(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ブルー・ヴィスビー-水上輸送船の最適化された調整
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240124BHJP
G08G 3/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544224
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 IB2022050093
(87)【国際公開番号】W WO2022157589
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523274137
【氏名又は名称】ブルー ヴィスビー サービシーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ゾグラファキス,ハラランボス
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181EE02
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF27
5H181FF32
5L049CC42
(57)【要約】
水上輸送船の最適化された調整を実施するための新規なツール及び技術が提供される。様々な実施形態では、コンピューティングシステムは、第1のデータ(所定の地理的領域内の各船舶の位置を含む追跡システムデータを含む)、第2のデータ(位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、及び/又は保守記録を含む特定の船舶関連情報を含む)、及び/又は第3のデータ(他の船舶に対する所定の地理的領域内の船舶に関連する関係データ、係留点、港、及び/又はプリセットされた待機位置を含む衛星ベースの観測データを含む)のうちの少なくとも2つを受信することができる。コンピューティングシステムは、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、複数の船舶のうちの第1の船舶がその現在位置から目的港の外側の第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適なコース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムから、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置に関する第1のデータを受信することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々から、位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録のうちの少なくとも1つを含む特定の船舶関連情報に関する第2のデータを受信することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の衛星ベースの観測システムから、前記所定の地理的領域内の前記1つ以上の第1の水上輸送船の位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関する第3のデータを、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は前記1つ以上の係留点の外側かつ前記1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して受信することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、前記1つ以上の第1の水上輸送船のうちの各第1の水上輸送船が、対応する第1のコースに沿って、その現在位置から前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの対応する第1のプリセットされた待機位置まで、対応する最適目標到着時間に移動すべき対応する最適速度を計算することであって、前記対応する第1のプリセットされた待機位置にいる間に、近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は前記第1のコースに沿って移動中に温室効果ガス排出を削減するための計算の1つ以上に少なくとも一部に基づいて計算することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記対応する最適速度及び最適目標到着時間に関する情報を含むメッセージ及び命令を各第1の水上輸送船に送信することと、を含む、方法。
【請求項2】
方法であって、
コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信することであって、前記第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであり、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船のうちの各水上輸送船の位置を含み、前記第2のデータは、前記複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連付けられたデータであり、特定の船舶関連情報を含み、前記第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであり、前記所定の地理的領域内の前記1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、かつ1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は前記1つ以上の係留点の外側かつ前記1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置の少なくとも1つに対して関連付けられた関係データを含む、受信することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを分析して、前記1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置まで第1のコースに沿って、対応する最適目標到着時間に移動すべき最適速度を計算することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記第1の水上輸送船に、前記最適速度及び前記最適目標到着時間に関する情報を含む第1のメッセージを送信することと、を含む方法。
【請求項3】
前記コンピューティングシステムは、水上輸送船調整システム、ネットワーク上のサーバコンピュータ、ネットワーク上のクラウドベースのコンピューティングシステム、又は分散コンピューティングシステムのうちの1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムは、自動識別システム(「AIS」)、地球観測衛星ベースの船舶追跡システム、船舶交通サービス(「VTS」)システム、海洋レーダシステム、港湾管制システム、又は沿岸警備システムのうちの1つ以上を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記特定の船舶関連情報は、位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記関係データが、前記所定の地理的領域内の前記1つ以上の第1の水上輸送船の、互いに対して、及び前記1つ以上の係留点、前記1つ以上の港、又は前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの前記少なくとも1つに対する位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記1つ以上の衛星ベースの観測システムからの前記第3のデータからの画像又はビデオデータを分析して、前記関係データを生成することをさらに含む方法。
【請求項8】
前記1つ以上の第1の水上輸送船のうちの前記第1の水上輸送船が前記第1のコースに沿ってその現在位置から前記対応する最適目標到着時間で前記第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき前記最適速度を計算することが、前記コンピューティングシステムを使用して、前記第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するために前記最適目標到着時間に到着するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は前記第1のコースに沿って移動している間に温室効果ガス排出を削減するための計算のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて前記最適速度を計算することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のメッセージが、前記命令に従うように前記第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々を拘束する契約上の義務に基づいて、前記最適速度で移動するための命令を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの前記少なくとも2つを受信し、前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを分析して、前記最適速度及び/又は前記最適目標到着時間を計算し、前記第1のメッセージを送信することは、リアルタイム又はほぼリアルタイムで動的に実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
請求項2に記載の方法であって、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを分析して、前記所定の地理的領域内の前記1つ以上の第1の水上輸送船のうちの2つ以上の第2の水上輸送船の各々について対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算して、前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第2のプリセットされた待機位置への到着を調整することと、
前記コンピューティングシステムを使用して、前記対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度に関する情報を含む第2のメッセージを各第2の水上輸送船に送信することと、をさらに含む、方法。
【請求項12】
前記第2のプリセットされた待機位置への到着を調整するために、2つ以上の第2の水上輸送船の各々について前記対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することが、前記コンピューティングシステムを使用して、前記第2のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、前記2つ以上の第2の水上輸送船のすべての同期到着を調整するための計算、又は前記第2のプリセットされた待機位置に移動している間の温室効果ガス排出を削減するための計算のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、各対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のメッセージが、前記命令に従うために前記2つ以上の第2の水上輸送船の対応する1人以上の所有者又は運航者の各々に対応する契約上の義務に基づいて、前記対応する目標到着時間に到着するために前記対応する最適コース及び速度で移動するための命令を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
方法であって、
前記コンピューティングシステムを使用して、近くの港又は前記近くの港の周りの1つ以上の係留点のうちの少なくとも1つに関連する地理的及び海象データに少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちのプリセットされた待機位置を識別することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
システムであって、
コンピューティングシステムを備え、
前記コンピューティングシステムが、
少なくとも1つの第1のプロセッサと、
前記少なくとも1つの第1のプロセッサに通信可能に結合された第1の非一時的コンピュータ可読媒体と、を備え、
前記第1の非一時的コンピュータ可読媒体は、前記少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、前記コンピューティングシステムに、
第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信するように構成され、前記第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであり、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船のうちの各水上輸送船の位置を含み、前記第2のデータは、前記複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連付けられたデータであり、特定の船舶関連情報を含み、前記第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであり、及び前記所定の地理的領域内の前記1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、かつ1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は前記1つ以上の係留点の外側かつ前記1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して関連付けられた関係データを含む、受信することと、
前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを分析して、前記1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船が、対応する最適目標到着時間に、その現在位置から前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置まで第1のコースに沿って移動すべき最適速度を計算することと、
前記最適速度及び前記最適目標到着時間に関する情報を含む第1のメッセージを前記第1の水上輸送船に送信することと、を行わせる第1の命令セットを含むコンピュータソフトウェアを記憶し得る、システム。
【請求項16】
前記コンピューティングシステムは、水上輸送船調整システム、ネットワーク上のサーバコンピュータ、ネットワーク上のクラウドベースのコンピューティングシステム、又は分散コンピューティングシステムのうちの1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の第1の水上輸送船のうちの前記第1の水上輸送船が前記第1のコースに沿ってその現在位置から前記対応する最適目標到着時間で前記第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき前記最適速度を計算することが、前記コンピューティングシステムを使用して、前記最適目標到着時間に到着して前記第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は前記第1のコースに沿って移動している間に温室効果ガス排出を削減するための計算のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて前記最適速度を計算することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のメッセージが、前記命令に従うことを前記第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々に課す契約上の義務に基づいて、前記最適速度で移動するための命令を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを受信し、前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを分析して、前記最適速度及び/又は前記最適目標到着時間を計算し、前記第1のメッセージを送信することは、リアルタイム又はほぼリアルタイムで動的に実行される、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の命令セットは、前記少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、前記コンピューティングシステムに、
前記第1のデータ、前記第2のデータ、又は前記第3のデータのうちの前記少なくとも2つを分析することであって、前記所定の地理的領域内の前記1つ以上の第1の水上輸送船舶のうちの2つ以上の第2の水上輸送船舶の各々について、対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算して、前記1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第2のプリセットされた待機位置への到着を調整するように構成される、分析することと、
前記対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度に関する情報を含む第2のメッセージを各第2の水上輸送船に送信することと、をさらに行わせる、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第「Blue Visby-Optimized Coordination of Water-Based Transport Vessels」と題する、Charalampos Zografakis(代理人整理番号1261.01PR)によって2021年1月22日に出願された米国特許出願第63/140,424号(’424出願)の優先権を主張するものであり、その開示はあらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]著作権表示
この特許文書の本開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。著作権所有者は、特許商標庁の特許ファイル又は記録に記載されているように、特許文書又は特許開示のいずれかによるファクシミリ複製に異議を唱えないが、それ以外はすべての著作権を留保する。
【0003】
[0003]本開示は、一般に、車両の調整を実施するための方法、システム、及び装置に関し、より具体的には、(本明細書では「ブルー・ヴィスビー」と呼ばれる)水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]海上輸送は、世界の温室効果ガス(「GHG」)排出の約2%に寄与し、その大部分はバルク貨物船及びコンテナ船など(まとめて「貨物船」など)に起因し得る。従来、貨物船は、他の船又は同じ港に向かう他の貨物船の動きに関係なく、また、貨物船によって通常使用されている従来の「Sail Fast,Then Wait」(「SFTW」)運転モデルによる現在又は予想される輻輳に関係なく、サービス速度で積荷港から排出港に蒸気を送る。
【発明の概要】
【0005】
[0005]貨物船速度を低下させることは、技術的、運転、及び契約上の介入を必要とする技術的問題である。現在のところ、航空交通管制又は空域管理システムのラインに沿って、海洋航行貨物船の航海を調整するための技術的、運用的、又は契約上の取り決めはない。そのような問題を解決するためのすべての従来の試みは、海洋及び港湾産業の細分化によって悪化する商業上及び契約上の障害のために失敗してきた。
【0006】
[0006]したがって、車両の調整を実施するための、より堅牢でスケール可能なソリューション、より具体的には、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法、システム、及び装置が必要とされている。
【0007】
[0007]特定の実施形態の性質及び利点のさらなる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することによって実現することができ、同様の参照番号は同様の構成要素を参照するために使用される。場合によっては、サブラベルは、複数の同様の構成要素のうちの1つを示すために参照番号に関連付けられる。既存のサブラベルを指定せずに参照番号を参照する場合、そのような複数の同様の構成要素をすべて参照することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整を実施するためのシステムを示す概略図である。
【
図2】様々な実施形態による、水上輸送船の最適な調整を実施するための水上輸送船の最適なコース、目標到着時間、及び/又は速度を計算するためのプロセスフローの非限定的な例を示す概略ブロックフロー図である。
【
図3】様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整が実施され得る地理的領域の非限定的な例を示す概略図である。
【
図4A】様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法を示すフロー図である。
【
図4B】様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法を示すフロー図である。
【
図5】様々な実施形態による、例示的なコンピュータ又はシステムハードウェアアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図6】様々な実施形態に従って使用することができるコンピュータ、コンピューティングシステム、又はシステムハードウェアアーキテクチャのネットワークシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]概要
【0010】
[0015]様々な実施形態は、車両の調整を実施するためのツール及び技術、より具体的には、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法、システム、及び装置を提供する。
【0011】
[0016]様々な実施形態において、コンピューティングシステムは、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信することができる。場合によっては、第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置を含み得る。場合によっては、第2のデータは、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連付けられたデータであってもよく、特定の船舶関連情報(位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない)を含み得る。場合によっては、第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、かつ1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して関連付けられた関係データなどを含み得る。場合によっては、関係データは、限定はしないが、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対する位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータを含み得る。
【0012】
[0017]コンピューティングシステムは、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することができる。様々な実施形態によれば、係留点の外側かつ港の外側にある待機位置(本明細書では「ブルーボックス位置」などとも呼ばれる)は、近くの港又は近くの港の周りの1つ以上の係留点の少なくとも1つに関連する地理的及び海象データなどに少なくとも部分的に基づいて識別することができる。
【0013】
[0018]場合によっては、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することは、コンピューティングシステムが、第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は待機位置に向かって移動している間の温室効果ガス「GHG」排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含み得る。
【0014】
[0019]次いで、コンピューティングシステムは、最適目標到着時間又は最適速度に関する情報を含む第1のメッセージを第1の水上輸送船に送信することができる。場合によっては、第1のメッセージは、命令に従うように第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々を拘束する契約上の義務に基づいて、最適な速度で移動するため及び/又は最適な目標到着時間に到着するための命令を含み得る。分析及び送信プロセスは、待機位置又はブルーボックス位置に向かって移動している他の水上輸送船の各々について繰り返されてもよい。そのようなプロセスは、複数の港及び複数の待機位置を包含するために適用され得る。
【0015】
[0020]いくつかの態様によれば、本明細書で「ブルー・ヴィスビー」と呼ばれる水上輸送船の最適化された調整は、実施されると、水上輸送船の最適化された調整、待機位置での待機時間の最小化、港又はその近くの輻輳の最小化、及び/又は炭素排出の最小化などをもたらすことができる。
【0016】
[0021]水上輸送船(「ブルー・ヴィスビー」)の最適化された調整のこれら及び他の態様は、図面、本出願の付録及び’424出願の付録に関してより詳細に説明されており、各付録は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
[0022]以下の詳細な説明は、当業者がそのような実施形態を実施することを可能にするために、いくつかの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。記載された例は、例示目的のために提供されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0018】
[0023]以下の説明では、説明の目的のために、記載された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、本発明の他の実施形態は、これらの特定の詳細のいくつかなしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。他の例では、特定の構造及びデバイスがブロック図形式で示されている。いくつかの実施形態が本明細書に記載されており、様々な特徴が異なる実施形態に起因するが、一実施形態に関して記載された特徴は他の実施形態にも組み込まれ得ることを理解されたい。しかしながら、本発明の他の実施形態はそのような特徴を省略することができるので、同じトークンによって、記載された任意の実施形態の単一の特徴又は特徴は、本発明のすべての実施形態に必須であると見なされるべきではない。
【0019】
[0024]別段の指示がない限り、使用される量、寸法などを表すために本明細書で使用されるすべての数は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。本出願では、特に明記しない限り、単数形の使用は複数形を含み、「及び」及び「又は」という用語の使用は、特に指示しない限り「及び/又は」を意味する。さらに、「を含む」という用語並びに「含む」及び「含まれる」などの他の形態の使用は、非排他的であると見なされるべきである。また、「素子」又は「部品」などの用語は、特に明記しない限り、1つの単位を含む要素及び構成要素、並びに2つ以上の単位を含む要素及び構成要素の両方を包含する。
【0020】
[0025]本明細書に記載された様々な実施形態は、(場合によっては)ソフトウェア製品、コンピュータ実行方法、及び/又はコンピュータシステムを具現化しながら、車両調整技術、水上輸送船調整技術などを含むがこれらに限定されない既存の技術分野に対する有形の具体的な改善を表す。他の態様では、特定の実施形態は、例えば、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムから、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置に関する第1のデータを受信することと、コンピューティングシステムを使用して、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々から、位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録のうちの少なくとも1つを含む特定の船舶関連情報に関する第2のデータを受信することと、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の衛星ベースの観測システムから、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関する第3のデータを、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して受信することと、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの各第1の水上輸送船が、対応する第1のコースに沿って、その現在位置から対応する最適目標到着時間における1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの対応する第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき対応する最適速度を計算することであって、対応する第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港での繋止のための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は第1のコースに沿って移動中の温室効果ガス排出を削減するための計算の1つ以上に少なくとも一部に基づいて計算する、計算することと、コンピューティングシステムを使用して、対応する最適速度及び/又は同様のものに関する情報を含むメッセージ及び命令を各第1の水上輸送船に送信することと、によってユーザ機器又はシステム自体(例えば、車両調整システム、水上輸送船調整システムなど)の機能を改善することができる。
【0021】
[0026]特に、任意の抽象的な概念が様々な実施形態に存在する限り、それらの概念は、従来の(通常は輻輳した)係留点の代わりに近くの港から向かうすべての水上輸送船の到着又は目的地として機能する適切な待機位置又はブルーボックス位置を識別することによって、港(したがって、様々な実施形態に従って、待機位置又はブルーボックス位置に向かうように最終的に指示される)に向かう各水上輸送船の最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することによって、第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港での繋止のための待機時間をどのように短縮するかを計算することによって、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着をどのように調整するかを計算することによって、及び/又は待機位置(学術研究は、あらゆるノットについて、より低速でのより長い輸送時間を考慮に入れても、低減された水性輸送のサービス速度に対して約10~20%の二酸化炭素(CO2)節約を達成することができることを示唆している。また、流体力学の法則は、低減される船の速度の1単位ごとに、3単位の燃料を節約することができることを規定している)に向かって移動している間の温室効果ガス(「GHG」)排出をどのように削減するかを計算することなどによって、特定の新規機能(例えば、ステップ又は動作)を含むデバイス、ソフトウェア、システム、及び方法によって本明細書に記載されるように実装することができ、及び/又は、いくつかの例を挙げると、単なる従来のコンピュータ処理動作を超えて拡張される。これらの機能は、単に例として、水上輸送船の最適化された調整、待機位置での待機時間の最小化、港又はその近くの輻輳の最小化、炭素排出の最小化などを含む、実装コンピュータシステムの外部で有形の結果をもたらすことができ、その少なくとも一部は、顧客及び/又はサービスプロバイダによって観察又は測定され得る。
【0022】
[0027]一態様において、方法は、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムから、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置に関する第1のデータを受信することと、コンピューティングシステムを使用して、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々から、位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録のうちの少なくとも1つを含む特定の船舶関連情報に関する第2のデータを受信することと、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の衛星ベースの観測システムから、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関する第3のデータを、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して受信することと、を含み得る。
【0023】
[0028]本方法はまた、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの各第1の水上輸送船が、対応する第1のコースに沿って、その現在位置から、対応する最適目標到着時間における1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの対応する第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき対応する最適速度を、対応する第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港での繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は第1のコースに沿って移動する間の温室効果ガス排出を削減するための計算のうちの1つ以上に少なくとも一部に基づいて計算することを含み得る。本方法は、コンピューティングシステムを使用して、対応する最適速度及び目標到着時間に関する情報を含むメッセージ及び命令を各第1の水上輸送船に送信することをさらに含み得る。
【0024】
[0029]別の態様では、方法は、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信することを含むことができ、第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであり、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置を含み、第2のデータは、複数の水上輸送船の中の1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連するデータであり、特定の船舶関連情報を含み、第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであり、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して関連付けられた関係データを含む。本方法は、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船が、その現在位置から、対応する最適目標到着時間に1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置まで、第1のコースに沿って移動すべき最適速度を計算することと、コンピューティングシステムを使用して、第1の水上輸送船に、最適速度及び目標到着時間に関する情報を含む第1のメッセージを送信することと、をさらに含み得る。
【0025】
[0030]いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、水上輸送船調整システム、ネットワーク上のサーバコンピュータ、ネットワーク上のクラウドベースのコンピューティングシステム、又は分散コンピューティングシステムなどのうちの1つを含み得る。場合によっては、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムは、自動識別システム(「AIS」)、地球観測衛星ベースの船舶追跡システム、船舶交通サービス(「VTS」)システム、海洋レーダシステム、港湾管制システム、又は沿岸警備システムなどのうちの1つ以上を備え得る。場合によっては、特定の船舶関連情報は、位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録などのうちの少なくとも1つを含み得る。場合によっては、関係データは、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上のプリセットされた待機位置などのうちの少なくとも1つに対する位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータを含み得る。場合によっては、本方法は、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の衛星ベースの観測システムからの第3のデータからの画像又はビデオデータを分析して、関係データを生成することをさらに含み得る。
【0026】
[0031]いくつかの実施形態によれば、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船が第1のコースに沿ってその現在位置から対応する最適目標到着時間に第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、最適目標到着時間に到着し、第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は第1のコースに沿って移動している間に温室効果ガス排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、最適速度を計算することを含み得る。
【0027】
[0032]いくつかの実施形態では、第1のメッセージは、第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々が命令に従うことを拘束する契約上の義務に基づいて、最適な速度で移動するための命令を含み得る。いくつかの実施形態によれば、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信し、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して最適速度を計算し、第1のメッセージを送信することは、リアルタイム又はほぼリアルタイムで動的に実行される。
【0028】
[0033]単に例として、場合によっては、本方法は、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船のうちの2つ以上の第2の水上輸送船の各々について対応する最適なコース及び速度を計算して、最適な目標到着時間での1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第2のプリセットされた待機位置への到着を調整することと、コンピューティングシステムを使用して、対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度に関する情報を含む第2のメッセージを各第2の水上輸送船に送信することと、をさらに含み得る。場合によっては、第2のプリセットされた待機位置への到着を調整するために、2つ以上の第2の水上輸送船の各々について対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、第2のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、2つ以上の第2の水上輸送船のすべての同期到着を調整するための計算、又は第2のプリセットされた待機位置に移動する間の温室効果ガス排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、各対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含み得る。場合によっては、第2のメッセージは、命令に従うために2つ以上の第2の水上輸送船の対応する1つ以上の所有者又は運航者の各々に対応する契約上の義務に基づいて、対応する目標到着時間に到着するために対応する最適なコース及び速度で移動するための命令を含み得る。
【0029】
[0034]いくつかの実施形態では、本方法は、コンピューティングシステムを使用して、近くの港又は近くの港の周りの1つ以上の係留点のうちの少なくとも1つに関連する地理的及び海象データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプリセットされた待機位置の中からプリセットされた待機位置を識別することをさらに含み得る。
【0030】
[0035]さらに別の態様では、システムは、少なくとも1つの第1のプロセッサと、少なくとも1つの第1のプロセッサに通信可能に結合された第1の非一時的コンピュータ可読媒体とを備え得るコンピューティングシステムを備え得る。第1の非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行された場合に、コンピューティングシステムに、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信することであって、第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであり、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船のうちの各水上輸送船の位置を含み、第2のデータは、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連するデータであり、特定の船舶関連情報を含み、第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであり、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は、1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置の少なくとも1つに対して関係づけられた関係データを含む、受信することと、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析させて、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船が、対応する最適目標到着時間に、その現在位置から1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置まで第1のコースに沿って移動すべき最適速度を計算することと、最適速度に関する情報を含む第1のメッセージを第1の水上輸送船に送信することと、を行わせる第1の命令セットを含むコンピュータソフトウェアを記憶し得る。
【0031】
[0036]いくつかの実施形態によれば、コンピューティングシステムは、水上輸送船調整システム、ネットワーク上のサーバコンピュータ、ネットワーク上のクラウドベースのコンピューティングシステム、又は分散コンピューティングシステムなどのうちの1つを含み得る。場合によっては、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から第1のプリセットされた待機位置まで第1のコースに沿って移動すべき最適速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するために対応する最適目標到着時間に到着するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船と同期到着を調整するための計算、又は第1のコースに沿って移動している間に温室効果ガス排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、最適速度を計算することを含み得る。場合によっては、第1のメッセージは、第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々が命令に従うことを拘束する契約上の義務に基づいて、最適な速度で移動するための命令を含み得る。場合によっては、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信し、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して最適速度及び/又は最適目標到着時間を計算し、第1のメッセージを送信することは、リアルタイム又はほぼリアルタイムで動的に実行される。
【0032】
[0037]いくつかの実施形態では、第1の命令セットは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されると、コンピューティングシステムに、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船のうちの2つ以上の第2の水上輸送船の各々について、対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算させて、1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第2のプリセットされた待機位置への到着を調整することと、各第2の水上輸送船に、対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度に関する情報を含む第2のメッセージを送信することと、をさらに行わせてもよい。
【0033】
[0038]本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対して様々な修正及び追加を行うことができる。例えば、上記の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態及び上記の特徴のすべてを含まない実施形態も含む。
【0034】
[0039]具体的な例示的実施形態
【0035】
[0040]ここで、図面によって示される実施形態に移る。
図1~
図6は、車両の調整を実施するための方法、システム、及び装置の特徴のいくつかを示しており、より具体的には、上述したように、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法、システム、及び装置の特徴を示している。
図1~
図6に示されている方法、システム、及び装置は、様々な構成要素及びステップを含む様々な実施形態の例を指し、これらは代替と考えることができ、又は様々な実施形態において互いに組み合わせて使用することができる。
図1~
図6に示されている図示されている方法、システム、及び装置の説明は、例示を目的として提供されており、異なる実施形態の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0036】
[0041]図を参照すると、
図1は、様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整を実施するためのシステム100を示す概略図である。
【0037】
[0042]
図1の非限定的な実施形態では、システム100は、サービスプロバイダ115に関連付けられたコンピューティングシステム105及び対応するデータベース110を含み得る。システム100は、地理的領域135に配置することができる、1つ以上の水上輸送船120a~120n(まとめて「船120」など)、1つ以上の水上輸送船125a~125n(まとめて「船125」など)、1つ以上の水上輸送船130a~130n(まとめて「船130」など)、及び水上輸送船130をさらに備え得る。場合によっては、水上輸送船130は、港140の停泊地140a(停泊地140a~140nのうち)に係留又は繋止されてもよく、一方、1つ以上の船130a~130nは、係留点145に係留されてもよく、1つ以上の船125a~125nは、待機位置又は「ブルーボックス」位置150に係留されてもよく、一方、1つ以上の船120a~120nは、待機位置又は「ブルーボックス」位置150に向かってもよい。これらの船120~130の各々は、バルク貨物船、ドライバルク船、タンカー船、コンテナ船などを含み得るが、これらに限定されないが、コンピューティングシステム105、船舶情報データベース160、衛星画像データベース175、及び/又は追跡サーバ180aのうちの少なくとも1つと、(i)リレー155及びネットワーク165、(ii)リレー155、衛星170a~170nのうちの1つ以上、及びネットワーク165、(iii)衛星170a~170n及びネットワーク165のうちの1つ以上などのうちの1つを介して通信可能に結合することができる。本明細書では、無線通信は稲妻記号で表され得るが、回線接続は無線通信又は有線通信のいずれかを表すことができる。追跡サーバ180a及び対応するデータベース180bは、第三者追跡プロバイダ185に関連付けられてもよく、ユーザデバイス190a~190nは、各船120~130の対応する所有者及び/又は運航者195a~195nに各々関連付けられてもよい。
【0038】
[0043]いくつかの実施形態によれば、ネットワーク165は各々、これらに限られるわけではないが、ファイバネットワーク、イーサネットネットワーク、トークンリング(商標)ネットワーク、及び/又はこれらに類似するものを含むローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク「WAN」、無線広域ネットワーク「WWAN」、仮想プライベートネットワーク(「VPN」)などの仮想ネットワーク、インターネット、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網「PSTN」、赤外線ネットワーク、IEEE 802.11プロトコル一式、当該技術分野で知られているBluetooth(商標)プロトコル、及び/又は任意の他の無線プロトコルのいずれかの下で動作するネットワークを含むがこれらに限定されない無線ネットワークのうちの1つを含み得るが、これらに限定されず、及び/又はこれらのネットワーク及び/又は他のネットワークの任意の組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、ネットワーク165は、インターネットサービスプロバイダ(「ISP」)のアクセスネットワークを含み得る。別の実施形態では、ネットワーク165は、ISP及び/又はインターネットのコアネットワークを含み得る。
【0039】
[0044]いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム105は、限定はしないが、水上輸送船調整システム、ネットワーク上のサーバコンピュータ、ネットワーク上のクラウドベースのコンピューティングシステム、又は分散コンピューティングシステムなどのうちの1つを含み得る。いくつかの例では、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システム又は追跡サーバ180aは、自動識別システム(「AIS」)、地球観測衛星ベースの船舶追跡システム、船舶交通サービス(「VTS」)システム、海洋レーダシステム、港湾管制システム、又は沿岸警備システムなどのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。コンピューティングシステム105はまた、1つ以上の船120~130による航行のために使用することができる電子チャートディスプレイ及び情報システム(「ECDIS」)と統合することができる。
【0040】
[0045]動作中、コンピューティングシステム105は、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信することができる。場合によっては、第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システム(この場合、追跡サーバ180aなど)からのデータであってもよく、所定の地理的領域(この場合、地理的領域135)内の複数の水上輸送船(この場合、船120~130など)の中の各水上輸送船の位置を含み得る。場合によっては、第2のデータは、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連付けられたデータであってもよく、特定の船舶関連情報(位置データ、速度データ、喫水データ(例えば、水線と船舶の最深点との間の距離に関するデータなど)、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない)を含み得る。場合によっては、第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域135内の1つ以上の第1の水上輸送船と、互いに対して、かつ1つ以上の係留点(この場合、係留点145)、1つ以上の港(この場合、港140)、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港(この場合、待機位置又はブルーボックス位置150)の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも一方に対して関連付けられた関係データなどを含み得る。場合によっては、関係データは、限定はしないが、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対する位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータを含み得る。
【0041】
[0046]コンピューティングシステム105は、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、1つ以上の第1の水上輸送船(この場合、船120a~120nのうちの船120、)のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置(この場合、待機位置又はブルーボックス位置150)まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することができる。様々な実施形態によれば、係留点145の外側及び港140の外側にある待機位置150(本明細書では「ブルーボックス位置」などとも呼ばれる)は、近くの港(この場合、港140)又は近くの港の周りの1つ以上の係留点(この場合、係留点145)の少なくとも一方に関連する地理的及び海象データなどに少なくとも部分的に基づいて識別することができる。
【0042】
[0047]場合によっては、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することは、コンピューティングシステム105が、第1のプリセットされた待機位置(この場合、待機位置150)にいる間に近くの港(この場合、港140)に繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船と同期到着を調整するための計算、又は待機位置に向かって移動している間の温室効果ガス(「GHG」)排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含み得る。
【0043】
[0048]次いで、コンピューティングシステム105は、最適速度及び/又は最適目標到着時間に関する情報を含む第1のメッセージを第1の水上輸送船に送信してもよい。場合によっては、第1のメッセージは、命令に従うように第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々を拘束する契約上の義務に基づいて、最適な速度で移動するための命令を含み得る。分析及び送信プロセスは、待機位置又はブルーボックス位置150に向かって移動している他の水上輸送船120a~120nの各々について繰り返されてもよい。そのようなプロセスは、複数の港及び複数の待機位置を包含するために適用され得る。
【0044】
[0049]様々な実施形態によれば、従来の係留点は、従来の「Sail Fast,Then Wait」(「SFTW」)運転モデルに従う水上輸送船が集まる典型的な輻輳ホットスポットであるので、待機位置又はブルーボックス位置150が、係留点145の代わりに目的地として識別及び選択され得る。場合によっては、各ブルーボックス位置150の正確な位置は、地理的及び海象データを考慮に入れることができ、ECDIS電子チャートなどに組み込むことができる。様々な実施形態は、従来の(通常は輻輳した)係留点の代わりに、近くの港(この場合、港140)から向かうすべての水上輸送船の到着又は目的地として機能する適切な待機位置又はブルーボックス位置を識別することによって、港140(したがって、様々な実施形態に従って、待機位置又はブルーボックス位置150に向かうように最終的に指示される)に向かう各水上輸送船120の最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することによって、第1のプリセットされた待機位置(この場合、待機位置150)にある間に近くの港(この場合、港140)での繋止のための待機時間をどのように短縮するかを計算することによって、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船と同期到着をどのように調整するかを計算することによって、及び/又は待機位置(学術研究は、あらゆるノットについて、より低速でのより長い輸送時間を考慮に入れても、低減された水性輸送のサービス速度に対して約10~20%の二酸化炭素(CO2)節約を達成することができることを示唆しており、また、流体力学の法則は、低減される船の速度の1単位ごとに、3単位の燃料を節約することができることを規定している)に向かって移動する間に温室効果ガス(「GHG」)排出をどのように削減するかを計算することなどによって待機時間を最小化するように機能する。
【0045】
[0050]いくつかの態様では、コンピューティングシステム105は、各船舶のサービス速度よりも遅い速度に基づく最適な到着時間を推奨することができ、その結果、燃料消費量が低減され、したがって、温室効果ガスが低減される。さらに、コンピューティングシステム105は、本明細書で「青色速度」と呼ばれる航海の任意の特定の段階において各特定の船舶の環境上最適な速度に到着するために、船舶固有の要因を考慮に入れることができる。場合によっては、これらの要因は、限定はしないが、各船の特性(例えば、船級協会などによって公開されているように)、温水中の係留場所での滞在時間(これは、船の汚損のリスクを増加させ、流体力学的抵抗を増加させ、船の環境的に最適な速度などに影響を及ぼす)、船の最後のドライドッキングからの時間の長さ(この時点で、船の船体は通常サンドブラストされ、船体コーティングが再塗布され、エンジンがオーバーホールされ、すべて性能が向上する)、及び/又は各船の搭載センサからのリアルタイム燃料消費データ(場合によっては、モノのインターネット技術などを展開する)などのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0046】
[0051]いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム105は、(a)アンカレッジでの輻輳を考慮し、(b)各船舶が各々のサービス速度で動いた場合に船舶が到着したであろう順序を保持する順番でブルーボックスに到着することに基づいて、特定の港に向かって蒸気輸送する各船舶に速度を割り当てることができる。このようにして、コンピューティングシステム105は、港がそれらの動作を(特に、主にショア側の要因に依存する可能性があり、コンピューティングシステムによって実施される様々な実施形態によって少なくとも部分的にサイドステップされる可能性がある港の可能性のある繋止最適化問題に関して)最適化するのを支援することができる。コンピューティングシステム105は、各港における状態を監視して、到着する船舶が可能な限り短い期間にわたってアンカレッジに進んで待機するように、ブルーボックスへの蒸気船の到着を順序付けることができる。場合によっては、コンピューティングシステム105は、ブルーボックスへの船舶の到着の順序を変更せず、各到着のタイミング及び各到着間の間隔のみを修正する。各船舶が各出発港から別の(目的地)港に向かって航走すると、コンピューティングシステムは、船舶がそのサービス速度(例えば、その「到着予想時刻待ち」又は「W/ETA」など)で蒸気輸送した場合に船舶が到着したであろう時間を計算することができる。同じ(目的地)港に向かう他の船舶に関する情報に照らして、コンピューティングシステムは、推定到着順序、本質的に、あたかも船舶が港への進入のための待ち行列に加わっているかのような待ち行列番号を生成することができるが、ただし、コンピューティングシステムは、その待ち行列番号を港進入のためではなく、ブルーボックス(例えば、「ブルーボックスキュー[数]」又は「BQ[数]」など)への到着のために割り当てることができる。輻輳状態に照らして、コンピューティングシステムは、1つ以上のアルゴリズムを適用することができ、ブルーボックス(例えば、「青色推定到着時間」又は「B/ETA」など)への到着のための異なる目標時間を生成することができ、船舶のBQ番号を常に保持する。BQ番号もB/ETAも青色速度も静的ではない。それらの値は、コンピューティングシステムが、より短い距離から同じ港へのより多くの船蒸気、船への遅延を引き起こす問題、又は港での輻輳の悪化若しくは改善などを含むがこれらに限定されない状態を継続的に監視するので、動的に変化する。
【0047】
[0052]システム100(及びその構成要素)のこれら及び他の機能は、
図2から
図4に関して以下により詳細に説明される。
【0048】
[0053]
図2は、様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整を実施するための水上輸送船の最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算するためのプロセスフローの非限定的な例200を示す概略ブロックフロー図である。
【0049】
[0054]
図2の非限定的な実施形態200に示すように、コンピューティングシステム205は、第1のデータ210、第2のデータ215、又は第3のデータ220(第1のデータ210、第2のデータ215、及び第3のデータ220の各々からコンピューティングシステム205への矢印によって
図2に示されるように、)のうちの少なくとも2つを受信することができる。場合によっては、第1のデータ205は、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置データを含み得る。場合によっては、第2のデータ215は、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連付けられたデータであってもよく、各船の特定の船舶関連情報(位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない)を含み得る。場合によっては、第3のデータ220は、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、並びに1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して関連付けられた関係データなどを含み得る。場合によっては、関係データは、限定はしないが、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対する位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータを含み得る。
【0050】
[0055]コンピューティングシステム205は、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、(ブロック230において)1つ以上の第1の水上輸送船の中の水上輸送船がその現在位置から1つ以上のプリセットされた待機位置の中の第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することができる。場合によっては、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の条件(
図2において、条件225a~225nから計算ブロック230への矢印によって示されている)に少なくとも部分的に基づいて、最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含み得る。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の条件は、限定はしないが、第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮すること(ブロック225a)、少なくとも1つの他の水上輸送船との同期到着を調整すること(ブロック225b)、待機位置に向かって移動する間に温室効果ガス(「GHG」)排出を削減すること(ブロック225c)、又は他の条件(ブロック225n)などのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0051】
[0056]次いで、コンピューティングシステム205は、最適速度(
図2において、コンピューティングシステム205から船235a~235nへの矢印によって示されている)に関する情報を含む第1のメッセージを水上輸送船235a~235nに送信することができる。場合によっては、第1のメッセージは、命令に従うことを水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々に課す契約上の義務に基づいて、対応する目標到着時間に到着するために最適コース及び速度に沿って最適速度で移動するための命令を含み得る。
【0052】
[0057]
図3は、様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整が実施され得る地理的領域305の非限定的な例300を示す概略図である。
【0053】
[0058]
図3の非限定的な実施形態では、港310(図示されていない複数の停泊地を有する)が地理的領域305に配置されるように示されている。バルク貨物船、ドライバルク船、タンカー船、コンテナ船などを含み得るがこれらに限定されない複数の水上輸送船315のうち、一部は港310に繋止されてもよく、一部は繋止されるのを待機して係留点320に係留されてもよい。様々な実施形態によれば、係留点320の外側及び港310の外側にある待機位置325(本明細書では「ブルーボックス位置」などとも呼ばれる)は、近くの港(この場合、港310)又は近くの港の周りの1つ以上の係留点(この場合、係留点320)の少なくとも一方に関連する地理的及び海象データなどに少なくとも部分的に基づいて識別することができる。
【0054】
[0059]システムは、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信することによって、目的地が港310である1つ以上の水上輸送船315を追跡してもよい。場合によっては、第1のデータは、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域(この場合、地理的領域305)内の複数の水上輸送船315の中の各水上輸送船の位置を含み得る。場合によっては、第2のデータは、複数の水上輸送船315のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々に関連付けられたデータであってもよく、特定の船舶関連情報(位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない)を含み得る。場合によっては、第3のデータは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからのデータであってもよく、所定の地理的領域305内の1つ以上の第1の水上輸送船315と、互い315に対して、かつ1つ以上の係留点(この場合、係留点320)、1つ以上の港(この場合、港310)、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港(この場合、待機位置又はブルーボックス位置325)の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対して関連付けられた関係データなどを含み得る。場合によっては、関係データは、限定はしないが、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対する位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータを含み得る。
【0055】
[0060]システムは、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置(この場合、待機位置又はブルーボックス位置325)まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することができる。ここで、最適なコース、目標到着時間、及び/又は速度は、待機位置325に向かって移動している地理的領域305内の各水上輸送船315の前で矢印330によって
図3に示されている。場合によっては、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から第1のプリセットされた待機位置まで移動すべき最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、第1のプリセットされた待機位置(この場合、待機位置325)にある間に近くの港(この場合、港310)に繋止するための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船と同期到着を調整するための計算、又は待機位置に向かって移動する間の温室効果ガス排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含み得る。
【0056】
[0061]次いで、システムは、第1の水上輸送船に、最適速度及び/又は最適目標到着時間に関する情報を含む第1のメッセージを送信することができる。場合によっては、第1のメッセージは、命令に従うように第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々を拘束する契約上の義務に基づいて、最適な速度で移動するための命令を含み得る。分析及び送信プロセスは、待機位置325に向かって移動している他の水上輸送船315の各々について繰り返されてもよい。そのようなプロセスは、複数の港及び複数の待機位置を包含するために適用され得る。
【0057】
[0062]
図4A及び
図4B(まとめて「
図4」)は、様々な実施形態による、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法400を示すフロー図である。
図4Aの方法400は、「A」と示される円形マーカに続いて
図4Bに続く。
【0058】
[0063]技術及び手順は、例示の目的で特定の順序で図示及び/又は説明されているが、様々な実施形態の範囲内で特定の手順を並べ替え及び/又は省略することができることを理解されたい。さらに、
図4に示す方法400は、
図1、
図2、
図3のシステム又は実施形態100、200、300(又はそれらの構成要素)によって、又はそれと共に(場合によっては、以下に関して説明する)実施することができる。このような方法は、任意の適切なハードウェア(又はソフトウェア)実装を使用して実施することもできる。同様に、
図1、
図2、及び
図3のシステム、例、又は実施形態100、200、及び300のシステム、例、又は実施形態の各々は、
図4に示す方法400(例えば、コンピュータ可読媒体上で具現化された命令を実行することによって)、
図1、
図2、及び
図3のシステム、例、又は実施形態100、200、及び300はそれぞれ、他の動作モードに従って動作することもでき、及び/又は他の好適な手順を実行することもできる。
【0059】
[0064]
図4Aの非限定的な実施形態では、方法400は、ブロック405において、コンピューティングシステムを使用して、及び1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムから、所定の地理的領域内の複数の水上輸送船の中の各水上輸送船の位置に関する第1のデータを受信することを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、限定はしないが、水上輸送船調整システム、ネットワークを介したサーバコンピュータ、ネットワークを介したクラウドベースのコンピューティングシステム、又は分散コンピューティングシステムなどのうちの1つを含み得る。場合によっては、1つ以上の第三者水上輸送船追跡システムは、自動識別システム(「AIS」)、地球観測衛星ベースの船舶追跡システム、船舶交通サービス(「VTS」)システム、海洋レーダシステム、港湾管制システム、又は沿岸警備システムなどのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
[0065]ブロック410において、方法400は、コンピューティングシステムを使用して、複数の水上輸送船のうちの1つ以上の第1の水上輸送船の各々から、特定の船舶関連情報に関する第2のデータを受信する(又はそれに関連付けられる)ことを含み得る。場合によっては、特定の船舶関連情報は、位置データ、速度データ、喫水データ、航海情報、搭載燃料消費センサデータ、又は保守記録などのうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。
【0061】
[0066]方法400は、ブロック415において、コンピューティングシステムを使用して、1つ以上の衛星ベースの観測システムから、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船に、互いに対して、かつ1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上の係留点の外側かつ1つ以上の港の外側にある1つ以上のプリセットされた待機位置「ブルーボックス位置」のうちの少なくとも1つに対して関連付けられた関係データに関する第3のデータを受信することをさらに含み得る。いくつかの例では、関係データは、これらに限定されるものではないが、互いに対して、及び1つ以上の係留点、1つ以上の港、又は1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの少なくとも1つに対する、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船の位置、ベクトル、及び近接性のうちの少なくとも1つに関するデータなどを含み得る。場合によっては、コンピューティングシステムは、1つ以上の衛星ベースの観測システムからの第3のデータからの画像又はビデオデータを分析して、関係データを生成することができる。
【0062】
[0067]いくつかの実施形態によれば、コンピューティングシステムは、(ブロック405において)第1のデータ、(ブロック410において)第2のデータ、及び(ブロック415において)第3のデータの3つすべてを受信してもよい。あるいは、コンピューティングシステムは、(ブロック405において)第1のデータ、(ブロック410において)第2のデータ、又は(ブロック415において)第3のデータのうちの少なくとも2つを受信してもよい。場合によっては、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを受信し、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、最適な速度及び/又は最適な目標到着時間を計算し、第1のメッセージを送信することは、リアルタイム又はほぼリアルタイムで動的に実行され得る。
【0063】
[0068]方法400は、ブロック420において、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、対応する最適な目標到着時間で、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第1のプリセットされた待機位置まで第1のコースに沿って移動すべき最適速度を計算することを含み得る。場合によっては、1つ以上の第1の水上輸送船のうちの第1の水上輸送船がその現在位置から第1のプリセットされた待機位置まで第1のコースに沿って移動すべき最適速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、第1のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港での繋止のための待機時間を短縮するための計算、少なくとも1つの他の第1の水上輸送船との同期到着を調整するための計算、又は第1のコースに沿って移動している間の温室効果ガス排出量を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、最適速度及び/又は最適目標到着時間を計算することを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のプリセットされた待機位置は、コンピューティングシステムによって、近くの港又は近くの港の周りの1つ以上の係留点の少なくとも1つに関連する地理的及び海象データに少なくとも部分的に基づいて識別することができる。
【0064】
[0069]方法400は、コンピューティングシステムを使用して、第1の水上輸送船に、最適速度及び/又は最適目標到着時間に関する情報を含む第1のメッセージを送信することをさらに含み得る(ブロック425)。場合によっては、第1のメッセージは、命令に従うように第1の水上輸送船の1人以上の所有者又は運航者の各々を拘束する契約上の義務に基づいて、(最適目標到着時間に到着するために)最適な速度で移動するための命令を含み得る。
【0065】
[0070]方法400は、「A」で示される円形マーカに続いて
図4Bのブロック430のプロセスに進むことができる。
【0066】
[0071]
図4Bのブロック430(「A」と示される円形マーカに追従する)において、方法400は、コンピューティングシステムを使用して、第1のデータ、第2のデータ、又は第3のデータのうちの少なくとも2つを分析して、所定の地理的領域内の1つ以上の第1の水上輸送船のうちの2つ以上の第2の水上輸送船の各々について、対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算して、1つ以上のプリセットされた待機位置のうちの第2のプリセットされた待機位置への到着を調整することを含み得る。場合によっては、第1のプリセットされた待機位置と第2のプリセットされた待機位置とは同じ位置である。あるいは、第1のプリセットされた待機位置と第2のプリセットされた待機位置とは別々の位置であってもよい。方法400は、ブロック435において、コンピューティングシステムを使用して、対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度に関する情報を含む第2のメッセージを各第2の水上輸送船に送信することを含み得る。
【0067】
[0072]いくつかの実施形態では、第2のプリセットされた待機位置への到着を調整するために、2つ以上の第2の水上輸送船の各々について対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することは、コンピューティングシステムを使用して、第2のプリセットされた待機位置にいる間に近くの港に繋止するための待機時間を短縮するための計算、2つ以上の第2の水上輸送船のすべての同期到着を調整するための計算、又は第2のプリセットされた待機位置に移動する間の温室効果ガス排出を削減するための計算などのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、各対応する最適コース、目標到着時間、及び/又は速度を計算することを含み得る。場合によっては、第2のメッセージは、命令に従うために2つ以上の第2の水上輸送船の対応する1つ以上の所有者又は運航者の各々に対応する契約上の義務に基づいて、対応する目標到着時間に到着するために対応する最適なコース及び速度で移動するための命令を含み得る。
【0068】
[0073]例示的なシステム及びハードウェア実装
【0069】
[0074]
図5は、様々な実施形態による、例示的なコンピュータ又はシステムハードウェアアーキテクチャを示すブロック図である。
図5は、本明細書に記載の様々な他の実施形態によって提供される方法を実行することができ、及び/又は上述のようにコンピュータ又はハードウェアシステム(すなわち、コンピューティングシステム105及び205、追跡サーバ180a、並びにユーザデバイス190a~190nなどである)の機能を実行することができるサービスプロバイダシステムハードウェアのコンピュータシステム500の一実施形態の概略図を提供する。
図5は、様々な構成要素の一般化された説明を提供することのみを意図しており、そのうちの1つ以上(又は全く)が適切に利用され得ることに留意されたい。したがって、
図5は、個々のシステム要素がどのようにして比較的分離された、又は比較的より統合された方法で実装され得るかを広く示している。
【0070】
[0075]コンピュータ又はハードウェアシステム500-図に関して上述したコンピュータ又はハードウェアシステム(すなわち、コンピューティングシステム105及び205、追跡サーバ180a、並びにユーザデバイス190a~190nなどである)の一実施形態を表すことができる。
図1~
図4は、バス505(あるいは、必要に応じて通信していてもよい)を介して電気的に結合することができるハードウェア要素を備えるものとして示されている。ハードウェア要素は、限定はしないが、1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の専用プロセッサ(マイクロプロセッサ、デジタル信号処理チップ、グラフィックス加速プロセッサなど)、マウス、キーボードなどを含み得るが、これらに限定されない、1つ以上の入力デバイス515、及び、これらに限定されないが表示デバイス、プリンタ、及び/又はこれらに類似するものを含み得る、1つ以上の出力デバイス520を含む、1つ以上のプロセッサ510を含み得る。
【0071】
[0076]コンピュータ又はハードウェアシステム500は、限定はしないが、ローカル及び/又はネットワークアクセス可能ストレージを含み得る、並びに/あるいは、限定はしないが、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光ストレージデバイス、プログラマブル、フラッシュ更新可能などであり得る、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又は読み出し専用メモリ(「ROM」)などのソリッドステートストレージデバイスを含み得る、1つ以上のストレージデバイス525をさらに含む(及び/又はそれと通信する)ことができる。そのようなストレージデバイスは、限定はしないが、様々なファイルシステム、データベース構造などを含む任意の適切なデータストアを実装するように構成することができる。
【0072】
[0077]コンピュータ又はハードウェアシステム500はまた、限定はしないが、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス及び/又はチップセット(例えば、Bluetooth(商標)デバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、WWANデバイス、セルラー通信施設などである)などを含み得る通信サブシステム530を含み得る。通信サブシステム530は、ネットワーク(一例を挙げると、以下に説明するネットワークなど、)、他のコンピュータ又はハードウェアシステム、及び/又は本明細書に記載の任意の他のデバイスとデータを交換することを可能にすることができる。多くの実施形態では、コンピュータ又はハードウェアシステム500は、上述のようにRAM又はROMデバイスを含み得るワーキングメモリ535をさらに備える。
【0073】
[0078]コンピュータ又はハードウェアシステム500はまた、オペレーティングシステム540、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、及び/又は、様々な実施形態(ハイパーバイザ、VMなどを含むが、これらに限定されない)によって提供されるコンピュータプログラムを含み得る、及び/又は、本明細書に記載されるように、他の実施形態によって提供される方法を実施し、及び/又はシステムを構成するように設計され得る、1つ以上のアプリケーションプログラム545などの他のコードを含む、ワーキングメモリ535内に現在位置するものとして示されるソフトウェア要素を含み得る。単に例として、上述した方法に関して説明した1つ以上の手順は、コンピュータ(及び/又はコンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコード及び/又は命令として実装されてもよい。態様では、その場合、そのようなコード及び/又は命令は、記載された方法に従って1つ以上の動作を実行するように汎用コンピュータ(又は他のデバイス)を構成及び/又は適合させるために使用することができる。
【0074】
[0079]これらの命令及び/又はコードのセットは、上述したストレージデバイス525などの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に符号化及び/又は記憶することができる。場合によっては、記憶媒体は、システム500などのコンピュータシステム内に組み込まれてもよい。他の実施形態では、記憶媒体は、コンピュータシステム(すなわち、コンパクトディスクなどのリムーバブルメディアである)とは別個であってもよく、及び/又はインストールパッケージで提供されてもよく、その結果、記憶媒体は、記憶された命令/コードを使用して汎用コンピュータをプログラム、構成、及び/又は適合させるために使用され得る。これらの命令は、コンピュータ又はハードウェアシステム500によって実行可能な実行可能コードの形態をとることができ、及び/又は(例えば、様々な一般的に入手可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティなどのいずれかを使用する)コンピュータ又はハードウェアシステム500上でのコンパイル及び/又はインストール時に実行可能コードの形態をとるソース及び/又はインストール可能コードの形態をとることができる。
【0075】
[0080]特定の要件に従って実質的な変形がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェア(プログラマブルロジックコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路など)が使用されてもよく、及び/又は特定の要素がハードウェア、ソフトウェア(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)、又はその両方で実装されてもよい。さらに、ネットワーク入出力デバイスなどの他のコンピューティングデバイスへの接続を採用することができる。
【0076】
[0081]上述したように、一態様では、いくつかの実施形態は、本発明の様々な実施形態による方法を実行するためにコンピュータ又はハードウェアシステム(コンピュータ又はハードウェアシステム500など)を使用することができる。一組の実施形態によれば、そのような方法の手順の一部又は全部は、プロセッサ510がワーキングメモリ535に含まれる1つ以上の命令(オペレーティングシステム540及び/又はアプリケーションプログラム545などの他のコードに組み込まれてもよい)の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータ又はハードウェアシステム500によって実行される。そのような命令は、ストレージデバイス525のうちの1つ以上などの別のコンピュータ可読媒体からワーキングメモリ535に読み込まれてもよい。単に例として、ワーキングメモリ535に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ510に、本明細書に記載の方法の1つ以上の手順を実行させることができる。
【0077】
[0082]本明細書で使用される「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方法で動作させるデータの提供に関与する任意の媒体を指す。コンピュータ又はハードウェアシステム500を使用して実施される実施形態では、様々なコンピュータ可読媒体が、実行のためにプロセッサ510に命令/コードを提供することに関与することができ、及び/又はそのような命令/コード(例えば、信号として)を記憶及び/又は搬送するために使用されることができる。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は、非一時的、物理的、及び/又は有形の記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体などを含むが、これらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス525などの光学及び/又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、ワーキングメモリ535などのダイナミックメモリを含むが、これに限定されない。いくつかの代替実施形態では、コンピュータ可読媒体は、限定はしないが、バス505を含むワイヤを含む同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバ、並びに通信サブシステム530の様々な構成要素(及び/又は通信サブシステム530が他のデバイスとの通信を提供する媒体)を含む伝送媒体の形態をとることができる。代替の一組の実施形態では、伝送媒体は波(電波、音響、及び/又は光波(電波及び赤外線データ通信中に生成されるものなど)を含むが、これらに限定されない)の形態をとることもできる。
【0078】
[0083]物理的及び/又は有形のコンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、後述するような搬送波、又はコンピュータが命令及び/又はコードを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0079】
[0084]様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサ510に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを搬送することに関与することができる。単に例として、命令は、最初にリモートコンピュータの磁気ディスク及び/又は光ディスク上で搬送されてもよい。リモートコンピュータは、命令をその動的メモリにロードし、コンピュータ又はハードウェアシステム500によって受信及び/又は実行される伝送媒体を介して信号として命令を送信することができる。電磁信号、音響信号、光信号などの形態であり得るこれらの信号は、本発明の様々な実施形態による、命令を符号化することができる搬送波のすべての例である。
【0080】
[0085]通信サブシステム530(及び/又はその構成要素)は一般に信号を受信し、次いでバス505はワーキングメモリ535に信号(及び/又は信号によって伝送されるデータ、命令など)を搬送することができ、そこからプロセッサ505は命令を取り出して実行する。ワーキングメモリ535によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ510による実行の前又は後のいずれかにストレージデバイス525に記憶されてもよい。
【0081】
[0086]上述したように、一組の実施形態は、車両の調整を実施するための方法及びシステムを含み、より具体的には、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法、システム、及び装置を含む。
図6は、一組の実施形態に従って使用することができるシステム600の概略図を示す。システム600は、1つ以上のユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605を含み得る。ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605は、汎用パーソナルコンピュータ(単に例として、任意の適切なオペレーティングシステムを実行するデスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータなどを含み、そのうちのいくつかは、Apple、Microsoft Corp.などのベンダから入手可能である)、クラウドコンピューティングデバイス、サーバ、及び/又は様々な市販のUNIX(登録商標)又はUNIX(登録商標)オペレーティングシステムのいずれかを実行するワークステーションコンピュータとすることができる。ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605はまた、様々な実施形態(上述したように、例えば、)によって提供される方法を実行するように構成された1つ以上のアプリケーション、並びに1つ以上のオフィスアプリケーション、データベースクライアント及び/又はサーバアプリケーション、及び/又はウェブブラウザアプリケーションを含む、様々なアプリケーションのいずれかを有することができる。あるいは、ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605は、ネットワーク(例えば、以下に記載されるネットワーク610)を介して通信することができ、及び/又はウェブページ若しくは他の種類の電子文書を表示及びナビゲートすることができる、シンクライアントコンピュータ、インターネット対応携帯電話、及び/又は携帯情報端末などの任意の他の電子デバイスとすることができる。例示的なシステム600は、2つのユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605を備えて示されているが、任意の数のユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイスをサポートすることができる。
【0082】
[0087]特定の実施形態は、ネットワーク610を含み得るネットワーク環境で動作する。ネットワーク610は、TCP/IP、SNA(商標)、IPX(商標)、AppleTalk(商標)などを含むがこれらに限定されない、様々な市販の(及び/又は自由又は独自の)プロトコルのいずれかを使用してデータ通信をサポートすることができる、当業者によく知られている任意のタイプのネットワークとすることができる。単に例として、ネットワーク610(
図1のネットワーク165などと同様)は、ファイバネットワーク、イーサネットネットワーク、トークンリング(商標)ネットワーク、広域ネットワーク(WAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)などの仮想ネットワーク、インターネット、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網(PSTN)、赤外線ネットワーク、IEEE 802.11プロトコル一式、当該技術分野で知られているBluetooth(商標)プロトコル、及び/又は任意の他の無線プロトコルのいずれかの下で動作するネットワークを含むがこれらに限定されない無線ネットワーク、及び/又はこれらのネットワーク及び/又は他のネットワークの任意の組み合わせなどを含むがこれらに限定されないローカルエリアネットワーク(LAN)を各々含み得る。特定の実施形態では、ネットワークは、サービスプロバイダのアクセスネットワーク(例えば、インターネットサービスプロバイダ(「ISP」))を含み得る。別の実施形態では、ネットワークは、サービスプロバイダのコアネットワーク及び/又はインターネットを含み得る。
【0083】
[0088]実施形態はまた、1つ以上のサーバコンピュータ615を含み得る。サーバコンピュータ615の各々は、限定はしないが、上述したもののいずれか、並びに任意の市販の(又は自由に)利用可能なサーバオペレーティングシステムを含むオペレーティングシステムで構成することができる。サーバ615の各々はまた、1つ以上のクライアント605及び/又は他のサーバ615にサービスを提供するように構成され得る1つ以上のアプリケーションを実行してもよい。
【0084】
[0089]単に例として、サーバ615のうちの一方は、上述したように、データサーバ、ウェブサーバ、クラウドコンピューティングデバイスなどであってもよい。データサーバは、単に例として、ユーザコンピュータ605からのウェブページ又は他の電子文書の要求を処理するために使用することができるウェブサーバを含む(又はそれと通信する)ことができる。ウェブサーバはまた、HTTPサーバ、FTPサーバ、CGIサーバ、データベースサーバ、Javaサーバなどを含む様々なサーバアプリケーションを実行することができる。本発明のいくつかの実施形態では、ウェブサーバは、本発明の方法を実行するために、ユーザコンピュータ605のうちの1つ以上のウェブブラウザ内で動作することができるウェブページを提供するように構成されてもよい。
【0085】
[0090]サーバコンピュータ615は、いくつかの実施形態では、クライアントコンピュータ605及び/又は他のサーバ615のうちの1つ以上で実行されているクライアントによってアクセス可能な1つ以上のアプリケーションで構成することができる1つ以上のアプリケーションサーバを含み得る。単に例として、サーバ615は、ユーザコンピュータ605及び/又はウェブアプリケーション(場合によっては、様々な実施形態によって提供される方法を実行するように構成されてもよい)を含むがこれに限定されない他のサーバ615に応答してプログラム又はスクリプトを実行することができる1つ以上の汎用コンピュータとすることができる。単に例として、ウェブアプリケーションは、Java(商標)、C、C#(商標)又はC++などの任意の適切なプログラミング言語、及び/又はPerl、Python又はTCLなどの任意のスクリプト言語、並びに任意のプログラミング言語及び/又はスクリプト言語の組み合わせで書かれた1つ以上のスクリプト又はプログラムとして実装することができる。アプリケーションサーバはまた、データベースサーバを含むことができ、データベースサーバは、Oracle、Microsoft(商標)、Sybase(商標)、IBM(商標)などから市販されているものを含むが、これらに限定されず、ユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605及び/又は別のサーバ615上で実行されているクライアント(構成に応じて、専用データベースクライアント、APIクライアント、ウェブブラウザなどを含む)からの要求を処理することができる。 いくつかの実施形態では、アプリケーションサーバは、車両の調整を実施するためのプロセス、より具体的には、上記で詳細に説明したように、水上輸送船の最適化された調整を実施するための方法、システム、及び装置のうちの1つ以上を実行することができる。アプリケーションサーバによって提供されるデータは、1つ以上のウェブページ(例えば、HTML、JavaScriptなどを含む)としてフォーマットされてもよく、及び/又は(上述したように、例えば、)ウェブサーバを介してユーザコンピュータ605に転送されてもよい。同様に、ウェブサーバは、ユーザコンピュータ605からウェブページ要求及び/又は入力データを受信し、及び/又はウェブページ要求及び/又は入力データをアプリケーションサーバに転送することができる。場合によっては、ウェブサーバはアプリケーションサーバと統合されてもよい。
【0086】
[0091]さらなる実施形態によれば、1つ以上のサーバ615は、ファイルサーバとして機能することができ、及び/又はユーザコンピュータ605及び/又は別のサーバ615上で実行されるアプリケーションによって組み込まれる、様々な開示された方法を実施するために必要なファイル(例えば、アプリケーションコード、データファイルなどである)のうちの1つ以上を含み得る。あるいは、当業者には理解されるように、ファイルサーバはすべての必要なファイルを含むことができ、そのようなアプリケーションがユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605及び/又はサーバ615によってリモートで呼び出されることを可能にする。
【0087】
[0092]本明細書の様々なサーバ(例えば、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバなどである)に関して説明された機能は、実装固有のニーズ及びパラメータに応じて、単一のサーバ及び/又は複数の専用サーバによって実行され得ることに留意されたい。
【0088】
[0093]特定の実施形態では、システムは、1つ以上のデータベース620a~620n(まとめて「データベース620」)を含み得る。各データベース620の位置は任意であり、単に例として、データベース620aは、サーバ615a(及び/又はユーザコンピュータ、ユーザデバイス、又は顧客デバイス605)に対してローカルな(及び/又は常駐する)記憶媒体上に存在してもよい。あるいは、データベース620nは、これらのうちの1つ以上と通信(例えば、ネットワーク610を介して、)することができる限り、コンピュータ605、615のいずれか又はすべてから離れていてもよい。特定の組の実施形態では、データベース620は、当業者によく知られているストレージエリアネットワーク(「SAN」)に存在することができる。(同様に、コンピュータ605、615に帰属する機能を実行するための任意の必要なファイルは、必要に応じて、それぞれのコンピュータ上にローカルに、及び/又はリモートに記憶することができる)一組の実施形態では、データベース620は、SQLフォーマットされたコマンドに応答してデータを記憶、更新、及び検索するように適合された、Oracleデータベースなどのリレーショナルデータベースとすることができる。データベースは、例えば、上述のように、データベースサーバによって制御及び/又は維持され得る。
【0089】
[0094]いくつかの実施形態によれば、システム600は、サービスプロバイダ635(
図1及び
図2のコンピューティングシステム105及び205、並びに
図1のサービスプロバイダ115に関連付けられた対応するデータベース110などと同様)に関連付けられたコンピューティングシステム625及び対応するデータベース630をさらに備え得る。システム600は、地理的領域655(
図1、
図3などの地理的領域135、305と同様)に位置することができる、1つ以上の船640(
図1~
図3などの船125a~125n、235a~235n、及び315と同様)、1つ以上の船645(
図1及び
図3の船130a~130n及び315などと同様)、及び1つ以上の船650(
図1、
図3などの船130、315と同様)をさらに備え得る。場合によっては、1つ以上の船650は、港660の停泊地660a(
図1、
図3などの港140、310と同様)に係留又は繋止されてもよく、一方、1つ以上の船645は、係留点665(
図1及び
図3の係留点145及び320などと同様)に係留されてもよく、1つ以上の船640は、待機位置670(
図1及び
図3の待機位置又はブルーボックス位置150及び325などと同様)に向かって移動し、最終的に係留されてもよい。これらの船640~650の各々は、(i)リレー675及びネットワーク610のうちの1つを介して、サーバ615a、サーバ615b、データベース620a~620n(
図1などの船舶情報データベース160、衛星画像データベース175と同様)、コンピューティングシステム625、及び/又は追跡サーバ685a、(ii)リレー675、衛星680a~680nのうちの1つ以上、及びネットワーク610;(iii)衛星680a~680n及びネットワーク610のうちの1つ以上のうちの少なくとも1つと通信可能に結合することができる。本明細書では、無線通信は稲妻記号で表され得るが、回線接続は無線通信又は有線通信のいずれかを表すことができる。追跡サーバ685a及び対応するデータベース685bは、追跡プロバイダ690(
図1の第三者追跡プロバイダ185に関連付けられた追跡サーバ180a及び対応するデータベース180bなどと同様に、)に関連付けられてもよく、ユーザデバイス605a及び605bは、各船640~650(
図1の所有者/運航者195a~195nなどに各々関連付けられたユーザデバイス190a~190nと同様)の対応する所有者及び/又は運航者に関連付けられてもよい。
【0090】
[0095]システム600(及びその構成要素)の機能は、
図1~
図4のシステム及び例100、200、300及び、400(並びにその対応するシステム及び構成要素)に関してより詳細に上述されている。
【0091】
[0096]特定の特徴及び態様を例示的な実施形態に関して説明してきたが、当業者は、多数の修正が可能であることを認識するであろう。例えば、本明細書に記載の方法及びプロセスは、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はそれらの任意の組み合わせを使用して実施することができる。さらに、本明細書で説明される様々な方法及びプロセスは、説明を容易にするために特定の構造的及び/又は機能的構成要素に関して説明され得るが、様々な実施形態によって提供される方法は、任意の特定の構造的及び/又は機能的アーキテクチャに限定されず、代わりに、任意の適切なハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェア構成上に実装することができる。同様に、特定の機能は特定のシステム構成要素に帰するが、文脈がそうでないことを指示しない限り、この機能は、いくつかの実施形態による様々な他のシステム構成要素に分散させることができる。
【0092】
[0097]さらに、本明細書に記載の方法及びプロセスの手順は、説明を容易にするために特定の順序で記載されているが、文脈がそうでないことを指示しない限り、様々な実施形態に従って様々な手順を並べ替え、追加し、及び/又は省略することができる。さらに、1つの方法又はプロセスに関して記載された手順は、他の記載された方法又はプロセスに組み込まれてもよい。同様に、特定の構造アーキテクチャに従って、及び/又は1つのシステムに関して説明されたシステムコンポーネントは、代替の構造アーキテクチャに編成されてもよく、及び/又は他の説明されたシステム内に組み込まれてもよい。したがって、様々な実施形態は、説明を容易にするために、及びそれらの実施形態の例示的な態様を示すために特定の特徴を伴って、又は伴わずに説明されているが、特定の実施形態に関して本明細書に記載された様々な構成要素及び/又は特徴は、文脈が特に指示しない限り、他の記載された実施形態の中から置換、追加、及び/又は減算することができる。したがって、いくつかの例示的な実施形態が上述されているが、本発明は、以下の特許請求の範囲内のすべての修正及び均等物を包含することが意図されていることが理解されよう。
付録:
ブルー・ヴィスビー・ソリューション
温室効果ガス排出の削減に向けて
貨物船から
国際海上貿易
コンテンツ
I.技術的問題の概要
II.ブルー・ヴィスビー・ソリューションの概要
III.背景
IV.技術的問題を解決するための障害
V.ブルー・ヴィスビー・ソリューションが障害を克服する方法
VI.ブルー・ヴィスビー・ソリューションの10個の要素の説明
***
I.技術的問題の概要
●海上輸送は、世界の温室効果ガス(「GHG」)排出量の約2%に寄与しており、その大部分はバルク貨物船及びコンテナ船(「貨物船」)に起因する。
●流体力学の法則は、船の減速の1単位ごとに、3単位の燃料が節約されることを規定している。
●貨物船は、他の船又は同じ港に向かう他のバルク貨物船の動きに関係なく、また現在又は予想される輻輳(「Sail Fast,Then Wait」運転モデル-「SFTW」)に関係なく、サービス速度で積荷港から排出港に蒸気を送る。
●貨物船の速度を低下させることは、技術的、運転的及び契約上の介入を必要とする技術的問題である。
●航空交通管制システム又は空域管理システムのラインに沿って、海洋航行貨物船の航海を調整するための技術的、運用上又は契約上の配置はない。
●問題を解決するためのあらゆる試みは、海上及び港湾産業の細分化によって悪化した商業上及び契約上の障害に行き詰っている。
***
II.ブルー・ヴィスビー・ソリューションの概要
ブルー・ヴィスビー・ソリューション(「BVS」)は、以下の2つの概念と10の要素を組み合わせたものである。
(a)(iii)(iv)港の近くであるが港にはない所定の地点に同期して到着することを達成するために、(i)動的及び(ii)環境的に最適な速度配分によって貨物船の速度の低減を実施するための新規な技術及び運用システム、
(b)(i)前述の技術及び運用システムの遵守、並びに(ii)BVSによって発生した炭素クレジット、オフセット又はインセットを含む財務コスト及び利益の共有のための複数の側方契約上の取り決めであって、(iii)数世紀前の海洋法の概念を新規な方法で適合させるもの、(iv)海洋汚染の回避に関連する相互関係及び保険契約を含む海洋保険の原則を新規な方法で適用すること、(v)到着位置(スロット)の取引のための市場、及び(vi)BVSに関連する海上の温室効果ガス排出量の取引のための市場の創出。
***
III.背景
技術分野
A.国際海上輸送(「バルク貨物船」)に従事する約4万のばら積み貨物船(ドライバルク及びタンカー)がある。それらの特性は様々であるが、バラストで約14ノット、積載状態で12ノットの非常に類似したサービス速度を有する(「サービス速度」)。
B.バルク船の大部分は、通常は精製プロセスの最低グレード、すなわち高汚染性の残留燃料である海洋燃料(「リンカー」)を消費する。
C.すべてのバルク船の技術的特性は、すべての船が定期的に検査され、「クラス分類」する船級協会によって公開されている。
D.いつでもすべてのブルカー船の地理的位置は、AISとして知られる衛星及び陸上の監視システムによって知られている。
環境背景
E.バルク船は、バンカー消費から非常にかなりのCO2を生成する。
F.現時点では、船からのCO2排出物の取引、又は炭素クレジットの取引、又はバルク船の環境に優しい操業に対する強制的な国際規制上の介入のためのスキームは存在しない。
G.学術研究は、より長い蒸気処理時間を考慮に入れて、サービス速度を低下させるあらゆるノットについて、約10~20%のCO2節約を達成することができることを示唆している。
市場の背景
H.バルク船は、通常、船主グループ内で動作する1船会社(「所有者」)によって所有されている。
I.バルク船は、所有者自身の貨物を運ぶために使用されない。それらは、異なる事業体(「贈呈者」)によって商業的に利用されており、これは、所有者がタクシーサービス又はレンタカーサービスに似たサービスを提供することを意味する(契約条件に応じて、以下を参照)。
J.チャーターは、必ずしもバルク船に搭載された貨物を所有していない。それらは、貨物の販売者(「売主」)又は貨物の購入者(「買主」)にサービスを提供することができる。
K.国際海上取引の市場は、水平方向に非常に細分化されており、何百もの小規模/中規模の船主グループが存在し、同様の数の造船所、売主及び買主が存在する。
L.貨物を運ぶあらゆるバルク船は、多数の事業体(所有者、贈呈者、買主、売主、契約の連鎖にあることが多い)の多様な商業的利益の実施形態である。これは、垂直に動作するさらなるタイプの細分化である。
M.船舶は、世界中の港(「港」)の間を航行し、その各々は、通常、多くの場合独立した実体として組織化される多くのターミナル及び施設を備える。
N.港は、各港が通常は完全に別の港から独立しているという点で、バルク船の処理に関与するすべてのエンティティの間で垂直に細分化され、水平に細分化される。
運用の背景
O.コンテナ船とは異なり、バルク船は所定の航海スケジュールに従って航海せず、通常はサービス速度(上記A参照)で蒸気船である。
P.バルク船は、「トランプトレード」として知られるもの、すなわち、所定の航海シーケンスなしで動作し、異なる時間に異なる積荷を積み込むことができ、例えば、乾式バルク船は、1回の航海でブラジルから米国に石炭の積荷を運び、次いで米国から中国に穀物の積荷を運ぶことができる。
Q.世界中の多くの港は輻輳しており、各港内の様々なターミナルでの船の繋止及び繋止解除の順序付けに非効率性がある。船は、繋止(「輻輳」)前の数日間、アンカレッジ港(「繋止地」)で待機するのが一般的である。
R.任意の所与の港への船舶のスチーム処理及び任意の所与の港への到着は、航空交通管制又は空域管理のラインに沿って調整又は同期されない。
S.通常、バルク船は、他の船又は同じ港に向けられた他のバルク船の移動に関係なく、かつ現在又は予想される輻輳(「Sail Fast,Then Wait」-「SFTW」)に関係なく、サービス速度で積荷港から排出港に蒸気を送る。
T.バルク船の寿命の約8%がアンカレッジでの待機に費やされると推定されている。
U.同様の考慮事項がコンテナに適用され、BVSはその市場セグメントに適合することができる。簡潔にするために、以下の分析はバルク船のみを扱う。
契約上の背景
V.船は、船舶所有者(「所有者」)から、船の商業上の使用の管理を引き受ける事業体「シャルテラー」に対してチャーターされる。これらのコントラクト(「チャーターパーティ」)は、それらの用語において異なるが、タイプにおいてグループ化される。
W.バルク船の商業上の運営は、買主と売主との間の契約「売買契約」とシャルターパーティとの間の条件及び相互関係に左右される。売買契約も条件は様々であるが、種類でグループ化されている。
X.売買契約及びチャーターパーティは、バルク船舶がサービス速度で航海を行うことを前提とし、その旨の条件を含む(「発送予定」。したがって、SFTW運転モデルは、契約的に埋め込まれ、実施される。
Y.チャーターパーティと売買契約の両方がチェーンに存在することが多いため、1つの船舶を連続して(類似又は異なる条件で)一連のチャーターラーにチャーターすることができ、各チャーターパーティの条件で同じ航海を実行することができる。同様に、航海を実行するバルク船に搭載された1つの貨物は、複数のエンティティによって連続的に売買され得る。チェーンの中央に関与するエンティティは、貨物の生産者(「供給者」)及び貨物のエンドユーザ(「受信機」)とは対照的に、「商品取引業者」と呼ばれることが多い。そのような鎖の存在は、さらなる細分化をもたらす。
法的背景
Z.チャーター側当事者及び売買契約の大部分は、国際海上取引において選択される法律である英国法に従う。
AA.英国の法律の特徴的な特徴のうちの2つは、契約の自由である(商業団体が適切と考えるように関係を決定することを可能にし、非常に制限された法的介入を伴う)。契約のプライバシー(これにより、契約は両当事者のみを拘束し、第三者は拘束しない)。
BB.両当事者の契約上の自由により、両当事者は、航海に対する危険が生じた場合に協力する契約、すなわち「一般的な海洋進出」(「共通海上義歯」)に固有の海上の概念を組み込む。
経済的背景
CC.用船契約、コントラクト、バンカー市場は非常に変動しやすく、原材料の需給、世界経済の状況、及び世界の取引フローのパターンと相関がある。
DD.関連する市場の状態に応じて、関与する異なる当事者は、バルク船の速度に関して異なるインセンティブを有する。これは「代理店問題」を生み出す:当事者は、そこから金銭的利益を得ず、金銭的損失を被る可能性がある決定(減速)を行う理由がない。
***
IV.技術的問題を解決するための障害
1.技術的問題が純粋に技術的ソリューションによって解決され得る場合、航空交通管制の海上同等物が数十年前に実施されたであろう。背景技術の段落は、技術的問題を解決するための障害が技術的、契約的及び市場固有であることを示している。本技術的問題を解決できるのは、各障害物に対処する要素の組み合わせのみである。
V.技術的問題を解決するための障害の克服
2.ブルー・ヴィスビー・ソリューションは以下のように障害を克服する:-
a.関係者間の競争の障害は、バルク船に次のような命令を出すことによって除去される。
i.目的地の港の就航率、すなわち、アンカレッジから繋止までの船舶を受け入れる能力を反映するような方法でアンカレッジのすぐ近くの地理的地点へのそれらの到着をずらすような方法で、それらの到着時間(「ブルー・ヴィスビーETA」)を調整する。
ii.バルク船がサービス速度(「ブルー・ヴィスビーキュー番号」-「BVQN」)で蒸気輸送したかのように、前述の地理的地点へのそれらの到着順序を守る。
b.港細分化の障害物は、実際の港ではなく、代わりに、アンカレッジの外側の領域及び港限界の外側の領域「ブルーボックス」として、航海の地理的終点として扱うことによって除去される。
c.契約上の障害は、特注及び新規の契約上の規定(「ブルービスプロトコル」~「BVP」)のセットを導入することによって取り除かれ、当該規定は、(選択により)チャーターパーティ、船荷証券及び売買契約に組み込まれ、(i)BVS及びBVQNの遵守を要求し、かつ(ii)その他の相反する契約条件(例えば、提出予定)に優先する。
d.代理店の問題は、各回の航海に関連する関係者(所有者、チャーター、カーゴ購入者、カーゴ販売者)の間で、結果的に生じる金銭的費用及び金銭的利益を共有することによって、一般的な平均値における共通海上アドベンチャーのテーマの適合を使用することによって、すなわち、関係者の金銭的利益の価値を参照することによってプロレートされることによって、取り除かれる。
e.ブルー・ヴィスビー・ソリューションの使用によって節約されたCO2排出量はまた、Common Maritime Adventure in General Averageのテーマの適合を使用することによって、すなわち、両当事者の財産的利益の価値を参照することによってプロレートされることによって、各航海に関連する当事者(所有者、チャーター、カーゴ購入者、カーゴ販売者)に発行される炭素クレジット、オフセット又はインセットによっても共有される。これらの共有メカニズムは、特注の新規の契約文書であるブルー・ヴィスビー規則に記載される。
f.上記の2つのサブ段落で概説された共有メカニズムは、参加者間の現金ベースで、又は海洋汚染に関してSCOPICの下で適用されるものと同様の保険契約を介して動作することができる。
g.業界の細分化の問題は、非営利の相互協会「ブルー・ヴィスビーミューター」を作ることによって取り除かれ、この非営利の相互協会のうち、ブルー・ヴィスビープロトコル及びブルー・ヴィスビー規則を採用するすべての事業体が会員となり、ブルー・ヴィスビー相互会社は、結果として生じる金銭的な費用及び利益の分担を管理する。
h.ブルーボックス(したがって、港に)への到着に関する必要な市場の柔軟性は、BVQNの取引のためのシステムを介して導入され、空港の着陸場の取引に似ているが、リアルタイムで(かつ毎年ではなく)動作するため、より動的である。
i.両当事者に発行された炭素クレジット又はオフセット又はインセットが取引される。これは、特注の店頭市場の一部として、又はブルー・ヴィスビーMutualが監督する取引所で行うことができる。この市場は、ブルー・ヴィスビー・ソリューションに参加していない当事者に開放され、それによって、専用の自主的な海上炭素市場、すなわち「青色CO2交換」)を創出することができる。
VI.ブルー・ヴィスビー・ソリューションの10個の要素の説明
3.概要で述べたように、ブルー・ヴィスビー・ソリューション(「BVS」)は、(技術的及び契約上の概念内で)10個の要素を含む。
a.(i)動的、(ii)環境的に最適な速度配分、及び(iii)(iv)規定されたポイントでの同期到着によるバルク船の速度の低下のための技術及び運用システム(「TOS」)、
b.TOS(ブルー・ヴィスビープロトコル、ブルー・ヴィスビー規則及びブルー・ヴィスビー相互プロトコル)を共に下支えし、(i)前述の運転システムの遵守のための手配を通じてTOSの実施を可能にする特注の契約上の取り決めの網、(ii)財務上の費用及び利益の分担、((iii)何世紀も前の海上法の概念を新規な方法で展開し、(iv)長年の確立された海上保険の原則に触発された相互性の原則を新規な方法で適用する)、(v)BVQN「ブルーボックススロット交換」のための市場の創出(最終的には参加港の繋止スロットのための市場に発展する)、(vi)BVSを展開することによって生成された炭素クレジット、オフセット又はインセットのための自主的市場の創出(「青色CO2交換」)(これは潜在的に非参加者に、また他の海洋関連炭素クレジット、オフセット又は他の技術革新によって生成されたインセットの取引にも開放され得る)。
4.技術的問題に対するソリューションを生み出すのは、これら10個の要素の組み合わせである。
「動的...[速度配分]」
5.TOSは以下を展開する。
a.世界中のすべての船の位置に関する情報(AISとして、又は地球観測衛星を介して入手可能)
b.参加しているバルク船からの位置データ、速度データ、喫水データ及び浮力情報
c.地球観測衛星を介して収集されたアンカレッジ輻輳情報
d.各目的地の港の足場の限界のすぐ外側のブルーボックスに向かうバルク船の移動を調整するための最適化アルゴリズム
6.上記のデータ及び情報は、港に向かって蒸気輸送するバルク船の数及び位置に関する情報がリアルタイムで変化するため、動的に照合及び処理される。
7.アルゴリズムは、様々な産業及び産業プロセスにおける同等の調整問題及び用途で使用される数式を使用する。
8.TOSは、適切な目標到着時間(ブルー・ヴィスビーETA)を各バルク船に(動的に)割り当て、最適到着時間に関してバルク船が従うよう推奨する。
9.TOSは、ECDIS電子チャートシステムと統合される。
「...環境的に最適な[速度配分]」
10.TOSは、一般に、各バルク船のサービス速度よりも遅い速度に基づく最適な到着時間を推奨し、その結果、燃料消費量、ひいては温室効果ガスが削減される。
11.さらに、TOSは、航海の任意の特定の段階「青色速度」で各特定のバルク船の環境上最適な速度に到着するために、船固有の要因を考慮に入れる。
a.各バルク船の特性、これらは船級協会によって公開されている。
b.温水中の係留場所での滞在時間は、船の汚損のリスクを高め、流体力学的抵抗を増加させ、船の環境的に最適な速度に影響を及ぼす。
c.バルク船の最後のドライドッキングからの時間の長さ、これは通常船体がサンドブラストされ、船体コーティングが再適用され、エンジンがオーバーホールされた時間であり、すべて性能の向上につながる;
d.そのような技術が成熟するにつれて、モノのインターネットを展開する搭載センサからのリアルタイムの燃料消費データ。
「...規定された地点への[到着]」
12.TOSは、(バルク船によって使用されるように)世界中の各港の足場の境界外の領域を画定し、それはその港に向けられたすべてのバルク船の概念的到着目標として機能する、ブルーボックスと呼ばれる。
13.各ブルーボックスの正確な位置は、地理的及び海象データを考慮に入れ、ECDIS電子チャートに組み込まれる。
「...同期到着」
14.TOSは、特定の港に向けて蒸気輸送する各バルク船に速度を割り振るが、これは、(a)アンカレッジでの輻輳を考慮に入れ、(b)バルク船が各々のサービス速度で蒸気輸送されていた場合にバルク船がブルーボックスに到着したであろう順序を保持するという順序に基づいている。特に、
a.BVSは、世界中の各港における繋止装置の特定の状況に依存するため、港又はアンカレッジ輻輳の問題を解決することを意図していない。本質的に、これは、船舶の最適化の問題ではなく、岸の要因に大きく依存する繋止の最適化の問題である。背景技術で説明した障害により、グローバルベースで解決することは不可能である。それにもかかわらず、BVSは、港がそれらの動作を最適化するのを支援する。
b.「概念的到着点」としてブルーボックスを導入することにより、外側の港限界は、各個々の港における繋止最適化の状況が左右される。
c.TOSは、各港の状態を監視して、到着するバルク船がアンカレッジで可能な限り短時間進行して待機するように、蒸気バルク船のブルーボックスへの到着を順序付ける。
d.TOSは、バルク船のブルーボックスへの到着の順序を変更せず、各到着のタイミング及び各到着間の間隔のみを修正する。これは、(以下に説明するように)商業上の理由から重要であり、以下のように達成される。
i.各バルク船が各出発港から別の目的港に向かって航走すると、TOSは、バルク船が自身のサービス速度(「到着予想時刻待ち」、又は「W/ETA」)で蒸気輸送した場合に到着したであろう時間を計算する。
ii.同じPortに向かう他の船に関する情報に照らして、TOSは、推定到着シーケンス、本質的には、バルク船がPortへのエントリのためのキューに加わっているかのようなキュー番号を生成するが、BVSはそのキュー番号を港エントリのためではなく、Blue Box(「ブルーボックスキュー[数]」、又は「BQ[数]」)に到着するために割り当てる。
iii.輻輳状態に照らして、TOSはアルゴリズムを適用し、ブルーボックス(「青色推定到着時間」、又は「B/ETA」)に到着するための異なる目標時間を生成し、バルク船のBQ番号を常に保持する。
15.BQ番号もB/ETAも青色速度も静的ではない。それらの値は、TOSが条件を継続的に監視するので、動的に変化する:すなわち、より短い距離から同じ港へのより多くのバルク船の蒸気輸送、バルク船の遅延を引き起こす問題、港での輻輳の悪化又は改善など。
「...運用システムの遵守に関する契約上の取り決め」
16.BVSソリューションは、自発的な参加者のための自発的な取り決めであるが、すべての参加者が参加する新規の契約上の取り決めのウェブを通じて参加者に拘束力を有する。
17.上記のTOSを通じて行われる運用上の推奨(青色速度、BQ、B/ETA)は、特注及び新規の契約条件のセットを通じて、特定の航海(所有者、贈呈者、買主、売主-コントラクトチェーンに参加しているか否か)に関与する両当事者に対する拘束力を有する。当該条件は、両当事者及び売買契約に付属するものとする「ブルー・ヴィスビープロトコル」。これは、安全上の懸念のみを前提として、他の契約上の規定よりも優先されることを明確に規定する。(この名称は、貨物輸送のための海上輸送業者の責任を扱うほぼ普遍的なアプリケーションの基本的な規則のセットであるハーゲ・ビジ・ルールに触発されている)
「...財務上の費用及び利益の分担に関する契約上の取り決め」
18.青色速度がサービス速度よりも低い限り、燃料コストの節約をもたらす。契約上の取り決め(時間又は航海条件に基づくチャーターパーティ)に応じて、これは一方又は他方の当事者に利益をもたらす。一方、B/ETAは、ブルーボックス(BVSのためではなかったとしてもアンカレッジでの輻輳が繋止を妨げていたと考えられるため、遅延着岸ではない)に向かう速度が遅い結果として、アンカレッジへの到着が遅れる可能性がある。これは、船舶所有者(船舶所有者が航海条件を遵守している場合)又は船舶所有者(船舶所有者が時間条件を遵守している場合)にとって不利な金銭的結果をもたらす可能性がある。同様に、(足場へのアンカレッジの到着時間が販売契約に基づく義務の履行に何らかの形で関連している場合には)船上の貨物の買主又は売主にとって不利な金銭的結果をもたらす可能性がある。
19.BVSは、これらの金銭的帰結を認め、共有メカニズムを通じてこれらに対処する。共有メカニズムの詳細は以下に記載されているが、それを有効にするための契約上の取り決めは、特注の新規な契約条件の双生児セットによるものである:(a)上記のブルー・ヴィスビープロトコルに必要な規定;(b)一連の規則(ブルー・ヴィスビー規則)の下で、(以下にも記載される)共有メカニズムを運営する独立した団体(ブルー・ヴィスビー相互会社)への参加合意を含む。
「...何世紀も前の海上法の概念を展開する[契約上の取り決め]」
20.(ブルー・ヴィスビープロトコルで提供され、Blue York相互会社によって管理される)共有メカニズムは、一般平均の概念の適応である。
21.古代以来、海上取引に関与する当事者は、全航海を節約するために自身の個々の金銭的利益を犠牲にする必要性を受け入れており、「一般的な海洋進出」、この場合、すべての他の当事者は犠牲側当事者を補償することに貢献する。この仕組みは今日まで存続しており、一般平均(GA)として知られている。「海上のアドベンチャーを守るために、並外れた費用を負担したり、犠牲を払ったりする」ことが必要になった場合には、共通の海上アドベンチャーに対する各当事者(船舶所有者、貨物所有者及び運送業者)は、その海上アドベンチャーにおける各当事者の金銭的持分の価値に比例して寄与する。
22.BVS「Blue GA」によって技術的問題を解決する目的のためにGAを適合させる概念的前提は以下のとおりである。
a.気候変動は緊急事態である
b.海上産業は、海上の緊急事態(例えば、機内での火災)に何万年も反応しているのと同じように、この緊急事態に対応しなければならない
c.BVSは、バルク船からの温室効果ガスを低減し、それによって共通の利益(機内で火を消すことに似ている)をもたらす
d.BVSを配備するには、海上のアドベンチャーの一部の当事者にとって金銭的コスト(火災の消火に伴うコスト又は犠牲と同様)が必要になる
e.航海に関与する当事者は、それぞれの金銭的利益の価値に比例して次の各号に寄与する「Blue GA」(GAの寄与に類似)
23.GAを管理する規則はヨーク・アントワープ規則であり、20世紀初期に自主的な取り決めとして設計された。
24.BVSは、Blue GAの機構を編成する目的で、完全に異なる目的、すなわち「ブルー・ヴィスビー規則」のための新規の用語セットを設定するためのこれらの規則によって着想を得ている。これは、元のGA規則と同様に自発的な配置となる。
25.BVSは、財務上の利益の価値に関するデータの収集及び調整の会計プロセスのために設置されている一般平均(サービスプロバイダの既存のネットワークを使用して、平均的なアジャスタの専門団体)の既存の取り決めの適合版を導入する。
26.Blue GAは、海洋保険契約において、海洋環境の保護(SCOPIC)のために行われる支払いと同様の方法で提供され、それによりBlue GA支払いの会計面、及び相手方のリスクの可能性を促進する。
「...海洋産業の自己規制の傾向を活用する[契約上の取り決め]」
27.BVSの基礎となる契約上の取り決めの任意の性質は、国際海上輸送の全部門が構築されている契約の自由に沿ったものである。
28.それは業界による採用に必要な条件であるが、十分な条件ではない。BVSはまた、海洋産業が脱炭酸するために協調的ソリューションが必要であるという広範な受け入れにも依存する。
29.海上産業における利益の共同化及びプール化の一例があり、BVSはこれをエミュレートする。150年以上にわたって、船舶所有者(例えば、貨物及び環境への損傷のために、)の第三者責任は、すべての船舶所有者が会員である相互保険協会(保護補償相互協会として知られる)によって保証されており、その結果、責任は船舶所有コミュニティ全体で共有される。
30.BVSの投与に必要な信頼は、Blue GAを投与するブルー・ヴィスビー相互会社の確立を通じて達成される。
「...最終的に参加港でスロットを繋止するための市場に発展することになるBVQPのための市場の創出」
31.自発的なスキームとしてのBVSの性質は、より早いBVQPを求めることによって、又は参加者に割り当てられた早期スロットを他の参加者に利用可能にすることによって、参加者が特定の航海のためにシステムからオプトアウトする柔軟性を可能にする。これは、BVQPの取引のための交換プラットフォームの構築によって達成される。
32.より早いBVQPを利用する船舶は、より速い速度で蒸気を送ることができ、したがってその排出量を増加させるが、より遅いBVQPに落下する船舶は、よりゆっくりと航行する。全体として、最適化の目標が達成される。
33.BVQNのための市場の存在は、参加港における繋止スロットのための市場を形成するための準備ステップである。これにより、最終的に、BVSの最適化目標が完了する。
「...BVSによって生成された炭素クレジット/オフセット/インセットの自発的市場の創出」
34.節約された排出量(参加持分の価値を参照して計算され帰属される)は、参加持分ごとに炭素クレジット/オフセット/インセットに変換され、これは交換プラットフォーム「青色CO2-X」、すなわち海洋産業に独占的な自主的炭素市場で取引可能である。
35.青色CO2-Xは、クレジット/オフセット/インセットの購入又は販売を希望し得る海洋事業体(BV参加者だけでなく)によってアクセス可能となる。
a.BV参加者は、BVSの運用を通じて節約されたCO2排出量を表すクレジット/オフセット/インセットを販売することができ、これは海上アドベンチャーにおける参加持分の価値を参照することによって割り当てられる(上記のBlue GAの場合と同様の方法)
b.BV参加者も他の事業体も、参加していない航海でのCO2排出を相殺するためにクレジット/オフセット/インセットを購入することができる
c.BV参加者と他の事業体の両方が、レイアップ又はリサイクルを通じて船舶を市場から一時的かつ恒久的に撤去しながら、ハードウェア「後付け」を含む他の手段を通じて節約されたCO2排出量を表すクレジット/オフセット/インセットを販売することができる
36.BVSに関連し、海洋産業専用の自主市場の存在は、両方ともBVSの採用を促進するが、その使用のための柔軟性を追加すると同時に、他の海洋の温室効果ガス削減技術及びソリューションの採用を促進する。
【国際調査報告】