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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240124BHJP
   B65G 67/02 20060101ALI20240124BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G67/02
B65G1/137 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544231
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 CN2022072389
(87)【国際公開番号】W WO2022156643
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110093033.5
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519059292
【氏名又は名称】杭州海康机器人股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Hikrobot Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 304, Unit B, Building 2, 399 Dangfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】謝 彬
(72)【発明者】
【氏名】白 寒
(72)【発明者】
【氏名】呉 永海
【テーマコード(参考)】
3F022
3F076
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE02
3F022JJ11
3F022LL07
3F022MM11
3F076CA03
3F076DA01
3F076EA07
3F076FA01
3F076FA02
3F076FA03
3F522AA02
3F522GG04
3F522JJ02
3F522KK01
(57)【要約】
無人搬送車であって、車本体(1)、レール(2)、フォーク(3)、駆動リンク(4)、支持リンク(5)及び駆動機構(6)を含み、レール(2)は車本体(1)に設置され、レール(2)は頂部レール(21)、第1側レール(22)及び第2側レール(23)を含み、第1側レール(22)の先端が頂部レール(21)の第1端に接続され、第2側レール(23)の先端が頂部レール(21)の第2端に接続され、第1側レール(22)と第2側レール(23)とはそれぞれ反対方向に向けて下方へ傾斜し、レール(2)には、駆動機構(6)に繋がってレール(2)に沿って移動可能な伝動部材が設置され、駆動リンク(4)の第1端が伝動部材にヒンジ結合され、第2端がフォーク(3)の第1端にヒンジ結合され、フォーク(3)の第2端が支持リンク(5)の第1端にヒンジ結合され、支持リンク(5)の第2端が第2側レール(23)の底端にヒンジ結合され、または支持リンク(5)の第2端が車本体(1)にヒンジ結合される、無人搬送車。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車であって、車本体、レール、フォーク、駆動リンク、支持リンク及び駆動機構を含み、
前記レールは前記車本体に設置され、前記レールは頂部レール、第1側レール及び第2側レールを含み、
前記第1側レールの先端が前記頂部レールの第1端に接続され、前記第2側レールの先端が前記頂部レールの第2端に接続され、前記第1側レールと前記第2側レールとはそれぞれ反対方向に向けて下方へ傾斜し、
前記レールには、前記駆動機構に繋がって前記レールに沿って移動可能な伝動部材が設置され、前記駆動リンクの第1端が前記伝動部材にヒンジ結合され、第2端が前記フォークの第1端にヒンジ結合され、前記フォークの第2端が前記支持リンクの第1端にヒンジ結合され、前記支持リンクの第2端が前記第2側レールの底端にヒンジ結合され、または、前記支持リンクの第2端が前記車本体にヒンジ結合され、
前記伝動部材は前記レール内を移動して、前記駆動リンクの第1端を動かして前記レールに沿って移動させ、前記駆動リンクの第2端が前記フォークを押し、前記フォークが前記駆動リンクの押し及び前記支持リンクの支持により、前記車本体における高い位置から突き出て低い位置まで降下する、無人搬送車。
【請求項2】
前記車本体は、シャシーと、前記シャシーに設置される荷台とを含み、
前記レールは前記荷台の側部に設置され、前記第1側レールと前記第2側レールの底端は前記シャシーに設置され、前記頂部レールが前記荷台の側部に位置し、前記頂部レールの頂部が前記荷台の頂部より高く、
前記伝動部材は前記レール内を移動し、前記駆動リンクの第1端を動かして前記レールに沿って移動させ、前記駆動リンクの第1端が前記第1側レールの底端から前記頂部レールの第2端へ移動すると、前記駆動リンクの第2端が前記フォークを押し、前記フォークの第1端が前記頂部レールの第1端から前記頂部レールの第2端へ移動し、前記フォークの第2端が前記車本体から突き出て、
前記駆動リンクの第1端が前記頂部レールの第2端から前記第2側レールの底端へ移動すると、前記フォークは前記駆動リンクの押し及び前記支持リンクの支持により、前記車本体から突き出るとともに高い位置から低い位置まで降下する、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項3】
前記支持リンクは、第1リンク、第2リンク及び第3リンクを含み、
前記第1リンクの第1端が前記第2側レールの底端にヒンジ結合され、または、前記第1リンクの第1端が前記車本体にヒンジ結合され、前記第1リンクの第2端が前記第2リンクの第1端にヒンジ結合され、前記第2リンクの第2端が前記フォークにヒンジ結合され、前記第3リンクの第1端が前記第1リンクに摺動可能に設置され、前記第3リンクの第2端が前記第2リンクにヒンジ結合される、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項4】
前記第2リンクは、第1サブリンク、第2サブリンク及び第3サブリンクを含み、
前記第1サブリンクの第1端が前記第1リンクの第2端にヒンジ結合され、前記第1サブリンクの第2端が前記第2サブリンクの第1端にヒンジ結合され、前記第2サブリンクの第2端が前記第3サブリンクの第1端にヒンジ結合され、前記第3サブリンクの第2端が前記フォークにヒンジ結合され、前記第3リンクの第2端が前記第2サブリンクにヒンジ結合される、請求項3に記載の無人搬送車。
【請求項5】
前記第1リンクの第1端が前記第2側レールの底端にヒンジ結合される場合、前記第2側レールの底端と前記第1リンクの第1端との間に第4リンクがヒンジ結合され、または、前記第1リンクの第1端が前記車本体にヒンジ結合される場合、前記車本体と前記第1リンクの第1端との間に第4リンクがヒンジ結合され、
前記第4リンクの長さが前記第1リンクの長さより小さい、請求項3に記載の無人搬送車。
【請求項6】
前記第2リンクの第2端と前記フォークとの間に第5リンクがヒンジ結合される、請求項3に記載の無人搬送車。
【請求項7】
前記第2リンクの第2端に第1ローラが設置され、前記第1ローラが前記頂部レールの上面に沿って転がることができる、請求項3に記載の無人搬送車。
【請求項8】
前記フォークの第1端及び前記駆動リンクの第2端の少なくとも1つに第2ローラが設置され、前記第2ローラが前記頂部レールの上面に沿って転がることができる、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項9】
前記伝動部材は、チェーンまたはタイミングベルトまたは鋼索を含み、前記駆動機構は駆動モータを含み、前記駆動モータが前記伝動部材に繋がり、または前記駆動モータが減速機構を介して前記伝動部材に繋がる、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項10】
前記レールはレール本体を含み、前記レール本体が、頂部レール本体と、前記頂部レール本体の両端にそれぞれ繋がる第1腰部レール本体及び第2腰部レール本体とを含み、
前記レール本体の側部にレール溝が設置され、前記頂部レール本体のレール溝が前記頂部レールを形成し、前記第1腰部レール本体のレール溝が前記第1側レールを形成し、前記第2腰部レール本体のレール溝が前記第2側レールを形成する、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項11】
前記レールは底部レールをさらに含み、前記頂部レール、第1側レール、底部レール及び第2側レールが順に繋がって台形構造を形成する、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項12】
前記レールは、台形のレール本体を含み、前記レール本体の側部にレール溝が設置され、前記レール本体の頂部のレール溝が前記頂部レールを形成し、前記レール本体の第1腰部のレール溝が前記第1側レールを形成し、前記レール本体の底部のレール溝が前記底部レールを形成し、前記レール本体の第2腰部のレール溝が前記第2側レールを形成する、請求項11に記載の無人搬送車。
【請求項13】
前記駆動リンクの第2端に第1リミットブロックが設置され、前記フォークの第1端に第2リミットブロックが設置され、前記駆動リンクと前記フォークとのなす角度が所定角度になると、前記第1リミットブロックは前記第2リミットブロックに当接し、それにより前記駆動リンクと前記フォークとのなす角度が前記所定角度に保持され、前記所定角度の角度範囲が160度以上200度以下である、請求項1に記載の無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷物搬送技術分野に関わる。特に、無人搬送車に関わる。
【背景技術】
【0002】
無人搬送車(Automated Guided Vehicles、AGVと略称される)は、無人搬送機とも呼ばれ、電磁的性質または光学的性質などによる自動誘導装置を具備し、所定の誘導経路に従って走行し、安全保護及び各種の移載機能を有する搬送車と指す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連技術に係る無人搬送車は、水平伸縮及び鉛直昇降という2つの機能に対して、それぞれ1セットの動力源を配置する必要があり、無人搬送車の動力コストが高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに鑑みて、本開示の実施例は、動力コストが低い無人搬送車を提供する。
【0005】
本開示の実施例は、無人搬送車であって、車本体、レール、フォーク、駆動リンク、支持リンク及び駆動機構を含み、前記レールは前記車本体に設置され、前記レールは頂部レール、第1側レール及び第2側レールを含み、前記第1側レールの先端が前記頂部レールの第1端に接続され、前記第2側レールの先端が前記頂部レールの第2端に接続され、前記第1側レールと前記第2側レールとはそれぞれ反対方向に向けて下方へ傾斜し、前記レールには、前記駆動機構に繋がって前記レールに沿って移動可能な伝動部材が設置され、前記駆動リンクの第1端が前記伝動部材にヒンジ結合され、第2端が前記フォークの第1端にヒンジ結合され、前記フォークの第2端が前記支持リンクの第1端にヒンジ結合され、前記支持リンクの第2端が前記第2側レールの底端にヒンジ結合され、または前記支持リンクの第2端が前記車本体にヒンジ結合され、前記伝動部材は前記レール内を移動して、前記駆動リンクの第1端を動かして前記レールに沿って移動させ、前記駆動リンクの第2端が前記フォークを押し、前記フォークが前記駆動リンクの押し及び前記支持リンクの支持により、前記車本体における高い位置から突き出て低い位置まで降下する、無人搬送車を提供する。
【0006】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記車本体は、シャシーと、前記シャシーに設置される荷台とを含み、前記レールは前記荷台の側部に設置され、前記第1側レールと前記第2側レールの底端は前記シャシーに設置され、前記頂部レールが前記荷台の側部に位置し、前記頂部レールの頂部が前記荷台の頂部より高く、前記伝動部材は前記レール内を移動し、前記駆動リンクの第1端を動かして前記レールに沿って移動させ、前記駆動リンクの第1端が前記第1側レールの底端から前記頂部レールの第2端へ移動すると、前記駆動リンクの第2端が前記フォークを押し、前記フォークの第1端が前記頂部レールの第1端から前記頂部レールの第2端へ運動し、前記フォークの第2端が前記車本体から突き出て、前記駆動リンクの第1端が前記頂部レールの第2端から前記第2側レールの底端へ移動すると、前記フォークは前記駆動リンクの押し及び前記支持リンクの支持により、前記車本体から突出するとともに高い位置から低い位置まで降下する。
【0007】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記支持リンクは、第1リンク、第2リンク及び第3リンクを含み、前記第1リンクの第1端が前記第2側レールの底端にヒンジ結合され、または前記第1リンクの第1端が前記車本体にヒンジ結合され、前記第1リンクの第2端が前記第2リンクの第1端にヒンジ結合され、前記第2リンクの第2端が前記フォークにヒンジ結合され、前記第3リンクの第1端が前記第1リンクに摺動可能に設置され、前記第3リンクの第2端が前記第2リンクにヒンジ結合する。
【0008】
本開示の実施例の一実施形態によれば,前記第2リンクは、第1サブリンク、第2サブリンク及び第3サブリンクを含み、前記第1サブリンクの第1端が前記第1リンクの第2端にヒンジ結合され、前記第1サブリンクの第2端が前記第2サブリンクの第1端にヒンジ結合され、前記第2サブリンクの第2端が前記第3サブリンクの第1端にヒンジ結合され、前記第3サブリンクの第2端が前記フォークにヒンジ結合され、前記第3リンクの第2端が前記第2サブリンクにヒンジ結合する。
【0009】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記第1リンクの第1端が前記第2側レールの底端にヒンジ結合される場合、前記第2側レールの底端と前記第1リンクの第1端との間に第4リンクがヒンジ結合され、または、前記第1リンクの第1端が前記車本体にヒンジ結合される場合、前記車本体と前記第1リンクの第1端との間に第4リンクがヒンジ結合され、前記第4リンクの長さが前記第1リンクの長さより小さい。
【0010】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記第2リンクの第2端と前記フォークとの間に第5リンクがヒンジ結合される。
【0011】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記第2リンクの第2端に第1ローラが設置され、前記第1ローラが前記頂部レールの上面に沿って転がることができる。
【0012】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記フォークの第1端及び前記駆動リンクの第2端の少なくとも1つに第2ローラが設置され、前記第2ローラが前記頂部レールの上面に沿って転がることができる。
【0013】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記伝動部材は、チェーンまたはタイミングベルトまたは鋼索を含み、前記駆動機構は駆動モータを含み、前記駆動モータが前記伝動部材に繋がる、または前記駆動モータが減速機構を介して前記伝動部材に繋がる。
【0014】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記レールはレール本体を含み、前記レール本体が、頂部レール本体と、前記頂部レール本体の両端にそれぞれ繋がる第1腰部レール本体及び第2腰部レール本体とを含み、前記レール本体の側部にレール溝が設置され、前記頂部レール本体のレール溝が前記頂部レールを形成し、前記第1腰部レール本体のレール溝が前記第1側レールを形成し、前記第2腰部レール本体のレール溝が前記第2側レールを形成する。
【0015】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記レールは底部レールをさらに含み、前記頂部レール、第1側レール、底部レール及び第2側レールが順に繋がって台形構造を形成する。
【0016】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記レールは、台形のレール本体を含み、前記レール本体の側部にレール溝が設置され、前記レール本体の頂部のレール溝が前記頂部レールを形成し、前記レール本体の第1腰部のレール溝が前記第1側レールを形成し、前記レール本体の底部のレール溝が前記底部レールを形成し、前記レール本体の第2腰部のレール溝が前記第2側レールを形成する。
【0017】
本開示の実施例の一実施形態によれば、前記駆動リンクの第2端に第1リミットブロックが設置され、前記フォークの第1端に第2リミットブロックが設置され、前記駆動リンクと前記フォークとのなす角度が所定角度になると、前記第1リミットブロックは前記第2リミットブロックに当接し、それにより前記駆動リンクと前記フォークとのなす角度が前記所定角度に保持され、前記所定角度の角度範囲が160度以上200度以下である。
【発明の効果】
【0018】
本開示の実施例に提供される無人搬送車は、駆動機構が伝動部材を駆動して伝動部材をレール内を移動させることにより、伝動部材が駆動リンクを動かしてレール内を移動させ、駆動リンクがフォークを押して、徐々に車本体から突き出して降下させる。本開示は1セットの動力源によって、フォークの水平伸縮運動及び鉛直昇降運動を円弧運動に合成して、動力源を減らして、動力コストを削減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の実施例及び関連技術の技術案をより明確に説明するために、以下の実施例及び関連技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、無論、以下に説明される図面は単に本開示の実施例の一部であり、当業者であれば、創造的な働きをせずに、これらの図面に基づいて他の実施例が得られることができる。
【0020】
図1図1は本開示の一実施例に係る無人搬送車の構成模式図である。
図2図2図1に示す無人搬送車におけるレール及びフォークの構成模式図である。
図3A図3Aは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3B図3Bは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3C図3Cは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3D図3Dは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3E図3Eは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3F図3Fは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3G図3Gは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図3H図3Hは、無人搬送車が稼働する際の状態図である。
図4A図4Aは、無人搬送車がパレットを搬送する状態図である。
図4B図4Bは、無人搬送車がパレットを搬送する状態図である。
図4C図4Cは、無人搬送車がパレットを搬送する状態図である。
図4D図4Dは、無人搬送車がパレットを搬送する状態図である。
図5図5は本開示の他の実施例に係る無人搬送車の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は図面を参照しながら本開示の実施例について詳しく説明する。
【0022】
無論、説明される実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な働きをせずに得られるすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0023】
図1及び図2に示すように、本開示の実施例に提供される無人搬送車は、車本体1、レール2、フォーク3、駆動リンク4、支持リンク5及び駆動機構6を含んでよい。
【0024】
レール2は車本体1に設置され、レール2は、頂部レール21、第1側レール22及び第2側レール23を含んでよく、第1側レール22の先端が頂部レール21の第1端に接続され、第2側レール23の先端が頂部レール21の第2端に接続され、第1側レール22と第2側レール23はそれぞれ反対方向に向けて下方へ傾斜する。
【0025】
レール2には、駆動機構6に繋がってレール2に沿って移動可能な伝動部材が設置され、駆動リンク4の第1端が伝動部材にヒンジ結合され、第2端がフォーク3の第1端にヒンジ結合され、フォーク3の第2端が支持リンク5の第1端にヒンジ結合され、支持リンク5の第2端が第2側レール23の底端にヒンジ結合され、または支持リンク5の第2端が車本体1にヒンジ結合される。
【0026】
図3A図3Hに示すように、伝動部材はレール2内を移動し、駆動リンク4の第1端を動かしてレール2に沿って移動させ、駆動リンク4の第2端がフォーク3を押し、フォーク3が駆動リンク4の押し及び支持リンク5の支持により、車本体1における高い位置から突き出て低い位置まで降下する。
【0027】
本開示のいくつかの実施例において、フォーク3の水平伸縮運動及び鉛直昇降運動を円弧運動に合成することで、1セットの動力源のみを使用しても、フォーク3が水平及び鉛直の2つの方向の動作を完成できる。関連技術におけるフォーク3はそれぞれ異なる動力源によって駆動されて水平運動及び鉛直運動を行うことに比べて、本実施例は、動力源を減らし、動力コストを削減するとともに、無人搬送車の構造をさらにコンパクトにして、取付スペースを節約し、稼働効率を向上する。
【0028】
図3Aに示すように、本開示のいくつかの実施例において、頂部レール21、第1側レール22及び第2側レール23が一体的な構造であり、第1側レール22と頂部レール21との間は弧状に形成され、頂部レール21と第2側レール23との間は弧状に形成される。このように、伝動部材はよりスムーズにレール2内を移動することができる。
【0029】
図1に示すように、本開示のいくつかの実施例において、車本体1は、シャシー11と、シャシー11に設置される荷台12とを含む。
【0030】
シャシー11と荷台12とは、間隔で分布される4つの接続柱を介して接続し、接続柱の底端がシャシー11に接続し、接続柱の先端が荷台12に接続する。いくつかの実施例において、接続柱の数は、実際に搬送しようとする積荷の重量や荷台12の支持強度などの要素によって決定されてよく、且つ、接続柱の代わりに接続ロッド、接続プレート等を使用してもよく、または、これらを組み合わせて使用してもよく、本実施例はこれらに限定されない。
【0031】
荷台12は支持プレート及び支持ロッドの少なくとも1つ等であってよく、本実施例はこれらに限定されない。本開示のいくつかの実施例において、荷台12として支持プレートを選択して利用することで、支持プレートと積荷との接続面積がより大きくなり、積荷をより安定に載置できる。実用する際に、積荷の重量、パレットの大きさ等の要素によって、積荷載置の安定性を確保するように適当に設定してよい。
【0032】
レール2は荷台12の側部に設置され、第1側レール22と第2側レール23の底端はシャシー11に設置され、頂部レール21が荷台12の側部に位置し、頂部レール21の頂部が荷台12の頂部より高い。
【0033】
図3A図3Hを参照して、伝動部材はレール2内を移動し、駆動リンク4の第1端を動かしてレール2に沿って移動させ、駆動リンク4の第1端が第1側レール22の底端から頂部レール21の第2端へ移動すると、駆動リンク4の第2端がフォーク3を押し、フォーク3の第1端が頂部レール21の第1端から頂部レール21の第2端へ移動し、フォーク3の第2端が車本体1から突き出て、
駆動リンク4の第1端が頂部レール21の第2端から第2側レール23の底端へ移動すると、フォーク3が駆動リンク4の押し及び支持リンク5の支持により、車本体1から突出するとともに高い位置から低い位置まで降下し、
フォーク3が車本体1から突き出て低い位置まで降下した後、無人搬送車は、フォーク3が積荷底部のパレットに挿入するように移動し、
伝動部材はレール2内を逆方向に移動し、駆動リンク4の第1端を動かしてレール2に沿って逆方向に移動させ、駆動リンク4の第1端が第2側レール23の底端から頂部レール21の第2端へ移動すると、フォーク3が駆動リンク4の押し及び支持リンク5の支持により、車本体1に近づく方向へ移動するとともに低い位置から高い位置まで上昇し、同時に、フォーク3が積荷を動かして、床面から高い位置まで持ち上げ、
駆動リンク4の第1端が頂部レール21の第2端から第1側レール22の底端へ移動すると、駆動リンク4はフォーク3を引っ張りして、フォーク3の第1端が頂部レール21の第2端から頂部レール21の第1端へ運動し、フォーク3が再び車本体1内に収納され、頂部レール21の側部に位置し、パレットがフォーク3と共に頂部レール21の第2端から頂部レール21の第1端へ運動し、車本体の上方に位置し、フォーク3が常に積荷を支持する役割を果たす。
【0034】
フォーク3の積荷に対する支持を軽減し、フォーク3に受ける圧力が大き過ぎて破損することを回避するために、荷台にローラを設置し、ローラと荷台との間に弾性部材を設置し、本実施例において、弾性部材としてバネを利用してよい。
【0035】
積荷が頂部レール21の第2端から頂部レール21の第1端へ運動する過程において、パレットの底部とローラとの接触を常に保持し、バネの存在によって、パレットが運動過程中にローラを押圧し、バネを圧縮し、パレット底部とローラとが接触する状態を保持するとともに、支持部が積荷に対して支持をサポートする役割を果たして、積荷のすべての重量をフォークに受けることによるフォークの激しい摩耗、ひいてはフォークの破壊を回避する。
【0036】
本開示のいくつかの実施例において、支持リンク5は、第1リンク51、第2リンク52及び第3リンク53を含み、第1リンク51の第1端が第2側レール23の底端にヒンジ結合され、または第1リンク51の第1端が車本体1にヒンジ結合され、第1リンク51の第2端が第2リンク52の第1端にヒンジ結合され、第2リンク52の第2端がフォーク3にヒンジ結合され、第3リンク53の第1端が第1リンク51に摺動可能に設置され、第3リンク53の第2端が第2リンク52にヒンジ結合される。
【0037】
フォーク3が徐々に車本体1から突出すると、第2リンク52がフォーク3の押しによって、車本体1から離れる且つ床面に近づく方向へ円弧運動し、第2リンク52の運動が第1リンク51を動かして車本体1から離れる方向へ運動させるとともに、第3リンク53の第1端が第1リンク51に沿って、第1リンク51の第1端から第2端へ摺動する。ここで、第1リンク51の第1端は第2側レールの底端にヒンジ結合される一端であり、第2端は第2リンクにヒンジ結合される一端である。
【0038】
本開示のいくつかの実施例において、第1リンク51の両側にそれぞれ第1リンク51の長さ方向に沿って伸びる長溝が設けられ、第3リンク53の第1端がピンロールを介して第1リンク51における長溝に合わせて、第3リンク53を長溝に沿って摺動可能にする。ここで、ピンロールの代わりに、ローラ、スライダー等を使用してよく、本実施例はこれらに限定されない。
【0039】
図3A図3Hに示すように、フォーク3をより安定に運動させるために、第2リンク52は、第1サブリンク521、第2サブリンク522及び第3サブリンク523を含む。第1サブリンク521の第1端が第1リンク51の第2端にヒンジ結合され、第1サブリンク521の第2端が第2サブリンク522の第1端にヒンジ結合され、第2サブリンク522の第2端が第3サブリンク523の第1端にヒンジ結合され、第3サブリンク523の第2端がフォーク3にヒンジ結合され、第3リンク53の第2端が第2サブリンク522にヒンジ結合される。
【0040】
サブリンクの数が多いほど、フォーク3の鉛直方向での揺れが小さく、フォーク3の運動が安定で、積荷がフォーク3から滑り落ちる恐れが低くなる。本実施例は、3リンク構造を採用し、実用する際に、実際状況によって積荷がフォーク3から滑り落ちないことを確保する上で、適当なサブリンクの数を選んでよい。
【0041】
本開示のいくつかの実施例において、第1サブリンク521の第2端に第3リミットブロックが設置され、第2サブリンク522の第1端に第4リミットブロックが設置され、第1サブリンク521と第2サブリンク522とのなす角度が第1角度になると、第3リミットブロックは第4リミットブロックに当接し、これにより第1サブリンクと第2サブリンクとのなす角度が第1角度に保持され、第1角度の角度範囲は150°~180°であり、好ましくは165°~180°である。
【0042】
第2サブリンク522の第2端に第5リミットブロックが設置され、第3サブリンク523の第1端に第6リミットブロックが設置され、第2サブリンク522と第3サブリンク523とのなす角度が第2角度になると、第5リミットブロックは第6リミットブロックに当接し、これにより第2サブリンクと第3サブリンクとのなす角が第2角度に保持され、第2角度の角度範囲は140°~180°であり、好ましくは150°~180°である。
【0043】
第1角度と第2角度の角度範囲を限定することで、各サブリンク間の安定な接続を確保でき、移動過程中にフォーク3が水平に近い状態をより確保でき、フォーク3の移動過程中の安定性がよりよくなる。
【0044】
図3Eに示すように、本開示のいくつかの実施例において、第1リンク51と第2側レール23との間または第1リンク51と車本体1との間は第4リンク7を介してヒンジ結合されてもよく、具体的に、第1リンク51と第2側レール23との間が第4リンク7を介してヒンジ結合される場合、第2側レール23の底端と第1リンク51の第1端との間に第4リンク7がヒンジ結合され、第1リンク51と車本体1との間が第4リンク7を介してヒンジ結合される場合、車本体1と第1リンク51の第1端との間に第4リンク7がヒンジ結合され、第4リンク7の長さが第1リンク51の長さより小さい。
【0045】
第4リンク7を設置し、その長さを第1リンク51の長さより小さくすることで、フォーク3が支持リンク5を動かして回転させ、支持リンク5が第4リンク7を動かして第2側レール23から離れるかつ床面に近づく方向へ回転させると、第4リンク7は迅速に回転して、床面または車本体1に当接することができ、支持リンク5のフォーク3に対す支持をより安定にする。
【0046】
本開示のいくつかの実施例において、第4リンク7の第2端に第7リミットブロックが設置され、第1リンク51の第1端に第8リミットブロックが設置され、第4リンク7と第1リンク51とのなす角度が第3角度になると、第7リミットブロックは第8リミットブロックに当接し、これにより第4リンクと第1リンクとのなす角が第3角度に保持され、第3角度の範囲は150°~180°である。
【0047】
第3角度の角度範囲を限定することで、第4リンク7と第1リンク51との安定な接続を確保できるとともに、移動過程中にフォーク3を水平に近い状態をより確保でき、フォーク3の移動過程中の安定性がよりよくなる。
【0048】
本開示のいくつかの実施例において、第4リンク7が第1リンク51と第2側レール23の底端との間にヒンジ結合されると、第2側レール23の底端に2つの対向するリブプレート231が設置され、2つのリブプレート231の間に一定のスペースが形成され、第4リンク7の第1端が2つのリブプレート231の間に挿入されてヒンジ結合される。
【0049】
設置される2つのリブプレート231により、レール2と車本体1との安定性を向上するとともに、リブプレート231の存在によって、第4リンク7と第2側レール23との接続がより便利になり、レール2に対して一定のスペースを提供し、伝動部材がスムーズにレール2内を移動する。
【0050】
図3Eに示すように、本開示のいくつかの実施例において、第2リンク52の第2端とフォーク3とは第5リンク8を介してヒンジ結合されてもよく、第5リンク8の一端が第2リンク52にヒンジ結合され、他の一端がフォークにヒンジ結合される。
【0051】
設置される第5リンク8により、フォーク3が支持リンク5を動かして回転させる際に、まず、第5リンク8を動かして回転させ、そして、第5リンク8が支持リンク5を動かして回転させ、第5リンク8の長さができるだけ短くてよい。これにより、フォーク3は支持リンク5を動かして回転させる際に、より小さい力で行うことができる。
【0052】
図2に示すように、本開示のいくつかの実施例において、レール2はレール本体を含み、レール本体が、頂部レール本体と、頂部レール本体の両端にそれぞれ繋がる第1腰部レール本体及び第2腰部レール本体とを含み、
レール本体の側部にレール溝が設置され、頂部レール本体のレール溝が頂部レール21を形成し、第1腰部レール本体のレール溝が第1側レール22を形成し、第2腰部レール本体のレール溝が第2側レール23を形成する。
【0053】
第1腰部レール本体、頂部レール本体及び第2腰部レール本体は一体成形構造であり、第1腰部レール本体と頂部レール本体との接続箇所は弧状に形成され、頂部レール本体と第2腰部レールとの接続箇所は弧状に形成される。このように、レール溝のカーブ箇所がよりスムーズになり、伝動部材はよりスムーズにレール溝内を移動することになり、これによって、フォークの運動の安定性を向上する。
【0054】
他の実施形態において、レール2は底部レール24をさらに含み、頂部レール21、第1側レール22、底部レール24及び第2側レール23が順に繋がって台形構造を形成する。
【0055】
レール2は、台形のレール本体を含み、レール本体の側部にレール溝が設置され、レール本体の頂部のレール溝が頂部レール21を形成し、レール本体の第1腰部のレール溝が第1側レール22を形成し、レール本体の底部のレール溝が底部レール24を形成し、レール本体の第2腰部のレール溝が第2側レール23を形成する。
【0056】
伝動部材は、第1側レール22、頂部レール21、第2側レール23、底部レール24に沿って移動可能であり、伝動部材の運動範囲がより広く、より安定に移動できる。
【0057】
フォーク3を外に向けて車本体1からより安定に突出させるために、第2リンク52の第2端に第1ローラが設置され、第1ローラが頂部レール本体の上面に沿って転がることができる。
【0058】
フォーク3が頂部レール21の第1端から第2端へ運動すると、第1ローラは常に頂部レール本体の上面に当接し、フォーク3と第5リンク8との結合点が頂部レール本体から離脱する箇所まで移動すると、第1ローラも頂部レール本体から離脱し、頂部レール本体の上面に抵接しない。
【0059】
第1ローラは、フォーク3に一定の支持を提供してフォーク3をより安定に運動させるのみならず、フォーク3が積荷を持ちながら車本体1に引き込むと、積荷の重量は、第1ローラによって頂部レール21に加えて、頂部レール21が積荷に対して一定の支持の役割を果たして、積荷のすべての重量をフォーク3に受けることによって、フォーク3に摩耗を招き、使用期間が短縮することを回避する。
【0060】
本開示のいくつかの実施例において、フォーク3の第1端及び駆動リンク4の第2端の少なくとも1つに第2ローラが設置され、第2ローラが頂部レール本体の上面に沿って転がることができる。
【0061】
フォーク3が頂部レール21の第1端から第2端へ運動すると、第2ローラが常に頂部レール本体の上面に当接し、フォーク3の第1端が完全に頂部レール本体の側部から突出すると、第2ローラも頂部レール本体から離脱し、頂部レール本体の上面に抵接しない。
【0062】
フォーク3の第1端が頂部レール21に沿って運動すると、第2ローラがフォーク3に対して支持の役割を果たし、フォーク3の運動の安定性をさらに向上するとともに、レール2に一定の積荷の重量を受けさせて、積荷のすべての重量がフォーク3に加えることを回避し、フォーク3に対する摩耗を減らすことができる。
【0063】
本開示のいくつかの実施例において、伝動部材は、チェーンまたはタイミングベルトまたは鋼索を含むが、チェーン、タイミングベルト、鋼索に限らなく、本実施例はこれらに限定されない。
【0064】
本開示のいくつかの実施例において、第1側レールと頂部レールとの接続箇所及び頂部レールと第2側レールとの接続箇所にガイドホイールが配置され、伝動部材がガイドホイールに巻設され、ガイドホイールが伝動部材の運動に対して一定のガイドの役割を果たして、伝動部材を指定された方向に従って運転させる。
【0065】
他の実施形態において、第1側レールと底部レールとの接続箇所及び第2側レールと底部レールとの接続箇所にもガイドホイールが接続され、伝動部材がガイドホイールに巻設され、ガイドホイールが伝動部材の運転に対して一定のガイドの役割を果たす。
【0066】
さらに他の実施例において、第1側レール、頂部レール、第2側レール及び底部レールにテンションプーリをさらに間隔で設置し、テンションプーリは伝動部材のテンション程度を調整し、伝動部材をよりスムーズに移動させ、さらにフォークを運動過程中により安定にする。
【0067】
駆動機構6は駆動モータを含み、駆動モータが同期モータを採用すると、駆動モータの出力軸に駆動輪が接続され、駆動輪が伝動部材に接続されて、伝動部材を動かして移動させ、
駆動モータが三相非同期モータを採用すると、駆動モータは減速機構を介して伝動部材に接続される。ここで、減速機構として、減速器を選択して利用してよい。
【0068】
減速器は、減速機とも呼ばれ、剛直な筐体に密封されるギアによる伝動、ウォームによる伝動、ギア―ウォームによる伝動からなる独立した部材であり、一般的に原動機と作業機との間における減速伝動装置として用いられ、原動機と作業機又はアクチュエータとの間に回転数のマッチング及びトルクの伝達の役割を果たす。
【0069】
減速器の出力軸に駆動輪が接続され、駆動輪が伝動部材に接続されて、伝動部材を動かして移動させる。
【0070】
本開示のいくつかの実施例において、駆動リンク4の第2端に第1リミットブロックが設置され、フォーク3の第1端に第2リミットブロックが設置され、駆動リンク4とフォーク3とのなす角度が所定角度になると、第1リミットブロックは第2リミットブロックに当接し、これにより駆動リンク4とフォーク3とのなす角度が所定角度に保持され、所定角度の角度範囲が160度以上200度以下である。
【0071】
駆動リンク4の第1端がレール内の伝動部材にヒンジ結合され、伝動部材がレール2内を移動すると、駆動リンク4の第1端を動かしてレール2に沿って移動させ、駆動リンク4の第2端がフォーク3を押して移動させ、駆動リンク4がフォーク3を押して移動させると、駆動リンク4とフォーク3とのなす角度は徐々に増大する。フォーク3が積荷を搬送する際に積荷がフォーク3から滑り落ちないことを確保するために、駆動リンク4の第2端に第1リミットブロックが設置され、フォーク3の第1端に第2リミットブロックが設置され、第1リミットブロックが第2リミットブロックに当接すると、駆動リンク4とフォーク3とのなす角度が160度から200度までに保持されることにより、積荷が摺動しない。ここで、駆動リンク4とフォーク3とのなす角度は180度であることが好ましい。これは、駆動リンク4とフォーク3とは完全に同一平面にあると、積荷のフォーク3での載置は最も安定になるためである。本実施例は角度を限定しなく、実際状況によって、積荷が滑り落ちないことを確保する上で、適当な角度範囲を選べばよい。
【0072】
本開示のいくつかの実施例において、フォーク3の底部に支持ホイールが設置される。フォーク3が車本体1から突き出て高い位置から低い位置まで降下した後、支持ホイールが床面に当接し、フォーク3に対して支持の役割を果たし、無人搬送車が移動すると、支持ホイールが床面に転がりながらフォーク3を支持し、無人搬送車がよりスムーズに移動することができる。
【0073】
図1に示すように、本開示のいくつかの実施例において、車本体1は走行アセンブリをさらに含み、走行アセンブリは第1ユニバーサルホイール91及び第1差動ホイール92を含み、第1差動ホイール92がシャシー11の第1端に設置され、第1ユニバーサルホイール91がシャシー11の第2端に設置される。
【0074】
或いは、図5に示すように、走行アセンブリは、第2ユニバーサルホイール93、第2差動ホイール94及び第3ユニバーサルホイール95を含み、第2ユニバーサルホイール93がシャシー11の第1端に設置され、第3ユニバーサルホイール95がシャシー11の第2端に設置され、第2差動ホイール94がシャシー11に設置され、第2ユニバーサルホイール93と第3ユニバーサルホイール95との間に位置する。
【0075】
本開示のいくつかの実施例において、無人搬送車は、第1側無人搬送車及び第2側無人搬送車を含み、第1側無人搬送車と第2側無人搬送車は、平行して間隔で分布され、接続部材を介して一体に接続される。この場合、駆動モータは二軸モータを使用してよい。
【0076】
設置される第1側無人搬送車及び第2側無人搬送車により、荷台12により大きい積荷を載置でき、より安定になる。搬送しようとする積荷の下のパレットが小さいと、一方側のフォーク3を使用して、積荷を搬送して、フォーク3に最も近い荷台12に載置することができる。搬送しようとする積荷の下のパレットが大きいと、両側のフォーク3を合わせて使用して、パレットを両側の荷台12に搬送することができる。この設計はより多くのサイズが異なる積荷に適用し、実用性が高い。
【0077】
本開示のいくつかの実施例において、第1側無人搬送車における第1ユニバーサルホイール91と第2側無人搬送車における第1ユニバーサルホイール91とは対角線を呈して分布され、第1無人搬送車における第1差動ホイール92と第2側無人搬送車における第1差動ホイール92とは対角線を呈して分布される。このように、無人搬送車がカーブすると、各側の速度をよりよく制御でき、より安定にカーブすることができる。
【0078】
本開示のいくつかの実施例において、一方側の第1ユニバーサルホイール91及び第1差動ホイール92にフロートバネが設置され、フロートバネが一定のダンピングの役割を果たして、無人搬送車をある程度不良な路面をスムーズに通過することを確保できる。例えば、凹凸路面、うねり路面等の平地ではない路面である。
【0079】
さらに他の実施例において、両側の第2差動ホイール94にフロートバネを設置することで、無人搬送車をある程度不良な路面をスムーズに通過することを確保できる。例えば、凹凸路面、うねり路面等の平地ではない路面である。
【0080】
図3A~3H及び図4A~4Dに示すように、本実施例に提供される無人搬送車の動作過程は以下の通りである。初期状態(駆動リンク4、フォーク3及び支持リンク5がいずれも移動及び展開しない状態は初期状態である)で、走行アセンブリが動作して、無人搬送車をパレットに走行し、ある程度の安全距離を残して移動を停止させ、安全距離はフォーク3が水平方向に伸びる最大行程より大きく、
駆動モータが順方向で動作し、駆動輪が順方向で回転し、伝動部材を動かしてレール2内に順方向で伝動させ(順方向とは、駆動リンク4の第1端が第1側レール22の第1端から第2側レール23の第2端へ移動することにする方向を指す)、伝動部材の運動が駆動リンク4の第1端を動かして順方向に移動させ、駆動リンク4の第2端がフォーク3の第1端を押し、フォーク3が駆動リンク4の押し及び支持リンク5の支持により順方向に移動し、
駆動リンク4の第1端が第1側レール22の底端から頂部レール21の第2端まで移動する過程に、フォーク3は常に水平に近い状態で車本体1外へ移動し、支持リンク5がフォーク3に動かされ、巻き上げた状態から徐々に伸びた状態まで回転させ、
駆動リンク4の第1端が頂部レール21の第2端から第2側レール23の底端まで移動する過程に、フォーク3が外に向けて車本体1から突き出つづくと共に降下して、支持リンク5がフォーク3に動かされ、伸び続いて床面に近づき、
駆動リンク4の第1端が第2側レール23の底端まで移動すると、フォーク3底部の支持ホイールが床面に支持され、支持リンク5が完全に床面までに伸び、
走行アセンブリが動作し続き、無人搬送車は、フォーク3がパレット底部に完全に挿入するまでパレットへ走行し続き、
駆動モータが逆方向で動作し、駆動輪が逆方向で回転し、伝動部材を動かしてレール2に逆方向で伝動させ、伝動部材の運動が駆動リンク4の第1端を動かして逆方向に移動させ、駆動リンク4の第2端がフォーク3の第1端を引張し、フォーク3が駆動リンク4の引張及び支持リンク5の支持により逆方向に移動し、
駆動リンク4の第1端が第2側レール23の底端から頂部レール21の第2端まで移動する過程に、フォーク3が車本体1外に近づく方向へ引き込むとともに、上昇運動を行い、支持リンク5がフォーク3に動かされ徐々に巻き返し床面から離れ、
駆動リンク4の第1端が頂部レール21の第2端から第1側レール22の底端まで移動する過程に、フォーク3が常に水平に近い状態で車本体1内へ移動し、支持リンク5がフォーク3に動かされ、巻き返し続き、
駆動リンク4の第1端が第1側レール22の底端まで移動すると、フォーク3は車本体1までの引き込みを完了する。この時、パレットが荷台12に載置され、走行アセンブリが動作し、パレットを予定の位置まで搬送する。
【0081】
搬送の過程において、パレットが完全に荷台12によって支持され、つまり、車本体1によって支持される。これにより、フォーク3に対する摩耗を減らし、設計開発及び製造コストを節約できる。
【0082】
本実施例に提供される無人搬送車は、1セットの動力源によって積荷の搬送を完了でき、動力源を減らし、製造コストを削減し、無人搬送車の構造をよりコンパクトにして、取付スペースを節約する。フォーク3の水平伸縮運動及び鉛直昇降運動を円弧運動に合成する。関連技術における水平運動及び鉛直運動を順次に完了するしかないことに比べて、本実施例における円弧運動は、搬送効率をより高くする。
【0083】
なお、本文において、各実施例間に説明された案の重点は異なるが、各実施例にはまた何らかの相互関連関係があり、本開示を理解する際には、各実施形態間で相互参照が可能である。なお、「第1」と「第2」等の関係用語は1つのエンティティまたは操作を他のエンティティまたは操作と区別することのみに用いられ、これらのエンティティまたは操作の間にこのような実際な関係または順序がいずれかあることを、要求または示唆するものではない。また、用語「含まれる」、「含む」または他のいずれかの変形は非排他的な「含む」を意味する。従って、一連の要素を含む流れ、方法、製品或いはデバイスは、それらの要素のみを含むものではなく、さらに明確に挙げていない他の要素も含み、または、さらにこのような流れ、方法、製品或いはデバイスに固有する要素も含む。これ以上の制限がない場合、「1つの...を含む」という記述によって限定した要素は、記載した要素を含む流れ、方法、製品、またはデバイスに、他の同一の要素があることを排除しない。
【0084】
以上は、本開示の発明を実施するための形態に過ぎず、本開示の保護範囲がこれらに限らなく、当業者が本開示に説明した技術範囲内に、容易に想到できる変化または置換は、何れも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。このため、本開示の保護範囲は請求項の保護範囲を基準とする。
【0085】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年1月22日に中国国家知的財産権局に出願した、出願番号が202110093033.5であり、発明名称が「無人搬送車」である中国特許出願に基づき優先権を主張する。ここで、その全ての内容は、援用により本出願に組み込まれる。
【符号の説明】
【0086】
1:車本体、11:シャシー、12:荷台、
2:レール、21:頂部レール、22:第1側レール、23:第2側レール、231:リブプレート、24:底部レール、
3:フォーク、4:駆動リンク、
5:支持リンク、51:第1リンク、52:第2リンク、521:第1サブリンク、522:第2サブリンク、523:第3サブリンク、53:第3リンク、
6:駆動機構、7:第4リンク、8:第5リンク、
91:第1ユニバーサルホイール、92:第1差動ホイール、93:第2ユニバーサルホイール、94:第2差動ホイール、95:第3ユニバーサルホイール。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
【国際調査報告】