(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】結晶化ガラス素材及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
C03C 10/12 20060101AFI20240124BHJP
C03C 10/02 20060101ALI20240124BHJP
C03C 10/04 20060101ALI20240124BHJP
C03C 10/08 20060101ALI20240124BHJP
C03C 10/10 20060101ALI20240124BHJP
C03C 10/14 20060101ALI20240124BHJP
C03B 32/02 20060101ALI20240124BHJP
C03B 23/03 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
C03C10/12
C03C10/02
C03C10/04
C03C10/08
C03C10/10
C03C10/14
C03B32/02
C03B23/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544499
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 CN2022073214
(87)【国際公開番号】W WO2022156772
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110099301.4
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110099277.4
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521475495
【氏名又は名称】重慶▲シン▼景特種玻璃有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】程 ▲チェン▼
【テーマコード(参考)】
4G015
4G062
【Fターム(参考)】
4G015AA09
4G015AB10
4G015EA02
4G062AA11
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4G062QQ20
(57)【要約】
本発明は結晶化ガラス素材を提供し、その特徴は、前記結晶化ガラス素材の厚さが0.02~5mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度が5~90wt%であることにある。本発明の結晶化ガラス素材の製造方法は加工の難易度が低く、加工コストが安く、時間が節約されるとともに、熱処理ではエネルギーが節約される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さは0.02~5mmであり、結晶化度は5~90wt%であることを特徴とする、
結晶化ガラス素材。
【請求項2】
前記厚さは0.35~1.2mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度は30~75wt%又は75~90wt%である、
請求項1に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項3】
前記結晶化ガラス素材への波長380~780nmの光の平均透過率は83~93%であり、好ましくは85~92%であり、又は、前記結晶化ガラス素材への波長360~400nmの光の平均透過率は80~91%であり、好ましくは83~90%である、
請求項1又は2に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項4】
前記結晶化ガラス素材の厚さが0.7mmである時のb値(黄青値)の絶対値は0.2~3であり、好ましくは0.6~2であり、前記結晶化ガラス素材のヘイズは0.05~1.0%であり、好ましくは0.2~0.8%である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項5】
前記結晶化ガラス素材は、mol%で計算すると、次の比率の酸化物を含有し、
組成 mol%:
SiO
2 55~74%、
Al
2O
3 3~19%、
B
2O
3 0~4%、
MgO 0~6%、
Na
2O 0~3%、
Li
2O 6~25%、
K
2O 0~1%、
CaO 0~2%、
ZnO 0~5%、
希土類酸化物 0~3%
ここで、前記希土類酸化物は、La
2O
3、Eu
2O
3、Pr
6O
11、Nd
2O
3、Er
2O
3及びDy
2O
3から1種又は2種以上選ばれる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項6】
前記結晶化ガラス素材では、mol%で計算すると、SiO
2とAl
2O
3の総含有量は60%より大きく、好ましくは68~80%であり、又は、Na
2O+Li
2Oの含有量は、mol%で計算すると、7~30%であり、好ましくは10~26%である、
請求項5に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項7】
前記結晶化ガラス素材は核生成剤を含み、酸化物、フッ化物又は単体で計算すると、前記核生成剤はP
2O
5、TiO
2、ZrO
2、Cr
2O
3、CaF
2、LiF、NaF、KF、Y
2O
3、Au、Ag及びCuのうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはP
2O
5、TiO
2及びZrO
2のうちの1種又は2種以上である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項8】
前記結晶化ガラス素材は清澄剤を含み、前記清澄剤はNaCl、Na
2SO
4、SnO
2、As
2O
3、Sb
2O
3、NaNO
3、KNO
3、CeO
2及び(NH
4)
2SO
4のうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはNaCl、SnO
2、NaNO
3及びCeO
2のうちの1種又は2種以上である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項9】
前記結晶化ガラス素材は、核生成及び結晶化処理を経て平均粒径5~50nmの結晶を有する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項10】
前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560より大きい、
請求項1~9のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項11】
3D結晶化ガラスの製造原料を混合し、溶融した後、冷却し、アニーリング処理を行ってガラス基材を得るステップ1と、
ステップ1で得たガラス基材に対して核生成処理を行い、核生成処理前とその後に、必要に応じて切断を行ってもよいステップ2と、
前記ステップ2の核生成後のガラス基材に対して結晶化処理を行うステップ3と、
結晶化処理後のガラス基材に対して、必要に応じて切断を行って結晶化ガラス素材を得るステップ4と、を含む、
請求項1~10のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材の製造方法。
【請求項12】
前記ステップ1で、溶融温度は1350~1700℃であり、好ましくは、溶融温度は1400~1650℃であり、より好ましくは、溶融後に500~1000℃に冷却する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップ1で、核生成剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総量の1~9mol%であり、好ましくは2~5mol%である、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップ1で、清澄剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総質量の0~4wt%であり、好ましくは0.1~2wt%である、
請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップ2で、
核生成処理の温度は450~800℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は30~360分であり、より好ましくは、核生成処理の温度は520~570℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は120~300分である、
請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ3で、結晶化処理の温度は550~900℃であり、結晶化処理の時間は5~300分であり、
好ましくは、結晶化処理の温度は600~850℃であり、結晶化処理の時間は10~240分であり、
より好ましくは、前記結晶化処理の温度は600~750℃であり、結晶化処理の時間は10~150分である、
請求項11~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項11~16のいずれか1項に記載の製造方法で製造される結晶化ガラス素材。
【請求項18】
前記結晶化ガラス素材は透明又は不透明であり、好ましくは、前記結晶化ガラス素材は曲面又は平面であることを特徴とする請求項17に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項19】
3D熱間曲げを行って3D結晶化ガラスを製造するための、
請求項17又は18に記載の結晶化ガラス素材の使用。
【請求項20】
携帯電話のディスプレイ、タブレットコンピュータのディスプレイ、携帯型ゲーム機、電子端末、携帯型デジタル装置、センターコンソールのディスプレイ、電子ホワイトボードガラス、スマートホームのタッチスクリーン、車両のフロントガラス、飛行装置のフロントガラス又は航空機のフロントガラスにおける、
請求項19に記載の結晶化ガラス素材から製造される3D結晶化ガラスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス製造の技術分野に関し、詳しくは、結晶化ガラス素材及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
新世代の高強度ガラスである結晶化ガラスは、従来のリチウムアルミノケイ酸塩ガラスよりも高い性能を有する。結晶化ガラスの内部にはナノスケールの結晶が大量に存在するため、より安定的な構造を有し、化学強化を経て強度のより高いカバープレート製品を得ることができる。
【0003】
携帯電話のカバープレートのメーカーは、ガラス原料から、通常の方法で、例えば、最初に、フロート法、カレンダー加工、オーバーフローなどの方法によりガラス板として成形させ、さらに切断、薄化のステップを行い、その後、CNC処理、研削、3D熱間曲げ、3D研削、化学強化などの処理を行ってそれを得ることができる。又は一部のメーカーは、結晶化ガラス素材をそのまま購入した後、3D熱間曲げ、3D研削、化学強化などの処理を行って要件に適合する3D結晶化ガラスを得る。
【0004】
結晶化ガラス素材の3D熱間曲げ加工プロセスは、一般に次のステップによって行われる。3D熱間曲げは熱間曲げ機で行い、熱間曲げ機は予熱ステーション、成形ステーション及び冷却ステーションを含み、予熱ステーションは予熱金型及びガラスシートを含み、その役割はガラス内外の温度の均一化を促進することであり、冷却ステーションは冷却水で金型を急速に降温させることによって、ガラスの温度を成形温度から徐々に離型温度に下げる。3D熱間曲げ金型は黒鉛金型であり、上部と下部に分かれ、ガラスシートを金型に入れた後、予熱ステーション、成形ステーション及び冷却ステーションにおいて3D熱間曲げプロセスフローの全体を行う。3D熱間曲げプロセスの生産効率を確保するために、各ステーションでの時間の長さには要件がある。実際に作業する時には、加工及び洗浄した後のガラスシートを3D金型に入れ、金型を3D熱間曲げ機に入れて、予め設定されたプロセスに従って3D熱間曲げを行う。
【0005】
3D熱間曲げプロセスで利用する原理は次のとおり:ガラス又はガラスセラミックを軟化点温度の近くに加熱した後、外力の作用で形状を変えることができ、形状を変えた後に急速な降温冷却により、ホットプレスして得られた形状が保たれる。3D熱間曲げプロセスフローの予熱ステップはガラスが成形時の高温で熱せられてされて破裂することを避けることができ、成形温度が軟化点を上回っているため、ガラスは急速に軟化し、同時に金型の上面及び下面に対して押圧ロッドで加圧することによってガラス板を湾曲成形させ、冷却前に圧力を保ってガラス板の形状を維持し、次に金型を冷却水で急速に降温させる。また、3D熱間曲げプロセスは、金型の酸化を避けるために、その全体は窒素で保護する。
【0006】
ガラス板を成形、切断及び薄化した後、CNCによってエッジのクラックなどの欠陥を減らし、研削によってガラス板の上面及び下面が研削された効果を得る。CNC及び研削後のガラス板に対して3D熱間曲げを行うのは、熱間曲げプロセスにおけるガラス板の破砕率を低減させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の結晶化ガラス素材は、一般に完全に結晶化した状態であり、完全に結晶化した結晶化ガラス素材を用いて熱間曲げ成形で結晶化ガラスを得る場合、その加工プロセスフローでは完全に結晶化した後の結晶化ガラス素材を用いて3D熱間曲げ、3D研削、化学強化などの作業を行う。従来の完全に結晶化した結晶化ガラス素材は、その機械的強度及び硬度がより高いため、従来の完全に結晶化した結晶化ガラス素材の熱間曲げ前の機械加工の歩留まりは低く、製造コストは高い。
【0008】
従来の完全に結晶化した結晶化ガラス素材の軟化成形温度は一般に700℃以上であるため、3D熱間曲げの成形温度は700℃を上回らなければならない。熱間曲げプロセスでは、完全に結晶化した結晶化ガラス素材は、熱せられるとその本来の結晶相の種類、結晶サイズ、屈折率、Lab(色度)値、ヘイズ、透過率などが大きく変わる。表示分野で使用する場合、結晶化ガラス素材を加工して得た結晶化ガラスの色度、透過率はディスプレイの解像度、色域、彩度などの表示効果に直接影響を与え、カメラレンズ又は保護ガラスに用いると、結晶化ガラス素材を加工して得た結晶化ガラスの屈折率、ヘイズ、透過率、特に紫外、近紫外における透過率は写真及び撮影の光学系に大きな影響を与え、なお、紫外、近紫外における透過率が低い時には、画像形成の品質に直接的な影響を与える。
【0009】
また、従来の完全に結晶化した結晶化ガラス素材の3D熱間曲げは、熱間曲げ成形だけがその目的であるため、繰り返し結晶化して、エネルギーと時間の無駄になることがある。そのため、従来の完全に結晶化した結晶化ガラス素材の3D熱間曲げは技術的には非常に難しく、3D熱間曲げを利用して3Dの形態として加工するのは工業的製造に求める歩留まりを実現しにくい。
【0010】
しかしながら、完全に結晶化した結晶化ガラス素材に対して3D熱間曲げ成形を行うのではなく、核生成ガラス素材に対して3D熱間曲げ成形を行う場合、核生成ガラス素材は熱間曲げ結晶化の初期に、結晶核とガラスの界面で成長する結晶がもたらす体積の収縮が非常に明らかなものであり、成長する結晶の比率が高いほど、製品の体積の変化が大きく、サイズを制御するのは非常に難しいため、核生成ガラス素材は熱間曲げ結晶化の過程で体積が大きく変わり、成形後の3D熱間曲げ結晶化ガラスのサイズの精度に影響を与える。
【0011】
これを受けて、本発明は、部分的に結晶化した結晶化ガラス素材に対して3D熱間曲げを行う場合、ガラスが熱間曲げで変形すると同時にガラスは熱せられて引き続き結晶化して目的結晶化度に到達し、これによって3D熱間曲げ時の結晶化の過程が減り、熱間曲げ後の3D結晶化ガラスのサイズの精度はより高いということを見出した。
【0012】
また、従来技術では熱間曲げの時にホットプレスの時間が短いように制御し、これはホットプレスの時間が長くなると結晶化ガラス製品の表面に金型の痕跡が現れ、表面の品質が低下し、良品率に影響を与えるためである。本発明の方法は部分的に結晶化したガラス素材を用いて3D熱間曲げ処理を行い、部分的に結晶化したガラス素材は初期の結晶化度が比較的高く、金型の痕跡が生じにくい。また、部分的に結晶化したガラス素材の初期の結晶化度が比較的高いため、ホットプレスプロセスで単位時間あたりのサイズの変形量が小さく、より長いホットプレス時間に適応でき、3D後の変形量をより正確に制御することができ、輪郭度の公差の変動は小さく、サイズはより安定している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記技術的課題を解決するために、結晶化ガラス素材を提供することを目的とし、その特徴は、前記結晶化ガラス素材の厚さが0.02~5mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度が5~90wt%であることにある。
【0014】
好ましくは、前記厚さは0.35~1.2mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度は30~75wt%又は75~90wt%である。
【0015】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材への波長380~780nmの光の平均透過率は83~93%であり、好ましくは85~92%であり、又は、前記結晶化ガラス素材への波長360~400nmの光の平均透過率は80~91%であり、好ましくは83~90%である。
【0016】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材の厚さが0.7mmである時のb値(黄青値)の絶対値は0.2~3であり、好ましくは0.6~2であり、前記結晶化ガラス素材のヘイズは0.05~1.0%であり、好ましくは0.2~0.8%である。
【0017】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は、mol%で計算すると、次の比率の酸化物を含有し、
組成 mol%:
SiO2 55~74%、
Al2O3 3~19%、
B2O3 0~4%、
MgO 0~6%、
Na2O 0~3%、
Li2O 6~25%、
K2O 0~1%、
CaO 0~2%、
ZnO 0~5%、
希土類酸化物 0~3%
ここで、前記希土類酸化物は、La2O3、Eu2O3、Pr6O11、Nd2O3、Er2O3及びDy2O3から1種又は2種以上選ばれる。
【0018】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材では、mol%で計算すると、SiO2とAl2O3の総含有量は60%より大きく、好ましくは68~80%であり、又は、Na2O+Li2Oの含有量は、mol%で計算すると、7~30%であり、好ましくは10~26%である。
【0019】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は核生成剤を含み、酸化物、フッ化物又は単体で計算すると、前記核生成剤はP2O5、TiO2、ZrO2、Cr2O3、CaF2、LiF、NaF、KF、Y2O3、Au、Ag及びCuのうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはP2O5、TiO2及びZrO2のうちの1種又は2種以上である。
【0020】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は清澄剤を含み、前記清澄剤はNaCl、Na2SO4、SnO2、As2O3、Sb2O3、NaNO3、KNO3、CeO2及び(NH4)2SO4のうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはNaCl、SnO2、NaNO3及びCeO2のうちの1種又は2種以上である。
【0021】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は、核生成及び結晶化処理を経て平均粒径5~50nmの結晶を有する。
【0022】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560より大きい。
【0023】
本発明は、また、前記の結晶化ガラス素材の製造方法を提供し、前記製造方法は以下のステップを含む。
ステップ1:3D結晶化ガラスの製造原料を混合し、溶融した後、冷却し、アニーリング処理を行ってガラス基材を得る。
ステップ2:ステップ1で得たガラス基材に対して核生成処理を行い、核生成処理前とその後に、必要に応じて切断を行ってもよい。
ステップ3:前記ステップ2の核生成後のガラス基材に対して結晶化処理を行う。
ステップ4:結晶化処理後のガラス基材に対して、必要に応じて切断を行って結晶化ガラス素材を得る。
【0024】
好ましくは、前記ステップ1で、溶融温度は1350~1700℃であり、好ましくは、溶融温度は1400~1650℃であり、より好ましくは、溶融後に500~1000℃に冷却する。
【0025】
好ましくは、前記ステップ1で、核生成剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総量の1~9mol%であり、好ましくは2~5mol%である。
【0026】
好ましくは、前記ステップ1で、清澄剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総質量の0~4wt%であり、好ましくは0.1~2wt%である。
【0027】
好ましくは、前記ステップ2で、核生成処理の温度は450~800℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は30~360分であり、
より好ましくは、核生成処理の温度は520~570℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は120~300分である。
【0028】
好ましくは、前記ステップ3で、結晶化処理の温度は550~900℃であり、結晶化処理の時間は5~300分であり、
好ましくは、結晶化処理の温度は600~850℃であり、結晶化処理の時間は10~240分であり、
より好ましくは、前記結晶化処理の温度は600~750℃であり、結晶化処理の時間は10~150分である。
【0029】
本発明は、また、前記製造方法で製造される結晶化ガラス素材を提供する。
【0030】
好ましくは、前記の結晶化ガラス素材の特徴は、前記結晶化ガラス素材が透明又は不透明であり、好ましくは、前記結晶化ガラス素材が曲面又は平面であることにある。
【0031】
本発明は、また、3D熱間曲げを行って3D結晶化ガラスを製造するための前記結晶化ガラス素材の使用を提供する。
【0032】
本発明は、また、携帯電話のディスプレイ、タブレットコンピュータのディスプレイ、携帯型ゲーム機、電子端末、携帯型デジタル装置、センターコンソールのディスプレイ、電子ホワイトボードガラス、スマートホームのタッチスクリーン、車両のフロントガラス、飛行装置のフロントガラス又は航空機のフロントガラスにおける、結晶化ガラス素材から製造される3D結晶化ガラスの使用を提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明の有益な効果は次のとおりである。
1.本発明は、部分的に結晶化したガラス素材に対して3D熱間曲げを行い、ガラス素材が熱間曲げで変形すると同時にガラス素材は熱せられて引き続き結晶化して目的結晶化度に到達し、これによって3D熱間曲げ時の結晶化の過程が減り、結晶化ガラス素材の熱間曲げ後に得た3D結晶化ガラスのサイズの精度はより高い。本発明の結晶化ガラス素材の製造方法は加工の難易度が低く、加工コストが安く、時間が節約されるとともに、熱処理ではエネルギーが節約される。部分的に結晶化したガラス素材に対して3D熱間曲げを行うのは、従来の高結晶化度又は完全に結晶化した結晶化ガラス素材の3D熱間曲げの時の繰り返し結晶化の問題を避けている。
【0034】
2.3D結晶化ガラスの製造プロセスで平面研磨及び研削は必要に応じて3D熱間曲げの前に行う。3D結晶化ガラスの平面研磨及び研削の速度は硬度に関係しており、硬度が高いほど、平面研磨及び研削の難易度は高く、またより長い時間を要する。本発明は、部分的に結晶化したガラス素材に対して平面研磨及び研削を行い、完全に結晶化した結晶化ガラス素材より硬度が低いため、ガラスシートの平面研磨及び研削加工の難易度は低下し、所要時間が減少される。
【0035】
3.本発明の結晶化ガラス素材は光学性能が向上しており、従来の完全に結晶化した結晶化ガラス素材は軟化成形温度が一般に700℃以上であるため、700℃より高い熱間曲げプロセスでは結晶化ガラス素材の中の結晶が引き続き成長し、残ったガラス塊から再び晶析するため、晶析し過ぎる問題があり、熱間曲げ後の結晶化ガラス素材の光学性能を大幅に低下させてしまう。本発明に記載の結晶化ガラス素材の光学性能としては波長380~780nmの光の平均透過率が83~93%であり、波長360~400nmの光の平均透過率が80~91%であり、前記3D結晶化ガラスの厚さが0.7mmである時のb値(黄青値)の絶対値は0.2~3.0である。
【0036】
4.本発明の結晶化ガラス素材のサイズの精度の制御率は向上している。部分的に結晶化したガラス素材に対して3D熱間曲げを行い、ガラスは熱せられて引き続き結晶化して目的結晶化度に到達し、この過程ではガラスが熱間曲げで結晶化すると同時に変形するが、当該変形は3D熱間曲げの時の結晶化の過程を減らすために小さくなり、これは熱間曲げ後の結晶化ガラス素材のサイズの精度の制御に役立つ。
【0037】
5.本発明の結晶化ガラス素材の良品率は向上している。核生成ガラス又は初期の結晶化度が低いガラスを3D熱間曲げ成形の素材とする場合、当該素材は熱間曲げ成形の短い時間のうちに大量に晶析する必要があるが、異なるバッチの素材では3D熱間曲げプロセスで非常に多くの変化する要因の影響を受け、異なるバッチでは結晶のサイズ、結晶の種類、結晶率の安定性が悪くなる。部分的に結晶化したガラス素材に対して3D熱間曲げを行うと、その結晶化度は比較的高く、熱間曲げプロセスでは結晶の成長量が少なく、変化する要因の影響が低減されるため、異なるバッチの結晶化ガラス素材から製造される3D結晶化ガラスの安定性をより制御しやすく、良品率を向上させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、実施例25においてステップ2でアニーリングした後で核生成前に得られたガラスブロックのXRDパターンである。
【
図2】
図2は、実施例25においてステップ4で得た部分的に結晶化したガラス素板のXRDパターンである。
【
図3】
図3は、実施例26においてステップ4で得た部分的に結晶化したガラス素板のXRDパターンである。
【
図4】
図4は、実施例30においてステップ4で得た部分的に結晶化したガラス素板のXRDパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、結晶化ガラス素材を提供することを目的とし、その特徴は、前記結晶化ガラス素材の厚さが0.02~5mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度が5~90wt%であることにある。
【0040】
好ましくは、前記厚さは0.35~1.2mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度は30~75wt%、75~90wt%、6~10wt%、11~15wt%、16~20wt%、21~25wt%、26~30wt%、31~35wt%、36~40wt%、41~45wt%、46~50wt%、51~55wt%、56~60wt%、61~65wt%、66~70wt%、71~75wt%、76~80wt%、81~85wt%、86~90wt%、あるいは10~20wt%、21~30wt%、31~40wt%、41~50wt%、51~60wt%、61~70wt%、71~80wt%、又は81~90wt%である。
【0041】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材への波長380~780nmの光の平均透過率は83~93%であり、好ましくは85~92%であり、又は、前記結晶化ガラス素材への波長360~400nmの光の平均透過率は80~91%であり、好ましくは83~90%である。
【0042】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材の厚さが0.7mmである時のb値(黄青値)の絶対値は0.2~3であり、好ましくは0.6~2であり、前記結晶化ガラス素材のヘイズは0.05~1.0%であり、好ましくは0.2~0.8%である。
【0043】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は、mol%で計算すると、次の比率の酸化物を含有し、
組成 mol%:
SiO2 55~74%、
Al2O3 3~19%、
B2O3 0~4%、
MgO 0~6%、
Na2O 0~3%、
Li2O 6~25%、
K2O 0~1%、
CaO 0~2%、
ZnO 0~5%、
希土類酸化物 0~3%
ここで、前記希土類酸化物は、La2O3、Eu2O3、Pr6O11、Nd2O3、Er2O3及びDy2O3から1種又は2種以上選ばれる。
【0044】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材では、mol%で計算すると、SiO2とAl2O3の総含有量は60%より大きく、好ましくは68~80%であり、又は、Na2O+Li2Oの含有量は、mol%で計算すると、7~30%であり、好ましくは10~26%である。
【0045】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は核生成剤を含み、酸化物、フッ化物又は単体で計算すると、前記核生成剤はP2O5、TiO2、ZrO2、Cr2O3、CaF2、LiF、NaF、KF、Y2O3、Au、Ag及びCuのうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはP2O5、TiO2及びZrO2のうちの1種又は2種以上である。
【0046】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は清澄剤を含み、前記清澄剤はNaCl、Na2SO4、SnO2、As2O3、Sb2O3、NaNO3、KNO3、CeO2及び(NH4)2SO4のうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはNaCl、SnO2、NaNO3及びCeO2のうちの1種又は2種以上である。
【0047】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材は、核生成及び結晶化処理を経て平均粒径5~50nmの結晶を有する。
【0048】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560より大きい。
【0049】
本発明は、また、前記の結晶化ガラス素材の製造方法を提供し、前記製造方法は以下のステップを含む。
ステップ1:3D結晶化ガラスの製造原料を混合し、溶融した後、冷却し、アニーリング処理を行ってガラス基材を得る。
ステップ2:ステップ1で得たガラス基材に対して核生成処理を行い、核生成処理前とその後に、必要に応じて切断を行ってもよい。
ステップ3:前記ステップ2の核生成後のガラス基材に対して結晶化処理を行う。
ステップ4:結晶化処理後のガラス基材に対して、必要に応じて切断を行って結晶化ガラス素材を得る。
【0050】
好ましくは、前記ステップ1で、溶融温度は1350~1700℃であり、好ましくは、溶融温度は1400~1650℃であり、より好ましくは、溶融後に500~1000℃に冷却する。
【0051】
好ましくは、前記ステップ1で、核生成剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総量の1~9mol%であり、好ましくは2~5mol%である。
【0052】
好ましくは、前記ステップ1で、清澄剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総質量の0~4wt%であり、好ましくは0.1~2wt%である。
【0053】
好ましくは、前記ステップ2で、核生成処理の温度は450~800℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は30~360分であり、
より好ましくは、核生成処理の温度は520~570℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は120~300分である。
【0054】
好ましくは、前記ステップ3で、結晶化処理の温度は550~900℃であり、結晶化処理の時間は5~300分であり、
好ましくは、結晶化処理の温度は600~850℃であり、結晶化処理の時間は10~240分であり、
より好ましくは、前記結晶化処理の温度は600~750℃であり、結晶化処理の時間は10~150分である。
【0055】
本発明は、また、前記製造方法で製造される結晶化ガラス素材を提供する。
【0056】
好ましくは、前記の結晶化ガラス素材の特徴は、前記結晶化ガラス素材が透明又は不透明であり、好ましくは、前記結晶化ガラス素材が曲面又は平面であることにある。
【0057】
本発明は、また、3D熱間曲げを行って3D結晶化ガラスを製造するための前記結晶化ガラス素材の使用を提供する。
【0058】
本発明は、また、携帯電話のディスプレイ、タブレットコンピュータのディスプレイ、携帯型ゲーム機、電子端末、携帯型デジタル装置、センターコンソールのディスプレイ、電子ホワイトボードガラス、スマートホームのタッチスクリーン、車両のフロントガラス、飛行装置のフロントガラス又は航空機のフロントガラスにおける、結晶化ガラス素材から製造される3D結晶化ガラスの使用を提供する。
【0059】
用語の説明:
3D結晶化ガラス:上面と下面はいずれも非平面の結晶化ガラスである。
2D結晶化ガラス:上面と下面はいずれも平面の結晶化ガラスである。
2.5D結晶化ガラス:一方の面は平面で、他方の面は非平面の結晶化ガラスである。
結晶化度:結晶化ガラスは結晶相及びガラス相を含有し、結晶相の質量の結晶化ガラスの総質量に占めるパーセントは結晶化度である。
透過率:入射光束が被照射面又は媒質の入射面から別の面に行って離れるという過程で、物体に投射されて透過する照射エネルギーと物体に投射される総照射エネルギーの比である。
平均透過率:所定の波長範囲において、10nmの波長の間隔で各波長での透過率を測定し、このように測定した各波長での透過率の和を測定した各波長での透過率の数で割った値である。例えば、波長360~400nmの平均透過率の計算方法は次のとおりである。波長360nm、370nm、380nm、390nm、400nmでの透過率をそれぞれ測定し、測定した360~400nmでの透過率の数は5であり、前記透過率の和を5で割って波長360~400nmでの平均透過率を得る。
核生成:熱処理によってガラス中の核生成物質に約5nmの結晶核を成長させることである。
結晶化:ガラスに対する熱処理で結晶核の上に特定の結晶を成長させることである。
結晶の平均粒径:10万~100万倍の拡大倍率で観察された前記結晶化ガラス素材又は3D結晶化ガラスの中の結晶粒長の平均値である。透過型電子顕微鏡(型番:ThermoFisher Scientific(旧FEI)Talos F200S)で観察して測定される。測定時には特定の部位の結晶粒に対して拡大写真を撮り、当該拡大写真領域内には限られた結晶粒があり、縮尺に基づいて限られた結晶粒のサイズを記して、平均を求める。本発明の実施例では、測定時の拡大倍率が50万倍である。
【0060】
b値:材料の黄青値を表し、本発明でb値は透過光のb値であり、b値が正である場合は材料が青色の方に近いことを表し、クロマトグラフ(型番CM-3600A)で測定される。
【0061】
ヘイズ:入射光から2.5°以上外れた透過光の強度の、透過光の総強度に占めるパーセントである。クロマトグラフ(型番CM-3600A)で測定される。
【0062】
前記結晶化ガラス素材の厚さが0.65mmである時の光学性能はD65光源でのb値の絶対値であって0.2~3.0であり、好ましくはD65光源でのb値の絶対値は0.6~2.0であり、波長360nmの光の透過率は70%より大きく又は等しく、好ましくは波長360nmの透過率は80%より大きく又は等しい。
【0063】
核生成剤はP2O5、TiO2、ZrO2、Cr2O3、CaF2、LiF、NaF、KF、Y2O3、Au、Ag、Cuなどを含み、ただしそれらに限定されない。
【0064】
部分的に結晶化したガラス素材に対して熱間曲げで結晶化させる時に、結晶化の速度は制御可能であり、これは粒径100nm以下の結晶を成長させるために役立ち、プロセスに対する制御で、析出した結晶の平均粒径は10~100nmであることを確保でき、これによって3D結晶化ガラスの光学性能を向上させる。
【0065】
別の一部の特定の実施形態では、部分的に結晶化したガラス素材の3D熱間曲げプロセスで、結晶化と3D熱間曲げ成形が同時に行われ、熱間曲げの時間は一般に在30分以内であり、一部の実施例は、部分的に結晶化したガラス素材が、適切なプロセスで、10~20分の3D熱間曲げを経て結晶化度は80wt%以上に達し、且つ光学性能は要件を満たすことを示す。
【0066】
前記結晶化ガラス素材から製造された最終的な3D結晶化ガラスの結晶相には、ケイ酸リチウム、二ケイ酸リチウム、β-石英、β-石英固溶体、葉長石、β-リシア輝石、β-リシア輝石固溶体、霞石、菫青石、ムライト、燐灰石、ジルコニア、亜鉛スピネル、マグネシア・アルミナ・スピネル、金紅石などが含まれる。
【0067】
以下、本発明を一層理解するために、実施例を用いて本発明の内容を一層説明する。
【0068】
以下、本実施例で使用する原料と装置のメーカー、及び製品分析で使用する装置と分析方法を説明し、前記化学物質は説明がなければ、いずれも化学的に純粋な通常の試薬である。
【0069】
なお、実施例及び比較例で使用する原料の情報は次の表1に示すとおりである。
【表1】
【0070】
(実施例)
実施例の熱間曲げプロセスは表2を参照し、例えば、プロセス番号が1である時に、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は430℃であり、第2予熱ステーションの温度は500℃であり、第3予熱ステーションの温度は600℃であり、第4予熱ステーションの温度は680℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は800℃であり、上部圧力は0.4MPaであり、下部圧力は0.4MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は810℃であり、上部圧力は0.4MPaであり、下部圧力は0.4MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0.4MPaであり、下部圧力は0.4MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、20秒であった。
【0071】
例えば、番号が12である熱間曲げプロセスは次のとおりであった。熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は430℃であり、第2予熱ステーションの温度は500℃であり、第3予熱ステーションの温度は700℃であり、第4予熱ステーションの温度は850℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は780℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。これを例とする。
【表2】
【0072】
実施例及び比較例はいずれも結晶化ガラス素材の製造方法及び引き続き当該結晶化ガラス素材を使用して3D結晶化ガラスを製造する製造方法であった。
【0073】
(実施例1)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 62.00%、Al2O3 17.00%、MgO 2.50%、Na2O 2.50%、Li2O 10.00%、B2O3 2.00%、希土類酸化物La2O3 0.8%、核生成剤(2.00%のP2O5、1.20%のZrO2を含有する)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1650℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213/TP310Sオーステナイト系クロム・ニッケルステンレス鋼材質の金型(次の実施例及び比較例ではいずれも実施例1と同じ金型を使用する)に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、620℃で5時間保温した後、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は760℃であり、核生成処理の時間は120分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は790℃であり、結晶化処理の時間は10分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:部分結晶化後のガラスブロックに対して研磨研削機でエッジトリミングした後、マルチワイヤー切断機で切断してシート状にし、CNC工作機械で加工して長さと幅と厚さが158×75×0.65mmであるガラスシートとし、続いて、平面研磨機、研削機を用いて、それぞれ、粗研磨及び研削処理を行って、部分的に結晶化したガラス素板(即ち、結晶化ガラス素材)を得て、測定したところ、その結晶化度は10wt%であり、結晶の平均粒径は12nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.61であり、波長360nmの光の透過率は80.14%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.90%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は81.74%であり、ヘイズは0.25%であった。
【0074】
ステップ5:(引き続き結晶化ガラス素材から3D結晶化ガラスを製造する)部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は430℃であり、第2予熱ステーションの温度は500℃であり、第3予熱ステーションの温度は600℃であり、第4予熱ステーションの温度は680℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は800℃であり、上部圧力は0.4MPaであり、下部圧力は0.4MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は810℃であり、上部圧力は0.4MPaであり、下部圧力は0.4MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0.4MPaであり、下部圧力は0.4MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、20秒であった。即ち、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用し、3D結晶化ガラスサンプル1を得た。
【0075】
前記3D結晶化ガラスサンプル1に対して検出し、線回折装置を使用し、装置において電圧40mV、電流30mA、試験範囲10~50°、走査速度1°/分と設定し、ステップ幅を0.02°/ステップと設定し、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル1の結晶化度は15wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は37nmであった。光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル1のb値の絶対値は2.30であり、波長360nmの光の透過率は76.30%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は80.10%であり、ヘイズは0.40%であった。
【0076】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、430℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを8時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品1を得た。
【0077】
(実施例2)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 64.00%、Al2O3 17.00%、Na2O 2.50%、Li2O 12.5%、B2O3 2.00%、核生成剤(0.80%のP2O5、1.20%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1650℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例1と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は13wt%であり、結晶の平均粒径は11nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.52であり、波長360nmの光の透過率は81.24%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は83.52%であり、ヘイズは0.19%であった。
【0078】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して(実施例1を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル2を得た。
【0079】
前記3D結晶化ガラスサンプル2に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル2の熱間曲げ後の結晶化度は24wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は27nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル2のb値の絶対値は3.10であり、波長360nmの光の透過率は76.00%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は78.00%であり、ヘイズは0.43%であった。
【0080】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、処理条件は実施例1と同じであり、最終的に3D結晶化ガラス完成品2を得た。
【0081】
(実施例3)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 63.64%、Al2O3 16.03%、Li2O 16.03%、B2O3 2.00%、核生成剤(0.80%のP2O5、1.50%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、610℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は705℃であり、核生成処理の時間は120分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は775℃であり、結晶化処理の時間は10分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は9wt%であり、結晶の平均粒径は16nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.3であり、波長360nmの光の透過率は83.36%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.44%であり、ヘイズは0.13%であった。
【0082】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して(実施例1を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル3を得た。
【0083】
前記3D結晶化ガラスサンプル3に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル3の熱間曲げ後の結晶化度は18wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は24nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル3のb値の絶対値は1.21であり、波長360nmの光の透過率は83.71%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.22%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.56%であり、ヘイズは0.16%であった。
【0084】
(実施例4)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.63%、Al2O3 15.13%、MgO 4.76%、Na2O 1.55%、Li2O 8.65%、希土類酸化物La2O3 0.81%、核生成剤(0.67%のP2O5、1.30%のZrO2、0.50%のY2O3)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占めるNaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、610℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は720℃であり、核生成処理の時間は120分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は780℃であり、結晶化処理の時間は10分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は11wt%であり、結晶の平均粒径は16nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.33であり、波長360nmの光の透過率は82.65%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.73%であり、ヘイズは0.24%であった。
【0085】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して(実施例1を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル4を得た。
【0086】
前記3D結晶化ガラスサンプル4に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル4の熱間曲げ後の結晶化度は23wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は27nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル4のb値の絶対値は1.48であり、波長360nmの光の透過率は80.06%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は89.5%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は83.50%であり、ヘイズは0.25%であった。
【0087】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、450℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを7時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品4を得た。
【0088】
(実施例5)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.96%、Al2O3 14.20%、MgO 4.79%、Na2O 0.56%、Li2O 9.70%、希土類酸化物Er2O3 0.81%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.30%のZrO2)、及び、清澄剤として核生成剤と製造原料の総質量の0.4wt%を占めるNaCl及び0.4wt%のSnO2を含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例4と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は16wt%であり、結晶の平均粒径は18nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.42であり、波長360nmの光の透過率は81.35%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.12%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.04%であり、ヘイズは0.26%であった。
【0089】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して(実施例1を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル5を得た。
【0090】
前記3D結晶化ガラスサンプル5に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル5の熱間曲げ後の結晶化度は33wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体及びβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は22nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル5のb値の絶対値は3.24であり、波長360nmの光の透過率は72.00%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.90%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は78.60%であり、ヘイズは0.54%であった。
【0091】
(実施例6)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.95%、Al2O3 14.20%、MgO 2.29%、Na2O 1.56%、ZnO 1.00%、Li2O 9.70%、希土類酸化物La2O3 0.81%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.31%のZrO2、0.5%のY2O3)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例4と同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は765℃であり、結晶化処理の時間は20分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は12wt%であり、結晶の平均粒径は23nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.73であり、波長360nmの光の透過率は78.02%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は80.12%であり、ヘイズは0.38%であった。
【0092】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して(実施例1を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル6を得た。
【0093】
前記3D結晶化ガラスサンプル6に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル6の熱間曲げ後の結晶化度は23wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体及びβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は30nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は3.4であり、波長360nmの光の透過率は66.30%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は76.20%であり、ヘイズは0.96%であった。
【0094】
(実施例7)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.42%、Al2O3 14.09%、MgO 4.75%、Na2O 1.55%、Li2O 9.62%、核生成剤(0.67%のP2O5、1.3%のZrO2、1.6%のTiO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占めるNaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例4と同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は750℃であり、結晶化処理の時間は20分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は17wt%であり、結晶の平均粒径は12nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.22であり、波長360nmの光の透過率は84.05%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.70%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.72%であり、ヘイズは0.21%であった。
【0095】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して(実施例1を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル7を得た。
【0096】
前記3D結晶化ガラスサンプル7に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル7の熱間曲げ後の結晶化度は34wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は24nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル7のb値の絶対値は1.20であり、波長360nmの光の透過率は83.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.28%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.62%であり、ヘイズは0.15%であった。
【0097】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、430℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを9時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品7を得た。
【0098】
(実施例8)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.95%、Al2O3 13.20%、CaO 1.0%、MgO 3.79%、Na2O 1.56%、Li2O 9.70%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.51%のZrO2、0.61%のTi2O)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、570℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は715℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は820℃であり、結晶化処理の時間は10分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は28wt%であり、結晶の平均粒径は23nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.18であり、波長360nmの光の透過率は85.11%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.90%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.01%であり、ヘイズは0.12%であった。
【0099】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は480℃であり、第2予熱ステーションの温度は635℃であり、第3予熱ステーションの温度は685℃であり、第4予熱ステーションの温度は715℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は745℃であり、上部圧力は0.3MPaであり、下部圧力は0.6MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0.MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、80秒であった。即ち、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用し、3D結晶化ガラスサンプル8を得た。
【0100】
前記3D結晶化ガラスサンプル8に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル8の熱間曲げ後の結晶化度は45wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体及びβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は37nmであった。光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル8のb値の絶対値は2.90であり、波長360nmの光の透過率は76.11%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は78.80%であり、ヘイズは0.63%であった。
【0101】
(実施例9)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.96%、Al2O3 13.20%、MgO 5.79%、Na2O 1.26%、Li2O 8.00%、B2O3 1.00%、希土類酸化物Er2O3 0.9%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.21%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例8と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は19wt%であり、結晶の平均粒径は14nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.23であり、波長360nmの光の透過率は84.21%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.83%であり、ヘイズは0.16%であった。
【0102】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル9を得た。
【0103】
前記3D結晶化ガラスサンプル9に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル9の熱間曲げ後の結晶化度は32wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は24nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル9のb値の絶対値は1.30であり、波長360nmの光の透過率は82.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は89.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.20%であり、ヘイズは0.21%であった。
【0104】
(実施例10)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 71.65%、Al2O3 13.20%、MgO 2.79%、Na2O 0.56%、Li2O 8.00%、希土類酸化物Er2O3 0.61%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.51%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例8と同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は800℃であり、結晶化処理の時間は10分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は20wt%であり、結晶の平均粒径は16nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.2であり、波長360nmの光の透過率は84.33%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.60%であり、ヘイズは0.22%であった。
【0105】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル10を得た。
【0106】
前記3D結晶化ガラスサンプル10に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル10の熱間曲げ後の結晶化度は37wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は27nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は1.60であり、波長360nmの光の透過率は81.13%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は89.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は82.80%であり、ヘイズは0.19%であった。
【0107】
(実施例11)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 70.65%、Al2O3 13.20%、MgO 2.79%、Na2O 1.56%、Li2O 8.00%、希土類酸化物La2O3 0.61%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.51%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例10と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は21wt%であり、結晶の平均粒径は10nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.16であり、波長360nmの光の透過率は85.33%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.50%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.46%であり、ヘイズは0.10%であった。
【0108】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル11を得た。
【0109】
前記3D結晶化ガラスサンプル11に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル11の熱間曲げ後の結晶化度は41wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は22nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は1.10であり、波長360nmの光の透過率は82.40%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.30%であり、ヘイズは0.13%であった。
【0110】
(実施例12)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 70.65%、Al2O3 12.92%、MgO 2.42%、ZnO 0.80%、Na2O 1.05%、Li2O 8.25%、希土類酸化物La2O3 1.22%、核生成剤(1.37%のP2O5、1.32%のY2O3)、及び、清澄剤として核生成剤と製造原料の総質量の0.3wt%を占めるNaNO3及び0.4wt%のAs2O3を含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、570℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は700℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3は実施例5と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は25wt%であり、結晶の平均粒径は16nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は0.92であり、波長360nmの光の透過率は86.03%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.22%であり、ヘイズは0.13%であった。
【0111】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル12を得た。
【0112】
前記3D結晶化ガラスサンプル12に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル12の熱間曲げ後の結晶化度は43wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は24nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は1.15であり、波長360nmの光の透過率は83.68%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.56%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は86.30%であり、ヘイズは0.17%であった。
【0113】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、化学強化の条件は実施例7と同じであり、最終的に3D結晶化ガラス完成品12を得た。
【0114】
(実施例13)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 71.15%、Al2O3 12.70%、MgO 2.79%、Na2O 0.56%、Li2O 8.00%、B2O3 1.00%、希土類酸化物Nd2O3 0.61%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.51%のCaF2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、570℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は710℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3は実施例10と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は18wt%であり、結晶の平均粒径は25nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.02であり、波長360nmの光の透過率は85.53%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.13%であり、ヘイズは0.18%であった。
【0115】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル13を得た。
【0116】
前記3D結晶化ガラスサンプル13に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル13の熱間曲げ後の結晶化度は34wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は35nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は1.75であり、波長360nmの光の透過率は81.03%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は89.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は82.30%であり、ヘイズは0.23%であった。
【0117】
(実施例14)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 68.00%、Al2O3 12.00%、MgO 3.5%、Na2O 0.50%、Li2O 10.00%、B2O3 3.00%、核生成剤(2.00%のP2O5、1.00%のY2O3)、及び、清澄剤として核生成剤と製造原料の総質量の0.2wt%を占めるNaCl、0.2wt%のSnO2及び0.2wt%のCeO2を含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例13と同じであった。
ステップ3は実施例1と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は35wt%であり、結晶の平均粒径は14nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.52であり、波長360nmの光の透過率は81.53%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.49%であり、ヘイズは0.25%であった。
【0118】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル14を得た。
【0119】
前記3D結晶化ガラスサンプル14に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル14の熱間曲げ後の結晶化度は62wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体+葉長石であり、結晶の平均粒径は27nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は1.11であり、波長360nmの光の透過率は84.20%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.90%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.80%であり、ヘイズは0.22%であった。
【0120】
(実施例15)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.95%、Al2O3 11.20%、CaO 1.20%、MgO 4.59%、Na2O 1.26%、Li2O 9.00%、B2O3 2.00%、希土類酸化物Nd2O3 0.61%、核生成剤(1.68%のP2O5、1.51%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.6wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1710.2gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、550℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は690℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は750℃であり、結晶化処理の時間は30分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は32wt%であり、結晶の平均粒径は18nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.54であり、波長360nmの光の透過率は81.13%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は83.43%であり、ヘイズは0.27%であった。
【0121】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号8の熱間曲げプロセスを利用して(実施例8を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル15を得た。
【0122】
前記3D結晶化ガラスサンプル15に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル15の熱間曲げ後の結晶化度は53wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体+葉長石であり、結晶の平均粒径は24nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.70であり、波長360nmの光の透過率は85.22%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.50%であり、ヘイズは0.16%であった。
【0123】
(実施例16)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 65.10%、Al2O3 8.51%、Na2O 1.00%、Li2O 20.83%、B2O3 1.52%、核生成剤(0.82%のP2O5、1.72%のZrO2、0.5%のNaF)、及び、清澄剤として核生成剤と製造原料の総質量の0.3wt%を占めるNaNO3及び0.3wt%のAs2O3を含み、前記原料の総重量は1710.2gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1620℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、550℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は670℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は710℃であり、結晶化処理の時間は100分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は40wt%であり、結晶の平均粒径は11nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.24であり、波長360nmの光の透過率は83.13%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は86.41%であり、ヘイズは0.21%であった。
【0124】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号6の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は710℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は730℃であり、上部圧力は0.3MPaであり、下部圧力は0.3MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は740℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、60秒であった。3D結晶化ガラスサンプル16を得た。
【0125】
前記3D結晶化ガラスサンプル16に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル16の熱間曲げ後の結晶化度は60wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体+葉長石であり、結晶の平均粒径は21nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.62であり、波長360nmの光の透過率は86.02%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.10%であり、ヘイズは0.17%であった。
【0126】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、430℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを11時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品16を得た。
【0127】
(実施例17)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 68.00%、Al2O3 5.50%、CaO 0.50%、Na2O 1.00%、Li2O 21.00%、B2O3 1.50%、核生成剤(0.80%のP2O5、1.70%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、500℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は570℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は640℃であり、結晶化処理の時間は100分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は78wt%であり、結晶の平均粒径は25nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.16であり、波長360nmの光の透過率は84.16%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.94%であり、ヘイズは0.19%であった。
【0128】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号6の熱間曲げプロセスを利用して(実施例16を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル17を得た。
【0129】
前記3D結晶化ガラスサンプル17に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル17の熱間曲げ後の結晶化度は91wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体+葉長石であり、結晶の平均粒径は21nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は1.0であり、波長360nmの光の透過率は84.32%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は86.40%であり、ヘイズは0.16%であった。
【0130】
(実施例18)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 69.14%、Al2O3 5.21%、Na2O 0.46%、Li2O 21.13%、B2O3 1.52%、核生成剤(0.82%のP2O5、1.72%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1550℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、490℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は530℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は640℃であり、結晶化処理の時間は120分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は72wt%であり、結晶の平均粒径は19nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.44であり、波長360nmの光の透過率は82.31%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.91%であり、ヘイズは0.24%であった。
【0131】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号13の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は710℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は720℃であり、上部圧力は0.3MPaであり、下部圧力は0.3MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は720℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。3D結晶化ガラスサンプル18を得た。
【0132】
前記3D結晶化ガラスサンプル18に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル18の熱間曲げ後の結晶化度は92wt%であり、析出した結晶相は二ケイ酸リチウム+葉長石であり、結晶の平均粒径は18nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.43であり、波長360nmの光の透過率は87.17%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は90.30%であり、ヘイズは0.11%であった。
【0133】
(実施例19)
ステップ1、2は実施例18と完全に同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は630℃であり、結晶化処理の時間は120分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は60wt%であり、結晶の平均粒径は6nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.32であり、波長360nmの光の透過率は84.00%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.70%であり、ヘイズは0.36%であった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号13の熱間曲げプロセスを利用して(実施例18を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル19を得た。
【0134】
前記3D結晶化ガラスサンプル19に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル19の熱間曲げ後の結晶化度は86wt%であり、析出した結晶相は二ケイ酸リチウム+葉長石であり、結晶の平均粒径は19nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.44であり、波長360nmの光の透過率は87.31%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.50%であり、ヘイズは0.11%であった。
【0135】
(実施例20)
ステップ1、2は実施例18と完全に同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は625℃であり、結晶化処理の時間は120分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は51wt%であり、結晶の平均粒径は13nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.29であり、波長360nmの光の透過率は83.15%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は90.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.15%であり、ヘイズは0.21%であった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号13の熱間曲げプロセスを利用して(実施例18を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル20を得た。
【0136】
前記3D結晶化ガラスサンプル20に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル20の熱間曲げ後の結晶化度は73wt%であり、析出した結晶相は二ケイ酸リチウム+葉長石であり、結晶の平均粒径は23nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.58であり、波長360nmの光の透過率は86.20%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.80%であり、ヘイズは0.10%であった。
【0137】
(実施例21)
結晶化ガラス素材の製造方法及び引き続き当該結晶化ガラス素材を使用して3D結晶化ガラスを製造する製造方法であった。
ステップ1、2は実施例18と完全に同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は620℃であり、結晶化処理の時間は120分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は30wt%であり、結晶の平均粒径は15nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.24であり、波長360nmの光の透過率は83.02%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.82%であり、ヘイズは0.33%であった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号13の熱間曲げプロセスを利用して(実施例18を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル21を得た。
【0138】
前記3D結晶化ガラスサンプル21に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル21の熱間曲げ後の結晶化度は65wt%であり、析出した結晶相は二ケイ酸リチウム+葉長石であり、結晶の平均粒径は25nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.62であり、波長360nmの光の透過率は85.14%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.10%であり、ヘイズは0.15%であった。
【0139】
(実施例22)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 69.5%、Al2O3 5.3%、Na2O 1.60%、Li2O 20.5%、B2O3 0.55%、核生成剤(0.8%のP2O5、1.75%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1550℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、480℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は560℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は630℃であり、結晶化処理の時間は100分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は39wt%であり、結晶の平均粒径は14nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.19であり、波長360nmの光の透過率は84.92%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.32%であり、ヘイズは0.21%であった。
【0140】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号15の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は740℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は770℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。3D結晶化ガラスサンプル22を得た。
【0141】
前記3D結晶化ガラスサンプル22に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル22の熱間曲げ後の結晶化度は85wt%であり、析出した結晶相は葉長石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は19nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.42であり、波長360nmの光の透過率は88.23%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.30%であり、ヘイズは0.15%であった。
【0142】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、450℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを9時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品22を得た。
【0143】
(実施例23)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 71.80%、Al2O3 4.80%、MgO 1.40%、Na2O 1.00%、Li2O 18.80%、ZnO 0.3%、核生成剤(0.8%のP2O5、1.1%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1550℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、480℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は545℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は610℃であり、結晶化処理の時間は200分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は45wt%であり、結晶の平均粒径は19nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.25であり、波長360nmの光の透過率は83.36%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.50%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.16%であり、ヘイズは0.15%であった。
【0144】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号15の熱間曲げプロセスを利用して(実施例22を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル23を得た。
前記3D結晶化ガラスサンプル23に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル23の熱間曲げ後の結晶化度は92wt%であり、析出した結晶相は葉長石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は20nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.61であり、波長360nmの光の透過率は85.82%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.50%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.00%であり、ヘイズは0.15%であった。
【0145】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、処理条件は実施例22と同じであり、最終的に3D結晶化ガラス完成品23を得た。
【0146】
(実施例24)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 69.50%、Al2O3 4.25%、Na2O 1.60%、Li2O 20.5%、B2O3 1.60%、核生成剤(0.8%のP2O5、1.75%のZrO2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1550℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、480℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は538℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は620℃であり、結晶化処理の時間は100分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は43wt%であり、結晶の平均粒径は17nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.17であり、波長360nmの光の透過率は84.21%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.98%であり、ヘイズは0.19%であった。
【0147】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号14の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は720℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は750℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。3D結晶化ガラスサンプル24を得た。
【0148】
b値の絶対値が波長360nmである光で前記3D結晶化ガラスサンプル24に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル24の熱間曲げ後の結晶化度は82wt%であり、析出した結晶相は葉長石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は22nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.43であり、波長360nmの光の透過率は88.17%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.60%であり、ヘイズは0.11%であった。
【0149】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、処理条件は実施例22と同じであり、最終的に3D結晶化ガラス完成品24を得た。
【0150】
(実施例25)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO
2 68.76%、Al
2O
3 4.13%、MgO 0.98%、ZnO 0.98%、Na
2O 0.45%、Li
2O 20.71%、B
2O
3 1.49%、核生成剤(0.81%のP
2O
5、1.69%のZrO
2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1550℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、480℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、得られたアニーリング後のガラスブロックに対してXRD試験を行い、
図1を得て、それがガラス状態であることが分かり、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は540℃であり、核生成処理の時間は200分であった。
ステップ3は実施例24と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は47wt%であり、結晶の平均粒径は15nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.09であり、波長360nmの光の透過率は85.01%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.81%であり、ヘイズは0.24%であった。得られた部分的に結晶化したガラス素板に対してXRD試験を行い、
図2を得て、それが部分的に結晶化した状態であることが示された。
【0151】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号14の熱間曲げプロセスを利用して(実施例24を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル25を得た。
【0152】
前記3D結晶化ガラスサンプル25に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル25の熱間曲げ後の結晶化度は87wt%であり、析出した結晶相は二ケイ酸リチウム+葉長石+β-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は18nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.39であり、波長360nmの光の透過率は88.80%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.70%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.80%であり、ヘイズは0.09%であった。
【0153】
ステップ5:ステップ4で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、450℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを10時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品25を得た。
【0154】
(実施例26)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO
2 68.73%、Al
2O
3 4.13%、MgO 0.98%、ZnO 1.68%、Na
2O 0.45%、Li
2O 20.01%、B
2O
3 1.49%、核生成剤(0.81%のP
2O
5、1.72%のZrO
2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.5wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1550℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例25と同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は615℃であり、結晶化処理の時間は120分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は55wt%であり、結晶の平均粒径は16nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.34であり、波長360nmの光の透過率は83.16%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は84.26%であり、ヘイズは0.29%であった。得られた部分的に結晶化したガラス素板に対してXRD試験を行い、
図3を得て、それが部分的に結晶化した状態であることが示された。
【0155】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号15の熱間曲げプロセスを利用して(実施例22を参照してもよい)、3D結晶化ガラスサンプル26を得た。
【0156】
前記3D結晶化ガラスサンプル26に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル30の熱間曲げ後の結晶化度は91wt%であり、析出した結晶相は葉長石であり、結晶の平均粒径は23nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.42であり、波長360nmの光の透過率は88.13%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.90%であり、ヘイズは0.11%であった。
【0157】
(実施例27)
ステップ1:実施例18と同じであり、ただし、溶融成形処理の温度が相違し、本実施例の溶融成形処理の温度は1610℃であった。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、460℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は480℃であり、核生成処理の時間は360分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は550℃であり、結晶化処理の時間は300分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は6wt%であり、結晶の平均粒径は5nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は0.2であり、波長360nmの光の透過率は90.80%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は93.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は91%であり、ヘイズは0.05%であった。
【0158】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の(実施例1と同じ)熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル27を得た。
【0159】
前記3D結晶化ガラスサンプル27に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル27の結晶化度は14wt%であり、析出した結晶相はケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は10nmであった。光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル27のb値の絶対値は0.15であり、波長360nmの光の透過率は90.60%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は93.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は91.40%であり、ヘイズは0.07%であった。
【0160】
(実施例28)
ステップ1は実施例27と同じであった。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、460℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は500℃であり、核生成処理の時間は300分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は570℃であり、結晶化処理の時間は280分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は8wt%であり、結晶の平均粒径は7nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は0.23であり、波長360nmの光の透過率は90.50%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は90.80%であり、ヘイズは0.06%であった。
【0161】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル28を得た。
【0162】
前記3D結晶化ガラスサンプル28に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル28の結晶化度は16wt%であり、析出した結晶相はケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は15nmであった。光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル28のb値の絶対値は0.25であり、波長360nmの光の透過率は90.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は91.20%であり、ヘイズは0.09%であった。
【0163】
(実施例29)
ステップ1は実施例27と同じであった。
ステップ2は実施例28と同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は560℃であり、結晶化処理の時間は240分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は9wt%であり、結晶の平均粒径は9nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は0.21であり、波長360nmの光の透過率は91%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.90%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は90.60%であり、ヘイズは0.08%であった。
【0164】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号1の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル28を得た。
【0165】
前記3D結晶化ガラスサンプル29に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル29の結晶化度は17wt%であり、析出した結晶相はケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は13nmであった。光源をD65に限定する時に、3D結晶化ガラスサンプル29のb値の絶対値は0.23であり、波長360nmの光の透過率は90.50%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.70%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は91.50%であり、ヘイズは0.08%であった。
【0166】
(実施例30)
ステップ1は実施例17と同じであった。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、500℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は600℃であり、核生成処理の時間は80分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は610℃であり、結晶化処理の時間は180分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は37wt%であり、結晶の平均粒径は15nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は0.26であり、波長360nmの光の透過率は90.20%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は93.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は90.30%であり、ヘイズは0.09%であった。
【0167】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号3の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル30を得た。得られた部分的に結晶化したガラス素板に対してXRD試験を行い、
図4を得て、それが部分的に結晶化した状態であることが示された。
【0168】
前記3D結晶化ガラスサンプル30に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル30の熱間曲げ後の結晶化度は75wt%であり、析出した結晶相は葉長石+β-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は18nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.35であり、波長360nmの光の透過率は88.20%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は90.00%であり、ヘイズは0.11%であった。
【0169】
(実施例31)
ステップ1は実施例2と同じであった。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、600℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は800℃であり、核生成処理の時間は30分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は870℃であり、結晶化処理の時間は15分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は88wt%であり、結晶の平均粒径は26nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は2.4であり、波長360nmの光の透過率は74.50%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は80.50%であり、ヘイズは0.84%であった。
【0170】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号4の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル31を得た。
【0171】
前記3D結晶化ガラスサンプル31に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル31の熱間曲げ後の結晶化度は99wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は48nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は2.60であり、波長360nmの光の透過率は74.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は89.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は80.50%であり、ヘイズは0.78%であった。
【0172】
(実施例32)
ステップ1は実施例2と同じであった。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、600℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は780℃であり、核生成処理の時間は60分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は900℃であり、結晶化処理の時間は5分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は58wt%であり、結晶の平均粒径は50nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は2.5であり、波長360nmの光の透過率は73.60%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は80.10%であり、ヘイズは0.79%であった。
【0173】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号7の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル32を得た。
【0174】
前記3D結晶化ガラスサンプル32に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル32の熱間曲げ後の結晶化度は98wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は81nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は2.80であり、波長360nmの光の透過率は62.00%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は65.80%であり、ヘイズは0.72%であった。
【0175】
(実施例33)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 67.45%、Al2O3 14.20%、CaO 0.50%、MgO 1.79%、Na2O 1.56%、Li2O 9.70%、核生成剤(2.18%のP2O5、0.81%のTiO2、1.31%のZrO2、0.5%のY2O3)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1713.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1650℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、500℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は650℃であり、核生成処理の時間は160分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は820℃であり、結晶化処理の時間は30分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は90wt%であり、結晶の平均粒径は47nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は2.8であり、波長360nmの光の透過率は72.80%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は80.10%であり、ヘイズは0.97%であった。
【0176】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号6の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル33を得た。
【0177】
前記3D結晶化ガラスサンプル33に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル33の熱間曲げ後の結晶化度は100wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石であり、結晶の平均粒径は98nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は3.8であり、波長360nmの光の透過率は63.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は88.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は65.40%であり、ヘイズは0.98%であった。
【0178】
(実施例34)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 66.65%、Al2O3 10.87%、MgO 2.44%、ZnO 2.82%、Na2O 0.21%、K2O 0.21%、Li2O 9.88%、B2O3 0.94%、核生成剤(1.85%のP2O5、2.00%のZrO2、2.13%のCaF2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1640℃であり、溶融時間は4時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、500℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は620℃であり、核生成処理の時間は240分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は650℃であり、結晶化処理の時間は40分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は68wt%であり、結晶の平均粒径は42nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.45であり、波長360nmの光の透過率は82.90%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.70%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.60%であり、ヘイズは0.38%であった。
【0179】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号7の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル34を得た。
【0180】
前記3D結晶化ガラスサンプル34に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル34の熱間曲げ後の結晶化度は79wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は65nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.76であり、波長360nmの光の透過率は84.22%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.00%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.50%であり、ヘイズは0.16%であった。
【0181】
(実施例35)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 64.55%、Al2O3 10.45%、MgO 2.37%、ZnO 2.73%、Na2O 0.21%、K2O 0.20%、Li2O 9.58%、B2O3 0.91%、核生成剤(1.94%のP2O5、2.91%のTiO2、2.02%のZrO2、2.13%のCaF2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1640℃であり、溶融時間は4時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例35と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は82wt%であり、結晶の平均粒径は35nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.32であり、波長360nmの光の透過率は83.40%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は86.30%であり、ヘイズは0.31%であった。
【0182】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号6の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル35を得た。
【0183】
前記3D結晶化ガラスサンプル35に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル35の熱間曲げ後の結晶化度は86wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は42nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.68であり、波長360nmの光の透過率は85.42%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.10%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.20%であり、ヘイズは0.19%であった。
【0184】
(実施例36)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 70.13%、Al2O3 11.50%、MgO 2.57%、ZnO 2.97%、Na2O 0.22%、K2O 0.22%、Li2O 10.40%、B2O3 0.99%、核生成剤(0.84%のP2O5、0.16%のCaF2)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.7wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1640℃であり、溶融時間は3時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例34と同じであった。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は63wt%であり、結晶の平均粒径は24nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.32であり、波長360nmの光の透過率は84.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は87.10%であり、ヘイズは0.33%であった。
【0185】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号5の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル36を得た。
【0186】
前記3D結晶化ガラスサンプル36に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル36の熱間曲げ後の結晶化度は70wt%であり、析出した結晶相はβ-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は37nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.53であり、波長360nmの光の透過率は86.00%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.60%であり、ヘイズは0.10%であった。
【0187】
(実施例37)
結晶化ガラス素材の製造方法及び引き続き当該結晶化ガラス素材を使用して3D結晶化ガラスを製造する製造方法であった。
ステップ1:実施例17と同じであり、相違したのは溶融成形処理の温度及び溶融時間だけであった。本実施例の溶融成形処理の温度は1650℃であり、溶融時間は2時間であった。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却した後、アニール炉に移してアニーリングし(アニーリングプロセスは、500℃で5時間保温して、1℃/分で30℃に下げることである)、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は600℃であり、核生成処理の時間は80分であった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は600℃であり、結晶化処理の時間は240分であり、部分結晶化処理後のガラスブロックを得た。
ステップ4:エッジトリミング、シート状への切断、粗研磨及び研削処理の過程は実施例1と同じであり、後に測定したところ、その結晶化度は75wt%であり、結晶の平均粒径は29nmであり、光源をD65に限定する時に、部分的に結晶化したガラス素板のb値の絶対値は1.5であり、波長360nmの光の透過率は83.50%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は91.20%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は85.80%であり、ヘイズは0.39%であった。
【0188】
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、表2の番号6の熱間曲げプロセスを利用して、3D結晶化ガラスサンプル37を得た。
【0189】
前記3D結晶化ガラスサンプル37に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル37の熱間曲げ後の結晶化度は88wt%であり、析出した結晶相は葉長石+β-石英固溶体であり、結晶の平均粒径は57nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.38であり、波長360nmの光の透過率は88.40%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は90.10%であり、ヘイズは0.12%であった。
【0190】
(実施例38)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号20の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、3つの予熱ステーションと、4つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は750℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は720℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第4ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、140秒であり、3D結晶化ガラスサンプル22Fを得た。
【0191】
前記3D結晶化ガラスサンプル22Fに対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル22Fの熱間曲げ後の結晶化度は84wt%であり、析出した結晶相は葉長石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は18nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.43であり、波長360nmの光の透過率は88.15%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.77%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.45%であり、ヘイズは0.11%であった。
【0192】
(実施例39)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表3の番号21の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、5つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は430℃であり、第2予熱ステーションの温度は500℃であり、第3予熱ステーションの温度は600℃であり、第4予熱ステーションの温度は680℃であり、第5予熱ステーションの温度は720℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は745℃であり、上部圧力は0.5MPaであり、下部圧力は0.5MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、140秒であり、3D結晶化ガラスサンプル22Gを得た。
【0193】
前記3D結晶化ガラスサンプル22Gに対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル22Gの熱間曲げ後の結晶化度は90wt%であり、析出した結晶相は葉長石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は22nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.55であり、波長360nmの光の透過率は86.12%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.40%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は88.40%であり、ヘイズは0.10%であった。
【0194】
(比較例)
(比較例1)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 62.40%、Al2O3 13.24%、MgO 4.46%、Na2O 1.46%、Li2O 9.04%、核生成剤(0.94%のP2O5と6.58%のZrO2と1.88%のTiO2の合計9.40%の核生成剤)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占めるNaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例4と同じであり、当該核生成ガラス素板からすでに結晶が析出しており、セラミック化した状態を現し、後に熱間曲げプロセスを行うための条件に適合しないことが分かった。
【0195】
(比較例2)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 60.70%、Al2O3 12.87%、MgO 4.34%、Na2O 1.42%、Li2O 8.79%、核生成剤(0.91%のP2O5と9.14%のZrO2と1.83%のTiO2の合計11.88%の核生成剤)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占めるNaClを含み、前記原料の総重量は1713.6gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを800℃に冷却する過程では中心部から結晶が析出し、ガラスブロックの内部に応力差が出現するため、ガラスブロックが破裂し、機械加工を行うことはできない。
【0196】
(比較例3)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 67.45%、Al2O3 14.20%、CaO 0.50%、MgO 1.79%、Na2O 1.56%、Li2O 9.70%、核生成剤(2.18%のP2O5、1.31%のZrO2、0.81%のTiO2、0.5%のY2O3)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.8wt%を占める清澄剤NaClを含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2は実施例4と同じであった。
ステップ3:核生成後にガラスブロックは精密アニール炉において引き続き結晶化処理を行い、結晶化処理の温度は930℃であり、結晶化処理の時間は30分であり、結晶化処理後のガラスブロックは結晶化温度が高すぎるため制御不能な晶析が起こり、ガラスブロックの内部に応力差が出現するため、ガラスブロックが破裂し、機械加工を行うことはできない。
【0197】
(比較例4)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 70.33%、Al2O3 14.82%、Na2O 1.63%、Li2O 10.11%、MgO 1.34%、ZnO 1.04%、核生成剤(0.52%のP2O5、0.21%のZrO2)、及び、それぞれ核生成剤と製造原料の総質量の0.4wt%、0.4wt%を占める清澄剤NaCl及びSnO2を含み、前記原料の総重量は1708.5gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2及びステップ3は実施例33の条件と同じであり、核生成処理後のガラスブロックに対してXRD試験を行ったところ、核生成剤が少なすぎるため結晶核は出現せず、結晶化処理の時に制御不能な晶析が起こって、ガラスの内部に応力差が出現するため、熱間曲げガラスが破砕したことが分かった。
【0198】
(比較例5)
ステップ1:ガラスの製造原料を用意して秤量し(モル百分率で計算すると、成分として、SiO2 70.45%、Al2O3 13.16%、MgO 2.78%、Na2O 0.56%、Li2O 7.98%、B2O3 1.00%、核生成剤(1.67%のP2O5、1.30%のZrO2、0.60%のTiO2、0.5%のY2O3)、及び、核生成剤と製造原料の総質量の0.4wt%、0.3wt%を占める清澄剤NaCl及びCeO2を含み、前記原料の総重量は1711.9gであった)、充分に混合した後、昇降式高温炉において溶融成形し、溶融成形処理の温度は1630℃であり、溶融時間は5時間であり、ASTM SA213材質の金型に注入してガラスブロックを得た。
ステップ2:ステップ1で得たガラスブロックを900℃に冷却した後、精密アニール炉に移して核生成処理を行い、核生成処理の温度は850℃であり、核生成処理の時間は120分であった。核生成処理後のガラスブロックは核生成温度が高すぎるため制御不能な晶析が起こって、ガラスブロックの内部に応力差が出現するため、ガラスブロックが破裂し、後の処理と加工を行うことはできない。
【0199】
(比較例6)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号16の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は480℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は720℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は940℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は920℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。3D結晶化ガラスサンプル22Bを得た。
【0200】
前記3D結晶化ガラスサンプル22Bに対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル22Bの熱間曲げ後の結晶化度は100wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は111nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は7.45であり、波長360nmの光の透過率は64.10%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は86.50%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は69.20%であり、ヘイズは0.99%であった。ホットプレスの温度が高すぎるため、最終的に得た結晶化ガラスは、結晶の平均粒径が非常に大きくなって、b値が上昇し、光透過率が低下し、b値が高すぎると、結晶化ガラスは青色の方に近く、画像の形成に影響を与える。
【0201】
(比較例7)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号17の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は600℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は720℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は930℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は920℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。3D結晶化ガラスサンプル22Cを得た。
【0202】
前記3D結晶化ガラスサンプル22Cに対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル22Cの熱間曲げ後の結晶化度は100wt%であり、析出した結晶相はβ-リシア輝石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は124nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は7.86であり、波長360nmの光の透過率は62.40%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は87.30%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は68.20%であり、ヘイズは1.10%であった。ホットプレスの温度が高すぎるため、最終的に得た結晶化ガラスは、結晶の平均粒径が非常に大きくなって、b値が上昇し、光透過率が低下し、b値が高すぎると、結晶化ガラスは青色の方に近く、画像の形成に影響を与える。
【0203】
(比較例8)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号18の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、4つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は450℃であり、第2予熱ステーションの温度は500℃であり、第3予熱ステーションの温度は650℃であり、第4予熱ステーションの温度は650℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は580℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であった。3D結晶化ガラスサンプル22Dを得た。ホットプレス温度が低すぎるため、3D結晶化ガラスサンプル22Dは熱間曲げで目的形状とすることができない。
【0204】
(比較例9)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号19の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、3つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は500℃であり、第2予熱ステーションの温度は550℃であり、第3予熱ステーションの温度は600℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は580℃であり、上部圧力は0.1MPaであり、下部圧力は0.1MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は550℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、90秒であり、3D結晶化ガラスサンプル22Eを得た。ホットプレス温度が低すぎるため、3D結晶化ガラスサンプル22Eは熱間曲げで目的形状とすることはできない。
【0205】
(使用例)
前記実施例1、実施例2、実施例4、実施例7、実施例12、実施例16、実施例22、実施例23、実施例24及び実施例25で化学強化後に得た3D結晶化ガラスに対して機械的パラメータを測定し、試験ガラスの厚さは0.65であり、試験の結果を表3に示す。
【0206】
SLP-2000応力計を使用して試験し、光弾性係数を25.5と、屈折率を1.54と設定し、通常の試験であり、試験結果は表面圧縮応力、圧縮応力の深さ及び平均引張応力を含み、引張応力の線密度は計算値であり、SLP-2000応力計で測定した引張応力の和をガラスの厚さで割るものであった。
【0207】
表面圧縮応力(MPa):ガラスの化学強化後、表面の半径が小さいアルカリ金属イオンは半径が大きいアルカリ金属イオンに置き換えられ、半径が大きいアルカリ金属イオンの密集効果により、ガラスの表面に圧縮応力が生じ、これを表面圧縮応力という。
圧縮応力の深さ(μm):化学強化ガラスの表面から圧縮応力がゼロである位置までの距離である。
平均引張応力CT-AV(MPa):SLP-2000応力計で測定した引張応力の和と引張応力領域の厚さの比である。
引張応力の線密度CT-LD:SLP-2000応力計で試験して得られ、化学強化ガラスの厚さ断面におけるその引張応力の積分とガラスの厚さの比である。
全体落下試験:強化ガラスの強度試験方法であって、強化ガラスシートを携帯電話などの電子装置サンプルに貼り付けて、高いところから自由落下させ、ガラスが破砕した高さを記録し、この高さはガラスの強度を反映でき、この試験方法を全体落下試験という。本発明の試験方法は強化ガラスシートに180gの携帯電話を載せて120メッシュのサンドペーパーに自由落下させることであり、サンドペーパーは大理石底板に密着されている。
ビッカース硬度(Hv)(300Nの圧力で10秒保持):対面角136°のダイヤモンド正角錐圧子を用いて、300Nの荷重で試験サンプルの表面に押し込み、10秒保持した後に荷重を取り除き、圧痕対角線の長さdを測定して、圧痕の表面積を算出し、最後に圧痕の表面積における平均圧力を求め、これが即ちガラスのビッカース硬度値であり、符号HVで示す。
【表3】
【0208】
上表から分かるように、実施例で化学強化を経た3D結晶化ガラス完成品の表面圧縮応力は108~514MPaであり、圧縮応力の深さは109~121μmであり、平均引張応力CT-AVは42~93MPaであり、引張応力の線密度CT-LDは30145~43157であり、全体落下試験の高さは1.51~1.82mであり、化学強化後の3D結晶化ガラス完成品のビッカース硬度(300Nの圧力で10秒保持)は712~741Hvであった。
【0209】
上述したのは、本発明の実施の好ましい実施例に過ぎず、本発明に対する何らかの形式上の限定ではなく、本発明の趣旨と範囲において補正、同等な置換、改良などを行った場合、そのいずれも本発明の請求範囲に含まれるものとする。
【0210】
(付記)
(付記1)
厚さは0.02~5mmであり、結晶化度は5~90wt%であることを特徴とする、
結晶化ガラス素材。
【0211】
(付記2)
前記厚さは0.35~1.2mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度は30~75wt%又は75~90wt%である、
付記1に記載の結晶化ガラス素材。
【0212】
(付記3)
前記結晶化ガラス素材への波長380~780nmの光の平均透過率は83~93%であり、好ましくは85~92%であり、又は、前記結晶化ガラス素材への波長360~400nmの光の平均透過率は80~91%であり、好ましくは83~90%である、
付記1又は2に記載の結晶化ガラス素材。
【0213】
(付記4)
前記結晶化ガラス素材の厚さが0.7mmである時のb値(黄青値)の絶対値は0.2~3であり、好ましくは0.6~2であり、前記結晶化ガラス素材のヘイズは0.05~1.0%であり、好ましくは0.2~0.8%である、
付記1~3のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材。
【0214】
(付記5)
前記結晶化ガラス素材は、mol%で計算すると、次の比率の酸化物を含有し、
組成 mol%:
SiO2 55~74%、
Al2O3 3~19%、
B2O3 0~4%、
MgO 0~6%、
Na2O 0~3%、
Li2O 6~25%、
K2O 0~1%、
CaO 0~2%、
ZnO 0~5%、
希土類酸化物 0~3%
ここで、前記希土類酸化物は、La2O3、Eu2O3、Pr6O11、Nd2O3、Er2O3及びDy2O3から1種又は2種以上選ばれる、
付記1~4のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材。
【0215】
(付記6)
前記結晶化ガラス素材では、mol%で計算すると、SiO2とAl2O3の総含有量は60%より大きく、好ましくは68~80%であり、又は、Na2O+Li2Oの含有量は、mol%で計算すると、7~30%であり、好ましくは10~26%である、
付記5に記載の結晶化ガラス素材。
【0216】
(付記7)
前記結晶化ガラス素材は核生成剤を含み、酸化物、フッ化物又は単体で計算すると、前記核生成剤はP2O5、TiO2、ZrO2、Cr2O3、CaF2、LiF、NaF、KF、Y2O3、Au、Ag及びCuのうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはP2O5、TiO2及びZrO2のうちの1種又は2種以上である、
付記1~6のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材。
【0217】
(付記8)
前記結晶化ガラス素材は清澄剤を含み、前記清澄剤はNaCl、Na2SO4、SnO2、As2O3、Sb2O3、NaNO3、KNO3、CeO2及び(NH4)2SO4のうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはNaCl、SnO2、NaNO3及びCeO2のうちの1種又は2種以上である、
付記1~7のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材。
【0218】
(付記9)
前記結晶化ガラス素材は、核生成及び結晶化処理を経て平均粒径5~50nmの結晶を有する、
付記1~8のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材。
【0219】
(付記10)
前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560より大きい、
付記1~9のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材。
【0220】
(付記11)
3D結晶化ガラスの製造原料を混合し、溶融した後、冷却し、アニーリング処理を行ってガラス基材を得るステップ1と、
ステップ1で得たガラス基材に対して核生成処理を行い、核生成処理前とその後に、必要に応じて切断を行ってもよいステップ2と、
前記ステップ2の核生成後のガラス基材に対して結晶化処理を行うステップ3と、
結晶化処理後のガラス基材に対して、必要に応じて切断を行って結晶化ガラス素材を得るステップ4と、を含む、
付記1~10のいずれか1つに記載の結晶化ガラス素材の製造方法。
【0221】
(付記12)
前記ステップ1で、溶融温度は1350~1700℃であり、好ましくは、溶融温度は1400~1650℃であり、より好ましくは、溶融後に500~1000℃に冷却する、
付記11に記載の方法。
【0222】
(付記13)
前記ステップ1で、核生成剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総量の1~9mol%であり、好ましくは2~5mol%である、
付記11又は12に記載の方法。
【0223】
(付記14)
前記ステップ1で、清澄剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総質量の0~4wt%であり、好ましくは0.1~2wt%である、
付記11~13のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
(付記15)
前記ステップ2で、
核生成処理の温度は450~800℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は30~360分であり、より好ましくは、核生成処理の温度は520~570℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は120~300分である、
付記11~14のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
(付記16)
前記ステップ3で、結晶化処理の温度は550~900℃であり、結晶化処理の時間は5~300分であり、
好ましくは、結晶化処理の温度は600~850℃であり、結晶化処理の時間は10~240分であり、
より好ましくは、前記結晶化処理の温度は600~750℃であり、結晶化処理の時間は10~150分である、
付記11~15のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
(付記17)
付記11~16のいずれか1つに記載の製造方法で製造される結晶化ガラス素材。
【0227】
(付記18)
前記結晶化ガラス素材は透明又は不透明であり、好ましくは、前記結晶化ガラス素材は曲面又は平面であることを特徴とする付記17に記載の結晶化ガラス素材。
【0228】
(付記19)
3D熱間曲げを行って3D結晶化ガラスを製造するための、
付記17又は18に記載の結晶化ガラス素材の使用。
【0229】
(付記20)
携帯電話のディスプレイ、タブレットコンピュータのディスプレイ、携帯型ゲーム機、電子端末、携帯型デジタル装置、センターコンソールのディスプレイ、電子ホワイトボードガラス、スマートホームのタッチスクリーン、車両のフロントガラス、飛行装置のフロントガラス又は航空機のフロントガラスにおける、
付記19に記載の結晶化ガラス素材から製造される3D結晶化ガラスの使用。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
携帯電話のカバープレートは、ガラス原料から、通常の方法で、例えば、最初に、フロート法、カレンダー加工、オーバーフローなどの方法によりガラス板として成形させ、さらに切断、薄化のステップを行い、その後、CNC処理、研削、3D熱間曲げ、3D研削、化学強化などの処理を行ってそれを得ることができる。又は一部のメーカーは、結晶化ガラス素材をそのまま購入した後、3D熱間曲げ、3D研削、化学強化などの処理を行って要件に適合する3D結晶化ガラスを得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500kgf/mm
2
より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560kgf/mm
2
より大きい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
好ましくは、前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500kgf/mm
2
より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560kgf/mm
2
より大きい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
前記3D結晶化ガラスサンプル24に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル24の熱間曲げ後の結晶化度は82wt%であり、析出した結晶相は葉長石+二ケイ酸リチウムであり、結晶の平均粒径は22nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.43であり、波長360nmの光の透過率は88.17%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.60%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.60%であり、ヘイズは0.11%であった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0153
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0153】
ステップ6:ステップ5で得た熱間曲げ後の3D結晶化ガラスに対して化学強化処理を行い、450℃の温度で、融解した100wt%NaNO3溶液にガラスを10時間浸漬して、最終的に3D結晶化ガラス完成品25を得た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
前記3D結晶化ガラスサンプル26に対して検出し、線回折装置を使用し、装置の条件設定は実施例1と同じであり、検出後にX線回折データを分析したところ、3D結晶化ガラスサンプル26の熱間曲げ後の結晶化度は91wt%であり、析出した結晶相は葉長石であり、結晶の平均粒径は23nmであった。測定したところ、光源をD65に限定する時に、b値の絶対値は0.42であり、波長360nmの光の透過率は88.13%であり、波長380~780nmの光の平均透過率は92.80%であり、波長360~400nmの光の平均透過率は89.90%であり、ヘイズは0.11%であった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0192
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0192】
(実施例39)
ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4は実施例22と同じであった。
ステップ5:部分的に結晶化したガラス素板に対して3D熱間曲げ処理を行い、熱間曲げプロセスは表2の番号21の熱間曲げプロセスを利用し、熱間曲げ処理は、5つの予熱ステーションと、3つのホットプレスステーションと、2つの冷却ステーションとを含む。第1予熱ステーションの温度は430℃であり、第2予熱ステーションの温度は500℃であり、第3予熱ステーションの温度は600℃であり、第4予熱ステーションの温度は680℃であり、第5予熱ステーションの温度は720℃であった。第1ホットプレスステーションの温度は745℃であり、上部圧力は0.5MPaであり、下部圧力は0.5MPaであり、第2ホットプレスステーションの温度は760℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであり、第3ホットプレスステーションの温度は600℃であり、上部圧力は0MPaであり、下部圧力は0MPaであった。第1冷却ステーションの温度は450℃であり、第2冷却ステーションの温度は300℃であった。予熱ステーション、ホットプレスステーション及び冷却ステーションの各ステーションの作動時間は同じであり、140秒であり、3D結晶化ガラスサンプル22Gを得た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0205
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0205】
(使用例)
前記実施例1、実施例2、実施例4、実施例7、実施例12、実施例16、実施例22、実施例23、実施例24及び実施例25で化学強化後に得た3D結晶化ガラスに対して機械的パラメータを測定し、試験ガラスの厚さは0.65mmであり、試験の結果を表3に示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0207
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0207】
表面圧縮応力(MPa):ガラスの化学強化後、表面の半径が小さいアルカリ金属イオンは半径が大きいアルカリ金属イオンに置き換えられ、半径が大きいアルカリ金属イオンの密集効果により、ガラスの表面に圧縮応力が生じ、これを表面圧縮応力という。
圧縮応力の深さ(μm):化学強化ガラスの表面から圧縮応力がゼロである位置までの距離である。
平均引張応力CT-AV(MPa):SLP-2000応力計で測定した引張応力の和と引張応力領域の厚さの比である。
引張応力の線密度CT-LD:SLP-2000応力計で試験して得られ、化学強化ガラスの厚さ断面におけるその引張応力の積分とガラスの厚さの比である。
全体落下試験:強化ガラスの強度試験方法であって、強化ガラスシートを携帯電話などの電子装置サンプルに貼り付けて、高いところから自由落下させ、ガラスが破砕した高さを記録し、この高さはガラスの強度を反映でき、この試験方法を全体落下試験という。本発明の試験方法は強化ガラスシートに180gの携帯電話を載せて120メッシュのサンドペーパーに自由落下させることであり、サンドペーパーは大理石底板に密着されている。
ビッカース硬度(H
V)(300Nの圧力で10秒保持):対面角136°のダイヤモンド正角錐圧子を用いて、300Nの荷重で試験サンプルの表面に押し込み、10秒保持した後に荷重を取り除き、圧痕対角線の長さdを測定して、圧痕の表面積を算出し、最後に圧痕の表面積における平均圧力を求め、これが即ちガラスのビッカース硬度値であり、符号HVで示す。
【表3】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0208
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0208】
上表から分かるように、実施例で化学強化を経た3D結晶化ガラス完成品の表面圧縮応力は108~514MPaであり、圧縮応力の深さは109~121μmであり、平均引張応力CT-AVは42~93MPaであり、引張応力の線密度CT-LDは30145~43157であり、全体落下試験の高さは1.51~1.82mであり、化学強化後の3D結晶化ガラス完成品のビッカース硬度(300Nの圧力で10秒保持)は712~741kgf/mm
2
であった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さは0.02~5mmであり、結晶化度は5~90wt%である、
ことを特徴とする結晶化ガラス素材。
【請求項2】
前記厚さは0.35~1.2mmであり、前記結晶化ガラス素材の結晶化度は30~75wt%又は75~90wt%である、
請求項1に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項3】
前記結晶化ガラス素材への波長380~780nmの光の平均透過率は83~93%であり、好ましくは85~92%であり、又は、前記結晶化ガラス素材への波長360~400nmの光の平均透過率は80~91%であり、好ましくは83~90%である、
請求項1又は2に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項4】
前記結晶化ガラス素材の厚さが0.7mmである時のb値(黄青値)の絶対値は0.2~3であり、好ましくは0.6~2であり、前記結晶化ガラス素材のヘイズは0.05~1.0%であり、好ましくは0.2~0.8%である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項5】
前記結晶化ガラス素材は、mol%で計算すると、次の比率の酸化物を含有し、
組成 mol%:
SiO
2 55~74%、
Al
2O
3 3~19%、
B
2O
3 0~4%、
MgO 0~6%、
Na
2O 0~3%、
Li
2O 6~25%、
K
2O 0~1%、
CaO 0~2%、
ZnO 0~5%、
希土類酸化物 0~3%
ここで、前記希土類酸化物は、La
2O
3、Eu
2O
3、Pr
6O
11、Nd
2O
3、Er
2O
3及びDy
2O
3から1種又は2種以上選ばれる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項6】
前記結晶化ガラス素材では、mol%で計算すると、SiO
2とAl
2O
3の総含有量は60%より大きく、好ましくは68~80%であり、又は、Na
2O+Li
2Oの含有量は、mol%で計算すると、7~30%であり、好ましくは10~26%である、
請求項5に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項7】
前記結晶化ガラス素材は核生成剤を含み、酸化物、フッ化物又は単体で計算すると、前記核生成剤はP
2O
5、TiO
2、ZrO
2、Cr
2O
3、CaF
2、LiF、NaF、KF、Y
2O
3、Au、Ag及びCuのうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはP
2O
5、TiO
2及びZrO
2のうちの1種又は2種以上である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項8】
前記結晶化ガラス素材は清澄剤を含み、前記清澄剤はNaCl、Na
2SO
4、SnO
2、As
2O
3、Sb
2O
3、NaNO
3、KNO
3、CeO
2及び(NH
4)
2SO
4のうちの1種又は2種以上を含み、好ましくはNaCl、SnO
2、NaNO
3及びCeO
2のうちの1種又は2種以上である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項9】
前記結晶化ガラス素材は、核生成及び結晶化処理を経て平均粒径5~50nmの結晶を有する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項10】
前記結晶化ガラス素材の300Nの力の10秒間負荷でのビッカース硬度は500
kgf/mm
2
より大きく、好ましくは、ビッカース硬度は560
kgf/mm
2
より大きい、
請求項1~9のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項11】
3D結晶化ガラスの製造原料を混合し、溶融した後、冷却し、アニーリング処理を行ってガラス基材を得るステップ1と、
ステップ1で得たガラス基材に対して核生成処理を行い、核生成処理前とその後に、必要に応じて切断を行ってもよいステップ2と、
前記ステップ2の核生成後のガラス基材に対して結晶化処理を行うステップ3と、
結晶化処理後のガラス基材に対して、必要に応じて切断を行って結晶化ガラス素材を得るステップ4と、を含む
請求項1~10のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材の製造方法。
【請求項12】
前記ステップ1で、溶融温度は1350~1700℃であり、好ましくは、溶融温度は1400~1650℃であり、より好ましくは、溶融後に500~1000℃に冷却する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップ1で、核生成剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総量の1~9mol%であり、好ましくは2~5mol%である、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップ1で、清澄剤を加える量は核生成剤と結晶化ガラス素材酸化物の総質量の0~4wt%であり、好ましくは0.1~2wt%である、
請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップ2で、
核生成処理の温度は450~800℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は30~360分であり、より好ましくは、核生成処理の温度は520~570℃であり、好ましくは、核生成処理の時間は120~300分である、
請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ3で、結晶化処理の温度は550~900℃であり、結晶化処理の時間は5~300分であり、
好ましくは、結晶化処理の温度は600~850℃であり、結晶化処理の時間は10~240分であり、
より好ましくは、前記結晶化処理の温度は600~750℃であり、結晶化処理の時間は10~150分である、
請求項11~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記結晶化ガラス素材は透明又は不透明であり、好ましくは、前記結晶化ガラス素材は曲面又は平面であることを特徴とする、
請求項
1~10のいずれか1項に記載の結晶化ガラス素材。
【請求項18】
3D熱間曲げを行って3D結晶化ガラスを製造するための、
請求項1
7に記載の結晶化ガラス素材の使用。
【請求項19】
携帯電話のディスプレイ、タブレットコンピュータのディスプレイ、携帯型ゲーム機、電子端末、携帯型デジタル装置、センターコンソールのディスプレイ、電子ホワイトボードガラス、スマートホームのタッチスクリーン、車両のフロントガラス、飛行装置のフロントガラス又は航空機のフロントガラスにおける、
請求項1
7に記載の結晶化ガラス素材から製造される3D結晶化ガラスの使用。
【国際調査報告】