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特表2024-504383シャフト接合強度が高められたゴルフ・クラブ・ヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】シャフト接合強度が高められたゴルフ・クラブ・ヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/02 20150101AFI20240124BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240124BHJP
【FI】
A63B53/02
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544417
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022013576
(87)【国際公開番号】W WO2022159846
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/140,747
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/217,683
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レス ジェー. ブライアント
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュ エフ. ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】ギレルモ ジー. ヴァルドヴィア
(72)【発明者】
【氏名】ランス アール. ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】オスカー モルテラ
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA07
2C002KK02
(57)【要約】
クラブ・ヘッドと、シャフトと、クラブ・ヘッドとシャフトの間の接合強度を改良する機構とを備えるゴルフ・クラブの実施形態が本明細書に記載される。クラブ・ヘッドは、シャフトの先端部を受け入れるホーゼルを備える。シャフト先端部は、シャフト接合領域および実効接合領域を規定する。本明細書で述べる機構は、ホーゼルとの実効シャフト接合面積を増加させ、クラブ・ヘッドとシャフトとの間の接合強度を改良するように設計される。いくつかの実施形態では、機構は、シャフト接合領域内に位置されるマイクログルーブを備える。マイクログルーブは、実効接合面積を増加させ、シャフトに加えられる力に対する多方向の抵抗を提供する。いくつかの実施形態では、機構は、チップ・ウェイトの代用となるウェイト機構を含むフェルールを備える。いくつかの実施形態では、機構は、シャフト内に位置されるホットメルト・ウェイトを備える。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラブ・ヘッド、シャフト、およびグリップを備えるゴルフ・クラブであって、
前記クラブ・ヘッドが、ボディおよびホーゼルを備え、
前記ホーゼルが、ホーゼル接合領域を規定する内表面を有するホーゼル穴を備え、
前記シャフトが、シャフト先端部、シャフト後端部、およびシャフト外表面を備え、
前記ホーゼル穴が、ヘッド-シャフト接続を形成する前記シャフト先端部を受け入れ、
前記シャフトが、前記シャフト後端部の幾何中心から前記シャフト先端部の幾何中心まで延びる長手方向軸を定義し、
前記シャフト外表面が、シャフト接合領域と、前記シャフト先端部付近の実効接合領域とを規定し、前記シャフト接合領域が、前記ホーゼル穴に挿入される前記シャフト外表面の部分であり、前記実効接合領域が、前記ホーゼル接合領域と接触する前記シャフト外表面の部分であり、
前記実効接合領域が、複数のマイクログルーブを備え、
前記複数のマイクログルーブが、前記シャフト外表面から複数の側壁を介して前記シャフト内に凹設され、前記複数の側壁が、前記実効接合領域を増加させ、
前記複数のマイクログルーブが、ラインとして形成され、第1の方向に延びる第1の複数のマイクログルーブと、第2の方向に延びる第2の複数のマイクログルーブとを規定し、
前記第1の複数のマイクログルーブと、前記第2の複数のマイクログルーブとが、相互接続されており、前記シャフトの周りに周方向に延び、
前記グリップが、前記シャフト後端部に連結される、
ゴルフ・クラブ。
【請求項2】
前記第1の複数のマイクログルーブと、前記第2の複数のマイクログルーブとが、前記シャフトと一体に形成される、請求項1に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項3】
前記第1の複数のマイクログルーブと前記第2の複数のマイクログルーブとが、個々のマイクログルーブ深さを規定し、
前記個々のマイクログルーブ深さが0.0038インチ未満である、
請求項1に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項4】
前記第1の複数のマイクログルーブと前記第2の複数のマイクログルーブとが、総マイクログルーブ深さを規定し、
前記総マイクログルーブ深さが、前記長手方向軸に沿って測定され、前記総マイクログルーブ深さが、マイクログルーブを備える前記シャフト先端部の深さであり、前記総マイクログルーブ深さが、1.00インチ~3.00インチの間である、
請求項1に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項5】
前記第1の複数のマイクログルーブと前記第2の複数のマイクログルーブとが、前記シャフト接合領域の50%~90%を覆う、請求項1に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項6】
前記複数のマイクログルーブのそれぞれが床部を備え、前記床部が、個々のマイクログルーブの前記複数の側壁に垂直であり、前記個々のマイクログルーブが、断面視でU字形である、請求項1に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項7】
前記第1の複数のマイクログルーブの各マイクログルーブが、前記第1の方向に延在し、前記第1の複数のマイクログルーブの隣接するマイクログルーブと平行であり、前記第2の複数のマイクログルーブの各マイクログルーブが、前記第2の方向に延在し、前記第2の複数のマイクログルーブの隣接するマイクログルーブと平行である、請求項1に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項8】
前記第1の方向および前記第2の方向が、前記長手方向軸に対して斜めである、請求項7に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項9】
前記第1の複数のマイクログルーブおよび前記第2の複数のマイクログルーブが、垂直抗力およびねじれ力に対する抵抗を提供する、請求項8に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項10】
前記第1の方向が前記長手方向軸に垂直であり、前記第2の方向が前記長手方向軸に平行である、請求項7に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項11】
クラブ・ヘッド、シャフト、グリップを備えるゴルフ・クラブであって、
前記クラブ・ヘッドが、ボディおよびホーゼルを備え、
前記ホーゼルが、ホーゼル接合領域を規定する内表面を有するホーゼル穴を備え、
前記シャフトが、シャフト先端部、シャフト後端部、およびシャフト外表面を備え、
前記ホーゼル穴が、ヘッド-シャフト接続を形成する前記シャフト先端部を受け入れ、
前記シャフトが、前記シャフト後端部の幾何中心から前記シャフト先端部の幾何中心まで延びる長手方向軸を定義し、
前記シャフト外表面が、シャフト接合領域と、前記シャフト先端部付近の実効接合領域とを規定し、前記シャフト接合領域が、前記ホーゼル穴に挿入される前記シャフト外表面の部分であり、前記実効接合領域が、前記ホーゼル接合領域と接触する前記シャフト外表面の部分であり、
前記実効接合領域が、複数のマイクログルーブを備え、
前記複数のマイクログルーブが、前記シャフト外表面から複数の側壁を介して前記シャフト内に凹設され、前記複数の側壁が、前記実効接合領域を増加させ、
前記複数のマイクログルーブが所定形状に形成され、
前記複数のマイクログルーブが、相互接続されておらず、前記シャフトの周りに周方向に延び、
前記グリップが、前記シャフト後端部に連結される、
ゴルフ・クラブ。
【請求項12】
前記複数のマイクログルーブが、前記シャフトと一体に形成される、請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項13】
前記複数のマイクログルーブが、個々のマイクログルーブ深さを規定し、
前記個々のマイクログルーブ深さが0.0038インチ未満である、
請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項14】
前記複数のマイクログルーブが、総マイクログルーブ深さを規定し、
前記総マイクログルーブ深さが、前記長手方向軸に沿って測定され、前記総マイクログルーブ深さが、マイクログルーブを備える前記シャフト先端部の深さであり、前記総マイクログルーブ深さが、1.00インチ~3.00インチの間である、
請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項15】
前記複数のマイクログルーブが、前記シャフト接合領域の50%~90%を覆う、請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項16】
前記複数のマイクログルーブのそれぞれが床部を備え、前記床部が、個々のマイクログルーブの前記複数の側壁に垂直であり、前記個々のマイクログルーブが、断面視でU字形である、請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項17】
各マイクログルーブが、三角形、ライン、正方形、長方形、または螺旋からなる群から選択される形状を備える、請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項18】
前記マイクログルーブのそれぞれが同じ形状を備える、請求項17に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項19】
前記マイクログルーブのそれぞれが異なる形状を備える、請求項17に記載のゴルフ・クラブ。
【請求項20】
前記複数のマイクログルーブが、垂直抗力およびねじれ力に対する抵抗を提供する、請求項11に記載のゴルフ・クラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年7月7日に出願された米国仮出願第63/217,683号及び2021年1月22日に出願された米国仮出願第63/140,747号の利益を主張するものであり、その内容は参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般にゴルフ・クラブに関し、より詳細は、接合強度を改良する様々な機構を有するゴルフ・クラブ・シャフトに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なゴルフ・クラブは、シャフトと、シャフトの底端部に接続されたクラブ・ヘッドとを備え、それによりヘッド-シャフト接続(「接続部」)を形成する。スイング中、接続部は、垂直抗力およびねじり力としても知られている多方向のスイング力を受ける。スイング中、クラブ・ヘッドは、シャフトから引き離され、それにより垂直抗力を加え、さらにクラブ・ヘッドは、シャフトに対して回転して、またはねじれて、それにより接続部にねじり力がかかる。スイング力に加えて、接続部は、ボールと衝突するときに衝撃力を受ける。クラブ・ヘッドの破損を防ぐために、ヘッド-シャフト接続は、これらの加えられた力に耐えられるように十分に強くなければならない。
【0004】
接続部は、シャフト先端部がホーゼルによって受け入れられる場所で定義される。シャフトをクラブ・ヘッドに固定するために、エポキシ材料が使用される。エポキシ材料は、シャフト先端部とホーゼルとの間に接合部、またはマイクロリンクを形成する。接続部の強度は、実効接合表面、またはホーゼル内表面と直接接触するシャフト外表面の量に依拠する。実効接合面積が増加するにつれて、接合強度も高まる。接続部には、クラブ・ヘッドが飛んで致命的な破損が起こるのを防ぐのに十分な実効接合面積が必要である。
【0005】
実効接合面積は、シャフト挿入深さとホーゼル深さとによって制限される。いくつかのゴルフ・クラブでは、実効接合面積は、フェルール、調整可能なホーゼル・スリーブ、またはチップ・ウェイトなど、ホーゼル内に配置される他の構成要素によってさらに制限される。これらの構成要素は、ゴルフ・クラブの他の特性を改良するために使用される。例えば、チップ・ウェイトは、クラブ・ヘッドとシャフトとのバランスを取り、所望のスイング・ウェイトを実現する手段を提供する。しかし、これらの構成要素は、ホーゼル内にスペースを必要とし、これは、シャフトとホーゼルとの間の許容実効接合面積を減少させる。いくつかのゴルフ・クラブでは、これらの追加の構成要素を補償するために、ホーゼルがより大きく(より長く)作られて十分な実効接合面積を実現する。しかし、より大きなホーゼルを形成するには、望ましい位置からホーゼルへ質量を移動させなければならず、これは質量特性に悪影響を及ぼし、クラブ・ヘッド全体の性能を犠牲にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のことを考慮して、適切なゴルフ・クラブ機構の補強に関するさらなる開発により、ゴルフ・クラブの十分な構造的完全性を維持しながらゴルフ・クラブの性能を向上させることができる。したがって、当技術分野では、質量特性およびMOIに悪影響を与えることなく、所望のスイング・ウェイトを実現しながら、ヘッドとシャフトとの間の接合強度を改良するゴルフ・クラブが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態によるゴルフ・クラブの分解断面図である。
【0008】
図2A図1のゴルフ・クラブの断面図である。
【0009】
図2B】第2の実施形態によるゴルフ・クラブの断面図である。
【0010】
図3A】第1の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0011】
図3B図3Aのマイクログルーブの拡大図である。
【0012】
図4】第2の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0013】
図5】第3の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0014】
図6】第4の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0015】
図7】第5の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0016】
図8】第6の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0017】
図9】第7の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0018】
図10】第8の実施形態による、マイクログルーブを備えるゴルフ・クラブ・シャフトの側面図である。
【0019】
図11】第1の実施形態によるフェルールの斜視図である。
【0020】
図12A】第2の実施形態によるフェルールの斜視図である。
【0021】
図12B図12Aの内部錘の斜視図である。
【0022】
図13A】第3の実施形態によるフェルールの断面図である。
【0023】
図13B図13Aのフェルールのウェイト・リングの斜視図である。
【0024】
図14】第4の実施形態によるフェルールの側面図である。
【0025】
図15A】ホットメルト・チップ・ウェイトを備えるゴルフ・クラブ・ヘッドの分解図である。
【0026】
図15B図15Aのゴルフ・クラブ・ヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書では、クラブ・ヘッド特性に悪影響を与えることなく、シャフトとクラブ・ヘッドとの間の実効接合面積を増加させる様々な機構を備えるゴルフ・クラブを述べる。いくつかの実施形態では、既存のホーゼルおよびチップ・ウェイト幾何形状が維持され、シャフトがマイクログルーブなど本発明の態様による機構を備える。他の実施形態では、これらのホーゼルおよびチップ・ウェイト幾何形状が変更され、ホーゼルおよびチップ・ウェイトが、加重フェルールなどの機構を含むように、またはホットメルト・チップ・ウェイトなどの機構によって置き換えられるように修正される。
【0028】
いくつかの実施形態では、上述したように、シャフトとゴルフ・クラブ・ヘッドとの間の実効接合面積を増加させるための機構は、マイクログルーブを含む。マイクログルーブは、いくつかの方法で接続強度を高める。第一に、マイクログルーブは、シャフトに凹設され、複数の側壁を規定し、これは実効接合面積を増加させる。マイクログルーブの側壁および床部は、平坦なシャフト表面よりも大きい表面積を提供する。ホーゼルとシャフトとの間の接合部を形成するためにエポキシがより大きい表面積を有するので、追加の接合面積が接合強度を高める。第二に、マイクログルーブは、シャフト先端部の周りでの一様なエポキシの流れを促進する経路またはチャネルを形成し、これは、ホーゼルとゴルフ・クラブ・ヘッドの残りの部分との間の圧力蓄積およびエア・ポケットを防止する。最後に、各マイクログルーブの側壁を異なる方向に向けて、垂直抗力および/またはねじり力に対するより高い抵抗を提供することができる。マイクログルーブは、接続部全体にわたって応力をより一様に分散させる経路を作成する。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、離散ライン、離散形状、交差ライン、または交差形状であり得る。マイクログルーブは、実効接合領域の周りに周方向に延びることができ、またはグループとして形成することもできる。グループは、様々な形状を有する複数のマイクログルーブを備える。マイクログルーブは、グループを定義する様々なパターンで形成することができる。マイクログルーブの側壁は滑らかでも、ギザギザでもよい。マイクログルーブは、シャフト先端部、シャフト後端部、またはグリップ内表面に適用することができる。マイクログルーブは、他の機構、例えば隆起部、切欠、粗さ領域、または実効接合領域の粗さを増加させる任意の他の機構を含むことができる。
【0029】
他の実施形態では、上述したように、シャフトとゴルフ・クラブ・ヘッドとの間の実効接合面積を増加させるための機構は、チップ・ウェイトなど従来のペリメーター・ウェイトおよびスイング・ウェイト要素の代わりとなるウェイト要素を含む。チップ・ウェイトを取り除くことで、シャフトをホーゼルにさらに深く挿入し、それによりシャフトの挿入深さを最大化することができる。これらのウェイト要素は、より小さいチップ・ウェイトと組み合わせて使用することもできる。いくつかの実施形態では、ウェイト要素は、錘を備えるフェルールである。錘は、フェルールの外側から見えるようにすることも、フェルール内に隠すこともできる。代替実施形態では、フェルールは、高密度材料から形成される。別の実施形態では、ウェイト要素は、シャフト・ボディ内に位置されたホットメルト・ウェイトである。これらのウェイト要素は、クラブ・ヘッドに重量付加するための実質的な質量を提供し、それにより、チップ・ウェイトを取り除く、またはより小さいチップ・ウェイトで置き換えることができる。本明細書で述べるウェイト要素は、ヘッド-シャフト接続を強化するために実効接合面積を最大化する。
【0030】
本明細書で使用する「備える」、「含む」、「有し」、「有する」、「できる」、「含む」という用語およびそれらの活用形は、追加の作用または構造の可能性を除外しないオープンエンド(open-ended)の移行句、用語、または単語であることを意図されている。単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形の言及を含む。本開示は、明示的に記載されているか否かに関わらず、本明細書で提示される実施形態または要素「を備える」、「からなる」、および「から本質的になる」他の実施形態も企図する。
【0031】
以下の開示で本明細書において使用する「約」という用語は、記載された値を含む量に関連して使用され、文脈によって規定される意味を有する(例えば、少なくとも特定の量の測定に関連するある程度の誤差を含む)。また、修飾語「約」は、2つの端点の絶対的な値によって定義される範囲を開示するものとみなすべきである。例えば、「約2~約4」という表現は、「2~4」の範囲も開示する。「約」という用語は、示された数値のプラスまたはマイナス10%を表すことがある。例えば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示すことがあり、「約1」は、0.9~1.1を意味することがある。「約」の他の意味は、文脈から明らかになり得る。
【0032】
以下の開示において使用する「第1」、「第2」、「第3」、「第4」という用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の連続的または時系列的な順序を述べるために使用されるわけではない。そのようにして使用される用語は、本明細書で述べる実施形態が、例えば本明細書で図示または説明されるもの以外の順序での動作を可能にするように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」および「有する」という用語ならびにそれらの活用形は、非排他的な包含を網羅することを意図されており、要素の列挙を含むプロセス、方法、システム、品目、デバイス、または装置は、必ずしもそれらの要素に限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、システム、品目、デバイス、もしくは装置に固有の他の要素を含むこともある。
【0033】
以下の開示において使用する「周方向」、「平行」、「非平行」、「垂直」、「非垂直」という用語は、説明の目的で使用され、必ずしも恒久的な相対位置を述べるために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、本明細書で述べる装置、方法、および/または製造物の実施形態が、例えば本明細書で図示または説明されるもの以外の向きでの動作を可能にするように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。
【0034】
本明細書で使用する「接合強度」は、ヘッド-シャフト接続またはグリップ-シャフト接続でのエポキシ材料の強度であり得る。接合強度は、接合表面とホーゼル内表面またはグリップ内表面との接合部を破壊するのに必要なエネルギーによって定量化することができる。
【0035】
本明細書で使用する「座標系」は、打撃面の幾何中心に正接するロフト面を含む。クラブ・ヘッドがアドレス位置にあるとき、クラブ・ヘッドは、ソールに正接する接地面を規定する。この座標系は、ゴルフ・クラブ・ヘッド打撃面の幾何中心にある原点によって定義される。打撃面の面中心は、x軸、y軸、およびz軸を有する座標系に関する原点を定義する。x軸は、接地面と平行にヒール付近からトゥ付近まで延びる方向で、面中心を通って延びる水平軸である。y軸は、接地面に垂直にソール付近からクラウン付近まで延びる方向で、面中心を通って延びる垂直軸である。y軸は、x軸に垂直である。z軸は、接地面と平行にフロント付近からリア付近まで延びる方向で、面中心を通って延びる水平軸である。z軸は、x軸およびy軸に垂直である。x軸は、ヒールに向かって正の方向に延びる。y軸は、クラウンに向かって正の方向に延びる。z軸は、リアに向かって正の方向に延びる。
【0036】
本明細書で使用する「重心座標系」は、ゴルフ・クラブ・ヘッドの重心で定義される。重心は、上で定義した座標系内に位置される。重心は、x軸、y軸、およびz軸上の位置を有することもできる。重心は、CGx軸、CGy軸、およびCGz軸を有する座標系の原点をさらに定義する。CGx軸は、CGを通ってヒール付近からトゥ付近まで延びる。CGy軸は、CGを通ってクラウン付近からソール付近まで延び、CGy軸はCGx軸に垂直である。CGz軸は、CGを通ってフロント付近からリア付近まで延び、CGx軸とCGy軸との両方に垂直である。
【0037】
本明細書で使用する「実効接合領域」は、ホーゼル穴内表面と直接接触するシャフト外表面の表面領域であり得る。実効接合領域は、シャフト外表面の周りに周方向に延びることができ、実効接合深さに沿って位置させることができる。実効接合領域は、シャフト接合領域内に位置させることができる。図2Aは、実効接合領域154の一例を示す。
【0038】
本明細書で使用する「実効接合深さ」は、ホーゼル穴内表面と直接接触するシャフト外表面の深さであり得る。図2Aは、実効接合深さ156の一例を示しており、実効接合深さ156は、長手方向軸110に沿ってフェルール底縁部2012からシャフト底端部144まで測定することができる。図2Bは、実効接合深さ156の別の例を示しており、実効接合深さ156は、長手方向軸110に沿ってフェルール底縁部2012からチップ・ウェイト192まで測定される。
【0039】
本明細書で使用する「エポキシ」は、シャフトをクラブ・ヘッドまたはグリップに接合するために使用される任意の接着剤または樹脂混合物であり得る。エポキシは、シャフト接合領域に塗布され、接続部を固定するための手段として使用される。エポキシは、シャフト接合領域とホーゼル内表面またはグリップ内表面との間に接合部を形成することができる。
【0040】
本明細書で使用する「フェルール深さ」は、ホーゼルに入るフェルール下側部分または中心合わせ領域の長さであり得る。図2Aは、フェルール深さ2030の一例を示し、フェルール深さ2030は、長手方向軸110に沿ってフェルール・レッジ2018からフェルール底縁部2012まで測定される。
【0041】
本明細書で使用する「フェルール表面」は、ホーゼル接合領域と接触するフェルール下側部分の表面領域であり得る。図2Aは、フェルール表面2046の一例を示し、フェルール表面2046は、フェルール下側部分の周りで周方向に延び、フェルール深さ2030に位置される。
【0042】
本明細書で使用する「ゴルフ・クラブ」は、アイアン型のゴルフ・クラブ、ウッド型のゴルフ・クラブ、またはパター型のゴルフ・クラブであり得る。アイアン型のゴルフ・クラブは、キャビティ、キャビティ・バック、ホロウ・ボディ、フォージド、キャスト、クロスオーバー・ゴルフ・クラブ・ヘッドであり得る。ウッド型のゴルフ・クラブは、ドライバー、フェアウェイ、またはハイブリッド型のゴルフ・クラブ・ヘッドであり得る。
【0043】
本明細書で使用する「ヘッド-シャフト接続」は、シャフト先端の外表面とホーゼルの内表面との間の接続部であり得る。ヘッド-シャフト接続は、「接続部」と交換可能に使用することができる。
【0044】
本明細書で使用する「ホーゼル接合領域」は、シャフトと接合するホーゼル穴内表面の表面領域であり得る。図1は、ホーゼル接合領域138の一例を示し、ホーゼル接合領域138は、ホーゼル穴内表面の周りに周方向に延び、ホーゼル深さ134に沿って位置される。
【0045】
本明細書で使用する「ホーゼル深さ」は、長手方向軸に沿って測定されるホーゼル穴の総深さであり得る。図1は、ホーゼル深さ134の一例を示し、ホーゼル深さ134は、ホーゼル穴リム126からホーゼル穴ベース128まで測定される。
【0046】
本明細書で使用する「アイアン型のゴルフ・クラブ・ヘッド」は、トップ・レール、ソール、ヒール、トゥ、リア、および打撃面を含む。一般に、アイアン型のゴルフ・クラブ・ヘッドは、打撃面とホーゼルとが一緒に形成された1つの一体型ボディを備える。他の実施形態では、打撃面を個別に形成することができる。
【0047】
本明細書で使用する「長手方向軸」は、シャフト頂端部の幾何中心からシャフト底端部の幾何中心まで延びる軸であり得る。シャフトは、長手方向軸によって二分される対称的な円柱体であり得る。
【0048】
本明細書で使用する「慣性モーメント」は、慣性モーメントIxxおよび/またはIyyであり得る。慣性モーメントIxxは、CGx軸の周りで定義され(すなわち、クラウン-ソール慣性モーメント)、慣性モーメントIyyは、CGy軸の周りで定義される(すなわち、ヒール-トゥ慣性モーメント)。慣性モーメントは、ゴルフ・クラブ・ヘッドがねじれに耐えることができる能力を表す。
【0049】
本明細書で使用する「垂直抗力」は、シャフトの断面領域に対して法線方向または垂直に加えられる引張力であり得る。換言すると、垂直抗力は、シャフト長手方向軸と平行に加えることができる。垂直抗力は、「押す力」または「引く力」と交換可能に使用されることがある。垂直抗力は、シャフトに加えられ、物体の断面領域全体に均一な垂直応力を引き起こすことがある。
【0050】
本明細書で使用する「シャフト接合領域」は、ホーゼル穴内表面と接合するシャフトの表面領域であり得る。シャフト接合領域は、シャフト外表面の周りに周方向に延びることができ、シャフト挿入深さに位置させることができる。図1は、シャフト接合領域150の一例を示し、シャフト接合領域150は、実効接合領域154およびフェルール外表面2046を含む。
【0051】
本明細書で使用する「シャフト挿入深さ」は、ホーゼル穴に挿入されるシャフトの深さであり得る。図1は、シャフト挿入深さ152の一例を示し、シャフト挿入深さ152は、長手方向軸110に沿ってシャフト先端部144からフェルール・レッジ2018まで測定される。
【0052】
本明細書で使用する「チップ・ウェイト」は、ホーゼルに挿入し、エポキシ材料で定位置に保持することができる円柱形ウェイト構成要素であり得る。チップ・ウェイトは、高密度材料から形成することができる。図2Bは、ホーゼル・ベース128の近くに位置され、長手方向軸110に沿って測定されるチップ・ウェイト深さ192を備えるチップ・ウェイト190の一例を示す。
【0053】
本明細書で使用する「ねじり力」は、シャフトの断面領域に対して平行または接線方向に加えられる捻る力であり得る。換言すると、ねじり力は、シャフト長手方向軸に垂直に加えられることがある。ねじり力は、トルクまたはねじれの力と交換可能に使用することができる。ねじり力は、シャフトに加えられ、シャフトの断面領域全体にわたるせん断応力の分散を引き起こすことがある。
【0054】
本明細書で使用する「移行ステップ」は、底端部付近のシャフト外表面に位置される移行領域であり得る。移行ステップは、シャフト接合表面とシャフト接合領域の上方に位置されるシャフトの残りの部分との間の移行部として定義することができる。いくつかの実施形態では、移行ステップは、表面仕上げの変化によって定義することができる。例えば、移行ステップよりも上方のシャフトの部分は光沢仕上げを有することができ、移行ステップよりも下方のシャフトの部分はサンド・ブラスト仕上げを有することができる。他の実施形態では、移行ステップは、シャフトの外径の変化によって定義することができる。例えば、移行ステップよりも上方のシャフトの部分は、移行ステップよりも下方のシャフトの部分よりも大きい直径を有することができる。
【0055】
本明細書で使用する「ウッド型のゴルフ・クラブ・ヘッド」は、実質的に閉じた/中空の内部体積を規定するために互いに固定された打撃面およびボディを備えることができる。クラブ・ヘッドは、クラウン、クラウンの反対側のソール、ヒール、ヒールの反対側のトゥ、フロント、およびフロントの反対側のリアを備える。ボディはさらに、クラウンとソールとの間に、それらに隣接して位置されたスカートまたはトレーリング・エッジを含むことができ、スカートは、クラブ・ヘッドのヒール付近からトゥ付近まで延びる。
【0056】
別段に定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含む本文書が優先される。本明細書で述べるものと同様または等価の好ましい方法および材料を、本発明の実践または試験において使用することができる。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献の全体を参照により本明細書に組み込む。本明細書に開示される材料、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定は意図されていない。
【0057】
本明細書では、クラブ・ヘッドとシャフトとの間の接合強度を高める機構を含むゴルフ・クラブを述べる。実効接合面積が増加されるとき、およびエポキシがシャフトの周りに一様に流れることが可能であるとき、接合強度が高められる。これは、現在のホーゼルおよびフェルールの幾何形状を維持しながら接合表面積も増加させることによって、または、現在の機構を取り除くことができるようにフェルールを修正し、それによりシャフト挿入深さおよび接合表面積を増加させることによって実現することができる。
【0058】
本明細書で述べるゴルフ・クラブは、クラブ・ヘッド100、シャフト140、およびグリップ160を備える。クラブ・ヘッド100はボディ120およびホーゼル122を備え、ホーゼル122はホーゼル穴124を備える。ホーゼル穴124は、ホーゼル・リム126からホーゼル・ベース128まで延びる内表面によって規定される。内表面は、シャフト140と相互作用するホーゼル接合領域138を規定する。ホーゼル接合領域138は、ホーゼル122をシャフト140に接合するために使用される穴122の内表面である。シャフト140は、グリップ160内に受け入れられる頂端部142と、ホーゼル穴124内に受け入れられる底端部144と、外表面146とを備える。外表面146は、移行ステップ148と、底端部144付近のシャフト接合領域150とを規定する。シャフト接合領域150は、シャフト140をホーゼル122に接合するために使用されるシャフト140の表面である。シャフト底端部144は、シャフト接合領域150がホーゼル接合領域138と接触するように、ホーゼル穴124内に位置される。シャフト接合領域150とホーゼル接合領域138との間の相互作用が、クラブ・ヘッド120とシャフト140との間の接続を形成する。さらに、シャフト接合領域150とホーゼル接合領域138との構成が、ヘッド-シャフト接続の強度を決定する。
【0059】
ホーゼル接合領域138と直接接触するシャフト接合領域150の部分は、実効接合領域154として知られる。ほとんどの実施形態では、実効接合領域154は、シャフト接合領域150よりも小さく、ホーゼル穴内の他の構成要素の存在により制限される。上で論じたように、ヘッド-シャフト接続を強化するために、実効接合面積154を最大化することが望ましい。実効接合面積154を最大化する1つの方法は、追加の構成要素を取り除くことによって実効接合深さ156を増加させることである。最大実効接合深さ156はシャフト挿入深さ152に等しく、実効接合面積154はシャフト接合面積150に等しい。そのような実施形態では、シャフト接合領域150全体が、ホーゼル接合領域138に直接接触する。追加の構成要素が存在する他の実施形態では、実効接合面積154は、既存のフットプリント内に留まりながら最大化される。
【0060】
例えば、いくつかのゴルフ・クラブは、シャフト140の周りに位置されたフェルール2000をさらに備える。図2Aを参照すると、フェルール2000は、フェルール深さ2030でホーゼル穴124に挿入される下側部分を備える。フェルール2000の下側部分は、ホーゼル接合領域138に接触する外表面2046を備え、これは、(フェルール深さ2030で)シャフト接合領域150がホーゼル接合領域138に接触するのを防止する。それにより、実効接合深さ156は、フェルール深さ2030の分だけ減少される。他の実施形態では、ゴルフ・クラブは、ホーゼル穴ベース128に位置するチップ・ウェイト190をさらに備える。チップ・ウェイト190は、ホーゼル穴124内の空間を占め、それにより、許容可能なシャフト挿入深さ152を減少する。実効接合領域154は、チップ・ウェイト深さ192の分だけ減少される。本開示は、クラブ・ヘッド100とシャフト140との間の接合強度を高めるために、実効接合面積154を増加させるように設計されたいくつかの機構を述べる。本明細書で述べるゴルフ・クラブは、これらの機構の任意の組合せを備えることができる。
【0061】
A.マイクログルーブを有するゴルフ・クラブ・シャフト
以下で述べるように、シャフト140は、複数のマイクログルーブを備えることができる。マイクログルーブは、実効接合深さ156を増加させることなく、実効接合面積154を増加させる。マイクログルーブを使用して、フェルール、チップ・ウェイト、およびホーゼル・サイズなどの他の望ましいホーゼル機構を維持しながら接合強度を改良することができる。
【0062】
図3A~10を参照すると、ゴルフ・クラブ・シャフト140は、複数のマイクログルーブをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、シャフト接合領域150内に位置される。他の実施形態では、マイクログルーブは、実効接合領域154内にのみ位置される。マイクログルーブは、実効接合面積を増加し、力に対する多方向の抵抗を提供することによって、ヘッド-シャフト接続を補強する。マイクログルーブはシャフトに凹設され、複数の側壁を規定し、側壁はそれぞれ、マイクログルーブの深さ、および側壁表面領域を規定する。側壁表面領域は、実効接合領域154に追加の面積を提供する。したがって、マイクログルーブは、実効接合深さ156を増加させることなく、実効接合面積154を増加する。マイクログルーブはシャフト140と一体に形成され、これは、シャフト140および/またはホーゼル機構の既存のフットプリントを変えることなく、マイクログルーブを、任意のシャフト140に適用できる汎用性の機構にする。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、断面視でU字形のチャネルを規定する2つの側壁および平面状の床部を有することができる。他の実施形態では、マイクログルーブは、V字形のチャネルを形成するようにつながる2つの角度付きの側壁を有することができる。
【0063】
実効接合面積154を増加することに加えて、マイクログルーブは、スイング中およびゴルフ・ボールとのインパクト時にシャフト140(およびヘッド-シャフト接続)に加えられる様々な力に対する抵抗を側壁が提供するように向けられる。ダウンスイング中、シャフト140は、クラブ・ヘッドがシャフトから引き離されるように、シャフト140の後端部から先端部への方向に長手方向軸110に平行に加えられる垂直抗力を受ける。シャフト140はさらに、ゴルフ・クラブ・ヘッドがシャフト軸の周りで回転するように、ゴルフ・ボールとのインパクト時に長手方向軸110に垂直に加えられるねじり力を受ける。マイクログルーブ側壁は、加えられた力と非平行な方向に向けられたときに抵抗を提供する。換言すると、マイクログルーブ側壁は、長手方向軸110に非平行に向けられるときには垂直抗力に対する抵抗を提供し、長手方向軸110に非垂直に向けられるときにはねじれ力に対する抵抗を提供する。
【0064】
マイクログルーブはそれぞれ、シャフト外表面146から各マイクログルーブの床部まで測定される深さを規定する。代替として、マイクログルーブ深さは、マイクログルーブ側壁の高さと呼ぶこともできる。いくつかの実施形態では、側壁は、シャフト外表面146に垂直である。他の実施形態では、側壁は、シャフト外表面146に対して角度を付けられている。マイクログルーブ深さは、側壁表面積、および実効接合面積154の増加に相関する。より大きい表面積に加えられる同じ量の力は、その力がより広く分散されるので、効果がより小さい。したがって、マイクログルーブ深さが最大化されて、接合特性を改良する。しかし、マイクログルーブ深さは、シャフト140の太さによって左右される。マイクログルーブ深さは、マイクログルーブが深く貫入しすぎるのを防止するように制限される。深すぎる貫入は、シャフト140の強度を損なうおそれがある。
【0065】
さらに、マイクログルーブは、シャフト外表面146の周りに周方向に延びるエポキシ経路またはチャネルを提供する。これらのチャネルは、シャフト140の周りでの一様なエポキシの流れを促進し、これは、エポキシによって覆われる表面を最大化し、接合強度をさらに高める。したがって、マイクログルーブは、多方向の力を考慮に入れると共に、実効接合面積154を最大化し、一様なエポキシ被覆を促進する。いくつかの実施形態では、マイクログルーブ側壁は、上で定義したように、長手方向軸110に非平行かつ非垂直の方向に向けられ、それにより垂直抗力とねじれ力との両方に対する抵抗を提供する。
【0066】
マイクログルーブは、離散形状または交差形状の任意の組合せで形成することができ、各形状が少なくとも3つの側壁を備える。マイクログルーブは、少なくとも2つのマイクログルーブからなるグループとして形成することができる。しかし、各グループは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上のマイクログルーブを備えることができる。さらに、マイクログルーブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10グループ以上のマイクログルーブとして形成することができる。マイクログルーブは、複数の離散または交差ラインとして形成することができる。代替として、マイクログルーブは、複数のランダムに向けられた要素として形成することもできる。マイクログルーブは、本明細書で述べる任意の組合せで形成することができる。しかし、マイクログルーブは、好ましくは、垂直抗力とねじり力との両方に対する抵抗を提供するように形成することができる。マイクログルーブの位置決めおよびサイズ設定は、シャフトの強度を損なうことなくヘッド-シャフト接続を補強するように選択される。以下で論じるように、マイクログルーブは、様々なサイズを有する様々な形状およびラインで形成することができる。
【0067】
マイクログルーブ深さは、0.0010インチ~0.0050インチの間である。いくつかの実施形態では、マイクログルーブ深さは、約0.0010インチ、0.0015インチ、0.0020インチ、0.0025、0.0030インチ、0.0035インチ、または0.0040インチ未満である。いくつかの実施形態では、マイクログルーブ深さは、0.0010インチ~0.0025インチ、0.0010インチ~0.0050インチ、0.0015インチ~0.0030インチ、0.0025インチ~0.0040インチ、または0.0035インチ~0.0050インチの間である。1つの例示的実施形態では、マイクログルーブ深さは、0.0030インチである。マイクログルーブは、グラファイト・シャフトとスチール・シャフトとの両方に適用することができる。いくつかのグラファイト・シャフトでは、マイクログルーブは、シャフト140の外側樹脂層に凹設されるが、内側複合材層には貫入していない。
【0068】
いくつかの実施形態では、マイクログルーブ深さはマイクログルーブ全体にわたって一定であるが、他の実施形態では、マイクログルーブ深さはマイクログルーブ全体にわたって変化する。いくつかの実施形態では、マイクログルーブ深さは、マイクログルーブがシャフト底端部144付近でより深く、シャフト頂端部142に向かって浅くなるように変化する。逆に、他の実施形態では、マイクログルーブ深さは、マイクログルーブがシャフト頂端部142付近でより深く、シャフト底端部144に向かって浅くなるように変化する。マイクログルーブ深さは任意のパターンで変化することができ、またはマイクログルーブ深さはランダムに変化することができる。さらに、深さは、個々のマイクログルーブそれぞれの中で任意の方向に変化することもできる。
【0069】
マイクログルーブ深さは、シャフト接合領域150の特定の部分に、より大きな耐力を有するマイクログルーブを提供するように調整することができる。例えば、シャフト140は、加えられるねじれ力により、一様でない応力分布を受けることがあり、したがって、実効接合領域154がより大きい応力を受ける場所に、より深いマイクログルーブを位置決めすることができる。例えば、シャフト140は、ねじれ力により、シャフト接合領域150の底端部よりもシャフト接合領域150の頂端部で大きい応力を受けることがあり、したがって、シャフト接合領域150の底端部よりもシャフト接合領域150の頂端部で深いマイクログルーブの便益を受ける。マイクログルーブ深さは、シャフト140の強度を損なうことなく実効接合面積154を増加させるように最適化される。マイクログルーブ長さおよび幅も同様に、実効接合領域154のいくつかの部分に、より大きな耐力を提供するように選択される。
【0070】
マイクログルーブはそれぞれ、長手方向軸110に沿ってシャフト底端部142に最も近いマイクログルーブの点からシャフト頂端部144に最も近い点まで測定される個々のマイクログルーブ長さをさらに規定する。各マイクログルーブは、長手方向軸110に垂直な方向で、シャフト140の周りで周方向に測定される個々のマイクログルーブ幅をさらに含む。個々のマイクログルーブ長さおよび幅は、実効接合面積154の増加を決定する。
【0071】
いくつかの実施形態では、個々のマイクログルーブ長さはマイクログルーブ全体にわたって一定であるが、他の実施形態では、個々のマイクログルーブ長さはマイクログルーブ全体にわたって変化する。いくつかの実施形態では、個々のマイクログルーブ長さは、0.05インチ、0.10インチ、0.25インチ、0.50インチ、0.75インチ、1.00インチ、1.25インチ、1.50インチ、1.75インチ、3.00インチ、3.50インチ、または5.00インチ未満である。いくつかの実施形態では、個々のマイクログルーブ長さは、0.05インチ~0.10インチ、0.075インチ~0.125インチ、0.075インチ~0.20インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.50インチ~1.00インチ、0.75インチ~1.50インチ、1.10インチ~1.50インチ、1.25インチ~3.00インチ、または2.00インチ~5.00インチの間である。1つの例示的実施形態では、個々のマイクログルーブ長さは、0.75インチである。マイクログルーブは、隣接するマイクログルーブと同じ長さを備えていても、異なる長さを備えていてもよい。個々のマイクログルーブ長さは、シャフト接合領域150の特定の部分に、より大きな耐力を有するマイクログルーブを提供するように調整することができる。例えば、シャフト140がより大きい応力を受ける場所に、より長いマイクログルーブを位置決めすることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、個々のマイクログルーブ幅はマイクログルーブ全体にわたって一定であるが、他の実施形態では、個々のマイクログルーブ幅はマイクログルーブ全体にわたって変化する。いくつかの実施形態では、個々のマイクログルーブ幅は、0.05インチ、0.10インチ、0.25インチ、0.50インチ、0.75インチ、または1.00インチ未満である。いくつかの実施形態では、個々のマイクログルーブ幅は、0.05インチ~0.50インチ、0.075インチ~0.125インチ、0.075インチ~0.20インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.30インチ~0.75インチ、0.50インチ~1.00インチ、0.75インチ~1.50インチ、または1.00インチ~2.00インチの間である。1つの例示的実施形態では、個々のマイクログルーブ幅は0.015インチである。マイクログルーブは、隣接するマイクログルーブと同じ幅を備えていても、異なる幅を備えていてもよい。個々のマイクログルーブ幅は、シャフト接合領域150の特定の部分に、より大きな耐力を有するマイクログルーブを提供するように調整することができる。例えば、シャフト140がより大きい応力を受ける場所に、より幅広のマイクログルーブを位置決めすることができる。
【0073】
各マイクログルーブ側壁の表面積は、各マイクログルーブの深さ、長さ、および幅によって決定される。マイクログルーブ側壁は、実効接合面積154を増加させ、エポキシが接合するための追加の表面積を提供することによって接合強度を高める。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、実効接合面積154を、0.01in、0.05in、0.10in、0.25in、0.50in、0.75in、1.00in、1.25in、または1.50inを超える量だけ増加させる。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、実効接合面積154を、5%、10%、15%、20%、30%、50%、75%、または90%を超える量だけ増加させる。他の実施形態では、マイクログルーブは、実効接合面積154を、5%~10%、5%~15%、10%~25%、25%~50%、50%~75%、または75%~90%の間の量だけ増加させる。マイクログルーブは、実効接合面積154を増加させるマイクロチャネルを形成する。実効接合面積154の増加は、追加の接合部を形成するためのより多くの表面積を提供することによって、ヘッド-シャフト接続での接合強度を強化する。
【0074】
マイクログルーブは、長手方向軸に沿ってシャフト底端部144に最も近いマイクログルーブからシャフト頂端部142に最も近いマイクログルーブまで測定される総深さをさらに備える。総マイクログルーブ深さは、個々のマイクログルーブ深さとは異なる。総マイクログルーブ深さは、マイクログルーブを備えるシャフトの実際の長さである。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、シャフト接合領域150全体を覆い、総マイクログルーブ深さはシャフト挿入深さに等しい。他の実施形態では、マイクログルーブは、実効接合領域154内にのみ位置され、総マイクログルーブ深さは実効接合深さ156に等しい。いくつかの実施形態では、総マイクログルーブ深さは、0.90インチ、1.00インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、または1.35インチよりも大きい。いくつかの実施形態では、総マイクログルーブ深さは、0.50インチ~1.00インチ、0.50インチ~1.50インチ、0.60インチ~0.90インチ、0.70インチ~1.10インチ、0.80インチ~1.10インチ、1.20インチ~1.75インチ、1.50インチ~3.00インチ、または2.50インチ~5.00インチの間である。1つの例示的実施形態では、総マイクログルーブ深さは1.10インチである。
【0075】
総マイクログルーブ深さは、マイクログルーブによって覆われるシャフト接合領域150の部分を決定する。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、シャフト接合領域150の10%~20%、25%~50%、25%~75%、30%~80%、50%~70%、50%~90%、60%~100%、または75%~100%の間を覆う。マイクログルーブは、隣接するマイクログルーブ間に大きな間隔を空けずに連続パターンで形成される。いくつかの実施形態では、マイクログルーブは一様に分布されるが、他の実施形態では、マイクログルーブは、シャフト接合領域150のいくつかの部分にわたって集中される。マイクログルーブのサイズ設定は、シャフト140の強度を損なうことなく実効接合面積154を増加させるように選択される。上で論じたマイクログルーブのサイズ設定および形状設定は、本明細書で述べるマイクログルーブの様々な実施形態に適用することができる。
【0076】
本明細書で述べるゴルフ・クラブは、以下で述べるマイクログルーブパターンの任意の組合せを備えることができる。いくつかの実施形態では、マイクログルーブはラインとして形成され、他の実施形態では、マイクログルーブは、特定形状に形成される。上で論じたように、いくつかの実施形態では、各マイクログルーブは、シャフト140に凹設され、複数の側壁(または「側壁」)および平面状の床部によって規定される。他の実施形態では、マイクログルーブは、シャフト140に凹設され、V字形またはU字形のチャネルを形成する2つの側壁によって規定される。側壁の向きは、長手方向軸110に対して表される。側壁は、水平(長手方向軸110に垂直)、垂直(長手方向軸110に平行)、または長手方向軸110に対して斜め(長手方向軸110に対して角度付き)に向けることができる。マイクログルーブの向きは、ゴルフ・クラブ・シャフトに加えられる力に対して多方向の抵抗を提供するように選択される。各側壁は滑らかな連続面でよく、または側壁はギザギザでもよい。さらに、マイクログルーブは交差していても、離散したラインでもよい。
【0077】
I.ラインとして形成されたマイクログルーブ
いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、図3A~8に示されるように、複数のラインとして形成することができる。マイクログルーブ1100、1200、1300、1400、1500を、同様の参照番号を使用して述べる。例えば、マイクログルーブ1100、1200、1300、1400、1500は、側壁1110、1210、1310、1410、1510、および床部1120、1220、1320、1420、1520を備える。
【0078】
いくつかの実施形態(図3Aおよび3Bを参照)では、マイクログルーブ1100は、方向が垂直でも平行でもないように、長手方向軸110に対して斜めの方向にシャフト140の周りで周方向に延びることができる。換言すると、マイクログルーブ1100は、シャフトの周りで螺旋状に延びる。マイクログルーブ1100は、第1のグループ1130および第2のグループ1140を有する。マイクログルーブ1100の第1のグループ1130は、シャフトの周りで、上下方向に時計回りで螺旋状に延びる。マイクログルーブ1100の第2のグループ1140は、シャフトの周りで、上下方向に反時計回りで螺旋状に延びる。マイクログルーブ1100の第1および第2のグループ1130、1140は交差して、マイクログルーブ1100間にダイヤモンド形の突出部を形成する。
【0079】
マイクログルーブ1100は、長手方向軸110と角度を成す。角度は、長手方向軸からマイクログルーブ1100の側壁1110まで測定される。角度は、長手方向軸110から時計回りまたは反時計回りに測定される方向で、0度よりも大きく90度未満の範囲内であり得る。例えば、図3Aおよび3Bに示されるように、1組のマイクログルーブ1100は、時計回り方向で測定して45度の角度を成し、第2の組のマイクログルーブは、反時計回り方向で測定して45度の角度を成す。他の実施形態では、マイクログルーブは、長手方向軸110に対して時計回りまたは反時計回りの方向で測定して、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、または85度の角度を成すことができる。
【0080】
他の実施形態では、図4に示されるように、マイクログルーブ1200は、交差しないように、長手方向軸110に垂直な方向でシャフト140の周りで周方向に延びることができる。側壁1210は、互いに平行であり、かつ長手方向軸110に垂直である。側壁1210は、垂直抗力に対する抵抗を提供する。
【0081】
別の実施形態では、図5に示されるように、マイクログルーブ1300は、長手方向軸110に平行な方向に延びることができる。マイクログルーブ1300は、シャフト140の周りに周方向に位置決めされ、交差しない。側壁1310は、互いに平行であり、かつ長手方向軸110に平行である。側壁1310は、ねじり力に対する抵抗を提供する。
【0082】
別の実施形態では、図6に示されるように、マイクログルーブは、第1の複数のマイクログルーブ1200と第2の複数のマイクログルーブ1300とを備えることができる。第1の複数のマイクログルーブ1200の側壁1210は、互いに平行であり、かつ長手方向軸110に垂直であり、第2の複数のマイクログルーブ1300の側壁1310は、互いに平行であり、かつ長手方向軸110に平行である。第1の複数のマイクログルーブ1200は、第2の複数のマイクログルーブ1300よりも上方に、またはシャフト頂端部142の近くに位置させることができる。図6に示されるように、第1の複数のマイクログルーブ1200は、第2の複数のマイクログルーブ1300の下方に位置させることもできる。マイクログルーブ1200、1300は、垂直抗力およびねじり力に対する抵抗を提供する。
【0083】
第1の複数のマイクログルーブ1200および第2の複数のマイクログルーブ1300はそれぞれ、少なくとも1つのマイクログルーブを備える。いくつかの実施形態では、第1および第2の複数のマイクログルーブ1200、1300はそれぞれ、10~20個のマイクログルーブ、20~50個のマイクログルーブ、10~30個のマイクログルーブ、30~70個のマイクログルーブ、50~100個のマイクログルーブ、40~60個のマイクログルーブ、50~150個のマイクログルーブ、または30~50個のマイクログルーブを備える。他の実施形態では、マイクログルーブは、第3の複数のマイクログルーブ、第4の複数のマイクログルーブ、または第5の複数のマイクログルーブをさらに備えることができる。
【0084】
別の実施形態では、図7に示されるように、マイクログルーブ1400は、交差しないように、長手方向軸110に垂直な方向でシャフト140の周りで周方向に延びることができる。側壁1410は、ギザギザの、または真っ直ぐではない側壁セクション1410を規定する。各側壁セクション1410は、隣接する側壁セクション1410に対して角度を付けられている。さらに、各側壁セクション1410は、長手方向軸110に非平行および非垂直に向けられる。角度付きの側壁セクション1410は、垂直抗力とねじり力とに対する抵抗を提供する。
【0085】
別の実施形態では、図8に示されるように、マイクログルーブ1500は、長手方向軸110に対して斜め方向にシャフト140の周りで周方向に延びることができる。この実施形態では、マイクログルーブ1500は、隣接する各マイクログルーブ1500と概して平行である。マイクログルーブ1500は、図7に示されるマイクログルーブ1400と同様であり、側壁1510が側壁セクション1510を規定する。側壁セクション1510は、隣接する側壁セクション1510に対して角度を付けられている。さらに、各側壁セクション1510は、長手方向軸110に非平行および非垂直に向けられる。角度付きの側壁セクション1510は、垂直抗力とねじり力とに対する抵抗を提供する。
【0086】
II.特定形状に形成されたマイクログルーブ
いくつかの実施形態では、マイクログルーブは、図9および10に示されるように、複数のラインとして形成される。マイクログルーブ1600、1700を、同様の参照番号を使用して述べる。例えば、マイクログルーブ1600、1700は、側壁1610、1710および床部1620、1720を備える。上で論じたように、各マイクログルーブは、複数の側壁(または「側壁」)および床部によってシャフト140に凹設される。側壁は、マイクログルーブの形状を規定する。
【0087】
各マイクログルーブは、残りのマイクログルーブと同じでも異なっていてもよい形状を規定する。マイクログルーブは、円、ライン、三角形、正方形、長方形、多角形、または任意の適切な形状の任意の組合せでよい。マイクログルーブは、交差するもしくは重なり合うことができ、または離散形状でもよい。マイクログルーブは、複数の行として形成することができ、またはグループとして形成することもできる。
【0088】
マイクログルーブのグループは、稠密のマイクログルーブの集合によって定義される。マイクログルーブのグループは、等間隔に離間配置することができ、または間隔を変えることもできる。さらに、各グループ内のマイクログルーブは、等間隔に離間配置することができ、または間隔を変えることもできる。各グループ内およびすべてのグループにわたるマイクログルーブの間隔および密度は、マイクログルーブがシャフト140のいくつかの部分に対してより大きい垂直またはねじり抗力を提供することができるように選択することができる。
【0089】
マイクログルーブのグループと同様に、マイクログルーブをいくつかの行として組織化することができる。マイクログルーブの行は、等間隔に離間配置することができ、または間隔を変えることもできる。さらに、各行でのマイクログルーブは、等間隔に離間配置することができ、または間隔を変えることもできる。各行での、およびすべての行にわたるマイクログルーブの間隔および密度は、マイクログルーブがシャフト140のいくつかの部分に対してより大きい垂直またはねじり抵抗を提供することができるように選択することができる。各マイクログルーブは、同じ行の隣接するマイクログルーブと同じでも異なっていてもよい形状を規定することができる。さらに、マイクログルーブは、各行で同じ形状を備えることができ、複数の行にわたって異なる形状を備えることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、図9に示されるように、マイクログルーブ1600をグループ1630として形成することができる。グループ1630は、六角形の形状を取る。各グループ1630は、6つの三角形状のマイクログルーブ1600を備える。
【0091】
他の実施形態では、図10に示されるように、マイクログルーブ1700は、シャフト140の周りに周方向に延びるいくつかの行1740として形成することができる。マイクログルーブ1700は三角形状である。マイクログルーブ1700は、複数の行1740にわたって異なるサイズを有し、最上行のマイクログルーブ1700が最下行のマイクログルーブ1700よりも小さい。
【0092】
さらに、マイクログルーブ1600および1700は、円、ライン、三角形、正方形、長方形、多角形、または任意の適切な形状の任意の組合せでよい。側壁1610および1710は、長手方向軸110に非平行または非垂直に向けることができる。したがって、各マイクログルーブ1600および1700は、垂直抵抗構成要素またはねじれ抵抗構成要素のうちの少なくとも一方を形成する。各グループおよび行1630および1740は、長手方向軸110に垂直な方向、または長手方向軸110に垂直でない方向に向けることができる。各グループおよび行1630および1740は、少なくとも1つのマイクログルーブ1600および1700を備えることができる。例えば、各グループおよび行1630および1740は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上のマイクログルーブ1600および1700を備えることができる。さらに、1つまたは複数のグループまたは行1630および1740が存在してもよい。例えば、1、2、3、4、5、または6つ以上のグループ1630および行1740が存在し得る。グループおよび行1630および1740は、等間隔に離間配置することができ、または間隔を変えることもできる。マイクログルーブ1600および1700の間隔および密度は、シャフト140のいくつかの部分に対してより大きい垂直またはねじり抗力を提供するように選択することができる。
【0093】
本明細書で述べるようなマイクログルーブを組み込んだゴルフ・クラブ・シャフト140は、当技術分野で知られているシャフトに勝る利点を提供する。主に、マイクログルーブは、(1)エポキシがシャフト先端部の周りに一様に流れることを可能にし、(2)総実効接合面積を増加させ、(3)垂直抗力とねじれ力とに対する抵抗を提供することによって、クラブ・ヘッドとシャフトとの間により強い接合部を生み出す。従来のシャフトがホーゼルに圧入されるとき、エポキシは、シャフトの周りに不均一に広がり、ホーゼルの底部付近に集中する。その結果、ホーゼル内に圧力が蓄積し、エポキシ内に閉じ込められたエア・ポケットを生成することがある。これらの閉じ込められたエア・ポケットは、シャフトが接合された後にホーゼルを切り開いて断面を見ると確認することができる。閉じ込められたエア・ポケットは、シャフト挿入中にホーゼルの内部を見ることができるように、プラスチックなどの(実際のクラブでは使用されない)透明な材料で作られた試験ホーゼルを作成することによって確認することもできる。閉じ込められたエア・ポケットは、接合強度を弱め、応力破壊の伝播点となる。マイクログルーブは、エポキシがシャフトの周りに一様に流れるための経路を提供し、それによりホーゼル内の圧力蓄積を低減し、エア・ポケットの多孔率を大幅に減少する、さらにはなくす。さらに、一様な分布を作成するために必要なエポキシが少ないので、マイクログルーブは、エポキシの浪費を低減する。マイクログルーブの側壁は、エポキシのための追加の表面積を提供して、シャフト先端部とホーゼル穴内表面との間にマイクロリンクを形成する。さらに、側壁は、長手方向軸に平行または垂直に加えられる力に抵抗するために、少なくとも長手方向軸に非平行または非垂直となるように向けられる。接合強度を高めることで、クラブ設計者はチップ・ウェイトなどのウェイト構成要素をホーゼルに追加することができる。マイクログルーブは、シャフト挿入深さの損失によって引き起こされる接合強度の低下を補償する。さらに、マイクログルーブは、右利き用と左利き用との両方のクラブに対応できる汎用性の機構である。
【0094】
B.加重フェルールを備えるゴルフ・クラブ
本明細書では、チップ・ウェイトによる質量を取り除き、その質量をフェルールに再分配することによって従来のチップ・ウェイトの代わりとなる加重フェルールの様々な実施形態をさらに述べる。チップ・ウェイトによる質量を取り除くことによって、チップ・ウェイトを完全に取り除く、またはサイズを大幅に縮小することができる。チップ・ウェイトを取り除く、またはチップ・ウェイト・サイズを減少することで、シャフト140をホーゼル穴124にさらに深く挿入できるようになり、それにより実効接合面積154を増加させ、接合強度を改良する。チップ・ウェイト190は、図2Bに示されるように、許容可能なシャフト挿入深さ152(および実効接合深さ156)を減少させるチップ・ウェイト深さ192を備える。チップ・ウェイト深さ192は、0.1インチ~0.5インチの範囲であり得る。例えば、チップ・ウェイト深さ192は、0.1インチ、0.2インチ、0.25インチ、0.3インチ、0.35インチ、0.40インチ、または0.5インチであり得る。いくつかの実施形態では、チップ・ウェイト190は、クラブ・ヘッド100の重心(CG)を操作する、またはクラブ・ヘッド100のスイング・ウェイトを調整するために使用される。
【0095】
したがって、以下で論じる実施形態では、チップ・ウェイト190を取り除く、またはより小さいチップ・ウェイト190に交換することができ、これはシャフト挿入深さ152を増加させる。いくつかの実施形態では、シャフト挿入深さは、0.10インチ~0.50インチの間の量だけ増加される。シャフト挿入深さ152の増加により、実効接合面積154が増加し、それによりヘッド-シャフト接続での接合強度を高める。
【0096】
いくつかの実施形態では、図11~14を参照すると、ゴルフ・クラブは、シャフト外表面146の周りに位置されたフェルール2000をさらに備える。シャフト底端部142は、フェルール2000を通ってクラブ・ヘッド120内に延びる。フェルール2000は、ホーゼル122内でシャフト140を中心合わせし、鋭利でないホーゼル頂部リムを覆って、ホーゼル122からシャフト140への滑らかな移行を生み出す。図11を参照すると、フェルール2000は、グリップ160の近位にある頂縁部2010と、クラブ・ヘッド120の近位にある底縁部2012とを備える円筒体である。フェルールは、シャフト140と接触する内面2014と、外部に露出された外面2016とをさらに備える。フェルール2000は、フェルールの上側部分と下側部分との間の移行部を規定するフェルール・レッジ2018をさらに備える。上側部分は、ホーゼル122の上方に露出されるテーパ領域2020である。下側部分は、ホーゼル122内に位置される中心合わせ領域2040である。
【0097】
中心合わせ領域2040は、フェルール・レッジ2018と底縁部2012との間に規定される。中心合わせ領域2040は、フェルール・レッジ2018が穴頂部リムと面一になるようにホーゼル122内に受け入れられる。中心合わせ領域2040は、複数の窓2042および複数のリブ2044を備える。複数の窓2042は、余剰のエポキシが中心合わせ領域2040の周りに流れるための経路を増加させ、接合強度を高める。複数のリブ2044は、自己調心機構として作用する。リブ2044は、中心合わせ領域2040全体にわたって等間隔に離間配置され、ホーゼル穴124に対して等しい量の圧力を加えて、シャフト140が角度を持ってホーゼル122に入るのを防止する。中心合わせ領域2040は、ホーゼル122内に受け入れられるフェルール2000の下側部分であり、テーパ領域2020は、ホーゼル122の上方に露出される上側部分である。
【0098】
テーパ領域2020は、フェルール・レッジ2018と頂縁部2010との間に規定される。テーパ領域2020は、最大外径2060から、頂縁部2010付近のより小さい直径まで先細りしている。テーパ領域2020は、シャフト直径140からホーゼル直径122への滑らかな移行を生み出す。いくつかの実施形態では、テーパ領域2040はウェイト要素を収容する。
【0099】
フェルール2000は、0.9g/cm~1.5g/cmの密度を有することができる樹脂から形成される。いくつかの実施形態では、密度は、0.9g/cm~1.0g/cm、1.0g/cm~1.1g/cm、1.1g/cm~1.2g/cm、1.2g/cm~1.3g/cm、1.3g/cm~1.4g/cm、または1.4g/cm~1.5g/cmの間である。例えば、一実施形態では、樹脂は、1.19g/cmの密度を有することができる。いくつかの実施形態では、樹脂は、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂を含む。フェルール材料は軽量であり、ゴルフ・クラブ・ヘッド120に重量付加する手段を提供しない。したがって、いくつかの実施形態では、フェルール2000は、ウェイト要素をさらに備える。ウェイト要素の様々な実施形態を以下に述べる。いくつかの実施形態では、ウェイト要素は錘を備える。他の実施形態では、ウェイト要素は、高密度材料から形成されたフェルールを備える。
【0100】
以下に述べるウェイト要素の様々な実施形態は、ステンレス鋼、タングステン、タングステン-テナイトプロピオネート(TPU)混合物、またはステンレス鋼-テナイトプロピオネート(TPU)混合物などの金属材料から形成される。ウェイト要素の材料は、フェルールの材料よりも高密度である。ウェイト要素の材料の密度は、1g/cm~18g/cmの間である。いくつかの実施形態では、ウェイト要素の材料の密度は、1g/cm~2g/cm、2g/cm~3g/cm、3g/cm~4g/cm、4g/cm~5g/cm、5g/cm~6g/cm、6g/cm~7g/cm、7g/cm~8g/cm、8g/cm~9g/cm、9g/cm~10g/cm、10g/cm~11g/cm、11g/cm~12g/cm、12g/cm~13g/cm、13g/cm~14g/cm、14g/cm~15g/cm、15g/cm~16g/cm、16g/cm~17g/cm、または17g/cm~18g/cmの間である。
【0101】
以下で述べるウェイト要素の様々な実施形態は、長手方向軸110に沿って測定される高さを定義する。高さは、ウェイト要素の頂周縁とウェイト要素の底周縁との間で測定される。いくつかの実施形態では、高さは0.3インチ~0.7インチの間である。いくつかの実施形態では、高さは、0.3インチ~0.45インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.40インチ~0.60インチ、0.45インチ~0.60インチ、0.50インチ~0.55インチ、0.52インチ~0.57インチ、0.53インチ~0.60インチ、または0.54インチ~0.60インチの間である。いくつかの実施形態では、高さは、約0.3インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、0.35インチ、0.36インチ、0.37インチ、0.38インチ、0.39インチ、0.40インチ、0.41インチ、0.42インチ、0.43インチ、0.44インチ、0.45インチ、0.46インチ、0.47インチ、0.48インチ、0.49インチ、0.5インチ、0.51インチ、0.52インチ、0.53インチ、0.54インチ、0.55インチ、0.56インチ、0.57インチ、0.58インチ、0.59インチ、0.6インチ、0.61インチ、0.62インチ、0.63インチ、0.64インチ、0.65インチ、0.66インチ、0.67インチ、0.68インチ、0.69インチ、または0.7インチである。
【0102】
以下で述べるウェイト要素の様々な実施形態は、ウェイト要素の内面と外面との間で測定される厚さをさらに定義する。いくつかの実施形態では、厚さは、ウェイト要素全体にわたって一定のままであるが、他の実施形態では、厚さは、ウェイト要素全体にわたって変化する。厚さは、0.01インチ~0.09インチの間である。いくつかの実施形態では、厚さは、0.01インチ~0.05インチ、0.01インチ~0.07インチ、0.03インチ~0.08インチ、0.04インチ~0.09インチ、または0.05インチ~0.09インチの間である。いくつかの実施形態では、厚さは、約0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、または0.09インチである。1つの例示的実施形態では、頂周縁付近の厚さは0.031インチであり、底周縁付近の厚さは0.062インチである。別の例示的実施形態では、頂周縁付近の厚さは0.021インチであり、底周縁付近の厚さは0.055インチである。
【0103】
ウェイト要素および樹脂材料を備えるフェルール2000は、1グラム~12グラムの間の質量を定義する。いくつかの実施形態では、質量は、1グラム~5グラム、2グラム~7グラム、3グラム~6グラム、5グラム~10グラム、または6グラム~12グラムの間である。他の実施形態では、質量は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、7グラム、8グラム、9グラム、10グラム、11グラム、または12グラムである。フェルール2000の質量は、クラブ・ヘッドCGを操作するため、および/または所望のスイング・ウェイトを実現するために、クラブ・ヘッドに実質的なウェイト要素を提供するように選択される。
【0104】
ウェイト要素および樹脂材料を備えるフェルール2000は、1g/cm~6g/cmの範囲の平均密度をさらに定義する。平均密度は、フェルール2000の総質量とフェルール2000の総体積との比である。例えば、平均密度は、2.95g/cmであり得る。他の実施形態では、フェルール2000は、1g/cm、1.5g/cm、2g/cm、2.5g/cm、3g/cm、3.5g/cm、4g/cm、4.5g/cm、5g/cm、5.5g/cm、または6g/cmでありうる平均密度を有することができる。
【0105】
ウェイト要素および樹脂材料を備えるフェルール2000は、樹脂材料のみを備えるフェルールと比較して、300%~2500%の質量増加率を有する。いくつかの実施形態では、質量増加率は、300%~400%、400%~500%、500%~600%、600%~700%、700%~800%、800%~900%、900%~1000%、1000%~1100%、1100%~1200%、1200%~1300%、1300%~1400%、1400%~1500%、1500%~1600%、1600%~1700%、1700%~1800%、1800%~1900%、1900%~2000%、2000%~2100%、2100%~2200%、2200%~2300%、2300%~2400%、または2400%~2500%の間である。
【0106】
ウェイト要素は、フェルール内表面とシャフトとの間に位置される内部錘、フェルール外面の周りに周方向に延びるウェイト・リング、または高密度材料で作られたフェルールであり得る。ウェイト要素は、チップ・ウェイトによる質量を取り除き、その質量をフェルールに再分配することによって従来のチップ・ウェイトの代わりとなる。チップ・ウェイトによる質量を取り除くことによって、チップ・ウェイトを完全に取り除く、またはサイズを大幅に縮小することができる。チップ・ウェイトを取り除く、またはチップ・ウェイト・サイズを減少することで、シャフト140をホーゼル穴124にさらに深く挿入できるようになり、それにより実効接合面積154を増加させ、接合強度を改良する。
【0107】
I.内部錘を備えるフェルール
一実施形態(図12Aを参照)では、フェルール2000は、内部錘2100を備える。内部錘2100は、フェルール2000に実質的な質量を提供し、クラブ・ヘッドCGを操作し、チップ・ウェイトの代わりとなり得るウェイト要素を形成する。図12Aを参照すると、内部錘2100は、テーパ領域2020付近でフェルール2000と一体に形成されている。内部錘2010は、テーパ領域2020全体を通って延びる。しかし、他の実施形態では、内部錘2100は、テーパ領域2020の一部のみを通って延びる。
【0108】
図12Bを参照すると、内部錘2100は円筒形であり、フェルール頂縁部2010の近位にある頂周縁2110と、フェルール底縁部2012の近位にある底周縁2120とを備える。内部錘2100は、フェルール内面2014の一部分を形成する内表面2130と、フェルール2000と接触する外表面2140とをさらに備える。内部錘2100は、頂周縁2110から底周縁2120まで延びるギャップ2150を規定する。フェルール2000がシャフト140に押し被されると、ギャップ2150が、フェルール2000全体にわたって応力を緩和する。
【0109】
ギャップ2150は、開口部にわたって測定されるギャップ幅を規定する。ギャップ幅は、0.01インチ~0.5インチの範囲である。いくつかの実施形態では、ギャップ幅は、0.01インチ~0.05インチ、0.02インチ~0.04インチ、0.03インチ~0.07インチ、0.04インチ~0.09インチ、0.05インチ~0.10インチ、0.10インチ~0.25インチ、0.15インチ~0.45インチ、0.20インチ~0.40インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.30インチ~0.5インチ、または0.40インチ~0.50インチである。ギャップ幅は、約0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.15インチ、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、0.40インチ、0.45インチ、または0.50インチである。1つの例示的実施形態では、ギャップ幅は0.03インチである。ギャップ幅は、内部錘2100の質量を大幅に減らすことなく、フェルール2000に応力緩和を提供するように選択される。内部錘の寸法は、実質的な重量付加機能を提供するようにさらに選択される。
【0110】
内部錘2100は、0.5インチ~0.6インチの間の高さを規定する。いくつかの実施形態では、高さは、0.50インチ~0.55インチ、0.52インチ~0.57インチ、0.53インチ~0.60インチ、または0.54インチ~0.60インチの間である。高さは、約0.5インチ、0.51インチ、0.52インチ、0.53インチ、0.54インチ、0.55インチ、0.56インチ、0.57インチ、0.58インチ、0.59インチ、0.6インチ、0.61インチ、0.62インチ、0.63インチ、0.64インチ、0.65インチ、0.66インチ、0.67インチ、0.68インチ、0.69インチ、または0.7インチである。1つの例示的実施形態では、高さは、0.653インチである。内部錘2100は、フェルール2000内に隠されており、フェルール外面2016には露出されていない。他の実施形態では、ウェイト要素は、フェルールの外面2016に露出される。
【0111】
II.加重リングを備えるフェルール
図13A~14を参照すると、いくつかの実施形態では、フェルール2000は、1つまたは複数の加重リングを備えることができる。加重リングは、フェルール2000に実質的な質量を提供し、クラブ・ヘッドCGを操作し、チップ・ウェイトの代わりとなり得るウェイト要素を形成する。加重リングは、フェルール2000と一体に形成され、テーパ領域2020の周りで周方向に延びる。加重リングは、1つのリング、2つのリング、3つのリング、4つのリング、5つのリング、または任意の他の適切な数のリングであり得る。いくつかの実施形態では、加重リングは同じ高さを有し、他の実施形態では、加重リングは異なる高さを有する。
【0112】
図13Aおよび13Bを参照すると、フェルール2000は、単一の加重リング2200をさらに備える。加重リング2200は、フェルール頂縁部2010の近位にある頂周縁2210と、フェルール底縁部2012の近位にある底周縁2220とを備える。加重リング2200は、フェルール外表面2016に隣接する内表面2230と、フェルール外表面2016の一部分を形成する外表面とをさらに備える。
【0113】
図14を参照すると、フェルール2000は、2つの加重リング2300をさらに備える。各加重リング2300は、フェルール頂縁部2010の近位にある頂周縁2310と、フェルール底縁部2012の近位にある底周縁2320とを備える。加重リング2300はそれぞれ、フェルール外表面2016に隣接する内表面2330と、フェルール外表面2016の一部分を形成する外表面とをさらに備える。
【0114】
III.高密度材料から形成されるフェルール
別の実施形態では、ウェイト機構は、前の実施形態で開示したフェルールと同様の高密度フェルールを備える。フェルールは、フェルール2000がチップ・ウェイトの代わりとなるのに適切な質量を有するように、高密度樹脂混合物で成形することができる。樹脂混合物は、樹脂とフィラー材料との組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、樹脂は、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂を含むことができる。フィラー材料は、鋼またはタングステンからなる群から選択することができる。樹脂混合物は、1~9の比重を有することができる。いくつかの実施形態では、比重は、1~2、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、または9~10の間であり得る。
【0115】
高密度フェルールの全体的な質量は、0.1グラム~20グラムであり得る。例えば、高密度フェルールは、0.1グラム~2グラム、2グラム~4グラム、4グラム~6グラム、6グラム~8グラム、8グラム~10グラム、10グラム~12グラム、12グラム~14グラム、14グラム~16グラム、16グラム~18グラム、18グラム~20グラムの範囲であり得る。フェルールの質量は、実質的なウェイト要素を提供するように選択することができる。
【0116】
本明細書で述べる加重フェルールは、チップ・ウェイト190の代わりとなるように設計されており、それにより、シャフト140をホーゼル穴124内にさらに深く挿入できるようになる。シャフト挿入深さ152の増加により、実効接合面積154が増加し、それによりヘッド-シャフト接続での接合強度を高める。さらに、上述したウェイト要素を備えるフェルール2000は、MOIおよびCGなどの質量特性を改良する。フェルール2000は、ホーゼル122の上方で、チップ・ウェイト190よりもクラブ・ヘッド100の周縁の近くに位置される。したがって、フェルール2000は、質量をクラブ・ヘッド100の周縁のより近くにシフトさせ、それにより、クラブ・ヘッド100の慣性モーメント(MOI)を改良する。
【0117】
C.ホットメルト・ウェイトを備えるゴルフ・クラブ・ヘッド
本明細書では、上述した加重フェルールの実施形態と同様に、シャフトに重量付加するための代替手段を提供する別の実施形態をさらに述べる。この実施形態では、ホットメルト・ウェイトがシャフトの先端部に注入され、追加された質量によりシャフトの全体の重量を増加させる。上述したように、シャフトに重量を追加すると、チップ・ウェイトを取り除いて、またはチップ・ウェイトのサイズを減少させて、全体的なシャフト挿入深さを増加することができる。
【0118】
一実施形態では、クラブ・ヘッド100は、上述した実施形態と同様に、フェルール2000を備えることができる。シャフト140は、図15Aおよび15Bに示されるように、ホットメルト・ウェイト3000およびキャップ3050をさらに備えることができる。ホットメルト・ウェイト3000は、長手方向軸110に沿ってシャフト140の内側に形成することができる。ホットメルト・ウェイト3000は、シャフト底端部144付近でホーゼル穴124内に位置させることができる。キャップ3050は、ホットメルト・ウェイト3000をシャフト140内に固定するために、底端部144付近にあり得る。いくつかの実施形態では、ホットメルト・ウェイト3000は、シャフト底端部144からフェルール底縁部2012まで延びることができる。他の実施形態では、ホットメルト・ウェイトは、底端部144からフェルール頂縁部まで延びることができる。ホットメルト・ウェイト3000は、底端部144からシャフト140内の任意の適切な長さまで延びて、所望の質量を形成することができる。
【0119】
ホットメルト・ウェイト3000は、部分的に熱可塑性ポリマーで作ることができる。例えば、ホットメルト・ウェイトは、ブチルゴム(BR)、炭化水素樹脂、ポリブテン、プロセス・オイル、またはそれらの任意の組合せから作ることができる。いくつかの実施形態では、ホットメルト・ウェイト3000は、30%のBR、50%の炭化水素樹脂、15%のポリブテン、および5%のプロセス・オイルを含む。ホットメルトは、室温では固体であるが、加熱要素によって活性化すると液体になり得る。ホットメルト・ウェイト3000は、シャフトの先端部に注入されるときには液体であり、冷却されると固体になる。ホットメルト・ウェイト3000は、シャフトの内表面に接合し、シャフト内でのホットメルト・ウェイト3000の移動を防止する。
【0120】
ホットメルト・ウェイト3000は、部分的に金属フィラー材料から形成することができる。金属フィラー材料は、上述したホットメルトの組成の一部分を形成することができる。金属フィラー材料は、タングステン粉末などの任意の適切な高密度材料を含むことができる。金属フィラー材料は、ホットメルト・ウェイト3000の全体的な密度を増加させて、チップ・ウェイト190の代わりとなり得るのに十分な重量を実現する。金属フィラー材料は、0.1グラムの精度で任意の量の重量を追加することができる。
【0121】
ホットメルト重量3000は、0.1グラム~20グラムの範囲であり得る。例えば、ホットメルト・ウェイト3000は、0.1グラム~2グラム、2グラム~4グラム、4グラム~6グラム、6グラム~8グラム、8グラム~10グラム、10グラム~12グラム、12グラム~14グラム、14グラム~16グラム、16グラム~18グラム、18グラム~20グラムの範囲であり得る。
【0122】
本明細書で述べるウェイト機構は、従来のペリメーター・ウェイトに勝るいくつかの利点を提供する。チップ・ウェイトを取り除くと、シャフトがホーゼルにさらに入り込むことができ、接合のための表面積を増加し、実地でのクラブ・ヘッドの破損の量を減少させる。さらに、チップ・ウェイトを取り除くことで、緩んだチップ・ウェイトによって引き起こされる振動またはガタつきもなくされる。これらのウェイト機構は、従来のチップ・ウェイトよりも周縁の近くに質量を移動させ、MOIを増加させ、さらに寛容性のあるクラブを形成する。ウェイトを形成するために使用されるフィラー材料により、任意の量のウェイトを高精度で追加することができる。
【0123】
方法
本明細書で述べるゴルフ・クラブ100は、様々な方法によって製造することができる。上で論じたように、ゴルフ・クラブ100は、少なくともクラブ・ヘッド、シャフト、およびグリップを備える。各機構の異なる実施形態を組み合わせて、ゴルフ・クラブ100の多数の変形形態を形成することができる。シャフトは、上述したようなマイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、または1500の変形形態のうちの任意の1つまたは複数を備えることができる。製造方法は、ゴルフ・クラブ100の異なる変形形態ごとに異なることがある。以下に、ゴルフ・クラブ100を製造する例示的な方法を述べる。
【0124】
マイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、1500を有するクラブ・ヘッド100を製造する方法は、(1)シャフト140を形成するステップと、(2)マイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、1500をシャフトにエッチングするステップと、(3)ホーゼル穴124にエポキシ材料を注入し、ホーゼル穴124にシャフト140を挿入するステップと、(4)グリップにエポキシ材料を注入し、グリップにシャフト140を挿入するステップと、を含むことができる。ステップ1で、シャフト140は、グラファイト・シャフトまたはスチール・シャフトでよい。シャフトは、スチール・マンドレルの周りでプリプレグのシートを反らせ、プリプレグ材料に樹脂をコーティングし、シャフト140を硬化し、スチール・マンドレルを取り外すことによって形成される。ステップ2で、シャフト・スピナを使用してシャフト140を回転させることができ、シャフト・スピナは、任意の変形形態のマイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、1500をシャフトに適用できるようにする。マイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、1500の適用は、使用されるシャフト材料に依存し得る。例えば、3Dプリンタを使用して、外側樹脂層にマイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、1500をエッチングする。ステップ3で、シャフトの先端部付近に形成されたマイクログルーブ1000、1100、1200、1300、1400、1500により、エポキシがシャフト先端部の周りに一様に流れることができ、これは、ホーゼル内での圧力蓄積およびエア・ポケットを減少させる。
【0125】
フェルール2000を備えるクラブ・ヘッド100を製造する方法は、(1)第1の材料からウェイト機構2100、2200、2300を形成するステップと、(2)第2の材料を使用して、フェルール2000をウェイト機構2100、2200、2300と一体に形成するステップと、(3)シャフト140をフェルール2000に挿入するステップと、(4)シャフト140およびフェルール2000をホーゼル122に固定するステップと、(5)フェルール2000をブレンドするステップと、(6)トゥ・ウェイトを組み付けるステップと、を含むことができる。ステップ1で、第1の材料は、ステンレス鋼、タングステン、タングステン-テナイトプロピオネート(TPU)混合物、またはステンレス鋼-テナイトプロピオネート(TPU)混合物からなる金属を含むことができる。ステップ2で、フェルール2000をウェイト機構2100、2200、2300の周りに射出成形することができる。第2の材料は、樹脂を含むことができる。いくつかの実施形態では、樹脂は、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂からなっていてよい。ステップ3で、いくつかの実施形態では、シャフト140をフェルール2000に挿入することができるので、ギャップ2150が応力を緩和する。ステップ4で、エポキシを使用して、シャフトをホーゼル122内に固定することができる。フェルール2000に位置された複数のリブ2024は、ホーゼル穴124に周方向の圧力を加えることによって、ホーゼル122内でシャフト140を中心合わせするのに役立つ。フェルール2000に位置された複数の窓2042により、余剰のエポキシがフェルール2000の周りに流れることができ、シャフト140とホーゼル122との間の接合強度を高める。ステップ5で、フェルール2000を穴頂部リム126と確実に面一にすることができるように、フェルール2000をアセトンとブレンドすることができる。ステップ6で、ねじを使用してトゥ・ウェイトを固定することができる。
【0126】
高密度フェルール(図示せず)を備えるクラブ・ヘッド100を製造する方法は、(1)高密度樹脂混合物からフェルールを形成するステップと、(2)シャフト140をフェルールに挿入するステップと、(3)シャフト140およびフェルールをホーゼル122に固定するステップと、(4)フェルールをブレンドするステップと、(5)トゥ・ウェイトを組み付けるステップと、を含むことができる。ステップ1で、フェルールを射出成形することができる。樹脂混合物は、樹脂とフィラー材料との組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、樹脂はセルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂を含むことができ、フィラー材料は鋼またはタングステンでよい。ステップ3で、エポキシを使用して、シャフト140をホーゼル122内に固定することができる。フェルール2000に位置された複数のリブ2044は、ホーゼル穴124に周方向の圧力を加えることによって、ホーゼル122内でシャフト140を中心合わせするのに役立つ。フェルール2000に位置された複数の窓2042により、余剰のエポキシがフェルール2000の周りに流れることができ、シャフト140とホーゼル122との間の接合強度を高める。ステップ4で、フェルール2000をホーゼル穴リム126と確実に面一にすることができるように、フェルール2000をアセトンとブレンドすることができる。ステップ4で、ねじを使用してトゥ・ウェイトを固定することができる。
【0127】
ホットメルト・ウェイト3000を備えるクラブ・ヘッド100を製造する方法は、(1)第1の材料を用いてホットメルト・ウェイトを形成するステップと、(2)シャフト底端部144にキャップ3050を固定するステップと、(3)ホットメルト・ウェイト3000を硬化するステップと、(4)第2の材料を使用してフェルール2000を形成するステップと、(5)シャフト140をフェルール2000に挿入するステップと、(6)シャフト140およびフェルール2000をホーゼル122に固定するステップと、(7)フェルール2000をブレンドするステップと、(8)トゥ・ウェイトを組み付けるステップと、を含むことができる。ステップ1で、ホットメルト・ウェイト3000をシャフト底端部144付近に形成することができる。第1の材料、またはホットメルト溶液は、金属およびフィラー材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィラー材料は、タングステン粉末を含むことができる。ステップ2で、キャップ3050は、シャフト底端部144に圧入することができる中心合わせキャップまたはクリスマスツリー・プラグを備えることができる。キャップ3050は、ホットメルト溶液がシャフト140から漏れるのを防ぐことができる。ステップ3で、ホットメルト・ウェイト3000がシャフト底端部144付近に位置することができるように、ゴルフ・クラブを硬化カルーセル内に位置決めすることができる。ステップ4で、フェルール2000を射出成形することができる。いくつかの実施形態では、第2の材料は、樹脂を含むことができる。他の実施形態では、第2の材料は、樹脂とフィラー材料との組合せを含む樹脂混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、樹脂はセルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂を含むことができ、フィラー材料は鋼またはタングステンでよい。ステップ6で、エポキシを使用して、シャフト140をホーゼル122内に固定することができる。フェルール2000に位置された複数のリブ2044は、ホーゼル穴124に周方向の圧力を加えることによって、ホーゼル122内でシャフト140を中心合わせするのに役立つ。フェルール2000に位置された複数の窓2042により、余剰のエポキシがフェルール2000の周りに流れることができ、シャフト140とホーゼル122との間の接合強度を高める。ステップ7で、フェルール2000をホーゼル穴リム126と確実に面一にすることができるように、フェルール2000をアセトンとブレンドすることができる。ステップ8で、ねじを使用してトゥ・ウェイトを固定することができる。
【実施例
【0128】
A.実施例A:マイクログルーブ引張試験
引張試験を実施して、エポキシ引張強度に対するマイクログルーブの効果を実証した。この引張試験では、様々なシャフトを使用して、ヘッド-シャフト接続が破損するまでに必要な垂直抗力を測定した。各シャフトを、マイクログルーブ有りまたは無しで形成し、シャフトの挿入深さを変化させた。各サンプル・シャフトで、実効接合深さをシャフト挿入深さと同じにした。この引張試験の目的は、マイクログルーブを追加し、シャフト挿入深さを増加することによって、どの程度の追加の強度が得られるかを調べることであった。
【0129】
第1のサンプル・シャフトは、マイクログルーブを有さず、シャフト挿入深さが1.1インチの対照シャフトとした。対照シャフト先端部は、シャフトを製造するために現在使用されているサンディング法を使用して用意した。第2のシャフトは、図3Aおよび3Bに示されるマイクログルーブと同様のマイクログルーブを有する第1の例示的なシャフトとした。第1の例示的なシャフトは、シャフト挿入深さを1.1インチとした。第3のシャフトも、図3Aおよび3Bに示されるマイクログルーブと同様のマイクログルーブを有する第2の例示的なシャフトとした。第2の例示的なシャフトは、FSDを1.3インチとし、マイクログルーブを有していた。第1および第2の例示的なシャフトのマイクログルーブは同様としたが、シャフト挿入深さを変えた。マイクログルーブは、シャフト接合領域全体に適用された第1および第2の複数の相互接続されたマイクログルーブを含んでいた。
【0130】
引張試験は、クラブを固定し、シャフトをクラブ・ヘッドから引き離すことによって行った。3つのサンプル・シャフトをそれぞれ5回試験し、エポキシ接合が爆発的に破損した時に各試験を終了した(クラブ・ヘッドが飛んだ場合に破損を示した)。引張試験では、特定の変位で接続が破損する力を測定した。この力は、ヘッド-シャフト接続の強度を表す。この試験では、5回の引張試験のそれぞれの平均強度と、各サンプル・シャフトごとの最小強度とを測定した。各試験において、各サンプル・シャフトに同量のエポキシを使用し、例示的なシャフトに関してマイクログルーブの深さおよびパターンを一定に保った。
【表1】
【0131】
この引張試験の結果を上の表1に示す。この引張試験では、マイクログルーブを有するシャフトがより高いエポキシ引張強度を有することが結論付けられた。対照シャフトの平均エポキシ引張強度は2756.77lbfで、標準偏差は151.14lbfであった。対照シャフトの最小エポキシ引張強度は2589.37lbfであった。
【0132】
第1の例示的なシャフトの平均エポキシ引張強度は3269.15lbfであり、標準偏差は102.27lbfであった。第1の例示的なシャフトの平均エポキシ引張強度は、対照シャフトよりも18.59%(512.38lbf)増加した。第1の例示的なシャフトの最小エポキシ引張強度は3153.92lbfであり、対照シャフトよりも21.80%増加した。対照シャフトと第1の例示的なシャフトとは同じシャフト挿入深さを有していたが、第1の例示的なシャフトは、マイクログルーブの存在により、より大きな実効接合面積を有していた。第1の例示的なシャフトは、シャフト挿入深さを一定に保ち、マイクログルーブを追加したときのシャフトの追加の強度を示した。
【0133】
第2の例示的なシャフトの平均エポキシ引張強度は3470.13lbfであり、標準偏差は174.21lbfであった。第2の例示的なシャフトの平均エポキシ引張強度は、対照試験よりも25.88%(713.36lbf)増加した。第2の例示的なシャフトの最小エポキシ引張強度は3292.90lbfであり、27.17%増加した。第2の例示的なシャフトは、対照シャフトと第1の例示的なシャフトとの両方よりも深いシャフト挿入深さを有していた。シャフト挿入深さを1.1インチから1.3インチに増加させることによって、第2の例示的なシャフトの平均エポキシ引張強度は、第1の例示的なシャフトと比較して200.98lbf増加した。第2の例示的なシャフトは、シャフト挿入深さを増加させたときのシャフトの追加の強度を示した。引張試験では、シャフトにマイクログルーブを導入し、シャフト挿入深さを増加させると、クラブ・ヘッドとシャフトとの間の接合強度が大幅に増加することが結論付けられた。
【0134】
B.実施例B:マイクログルーブ引張試験(ホーゼル・マイクログルーブ比較)
実施例Aでの引張試験と同様の引張試験を行って、マイクログルーブの深さの影響を実証し、ホーゼルに位置されたマイクログルーブとシャフトに位置されたマイクログルーブとの接合強度を比較した。この引張試験は、クラブ・ヘッド/シャフト接続が破損する前に耐えることができる最大の力を決定する。力が大きいほど、接続が強いことを示す。この引張試験では、一実施形態による2つの例示的なクラブ・ヘッドと対照クラブ・ヘッドとを比較した。
【0135】
対照クラブ・ヘッドは、クラブ・ヘッド・ボディと、ホーゼルと、シャフトとを備えていた。シャフトは、マイクログルーブを有していなかった。ホーゼルは、ホーゼル穴の内面にマイクログルーブを備えていた。溝は、長手方向軸110に対して垂直方向に延びていた。溝は、平行であり、交差しないように等間隔に離間配置されていた。さらに、溝は、0.003インチの深さを有していた。溝の深さは、シャフト耐久性を犠牲にしなかった。
【0136】
第1の例示的なクラブ・ヘッドは、図4に示されるように、水平方向マイクログルーブを備えたシャフトを有していた。シャフトは、交差しないように等間隔に離間配置されて平行である4つのマイクログルーブを有していた。マイクログルーブは、0.002インチの深さを有していた。
【0137】
第2のサンプルは、第1のサンプルと同様に、図4に示されるように、水平方向のマイクログルーブを備えたシャフトを有していた。シャフトは、交差しないように等間隔に離間配置されて平行である4つのマイクログルーブを有していた。マイクログルーブは、0.006インチの深さを有していた。
【表2】
【0138】
この引張試験の結果を上の表3に示す。この引張試験により、シャフトにマイクログルーブを有するクラブ・ヘッドは、ホーゼルにマイクログルーブを有するクラブ・ヘッドよりも高い接合強度を有することが結論付けられた。さらに、この試験で、より深いマイクログルーブは、より浅いマイクログルーブよりも高い接合強度を有すると結論付けられた。
【0139】
第1の例示的なクラブ・ヘッドは、2198.60lbfの接合強度を有し、対照クラブ・ヘッドよりも163.62lbf(8%)増加した。したがって、マイクログルーブを有するシャフトは、マイクログルーブを有するホーゼルよりも優れた接合強度を有する。
【0140】
第2の例示的なクラブ・ヘッドは、2308.91lbfの接合強度を有し、対照クラブ・ヘッドよりも273.93lbf(13.4%)増加した。さらに、第2の例示的なクラブ・ヘッドは、第1の例示的なクラブ・ヘッドよりも110.31lbf増加した。溝の深さを0.002インチから0.006インチに増加すると、接合強度が高まった。
【0141】
C.実施例C:フェルール極端温度試験
極端温度(ET)試験を実施して、極端温度制御条件下で異なるウェイト要素を備えるいくつかのフェルールの耐久性を評価した。この試験の目的は、いくつかの加重フェルール設計が、広範な温度で応力下でどのように機能するかを判断することである。換言すると、ET試験は、加重フェルール設計の柔軟性および耐破壊性を実証するものであった。
【0142】
3つの異なる加重フェルール設計を、組み立てられたゴルフ・クラブで試験した。3つのET試験それぞれにおいて、フェルール設計の1つを評価し、それぞれ同じフェルール設計を有する4~5本のサンプル・ゴルフ・クラブを使用した。各サンプル・ゴルフ・クラブを、それぞれの加重フェルールを使用して組み立て、試験前に24時間硬化させた。各サンプルを、冷凍庫に約0°Fで約2時間入れた。冷凍庫から取り出したときにサンプルの温度を測定した。次いで、このサンプルを使用して、クラブ・フェースのトゥが低い領域付近で「低温」打撃を30回行った。次いで、30回の低温打撃後に各サンプルの温度を取得した。次いで、サンプルを、オーブン内に約200°Fで約2時間置いた。オーブンから取り出したときに試験サンプルの温度を取得した。ここでも、次いで、このサンプルを使用して、クラブ・フェースのトゥが低い領域付近で「高温」打撃を30回行った。次いで、30回の高温打撃後に各サンプルの温度を取得した。各サンプルについて、ET試験に合格か不合格かを判定した。不合格のサンプルは、亀裂、破損、欠け、ねじれなど、摩耗の兆候を示す。対照的に、合格したサンプルは、摩耗の兆候を示さない。
【0143】
各サンプルは、アイアン型のゴルフ・クラブであった。3回の試験を通じて、加重フェルールの材料を一定に保った。各サンプルは、従来のフェルールを形成するために使用されるCAP樹脂から形成されたフェルールを含んでいた。各サンプルは、スチールで形成された内部錘をさらに含んでいた。3つの試験では、異なる質量および寸法を有する内部錘を有するフェルールを評価する。内部錘材料とフェルール・ボディ材料との質量および体積のバランスを取るために、試験全体を通じて、外径や高さなどの内部錘の寸法を調整した。材料のバランスは、フェルールの強度および柔軟性に影響を及ぼす。別の重要な寸法は、内部錘縁部の曲率である。内部錘は、それぞれ曲率を有する上縁部および下縁部を含む。フェルール全体にわたる応力点を減少するために、試験全体を通じて曲率を調整した。
【0144】
第1の試験:第1のET試験では、5つの試験サンプルを使用した。内部錘の質量は3.69グラムであり、組み立てられたフェルールの質量は4.54グラムであった。縁部の曲率は0.1インチであった。第1のETの結果を以下の表1に示す。各サンプルは、最初の30ショットでは合格であったが、次の30ショットでは不合格であった。第1の試験は、合格率が0%であった。
【表3】
【0145】
第2の試験:第2のET試験でも、5つの試験サンプルを使用した。内部錘の質量は3.80グラムであり、組み立てられたフェルールの質量は4.60グラムであった。内部錘の高さは0.65インチであり、外径は0.490インチであった。第2の試験で使用した内部錘は、より丸みのある角部(より大きな曲率)を含んでいた。角部は応力点となることがあり、角部を除去することで亀裂を防ぐことができる。曲率を0.1インチから0.4インチに変えた。第2のETの結果を以下の表2に示す。第2の試験では、サンプルのうち2つだけが不合格となり、5つのサンプルのうち3つが合格した。第2の試験は、合格率が60%であった。
【表4】
【0146】
第3の試験:第3のET試験では4つのサンプルを使用した。内部錘の質量はXグラムであり、組み立てられたフェルールの質量はXグラムであった。第2の試験サンプルと比較して、内部錘の外径を0.490インチから0.436インチに減少し、長さを0.65インチから0.63インチに減少した。外径は第2の試験に比べて減少させたが、それでも第1の試験のフェルールの外径よりは大きくした。第3の試験では、第1の試験で使用したサンプルよりも丸みのある角部を有するフェルールを再び使用した。曲率を0.4インチから0.3インチに減少させた。第3のETの結果を以下の表3に示す。第3のET試験では、4つのサンプルすべてが合格した。第3の試験では、合格率が100%であった。
【表5】
【0147】
3つの試験の結果は、内部錘の寸法が耐久性に及ぼす影響を示す。これらの結果は、錘の高さおよび直径を減少させると、フェルールの耐久性が改良されることを示している。さらに、丸みのある角部の曲率を増加させると、フェルールの耐久性が改良される。試験3で使用したウェイトおよびフェルールの幾何形状は、100%の合格率を示した。したがって、加重フェルール設計は耐久性があり、破損なしで製品に首尾よく実装することができる。
【0148】
D.実施例D:加重フェルールの質量特性の例
加重フェルールを備える例示的なクラブ・ヘッドと、フェルールおよびチップ・ウェイトを備える対照クラブ・ヘッドとの間で比較試験を行った。この試験は、重心位置と慣性モーメント特性とを比較するために行った。重心および慣性モーメントの特性は、上述した座標系および重心座標系内で定義される。この試験では、コンピュータ支援設計ソフトウェアを使用して、重心の位置と慣性モーメントとを決定した。
【0149】
例示的なクラブ・ヘッドは、図12Aおよび12Bに示される実施形態と同様に、クラブ・ヘッド、シャフト、および加重フェルールを備えていた。加重フェルールは、総重量が7.35グラムであった。例示的なクラブ・ヘッドは、チップ・ウェイトを有しておらず、したがって、接合強度を改良するためにシャフトをホーゼル内にさらに深く挿入した。
【0150】
対照クラブ・ヘッドは、例示的なクラブ・ヘッドと同じクラブ・ヘッド幾何形状を備えていた。対照クラブ・ヘッドは、1.35グラムの質量を有するフェルールをさらに備えた。対照クラブ・ヘッドのフェルールは、ウェイト要素を有していなかった。対照クラブ・ヘッドはさらに、シャフト挿入深さが上述した例示的実施形態の深さよりも浅くなるように、6グラムのチップ・ウェイトを備えていた。
【表6】
【0151】
例示的なクラブ・ヘッドは、x軸に沿ったCG位置を備えていた。CGxは0.065インチであった。例示的なクラブ・ヘッドは、y軸に沿ったCG位置をさらに備えていた。CGyは0.631インチであった。例示的なクラブ・ヘッドは、x軸の周りのMOIをさらに備えていた。Ixxは139.7であった。例示的なクラブ・ヘッドは、y軸の周りのMOIをさらに備えていた。Iyyは545.6であった。
【0152】
対照クラブ・ヘッドは、x軸に沿ったCG位置を備えていた。CGxは0.048インチであった。対照クラブ・ヘッドは、y軸に沿ったCG位置を備えていた。CGyは0.598インチであった。対照クラブ・ヘッドは、x軸の周りでMOIを備えていた。Ixxは118.6であった。対照クラブ・ヘッドは、y軸の周りでMOIを備えていた。Iyyは523であった。
【0153】
例示的なクラブ・ヘッドは、対照クラブ・ヘッドよりもx軸に沿って(ヒール方向に)0.017インチ離れたCGx位置を有していた。さらに、例示的なクラブ・ヘッドは、対照クラブ・ヘッドよりもさらにy軸に沿って(上方に)0.033インチ離れたCGy位置を有していた。例示的なクラブ・ヘッドは、対照クラブ・ヘッドに比べてIxxが17.8%増加していた。例示的なクラブ・ヘッドは、対照クラブ・ヘッドに比べてIyyが4.3%増加していた。
【0154】
したがって、加重フェルールを備える例示的なクラブ・ヘッドは、チップ・ウェイトを備える対照クラブ・ヘッドと比較したとき、x軸とy軸との両方の周りでの慣性モーメントの増加を示した。慣性モーメントの増加により、例示的なクラブ・ヘッドには、対照クラブ・ヘッドに勝る性能の改良が与えられる。さらに、チップ・ウェイトを備えた対照クラブ・ヘッドよりもシャフトがホーゼル内にさらに深く挿入されるので、加重フェルールは、接合強度をさらに改良する。
【0155】
条項
条項1:クラブ・ヘッド、シャフト、およびグリップを備えるゴルフ・クラブであって、前記クラブ・ヘッドが、ボディおよびホーゼルを備え、前記ホーゼルが、ホーゼル接合領域を規定する内表面を有するホーゼル穴を備え、前記シャフトが、シャフト先端部、シャフト後端部、およびシャフト外表面を備え、前記ホーゼル穴が、ヘッド-シャフト接続を形成する前記シャフト先端部を受け入れ、前記シャフトが、前記シャフト後端部の幾何中心から前記シャフト先端部の幾何中心まで延びる長手方向軸を定義し、前記シャフト外表面が、シャフト接合領域と、前記シャフト先端部付近の実効接合領域とを規定し、前記シャフト接合領域が、前記ホーゼル穴に挿入される前記シャフト外表面の部分であり、前記実効接合領域が、前記ホーゼル接合領域と接触する前記シャフト外表面の部分であり、前記実効接合領域が、複数のマイクログルーブを備え、前記複数のマイクログルーブが、前記シャフト外表面から複数の側壁を介して前記シャフト内に凹設され、前記複数の側壁が、前記実効接合領域を増加させ、前記複数のマイクログルーブが、ラインとして形成され、第1の方向に延びる第1の複数のマイクログルーブと、第2の方向に延びる第2の複数のマイクログルーブとを規定し、前記第1の複数のマイクログルーブと、前記第2の複数のマイクログルーブとが、相互接続されており、前記シャフトの周りに周方向に延び、前記グリップが、前記シャフト後端部に連結される、ゴルフ・クラブ。
【0156】
条項2:前記第1の複数のマイクログルーブと、前記第2の複数のマイクログルーブとが、前記シャフトと一体に形成される、条項1に記載のゴルフ・クラブ。
【0157】
条項3:前記第1の複数のマイクログルーブと前記第2の複数のマイクログルーブとが、個々のマイクログルーブ深さを規定し、前記個々のマイクログルーブ深さが0.0038インチ未満である、条項1に記載のゴルフ・クラブ。
【0158】
条項4:前記第1の複数のマイクログルーブと前記第2の複数のマイクログルーブとが、総マイクログルーブ深さを規定し、 前記総マイクログルーブ深さが、前記長手方向軸に沿って測定され、前記総マイクログルーブ深さが、マイクログルーブを備える前記シャフト先端部の深さであり、前記総マイクログルーブ深さが、1.00インチ~3.00インチの間である、条項1に記載のゴルフ・クラブ。
【0159】
条項5:前記第1の複数のマイクログルーブと前記第2の複数のマイクログルーブとが、前記シャフト接合領域の50%~90%を覆う、条項1に記載のゴルフ・クラブ。
【0160】
条項6:前記複数のマイクログルーブのそれぞれが床部を備え、前記床部が、個々のマイクログルーブの前記複数の側壁に垂直であり、前記個々のマイクログルーブが、断面視でU字形である、条項1に記載のゴルフ・クラブ。
【0161】
条項7:前記第1の複数のマイクログルーブの各マイクログルーブが、前記第1の方向に延在し、前記第1の複数のマイクログルーブの隣接するマイクログルーブと平行であり、前記第2の複数のマイクログルーブの各マイクログルーブが、前記第2の方向に延在し、前記第2の複数のマイクログルーブの隣接するマイクログルーブと平行である、条項1に記載のゴルフ・クラブ。
【0162】
条項8:前記第1の方向および前記第2の方向が、前記長手方向軸に対して斜めである、条項7に記載のゴルフ・クラブ。
【0163】
条項9:前記第1の複数のマイクログルーブおよび前記第2の複数のマイクログルーブが、垂直抗力およびねじれ力に対する抵抗を提供する、条項8に記載のゴルフ・クラブ。
【0164】
条項10:前記第1の方向が前記長手方向軸に垂直であり、前記第2の方向が前記長手方向軸に平行である、条項7に記載のゴルフ・クラブ。
【0165】
条項11:クラブ・ヘッド、シャフト、グリップを備えるゴルフ・クラブであって、前記クラブ・ヘッドが、ボディおよびホーゼルを備え、前記ホーゼルが、ホーゼル接合領域を規定する内表面を有するホーゼル穴を備え、前記シャフトが、シャフト先端部、シャフト後端部、およびシャフト外表面を備え、前記ホーゼル穴が、ヘッド-シャフト接続を形成する前記シャフト先端部を受け入れ、前記シャフトが、前記シャフト後端部の幾何中心から前記シャフト先端部の幾何中心まで延びる長手方向軸を定義し、前記シャフト外表面が、シャフト接合領域と、前記シャフト先端部付近の実効接合領域とを規定し、前記シャフト接合領域が、前記ホーゼル穴に挿入される前記シャフト外表面の部分であり、前記実効接合領域が、前記ホーゼル接合領域と接触する前記シャフト外表面の部分であり、前記実効接合領域が、複数のマイクログルーブを備え、前記複数のマイクログルーブが、前記シャフト外表面から複数の側壁を介して前記シャフト内に凹設され、前記複数の側壁が、前記実効接合領域を増加させ、前記複数のマイクログルーブが所定形状に形成され、前記複数のマイクログルーブが、相互接続されておらず、前記シャフトの周りに周方向に延び、前記グリップが、前記シャフト後端部に連結される、ゴルフ・クラブ。
【0166】
条項12:前記複数のマイクログルーブが、前記シャフトと一体に形成される、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0167】
条項13:
前記複数のマイクログルーブが、個々のマイクログルーブ深さを規定し、前記個々のマイクログルーブ深さが0.0038インチ未満である、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0168】
条項14:前記複数のマイクログルーブが、総マイクログルーブ深さを規定し、前記総マイクログルーブ深さが、前記長手方向軸に沿って測定され、前記総マイクログルーブ深さが、マイクログルーブを備える前記シャフト先端部の深さであり、前記総マイクログルーブ深さが、1.00インチ~3.00インチの間である、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0169】
条項15:前記複数のマイクログルーブが、前記シャフト接合領域の50%~90%を覆う、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0170】
条項16:前記複数のマイクログルーブのそれぞれが床部を備え、前記床部が、個々のマイクログルーブの前記複数の側壁に垂直であり、前記個々のマイクログルーブが、断面視でU字形である、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0171】
条項17:各マイクログルーブが、三角形、ライン、正方形、長方形、または螺旋からなる群から選択される形状を備える、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0172】
条項18:前記マイクログルーブのそれぞれが同じ形状を備える、条項17に記載のゴルフ・クラブ。
【0173】
条項19:前記マイクログルーブのそれぞれが異なる形状を備える、条項17に記載のゴルフ・クラブ。
【0174】
条項20:前記複数のマイクログルーブが、垂直抗力およびねじれ力に対する抵抗を提供する、条項11に記載のゴルフ・クラブ。
【0175】
条項21:クラブ・ヘッド、シャフト、グリップ、およびフェルールを備えるゴルフ・クラブであって、クラブ・ヘッドが、ボディと、ホーゼル・リム、ホーゼル・ベース、およびホーゼル内表面を備えるホーゼルとを備え、ホーゼル内表面が、ホーゼル・リムからホーゼル・ベースまで延びるホーゼル穴を規定し、シャフトが、グリップ内に受け入れられる頂端部、ホーゼル穴内に受け入れられる底端部、および直径を備え、フェルールが、頂縁部、底縁部、レッジ、外面、内面、中心合わせ領域、およびテーパ領域を備え、レッジが、テーパ領域と中心合わせ領域との間の境界を規定し、中心合わせ領域が、レッジと底縁部との間に規定されたフェルールの下側部分であり、中心合わせ領域が、ホーゼル穴内に受け入れられ、テーパ領域が、レッジと頂縁部との間に規定されるフェルールの上側部分であり、テーパ領域が、内部錘を備え、内部錘が、頂周縁、底周縁、内表面、外表面、およびギャップを有する円筒管を備える、ゴルフ・クラブ。
【0176】
条項22:内部錘が、テーパ領域と一体に形成されている、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0177】
条項23:内部錘の内表面が、フェルールの内面の一部分を形成する、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0178】
条項24:ギャップが、頂周縁から底周縁まで延びる開口部を規定する、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0179】
条項25:ギャップが、0.01インチ~0.5インチの間のギャップ幅を備える、条項24に記載のゴルフ・クラブ。
【0180】
条項26:内部錘が、0.5インチ~0.7インチの間の高さを備える、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0181】
条項27:内部錘が、0.01インチ~0.09インチの間の厚さを備える、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0182】
条項28:内部錘の厚さが、頂周縁から底周縁に向かって増加する、請求項27に記載のゴルフ・クラブ。
【0183】
条項29:中心合わせ領域が、シャフトの周りでのエポキシの流れを増加させてシャフトとホーゼルとの間のより強い接合を形成するための複数の窓を備える、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0184】
条項30:中心合わせ領域が、複数のリブをさらに備え、複数のリブが、中心合わせ領域全体にわたって等間隔に離間配置され、複数のリブが、ホーゼル内でシャフトを中心合わせするためにホーゼル穴に対して等しい圧力を加える、条項21に記載のゴルフ・クラブ。
【0185】
条項31:クラブ・ヘッド、シャフト、グリップ、およびフェルールを備えるゴルフ・クラブであって、クラブ・ヘッドが、ボディと、ホーゼル・リム、ホーゼル・ベース、およびホーゼル内表面を備えるホーゼルとを備え、ホーゼル内表面が、ホーゼル・リムからホーゼル・ベースまで延びるホーゼル穴を規定し、シャフトが、グリップ内に受け入れられる頂端部、ホーゼル穴内に受け入れられる底端部、および直径を備え、フェルールが、頂縁部、底縁部、レッジ、中心合わせ領域、およびテーパ領域を備え、レッジが、テーパ領域と中心合わせ領域との間の境界を規定し、中心合わせ領域が、レッジと底縁部との間に規定されたフェルールの下側部分であり、中心合わせ領域が、ホーゼル穴内に受け入れられ、テーパ領域が、レッジと頂縁部との間に規定されるフェルールの上側部分であり、テーパ領域が、1つまたは複数の加重リングを備え、1つまたは複数の加重リングがそれぞれ、頂周縁、底周縁、内表面、および外面を有する円筒管を備える、ゴルフ・クラブ。
【0186】
条項32:1つまたは複数の加重リングが、テーパ領域と一体に形成される、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0187】
条項33:1つまたは複数の加重リングのそれぞれの外表面が、フェルールの外面の一部分を形成する、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0188】
条項34:1つまたは複数の加重リングが、1つのリング、2つのリング、3つのリング、4つのリング、または5つのリングであり得る、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0189】
条項35:1つまたは複数の加重リングが、0.1インチ~0.5インチの高さを備える、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0190】
条項36:1つまたは複数の加重リングのそれぞれの高さが同じである、条項35に記載のゴルフ・クラブ。
【0191】
条項37:1つまたは複数の加重リングのそれぞれの高さが異なる、条項35に記載のゴルフ・クラブ。
【0192】
条項38:1つまたは複数の加重リングが、0.01インチ~0.08インチの厚さを備える、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0193】
条項39:1つまたは複数の加重リングが、ステンレス鋼、タングステン、タングステン-テナイトプロピオネート混合物、またはステンレス鋼-テナイトプロピオネート混合物からなる群から選択される金属材料から形成される、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0194】
条項40:1つまたは複数の加重リングが、1グラム~10グラムの総質量を含む、条項31に記載のゴルフ・クラブ。
【0195】
条項41:クラブ・ヘッド、シャフト、およびグリップを備えるゴルフ・クラブであって、クラブ・ヘッドが、ボディと、穴を有するホーゼルとを備え、シャフトが、頂端部、底端部、ホットメルト・ウェイト、およびキャップを備え、頂端部がグリップの近くにあり、底端部が、頂端部の反対側でクラブ・ヘッドの近くにあり、底端部が、ホーゼル内に受け入れられ、ホットメルト・ウェイトが、シャフトの内側で底端部の近くに形成され、キャップが、底端部に固定される、ゴルフ・クラブ。
【0196】
1つまたは複数の特許請求される要素の交換は、修復ではなく再構築を成す。さらに、便益、他の利点、および問題の解決策を、特定の実施形態に関して述べてきた。しかし、便益、利点、問題の解決策、および便益、利点、解決策を生じさせる、またはより顕著にすることができる任意の要素は、そのような便益、利点、解決策、または要素が請求項に記載されていない限り、任意のまたはすべての請求項の重要な、所要の、または必須の機能または要素として解釈されるべきではない。
【0197】
さらに、本明細書に開示される実施形態および制限は、実施形態および/または制限が(1)請求項に明示的に特許請求されておらず、かつ(2)均等論に基づいて請求項の明示的な要素および/または制限と均等である、または均等であり得る場合には、Dedicationの法理に基づいて公衆に提供されない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
【国際調査報告】