール部材は、1つ又は複数の口腔開口部を含む口封止部分をさらに含む。
【0144】
シール部材は、弾性材料とすることができ、シール部材をマスクハウジングに接続して、一体構造を形成することができる。
【0145】
シール部材は、弾性材料とすることができ、シール部材をマスクハウジングに機械式にロックして、一体構造を形成してもよい。
【0146】
シール部材をマスクハウジングにオーバーモールドして、マスクハウジングと機械式にロックし且つ/又は化学的に結合してもよい。
【0147】
患者インタフェースは、マスクフレームをさらに含むことができる。
【0148】
マスクフレームは、マスクハウジングに取外し可能に接続可能であり得る。
【0149】
マスクフレームは、マスクハウジング上及びマスクフレーム上の協働可能なスナップフィット構造により、取外し可能に接続可能であってもよい。
【0150】
マスクフレームは、マスクハウジング及びマスクフレーム上の協働可能な構造により、ハウジングに恒久的に接続可能であってもよい。
【0151】
マスクフレームは、マスクハウジングとマスクフレームとを超音波溶接することにより、ハウジングに恒久的に接続可能であってもよい。
【0152】
マスクフレームとマスクハウジングとは、一体的に形成してもよい。
【0153】
マスクフレーム又はマスクハウジングは、ヘッドギアを患者インタフェースに接続するヘッドギアコネクタをさらに備えることができる。
【0154】
患者インタフェースは、導管コネクタと、導管コネクタをマスクフレームに回転可能に連結して導管から第1チャンバへの呼吸ガスの流路を形成するローテータカフとをさらに含むことができる。
【0155】
第4態様では、患者の口及び鼻孔の周囲を封止するように構成された非侵襲的患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは、
(a)口とガス連通する1つ又は複数の口腔開口部を有する第1チャンバと、鼻孔とガス連通する1つ又は複数の鼻孔開口部を有する第2チャンバとを含む内部容積部を画定する外壁と、
(b)第1チャンバを第2チャンバから分離する仕切り壁と、
(c)ガスが第1チャンバから第2チャンバ内に、又は第2チャンバから第1チャンバ内に流れ込むのを可能にする1つ又は複数の流れ誘導部とを含む。
【0156】
1つ又は複数の流れ誘導部は、ガスが第1チャンバから第2チャンバに流れ込むのを可能にするとともに、1つ又は複数の鼻孔開口部を通るようにガス流を向けるように構成されている。
【0157】
仕切り壁は、流れ誘導部の互いに向かう動きを低減させるように構成されている。
【0158】
仕切り壁は、流れ誘導部の潰れを低減させるように構成されている。
【0159】
仕切り壁は、流れ誘導部の座屈を低減させるように構成されている。
【0160】
仕切り壁は、流れ誘導部の互いに向かう内向きの潰れ又は座屈を低減させるように構成されている。
【0161】
仕切り壁は、流れ誘導部の横方向外向きに配置され、外壁と接合する、外側部分(lateral side portion)を含む。
【0162】
外側部分は、外壁の最上部から離隔した位置で外壁と接合している。
【0163】
外側部分は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部の最も低い位置よりも下方の高さで外壁と接合している。
【0164】
外側部分は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部の最も低い位置よりも少なくとも部分的に上方に且つ部分的に下方に延在するとともに、1つ又は複数の鼻孔開口部の最も高い位置よりも上方には延在しない線に沿って、外壁に接合している。
【0165】
外側部分の一部は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部の最も高い位置と最も低い位置との間に延在するとともに、1つ又は複数の鼻孔開口部の最も高い位置よりも上方には延在しない線に沿って、外壁に接合している。
【0166】
外側部分の一部は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部の最も高い位置よりも上方に延在する線に沿って、外壁に接合している。
【0167】
外側部分は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、流れ誘導部の最も高い位置よりも低いか又は実質的にそれと等しい高さで外壁に接合している。
【0168】
仕切り壁は、流れ誘導部に優先して変形するように構成された変形領域を含む。
【0169】
変形領域は、外側部分にも優先して変形するように構成されている。
【0170】
仕切り壁は、変形領域が変形したときに外側部分の横方向内向きへの移動を低減させるように構成されている。
【0171】
流れ誘導部は、外壁の患者接触部分と変形領域との間に配置され、外側部分は、流れ誘導部の横方向外向きに配置されている。
【0172】
外側部分は、変形領域の、流れ誘導部の横方向外向きに配置されている部分を含む。
【0173】
外側部分は、変形領域の近位側にある。
【0174】
外側部分は、少なくとも一部、外壁の、外壁の患者接触部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する部分と接合している。
【0175】
外側部分は、少なくとも一部、外壁の、外壁の変形に抵抗するように選択された壁厚を有する部分と接合している。
【0176】
外壁は、ガス供給部とシール部材との結合部の少なくとも一部を形成するハウジングを備え、仕切り壁は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、少なくとも部分的に、ハウジングの最上部を横切って延在する線と連続する想像線に沿って延在している。
【0177】
患者インタフェースの直立向きを考慮して、外壁と接合する外側部分の傾斜は、水平であるか、又は水平面に対して鋭角である。
【0178】
患者インタフェースの直立向きを考慮して、外壁と接合する外側部分の傾斜は、水平であるか、又は水平面に対して45°未満である。
【0179】
患者インタフェースの直立向きを考慮して、外壁と接合する外側部分の傾斜は、水平であるか、又は水平面に対して30°未満である。
【0180】
患者インタフェースの直立向きを考慮して、外壁と接合する外側部分の傾斜は、水平であるか、又は水平面に対して15°未満である。
【0181】
外側(lateral)側壁は、第2チャンバにおいて鈍角である角度をなして外壁と接合している。
【0182】
各流れ誘導部は、第1チャンバへの第1開口部と、第2チャンバへの第2開口部を有する。
【0183】
第1開口部は、長軸が直交する短軸よりも長い形状を有する。
【0184】
長軸は、仕切り壁の平面内にあり、患者インタフェースを通る垂直な中央平面から少なくとも45°に向けられている。
【0185】
それぞれの第1開口部の長軸は、第1開口部の中心を通る想像直線の近位側にある点で交差する。
【0186】
それぞれの第1開口部の長軸は、外壁の患者接触部分の近位側にある点で交差する。
【0187】
長軸が交差する場所での長軸間の角度は、180°未満である。
【0188】
長軸が交差する場所での長軸間の角度は、45°~180未満の範囲にある。
【0189】
長軸が交差する場所での長軸間の角度は、90°~150°の範囲にある。
【0190】
長軸が交差する場所での長軸間の角度は、110°~150の範囲にある。
【0191】
それぞれの第1開口部の長軸は、第1開口部の中心を通る想像直線の遠位側にある点で交差する。
【0192】
第1開口部は、変形領域と外壁の患者接触部分との間に配置され、外壁部分の患者接触部分と変形領域との間の距離よりも小さい距離にわたって延在している。
【0193】
第1開口部は、変形領域と、1つ又は複数の鼻孔開口部と1つ又は複数の口腔開口部との間の外壁の患者接触部分との間に配置され、外壁部分の患者接触部分と変形領域との間の距離よりも小さい距離にわたって延在している。
【0194】
第1開口部は、仕切り壁に配置されている。
【0195】
各第1開口部を形成する流れ誘導部は、変形領域から離隔して配置されている。
【0196】
各第1開口部は、楕円形状を有している。
【0197】
長軸及び短軸の向きは、流れ誘導部を通して保持される。
【0198】
第2開口部における長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法は、第1開口部における長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法と異なる。
【0199】
第2開口部における長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法は、第1開口部における長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法よりも小さい。
【0200】
長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法は、流れ誘導部を通して変化している。
【0201】
長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法は、第1開口部から第2開口部まで低減している。
【0202】
長軸若しくは短軸、又は長軸及び短軸の両方の寸法は、狭窄部を画定するように変化している。
【0203】
各流れ誘導部の第2開口部は、第1チャンバと第2チャンバとの間のガス流を可能にするように外壁から離隔して配置されており、第2開口部は、患者インタフェースが患者に取り付けられていないときに、第1チャンバから流れ誘導部を通って第2チャンバに流れ込むガスストリームが少なくとも部分的に外壁に衝突するように位置決めされている。
【0204】
患者インタフェースを患者取り付けられると、鼻孔開口部の面積、形状、又は形状及び面積が変化する。
【0205】
患者インタフェースが患者に取り付けられると、流れ誘導部を通過するガスストリームが外壁に衝突することなく1つ又は複数の鼻孔開口部を通るように向けられるように、1つ又は複数の鼻孔開口部の面積、形状、又は形状及び面積が変化する。
【0206】
流れ誘導部及び外壁は、患者インタフェースが取り付けられていないときに外壁が各第2開口部の一部の上に延在するように配置されている。
【0207】
外壁は、患者インタフェースが患者に取り付けられていないとき、患者インタフェースの直立した向きを考慮して、第2開口部間の中間点の垂直方向上方から見たとき、第2開口部の一部の上に延在する。
【0208】
外壁が上に延在する第2開口部の部分は、第2開口部の横方向外側の部分である。
【0209】
各第2開口部の少なくとも一部は、患者インタフェースが患者に取り付けられていないとき、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部の輪郭を有するとともに1つ又は複数の鼻孔開口部を通って垂直に延在する、想像柱状容積部の外側にある。
【0210】
患者インタフェースが患者に取り付けられていないときの患者インタフェースの直立向きを考慮して、患者インタフェースを第2開口部間の中間点の垂直方向上方から見たときに、各第2開口部の少なくとも一部は外壁によって隠されている。
【0211】
患者インタフェースが患者に取り付けられると、1つ又は複数の鼻孔開口部の横方向外縁部は、それぞれの流れ誘導部の第2開口部の横方向外向きに配置される。
【0212】
外壁は、1つ又は複数の鼻孔開口部が横方向外向きに広がることができるように構成されている。
【0213】
外壁は、患者インタフェースが患者に取り付けられたときの患者インタフェースの直立向きを考慮して、患者インタフェースを第2開口部間の中間点の垂直方向上方から見たときに、外壁が各第2開口部の一部の上に延在しないように、1つ又は複数の鼻孔開口部が横方向外向きに広がるのを可能にするように構成されている。
【0214】
外壁の患者接触面は、患者インタフェースが患者に取り付けられたときに外壁が第2開口部の上に延在しなくなるように、流れ誘導部の第2開口部上に延在する外壁が横方向外向きに移動するのを可能にするように構成されている。
【0215】
患者接触面は、患者インタフェースが患者に取り付けられたときに患者の鼻の下側を受けるように湾曲しており、患者インタフェースが取り付けられると曲率は小さくなる。
【0216】
患者接触面は、患者の鼻の下側を受けるように構成された谷形状を含み、1つ又は複数の鼻孔開口部を含む谷形状の床部は、患者インタフェースが患者に取り付けられると、より平坦な谷形状を採る。
【0217】
仕切り壁は、第1チャンバと第2チャンバとの間のガス流を可能にする流れ誘導部を含み、各流れ誘導部は、仕切り壁と接合し、第1チャンバからの第1開口部を画定する、ベースと、ベースから延在する本体と、ベースから離れており、第2チャンバ内に開口する第2開口部を画定するリムと、ベースの第1開口部から第2開口部まで延在するガス流チャネルとを有する。
【0218】
本体は、変形力下での出口の形状の変形に抵抗するように構成された補強セグメントを含む。
【0219】
補強セグメントは、本体の周りの全体に又は部分的に延在している。
【0220】
補強セグメントは、本体の他の部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する。
【0221】
補強セグメントはリブを含む。
【0222】
本体は第1材料で形成され、補強セグメントは、第1材料とは異なる、第1材料よりもコンプライアンスが低い第2材料で形成されている。
【0223】
補強セグメントは、本体の遠位側の少なくとも一部の周りに延在している。
【0224】
補強セグメントは、仕切り壁に概して平行な流れ誘導部の輪郭の長軸の片側に位置している。
【0225】
補強セグメントは、リムからの設定された間隔で本体の周りに配置されている。
【0226】
補強セグメントは、ベースからの設定された間隔で本体の周りに配置されている。
【0227】
補強セグメントは、リムからの変化する間隔で本体の周りに配置されている。
【0228】
補強セグメントは、リムに隣接して配置されている。
【0229】
補強セグメントは、本体の外側に配置されている。
【0230】
本体は、下部本体部分及び上部本体部分を含む。
【0231】
補強セグメントは、下部本体部分の周りの全体に又は部分的に延在している。
【0232】
補強セグメントは、上部本体部分の周りの全体に又は部分的に延在している。
【0233】
補強セグメントは、下部本体部分から、且つ少なくとも部分的に上部本体部分の周りに延在している。
【0234】
上部本体部分は、下部本体部分の壁厚よりも小さい壁厚を有する。
【0235】
各流れ誘導部のベースは、患者インタフェースの直立向きを考慮して、患者インタフェースを通る垂直中央平面から離れるように横方向に長尺状であり、本体は、ベースの横方向外側よりもベースの横方向内側に近いように、ベースを通る横方向中心線からオフセットしている。
【0236】
ベースの横方向外側は、ベースの横方向内側が本体から横方向内向きに延在するよりも本体から横方向外向きにさらに延在している。
【0237】
ベースの横方向外側は、ベースの横方向内側が本体から横方向内向きに延在するよりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、又は少なくとも5倍、本体から横方向外向きにさらに延在している。
【0238】
ベースは、1つ又は複数の鼻孔開口部の対応する側縁部を越えて横方向に広がるフットプリントを有する。
【0239】
ガス流路は、ベースを通る横方向中心線から横方向内向きにオフセットしている長手方向軸線を有し、この中心線は、患者インタフェースを通る垂直中央平面に平行であり、そのため、ガス流チャネルは、ベースの横方向外側よりもベースの横方向内側に近い。
【0240】
ベースは、ベースに隣接する仕切り壁の壁厚よりも大きい壁厚を有する。
【0241】
ベースは、本体の横方向外向きに延在する厚化パッドを備える。
【0242】
厚化パッドは、本体から離れるに従って壁厚が低減している。
【0243】
厚化パッドは、横方向外向き方向にくさび形の輪郭を有する。
【0244】
ベースは、少なくとも一部、本体を覆っている。
【0245】
ベースは、出口の互いに向かう変位に抵抗するように構成された横方向外側を含む。
【0246】
ベースの横方向外側は、仕切り壁と本体との間の補強リンクとして構成され、そのため、本体の変位及び向きの変化を引き起こす仕切り壁の曲がりに抵抗する。
【0247】
ベースの横方向外側は、仕切り壁から本体までテーパ状になっている。
【0248】
ベースの横方向外側のテーパは、フィレット部を有する。
【0249】
ベースの横方向外側は、ガス流チャネルの長手方向軸を考慮して、本体の残りの部分のいかなる点における半径方向の壁厚よりも大きい半径方向の壁厚を含む。
【0250】
各流れ誘導部のベースは、ガス流チャネルを含むとともに、本体の変形に耐える厚さを有する、ブロックを備える。
【0251】
ベースは、外壁に付与された変形力を変形領域に伝達することにより、本体の変位及び向きの変化に抵抗するように構成されている。
【0252】
流れ誘導部のベースは、互いに連結されて、共通のブロックを形成し、そこから別々の本体が延在している。
【0253】
共通ブロックは、1つ又は複数の鼻孔開口部の対応する側縁部を越えて横方向に広がるフットプリントを有する。
【0254】
共通ブロックは、仕切り壁の外側部分から本体まで延在する傾斜側面を有する。
【0255】
共通ブロックの、傾斜側面によって拘束されている領域は、遠位方向に下向きにテーパ加工されている。
【0256】
この領域は、1つ又は複数の鼻孔開口部に実質的に平行であるようにテーパ加工されている。
【0257】
共通ブロックの傾斜側面は、フィレット形状を有する。
【0258】
フィレット形状は、共通ブロックの外側部(lateral side)の周囲で連続している。
【0259】
フィレット形状は、共通ブロックの近位側及び遠位側の周囲で連続している。
【0260】
フィレット形状は、離隔部分を含み、共通ブロックの近位側及び遠位側の周囲で連続している。
【0261】
流れ誘導部の壁厚は、ベースからリムに向かって低減している。
【0262】
本体は、ベースとリムとの中間にある移行部を含む。
【0263】
移行部は、上部本体部分から下部本体部分を線引きしている。
【0264】
上部本体部分は、下部本体部分の壁厚よりも小さい壁厚を含む。
【0265】
下部本体部分の壁厚は一定であり、上部本体部分の壁厚は、移行部からリムまで低減している。
【0266】
本体の壁厚は、移行部からリムまで変化している。
【0267】
本体の壁厚は、移行部からリムまで低減している。
【0268】
移行部からリムまでの本体の壁厚の低減は、一定である。
【0269】
移行部からリムまでの本体の壁厚の低減は、一定ではない。
【0270】
移行部は仕切り壁に対して傾斜している。
【0271】
移行部は、下部本体部分の近位側がベースから延在するよりも、下部本体部分の遠位側がベースからさらに延在するように傾斜している。
【0272】
移行部によって画定される平面は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部、又は流れ誘導部の上方の外壁、又は1つ又は複数の鼻孔開口部及び流れ誘導部の上方の外壁に対して、概して平行である。
【0273】
上部本体部分のリムは、患者インタフェースの直立向きを考慮して、1つ又は複数の鼻孔開口部、又は流れ誘導部の上方の外壁、又は1つ又は複数の鼻孔開口部及び流れ誘導部の上方の外壁に対して、概して平行である。
【0274】
下部本体部分は、変形領域が変形に抵抗するよりも変形に抵抗するように選択された壁厚を有し、それにより、変形領域は、シール部材の患者接触部分に加えられる変形力に応答して優先的に変形する。
【0275】
流れ誘導部の遠位側の外面は、流れ誘導部の長手軸の方向に曲線輪郭を有する。
【0276】
移行部からリムまでの流れ誘導部の壁厚の低減は、流れ誘導部の外面が流れ誘導部の内面に向かって内向きにテーパ状になっていることによる。
【0277】
移行部は、少なくとも一部、ベースとリムとの中間にある段状部を含む。
【0278】
段状部の下方の本体は第1壁厚を有し、段状部の上方の本体は第2壁厚を有し、第2壁厚は第1壁厚よりも小さい。
【0279】
段状部は、流れ誘導部の少なくとも遠位側の周りに延在している。
【0280】
段状部は、流れ誘導部の遠位側及び横方向外側の周りに延在している。
【0281】
段状部は、流れ誘導部の周りの実質的に全体に延在している。
【0282】
段状部は、流れ誘導部の周りの全体に延在している。
【0283】
段状部は、下本体部分を上本体部分に接続する傾斜面を含む。
【0284】
段状部は、流れ誘導部の外側に形成されている。
【0285】
流れ誘導部の長手方向軸を考慮すると、下部本体部分の半径方向の壁厚は、流れ誘導部の周囲で変化している。
【0286】
流れ誘導部の長手方向軸を考慮すると、下部本体部分の半径方向の壁厚は、ベースからのリムの間隔によって変化している。
【0287】
流れ誘導部の長手方向軸を考慮すると、下部本体部分の半径方向の壁厚は、リムのベースからの間隔が小さい場所よりも、リムのベースからの間隔が大きい場所の方が大きい。
【0288】
流れ誘導部の長手方向軸を考慮すると、下部本体部分の半径方向の壁厚は、リムとベースとの間の間隔が最も小さい場所で最も小さく、リムとベースとの間の間隔が大きくなるに従って大きくなっている。
【0289】
下部本体部分の半径方向の壁厚は、流れ誘導部の周りで一定である。
【0290】
上部本体部分の半径方向の壁厚は、流れ誘導部の周りで一定である。
【0291】
仕切り壁は、流れ誘導部の本体間に配置されたスペーサリブを含む。
【0292】
スペーサリブは、リムから離隔した位置で本体と接合している。
【0293】
スペーサリブは、リムから離隔した位置まで、流れ誘導部のベース及び本体と接合している。
【0294】
スペーサリブは、流れ誘導部のベース及び下部本体部分のみと接合している。
【0295】
流れ誘導部は、下部本体部と上部本体部との間の段状部と、段状部と接合するスペーサリブとを含む。
【0296】
スペーサリブは、段状部と接合する平坦化上面を有する。
【0297】
スペーサリブは、流れ誘導部のベース及び下部本体部分及び段状部のみと接合している。
【0298】
スペーサリブには、流れ誘導部とのフィレット形状の移行部継手を含む。
【0299】
スペーサリブは、流れ誘導部の長手方向軸と交差する平面に配置されている。
【0300】
スペーサリブは、遠位-近位方向の流れ誘導部の寸法の5~20%である遠位-近位方向の壁厚を有する。
【0301】
スペーサリブは、遠位-近位方向の流れ誘導部の寸法の20~40%である遠位-近位方向の壁厚を有する。
【0302】
スペーサリブは、遠位-近位方向の流れ誘導部の寸法の40~60%である遠位-近位方向の壁厚を有する。
【0303】
スペーサリブは、外壁の患者接触部分に加えられる変形力を変形領域に伝達するように配置された仕切り壁の補強セクションと重なっている。
【0304】
仕切り壁は、各流れ誘導部と外壁との間に配置されたそれぞれのブレース部材を含み、このブレース部材は、外壁とそれぞれの流れ誘導部との間の間隔を維持する。
【0305】
各ブレース部材は、1つ又は複数の鼻孔開口部と1つ又は複数の口腔開口部との間の外壁部分において外壁と接合している。
【0306】
各ブレース部材は、外壁部分と、且つ下部本体部分とのみ接合している。
【0307】
各ブレース部材は、外壁部分と、且つ下部本体部分及びステップ部とのみと接合している。
【0308】
各ブレース部材は、外壁部分と、且つ共通ブロックと接合している。
【0309】
各ブレース部材は、外壁部分と、且つ流れ誘導部のそれぞれのブロックと接合している。
【0310】
各ブレース部材の横幅は、流れ誘導部の横幅の20~70%である横幅を有する。
【0311】
ブレース部材は、多角形の輪郭を有する。
【0312】
ブレース部材は、台形の輪郭を有する。
【0313】
ブレース部材は、半円形の輪郭を有する。
【0314】
ブレース部材は、円セグメントの輪郭を有する。
【0315】
ブレース部材は、曲線輪郭を有する。
【0316】
スペーサリブとシールの壁部分との間、及び仕切り壁の外側部分間の仕切り壁の近位部分は、仕切り壁の外側部分の壁厚よりも大きい壁厚を有することができる。
【0317】
近位部分の壁厚は、外側部分の壁厚の少なくとも1.5倍であり得る。
【0318】
近位部分の壁厚は、外側部分の壁厚の1.5~8倍の範囲にあってもよい。
【0319】
近位部分の壁厚は、外側部分の壁厚の1.5~3倍の範囲にあってもよい。
【0320】
近位部分の壁厚は、スペーサリブと変形パネルとの間及び仕切り壁の外側部分間の仕切り壁の遠位部分の壁厚よりも大きくてもよい。
【0321】
近位部分の壁厚は、異なる位置では異なっていてもよい。近位部分の壁厚は、近位-遠位方向に若しくは横方向に、又は両方向に近位部分を横切って変化していてもよい。
【0322】
スペーサリブは、流れ誘導部の第2開口部の中心から遠位側に位置決めしてもよい。
【0323】
スペーサリブは、近位-遠位方向において、第2開口部を画定するリムの遠位部分と位置合わせしてもよい。
【0324】
仕切り壁の主部分は、近位-遠位方向に曲線輪郭を有していてもよい。
【0325】
曲線輪郭は、仕切り壁の主部分の実質的に横方向寸法全体にわたって延在していてもよい。
【0326】
曲線輪郭は、仕切り壁の近位及び遠位部分を通して延在していてもよい。
【0327】
曲線輪郭は、近位-遠位方向に、且つ鼻孔開口部に対して凹状であってもよい。
【0328】
近位部分及び遠位部分は、第2チャンバ内の仕切り壁の側におけるそれらの間の角度が180°未満であるように、近位-遠位方向に互いに相対的に傾斜した輪郭を有していてもよい。
【0329】
近位部分の輪郭は、曲線状であり得る。
【0330】
遠位部分の輪郭は、曲線状であり得る。
【0331】
近位部分の輪郭は、鼻孔開口部に対して凹状であり得る。
【0332】
遠位部分の輪郭は、鼻孔開口部に対して凹状であり得る。
【0333】
スペーサリブと変形領域との間、及び仕切り壁の外側部分間の仕切り壁の遠位部分は、仕切り壁の外側部分の壁厚よりも大きい壁厚を有することができる。
【0334】
遠位部分の壁厚は、外側部分の壁厚の少なくとも1.5倍であり得る。
【0335】
遠位側部分の壁厚は、外側部分の壁厚の1.5~8倍の範囲にあってもよい。
【0336】
遠位側部分の壁厚は、外側部分の壁厚の1.5~3倍の範囲にあってもよい。
【0337】
遠位部分の壁厚は、近位-遠位方向に変化していてもよい。
【0338】
遠位部分の壁厚は、横方向に変化していてもよい。
【0339】
遠位部分の壁厚は、近位部分の壁厚と同じであってもよい。
【0340】
遠位部分の壁厚は、近位部分の壁厚よりも大きくてもよい。
【0341】
遠位部分は、遠位部分の壁厚が、隣接する外側部分の方向において、又は隣接する変形パネルの方向において、それぞれの隣接する外側部分又は隣接する変形パネルと同じ厚さまで低減する、1つ又は複数のテーパ領域を含むことができる。
【0342】
テーパ領域のうちの1つ又は複数は、仕切り壁の第1チャンバに面する側に配置することができる。
【0343】
テーパ領域のうちの1つ又は複数は、仕切り壁の第2チャンバに面する側に配置することができる。
【0344】
テーパ加工領域のうちの1つ又は複数は、仕切り壁の第2チャンバに面する側に配置することができ、テーパ状領域のうちの1つ又は複数は、仕切り壁の第1チャンバに面する側に配置することができる。
【0345】
スペーサリブは、近位部分と遠位部分との間に配置されたテーパ領域を含むことができる。
【0346】
その又は各流れ誘導部のベースは、遠位部分の壁厚が1つ又は複数の流れ誘導部の本体部分の壁厚と一致する厚さまで低減する、テーパ状領域を含むことができる。
【0347】
遠位部分は、遠位方向に内向きにテーパ状になる横幅を有することができる。
【0348】
患者インタフェースは、それぞれの流れ誘導部の本体と仕切り壁との間のテザーを含むことができる。
【0349】
テザーは、それぞれの流れ誘導部の本体と仕切り壁との間の向きの変化に抵抗するように構成することができる。
【0350】
テザーは、それぞれの流れ誘導部のベースから離隔した本体上及び遠位部分上の位置で、本体を遠位部分に連結することができる。
【0351】
テザーは、本体及びベースに沿って流れ誘導部と接合することができ、ベースから、そのベースから間隔をあけた位置まで、遠位部分と接合している。
【0352】
テザーは、それぞれの流れ誘導部の本体と遠位部分との間に延在するリブであり得る。
【0353】
テザーは、流れ誘導部の遠位側に位置決めすることができる。
【0354】
テザーは、近位-遠位方向に向けることができる。
【0355】
テザーは、遠位方向における本体の延長部とすることができ、この延長部は、近位-遠位方向において、本体の他の部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する。
【0356】
延長部は、遠位部分の平面に対して平行な断面において、遠位方向の内向きにテーパ状になることができる。
【0357】
患者インタフェースは、変形パネルを第1弾性領域に接続する1つ又は複数のつなぎ材を含むことができる。
【0358】
変形パネルは、第1弾性領域から延在して、変形パネルが変形したときに主部分が内部に移動する間隙を画定することができ、その又は各それぞれのつなぎ材は、その間隙を横切って延在し、第1弾性領域及び変形パネルと接合している。
【0359】
間隙は、主部分と第1弾性領域との間に形成することができる。
【0360】
その又は各それぞれのつなぎ材は、外壁の鼻孔封止部に向かう遠位部分の移動に抵抗するように構成することができる。
【0361】
その又は各それぞれのつなぎ材は、第1弾性領域から離れる仕切り壁の移動を制限するように構成することができる。
【0362】
その又は各それぞれのつなぎ材は、変形パネル及び第1弾性領域と接続するパネルであり得る。
【0363】
パネル、圧縮下で潰れるように構成することができ、張力下で伸びに抵抗するように構成されている。
【0364】
パネルは、近位-遠位方向の圧縮下で潰れるように構成することができ、近位-遠位方向及び/又は鼻孔封止部に向かう方向の張力下で伸びに抵抗するように構成されている。
【0365】
パネルは、変形パネルの第1壁の壁厚と同じ壁厚を有していてもよい。
【0366】
パネルは、変形パネルの第1壁の壁厚よりも小さい壁厚を有していてもよい。
【0367】
その又は各つなぎ材は、変形パネルの第1壁に対して垂直であり得る。
【0368】
その又は各それぞれのつなぎ材は、遠位部分と第1弾性領域とを接続することができる。
【0369】
その又は各それぞれのつなぎ材は、遠位部分、変形パネル、及び第1弾性領域と接合することができる。
【0370】
その又は各それぞれのつなぎ材は、第1弾性領域と遠位部分に関連付けられた補強セクションとを接続することができる。
【0371】
その又は各それぞれのつなぎ材は、変形パネルと第1弾性領域とを接続することができる。
【0372】
つなぎ材は、口腔内に露出された自由縁部を含むことができる。
【0373】
自由縁部は、第1弾性領域と、変形パネル又は遠位部分、又は遠位部分に関連付けられた補強セクションとの間に延在する直線であり得る。
【0374】
その又は各それぞれのつなぎ材は、脆弱点を含むことができ、その脆弱点において圧縮力下でつなぎ材の潰れが誘発される。
【0375】
その又は各それぞれのつなぎ材は、脆弱点を含むことができ、遠位部分が第1弾性領域に向かって移動する際に、その脆弱点でのつなぎ材の潰れが誘発される。
【0376】
脆弱点は、その又は各それぞれのつなぎ材の壁厚の低減であってもよい。
【0377】
自由縁部は、第1弾性領域と、変形パネル又は遠位部分、又は遠位部分に関連付けられた補強リブとの間に延在することができ、自由縁部は、脆弱点を含む。
【0378】
自由縁部の脆弱点は、変形パネルと第1弾性領域との間に配置された切欠きであってもよい。
【0379】
切欠きはV字形状を有する。
【0380】
患者インタフェースは2つのつなぎ材を含むことができ、各つなぎ材は近位-遠位方向において遠位部分と位置合わせされている。
【0381】
患者インタフェースは2つのつなぎ材を含むことができ、各つなぎ材は近位-遠位方向においてそれぞれの外側部分と位置合わせされている。
【0382】
2つのつなぎ材は、近位-遠位方向において互いに平行であり得る。
【0383】
2つのつなぎ材は、遠位方向において互いから離れていってもよい。
【0384】
2つのつなぎ材は、遠位方向において互いに向かって近づいていってもよい。
【0385】
その又は各それぞれのつなぎ材の自由縁部は、それぞれの流れ誘導部まで延在していてもよい。
【0386】
その又は各それぞれのつなぎ材の自由縁部は、それぞれの流れ誘導部と一体化していてもよい。
【0387】
自由縁部は、それぞれの流れ誘導部のベースと一体化していてもよい。
【0388】
仕切り壁は、仕切り壁の少なくとも遠位部分にわたって延在し、変形パネルに隣接する、補強構造を含むことができる。
【0389】
補強構造は、仕切り壁の遠位部分と外側部分とにわたって延在することができ、変形パネルに隣接している。
【0390】
補強構造は、遠位部分及び外側部分の変形に抵抗するように構成することができる。
【0391】
補強構造は、その又は各流れ誘導部の遠位側にある位置で、遠位部分と外側部分とにわたって延在する側方補強リブであり得る。
【0392】
補強構造は、補強構造と変形パネルとの間に離隔して配置することができ、間隔は補強構造に沿って一定である。
【0393】
間隔は補強構造に沿って変化していてもよい。
【0394】
補強構造と変形パネルとの間の間隔は、遠位部分にわたって、側方部分にわたる補強構造と変形パネルとの間の間隔よりも大きくてもよい。
【0395】
補強構造と変形パネルとの間の間隔は、横方向に低減していてもよい。
【0396】
補強構造と変形パネルとの間の間隔は、中央位置で最大であってもよい。
【0397】
側方補強リブは、仕切り壁の第2チャンバに露出された側にあってもよく、又は仕切り壁の第1チャンバに露出する側にあってもよい。
【0398】
補強構造は、仕切り壁の第2チャンバに露出された側に第1側方補強リブを含むことができ、仕切り壁の第1チャンバに露出された側に第2側方補強リブを含む。
【0399】
第1及び第2補強リブは、近位-遠位方向において仕切り壁の各側に位置合わせすることができる。
【0400】
第1及び第2補強リブは、近位-遠位方向において仕切り壁の各側においてオフセットしていてもよい。
【0401】
第1補強リブのための変形パネルからの間隔は、第2補強リブのための変形パネルからの間隔と異なっていてもよい。
【0402】
第1補強リブのための変形パネルからの間隔は一定であってもよく、第2補強リブのための変形パネルからの間隔は変化する。
【0403】
第2補強リブのための変形パネルからの間隔は一定であってもよく、第1補強リブのための変形パネルからの間隔は変化する。
【0404】
側方補強リブは、側方補強リブの長さに沿って一貫した輪郭を有していてもよい。
【0405】
側方補強リブは、側方補強リブの長さに沿って変化する輪郭を有していてもよい。
【0406】
側方補強リブは、横方向において仕切り壁よりも上方で高さがテーパ状になる形状を有していてもよい。
【0407】
側方補強リブは、その又は各それぞれの流れ誘導部から離隔して配置することができる。
【0408】
側方補強リブは、その又は各それぞれの流れ誘導部に連結することができる。
【0409】
患者インタフェースは、第1チャンバ内にあり、遠位部分を外壁に接続する、1つ又は複数の変形領域つなぎ材を含むことができる。
【0410】
1つ又は複数の変形領域つなぎ材は、仕切り壁の反転を抑制するように構成することができる。
【0411】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、仕切り壁の第1チャンバに露出されている側と、シール部材の外壁との間に延在することができる。
【0412】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、外壁から遠位部分まで延在することができる。
【0413】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、変形パネルとその流れ誘導部又は流れ誘導部のうちのそれぞれの1つとの間の仕切り壁と接続することができる。
【0414】
その又は各変形領域つなぎ材は、変形パネルから離隔して配置することができる。
【0415】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、流れ誘導部から離隔して配置することができる。
【0416】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、流れ誘導部と変形パネルとの間の仕切り壁と接続することができる。
【0417】
各それぞれの変形領域つなぎ材は、流れ誘導部のそれぞれの1つと一体化していてもよい。
【0418】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、仕切り壁及び外壁から延在することができ、第1チャンバ内に自由縁部を有する。
【0419】
その又は各変形領域つなぎ材の自由縁部は、直線であり得る。
【0420】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、平坦な平面構造を有することができる。
【0421】
本インタフェースは、2つの変形領域つなぎ材を含むことができ、近位側の各それぞれの変形領域つなぎ材の近位面間の角度は、140°よりも大きい。
【0422】
近位側の各それぞれの変形領域つなぎ材の近位面間の角度は、160°よりも大きくてもよい。
【0423】
2つの変形領域つなぎ材は、遠位部分の離隔した位置まで延在していてもよい。
【0424】
2つの変形領域つなぎ材は、遠位部分の同じ位置まで延在していてもよい。
【0425】
2つの変形領域つなぎ材は、遠位部分において互いに向かって延在していてもよい。
【0426】
2つの変形領域つなぎ材は、補強セクションまで延在していてもよい。
【0427】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、外壁と接続する第1部分と、主部分まで延在して主部分と接続する第2部分とを含むことができる。
【0428】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、2つの接続点を有することができ、一方の接続点は主部分とのものであり、他方の接続点は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、遠位部分よりも下方の高さで外壁とのものである。
【0429】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、コード又はワイヤ又はケーブルであり得る。
【0430】
第1部分は、平坦な平面構造を有し、第2部分は、近位側において、第2部分が延在するそれぞれの位置における接線間の角度が140°~180°であるように湾曲していてもよい。
【0431】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、仕切り壁の最も低い位置よりも下方の高さまで延在していてもよい。
【0432】
その又は各それぞれの変形領域つなぎ材は、患者インタフェースの直立向きを考慮して、口腔開口部の最も高い位置よりも下方の高さまで延在していてもよい。
【0433】
変形領域つなぎ材は、遠位部分から、1つ又は複数の鼻孔開口部の最近位部分の遠位側に位置する位置で外壁まで延在していてもよい。
【0434】
自由縁部は、補強セクションの遠位側に位置する位置で外壁から延在していてもよい。
【0435】
自由縁部は、1つ又は複数の口腔開口部の遠位側に位置する位置で外壁から延在していてもよい。
【0436】
自由縁部は、離隔要素の遠位側に位置する位置で外壁から延在していてもよい。
【0437】
変形領域つなぎ材は、仕切り壁の主部分の近位-遠位方向における移動を可能にし、仕切り壁の反転を抑制するように構成することができる。
【0438】
流れ誘導部は、1つの流れ誘導部を通過するガス流量が、別の流れ誘導部を通過するガス流量よりも大きくなるように構成することができる。
【0439】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つは、ガス流に対する第1抵抗を有するように構成することができ、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものは、ガス流に対する第2抵抗を有するように構成され、ガス流に対する第1抵抗は、ガス流に対する第2抵抗よりも低い。
【0440】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第1開口部若しくは第2開口部、又は第1開口部及び第2開口部の両方は、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第1開口部若しくは第2開口部、又は第1開口部及び第2開口部の両方よりも大きくてもよい。
【0441】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第1開口部の面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第1開口部の面積に対する比は、1:1~1:0.1の範囲にあってもよい。
【0442】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第2開口部の面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第2開口部の面積に対する比は、1:1~1:0.1の範囲にあってもよい。
【0443】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第2開口部の面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第2開口部の面積に対する比は、1:0.33であってもよい。
【0444】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第2開口部の面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第2開口部の面積に対する比は、1:0.5~1:0.2の範囲にあってもよい。
【0445】
それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第1開口部と第2開口部との組み合わされた面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第1開口部と第2開口部との組み合わされた面積に対する比は、1:1~1:0.1の範囲にあってもよい。
【0446】
患者インタフェースは、流れ誘導部を1つのみ含むことができる。
【0447】
1つの流れ誘導部は、呼吸ガスの流れを一方の鼻孔に送達するように構成することができる。
【0448】
1つの流れ誘導部は、フラッシング流を生成するために呼吸ガスの加速された流れを送達するように構成することができる。
【0449】
1つの流れ誘導部は、一方の鼻孔にフラッシング流を送達することにより鼻腔内の死腔のフラッシングを可能にするように構成することができる。
【0450】
流れ誘導部は、上記で開示した流れ誘導部のうちの任意の1つの形態であり得る。
【0451】
流れ誘導部は、ガスの流れを、鼻孔開口部を通して患者の鼻孔のうちの一方に向けるように構成することができる。
【0452】
流れ誘導部の第2開口部は、患者インタフェースを通る中央平面から横方向にオフセットしていてもよい。
【0453】
流れ誘導部の第2開口部は、患者インタフェースを通る中央平面から横方向に離隔して配置してもよい。
【0454】
流れ誘導部の第1開口部は、患者インタフェースを通る中央平面から横方向にオフセットしていてもよい。
【0455】
流れ誘導部の第1開口部は、患者インタフェースを通る中央平面から横方向に離隔して配置してもよい。
【0456】
中央平面の反対側の仕切り壁は、中央平面に隣接する第1側方部分を含むことができ、第1側方部分は、第1壁厚を有するとともに、第1側方部分から横方向外向きに延在する第2側方部分を含み、第2側方部分は第2壁厚を有し、第1壁厚は第2壁厚よりも大きい。
【0457】
第1側方部分と第2側方部分との間の移行部は、流れ誘導部の最も外側側に(laterally-most)位置決めされた部分が中央平面から離隔して配置されている距離と実質的に同じ距離だけ、中央平面から横方向に離隔して配置してもよい。
【0458】
第1側方部分と第2側方部分との間の移行部は、流れ誘導部の最も外側側に位置決めされた部分が中央平面から離隔して配置されている距離よりも大きい距離だけ、中央平面から横方向に離隔して配置してもよい。
【0459】
第1側方部分と第2側方部分との間の移行部は、流れ誘導部の最も外側側に位置決めされた部分が中央平面から離隔して配置されている距離よりも小さい距離だけ、中央平面から横方向に離隔して配置してもよい。
【0460】
患者インタフェースは、患者の鼻孔の周囲を封止する1つ又は複数の鼻孔開口部を含むことができ、第1チャンバから鼻孔開口部まで、又は鼻孔開口部のうちの1つまで延在するチャネルを含み、このチャネルは、患者の鼻孔のうちの一方と整列するように構成され、1つの鼻孔開口部の残りの部分又は鼻孔開口部のうちの別のものは、患者の鼻孔のうちの他方と整列するように構成されている。
【0461】
チャネルは、患者の鼻孔のうちの他方からのガスが第2チャンバに流れ込むのを可能にするように構成することができる。
【0462】
チャネルは、チャネルからのガスが第2チャンバに流れ込むのを可能にするように構成してもよい。
【0463】
チャネルは、患者の鼻孔のうちの一方にのみガス流を送達するように構成してもよい。
【0464】
チャネルは、患者の鼻孔の両方にガス流を送達するように構成してもよい。
【0465】
チャネルは、それぞれの患者の鼻孔に第1及び第2ガス流を送達するように構成してもよく、第1及び第2ガス流は不均等である。
【0466】
第1ガス流量は、第2ガス流量より大きくてもよい。
【0467】
チャネルは、一部、仕切り壁と鼻孔開口部との間又は鼻孔開口部のうちの1つまで延在する周壁によって、一部、仕切り壁と鼻孔開口部から引っ込んだ位置との間に延在する仕切りによって、画定することができる。
【0468】
鼻孔開口部から仕切りの引っ込んだ位置により、患者インタフェースが患者に取り付けられたときに、チャネルからのガスが第2チャンバに流れ込むのを可能にすることができる。
【0469】
チャネルの断面積は、仕切り壁から鼻孔開口部まで、又は鼻孔開口部のうちの1つまで低減して、チャネルを通過するガスを加速することができる。
【0470】
チャネルは、仕切り壁から鼻孔開口部まで、又は鼻孔開口部のうちの1つまでテーパ加工されて、チャネルを通過するガスを加速することができる。
【0471】
チャネルの輪郭は、仕切り壁から鼻孔開口部まで、又は鼻孔開口部のうちの1つまで一定である。
【0472】
チャネル及び1つ又は複数の鼻孔開口部は、インタフェースが患者に取り付けられたときに、ガスのフラッシング流を第1鼻孔に送達するように構成することができ、このフラッシング流が、鼻腔のフラッシングを引き起こし、鼻腔を通ってフラッシングされたガスが、他方の鼻孔を通って、1つの鼻孔開口部の残りの部分又は鼻孔開口部のうちの別のものを通って、第2チャンバに流れ込むようにする。
【0473】
各変形領域つなぎ材は、仕切り壁から自由縁部まで低減する壁厚を有するパネルであり得る。
【0474】
その又は各それぞれの流れ誘導部は、ベースと、下部本体部分と、第2チャンバ内に開口する第2開口部を形成するリムと、下部本体部分とリムとの間に延在する移行部とを備えることができる。
【0475】
下部本体部分は壁厚を有することができ、リムは、下部本体部分の壁厚よりも小さい別の壁厚を有し、移行部はテーパ状の壁厚を含む。
【0476】
スペーサリブは、リムから離隔した位置で下部本体部分及び移行部と接合することができる。
【0477】
スペーサリブは、それぞれの流れ誘導部の第2開口部の中心を結ぶ想像線の遠位側に配置することができる。
【0478】
1つ又は複数の流れ誘導部のベース又は下部本体部分は、壁部分と接合することができる。
【0479】
流れ誘導部の内壁は、第2開口部に向かって内向きにテーパ状になり、第1開口部と第2開口部との間に内向きにテーパ状のチャネルを形成することができる。
【0480】
リムの壁厚は、仕切り壁の外側部分、遠位部分又は近位部分の壁厚よりも大きくてもよい。
【0481】
患者インタフェースは、以下を含むことができる。
(a)仕切り壁の第1チャンバに露出される側とシール部材の外壁との間に延在する1つ又は複数の変形領域つなぎ材、
(b)仕切り壁の主部分は、鼻孔開口部に対して近位-遠位方向に凹状の輪郭を有し、
(c)その又は各それぞれの流れ誘導部は、ベースと、下部本体部分と、第2チャンバ内に開口する第2開口部を形成するリムと、下部本体部分とリムとの間に延在する移行部とを備える。
【0482】
上記の開示、以下の説明及び特許請求の範囲を通して、「近位」及び「遠位」という用語並びにそれらの文法的変形は、それぞれの近位方向及び遠位方向への言及である。近位方向の言及は、患者インタフェースが患者に取り付けられた場合のように患者に向かう方向を示す。遠位方向の言及は、患者インタフェースが患者に取り付けられた場合のように患者から離れる方向を示す。これらの方向を、
図4、
図34及び
図40に示す。同じ方向性が、本明細書に開示する図面のすべて及び実施形態のすべてに適用される。「近位」及び「遠位」という用語の使用は、別段文脈上の指示がない限り、患者インタフェースが患者に取り付けられている状態を示すものとして解釈されるべきではない。
【0483】
第4態様の流れ誘導部は、第1、第2及び第3態様に関して概説した流れ誘導部の特徴のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。第4態様の流れ誘導部は、第1、第2及び第3態様に関して上記で開示したクッションモジュールと組み合わせることもできる。以下の説明は、上記で開示した第1、第2、第3及び第4態様の実施形態を含む。第4態様に関連する流れ誘導部の実施形態は、第1、第2及び第3態様に関連するクッションモジュールの実施形態と組み合わせることができることが理解されよう。さらに、第4態様の流れ誘導部は、第1、第2及び第3態様に関して概説した流れ誘導部の特徴のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。同じことが、以下の説明で説明する他のすべての特徴についても当てはまり、すなわち、後述する、上記で開示した態様のうちの1つに関連する実施形態は、上記で開示した同じ態様又は異なる態様に関して後述する他の実施形態のうちの任意のものと組み合わせることができる。
【0484】
上記開示、以下の説明及び特許請求の範囲を通して、「チャンバ」という用語は、容積部を囲む患者インタフェースの構造を意味するものとし、その構造は、1つ又は複数の呼吸ガス入口及び1つ又は複数の呼吸ガス出口を有する。
【0485】
上記開示、以下の説明及び特許請求の範囲を通して、「直立向き」という用語は、患者インタフェースの外側部の間の中央平面が垂直に向けられたとき、及び、中央平面上の壁部分の最遠位点と中央平面上の口腔開口部の口下点とが垂直に位置合わせされたときの、患者インタフェースの向きを意味するものとする。中央平面は、
図1の断面線A-Aの平面であり、
図30の断面線U-Uの平面でもある。
【0486】
さまざまな特徴について、1つ又は複数の態様に関連して上記に開示したが、1つの態様の1つ又は複数の特徴を他の態様と組み合わせて追加の実施形態に到達することができることが理解されよう。その結果、先行する記述における特徴の開示は、その特徴が、それらについて開示した態様に関して適用が限定されることを意味するものとして解釈されるべきではない。例えば、変形領域は、上述した任意の態様の患者インタフェースに組み込んでもよい。さらなる例として、上記に開示したハウジングは、先行する態様の任意の1つの患者インタフェースに組み込んでもよい。
【0487】
上記で開示した態様に対する序数の言及(例えば、第1、第2、第3)は、単に、態様を互いに区別する役割を果たすものである。序数の言及は、それら態様の重要性の順序として解釈されるべきではない。
【0488】
上記で開示した患者インタフェースの態様について、単に例としての役割を果たす実施形態を参照し、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0489】
【
図1】1つの実施形態による患者インタフェース及びガス導管コネクタの斜視図である。
【
図2】
図1の患者インタフェース及びガス導管コネクタの分解斜視図である。
【
図3】
図1の患者インタフェース及びガス導管コネクタの背面図である。
【
図4】
図1の線A-Aに沿った患者インタフェース及びガス導管コネクタの側断面図である。
【
図5】
図4の線B-Bに沿ったガス導管コネクタの断面図である。
【
図6】
図1の患者インタフェースの一部を形成するハウジングの正面平面図である。
【
図7】
図1の患者インタフェースのクッションモジュールの正面斜視図である。
【
図8】
図7の線C-Cに沿った患者インタフェースのクッションモジュールのみの斜視側断面図である。
【
図9】
図8の断面図においてDと記す領域の拡大図である。
【
図10】
図7の線E-Eに沿ったクッションモジュールの斜視断面図である。
【
図11】
図7の線F-Fに沿ったクッションモジュールの断面図である。
【
図12】代替的なクッションモジュールの斜視背面図である。
【
図14】
図13の断面図においてHと記す領域の拡大斜視図である。
【
図15】
図12のクッションモジュールにおける仕切り壁の下面図である。
【
図16】さらなる代替的なクッションモジュールの斜視背面図である。
【
図17】
図16のクッションモジュールの線J-Jに沿った側断面図である。
【
図18】
図17の断面図においてKと記す領域の拡大斜視図である。
【
図19】
図16のクッションモジュールの線L-Lに沿った別の側断面図である。
【
図20】
図16のクッションモジュールの線M-Mに沿った正面断面図である。
【
図21】
図16のクッションモジュールにおける仕切り壁の下面図である。
【
図22】
図21においてNと記す方向における仕切り壁の下側の拡大斜視図である。
【
図23】
図16のクッションモジュールの線P-Pに沿った上面断面図である。
【
図24】さらなる代替的なクッションモジュールの斜視背面図である。
【
図25】
図24のクッションモジュールの線Q-Qに沿った上面断面図である。
【
図26】
図24のクッションモジュールの線R-Rに沿った側断面図である。
【
図27】
図26の断面図においてSと記す領域の拡大斜視図である。
【
図28】
図24のクッションモジュールにおける仕切り壁の下面図である。
【
図29】
図21においてTと記す方向における仕切り壁の下面の拡大斜視図である。
【
図30】さらなる代替的なクッションモジュールの正面平面図である。
【
図31】
図30に示す代替的なクッションモジュールの側面平面図である。
【
図32】
図30に示す代替的なクッションモジュールの上面平面図である。
【
図33】
図30に示す代替的なクッションモジュールの背面平面図である。
【
図35】
図34の断面図においてWと記す領域の拡大図である。
【
図41】代替的な流れ誘導部及びスペーサリブを備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図42】
図41の代替的な流れ誘導部の形態の流れ誘導部とスペーサリブとを備えた
図32の拡大図である。
【
図43】別の代替的な流れ誘導部及び別の代替的なスペーサリブを備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図44】
図43の代替的な流れ誘導部及びスペーサリブを備えた、
図30の線AA-AAに沿った拡大断面図である。
【
図45】別の代替的な流れ誘導部及びスペーサリブを備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った上方からの斜視拡大断面図である。
【
図46】
図45の代替的な流れ誘導部を備えた、
図30の線AA-AAに沿った斜視拡大断面図である。
【
図47】別の代替的な流れ誘導部、スペーサリブ及び補強セクションを備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図48】
図47の流れ誘導部、スペーサリブ及び補強セクションを備えた、
図30の線BB-BBに沿った拡大断面図である。
【
図49】
図47の流れ誘導部、スペーサリブ及び補強セクションを備えた、
図30の線Y-Yに沿った拡大断面図である。
【
図50】別の代替的な流れ誘導部及び別の代替的なスペーサリブを備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図51】
図50の代替的な流れ誘導部及びスペーサリブを備えた、
図30の線AA-AAに沿った拡大断面図である。
【
図52】仕切り壁の代替的な近位部分及び遠位部分を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図53】仕切り壁の代替的な近位部分及び遠位部分を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図54】仕切り壁の代替的な近位部分及び遠位部分を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図55】流れ誘導部、スペーサリブを備えるとともに、
図54の近位部分及び遠位部分を備えた、
図31のクッションモジュールの線CC-CCに沿った断面の拡大斜視図である。
【
図56】さらに代替的な流れ誘導部を備えた、
図31のクッションモジュールの線DD-DDに沿った拡大断面図である。
【
図57】
図56の代替的な流れ誘導部を備えた、
図33のクッションモジュールの線EE-EEに沿った拡大断面図である。
【
図58】さらなる代替的な流れ誘導部を備えた、
図33のクッションモジュールの線EE-EEに沿った断面の拡大斜視図である。
【
図59】
図58の流れ誘導部を備えた、
図31のクッションモジュールの線CC-CCに沿った拡大断面図である。
【
図60】
図58の流れ誘導部を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図61】さらに代替的な流れ誘導部を備えた、
図33のクッションモジュールの線EE-EEに沿った断面の拡大斜視図である。
【
図62】
図61の代替的な流れ誘導部を備えた、
図30のクッションモジュールの線FF-FFに沿った断面の拡大斜視図である。
【
図63】
図61の流れ誘導部を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図64】さらなる代替的な流れ誘導部を備えた、
図30の線Y-Yに沿った断面の上面平面図である。
【
図65A-B】
図64の代替的な流れ誘導部及びスペーサリブを備えるとともに、仕切り壁の代替的な近位部分を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図66】
図64の代替流れ誘導部及びスペーサリブを備えるとともに、仕切り壁の近位部分及び遠位部分の代替構成を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図67】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、仕切り壁の代替的な遠位部分を備えた、
図30のシール部材のみの線HH-HHに沿った拡大断面図である。
【
図68】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、
図67の代替的な遠位部分を備えた、
図30のシール部材のみの線HH-HHに沿った拡大断面の下から見た斜視図である。
【
図69】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、
図67の仕切り壁の代替的な遠位部分を備えた、
図30のシール部材のみの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図70】
図64の代替的な流れ誘導部を備えるとともに、流れ誘導部テザーを備えた、
図30の線Y-Yに沿った断面の上面平面図である。
【
図71】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、
図70の流れ誘導部テザーを備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面を上方から見た斜視図である。
【
図72】
図64の流れ誘導部を備えるともに、変形パネルから延在するつなぎ材を備えた、
図30のシール部材のみの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図73】
図72のつなぎ材を備えた、
図30のシール部材のみの線BB-BBに沿った断面の斜視下面図である。
【
図74】
図72のつなぎ材を備えた、
図30のシール部材のみの線BB-BBに沿った断面の拡大下面平面図である。
【
図75】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、代替的なつなぎ材配置を備えた、
図30のシール部材のみの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図76】
図75の代替的なつなぎ材配置を備えた、
図30のシール部材のみの線BB-BBに沿った断面の斜視下面図である。
【
図77】
図75の代替的なつなぎ材配置を備えた、
図30のシール部材のみの線BB-BBに沿った断面の拡大下面平面図である。
【
図78】
図64の代替的な流れ誘導部を備えるとともに、補強構造を備えた、
図30の線Y-Yに沿ったクッションモジュールの断面の上面平面図である。
【
図79】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、
図78の補強構造を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図80】
図64の流れ誘導部を備えるとともに、変形領域つなぎ材を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図81】
図80の変形領域つなぎ材を備えた、
図30のクッションモジュールの線GG-GGに沿った断面図の下面平面図である。
【
図82】
図80の変形領域つなぎ材を備えた、
図30のシール部材のみの線GG-GGに沿った断面の斜視下面図である。
【
図83】代替的な流れ誘導部を備えるとともに、代替的な変形領域つなぎ材を備えた、
図30のクッションモジュールの線AA-AAに沿った拡大断面図である。
【
図84】
図83の流れ誘導部及び変形領域つなぎ材を備えた、
図30のクッションモジュールの線U-Uに沿った拡大断面図である。
【
図85】流れ誘導部の代替的な配置を備えた、
図30のクッションモジュールの線Y-Yに沿った断面の上面平面図である。
【
図86】
図85の流れ誘導部の配置を備えた、
図30のクッションモジュールの線GG-GGに沿った断面図の下面平面図である。
【
図87】
図85の流れ誘導部の代替的な配置を備えた、
図30のクッションモジュールの線Y-Yに沿った断面の上方から見た斜視図である。
【
図88】単一の流れ誘導部配置を備えた、
図30のクッションモジュールの線Y-Yに沿った断面の上面平面図である。
【
図89】
図88の単一の流れ誘導部配置を備えた、
図30のクッションモジュールの線GG-GGに沿った断面の下面平面図である。
【
図90】
図88の単一の流れ誘導部配置を備えた、
図30のクッションモジュールの線Y-Yに沿った断面を上方から見た斜視図である。
【
図91】口腔チャンバから鼻孔開口部までのチャネルを備えた、
図33のクッションモジュールの線LL-LLに沿った断面の上方からの斜視図である。
【
図92】
図91のチャネルを備えた、
図33のクッションモジュールの線KK-KKに沿った断面の拡大図である。
【
図93】
図91のチャネルを備えた、
図30のクッションモジュールの線BB-BBに沿った断面の下面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0490】
ここで、本発明の好ましい実施形態について、添付の図に示す特徴に対応する参照番号を含む以下の本文において説明する。可能な場合、異なる実施形態において同じか又は実質的に同様の特徴を識別するために、同一の参照番号を使用する。しかしながら、図の明確さを維持するために、各図にすべての参照数番号が含まれているとは限らない。
【0491】
上記で開示した患者インタフェースの態様を、
図1~
図4に示す概略的な形態の患者インタフェースの実施形態を参照して以下に詳細に説明する。後述する実施形態は、その概略的な形態の変形例である。しかしながら、態様の範囲は、その概略的な形態又は後述する具体的な実施形態を参照することによって限定されるべきではなく、その代わりに、態様は、鼻梁を横切って広がる患者インタフェース、フルフェイスマスク及びフルヘッドヘルメットを含む、同様に患者に加圧呼吸ガスを送達する他の形態の患者インタフェースに関連すると解釈されるべきであることが理解されよう。
【0492】
本明細書を通して用いる場合の「呼吸ガス」という用語は、ヒトの呼吸に使用されるガスを意味するものとする。本明細書を通して用いる場合の「吸入呼吸ガス」という用語は、呼吸周期の吸気期に吸い込まれる呼吸ガスを意味するものとする。この用語は、周囲空気、又は周囲空気と比較して上昇した湿度若しくは酸素濃度又はその両方を有する等、患者を治療するように調整された空気をその範囲に含む。本明細書を通して用いる場合の「吐出呼吸ガス」という用語は、患者の肺及び気道から吐き出される呼吸ガスを意味するものとする。したがって、それは、肺からの呼吸ガスを含み、このガスは、呼吸周期の呼気相の終わりに解剖学的死腔を占有する。
【0493】
図1~
図4を考慮すると、概略的な形態は、クッションモジュール20、フレーム30及び導管コネクタ40を含む患者インタフェース10を備える。導管コネクタ40は、クッションモジュールを、人工呼吸器、加湿器、流れ発生器又は壁供給源等の呼吸ガスの供給源に接続する、構造的構成要素を備える。この実施形態では、患者インタフェース10は、クッションモジュール20が弾性シール部材230及びハウジング210を備える鼻下マスクの形態である。弾性シール部材230とハウジング210とが、まとまって、クッションモジュール20の外壁288を形成している。
【0494】
図6にシール部材230なしで示すように、ハウジング210は、シール部材230に構造的支持を提供する実質的に剛性のプラスチック材料で形成されている。さらに、ハウジング210は、シール部材230をフレーム30及び導管コネクタ40に接続するインタフェースを提供する。
【0495】
ハウジング210は、フレーム30と接続するようなサイズ及び形状であるスリーブ220を含む。スリーブ220は、呼吸ガスを導管コネクタ40からクッションモジュール20の内部に通すことができる入口開口部292を形成している。スリーブは、フレーム30とハウジング210とが嵌め合わされたときにフレーム30のハウジング210との正しい位置合わせを確実にするようにフレーム30と相互作用するキー構造222を含む。
【0496】
ハウジング210は、その外周部にわたって外向きに突出する一連のタブ212を含む。タブ212の外端部は、タブ212のすべてにわたって連続して延びるビード214に連結され、それにより、タブ212とビード214との間に一連の不連続の外側オーバーモールド窓216を形成している。シール部材230は、一連の窓を充填するように弾性材料をハウジング210の上にオーバーモールドすることにより、ハウジングと一体的に形成されている。したがって、タブ212及びビード214は、弾性材料に埋め込まれ、シール部材230と機械的に噛み合わされる。したがって、シール部材230及びハウジング210は、一体型のクッションモジュール20構造を形成する。
【0497】
ハウジング210は、ハウジング210を貫通する一群のバイアス通気孔226をさらに含む。ハウジングは、一連の内側オーバーモールド窓218をさらに含み、この窓を通してまた、シール部材230はハウジング210とオーバーモールドされている。内側オーバーモールド窓218は、外側オーバーモールド窓216によって形成された外周部内にあるハウジング210の領域に位置している。バイアス通気孔226は、一方の側が外側オーバーモールド窓216によって、別の側が内側オーバーモールド窓218によって拘束されている。
図6に示すように、バイアス通気孔226は、外側オーバーモールド窓216及び内側オーバーモールド窓218によって包囲されている。シール部材230を形成するために使用される材料は、材料が固化又は硬化する前にハウジング210及び窓216、218の形状に適合するように、成形中に内側オーバーモールド窓216及び外側オーバーモールド窓218を通って流れる。窓216、218を通して材料が広がることにより、ハウジングとの機械的接続がもたらされる。窓216、218は、ハウジング210を完全に貫通して延在する開口部の形態をとることができる。
【0498】
シール部材230は、シリコーン等、軟質の弾性材料で形成され、口腔開口部232及び鼻孔開口部234を含む。患者に取り付けられると、口腔開口部232が患者の口を囲み、外壁の患者接触面290が口の周囲にシールを形成する。したがって、上昇した圧力での呼吸ガスを、口腔開口部232を介して患者に送達することができる。シール部材230には、鼻孔封止部分236が形成されており、その谷部に鼻孔開口部234が位置している。患者接触面290は、鼻孔封止部分236と、口腔開口部232と鼻孔開口部234との間に位置する壁部分276とを含む。鼻孔封止部分236は、患者の鼻の下側に接触し、患者の鼻孔とシールを形成するように配置され、それにより、上昇した圧力での呼吸ガスを、鼻孔開口部234を介して患者に送達することができる。鼻孔開口部234は、マスク10が取り付けられたときに患者の鼻孔と整列するように位置している。
【0499】
クッションモジュール20のこの実施形態は、単一の口腔開口部232及び単一の鼻孔開口部234を含むが、他の実施形態は、2つ以上の口腔開口部、2つ以上の鼻孔開口部、又は複数の口腔開口部及び複数の鼻孔開口部を含んでもよいことが理解されよう。別の図示しない実施形態では、クッションモジュールは、2つの鼻孔開口部234とともに単一の口腔開口部232を含む。
【0500】
クッションモジュール20は、第1チャンバ238及び第2チャンバ240を含む内部容積部を画定している。第2チャンバ240は、シール部材230の内部容積部の上方部分に位置している。第1チャンバ238は、クッションモジュール20の内部容積部の下方部分を構成している。第1チャンバ238及び第2チャンバ240は、仕切り壁242によって分離されている。第1腔は第1チャンバ238であり、第2腔は第2チャンバ240である。
図3及び
図4に示すように、口腔開口部232は、第1チャンバ238に関連付けられて、第1チャンバ238と患者の口との間の呼吸ガスの移送を可能にする。スリーブ220の入口開口部292もまた、第1チャンバ238に関連付けられている。鼻孔開口部234は第2チャンバと関連付けられて、第2チャンバ240と患者の鼻孔との間の呼吸ガスの移送を可能にする。バイアス通気孔226もまた、第2チャンバ240に関連付けられている。したがって、バイアス通気孔226は、呼吸ガスがクッションモジュールから外部環境に排出されるのを可能にする。この実施形態では、バイアス通気孔226は、呼吸ガスを周囲大気に排出する。
【0501】
仕切り壁242は、クッションモジュール20を内部で分割して、第1チャンバ238と第2チャンバ240とを画定している。仕切り壁242は、クッションモジュール20の内部容積部全体を横切って延在することにより、第1チャンバ238を第2チャンバ240から分離している。言い換えれば、仕切り壁242の外周部は外壁288と封止している。
図3及び
図7に、仕切り壁242が外壁288と当接する場所を概念的に示す当接線282を示す。特に、当接線282は、第1チャンバ238と第2チャンバ240との間を完全に横切って延在している。第1チャンバを第2チャンバから封止することは、第1チャンバと第2チャンバとの間の呼吸ガスの唯一の流れが流れ誘導部246を介することを意味する。そのため、仕切り壁242は第1チャンバ238を第2チャンバ240から封止する一方で、呼吸ガスが第1チャンバ238から第2チャンバ240に、一対の流れ誘導部246(
図8~
図11を参照)のみを介して流れるのを可能にする。
【0502】
クッションモジュール20の仕切り壁242は、広いU字形の横断輪郭を有する。これは、
図3及び
図7において、バイアス通気孔226の下方で、鼻孔封止部分236の両側の隆起部を横切り、壁部分276を横切って延在する、当接線282によって示す。U字形の輪郭により、仕切り壁242(及び流れ誘導部246)の幾分かの垂直移動が可能になり、それは、流れ誘導部246と(鼻孔封止部分236に変形力が加えられたときに同様に垂直に移動する)鼻孔開口部234との間隔を維持することに寄与して、流れ誘導部が患者に接触する危険性を低減させる。仕切り壁242の広いU字形の輪郭は、後述する後の実施形態では、より平坦な輪郭に置き換えられる。
【0503】
図8及び
図9は、仕切り壁242が、鼻孔開口部234と口腔開口部232との間で外壁288と封止していることを示す。壁部分276に関して言えば、これは、仕切り壁242が壁部分276の幅全体にわたって壁部分276と封止することを意味する。言い換えれば、仕切り壁242は、鼻孔開口部234から離隔した位置で外壁288と封止する。
図8及び
図9ではさらに、仕切り壁242が、鼻孔開口部234よりも口腔開口部232の近くで外壁288と封止することが分かる。言い換えれば、仕切り壁242と壁部分276との間のシールは、壁部分276の下半分に位置している。
【0504】
シール部材230の1つの設計上の考慮事項は、患者の快適性と治療性能とのバランスをとることを含む。治療性能は、患者インタフェースが患者に取り付けられたときに、この実施形態における流れ誘導部246等、呼吸ガスを鼻孔内に向ける流れ構造体が、それらの形状を保持し、正しく向けられたままであることを確実にすることによって改善される。患者インタフェースによっては、構造体を患者接触面290に連結するものがある。多くの場合、連結部は患者接触面290の鼻接触領域、すなわち鼻接触面にある。この実施形態では、仕切り壁242は、クッションモジュール20の内部容積部内でより低い位置に移動している。仕切り壁242を低く位置決めすることにより、仕切り壁242と外壁288との接合部が鼻接触面から離れるように移動する。これにより、患者の快適性が向上すると予期される。しかしながら、仕切り壁242は、流れ誘導部246の形状及び向きを保持するのに役立つ追加の支持構造があるように形成することができるため、治療性能を持続することができると予期される。これは、構造体が支持のために外壁288との接続にそれほど依存しないことを意味し、これが、クッションモジュール20の流れ誘導部246が外壁288とわずかな接触領域のみを有する理由である。仕切り壁246に組み込まれた追加の支持構造は、仕切り壁242の弾性を向上させ、外壁との接続部の弾性を向上させるが、仕切り壁242の位置が低くなる結果、仕切り壁242と外壁288との接続部が非常に敏感な鼻孔接触領域から離れる。仕切り壁242の外壁288との接合の位置がこのように移動することにより、鼻接触領域における接合部及び連結部と比較して、患者の快適性が向上する。すなわち、流れ誘導部246等の構造体と外壁288との連結部を減少させることにより、患者の顔面に圧点を形成する可能性がある外壁288との構造的接触点が少なくなるため、患者の快適性が向上する。使用中の患者インタフェース10によって影響を受ける顔面接触点は、鼻中隔及び人中等、非常に敏感な領域を含む。鼻孔開口部234と口腔開口部232との間に仕切り壁242の低い位置を採用することにより、患者の快適性が向上することが予期される。それはまた、クッションモジュール20の内部構造と患者接触面290との接触を減少させることによって向上することも予期される。さらに、第2チャンバ240の容積が大きくなることにより、第2チャンバ240内の構造体(流れ誘導部246等)が仕切り242壁によってさらに支持及び補強されることが可能になる。上述したように、他の実施形態では、流れ誘導部が外壁288から離隔して配置され、そのため、仕切り壁242が流れ誘導部とクッションモジュール20との間の唯一の連結部となることが予期される。
【0505】
流れ誘導部246は、仕切り壁242から第2チャンバ240内に延在している。他の実施形態では、流れ誘導部246は、仕切り壁242から第1チャンバ238及び第2チャンバ240内に、又は第1チャンバ238内のみに延在していてもよい。別の実施形態では、流れ誘導部246は、仕切り壁242のいずれの側からも延在しなくてもよい。例えば、仕切り壁242は、第1チャンバ238に及び第2チャンバ240にそれぞれ露出された仕切り壁242の表面間に流れ誘導部246を含むのに十分な壁厚を有することができる。
【0506】
流れ誘導部246は、第1チャンバ238から第2チャンバ240へのガス流路を画定するとともに、ガス流路を包囲している。各流れ誘導部246は、第1開口部250及び第2開口部252を有する本体248を備える。第1開口部250は第1チャンバ内に開口し、第2開口部252は第2チャンバ240内に開口している。これは、流れ誘導部246が、呼吸ガスが第1チャンバ238と第2チャンバ240との間を流れる唯一の通路であることを意味する。
【0507】
流れ誘導部246は、仕切り壁242の主部分244に配置されている。この実施形態では、各流れ誘導部246の本体248は、仕切り壁242と接合している。本体248のわずかなセグメントが、壁部分276において外壁288と接合している。結果として、仕切り壁242が外壁288と接合するとともに流れ誘導部246と接合することにより、且つ流れ誘導部246が外壁288と接合することにより、第1チャンバ238が第2チャンバ240から分離されることになる。他の実施形態では、仕切り壁242の外周部全体が外壁288と接合するように、各流れ誘導部246の本体248を外壁288から離隔して配置してもよい。別の言い方をすれば、各流れ誘導部246の本体248は、各流れ誘導部246が仕切り壁242の外周部から離隔して配置されるように、仕切り壁242の中央領域に位置してもよい。中央領域は、仕切り壁の中心と一致してもよく、又は仕切り壁の中心からオフセットしていてもよい。しかしながら、各実施形態において、第1チャンバ238は、仕切り壁242及び流れ誘導部246によって第2チャンバ240から分離されている。
【0508】
この実施形態では、シール部材230全体が一体成形され、ハウジング210上にオーバーモールドされている。仕切り壁242の外壁288とのこの一体成形により、気密継手が形成される。同じことが、流れ誘導部246が仕切り壁242と接合する場合にも適用される。
【0509】
第2開口部252は、呼吸ガスを、鼻孔開口部234の方に且つ鼻孔開口部234を通るように向けるように位置決めされている。これにより、呼吸ガスは、第1チャンバ238から第2開口部252を介して、鼻孔開口部234を通って患者の鼻孔に向けられる。このように向けられる呼吸ガスは、呼吸周期中の呼吸を補助し、患者の鼻腔内の解剖学的死腔のフラッシングに寄与する。流れ誘導部246によって鼻孔開口部234の方に向けられるガス流の少なくとも一部は、概して鼻孔開口部234を通って流れるが、向けられるガスの一部は鼻孔開口部234を通って流れない可能性があることが理解されるべきである。さらに、患者インタフェースの使用中のいくつかの時点では、向けられる呼吸ガスが、鼻孔開口部234を通って全く流れない場合もある。鼻孔開口部234を通るガス流は、ガス流量、ガス圧、及び呼吸周期における時点によって決まる。鼻孔開口部234を通って流れない流れ誘導部246からの向けられる呼吸ガス流は、第2チャンバ240を通ってバイアス通気孔226まで流れる。
【0510】
第2開口部252の位置及び形状は、第2チャンバ内への且つ鼻孔開口部234を通る呼吸ガスの流れに影響を与える。
図8~
図10に示す実施形態では、各流れ誘導部246は、第2チャンバ240内に第2開口部252を有し、第2開口部252は、鼻孔開口部234から離隔して配置されている。第2開口部252は、リム254の少なくとも一部分が鼻孔開口部234から実質的に一貫した間隔を有するように外形が付けられたリム254によって画定されている。鼻孔開口部234から実質的に一貫して間隔が空けられているリム254の部分は、少なくとも鼻孔開口部234と口腔開口部232との間の外壁288に隣接している。各第2開口部252のリム254は、リム252が流れ誘導部246の横方向内側で仕切り壁242から延在しているよりも、流れ誘導部246の横方向外側で仕切り壁242からさらに延在している。これは、リム254が流れ誘導部246の横方向外側で鼻孔開口部234から引っ込んでいるよりも、リム254が流れ誘導部246の横方向内側で鼻孔開口部234からさらに引っ込んでいることを意味する。各流れ誘導部246の横方向内側の方が仕切り壁242に対するリムの高さが低いことにより、第1チャンバ238から第2チャンバ240への呼吸ガスの流れが促進される。各流れ誘導部246の横方向外側の方が仕切り壁242に対するリムの高さが高いことにより、呼吸ガスを第1チャンバ238から第2チャンバ240を通って鼻孔開口部234を通るように向けるのが促進される。別の実施形態では、リム254は、断面においてリム254が凹状である、すなわち内向きに湾曲しているように、流れ誘導部246の横方向外側と流れ誘導部246の横方向内側との間の箇所で鼻孔開口部234から最も引っ込んでいる。
【0511】
鼻孔開口部234に対する第2開口部252の引っ込んだ位置により、第1チャンバ238からの過剰な呼吸ガス(口からの吐出呼吸ガスを含む)が第2チャンバ240に入り、バイアス通気孔226を通って患者インタフェース10の外部に排出されることが可能になる。鼻孔開口部234は、シール部材230の外壁288において、リム286によって画定されている。しかしながら、第2開口部252がリム254から引っ込んでいることを考慮すると、第2開口部252とリム286との間の間隔により、呼吸ガスが第1チャンバ238から第2チャンバ240に流れ、その後、バイアス通気孔226を通って周囲大気に流れ出ることが可能になる。これは概して、呼吸周期の呼気相の一部の間に生じる。例えば、患者が鼻から息を吐き出すとき(供給源から第1チャンバ238に送達された過剰な呼吸ガスが第2チャンバ240に流れ込む)。別の例では、患者が口から息を吐き出すときにも起こる(呼気ガスは口から第1チャンバ内に、その後、供給源から送達された過剰な呼吸ガスとともに第2チャンバ内に流れる)。鼻からの吸気中又は鼻腔死腔フラッシング中に時々、呼吸ガスは、第1チャンバ238から第2チャンバ240内に、その後、鼻孔開口部234を通って患者の鼻孔に流れ込む場合がある
【0512】
各流れ誘導部246の本体248は、下部本体部分256と上部本体部分258とを含む。本体248の全体的な輪郭は、第1開口部250と第2開口部252との間の方向に低減する断面積を有する。この実施形態では、本体248は、下部本体部分256及び上部本体部分258を含む。下部本体部分256は、第1開口部250から上部本体部分258にまで著しくテーパ状になっており、上部本体部分258は、下部本体部分256から第2開口部252までわずかにテーパ状になっている。しかしながら、他の実施形態では、上部本体部分258は、下部本体部分256の断面輪郭よりも小さい断面積を有してもよい。これは、本体248の段付き輪郭で具体化することができる。第1開口部250と第2開口部252との間の断面積の低減には、呼吸ガスの加速されたストリームを鼻孔に送達するように、呼吸ガスを鼻孔開口部234に向かって加速するという効果がある。さらなる実施形態では、各流れ誘導部の本体248は、第1開口部250と第2開口部252との間で一定の断面積を有していてもよい。
【0513】
この実施形態では、下部本体部分256及び上部本体部分258は、円錐形の輪郭を有する。代替実施形態では、上部本体部分258は、流れ誘導部が位置する仕切り壁に概して平行な断面において、円形、楕円形又は卵形の輪郭を有していてもよい。さらに、本体248は、流れ誘導部246が位置する仕切り壁242に概して直交する断面において、円錐形輪郭、テーパ状輪郭又は段付き輪郭を有していてもよい。
【0514】
図8~
図19に示す実施形態では、患者インタフェース10は、離隔して配置された2つの流れ誘導部246を含む。すなわち、2つの流れ誘導部246は、2つの別個の構造体を構成している。これらは、流れ誘導部246の各々を通る流路を画定する共通の壁を共有していない。流れ誘導部246は、第1チャンバ238からの呼吸ガスと、鼻孔開口部234を介して第2チャンバに入る鼻孔からの吐出呼吸ガスとが、第2チャンバに流れ込むことができる間隙によって、離隔して配置されている。各流れ誘導部246のリム254は、リム254が流れ誘導部246の間隙から離れている側で延在しているほどには、流れ誘導部246の間隙と同じ側では仕切り壁242から延在していない。この実施形態では、流れ誘導部246は、リム254の横方向外側が、流れ誘導部246からのガス流の方向を考慮すると鼻孔開口部234の横方向外側のリム286に隣接するように構成されている。より具体的には、リム254は、鼻孔開口部234の横方向外側のリム286の横方向内向きに位置している。しかしながら、他の実施形態では、リム254は、鼻孔開口部234の横方向外側のリム286の横方向外向きに位置していてもよく、又は、リム254の横方向外側は、流れ誘導部246からのガス流の方向を考慮すると、鼻孔開口部234の横方向外側のリム286と位置合わせしていてもよい。
【0515】
鼻孔開口部234の横方向外側に対して流れ誘導部246を離隔して配置することにより、外壁288との接触点が減少することに起因して、患者の快適性を向上させることが予期される。上記で説明したように、接触点が減少することにより、患者の顔面上の圧点の数が減少するか又はサイズが縮小する。さらに、接触点が横方向に間隔が空けられていることにより、敏感な鼻中隔及び人中領域から接触点が離れるように移動する。予期される快適性の向上は、治療に対するコンプライアンスの向上に寄与し、褥瘡を減少させるはずである。さらに、鼻孔開口部234に関する2つの流れ誘導部246の各々の横方向の位置により、流れ誘導部246が患者の鼻孔と整列し、したがって十分な流量を送達する可能性が向上することが考えられる。これは、流れ誘導部246の横方向に離隔した位置により、(鼻孔開口部234に対して中央に位置する)広い又は大きい鼻中隔を有する患者が流れ誘導部246から出る流れを妨げる可能性が低くなるためである。
【0516】
ビード262が、シール部材230の内面でリム286を取り囲んでいる。ビード262は、この実施形態では、
図4に示すように、壁厚が増大した領域を含む。リム286の厚さの増大により、リム286の抵抗が増大して、患者インタフェース10がガス源から高レベルの加圧呼吸ガスを受けたときに発生する可能性がある、別にブローアウトとして知られる、過度の外側への変形を防止する。リム286の厚さの増大により、患者インタフェース10が患者に取り付けられたときに生じる可能性がある望ましくない変形に対するリム286の抵抗も増大する。
【0517】
仕切り壁242は、第2チャンバ240及び鼻孔開口部234が閉塞される可能性を低減させるように優先的に変形するように構成されている。
【0518】
この実施形態では、仕切り壁242は、変形パネル294によって連結された、主部分244及び第1弾性領域268を含む。この実施形態では、第1弾性領域268は、リップの形状を有する。変形パネル294は、第1壁270及び第2壁272を備える。第1壁270は、第1弾性領域268から突出し(
図9参照)、第2壁272は、流れ誘導部246と第2壁272との間で主部分244から延在し、第1壁270と接合している。第2壁272は、第1壁270から主部分244まで延在する曲線輪郭を有する。
図9に、第1壁270及び第2壁272の変形していない形態を示す。
【0519】
変形パネル294は、第1弾性領域268を主部分244から構造的に切り離す。この切離しが生じるのは、変形パネル294が第1弾性領域268と主部分244との間の距離の低減に適応するためである。
【0520】
変形パネル294の変形は2段階で起こる。主部分244は、流れ誘導部246を含み、したがって、第1壁270及び第2壁272と比較して流れ誘導部246の領域では相対的に変形しにくい。したがって、変形パネル294は、主部分244の残りの部分よりも容易に変形する。変形の第1段階は、主部分244が第1弾性領域268に向かって変位するような力が患者接触面290に加えられることを含む。これにより、第1壁270は、第1弾性領域268との接続線を中心に、第1弾性領域268の下側に接触するか又は隣接するまで折り重なる。変形の第2段階では、主部分244が第1弾性領域268に向かって変位し続けると、第2壁272と主部分244のそのセクションとが座屈し、流れ誘導部246が第1弾性領域268に接触するか、又はそれに隣接して位置するまで、第1壁270の上を並進する。この座屈及び並進運動は、「ローリング」と称することができる。座屈は、第2壁272の湾曲のために起こる。この一連のたわみは、国際特許出願PCT/NZ202/050072号に、特に
図59A~
図59D及び関連する説明を参照して、示され説明されている。この国際出願の内容は、この参照により本明細書に援用されるため、これらの出願は単一の開示として読まれる。
【0521】
代替実施形態では、仕切り壁242は、変形パネル294の変形が上述した変形の第1段階に限定されるように構成してもよい。例えば、第2壁272を省略してもよく、又は第2壁のサイズを低減させるか、若しくは第2壁が「ローリング」運動を回避する変更された形状を有するようにしてもよい。さらなる代替形態では、第1壁270は、第1変形段階が第1弾性領域268に向かう主部分244のすべての変位に対して生じるように、第1弾性領域268からさらに延在してもよい。
【0522】
使用中、マスク10が取り付けられると、異なる顔面形状、ヘッドギアの選好及び圧力設定を考慮するように、患者接触面290に力が加えられる。これらの力、及び力が加わる位置は、異なる。しかしながら、上述した構成は、力及びたわみを変形パネル294に集中させて、予測可能な潰れ及び反発運動を提供する。好ましい変形可能領域を介して達成される予測可能な座屈パターンにより、マスク10は、シールに力が加えられたとき、シール部材230を形成するエラストマー材料に生じる結果として生じる変形及び圧縮が、鼻孔開口部234と流れ誘導部246からの第2開口部252とが妨げられないままである可能性が高いような方法で起こるように、設計することができる。さらに、鼻孔開口部234と第2開口部252との互いに対する位置決めは、変形中に実質的に維持される。この優先的変形がなければ、仕切り壁242の潰れは予測不可能であり、第2開口部252を通る流れが一貫しないか、又は、鼻孔開口部234及び/又は特許の鼻孔に対する第2開口部252の位置決めが一貫しないことになる可能性がある。これにより、達成される療法、快適性、取付手順において、及び全体的な性能において、同じ患者に対する使用間及び異なる患者間の両方で不整合がもたらされる。
【0523】
この実施形態の変形例では、シール部材230は、2つ以上の優先変形領域を有していてもよい。例えば、追加の優先変形領域を、仕切り壁242に組み込んでもよく、又は第2チャンバ240並びに/又は鼻孔開口部234及び第2開口部252がそれらの形状を実質的に保持するのを可能にする他の位置でシール部材230に組み込んでもよい。
【0524】
第1壁270及び第2壁272の形状及びそれらの厚さは、クッションモジュール20が患者インタフェースの適用及び使用に関連する広範囲の顔面形状及び変形力に適応することができるように選択される。しかしながら、顔面形状のスペクトルの両端に向かう所定の範囲の顔面形状に適合するように、異なるクッションモジュールを製造することも可能である。
【0525】
第1弾性領域268は、変形パネル294と比較してより高い弾性を提供するように、より大きい壁厚で形成されているが、これにより、シール部材230を形成するために単一の材料を使用することができる。しかしながら、シール部材230に力が加えられたときに変形パネル294が優先的に変形することを条件として、第1弾性領域268を代替手段によって堅くしてもよいことが理解されよう。例えば、第1弾性領域268は、より弾性の高い材料(異なるグレードのシリコーン又はプラスチック材料等)で形成してもよく、又は異なる構造を有してもよい。
【0526】
変形パネル294への変形力の伝達には、仕切り壁242に形成された1つ又は複数の補強セクション264が寄与する。この実施形態では、補強セクション264は、
図11に示すとともに、
図8及び
図9に断面で示すように、仕切り壁242の下側に位置する厚化壁セクションを含む。補強セクション264は、外壁288の壁部分276に連結する力拡散端部266を有するリブの形態をとる。力拡散端部266は、壁部分276の方向において外向きにテーパ状になっている。この拡散により、補強セクション264の接触領域が壁部分276のより広い領域にわたって分散される。これにより、力が拡散されるより広い接触点がもたらされる。壁部分276の可撓性を低下させることは、患者接触面290に硬い局所的な接触点を与えることにより、患者の快適性に影響を及ぼす。しかしながら、接触点を拡散させることによって、接触圧を低下させることにより、患者の快適性が向上する。補強セクション264は、壁部分276に加えられた力を仕切り壁242に向け、そこでたわみ力が変形パネル294によって吸収される。そうすることにより、補強セクション264は、鼻孔開口部234に対する仕切り壁242(及び流れ誘導部246)の位置を実質的に保持する。補強セクション264の効果を理解する別の方法は、補強セクション264が壁部分276に対して適所に主部分244を固定していると理解することである。これにより、外壁288の患者接触部分の変形中、(a)流れ誘導部246を通る、(b)鼻孔開口部234を通る、及び(c)第2チャンバ240を通る呼吸ガスの流れをほとんど妨げることなく、患者の治療を継続することができる。
【0527】
補強セクション264の機能は、スペーサリブ260(
図10)によって補助される。この実施形態では、スペーサリブ260は、両方の流れ誘導部246を接続し、補強セクション264(
図9参照)と重なる位置で主部分244に接続する、リブの形態を有する。スペーサリブ260は、各流れ誘導部246の上方へ一部延在している。この実施形態では、スペーサは仕切り壁から下部本体部分256の上方まで延在している。スペーサリブ260を流れ誘導部246に接続することにより、流れ誘導部246が補強され、変形に対して弾力性が高くなる。スペーサリブ260を各流れ誘導部246に接続することにより、一方の流れ誘導部246に加えられるいかなる力も他方の流れ誘導部246に伝達され広がることも確実になり、それにより、局所的な変形を低減させることができる。スペーサリブ260を流れ誘導部246に接続することにより、流れ誘導部246が内向き又は外向きに座屈する可能性も低減する。座屈の可能性が低減することは、使用時に、呼吸ガスの流れを鼻孔開口部234に向ける方向における流れ誘導部246の位置合わせを保持するのに役立つ。
【0528】
さらに、スペーサリブ260及び補強セクション264の位置は、壁部分276のたわみが、補強セクション264及びスペーサリブ260を通って伝わり、したがって、流れ誘導部246を壁部分276及び鼻孔開口部234の動きに追従させることを意味する。スペーサリブ260は、第2開口部252の互いに対する位置を維持する役割も果たし、変形中に第2開口部252が内向き又は外向きに潰れる可能性を低減させる。この実施形態では、スペーサリブ260は、流れ誘導部246の本体248と一体的に形成されている。しかしながら、他の実施形態では、スペーサリブ260は、流れ誘導部246の間に位置するが、流れ誘導部246には接合しなくてもよい。別法として、スペーサリブ260は、流れ誘導部246を接合してもよいが、主部分244に連結しなくてもよい。この配置は補強セクション264と重ならないが、スペーサリブ260は、依然として第2開口部252の相対的な間隔を維持するように作用する。別の代替形態では、スペーサリブ260又は補強セクション264を省略してもよい。流れ誘導部、及びスペーサリブ260又は補強セクション264のいずれかの構造は、主部分を変形に対して弾力性が高くなるようにするように作用し、そのため、スペーサリブ260又は補強セクション264の一方又は他方がなければ、変形力は優先変形領域に伝達されると期待される。したがって、流れ誘導部246は、変形力を受けたとき、それらの形状及び鼻孔開口部234に対する位置を保持することが期待される。
【0529】
クッションモジュール20が患者に呼吸ガスを送達し、過剰な呼吸ガスを除去し、吐出呼吸ガスを除去する方法は、国際特許出願PCT/NZ202/050072号明細書に、特に
図45~
図47及び関連する説明を参照して記載された方法と同様である。クッションモジュール20に関して要約すると、患者への呼吸ガスの供給は以下の通りである。解剖学的死腔のフラッシングを提供するために、加速された呼吸ガスのストリームが患者に送達される。これは、クッションモジュール20の第1チャンバ238に上昇した圧力で呼吸ガスを送達することを含む。第1チャンバ238は、呼吸ガスを、口腔開口部232を介して患者の口に、且つ流れ誘導部246を介して第2チャンバ240に供給する。第2チャンバ240は、鼻孔開口部234を介して患者の鼻孔に呼吸ガスを供給する。鼻孔に向かう呼吸ガスの流れは、流れ誘導部246を通して加速される。流れ誘導部246は、鼻孔開口部234に向かって断面積が低減している。そして、加速された呼吸ガスを、患者の鼻孔に送達することができる。加速された呼吸ガスの流れは、呼吸ガスが第1チャンバ238から口に送達されるのが可能となるのと同時に生じる。
【0530】
さらなる実施形態では、流れ誘導部246は、第2開口部252に向かって断面積を低減させないが、流れ誘導部246は、第1チャンバ238から流れ誘導部246に入るガスの制限により、依然として第1開口部250から第2開口部252に向かってガスを加速する。
【0531】
大まかに言えば、患者インタフェース10は、患者インタフェース10が患者に取り付けられ、患者の口が開いているときに、以下があるように動作する。
・第1チャンバ238から口腔開口部232を通って患者の口内に入り、続いて患者の口腔から鼻腔に入り、1つ又は複数の鼻孔開口部234を介して鼻孔のうちの一方又は両方から出て第2チャンバ240に入り、バイアス通気孔226を介して患者インタフェースから出る第1流路、及び
・第1チャンバ238から流れ誘導部246を通って第2チャンバ240に入り、バイアス通気孔226を通って患者インタフェースから出る第2流路。
患者インタフェース10が患者に取り付けられ、加圧ガスの流れが患者インタフェース10に供給されると、第1チャンバ238内に第1圧力P1が発生し、第2チャンバ240内に第2圧力P2が発生する。第2流路内に位置する流量制限と第2チャンバ240内に位置するバイアス通気孔226との組合せにより、第1チャンバ238内の圧力P1と第2チャンバ240内の圧力P2との間に圧力差が形成され、第2チャンバ240内の圧力P2は第1チャンバ238内の圧力P1よりも低い。この圧力差は、第1チャンバ238に供給された加圧ガスが、第1流路及び第2流路の両方を通って流れ、第2チャンバ240のバイアス通気孔226を介して患者インタフェースから出るようにすることを意味する。
【0532】
第1流路を通る流れに対する抵抗と第2流路を通る流れに対する抵抗とのバランスにより、患者インタフェース10に供給される加圧ガスの各流路を通る割合が決まる。
【0533】
第2流路は、患者インタフェース10に供給される加圧ガス流の少なくとも所望の最小部分が第1流路に沿って流れて患者インタフェース10から出る、第2流路の流量制限により、十分に高い流れ抵抗を有するように構成されている。これにより、少なくとも咽頭及び鼻腔における患者の解剖学的死腔のフラッシングがもたらされる。いくつかの実施形態では、第2流路の流れの制限(したがって、流れに対する所望の抵抗)は、流れ誘導部246の制限された断面によるものである。他の実施形態では、第2流路の流れに対する所望の抵抗をもたらすために、第2流路に沿った別の位置に制限を設けることができる。
【0534】
患者インタフェース10はまた、概して、患者の口が閉じられているとき、第1チャンバ238から流れ誘導部246を通り、1つ又は複数の鼻孔開口部234を通って患者の鼻孔の一方又は両方に入り、鼻腔に入る単一の流路のみがあり、その後、ガス流は減速し、流れ方向が反転し、ガスは、患者の鼻孔の一方又は両方を通って流れ、1つ又は複数の鼻孔開口部234を通って第2チャンバ240に入り、バイアス通気孔226を通って患者インタフェース10から出るように動作する。流れ誘導部246の断面が制限され、患者インタフェース10を通る単一の流路のために流れ誘導部246を流れるガスが大量であるため、流れはそこを通って加速され、その結果、1つ又は複数の鼻孔開口部234を介して患者の鼻孔に向けられるとともに鼻孔に入る噴射効果がもたらされる。この一方又は両方の鼻孔への噴射効果により、患者の解剖学的死腔のフラッシングがもたらされる。
【0535】
上記の説明は、患者インタフェース10の使用中に形成されるいくつかの流路について説明していることが理解されるべきである。呼吸が起こっていない解剖学的モデルに患者インタフェース10が取り付けられた場合、上記が観察されると考えられる。しかしながら、特に口又は鼻孔のいずれかでの呼吸中に、他の流路が形成される可能性がある。以下の説明は、呼吸周期中の所定の状況についていくつかのさらなる詳細を提供する。
【0536】
口を通して呼吸している間、第1チャンバ238への呼吸ガスの供給の大部分は、患者が口腔開口部232を介して吸い込む。一回換気流量要件を超過して第1チャンバ238に供給された一部の呼吸ガスは、第1チャンバ238から流れ誘導部246を通って流れる。流れ誘導部246を通るガス流の一部は、その後、患者の解剖学的鼻死腔をフラッシングするために、鼻孔開口部234を通って鼻孔に流れ込むことができ、一方、残りの流れは、第2チャンバ240に入り、バイアス通気孔226を介してクッションモジュール20から出る。さらに、又は流れ誘導部246を通る上述した流れの代わりに、一回換気流量要件を超過して第1チャンバ238に供給された呼吸ガスの一部が、口腔開口部232を通って患者の口内に流れ込み、口腔及び鼻腔を通って、患者の鼻孔から1つ又は複数の鼻孔開口部234を介して第2チャンバ240に流れ込み、その後、バイアス通気孔226を介して患者インタフェース10から流れ出て、解剖学的死腔のいくらかのフラッシングを引き起こす可能性がある。これは、上記で考察したように、第1チャンバと第2チャンバとの間に形成される圧力差に起因する。呼気中間、吐出呼吸ガスは、口から第1チャンバ238に流れ込み、そこで、第1チャンバ238に供給される新鮮な呼吸ガスと混合する。この吐出呼吸ガスと新鮮な呼吸ガスとの混合物は、その後、流れ誘導部246を通って流れ、流れ誘導部246を通るガス流の一部は、1つ又は複数の鼻孔開口部234を通って鼻孔内に流れ込み、患者の解剖学的鼻死腔をフラッシングし、一方、吐出呼吸ガス及び過剰な呼吸ガスの大部分は、流れ誘導部246を通って第2チャンバ240に流れ込む。第2チャンバ240への呼吸ガスの流れは、1つ又は複数の鼻孔開口部234のリム286に対する第2開口部252の引っ込んだ位置によって促進される。吐出呼吸ガス及び過剰な呼吸ガスは、その後、バイアス通気孔226を介して患者インタフェース10の第2チャンバ240から流れ出る。大部分の場合、口及び咽喉上部のフラッシングの大部分は、患者の口及び咽喉内の圧力が、第1チャンバに供給される呼吸ガスの圧力よりも低下する呼気及び/又は吸気周期の終わりに向かって発生し、低下した時点で、流れは口腔開口部232を介して患者の口腔に入り、患者の鼻腔を通って鼻孔を出て、1つ又は複数の鼻孔開口部234を介して第2チャンバ240に入り、それによって患者の鼻腔、口及び咽喉上部を新鮮な呼吸ガスでフラッシングする。
【0537】
口を閉じて鼻から呼吸している間、第1チャンバ238に供給された呼吸ガスは、流れ誘導部246を通って流れ、鼻孔の方に向けられる。呼吸ガスは鼻孔から吸い込まれる。一回換気流量要件を超える呼吸ガスは、流れ誘導部246から第2チャンバ240に流れ込み、その後、バイアス通気孔226を介して患者インタフェース10から流れ出る。呼気相の大部分の間、患者の鼻孔内の圧力が供給される呼吸ガスの圧力よりも高いため、呼吸ガスは鼻孔内に入ることができず、したがって、呼吸ガスは、第2チャンバ240に流れ込み、その後、バイアス通気孔226を介して患者インタフェース10から流れ出る。吐出呼吸ガスは、流れ誘導部246と鼻孔開口部234との間の間隙を介して第2チャンバ240に流れ込み、バイアス通気孔226を介して流れ出る呼吸ガスの流れに合流する。しかしながら、呼気相の終わりに向かって、鼻腔内の圧力が供給された呼吸ガスの圧力よりも低下すると、流れ誘導部246からの加速された呼吸ガスのストリームが鼻孔を貫通し、それにより、鼻腔及び咽喉上部の解剖学的死腔が新鮮な呼吸ガスでフラッシングされる。
【0538】
口を開けて鼻から呼吸している間、第1チャンバ238に供給された呼吸ガスは、流れ誘導部246を通って流れ、鼻孔の方に向けられる。呼吸ガスは、鼻孔開口部234を介して鼻孔から吸い込まれる。一回換気流量要件を超える一部の呼吸ガスは、流れ誘導部246から第2チャンバ240に流れ込み、その後、バイアス通気孔226を介して患者インタフェース10から流れ出る。口を開けた鼻からの呼気中、吐出呼吸ガスは、鼻孔開口部234を介して第2チャンバ240に入り、バイアス孔226を介して患者インタフェース10から出る。同時に、第1チャンバに供給された新鮮な呼吸ガスは、患者の口に入り、患者の鼻腔を通って鼻孔から出て、鼻孔開口部234を介して第2チャンバ240に入る。これにより、患者の口、咽喉上部及び鼻腔内の患者の解剖学的死腔が新鮮な呼吸ガスでフラッシングされる。さらに、呼気相の終わりに向かって、鼻腔内の圧力が、流れ誘導部246から出る呼吸ガスの圧力よりも低下すると、供給された呼吸ガスの一部が、流れ誘導部246を通って流れ、鼻腔に入ることができ、そのため、鼻腔及び咽喉上部の解剖学的死腔が新鮮な呼吸ガスでフラッシングされる。
【0539】
上述した死腔フラッシングは、患者の解剖学的死腔内の低酸素含有量の呼吸ガスを、次の吸気周期の開始時に肺に取り込まれるより高酸素含有量の呼吸ガスと置換する。低酸素含有量の呼吸ガスは死腔から第2チャンバ240内に押し出され、そこでバイアス流孔226を介して患者インタフェース10から出る。低酸素含有量(又は別の言い方をすれば、高CO2含有量)の呼吸ガスの患者インタフェース10内へのフラッシングは、低酸素含有量の呼吸ガスが次の呼吸周期の開始時に吸気に利用可能でないことを意味する。これは、一部には、加圧された呼吸ガスが第1チャンバ238に供給されることと、バイアス通気孔226が第2チャンバ240に位置して、患者インタフェース10を通る一定の一方向の流れがあり、これが、低酸素含有量の呼吸ガスを、バイアス孔226を介して第2チャンバ240から押し出すことにより患者インタフェース10から除去することとにより、可能になる。
【0540】
別の言い方をすれば、上述した死腔フラッシングは、患者の解剖学的死腔内の高二酸化炭素含有量の呼吸ガスを、次の吸気周期の開始時に肺に取り込まれるより低二酸化炭素含有量の呼吸ガスと置換する。高二酸化炭素含有量の呼吸ガスは、解剖学的死腔から第2チャンバ240内に押し出され、そこで、バイアス流孔226を介して患者インタフェース10から出る。高二酸化炭素含有量の呼吸ガスの患者インタフェース10内へのフラッシングは、高二酸化炭素含有量の呼吸ガスが次の呼吸周期の開始時に吸気に利用可能でないことを意味する。
【0541】
患者に補助酸素を提供することにより酸素濃度は上昇するが、解剖学的死腔に存在するCO2レベルは、解剖学的死腔を周囲空気でフラッシングするほどには必ずしも低下しない。その結果、この手法の利点が、患者インタフェース10に供給される呼吸ガスにおける補助酸素の必要なしに、転帰の改善を達成することができることになる。これは、補助酸素が不足している場合に特に有利である。これは、患者に補助酸素を供給することに関連する潜在的なリスクが、補助酸素の必要性をなくすか又は低減させることによって回避することができる点で、さらに有利である。さらに、患者の死腔から高二酸化炭素含有量の呼吸ガスを除去することで、肺内のガス交換を改善することができるため、その結果、この手法が、補助酸素のみでは達成することができない改善された転帰をもたらすことができることになる。
【0542】
クッションモジュール20の代替実施形態について以下に説明する。それらは、患者への呼吸ガスの送達、過剰な呼吸ガスの除去、及び呼気呼吸ガスの除去という点で、クッションモジュール20について上述したのと同様に機能する。
【0543】
上述した実施形態は、ガス源から第1チャンバ238に呼吸ガスを供給することと、少なくとも第2チャンバから呼吸ガスを排出することとを含む。呼吸ガスの供給及び排出のこの構成では、第1チャンバ238から第2チャンバ240に呼吸ガスが流れる。しかしながら、代替実施形態では、ガス源から第2チャンバ240への呼吸ガスの供給を受け、第1チャンバ238から呼吸ガスを排出するように、ハウジング210を再構成してもよい。この構成では、流れ誘導部246を介して第2チャンバ240から第1チャンバ238に呼吸ガスが流れる。後述するクッションモジュールの実施形態は、第1チャンバ238から第2チャンバ240へのガス流に関連するが、後述する、それらの実施形態の変形例を含むさまざまなクッションモジュールの実施形態にも同じことが適用される。すなわち、それらのクッションモジュールの実施形態は、第1チャンバ238から第2チャンバ240への、又は第2チャンバ240から第1チャンバ238へのガス流の方向で利用することができる。
【0544】
上記のシール部材230の説明は、特徴が成形プロセスによって一体的に形成されるという文脈であるが、特徴のうちの任意の1つ又は複数は、別個に形成し、その後シール部材230と組み立ててもよい。例えば、主部分244は、2つの離隔して配置された部分流れ誘導部を含む予め形成された流れ誘導部ユニットを受けるように適合された開口部を有するように形成してもよい。この組立方法を採用する一つの理由は、異なる材料からいくつかの特徴を形成するためであり得る。流れ誘導部ユニット例に関して、このユニットは、シリコーンで形成された場合の同じ構造よりも変形に対して大幅に高い抵抗を有する硬質プラスチック材料で形成することができる。さらなる例では、スペーサリブ260及び/又は補強セクション264をシール部材230とは別に形成し、後の段階で接合してもよい。
【0545】
図12~
図15に、クッションモジュール20のさらなる変形例をクッションモジュール1020として示す。クッションモジュール20の特徴と同じであるクッションモジュール1020の特徴は、同じ参照番号で示す。クッションモジュール20の特徴と同じでない特徴は、数字「1」を含む接頭辞を有する同様の参照番号で示す。
【0546】
クッションモジュール1020は、クッションモジュール10のそれぞれに開示したものと同じハウジング210、フレーム30及び導管コネクタ40と使用することができる。しかしながら、クッションモジュール1020は、流れ誘導部1246が、それを通る呼吸ガスの流れに対する抵抗を低下させるために、より大きい断面積を有する本体を有するという点で、クッションモジュール20と異なる。さらに、本体1248は、漏斗状の下部本体部分1256(
図13及び
図14を参照)を有するように形成されている。下部本体部分1256は、流れ誘導部1246が仕切り壁242から突出する程度の50%超を構成している。
【0547】
流れ誘導部1246間のスペーサリブ1260は、流れ誘導部1246を接続する凹状のブリッジがあるように形成されている。この形状により、患者の鼻、特に既知の非常に敏感な領域である患者の鼻中隔に接触するリスクが低減する。凹状の形状により、スペーサは各流れ誘導部1246の側部をさらに上方に延在することができ、したがって、流れ誘導部1246に対するより大きい安定化効果に寄与する。クッションモジュール20のスペーサリブ260は、流れ誘導部246が壁部分276と第2壁272との間にまたがる距離の中心からオフセットしている。対照的に、スペーサリブ1260は、その寸法の全範囲の中心又は中心の近くに位置している。スペーサリブ1260がより中心に位置することは、第2開口1252の間隔を維持するのに役立つ。より具体的には、より中心の位置により、壁部分276に変形力が加えられたときに流れ誘導部1246が互いに向かって潰れる傾向が低減する。
【0548】
さらなる相違は、補強セクション1264が壁部分276から離隔して配置されているということである(
図14及び
図15)。(クッションモジュール20のように)補強セクション264と壁部分276との間の接触点を除去することにより、壁部分1276の局所的な壁厚が低減し、したがって、患者の快適性が向上する。各流れ誘導部246の下部本体部分256は、変形力が壁部分276から主部分244を通って変形パネル294内に向けられるように、主部分244を十分に補強する。主部分244の補強により、補強セクション264が壁部分276と接続する必要性、又は補強セクション264が力拡散端部266を有する必要性がなくなる。
【0549】
図16~
図23に、クッションモジュール20のさらなる変形例をクッションモジュール2020として示す。クッションモジュール20の特徴と同じであるクッションモジュール2020の特徴は、同じ参照番号で示す。クッションモジュール20の特徴と同じでない特徴は、数字「2」を含む接頭辞を有する同様の参照番号で示す。
【0550】
クッションモジュール2020は、
図19、
図20及び
図22に見られるように、流れ誘導部2246が第2チャンバ240内の外壁288に連結されているという点で、クッションモジュール20とは異なる。これは、呼吸ガスが、一部は本体2248により、一部は外壁288により形成されるチャネルを通って流れることを意味する。本体2248が外壁288と当接する連結部は、
図16及び
図17において当接線2280によって概念的に示す。
図16及び
図17には、仕切り壁242と外壁288との間の当接線282も示し、そこでは、当接線2280が当接線282と交差していることがわかる。
【0551】
流れ誘導部2246は、鼻孔開口部234のリム286によって部分的に、且つリム2254によって部分的に画定される第2開口部2252を有する。リム2254は、
図17、
図18及び
図20に示すように、外壁288から延在し、鼻孔開口部234から引っ込んでいる。リム2254は、リム286から延在してもよく、又はリム2254とリム286が直接接触しないようにリム286から後退していてもよい。したがって、リム2254及び286によって画定される第2開口部2252は、鼻孔開口部234から引っ込んでいる。これにより、クッションモジュール20に関して上述したものと同じ呼吸ガス流効果、すなわち、第1チャンバ238からの呼吸ガスは、流れ誘導部2246を介して鼻孔内に又は第2チャンバ240に流れ込むことができるという効果が得られる。
【0552】
この実施形態では、流れ誘導部2246は、それぞれクッションモジュール20及び1020の流れ誘導部246及び1246よりもさらに離隔して配置されている。追加の間隔により、第2開口部2252が患者の鼻孔の横方向外側と一直線上に配置され、本体2248が外壁288に当接する接触点の間隔が広くなる。接触点の間隔が広くなることで、接触点を患者の鼻中隔から離れるように移動させることにより、患者の快適性が向上すると予期される。さらに、流れ誘導部2246は外壁に連結されているため、流れ誘導部が横方向内向きに潰れる可能性が低いために、(上述した実施形態のように)スペーサリブ260又は1260に相当するものが不要である。
【0553】
各流れ誘導部2246の本体2248は、鼻孔開口部234と口腔開口部232との間で外壁288に連結されている。より具体的には、各流れ誘導部2246の本体2248は、鼻孔開口部234で又はそれに隣接して外壁288に連結されている。
【0554】
流れ誘導部2246は離隔して配置され、本体2248の一部は、鼻孔開口部234の側方リム286の横方向外側で外壁288と接合し、本体2246の別の一部は、鼻孔開口部234の側方リム286の横方向内側と接合している。この形態では、各本体2248は、外側壁274a及び内側壁274bを有し、これらの壁は両方とも壁セクション276から延在し、壁セクション276から離れて互いに当接している。さらに、外側壁274a及び内側壁274bは、仕切り壁242から延在して外壁288と当接している。外側壁274aは、鼻孔開口部234のリム286が流れ誘導部2246のリム2254の一部を形成するように、鼻孔開口部234の側方リム286の横方向外側で外壁288と接合している。内側壁274bは、内側壁274bの一部が流れ誘導部のリム2254の一部を形成するように、鼻孔開口部234の側方リム286の横方向内側で外壁288と接合している。
【0555】
内側壁274bによって形成される第2開口部2252のリム2254は、鼻孔開口部234の側方リム286によって形成される第2開口部2252のリム286よりも仕切り壁242に近い。その結果、流れ誘導部2246の第2開口部は、一部、鼻孔開口部234によって画定されることになる。第2開口部2252のこの構成には、呼吸ガスが流れ誘導部2246から第2チャンバ240に流れ込む際に、呼吸ガスを横方向内向きに向けるという効果があり得る。
【0556】
代替実施形態では、流れ誘導部2246を、第1チャンバ238及び第2チャンバ240において外壁288に連結してもよい。さらなる代替実施形態では、本体2248を、鼻孔開口部234の、壁部分276とは反対側で外壁288に連結してもよい。
【0557】
クッションモジュール2020は、力拡散端部266を有する補強セクション264を含む。したがって、クッションモジュール20に関して上述した一次及び二次変形効果は、クッションモジュール2020にも同様に適用される。
【0558】
クッションモジュール2020は、流れ誘導部2246の本体2248が仕切り壁242と当接する追加の補強セクション2264を含む(
図17、
図18及び
図19を参照)。補強セクション2264は、それぞれの本体2248が仕切り壁242と当接する厚化フィレット部である。したがって、補強セクション2264は、本体2248の一方の側の外壁288から延びて、本体2248の他方の側の外壁288に戻る。補強セクション2264の位置は、壁部分276に加えられる変形力を、主部分244を通って変形パネル294内に向ける役割を果たす。したがって、変形力は、補強セクション2264を通り、流れ誘導部2246のベースの周りに向けられるため、流れ誘導部2246は、変形力が加えられたときにその形状を保持する可能性が高い。この構成では、補強セクション264は補強セクション2264と重ならない。
【0559】
図24~
図29に、クッションモジュール20のさらなる変形例をクッションモジュール3020として示す。クッションモジュール20の特徴と同じであるクッションモジュール3020の特徴は、同じ参照番号で示す。クッションモジュール20の特徴と同じでない特徴は、数字「3」を含む接頭辞を有する同様の参照番号で示す。
【0560】
クッションモジュール3020は、
図25及び
図29に見られるように、流れ誘導部3246が外壁288に連結されているという点で、クッションモジュール2020と同様である。これは、呼吸ガスが、一部は本体3248により、一部は外壁288により形成されるチャネルを通って流れることを意味する。本体3248が外壁288に当接する連結部は、
図24において当接線3280によって概念的に示す。
図26には、仕切り壁242と外壁288との間の当接線282も示し、そこでは、当接線3280が当接線282と交差していることがわかる。
【0561】
クッションモジュール3020は、鼻孔開口部234のリム286によって部分的に、且つリム3254によって部分的に画定される第2開口部3252を有する、流れ誘導部3246を含む。リム3254は、
図26及び
図27に示すように、外壁288から延在し、鼻孔開口部234から引っ込んでいる。リム3254は、リム286から後退している。この実施形態では、リム3254はビード262に接合している。しかしながら、他の実施形態では、リムは、ビード262に隣接する外壁288と接合することによって、さらに後退していてもよい。
図27に示すように、リム3254は、外壁288から離れるように延在している。このように、リム2254及び286によって画定される第2開口部2252は、鼻孔開口部234から引っ込んでいる。これにより、クッションモジュール20に関して上述したものと同じ呼吸ガス流の効果、すなわち、第1チャンバ238からの呼吸ガスが、鼻孔に又は第2チャンバ240に流れ込むという効果が得られる。
【0562】
クッションモジュール3020は、補強セクション264(
図28及び
図29に示す)が分岐した力拡散端部3266を有するという点で、クッションモジュール2020とさらに異なる。力拡散端部3266は、壁セクション276から離隔して配置されている。これは、壁セクション276を通しての患者による圧力体験を低下させることが予期される。分岐した力拡散端部3266は、大部分の患者において、人中及び/又は鼻中隔よりもわずかに広く広がるように形成されている。(莫大な範囲の顔面形状を、異なるサイズである一組の患者インタフェースによって適応することができることが理解されるであろう)。所与の患者インタフェースのサイズに対して、力拡散端部3266は、その患者インタフェース10のサイズが適している大部分の患者において、人中よりわずかに広く広がるように形成されている。分岐は、患者インタフェース10が取り付けられ、治療が適用されるときに、壁部分276を通して加えられる患者の人中への圧力を緩和すると予期される。さらに、分岐により2つの接触点があることにより、各接触点を通して加えられる力を半分にすることができることが理解されよう。これは、補強セクション264による点荷重が低減するため、壁セクション276の壁厚を低減させることができることを意味する。この実施形態では、壁部分276は0.7mmの壁厚を有する。他の実施形態は、本体3248と壁セクション276とが異なる壁厚を有していてもよい。
【0563】
追加の補強セクション3264は、本体3248が仕切り壁242に当接する場所に含まれる(
図26及び
図27を参照)。補強セクション3264は、この実施形態では外壁288まで延在していないが、他の実施形態では外壁まで延在してもよい。補強セクション3264の位置は、壁部分276に加えられる変形力を、主部分244を通って変形パネル294内に向ける役割を果たす。したがって、変形力は、補強セクション3264と重なる分岐した力拡散端部3266を通るように向けられる。これは、変形力が、補強セクション3264を通り、流れ誘導部3246のベースの周辺に伝達されるため、流れ誘導部3246が、変形力が加わったときにその形状を保持する可能性が高いことを意味する。
【0564】
図30~
図40に、クッションモジュール20のさらなる変形例をクッションモジュール4020として示す。クッションモジュール4020の特徴のうち、クッションモジュール20の特徴と同じものは同じ参照番号で示す。クッションモジュール20の特徴と同じでない特徴は、数字「4」を含む接頭辞を有する同様の参照番号で示す。
【0565】
この実施形態では、クッションモジュール4020は、仕切り壁4242と、流れ誘導部4246と、クッションモジュール20に関して上述した変形領域と同様の変形領域とを含む。すべてについて、以下により詳細に説明する。
【0566】
仕切り壁4242は、クッションモジュール4020を内部で分割して、第1チャンバ238と第2チャンバ240とを画定している。仕切り壁4242は、クッションモジュールの内部容積部全体を横切って延在することにより、第2チャンバ240から第1チャンバ238を分離している。言い換えれば、仕切り壁4242の外周部は、外壁288と封止している。
【0567】
クッションモジュール20の仕切り壁242と比較すると、仕切り壁4242は、外壁288の横方向に位置決めされた補強部分804と接合する、依然として湾曲しているが、より平坦な輪郭を有する。輪郭がより平坦であることにより、流れ誘導部4246の互いに向かう移動が減少する。その結果、仕切り壁4242は、流れ誘導部4246の潰れ又は座屈を減少させるように構成されることになる。いずれの場合も、仕切り壁4242は、流れ誘導部4246の互いの方に内向きに向かう潰れ又は座屈を減少させるように構成されている。
【0568】
より具体的には、本実施形態の仕切り壁4242は、仕切り壁242よりも平坦な横断輪郭を有する。
図30、
図31及び
図33に示すように、仕切り壁4242が外壁288と接合する位置を、当接線4282によって示す。当接線4282は、バイアス通気孔226の下方で壁部分276を横切って延在し、ハウジング210の最上部を横切って延在する線と連続する想像線に沿ってクッションモジュール4020の側面にわたって延在している。
【0569】
図34において、仕切り壁4242が、壁部分276の遠位側に配置された流れ誘導部4246を含み、流れ誘導部4246の遠位側に変形パネル294が配置されていることが分かる。変形パネル294は、クッションモジュール20に関して上述した変形パネル294と同じであり、壁部分276に加えられる変形力の影響下で制御された潰れという点で同じように動作する。これは、クッションモジュール4020の変形パネル294が、流れ誘導部4246及び主部分244よりも優先して変形するように構成されていることを意味する。仕切り壁4242は、流れ誘導部4246の横方向外向きに配置され、外壁288と接合する、外側部分800を含む。外側部分800は変形領域の近位側にある。この実施形態では、変形領域は、外側部分800にも優先して変形するように構成されている。
図36に示すように、外側部分800は、外壁288の最上部から離隔した位置で外壁288に接合している。この特定の実施形態では、外壁288と接合する外側部分800の高さは、外壁288の最上部の高さよりも大幅に下方である。より具体的には、外側部分800は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、鼻孔開口部234の最も低い位置の少なくとも一部は上方に、一部は下方に延在する線(すなわち、当接線4282)に沿って外壁288に接合し、当接線4282は、鼻孔開口部234の最も高い位置よりも上方には延在しない。
【0570】
しかしながら、別の実施形態では、外側部分800は、鼻孔開口部234の最も低い位置よりも下方の高さで外壁288に接合してもよい。さらなる実施形態では、外側部分800の一部は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、鼻孔開口部234の最も高い位置と最も低い位置との間に延在し、鼻孔開口部234の最も高い位置よりも上方には延在しない線に沿って、外壁288に接合する。さらなる代替実施形態では、外側部分800の一部は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、鼻孔開口部234の最も高い位置の上方に延在する線に沿って外壁288と接合する。別の代替実施形態では、外側部分800は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、流れ誘導部4246の最も高い位置よりも低いか又はそれと実質的に等しい高さで外壁288と接合する。
【0571】
仕切り壁の横断輪郭がより平坦である結果として、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、外壁288と接合する外側部分800の傾斜は、水平であるか、又は水平面に対して鋭角である。より具体的には、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、外壁288と接合する外側部分800の傾斜は、水平面に対して45°未満、30°未満又は15°未満である。大部分の実施形態では、外側部分800は、外壁288と接合して、外壁の内面と鈍角をなす角度を第2チャンバ240内に形成する。
【0572】
シール部材4230は、シール部材4230の変形に抵抗し、それによりシール部材4230の形状を維持するのに役立つ、補強部分804(
図36)を含む。補強部分804は、外壁288の他の部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する部分を含む。外側部分800は、少なくとも一部、外壁288の患者接触面290の壁厚よりも大きい壁厚を有する外壁288の補強部分804と接合する。例えば、外側部分800は、ハウジング210とオーバーモールドされたシール部材4230の補強部分804と接合する。外側部分800をシール部材4230のこのオーバーモールドされた補強部分804と接合することは、患者接触面290に加えられる変形力を、シール部材4230のオーバーモールドされた補強部分804等の補強部分804に伝達することにより、仕切り壁4242の形状を保持するのに役立つ。
【0573】
他の実施形態と同様に、クッションモジュール4020は、第1チャンバ238及び第2チャンバ240を含む内部容積部を画定している。第2チャンバ240は、シール部材4230の内部容積部の上方部分に位置している。第1弾性領域268は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、バイアス通気孔226よりも高いか又はそれと等しい高さに位置決めされている。仕切り壁4242は、鼻孔開口部234と口腔開口部232との間のほぼ中間で壁部分276と接合している。別法として、仕切り壁4242は壁部分276の上半分で壁部分276と接合してもよい。
【0574】
図34~
図40は、流れ誘導部4246を示す。流れ誘導部4246は、第1チャンバ238と第2チャンバ240との間のガス流を可能にする。各流れ誘導部4246は、仕切り壁4242と接合し、第1チャンバ238への第1開口部4250を画定するベース806と、ベース806から延在する本体4248と、ベース806から離れたリム4254とを有する。リム4254は、第2チャンバ240内に開口する第2開口部4252を画定している。他の実施形態と同様に、ガス流チャネル812は、ベース806の第1開口部4250からリム4254の第2開口部4252まで延在している。
【0575】
この実施形態及び他の実施形態は、本体4248が仕切り壁4242から第2チャンバ240内に延在していることを示すが、流れ誘導部4246の他の構成を採用してもよいことが理解されよう。そうした構成の一例は、本体4248の少なくとも一部が第1チャンバ238内に延在することを含む。言い換えれば、本体4248は、一部、仕切り壁4242から下向きに、第1チャンバ238内に延在し、また、一部、仕切り壁4242から上向きに、第2チャンバ240内に延在する。ベース806は、この構成では、本体4248を仕切り壁4242に接合している。これは環状形態を有し、そこから下部本体部分4256が第1チャンバ238内に延在している。下部本体部分4256は、第1チャンバの第1開口部4250を含む。上部本体部分4258は、ベース806から第2チャンバ240内に延在し、第2開口部4252を含む。この構成は、上記の実施形態で説明した特徴及び以降の実施形態で説明する特徴のうちの任意のものと組み合わせることができる。別の実施形態では、流れ誘導部4246は、仕切り壁4242の両側から延在していなくてもよい。例えば、仕切り壁4242は、第1チャンバ238に及び第2チャンバ240にそれぞれ露出された仕切り壁4242の表面の間に流れ誘導部4246を含むのに十分な壁厚を有してもよい。
【0576】
図34、
図35及び
図39は、各流れ誘導部4246の本体4248が、ベース806とリム4254との中間にある移行部を含むことを示す。移行部802は、上部本体部分4258から下部本体部分4256を線引きしている。下部本体部分4256は、ベースから移行部まで延在している。上部本体部分は、移行部からリム4254まで延在している。この実施形態では、移行部は少なくとも一部、段状部802を含み、上部本体部分4258は、段状部802からリム4254まで延在している。段状部802は、流れ誘導部4246の外側に形成されている。上部本体部分4258は、下部本体部分4256の壁厚よりも小さい壁厚を有する。したがって、段状部802は、上部本体部分4258及び下部本体部分4256の異なる壁厚を接合している。段状部802は、流れ誘導部4246の周囲全体にわたって延在している。したがって、下部本体部分4256から上部本体部分4258まで、流れ誘導部4246の壁厚には段状変化がある。流れ誘導部4246の壁厚の段状変化は、流れ誘導部4246の内面が平滑であるように、流れ誘導部4246の外面に生じる。上部本体部分4258は、段状部802から延在している。上部本体部分4258は、鼻孔開口部234から離隔して配置されたリム4254で終端している。上部本体部分4258は、下部本体部分4256の壁厚よりも小さい壁厚を有する。上部本体部分4258の壁厚の方が薄いことにより、上部本体部分4258が容易に変形可能となり、したがって、上部本体部分4258が患者の鼻に接触しても、患者にとって不快感が低減する。下部本体部分4256の壁厚の方が大きいことにより、変形力の影響下での潰れ又は座屈に対する流れ誘導部4246の抵抗が増大する。壁厚は、壁部分276に加えられる変形力が流れ誘導部4246の周りの仕切り壁4242を通って変形パネル294内に伝達されるように、変形に対する抵抗を増大させるように選択される。このように、変形パネル294は、流れ誘導部4246に優先して変形し、したがって、流れ誘導部4246は、変形力が加えられたときに、その形状を保持し、第1チャンバ238と第2チャンバ240との間で所望の流量のガスを移送する能力を保持する可能性が高くなる。言い換えれば、流れ誘導部4246は、変形力が加えられたときに閉塞する可能性が低くなる。
【0577】
図35及び
図36に示すように、段状部802は、仕切り壁4242に対して傾斜している。段状部802は、流れ誘導部4246の遠位側では仕切り壁4242から遠く、流れ誘導部4246の近位側では仕切り壁4242に近い。さらに、段状部802はまた、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、患者インタフェース10を通る垂直中央平面に向かって横方向内向き方向において下向きに傾斜している。これは、段状部802が、流れ誘導部4246の横方向内側の仕切り壁4242からよりも、流れ誘導部4246の横方向外側の仕切り壁4242からの方が遠いことを意味する。段状部802の横方向及び近位方向の傾斜により、段状部802と鼻孔開口部234との間の実質的に一定の間隔が提供される。
【0578】
上部本体部分4258は、流れ誘導部4246の周囲で一定の距離だけ段状部802から延在している。これは、リム4254が段状部と同じ傾斜を有することを意味する。すなわち、リム4254、したがって第2開口部4252は、リム4254と鼻孔開口部234との間に実質的に一定の間隔を提供する傾斜を有する。しかしながら、先に開示した他の実施形態と比較して、リム4254は、鼻孔開口部234からさらに後退している。後退の増大により、患者によって口から吐出される呼吸ガス等の、第1チャンバ238から第2チャンバ240へのガス流がさらに促進される。患者の鼻孔を介して吐出される呼吸ガス等、鼻孔から鼻孔開口部234を介する第2チャンバ240へのガス流もまた促進される。
【0579】
図示する実施形態では、段状部802は、流れ誘導部4246の周りの実質的に全体にわたって延在している。しかしながら、移行部は、流れ誘導部4246の一部のみにおいて段状部802を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、段状部802は、流れ誘導部4246の少なくとも遠位側の周りに延在していてもよい。他の実施形態では、段状部802は、流れ誘導部4246の遠位側及び横方向外側の周りに延在していてもよい。
【0580】
この実施形態では、下部本体部分4256の半径方向の壁厚は、流れ誘導部4246の周りで周方向に一定である。上部本体部分4258の半径方向の壁厚も、流れ誘導部4246の周りで周方向に一定である。これは、段状部802が、下部本体部分4256から上部本体部分4258まで、流れ誘導部4246の周りで一定の壁厚変化を有することを意味する。しかしながら、他の実施形態では、下部本体部分4256の半径方向の壁厚は、流れ誘導部4246の長手方向軸を考慮して、流れ誘導部4246の周囲で変化してもよい。さらなる実施形態では、下部本体部分4256の半径方向の壁厚は、流れ誘導部4246の周りで周方向に変化してもよい。別法として、下部本体部分4256の半径方向の壁厚は、ベース806からのリム4254の間隔に応じて変化してもよい。例えば、下部本体部分4256の半径方向の壁厚は、リム4254のベース806からの間隔が小さい場所よりも、リム4254のベース806からの間隔が大きい場所の方が、大きくてもよい。別の例として、リム4254とベース806との間の間隔が最も小さい場所では、下部本体部分4256の半径方向の壁厚が最も小さく、リム4254とベース806との間の間隔が大きくなるに従い、半径方向の壁厚が大きくなる。下部本体部分4256に対して上部本体部分4258の半径方向の壁厚が低減することにより、上部本体部分4258はより高コンプライアンスになり、したがって、鼻が上部本体部分4258に接触した場合に患者による不快感体験が減少する。
【0581】
仕切り壁4242は、
図34~
図36に示すように、流れ誘導部4246の本体4248の間に配置されたスペーサリブ4260をさらに含む。スペーサリブ4260は、リム4254から離隔した位置で本体4248と接合している。この実施形態では、スペーサリブ4260は、流れ誘導部4246間の仕切り壁4242から延在し、ベース806、下部本体部分4256、段状部802及び上部本体部分4258と接合しているが、リム4254からは離隔して配置されている。スペーサリブ4260を、リム4254から離隔して、したがってリム4254の鼻孔開口部からの間隔よりも鼻孔開口部から離れて配置することにより、使用中に患者の鼻がスペーサリブ4254に接触する可能性が低減する。スペーサリブ4260は、流れ誘導部4246の長手方向軸と交差する平面に配置される。したがって、スペーサリブ4260は、流れ誘導部4246の近位側と遠位側との中間に配置されている。
【0582】
図35に示すように、スペーサリブ4260は、逆U字形の輪郭を有する。スペーサリブ4260は、流れ誘導部4246を補強し、内向きに又は外向きに座屈することに対してより弾力的であるようにする。座屈の可能性を低減させることは、使用時に、呼吸ガスの流れを鼻孔開口部234に向ける方向において流れ誘導部246の位置合わせを保持するのに役立つ。さらに、スペーサリブ4260及び補強セクション4264の位置は、壁部分276のたわみが、スペーサリブ4260及び補強セクション4264を通って伝達され、したがって、流れ誘導部4246を、壁部分276及び鼻孔開口部234の動きに追従させることを意味する。
【0583】
スペーサリブ4260は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、概して直立向きを有する。仕切り壁4242が壁部分276から変形パネル294に向かって下向きに傾斜していることを考慮すると、スペーサリブ4260は仕切り壁4242に対して傾斜している。すなわち、スペーサリブ4260は、その近位側で仕切り壁4242に鋭角に接合している。スペーサリブ4260は、流れ誘導部4246とのフィレット形状の移行継手を含む。これにより、スペーサリブ4260からベース806へ及び流れ誘導部4246の本体4248への平滑な移行部802が提供される。
【0584】
遠位-近位方向におけるスペーサリブ4260の厚さは、流れ誘導部4246の壁厚よりも著しく大きい。より具体的には、スペーサリブ4260は、流れ誘導部4246の最大幅寸法の5~20%、20~40%、又は40~60%である遠位-近位方向の壁厚を有する。
【0585】
スペーサリブ4260(
図35、
図36及び
図38)は、流れ誘導部4246のそれぞれの第1開口部4250の間の仕切り壁4242の下側に配置された補強セクション4264と重なっている。補強セクション4264は、仕切り壁4242の厚化セクションを含む。補強セクション4264は、遠位-近位方向に延在している。さらに、壁部分276から、且つ変形パネル294から離隔して配置されている。補強セクション4264は、壁部分276と変形パネル294との間の領域において仕切り壁4242の剛性を向上させ、したがって、壁部分276に加えられる変形力を流れ誘導部4246の周りで変形パネル294まで伝達するのに寄与する。したがって、補強セクション4264は、鼻孔開口部234に対する仕切り壁4242(及び流れ誘導部4246)の位置を保持するのに役立つ。言い換えれば、補強セクション4264は、壁部分276に対して仕切り壁を適所に固定するのに役立つ。これにより、外壁288の患者接触面290の変形中、(a)流れ誘導部4246を通る、(b)鼻孔開口部234を通る、及び(c)第2チャンバ240を通る呼吸ガスの流れをほとんど妨げることなく、患者の治療を継続することができる。
【0586】
補強セクション4264は、仕切り壁4242の他の部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する仕切り壁4242の部分808、810によって、壁部分276から変形パネル294まで変形力を伝達するのが補助される。部分808、810は、それぞれ、流れ誘導部4246の近位側及び遠位側である。いくつかの実施形態では、近位部分808及び遠位部分810は、それぞれ、スペーサリブ4260の近位側及び遠位側である。いくつかの実施形態では、近位部分808及び遠位部分810は、それぞれ流れ誘導部4246の近位側及び遠位側である仕切り壁4242のそれぞれの部分を含む。近位部分808は、仕切り壁4242の外側部分800の間にある。別法として、近位部分は、流れ誘導部4246の間にあってもよい。遠位部分810は、仕切り壁4242の外側部分800の間にある。スペーサリブ4260を含まない実施形態の場合、近位部分808及び遠位部分810は、それぞれ、流れ誘導部4246のそれぞれの第2開口部4252の中心を通る想像線の近位側及び遠位側である。遠位部分の壁厚は、補強セクション4264の壁厚を除いた壁厚によって表される。
図36は、外側部分800の壁厚よりも大きい壁厚を有する遠位部分810を示す。遠位部分810は、スペーサリブ4260から、且つ流れ誘導部4246のベース806の周りに延在している。遠位部分810は、たわみパネルに向かっても延在しているが、変形パネル294の第2壁272から離隔して配置されている。したがって、遠位部分810は、補強セクション4264と重なっている。
図35及び
図38に示すように、同じことが近位部分808にも適用される。近位部分808は、スペーサリブ4260と接合し、補強セクション264と重なる。近位部分808は、スペーサリブ4260から近位側に、流れ誘導部4246のベース806の周りに延在している。近位部分808は、壁部分276と接合している。
【0587】
これらの部分808、810は、仕切り壁の他の部分に比べて壁厚が大きいために、変形に対して大きい抵抗を有する。その結果、壁部分276に付与される変形力は、仕切り壁4242を通して変形パネル294に伝達され、それにより、変形パネル294は部分808、810に優先して変形する。補強セクション276及びスペーサリブ4260とともに、部分808、810が存在することにより、変形パネル294への変形力の伝達を改善することによって、仕切り壁4242の望ましくない変形が阻止される。したがって、仕切り壁4242の座屈のために流れ誘導部4246が潰れるか又は座屈する可能性が低減する。しかしながら、部分808、810の壁厚を増大させることは、患者が体験する圧力を壁部分276に局所化させる効果があるため、部分808、810の壁厚には限界がある。言い換えれば、上記部分の壁厚を増大させることにより、褥瘡の可能性が増大する。逆に、壁厚を小さくし過ぎることにより、変形力が変形パネル294に伝達されないため、仕切り壁4242の座屈が生じるとともに、流れ誘導部4246の座屈が生じる可能性がある。
【0588】
部分808、810の壁厚を大きくすることは、壁部分276から変形パネル294内に変形力を伝達するために、補強セクション4264が壁部分276まで完全に、又は変形パネル294まで完全に延在する必要がないことを意味する。
【0589】
流れ誘導部4246を通る流れに対する抵抗は、クッションモジュール20の流れ誘導部246と比較して、より大きい第1開口部4250及びより大きい第2開口部4252を採用することによって低減する。
図11のクッションモジュール20の第1開口部250と
図40のクッションモジュール4020の第1開口部4250との比較により、流れ誘導部4246と流れ誘導部246との間のサイズの相違の一例が与えられる。第1開口部4250の大きい方のサイズに適応するために、第1開口部4250の形状及び向きは、流れ誘導部4246が壁部分276と変形パネル294との間に収まることができるように異なっている。
図40に示す採用された形状により、流れ誘導部4246が、壁部分276及び変形パネル294から離隔して配置されることが可能になる。これにより、壁部分276がベース806によって堅くなる程度が低減する。壁部分276が堅くなることにより、局所化した圧点を形成することによって患者の快適性が低下する可能性があり、この圧点は、一定期間にわたって患者の痛みにつながる可能性がある。流れ誘導部4246を変形パネル294から離隔して配置することにより、たわみパネル204が変形し、それにより変形力を吸収するための、追加の変位移動が提供される。すなわち、変形パネル294の移動の範囲を制限することにより、仕切り壁4242又は流れ誘導部4246等のシール部材4230の他の特徴が変形力を受けて座屈し始める前に吸収することができる変形力の程度が制限される。こうした制御されない座屈は、流れ誘導部の鼻孔開口部との位置をずらすか、流れ誘導部を通るガス流を妨げるか、又はさらには流れ誘導部を通るガス流を閉塞する可能性があるため、望ましくない。
【0590】
図40に示すように、第1開口部4250は、長軸U1が直交する短軸U2よりも長い形状を有する。この実施形態では、第1開口部4250は、楕円形状を有する。しかしながら、楕円形状の代わりに、長軸U1及び直交する短軸U2を有する代替的な形状を採用してもよいことが理解されよう。壁部分276と変形パネル294との間の第1開口部4250の嵌合に役立つために、長軸U1は仕切り壁4242の平面内にあり、患者インタフェース10を通る垂直な中央平面から少なくとも45°に向けられている。したがって、近位-遠位方向における第1開口部の寸法は、長軸U1が垂直な中央平面に対して平行であった場合と比較して低減する。
図40に示す実施形態では、それぞれの第1開口部4250の長軸U1は、第1開口部4250の中心を通る想像直線814(
図40)の近位側にある点で交差する。いくつかの実施形態では、それぞれの第1開口部4250の長軸U1は、外壁288の患者接触部分290の近位側にある点で交差してもよい。いずれの場合も、それらが交差する場所での長軸U1間の角度(V)は180°未満である。角度Vは、45°~180°未満の範囲、90°~150°の範囲、又は110°~150°の範囲にあってもよい。他の実施形態では、それぞれの第1開口部4250の長軸U1は、第1開口部4250の中心を通る直線の遠位側にある点で交差してもよい。この代替例では、長軸U1間の角度Vは、上述したような範囲内になる。
【0591】
長軸U1及び短軸U2の向きは、流れ誘導部4246全体にわたって保持される。しかしながら、第2開口部4252における長軸U1及び短軸U2に沿った流れ誘導部4246の寸法は、第1開口部4250における長軸U1及び短軸U2に沿った流れ誘導部4246の寸法とは異なる。具体的には、この実施形態では、第2開口部4252における長軸U1及び短軸U2の両方に沿った流れ誘導部4246の寸法は、第1開口部4250におけるそれぞれの長軸U1及び短軸U2に沿った流れ誘導部4246の寸法よりも小さい。他の実施形態では、第2開口部4252における長軸U1及び短軸U2の向きは、第1開口部4250における長軸U1及び短軸U2の向きとは異なる。別法として、長軸U1及び短軸U2の向きは、第1開口部4250から第2開口部4252まで、流れ誘導部4246を通して変化してもよい。他の実施形態では、第2開口部4252における長軸U1又は短軸U2の一方に沿った流れ誘導部4246の寸法は、第1開口部4250における対応する軸に沿った流れ誘導部4246の寸法と異なっていてもよい。例えば、第2開口部4252における長軸U1又は短軸U2の一方のみに沿った流れ誘導部4246の寸法は、第1開口部4250における対応する軸に沿った流れ誘導部4246の寸法よりも小さい。別法として、長軸U1若しくは短軸U2、又は長軸U1及び短軸U2の両方に沿った流れ誘導部4246の寸法は、第1開口部4250から第2開口部4252まで流れ誘導部4246を通って変化する。他の実施形態では、第2開口部4252における長軸U1及び短軸U2に沿った流れ誘導部4246の向き及び寸法は、第1開口部4250における長軸U1及び短軸U2に沿った流れ誘導部4246の向き及び寸法とは異なる。
【0592】
患者インタフェース10を通る垂直な中央平面に対する第2開口部4252の位置決めは、第1チャンバ238から第2チャンバ240に流れるガスを、鼻孔開口部234を通って患者の鼻孔に向けるように選択される。しかしながら、第2開口部4252が互いに過度に接近して配置されると、ガス流が患者の鼻中隔に向けられる可能性があるという危険性がある。これは、患者の不快感、望ましくない乱流、及び鼻孔に十分な流量を送達する問題を引き起こす可能性がある。したがって、第2開口部4252は、ガス流を鼻孔に向けるとともに、ガス流を患者の鼻中隔に向けるのを実質的に回避するために、十分に離隔して配置される。この実施形態では、長軸U1及び短軸U2の向きと、第2開口部4252の間隔とにより、患者インタフェース10が患者に取り付けられていないとき、外壁288は第2開口部4252の一部の上に延在する。これは、
図32及び
図40に見ることができ、そこでは、患者インタフェース10が取り付けられていないときに、鼻孔開口部234のリム286の横方向外側部分が各第2開口部4252の一部の上に延在している。すなわち、鼻孔開口部234を包囲する外壁288の一部は、クッションモジュール4020の直立向きを考慮して、クッションモジュール4020の垂直方向上方から見たときに、それぞれの第2開口部4252の横方向外側部分を越えて延在している。
【0593】
図32に示す図では、患者インタフェース10が取り付けられていないときの患者インタフェース10の直立向きを考慮して、患者インタフェース10を第2開口部4252の間の中間点の垂直方向上方から見たときに、各第2開口部4252の少なくとも一部が外壁288によって隠されている。しかしながら、外壁288は、患者に取り付けられたときに、鼻孔開口部234が横方向外向きに広がるのを可能にするように構成されている。これは主に、患者インタフェース10が患者に取り付けられているときに、患者の鼻の下側を受けるように鼻孔封止部分236が湾曲しており、それにより、患者インタフェース10が取り付けられると曲率が小さくなることによってもたらされる。しかしながら、これは、外壁288が弾性材料で形成されていることによって促進される。鼻孔封止部分236は、外壁288の他の部分と比較して、比較的薄い壁厚を有し、そのため、外壁288を形成する弾性材料は、患者に取り付けられたときに鼻孔開口部234が横方向外向きに広がるのを可能にする。言い換えれば、患者接触面290は、患者の鼻の下側を受けるように構成された谷形状の鼻孔封止部分236を含む。鼻孔開口部234を含む谷形状の床部は、患者インタフェース10が患者に取り付けられると、より平坦な谷形状を採る。その結果、患者インタフェース10が患者に取り付けられると、鼻孔開口部234の横方向外側縁部は、第2開口部4252の横方向外向きに変位する。その結果、患者インタフェース10が取り付けられたとき、流れ誘導部4246を通るガスストリームは、外壁288に衝突することなく、鼻孔開口部234を通るように向けられることになる。
【0594】
外壁288の湾曲と、外壁が弾性材料から形成されていることとは、患者インタフェース10が患者に取り付けられたときに、鼻孔開口部234の面積、形状、又は形状及び面積が変化することに寄与する。こうした変化により、流れ誘導部を通過するガスストリームが、外壁288に衝突することなく、鼻孔開口部234を通るように向けられることが可能になる。
【0595】
クッションモジュール4020について上述した流れ誘導部、スペーサリブ、補強セクション、遠位部分及び近位部分の代わりに、流れ誘導部、スペーサリブ、補強セクション、遠位部分及び近位部分の代替形態を利用することができる。これらの構成要素のいくつかの代替実施形態について以下に考察する。クッションモジュール4020において、異なる代替実施形態を組み合わせてもよいことが理解されよう。例えば、クッションモジュール4020において、上記で考察した代替的な流れ誘導部246、1246、2246、3246及び4246のうちの任意の1つ、又は後述する流れ誘導部820、830、840、850、860、870、880若しくは890のうちの任意の1つを、上記で考察した範囲の代替的なスペーサリブ260、1260のうちの任意の1つ、又は後に考察するスペーサリブ828、838、848、888、898のうちの任意の1つと組み合わせてもよい。
【0596】
クッションモジュール4020の特徴と同じである以下の実施形態の特徴は、同じ参照番号で示す。
【0597】
図41に、1つの代替的な流れ誘導部820を示す。流れ誘導部820は、ベース821と、ベース821から延在する本体822と、リム823とを含むという点で、流れ誘導部4246と同じ概略的な形態を有する。ベース821は、本体822を仕切り壁4242に接合している。ベース821は、本体822と仕切り壁4242との間の平滑な移行面を形成している。流れ誘導部4246と同様に、外壁288の一部は、リム823によって画定された第2開口部824の横方向外側の側面の上に延在している。これを
図42に示す。クッションモジュール4020に関して上記で説明したように、患者インタフェース10が取り付けられると、鼻孔開口部234は横方向に広がり、それにより、鼻孔開口部234は横方向外向きに広がり、外壁288が第2開口部824の上に延在しないようにする。
【0598】
流れ誘導部820は、異なる形状の本体822と異なる形状のスペーサリブ828とを有するという点で、流れ誘導部4246とは異なる。本体822は、上部本体部分827から下部本体部分826を線引きする移行部825を含む。下部本体部分826は、ベース821から移行部825まで低減する壁厚を有する。上部本体部分827は、移行部からリム823まで同じ壁厚を有する。下部本体部分826は、ベース821から移行部825まで延在する下部本体部分826の近位側が、ベース821から移行部825まで延在する下部壁部分826の遠位側よりも短くなるように、近位方向に角度が付けられている。上部本体部分827は、近位側及び横方向内向きに角度が付けられている。言い換えれば、リム823は、リム823が流れ誘導部4246の横方向内側の近位側の仕切り壁4242から離隔して配置されているよりも、流れ誘導部の横方向外側の遠位側の仕切り壁4242からさらに離隔して配置されるように傾斜している。移行部825は、下部本体部分826と同様に傾斜した平面を占める。同じ角度方向が、流れ誘導部4246にも存在する。下部本体部分826及び上部本体部分827の角度付けと、流れ誘導部820の横方向の位置決めとにより、より多くの鼻孔開口部のうちの1つを通る流れ誘導部820から鼻孔への呼吸ガスの方向付けが促進される。
【0599】
流れ誘導部の各々のベース821は、垂直な中央平面において(
図42に見られるような)クッションモジュール4020を介して接合されている。スペーサリブ828は、流れ誘導部820間の間隙にまたがっている。スペーサリブ828は、各流れ誘導部820のベース821から移行部825まで延在している。スペーサリブ828の最上部は、流れ誘導部820間の直線を形成している。スペーサリブ828は、仕切り壁4242の下側の補強セクション4264と重なっている。仕切り壁4242の近位部分808及び遠位部分810は、外側部分800の壁厚と同じ壁厚を有する。
【0600】
図43に、別の代替的な流れ誘導部830を示す。流れ誘導部830は、ベース831、本体832及びリム833を有するという点で、流れ誘導部820と同じ概略的な形態を有する。本体は、上部本体部分837から下部本体部分836を線引きする移行部835を含む。しかしながら、流れ誘導部830は、下部本体部分836がベースから移行部まで実質的に一定の壁厚を有するという点で異なる。移行部835は、本体832の近位側でベース831に隣接するように近位方向に傾斜している。別の実施形態では、移行部835は、本体832の近位側でベース831と接合している。移行部825の傾斜は、本体832の近位側の下部本体部分836が、壁部分276が流れ誘導部830に押し付けられた場合に、壁部分276にかける圧力が小さくなることを意味する。
【0601】
上部本体部分837の壁厚は、移行部835からリム833まで内向きにテーパ状になっている。これを
図44の断面図に示す。この特定の実施形態では、本体832の外壁は、本体832の内壁に向かって内向きにテーパ状になっている。これにより、本体832に湾曲した外部輪郭が与えられる。
【0602】
流れ誘導部830は、流れ誘導部820のスペーサリブ828と同じサイズ及び形状のスペーサリブ838を含む。しかしながら、移行部835は、本体832上で、本体822上の移行部825よりも低いため、スペーサリブ838は、ベース831から移行部835とリム833との間の点まで延在している。
【0603】
図45に、さらなる代替的な流れ誘導部840を示す。流れ誘導部840は、ベース841、本体842及びリム843を有するという点で、流れ誘導部820と同じ概略的な形態を有する。本体842は、上部本体部分847から下部本体部分846を線引きする移行部845を含む。移行部845は、一部、ベース841とリム843との中間にある段状部844を含む。しかしながら、段状部844は、段状部844の傾斜により、本体842の近位側で上部本体部分847をベース841と接合している。流れ誘導部840の近位側は、横方向において想像中心線の近位側である。段状部844の下方の下部本体部分846は第1壁厚を有し、段状部844の上方の上部本体部分847は第2壁厚を有する。第1壁厚は、下部本体部分846の周囲で変化してもよい。第2壁厚は第1壁厚よりも小さい。下部本体部分846の壁厚の方が大きいことにより、壁部分276に変形力が加えられた場合に、流れ誘導部840に変形に対する抵抗力が与えられる。変形に対する抵抗力は、壁部分276に加えられる変形力を、仕切り壁を通して変形パネル294に向けるのに寄与する。上部本体部分847の壁厚の方が小さいことにより、リム843が患者に接触した場合に、上部本体部分847は、よりコンプライアンスが高く、触感が柔らかくなる。
【0604】
流れ誘導部840の長手方向軸を考慮すると、上部本体部分847の半径方向の壁厚は、流れ誘導部840の周りで一定である。しかしながら、下部本体部分846の半径方向の壁厚は、流れ誘導部の周囲で変化する。この実施形態では、下部本体部分846の半径方向の壁厚は、ベース841からのリム843の間隔に応じて変化する。より詳細には、下部本体部分846の半径方向の壁厚は、リム843のベース841からの間隔が小さい場所よりも、リム843のベース841からの間隔が大きい場所の方が、大きい。この実施形態では、下部本体部分846の遠位側の壁厚は、下部本体部分846の近位側の壁厚よりも大きい。1つの代替実施形態では、下部本体部分846の半径方向の壁厚は、リム843とベース841との間の間隔が最小である場所で最小であり、リム843とベース841との間の間隔が大きくなるに従って増大する。別の代替実施形態では、下部本体部分846の壁厚は、流れ誘導部840の周りで一定である。
【0605】
段状部844は、少なくとも流れ誘導部840の遠位側の周りに延在している。
図45に見られるように、段状部844は、下部本体部分846を上部本体部分847に接合する傾斜面を含む。段状部844の傾斜は、流れ誘導部840の周囲で変化している。より具体的には、本体842の近位側では傾斜が急であり、本体842の遠位側では傾斜が緩やかである。その結果、段状部844の輪郭は、本体842の周りの位置に応じて変化する。これは
図45に見ることができ、そこでは、本体842の近位側が急な段状部844を有し、本体842の遠位側がそれほど急でない段状部844を有する。この特定の実施形態では、段状部844は、本体842の周り全体にわたって延在し、ベース841を流れ誘導部840の近位側の上部本体部分847に接合している。
【0606】
流れ誘導部820及び830にそれぞれ関連するスペーサリブ828及び838は、同じである。しかしながら、流れ誘導部840に関連するスペーサリブ848は、正方形又は丸みを帯びた正方形の断面輪郭を有する。スペーサリブは、仕切り壁4242から延在し、流れ誘導部840間の間隙を埋める。スペーサリブ848は、ベース841及び下部本体部分846の上方に段状部844まで延在している。すなわち、スペーサリブ848は、スペーサリブ844が段状部844に当接する下部本体部分846の最上部で終端している。スペーサリブ848の上面は平坦にされ、スペーサリブ848の近位側が仕切り壁4242から延在するよりも、スペーサリブ848の遠位側が仕切り壁4242からさらに延在するように、傾斜している。スペーサリブ848の傾斜は、スペーサリブ848が段状部844に当接する段状部844の近位側-遠位方向の傾斜に従う。
【0607】
図47に、同じ流れ誘導部840とともにスペーサリブ848の代替実施形態を示す。この実施形態では、スペーサリブ848は、
図45に示すスペーサリブと同じであるが、ベース841、下部本体部分846及び段状部844と接合している。
図47において見られるように、スペーサリブ848は、流れ誘導部840とのフィレット形状の移行継手を含む。
【0608】
他の実施形態と同様に、スペーサリブ848は、補強セクション849と重なっている。この配置は、壁部分276に加えられる変形力を変形パネル294に伝達するのに寄与する。上述した実施形態では、流れ誘導部820、830についても同じ構成が存在する。それら流れ誘導部820、830は、クッションモジュール4020に存在するものと同じ補強セクション4264に関連付けられている。しかしながら、変形力がそれぞれの下部本体部分826、836によって関連するスペーサリブ828、838に伝達され、その後、補強セクション4264を介して変形パネル294に伝達されるという点では、効果は同じである。
【0609】
しかしながら、流れ誘導部840の実施形態は、代替的な補強セクション849を有する。
図48は、補強セクション849が補強セクション4264と同じ長尺形状を有することを示すが、補強セクション849は、スペーサリブ848の下側から変形パネル294まで延在している。これは、スペーサリブ4262から、変形パネル294から離隔した位置まで延在する補強セクション4264とは異なる。補強セクション849を変形パネル294まで延在させることは、変形パネル294の変形を制御することに役立つことができる。より具体的には、補強セクション849は、第1弾性セクション268の下方の第2壁272のローリング作用を促進する。
【0610】
流れ誘導部820、830及び840の実施形態は、外側部分800の壁厚と同じ壁厚を有する仕切り壁4242の近位部分808及び遠位部分810に関連付けられている。近位部分808及び遠位部分810の壁厚は、異なる実施形態では異なっていてもよい。例えば、
図52~
図54は、クッションモジュール4020に関して上述したように、スペーサリブ4260が関連付けられている流れ誘導部4246を示す。これらの図は、近位部分808及び遠位部分810の壁厚が異なる異なる実施形態も示す。流れ誘導部820、830及び840と比較して、
図50及び
図51は、スペーサリブ828を備え、近位部分808及び遠位部分810が外側部分800と同じ壁厚を有する、流れ誘導部4246を示す。近位部分808は、
図52に示す実施形態では厚化されている。近位部分808のこの厚化により、近位部分808の変形に対する抵抗が増大し、それにより、流れ誘導部4246の安定性が向上する。安定性の向上は、変形力が近位部分808を通って補強セクション4264内に向けられることにより生じる。これにより、流れ誘導部4246の座屈又は潰れを引き起こす可能性のある近位部分808の座屈の代わりに、変形パネル294の制御された変形が促進される。
【0611】
図53に、同じ流れ誘導部4246及び同じスペーサリブ4260とともに、
図52に示す実施形態の変形例を示す。この実施形態は、近位部分808が
図52に示す近位部分808と比較してさらに厚化されているという点で異なる。また、遠位部分810が
図52に示す遠位部分810と比較して厚化されているという点でも異なる。近位部分808及び遠位部分810の厚化には、
図52に示す実施形態について上述したものと同様に、流れ誘導部4246の安定性を向上させるという同じ効果がある。
【0612】
図54及び55に、同じ流れ誘導部4246及び同じスペーサリブ4260とともに、
図52に示す実施形態のさらなる変形例を示す。この実施形態では、遠位部分810は、
図53に示す実施形態と同様に厚化されている。この実施形態は、近位部分808が、スペーサリブ4260の近位側の領域において、外側部分800の壁厚と同じ壁厚を有するという点で異なる。近位部分808は、各流れ誘導部4246と外壁288との間に配置されたブレース部材818を含む。ブレース部材818は、外壁288とそれぞれの流れ誘導部4246の各々との間の間隔を維持する。
【0613】
各ブレース部材818は、鼻孔開口部234と口腔開口部232との間の外壁部分において外壁288と接合している。この実施形態では、各ブレース部材818は、ベース806及び下部本体部分4256のみと接合している(
図54)。他の実施形態では、ブレース部材818は、ベース806、下部本体部分4256及び段状部802と接合してもよい。さらなる実施形態では、ブレース部材818は、ベース806のみと接合してもよい。これらの実施形態の各々において、ブレース部材は、流れ誘導部4246の横幅の20~70%である横幅を有することができる。
【0614】
この実施形態では、ブレース部材818は、台形の輪郭を有する。しかしながら、ベース部材は、この輪郭に限定されない。例えば、ブレース部材818は、多角形の輪郭、半円形の輪郭、円セグメントの輪郭又は曲線輪郭を有してもよい。
【0615】
図56及び
図57に、クッションモジュール4020のための流れ誘導部850の代替実施形態を示す。流れ誘導部850は、ベース851、本体852及びリム853を有するという点で、流れ誘導部820と同じ概略的な形態の一部を有する。ベース851は、本体852からベース851の横方向最外部まで厚さが低減する横方向外向きに向けられた厚化パッド854を含む。ベース851は、厚化パッド854が本体852に接合する高さで本体852の周りを覆っている。本体852は、ベース851から上向きに延在し、リム853で終端している。
【0616】
言い換えれば、各流れ誘導部850のベース851は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、患者インタフェース10を通る垂直な中央平面から離れるように横方向に長尺状である。さらに、本体852は、本体852がベース851の横方向外側よりもベース851の横方向内側に近いように、ベース851を通る(
図57においてZとして示す)横方向中心線からオフセットしている。ベース851の横方向外側は、ベース851の横方向内側が本体852から横方向内向きに延在するよりも、本体852からさらに横方向外向きに延在している。これは
図57において明らかであり、
図57は、ガス流チャネル812がベース851を通る横方向中心線から横方向内向きにオフセットしていることを示し、この中心線は、患者インタフェース10を通る垂直な中央平面に平行である。したがって、ガス流チャネル812は、ベース851の横方向外側よりもベース851の横方向内側に近い。この実施形態では、ベース851は、鼻孔開口部234の対応する側方縁部を越えて側方に広がるフットプリントを有する。しかしながら、ベース851の横方向外側は、異なる実施形態では異なる距離にわたって延在してもよい。それに関して、ベース851の横方向外側は、ベース851の横方向内側が本体851から横方向内向きに延在する距離の少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、又は少なくとも5倍、本体851から横方向外向きに延在している。
【0617】
厚化パッド854の効果は、本体852を安定させることである。より具体的には、厚化パッド854は、仕切り壁4242の局所化した座屈が阻止されるため、流れ誘導部850の座屈又は潰れに対する抵抗を増大させる。これは、流れ誘導部850の横方向の安定性を向上させ、流れ誘導部850の互いに向かう内向きのたわみに抵抗することに寄与する。その結果、厚化パッドは、使用中に呼吸ガスを、鼻孔開口部234を通して患者の鼻孔内に向ける際に、流れ誘導部850の向きを維持するのに役立つことになる。
【0618】
流れ誘導部の座屈又は潰れに抵抗することに寄与するさらなる要素は、本体852の壁厚の増大である。患者の快適性の理由から、本体852の壁厚は過度に厚くすることができず、それは、本体852が患者に接触したときに患者に不快感を与えるためである。別法として、本体852は、移行部と、本体248、1248、2248、3248、822、832又は842のうちの任意の1つの形態の上部及び下部本体部分とを含んでもよい。これらの代替形態では、移行部は、段状部802の形態をとることができる。これらの代替実施形態では、段状部は、本体の周りの全体に延在しても、部分的に延在してもよい。
【0619】
本明細書に開示する実施形態のうちの任意のものに採用することができる別の特徴は、本体852上、又は他の実施形態のうちの任意のものの本体上の補強セグメント855(
図56)である。補強セグメント855は、この実施形態ではリブを含む。リブ等の形態の補強セグメント855は、流れ誘導部を安定させ、変形力を変形領域に伝達するために、本明細書に開示する他の特徴と組み合わせて使用することができる。したがって、補強セグメント855は、この実施形態に対して排他的なものではなく、流れ誘導部246、1246、2246、3246、820、830、840、及び(後述する)流れ誘導部860及び870、880又は890等、他の流れ誘導部と組み合わせて使用してもよいことが理解されよう。
【0620】
図56及び
図57に示す補強セグメント855は、変形力を受けて第2開口部856の形状が変形するのに抵抗するように構成されている。補強セグメント855は、本体852の周りの全体に延在しても、部分的に延在してもよい。この実施形態では、補強セグメント855は、本体852の遠位側で本体852の周りに部分的に延在している。しかしながら、他の実施形態では、補強セグメント855は、本体852の遠位側、本体852の近位側、又は本体852の外側部、又はそれらの組合せ(例えば、近位側及び側方側、又は側方側及び遠位側)の周りに延在してもよい。
【0621】
補強セグメント852は、この実施形態では、本体852と一体的に形成されている。これは、本体852の他の部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する。別の実施形態では、本体852は、第1材料で形成され、補強セグメント855は、第1材料とは異なる第2材料で形成される。さらに、第2材料は、補強セグメント852が構造及び材料特性によって本体852を補強するように、第1材料よりもコンプライアンスが低い。
【0622】
補強セグメント855は、リム853から設定された間隔で配置されている。代替実施形態では、補強セグメント855は、ベース851から設定された間隔で配置してもよい。別法として、補強セグメント855は、リム853から変化する間隔で本体852の周りに配置してもよい。補強セグメント855は、本明細書に記載するか又は特許請求する他の流れ誘導部の本体と組み合わせてもよい。これには、下部本体部分及び上部本体部分を含む本体を有する流れ誘導部が含まれる。それらの実施形態では、補強セグメントは、下部本体部分の周りの全体に延在しても、部分的に延在してもよい。別法として、補強セグメントは、上部本体部分の周りの全体に延在しても、部分的に延在してもよい。さらなる代替例では、補強セグメントは、下部本体部分から、少なくとも部分的に上部本体部分の周りに延在していてもよい。
【0623】
図58~
図60に、クッションモジュール4020の流れ誘導部4246に置き換わることができる流れ誘導部860のさらなる実施形態を示す。この実施形態では、流れ誘導部860は、ベース861と、ベース861から上向きに延在してリム863で終端する本体862とを有する。各流れ誘導部のベース861は、仕切り壁4242の壁厚と比較して厚さが増大した領域である。この実施形態では、ベース861は、仕切り壁4242から第2チャンバ240内に延在する島の形態をとる。別の言い方をすれば、この実施形態におけるベース861は、仕切り壁4242の壁厚と比較して壁厚が増大した局所的な領域の形態をとる。この実施形態は、流れ誘導部860のベース861が合わせて連結されて共通ブロック865を形成し、そこから別個の本体862が延在するという点で異なる。共通ブロック865は、鼻孔開口部234の対応する側縁部を越えて横方向に広がるフットプリントを有する。共通ブロック865を通って延在するガス流チャネル812を除けば、共通ブロック865は中実構造体である。共通ブロック865は、モノリシック構造として挙動し、そのため、壁部分276に付与される変形力は、共通ブロック865を通って変形パネル294に伝達される。変形力がたわみパネル294に伝達されることにより、共通ブロック865内のガスチャネル812は、壁部分276に変形力が加えられたときに座屈又は潰れから保護される。共通ブロック865の利点は、変形力がたわみパネルの横方向に広い領域にわたって広がるということである。これにより、変形パネル294の幅にわたって変形力がより均等に分配され、したがって変形パネル294のより制御された変形が提供される。さらなる利点は、1つの本体862に加えられる変形力が、少なくとも一部、共通ブロック865を通して他の本体862(又は、クッションモジュール4020に組み込まれた本体862の数に応じて複数の他の本体862)に伝達されるということである。力の伝達は、座屈に対する流れ誘導部860の全体的な抵抗を増大させる。
【0624】
図60に示すように、共通ブロック865は、共通ブロック865の近位側及び遠位側において、また共通ブロック865の外側部において、仕切り壁4242から上向きに傾斜している。共通ブロック865の傾斜側は、フィレットの形状をとってもよく、又は他の実施形態では面取りされていてもよい。共通ブロック865の上面は、仕切り壁4242に対して傾斜している。相対的な傾斜は、近位方向において下向きである。すなわち、共通ブロック865の遠位側における仕切り壁4242からの上面の間隔よりも小さい間隔だけ、仕切り壁4242から離隔した上面の近位側。
【0625】
図61~
図63に、クッションモジュール4020において流れ誘導部4246の代わりに使用することができる流れ誘導部870のさらなる実施形態として、流れ誘導部860の変形例を示す。流れ誘導部870は、流れ誘導部860と同じ形態のベース871、本体872及びリム873を有する。すなわち、ベース871は、共通ブロック875の形態である。しかしながら、流れ誘導部870は、共通ブロック875の周壁がより急勾配で傾斜しているという点で、流れ誘導部860とは異なる。その結果、共通ブロック875の遠位側は、変形パネル294の近位縁部を形成している。これは、共通ブロック875を通って伝達される変形力が、遠位部分810又は共通ブロック865のテーパ状遠位壁を通って伝達される代わりに、変形パネル294に直接伝達されることを意味する。
【0626】
本体862及び872は、それらのそれぞれのベース861、871からそれらのリム863、873まで一定の壁厚を有する。代替実施形態では、本体862、872は、上部本体部分と下部本体部分とを線引きする移行部を含んでもよい。移行部は、流れ誘導部840の段状部844等、段状部の形態をとることができる。段状部は、上部本体部分の壁厚よりも大きい壁厚を有する下部本体部分の間の移行部を形成することができる。例えば、本体862、872は、上部本体部分及び下部本体部分に対して異なる壁厚を含む、本体822、832、842のうちの任意の1つと置き換えてもよい。本体はまた、補強セグメントを含む本体852に置き換えてもよい。
【0627】
さらなる変形例では、ベース861及び871は、本体248、1248、2248、3248のうちの任意のものと組み合わせてもよい。
【0628】
他の特徴を本体862及び872と組み合わせてもよい。こうした特徴としては、例えば、上述した流れ誘導部850からの補強セグメント855が挙げられる。
【0629】
図64並びに
図65A及び
図65Bに、クッションモジュール4020の一部を形成することができる1つの代替的な流れ誘導部880を示す。流れ誘導部880は、ベース881と、ベース881から延在する本体882と、リム883とを含むという点で、流れ誘導部4246と同じ概略的な形態を有する。ベース881は、本体882を仕切り壁4242に接合している。ベース881は、本体882と仕切り壁4242との間に平滑な移行面を形成している。流れ誘導部4246と同様に、外壁288の一部は、リム883によって画定された第2開口部884の横方向外側の上に延在している。クッションモジュール4020に関して上記で説明したように、患者インタフェース10が取り付けられると、鼻孔開口部234が横方向に広がり、それにより、鼻孔開口部234は横方向外向きに広がり、使用時に外壁288が第2開口部884の上に延在しないようにする。
【0630】
本体882は、上部本体部分887から下部本体部分886を線引きする移行部885を含む。下部本体部分886は、ベース881から移行部885まで低減する壁厚を有する。上部本体部分887は、移行部885からリム883まで同じ壁厚を有する。下部本体部分886は、近位方向に角度が付けられており、そのため、ベース881から移行部885まで延在する下部本体部分886の近位側は、ベース881から移行部885まで延在する下部壁部分886の遠位側よりも短い。上部本体部分887は、近位側に且つ横方向内向きに角度が付けられている。移行部885は、下部本体部分886と同様に傾斜した平面を占める。しかしながら、下部本体部分886及び移行部885の傾斜は、流れ誘導部4246に存在する傾斜よりも小さい。下部本体部分886及び上部本体部分887に角度が付けられていることと、流れ誘導部880の横方向の位置決めとにより、1つ又は複数の鼻孔開口部234を通る流れ誘導部880から鼻孔への呼吸ガスの方向付けが促進される。流れ誘導部880はまた、移行部885が流れ誘導部4246のための移行部802よりも仕切り壁に近いという点で、流れ誘導部4246とは異なる。
【0631】
流れ誘導部880は、流れ誘導部4246とはさらに、その又は各流れ誘導部880のベースが、壁部分276において外壁288と接合している点で異なる。この配置において、近位部分808は、流れ誘導部880の間、及びスペーサリブ888と壁部分276との間に位置している。他の実施形態では、流れ誘導部888は、近位部分808が外側部分800の間に位置決めされるように、壁部分276から離隔して配置されている。
【0632】
各々の流れ誘導部のベース821のベース821は、(
図64に見られるように)クッションモジュール4020を通る垂直な中央平面から離隔して配置されている。スペーサリブ888が、流れ誘導部880間の間隙にまたがっている。スペーサリブ888は、ベース881から各流れ誘導部880の移行部885の下方の位置まで延在している。スペーサリブ888の最上部は、流れ誘導部880間の直線を形成している。スペーサリブ828は、仕切り壁4242の下側の補強セクション4264と重なっている。スペーサリブ888は、近位-遠位方向において、第2開口部を画定するリム883の遠位部分と位置合わせされている。
【0633】
スペーサリブ888とシール部材4230の壁部分276との間、及び仕切り壁4242の外側部分800の間の仕切り壁4242の近位部分808は、仕切り壁4242の外側部分800の壁厚よりも大きい壁厚を有する。この実施形態では、近位部分808の壁厚は、外側部分800の壁厚の少なくとも1.5倍である。近位部分808の壁厚は、外側部分800の壁厚の最大3倍であってもよい。他の実施形態において、近位部分808の壁厚は、外側部分800の壁厚の最大8倍であってもよい。
【0634】
近位部分800の壁厚は、異なる位置で異なっていてもよい。言い換えれば、近位部分808の壁厚は、近位-遠位方向に、若しくは横方向に、又は両方向に、近位部分808を横切って変化してもよい。
【0635】
図65Bに示す実施形態では、近位部分808の壁厚は、スペーサリブ888と変形パネル294との間、及び仕切り壁4242の外側部分800の間の仕切り壁4242の遠位部分810の壁厚よりも大きい。
図65Aは、遠位部分810の、補強セクション4264と重なる部分を輪郭で示す。したがって、
図65Aでは、遠位部分の壁厚は、補強セクション4264の壁厚を除いた壁厚で表されている。
【0636】
仕切り壁4242は、この実施形態及び他の実施形態では、近位-遠位方向において曲線輪郭を有する。曲線輪郭は、仕切り壁4242の主部分244の実質的に横方向寸法全体を横切って延在している。任意選択的に、曲線輪郭は、仕切り壁の近位部分及び遠位部分を通って延在している。
【0637】
仕切り壁4242の主部分244は、近位-遠位方向に且つ鼻孔開口部234に対して凸状である。この凸状湾曲は、
図35、
図50、
図52、
図53、
図54及び
図65Bの遠位部分810に対する近位部分808の湾曲した位置合わせに見ることができる。凸状湾曲は、
図65Bにおいて破線CXによって強調されている。
【0638】
図66に示す代替実施形態では、曲線輪郭は、近位-遠位方向に且つ鼻孔開口部234に対して凹状である。凹状湾曲は、
図66では破線CVによって強調されている。1つの実施形態では、
図66に示すように、近位部分808及び遠位部分810は、第2チャンバ内の仕切り壁の側部におけるそれらの間の角度が180°未満であるように、近位-遠位方向に互いに対して傾斜している輪郭を有する。
【0639】
代替実施形態では、近位部分808の輪郭が曲線状である。近位部分808の輪郭は、鼻孔開口部234に対して凹状である。しかしながら、凸状湾曲の場合、近位部分808は、第1チャンバ238に対して凹状であることが理解されよう。任意選択的に、遠位部分810の輪郭が曲線状である。仕切り壁4242の凹状湾曲の場合、遠位部分810の輪郭は、鼻孔開口部234に対して凹状であり得る。しかしながら、凸状湾曲の場合、遠位部分810は第1チャンバ238に対して凹状となる。
【0640】
図67~
図69は、
図66に示す実施形態の変形例を示す。この変形例は、遠位部分810が、仕切り壁4242の外側部分800の壁厚よりも大きい壁厚を有することを含む。遠位部分の壁厚は、外側部分の壁厚の少なくとも1.5倍である。遠位部分810の壁厚は、外側部分800の壁厚の最大3倍であってもよい。他の実施形態では、遠位部分810の壁厚は、外側部分800の壁厚の最大8倍であってもよい。
【0641】
遠位部分810の壁厚は、近位-遠位方向に変化してもよい。さらに、遠位部分810の壁厚は、横方向に変化してもよい。この実施形態では、遠位部分810は、遠位部分810の壁厚が、隣接する外側部分800の方向に又は隣接する変形パネル294の方向に、それぞれの隣接する外側部分800又は隣接する変形パネル294と同じ厚さまで低減する、1つ又は複数のテーパ領域900を含む。
【0642】
テーパ領域900のうちの1つ又は複数は、仕切り壁の第1チャンバ238に面する側に配置することができる。これを、
図68に、遠位部分810が変形パネル294及び外側部分800と接合する場所に隣接する遠位部分810の遠位側及び外側部のテーパ領域900として示す。この実施形態では、遠位部分810が外側部分800に当接する場所を横切る仕切り壁4242の表面は、仕切り壁4242の全体的な湾曲に関連する連続的な湾曲部を含む。言い換えれば、遠位部分810の第2チャンバ240に露出される側は、テーパ加工領域900を考慮するための調整を含まない。
【0643】
しかしながら、他の実施形態では、テーパ加工領域900の1つ又は複数は、仕切り壁4242の第2チャンバ240に面する側に配置される。別の実施形態では、テーパ加工領域は仕切り壁4242の両側に配置してもよい。
【0644】
スペーサリブ888は、近位部分808と遠位部分810との間に配置されたテーパ領域900を含む。
【0645】
さらに、その又は各流れ誘導部880のベース881は、遠位部分810の壁厚が、1つ又は複数の流れ誘導部880の下部本体部分886の壁厚と一致する厚さまで低減するテーパ加工領域900を含む。
【0646】
遠位部分810の壁厚は、近位部分808の壁厚と同じであってもよい。しかしながら、別の実施形態では、遠位部分810の壁厚は、近位部分808の壁厚よりも大きい。
【0647】
この実施形態及び他の実施形態において、遠位部分810は、遠位方向において内向きにテーパ状になる横幅を有する。しかしながら、代替実施形態では、遠位部分810の横方向内向きのテーパ加工は存在しなくてもよい。
【0648】
図64に示す実施形態の変形例では、患者インタフェース10は、それぞれの流れ誘導部880の下部本体部分886と仕切り壁4242との間の向きの変化に抵抗するように構成されたテザー902を含む。テザー902は、それぞれの流れ誘導部880のベース821から離隔した、下部本体部分886上及び遠位部分810上の位置で、下部本体部分886を遠位部分810に連結する。この特定の実施形態では、テザー902は、下部本体部分886及びベース881に沿って流れ誘導部800と接合し、ベース810から、ベース881から離隔した位置まで遠位部分810と接合する。
【0649】
テザー902は、種々の異なる形態であり得る。この実施形態では、テザー902は、それぞれの流れ誘導部800の下部本体部分886と遠位部分810との間に延在するリブである。
【0650】
テザー902は、流れ誘導部800の遠位側に位置決めされる。テザー902は、近位-遠位方向に向けられる。
【0651】
テザー902は、代替実施形態では、他の方向に向けてもよい。さらなる代替実施形態では、テザー902は、遠位方向における下部本体部分886の延長部であってもよく、この延長部は、下部本体部分886の他の部分の壁厚よりも大きい近位-遠位方向の壁厚を有する。延長部は、遠位部分の平面に平行な断面において、遠位方向に内向きにテーパ状であってもよい。
【0652】
図72~
図74は、
図66に示す実施形態のさらなる変形例を示す。この実施形態では、患者インタフェース10は、外壁288の鼻孔封止部分236に向かう遠位部分810の移動に抵抗するように構成された1つ又は複数のつなぎ材904を含む。
【0653】
図72を考慮すると、第1弾性領域268は、支持壁906と、支持壁906から近位側に突出する張出しリップ908とを含む。変形パネル296の第1壁270は、鼻封止部分から離れるように延在し、張出しリップ908から近位側に延在して、変形パネルと支持壁906との間に間隙910を画定している。変形力が壁部分276に加えられると、仕切り壁4242の主部分244は、変形パネルが変形するに従い遠位方向に移動する。そうする際、主部分244の遠位縁部は、間隙910内に移動する。こうした移動を可能にすることにより、患者インタフェースが変形力を吸収し、流れ誘導部870及び主部分244の座屈を実質的に回避することができる。つなぎ材904は、
図72~
図74に示すように、変形力、例えば壁部分276に加えられるか、又は第1チャンバ238と第2チャンバ240との間のガス圧差から、若しくは患者インタフェース10の外部の周囲ガス圧と患者インタフェース10内のガス圧との間のガス圧差から生じる、変形力を受けたときに、主部分の形状を維持することに寄与する。
【0654】
つなぎ材904は、例えば壁部分276に加えられる変形力に起因して、近位-遠位方向に圧縮力を受けると潰れるように構成されている。こうした潰れにより、間隙910への主部分244の移動の移動が可能になる。しかしながら、つなぎ材904は、鼻孔封止部分236に向かう主部分244の移動を抑制するようにも構成されている。言い換えれば、鼻孔封止部分236に向かって移動することにより主部分244が座屈するいかなる傾向も、主部分を支持壁906に繋留するつなぎ材904によって阻止される。こうした繋留により、つなぎ材904は、鼻孔封止部分236に向かう主部分244の変位に抵抗する張力を受ける。
【0655】
この実施形態では、つなぎ材904は、第1弾性領域268から離れる仕切り壁の移動を制限するように構成されている。つなぎ材904は、変形パネル294、主部分244及び第1弾性領域268と接続するパネルである。この実施形態では、つなぎ材904は、遠位部分810と第1弾性領域268とを接続している。第1弾性領域268と接続することに関して、つなぎ材904は、変形パネル294、張出しリップ908及び支持壁906と接続している。特に
図73及び
図74に示すように、つなぎ材904は、第1弾性領域268と、遠位部分810に関連付けられた補強セクション4264とを接続している。しかしながら、他の実施形態では、つなぎ材904は、変形パネル294、主部分244及び支持壁906と接続してもよい。すなわち、つなぎ材904は、張出しリップ908と接続しなくてもよい。他の実施形態では、つなぎ材は、仕切り壁4242及び第1支持壁906のみと接続してもよい。
【0656】
つなぎ材904は、近位-遠位方向の圧縮力を受けて潰れるように構成されるとともに、近位-遠位方向に且つ鼻孔封止部分236に向かう方向に引張力を受けて伸びるのに、抵抗するように構成されている。この実施形態では、つなぎ材904はパネルである。
【0657】
つなぎ材904は、変形パネル294の第1壁270の壁厚と同じ壁厚を有する。任意選択的に、つなぎ材904は、変形パネル294の第1壁270の壁厚よりも小さい壁厚を有する。
【0658】
つなぎ材904は、
図74に示すように、変形パネル294の第1壁270に対して垂直である。この実施形態では、つなぎ材904は、患者インタフェース10の直立向きを考慮して、患者インタフェース10を通る垂直な中央平面に配置される。しかしながら、他の実施形態は、近位-遠位方向に対して斜めに向けられるつなぎ材904を含んでもよい。
【0659】
つなぎ材904は、第1チャンバ238に露出された自由縁部912を含む。自由縁部912は、第1弾性領域268と、変形パネル294又は遠位部分810又は遠位部分810に関連付けられた補強セクション4264との間に延在する直線である。
【0660】
つなぎ材904は、脆弱点を含み、遠位部分810が第1弾性領域268に向かって移動する際に、その点でつなぎ材904の崩壊を誘発する。任意選択的に、脆弱点は、つなぎ材904の壁厚の局所的な低減である。しかしながら、この実施形態では、自由縁部912の脆弱点は、変形パネル294と第1弾性領域268との間に配置された切欠き914である。切欠き914はV字形状を有する。切欠き914を脆弱点として機能させるのであれば、切欠き914に他の形状を選択してもよい。
【0661】
図72~
図74に示す実施形態では、患者インタフェースは1つのつなぎ材904を含む。しかしながら、他の実施形態は1つ又は複数のつなぎ材を含んでもよいことが理解されよう。
図75~
図77に、2つ以上のつなぎ材904を含む1つの実施形態を示す。
【0662】
その実施形態では、患者インタフェース10は2つのつなぎ材を含み、各つなぎ材は遠位部分と近位-遠位方向に位置合わせされている。しかしながら、つなぎ材904は、さらに横方向に離隔して配置してもよい。例えば、患者インタフェースは、2つのつなぎ材904を含み、各つなぎ材904は、それぞれの外側部分と近位-遠位方向に位置合わせしてもよい。
【0663】
図75~
図77に示す実施形態では、2つのつなぎ材904は、近位-遠位方向において互いに平行である。しかしながら、2つのつなぎ材904は、遠位方向において互いから離れていってもよい。別法として、2つのつなぎ材904は、遠位方向において互いに向かって近づいていってもよい。
【0664】
各つなぎ材904の自由縁部914は、それぞれの流れ誘導部880まで延在している。別法として、各つなぎ材904の自由縁部914は、それぞれの流れ誘導部880と一体化する。各つなぎ材904の自由縁部914は、それぞれの流れ誘導部880のベース881と一体化する。しかしながら、複数のつなぎ材904のうちの1つのつなぎ材904は、それぞれの流れ誘導部880のうちの1つまで延在するか、又はそれと一体化してもよい。
【0665】
仕切り壁4242は、仕切り壁4242の遠位部分810及び外側部分800を横切って延在し、変形パネル294に隣接する、補強構造体916を含む。補強構造体816は、遠位部分810及び外側部分800の変形に抵抗するように構成されている。この実施形態では、補強構造体916は、その又は各流れ誘導部880の遠位側にある位置で遠位部分810及び外側部分800を横切って延在する側方補強リブである。補強構造体916に関連付けられた追加の壁厚により、補強構造体916の線に沿った仕切り壁4242の変形に対する弾力性が与えられる。これは、変形パネル294における仕切り壁4242の優先的な変形に寄与し、したがって、仕切り壁4242が壁部分276を通して加えられる変形力を受けたときに、仕切り壁4242の形状を保持することに寄与する。
【0666】
補強構造体916は、補強構造体916と変形パネル294との間に間隔があるように配置され、任意選択的に、その間隔は、補強構造体916に沿って一定である。この実施形態では、間隔は、補強構造体に沿って変化する。補強構造体916と変形パネル294との間の間隔は、外側部分800にわたる補強構造体916と変形パネル294との間の間隔よりも、遠位部分810にわたる方が大きい。補強構造体と変形パネルとの間の間隔は、横方向に低減する。間隔の低減は、連続的であっても、段階的であっても、不連続的であってもよい。さらに、間隔は、他の実施形態では、異なるように変化してもよい。この実施形態では、補強構造体916と変形パネル294との間の間隔は、中央位置で最大である。
【0667】
図78及び
図79に示す実施形態では、補強構造体916は、側方補強リブであり、仕切り壁4242の第2チャンバ240に露出された側にある。他の実施形態では、補強構造体916は、側方補強リブであってもよく、仕切り壁4242の第1チャンバ238に露出された側にあってもよい。
【0668】
他の実施形態では、補強構造体916は、仕切り壁4242の第2チャンバ240に露出された側に第1側方補強リブを含み、仕切り壁4242の第1チャンバ238に露出された側に第2側方補強リブを含む。第1及び第2側方補強リブは、近位-遠位方向において仕切り壁4242の両側に位置合わせすることができる。別法として、第1及び第2補強リブは、近位-遠位方向において仕切り壁の各側でオフセットしている。別法として、第1及び第2補強リブは、1つ又は複数の位置において仕切り壁4242の各側において近位-遠位方向に位置合わせしてもよく、他の位置において仕切り壁4242の各側において近位-遠位方向にオフセットしていてもよい。
【0669】
他の実施形態は、上述した第1及び第2補強リブについての構成に対する変形例であり得る。例えば、第1補強リブのための変形パネル294からの間隔は、第2補強リブのための変形パネル294からの間隔と異なる。別の例では、第1補強リブのための変形パネル294からの間隔は一定であり、第2補強リブのための変形パネル294からの間隔は変化する。別の例では、第2補強リブのための変形パネル294からの間隔は一定であり、第1補強リブのための変形パネル294からの間隔は変化する。
【0670】
図78及び
図79に示す実施形態では、補強構造体916は、補強構造体916の長さに沿って一貫した輪郭を有する。他の実施形態では、補強構造体916は、補強構造体916の長さに沿って変化する輪郭を有する。別法として、補強構造体916は、横方向において仕切り壁4242の上方で高さがテーパ状になる輪郭を有してもよい。補強構造体は、多角形の輪郭、矩形の輪郭、台形の輪郭、半円形の輪郭又は円セグメントの輪郭を有してもよい。
【0671】
補強構造体916は、この実施形態では、各それぞれの流れ誘導部880から離隔して配置されている。しかしながら、補強構造体916は、その又は各それぞれの流れ誘導部880に連結してもよい。
【0672】
患者インタフェース10は、仕切り壁4242の反転を抑制するように構成された1つ又は複数の変形領域つなぎ材918(
図80~
図82)を含む。その又は各それぞれの変形領域つなぎ材918は、仕切り壁4242の第1チャンバ238に露出される側と、シール部材4230の外壁288との間に延在する。特に
図81及び
図82に示すように、シール部材は、2つの変形領域つなぎ材918を含む。各変形領域つなぎ材918は、外壁から遠位部分810まで延在している。以下の説明は、シール部材が2つの変形領域つなぎ材918を有するという文脈であるが、シール部材4230が1つの変形領域つなぎ材918のみを有していてもよいことが理解されよう。そのため、変形領域つなぎ材918の異なる構成の以下の説明は、1つの変形領域つなぎ材918のみを含む患者インタフェース10の実施形態にも等しく適用されることが理解されよう。
【0673】
変形領域つなぎ材918は、変形パネル294と流れ誘導部880又は流れ誘導部880のそれぞれとの間の仕切り壁4242と接続する。
図80~
図82に示す実施形態では、変形領域つなぎ材918は、変形パネル294から離隔して配置されている。変形領域つなぎ材918は、流れ誘導部880から離隔して配置されている。任意選択的に、各それぞれの変形領域つなぎ材918は、流れ誘導部のそれぞれと一体化してもよい。例えば、各それぞれの変形領域つなぎ材918は、それぞれの流れ誘導部880のベース881と一体化してもよい。
【0674】
図81及び
図82に見られるように、各それぞれの変形領域つなぎ材918は、仕切り壁4242及び外壁288から延在し、第1チャンバ238内に自由縁部920を有する。自由縁部920は直線である。この実施形態では、変形領域つなぎ材918は、平坦な平面構造を有する。
【0675】
患者インタフェース10は、2つの変形領域つなぎ材を含み、近位側の各それぞれの変形領域つなぎ材918の近位面922間の角度は、140°よりも大きい。別法として、近位側の各それぞれの変形領域つなぎ材918の近位面922間の角度は、160°よりも大きい。
【0676】
図81及び
図82に示す実施形態では、2つの変形領域つなぎ材918は、遠位部分810の同じ位置まで延在している。2つの変形領域つなぎ材918は、補強セクション4264まで延在している。しかしながら、代替実施形態では、2つの変形領域つなぎ材918は、遠位部分810における離隔した位置まで互いに向かって延在している。別の実施形態では、変形領域つなぎ材918は、遠位部分上の離隔した位置まで延在してもよいが、変形領域つなぎ材918は、互いに向かって延在しなくてもよい。
【0677】
変形領域つなぎ材918は、外壁と接続する第1部分924と、主部分244まで延在する第2部分926とを含む。代替実施形態では、一方の接続点は主部分244とのものであり、他方の接続点は、患者インタフェースの直立向きを考慮すると、遠位部分810の下方の高さでの外壁288とのものである。こうした実施形態では、変形領域つなぎ材918は、コード又はワイヤ又はケーブルであり得る。さらなる代替実施形態では、第1部分924は、平坦な平面構造を有し、第2部分926は、第2部分926が延在するそれぞれの位置における接線間の、近位側での角度が、140°~180°であるように湾曲している。
【0678】
変形領域つなぎ材918は、壁部分276に変形力が加えられたときに仕切り壁4242の主部分244の移動を可能にするように配置されるとともに、鼻孔封止部分236に向かう主部分の変形又は反転を阻止するように配置されている。したがって、第1チャンバ238内の変形領域つなぎ材918の位置により、変形領域つなぎ材918は、鼻孔封止部分236に向かう主部分244のたわみ又は反転に対する引張抵抗体として作用することができる。近位面922間の角度が広いことにより、変形領域つなぎ材918が主部分244の移動に対して引張又は圧縮の影響を与える程度が低減する。変形領域つなぎ材918は、壁部分276に加えられる変形力の影響下で、仕切り壁4242の移動範囲を通して仕切り壁4242に実質的に一定の引張力をかけるように構成することができる。これは、平坦なパネル形状の変形領域つなぎ材918を、主部分244の移動方向に対して実質的に直交するように向けることによって促進される。
【0679】
変形領域つなぎ材918によって付与される引張抵抗は、外壁との接続部が主部分244との接続点よりも低いことに起因する。
図80~
図82に示す実施形態では、変形領域つなぎ材918は、患者インタフェースの直立向きを考慮すると、仕切り壁4242の最も低い位置よりも下方の高さまで延在している。変形領域つなぎ材918は、患者インタフェースの直立向きを考慮すると、口腔開口部の最も高い位置よりも下方の高さまで延在している。さらに、変形領域つなぎ材918は、1つ又は複数の鼻孔開口部234の最近位部分の遠位側に位置する位置で、遠位部分810から外壁288まで延在している。
【0680】
自由縁部920は、補強セクション4264の近位側に位置する位置で外壁288から延在している。別法として、自由縁部920は、1つ又は複数の口腔開口部232の遠位側に位置する位置で外壁288から延在する。別法として、自由縁部920は、スペーサリブ888の遠位側に位置する位置で外壁920から延在する。
【0681】
代替実施形態では、自由縁部920は湾曲していてもよい。湾曲部は、凸状湾曲部であっても凹状湾曲部であってもよい。
【0682】
図80~
図82に示す実施形態では、変形領域つなぎ材918が全体を通して同じ壁厚を有することを含む。
図83に示す代替実施形態は、上述したように形成された同じ平坦なパネルの変形領域つなぎ材918を含むが、壁厚に関して異なる。具体的には、
図83の変形領域つなぎ材918は、仕切り壁から自由縁部まで低減する壁厚を有するパネルである。
【0683】
図85~
図87に、クッションモジュール4020に対する代替的な流れ誘導部880の構成を示す。この実施形態では、流れ誘導部880は、
図64及び
図65Aに関連して上述した流れ誘導部880と同じである。その実施形態では、流れ誘導部880は、同じサイズであり、したがって、同じガス流量を提供する。
図85~
図87の流れ誘導部880は、1つの流れ誘導部880を通るガス流量を、別の流れ誘導部880を通るガス流量よりも大きくするように構成されているという点で異なる。言い換えれば、それぞれの流れ誘導部880のうちの1つは、ガス流に対する第1抵抗を有するように構成され、そのそれぞれの流れ誘導部880のうちの別のものは、ガス流に対する第2抵抗を有するように構成され、ガス流に対する第1抵抗は、ガス流に対する第2抵抗よりも低い。
【0684】
図86及び
図87から、それぞれの流れ誘導部880Aのうちの一方の第1開口部889A及び第2開口部884Aが、それぞれの流れ誘導部880Bのうちの他方の第1開口部889B及び第2開口部884Bよりもそれぞれ大きいことが分かる。代替実施形態では、流れ誘導部880Aの第1開口部889A又は第2開口部884Aは、流れ誘導部880Bのそれぞれの第1開口部889B又は第2開口部884Bよりも大きい。
【0685】
別の方法で表現すると、流れ誘導部880Aと流れ誘導部880Bとの間の流量の非対称性は、流れ誘導部880A及び880Bの開口サイズが異なる結果である。例えば、流れ誘導部880Aの第1開口部889Aの面積の、他方の流れ誘導部880Bの第1開口部889Bの面積に対する比は、1:1~1:0.1の範囲にある。別法として、流れ誘導部880Aの第2開口部884Aの面積の、他方の流れ誘導部880Bの第2開口部884Bの面積に対する比は、1:1~1:0.1の範囲にある。さらに別法として、流れ誘導部880Aの第1開口部889A及び第2開口部884Aの組み合わされた面積の、他方の流れ誘導部880Bの第1開口部889B及び第2開口部884Bの組み合わされた面積に対する比は、1:1~1:0.1の範囲にある。別法として、それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第2開口部の面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第2開口部の面積に対する比は、1:0.5~1:0.2の範囲にある。別法として、それぞれの流れ誘導部のうちの1つの第2開口部の面積の、それぞれの流れ誘導部のうちの別のものの第2開口部の面積に対する比は、1:0.33である。さらなる代替例では、2つの流れ誘導部880A及び880Bは同じ形状を有し、流れ誘導部880Aの寸法の流れ誘導部880Bの寸法に対する比は、1:0.5~1:0.2の範囲にある。流れ誘導部880Aの寸法の流れ誘導部880Bの寸法に対する比は、1:0.33であり得る。
【0686】
流れ誘導部880Aと流れ誘導部880Bとの間のサイズの相違にもかかわらず、流れ誘導部880A及び880B並びにスペーサリブ888の向き及び位置は、
図64に示す実施形態の流れ誘導部880と同じままである。
【0687】
第1開口部889A及び第2開口部884Bの面積がより大きい流れ誘導部880Aは、ガス流に対するより低い抵抗を有し、したがって、流れ誘導部880Bを通るガス流よりも高い流量のガス流を有する。流れ誘導部880Aを通るより高流量のガス流は、患者の一方の鼻孔に他方の鼻孔よりも多くのガス流を向ける。言い換えれば、両方の鼻孔に非対称のフラッシング流が提供される。一方の鼻孔へのガス流の方が高流量であることにより、一方の鼻孔に流れ込んで他方の鼻孔から流れ出る呼吸ガスのストリームにより、鼻腔内の死腔の一方向フラッシングが促進されることが予期される。それぞれの流れ誘導部880A及び880Bから両方の鼻孔にフラッシング流が提供される一方で、流れ誘導部880Bに関連付けられた鼻孔に入る流れは少なくなり、その結果、鼻孔及び鼻腔を通る非対称なフラッシング流があることになる。他方の鼻孔を通る流出は、その鼻孔に関連付けられた流れ誘導部880Bを通る相対的に低いガス流量によって促進されると考えられる。すなわち、他方の鼻孔に向けられたガス流量の方が低いことにより、同じ鼻孔から出るガス流に対する抵抗が低くなる。鼻腔内の死腔の一方向フラッシングにより、患者の口が閉じられているときの解剖学的死腔のフラッシングを改善することができると考えられる。また、患者の口が開いているときに、一方向フラッシングが依然として少なくともある程度は有効であることも考えられる。
【0688】
異なるサイズの2つの流れ誘導部880A及び880Bを有することに対する代替例は、
図88~
図90に示すように、患者インタフェースが1つの流れ誘導部880のみを含むことを含む。
【0689】
この実施形態では、1つの流れ誘導部880は、呼吸ガスのフラッシング流を一方の鼻孔に送達するように構成されている。すなわち、流れ誘導部880は、ガスの流れを、鼻孔開口部を通して患者の鼻孔のうちの一方に向けるように構成されている。1つの流れ誘導部880は、一方の鼻孔にフラッシング流を送達することにより、鼻腔内の死腔のフラッシングを可能にするように構成されている。1つの流れ誘導部880を介して一方の鼻孔にガスのフラッシング流を送達することにより、フラッシング流が鼻腔を通って流れ、他方の鼻孔を通って第2チャンバ240内に出ることにより、鼻腔内の死腔の一方向フラッシングを引き起こす可能性が高いと予期される。
【0690】
図88~
図90に示す流れ誘導部880は、
図64、
図65A及び
図65Bに関連して上述した流れ誘導部880の形態を有するが、流れ誘導部は、上記に開示した流れ誘導部のうちの任意の1つの形態であってもよい。すなわち、流れ誘導部は、流れ誘導部246、1246、2246、3246、4246、820、830、840、850、860又は870のうちの任意の1つの形態であってもよい。
【0691】
図88~
図90において、流れ誘導部880の第2開口部884は、患者インタフェース10の横方向側部の間の中央平面から横方向にオフセットしている。また、流れ誘導部880の第2開口部884は、中央平面から横方向に間隔が空けられている。同様に、流れ誘導部880の第1開口部889は、患者インタフェース10を通る中央平面から横方向にオフセットしている。また、流れ誘導部880の第1開口部889は、患者インタフェース10を通る中央平面から横方向に間隔が空けられている。
【0692】
仕切り壁4242は、中央平面の流れ誘導部880と反対側に、中央平面に隣接する第1側方部分928を含む。第1側方部分928は、一対の流れ誘導部880のうちの第2流れ誘導部があった場所に一致する。第1側方部分928は第1壁厚を有する。仕切り壁4242は、第1側方部分928から横方向外向きに延在する外側部分800のうちの1つをさらに含む。外側部分800は第2壁厚を有し、第1側方部分928の第1壁厚は第2壁厚と同じである。代替実施形態では、第1側方部分928の第1壁厚は、第2壁厚よりも大きい。
【0693】
その代替実施形態に従って、第1側方部分928と外側部分800との間の移行部930が、流れ誘導部880の最も外側側に位置決めされた部分が中央平面から離隔した距離と実質的に同じ距離だけ、中央平面から横方向に離隔して配置されている。別法として、第1側方部分と外側部分800との間の移行部930は、流れ誘導部880の最も外側側に位置決めされた部分が中央平面から離隔した距離よりも大きい距離だけ、中央平面から横方向に離隔して配置される。さらなる代替的な実施形態では、第1側方部分と外側部分800との間の移行部930は、流れ誘導部880の最も外側側に位置決めされた部分が中央平面から離隔した距離よりも小さい距離だけ、中央平面から横方向に離隔して配置される。
【0694】
図91~
図93は、
図88~
図90に示す実施形態の変形例を示す。
図91~
図93において、患者インタフェース10は、患者の鼻孔の周囲を封止する鼻孔開口部234を含むとともに、第1チャンバ238から鼻孔開口部234まで延在するチャネル930を含み、このチャネルは、患者の鼻孔のうちの一方と整列するように構成されている。鼻孔開口部234の残りの部分は、患者の鼻孔のうちの他方と整列するように構成されている。この実施形態は、1つの流れ誘導部のみを備えた上述した実施形態(
図88~
図90)と同様に動作すると予期される。すなわち、チャネル934及び鼻孔開口部234は、インタフェースが患者に取り付けられたときに、ガスのフラッシング流を第1鼻孔に送達するように構成され、このフラッシング流が、鼻腔のフラッシングを引き起こし、鼻腔を通ってフラッシングされたガスが、他方の鼻孔を通って、鼻孔開口部234の残りの部分を通って、第2チャンバ240に流れ込むようにする。このように、この実施形態は、鼻腔の一方向フラッシングを提供すると予期される。
【0695】
この実施形態では、チャネル930は、患者の鼻孔のうちの他方からのガスが第2チャンバ240に流れ込むのを可能にするように構成されている。さらに、チャネル930は、チャネル930からのガスが第2チャンバ240に流れ込むのを可能にするように構成されている。
【0696】
チャネル930は、患者の鼻孔のうちの一方にのみガス流を送達するように構成することができる。しかしながら、この実施形態では、チャネル930は、患者の鼻孔の両方にガス流を送達するように構成されている。患者の鼻孔へのガス流は、チャネル930からの第1及び第2ガス流を含み、第1及び第2ガス流は不均等である。第1ガス流は第2ガス流よりも高流量である。第1鼻孔への第1ガス流は、フラッシングガス流である。両方の鼻孔が空いている間、一方の鼻孔に供給されるフラッシングガス流は、上述したように、鼻腔及び咽喉上部の解剖学的死腔の一方向フラッシングを可能にする。フラッシングガス流が供給される鼻孔が閉塞した場合、第2ガス流が患者に呼吸ガスを供給して、呼吸周期を継続させる。
【0697】
チャネル930からのガス流の分割は、チャネル930の構成によって可能である。チャネル930は、一部、仕切り壁4242と鼻孔開口部234との間に延在する周壁932により、一部、仕切り壁と鼻孔開口部234から引っ込んだ位置との間に延在して周壁932とチャネル930を形成する仕切り壁934により、画定されている。仕切り壁は、仕切り縁部936において、チャネルの出口端部で終端する。仕切り縁部936は、リム286の近位側及び遠位側で鼻孔開口部234のリム386を連結する一方で、鼻孔開口部234から引っ込んだ湾曲形状を有する。仕切り壁934が鼻孔開口部234から引っ込んだ位置にあることにより、患者インタフェース10が患者に取り付けられたときに、チャネル234からのガスが第2チャンバ240に流れ込むことができる。仕切り壁934は、患者との接触を回避するために鼻孔開口部から引っ込んでいる。すなわち、仕切り壁934は、患者インタフェース10が患者に取り付けられたときに、仕切り壁934の端部と患者の鼻中隔との間にガス流のための間隙があるように、鼻孔開口部234から十分に引っ込んでいる。
【0698】
チャネル934は、仕切り壁4242から鼻孔開口部234までテーパ加工されて、チャネル934を通るガスを加速する。他の実施形態では、チャネル934の輪郭は、仕切り壁4242から鼻孔開口部234まで一定である。
【0699】
図83及び
図84に、別の代替的な流れ誘導部890を示す。流れ誘導部890は、ベース891と、ベース891から延在する本体892と、リム893とを含むという点で、流れ誘導部880と同じ概略的な形態を有する。ベース891は、本体892を仕切り壁4242に接合している。ベース891は、本体892と仕切り壁4242との間に平滑な移行面を形成している。流れ誘導部880と同様に、外壁288の一部は、リム893によって画定された第2開口部894の横方向外側の上に延在している。クッションモジュール4020に関して上記で説明したように、患者インタフェース10が取り付けられると、鼻孔開口部234は横方向に広がり、そのため、鼻孔開口部234は横方向外向きに広がって、使用時に外壁288が第2開口部894の上に延在しないようにする。
【0700】
本体892は、リム893から下部本体部分896を線引きする移行部895を含む。流れ誘導部880とは異なり、流れ誘導部890は、上部本体部分を含まない。下部本体部分896は、ベース891から移行部895まで低減する壁厚を有する。下部本体部分896は、近位方向に角度が付けられており、そのため、ベース891から移行部895まで延在する下部本体部分896の近位側が、ベース891から移行部895まで延在する下部本体部分896の遠位側よりも短い。移行部895は、下部本体部分896と同様に傾斜した平面を占める。しかしながら、下部本体部分896及び移行部895の傾斜は、流れ誘導部4246に存在する傾斜よりも小さい。下部本体部分896に角度が付けられ、流れ誘導部890が横方向に位置決めされていることにより、呼吸ガスが鼻孔開口部234を通って流れ誘導部890から鼻孔内に向けられるのが容易になる。流れ誘導部890はまた、移行部895が流れ誘導部4246の移行部802よりも仕切り壁4242に近いという点でも流れ誘導部4246と異なる。
【0701】
下部本体部分896は壁厚を有し、リム893は、移行部895がテーパ状の壁厚を有するように、下部本体部の壁厚よりも小さい別の壁厚を有する。
【0702】
この実施形態では、スペーサリブ898は、リム893から離隔した位置で下部本体部分896及び移行部895と接合している。スペーサリブ898は、それぞれの流れ誘導部890の第2開口部894の中心を結ぶ想像線の遠位側に配置されている。流れ誘導部890のベース891又は下部本体部分896は、壁部分276と接合している。
【0703】
流れ誘導部890の内壁は、第1開口部899から第2開口部894に向かって内向きにテーパ状となって、第1開口部899と第2開口部894との間に内向きにテーパ加工されたチャネル930を形成している。この実施形態では、リム893の壁厚は、仕切り壁の外側部分800、遠位部分810又は近位部分808の壁厚よりも大きい。
【0704】
この実施形態では、患者インタフェース10は、仕切り壁4242の、第1チャンバ238に露出される側と、シール部材4230の外壁288との間に延在する、1つ又は複数の変形領域つなぎ材918を含み、仕切り壁4242の主部分244は、鼻孔開口部234に対して近位-遠位方向に凹状輪郭を有し、その又は各それぞれの流れ誘導部890は、ベース891と、下部本体部分896と、第2チャンバ240内に開口する第2開口部894を形成するリム893と、下部本体部分896とリム893との間に延在する移行部895とを備える。
【0705】
上述した流れ誘導部の実施形態のすべてについて、第2開口部の面積は、20~160mm
2又は40~140mm
2又は40~100mm
2又は40~80mm
2又は40~60mm
2又は30~80mm
2又は30~60mm
2又は20~60mm
2の範囲にある。この範囲に対する唯一の例外は、
図85~
図87に示す実施形態であり、特に、2つの非対称サイズの流れ誘導部880A及び880Bのうち小さい方のサイズを有する流れ誘導部880Bに関する。その小さい方の流れ誘導部の第2開口部884Bの面積は、上記の範囲よりも小さい可能性がある。
【0706】
上述した流れ誘導部の実施形態のすべてについて、流れ誘導部を通るガス速度は1~40m/sの範囲にある。患者インタフェースに供給される所与のガス圧に対して速度は異なる可能性が高いが、上述した範囲内に収まることが予期されることが理解されよう。予期されるガス速度は、患者インタフェースが、第1チャンバ238若しくは第2チャンバ240、又は流れ誘導部246、1246、2246、3246、4246、820、830、840、850、860、870、880若しくは890の閉塞なしに患者に取り付けられていることに基づく。
【0707】
先に言及したように、患者インタフェース10は、フレーム30及び導管コネクタ40をさらに含む。
【0708】
フレーム30は、ガス源からクッションモジュール20に、したがって患者に呼吸ガスを搬送する1つ又は複数のチャネルを含む中央本体部分302を含む。フレーム30は、中央本体部分302から延在する側部翼状部304を含む。各側部翼状部74は、一対の開口部308が、患者インタフェースを患者に取り付けるためのヘッドギア(弾性ストラップ等)と協働するように配置されていることを含む。ヘッドギアは、マスク10を介して患者に上昇したガス圧の呼吸ガスが送達されると、マスク10を患者の顔に接触させて実質的気密シールを形成するように引っ張ることによって動作する。各側部翼状部304の1つの開口部308は、ヘッドギアクリップと接続して、より容易なヘッドギアへの接続及びヘッドギアからの分離を可能にする、バー306を含む。
【0709】
この実施形態はフレーム30を含むが、代替実施形態では、ヘッドギア接続点をハウジング210と一体化するか、又はハウジング210に接続してもよい。その場合、フレーム30は不要であり、こうした実施形態から省略することができる。
【0710】
フレーム30は、4つの弓形フィンガ312を含むコネクタスリーブ310をさらに含む。コネクタスリーブ312は、球形セグメントの形状の形状を有する凹形輪郭を含む内壁314を有する。コネクタスリーブ310の外壁は、ハウジング210のスリーブ220内に嵌合するような形状である。弓形フィンガ312は、キー構造222と嵌合するような形状である回り止めによって間隔が空けられている。キー構造222及び回り止めの位置により、それらが嵌め合わされたときにフレームがハウジング210と正しく整列することが確実になる。
【0711】
各弓形フィンガ312は、スリーブ220の半径方向内向きに突出するリップ298とスナップフィットを形成する弓形フランジ部分318を備えた端部を有する。スナップフィットは、フレーム30をハウジング210に保持する。スナップフィットは、解除可能であってもよく、又はフレーム30とハウジング210との間の恒久的な嵌合であってもよい。
【0712】
図1に示す概略的な形態の変形例に関する上記の解説を考慮すると、概略的な形態の、後述する態様及び実施形態に適用可能な、1つのこうした変形例は、ハウジング210とフレーム30とが一体的に形成されている場合である。言い換えれば、患者インタフェース10は、ハウジング210及びフレーム30の同じ機能を果たす一体構造を含むことができる。ハウジング210及びフレーム30は、患者インタフェース10の別個の構成要素であるものとして説明しているが、この説明は、ハウジング210及びフレーム30と同様に機能する一体的に形成された構成要素の選択肢を含むものとして読まれるべきである。別法として、フレーム30は、接着剤又は溶接等の任意の従来の手段によってハウジング210に接続してもよい。例えば、ハウジング210とフレーム30とを超音波溶接することにより、フレーム30をハウジング210に恒久的に接続することができる。
【0713】
導管コネクタ40は、エルボ60と、エルボ60をフレーム30に結合するソケットインサート50とを含む。導管コネクタ40は、人工呼吸器、加湿器又は壁供給源等の供給源から呼吸ガスを送達する導管に接続するスイベルコネクタ80をさらに含む。スイベルコネクタ80、エルボ60及びソケットインサート50は、導管からクッションモジュール20、1020、2020、3020への呼吸ガスの流路を形成している。
【0714】
ソケットインサート50は、凸状の球状セグメントを含む外壁502を有する。球状セグメントの形状は、フレーム30の内壁314の凹状球状セグメントの形状と適合する。外壁502は、一端が内壁504に接合されている。内壁504は、半径方向内向きに突出する肩部508を含む内面506を含む。ソケットインサート50は、外壁502がフレーム30の内壁314の凹状セグメント内に収まるように、フレーム30にスナップフィットする(
図4)。この接続は、ソケットがフレーム30の内壁314の球形セグメント内で回転するのを可能にするボール及びソケット型の接続を形成する。
【0715】
エルボ60は、第1導管部分602及び第2導管部分608を含む。第1導管部分602及び第2導管部分608の長手方向軸は、斜めの角度に設定されている。したがって、エルボ60を通って流れる呼吸ガスは、第1導管部分602から第2導管部分608への方向転換を受ける。導管部分602は、半径方向に突出したフランジ606を含む。エルボ60は、フランジ606を肩部508にスナップフィットさせることにより、ソケットインサート50に接続される。しかしながら、他の実施形態では、エルボ60は、溶接により又は接着剤によりソケットインサート50に接続してもよく、その場合、肩部508及びフランジを省略してもよい。
【0716】
第2導管部分608は、呼吸ガス用の入口610を含む。入口610は、第2導管部分608の遠位端にある。第2導管部分608は、呼吸ガスの供給源が故障するか、又は供給源から患者インタフェース10にガスを搬送する導管が閉塞した場合に、患者インタフェースに周囲空気が入るのを可能にする窒息防止弁70(
図2、
図4及び
図5)と協働する構造体(
図5参照)をさらに含む。より具体的には、第2導管部分608は、開口部612を含む。開口部は、第2導管部分608の下方部分にある。開口部612に隣接して背骨部614が配置され、開口部612から離隔して配置されたパネル616を支持する。パネルを開口部から離隔することにより、周囲空気が開口部にアクセスすることができる間隙618がもたらされる。
【0717】
窒息防止弁70は、弁座702及び弁シール714を含む。弁座702は、弁シール714が弁70を封止する封止面704を含む。弁座702は、半径方向外向きに突出するビード710を有するスリーブ708をさらに含む。ビード710は、スリーブ708の端部にある。弁座702は、弁シール714と結合するスピゴット712をさらに含む。
【0718】
弁シール714はフラップ720を含み、このフラップ720は、エルボ60が供給源からの呼吸ガスの流れに対して開いている開位置と、エルボ60が供給源からの呼吸ガスの流れに対して閉じている閉位置との間を移行することができる。開位置では、エルボ60の内部への周囲空気のアクセスが阻止され、閉位置では、エルボ60の内部への周囲空気のアクセスが可能となる。この実施形態では、フラップ720は、可撓性材料で形成されている。フラップ720は、ヒンジ722によってラグ716に接合されている。ヒンジ722は、壁厚が低減した可撓性材料のセクションを含む。ラグ716は、第2導管部分608の端部内に弁シール714を位置付けるのに役立つように構成されている。さらに、ラグ716は、スピゴット712を受けるように適合された凹部718を含む。凹部718内にスピゴット712の嵌合することにより、弁座702上で弁シール714が正しく向けられる。
【0719】
加圧された呼吸ガスは、供給源から供給されると、エルボ60を通ってクッションモジュール20、1020、2020、3020に流れ込む。呼吸ガスの上昇した圧力により、フラップはヒンジ722を中心に揺動し、第2導管部分の開口部612を覆う。これは、フラップ720が、間隙618及び開口部612を介して周囲空気がエルボ60に入るのを防止するという点で、上述した「開位置」を表す。呼吸ガスの供給源が故障するか、又は供給源に接続する導管が閉塞した場合、エルボ60内の空気圧がエルボ60の外側の空気圧と等しくなるため、窒息防止弁70は閉じ、そのため、フラップ720は、ヒンジ722を形成する可撓性材料における固有の弾性により、上述した「閉位置」に移行する。閉位置では、開口部612がエルボ60の内側に露出し、そのため、患者の自然な呼吸周期によって、
図5に流れ矢印で示すように、1つ又は複数の開口部を介してエルボ60及びクッションモジュール20、1020、2020、3020内に空気が引き込まれる。
【0720】
弁座702は、エルボ60と結合するように構成された半径方向に突出する段状部を含む。特に、段状部724は、第2導管部分608の端部と嵌合するように構成されている。結合は、スナップフィット接続を含んでもよく、又は溶接又は接着剤による固定等の恒久的な固定を含んでもよい。
【0721】
弁座702は、呼吸ガス源からの導管と接続するように構成されたスイベルコネクタ80と結合する。スイベルコネクタ80は、弁座714をスイベルコネクタ80に接続するために弁座714の段状部724と協働可能である半径方向内向きに突出する肩部82を含む。接続はスナップフィット接続である。しかしながら、他の実施形態では、接続は、溶接又は接着剤による固定等の恒久的な固定を含んでもよい。
【0722】
本発明の当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、好ましい実施形態に対して多くの変形及び変更を行うことができることを理解するであろう。
【0723】
以下の特許請求の範囲において、且つ前述の説明において、文脈上、明示的な表現又は必要な暗示により別段必要とされる場合を除き、「備える、含む(comprise)」という語及び「備える、含む(comprises)」又は「備えている、含む(comprising)」等の変形は、包含的な意味で、すなわち、本明細書に開示するような装置及び方法のさまざまな実施形態において、述べた特徴の存在を特定するが、さらなる特徴の存在又は追加を排除するものではないように、使用されている。
【0724】
好ましい実施形態の上述した説明では、明確にするために所定の用語を用いている。しかしながら、本発明は、そのように選択された所定の用語に限定されるようには意図されておらず、各所定の用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の方法で動作するすべての技術的均等物を含むことが理解されるべきである。「前」及び「後」、「内側」及び「外側」、「上方」、「下方」、「上部」及び「下部」、「下側」及び「上側」、「垂直」及び「水平」等の用語は、参照点を提供するための便宜的な語として使用されるものであり、限定用語として解釈されるべきではない。特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して患者インタフェースに関して使用される場合のこれらの用語は、通常の動作の向き、すなわちインタフェースが患者に取り付けられ、患者の頭部が直立している場合の向きに対する相対的な向きを指す。
【0725】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、「接合」、「連結」及び「接続」等の用語は、2つの別個の構成要素が互いに連結されることを必要とするものとして解釈されるべきではない。これらの用語は、一体的に形成された特徴の交差部を意味する選択肢を含む、文脈で解釈されるべきである。例えば、上記実施形態における仕切り壁は、外壁と接合しているが、それらの実施形態では一体的に形成されている。
【0726】
さらに、本発明について、現時点で最も実際的且つ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して説明したが、本発明は、開示した実施形態に限定されるべきではなく、逆に、本発明の趣旨及び範囲内に含まれるさまざまな変更形態及び等価の配置を包含することが意図されていることが理解されるべきである。また、上述したさまざまな実施形態は、他の実施形態と組み合わせて実装することができ、例えば、1つの実施形態の態様を、別の実施形態の態様と組み合わせて、さらに他の実施形態を実現することができる。さらに、任意の所与のアセンブリの各独立した特徴又は構成要素は、追加の実施形態を構成することができる。
【国際調査報告】