IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビューラー アーゲーの特許一覧

特表2024-504339改良された取付板を有するダイカスト機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】改良された取付板を有するダイカスト機
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/22 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
B22D17/22 A
B22D17/22 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544047
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2022025043
(87)【国際公開番号】W WO2022171362
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】21156644.3
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517338205
【氏名又は名称】ビューラー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュレプファー、エリアス
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー、ラファエル
(57)【要約】
本発明は、ダイカスト機用の取付板(1)、具体的には固定取付板(1)に関し、取付板(1)は、ドーム形キャビティ(4)を有し、その基部は、取付板(1)の第2の側面(1b)にあり、開口しており、ドーム形キャビティは、第1の側面(1a)の収容開口部(2a、2b、2c、2d)の重心に向かって先細りになっている。本発明は更に、そのような取付板(1)を有するダイカスト機(D)に関する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカスト機(D)用の取付板(1、9)、具体的には固定取付板(1)であって、
-第1の側面(1a、9a)及び第2の側面(1b、9b)であって、前記第1の側面(1a、9a)上に鋳型(10)を配置することができる、第1の側面及び第2の側面と、
-前記取付板(1、9)の角部に配置された、ガイド柱用の収容開口部(2a、2b、2c、2d、13a、13b、13c、13d)と、を備え、
前記取付板(1、9)はドーム形キャビティ(4、14)を有し、その基部は、前記取付板(1、9)の前記第2の側面(1b、9b)にあり、開口しており、前記ドーム形キャビティは、前記第1の側面(1a、9a)の前記収容開口部(2a、2b、2c、2d、13a、13b、13c、13d)の重心に向かって先細りになっていることを特徴とする、取付板。
【請求項2】
前記ドーム形キャビティ(4)が、前記取付板(1、9)の前記第1の側面(1a、9a)に固定された最小許容鋳型(10)の最小長及び最小幅に対応する、前記第1の側面(1a、9a)の領域にある理論上の矩形の最小長及び最小幅を有することを特徴とする、請求項1に記載の取付板。
【請求項3】
収容開口部(2a、2b、2c、2d、13a、13b、13c、13d)の中心から、前記ドーム形キャビティ(4、14)の最も近い垂直内側までの距離が、前記収容開口部(2a、2b、2c、2d、13a、13b、13c、13d)の重心を通って延在する中心線と、収容開口部(2a、2b、2c、13d、13a、13b、13c、13d)の前記中心との距離の5~30%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の取付板。
【請求項4】
前記ドーム形キャビティ(4、14)が、前記取付板(1、9)の全深さの50~80%である、深さを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の取付板。
【請求項5】
固定取付板(1)では、前記取付板(1)を通って延在する注型口(3)が、前記鋳型(10)内に鋳造材料を導入するために設けられ、前記ドーム形キャビティ(4)が、前記注型口(3)に向かって先細りになっており、前記注型口(3)が、前記キャビティ(4)を通してアクセス可能であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の取付板。
【請求項6】
補強要素(5a、5b、5c、5d)、好ましくはリブが、前記固定取付板(1)の前記第2の側面(1b)の部分上の、前記収容開口部(2a、2b、2c、2d)間に配置され、及び/又は、補強要素(6a、6b、6c、6d)、好ましくはリブが、前記ドーム形キャビティ(4)に配置され、前記補強要素は、前記キャビティ(4)の前記基部から、前記第1の側面(1a、9a)上の前記収容開口部(2a、2b、2c、2d、13a、13b、13c、13d)の重心まで、又は注型口(3)に向かって延在していることを特徴とする、請求項5に記載の取付板。
【請求項7】
凹部(7a、7b、7c、7d)が、前記固定取付板(1)の側壁に存在することを特徴とする、請求項5又は6に記載の取付板。
【請求項8】
更なるキャビティ(8a、8b)が、前記固定取付板(1)に存在することを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の取付板。
【請求項9】
前記凹部(7a、7b、7c、7d)及び更なるキャビティ(8a、8b)が、前記固定取付板(1)のセグメントが、前記ドーム形キャビティ(4)の壁と、前記固定取付板(1)の対応する側壁との間に延在する、支持要素(18a、18b、18c、18)として設計されるように、前記固定取付板(1)に配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の取付板。
【請求項10】
ダイカスト機(D)であって、
-固定取付板(1)と、
-可動取付板(9)と、
-前記固定取付板(1)の収容開口部(2a、2b、2c、2d)、及び前記可動取付板(9)の収容開口部(13a、13b、13c、13d)を通って延在している、ガイド柱(11a、11b、11c、11d)と、
-前記固定取付板(1)の前記注型口(3)を通って延在している、鋳造ユニット(12)と、を備え、
前記固定取付板(1)は、請求項1から9のいずれか一項に記載の取付板であることを特徴とする、ダイカスト機。
【請求項11】
前記可動取付板(9)が、請求項1から4のいずれか一項に記載の取付板であることを特徴とする、請求項10に記載のダイカスト機。
【請求項12】
側壁開口部(15a、15b、15c、15d)が、前記可動取付板(9)の前記側壁に存在し、及び/又は、ドーム形壁開口部(17a、17b)が、前記可動取付板(9)の前記ドーム形キャビティ(14)の前記壁に存在することを特徴とする、請求項10又は11に記載のダイカスト機。
【請求項13】
中間ウェブ(19a、19b、19c、19d)が、前記可動取付板(9)の第2の側面(9b)上の、前記ガイド柱(11a、11b、11c、11d)用の前記収容開口部(13a、13b、13c、13d)間に設けられ、前記中間ウェブ(19a、19b、19c、19d)の幅が、前記収容開口部(13a、13b、13c、13d)の2つの隣接する中心の間の距離の5~30%に相当し、前記中間ウェブ(19a、19b、19c、19d)の厚さが、前記収容開口部(13a、13b、13c、13d)の2つの隣接する中心の間の距離の5~30%に相当することを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項14】
前記ダイカスト機が、2つのプラテンのダイカスト機であることを特徴とする、請求項9から12のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項15】
前記ダイカスト機が、少なくとも45000kN、好ましくは120000kNまでの最大型締力を有することを特徴とする、請求項9から14のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカスト機用の取付板、及び、対応する取付板を有するダイカスト機に関する。
【0002】
近年、特に自動車分野において、構造部品のサイズが大きくなる傾向がある。加えて、電動車両用の5Gアンテナ及びバッテリハウジング用の構造部品の需要が増大している。
【0003】
この種の構造部品は、ダイカストによって製造される。このために必要とされるダイカストプロセス及びダイカスト機は、周知である(例えば、”Brunhuber,Praxis der Druckgussfertigung,Berlin,3rd edition1980”を参照のこと)。
【0004】
上述した構造部品に対する需要の増大に起因して、好ましくは45000kNを超える増大した型締力を有する、より大きな寸法のダイカスト機が必要とされている。このことはまた、取付け板が、作用する大きな力に、変形することなく耐えることができるように、取付け板の寸法の対応する増加も必要とする。
【0005】
取付板の製造は、それらのサイズが増大するにつれて、時間がかかり、費用がかかる。加えて、ダイカスト機の重量が大幅に増加する。更に、固定取付板の場合には、固定取付板の厚さ及びコンパクトさが増加するにつれて、板に必ず存在する注型口がアクセスしにくくなるという問題がある。
【0006】
従来技術では、取付板をより小型にすることによって、取付板の重量を低減することが既に検討されている。この概念は、射出成形プロセスにおいて取付板に作用する力が、ダイカストプロセスにおけるものよりも小さく、したがって、取付板がより頑丈である必要がないので、主に射出成形機のために提案されている。
【0007】
米国特許出願公開第2007/0235898(A1)号は、前板が、その中央部分において、構成要素、例えば、円錐形構成要素を介して、後板に接続されている、2つの別個の板からなる鋳造板システムを記載している。変形を防止するために、前板及び後板のそれぞれの角部を接続する、追加の支柱が設けられている。
【0008】
欧州特許第3597391(A1)号は、ガイド柱を後板に結合するために、前板が、その角部で、結合部を介して接続されている、2つの別個の板からなる類似の鋳造プレートシステムを記載している。2つの板を接続するための円筒状リブが、中央に設けられている。補強支柱は、円筒形リブから結合部まで斜めに、かつ垂直に上方及び下方に延在している。
【0009】
米国特許出願公開第2011/0200701(A1)号は、板の後側の角部に配置されているガイド柱用のスリーブが、補強のために、壁によって接続されている、射出成形機用の可動取付板を記載している。結果的に、押出しシリンダのための空間を作り出すために、板の後側及び外側に内部空間が形成される。
【0010】
上述のシステムは、45000kNよりも大きい、非常に大きな型締力を有する大型ダイカスト機には適していない。
【0011】
本発明の目的は、従来の取付板よりも軽量であるが、大型のダイカスト機においても長期間使用することができ、固定取付板の場合、注型口へのアクセスを容易にする、少なくとも1つの取付板を有するダイカスト機を提供することである。
【0012】
上記の目的は、特許請求の範囲に定義された、取付板及びダイカスト機によって達成される。
【0013】
詳細には、本発明は、ダイカスト機用の取付板、具体的には固定取付板であって、
-第1の側面及び第2の側面であって、第1の側面に鋳型を配置することができる、第1の側面及び第2の側面と、
-取付板の角部に配置された、ガイド柱用の収容開口部と、を備え、
取付板は、ドーム形状のキャビティを有し、その基部は、取付板の第2の側面に位置し、開口しており、ドーム形状のキャビティは、第1の側面の収容開口部の重心に向かって先細りになっていることを特徴とする、取付板に関する。
【0014】
ダイカスト機は周知であり、ここで詳細に説明する必要はない。これらの機械は、鋳型で成形部品を製造するために使用することができ、鋳型は、通常、製造対象の成形部品の外側輪郭をともに画定する、2つの鋳型半体からなる。いずれの場合にも、一方の鋳型部分、通常は鋳型半体は、固定取付板上に位置し、他方は、可動取付板上に位置する。
【0015】
ダイカスト機は、例えば、エンジンブロックのような金属鋳物を製造するために使用される。
【0016】
本発明によれば、ダイカスト機は、好ましくは、2つのプラテンのダイカスト機又は3つのプラテンのダイカスト機、好ましくは、2つのプラテンのダイカスト機である。この種のダイカスト機は、周知である。出願人は、とりわけ、CARAT(登録商標)の商品名で、2つのプラテンのダイカスト機を製造している。
【0017】
例として、国際公開第2008/131571(A1)号は、水平式2つのプラテンのダイカスト機を記載している。この2つのプラテンのダイカスト機は、可動取付板(movable mounting plate、MMP)及び固定取付板(fixed mounting plate、FMP)を備え、これらの取付板のそれぞれに、鋳型半体が配置されている。ダイカスト金型は、機械ベッド上の可動取付板を力伝達手段によって移動させることによって、開閉され得る。閉位置では、2つの鋳型半体が、閉じた中空鋳型を形成するように、2つの取付板は、互いにしっかりと押圧されている。溶融金属は、圧力下で閉じた鋳型に導入され、冷却されるのに伴い凝固する。凝固した鋳造物は、(可動取付板を移動させることによって)鋳型を開いた後に、取り出すことができる。国際公開第2008/131571(A1)号による機械では、可動取付板は、ガイド柱、好ましくは4つのガイド柱を介して移動される。
【0018】
本発明によれば、閉位置は、可動取付板が、固定取付板の方向への移動中に、それ以上の移動が固定取付板によって阻止される前にとることができる、可動取付板の最大位置である。本発明によれば、閉方向は、固定取付板の方向への可動取付板の移動である。本発明によれば、開方向は、固定取付板から離れる方向への可動取付板の移動である。本発明によれば、開位置は、可動取付板が、その設計に起因して、固定取付板から離れる方向への移動の過程でとることができる、可動取付板の最大位置である。
【0019】
所望の成形体を製造するための材料は、中空(鋳造)型(キャビティ又は鋳型輪郭とも呼ばれる)中に導入することができる。ダイカストプロセスでは、これらは、アルミニウム又は溶融合金などの溶融金属であり、これらは、固定取付板に設けられた注型口を通して、鋳造ユニットの鋳造シリンダによって、圧力下で鋳型中に押し込まれ得る。これらの装填状態下で鋳型が開くのを防止するために、可動取付板は、係止シリンダによって、及び、ガイド柱に固定されたシリンダをクランプすることによって、その閉位置に保持される。材料が鋳型内で固化した後、可動取付板を開方向に移動させることによって鋳型を開き、完成した成形部品を取り出すことができる。例えば、完成した鋳造部品は、エジェクタを用いて取り出すことができる。
【0020】
コールドチャンバダイカスト機とホットチャンバダイカスト機とは区別される。ホットチャンバダイカスト機では、鋳造ユニットの注型容器は、溶融金属を有する、るつぼ内に保持される。鋳造ピストンが注型容器内に移動し、同様に少なくともある程度はるつぼ内に配置された注型容器、及び、固定取付板に設けられた注型口を通して、溶融金属を鋳型内に押し込む。注型容器及び鋳造ピストンは、この方法では、溶融金属に恒久的にさらされる。ホットチャンバダイカスト機の鋳造ユニットは、コールドチャンバダイカスト機のものとは根本的に異なる。コールドチャンバダイカスト機の場合、金属は、別のデバイスで溶融されるか、又は溶融状態で保温されている。所望の部品を製造するのに必要な量の溶融金属が、注入口を介して、鋳造ユニットの冷間鋳造チャンバ内に導入され、鋳造チャンバ内に移動可能に配置された鋳造ピストンによって、固定取付板に設けられた注型口を通して、鋳型内に押し込まれる。
【0021】
コールドチャンバダイカスト機及びホットチャンバダイカスト機は、当業者には十分に知られている。
【0022】
従来のダイカスト機では、可動取付板は、固定取付板の角部に着脱可能に配置され、可動取付板の角部の収容開口部を通してガイドされる、4つのガイド柱によってガイドされる。鋳型の可能な交換のために、固定取付板と可動取付板との間の領域への十分なアクセスを提供するために、少なくとも2つの上部ガイド柱は、好ましくは、固定取付板から引き抜くことができるように配置されている。柱引き出しデバイスは既知であり、ここでより詳細に説明する必要はない。例えば、国際公開第2008/131571(A1)号又は欧州特許第2792465(A1)号に記載されているような、柱引き出しデバイスが参照される。
【0023】
ガイド柱は、固定取付板に着脱可能に接続されている。本発明によれば、このために必要とされる、ガイド柱への着脱可能な接続のための固定デバイスは、従来技術に記載されているように、好適な継手接続によって既知の方式で提供することができる。例として、2部分ナット、すなわち、例えば油圧駆動によって柱から離れて又は柱に向かって移動させることができる、2つの別個の半体を有するナットを挙げることができる。ガイド柱を固定取付板に固定するために、ナットの2つの半体が一緒に押し付けられ、その結果、このように形成されたナットとガイド柱との間に、形状嵌合接続が形成される。ガイド柱への着脱可能な接続のための固定デバイスは、好ましくは、可動取付板に背を向けた側の固定取付板の角部に配置されている。特に好ましくは、ガイド柱への着脱可能な接続のためのそのような固定デバイスは、可動取付板に背を向けた側の固定取付板の各角部に配置されている。
【0024】
本発明によるダイカスト機(成形機)の通常の成形動作中、ガイド柱は、ガイド柱への着脱可能な接続のための上述の固定デバイスによって、固定取付板に固定的に接続されている。この接続は、鋳型を交換するために柱が引き抜かれるときにのみ、取り外される。
【0025】
ガイド柱への着脱可能な接続のための更なる固定デバイスは、以下に詳細に説明するが、本発明によるダイカスト機の可動取付板上に、好ましくは、固定取付板に背を向けた側の角部に、柱引抜デバイスの構成要素として配置することができる。4つのガイド柱を有するダイカスト機の場合で前述したように、2つの上部ガイド柱は、鋳型を交換するために、固定取付板と可動取付板との間の領域から引き抜かれるので、そのような固定デバイスは、好ましくは、ガイド柱への着脱可能な接続のために、可動取付板の2つの上側角部に少なくとも配置されている。しかしながら、全てのガイド柱をダイカスト機から引き抜くことができるようにするために、固定取付板に背を向けた側の可動取付板の全ての角部に、ガイド柱への着脱可能な接続のためのそのような固定デバイスを設けることも、当然可能である。
【0026】
柱引き出しデバイスの、ガイド柱への着脱可能な接続のための、可動取付板上に配置された固定デバイスは、従来技術から既知の方式で実現することができる。ガイド柱への形状嵌合接続又は圧力嵌合接続を選択的に生成することができる、継手が好ましい。
【0027】
ダイカスト機で従来使用されているガイド柱は、機械の通常の成形動作中に可動取付板と接触する部分に、溝を有する。これらの溝は、可動取付板とガイド柱との間に、可能な限り強固な接続を生成するのに役立つ。特に、ダイカスト機の鋳造動作中には、上述したように非常に大きな負荷が発生し、このような状態では、鋳型を確実に閉じた状態に保持しなければならない。このために、可動取付板上に配置された固定デバイスによって、ガイド柱との形状嵌合接続が行われる。このために、好ましくは、2部分ナット、すなわち、例えば油圧駆動によってガイド柱から離れて又は柱に向かって移動させることができる、2つの別個の半体を有するナットを使用する。ガイド柱と接触するナット半体の内面は、柱面上の溝と接触する形状嵌合方式で相互作用することができる、溝を有する。換言すれば、ナット半体の内面上の2つの溝の間の隆起部が、柱上の溝に係合することによって、形状嵌合接続を生成することができ、逆もまた同様である。ガイド柱を可動取付板に固定するために、ナットの2つの半体が一緒に押し付けられ、その結果、このように形成されたナットとガイド柱との間に、上述の形状嵌合接続が形成される。当然のことながら、ガイド柱と可動取付板との間の形状嵌合接続は、上述の溝とは異なる別の既知の方式で達成することもできる。しかしながら、本発明によれば、上述の実施形態が好ましい。
【0028】
本発明によるダイカスト機の通常の成形動作中に、可動取付板は、上述の形状嵌合結合を解除することによってガイド柱上で移動され、その結果、可動取付板は、機械フレーム上の従来の駆動によって、閉方向又は開方向に移動され得る。可動取付板を所望の位置に固定するために、上述の形状嵌合結合はガイド柱と行われる。
【0029】
上記のように、大きな鋳造物の製造は、鋳造プロセス中に大きな型締力を必要とする。このことは、ダイカスト機の寸法、特に取付板の寸法の対応する増加を必要とする。しかしながら、そのような大きな取付板の製造は、時間がかかり、費用がかかる。45000kNよりも大きい型締力を有するダイカスト機に必要とされる可動取付板は、約100tの重量を有し、製造に約10週間かかる。それに応じて取付板は厚く、固定取付板に存在する注型口にアクセスすることを困難にする。通常、可動取付板には、鋳型内に位置する鋳造部品を押出すために、押出しユニットがガイドされ得る、少なくとも1つの開口部も設けられている。高い型締力のために必要とされる、この取付け板の寸法によって、可動取付板のこの開口部へのアクセスが更に困難になる。
【0030】
本発明は、本発明によるダイカスト機の取付板の重量を可能な限り減らすことによって、関連付けられた問題を解決する。
【0031】
本発明によれば、このことは、取付板がドーム形状のキャビティを有し、その基部が、取付板の第2の側面(すなわち、鋳型に背を向けた側)に位置し、開口しており、ドーム形状のキャビティは、第1の側面の収容開口部の重心に向かって先細りになっているという点において達成される。
【0032】
図形の重心(幾何学的重心とも呼ばれる)は、一種の中心として解釈される、特に目立つ点である。数学的には、これは、図中の全ての点を平均化することに等しい。
【0033】
本発明によれば、取付板の第1の側面は、略正方形状を有する。ガイド柱用の収容開口部は、第1の側面の角部に配置されている。取付板の第1の側面の重心は、収容開口部の間に対称軸を引くことによって、既知の方式で決定することができる。重心は、対称軸の交点に位置する。
【0034】
本発明によれば、「ドーム形状」は、カップ形状を意味すると理解される。そのような形状は、本体(球状ドームと呼ばれる)を通って配置された平面に沿った、球体の断面によって形成することができる。本発明によれば、ドーム型形状は、好ましくは、球状ドームと円錐(円錐又は円錐台)との間の中間形状である。換言すれば、ドーム形状のキャビティは、好ましくは、平坦な先端部分を有し、その中心に、収容開口部の上述の重心が位置する。
【0035】
ドーム形状のキャビティの基部は、取付板の第2の側面(すなわち、鋳型に背を向けた側)に位置し、開口している。このことは、キャビティへの、特に、注型口(固定取付板の場合)、又は押出しユニット用の少なくとも1つの開口部(可動取付板の場合)などの、キャビティの先端部分に位置する開口部への優れたアクセスを提供する。
【0036】
好ましくは、ドーム形キャビティの開いた基部は、正方形又は長方形であり、取付板の第2の側面の総面積の30%~70%、より好ましくは33%~65%、特に好ましくは40%~60%の範囲の面積を含む。
【0037】
好ましくは、収容開口部の中心からドーム形キャビティの最も近い垂直内側までの距離は、収容開口部の重心を通って延在する中心線と、収容開口部の中心との間の距離の5~30%である。
【0038】
上述したように、ドーム形キャビティは、(取付板の第2の側面の)その基部から、第1の側面の収容開口部の重心に向かって先細りになっている。ガイド柱の固定デバイスから、取付板を通って、鋳型への最適な力の流れを確保するために、キャビティの先端部分は、特定の最小サイズを下回るべきではない。本発明によれば、ドーム形キャビティは、好ましくは、取付板の第1の側面に固定された最小許容鋳型の最小長及び最小幅に対応する、第1の側面の領域にある理論上の矩形の最小長及び最小幅を有する。しかしながら、ドーム形キャビティの平坦な先端部分は、実際には矩形である必要はなく、例えば、理論上の矩形表面に対応する表面を有する円形又は楕円形であってもよいことに留意されたい。
【0039】
ダイカスト機のサイズに応じて、様々なサイズの鋳型を使用することができる。この場合、ダイカスト機によって提供される型締力と、鋳造プロセス中に鋳型に生じる成形力と、が考慮されなければならない。鋳造プロセス中に鋳型が変形するのを防止するために、鋳型は、規定された最小長及び最小幅を有していなければならない。この質量は、ダイカスト機の寸法によって決まり、一般的には与えられない。通常、取付板の第1の側面の領域におけるドーム形キャビティの先端部分の理論上の矩形は、取付板の第1の側面の総面積の15~40%、好ましくは20~35%の範囲の面積を有する。
【0040】
本発明によれば、ドーム形キャビティの基部から先端部分への連続的な移行部が存在する。換言すれば、ドーム形キャビティの内壁は、段部又は他の不連続部分を有さない。具体的には、ドーム形キャビティの全ての内壁部分は、同じ曲率を有する。
【0041】
本発明によれば、ドーム形キャビティは、取付板の全深さの50~80%、より好ましくは55~75%の深さを有する。
【0042】
本発明の好ましい実施形態によれば、固定取付板では、取付板を通って延在する注型口が、鋳型内に鋳造材料を導入するために設けられ、ドーム形キャビティが、注型口に向かって先細りになっており、注型口が、キャビティを通してアクセス可能である。
【0043】
上述のドーム形キャビティを設けることによって達成される、有利な軽量化に加えて、固定取付板の実施形態の利点は、比較的大きなドーム形キャビティが、固定取付板に存在する注型口へのアクセス性を高めることである。ダイカスト機の従来の固定取付板の場合、せいぜいわずかに拡張された開口部が、注型口の周りに設けられている。大きな型締力を有するダイカスト機に必要とされるような、より大きな寸法の固定取付板の場合、固定取付板の深さ(厚さ)も増加する。このことは、注型口へのアクセスを非常に困難にし、この注型口内に鋳造ユニットを位置決めすることをより困難にする。
【0044】
本発明による固定取付板の場合、この問題は、上述のドーム形状のキャビティを設けることによって、有利に解決される。比較的大きな開いた基部と、注型口に向かって先細りになっている形状とを有するドーム形状は、注型口における鋳造ユニットの容易かつ迅速な位置決めを可能にする。
【0045】
力の流れは、本発明による取付板を通って、具体的には、固定取付板の特定の画定された部分を通って、流れることが分かっている。これらの部分が補強される場合、本発明による固定取付板は、このために固定取付板の全体的なサイズを増大させる必要なく、増大した力に耐えることができる。
【0046】
したがって、本発明によれば、補強要素、好ましくはリブが、固定取付板の第2の側面の部分上の収容開口部の間に配置されている。
【0047】
これらの補強要素は、好ましくは、ドーム形キャビティの基部の片側に隣接する、前述の部分の一部にわたって延在している。本発明によれば、これらの補強要素は、対応する部分の40~60%にわたって延在していれば十分である。
【0048】
上述の補強要素に加えて又はその代替として、補強要素、好ましくはリブが、ドーム形キャビティに配置され、キャビティの基部から注型口に向かって延在している。換言すれば、これらの補強要素は、キャビティの基部から注型口まで十字状に通っている。
【0049】
両方の種類の補強要素は、好ましくは、必要とされる補強を提供するために、固定取付板と同じ材料で作製される。本発明によれば、これらの補強要素は、特に好ましくは、固定取付板の製造中に、好ましくは、対応して採用された鋳型内での鋳造プロセスにおいて提供される。したがって、取付板全体が一体化されている。
【0050】
本発明の固定取付板の他の部分を通る力の流れは、ほとんど又は全くないように見える。これは、具体的には、固定取付板の側壁と、ドーム形キャビティの対応する壁との間の部分だけでなく、ドーム形キャビティの壁と、キャビティの基部から注型口に向かって延在している補強要素との間の部分にも当てはまる。追加の軽量化を達成するために、固定取付板のこれらの部分における材料を除去できることが分かっている。
【0051】
したがって、本発明の更に好ましい実施形態によれば、固定取付板の側壁に凹部が存在する。これらの凹部の正確なサイズは、所望の型締力、及び固定取付板の耐用年数に応じて、調整することができる。しかしながら、原理的には、固定取付板の堅牢性に実質的に影響を与えることなく、好ましくは、対応して採用された鋳型内で固定取付板を製造するための鋳造プロセスにおいて、固定取付板の側部領域に、凹部形態の実質的な部分を設けることが可能である。固定取付板のそれぞれの側壁の凹部は、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。
【0052】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、更なるキャビティが固定取付板に存在する。これらのキャビティは、好ましくは、ドーム形キャビティの壁と、キャビティの基部から、第1の側面の収容開口部の重心、又は注型口まで延在する補強要素との間の部分に位置する。
【0053】
固定取付板の第2の側面の、収容開口部の間の部分、及び/又はドーム状のキャビティ内に、上述の補強要素を有する本発明の好ましい実施形態では、上述の凹部及びキャビティを更に拡大することができる。
【0054】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、凹部及び更なるキャビティは、固定取付板のセグメントが、ドーム形キャビティの壁と、固定取付板の対応する側壁との間に延在する、支持要素として設計されるように、固定取付板に配置されている。
【0055】
換言すれば、固定取付板の側壁の凹部の寸法、及びドーム形キャビティの外側の更なるキャビティの寸法は、それらが固定取付板のセグメントを取り囲むように、したがって、それらが支持要素として設計されるように、選択される。この実施形態は、軽量化、力の流れ、及び注型口へのアクセス性のために、最適に設計されている。
【0056】
本発明は、ダイカスト機であって、
-固定取付板と、
-可動取付板と、
-固定取付板の収容開口部、及び可動取付板の収容開口部を通って延在している、ガイド柱と、
-固定取付板の注型口を通って延在している、鋳造ユニットと、を備え、
固定取付板は、上述したような取付板であることを特徴とする、ダイカスト機にも関する。
【0057】
本発明によるダイカスト機は、上述の本発明による固定取付板の存在を特徴とする。結果的に、それは非常に大きな型締力のために設計される。本発明によるダイカスト機は、好ましくは、少なくとも45000kNの、より好ましくは、少なくとも50000kNの、特に好ましくは、少なくとも60000kNの、好ましくは120000kNまでの、より好ましくは100000kNまでの、特に好ましくは85000kNまでの最大型締力を有する。
【0058】
それは、好ましくは、2つのプラテンのダイカスト機であるが、3つのプラテンのダイカスト機もまた、上述の本発明による固定取付板を装備され得る。
【0059】
本発明によれば、コールドチャンバダイカスト機が好ましい。
【0060】
本発明の好ましい実施形態によれば、可動取付板は、その重量及び力の流れに関しても最適化されている。このために、上述したように、ドーム形キャビティを有する可動取付板を使用することができ、ドーム形キャビティの基部は、可動取付板の第2の側面に位置し、開口しており、ドーム形状のキャビティは、可動取付板の第1の側面の収容開口部の重心に向かって先細りになっている。
【0061】
好ましくは、可動取付板に設けられたドーム形キャビティは、固定取付板に対しては、上述した通りである。上記の対応する記述は、ここでも同様に適用される。
【0062】
押出しユニット用の少なくとも1つの開口部は、通常、可動取付板のドーム形キャビティの先端部分に設けられている。押出しユニットは、開いた鋳型から完成した鋳造品を押出すのに役立つ。ここでも、対応する少なくとも1つの開口部へのアクセスが容易になり、そのため、本発明による可動取付板の場合、押出しユニットは、可動取付板のキャビティ内の開口部に、より容易かつ迅速に、有利に位置決めされ得る。
【0063】
本発明による固定取付板と同様に、本発明の可動取付板は、本発明の可動取付板の部分を通る力の流れを、ほとんど又は全く有さないことが分かっている。これは、具体的には、可動取付板の側壁と、ドーム形キャビティの対応する壁との間の部分に関する。追加の軽量化を達成するために、可動取付板のこれらの部分における材料を除去できることが分かっている。
【0064】
本発明による可動取付板の場合、凹部を側壁に設けることができるだけでなく、開口部もドーム形キャビティへ設けることができる。好ましくは、本発明によれば、側壁開口部が、可動取付板の側壁に存在し、及び/又は、ドーム形壁開口部が、可動締付板のドーム形キャビティの壁に存在する。特に好ましくは、それぞれの開口部は互いに連通している。
【0065】
可動取付板の場合、固定取付板について上述したように、補強要素を設けることもできる。上記の対応する記述は、ここでも同様に適用される。
【0066】
本発明によれば、中間ウェブは、可動取付板の第2の側面上の、ガイド柱用の収容開口部間に設けられ、中間ウェブの幅は、収容開口部の2つの隣接する中心の間の距離の5~30%に相当し、中間ウェブの厚さは、収容開口部の2つの隣接する中心の間の距離の5~30%に相当する。これらの中間ウェブは、高い膨張力の伝達を可能にする。
【0067】
好ましい実施形態及び非限定的な図面を参照して、本発明について以下でより詳細に説明する。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1A】本発明の一実施形態による、固定取付板の概略図である。
図1B図1Aによる固定取付板の、第1の側面の正面図である。
図1C図1Aによる固定取付板の、側面図である。
図1D図1Aによる固定取付板の、図1Cの線C-Cに沿った断面図である。
図1E図1Aによる固定取付板の、図1Bの線A-Aに沿った断面図である。
図1F図1Aによる固定取付板の、図1Bの線B-Bに沿った断面図である。
図2】補強要素を有する本発明の更なる実施形態による、固定取付板の概略図である。
図3A】本発明の更なる実施形態による、ダイカスト機の概略図である。
図3B図3Aによる、ダイカスト機の側面図である。
図4a】本発明の一実施形態による、可動取付板の概略図である。
図4b図4Aによる可動取付板の、第2の側面の正面図である。
図4c図4Aによる可動取付板の、図4Bの線A-Aに沿った断面図である。
図4d図4Aによる可動取付板の、図4Bの線B-Bに沿った断面図である。
図4e図4Aによる可動取付板の、図4Bの線C-Cに沿った断面図である。
【0069】
異なる図における同一の参照符号は、同じ構成要素を示す。
【0070】
図1A図1Fは、本発明による固定取付板1の一実施形態を示す。取付板1は、第1の側面1a及び第2の側面1bを有する。第1の側面1aには、固定デバイス(ここでは図示せず)によって、鋳型(ここでは図示せず)を配置することができる。ガイド柱(ここでは図示せず)用の収容開口部2a、2b、2c、2dは、固定取付板1の角部に位置する。収容開口部2a、2b、2c、2dは、固定取付板1全体を通って延在している。
【0071】
ドーム形キャビティ4は、固定取付板1に配置されている。ドーム形キャビティ4の基部は、固定取付板1の第2の側面1bに位置し、開口している。ドーム形キャビティ4は、注型口3が位置する(この場合は円形の)先端部分に向かって先細りになっている。図1Aに示すように、鋳造ユニット12は、注型口3に位置決めされ得る。このことは、キャビティ4のドーム形状により容易に達成され、その結果、注型口3は容易にアクセス可能である。
【0072】
更に、凹部7a、7b、7c、7dが、固定取付板1の側壁に存在することが分かる。
【0073】
更なるキャビティ8a、8bが固定取付板1に存在し、これらのキャビティは、ドーム形キャビティ4の壁と、キャビティの基部から注型口まで延在している補強要素6a、6b、6c、6dとの間の部分にある。
【0074】
凹部7a.7b7c7d及び更なるキャビティ8a.8bは、固定取付板1のセグメントが、ドーム形キャビティ4の壁と、固定締付板1の対応する側壁との間に延在している、支持要素18a、18b、18c、18dとして設計されるように、固定取付板1に配置されている。
【0075】
図2は、補強要素5a、5b、5c、5d及び6a、6b、6c、6dを有する本発明の更なる実施形態による、固定取付板1の概略図である。補強要素5a、5b、5c、5dは、固定取付板1の第2の側面1bの部分上の、収容開口部2a、2b、2c、2d間に配置されている。好ましくは、これらはリブである。
【0076】
加えて、補強要素6a、6b、6c、6dは、ドーム形キャビティ4に配置されている。好ましくは、これらはリブである。これらの補強要素6a.6b6c6dは、キャビティ4の基部から注型口3に向かって延在しており、好ましくは、図2に示すように、十字状に、又はドーム形キャビティ4の壁に沿って延在している。
【0077】
図3Aは、本発明の更なる実施形態による、ダイカスト機Dの概略図である。図3Bは、図3Aによる、ダイカスト機Dの側面図である。
【0078】
ダイカスト機Dは、固定取付板1を備えており、この場合、図2による実施形態の固定取付板1である。ダイカスト機Dは、以下でより詳細に説明される、可動取付板9を更に備える。取付板1及び9は、機械フレーム20上に配置される。固定取付板1は、機械フレーム20に固定的に接続されおり、一方、可動取付板9は、機械フレーム20上の駆動(ここでは図示せず)によって、ガイド柱11a、11b、11c、11d上を、開位置から閉位置へ、及びその逆に、既知の方式で移動させることができる。図3A及び図3Bは、閉位置にある可動取付板9を示す。ガイド柱11a、11b、11c、11dは、固定取付板1の収容開口部2a、2b、2c、2d、及び可動取付板9の収容開口部13a、13b、13c、13dに配置される。
【0079】
取付板1と9との間には鋳型10があり、この場合、2つの鋳型半体10a及び10bからなる。
【0080】
図4A図4Eは、本発明による可動取付板9の一実施形態を示す。取付板9は、第1の側面9a及び第2の側面9bを有する。第1の側面9aには、固定デバイス(ここでは図示せずによって、鋳型(ここでは図示せず)を配置することができる。ガイド柱(ここでは図示せず)用の収容開口部13a、13b、13c、13dは、固定取付板9の角部に位置する。収容開口部13a、13b、13c、13dは、可動取付板9全体を通って延在している。収容開口部13a、13b、13c、13dの間には、中間ウェブ19a、19b、19c、19dがある。
【0081】
ドーム形キャビティ14は、可動取付板9に配置されている。ドーム形キャビティ14の基部は、可動取付板9の第2の側面9bに位置し、開口している。ドーム形キャビティ14は、押出しユニット用の(図4Aでは、破線で概略的に示された)開口部16が配置されている、(この場合は円形の)先端部分に向かって先細りになっている。押出しユニット(ここでは図示せず)は、開口部16に位置決めされ得る。これは、キャビティ14のドーム形状により容易に達成され、その結果、開口部16は容易にアクセス可能である。
【0082】
更に、側壁開口部15a、15b、15c、15dが、可動取付板9の側壁に存在することが分かる。
【0083】
可動取付板9では、ドーム壁開口部17a、17bはまた、ドーム形状キャビティ14の壁にも存在する。開口部15a、15b、15c、15d及び17a、17bは、ドーム形キャビティ14内に連続した開口部を提供するように、互いに連通している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
【国際調査報告】