(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】試料試験を自動化するシステム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/00 20060101AFI20240124BHJP
G01N 3/08 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
G01N3/00 Q
G01N3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544300
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 US2022013274
(87)【国際公開番号】W WO2022159676
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン リディック
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュイナード
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン サレム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ハインズ
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA01
2G061AA02
2G061AB01
2G061CB09
2G061CB18
2G061DA01
2G061EA01
2G061EB05
(57)【要約】
残留シール力(RSF)試験及び/又は圧縮摩擦(CF)測定試験等の試料試験を行う試験システム100が記載される。試験システムは、ベース構造体104によって支持されるコラム114と、このコラムによって支持されるロードセル106と、複数の試料112を受け取るように構成される試料プレート110aと、モーター204と、コントローラー150とを備える。ロードセルは、アクチュエータ156に結合されるクロスヘッド108を介して、コラムに沿ってベース構造体に向かって及びベース構造体から離れるように移動するように構成される。複数の試料は、第1の試料及び第2の試料を含む。コントローラーは、上記試料プレートの位置を調整するようにモーターを制御するように構成される。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化試料試験を行う試験システムであって、
ベース構造体によって支持されるコラムと、
前記コラムによって支持されるロードセルであって、該ロードセルは、第1のアクチュエータに結合されるクロスヘッドを介して、前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって及び前記ベース構造体から離れるように移動するように構成される、ロードセルと、
複数の試料を受け取るように構成される試料プレートであって、前記複数の試料は、第1の試料及び第2の試料を含む、試料プレートと、
前記試料プレートの位置を調整するように構成される第2のアクチュエータと、
前記ロードセル、前記第1のアクチュエータ、及び前記第2のアクチュエータのそれぞれに動作可能に結合されるコントローラーと、
を備え、前記コントローラーは、
前記第1の試料を前記試験システムの試験位置に位置付ける第1の位置に前記試料プレートを位置決めすることと、
前記第1のアクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって前進させて、前記第1の試料を圧縮することと、
前記ロードセルに動作可能に結合されるプロセッサを介して、前記第1の試料の残留シール力を求めることと、
前記第1のアクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体から離れるように後退させることと、
前記第2のアクチュエータを介して、前記第2の試料を前記試験位置に位置付ける第2の位置に前記試料プレートを位置決めすることと、
前記第1のアクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって前進させて、前記第2の試料を圧縮することと、
前記ロードセルに動作可能に結合される前記プロセッサを介して、前記第2の試料の残留シール力を求めることと、
を行うように構成される、試験システム。
【請求項2】
前記第1のアクチュエータは、ボールねじを駆動するように構成される、請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記第2のアクチュエータは、ステッパーモーターである、請求項1に記載の試験システム。
【請求項4】
前記第2のアクチュエータは、駆動プーリーを介して回転プラテン組立体を駆動するように構成される電気モーターである、請求項1に記載の試験システム。
【請求項5】
前記回転プラテン組立体は、前記試料プレートを支持するように構成されるベースプレートを備え、前記ベースプレートは、前記駆動プーリーに駆動結合される被動プーリーを備え、前記電気モーターは、回転軸の周りに前記ベースプレートを回転させるように構成される、請求項4に記載の試験システム。
【請求項6】
自動化試料試験を行う試験システムであって、
ベース構造体によって支持されるコラムと、
前記コラムによって支持されるロードセルであって、該ロードセルは、アクチュエータに結合されるクロスヘッドを介して、前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって及び前記ベース構造体から離れるように移動するように構成される、ロードセルと、
前記ベース構造体によって支持され、試料プレートを支持するように構成されるベースプレートであって、前記試料プレートは、複数のステーションを備え、前記複数のステーションのそれぞれは、試料を受け取るように構成される、ベースプレートと、
被動プーリーに駆動結合される駆動プーリーに回転力を出力するように構成される電気モーターであって、前記被動プーリーは、回転軸の周りに前記ベースプレートを回転させるように構成される、電気モーターと、
前記ロードセル、前記アクチュエータ、及び前記電気モーターのそれぞれに動作可能に結合されるコントローラーと、
を備え、前記コントローラーは、
前記電気モーターを介して、第1の試料を試験位置に位置付ける第1の回転位置に前記ベースプレートを回転させることと、
前記アクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって前進させて、前記第1の試料を圧縮することと、
前記ロードセルに動作可能に結合されるプロセッサを介して、前記第1の試料の残留シール力を求めることと、
前記アクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体から離れるように後退させることと、
前記電気モーターを介して、第2の試料を前記試験位置に位置付ける第2の回転位置に前記ベースプレートを回転させることと、
前記ロードセルに動作可能に結合される前記プロセッサを介して、前記第2の試料の残留シール力を求めることと、
を行うように構成される、試験システム。
【請求項7】
前記電気モーター、前記被動プーリー、及び前記駆動プーリーは、取付けプレートによって互いに対して適所に固定される、請求項6に記載の試験システム。
【請求項8】
前記被動プーリーは、1つ以上の玉軸受を介して前記取付けプレートに取り付けられる、請求項7に記載の試験システム。
【請求項9】
前記1つ以上の玉軸受は、前記取付けプレート上に又は前記取付けプレート内に形成される凹部内に位置決めされる、請求項8に記載の試験システム。
【請求項10】
前記回転軸の周りの前記ベースプレート又は前記試料プレートの回転位置を決定するように構成される位置センサーを更に備える、請求項6に記載の試験システム。
【請求項11】
前記位置センサーは、モーターエンコーダー、ホール効果センサー、レゾルバー、又はロータリーポテンショメーターのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の試験システム。
【請求項12】
前記電気モーターは、ステッパーモーターである、請求項6に記載の試験システム。
【請求項13】
前記試料プレートは、1つ以上のダウエルを介して前記ベースプレートに取外し可能に結合される、請求項6に記載の試験システム。
【請求項14】
前記被動プーリーは、ベルトを介して前記駆動プーリーに駆動結合される、請求項6に記載の試験システム。
【請求項15】
前記駆動プーリー及び前記被動プーリーのそれぞれは、タイミングプーリーである、請求項14に記載の試験システム。
【請求項16】
前記ベルトは、歯付ベルトである、請求項14に記載の試験システム。
【請求項17】
前記位置センサーからのセンサー読取り値に基づいて所望の回転位置に前記ベースプレートを回転させるように構成されるコントローラーを更に備える、請求項10に記載の試験システム。
【請求項18】
前記所望の回転位置は、ホーム位置である、請求項17に記載の試験システム。
【請求項19】
前記コントローラーは、自動化残留シール力(RSF)又は圧縮摩擦(CF)試験の一部として、前記複数のステーションのそれぞれを通して、前記電気モーターを介して前記ベースプレートを回転させるように構成される、請求項17に記載の試験システム。
【請求項20】
前記コントローラーは、前記複数のステーションのそれぞれを順番に通して、前記ベースプレートを回転させるように構成される、請求項19に記載の試験システム。
【請求項21】
前記ベース構造体は、前記ベース構造体への液体浸透を軽減するために、前記1つ以上の玉軸受に隣接する又はその周りの溶接リングを備える、請求項8に記載の試験システム。
【請求項22】
試料試験中に試験システムとともに使用される回転プラテン組立体であって、
駆動プーリーを介して回転力を出力するように構成される電気モーターと、
複数のステーションを備える試料プレートであって、前記複数のステーションのそれぞれは、試料を受け取るように構成される、試料プレートと、
前記試料プレートを支持するように構成されるベースプレートであって、該ベースプレートは、前記駆動プーリーに駆動結合される被動プーリーを備える、ベースプレートと、
を備え、
前記電気モーターは、回転軸の周りに前記ベースプレートを回転させるように構成される、回転プラテン組立体。
【請求項23】
前記電気モーター、前記被動プーリー、及び前記駆動プーリーは、取付けプレートによって互いに対して適所に固定される、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項24】
前記被動プーリーは、1つ以上の玉軸受を介して前記取付けプレートに取り付けられる、請求項23に記載の回転プラテン組立体。
【請求項25】
前記1つ以上の玉軸受は、前記取付けプレート上に又は前記取付けプレート内に形成される凹部内に位置決めされる、請求項24に記載の回転プラテン組立体。
【請求項26】
前記回転軸の周りの前記ベースプレートの回転位置を決定するように構成される位置センサーを更に備える、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項27】
前記位置センサーは、モーターエンコーダー、ホール効果センサー、レゾルバー、又はロータリーポテンショメーターのうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載の回転プラテン組立体。
【請求項28】
前記電気モーターは、ステッパーモーターである、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項29】
前記複数のステーションは、12個のステーションを含む、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項30】
前記試料プレートは、1つ以上のダウエルを介して前記ベースプレートに取外し可能に結合される、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項31】
前記被動プーリーは、ベルトを介して前記駆動プーリーに駆動結合される、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項32】
駆動プーリー及び前記被動プーリーのそれぞれは、タイミングプーリーである、請求項31に記載の回転プラテン組立体。
【請求項33】
前記ベルトは、歯付ベルトである、請求項31に記載の回転プラテン組立体。
【請求項34】
前記試料プレートは、金属プレートである、請求項22に記載の回転プラテン組立体。
【請求項35】
前記複数のステーションのそれぞれは、前記金属プレートに穴あけ加工される、請求項34に記載の回転プラテン組立体。
【請求項36】
前記ベースプレート及び前記被動プーリーは、一体構造として製造される、請求項35に記載の回転プラテン組立体。
【請求項37】
前記ベースプレート及び前記被動プーリーは、別個の構造である、請求項33に記載の回転プラテン組立体。
【請求項38】
クロスヘッドを介して、コラムに沿ってベース構造体に向かって及び前記ベース構造体から離れるように移動するように構成されるロードセルを有する試験システムにおいて自動化試料試験を行う方法であって、
複数の試料を試料プレートに装着することであって、前記複数の試料は、第1の試料及び第2の試料を含むことと、
前記第1の試料を前記試験システムの試験位置に位置付ける第1の位置に前記試料プレートを位置決めすることと、
第1のアクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって前進させて、前記第1の試料を圧縮することと、
前記ロードセルに動作可能に結合されるプロセッサを介して、前記第1の試料の残留シール力を求めることと、
前記第1のアクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体から離れるように後退させることと、
第2のアクチュエータを介して、前記第2の試料を前記試験位置に位置付ける第2の位置に前記試料プレートを位置決めすることと、
前記第1のアクチュエータを介して、前記クロスヘッドを前記コラムに沿って前記ベース構造体に向かって前進させて、前記第2の試料を圧縮することと、
前記ロードセルに動作可能に結合される前記プロセッサを介して、前記第2の試料の残留シール力を求めることと、
を含む、方法。
【請求項39】
前記第1のアクチュエータは、ボールねじ(154)を駆動するように構成される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2のアクチュエータは、ステッパーモーターである、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のアクチュエータは、駆動プーリーを介して回転プラテン組立体を駆動するように構成される電気モーターである、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記回転プラテン組立体は、
複数のステーションを画定する試料プレートであって、前記複数のステーションのそれぞれは、前記複数の試料のうちの1つを受け取るように構成される、試料プレートと、
前記試料プレートを支持するように構成されるベースプレートと、
を備え、
前記ベースプレートは、前記駆動プーリーに駆動結合される被動プーリーを備え、
前記電気モーターは、回転軸の周りに前記ベースプレートを回転させるように構成される、請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「System, Method, And Apparatus For Automating Specimen Testing」という名称の2021年1月21日に出願された米国仮特許出願第63/140,069号、及び、「System, Method, And Apparatus For Automating Specimen Testing」という名称の2022年1月19日に出願された米国特許出願第17/578,821号に対する利益及び優先権を主張するものであり、これらの内容は全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、試料試験に関し、より詳細には、残留シール力試験及び/又は圧縮摩擦測定試験を自動化するシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
20世紀初頭から、エラストマー栓、及びいくつかの場合には圧着キャップを有する容器(例えば、カートリッジ、ボトル、バイアル等)は、非経口(すなわち、注入可能)薬剤用の一次包装システムであり続けている。そのような容器パッケージシステム内に収容される非経口製品は、汚染及び製品漏れを防止するために、ガラス容器とエラストマーストッパーとの間の境界面に強固なシールを必要とする。シールは製造プロセスにおいて確立されるが、使用前の多様な取扱い、加工、及び保管の条件に耐えなければならない。
【0004】
いくつかの例において、容器シールは、3つの主要構成要素、すなわち、ガラス容器と、エラストマー栓(例えば、ゴムストッパー)と、アルミニウムキャップ等の、ゴムストッパーを容器内に固定するキャップとから構成される。金属キャップが使用される場合、典型的にはアルミニウム又はアルミニウム合金であるキャップを、容器及びエラストマー栓の十分な嵌合を確実にする圧縮力によって塞がれる容器へと圧着しなければならない。他の例において、キャップは他の試験については取り外される。容器シールに影響する栓変数としては、寸法特性及び公差が、弾性率、硬度、及び圧縮歪みを含めた栓構成要素の機械特性とともに挙げられる。
【0005】
非経口容器の製造者は、初期シールが形成された後は製品の貯蔵寿命が尽きるまで容器に対して栓が及ぼす力を測定する定量法を採用する必要がある。金属キャップを使用する栓の場合、この力は、残留シール力(「RSF:residual seal force」)試験を使用して測定され、一方、圧縮摩擦(「CF:compression friction」)測定試験は、プランジャーを使用してシールされたガラス容器を評価するために使用される。CF測定試験は、滑動試験(glide test)と呼ばれることもある。既存のRSFテスター及びCFテスターはRSF及びCFを測定することができるものの、そのような試験は、時間がかかり、面倒で、労働集約的であり得る。したがって、RSF及び/又はCF試験用のより正確な、より耐性のある、及び/又は自動化されたシステム、方法、及び装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
試験用のシステム、方法、及び装置が、実質的に図面のうちの少なくとも1つによって示され、図面のうちの少なくとも1つに関連して記載されるように、開示される。より詳細には、容器、特に非経口医薬品の容器の残留シール力及び/又は圧縮摩擦測定値を求めるシステム、方法、及び装置が開示される。
【0007】
本明細書に記載の装置、システム、及び方法の上記の目的、特徴、及び利点並びに他の目的、特徴、及び利点は、同様又は類似の参照符号が同様又は類似の構造を参照する添付の図面に示される特定の実施形態についての以下の説明から明らかとなるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本明細書に記載の装置、システム、及び方法の原理を示すことに力点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1a】本開示の態様に係る一例示の試験システムの斜視図である。
【
図1b】負荷ストリングをよりよく示すために一部を除外した、
図1aの例示の試験システムの斜視図である。
【
図2a】本開示の態様に係る試験システムの一例示の回転プラテン組立体の拡大斜視図である。
【
図2b】回転プラテン組立体の構成要素をよりよく示すために例示の回転プラテン組立体を試験システムから取り外した斜視図である。
【
図2c】
図2bの断面B-Bに沿った第2の例示の回転プラテン組立体の平面断面図である。
【
図2d】試験システムの例示の回転プラテン組立体の上面図である。
【
図2e】
図2aの断面C-Cに沿った例示の回転プラテン組立体の上面断面図である。
【
図3】例示の試験システムを動作させる一例示の方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
単数のものとして参照される項目については、別様に明示的に言及されている場合又は記載から明確である場合でない限り、その項目が複数である場合も含まれるとともにその逆もまた同じであることを理解すべきである。文法上の接続については、別様に言及されている場合又は文脈から明確である場合でない限り、結合された句、文、及び単語等の任意及び全ての離接的及び接続的な組合せを表すことを意図している。本明細書中の値の範囲の列挙は、限定を意図したものではなく、本明細書中で別様に示されない限り、その範囲内に入る任意及び全ての値を個別に参照するものであり、このような範囲内に入る各別個の値は、本明細書中に個別に列挙されているかのように明細書に組み込まれる。以下の説明において、「第1の」、「第2の」、「頂」、「底」、「側」、「前」、「後」等の用語は、便宜上の単語であり、限定的な用語として解釈されないことが理解される。例えば、いくつかの例では第1の側が第2の側に隣接又は近接して位置する一方、「第1の側」及び「第2の側」という用語は、側が順序付けされた任意の特定の順序を暗に示すものではない。
【0010】
本明細書において使用される場合、「約(about)」、「略(approximately)」、「実質的に(substantially)」等の用語は、数値が伴う場合、意図した目的のために十分に機能するものとして当業者であれば理解するであろう偏差を示すものとして解釈される。値の範囲及び/又は数値は、本明細書においては例としてのみ提供され、記載の実施形態の範囲に対する限定をなすものではない。本明細書において提供される任意及び全ての例、又は例示的な言葉(「例えば(e.g.,)」「等(such as)」等)の使用は、単に実施形態をより良好に強調することを意図したものであり、実施形態の範囲に対する限定を課すものではない。「例えば("e.g.," and "for example")」という用語は、1つ以上の非限定的な例、具体例、又は実例の列挙の始まりとなるものである。明細書中の言葉は、実施形態の実施に必要不可欠な任意の非請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。
【0012】
本明細書において使用される場合、「回路」又は「回路部」は、任意のアナログ及び/又はデジタルコンポーネント、電力及び/又は制御要素、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ソフトウェア等、別個の及び/又は統合されたコンポーネント、又はこれらの部分及び/又は組合せを含む。
【0013】
本明細書において使用される場合、本明細書において使用される「圧縮ロッド」及び「圧縮ピン」という用語は、それぞれ、試験システム内に位置決めされた試料に圧縮力を与えるように構成される剛性構造体を意味する。CF試験の場合、例えば、圧縮ピンを使用することで、エラストマー栓をバイアル等の剛的に支持される非経口容器内に圧縮することができる。
【0014】
本明細書において使用される場合、本明細書において使用される「駆動結合される」、「~に駆動結合される」、及び「~と駆動結合される」という用語は、それぞれ、駆動部、デバイス、装置、又は構成要素が、被動部、デバイス、装置、又は構成要素に機械的な力を伝達することを可能にする機械的接続を意味する。
【0015】
本明細書において使用される場合、「プロセッサ」という用語は、ハードウェアにおいて実装されようと、有形に具現化されたソフトウェアにおいて実装されようと、又はその両方で実装されようと、及びプログラム可能であろうとなかろうと、処理デバイス、装置、プログラム、回路、構成要素、システム、及びサブシステムを意味する。本明細書において使用される「プロセッサ」という用語は、限定ではないが、1つ以上のコンピューティングデバイス、配線で接続された回路、信号を変更するデバイス及びシステム、システムを制御するデバイス及び機械、中央処理装置、プログラム可能なデバイス及びシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、システムオンチップ、個別の要素及び/又は回路を備えるシステム、ステートマシン、バーチャルマシン、データプロセッサ、処理設備、並びに上記の任意の組合せを含む。プロセッサは、例えば、任意のタイプの汎用マイクロプロセッサ若しくは汎用マイクロコントローラー、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。プロセッサは、メモリデバイスに結合されていてもメモリデバイスに統合されていてもよい。
【0016】
本明細書において使用される場合、「メモリ」及び/又は「メモリデバイス」という用語は、プロセッサ及び/又は他のデジタルデバイスにより使用するための情報を記憶するコンピューターハードウェア又は回路部を意味する。メモリ及び/又はメモリデバイスは、任意の適切なタイプのコンピューターメモリ、又は任意の他のタイプの電子記憶媒体とすることができ、それは例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ、コンピューター可読媒体等である。
【0017】
シール後の容器に対して及ぼされる閉鎖力を測定する定量法を、定率の圧縮試験機を使用して行うことができる。遅い定率の圧縮をシールされた容器に及ぼすことによって、応力対時間曲線を作成して、試料における所与の閉鎖シールの残留シール力(RSF)測定値を求めることができる。RSF測定値は、様々な栓サイズ及び形状を有する多様な容器について求めることができる。RSF測定値は、例えば、容器の栓の安全性を製造者の品質管理の一環として示すために使用することができる。栓が容器を圧縮する際の初期力は、アルミニウムキャップの適用(例えば、圧着)中に印加される鉛直圧着力と水平圧着力との関数であるが、ゴムの粘弾性緩和挙動に起因して、容器に対して押圧する栓の力は、時間と、エラストマー組成と、様々な加工手順の結果との関数として減衰する。別の例においては、圧縮試験機を使用して圧縮摩擦(CF)測定試験を行って、エラストマー栓(例えば、プランジャー)を使用してシールされるガラス容器の適格性を確認することができる。CF測定試験は、滑動試験とも称されることがある。
【0018】
シール密閉性を評価するために、製造者は、容器シールプロセス中に生まれる非経口パッケージのRSF又はCFを測定するために、手動試験システムを品質管理プロセスの一環として使用することがある。典型的には、製造者は、品質管理努力の一環として小バッチ又は少量(例えば、ロット又はラインサンプル)を試験する。RSF試験及びCF試験は破壊試験とみなされる(すなわち、製品はもはやシール不能である)ため、製造者は、生産量の0.5%~1.25%、又は生産量の約0.66%しか試験し得ない。さらに、他の生産関連タスクで既に手一杯なオペレーターには、各試験を行うために限られた時間(例えば、試料ごとに約1分~2分)しか許されていない。しかし、RSF試験及びCF試験のプロセスを自動化すると、試験速度と試験できる製品の量とを増大させることができる。RSF試験及びCF試験を自動化するために、試料が試験システムに適切に装着されて正確な測定が確実になっていることを確実にするように予防策を講じなければならない。
【0019】
図1aは、一例示の試験システム100の斜視図を示し、
図1bは、明確にするために一部を省いた例示の試験システム100の荷重フレーム102の斜視図を示している。試験システム100は、概して、荷重フレーム102と、荷重フレーム102のクロスヘッド108に取り付けられるロードセル106と、荷重フレーム102のベース構造体104におけるプラテン組立体110と、コントローラー150とを備える。論じるように、プラテン組立体110は、手動プロセスを通じてか自動化プロセスを通じてかを問わず、圧縮試験(例えば、RSF又はCF試験)中に1つ以上の試料112を支持するように構成される。
【0020】
図1aに最もよく示すように、荷重フレーム102は、ベース構造体104と、1つ以上のコラム114と、可動クロスヘッド108と、トッププレート116とを備える。荷重フレーム102は、試験(例えば、RSF試験、圧縮摩擦測定試験等)中に試験力(例えば、圧縮力)が反作用する高剛性の支持構造体としての役割を果たす。図示のように、荷重フレーム102は単一のコラム114から構成され得るが、例えば、二重コラム構成において複数のコラム114を採用することができる。ベース構造体104は、概して、コントローラー150等の様々な回路部及び構成要素を収容しながらも、1つ以上のコラム114と、試料112を支持するプラテン組立体110とを支持する役割を果たす。
【0021】
プラテン組立体110は、試料112を試験位置に移動又は移送するように手動又は自動で調整(又は別様に制御)することができ、試料112は、典型的には、試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーの下方に位置合わせされる。試料112は、例えば、
図1bに示すように、非経口医薬品の容器140とすることができる。1つの例においては、
図1bの細部Aに最もよく示すように、容器140(例えば、フランジ144を有するボトル)は、開口142及びフランジ144を画定する。エラストマー栓146が開口142を覆う。フランジ144の下でキャップ148が圧着され、エラストマー栓146を圧縮して開口142をシールする。別の例においては、
図1bの細部Bに最もよく示すように、キャップ148を省いてもよく、エラストマー栓146は、容器140(例えば、バイアル)の開口142内に嵌まり、容器140の内面に押圧して開口142をシールする。試料112は、フランジ144及び/又はキャップ148ありなし両方の容器140として示されているが、他のタイプの試料112も想定される。
【0022】
1つ以上のコラム114のそれぞれは、ガイドコラムと、アクチュエータ156に駆動結合されるボールねじ154とを備える。ボールねじ154は、回転運動(例えば、モーター等のアクチュエータ156からの)を、摩擦がほとんどない直線運動に変換する機械式リニアアクチュエータの形態である。1つの例において、ボールねじ154は、玉軸受の螺旋軌道を提供するねじ付きシャフトを含むことができ、精密ねじとして作用する。
図1bに示すように、ボールねじ154は、1つ以上のコラム114内でベース構造体104とトッププレート116との間に収容される。ボールねじ154を駆動するアクチュエータ156は、コントローラー150を介して制御される。コラムカバー118を設けることで、ボールねじ154を塵埃、汚れ、及び損傷から保護するとともに、ユーザーが動作中に危害を受けないように保護することができる。試験システム100は、その動作を監視するために様々なセンサーを備える。例えば、試験システム100は、クロスヘッド108が軸Aに沿った運動の許容可能な範囲から逸脱することを防止するために上限スイッチ132及び下限スイッチ134を備えることができる。上限スイッチ132又は下限スイッチ134をトリガーすると、コントローラー150は、試験システム100又は試料112への損傷を防止するためにアクチュエータ156を停止(又は逆行)させることができる。
【0023】
クロスヘッド108は、ガイドコラム及びボールねじ154の両方に取り付けられ、ロードセル106を支持する。ボールねじ154は、アクチュエータ156を介して駆動される(例えば、回転する)。ボールねじ154の回転により、クロスヘッド108をベース構造体104に対して上(離れる)又は下(向かう)に駆動する一方で、ガイドコラムにより、クロスヘッド108に安定性が与えられる。ロードセル106は、オペレーターが所望の場合にロードセル106を交換することを可能にするように、1つ以上の機械的締結具138(例えば、ねじ、ボルト、袋ねじ等)を介してクロスヘッド108に取外し可能に結合することができる。例えば、ロードセル106は損傷を受ける場合があり、異なるタイプのロードセル106が望ましい又は必要な場合があり、これは試験(例えば、RSF又はCF試験)ごとに異なる可能性がある。
【0024】
表示デバイス126(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)、制御パネル128、及び/又はリモート制御部130(例えば、ハンドセット)をオペレーターが使用することで、試験システム100の動作を監視及び/又は制御することができる。いくつかの例において、制御パネル128及びリモート制御部130は、それぞれ、試験システム100の動作を制御又は調整する1つ以上のスイッチ、ボタン、又はダイヤル(例えば、緊急停止ボタン)を提供することができる。制御パネル128及びリモート制御部130は、試験システム100の状態を提供する1つ以上の状態インジケーター(例えば、LED、ライト等)を更に提供することができる。リモート制御部130は、有線又は無線とすることができる。
【0025】
更なる保護を提供し、安全性を高めるために、負荷ストリング101を、試験チャンバー122を画定する筐体120内に収容することができる。筐体120は、オペレーターが負荷ストリング101を観察することを可能にするように透明材料(例えば、ガラス、プラスチック、プレキシガラス等)から作製することができる。ドア又はアクセスパネル124を設けて、筐体120内の試験チャンバー122へのアクセスを可能にすることができる。負荷ストリング101は、概して、可動クロスヘッド108とベース構造体104(又は、該当する場合には、固定下側クロスヘッド)との間に設置される構成要素を指す。典型的には、負荷ストリング101は、ロードセル106と、試験ヘッド136と、構成要素を接続するのに必要な任意のアダプターと、試験される試料(複数の場合もある)112とを含む。典型的には、RSF試験の場合、ロードセル106はクロスヘッド108上に取り付けられ、アンビルを有する試験ヘッド136はロードセル106に取り付けられ、試料112はベース構造体104上に(例えば、プラテン組立体110を使用して)位置決めされる。同様に、CF試験の場合、ロードセル106はクロスヘッド108上に取り付けられ、圧縮ロッドはロードセル106に取り付けられ、試料112はベース構造体104上に(例えば、プラテン組立体110を使用して)位置決めされる。
【0026】
試験システム100の動作は、コントローラー150を介して自動で制御及び/又は監視することができる。コントローラー150は、プロセッサ150aと、実行可能命令を有して構成されるメモリデバイス150bとを備えることができる。コントローラー150は、様々なアクチュエータ(例えば、ボールねじ154を駆動するアクチュエータ156)、センサー(例えば、ロードセル(複数の場合もある)106、上限スイッチ132及び下限スイッチ134)、ユーザーインターフェース(例えば、表示デバイス126、制御パネル128、及び/又はリモート制御部130)等に動作可能に結合することができ、これらを制御するように構成することができる。
【0027】
RSF試験中、例えば、クロスヘッド108は、荷重フレーム102の軸Aに沿って下に(ベース構造体104に向かって)移動して、試験ヘッド136、試験装置、又はロードセル106に結合される他の試験アクセサリーを介して圧縮負荷を試料112に印加する。試験ヘッド136は、1つ以上の試料112に接触して圧縮するように構成されるアンビル(ドーン(dorn)としても知られる)とすることができる、又はこれを含むことができる。試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーは、ロードセル106のカプラー152に直接結合することもできるし、圧縮ロッド又はピンを介して結合するもできる。
【0028】
ロードセル106は、この負荷を電気信号に変換し、試験システム100は、コントローラー150を介してこの電気信号を測定し、表示デバイス126を介してオペレーターに表示する。1つの例において、試験ヘッド136は、一定速度(例えば、約0.01インチ/秒)で前進することができる。換言すれば、この例において、クロスヘッド108がコラム114に沿って(軸Aに沿って)0.001インチ進行するごとに、コントローラー150は、試験ヘッド136が試料112に運動(歪み)を課すことに応答して、試料112が及ぼす力を自動で記録する。一定速度は、所与の試料112について調整することができる。コントローラー150は、対応する歪みデータも自動で記録する。得られるデータセットは、グラフ化し得る応力-歪み測定値のシーケンスを含み、予測可能な形状の曲線を近似したものである。RSFの場合、適切なシールを、得られる曲線における変曲点(例えば、エラストマー栓146が屈曲状態から硬直状態に遷移したこと、したがって開口142をシールしたことを示す)について監視することによって、決定することができる。
【0029】
試験ヘッド136は、RSF及び/又はCF試験用に設計することができる。例えば、試験ヘッド136は、CF試験用に圧縮ロッドとすることができるし、RSF試験用にアンビルを備える、例えば、調整可能な適合するアンビルを有する試験ヘッドとすることもできる。理解し得るように、或る特定の試験は、特定のタイプの試験ヘッド136を必要とし得る。例えば、RSF測定中に使用される試験ヘッド136は、非経口容器の栓のサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状であるアンビルを備えることができる。したがって、試験ヘッド136が概して
図1a及び
図1bにおいてRSF試験用に構成されているが、代わりに、CF試験用に圧縮ロッド(及び関連するロードセル)を使用することができる。
【0030】
試験ヘッド136は、試験システム100を様々なタイプの試験(例えば、RSF、CF、引張、圧縮、曲げ等)に使用することを可能にするように可換性があり得る。換言すれば、試験ヘッド136は、オペレーターが試験ヘッド136を別の試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーへと交換又は取り替えることを可能にするように、例えばカプラー152又は他の手段を介してロードセル106と取外し可能に結合するように構成することができる。カプラー152は、カラー継手(例えば、1つ以上の止めピン又はねじを有するカラー)、クレビス継手、スリーブ継手、又はねじ式継手(例えば、ねじ付きロッド)のうちの1つ以上を採用することができる。したがって、カプラー152が止めねじ及び/又は止めピンを有する雌カラーカプラーとして示されているが、他のタイプの継手も想定される。
【0031】
1つ以上の試料112は、プラテン組立体110によってベース構造体104上に支持される。試験ヘッド136と同様に、或る特定の試験は、特定のタイプのプラテン組立体110を必要とし得る。例えば、RSF測定中に使用されるプラテン組立体110は、非経口容器140(又は他の試料112)のサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状である1つ以上のステーションを備えることができる。そのために、プラテン組立体110は、試験固有又は試料固有の試料プレート110aと、ベース構造体104によって支持され、試料プレート110aを支持するように構成されるベースプレート110bとを備えることができる。試料プレート110aは、オペレーターが特定の試験に好適な試料プレート110aを選択することを可能にするために、ベースプレート110bに取外し可能に結合することができる。1つの例において、試料プレート110aは、1つ以上の試料112を支持する(例えば、1つ以上の凹部を介して)サイズ及び形状であるプレート又はテーブルであり、一方、ベースプレート110bは、試料プレート110aをベース構造体104に対して支持及び/又は固定するように構成されるプレートとすることができる。いくつかの例において、試料プレート110aは、ベースプレート110bに対して移動するように構成される。例えば、試料プレート110aは、圧縮中に試験ヘッド136の適切な角度に適応するようにベースプレート110bに対して回転又は傾動するように構成することができる。
【0032】
図2aは、本開示の態様に係る試験システム100の一例示の回転プラテン組立体200の拡大斜視図を示し、
図2bは、回転プラテン組立体200の構成要素をよりよく示すために例示の回転プラテン組立体200を試験システム100から取り外した斜視図を示しており、また、
図2cは、
図2bの断面B-Bに沿った第2の例示の回転プラテン組立体200の平面断面図を示している。最後に、
図2dは、試験システム100の例示の回転プラテン組立体200の上面図を示し、
図2eは、
図2aの断面C-Cに沿った例示の回転プラテン組立体200の上面断面図を示している。
【0033】
自動化残留シール力(RSF)試験を行う試験システム100は、ベース構造体104によって支持されるコラム114と、このコラム114によって支持されるロードセル106と、試料プレート110aと、コントローラー150とを備える。
図1a及び
図1bに関して論じたように、ロードセル106は、アクチュエータ156に結合されるクロスヘッド108を介して、コラム114に沿ってベース構造体104に向かって及びベース構造体104から離れるように移動するように構成される。
【0034】
試料プレート110aは、複数の試料112(例えば、少なくとも第1の試料112及び第2の試料112)を受け取るように構成される。自動化試験を容易にするために、コントローラー150は、1つ以上のアクチュエータ(例えば、電気モーター204)を介して試料プレート110aの位置を調整して、試験のために所望の試料112を試験位置226に位置決めするように構成される。例えば、
図2d及び
図2eに関して最もよく示されているように、試験システム100は、試験ヘッド136、試験装置、又は他の試験アクセサリーの下方に位置合わせされる試験位置226を含む。換言すれば、試料プレート110aが複数(例えば、12個)のステーション202を有して示されているが、試験位置226に位置決めされるステーション202(及び関連する試料112)のみが、RSF試験中に試験ヘッド136によって接触/圧縮される。
【0035】
動作時、コントローラー150は、第1の試料112を試験システム100の試験位置226に位置付ける第1の位置に試料プレート110aを位置決めするように構成される。コントローラー150は、その後、第1のアクチュエータ156を介して、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104に向かって前進させて、第1の試料112を圧縮する。圧縮中、コントローラー150は、ロードセル106に動作可能に結合されるプロセッサ150aを介して、第1の試料112の残留シール力を求める。RSF試験が第1の試料112について完了すると、コントローラー150は、第1のアクチュエータ156を介して、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104から離れるように後退させる。コントローラー150は、その後、第2のアクチュエータ204を介して、第2の試料112を試験位置226に位置付ける第2の位置に試料プレート110aを位置決めする。
【0036】
コントローラー150は、その後、第1のアクチュエータ156を介して、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104に向かって前進させて、第2の試料112を圧縮する。圧縮中、コントローラー150は、プロセッサ150aを介して、第2の試料112の残留シール力を求める。RSF試験が第2の試料112について完了すると、コントローラー150は、第1のアクチュエータ156を介して、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104から離れるように後退させる。このプロセスは、試料プレート110aに装着される試料112ごとに繰り返すことができる。12個のステーション202(ひいては、最大12個の試料112)が示されているが、試料プレート110aは、試験用の試料112の量に応じて拡縮することができる。
【0037】
図2cを参照すると、1つの例において、回転プラテン組立体200は、電気モーター204と、試料プレート110aと、ベースプレート110bとを備える。電気モーター204は、駆動プーリー208を介して回転軸222の周りの回転力を出力するように構成される。いくつかの例において、電気モーター204は、ステッパーモーターである。ベースプレート110bは、試料プレート110aを支持するように構成される。試料プレート110aは、複数のステーション202(例えば、2個~24個のステーション202、又は約12個)を備え、この複数のステーション202のそれぞれは、試料112を受け取るように構成される。試料プレート110aは、プラスチック、複合材料、金属及び/又は金属合金から製造することができる。いくつかの例において、複数のステーション202のそれぞれは、試料プレート110a内に成型される又は穴あけ加工される。いくつかの例において、試料プレート110aは、ベースプレート110bに取外し可能に結合される。試料プレート110aは、1つ以上のダウエル(dowel)216を介してベースプレート110bに取外し可能に結合することができ、これにより、試料プレート110aがベースプレート110bに対して回転することを防止することができる。いくつかの例において、試料プレート110a及びベースプレート110bは、一体構造として、又は一緒に結合される(例えば、固定式に又は取外し可能に結合される)別個の構造として製造することができる。
【0038】
ベースプレート110bは、駆動プーリー208に駆動結合される被動プーリー210を備える。いくつかの例において、被動プーリー210は、ベルト212を介して駆動プーリー208に駆動結合される。動作時、電気モーター204は、回転軸214の周りにベースプレート110bを回転させるように構成される。ベースプレート110b及び被動プーリー210は、一体構造として、又は一緒に結合される別個の構造として製造することができる。いくつかの例において、電気モーター204、被動プーリー210、及び駆動プーリー208は、取付けプレート206によって互いに対して適所に固定される。被動プーリー210は、1つ以上の玉軸受214を介して取付けプレート206に取り付けることができる。圧縮中の回転プラテン組立体200の強度を高めるために、1つ以上の玉軸受214は、取付けプレート206上に又は取付けプレート206内に形成される凹部220内に位置決めすることができる。いくつかの例において、駆動プーリー208及び被動プーリー210のそれぞれは、タイミングプーリーであり、ベルト212は、歯付ベルトである。
【0039】
回転プラテン組立体200は、回転軸214の周りのベースプレート110bの回転位置を決定するように構成される位置センサー218を更に備えることができる。1つの例において、位置センサー218は、モーターの位置を決定するモーターエンコーダーと、ホーム位置を決定する光センサーとの組合せを使用する。他の例において、位置センサー218は、例えば、ホール効果センサー、レゾルバー、又はロータリーポテンショメーターを使用することができる。例えば、コントローラー150は、位置センサー218に動作可能に結合することができ、モーターの位置をリアルタイム又は準リアルタイムで監視するように構成することができる。
【0040】
図3は、試験システム100において自動化残留シール力(RSF)試験を行う一例示の方法300を表すフローチャートである。RSF試験が記載されるが、圧縮摩擦測定も同様に試験システム100を介して行うことができる。試験システム100は、クロスヘッド108を介してベース構造体104に向かって及びベース構造体104から離れるようにコラム114に沿って移動するように構成されるロードセル106を備える。
【0041】
ステップ302において、複数の試料112を試料プレート110aに装着する。試料プレート110aに装着される複数の試料112は、手動プロセス又は自動化プロセスを通じて装着することができる。複数の試料112は、第1の試料112と、後続の試料112(例えば、第2の試料112)とを含む。
【0042】
ステップ304において、試験システム100の試験位置226に第1の試料112を位置付ける第1の位置に、試料プレート110aを位置決めする。試料プレート110aは、第1の位置に手動で(例えば、試験を始める前にオペレーターによって)又は電気モーター204を介して位置決めすることができる。
【0043】
ステップ306において、アクチュエータ156は、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104に向かって前進させて、第1の試料112を圧縮する。
【0044】
ステップ308において、ロードセル106に動作可能に結合されるプロセッサ150aは、第1の試料112の残留シール力を求める。
【0045】
ステップ310において、アクチュエータ156は、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104から離れるように後退させる。
【0046】
ステップ312において、電気モーター204は、試料プレート110aを、試験位置226に後続の試料112を位置付ける第2の位置に位置決めする。
【0047】
ステップ314において、アクチュエータ156は、クロスヘッド108をコラム114に沿ってベース構造体104に向かって前進させて、後続の試料112を圧縮する。
【0048】
ステップ316において、プロセッサ150aは、後続の試料112の残留シール力を求める。ステップ312~316は、試料プレート110aに装着される複数の試料112のそれぞれが試験されるまで、各後続の試料112について自動で繰り返すことができる。
【0049】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義通りにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
【国際調査報告】