(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】軟組織インプラント、器具、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/08 20060101AFI20240124BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
A61F2/08
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544350
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022013302
(87)【国際公開番号】W WO2022159695
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358121
【氏名又は名称】パラゴン28・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PARAGON 28, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ダコスタ,アルバート
(72)【発明者】
【氏名】メイジャーズ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】デバスコンセロス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ハートソン,カイル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】アラード,ランディ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA20
4C097AA21
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC05
4C160BB01
4C160LL30
4C160LL55
4C160LL58
4C160LL59
(57)【要約】
軟組織を修復または再構築するためのシステムは、ハンドル及びその反対側の延長部を有する器具と、器具に取り外し可能に係合するインプラントと、インプラントの少なくとも一部に通される縫合糸とを有し、縫合糸は器具の張力調整機構に係合される。インプラントは、頂部、底部、及び、頂部と底部との間に配置された本体部を有する。頂部、底部、及び本体部は、共通の長手方向軸に沿って配置されている。インプラントは、頂部と、本体部および/または底部の少なくともいずれか一方の少なくとも一部とを通ってカニューレ挿入される。インプラントは、頂部および本体部のうちいずれか一方または両方の外面に沿って配置された少なくとも1つの連通口を有してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟組織を修復または再構築するためのシステムであって、
ハンドルと、該ハンドルとは反対側に設けられた延長部とを有する器具と、
前記器具に取り外し可能に係合されるインプラントと、
前記インプラントの少なくとも一部に通されて、前記器具の張力調整機構に係合される縫合糸と、を備える、
システム。
【請求項2】
前記インプラントは、頂部と、底部と、前記頂部と前記底部との間に配置された本体部と、を備え、
前記頂部、前記底部、及び前記本体部は、共通の長手方向軸上に配置されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インプラントは、前記頂部と、前記本体部および前記底部のうちの少なくとも一方の少なくとも一部とを通ってカニューレ挿入される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記インプラントは、前記頂部および前記本体部のうちの少なくとも一方の外面に沿って配置された少なくとも1つの連通口を更に備え、
前記少なくとも1つの連通口は、前記インプラントの外面と内面との間に流体連通を確立している、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記インプラントは、前記頂部および前記本体部の外面の少なくとも一部に沿って配置されたねじ切り部を更に備え、
前記ねじ切り部は、互いに等間隔を空けて配置された複数のねじ山を有する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ねじ切り部は、前記少なくとも1つの連通口の少なくとも一部を跨ぐように構成されている、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記インプラントは、前記インプラントの前記底部の外面に配置された少なくとも1つのタップを更に備える、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのタップは、前記インプラントの前記底部の外面の周りに配置された複数のタップを含み、
前記複数のタップは、前記底部の前記外面から突出しており、互いに等間隔を空けて配置されている、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記インプラントは、前記器具の前記延長部の先端に取り外し可能に結合可能である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記器具は、前記器具のハウジング内に配置された張力調整機構を備える、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記張力調整機構は、第1アームと、第2アームと、弾性部材と、を備える、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2アームは、前記第1アームに対して旋回可能に結合されている、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記器具は、前記ハンドルの外面の少なくとも一部に配置されたトラック部を更に備え、
前記トラック部は、該トラック部の中に縫合糸の少なくとも一部を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2アームは、前記縫合糸の少なくとも一部に係合可能に構成された係合部を備え、
前記係合部は、前記トラック部の少なくとも一部に隣接して配置されている、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記弾性部材は、ばねである、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1アームと前記第2アームとのうちの少なくとも一方の作動により前記ばねが圧縮されるように構成されている、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
ハウジングを有するハンドルであって、第1アームと、前記第1アームに対して旋回可能に結合された第2アームと、弾性部材とを有する張力調整機構が前記ハウジング内に設けられたハンドルと、
前記ハウジングの外面の少なくとも一部に配置され、縫合糸の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトラック部と、
インプラントに取り外し可能に結合するように構成された延長部と、を備える、
器具。
【請求項18】
前記第2アームは、前記縫合糸の少なくとも一部に取り外し可能に係合するように構成された係合部を備え、
前記縫合糸の少なくとも一部に対する前記係合部の係合および係合解除は、前記第2アームの作動によってなされるように構成されている、
請求項17に記載の器具。
【請求項19】
頂部と底部とを備えたインプラントであって、
前記頂部は、前記頂部の外面に配置されて前記頂部の内面と前記外面との間に流体連通を確立する少なくとも1つの連通口と、前記頂部の前記外面に配置されて前記少なくとも1つの連通口を跨ぐように構成されたねじ切り部とを備え、
前記頂部と前記底部とは、略円筒状の幾何学形状を有し、共通の長手方向軸上に同心円状に配置されている、
インプラント。
【請求項20】
前記インプラントの少なくとも前記頂部にカニューレが挿入される、
請求項19に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軟組織インプラントのシステム及び器具、並びに、これらに関連する方法に関する。本開示は、足病用および整形外科用のインプラントと、軟組織および/または骨の修復に関連する手術とに関する。より具体的に、非限定的ではあるが、本開示は、軟組織への軟組織の接合、骨への軟組織の接合、及び、骨への骨の接合のための器具、インプラント、装置、システム、アセンブリ、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軟組織の(急性の、及び、例えば欠損、徐々に悪化などの慢性の)外傷に対処するための現在利用可能なインプラント、器具、システムおよび方法の多くは、患者のニーズに完全には応えていない。さらに、軟組織の外傷に対処するために現在利用可能な多くのインプラント、器具、システム、および方法は、軟組織の解剖学的構造の特性を考慮できておらず、さらに、処置の効率だけでなく、患者にとっての好ましい結果も低下させ得るような処理を医療従事者が実行することが強いられる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、軟組織インプラント、インプラントシステム、器具、及び、これらに関連する方法を対象とする。
【0004】
本開示の第1の態様は、軟組織を修復または再構築するためのシステムである。当該システムは、ハンドルと、該ハンドルとは反対側に設けられた延長部とを有する器具と、前記器具に取り外し可能に係合されるインプラントと、前記インプラントの少なくとも一部に通されて、前記器具の張力調整機構(張力付与機構)に係合される縫合糸と、を備える。
【0005】
本開示の第1の態様において、前記インプラントは、頂部と、底部と、前記頂部と前記底部との間に配置された本体部と、を備え、前記頂部、前記底部、及び前記本体部は、共通の長手方向軸上に配置される。
【0006】
本開示の第1の態様において、前記インプラントは、前記頂部と、前記本体部および前記底部のうちの少なくとも一方の少なくとも一部とを通ってカニューレ挿入される。
【0007】
本開示の第1の態様において、前記インプラントは、前記頂部および前記本体部のうちの少なくとも一方の外面に沿って配置された少なくとも1つの連通口(ベント)を更に備え、前記少なくとも1つの連通口は、前記インプラントの外面と内面との間に流体連通を確立している。
【0008】
本開示の第1の態様において、前記インプラントは、前記頂部および前記本体部の外面の少なくとも一部に沿って配置されたねじ切り部を更に備え、前記ねじ切り部は、互いに等間隔を空けて配置された複数のねじ山を有する。
【0009】
本開示の第1の態様において、前記ねじ切り部は、前記少なくとも1つの連通口の少なくとも一部を跨ぐように構成されている。
【0010】
本開示の第1の態様において、前記インプラントは、前記インプラントの前記底部の外面に配置された少なくとも1つのタップを更に備える。
【0011】
本開示の第1の態様において、前記少なくとも1つのタップは、前記インプラントの前記底部の外面の周りに配置された複数のタップを含み、前記複数のタップは、前記外面から突出しており、互いに等間隔を空けて配置されている。
【0012】
本開示の第1の態様において、前記インプラントは、前記器具の前記延長部の先端に取り外し可能に結合可能である。
【0013】
本開示の第1の態様において、前記器具は、前記器具のハウジング内に配置された張力調整機構(張力付与機構)を備える。
【0014】
本開示の第1の態様において、前記張力調整機構は、第1アームと、第2アームと、弾性部材と、を備える。
【0015】
本開示の第1の態様において、前記第2アームは、前記第1アームに対して旋回可能に結合されている。
【0016】
本開示の第1の態様において、前記器具は、前記ハンドルの外面の少なくとも一部に配置されたトラック部(軌道部)を更に備え、前記トラック部は、該トラック部の中に縫合糸の少なくとも一部を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている。
【0017】
本開示の第1の態様において、前記第2アームは、前記縫合糸の少なくとも一部に係合可能に構成された係合部を備え、前記係合部は、前記トラック部の少なくとも一部に隣接して配置される。
【0018】
本開示の第1の態様において、前記弾性部材は、ばねである。
【0019】
本開示の第1の態様において、前記第1アームと前記第2アームとのうちの少なくとも一方の作動により前記ばねが圧縮されるように構成される。
【0020】
本開示の第2の態様は、器具を含む。当該器具は、ハウジングを有するハンドルを含む。当該ハンドルは、第1アームと、前記第1アームに対して旋回可能に結合された第2アームと、弾性部材とを有する張力調整機構(張力付与機構)を含む。また、前記ハンドルは、前記ハウジングの外面の少なくとも一部に配置され、縫合糸の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトラック部(軌道部)を含む。また、前記器具は、インプラントに取り外し可能に結合するように構成された延長部を含む。
【0021】
本開示の第2の態様において、前記第2アームは、前記縫合糸の少なくとも一部に取り外し可能に係合するように構成された係合部を備え、前記縫合糸の少なくとも一部に対する前記係合部の係合および係合解除は、前記第2アームの作動によってなされるように構成される。
【0022】
本開示の第3の態様は、インプラントを含む。当該インプラントは、少なくとも1つの連通口を備えた頂部を含む。前記少なくとも1つの連通口は、前記頂部の外面に配置されて前記頂部の内面と前記外面との間に流体連通を確立する。また、前記インプラントは、前記頂部の前記外面に配置されて前記少なくとも1つの連通口を跨ぐように構成されたねじ切り部を含む。また、前記インプラントは底部も含む。前記頂部と前記底部とは、略円筒状の幾何学形状を有し、共通の長手方向軸上に同心円状に配置される。
【0023】
本開示の第3の態様において、前記インプラントの少なくとも前記頂部にカニューレが挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本明細書の詳細な説明とともに本発明の実施形態を示して、本発明の原理を説明するのに役立つ。添付図面では、本技術分野の標準的な慣行に従って、さまざまな構成要素が一定の縮尺で描かれている場合とそうでない場合がある。実際、説明の明確化のために、さまざまな構成要素の寸法が任意に拡大または縮小されている。添付図面は、本開示の発明の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0025】
【
図1】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的なインプラント及び器具を側方から示す斜視図である。
【
図2】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的なインプラント及び器具を側方から示す斜視図である。
【
図3】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図2のインプラントを端部から示す斜視図である。
【
図4】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図2の例示的なインプラントを底部から示す斜視図である。
【
図5】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図2の例示的なインプラントと別の器具とを側方から示す斜視図である。
【
図6】本開示に係る、
図1及び
図5のインプラント及び器具を示す斜視図である。
【
図7】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的なインプラントを側方から示す斜視図である。
【
図8】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図7の例示的なインプラントを底部から示す斜視図である。
【
図9】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的なインプラントを側方から示す斜視図である。
【
図10】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図9の例示的なインプラントを底部から示す斜視図である。
【
図11】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的な器具を示す側面図である。
【
図12】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図11の例示的な器具を側方から示す断面図である。
【
図13】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図11及び
図12の例示的な器具の一部を示す斜視図である。
【
図14】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的な器具を示す側面図である。
【
図15】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図14の例示的な器具を斜め前側方から示す斜視図である。
【
図16】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図14の例示的な器具を側方から示す断面図である。
【
図17】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図14の例示的な器具を上方から示す切り欠き図である。
【
図18】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための例示的なインプラントを前方から示す斜視図である。
【
図19】本開示に係る、インプラントシステムと連携して軟組織の修復および/または再構築を促進するための
図18の例示的なインプラントを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明および特許請求の範囲において、近位、遠位、前部または足底、後部または背側、内側、外側、上方および下方という用語は、自然の骨の相対配置または方向を示す標準的な用語に従って骨またはインプラントの特定の部分を示すための標準的な用法によって定義される。例えば、「近位」は、胴体に最も近い装置またはインプラントの部分を意味し、「遠位」は、胴体から最も遠い装置またはインプラントの部分を示す。方向に関する用語として、「前方」は身体の前側に向かう方向、「後方」は身体の後側に向かう方向、「内側」は身体の正中線に向かう方向、「外側」は身体の側部に向かう方向、すなわち正中線から離れる方向、「上方」は別の物体または構造の上の方向、「下」は別の物体または構造の下の方向をそれぞれ意味する。さらに、特に足に関して、「背側」という用語は足の甲を指し、「足底」という用語は足の底を指す。
【0027】
同様に、解剖学的な構造または表面に関する位置または方向が本明細書で使用され得る。例えば、本開示のインプラント、装置、器具、および方法は、足の骨での使用を参照して本明細書に記載されているため、足、足首、および下肢の骨を使用して、インプラント、装置、器具、および方法の表面、位置、方向、または方向性が説明され得る。さらに、本明細書に開示されるインプラント、装置、器具、および方法、並びに、これらの態様、構成要素、特徴などは、説明の簡潔化のために身体の片側に関して説明される。ただし、人体は対称線(正中線)に対して比較的対称的または鏡映的であるため、本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、本明細書に記載および/または図示されるインプラント、装置、器具、および方法、並びに、これらの態様、構成要素、特徴などは、同一または類似の目的のための身体の他方の側に使用または関連させるために、変更、変換、修正、再構成、または別の方法で改められ得る。例えば、右足に関して本明細書に記載されたインプラント、装置、器具、および方法、並びに、これらの態様、構成要素、特徴などは、左足でも同様に機能するように反映され得る。さらに、本明細書に開示されるインプラント、装置、器具、および方法、並びに、これらの態様、構成要素、特徴などは、説明の簡潔化のために足に関して説明されるが、インプラント、装置、器具、および方法は、同様の構造を有する身体の他の骨にも使用され得る。
【0028】
本開示における修復、再構築、または修復/再構築を促進するための器具、インプラント、システム、アセンブリ、および、これらに関連する方法は、以下の文献に開示されたインプラント、システム、アセンブリ、及び方法と同様であってもよく、例えば、これらの少なくとも1つの特徴または態様を含んでもよい。当該文献は、「軟組織の修復」と題されて2020年12月4日に出願された国際出願番号PCT/US2020/070866、「無結節軟組織インプラントシステムおよび関連方法」と題されて2020年1月31日に出願された米国仮出願第62/968965号、及び/又は、「軟組織インプラントシステム、器具、および関連方法」と題されて2020年6月3日に出願された米国仮出願第63/034066号であり、これらの文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。同様に、本開示の関節表面を維持、矯正、および/または表面再仕上げするための器具、インプラント、システム、アセンブリ、および関連する方法は、以下の文献に開示される1つ又は複数の器具(例えば、1つ又は複数の挿入器具および/または移植器具)を含み得る。当該文献は、「軟組織の修復」と題されて2020年12月4日に出願された国際出願番号PCT/US2020/070866、「無結節軟組織インプラントシステムおよび関連方法」と題されて2020年1月31日に出願された米国仮出願第62/968965号、及び/又は、「軟組織インプラントシステム、器具、および関連方法」と題されて2020年6月3日に出願された米国仮出願第63/034066号であり、これらの文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
いくつかの図を通して同様の又は類似の構成要素を示すために同様の参照符号が使用されている添付図面、特に
図1を参照すると、軟組織の修復および/または再構築を促進するための、骨および/または軟組織の内部での固定用のインプラント100(例えば、アンカーなど)の例示的な実施形態が示されている。また、
図1には、インプラント100に係合し、且つ/又は、インプラント100の移植、操作、調整、および/または除去を容易にするように構成された器具150が示されている。図示のインプラント100は、頂部110と、底部130と、頂部110と底部130との間に配置された本体部120とを有する。インプラント100の頂部110は、インプラント100の頂部110の近位端に配置されたヘッド112を有する。
図1の例示的な実施形態に示されるように、ヘッド112は、頂部110の近位端に配置されたインターフェース機構(インターフェース機能部)114を有する。インターフェース機構114は、器具150の少なくとも一部に係合する(例えば、接続する、取り外し可能に結合する、部分的に受け入れる)ように構成されている。図示の器具150は、器具150の遠位部152に配置されたインターフェース機構(インターフェース機能部)154を有する。インターフェース機構154は、インプラント100のインターフェース機構114の幾何学的形状に対して相補的な幾何学的形状を有する。さらに、図示の器具150は、器具150の遠位部152に配置された凹部156を有する。図示の凹部156は、遠位部152の略円筒状の幾何学的形状の少なくとも一部を含む。凹部156は、1つ又は複数の針および/または縫合糸を通しやすくするためにインプラント100の1つ又は複数の部分に位置合わせされるように構成されてもよい。
図1の例示的な実施形態に示されるように、図示のインターフェース機構114は、ヘクスローブ形状を有する。代替実施形態において、インターフェース機構114は、代替の幾何学形状を有してもよく、例えば、従来のトルクス(登録商標)形状、六角形の形状、又は、インターフェース機構114の周りに様々に配置された1つ以上のスプラインを有する様々な幾何学形状を有してもよい。したがって、インターフェース機構114のそのような代替幾何学的形状は、前述したような1つまたは複数の器具(例えばドライバー又は他の器具)の一部を受け入れるように構成され得る。
【0030】
さらに、図示の頂部110は、開口部(例えば、穴、小穴など)116を有する。開口部116は、開口部116に通される縫合糸を受け入れるように構成されている。
図1の例示的な実施形態に示されるように、開口部116は、インターフェース機構114の少なくとも一部によって横方向に画定され、本体部120の少なくとも一部によって遠位方向に画定される。開口部116は、インプラント100のインターフェース機構114が前述したような器具に接続するときに、開口部116が前記器具の1つ又は複数の開口部(例えば、器具150の凹部156)に位置合わせされるように、且つ/又は隣接して配置されるように、設けられてもよい。例えば、前記器具は、直径方向に対向する一対の開口部を備えたシャフトを含んでもよく、この場合、インプラント100が少なくともインターフェース機構114を介して前記器具に係合するときに、開口部116が前記シャフトの前記開口部に位置合わせされ得る。前記器具の開口部とインプラント100の開口部116との位置合わせは、前記器具の一方(1つ目)の開口部と、前記器具に係合されたインプラント100の開口部116と、前記器具の他方(2つ目)の開口部とに対して、この順で縫合糸を通しやすくするように構成されてもよい。このようにして開口部116に縫合糸を通すことにより、移植前に縫合糸をインプラント100に係合させ、さらに、移植の開始後に、縫合糸を通すための中間ステップを必要とすることなく、骨および/または軟組織の内部にインプラント100を移植することが可能になる。移植の後に、前記器具は、インプラント100のインターフェース機構114および縫合糸から係合解除されてもよく、この係合解除の後、縫合糸は、必要に応じて自由に固定されたり、操作されたりし得る(例えば、1つ又は複数の他のインプラントに結合されたり、引っ張られたりし得る)。
【0031】
図示されたインプラント100の本体部120は、本体部120の長さ方向に沿って配置されたねじ切り部122を有する。いくつかの実施形態において、ねじ切り部122は、本体部120に沿って近位方向に延在してもよく、ねじ切り部122の終端は、頂部110のインターフェース機構114に隣接または当接してもよい。さらに、ねじ切り部122は、ねじ切り部122がインプラント100の底部130の遠位部で終わるように、遠位方向にさらに延在してもよい。図示のねじ切り部122は、底部130から頂部110まで連続的に延在しつつ、インプラント100の周囲に円周方向に延在している。
図1の例示的な実施形態に示されるように、ねじ切り部122は2条ねじであるが、代替実施形態において、ねじ切り部122は1条ねじであってもよい。いくつかの実施形態において、ねじ切り部122は、代替の構成および/または長さを含んでもよい。図示のねじ切り部122は、インプラント100の本体部120に沿って略等間隔(例えば、
図1のような側面視において近位-遠位方向におけるねじ山間の距離が等間隔)を有する。ねじ切り部122は、インプラント100の底部130において本体部120よりも大きなねじ山間の間隔を有する。いくつかの実施形態において、ねじ切り部122は、インプラント100の長さ方向に沿って等しい間隔を有してもよいが、他の実施形態において、ねじ切り部122は、インプラント100の長さに沿って1つ又は複数の異なる間隔を有してもよい。ねじ切り部122は、
図1の例示的な実施形態に示すように、底部130の先端部132で終端してもよい。先端部132は、骨および/または軟組織への先端部132の挿入を容易にするように、骨および/または軟組織へのインプラント100の移植を容易にするように構成され得る。さらに、インプラント100が骨および/または軟組織に移植されるとき、軟組織は、ずれた位置からの軟組織の所望の配置を達成するように、インプラント100が(例えば、骨に)挿入される方向に引っ張られてもよい。インプラント100が移植されると、インプラント100は、インプラント100の移植に用いられる任意の器具から外されてもよく、縫合糸は、他の隣接するインプラント、解剖学的構造、または縫合糸に結ばれ、且つ/又は、結合され得る。
【0032】
インプラント100は、1つ又は複数の基準長さ(標準長さ)を有してもよい。ここで、インプラント100の長さは、頂部110の最近位部から底部130の最遠位部まで測定される長さである。例えば、インプラント100は、2mm~6mmの範囲の長さを有してもよく、外科用キットは、0.5mmの増分で様々な異なる大きさに製造、且つ/又は、提供され得る。さらに、
図1に示される実施形態のインプラント100は、複数の長さにおいて(例えば、外科用キットの構成要素として、又は、独立して)利用可能であってもよい。これにより、前記軟組織の修復および/または再構築を容易にするように、骨および/または軟組織への移植の異なる用途に適応し得る。さらに、インプラント100は、骨および/または軟組織への移植の異なる用途に適応して前記軟組織の修復および/または再構築を容易にするために、1つの基準直径(標準的な直径)を有してもよいし、様々な異なる直径で利用可能であってもよい。このような様々な直径のインプラント100は、外科用キット(例えば、複数の長さおよび複数の直径のインプラント100と、例えば1つ又は複数のKワイヤ、ドリル、及び/又はドライバなどの他の構成要素とを含む滅菌キット)の構成要素であってもよいし、このようなキットとは独立して利用可能であってもよい。インプラント100は、チタンであることが好ましいが、インプラント100は、PEEK樹脂及び/又は他のポリマー樹脂のソフトアンカー形態において利用可能であってもよい。いくつかの態様において、インプラント100は、開口部116に通された縫合糸(例えば、先に参照した特許出願において図示および記載されたもの、又は、他の同様の縫合糸および/または縫合テープ)を備えるように製造および/または提供されてもよい。さらに、いくつかの態様において、インプラント100は、(例えば、無菌手術キットにおいて)予め装填された状態で製造および/または提供されてもよい。この場合、インプラント100は、インターフェース機構114と、インプラント100と前記器具の少なくとも一部とに通された前述の縫合糸とを介して器具に係合されている。
【0033】
次に
図2~
図4を参照すると、例示的な実施形態のインプラント200が示されている。インプラント200は、頂部210、底部230、及び、頂部210と底部230との間に配置された本体部220を有する。インプラント200は、頂部210の最近位部から本体部220を通って本体部220の最遠位部で終端するまでインプラント200の長手方向軸に沿って延在するチャネル(例えば、カニューレ挿入用開口部)240を有する。
図2~
図4に示されるように、インプラント200は、チャネル240内に配置されたインターフェース機構(インターフェース機能部)242を有する。インターフェース機構242は、インプラント200の内面244の周囲に円周方向に配置されている。
図2~
図4に示される例示的な実施形態のインプラント200のインターフェース機構242は、4つのスプラインを有する。該4つのスプラインは、インプラント200の内面244の周囲に円周方向に並べて配置され、内面244に沿ってインプラント200の頂部210から遠位方向に延びている。これらのスプラインは、約90度の増分(角度間隔)で配置されている(例えば、スプラインは、内面244の周りに円周方向に等間隔を空けて配置されている)。いくつかの実施形態において、インターフェース機構242は、より多い個数またはより少ない個数のスプライン、例えば、1個、2個、3個、5個、又はその他の個数のスプラインを含んでもよい。さらに、インターフェース機構242のスプラインは、インプラント200の内面244の周りに様々な態様で配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、スプラインは、必ずしも、
図3に示されるような互いにほぼ等しい間隔を有していなくてもよい。いくつかの実施形態において、スプラインは、
図3に示されたもの以外の幾何学的形状を有してもよい。例えば、スプラインは、略三角形の幾何学的形状を有してもよい。
【0034】
インターフェース機構242は、インプラント200とともに外科用キットに提供され得る1つ又は複数の器具に係合する(例えば、受け入れる、取り外し可能に結合する)ように構成されている。
図2に示すように、器具(例えば、ドライバ)250は、器具250の遠位部252に配置されたインターフェース機構254を有する。器具250のインターフェース機構254は、インプラント200のインターフェース機構242と相補的(例えば、幾何学的に反対の形状)である。
図2に示されるように、器具250のインターフェース機構254は、インプラント200のインターフェース機構242のスプラインと相補的な4つのスプラインを含む。いくつかの実施形態において、インターフェース機構242,254の相補的な4つのスプラインは、他の類似の幾何学的形状よりも大きなトルク(例えば、インプラント200を骨および/または軟組織に移植するためにインプラント200に加えられる器具250からのトルク)に適応するように構成され得る。インプラント200の遠位部252は、インプラント200のチャネル240内に受け入れられ(例えば、係合され、取り外し可能に結合され)てもよい。これにより、インターフェース機構254は、チャネル240の内面244の長さの少なくとも一部に沿って、インターフェース機構242に係合し得る。さらに、器具250は、その遠位部252に配置された開口部256を有する。開口部256は、インプラント200の1つ又は複数の構成要素(例えば、スロット、開口部、連通口、ベント、係合機構など)に位置合わせされ得るように構成されている。いくつかの実施形態において、インプラント200は、インプラント200のインターフェース機構242が器具250のインターフェース機構254に係合される係合位置にインプラント200が配置されるように、(例えば、無菌手術キットの一部として)製造および/または提供されてもよい。いくつかの実施形態において、器具250のインターフェース機構254は、代替の幾何学的形状を有してもよく、例えば、インプラント200のインターフェース機構242のスプラインと同数である任意の個数のスプラインを有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、インターフェース機構242,254は、代替の相補的な幾何学的形状(例えば、トルクス(登録商標)、六角形など)を有してもよい。
【0035】
インプラント200は、インプラント200の外面224に配置されたねじ切り部222を有する。ねじ切り部222は、インプラント200の頂部210の最近位部から底部230まで延在している。
図2~
図4に示されるように、ねじ切り部222は、インプラント200の外面224の長さに沿って等間隔(例えば、側面視におけるねじ山間の間隔が等間隔)に配置される。
図2~
図4に示されるように、ねじ切り部222は、4ローブ(four-lobed)のねじ山であるが、代替実施形態において、ねじ切り部222は他の構成を有してもよい。さらに、インプラント200は、インプラント200の外面224に配置された複数の連通口(ベント)(例えば、開口部)226を有する。
図2の例示的な実施形態に示されるように、連通口226は、頂部210の最近位部から本体部220の最遠位部まで延びている。図示のインプラント200は、インプラント200の外面224の周囲に円周方向に配置された4つの連通口226を有する。4つの連通口226は、互いに略等しい角度間隔(例えば、約90度ずつ)を空けて配置されている。連通口226は、インプラントの外面224からインプラントの内面244まで延在する。これにより、インプラントの外面224とチャネル240との間の流体連通が確立されている。連通口226は、インターフェース機構242と干渉しないように配置されており、インプラント200の内面244では、チャネル240内で円周方向に配置されたインターフェース機構242のスプラインと連通口226とが互い違いに配置され得ることに留意されたい。さらに、連通口226は、係合位置にあるときに器具250の開口部256に位置合わせされるように構成され得る。移植後、連通口226は、骨の内方成長を促進するように構成され、これにより、骨および/または軟組織内でのさらなる固定を提供する。いくつかの実施形態において、インプラント200は、
図2に示される4つの連通口226よりも多いか又は少ない連通口226を有してもよい。この場合、複数の連通口226は、インプラント200の外面224の周囲に上記とは別の態様で配置されてもよい(例えば、互いに円周方向に等間隔を空けて配置されなくてもよい)。ねじ切り部222は、本体部220の周りで底部230から頂部210まで延在しており、ねじ切り部222は、
図2に示すように連通口226を横切っている。
【0036】
インプラント200の底部230は、インプラント200の底部230を通って横方向(例えば、実質的に直径方向)に延びる開口部234を有する。
図2に示されるように、チャネル240は、インプラントの底部230の開口部234よりも近位の位置で終端し、これにより、開口部234は、インプラント200の底部230の内部によって長手方向に少なくとも部分的に画定されている。開口部234は、移植前に、さらに、インプラント200と器具250との係合前に通され得る1つ又は複数の縫合糸を受け入れるように構成されている(例えば、外科用キットは、開口部234に1つ又は複数の縫合糸が通された状態で器具250に係合されるインプラント200を有してもよい)。いくつかの実施形態において、インプラント200は、単一の開口部234を有してもよいし、インプラント200の底部230の周囲に様々な態様で配置された3つ以上の開口部234を有してもよい。
【0037】
インプラント200は、底部230の最遠位部に配置された先端232を有する。
図2に示されるように、先端232は実質的に丸い形状を有するが、他の実施形態において代替の幾何学的形状を有してもよい。先端232は、
図2~
図4の例示的な実施形態では四角形(例えば、正方形)のタップとして示されるタップ機構236を有する。タップ機構236(
図4参照)は、追加の器具または工具(例えば、パイロット穴を形成するためのドリルなど)を必要とすることなく、骨および/または軟組織(例えば、特に高密度の骨)への移植を容易にするように構成されている。したがって、医師は、タップ機構236を介して、時間効率および器具効率の高い(複数の器具の入手および切り替えを必要としない)態様でインプラント200を骨に移植することができる。いくつかの実施形態において、タップ機構236は、
図4に示される正方形の幾何学形状以外の幾何学形状を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では(インプラント200の構成材料に応じて)、タップ機構236に隣接する先端232は、移植を容易にするように構成された切削フルートを有してもよい(例えば、金属製の実施形態では、切削フルートを有し得るが、PEEK製の実施形態では、図示のように四角形のタップ機構236を有し得る)。
【0038】
インプラント200は、1つ又は複数の基準長さ(標準長さ)を有してもよい。ここで、インプラント200の長さは、頂部210の最近位部から底部230の最遠位部まで測定される長さである。例えば、インプラント200は、2mm~6mmの範囲の長さを有してもよく、外科用キットは、0.5mmの増分で様々な異なる大きさに製造、且つ/又は、提供され得る。さらに、
図2~
図4に示される実施形態のインプラント200は、複数の長さにおいて(例えば、外科用キットの構成要素として、又は、独立して)利用可能であってもよい。これにより、前記軟組織の修復および/または再構築を容易にするように、骨および/または軟組織への移植の異なる用途に適応し得る。さらに、インプラント200は、骨および/または軟組織への移植の異なる用途に適応して前記軟組織の修復および/または再構築を容易にするために、1つの基準直径(標準的な直径)を有してもよいし、様々な異なる直径で利用可能であってもよい。このような様々な直径のインプラント200は、外科用キット(例えば、複数の長さおよび複数の直径のインプラント200と、例えば1つ又は複数のKワイヤ、ドリル、及び/又はドライバなどの他の構成要素とを含む滅菌キット)の構成要素であってもよいし、このようなキットとは独立して利用可能であってもよい。インプラント200は、金属(例えば、チタン)で形成されてもよいし、1種以上の形態のPEEK樹脂(例えば、HAコーティングPEEK樹脂、炭素繊維強化PEEK樹脂、HAコーティング炭素繊維強化PEEK樹脂、無添加PEEK樹脂など)、及び/又は、他のポリマー樹脂のソフトアンカー形態で形成されてもよい。いくつかの態様において、インプラント200は、開口部234に通された縫合糸(例えば、先に参照した特許出願において図示および記載されたもの、又は、他の同様の縫合糸および/または縫合テープ)を備えるように製造および/または提供されてもよい。さらに、いくつかの態様において、インプラント200は、(例えば、無菌手術キットにおいて)予め装填された状態で製造および/または提供されてもよい。この場合、インプラント200は、インターフェース機構242,254と、インプラント200に通された前述の縫合糸とを介して器具250に係合されている。
【0039】
次に、
図5において、インプラント200は、インプラント200の移植、操作、調整、及び/又は除去を容易にするための器具260とともに示されている。器具260は、前述の器具250と同一または類似の1つ又は複数の構成要素/特徴を有し得る。さらに、器具260は、器具260の遠位部262に配置されたインターフェース機構264を有する。インターフェース機構264は、インターフェース機構254と同一または類似の幾何学的形状を有してもよい。両方のインターフェース機構254,264は、インプラント200のインターフェース機構242に係合するように構成されている。器具260は、凹部266を有する。凹部266は、器具260の遠位部262の円筒形状の少なくとも一部を含む。凹部266は、1つ又は複数の縫合糸(前述したものなど)および/または針を、凹部266に、及び/又は、インプラント200の1つ又は複数の要素に通すこと、及び/又は、配置することを容易にするように構成され得る。
【0040】
次に、
図6を参照すると、インプラント100及び器具150が、インプラント200及び器具260に隣接して示されている。図示されるように、インプラント100は、インターフェース機構114,154を介して器具150に係合される。さらに、第1の縫合糸602及び第2の縫合糸604は、インプラント100及び器具150が全体として負荷状態にあるように、インプラント100及び器具150に通される。図示されるように、インプラント200は、インターフェース機構242,254を介して器具260に係合される。さらに、第1の縫合糸606及び第2の縫合糸608は、インプラント200及び器具260が全体として負荷状態になるように、インプラント200及び器具260に通される。いくつかの態様において、インプラント100及び器具150、並びに、インプラント200及び器具260は、
図6に示されるような装填された状態で製造、提供、且つ/又は、販売され得る。
【0041】
次に、
図7~
図8に、インプラント300が示されている。インプラント300は、頂部310、底部330、及び、頂部310と底部330との間に長手方向に配置された本体部320を有する。さらに、インプラント300は、頂部310の最近位部から本体部320を通って底部330の最遠位部までインプラント300の長手方向軸に沿って延在し、さらに底部330の最遠位部を通って延在するチャネル(例えば、カニューレ挿入用開口部、カニューレ挿入部など)340を有する。これにより、インプラント300の頂部310から底部330にかけて、さらに底部330を通る長手方向の流体連通が確立される。インプラント300は、チャネル340内に配置されたインターフェース機構342を有する。
図7及び
図8の例示的な実施形態に示されているように、インターフェース機構342は、インプラント300の内面344の周囲に円周方向に配置されている。
図7及び
図8に示される例示的な実施形態のインプラント300のインターフェース機構342は、インプラント300の内面344の周囲に円周方向に配置された4つのスプラインを有する。当該スプラインは、内面344に沿って、インプラント300の頂部310から遠位方向に延在する。これらのスプラインは、約90度の増分(角度間隔)で配置されている(例えば、スプラインは、内面344の周りに円周方向に等間隔を空けて配置されている)。いくつかの実施形態において、インターフェース機構342は、より多い個数またはより少ない個数のスプライン、例えば、1個、2個、3個、5個、又はその他の個数のスプラインを含んでもよい。さらに、インターフェース機構342のスプラインは、インプラント300の内面344の周りに様々な態様で配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、スプラインは、必ずしも、
図7及び
図8に示されるような互いにほぼ等しい間隔を有していなくてもよい。いくつかの実施形態において、スプラインは、
図7及び
図8に示されたもの以外の幾何学的形状を有してもよい。例えば、スプラインは、略三角形の幾何学的形状を有してもよい。
【0042】
インターフェース機構354は、インプラント300とともに外科用キットに提供され得る1つ又は複数の器具に係合する(例えば、受け入れる、取外し可能に結合する)ように構成されている。
図7及び
図8に示されるように、器具(例えば、ドライバ)350は、器具350の遠位部352に配置されたインターフェース機構354を有する。器具350のインターフェース機構354は、インプラント300のインターフェース機構342と相補的(例えば、幾何学的に反対の形状)である。
図7及び
図8に示されるように、器具350のインターフェース機構354は、インプラント300のインターフェース機構342のスプラインと相補的な4つのスプラインを含む。いくつかの実施形態において、インターフェース機構342,354の相補的な4つのスプラインは、他の類似の幾何学的形状よりも大きなトルク(例えば、インプラント300を骨および/または軟組織に移植するためにインプラント300に加えられる器具350からのトルク)に適応するように構成され得る。インプラント300の遠位部352は、インプラント300のチャネル340内に受け入れられ(例えば、係合され、取り外し可能に結合され)てもよい。これにより、インターフェース機構354は、チャネル340の内面344の長さの少なくとも一部に沿って、インターフェース機構342に係合し得る。いくつかの実施形態において、インプラント300は、インプラント300のインターフェース機構342が器具350のインターフェース機構354に係合される係合位置にインプラント300が配置されるように、(例えば、無菌手術キットの一部として)製造および/または提供されてもよい。いくつかの実施形態において、器具350のインターフェース機構354は、代替の幾何学的形状を有してもよく、例えば、インプラント300のインターフェース機構342のスプラインと同数である任意の個数のスプラインを有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、インターフェース機構342,354は、代替の相補的な幾何学的形状(例えば、トルクス(登録商標)、六角形など)を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、インターフェース機構342,354は、器具350とインプラント300との間に圧入を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、この圧入は、圧入機構の係合を確認するために、例えば、触覚および/または可聴クリック音、或いは他のフィードバックなど、使用者へのフィードバックを含んでもよい。さらに、圧入機構は、チャネル340の内面344の周囲に円周方向に配置された1つ又は複数の圧痕または窪みを含んでもよく、相補的(例えば、幾何学的に反対形状の)構成部は、器具350の遠位部352の周囲に円周方向に配置されてもよい。
【0043】
インプラント300は、インプラント300の外面324に配置されたねじ切り部322を有する。ねじ切り部322は、インプラント300の頂部310の最近位部から本体部320の最遠位部まで延在している。
図7及び
図8に示されるように、ねじ切り部322は、インプラント300の外面324の長さの少なくとも一部に沿って等間隔(例えば、側面視におけるねじ山間の間隔が等間隔)に配置される。
図7及び
図8に示されるように、ねじ切り部322は、3ローブ(three-lobed)のねじ山であるが、代替実施形態において、ねじ切り部322は他の構成を有してもよい。インプラント300は、インプラント300の外面324に配置された複数の平坦部(フラット部)を有する。当該平坦部(フラット部)は、本体部320の最遠位部に位置し、底部330の最遠位部まで延びている。図示のように、インプラント300は4つの平坦部336を有するが、代替実施形態は、より多くの又はより少ない平坦部を有してもよい。平坦部336は、インプラント300の外面324の円周に沿って互いに等距離を空けて配置されているが、他の実施形態では別の態様で配置されてもよい。さらに、インプラント300は、インプラント300の底部330の最近位部に配置されたタップ機構334を有する。
図7及び
図8に示すように、タップ機構334は、複数(
図7及び
図8に示す例では3個であるが、これよりも多い個数又は少ない個数であってもよい)の切削フルートを有する。複数の切削フルートは、インプラント300の外面324の周囲に円周方向に(例えば、単一の側面内に)、互いに等間隔(例えば、約120度の角度間隔)を空けて配置されている。代替実施形態において、タップ機構334は、インプラント300の底部330の周囲に交互に配置された1つ又は複数の切削フルートを有してもよい。タップ機構334は、追加の器具またはツール(例えば、パイロット穴を作成するためのドリルなど)を必要とすることなく、骨および/または軟組織(例えば、特に高密度の骨を含む)への移植を容易にするように構成されている。したがって、医師は、タップ機構334を介して、時間効率および器具効率の高い(複数の器具の入手および切り替えを必要としない)態様でインプラント300を骨に移植することができる。いくつかの実施形態において、タップ機構334は、
図7及び
図8に示される三角形以外の幾何学形状を有してもよい。さらに、インプラント300の底部330は、底部330の最遠位部に配置された先端332を有する。先端332は、実質的に円筒状の幾何学的形状を有する。前記円筒状の幾何学的形状の直径は、本体部320および頂部310の直径と比べて等しいか又は小さい。
【0044】
次に、
図9及び
図10には、インプラント100を移植し、操作し、調整し、且つ/又は、除去するための器具450を備えたインプラント400が示されている。いくつかの実施形態において、インプラント400は、上述のインプラント300と同一または類似の1つまたは複数の特徴を有し得る。さらに、器具450は、上述の器具350と同一および/または同様の1つまたは複数の特徴を有し得る。インプラント400は、頂部410、底部430、及び、頂部410と底部430との間に長手方向に配置された本体部420を有する。さらに、インプラント400は、頂部410の最近位部から本体部420を通ってインプラント400の長手方向軸に沿って延在するチャネル(例えば、カニューレ挿入用開口部、カニューレ挿入部など)440を有する。これにより、インプラント400の頂部410から底部430にかけて、さらに底部430を通る長手方向の流体連通が確立される。インプラント400は、チャネル440内に配置されたインターフェース機構442を有する。
図9及び
図10に示される例示的な実施形態において、インターフェース機構442は、インプラント400の内面444の周囲に円周方向に配置されている。
図9及び
図10に示される例示的な実施形態のインプラント400において、インターフェース機構442は、インプラント400の内面444の周囲に円周方向に配置された4つのスプラインを有する。当該スプラインは、内面444に沿って、インプラント400の頂部410から遠位方向に延在する。これらのスプラインは、約90度の増分(角度間隔)で配置されている(例えば、スプラインは、内面444の周りに円周方向に等間隔を空けて配置されている)。いくつかの実施形態において、インターフェース機構442は、より多い個数またはより少ない個数のスプライン、例えば、1個、2個、3個、5個、又はその他の個数のスプラインを含んでもよい。さらに、インターフェース機構442のスプラインは、インプラント400の内面444の周りに様々な態様で配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、スプラインは、必ずしも、
図9及び
図10に示されるような互いにほぼ等しい間隔を有していなくてもよい。いくつかの実施形態において、スプラインは、
図9及び
図10に示されたもの以外の幾何学的形状を有してもよい。例えば、スプラインは、略三角形の幾何学的形状を有してもよい。
【0045】
インターフェース機構442は、インプラント400とともに外科用キットに提供され得る1つ又は複数の器具に係合する(例えば、受け入れる、取外し可能に結合する)ように構成されている。
図9及び
図10に示されるように、器具(例えば、ドライバ)450は、器具450の遠位部452に配置されたインターフェース機構454を有する。器具450のインターフェース機構454は、インプラント400のインターフェース機構442と相補的(例えば、幾何学的に反対の形状)である。
図9及び
図10に示されるように、器具450のインターフェース機構454は、インプラント400のインターフェース機構442のスプラインと相補的な4つのスプラインを含む。いくつかの実施形態において、インターフェース機構442,454の相補的な4つのスプラインは、他の類似の幾何学的形状よりも大きなトルク(例えば、インプラント400を骨および/または軟組織に移植するためにインプラント400に加えられる器具450からのトルク)に適応するように構成され得る。インプラント400の遠位部452は、インプラント400のチャネル440内に受け入れられ(例えば、係合され、取り外し可能に結合され)てもよい。これにより、インターフェース機構454は、チャネル440の内面444の長さの少なくとも一部に沿って、インターフェース機構442に係合し得る。いくつかの実施形態において、インプラント400は、インプラント400のインターフェース機構442が器具450のインターフェース機構454に係合される係合位置にインプラント400が配置されるように、(例えば、無菌手術キットの一部として)製造および/または提供されてもよい。いくつかの実施形態において、器具450のインターフェース機構454は、代替の幾何学的形状を有してもよく、例えば、インプラント400のインターフェース機構442のスプラインと同数である任意の個数のスプラインを有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、インターフェース機構442,454は、代替の相補的な幾何学的形状(例えば、トルクス(登録商標)、六角形など)を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、インターフェース機構442,454は、器具450とインプラント400との間に圧入を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、この圧入は、圧入機構の係合を確認するために、例えば、触覚および/または可聴クリック音、或いは他のフィードバックなど、使用者へのフィードバックを含んでもよい。さらに、圧入機構は、チャネル440の内面444の周囲に円周方向に配置された1つ又は複数の圧痕または窪みを含んでもよく、相補的(例えば、幾何学的に反対形状の)構成部は、器具450の遠位部452の周囲に円周方向に配置されてもよい。
【0046】
インプラント400は、インプラント400の外面424に配置されたねじ切り部422を有する。ねじ切り部422は、インプラント400の頂部410の最近位部から本体部420の最遠位部まで延在している。
図9及び
図10に示されるように、ねじ切り部422は、インプラント400の外面424の長さの少なくとも一部に沿って等間隔(例えば、側面視におけるねじ山間の間隔が等間隔)に配置される。
図9及び
図10に示されるように、ねじ切り部422は、4ローブ(four-lobed)のねじ山であるが、代替実施形態において、ねじ切り部422は他の構成を有してもよい。インプラント400は、インプラント400の外面424に配置された複数の平坦部(フラット部)を有する。当該平坦部(フラット部)は、本体部420の最遠位部に位置し、底部430の最遠位部まで延びている。図示のように、インプラント400は4つの平坦部436を有するが、代替実施形態は、より多くの又はより少ない平坦部を有してもよい。平坦部436は、インプラント400の外面424の円周に沿って互いに等距離を空けて配置されているが、他の実施形態では別の態様で配置されてもよい。さらに、インプラント400は、インプラント400の底部430の最近位部に配置されたタップ機構434を有する。
図9及び
図10に示すように、タップ機構434は、複数(
図9及び
図10に示す例では4個であるが、これよりも多い個数又は少ない個数であってもよい)の切削フルートを有する。複数の切削フルートは、インプラント400の外面424の周囲に円周方向に(例えば、単一の側面内に)、互いに等間隔(例えば、約90度の角度間隔)を空けて配置されている。代替実施形態において、タップ機構434は、インプラント400の底部430の周囲に交互に配置された1つ又は複数の切削フルートを有してもよい。タップ機構434は、追加の器具またはツール(例えば、パイロット穴を作成するためのドリルなど)を必要とすることなく、骨および/または軟組織(例えば、特に高密度の骨を含む)への移植を容易にするように構成されている。したがって、医師は、タップ機構434を介して、時間効率および器具効率の高い(複数の器具の入手および切り替えを必要としない)態様でインプラント400を骨に移植することができる。いくつかの実施形態において、タップ機構434は、
図9及び
図10に示される四角形(正方形)以外の幾何学形状を有してもよい。さらに、インプラント400の底部430は、底部430の最遠位部に配置された先端432を有する。先端432は、実質的に円筒状の幾何学的形状を有する。前記円筒状の幾何学的形状の直径は、本体部420および頂部410の直径と比べて等しいか又は小さい。
【0047】
さらに、インプラント400は、インプラント400の外面424に配置された複数の連通口(ベント)(例えば、開口部)426を有する。
図9の例示的な実施形態に示されるように、連通口426は、頂部410の最近位部から本体部420の最遠位部まで延びている。図示のインプラント400は、インプラント400の外面424の周囲に円周方向に配置された4つの連通口426を有する。4つの連通口426は、互いに略等しい角度間隔(例えば、約90度ずつ)を空けて配置されている。連通口426は、インプラントの外面424からインプラントの内面444まで延在する。これにより、インプラントの外面424とチャネル440との間の流体連通が確立されている。連通口426は、インターフェース機構442と干渉しないように配置されており、インプラント400の内面444では、チャネル440内で円周方向に配置されたインターフェース機構442のスプラインと連通口426とが互い違いに配置され得ることに留意されたい。さらに、連通口426は、(
図10に示されるような)係合位置にあるときに器具450の開口部又は他の構成要素(例えば、凹部)に位置合わせされるように構成され得る。移植後、連通口426は、骨の内方成長を促進するように構成され、これにより、骨および/または軟組織内でのさらなる固定を提供する。いくつかの実施形態において、インプラント400は、
図9に示される4つの連通口426よりも多いか又は少ない連通口426を有してもよい。この場合、複数の連通口426は、インプラント400の外面424の周囲に上記とは別の態様で配置されてもよい(例えば、互いに円周方向に等間隔を空けて配置されなくてもよい)。ねじ切り部422は、本体部420の周りで底部430から頂部410まで延在しており、ねじ切り部422は、
図9に示すように連通口426を横切っている。
【0048】
次に、
図11~
図13には、器具900が示されている。器具900は、ハンドル910と、器具900におけるハンドル910とは反対側に配置された延長部930とを有する。さらに、器具900は、ハンドル910と延長部930との間に配置された本体部920を有する。ハンドル910は、ハンドル910の表面の周りに(図示のように円周方向に)配置された1つ又は複数の凹部912を備えた略円筒状の形状を有する。いくつかの実施形態において、凹部912は、器具900にトルク又は他の力を加えるとき(例えば、アンカー又はインプラントを軟組織および/または骨に打ち込むとき)に、器具900のグリップを容易にするように構成され得る。
【0049】
本体部920は、機構924及び一対のアーム922を有する。一対のアーム922は、本体部920において互いに対して実質的に反対側に配置され、本体部920から実質的に反対方向に延びている。
図12及び
図13に示されるように、機構924は、弾性部材(例えば、ばね)によって付勢されるカムレバー機構である。ただし、他の実施形態では、代替の機構が設けられてもよい。機構924は、ハウジング926内に設けられている。機構924は、インプラント950に通される縫合糸952を保持(例えば、接触、制限、拘束)するように構成されている。縫合糸952及びインプラント950は、本明細書で前述されたものと同一または類似のものであってもよい。一対のアーム922のうちの一方は、ハンドル910に向かって当該アームを操作することによって縫合糸952の張力調整(張力付与)を可能にするように構成されている。縫合糸952は、インプラント950からトラック928に沿って延びる。トラック部(軌道部)928は、器具900の長手方向軸に実質的に沿って、延長部930の最遠位部から本体部920のハウジング926内へ延びている。
図13に示すように、機構924は、ラチェット927を有する。ラチェット927は、一対のアーム922のうちの一方を介して機構924を操作することによって、縫合糸952の張力調整(張力付与)を容易にするように構成されている。ラチェット927は、ラチェット927が一組のカムレバーの歯929の周りで操作されるとき、機構924の操作に従って間欠的な間隔で縫合糸に張力を加えることができる。器具900は、約50ポンドまでの縫合糸952の張力を保持可能に構成され得る。当該張力は、医師が手動で加え得る推定張力(約20ポンド)よりも大きい。軟組織損傷の修復および/または再構築においては、手動で合理的に得られる張力を超える張力が縫合糸952に付与されることが望ましい。医師が器具900を使用してインプラント950を骨および/または軟組織に挿入すると、ラチェットが乗り越えられ、縫合糸952の張力が解除される。あるいは、医師は、一対のアーム922のうちの一方をインプラント950に向かって(例えば、ハンドル910の反対方向に)操作することによって、手動で縫合糸952の張力を解除してもよい。
【0050】
インプラント及び/又は器具のいずれも、軟組織の修復および/または再構築のための以下の例示的な技術に従って実施することができる。さらに、軟組織を修復および/または構築するプロセスにおいて、本開示に含まれる1つ又は複数のステップは、繰り返されたり、スキップされたり、別の順序で実行されたりしてもよい。
【0051】
軟組織の修復および/または再構築を行う際、医師は、配置される最初のインプラントに対応するKワイヤまたは他の安定化構成要素を配置してもよい。次いで、医師は、X線または他の画像技術を使用して、前記Kワイヤの配置を確認してもよい。次いで、医師は、所望のインプラント直径に対応するパイロット穴をドリル又は他の方法で形成してもよい。次いで、医師は、器具に係合された、予め装填(例えば、係合)されたインプラントを取得してもよい(この場合、インプラント及び/又は器具に1つ又は複数の縫合糸が通されてもよいし、医師がインプラント及び器具に1本の縫合糸を通してもよい)。次に、医師は、縫合テープをインプラントの先端の中心に配置してもよい。その後、医師は、インプラントを挿入してもよい。次に、医師は、追加のインプラント用に追加のパイロット穴を準備してもよい。次いで、医師は、縫合糸パサーを使用して、縫合糸の第1の部分を第1のインプラントから第2のインプラントに通してもよい(或いは、第1のインプラントと共通の縫合糸が第2のインプラントにすでに通されていてもよい)。次いで、医師は、第2のインプラントの一部をパイロット穴内に少なくとも部分的に配置してもよい。次いで、医師は、1つ又は複数の縫合糸から弛みを手動で取り除いてもよい。次いで、医師は、器具(例えば、本明細書で説明される張力付与器具)を使用して、第1のインプラントと第2のインプラントとの間で縫合糸に張力を付与してもよい。次に、医師は、縫合糸の張力を固定するようにインプラントを挿入してもよい。次に、医師は、パイロット穴を作成して、第3のインプラント及び/又は更なるインプラントを用いて縫合糸の張力を固定するステップを繰り返してもよい。医師が所望の個数のインプラントを移植し、縫合糸の所望の張力で固定すると、医師は、余分な縫合糸を束ねたり、切除したりしてもよい。
【0052】
図14~
図17には、器具1000が示されている。器具1000は、ハンドル1010と、器具1000におけるハンドル1010とは反対側に配置された延長部1030とを有する。さらに、器具1000は、ハンドル1010と延長部1030との間に配置された本体部1020を有する。ハンドル1010は、ハンドル1010の表面の周りに(図示のように円周方向に)配置された1つ又は複数の凹部1012を備えた略円筒状の形状を有する。いくつかの実施形態において、凹部1012は、器具1000にトルク又は他の力を加えるとき(例えば、アンカー又はインプラントを軟組織および/または骨に打ち込むとき)、器具1000のグリップを容易にするように構成されてもよい。
【0053】
本体部1020は、機構1024と、第1のアーム1022及び第2のアーム1023とを有する。第1のアーム1022と第2のアーム1023とは、本体部1020において実質的に互いに反対側に配置され、本体部1020から実質的に反対方向に延びている。
図16に示されるように、第2のアーム1023は、第1のアーム1022との結合点を中心に旋回可能に構成されている。第1のアーム1022は、静止(固定)されており、器具1000を操作するために使用者(例えば、医師)によって握られるように構成され得る。
図14~
図17に示される機構1024は、弾性部材1040を備えた張力調整機構(張力付与機構)である。
図14~
図17に示される例示的な実施形態において、弾性部材1040は、ばねとして示されている(ただし、他の実施形態では、代替の機構が設けられてもよい)。機構1024には、ハウジング1026が設けられている。機構1024は、インプラント1100に通される縫合糸(図示せず)を保持(例えば、接触、制限、拘束)するように構成されている。図示されていないが、縫合糸は、器具900及びインプラント950に関連して前述されたものと同一および/または類似のものであってもよい。第2のアーム1023は、装填された縫合糸に張力を付与(調整)するために機構1024及び機構1024の構成要素に係合するように、使用者によって操作可能である(例えば、弾性部材1040に係合するように作動され得る)。第2のアーム1023は、トラック部(軌道部)1050(例えば、器具の外面の少なくとも一部に配置された連続的な窪み)に隣接して構成された係合部1025を有する。トラック部1050は、器具1000の外部から機構1024に隣接する内部(およびハウジング1026内)へ縫合糸を通すように構成されている。図示のように、トラック部1050は、「Paragon 28」又は「P28」のロゴマークと同様の設置面積を有するが、様々な幾何学的形状および大きさの他の設置面積/構成に適宜変更可能である。第2のアーム1023の操作は、縫合糸の張力調整(張力付与)を可能にするように機構1024と連動して縫合糸を保持/解放する。いくつかの態様において、第2のアーム1023は、機構1024の操作に従って間欠的な間隔で縫合糸に張力を付与(調整)するように操作可能に構成される(この間、当該作用を提供するように第1のアーム1022が握られている)。
【0054】
図14~
図17に示すように、第1のアーム1022及び第2のアーム1023は、弾性部材1040を圧縮させる(これにより、縫合糸の張力を解除する)ようにハンドル1010に向かう方向に操作され得る。逆に、第1のアーム1022及び第2のアーム1023がハンドル1010に向かって作動されていないとき、縫合糸は張られた状態(張力が付与された状態)であり得る。器具1000は、約50ポンドまで縫合糸の張力を保持可能に構成されてもよい。当該縫合糸の張力は、医師が手動で加え得る推定張力(約20ポンド)よりも大きい。軟組織損傷の修復および/または再構築においては、手動で合理的に得られる張力を超える張力が縫合糸に付与(調整)されることが望ましい。いくつかの態様では、医師が器具1000を使用してインプラント1100を骨および/または軟組織に挿入すると、機構1024が乗り越えられ、縫合糸の張力が解除され得る。あるいは、医師は、第2のアーム1023をインプラント1100から離れる方向に(例えば、ハンドル1010の方向に向かって)操作することによって、手動で縫合糸の張力を解除してもよい。これにより、縫合糸との係合部1025の係合が解除される。
【0055】
インプラント及び/又は器具のいずれも、軟組織の修復および/または再構築のための以下の例示的な技術に従って実施することができる。さらに、軟組織を修復および/または構築するプロセスにおいて、本開示に含まれる1つ又は複数のステップは、繰り返されたり、スキップされたり、別の順序で実行されたりしてもよい。
【0056】
軟組織の修復および/または再構築を行う際、医師は、配置される最初のインプラントに対応するKワイヤまたは他の安定化構成要素を配置してもよい。次いで、医師は、X線または他の画像技術を使用して、前記Kワイヤの配置を確認してもよい。次いで、医師は、所望のインプラント直径に対応するパイロット穴をドリル又は他の方法で形成してもよい。次いで、医師は、器具に係合された、予め装填(例えば、係合)されたインプラントを取得してもよい(この場合、インプラント及び/又は器具に1つ又は複数の縫合糸が通されてもよいし、医師がインプラント及び器具に1本の縫合糸を通してもよい)。次に、医師は、縫合テープをインプラントの先端の中心に配置してもよい。その後、医師は、インプラントを挿入してもよい。次に、医師は、追加のインプラント用に追加のパイロット穴を準備してもよい。次いで、医師は、縫合糸パサーを使用して、縫合糸の第1の部分を第1のインプラントから第2のインプラントに通してもよい(或いは、第1のインプラントと共通の縫合糸が第2のインプラントにすでに通されていてもよい)。次いで、医師は、第2のインプラントの一部をパイロット穴内に少なくとも部分的に配置してもよい。次いで、医師は、1つ又は複数の縫合糸から弛みを手動で取り除いてもよい。次いで、医師は、器具(例えば、本明細書で説明される張力付与器具)を使用して、第1のインプラントと第2のインプラントとの間で縫合糸に張力を付与(調整)してもよい。次に、医師は、縫合糸の張力を固定するようにインプラントを挿入してもよい。次に、医師は、パイロット穴を作成して、第3のインプラント及び/又は更なるインプラントを用いて縫合糸の張力を固定するステップを繰り返してもよい。医師が所望の個数のインプラントを移植し、縫合糸の所望の張力で固定すると、医師は、余分な縫合糸を束ねたり、切除したりしてもよい。
【0057】
次に、
図18及び
図19には、例示的な実施形態のインプラント1100が示されている。インプラント1100は、本明細書で前述された他の例示的なインプラントと同一および/または同様の1つ又は複数の特徴、幾何学的形状、又は他の特性を有し得ることを理解されたい。同様に、インプラント1100は、本明細書に図示および説明されたインプラントおよび/または器具のうちの1つ又は複数に適合し得る(例えば、本明細書に図示され説明される1つまたは複数の他の構成要素を含むシステムの構成要素であり得る)。インプラント1100は、頂部1110、底部1130、及び 頂部1110と底部1130との間に配置された本体部1120を有する。インプラント1100は、チャネル(例えば、カニューレ挿入用開口部)1140を有する。チャネル1140は、頂部1110の最近位部から本体部1120を通ってインプラント1100の長手方向軸に沿って延在し、底部1130の最遠位部を通って延在する。インプラント1100は、チャネル1140内に配置されたインターフェース機構1142を有する。チャネル1140は、本明細書において前述された1つ又は複数の他のインプラント(例えば、
図2~
図4の例示的な実施形態)のものと同一および/または類似していてもよく、インプラント1100の内面の周囲に周方向に配置されてもよい。
【0058】
インターフェース機構1142は、インプラント1100とともに外科用キットに提供され得る1つ又は複数の器具に係合する(例えば、受け入れる、取り外し可能に結合する)ように構成されている。インプラント1100は、インプラント200と同一または類似の方法で前述された器具250に係合するように構成されてもよい。あるいは、インプラント1100は、他の類似の器具に接続するように構成されてもよいし、さまざまな器具との互換性および/またはさまざまな共通の結合形状もしくは結合サイズ(例えば、トルクス(登録商標)など)との互換性を有してもよい。
【0059】
インプラント1100は、インプラント1100の外面1124に配置されたねじ切り部1122を有する。ねじ切り部1122は、インプラント1100の頂部1110の最近位部から底部1130まで延在する。
図18~
図19に示されるように、ねじ切り部1122は、インプラント1100の外面1124の長さに沿って等間隔(例えば、側面視におけるねじ山間の間隔が等間隔)に配置される。いくつかの態様において、ねじ切り部1122は、4ローブ(four-lobed)のねじ山であるが、代替実施形態において、ねじ切り部1122は他の構成を有してもよい。同様に、いくつかの態様において、ねじ切り部1122はセルフタッピング形態を有してもよい。さらに、インプラント1100は、インプラント1100の外面1124に配置された複数の連通口(ベント)(例えば、開口部)1126を有する。
図18及び
図19の例示的な実施形態に示されるように、連通口1126は、頂部1110の最近位部から本体部1120の最遠位部まで延びている。図示のインプラント1100は、インプラント1100の外面1124の周囲に円周方向に配置された複数の連通口1126を有する。複数の連通口1126は、互いに略等しい角度間隔(例えば、約90度ずつ、又は、約180度ずつ)を空けて配置されている。連通口1126は、インプラント1100の外面1124からインプラントの内面1144まで延在する。これにより、インプラント1100の外面1124とチャネル1140との間の流体連通が確立されている。連通口1126は、インターフェース機構1142と干渉しないように配置されており、インプラント1100の内面1144では、チャネル1140内で円周方向に配置されたインターフェース機構1142のスプラインと連通口1126とが互い違いに配置され得ることに留意されたい。さらに、連通口1126は、例えば、係合位置にあるときに器具250の開口部256に位置合わせされるように、器具を受け入れるように構成され得る。移植後、連通口1126は、骨の内方成長を促進するように構成され、これにより、骨および/または軟組織内でのさらなる固定を提供する。いくつかの実施形態において、インプラント1100は、
図18及び
図19に示される4つの連通口1126よりも多いか又は少ない連通口426を有してもよい。この場合、複数の連通口1126は、インプラント1100の外面1124の周囲に上記とは別の態様で配置されてもよい(例えば、互いに円周方向に等間隔を空けて配置されなくてもよい)。ねじ切り部1122は、本体部1120の周りで底部1130から頂部1110まで延在しており、ねじ切り部1122は、連通口1126を横切っている。
【0060】
インプラント1100は、底部1130の最遠位部に配置された先端1132を有する。先端1132は、実質的に円筒状の幾何学的形状を有するが、他の実施形態では代替の幾何学的形状を有してもよい。
図18及び
図19の例示的な実施形態において、先端1132は、四角形(正方形)のタップとして示されるタップ機構1136を有する。タップ機構1136は、追加の器具またはツール(例えば、パイロット穴を作成するためのドリルなど)を必要とすることなく、骨および/または軟組織(例えば、特に高密度の骨を含む)への移植を容易にするように構成されている。したがって、医師は、タップ機構1136を介して、時間効率および器具効率の高い(複数の器具の入手および切り替えを必要としない)態様でインプラント1100を骨に移植することができる。いくつかの実施形態において、タップ機構1136は、
図18及び
図19に示される四角形(正方形)以外の幾何学形状を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では(インプラント1100の構成材料に応じて)、タップ機構1136に隣接する先端1132は、移植を容易にするように構成された切削フルートを有してもよい(例えば、金属製の実施形態では、切削フルートを有し得るが、PEEK製の実施形態では、図示のように四角形のタップ機構1136を有し得る)。
【0061】
インプラント1100は、1つ又は複数の基準長さ(標準長さ)を有してもよい。ここで、インプラント1100の長さは、頂部1110の最近位部から底部1130の最遠位部まで測定される長さである。例えば、インプラント1100は、2mm~6mmの範囲の長さを有してもよく、外科用キットは、0.5mmの増分で様々な異なる大きさに製造、且つ/又は、提供され得る。さらに、
図18及び
図19に示される実施形態のインプラント1100は、複数の長さにおいて(例えば、外科用キットの構成要素として、又は、独立して)利用可能であってもよい。これにより、前記軟組織の修復および/または再構築を容易にするように、骨および/または軟組織への移植の異なる用途に適応し得る。さらに、インプラント1100は、骨および/または軟組織への移植の異なる用途に適応して前記軟組織の修復および/または再構築を容易にするために、1つの基準直径(標準的な直径)を有してもよいし、様々な異なる直径で利用可能であってもよい。このような様々な直径のインプラント1100は、外科用キット(例えば、複数の長さおよび複数の直径のインプラント1100と、例えば1つ又は複数のKワイヤ、ドリル、及び/又はドライバなどの他の構成要素とを含む滅菌キット)の構成要素であってもよいし、このようなキットとは独立して利用可能であってもよい。インプラント1100は、金属(例えば、チタン)で形成されてもよいし、1種以上の形態のPEEK樹脂(例えば、HAコーティングPEEK樹脂、炭素繊維強化PEEK樹脂、HAコーティング炭素繊維強化PEEK樹脂、無添加PEEK樹脂など)、及び/又は、他のポリマー樹脂のソフトアンカー形態で形成されてもよい。いくつかの態様において、インプラント1100は、開口部1134に通された縫合糸(例えば、先に参照した特許出願において図示および記載されたもの、又は、他の同様の縫合糸および/または縫合テープ)を備えるように製造および/または提供されてもよい。さらに、いくつかの態様において、インプラント1100は、(例えば、無菌手術キットにおいて)予め装填された状態で製造および/または提供されてもよい。この場合、インプラント1100は、器具250と、インプラント1100に通された前述の縫合糸とに係合されている。
【0062】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、構成要素を示す用語には、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含まれるものとする。さらに、「備える」、「有する」、及び「含む」といった用語は、その目的語として記載される要素に限定されないことを意図して使用される動詞である。すなわち、1つ又は複数のステップ又は要素を「備える」、「有する」、又は「含む」方法または装置は、これらの1つ又は複数のステップ又は要素を所有するが、これらの1つ又は複数のステップ又は要素のみを所有することに限定されるものでない。同様に、1つ又は複数の特徴を「備える」、「有する」、又は「含む」方法のステップ又は装置の要素は、これらの1つ又は複数の特徴を所有するが、これらの1つ又は複数の特徴のみを所有することに限定されるものでない。さらに、特定の態様で構成された装置または構造は、少なくともその態様で構成されるが、列挙されていない態様で構成されてもよい。
【0063】
本発明は、上述の好ましい実施形態を参照して説明されている。本明細書で説明される構造的および動作的な実施形態は、同一の概略的な特徴、特性、およびシステム動作を提供するための複数の可能な構成の例であることが理解されよう。上述の詳細な説明を読んで理解した当業者であれば、種々の修正および変更を思いつくであろう。本発明は、そのような修正および変更をすべて含むものとして解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】