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特表2024-504400延長部を有する再位置決め可能なクリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】延長部を有する再位置決め可能なクリップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20240124BHJP
   A61B 17/122 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B17/122
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544581
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022028774
(87)【国際公開番号】W WO2022250962
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/202,083
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、ディーパック クマール
(72)【発明者】
【氏名】シン、ラジブクマール
(72)【発明者】
【氏名】アディカラス バラン、アルン
(72)【発明者】
【氏名】ジー、シャラス クマール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD19
4C160DD29
(57)【要約】
クリッピングシステムは、挿入デバイスに取り付けられたアダプタと、第1顎状部および第2顎状部が挿入構成と初期展開構成との間で移動可能であるように、ヒンジを介して連結された第1顎状部および第2顎状部を含むクリップと、を含む。クリップがアダプタを離れるにつれて、クリップが挿入構成から初期展開構成に移動するように、展開部材はクリップをアダプタ上で遠位に移動させ離脱させるように構成される。延長部材は、クリップに開放可能に連結され、アダプタに移動可能に連結される。延長部材は、クリップから離間されるアダプタを引き抜くことを可能にするように構成され、延長部材はクリップに連結されたまま、システムを点検構成に配置することができる。延長部材は、クリップをアダプタ上で後退させ、クリッピングされた組織からクリップを解放するように、動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
挿入デバイスの遠位端上に取り付けられるように構成された近位端から遠位端まで長手方向に延在するアダプタと、
第1顎状部および第2顎状部を含むクリップであって、前記第1顎状部の第1端部が第1ヒンジを介して前記第2顎状部の第1端部に連結され、前記第1顎状部の第2端部が第2ヒンジを介して前記第2顎状部の第2端部に連結され、それにより、前記第1顎状部および第2顎状部は挿入構成と初期展開構成との間で移動可能であり、前記挿入構成では前記第1顎状部および第2顎状部が互いに離間してそれらの間に組織を受容し、前記初期展開構成では前記第1顎状部および第2顎状部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持し、前記第1ヒンジおよび第2ヒンジの少なくとも一方が付勢されて前記クリップを前記初期展開構成に引き込む、クリップと、
前記クリップを前記アダプタ上で遠位に移動させて離脱させるように構成され、それにより、前記クリップが前記アダプタを離れるにつれて、前記クリップが前記挿入構成から前記初期展開構成に移動する、展開部材と、
前記クリップに解放可能に連結され、前記アダプタに移動可能に連結された第1延長部材であって、前記クリップの視覚的観察を強化するために前記クリップが前記アダプタから物理的に離間される点検構成に前記システムを配置するために、前記第1延長部材が前記クリップに連結されたまま、前記クリップから近位に前記アダプタを引き抜くことを可能にするように、前記第1延長部材が構成され、
前記第1延長部材は前記クリップを前記アダプタ上で近位に後退させるように動作可能であり、前記クリップが前記アダプタ上で後退させられるにつれて前記クリップが強制的に開かれ、前記クリップがクリッピングされていた組織から前記クリップを解放する、第1延長部材と、
を含む、クリッピングシステム。
【請求項2】
前記クリップが所望の位置にあることが観察されるとき、前記クリップから前記第1延長部材を離間することによって前記クリップが前記システムから最終的に配置され得るように、前記第1延長部材は前記第1ヒンジに解放可能に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記クリップの前記第2ヒンジに解放可能に連結され、前記アダプタに移動可能に連結された第2延長部材をさらに含み、前記第2延長部材は、前記システムが前記点検構成に移動される間に前記クリップに連結されたままであるように構成され、前記第2延長部材は、前記第1延長部材と協働して前記点検構成および前記初期展開構成のうちの1つから前記アダプタ上で前記クリップを近位に後退させるように動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1延長部材の遠位端は、前記第1ヒンジに係止されるように構成されたループを含む、請求項2および請求項3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1延長部材の遠位端が前記アダプタの長手方向軸から離れるように半径方向に付勢され、前記第1延長部材の前記ループが前記第1ヒンジから解放されるとき、前記第1延長部材の前記遠位端は横方向外向きに跳ねて前記クリップとの係合を解除される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1延長部材の前記ループは前記クリップに係合するように構成され、前記第1延長部材に加えられた遠位方向に向かう力が前記クリップに伝達されて前記クリップを前記アダプタ上で遠位に移動させて前記アダプタから離脱させ、前記第1延長部材の前記ループは、前記クリップが少なくとも所定の大きさの近位方向に向かう力を前記第1延長部材に加えるとき、前記第1延長部材の前記ループが前記第1ヒンジから滑り落ちて前記クリップの前記第1延長部材との係合を解除するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記挿入構成、前記初期展開構成、および前記点検構成の間の前記クリップの移動を制御するために、前記展開部材の近位端および前記第1延長部材の近位端に連結されたユーザインタフェースをさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザインタフェースが、前記展開エレメントの前記近位端に連結された第1ノブと、前記第1延長部材の近位端に連結された第2ノブとを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記アダプタから前記ユーザインタフェースまで近位に延在する第1管腔をさらに備え、前記第1延長部材が前記第1管腔に対して長手方向に移動可能であるように、前記第1延長部材が前記第1管腔を通って延在する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記クリップが取り付けられるように構成される前記アダプタの遠位部分が、前記クリップが最終展開構成に向かって前記アダプタに沿って遠位に摺動するとき前記クリップと前記アダプタとの間の摩擦を低減するために、その外側表面に沿って延在する平坦部を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するシャフトを含む、内視鏡と、
前記内視鏡の前記シャフトの前記遠位端上に取り付けられた近位部分と、前記近位部分から遠位に延在する遠位部分とを含む、アダプタと、
一対の顎状部を含むクリップであって、前記一対の顎状部の各々は第1端部から第2端部まで曲線に沿って延在し、前記一対の顎状部が互いに離間する開放挿入構成と、前記一対の顎状部が互いに向かって移動される閉鎖構成との間で前記一対の顎状部が移動可能であるように、前記一対の顎状部の第1端部は第1ヒンジを介して互いに連結され、前記一対の顎状部の第2端部は第2ヒンジを介して互いに連結され、前記クリップは、前記開放挿入構成において前記アダプタの前記遠位部分上に取り付けられるように構成される、クリップと、
前記クリップが前記閉鎖構成に向かって移動されるように、前記クリップを前記アダプタから遠位に移動させ離脱させることによって、前記クリップを前記開放挿入構成から初期展開構成に前記アダプタに対して遠位に移動させるように構成された、展開部材と、
第1延長部材および第2延長部材であって、前記シャフトの前記近位端におけるユーザインタフェースを介してユーザにアクセス可能な近位端から、前記クリップに解放可能に連結された遠位端まで延在し、前記内視鏡に対する前記延長部材の遠位移動により、前記クリップが前記内視鏡を介して視認可能であるように、選択された距離だけ、前記初期展開構成から点検構成まで前記アダプタの前記遠位端から離れて遠位に前記クリップを移動させる、第1延長部材および第2延長部材と、
を含む、クリッピングシステム。
【請求項12】
前記第1延長部材は、前記クリップの前記第1ヒンジに解放可能に連結され、前記第2延長部材は、前記クリップの前記第2ヒンジに解放可能に連結される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1延長部材および第2延長部材の各々の遠位端が前記アダプタの長手方向軸から半径方向に離れるように付勢され、前記第1延長部材および第2延長部材が前記第1ヒンジおよび第2ヒンジに連結されるとき、前記第1延長部材および第2延長部材の前記遠位端は係合構成に向かって拘束され、前記第1延長部材および第2延長部材の前記遠位端の前記第1ヒンジおよび第2ヒンジとの係合が解除されるとき、前記第1延長部材および第2延長部材の前記遠位端がそれらの付勢された構成に戻って、最終展開構成においてそこから前記クリップを解放する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記一対の顎状部が前記閉鎖構成に向けて付勢され、それにより、前記クリップが前記アダプタ上に取り付けられるとき、前記アダプタの外側表面が前記一対の顎状部を前記挿入構成に向けて保持し、前記クリップが前記初期展開構成に向かって移動されるとき、前記一対の顎状部が互いに引き寄せられそれらの間に受け入れられた組織の把持を可能にする、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記アダプタから前記ユーザインタフェースまで近位に延在する第1管腔および第2管腔をさらに含み、前記第1延長部材および第2延長部材の各々は、前記第1管腔および第2管腔のうちの対応する1つを通って延在し、それにより、前記延長部材が前記管腔に対して長手方向に移動可能であり、前記第1管腔および第2管腔は、前記内視鏡の前記シャフトの対向する側面に沿って延在する、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡デバイスに関し、特に、組織を処置するための内視鏡用クリッピングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
医師は、積極的な介入的および治療的内視鏡胃腸(GI)処置をより進んで実施するようになってきており、このことはGI管の壁を穿孔するリスクを増加させ得るか、あるいは、手順の一部としてGI管壁の閉鎖を必要とし得る。そのような手順は、例えば、大きな病変の除去、粘膜下の潰瘍を処置するためのGI管の粘膜層下のトンネリング、組織の全層除去、GI管の外側を通過させることによる他の器官上の潰瘍の処置、ならびに手術後の問題(例えば、手術後漏出、手術ステープルラインの分解、および吻合部漏出)の内視鏡的処置/修復を含み得る。
【0003】
現在、組織は、スルー・ザ・スコープクリップまたはオーバー・ザ・スコープクリップを含む内視鏡用閉鎖デバイスを介して処置され得る。オーバー・ザ・スコープクリップは、より大きな組織欠損の閉鎖を達成するために特に有用であり得る。これらの内視鏡閉鎖デバイスは、病院の費用を節約することができ、患者に利益を提供し得る。しかし、場合によっては、現在の内視鏡的閉鎖デバイスは、使用が困難であるか、位置決めに時間がかかるか、または特定の穿孔、状態、解剖学的形状に対して不十分である可能性がある。例えば、現在のオーバー・ザ・スコープクリップは、概して、クリップ自体が操作者に視認不可能な位置からクリップを送り出す必要がある。つまり、クリッピングに先立って、操作者はクリッピングされる標的組織を視認し、標的組織のこの可視化に基づいて、デバイスの遠位端およびクリップが標的組織に対して所望の位置にあることを判断し得る。次いで、標的組織の観察に基づいて、操作者は、クリップを展開するまで、クリップ自体を確認することができない状態でクリップを展開する。いったん展開されると、このような現在のオーバー・ザ・スコープクリップは、概して、再位置決めすることが不可能である。
【発明の概要】
【0004】
本実施形態は、挿入デバイスに取り付けられるように構成された近位端から遠位端まで延在するアダプタを備えるクリッピングシステムを対象とし、前記アダプタは、第1顎状部および第2顎状部を含むクリップを含む。第1顎状部および第2顎状部は第1ヒンジおよび第2ヒンジを介して連結され、それにより、第1顎状部および第2顎状部は、挿入構成と初期展開構成との間で移動可能である。挿入構成では第1顎状部および第2顎状部が互いに離間する。初期展開構成では、第1顎状部および第2顎状部が互いに引き寄せられる。第1顎状部および第2顎状部は、初期展開構成に向かって付勢される。展開部材は、クリップをアダプタ上で遠位に移動させて離脱させるように構成され、それにより、クリップがアダプタを離れるとき、クリップが挿入構成から初期展開構成に移動する。延長部材は、クリップに解放可能に連結され、アダプタに移動可能に連結され、クリップの視覚的観察を強化するためにクリップがアダプタから離間される点検構成にシステムを配置するために、延長部材がクリップに連結されたまま、クリップから近位にアダプタを引き抜くことを可能にするように構成される。延長部材はクリップをアダプタ上で近位に後退させるように動作可能であり、クリップがアダプタ上で後退させられるにつれてクリップが強制的に開かれ、クリッピングされていたクリップを解放する。
【0005】
一実施形態では、クリップが所望の位置にあることが観察されるとき、クリップから第1延長部材を離間することによってクリップをシステムから最終的に配置され得るように、第1延長部材は第1ヒンジに解放可能に連結することができる。
【0006】
一実施形態では、システムはクリップの第2ヒンジに解放可能に連結され、アダプタに移動可能に連結された第2延長部材をさらに含む。第2延長部材は、システムが点検構成に移動される間にクリップに連結されたままであるように構成される。第2延長部材は第1延長部材と協働して点検構成および初期展開構成のうちの1つからアダプタ上でクリップを近位に後退させるように動作可能である。
【0007】
一実施形態では、第1延長部材の遠位端は、第1ヒンジに係止されるように構成されたループを含み得る。
一実施形態では、第1延長部材の遠位端がアダプタの長手方向軸から離れるように半径方向に付勢され得、第1延長部材のループが第1ヒンジから解放されるとき、第1延長部材の遠位端は横方向外向きに跳ねてクリップとの係合を解除される。
【0008】
一実施形態では、第1延長部材のループはクリップに係合するように構成され得、第1延長部材に加えられた遠位方向に向かう力がクリップに伝達されてクリップをアダプタ上で遠位に移動させて離脱させ、第1延長部材のループは、クリップが少なくとも1つの所定の大きさの近位方向に向かう力を第1延長部材に加えるとき、第1延長部材のループが第1ヒンジから滑り落ちてクリップの第1延長部材との係合を解除するように構成される。
【0009】
一実施形態では、開放挿入構成、初期展開構成、および点検構成の間のクリップの移動を制御するために、システムは展開エレメントの近位端および第1延長部材の近位端に連結されたユーザインタフェースをさらに備える。
【0010】
一実施形態では、ユーザインタフェースは、展開エレメントの近位端に連結された第1ノブと、第1延長部材の近位端に連結された第2ノブとを含み得る。
一実施形態では、システムはアダプタからユーザインタフェースまで近位に延在する第1管腔をさらに備え得、第1延長部材が第1管腔に対して長手方向に移動可能であるように、第1延長部材が第1管腔を通って延在する。
【0011】
一実施形態では、クリップが取り付けられるように構成されるアダプタの遠位部分は、クリップが最終展開構成に向かってアダプタに沿って遠位に摺動するときクリップとアダプタとの間の摩擦を低減するために、その外側表面に沿って延在する平坦部を含み得る。
【0012】
本実施形態はまた、組織を処置するためのクリッピングシステムを対象とし、近位端から遠位端まで長手方向に延在するシャフトを含む内視鏡と、前記内視鏡の前記シャフトの前記遠位端上に取り付けられた近位部分および前記近位部分から遠位に延在する遠位部分とを含むアダプタと、一対の顎状部を含むクリップと、を含む。一対の顎状部の各々は、第1端部から第2端部まで曲線に沿って延在し、一対の顎状部が互いから離間する開放挿入構成と、一対の顎状部が互いに向かって移動される閉鎖構成との間で一対の顎状部が移動可能であるように、一対の顎状部の第1端部は第1ヒンジを介して互いに連結され、一対の顎状部の第2端部は第2ヒンジを介して互いに連結される。クリップは、開放挿入構成においてアダプタの遠位部分上に取り付けられるように構成される。クリップが閉鎖構成に向かって移動されるように、展開部材は、クリップをアダプタから遠位に移動させ離脱させることによって、クリップを開放挿入構成から初期展開構成にアダプタに対して遠位に移動させるように構成される。第1延長部材および第2延長部材は、シャフトの近位端におけるユーザインタフェースを介してユーザにアクセス可能な近位端から、クリップに解放可能に連結される遠位端まで延在し、内視鏡に対する延長部材の遠位移動により、クリップが内視鏡を介して視認可能であるように、選択された距離だけ、初期展開構成から点検構成までアダプタの遠位端から離れて遠位にクリップを移動させる。
【0013】
一実施形態では、第1延長部材は、クリップの第1ヒンジに解放可能に連結され得、第2延長部材は、クリップの第2ヒンジに解放可能に連結される。
一実施形態では、第1延長部材および第2延長部材の各々の遠位端はアダプタの長手方向軸から半径方向に離れるように付勢され得、第1延長部材および第2延長部材が第1ヒンジおよび第2ヒンジに連結されるとき、第1延長部材および第2延長部材の遠位端は係合構成に向かって拘束され、第1延長部材および第2延長部材の遠位端の第1ヒンジおよび第2ヒンジとの係合が解除されるとき、第1延長部材および第2延長部材の遠位端が付勢された構成に戻って、最終展開構成においてそこからクリップを解放する。
【0014】
一実施形態では、一対の顎状部は閉鎖構成に向かって付勢され得、それにより、クリップがアダプタ上に取り付けられるとき、アダプタの外側表面が一対の顎状部を開放構成に向けて保持し、クリップが初期展開構成に向かって移動されるとき、一対の顎状部が付勢閉鎖構成に戻ることが可能となる。
【0015】
一実施形態では、システムは、アダプタからユーザインタフェースまで近位に延在する第1管腔および第2管腔をさらに含み得る。第1延長部材および第2延長部材の各々は、第1管腔および第2管腔のうちの対応する1つを通って延在し、それにより、延長部材が管腔に対して長手方向に移動可能であり、第1管腔および第2管腔は、内視鏡のシャフトの対向する側面に沿って延在する。
【0016】
本実施形態はまた、組織を処置するための方法を対象とする。クリップは内視鏡を介して身体管腔内の標的領域に挿入され、クリップはクリップの顎状部が互いから離間される開放挿入構成において、アダプタを介して内視鏡シャフトの遠位端上に取り付けられる。組織がアダプタのチャネル内とクリップの顎状部の間に引き込まれるように、内視鏡の作業チャネルを通して吸引力が加えられる。閉鎖構成では、顎状部が互いに向かって延びることで顎状部の間に受け入れられた組織を把持し、顎状部が付勢された閉鎖構成に戻るように、クリップをアダプタから遠位に押し出し離間させることによって、クリップは開放挿入構成から初期展開構成へ移動される。クリップが内視鏡を介して視認可能である点検構成に向かって、クリップは、アダプタの遠位端から遠位に展開するため、遠位端がクリップに解放可能に連結される延長部材は、内視鏡シャフトに対して遠位に移動する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を示す。
図2図2は、図1のシステムの遠位部分の斜視図を示す。
図3図3は、挿入構成における、図1のシステムの遠位部分の長手方向側面図を示す。
図4図4は、初期展開構成における、図1のシステムの遠位部分の別の長手方向側面図を示す。
図5図5は、図4の遠位部分の別の長手方向側面図を示す。
図6図6は、点検構成における、図1のシステムの遠位部分の斜視図を示す。
図7図7は、最終展開構成における、図1のシステムの遠位部分の斜視図を示す。
図8図8は、図1の例示的なシステムによるアダプタの斜視図を示す。
図9図9は、図8のアダプタの平面図を示す。
図10図10は、図1の例示的なシステムによる管腔のハウジングを示す。
図11図11は、図1の例示的なシステムによるユーザインタフェースの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、以下の説明および添付の図面を参照してさらに理解することができ、同様の要素は同じ参照番号で参照される。本開示は、クリッピングシステムに関する。特に、クリップの初期配置がその最終展開の前に視認され調節され得る、オーバー・ザ・スコープ内視鏡クリッピングシステムに関する。本開示の例示的実施形態では、クリップはアダプタを介して内視鏡の遠位端上に取り付け可能であり、延長部材に解放可能に連結され、それにより、クリップは挿入構成と、初期展開状態と、最終的に展開される前にクリップが視認可能な点検構成との間で移動することができる。
【0019】
挿入構成では、クリップは、挿入構成に維持される近位位置でアダプタ上に取り付けられることで、クリップの位置が内視鏡視覚システムの視野の閉塞を最小限に抑えながら、クリップの顎状部の間に組織を受容する準備ができている。挿入構成は、クリッピングされる組織に隣接する標的部位への内視鏡の挿入を容易にするように構成される。それと同時に、システムは、クリップが初期展開構成に配置され、組織を覆ってクリッピングされることを可能にする。クリップが点検構成においてデバイスに連結されたまま、このデバイスは、内視鏡をクリップおよびクリッピングされた組織から離れて近位方向に引き抜くことを可能にする。クリップが標的組織上の定位置に残っている間に、内視鏡が近位方向に引き抜かれるとき、内視鏡の視覚システムの視野が広がってクリップおよびクリップにクリッピングされた組織を示すので、操作者は、クリップの位置が望ましいか、または調整が必要かを判断することができる。
【0020】
クリップが所望のように位置決めされていると操作者が判断する場合、クリップは展開され、標的組織上でクリッピングされる適所に残される。クリップの位置を調整する必要があると操作者が判断する場合、内視鏡およびそれに連結されたアダプタは、クリップに隣接する位置まで遠位方向に移動される。次に、クリップはアダプタ上で近位方向に引き込まれ、クリップは再び開く。そのクリップはアダプタ上を近位に摺動し戻ることで挿入構成に復帰するとき、クリップはその固有のバイアスに抗して強制的に広げられ、アダプタの遠位端上を、クリップは近位に引き込まれる。クリップが組織から取り外され、挿入構成に復帰した後、操作者は内視鏡およびデバイスを所望のように再位置決めし、標的組織をアダプタ内に引き込み(例えば、内視鏡の作業チャネルを介して用いられる吸引または把持具の下で)、初期展開位置においてクリップをアダプタから標的組織の上に再度展開することができる。
【0021】
次に、クリップがデバイスに連結されたままで、内視鏡は再び近位方向に引き抜かれ、デバイスは再び点検構成に移動する。クリップおよびクリッピングされた組織の位置が再び観察され、このプロセスは、クリップが所望のように位置決めされるまで繰り返され得る。クリップが閉じられる組織が組織の所望の部分であることを操作者が確認したとき、以下に説明されるように、クリップは展開されデバイスおよび内視鏡から解放され得る。本明細書で使用される場合、近位および遠位という用語はそれぞれ、デバイスのユーザに向かう方向およびユーザから離れる方向を指すように意図されることが、当業者に理解されよう。
【0022】
図1図11に示すように、例示的な実施形態による組織欠損および/または穿孔を処置するためのクリッピングシステム100は、アダプタ108を介して内視鏡104に取り付けられるように構成されたクリップ102を備える。アダプタ108は、内視鏡104の内視鏡シャフト124の遠位端106上に取り付けられ、それにより、クリップ102が、挿入構成(図3)と初期展開構成(図4図5)との間で移動可能となる。挿入構成(図3)では、クリップ102の顎状部が互いから離間されて、その間に組織を受容する状態で、クリップ102がアダプタ108上に取り付けられる。初期展開構成(図4および図5)では、クリップ102はアダプタ108に対して遠位に移動され、それにより、顎状部が閉鎖されて、アダプタ108内に引き込まれた組織を把持する。
【0023】
クリップ102は延長部材110に解放可能に連結され、これは初期展開構成と点検構成(図6)との間のクリップ102の移動を容易にする。点検構成では、延長部材110が内視鏡から遠位に離れるように延伸するにつれて内視鏡は近位に引き抜かれ、内視鏡104の遠位端106が近位に引き抜かれるとき、クリップ102はデバイスに繋がれたままである。これは、クリップおよび標的組織に対する内視鏡視覚システムの視野を広げ、クリップに対する内視鏡104のいくつかの移動を可能にし、標的組織に対するクリップ102の配置および/または位置のより広範な観察を可能にする。以下に説明するように、クリップの位置が不正確であるか、または最適ではないとユーザが判断する場合、ユーザは内視鏡104をクリップ102に隣接する位置まで遠位方向に移動させ、次にアダプタ108に対して延長部材110を近位方向に引き戻すことによってクリップ102を近位方向に後退させ得る。それにより、クリップ102がアダプタ108上を近位方向に摺動して戻され、挿入構成に復帰するとき、クリップ102はアダプタ108の遠位端上を引き戻され、クリップ102を強制的に広げる。
【0024】
次いで、ユーザは内視鏡104およびクリップ102を再位置決めし、これらのステップを繰り返すことで、図7に示されるように、標的組織に対するクリップ102の配置および/または位置を、クリップ102の最終展開の前に調節し得る。すなわち、操作者が点検構成においてクリップ102が所望のように位置決めされていないことを確認した場合、クリップ102は、再び開かれて、組織から取り外され、それにより、クリップ102が組織の所望の部分上で閉じられるまでデバイスを再位置決めすることができる。以下でさらに詳細に説明されるように、挿入構成、初期展開構成、点検構成、および最終展開構成の間のクリップ102の移動は、ユーザインタフェース112を介して制御され得る。一実施形態では、ユーザインタフェース112は、内視鏡104の内視鏡シャフト124の近位端116においてハンドル部114に連結される。
【0025】
クリップ102は一対の顎状部118を含み、顎状部118の各々は、それらの間に標的組織を把持するための、例えば歯などの把持形体120を含む。この実施形態における顎状部118は、ヒンジ122を介して互いに連結される。一実施形態では、顎状部118の各々は、第1端部125から第2端部127まで曲線に沿って延在し、それにより、ヒンジ122のうちの1つの第1ヒンジは、顎状部118の各々の第1端部125を互いに連結し、ヒンジ122のうちの1つの第2ヒンジは、顎状部118の各々の第2端部127を互いに連結する。1つの例示的な実施形態によれば、各ヒンジ122は、実質的にC字型のリビングヒンジであり、C字型の曲線が顎状部118に向かって、かつ顎状部118の間に延在する。
【0026】
一実施形態では、ヒンジ122は付勢バネであり、顎状部118を初期展開構成に向かって付勢する。この初期展開構成では、顎状部118のうちの一方の顎状部118の把持形体120が他方の顎状部118の把持形体に接触する。初期展開構成では、顎状部118は互いに向かって延在し、それにより、標的組織が、例えば把持形体120を介して、顎状部118の間に把持され得る。しかしながら、クリップ102が挿入構成においてアダプタ108上に取り付けられるとき、顎状部118はアダプタ108の対向する部分の周りに延在し、よって、アダプタ108の外側表面136は、顎状部118が互いに離間した状態でクリップ102を開いた状態に維持するため、標的組織を顎状部の間に受入可能である。クリップ102を遠位に移動させアダプタ108から離脱させるとき、クリップ102は、ヒンジ122の固有のバイアスにより自由に閉じられる。上述のように、クリップ102のヒンジ122および/または顎状部118は、ヒンジ122が顎状部118を初期展開構成に向かって付勢する限り、任意の様々な材料で形成され、そのバイアスはクリップ102が最終的に展開された後にクリップ102を標的組織上にクリッピングされた位置に維持するのに十分な強さであることが当業者には理解されよう。一実施例では、クリップ102の一部(例えば、ヒンジ122)は、例えば閉鎖構成に向かうバイアスを提供および/または追加するためにニチノールなどの、形状記憶合金から形成される。
【0027】
上述したように、一実施形態では、クリップ102はアダプタ108を介して内視鏡104に取り付けられる。この実施形態では、アダプタ108は標準的な内視鏡104の内視鏡シャフト124の遠位端106上に取り付けられるような大きさおよび形状であるが、当業者によって理解されるように、アダプタ108はクリッピングされる組織が位置する身体内の標的部位にアクセスするために好適な(可撓性または剛性の)任意の挿入デバイスの遠位端上に取り付けられるような大きさおよび形状であり得る。この実施形態における内視鏡シャフト124の近位端116は、ハンドル部114を含む。ハンドル部114は、医師または他のユーザによって使用され得、可撓性内視鏡を、例えば、身体管腔(例えば、胃腸管)に通して、クリッピングされるべき標的組織に隣接する標的部位に誘導する。当業者によって理解されるように、この実施形態における内視鏡シャフト124は、身体管腔の曲がりくねった経路を通って挿入されるのに十分な可撓性を備え、したがって、内視鏡を通ってまたは内視鏡に沿ってクリップ102まで延在するこのシステムの構成要素の全ても、標的部位へのこの挿入を可能にするのに十分な可撓性を備える。
【0028】
この実施形態におけるアダプタ108は、内視鏡の遠位端上に取り付けられるような大きさおよび形状の、実質的に管状の構造である。アダプタ108は、近位端126から遠位端128まで延在し、そこを通って延在するチャネル130を含み、アダプタ108が内視鏡に取り付けられるとき、このチャネル130は、内視鏡の長手方向軸と実質的に整列される。それにより、アダプタ108が内視鏡の遠位端に取り付けられるとき、内視鏡の遠位端からチャネル130が離れように延在し、内視鏡の光学系の視野の閉塞が最小限に抑えられる。一実施形態では、アダプタ108は、内視鏡の同様の形状に一致するように、断面が実質的に円形である。しかしながら、当業者によって理解されるであろうこととして、内視鏡が非円形(例えば、楕円形)である場合、アダプタは、例えば内視鏡の遠位端との摩擦嵌合を与えるように、それに応じた大きさおよび形状にすることができる。
【0029】
アダプタ108の近位部分132は、内視鏡シャフト124の遠位端106上に取り付けられるように構成される一方、アダプタ108の遠位部分134は、その上にクリップ102を受容するように構成され、前述のように、ヒンジ122のバイアスに対してクリップ102を開放構成に維持するために十分な半径方向の剛性を備える。特に、クリップ102の顎状部118は曲線に沿って延びているので、クリップ102は、遠位部分134上に取り付け可能であり、よって、顎状部118がアダプタ108の外側表面136によって開放構成に保持された状態で、顎状部118の各々がアダプタ108の直径方向に対向する部分上に延在する。
【0030】
図8および図9に示されるように、この実施形態のアダプタ108の遠位部分134に沿った外側表面136は、複数の平坦部152を含み、その各々は遠位部分134の長さの全てまたは一部に沿って、かつ遠位部分134の外周(例えば、円周)の一部の周りに延在する。一実施形態では、外側表面136は、遠位部分134に沿って延在する4つの平坦部152を含み、平坦部152の各々は等しい大きさであり、遠位部分134の外周の周りで互いに離間している。これらの平坦部152は、クリップ102とアダプタ108との間の摩擦を低減して構成され、クリップ102のアダプタ108に沿った遠位方向への移動を容易にするように構成され、それにより、以下でさらに詳細に説明されるように、クリップ102をアダプタ上で遠位方向に引き抜いてクリップ102を所望のように展開し、かつクリップ102を再位置決めする必要がある場合、必要に応じて、クリップ102を近位方向に引き抜いてクリップ102を再び開くことができることを、当業者は理解するであろう。アダプタ108は、遠位部分134の外側表面136に沿って等間隔に配置された4つの平坦部152を含むものとして図示および説明されているが、アダプタ108は平坦部152がアダプタ108の遠位部分134に沿って近位および遠位にクリップ102の移動を容易にする限り、任意の様々な構成で遠位部分134に沿って任意の数の平坦部152を含むことができることも当業者に理解されよう。
【0031】
この実施形態のアダプタ108はまた、アダプタ108の外側表面136からその遠位端128に向かって延在するタブ138を含み、遠位部分134に沿ってそのタブ138と外側表面136との間に溝140が形成される。挿入構成では、この実施形態のクリップ102は、遠位部分134上に取り付けられ、顎状部118のうちの1つが溝140内に受容される。タブ138はまた、それを通って延在する孔142を含み、孔142はクリップ102を挿入構成から初期展開構成に移動させるために使用される、例えば、糸、ストランド、フィラメント、または他の類似の可撓性長手方向エレメントなどの展開エレメント144を受容するように構成される。
【0032】
展開エレメント144の第1端部は、孔142を介してタブ138に解放可能に係留され(例えば、結ばれ)、展開エレメント144が、タブ138から、アダプタ108のチャネル130を介して溝140を横断し内視鏡104の作業チャネルを通り、ユーザインタフェース112に連結された第2端部まで延在する。一実施形態では、展開エレメント144は、アダプタ108の遠位端128におけるチャネル130の開口部を介してチャネル130内に延在する。別の実施形態では、展開エレメント144は、アダプタ108の遠位部分134の壁を通って延びる対応する孔174を介してチャネル130内に延在する。この実施形態における対応する孔139は、タブ138を通って延在する孔142と同軸に整列され、チャネル130と連通している。
【0033】
挿入構成では、展開エレメント144は緩められ、タブ138から顎状部118の近位の内視鏡104の作業チャネルまで溝140を横切って延在する。クリップ102を挿入構成から初期展開構成に移動させることが所望されるとき、ユーザは展開エレメント144に張力をかけ、それにより、張力をかけられた展開エレメント144がクリップ102を遠位に引き、クリップ102をアダプタ108から初期展開構成へ遠位に引き抜く。初期展開構成では、クリップ102の顎状部は閉鎖され、クリップ102は、アダプタ108の遠位端128のすぐ遠位に位置決めされる。
【0034】
初期展開構成から点検構成へのクリップ102の移動は、延長部材110を介して達成される。以下でさらに詳細に説明されるように、延長部材110はまた、初期展開構成におけるクリップ102の位置の検討時に、標的組織に対するクリップ102の配置および/または位置を調節することが所望される場合、点検構成から挿入構成に戻るクリップ102の移動を容易にする。延長部材110は、クリップ102に解放可能に連結される遠位端148から、ユーザインタフェース112に結合される近位端(図示せず)まで延在する。この実施形態における各延長部材110は、例えば、内視鏡シャフト124の長さに沿ってアダプタ108からユーザインタフェース112まで延在する管腔150を通って延在し、それにより、延長部材110が管腔150に対して長手方向に移動可能であり、よって、内視鏡シャフト124に対して長手方向に移動可能であり、延長部材110に対するクリップ102の移動を制御する。
【0035】
一実施形態では、システム100は2つの管腔150と、2つの延長部材110とを含み、管腔150の各々は、その中に延長部材110のうちの対応する1つを摺動可能に収容するように大きさ、形状、構成が決められる。この実施形態における管腔150は、内視鏡シャフト124の対向する長手方向側面に沿って延在し、クリップ102が挿入構成においてアダプタ108上に取り付けられるとき、管腔150の位置が実質的にヒンジ122と整列される。しかしながら、延長部材110がその中に摺動可能に収容され、上述のようにクリップ102上の所望の場所に送達される限り、管腔150の任意の配列が採用されてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0036】
延長部材110の各々は、ユーザインタフェース112から管腔150のうちの対応する1つを通って延在し、その遠位端148が選択された位置でクリップ102に係合する。例示的な実施形態では、延長部材110は、例えば金属またはポリマーで形成された可撓性ストランド、フィラメントまたはコイルとして形成される。1つの例示的な実施形態では、各延長部材110は、クリップ102のC字形ヒンジ122に係合するためにその遠位端148にループ146を形成するように構成された可撓性ストランド、フィラメント、またはコイルで構成されている。この実施形態では、各ループ146は、ヒンジ122のうちの対応する1つのC字形部分に係止され、対応するヒンジ122に係合する(例えば、摩擦嵌合を介する)。それにより、延長部材110がアダプタ108に対して遠位に伸長されるとき、延長部材110はクリップ102をアダプタ108上で遠位に押し出す。一実施形態では、延長部材110の遠位端148は、解放構成に向かって、互いから離れて傾き、かつアダプタ108の長手方向軸および内視鏡104の長手方向軸から離れて傾くように、付勢される。
【0037】
延長部材110のループがクリップ102に係合するように構成され、よって、内視鏡104およびアダプタ108が、組織にクリッピングされたクリップ102から離れて近位に移動されるとき、クリップ102はクリップ102のヒンジ上のループの連結に起因してデバイスに結合されたままであることを当業者は理解するであろう。延長部材110のループは、例えば、摩擦嵌合を介して、クリップ102上の定位置に維持され得る。クリップ102が少なくとも所定の大きさの近位方向に向かう力を延長部材110に加えるとき(例えば、クリップ102のさらなる遠位移動がクリッピングされた組織によって阻止されている間に、延長部材110がクリップ102に対して遠位方向に付勢されるときなど)、延長部材110のループがクリップ102のヒンジの上を遠位方向に摺動して離脱し、クリップ102の延長部材との係合を解除するように、延長部材110のループは構成される。これは、クリップ102をシステムから完全に解放し、クリップ102が標的組織上でクリッピングされて定位置に残されるとき、アダプタ108、延長部材110、および内視鏡104が身体から引き抜かれることを可能にする。
【0038】
しかしながら、ループ146がC字形ヒンジ122に係止されるとき、遠位端148は拘束され、係合された構成にあるC字形ヒンジ122によってこれらの長手方向軸に向かって押される。クリップ102が標的組織上にクリッピングされ、アダプタ108およびクリップ102が点検構成に移動された後、ユーザは組織上のクリップ102の位置を視覚的に観察して、クリップ102が所望の位置にあるかどうかを判断することができる。クリップ102が標的組織上に所望のように位置決めされているとユーザが判断した場合、その操作者はクリップ102を遠位に押している延長部材110を標的組織の中に押し込む。組織がクリップ102のさらなる遠位移動に対する抵抗を与えるとき、ループ146は、ループ146の遠位端がヒンジ122の遠位端を通過するまで、C字形ヒンジ122を越えて遠位に推し進められる。この時点で、ループ146は解放され、クリップ102から離れて半径方向外向きに跳ね返り、クリップ102を延長部材110およびデバイス100から分離する。すなわち、図7に示される解放構成において、遠位端148の間の距離は、遠位端がクリップ102から半径方向外向きに跳ね返るので、延長部材110が係合された構成においてヒンジ122によって拘束されるときよりも長い。
【0039】
管腔150は内視鏡シャフト124に対して固定され、よって、延長部材110が管腔150に対して長手方向に並進されるとき、延長部材110が内視鏡104に対してクリップ102を移動させる。特に、延長部材110は、十分な長手方向に剛性を備える材料から形成され、よって、延長部材110が管腔150に対して遠位に移動されるとき、クリップ102がアダプタ108上で遠位に押し出され、かつ、延長部材110が管腔150に対して近位に移動されるとき、クリップ102がアダプタ108上で内視鏡104に対して近位に引き込まれる。一実施形態では、管腔150の各々は多管腔ボーデンハウジングを含み、これを介して、例えば各延長部材110のストランドが通されて遠位端148においてループ146を形成する。
【0040】
一実施形態によれば、図10に示されるように、ボーデンハウジングは、外部プラスチック絶縁体154と、内部編組156と、その中の可撓性コイル158と、延長部材110の一部を収容して延長部材110の遠位端148においてループ146を形成するために内部を通って長手方向に延在する二重チャネル管160と、を含む。管腔150のボーデンハウジングは、それに対する延長部材110の並進移動を容易にすると同時に、延長部材110のねじれも防止する。したがって、クリップ102を初期展開構成から点検構成に移動させるために、延長部材110は管腔150に対して遠位に移動され、それにより、クリップ102がデバイスに連結されたままで、アダプタ108の遠位端127および内視鏡シャフト124の遠位端106からさらに遠位に位置決めされている間に、内視鏡104およびアダプタ108が近位に引き抜かれ得る。この位置において、クリップ102は内視鏡104の光学システムを介してより容易に視認可能となる。検討の際に、クリップ102の位置/配置を調整することが望ましい場合、クリップ102が挿入構成に向かってアダプタ108上で近位に引っ張られるまで、延長部材110を管腔150に対して近位に移動することができる。
【0041】
当業者によって理解されるように、クリップ102が近位に引き込まれるとき、顎状部118に対してアダプタ108の遠位端128によって加えられる遠位方向に向かう力は、顎状部118をそれらの固有のバイアスに抗して強制的に広げる。すなわち、クリップ102がアダプタ108上で近位に引き込まれると、顎状部118は、クリップ102が挿入構成に復帰するときにアダプタ108の直径方向に対向する部分上で摺動するように、直径方向に離れるように押される。内視鏡104およびアダプタ108は、次いで再位置決めされ得、ユーザはデバイスがクリッピングされる標的組織に対して所望のように位置決めされると感じたとき、クリップ102はクリップ102が標的組織に対して所望の位置に配置されたかどうかを確認するために、前述のように、再び初期展開構成に、次いで点検構成に移動されてもよい。
【0042】
一実施形態によれば、最終展開構成において、クリップ102を延長部材110から解放することが望ましい場合、ループ146が遠位方向に移動してヒンジ122との係合から外れるまで、延長部材110をクリップ102に対して遠位方向に移動させることができる。この実施形態では、ループ146がC字形ヒンジ122の遠位側に移動してC字形ヒンジとの係合から外れると、延長部材110の遠位端148がヒンジ122から解放され、遠位端148が互いから半径方向に離れるように移動する付勢された構成に戻ることが可能となる。この時点で、図7に示されるように、遠位端148は互いから半径方向に離間して延び、もはやクリップ102と係合しないので、クリップ102はデバイスから完全に離間され、延長部材110はクリップ102を再係合することなくクリップ102から離れて近位に移動され得る。したがって、クリップ102は、延長部材110を含む内視鏡104およびアダプタ108が身体から引き抜かれる間、標的組織にクリッピングされた身体内に残されてもよい。
【0043】
クリップ102はC字型のヒンジ122を有するものとして説明され示されるが、ヒンジ122が、上述のように、クリップ102の顎状部118を閉鎖構成に向かって付勢するように構成される限り、かつヒンジ122が延長部材110によって解放可能に係合させることができる限り、ヒンジ122は、任意の様々な形状および構成を有し得ることが、当業者に理解されよう。同様に、延長部材110の遠位端148は、上述のように、遠位端148がヒンジ122に解放可能に係合するように構成される限り、任意の様々な形状および構成を有し得ることが、当業者に理解されよう。
【0044】
上述のように、ユーザインタフェース112は、展開エレメント144および延長部材110を作動させるために使用され得る。図11に示されるように、ユーザインタフェース112は、例えば、スナップインタフェース172を含むいくつかの連結機構のいずれかを介して、内視鏡102のハンドル部114に連結され得る。一実施形態では、ユーザインタフェース112は、2つの作動エレメント、例えば、展開エレメント144を制御するための第1ノブ162と、延長部材110を制御するための第2ノブ164とを含む。第1ノブ162および第2ノブ164は、例えば、親指用ホイールとして構成され、それにより、システム100のユーザが、ハンドル部114を介して内視鏡104を保持しているときに、展開エレメント144および延長部材110の移動を容易に制御し得る。
【0045】
当業者によって理解されるように、展開エレメント144の近位端は、内視鏡シャフト124の作業チャネルから近位に延在することで、第1ノブ162に連結された第1回転ホイール166の周りに巻き付けられてもよい。そのため、第1ノブ162の回転に対応して第1回転ホイール166を回転させ、よって、展開エレメント144が所望に応じて移動させられる。例えば、クリップ102が挿入構成に向かってアダプタ108上に取り付けられるとき、例えば、第1方向への第1ノブ162の回転は、展開エレメント144を緩め得る。第1ノブ162を第1方向とは反対の第2方向に回転させると、例えば、クリップ102を挿入構成から初期展開構成に移動させることが望ましい場合に、展開エレメント144に張力をかけることができる。
【0046】
同様に、第2ノブ164は、第2回転ホイール168に連結され、その周りに延長部材110の近位端が巻かれてもよく、そのため、第2ノブ164の回転が延長部材110、従って、クリップ102の移動を制御する。例えば、管腔150の近位端170は、ユーザインタフェース112に連結され得、それにより、延長部材110の近位端が管腔150の近位端170から延びて第2回転ホイール168の周りに巻かれる。したがって、第1方向での第2ノブ164の回転は、管腔150および内視鏡シャフト124に対して遠位に延長部材110を並進させ得、それにより、クリップ102が初期展開構成から点検構成に移動され得る。第1方向と反対の第2方向への第2ノブ164の回転は、管腔150および内視鏡シャフト124に対して近位に延長部材110を並進させ、よって、クリップ102が、挿入構成に向かって点検構成から、例えばクリップ102の再位置決めまで、近位に引き込まれ得る。
【0047】
クリッピングシステム100を利用する組織閉鎖のための例示的な方法によれば、クリップ102は、例えばGI管などの身体管腔を通って、内視鏡104を介して身体管腔内の標的領域に挿入され得る。上述したように、挿入構成では、図3に示すように、クリップ102はアダプタ108を介して内視鏡シャフト124の遠位端106に取り付けられ、その結果、顎状部118は開放構成に向かって互いに離間されている。クリップ102は内視鏡104を介して標的領域に導かれ、標的組織上に位置決めされる。内視鏡104の作業チャネルを通して吸引力が加えられ得、それにより、標的組織をアダプタ108のチャネル130内に引き込むことができる。したがって、図4および図5に示されるように、クリップ102が、例えば、第1ノブ162を介して初期展開構成に向かって移動されるとき、クリップ102の顎状部118は、それらの付勢された閉鎖構成に戻ることが可能となり、その結果、チャネル130の中に吸引された組織が、クリップ102の顎状部118によって把持される。上述のように、一実施形態では、クリップ102は、展開エレメント144に張力をかけることによって初期展開構成に向かって移動され得、それにより、展開エレメント144がクリップ102を遠位に押す。それによって、クリップ102はアダプタ108から遠位に押されて離間し、その付勢された閉鎖構成に戻ることが可能となる。
【0048】
この初期展開構成における組織の吸引および/または把持は、内視鏡104の撮像/光学レンズを妨害し、それにより、ユーザは所望の標的組織が適切にクリッピングされたかどうかを可視化および/または確認することができないことが当業者に理解されよう。しかしながら、図6に示すように、クリップ102が、点検構成に向かって移動されるとき、延長部材110は、内視鏡シャフト124に対して遠位に移動され、それにより、クリップ102が内視鏡シャフト124の遠位端106から離れるように移動される。特に、クリップ102が組織上にクリッピングされたままでアダプタ108の遠位部分134がアダプタ108の近位部分から遠位に伸長する間、例えば、第2ノブ164を介して内視鏡シャフト124に対して遠位に延長部材110を伸長させることは、内視鏡104がクリップ102から離れて近位に引き込まれることを可能とする。それにより、選択されたクリップ102と内視鏡シャフト124の遠位端106との間の距離を生成し、クリップ102は内視鏡104の光学システムを介して可視化され得る。
【0049】
可視化の際に、クリップ102が標的組織に対する調節および/または再位置決めを必要とするとユーザが判断した場合、クリップ102が、上述のように、開放構成に向かってアダプタ108の遠位部分134にわたって近位に移動されるまで、延長部材110は、内視鏡104に対して近位に並進され得る。次いで、クリップ102は、所望に応じて、標的組織上に再位置決めされてもよく、クリップ102は、再び、初期展開構成に向かって、次いで点検構成に向かって、移動されてもよい。必要に応じて、この手順は、クリップ102が所望のように標的組織上にクリッピングされたことをユーザが視認可能となるまで繰り返され得る。
【0050】
ユーザは標的組織がクリッピングされたことを確認すると、所望に応じて、図7に示されるように、クリップ102を延長部材110から解放することによって、クリップ102が点検構成から最終展開構成に移動され得る。上記のように、クリップ102を解放するために、延長部材110は内視鏡シャフト124に対してさらに遠位に移動される。点検構成において、クリップ102は標的組織上にクリッピングされ、それによって組織表面に当接するので、延長部材110をさらに遠位に移動させることにより、延長部材110もクリップ102に対して遠位に移動される。延長部材110は、延長部材110の遠位端148が、クリップ102のヒンジ122との係合を解除されるまで、クリップ102に対して遠位に移動される。一実施形態によれば、延長部材110は、遠位端148におけるループ146がヒンジ122との係合を解除されるまで、クリップ102に対して遠位に移動され得る。例えばC字形ヒンジ122から、ループ146がいったん解放されると、遠位端148は、それらの付勢された構成に戻ることが可能になり、互いから半径方向に離れるように移動する。したがって、延長部材110および内視鏡104は、身体から引き抜かれ得、よって、クリップ102のみが標的組織上にクリッピングされたままとなる。
【0051】
本開示の範囲から逸脱することなく、本開示において様々な修正が行われ得ることが当業者には明らかであろう。さらに様々な実施形態のいずれかの特徴が、実施形態の説明および/または機能性と矛盾しない任意の方法で組み合わされ得ることを当業者は理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
挿入デバイスの遠位端上に取り付けられるように構成された近位端から遠位端まで長手方向に延在するアダプタと、
第1顎状部および第2顎状部を含むクリップであって、前記第1顎状部の第1端部が第1ヒンジを介して前記第2顎状部の第1端部に連結され、前記第1顎状部の第2端部が第2ヒンジを介して前記第2顎状部の第2端部に連結され、それにより、前記第1顎状部および第2顎状部は挿入構成と初期展開構成との間で移動可能であり、前記挿入構成では前記第1顎状部および第2顎状部が互いに離間してそれらの間に組織を受容し、前記初期展開構成では前記第1顎状部および第2顎状部が互いに引き寄せられてそれらの間に組織を把持し、前記第1ヒンジおよび第2ヒンジの少なくとも一方が付勢されて前記クリップを前記初期展開構成に引き込む、クリップと、
前記クリップを前記アダプタ上で遠位に移動させて離脱させるように構成され、それにより、前記クリップが前記アダプタを離れるにつれて、前記クリップが前記挿入構成から前記初期展開構成に移動する、展開部材と、
前記クリップに解放可能に連結され、前記アダプタに移動可能に連結された第1延長部材であって、前記クリップの視覚的観察を強化するために前記クリップが前記アダプタから物理的に離間される点検構成に前記システムを配置するために、前記第1延長部材が前記クリップに連結されたまま、前記クリップから近位に前記アダプタを引き抜くことを可能にするように、前記第1延長部材が構成され、
前記第1延長部材は前記クリップを前記アダプタ上で近位に後退させるように動作可能であり、前記クリップが前記アダプタ上で後退させられるにつれて前記クリップが強制的に開かれ、前記クリップがクリッピングされていた組織から前記クリップを解放する、第1延長部材と、
を含む、クリッピングシステム。
【請求項2】
前記クリップが所望の位置にあることが観察されるとき、前記クリップから前記第1延長部材を離間することによって前記クリップが前記システムから最終的に配置され得るように、前記第1延長部材は前記第1ヒンジに解放可能に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記クリップの前記第2ヒンジに解放可能に連結され、前記アダプタに移動可能に連結された第2延長部材をさらに含み、前記第2延長部材は、前記システムが前記点検構成に移動される間に前記クリップに連結されたままであるように構成され、前記第2延長部材は、前記第1延長部材と協働して前記点検構成および前記初期展開構成のうちの1つから前記アダプタ上で前記クリップを近位に後退させるように動作可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1延長部材の遠位端は、前記第1ヒンジに係止されるように構成されたループを含む、請求項2および請求項3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1延長部材の遠位端が前記アダプタの長手方向軸から離れるように半径方向に付勢され、前記第1延長部材の前記ループが前記第1ヒンジから解放されるとき、前記第1延長部材の前記遠位端は横方向外向きに跳ねて前記クリップとの係合を解除される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1延長部材の前記ループは前記クリップに係合するように構成され、前記第1延長部材に加えられた遠位方向に向かう力が前記クリップに伝達されて前記クリップを前記アダプタ上で遠位に移動させて前記アダプタから離脱させ、前記第1延長部材の前記ループは、前記クリップが少なくとも所定の大きさの近位方向に向かう力を前記第1延長部材に加えるとき、前記第1延長部材の前記ループが前記第1ヒンジから滑り落ちて前記クリップの前記第1延長部材との係合を解除するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記挿入構成、前記初期展開構成、および前記点検構成の間の前記クリップの移動を制御するために、前記展開部材の近位端および前記第1延長部材の近位端に連結されたユーザインタフェースをさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザインタフェースが、前記展開エレメントの前記近位端に連結された第1ノブと、前記第1延長部材の近位端に連結された第2ノブとを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記アダプタから前記ユーザインタフェースまで近位に延在する第1管腔をさらに備え、前記第1延長部材が前記第1管腔に対して長手方向に移動可能であるように、前記第1延長部材が前記第1管腔を通って延在する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記クリップが取り付けられるように構成される前記アダプタの遠位部分が、前記クリップが最終展開構成に向かって前記アダプタに沿って遠位に摺動するとき前記クリップと前記アダプタとの間の摩擦を低減するために、その外側表面に沿って延在する平坦部を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
組織を処置するためのクリッピングシステムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するシャフトを含む、内視鏡と、
前記内視鏡の前記シャフトの前記遠位端上に取り付けられた近位部分と、前記近位部分から遠位に延在する遠位部分とを含む、アダプタと、
一対の顎状部を含むクリップであって、前記一対の顎状部の各々は第1端部から第2端部まで曲線に沿って延在し、前記一対の顎状部が互いに離間する開放挿入構成と、前記一対の顎状部が互いに向かって移動される閉鎖構成との間で前記一対の顎状部が移動可能であるように、前記一対の顎状部の第1端部は第1ヒンジを介して互いに連結され、前記一対の顎状部の第2端部は第2ヒンジを介して互いに連結され、前記クリップは、前記開放挿入構成において前記アダプタの前記遠位部分上に取り付けられるように構成される、クリップと、
前記クリップが前記閉鎖構成に向かって移動されるように、前記クリップを前記アダプタから遠位に移動させ離脱させることによって、前記クリップを前記開放挿入構成から初期展開構成に前記アダプタに対して遠位に移動させるように構成された、展開部材と、
第1延長部材および第2延長部材であって、前記シャフトの前記近位端におけるユーザインタフェースを介してユーザにアクセス可能な近位端から、前記クリップに解放可能に連結された遠位端まで延在し、前記内視鏡に対する前記延長部材の遠位移動により、前記クリップが前記内視鏡を介して視認可能であるように、選択された距離だけ、前記初期展開構成から点検構成まで前記アダプタの前記遠位端から離れて遠位に前記クリップを移動させる、第1延長部材および第2延長部材と、
を含む、クリッピングシステム。
【請求項12】
前記第1延長部材は、前記クリップの前記第1ヒンジに解放可能に連結され、前記第2延長部材は、前記クリップの前記第2ヒンジに解放可能に連結される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1延長部材および第2延長部材の各々の遠位端が前記アダプタの長手方向軸から半径方向に離れるように付勢され、前記第1延長部材および第2延長部材が前記第1ヒンジおよび第2ヒンジに連結されるとき、前記第1延長部材および第2延長部材の前記遠位端は係合構成に向かって拘束され、前記第1延長部材および第2延長部材の前記遠位端の前記第1ヒンジおよび第2ヒンジとの係合が解除されるとき、前記第1延長部材および第2延長部材の前記遠位端がそれらの付勢された構成に戻って、最終展開構成においてそこから前記クリップを解放する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記一対の顎状部が前記閉鎖構成に向けて付勢され、それにより、前記クリップが前記アダプタ上に取り付けられるとき、前記アダプタの外側表面が前記一対の顎状部を前記挿入構成に向けて保持し、前記クリップが前記初期展開構成に向かって移動されるとき、前記一対の顎状部が互いに引き寄せられそれらの間に受け入れられた組織の把持を可能にする、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記アダプタから前記ユーザインタフェースまで近位に延在する第1管腔および第2管腔をさらに含み、前記第1延長部材および第2延長部材の各々は、前記第1管腔および第2管腔のうちの対応する1つを通って延在し、それにより、前記延長部材が前記管腔に対して長手方向に移動可能であり、前記第1管腔および第2管腔は、前記内視鏡の前記シャフトの対向する側面に沿って延在する、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】