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特表2024-504320人工心臓弁のフレームに弁尖を取り付けるための接続スカート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】人工心臓弁のフレームに弁尖を取り付けるための接続スカート
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543436
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022012873
(87)【国際公開番号】W WO2022159427
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/139,514
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット・ジャスミン・コロナ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン・マイケル・ダルボー
(72)【発明者】
【氏名】ジル・セネシュ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC14
4C097SB02
4C097SB03
(57)【要約】
接続スカートを使用して、弁尖を人工心臓弁のフレームに取り付けるための方法及び組立品が開示されている。一実施例として、人工心臓弁は、複数の支柱を備える環状フレームと、フレーム内に取り付けられ、かつ複数の弁尖を備える弁膜構造と、を含み得る。各弁尖の尖縁部分は、接続スカートによってフレームに接続されることができ、そこで、各接続スカートは、フレームと弁尖の尖縁部分との各々に接続されかつ間に配置された、中央部分と中央部分の対向する側面上にある対向する側面ベース部分とを備え、各接続スカートは、弁尖の尖縁部分から外向きに、かつ隣接する2つの弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱を横切って延在する、側面延長部分をさらに備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームであって、前記フレームが、複数の支柱を備える、環状フレームと、
前記フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造であって、各弁尖が、前記弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、前記タブ間の尖縁部分とを備える、弁膜構造とを備え、
各弁尖の前記尖縁部分が、接続スカートによって前記フレームに接続され、各接続スカートが、前記フレームと前記弁尖の前記尖縁部分との各々に接続されかつ間に配置された、中央部分と前記中央部分の対向する側面上にある対向する側面ベース部分とを備え、 各接続スカートが、前記弁尖の前記尖縁部分から外向きに、かつ隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置された前記フレームの支柱を横切って延在する、側面延長部分をさらに備える、人工心臓弁。
【請求項2】
前記複数の支柱が、前記フレームの前記流入端及び前記流出端に複数の頂点を形成し、各接続スカートの各側面延長部分が、隣接する弁尖の間で、前記フレームの前記流入端に配置された、前記複数の頂点の各頂点の内面が、対応する接続スカートの対応する側面延長部分によって覆われるように、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置された前記フレームの前記支柱を横切って延在する、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項3】
各側面延長部分が、前記複数の支柱によって画定される複数のオープンセルのうち1つ以上のセルにわたって延在し、前記1つ以上のセルが、前記複数の弁尖によって露出される、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の人工心臓弁。
【請求項4】
各側面延長部分が、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項5】
各接続スカートが、前記中央部分と、前記側面ベース部分が前記中央部分に対して曲がることを可能にするように構成された前記側面ベース部分との間に配置される1つ以上のノッチを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項6】
各接続スカートの各側面延長部分が三角形であり、前記接続スカートの前記側面ベース部分のそれぞれの側面ベース部分の対向する端部から外向きに延在する角度のついた2つの縁部によって形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項7】
各接続スカートが、前記側面ベース部分及び前記中央部分内に配置され、かつそれらを横切って延在する複数列の開口を含み、各弁尖について、前記接続スカートの前記中央部分及び側面ベース部分が、前記複数列の開口のうち第一の2列を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、前記弁尖の前記尖縁部分に沿って配置され、かつそれに固定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項8】
各弁尖について、前記弁尖に固定された前記接続スカートの前記中央部分及び側面ベース部分が、前記複数列の開口のうち第二の2列を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、前記フレームの前記複数の支柱のうちの支柱にさらに固定される、請求項7に記載の人工心臓弁。
【請求項9】
前記中央部分及び前記側面ベース部分が、前記弁尖の前記尖縁部分に沿って縦方向に折り重ねられて、前記第一の2列が互いに重なり合いかつ前記第二の2列が互いに重なり合うように、折り畳まれた2つの部分を形成する、請求項8に記載の人工心臓弁。
【請求項10】
各弁尖の前記対向するタブの各タブが、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、前記フレームの前記流出端で、前記フレームに接続された複数の交連を形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項11】
各側面延長部分が、前記複数の交連のうちの交連及び前記フレームの前記流入端に接続された、前記フレームの支柱の間に配置された前記フレームの支柱の内面を覆う、請求項10に記載の人工心臓弁。
【請求項12】
前記フレームの外面上に取り付けられ、かつ各接続スカートに固定される、外側密封部材をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項13】
複数の弁尖を含む人工心臓弁を組み立てる方法であって、
前記複数の弁尖で複数の弁尖組立品を形成することであって、各弁尖組立品が、
接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を、弁尖の尖縁部分に固定することであって、各接続スカートが、前記中央部分の両側に1つずつ配置された、2つの側面部分を含み、各側面部分が、前記側面ベース部分のうちの対応する側面ベース部分と、前記対応する側面ベース部分から外向きに離れて延在する側面延長部分とを含む、固定することと、
各接続スカートを前記人工心臓弁のフレームに固定することであって、前記フレームが複数の相互接続された角度付き支柱を備え、前記固定することが、
前記接続スカートの前記中央部分及び側面ベース部分を、前記複数の支柱のうち支柱の第一の部分に固定することを含む、固定することと、
前記接続スカートの各側面延長部分を、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置された前記複数の支柱のうち支柱の第二の部分にわたって延在させ、各側面延長部分を、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定することと、によって形成される、形成することを含む、方法。
【請求項14】
前記接続スカートの前記中央部分及び側面ベース部分を前記弁尖の前記尖縁部分に固定することが、前記中央部分及び側面ベース部分を縦方向に折り畳んで2つの折り畳み層を形成し、前記2つの折り畳み層を前記弁尖の前記尖縁部分に固定することを含み、各接続スカートが、前記中央部分及び側面ベース部分に沿って延在する複数列の開口を含み、前記2つの折り畳み層を前記弁尖の前記尖縁部分に固定することが、前記弁尖の前記尖縁部分を通して1つ以上の縫合糸を延長させ、前記複数列の開口のうちの第一の2列の開口のうちの開口を前記尖縁部分の長さに沿って重ね合わせて、前記接続スカートの前記中央部分及び前記側面ベース部分を、前記弁尖の前記尖縁部分に固定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記接続スカートの前記中央部分及び側面ベース部分を支柱の前記第一の部分に固定することが、前記複数列の開口のうちの第二の2列の開口の重複する開口を通して、かつ支柱の前記第一の部分の周りに、前記弁尖の前記尖縁部分の長さに沿って延在する、1つ以上の縫合糸を介して、前記接続スカートの前記2つの折り畳み層を支柱の前記第一の部分に固定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記接続スカートの各側面延長部分を支柱の前記第二の部分にわたって延長することが、支柱の前記第二の部分の内面と、前記フレームの流入端に配置された前記フレームの頂点とを、前記側面延長部分で覆うことを含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
各側面延長部分を前記隣接する接続スカートの前記隣接する側面延長部分に固定することが、前記側面延長部分及び前記隣接する側面延長部分の重複部分を、1つ以上の縫合糸を介してまとめて固定することを含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の弁尖組立品を形成した後で、前記複数の弁尖組立品をまとめて接続して弁膜構造を形成し、前記弁膜構造を前記フレームの内部内に配置してから、各接続スカートを前記フレームに固定することをさらに含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームであって、前記フレームが、複数の支柱を備える、環状フレームと、
前記フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造であって、各弁尖が、前記弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、前記タブ間の尖縁部分とを備え、各タブが、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、前記フレームに接続された複数の交連を形成する、弁膜構造と、
複数の接続スカートであって、各接続スカートが、前記複数の弁尖のうちの対応する弁尖の前記尖縁部分のそれぞれと、前記フレームの支柱とに接続されたベース部分を備え、各接続スカートが、前記尖縁部分から外向きに離れて延在し、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置された前記フレームの支柱の内面を覆う、延長部分をさらに備える、複数の接続スカートと、
前記フレームの外面の周りに取り付けられ、前記フレームの前記支柱及び前記複数の接続スカートに固定される外側密封部材であって、前記複数の接続スカートが前記フレームの内面の周りに取り付けられる、外側密封部材と、を備える、人工心臓弁。
【請求項20】
各接続スカートの前記延長部分によって覆われた前記フレームの前記支柱の一部分が、前記フレームの前記流入端で頂点を形成する、請求項19に記載の人工心臓弁。
【請求項21】
各接続スカートの前記ベース部分が、中央部分及び前記中央部分の両側上に配置された対向する側面ベース部分を備え、前記接続スカートの各延長部分が、前記対向する側面ベース部分のそれぞれの側面ベース部分から外向きに延在する、請求項19又は請求項20のいずれかに記載の人工心臓弁。
【請求項22】
各接続スカートの各延長部分が、隣接する接続スカートの隣接する延長部分に取り付けられ、各延長部分が、前記フレームの中心長手方向軸に対して軸方向に、前記複数の交連のうちの交連と、前記フレームの前記流入端との間に配置される、前記フレームの領域内にある前記隣接する延長部分に取り付けられる、請求項19~21のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月20日出願の米国仮特許出願第63/139,514号の利益を主張するものであり、該出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、人工心臓弁、及び1つ以上の接続スカートを有する人工心臓弁のフレームに弁尖を取り付けるための方法及び組立品に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、様々な弁疾患に罹患し得る。これらの弁疾患は、心臓の著しい機能不全をもたらし、最終的に、自己弁の修復又は自己弁の人工弁との交換を必要とし得る。多くの既知の修復機器(例えば、ステント)及び人工弁、並びにこれらの機器及び弁をヒトに移植する多くの既知の方法が存在する。経皮的及び低侵襲的な外科的手法は、外科手術によって容易にアクセス可能ではない、又は外科手術を伴わないアクセスが望ましい、体内の場所に人工医療機器を送達するために、様々な手技で使用される。1つの具体的な例では、人工心臓弁を、送達装置の遠位端上に圧着状態で装着し得、人工弁が心臓内の移植部位に到達するまで、患者の血管系を通して(例えば、大腿動脈及び大動脈を通して)前進させ得る。その後、人工弁は、例えば、人工弁が装着されているバルーンを膨張させ、人工弁に拡張力を加える機械的アクチュエータを作動させることによって、又は人工弁がその機能的サイズに自己拡張することができるように、人工弁を送達装置のシースから展開することによって、その機能的サイズに拡張される。
【0004】
いくつかの実施例では、人工心臓弁は、複数の支柱及びフレーム内及びフレームに取り付けた弁膜構造を含む、半径方向に拡張可能かつ圧縮可能なフレームを含み得る。弁膜構造は、複数の弁尖を含むことができる。いくつかの実施例では、各弁尖の尖縁部分は、弁尖に取り付けられた接続スカートでフレームに固定され得る。こうした配置では、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱は、弁尖及び接続スカートの材料によって覆われないのであり得る。
【0005】
人工心臓弁が、送達装置の膨張可能なバルーン上に、及びその周りで半径方向に圧縮されると、フレームの流入端に頂点を含み得る覆われていない支柱は、バルーンと直接接触し得る。結果として、覆われない支柱及び頂点は、バルーンの摩耗又は劣化を引き起こし得る。いくつかの実施例では、これは、送達装置を使用して移植部位に人工心臓弁の展開を試みるときに、バルーンの膨張の低下又は不十分な膨張をもたらし得る。
【0006】
したがって、人工心臓弁がバルーンの周りで送達装置上に半径方向に圧縮された時に、フレームの支柱と送達装置のバルーンとの間の接触の低減をもたらし得る、改善された人工心臓弁、及び人工心臓弁のフレームに弁膜構造を組み立てるための方法へのニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、フレームと、フレーム内に配置され、フレームに取り付けられる弁膜組立品を含む人工心臓弁、及び弁尖組立品を含む人工心臓弁を組み立てるための方法の例が説明されている。いくつかの実施例では、弁膜組立品は、複数の弁尖を備えることができ、各弁尖は、弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、タブ間の尖縁部分とを含む。各弁尖について、尖縁部分は、接続スカートによってフレームに接続され得る。接続スカートは、中央部分、中央部分の対向する側面上にある対向する側面ベース部分、及びそれぞれの側面ベース部分から外向きに延在する側面延長部分を含み得る。接続スカートの中央部分及び対向する側面ベース部分は、フレームの各々に接続されてもよく、弁尖の尖縁部分及び側面延長部分は、2つの隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱を横切って延在することができる。
【0008】
代表的な1つの実施例では、人工心臓弁は、流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームを備え、フレームは、複数の支柱を備える。人工心臓弁は、フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造をさらに含み、各弁尖は、弁尖の対向する側面上にある対向するタブ及びタブ間の尖縁部分を含む。各弁尖の尖縁部分は、接続スカートによってフレームに接続され、各接続スカートは、フレームと弁尖の尖縁部分との各々に接続されかつ間に配置された、中央部分と中央部分の対向する側面上にある対向する側面ベース部分とを備え、各接続スカートは、弁尖の尖縁部分から外向きに、かつ隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱を横切って延在する、側面延長部分をさらに備える。
【0009】
別の代表的な実施例では、人工心臓弁は、流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームを備え、フレームは、複数の支柱を備える。人工心臓弁は、フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造をさらに備え、各弁尖は、弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、タブ間の尖縁部分とを備え、各タブは、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、フレームに接続された複数の交連を形成する。人工心臓弁は、複数の接続スカートであって、各接続スカートが、複数の弁尖のうちの対応する弁尖の尖縁部分のそれぞれと、フレームの支柱とに接続された側面ベース部分および中央部分を備え、各接続スカートが、尖縁部分から外向きに離れて延在する側面延長部分をさらに備え、各接続スカートの各側面延長部分が、フレームの支柱を横切って、隣接する弁尖の尖縁部分の間を延長し、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に接続する、複数の接続スカートをさらに備える。
【0010】
別の代表的な例では、複数の弁尖を含む人工心臓弁を組み立てる方法は、複数の弁尖組立品を複数の弁尖で形成することを含む。各弁尖組立品は、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を、弁尖の尖縁部分に固定することによって形成され、各接続スカートは、中央部分の両側に1つずつ配置された、2つの側面部分を含み、各側面部分は、側面ベース部分のうちの対応する側面ベース部分と、対応する側面ベース部分から外向きに離れて延在する側面延長部分とを含む。方法は、各接続スカートを人工心臓弁のフレームに固定することであって、フレームが複数の相互接続された角度付き支柱を備え、固定することが、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を、複数の支柱のうち支柱の第一の部分に固定することを含む、固定することと、接続スカートの各側面延長部分を、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置された複数の支柱のうち支柱の第二の部分にわたって延在させ、各側面延長部分を、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定することと、をさらに含む。
【0011】
別の代表的な実施例では、人工心臓弁は、流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームを備え、フレームは、複数の支柱を備える。人工心臓弁は、フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造をさらに備え、各弁尖は、弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、タブ間の尖縁部分とを備え、各タブは、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、フレームに接続された複数の交連を形成する。人工心臓弁は、複数の接続スカートをさらに備え、各接続スカートは、複数の弁尖のうちの対応する弁尖の尖縁部分のそれぞれと、フレームの支柱とに接続されたベース部分を備え、各接続スカートは、尖縁部分から外向きに離れて延在し、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱の内面を覆う、延長部分をさらに備える。人工心臓弁は、フレームの外面の周りに取り付けられ、フレームの支柱及び複数の接続スカートに固定される外側密封部材であって、複数の接続スカートがフレームの内面の周りに取り付けられる、外側密封部材をさらに備える。
【0012】
本開示の様々な革新は、組み合わせて、又は別々に使用され得る。この概要は、以下の詳細な説明でさらに記載される、簡略化された形態での概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、請求された主題の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、請求された主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。前述内容並びに本開示の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明、請求項及び添付図面からより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】一実施例による、人工心臓弁の斜視図である。
図1B】例証の目的のためにフレームの外側にある構成要素が透過線で示されている、図1Aの人工弁の斜視図である。
図2】別の実施例による、弁尖の尖縁部分を人工心臓弁のフレームに連結する接続スカートを含む、人工心臓弁のフレームの外側にある構成要素が除去された、人工心臓弁の側面図である。
図3図2の人工心臓弁の内面の部分詳細図である。
図4】半径方向に拡張可能な人工心臓弁を移植部位に送達及び移植するように構成された送達装置の実施例の側面図である。
図5】送達装置の弁装着部分に取り付けられた人工心臓弁を備える図4の送達装置の遠位端部分の側面図である。
図6】送達装置の膨張可能なバルーン上に半径方向に圧縮され、その周りに取り付けられた、図2の人工心臓弁の断面図である。
図7】別の実施例による、人工心臓弁のフレームの外側にある構成要素が除去された、人工心臓弁の側面図であり、これは、弁尖の尖縁部分を人工心臓弁のフレームに連結する接続スカートを含み、接続スカートは、フレームの流入端で頂点を覆う側面延長部分を含む。
図8図7の人工心臓弁のフレームの側面図である。
図9】弁尖の尖縁部分を図7の人工心臓弁のフレームに接続するための接続スカートの実施例の平面図である。
図10図7の人工心臓弁の弁尖の実施例の平面図である。
図11】折り畳まれた構成の図10の弁尖の斜視図である。
図12図9の接続スカートを介した、弁尖の尖縁部分のフレームへの例示的な取付を示す、図7の人工弁の断面図である。
図13】接続スカートを弁尖に固定するための折り畳み方法を示す、図9の接続スカートの平面図である。
図14】弁尖の尖縁部分の内面に沿って配置され、かつそれらに取り付けられた図9の接続スカートを図示した、図10の弁尖の内面の平面図である。
図15】弁尖の尖縁部分に取り付けられた図9の接続スカートを図示した、図10の弁尖の外面の平面図である。
図16図9の接続スカート及び弁尖の尖縁部分に沿って位置する補強部材を含む、図10の弁尖の平面図である。
図17図7の人工心臓弁用の弁膜構造を形成するためにまとめて固定されている、複数の弁尖及び接続スカートの平面図である。
図18図8のフレームへの取付のための構成にある、図10の弁尖及び図9の接続スカートの分解斜視図である。
図19】フレームの内部から見た、図8のフレームの支柱に固定された、図9の接続スカートの詳細図である。
図20】フレームの外部から見た、図8のフレームの支柱に固定された、図9の接続スカートの詳細図である。
図21】2つの隣接する接続スカートの2つの延長部分の内面と、2つの延長部分の間の接続を示す、図7の人工心臓弁の内側からの斜視詳細図である。
図22】外側密封部材を、人工心臓弁のフレームの支柱の外面に固定するための方法を示す、図7の人工心臓弁の斜視図である。
図23】平坦化された構成で示す、交連取付部材の実施例の平面図である。
図24図7の人工心臓弁の交連のうちの1つの斜視図であり、交連は、図23の交連取付部材を含む。
図25図7の人工心臓弁の交連のうちの1つの断面図であり、交連は、図23の交連取付部材を含む。
図26】送達装置の膨張可能なバルーン上に及びその周りで半径方向に圧縮された図7の人工心臓弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般的な考慮事項
本明細書の目的のために、本開示の実施例の特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載される。開示される方法、装置、及びシステムは、いかなる点でも限定するものと解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせで、様々な開示された実施例の全ての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。方法、装置、及びシステムが、任意の特定の態様若しくは特徴、又はそれらの組み合わせに限定されることもなく、開示される実施例が、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要とすることもない。
【0015】
開示される実施例のうちのいくつかの操作が、提示の便宜上、特定の連続的な順序で記載されるが、以下に記載される特定の言葉によって特定の順序が要求されない限り、この記載方法が並べ替えを包含することは、理解されるべきである。例えば、連続的に記載される操作は、場合によっては、並べ替えられ得、又は同時に実行され得る。さらに、簡略化のために、添付図面は、開示される方法が他の方法と併用され得る様々な方法を示さない場合がある。さらに、本明細書では時に、開示される方法を記載するために、「提供する」又は「達成する」のような用語が使用される。これらの用語は、実行される実際の操作の高レベルの抽象概念である。これらの用語に対応する実際の操作は、特定の実装に応じて異なり得、当業者によって容易に認識可能である。
【0016】
本出願及び特許請求の範囲において使用する単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形を含む。加えて、「含む(includes)」という用語は、「備える、含む(comprises)」ことを意味する。さらに、「結合される(coupled)」という用語は、概して、物理的、機械的、化学的、磁気的、及び/又は電気的に結合又はリンクされることを意味し、特定の反対表現がない限り、結合された項目又は関連付けられた項目間の中間要素の存在を排除しない。
【0017】
明細書で使用する用語「近位」は、ユーザにより近く、移植部位からより遠く離れている装置の位置、方向、又は部分を指す。本明細書で使用する用語「遠位」は、ユーザからより遠く離れ、移植部位により近い装置の位置、方向、又は部分を指す。したがって、例えば、装置の近位運動は、移植部位から離れてユーザに向かう(例えば、患者の身体から外への)装置の運動である一方、装置の遠位運動は、ユーザから離れて移植部位に向かう(例えば、患者の身体の中への)装置の運動である。用語「長手方向」及び「軸方向」は、別途明示的に定義されない限り、近位及び遠位方向に延在する軸を指す。
開示される技術の実施例
【0018】
本明細書では、1つ以上の接続スカートを使用して、弁尖組立品及び弁膜構造を、人工心臓弁のフレームに組み立てるための、人工心臓弁、人工心臓弁のための弁尖組立品、接続スカート、及び方法の例を記載する。人工心臓弁は、フレームと、フレームに取り付けられた弁膜構造とを備えてもよく、弁膜構造は、複数の弁尖を含む。いくつかの実施例では、接続スカートは、弁膜構造の弁尖の尖縁部分に固定され得る。次に、弁尖の尖縁部分に固定された接続スカートの部分は、人工心臓弁のフレームの支柱に固定され得、それによって、弁尖の尖縁部分を、フレームの流入端に近接して、フレームに固定する。接続スカートは、接続スカートがフレームの支柱に取り付けられる時に、弁尖の尖縁部分から外向きに、かつ隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されるフレームの支柱を横切って延在する、側面延長部分を含み得る。このようにして、側面延長部分は、フレームの流入端において、フレームの支柱及び/又はフレームの頂点の、内面を覆うことができる。
【0019】
本明細書に開示される人工弁は、半径方向に圧縮された構成と半径方向に拡張された構成との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり得る。したがって、人工弁は、送達中に半径方向に圧縮された構成でインプラント送達装置上に圧着されるか、又はそれによって保持され得、次いで、人工弁が移植部位に到達すると、半径方向に拡張された構成に拡張され得る。本明細書に開示される人工弁は、様々なインプラント送達装置と共に使用されてもよく、様々な送達処置を介して移植されてもよいことが理解され、その例はより詳細に後述する。いくつかの実施例では、人工弁は、送達装置の膨張可能なバルーンを膨張させることを介して、移植部位(例えば、心臓の自己弁)において送達装置から展開され得る。送達装置の膨張可能なバルーン上に半径方向に圧縮されるとき、人工弁のフレームの内面はバルーンに面し得る。
【0020】
図1Aは、一実施例による、例示的な人工弁150を示す。本明細書で開示される任意の人工弁は、自己大動脈弁輪に移植されるように適合されているが、他の実施例では、心臓の他の自己弁輪(肺動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁)に移植されるように適合され得る。開示された人工弁はまた、肺動脈(罹患した肺動脈弁の機能を置き換えるため)、又は上大静脈又は下大静脈(罹患した三尖弁の機能を置き換えるため)、又は患者の様々な他の静脈、動脈及び血管を含む、心臓と連通する血管内に移植され得る。開示された人工弁はまた、バルブ・イン・バルブ処置において、以前に移植された人工弁(人工外科用弁又は人工経カテーテル心臓弁であり得る)内に移植され得る。
【0021】
いくつかの実施例では、開示された人工弁は、自己心臓弁又は血管内に移植される、ドッキング装置又はアンカー装置内に移植され得る。例えば、一例では、開示された人工弁は、例えば米国特許出願公開第2017/0231756号に開示されている、罹患した肺動脈弁の機能を置き換えるために、肺動脈内に移植されたドッキング装置内に移植されてもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。別の実施例では、開示された人工弁は、例えば国際公開第2020/247907号に開示されている、自己僧帽弁内又はそこに移植されたドッキング装置内に移植されてもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。別の実施例では、開示された人工弁は、例えば米国特許出願公開第2019/0000615号に開示されている、罹患した三尖弁の機能を置き換えるために、上大静脈又は下大静脈内に移植されたドッキング装置内に移植されてもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
図1Aは、一実施例による、人工心臓弁(例えば、人工弁)150の斜視図である。図示される人工弁は、自己大動脈弁輪に移植されるように適合されているが、他の実施例では、心臓の他の自己弁輪(例えば、肺動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁)に移植されるように適合され得る。人工弁はまた、体内の他の管状器官又は通路に移植されるように適合され得る。
【0023】
人工弁150は、3つの主要な構成要素:ステント又はフレーム152、弁膜構造154、及び密封部材156を有することができる。図1Bは、例証の目的のためにフレーム152の外側にある構成要素(密封部材156を含む)が透過線で示されている、人工弁150の斜視図である。人工弁150は、流入端166と流出端168とを有することができる。
【0024】
弁膜構造154は、三尖弁配置で圧潰するように配設され得る、弁尖構造を集合的に形成する3つの弁尖160を備えることができるが、他の実施例では、より多数又はより少数の弁尖(例えば、1つ以上の弁尖160)が存在し得る。いくつかの実施例では、弁尖160は、心膜組織(例えば、ウシ心膜組織)、生体適合性合成材料、又は当技術分野で知られており、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,730,118号に記載される、様々な他の好適な天然若しくは合成材料で形成され得る。
【0025】
各弁尖160は、その流入縁162(図中の下縁、「尖縁」とも称される)に沿って、かつ、2つの弁尖の隣接部分(例えば、交連タブ)が互いに接続される、弁膜構造154の交連164において、フレーム152に結合され得る。いくつかの実施例では、交連164は、フレーム152のセル(例えば、交連セル)であって、フレームの支柱によって形成されたセルを横断して配設された取付部材(例えば、布地、可撓性ポリマー、又は同様の物を含む)を備えることができる。取付部材は、セルを形成するフレームの支柱に固定され得、2つの弁尖の隣接部分は、(例えば、以下にさらに記載されるように、図2及び図23~25に示されるように)取付部材に接続され、交連164を形成することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、布地ストリップなどの、補強要素又は接続スカートを、弁尖の尖縁に直接、及びフレームの支柱に接続して、弁尖の尖縁をフレーム(例えば、下記でさらに説明するように、図2及び3に示すように)に結合することができる。
【0027】
フレーム152は、当技術分野で知られている、様々な好適な塑性的拡張可能材料(例えば、ステンレス鋼など)又は自己拡張式材料(例えば、ニチノールなどのニッケルチタン合金(NiTi))のいずれかで作製され得る。塑性的拡張可能材料で構築されたとき、フレーム152(したがって、人工弁150)は、送達装置(例えば、カテーテル)上で半径方向に圧潰した構成に圧着され、次いで、膨張可能なバルーン又は同等の拡張機構によって患者の内側で拡張され得る。自己拡張可能材料で構築されたとき、フレーム152(したがって、人工弁150)は、半径方向に圧潰した構成に圧着され、送達装置のシース又は同等の機構内への挿入によって圧潰構成で拘束され得る。いったん身体の内側に入ると、人工弁を送達シースから前進させることができ、これは、人工弁がその機能的サイズに拡張することを可能にする。
【0028】
フレーム152を形成するために使用され得る好適な塑性的拡張可能材料としては、限定されないが、ステンレス鋼、生体適合性の高強度合金(例えば、コバルト-クロム又はニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施例では、フレーム152は、UNS R30035合金(ASTM F562-02によって被覆される)と同等である、MP35N(登録商標)合金(SPS Technologies、Jenkintown, Pennsylvania)などのニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金で作製される。MP35N(登録商標)合金/UNS R30035合金は、重量で35%のニッケル、35%のコバルト、20%のクロム、及び10%のモリブデンを含む。
【0029】
図示される実施例におけるフレーム152は、フレームのオープンセル又は開口部174の列を画定する、角度付き支柱172の複数の円周方向に延在する列を備える。フレーム152は、示されるように、フレーム152の流入端166から流出端168までの一定の直径を有する円筒形状若しくは略円筒形状を有することができ、又はフレーム152は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0239142号に開示されるように、フレームの高さに沿って直径が変化し得る。
【0030】
フレーム152は、流入端166及び流出端168の各々において、フレーム152の円周の周囲に互いから離間された複数の頂点180を備えてもよい。
【0031】
図示される実施例における密封部材156は、フレーム152の外側に取り付けられ、周辺組織(例えば、自己弁尖及び/又は自己弁輪)に対してシールを作成して、弁周囲漏出を防止するか、又は少なくとも最小化するように機能する。密封部材156は、内層176(フレーム152の外面と接触し得る)と、外層178とを備えることができる。密封部材156は、好適な技法又は機構を使用してフレーム152に接続され得る。例えば、密封部材156は、支柱172の周囲に、かつ内層176を通して延在し得る縫合糸を介して、フレーム152に縫合され得る。代替的な実施例では、内層176が、フレーム152の内面上に装着され得る一方で、外層178は、フレーム152の外側にある。
【0032】
外層178は、人工弁150が展開されるときに、内層176及びフレーム152から半径方向外向きに延在するように構成又は成形され得る。人工弁が患者の身体の外側で完全に拡張されると、外層178は、内層176から離れて拡張して、2つの層の間に空間を作り出すことができる。したがって、身体の内側に移植されると、これは、外層178が周辺組織と接触するように拡張することを可能にする。
【0033】
人工弁150及びその様々な構成要素に関する追加の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0028310号に記載されている。
【0034】
図2は、別の実施例による、人工心臓弁200の側面図である。人工心臓弁200は、図1A及び1Bの人工弁150と類似し得る。例えば、人工心臓弁200は、人工弁150のフレーム152及び弁膜構造154と同一又は類似のものであり得る、フレーム202及び弁膜構造204を含み得る。例えば、フレーム202及び弁膜構造204は、図1A及び1Bを参照しながら上述したように、人工弁150のそれぞれフレーム152及び弁膜構造154と類似した材料を含み得る、及び/又は類似した幾何形状を有し得る。
【0035】
図2では、フレーム202の外部は、フレームの周りに配置された密封部材なしで示されており、それによって、弁膜構造204をフレーム202に結合する構成要素の図を提供する。しかしながら、いくつかの実施例では、人工心臓弁200は、図1Aに示す密封部材156など、フレーム202の外面の周りに配置され、それに結合された外側密封部材(例えば、外側スカート)を含み得る。
【0036】
例えば、図3は、フレーム202の外面の周りに配置された外側密封部材206を示す、人工心臓弁200の内面の部分詳細図である。したがって、図2は外観であり、図3は、人工心臓弁200の内部図である。
【0037】
人工弁150のフレーム152と同様に、人工心臓弁200のフレーム202は、複数の角度付き相互接続された支柱208を備える。図2に示すように、支柱208は、フレーム202の流入端210と流出端212の間に配置される、角度付き支柱208の複数の円周方向に延在する列で配置され得る。支柱208の列は、フレーム202のセル又は開口部(例えば、オープンセル)214の列を画定する。フレーム202は、流入端210及び流出端212の各々において、フレーム202の円周の周囲に互いから離間された複数の頂点254を備え得る。頂点254は、流入端210および流出端212における、支柱208の交差によって形成され得る。さらに、フレーム202は、流入端210と流出端212との間のフレーム202上の位置で、支柱208の交差によって形成される複数の支柱接合部256を含み得る。
【0038】
図2に示すように、弁膜構造204の各弁尖216は、その流入縁(「尖縁」とも称される)に沿って、かつ2つの弁尖の隣接部分(例えば、交連タブ)が互いに接続される弁膜構造204の交連238において、フレーム202に結合され得る。いくつかの実施例では、図2に示すように、かつ下記にさらに説明するように、交連238は、フレーム202のセル214(例えば、交連セル)を横断して配設された取付部材220(例えば、布地、可撓性ポリマー、又は同様の物を含む)を備えることができる。取付部材220は、ステッチング又は縫合糸248を介してセル214を形成するフレーム202の支柱208に固定され得る。さらに、2つの弁尖216の隣接部分は、取付部材220に接続されて、交連238を形成することができる(例えば、図2に示すように、かつ図7及び図23~25を参照してさらに以下に記載されるように)。
【0039】
いくつかの実施例では、図2及び3に示すように、弁尖216の尖縁218は、接続スカート(又は部材)260でフレーム202に結合(例えば、固定)されることができる。例えば、いくつかの実施例では、各弁尖216の尖縁218は、対応する(例えば、個々の)接続スカート260に直接接続され得る。次に、各接続スカート260(例えば、各弁尖216に対して1つ)は、フレーム202の支柱208に直接接続され、それによって弁尖216の尖縁218をフレームに結合することができる。他の実施例では、接続スカート260は、全ての弁尖216に接続された単一片の材料であり得る。
【0040】
例えば、図2に示すように、接続スカート260は、第一の縫合糸272によって支柱接合部256に固定されてもよく、その長さに沿って、(例えばホイップステッチの形態の)第二の縫合糸274によって支柱208にさらに接続されてもよい。
【0041】
図3に示すように、フレーム202の支柱208の一部分と、流入端210の頂点254の一部分は、フレーム202の内側で、隣接する弁尖216および接続スカート260の間の位置で露出される。
【0042】
図4及び5は、拡張可能な人工心臓弁(例えば、図1A及び1Bの人工弁150及び/又は図2及び3の人工心臓弁200)、又は別のタイプの拡張可能な人工医療機器(ステントなど)を移植するために使用され得る、実施例による送達装置300を示す。いくつかの実施例では、送達装置300は、人工弁を心臓に導入する際に使用するために具体的に適合される。
【0043】
図4及び5に図示した実施例の送達装置300は、ハンドル302と、ハンドル302から遠位に延在する操縦可能な外側シャフト304とを備える、バルーンカテーテルである(図4)。送達装置300は、ハンドル302(図4)から近位に、およびハンドル302から遠位に延在する、中間シャフト306(バルーンシャフトとも称され得る)をさらに備えることができ、ハンドル302から遠位に延びる部分はまた、外側シャフト304を通して同軸上に延在する。加えて、送達装置300は、同軸上に中間シャフト306及び外側シャフト304(図4)を通してハンドル302から遠位に、および同軸上に中間シャフト306を通してハンドル302から近位に延在する、内側シャフト308をさらに備えることができる。
【0044】
外側シャフト304及び中間シャフト306は、互いに対して送達装置300の中心長手方向軸320に沿って長手方向に並進(例えば、移動)して、患者の身体内の移植部位における人工弁の送達及び位置付けを促進するように構成され得る。
【0045】
中間シャフト306は、ハンドル302の近位端からアダプタ312まで近位に延在する、近位端部分310を含むことができる(図4)。いくつかの実施例では、回転可能なノブ314は、近位端部分310上に装着され得(図4)、送達装置300の中心長手方向軸320の周囲で外側シャフト304に対して中間シャフト306を回転させるように構成され得る。
【0046】
アダプタ312は、それを通してガイドワイヤを受容するように構成された第一のポート338と、流体源から流体(例えば、膨張流体)を受容するように構成された第二のポート340とを含むことができる。第二のポート340は、中間シャフト306の内側管腔に流体的に結合され得る。
【0047】
中間シャフト306は、外側シャフト304の遠位端が送達装置の膨張可能なバルーン318から離れて位置付けられたとき、外側シャフト304の遠位端を越えて遠位に延在する(図4)、遠位端部分316をさらに含むことができる。内側シャフト308の遠位端部分は、中間シャフト306の遠位端部分316を越えて遠位に延在することができる(図4)。
【0048】
バルーン318は、中間シャフト306の遠位端部分316に結合され得る。例えば、いくつかの実施例では、バルーン318の近位端部分は、中間シャフト306の遠位端に、及び/又はその周囲に結合され得る(図4)。
【0049】
バルーン318は、遠位端部分(又はセクション)332と、近位端部分(又はセクション)333と、中間部分(又はセクション)335であって、遠位端部分332と近位端部分333との間に配置された中間部分335とを含むことができる(図4)。
【0050】
いくつかの実施例では、バルーン318の遠位端部分332の遠位端は、送達装置300の遠位端に、例えば、(図4及び5に示されるように)ノーズコーン322に、又は送達装置300の遠位端における代替構成要素(例えば、遠位肩部)に、結合され得る。いくつかの実施例では、バルーン318の中間部分335は、送達装置300の遠位端部分309の弁装着部分324に重なることができ、遠位端部分332は、送達装置300の遠位肩部326に重なることができ、近位端部分333は、内側シャフト308の一部を囲繞することができる。バルーン318の弁装着部分324及び中間部分335は、図5に示されるように、半径方向に圧縮された状態で人工心臓弁370を受容するように構成され得る。いくつかの実施例では、図5に示す人工心臓弁370は、図1A及び1Bの弁150又は図2及び図3の弁200のうち1つであり得る。
【0051】
いくつかの実施例では、中間シャフト306の回転は、標的移植部位における天然の解剖学的構造に対する人工弁の回転位置付けのために、バルーン318及びその上に装着された人工弁の回転をもたらし得る。
【0052】
バルーン肩部組立品は、患者の血管系を通した送達中に人工心臓弁又は他の医療機器をバルーン318上の固定位置に維持するように構成される。バルーン肩部組立品は、バルーン318の遠位端部分332内に配設され、内側シャフト308の遠位端部分に結合された、遠位肩部326(図4及び5)を含むことができる。遠位肩部326は、バルーン318に対して、軸方向に(例えば、中心長手方向軸320に沿って)、遠位に弁装着部分324上に装着された人工弁又は他の医療機器の移動に抵抗するように構成され得る。
【0053】
外側シャフト304は、その遠位端上に装着された遠位先端部分328を含むことができる(図4及び5)。外側シャフト304及び中間シャフト306は、(例えば、図5に示されるように)人工弁が弁装着部分324上に半径方向に圧縮された状態で装着されたときに、かつ標的移植部位への人工弁の送達中に、弁装着部分324の近位端に隣接して遠位先端部分328を位置付けるために互いに対して軸方向に並進され得る。したがって、遠位先端部分328は、遠位先端部分328が弁装着部分324の近位側に隣接して配設されたときに、バルーン318に対して軸方向に、近位にバルーン318に対する人工弁の移動に抵抗するように構成され得る(図5)。
【0054】
いくつかの実施例では、ノーズコーン322は、遠位肩部326の遠位に配置され、かつ遠位肩部326に結合され得る。いくつかの実施例では、ノーズコーン322は、内側シャフト308の遠位端部分に結合され得る。
【0055】
いくつかの実施例では、環状空間は、内側シャフト308の外面と中間シャフト306の内面との間に画定され得る。いくつかの実施例では、環状空間は、中間シャフト306の内側管腔と称され得る。いくつかの実施例では、環状空間は、アダプタ312の第二のポート340を介して流体源から流体を受容するように構成され得る(例えば、環状空間は、アダプタ312の第二のポート340と流体連通する)。環状空間は、内側シャフト308の遠位端部分の外面とバルーン318の内面との間に形成された流体通路に流体的に結合され得る。したがって、流体源からの流体は、バルーン318まで流動してバルーン318を膨張させ、人工弁(例えば、図5に示す人工弁370)を半径方向に拡張させて展開することができる。
【0056】
内側シャフト308の内側管腔は、送達装置300の遠位端部分309を標的移植部位にナビゲートするために、それを通してガイドワイヤを受容するように構成され得る。上記で紹介されたように、アダプタ312の第一のポート338は、内側管腔に結合され、ガイドワイヤを受容するように構成され得る。例えば、送達装置300の遠位端部分309を、ガイドワイヤ上で標的移植部位まで前進させることができる。
【0057】
図4に示されるように、ハンドル302は、送達装置300の遠位端部分309の湾曲を調整するように構成された操縦機構を含むことができる。図示される実施例では、例えば、ハンドル302は、図示される回転可能なノブ360などの調整部材を含み、さらにはこれは、プルワイヤの近位端部分に動作可能に結合される。プルワイヤは、外側シャフト304を通してハンドル302から遠位に延在し得、外側シャフト304の遠位端又はその付近で外側シャフト304に添着された遠位端部分を有する。ノブ360を回転させることは、プルワイヤの張力を増加又は減少させ、それによって、送達装置300の遠位端部分309の湾曲を調整することができる。送達装置のための操縦又は撓曲機構についてのさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,339,384号に見出され得る。
【0058】
ハンドル302は、1つ以上の追加の調整機構を含み得る。例えば、いくつかの実施例では、ハンドル302は、図示された回転可能なノブ362などの調整部材を含む調整機構361を含み得る。調整機構361は、外側シャフト304に対して中間シャフト306の軸方向位置を調整するように構成され得る。いくつかの実施例では、ハンドル302は、回転可能なノブ379を含み得るロック機構をさらに含み得、ロック機構は、ハンドル302に対して中間シャフト306の位置を保持(例えば、ロック)し、移植部位での人工弁370の微細な位置決めを可能にするように構成される。
【0059】
図6は、送達装置300の遠位端部分309上で、バルーン318上に半径方向に圧縮され、かつバルーン318の周りに取り付けられた、人工心臓弁200(図2及び図3)の断面図である。具体的には、図6の断面図は、フレーム202の流入端210で取られる。したがって、流入端210におけるフレーム202の頂点254は、図6に見られる。
【0060】
図6に示すように、バルーン318は、送達装置300の弁装着部分324で、内側シャフト308の周りに巻かれ、折り畳まれる。いくつかの実施例では、図6に示されるように、バルーン318は、その収縮構成であるとき、及び人工心臓弁200がバルーン318上に装着され、かつその周囲で半径方向に圧縮されるときに、複数の重複プリーツ又は折り目390を含む。その上に圧着されたときの半径方向に圧縮された人工弁200の直径を縮小し得る、最小化された折り畳まれたバルーン直径を(例えば、その収縮構成で)プリーツ390がもたらすように、バルーン318は折り畳まれ得る。
【0061】
図2及び3に示すように、かつ上述の通り、隣接する接続スカート260がフレーム202に接続されている所の間に配置された、頂点254及び支柱208の一部分の内面224(例えば、弁200の内部及び弁200の中心長手方向軸に面する、表面)は、露出している(例えば、スカート又は弁尖材料によって覆われていない)。例えば、図3に示すように、フレーム202の露出部分222は、覆われていない内面224を有する。
【0062】
したがって、図6に示すように、バルーン318の周りに圧着又は半径方向に圧縮された場合、フレーム202の流入端210にある頂点254の少なくとも一部分の内面224は、バルーン318に直接接触し得る。結果として、これは、バルーン318の摩耗又は劣化を引き起こし、それによって、移植部位への人工心臓弁200の展開を試みるときのバルーン318の膨張の減少又は不十分な膨張をもたらし得る。
【0063】
図7~12は、別の実施例による、組み立てられた人工心臓弁400(図7及び図12)及び人工心臓弁400の個々の構成要素(図8~11)を示す。図13~25は、人工心臓弁400の構成要素を組み立てて、組み立てられた人工心臓弁400を形成する方法を示す。図26は、送達装置300のバルーン318上に及びその周りで半径方向に圧縮された人工心臓弁400の断面図である。
【0064】
人工心臓弁400は、図2及び3の人工弁200と類似し得る。しかしながら、人工心臓弁400は、人工心臓弁400が送達装置のバルーン上に半径方向に圧縮された時にバルーンの摩耗又は劣化が低減又は防止されるように、構成されている。
【0065】
例えば、人工心臓弁400は、上述のように、フレーム202と、フレーム202に接続された弁膜構造204とを含むことができる。人工心臓弁400は、フレーム202の内部の中心を通して配置された中心長手方向軸402を有し得る。人工心臓弁400のフレーム202は、図8に単独で示されている。弁膜構造204の例示的な弁尖216は、図10では平坦な(折り畳まれていない)構成で、図11では例示的な折り畳まれた構成で示されている。図11に示す弁尖216の折り畳まれた構成は、さらに後述するように、フレーム202に取り付けられるときに弁尖の形態を表し得る。フレーム202への組立後にフレーム202に面する弁尖216の外面482を、図11に示す。
【0066】
各弁尖216は、本明細書にさらに記載されるように、接続スカート410によってフレーム202に取り付けられ得る、下側又は尖縁部分416(図10)を有し得る。フレーム202への組み立て中、さらに詳細に後述する通り、図11及び12に示すように、下側の尖縁部分416は、フレーム202に向かって折り畳まれ得る。
【0067】
図10に示すように、尖縁部分416は、横方向に突出する2つの一体型下側タブ418でその上端で終了する。図11に示すように、フレーム12への組み立て中、下側タブ418は、外面482上に折り畳むことができる。弁尖216の上部角から突出するのは、一体型上側タブ420(交連タブとも呼ばれる)である。上側タブ420は、下側タブ818から側縁419によって間隔を空けて、弁尖216内に横方向に延在するギャップ又は凹部417を形成することができる。さらに後述する通り、かつ図11に示すように、上側タブ420は、それ自体に折り畳んで重ねられ、交連を形成することができる。
【0068】
代替的な実施例では、弁膜構造204の弁尖は、異なる形状の上側タブ又は異なるサイズの凹部417を有するなど、図10及び11に示すものとは異なるように構成され得る。
【0069】
図7に示すように、人工心臓弁400は、弁尖216の尖縁部分416をフレーム202(例えば、接続スカート260の代わりに)に接続する、複数の接続スカート(例えば、部材)410を含む。例えば、各接続スカート410は、1つの弁尖216の尖縁部分416をフレーム202に固定することができる。したがって、図示した例では、別個片の材料(例えば、別個片の布)から形成される、複数の個別の接続スカート410(各弁尖216に対して1つ)がある。代替的な実施例では、人工弁は、全ての弁尖をフレームに接続するために使用される単一の接続スカートを有し得る。単一の接続スカートは、弁尖216の尖縁部分416に沿って整列する異なるセクションを有し得る。
【0070】
接続スカート410は、フレーム202の流入端210で、隣接する弁尖216間の支柱208(頂点254を含む)の内面を覆う延長部分414を有する側面部分406を含む(図7)。結果として、フレーム202の流入端210にある、頂点254及び支柱208の、内面は覆われ、接続スカート410は、人工心臓弁がバルーン318上に及びその周りで半径方向に圧縮される時、頂点254及び支柱208と、バルーン318との間のバリアの役目を果たし得る(図26を参照しながら下記でさらに説明する)。
【0071】
人工心臓弁400の単一の接続スカート410を図9に示す。いくつかの実施例では、接続スカート410は、布(例えば、PET布)などの合成材料、又は天然組織材料(例えば、心膜組織)を含むことができる。図示の例では、単一の接続スカート410は、各弁尖216の尖縁部分416のために提供され、尖縁部分416の全長に沿って、弁尖216の下側タブ418のすぐ下の位置へ延在するようにサイズ設定される(図10)。
【0072】
図14は、弁尖216の尖縁部分416の内面480に沿って配置され、弁尖216の尖縁部分416に取り付けられた、接続スカート410を示す。図9に示すように、接続スカート410は、弁尖216の尖縁部分416の中央部分413(例えば、中央尖縁部分413)を覆って延在するサイズの中央部分404と、弁尖216の尖縁部分416の対応する角度付き側縁部分415を覆って延在するサイズの2つの側面部分406とを含み得る。図10に示すように、各角度付き側縁部分415は、中央部分413から、弁尖216の下側タブ418のそれぞれの1つに延在することができる。
【0073】
接続スカート410の各側面部分406は、ベース部分412(側面ベース部分とも呼ぶ)、及びベース部分412から外向きに延在する延長部分414(側面延長部分とも呼ぶ)を含み得る。いくつかの実施例では、図9に示すように、対応する側面部分406の各延長部分414は、三角形であってもよい。いくつかの実施例では、ベース部分412及び中央部分404は、長方形であり得る。
【0074】
例えば、各延長部分414は、対応する側面部分406のベース部分412の自由端461から、及びそれに対して外向きに、ある角度で延在する第一の角度付き縁部460を含み得る。各延長部分414は、接続スカート410の中央部分404に接続されたベース部分412の端部から外向きに延在する垂直の縁部462をさらに含み得る。垂直の縁部462は、対応する側面部分406のベース部分412の自由端461と平行であってもよい。延長部分414は、垂直の縁部462から、かつ垂直の縁部462に対して外向きに(例えば、ベース部分412から離れて)、ある角度で延在する第二の角度付き縁部463をさらに含み得る。第一の角度付き縁部460及び第二の角度付き縁部463は、ベース部分412から離れて外向きに離間した点465で交わることができる。したがって、側面部分406の延長部分414は、外向きに、かつ接続スカート410の中央部分404を通過して延在する。
【0075】
いくつかの実施例では、第一の角度付き縁部460と第二の角度付き縁部463との間の角度459は、約45度~約120度、約75度~約100度、又は約85度~約95度の範囲であり得る。
【0076】
したがって、接続スカート410の側面部分406の形状により、接続スカート410は、中央部分404及び2つの側面ベース部分412を横切って延在する比較的まっすぐな第一の縁部471(例えば、図9の底部縁部)と、側面部分406のベース部分412の一方の自由端461から、側面部分406のベース部分412の他方の自由端461まで延在する非直線の第二の縁部469(例えば、図9の上部縁部)を有し得る。第一の縁部471及び第二の縁部469は、接続スカート410にわたって互いに対向して配置され得る。さらに、第二の縁部469は、複数の異なる角度付き縁部を含み得る。
【0077】
いくつかの実施例では、一緒に、中央部分404及び2つのベース部分412は、接続スカートのベース部分と呼んでもよく、2つの延長部分414は、ベース部分から外向きに離れて延在してもよい。
【0078】
接続スカート410は、中央部分404から側面部分406を部分的に分離するスリット408と共に形成されて(図9)、図14に示すように、弁尖216の尖縁部分416に沿った接続スカート410の整列を促進し得る。例えば、スリット408は、側面部分406のベース部分412が中央部分404に対して(例えば、ある角度で)曲がることを可能にするように構成され得る。
【0079】
代替的な実施例では、複数の接続スカートを、各弁尖216の尖縁部分416のために提供することができる(例えば、中央部分404及び側面部分406は、別個の布片とすることができる)。別の実施例では、単一の接続スカートを使用して、全ての弁尖216をフレーム202に固定することができる(例えば、単一の接続スカートは、弁膜構造204の弁尖216の全ての尖縁部分416に沿って延在するようにサイズ設定することができる)。
【0080】
いくつかの実施例では、各接続スカート410は、接続スカート410を弁尖216及び/又はフレーム202に取り付けるためのステッチ又は縫合糸を受けるように構成される、縫合穴として構成された複数の開口を含み得る。例えば、いくつかの実施例では、開口は、第一列の開口484、第二列の開口486、第三列の開口488、及び第四列の開口490を含み得、それぞれが、各側面部分406及び中央部分404のベース部分412の長さに沿って互いに間隔を置いた複数の開口を含む(図9及び13)。いくつかの実施例では、接続スカート410の各延長部分414はまた、各延長部分414を隣接する接続スカート410(例えば、図7に示す)の別の延長部分414に固定するために使用され得る1つ以上の開口492(図9)を含み得る。いくつかの実施例では、1つ以上の開口492は、第一の角度付き縁部460に隣接して(例えば、それに沿って間隔を置いて)、延長部分内に配置される。
【0081】
図12~25は、弁膜構造204をフレーム202に組み立てるための組立品及び方法を示し、これは、接続スカート410をそれらのそれぞれの弁尖216に取り付けるための方法(図13~16)、弁膜構造204を形成するための方法(図17)、接続スカート410をフレーム202に取り付けるための方法(図19~21)、及び交連を形成し、交連をフレーム202に取り付けるための方法(図23~25)を含む。
【0082】
接続スカート410を対応する弁尖216に取り付けるために、側面部分406及び中央部分404の、ベース部分412は、図13で矢印494で図示するように、まず、それ自体に(例えば、半分に)折り畳んで重ねられ得る。例えば、図12の断面図に示すように、ベース部分412及び中央部分404を縦方向に折り畳むこと(図13に示す)は、2つの折り畳み層464a、464bを形成することができ、延長部分414は、2つの折り畳み層のうちの1つから外向きに延在する(例えば、図12の折り畳み層464b)。
【0083】
次に、折り畳まれたベース部分412及び中央部分404は、弁尖216の尖縁部分416の内面480に沿って配置され得る(図14)。例えば、上記で紹介されたように、かつ図14に示すように、折り畳まれた中央部分404は、弁尖216の尖縁部分416の中央部分413の上に位置付けられてもよく、各ベース部分412は、弁尖216の尖縁部分416の対応する角度付き側縁部分415の上に位置付けられてもよい。
【0084】
図14に示すように、いくつかの実施例では、中央部分404及び各ベース部分412の、隣接部分は、中央部分404に対してベース部分412が曲げられることによって、スリット408の領域内で重複し得、これは、スリット408によって促進される。
【0085】
接続スカート410の側面部分406の延長部分414は、尖縁部分416から離れ、かつ弁尖216の内面480の一部分を横切って延びる。いくつかの実施例では、図14に示すように、接続スカート410の2つの延長部分414は、それらの点465の領域で互いに重なり合う。
【0086】
図14に示すように、接続スカート410を弁尖216の内面480上に配置した後、折り畳まれたベース部分412及び中央部分404は、尖縁部分416に固定することができる。例えば、折り畳まれたベース部分412及び中央部分404は、尖縁部分416に沿ってステッチ線467を形成する1つ以上の縫合糸(例えば、ステッチング)468を介して、尖縁部分416に固定され得る(図12及び14)。いくつかの実施例では、ステッチ線467は、弁尖216の尖縁部分416、並びに接続スカート410の第二列の開口484及び第三列の開口488の重複する開口を通って延在する、複数のインステッチおよびアウトステッチを含むことができる。例えば、接続スカート410の、ベース部分412及び中央部分404が、上述のようにかつ図14に示すように折り畳まれるとき、中央2列の開口(例えば、図13に示す、第二列の開口486及び第三列の開口488)は、互いに重なり合い、それによって、1つ以上の縫合糸468のインステッチおよびアウトステッチを受けるように構成された単一列の二重層開口を形成することができる。
【0087】
図14は、弁尖216の内面480を示すが、図15は、弁尖216の反対側の外面482を示す。接続スカート410は、図14の図では弁尖216の後ろにあるため、接続スカート410の縁部は、破線で示されている。1つ以上の縫合糸468によって形成されるステッチ線467は、弁尖216の外面482上に見ることができる(図15)。
【0088】
図14及び15に示すように、弁尖216及び取り付けられた接続スカート410はまとめて、弁尖組立品485を形成し、そのように本明細書で呼ぶことができる。
【0089】
いくつかの実施例では、補強部材又はコード466(例えば、Ethibond縫合糸)は、接続スカート410の反対にある尖縁部分416の外面482に対して配置され得る(図16)。補強コード466及び折り畳み層464a、464bは、互いに、および尖縁部分416に、ステッチング474で縫合されることができ、これは、材料の1つ以上の層を通して延在する単一の縫合糸又は複数の縫合糸であり得る(図12)。
【0090】
いくつかの実施例では、補強コード466を弁尖216に縫合するとき、下側タブ418は、尖縁部分416に対して下向きに折り畳まれてもよく(図16を参照)、補強コード466は、折り畳まれた下側タブ418の上に配置されてもよい。接続スカート410の上端は、折り畳まれた下側タブ418の上に延在するようにサイズ決めがなされ得る。ステッチング474を使用して、折り畳まれた下側タブ418に対して補強コード466を定位置に固定することができる(図12)。
【0091】
いくつかの実施例では、単一の補強コード466は、弁膜構造204の全ての弁尖216の尖縁部分416に沿って、及び各交連498の下の空間を通って、連続的に延在し得る。他の実施例では、複数の補強コード466は、各弁尖216の尖縁部分に固定された1本の補強コードと共に、使用され得る。複数の補強コード466が使用される場合、各コードの端部は、他のコードの隣接した端部に(例えば、縛る又は結ぶことによって)接続され得る。例えば、2本のコードの隣接する端部は、交連の下にある空間内の各々に接続することができる。
【0092】
各接続スカート410がそれぞれの各弁尖216に固定され、弁尖組立品485を形成した後、弁尖組立品485(例えば、図17に示す3つ)は、図17に示すように、まとめて固定されて、弁膜構造204を形成し得る。弁膜構造204は、3つの弁尖216及び弁尖組立品285を備えるが、代替的な例では、本明細書で論じる人工弁のための弁尖構造は、2つの弁状など、異なる数の弁尖を有し得る。
【0093】
図17に示すように、3つの弁尖組立品485は、平坦な構成でまとめて配置され、弁尖216の尖縁部分416は、弁膜構造204の外周を形成し、隣接する弁尖216からの上側タブ420は、上向きに折り畳まれて、互いに当たって位置付けられる。3つの弁尖組立品485は、各弁尖216の尖縁部分416のそれぞれに沿って、かつそれらの間にステッチ線424を形成する、1つ以上の縫合422(図14及び図15)を介して、まとめて固定され(例えば、縫合され又は別の方法で締結され)得る(図17)。
【0094】
いくつかの実施例では、1つ以上の縫合糸422の1つ以上の尾部425は、フレーム202の支柱208に接続され得る。
【0095】
弁尖組立品485がまとめて固定されると、図7図12及び図19~24に示すように、弁膜構造204は、フレーム202の内部内に配置され、フレーム202に固定され得る。
【0096】
弁膜構造204の各弁尖216の尖縁部分416をフレーム202に固定するために、各接続スカート410の中央部分404及びベース部分412上に折り畳まれた部分は、フレーム202の支柱208に固定(例えば、縫合)することができる。いくつかの実施例では、(ステッチを形成する)1つ以上の縫合糸470は、各接続スカート410の中央部分404及びベース部分412の上の折り畳まれた部分を通して、及びフレーム202の支柱208の周りを、尖縁部分416の長さに沿って延在して、弁尖216の尖縁部分416をフレーム202に固定することができる(図19及び20)。
【0097】
例えば、図19及び20は、フレーム202の内部(図19)及びフレーム202の外部(図20)から見た、接続スカート410をフレーム202の支柱208に固定する1つ以上の縫合糸470の詳細図を示す。上述のように、各接続スカート410の中央部分404及びベース部分412が、図19及び20に示すように折り重ねられるとき、接続スカート410の第一列の開口484及び第四列の開口490(図9及び13)は、互いに重なり合い、1つ以上の縫合470(図19及び20)のステッチを受けるように構成された単一列の開口を形成することができる。重複する開口は、図19及び20で番号付けされて、接続スカート410の内面(図19)と外面(図20)との間の対応を示す。
【0098】
いくつかの実施例では、1つ以上の縫合470は、接続スカート410の折り重ねられた部分を通り、支柱208(図20の外観に示すように)を周ってから、戻って接続スカート410を通って、フレーム202の内面まで延在し得る(図19に示す)。これらのステッチは、各接続スカート410の中央部分404及びベース部分412の長さに沿って(例えば、弁尖216の尖縁部分416に沿って)繰り返してもよく、それによって、各接続スカート410を、第一の交連498から流入端210へ、及び流入端から第二の交連498へある角度で延在する支柱208の第一のセット又は部分に、接続する(図7及び図22)。
【0099】
いくつかの実施例では、1つ以上の縫合糸470によって形成されるステッチは、複数のホイップステッチを含み得る。いくつかの実施例では、個々のステッチ472は、各接続スカート410を対応する支柱接合部256に固定することができる(図7及び図20)。したがって、いくつかの実施例では、図7及び12に示すように、各接続スカート41の2つの折り畳み層464a及び464bは、2つの支柱接合部256の間に支柱208の長さに沿って形成される、個々のステッチ472及び1つ以上の縫合糸470のホイップステッチによって支柱接合部256に固定され得る。
【0100】
いくつかの実施例では、1つ以上の縫合糸470のホイップステッチは、任意選択的に、弁尖216の尖縁部分416を通って延在することができる。
【0101】
いくつかの実施例では、上述のように、接続スカート410をフレーム202に取り付けることは、図11、12、及び18に示すように、弁尖216の尖縁部分416を、フレーム202に向かってそれ自体の上に折り畳まれるようにし得る。結果として、尖縁部分416の内面480は、ここでフレーム202の内面に面する。さらに、この折り畳みの結果として、接続スカート410の折り畳み層464aは、フレーム202の内面(図12及び18)に面し、接続スカート410の延長部分414は、弁尖216の内面480から離れて、フレーム202の内面(図12及び18)に向かって折り畳まれる。例えば、図18は、フレーム202に取り付けられたときに見えるであろう、弁尖216及び接続スカート410の分解斜視図である。
【0102】
フレーム202に取り付けられるときの、弁尖216の尖縁部分416の折り重ねの結果として、延長部分414は、隣接する弁尖216の尖縁部分416の間に流入端210において配置される、支柱208の第二のセット又は部分及びフレーム202の頂点254を覆うことができる(図7、19、及び20)。
【0103】
いくつかの実施例では、2つの隣接する接続スカート410の2つの隣接する延長部分414の一部分は、互いに重複し、それによって重複する延長部分476を形成する。図7、21、及び22に示すように、いくつかの実施例では、重複する延長部分476は、1つ以上の縫合糸478(又は他の類似の締結具又は締結部材)を介して一緒に固定されてもよく、それによって、2つの隣接する接続スカート410の2つの延長部分414を互いに固定する。いくつかの実施例では、延長部分476は、縫合糸478によって、又は追加の縫合糸によって、延長部分476が重なる支柱接合部256などの、フレーム202の支柱に固定され得る。
【0104】
図21は、2つの隣接する接続スカート410の延長部分414の内面及び2つの隣接する弁尖216の内面480(例えば、弁及びフレーム202の内側から)の斜視詳細図である。対照的に、図7及び22は、人工心臓弁400の外観及び接続スカート410の延長部分414の外面を示す。
【0105】
図21に示すように、接続スカート410の延長部分414は、フレーム202の流入端210で隣接する弁尖216の間に配置された、支柱208及び頂点254の、内面上に延在し、それを覆う。結果として、接続スカート410は、フレーム202と人工心臓弁400の内部496との間に配置される(図12及び22)。
【0106】
したがって、図26に示すように、人工心臓弁400が、送達装置の膨張可能なバルーン(例えば、バルーン318)の周りに、かつそれ上に半径方向に圧縮されるとき、接続スカート410の材料は、フレーム202の頂点254とバルーン318との間に位置付けられ、それによってフレーム202の支柱208とバルーン318との間の保護バリアとして機能する。結果として、バルーンの劣化を低減及び/又は防止することができる。
【0107】
弁膜構造204は、図23~35に提示された例示的な方法に示すように、交連498を形成し、それらをフレーム202に取り付けることによって、フレーム202にさらに固定することができる。上記で紹介されたように、かつ図10に示すように、各弁尖216は、下側タブ418及び上側タブ420(交連タブとも呼ばれる)を含み得る。上側タブ420は、下側タブ418から側縁419によって間隔を空けて、弁尖内に横方向に延在するギャップ又は凹部417を形成することができる。
【0108】
図10及び図16に示すように、各上側タブ420は、折線423に沿って折り畳まれて、第一及び第二のタブ層420a及び420bを形成することができる。上側タブ420は、以下でさらに説明するように、隣接する弁尖の上側タブ420と共に、交連取付部材431に固定されて、交連498を形成することができる。図23は、折り畳み及び弁尖への取り付け前の平坦化された構成の交連取付部材431を示す。図示した構成における各交連取付部材431は、中央部分430から横方向に突出する第一及び第二の側面部分428a、428bを備える。図示するように、側面部分428a、428bの外周縁部432は、さらに後述するように、交連取付部材431のフレーム202の支柱208への取り付けを容易にするために、フレーム202の菱形のセル214の半分に対応するような形状にされてもよい。
【0109】
図24及び25を参照すると、弁尖216の上側タブ420が折り畳まれた後、垂直補強426が、例えばステッチングで、タブ層420aの内面に固定され得る。折り畳まれたタブ層420a、420bは、交連取付部材431の側面部分428a又は428bに固定することができる。折り畳まれたタブ層420a、420bはまた、タブ層420bが、第一の円周方向に延在する層434aと、層434aに対して概して垂直である第一の半径方向に延在する層434bとを形成するように、かつタブ層420aが、第二の内側の円周方向に延在する層436aと、層436aに対して概して垂直である半径方向に延在する層436bとを形成するように、L字型の補強426において、垂直の折線に沿って折り畳まれ得る。隣接する弁尖216の別の上側タブ420は、同様に折り畳まれ、交連取付部材431の他の側面部分428a又は428bに固定され得る。
【0110】
交連取付部材431は、図25に示すように折り畳まれて、内層438及び2つの中間層440及び2つの外層442を形成することができる。各折り畳まれた上側タブ420は、内層438及び中間層440にステッチ444で固定され得る。図示の例では、補強部材426、層436a、層434a、層438、及び層440を通って延在するステッチ444が示されている。しかしながら、組立プロセス中、複数のステッチを使用して、各折り畳みが作り出されるときに、各層を隣接する層に固定することができる。例えば、層434a、436aは、互い及び補強部材426に別個のステッチで固定することができ、次いで、追加のステッチを使用して、交連取付部材431の内層438に弁尖層を固定することができ、さらにステッチを使用して、中間層440を内層438に固定することができる。図25に最もよく示されるように、交連取付部材431は折り畳まれて、外層442の間に小さなギャップ446を残すことができる。
【0111】
外層442は、例えば外周縁部432を支柱208にステッチング448で縫合することによって、フレーム12に固定することができる(図24及び25)。上述のように、交連取付部材431の外周縁部432は、概してフレーム202のクローズドセルの形状に対応し得る。例えば、図8に示すように、図示した実施例のフレーム202は、複数の概して菱形のセル214を含み、その各々は支柱208a、208b、208c、及び208dによって形成される。ステッチング448を使用して、交連取付部材431の外周縁部432を、クローズドセル214を形成する支柱208a、208b、208c、及び208dに縫合することができる。交連取付部材431は、中央部分の上縁及び下縁から突出する、上側タブ450及び下側タブ452をさらに含み得る(図23)。ステッチング448はまた、支柱208a、208cの交差によって形成される上側タブ450の頂点254を縫合し、支柱208b、208dの交差によって形成される支柱接合部256に下側タブ452を縫合するためにも使用され得る(図7及び図8)。
【0112】
交連498を形成し、それらを人工心臓弁のフレーム202に固定するための方法に関する追加の詳細は、米国特許出願公開第2018/0028310号に記載され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
いくつかの実施例では、上述のように、弁膜構造204をフレーム202に固定した後、外側密封部材454は、フレーム202の外面456の周りに取り付けることができる(図12及び22)。例えば、矢印457で図22に示すように、外側密封部材454は、フレーム202の内側に配置された接続スカート410の少なくとも一部分を覆うように、フレーム202の外部上を摺動させることができる。いくつかの実施例では、図12に示すように、外側密封部材454は、その後、1つ以上の縫合糸458(又は他の締結部材)を介して、フレーム202の外面456及び接続スカート410に固定458され得る。一例として、図22は、支柱の一部分の周りの破線の輪郭495と、外側密封部材454が1つ以上の縫合糸458を介して固定され得る接続スカート410とを示す。いくつかの実施例では、追加の縫合糸又は締結具が、外側密封部材454の部分をフレーム202の支柱208に直接固定することができる(例えば、外側密封部材454の上部及び底部又は縁部)。
【0114】
このようにして、弁膜構造の弁尖を、1つ以上の接続スカートを使用して人工心臓弁のフレームに取り付けることができる。例えば、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分は、対応する弁尖の尖縁部分に直接固定されてもよく、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分は、フレームの支柱に直接固定されてもよく、それによって、取り付けられた弁尖をフレームに固定し得る。各接続スカートは、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱にわたって延在する側面延長部分をさらに含み得る(例えば、上述のように、弁膜構造がフレームに取り付けられるとき)。結果として、接続スカートの側面延長部分は、そうでなければ弁尖によって露出される、フレームの流入端にある支柱及び頂点の内面を覆うことができる。したがって、人工心臓弁が送達装置の膨張可能なバルーン上に及びその周りで半径方向に圧縮されるとき、接続スカートの延長部分は、バルーンとフレームの頂点及び支柱との間の保護バリアとしての役目を果たすことができる。結果として、バルーンの寿命及び有効性(例えば、膨張する能力)を増加させることができる。
送達手法
【0115】
経大腿送達アプローチを介して自己大動脈弁内に人工弁を移植するために、人工弁は、送達装置の遠位端部分に沿って半径方向に圧縮された状態で取り付けられる。人工弁、及び送達装置の遠位端部分は、大腿動脈に挿入され、下行大動脈内へ、及びそれを通して、大動脈弓の周りを、並びに上行大動脈を通して、進められる。人工弁は、自己大動脈弁内に位置付けられ、半径方向に拡張される(例えば、バルーンを膨張させる、送達装置の1つ以上のアクチュエータを作動させる、又は人工弁をシースから展開して人工弁を自己拡張させることによる)。代替的に、人工弁は経心尖処置で自己大動脈弁内に移植されることができ、それによって、人工弁(送達装置の遠位端部分上)は、胸部及び心臓の心尖部の外科手術開口部を通して左心室内に導入され、人工弁は自己大動脈弁内に位置付けられる。代替的に、経大動脈処置では、人工弁(送達装置の遠位端部分上)は、例えば部分的なJ胸骨切開術又は右胸骨傍のミニ開胸術によって、上行大動脈の外科的切開を通して大動脈内に導入され、その後、上行大動脈を通って自己大動脈弁に向かって進められる。
【0116】
経中隔送達アプローチを介して自己僧帽弁に人工弁を移植するために、人工弁は、送達装置の遠位端部分に沿って半径方向に圧縮された状態で取り付けられる。人工弁、及び送達装置の遠位端部分は、大腿静脈に挿入され、下大静脈内へ、及びそれを通して、右心房内へ、心房中隔を横切って(心房中隔でなされた穿刺を通して)、左心房内へ、並びに自己僧帽弁に向かって、進められる。代替的に、人工弁は経心尖処置で自己僧帽弁内に移植されることができ、それによって、人工弁(送達装置の遠位端部分上)は、胸部及び心臓の心尖部の外科手術開口部を通して左心室内に導入され、人工弁は自己僧帽弁内に位置付けられる。
【0117】
自己三尖弁内に人工弁を移植するために、人工弁は、送達装置の遠位端部分に沿って半径方向に圧縮された状態で取り付けられる。人工弁、及び送達装置の遠位端部分は、大腿静脈に挿入され、下大静脈内へ、及びそれを通して、並びに右心房内へ進められ、人工弁は自己三尖弁内に位置付けられる。同様のアプローチが、人工弁が自己三尖弁を通して右心室内へ及び肺動脈弁/肺動脈に向かって進められることを除いて、自己肺動脈弁又は肺動脈内に人工弁を移植するために使用され得る。
【0118】
別の送達アプローチは、経心房アプローチであり、それによって、人工弁(送達装置の遠位端部分上)は、胸部の切開、及び自己心臓弁のいずれかにアクセスするために(右心房又は左心房の)心房壁を通してなされた切開を通して挿入される。心房送達はまた、例えば肺静脈から、血管内でなされてもよい。さらに別の送達アプローチは、経心室アプローチであり、それによって、人工弁(送達装置の遠位端部分上)は、胸部の切開、及び自己三尖弁、自己肺動脈弁、又は肺動脈内に人工弁を移植するために(典型的には心臓のベース又はその近くにある)右心室の壁を通してなされた切開を通して挿入される。
【0119】
全ての送達アプローチでは、送達装置は、以前に患者の血管系に挿入された、ガイドワイヤ上で前進させることができる。さらに、開示された送達アプローチは、限定されることを意図しない。本明細書に開示される任意の人工弁は、当技術分野で知られている様々な送達処置及び送達装置のいずれかを使用して移植することができる。
開示される技術の追加的実施例
【0120】
開示される主題の上記に記載される実施を考慮して、本出願は、以下に列挙される追加的実施例を開示する。単独で実施例の1つの特徴、又は組み合わせて、及び任意選択的に1つ以上のさらなる実施例の1つ以上の特徴と組み合わせて取り込まれる実施例の2つ以上の特徴は、本出願の開示内に同様に含まれるさらなる実施例であることに留意すべきである。
【0121】
実施例1. 人工心臓弁であって、流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームであって、フレームが、複数の支柱を備える、環状フレームと、フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造であって、各弁尖が、弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、タブ間の尖縁部分とを備える、弁膜構造とを備え、各弁尖の尖縁部分が、接続スカートによってフレームに接続され、各接続スカートが、フレームと弁尖の尖縁部分との各々に接続されかつ間に配置された、中央部分と中央部分の対向する側面上にある対向する側面ベース部分とを備え、各接続スカートが、弁尖の尖縁部分から外向きに、かつ隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱を横切って延在する、側面延長部分をさらに備える、人工心臓弁。
【0122】
実施例2. 複数の支柱が、フレームの流入端及び流出端に複数の頂点を形成し、各接続スカートの各側面延長部分が、隣接する弁尖の間で、フレームの流入端に配置された、複数の頂点の各頂点の内面が、対応する接続スカートの対応する側面延長部分によって覆われるように、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱を横切って延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載の人工心臓弁。
【0123】
実施例3. 各側面延長部分が、複数の支柱によって画定される複数のオープンセルのうち1つ以上のセルにわたって延在し、1つ以上のセルが、複数の弁尖によって露出される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1又は実施例2に記載の人工心臓弁。
【0124】
実施例4. 各側面延長部分が、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0125】
実施例5. 各側面延長部分が、側面延長部分の角度付き縁部に配置された1つ以上の開口を含み、各側面延長部分が、1つ以上の開口を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例4に記載の人工心臓弁。
【0126】
実施例6. 各接続スカートが、中央部分と、側面ベース部分が中央部分に対して曲がることを可能にするように構成された側面ベース部分との間に配置される1つ以上のノッチを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~5のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0127】
実施例7. 各接続スカートの各側面延長部分が三角形であり、接続スカートの側面ベース部分のそれぞれの側面ベース部分の対向する端部から外向きに延在する角度のついた2つの縁部によって形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~6のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0128】
実施例8. 各接続スカートが、側面ベース部分及び中央部分内に配置されかつそれらを横切って延在する複数列の開口を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~7のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0129】
実施例9. 各弁尖について、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分が、複数列の開口のうち第一の2列を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、弁尖の尖縁部分に沿って配置され、かつそれに固定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例8に記載の人工心臓弁。
【0130】
実施例10. 各弁尖について、弁尖に固定された接続スカートの中央部分及び側面ベース部分が、複数列の開口のうち第二の2列を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、フレームの複数の支柱のうちの支柱にさらに固定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例9に記載の人工心臓弁。
【0131】
実施例11. 中央部分及び側面ベース部分が、弁尖の尖縁部分に沿って縦方向に折り重ねられて、第一の2列が互いに重なり合いかつ第二の2列が互いに重なり合うように、折り畳まれた2つの部分を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例10に記載の人工心臓弁。
【0132】
実施例12. 各弁尖及び各接続スカートが、複数の弁尖の尖縁部分に沿って、各隣接する弁尖及び各隣接する接続スカートに固定され、弁膜構造を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~11のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0133】
実施例13. 各弁尖の対向するタブの各タブが、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、フレームの流出端で、フレームに接続された複数の交連を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~12のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0134】
実施例14. 各側面延長部分が、複数の交連のうちの交連及びフレームの流入端に接続された、フレームの支柱の間に配置されたフレームの支柱の内面を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例13に記載の人工心臓弁。
【0135】
実施例15. フレームの外面上に取り付けられ、かつ各接続スカートに固定される、外側密封部材をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~14のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0136】
実施例16. 外側密封部材がフレームの流入端から、フレームの流出端に向かって延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例15に記載の人工心臓弁。
【0137】
実施例17. 人工心臓弁であって、流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームであって、フレームが、複数の支柱を備える、環状フレームと、フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造であって、各弁尖が、弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、タブ間の尖縁部分とを備え、各タブが、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、フレームに接続された複数の交連を形成する、弁膜構造と、複数の接続スカートであって、各接続スカートが、複数の弁尖のうちの対応する弁尖の尖縁部分のそれぞれとフレームの支柱とに接続された、側面ベース部分及び中央部分を備え、各接続スカートが、尖縁部分から外向きに離れて延在する側面延長部分をさらに備え、各接続スカートの各側面延長部分が、フレームの支柱を横切って、隣接する弁尖の尖縁部分の間に延在し、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に接続する、複数の接続スカートとを備える、人工心臓弁。
【0138】
実施例18. 各側面延長部分が、複数の交連のうち対応する交連が接続されている支柱接合部から、フレームの流入端まで、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に接続する、本明細書の任意の実施例、特に実施例17に記載の人工心臓弁。
【0139】
実施例19. 各側面延長部分が、対応する弁尖の尖縁部分からフレームの流入端まで延在し、流入端でフレームの頂点の内面を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例17又は実施例18に記載の人工心臓弁。
【0140】
実施例20. 各接続スカートが、それぞれが中央部分の対向する側面上に配置される、2つの側面ベース部分と、各側面延長部分が2つの側面ベース部分の対応する側面ベース部分から外向きに延在する、2つの側面延長部分とを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例17~19のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0141】
実施例21. 各側面延長部分が三角形である、本明細書の任意の実施例、特に実施例20に記載の人工心臓弁。
【0142】
実施例22. 各接続スカートの2つの側面ベース部分及び中央部分が長方形である、本明細書の任意の実施例、特に実施例20又は実施例21に記載の人工心臓弁。
【0143】
実施例23. 各接続スカートについて、2つの側面ベース部分及び中央部分が、接続スカートのまっすぐな第一の縁部を形成し、2つの側面延長部分が、第一の縁部の反対側に配置された非直線の第二の縁部を形成し、非直線の第二の縁部が複数の角度付き縁部を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~22のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0144】
実施例24. 各接続スカートの各側面延長部分が、対応する側面ベース部分の自由端から延在する角度付き縁部を含み、各側面延長部分が、角度付き縁部に隣接して、その中に配置された1つ以上の開口を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~23のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0145】
実施例25. 各側面延長部分が少なくとも部分的に重複し、側面延長部分及び隣接する側面延長部分のそれぞれにある1つ以上の開口部を通って延在する1つ以上の縫合糸によって、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に接続される、本明細書の任意の実施例、特に実施例24に記載の人工心臓弁。
【0146】
実施例26. 各接続スカートが、中央部分及び2つの側面ベース部分内にある複数列の開口を含み、開口の各列が、互いから間隔を置き、かつ2つの側面ベース部分の1つの側面ベース部分の自由端から、2つの側面ベース部分の別の側面ベース部分まで延在する、複数の開口を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~25のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0147】
実施例27. 複数列の開口が、互いから間隔を置いている4列の開口を含み、中央部分及び2つの側面ベース部分が、2つの折り畳み層が形成され、4列の開口のうち第一及び第四列の開口が互いに重なり合い、4列の開口のうち第二及び第三列の開口が互いに重なり合うように、縦方向に折り畳まれて、対応する弁尖の尖縁部分に沿って配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例26に記載の人工心臓弁。
【0148】
実施例28. 各接続スカートが、第二及び第三列の開口を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、対応する弁尖の尖縁部分に固定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例27に記載の人工心臓弁。
【0149】
実施例29. 各接続スカートが、第一及び第四列の開口を通って延在する1つ以上の縫合糸を介して、フレームの支柱に固定される、本明細書の任意の実施例、特に実施例28に記載の人工心臓弁。
【0150】
実施例30. 各接続スカートが、2つの側面ベース部分を中央部分から部分的に分離して、対応する弁尖の尖縁部分に沿って接続スカートが整列することを可能にするスリットを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例20~29のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0151】
実施例31. 各弁尖の尖縁部分が、中央部分と、中央部分の両側から対向するタブのそれぞれの1つまで延在する2つの角度付き側縁部分とを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例30に記載の人工心臓弁。
【0152】
実施例32. 複数の支柱が複数のオープンセルを形成し、複数の交連のうち各交連が、フレームの流出端に配置される複数のオープンセルのうちのセルを横切って配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例17~31のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0153】
実施例33. 隣接する接続スカートの側面延長部分が、交連を含むセルとフレームの流入端の間に配置された複数のオープンセルのうちのセルを横切って延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例32に記載の人工心臓弁。
【0154】
実施例34. フレームの外面の周りに取り付けられ、フレームの支柱及び複数の接続スカートに固定される外側密封部材であって、複数の接続スカートがフレームの内面の周りに取り付けられる、外側密封部材をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例17~33のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0155】
実施例35. 複数の弁尖を含む人工心臓弁を組み立てる方法であって、方法が、複数の弁尖で複数の弁尖組立品を形成することであって、各弁尖組立品が、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を、弁尖の尖縁部分に固定することであって、各接続スカートが、中央部分の両側に1つずつ配置された、2つの側面部分を含み、各側面部分が、側面ベース部分のうちの対応する側面ベース部分と、対応する側面ベース部分から外向きに離れて延在する側面延長部分とを含む、固定することと、各接続スカートを人工心臓弁のフレームに固定することであって、フレームが複数の相互接続された角度付き支柱を備え、固定することが、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を複数の支柱のうち支柱の第一の部分に固定することを含む、固定することと、接続スカートの各側面延長部分を、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置された複数の支柱のうち支柱の第二の部分にわたって延在させ、各側面延長部分を、隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定することと、によって形成される、形成することを含む、方法。
【0156】
実施例36. 接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を弁尖の尖縁部分に固定することが、中央部分及び側面ベース部分を縦方向に折り畳んで2つの折り畳み層を形成し、2つの折り畳み層を弁尖の尖縁部分に固定することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35に記載の方法。
【0157】
実施例37. 各接続スカートが、中央部分及び側面ベース部分に沿って延在する複数列の開口を含み、2つの折り畳み層を弁尖の尖縁部分に固定することが、弁尖の尖縁部分を通して1つ以上の縫合糸を延長させ、複数列の開口のうちの第一の2列の開口のうちの開口を尖縁部分の長さに沿って重ね合わせて、接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を、弁尖の尖縁部分に固定することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0158】
実施例38. 接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を、弁尖の尖縁部分に固定している間、接続スカートの各側面延長部分が、2つの折り畳み層から外向きに、かつ弁尖の内面を横切って延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36又は実施例37に記載の方法。
【0159】
実施例39. 接続スカートの中央部分及び側面ベース部分を支柱の第一の部分に固定することが、複数列の開口のうちの第二の2列の開口の重複する開口を通して、かつ支柱の第一の部分の周りに、弁尖の尖縁部分の長さに沿って延在する、1つ以上の縫合糸を介して、接続スカートの2つの折り畳み層を支柱の第一の部分に固定することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
実施例40. 接続スカートの各側面延長部分を支柱の第二の部分にわたって延長することが、支柱の第二の部分の内面と、フレームの流入端に配置されたフレームの頂点とを、側面延長部分で覆うことを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35~39のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
実施例41. 各側面延長部分を隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定することが、側面延長部分及び隣接する側面延長部分の重複部分を、1つ以上の縫合糸を介してまとめて固定することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35~39のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
実施例42. 重複部分をまとめて固定することが、1つ以上の縫合糸を、隣接する弁尖の尖縁部分がフレームの流入端と交わる支柱接合部から、重複部分を通して延長することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例41に記載の方法。
【0163】
実施例43. 複数の弁尖組立品を形成した後で、複数の弁尖組立品をまとめて接続して弁膜構造を形成して、弁膜構造をフレームの内部内に配置してから、各接続スカートをフレームに固定することをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35~42のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
実施例44. 複数の弁尖組立品をまとめて接続して弁膜構造を形成することが、1つ以上の縫合糸を、各接続スカート及び各弁尖の尖縁部分を通して延長して、弁膜構造の各弁尖の各尖縁部分に沿って、かつその間にステッチ線を形成することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例43に記載の方法。
【0165】
実施例45. 各弁尖が、弁尖の尖縁部分の対向する側面上にある対向するタブを備える、各タブを隣接する弁尖の隣接するタブと対にして交連を形成し、交連をフレームに固定することをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35~44のいずれか1つに記載の方法。
【0166】
実施例46. 交連をフレームに固定することが、フレームの流出端でセルを形成する複数の支柱のうち支柱の第三の部分に交連を固定することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例45に記載の方法。
【0167】
実施例47. 支柱の第一の部分が、第一の交連からフレームの流入端にある角度で、かつ流入端から第二の交連にある角度で延在する支柱である、本明細書の任意の実施例、特に実施例45又は実施例46に記載の方法。
【0168】
実施例48. 各側面延長部分を隣接する接続スカートの隣接する側面延長部分に固定することが、1つ以上の縫合糸を、交連からフレームの流入端まで延在する、側面延長部分および隣接する側面延長部分の重複部分を通して延長することを介して、各側面延長部分を、隣接する側面延長部分に固定することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例45~47のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
実施例49. 外側密封部材を、フレームの外面の周りに取り付けて、外側密封部材をフレームの支柱と各接続スカートに固定することをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例35~48のいずれか1つに記載の方法。
【0170】
実施例50. 人工心臓弁であって、流入端及び流出端を備える、半径方向に圧潰した構成と半径方向に拡張した構成との間で半径方向に圧潰可能及び拡張可能である環状フレームであって、フレームが、複数の支柱を備える、環状フレームと、フレーム内に取り付けられ、複数の弁尖を備える弁膜構造であって、各弁尖が、弁尖の対向する側面上にある対向するタブと、タブ間の尖縁部分とを備え、各タブが、隣接する弁尖の隣接するタブと対をなして、フレームに接続された複数の交連を形成する、弁膜構造と、複数の接続スカートであって、各接続スカートが、複数の弁尖のうちの対応する弁尖の尖縁部分のそれぞれと、フレームの支柱とに接続されたベース部分を備え、各接続スカートが、尖縁部分から外向きに離れて延在し、隣接する弁尖の尖縁部分の間に配置されたフレームの支柱の内面を覆う、延長部分をさらに備える、複数の接続スカートと、フレームの外面の周りに取り付けられ、フレームの支柱及び複数の接続スカートに固定される外側密封部材であって、複数の接続スカートがフレームの内面の周りに取り付けられる、外側密封部材と、を備える、人工心臓弁。
【0171】
実施例51. 各弁尖の延長部分によって覆われたフレームの支柱の一部分が、フレームの流入端で頂点を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例50に記載の人工心臓弁。
【0172】
実施例52. 各接続スカートのベース部分が、中央部分及び中央部分の両側上に配置された対向する側面ベース部分を備え、接続スカートの各延長部分が、対向する側面ベース部分のそれぞれの側面ベース部分から外向きに延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例50又は実施例51のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0173】
実施例53. 延長部分が三角形である、本明細書の任意の実施例、特に実施例50~52のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0174】
実施例54. 各接続スカートの各延長部分が、隣接する接続スカートの隣接する延長部分に取り付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例50~53のいずれか1つに記載の人工心臓弁。
【0175】
実施例55. 各延長部分が、フレームの中心長手方向軸に対して軸方向に、複数の交連のうちの交連と、フレームの流入端との間に配置される、フレームの領域内にある隣接する延長部分に取り付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例54に記載の人工心臓弁。
【0176】
開示される技術の原理が適用され得る、多くの可能な実施例を考慮すると、示された実施例は、開示される技術の実施例に過ぎず、請求される主題の範囲を限定するものとみなされるべきではないことが、認識されるべきである。むしろ、請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等なものによって定義される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】