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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】マイクロ原子炉炉心の機械的支持
(51)【国際特許分類】
   G21C 5/10 20060101AFI20240124BHJP
   G21C 1/06 20060101ALI20240124BHJP
   G21C 5/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
G21C5/10
G21C1/06
G21C5/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544712
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2022070306
(87)【国際公開番号】W WO2022165475
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/156,977
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501010395
【氏名又は名称】ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】アレシン、ユーリ
(72)【発明者】
【氏名】ケルナー、スチュアート
(57)【要約】
原子炉炉心機械的支持ブラケットを開示する。当該支持ブラケットは、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを原子炉のキャニスタに取り付けるためのフランジとを含む。当該シャフトは、原子炉炉心構成機器と接続するように構成された差込部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉炉心機械的支持ブラケットであって、
ハウジングと、
当該ハウジング内に配置されたばねと、
当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに原子炉炉心構成機器と接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、
当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、
当該支持ブラケットを原子炉のキャニスタに取り付けるためのフランジとを含む原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項2】
前記差込部が、原子炉炉心の長さに沿って軸方向に配置された支持梁に接続するように構成されている、請求項1の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項3】
前記差込部が、原子炉炉心のいずれかの端部に配置されたプレートに接続するように構成されている、請求項1の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項4】
前記ばねが、皿ばね座金を含む皿ばねである、請求項1の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項5】
複数の皿ばねを備え、当該複数の皿ばねの各々は積み重ねられた複数の皿ばね座金を含む、請求項4の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項6】
前記ハウジングがステンレス鋼製である、請求項1の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項7】
前記ばねがアロイ718製である、請求項1の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【請求項8】
原子炉であって、
炉心と、
当該炉心をその内部に封じ込めるためのキャニスタと、
当該キャニスタに取り付けられるように構成された炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心機械的支持システムは、
当該炉心を半径方向に支持する半径方向炉心機械的支持システムと、
当該炉心を軸方向に支持する軸方向炉心機械的支持システムとを含むことを特徴とする原子炉。
【請求項9】
請求項8の原子炉であって、
前記キャニスタ内に配置された半径方向反射体と、
前記キャニスタの内壁と当該半径方向反射体との間に配置された支持梁であって、前記炉心の長さに沿って軸方向に配置された支持梁とを含み、
前記半径方向炉心機械的支持システムは当該支持梁と接続するように構成された半径方向支持ブラケットを含むことを特徴とする原子炉。
【請求項10】
請求項9の原子炉であって、前記半径方向支持ブラケットが、
ハウジングと、
当該ハウジング内に配置されたばねと、
当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに当該支持梁と接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、
当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、
当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含むことを特徴とする原子炉。
【請求項11】
前記炉心の各端部に配置されたプレートをさらに含み、前記軸方向炉心機械的支持システムが当該プレートと接続するように構成されている、請求項8の原子炉。
【請求項12】
請求項11に記載の原子炉であって、前記軸方向炉心機械的支持システムが、
ハウジングと、
当該ハウジング内に配置されたばねと、
当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに前記プレートと接続するように構成されたシャフトを含むシャフトと、
当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、
当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含むことを特徴とする原子炉。
【請求項13】
前記シャフトは、前記プレートと係合するように構成された差込部を備える、請求項12の原子炉。
【請求項14】
前記半径方向炉心機械的支持システムおよび前記軸方向炉心機械的支持システムは、1g~10gの加速度に対応する範囲の力を予めかけることで前記炉心を軸方向に支持するように構成されている、請求項8の原子炉。
【請求項15】
原子炉であって、
炉心と、
当該炉心をその内部に封じ込めるためのキャニスタと、
当該キャニスタに取り付けられるように構成された炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心機械的支持システムは、
当該炉心を半径方向に支持する半径方向炉心機械的支持システムと、
当該炉心を軸方向に支持する軸方向炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心はさらに、
当該キャニスタ内に配置された半径方向反射体と、
当該キャニスタの内壁と当該半径方向反射体との間に配置され、当該炉心の長さに沿って軸方向に配置された支持梁であって、当該半径方向炉心機械的支持システムは当該支持梁と接続するように構成された半径方向支持ブラケットを備えることを特徴とする支持梁と、
当該炉心の各端部に配置されたプレートであって、当該軸方向炉心機械的支持システムは当該プレートと接続するように構成されているプレートとを含み、
当該半径方向支持ブラケットと当該軸方向支持ブラケットはそれぞれ、
ハウジングと、
当該ハウジング内に配置されたばねと、
当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに当該支持梁または当該プレートと接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、
当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、
当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含むことを特徴とする原子炉。
【請求項16】
前記シャフトは、前記支持梁または前記プレートと係合するように構成された差込部を備える、請求項15に記載の原子炉。
【請求項17】
前記半径方向炉心機械的支持システムおよび前記軸方向炉心機械的支持システムは、1g~10gの加速度に対応する範囲の力を予めかけることで前記炉心を軸方向に支持するように構成されている、請求項15の原子炉。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下で、参照によりその開示全体が本願に組み込まれる2021年1月25日に出願された「MICRO-RACTOR CORE MECHANICAL SUPPORT」と題する米国仮特許出願第17/156,977号に基づく利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して原子力発電に関し、具体的には、原子炉の炉心を機械的に支持するように構成された改良型装置に関する。
【0003】
連邦政府後援の研究開発に関する陳述
本開示は、エネルギー省との契約第DE-NE0008853号に基づく政府支援の下でなされたものである。米国政府は、本開示に対して一定の権利を有している。
【発明の概要】
【0004】
以下の概要は、本願で開示する態様に特有のいくつかの革新的な特徴を理解しやすくするためのものであり、完全な記述を意図するものではない。本開示のさまざまな態様を完全に理解するには、本願の明細書、請求項、および要約書の全体を総合的にとらえる必要がある。
【0005】
一態様において、本開示は、原子炉炉心の機械的支持ブラケットを提供する。当該支持ブラケットは、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを原子炉のキャニスタに取り付けるためのフランジとを含む。当該シャフトはさらに、原子炉炉心構成機器と接続(interface)するように構成された差込部を備える。
【0006】
別の態様において、本開示は原子炉を提供する。当該原子炉は、炉心と、当該炉心をその内部に封じ込めるためのキャニスタと、当該キャニスタに取り付けるように構成された炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心機械的支持システムは、当該炉心を半径方向に支持する半径方向炉心機械的支持システムと、当該炉心を軸方向に支持する軸方向炉心機械的支持システムとを含む。
【0007】
さらに別の態様において、本開示は原子炉を提供する。当該原子炉は、炉心と、当該炉心をその内部に封じ込めるためのキャニスタと、当該キャニスタに取り付けるように構成された炉心機械的支持システムと、当該キャニスタ内に配置された半径方向反射体と、当該キャニスタの内壁と半径方向反射体との間に配置された支持梁と、当該炉心の各端部に配置されたプレートとを含み、当該軸方向炉心機械的支持システムは当該プレートと接続するように構成されている。当該半径方向支持ブラケットと当該軸方向支持ブラケットはそれぞれ、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに当該支持梁または当該プレートと接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含む。当該炉心機械的支持システムは、当該炉心を半径方向に支持する半径方向炉心機械的支持システムと、当該炉心を軸方向に支持する軸方向炉心機械的支持システムとを含む。当該支持梁は、当該炉心の軸方向の長さに沿って配置されている。半径方向炉心機械的支持システムは、当該支持梁と接続するように構成された半径方向支持ブラケットを含む。
【0008】
また、以下に述べる形態、形態の表現、実施例のいずれか1つ以上を、以下に述べる他の形態、形態の表現、実施例のいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。
【0009】
上述の要約は例示であり、いかなる意味においても限定することを意図していない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴とは別の追加的な態様、実施形態、および特徴は、添付の図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願に記載された態様の様々な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。しかしながら、操作の機構および方法に関する様々な態様とその利点は、下記の添付の図面を参照した以下の説明によって理解が深まるであろう。
【0011】
図1】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、炉心機械的支持システムを含む原子炉の斜視図である。
【0012】
図2】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1に示す原子炉の縦断面図である。
【0013】
図3】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1および図2に示す原子炉の横断面図である。
【0014】
図4】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1~3に示す原子炉の斜視縦横断面図である。
【0015】
図5】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、半径方向および軸方向支持ブラケットの斜視図である。
【0016】
図6】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、皿ばねの斜視図である。
【0017】
図7】本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1~4に示す原子炉炉心の斜視縦断面図である。
【0018】
同一の参照符号は、いくつかの図面を通して対応する部品を指している。本願に記載された実施例は、特許請求される主題の様々な態様を一態様において例示するものであり、かかる実施例は、いかなる様式においても、特許請求される主題の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願の出願人は、同じ日付で出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、それぞれの開示は参照によりその全体が本願に組み込まれる。
・ 2020年10月26日に出願された「ENHANCED GRAPHITE NEUTRON REFLECTOR WITH BERYLLIUM OXIDE INCLUSIONS」と題する米国特許出願第17/080,241号、
・ 2020年10月29日に出願された「DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR ADJUSTING THE OUTPUT OF A REACTOR CORE」と題する米国特許出願第17/084,365号、および
・ 2020年10月29日に出願された「DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR CONFIGURING THE LAYOUT OF UNIT CELL OF A REACTOR CORE」と題する米国特許出願第17/084,403号。
【0020】
炉心機械的支持システムを含む原子炉の様々な態様を説明するに先立って、ここに例示する実施例は、その適用または使用において、添付の図面および説明に例示された部品の構造および配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形例、および改造において実装または編入されることがあり、様々な方法で実践または実施されることがある。さらに、特に断らない限り、本願で採用される用語および表現は、読者の便宜のために実施例を説明する目的で選択されたものであり、実施例の限定を目的とするものではない。また、以下に説明する1つ以上の態様、態様の表現、および/または実施例は、限定することなく、以下に説明する他の態様、態様の表現、および/または実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせられることが理解されるであろう。
【0021】
様々な態様において、本開示は、炉心を支持し、炉心を所定の位置に維持するための炉心機械的支持システムを含む原子炉に関する。一態様において、原子炉は、活性炉心、反射体、および炉心機械的支持システムを含む全固体マイクロ原子炉である。炉心は、例えば燃料、除熱システム、停止システム、反応度制御システム、計装などに対して、核的、熱的、機械的な界面を提供する。炉心は、耐圧キャニスタの中に配置されている。炉心機械的支持システムは、輸送・取り扱い、運転、事故、設計基準外事故条件など、想定されるすべての事象において、限定されることなく、原子炉炉心および関連の構成機器を機械的に支持し、所定の位置および構成に保つように構成されている。炉心構成機器の過剰な拘束や過剰な応力を回避するために、炉心機械的支持システムの熱機械設計によって、様々な静的・動的負荷、熱膨張差、および照射中の炉心構成機器の形状変化(膨張、収縮など)に対応することができる。
【0022】
次に図を参照すると、図1は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、炉心機械的支持システムを含む原子炉10の斜視図である。一態様において、原子炉10は全固体マイクロ原子炉である。原子炉10は、いずれも加圧キャニスタ120内に収容された、炉心100(図2~4および図7)、反射体106(図2~4および図7)、および炉心機械的支持システムを含む。前部および後部のキャニスタ閉鎖隔壁122、124によって、キャニスタ120内の炉心100、反射体106、およびその他の部品が機械的に密封される。
【0023】
図2は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1に示す原子炉10の縦断面図である。図1および図2を参照すると、炉心100はキャニスタ120内に収容されている。炉心100は、複数の反応度制御棒115を収容するように構成された複数の反応度制御セル104を含む。停止制御棒が集合的に機能することにより、炉心100内で発生する核分裂を制御するため、原子炉10の電源喪失および/または臨界事故が発生した場合に、炉心100が臨界温度に達するのを防ぐことができる。様々な非限定的な態様において、炉心100内での核分裂の量を減らしたり、完全になくしたりすることができ、後者の場合、炉心100を停止させることができる。本開示によって企図される反応度制御棒115は、中性子吸収材を含むことができ、緊急時に核反応を減速および/または停止させるために、反応度制御セル104に挿入されるように構成される。炉心100の反応度制御構成は、可搬性に優れ、より幅広い商業的応用が可能な、最新のマイクロ原子炉の特徴を表している。したがって、マイクロ原子炉が台頭すると、原子力技術の普及が促進されるが、普及に伴う重大な有害事象のリスクは最小限に抑えることができる。
【0024】
炉心100は、黒鉛炉心ブロック130と、当該黒鉛炉心ブロック130を取り囲む半径方向反射体106と、本願に記載するその他の構成機器とを含む。図2の非限定的な態様によれば、反射体106は、固定部と可動部を含むことができる。可動部は、反射材(例えば酸化ベリリウム[BeO])と吸収材(例えば炭化ホウ素[BC])の区間を含む制御ドラムであってよい。ドラムは、黒鉛炉心ブロックとの相対的な回転によって、反射体としても吸収体としても機能する。一態様において、反射体106は、黒鉛炉心ブロック130を実質的に取り囲むように構成された厚い中性子減速材からなる1枚以上のプレートを含む。炉心100は、燃料、除熱システム、停止・反応度制御システム、計装などに対して、核的、熱的、機械的な界面を提供する。炉心100は、耐圧キャニスタ120内にあり、反射体106に囲まれている。炉心100および関連の構成機器は、輸送・取り扱い、運転、事故、設計基準外事故条件など、想定されるすべての条件下で、機械的支持システムによって機械的に支持される。
【0025】
半径方向支持システム125および軸方向支持システム127を備える炉心機械的支持システムは、輸送・取り扱い、運転、事故、および設計基準外事故条件を含む想定される様々な事象において、限定されることなく、炉心100を所定の位置および構成で支持・維持する。炉心100および関連する構成機器の過剰な拘束や過剰な応力を回避するために、炉心機械的支持システムの熱機械設計によって、様々な静的・動的負荷、熱膨張差、および照射中の炉心構成機器の形状変化(膨張、収縮など)に対応することができる。炉心支持システムは、水平に配置された円筒形炉心100の軸方向支持と半径方向支持を(現実的に可能な限り)分離する。この態様では、炉心100構成機器の半径方向の寸法変化は軸方向の反力に有意な影響を与えず、その逆もまた同様である。
【0026】
半径方向支持システム125は、炉心100を取り囲む多数の半径方向支持ブラケット126を含み、軸方向支持システム127は、炉心100の両端に位置する多数の軸方向支持ブラケット128を含む。半径方向支持ブラケット126および軸方向支持ブラケット128は、輸送・取り扱い時、運転時、事故時、および設計基準外事故条件時に、炉心100を所定の半径方向位置および軸方向位置に支持・維持する。半径方向支持ブラケット126は、本願でより詳細に後述するように、半径方向反射体106に係合する支持梁132と接続することにより、炉心100の荷重を均一に分散する。支持梁132は、キャニスタ120の内壁と反射体106との間に配置されている。支持梁132は、炉心100の軸方向の長さに沿って配置されている。軸方向支持ブラケット128は、本願でより詳細に後述するように、プレート148と接続することにより、炉心100の荷重を均一に分散する。ここで図5および図6も参照すると、半径方向/軸方向支持ブラケット126、128の各々は、半径方向/軸方向支持ブラケット126、128のハウジング138に出入りするシャフト136によって圧縮される少なくとも1つのばね134を含む。半径方向/軸方向支持ブラケット126、128は、半径方向/軸方向支持ブラケット126、128の接続差込部140で支持梁132および/またはプレート148と接続する。図示の態様では、各半径方向/軸方向支持ブラケット126、128は4つのばね134を含み、各ばね134は多数の座金146を含む。
【0027】
図3は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1および図2に示す原子炉10の横断面図である。図4は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1~3に示す原子炉10の斜視縦横断面図である。ここで図1~4を参照すると、非限定的な一態様によれば、炉心100は複数のユニットセル102を含み、それらは集合的に六角形の炉心境界を形成する。各ユニットセル102は、ヒートパイプ113およびある量の燃料(例えば棒111および/またはスタック構成の形態)を収容するように構成することができ、それらは集合的に原子力発電を行い、炉心100全体で熱エネルギーを管理することができる。いくつかの非限定的な態様では、1つ以上のユニットセル102は、燃料から放出される中性子を減速させることができる減速材の構成をさらに含んでよい。炉心100が六角形の幾何形状を含むように、ユニットセル102を配置することができる。ただし、他の非限定的な態様において、意図される用途および/または使用者の選好に応じて、炉心100が多数の異なる幾何学的構成のいずれかを含むように、ユニットセル102を配置してよい。
【0028】
図3および図4を参照すると、反射体106は、中性子吸収材および反射材を収容するように構成された複数の制御ドラム108をさらに含んでよい。原子炉および/または電源が停止した場合、制御ドラム108を炉心100に向けて内側に回転させ、吸収材によって原子炉を停止できるようにしてよい。いくつかの非限定的な態様において、反射体106は、ガンマ線および中性子の遮蔽を提供するように構成されたガンマ線遮蔽体をさらに含むことができる。反射体は、中性子遮蔽体、炉心100、および炉内構成機器102、104、111、113、115を実質的に取り囲むように構成することで、放射線をさらに軽減することができる。図3および図4の非限定的な態様に示すように、反射体106は、六角形に配置された複数の単位セル102を円形に取り囲むように配置することができる。ただし、他の非限定的な態様において、意図された用途および/または使用者の選好に応じて、多数の異なる幾何学的構成のいずれかを形成するように、反射体106を複数のユニットセル102の周りに配置してもよい。
【0029】
引き続き図3および4を参照すると、所望量の熱伝達を制御・促進する手段として、単位セル102と反射体106との間に隙間ができるように反射体106を分割してもよい。例えば、反射体106を複数のモジュールプレートにより形成し、それらを一体化すると前述の隙間が形成されるようにしてよい。ただし、他の非限定的な態様では、反射体106を一体的に形成することができる。また、反射体106は、さらに炉心100の長さを規定する軸方向に沿って延びるように構成することができる。複数のユニットセル102もまた、炉心100の全長にわたるように構成することができる。
【0030】
小型原子炉の中には、核物質(酸化物、金属、シリサイドなどの形態のウランなど)の核分裂によるエネルギーを利用して発電する「原子力電池」として機能するものもある。ユニットセルは、そのような放射性同位元素を含むあらゆる形態の燃料を収容するように構成されているため、炉心100長さLの大きさは、原子炉の所望の出力および臨界を維持するのに必要な燃料質量に対応させることができる。マイクロ原子炉の汎用性が高まるということは、追加および/または代替策として、炉心100が多種多様な用途向けに構成可能でなければならないことを意味し、その用途の多くにはサイズおよび/または重量の制約があり得る。したがって、炉心100の設計により、原子炉の出力、サイズ、および/または重量の要件に合うように具体的に長さLを構成することができる。
【0031】
引き続き図3および図4を参照すると、複数のユニットセル102および複数の反応度制御セル104の配置を特定することで、炉心100の非限定的な態様において六角形の構成を確立することができる。また、複数のユニットセル102のうちの各ユニットセル102、および複数の反応度制御セル104のうちの各反応度制御セル104が、同様に六角形の構成を含むことも明らかである。ただし、六角形の構成は、もっぱら説明の目的で描かれていることを理解されたい。したがって、本開示は、ユニットセル102および反応度制御セル104が任意の数の幾何学的構成(例えば正方形、円形、三角形、長方形、五角形、八角形)を含み、かつ炉心100が任意の数の幾何学的構成を含み得るようにそれらのセルが配置される、他の非限定的な態様も企図している。
【0032】
さらに図3および図4を参照すると、複数のユニットセル102および複数の反応度制御セル104を半径方向に沿って配置し、それによって炉心100の半径方向寸法を規定することができる。具体的には、図3および図4に示す炉心100は、48個のユニットセル102と13個の反応度制御セル104を含む。ただし、本開示は、炉心100が任意の数のユニットセル102および反応度制御セル104を含み得る、他の非限定的な態様も企図している。炉心100の設計を劇的に変更することなく、炉心100のユニットセル102または反応度制御セル104の数を容易に加減できることから、意図された用途および/または使用者の選好に応じて炉心100を容易に拡張できることが理解されよう。そのため、多くの用途や要件に合わせて、炉心100設計の出力を調整することも容易である。例えば、炉心100のユニットセル102または反応度制御セル104を増減することにより、炉心100の半径方向および/または軸方向の寸法を変更することができる。ユニットセルは放射性同位元素を含む燃料を収容するように構成されているため、半径方向寸法の大きさを増減させることで、炉心100の出力を変えることができる。したがって、意図される用途および/または使用者の選好に応じて、炉心100の半径方向寸法を原子炉の所望の出力に対応させることができる。追加および/または代替策として、用途によって異なる多数のサイズおよび/または重量の要件に適合するように、炉心100の半径方向寸法を特別に構成することができる。したがって、半径方向支持システム125および軸方向支持システム127の半径方向/軸方向支持ブラケット126、128を増減させることによって、炉心機械的支持システムを変更することにより、炉心100の半径方向および/または軸方向の寸法の変化に対応することができる。
【0033】
本開示で使用される「半径方向」という用語は、上面から見たときに炉心100の中心から延びる任意の方向を表すことを理解されたい。したがって、「半径方向」という用語の使用は、円形または円形に類似した構成に限定されるものではなく、図1~4の炉心100が円形または円形に類似した構成に限定されることを意味すると解釈してはならない。例えば、本開示は、炉心100の断面構成が矩形のものを含む非限定的な態様も企図する。そのような態様において、炉心100は、長さの異なる1つ以上の半径方向寸法を含むことができる。図2および図4を参照すると、複数のユニットセル102および複数の反応度制御セル104は、中実な材料(例えば黒鉛)ブロック130から一体的に形成可能である。したがって、ヒートパイプチャンネル、燃料チャンネル、減速材チャンネル、および/またはそれに類するユニットセル102の各内部特徴物は、中実な材料ブロックをくり抜き、一体的に形成可能である。ただし、他の非限定的な態様では、複数のユニットセル102の各ユニットセル102および各反応度制御セル104をモジュール式に形成して炉心ブロック130に統合することにより、炉心100の設計を調整しやすくできる。
【0034】
いずれにしても、炉心100は、任意の数のユニットセル102および/または反応度制御セル104を含むように、容易に製造可能である。これにより、炉心100の設計を容易に拡張でき、既知の原子炉に比べて明らかな改善が可能である。例えば、ユニットセル102および反応度制御セル104の数を変更することにより、炉心100の半径方向寸法Rおよび軸方向長さL(図1)を変更することができ、それにより、出力および/またはスペースに独特な制約がある用途のために、出力と柔軟性を変更することができる。しかし、炉心100の設計は基本的に変わらないため、出力やサイズの違いがあっても、生産量や性能を予測することができる。また、このような機能は、新しい用途の設計に必要となるが再発性のないエンジニアリングの作業量を削減し、製造に一貫性を持たせ、部品を標準化するのに役立つ。炉心100は、その出力を調整する手段としてスケーリングが可能であるが、スケーリングでは、実装されたヒートパイプの定格出力、調整された出力に対して必要な反応度制御棒の適切な本数、および制御ドラムの有効性をさらに考慮する必要がある。
【0035】
他の非限定的な態様によれば、ユニットセル102は、炉心100の減速材(例えば水素化物ベースの減速材、BeOなど)を収容するように構成された減速材チャネルをさらに含むことができ、当該減速材は、複数の燃料チャネル110に挿入された燃料から放出される中性子の伝播を遅らせるように構成することができる。代替および/または追加策として、ユニットセル102は、炉心100の他の計装を収容するように構成された追加の特徴物を含むことができる。
【0036】
引き続き図3および図4を参照すると、ユニットセル102はまた、ユニットセル102の燃料チャンネル110で生じる核反応を減速させることができる中性子吸収材を収容するように構成された特徴物を含むことができる。したがって、ユニットセル102の出力分布と半径方向出力ピーキング、ひいては炉心100自体の出力ピーキングを、中性子吸収材の影響を通してさらに調整することができる。いくつかの非限定的な態様では、炉心100の設計を、炉心100に厳格な輸送要件が課されない用途に合わせることができる。代替および/または追加策として、炉心100は高密度燃料を使用することができる。そのような態様では、ユニットセル102および炉心100の軸方向出力ピーキング係数および軸方向出力分布は、別途、ユニットセル102の燃料チャンネル110内の燃料濃縮度を変化させることによって、あるいは可燃性吸収材を追加することによって、管理可能である。
【0037】
同様に、反射体106は、制御ドラム108を含む複数の反射体106を含むことができ、炉心100長さLの少なくとも一部に沿って延びるように構成される。もちろん、いくつかの非限定的な態様では、反射体も一体的に形成することができる。この場合も、反射体は、炉心100全体の熱伝達を促進・強化するのに好都合な隙間が形成されるように特別に構成することができる。
【0038】
図1~4の非限定的な態様によれば、炉心100は、複数のユニットセル102および反応度制御セル104の全体にわたり配置された燃料111(例えば棒および/またはスタック)、ヒートパイプ113、および反応度制御棒115を含むように組み立てることができる。具体的には、燃料111を1つ以上のユニットセル102の燃料チャネル110全体に配置し、ヒートパイプ113を1つ以上のユニットセル102のヒートパイプチャネル112(図3)全体に配置し、そして、反応度制御棒115を1つ以上の反応度制御セル104の反応度制御チャネル(図示せず)全体に配置することができる。いくつかの非限定的な態様によれば、燃料111およびヒートパイプ113は、炉心100の所定の長さLにわたって延びるように構成されている。他の非限定的な態様では、下流の炉外接続および/または機器(例えば電力システム、復水器、構造支持体)の設置を容易にするために、燃料111およびヒートパイプ113が炉心の所定の長さLを超えてさらに延びるように構成されている。この設計により、炉心100は、意図する用途やユーザーの選好に応じてカスタマイズすることができるので、顧客のニーズに応える汎用性が実現する。ただし、このような変更が基礎となる核物理学および/または炉心100設計の製造可能性に基づいて評価されることにより、炉心100の製造と運転における信頼性と予測可能性は維持可能である。換言すれば、炉心100を組み立て式にすることにより、基本的な炉心100設計を再発明して固有の開発リスクを負うことなく、特定の出力要件および/または構造構成に対応するように燃料111とヒートパイプ113を特別に構成することができる。
【0039】
引き続き図1~4を参照すると、炉心100は、複数の反応度制御セル104のうちの1つ以上の反応度制御セル104にわたって配置されるように構成された複数の反応度制御棒115をさらに含むことができる。例えば、反応度制御セル104は、反応度制御棒を含んだり、または燃料チャンネル110および/またはヒートパイプチャンネル112と同様であるが、特に反応度制御棒115を収容するように構成されている反応度制御チャンネルを含んだりすることができる。すでに説明したように、各反応度制御棒115は中性子吸収材を含むことにより、緊急時に炉心100内の核反応を減速および/または停止させるように構成可能である。反応度制御棒115が集合的に機能することにより、原子炉および/または電源の障害が発生した場合に、炉心100が臨界温度に達したり即発臨界を起こしたりするのを防ぐことができる。したがって、マイクロ原子炉が台頭すると、原子力技術の普及が促進され、安全性の優先度が高められる。
【0040】
図5は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、半径方向および軸方向支持ブラケット126、128の斜視図である。炉心支持システムの主な構成部品は、予荷重ばねブロックを含む半径方向/軸方向支持ブラケット126、128である。半径方向/軸方向支持ブラケット126、128の各ばねブロックは、図6に詳細を示すように、様々な数のばね134を含む。各半径方向/軸方向支持ブラケット126、128は、ブラケットハウジング138内に配置された多数のばね134を含む。各ばね134は、シャフト136によって予荷重がかけられ(圧縮され)、シャフト136は、ブラケットハウジング138内に摺動可能に配置され、接続差込部140において支持梁132(図2図4)と接続している。シャフト136はばね134と係合し、シャフト136がブラケットハウジング138に入出する際にばね134を圧縮・解放するように構成されている。各ブラケットシャフト136の移動を制限するシャフトトラベルピン142は、ブラケットシャフト136の回転も防止する。半径方向/軸方向支持ブラケット126、128は、支持ブラケットフランジ144によって外部キャニスタ120(図1図2図4)に取り付けることができる。多数の半径方向支持ブラケット126が炉心100の周囲に配置され(図1~4)、多数の軸方向支持ブラケット128が炉心100の両端に配置されることで、炉心100の半径方向および軸方向の望ましい支持を作り出す。半径方向/軸方向支持ブラケット126、128のばねブロックの予加重に対応する反力が、耐圧キャニスタ120の内壁に抗するように作用する。一態様では、ハウジング138、ブラケットフランジ144、シャフト136、およびシャフトトラベルピン142を含むブラケット本体は、304ステンレス鋼製であってよい。構造材は環境条件によって変更することもできる。
【0041】
図6は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、ベルビルワッシャースプリング(Belleville washer spring)134の斜視図である。一態様では、予荷重ばねブロックの半径方向/軸方向支持ブラケット126、128内のばねは、例えば、ベルビルワッシャースプリング134のような皿ばね(disc spring)であってもよい。ベルビルワッシャースプリング134は、複雑な部品に容易に加工できるニッケル・クロム材のような高強度、耐腐食性の時効硬化合金で作ることができる。一態様では、ベルビルワッシャースプリング134はアロイ718材で作られている。図5および図6を参照すると、半径方向/軸方向支持ブラケット126、128は、他の様々な構成を採用し得るので、開示された状況に限定されるべきではない。ブラケットハウジング138またはブラケット本体の他の態様は、シャフトトラベルピン142を有するシャフト136を介して圧縮状態になったベルビルワッシャースプリング134を収容するように構成されている。ベルビルワッシャースプリング134の本数と、ばねを構成するベルビルワッシャー146の数は様々である。ベルビルワッシャー146は、座金(ワッシャー)にばね(スプリング)としての特徴を付与する錐形になっている。個々の部品の寸法も変えることができる。構造材も環境条件によって変更可能である。様々な態様において、ベルビルワッシャー146は、座金(ワッシャー)のような形状のばね(スプリング)の一種である。ベルビルワッシャースプリング134は、円錐皿ばね(coned-disc spring)、円錐ばね座金(conical spring washer)、皿ばね(disc spring)、ベルビルスプリング(Belleville spring)、またはカップ状ばね座金(cupped spring washer)と呼ばれることがあり、その軸に沿って静的または動的に荷重をかけることができる円錐シェルを備える。
【0042】
半径方向/軸方向支持ブラケット126、128の数、および予荷重ばね134の特性は、「製造時の」予荷重力が1gから10gの加速度に対応する範囲になるように選択できることが理解されよう。一態様では、熱膨張および照射によって誘発される幾何形状および寸法の変化を勘案したうえで、ばね134パックのたわみによって、炉心100、キャニスタ120、および半径方向/軸方向炉心支持システム125、127の構成部品間の膨張差は十分に補償可能である。
【0043】
図7は、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様に基づく、図1~4に示す原子炉炉心100の斜視縦断面図である。炉心100は、炉心機械的支持システムを含み、当該炉心機械的支持システムは、図中で示すように、軸方向(L)および半径方向(R)に作用する半径方向/軸方向支持ブラケット126、128を含む半径方向/軸方向炉心支持システム125、127を含む。この構成において、炉心100は、黒鉛炉心ブロック130、燃料棒(図示せず)、ヒートパイプ(図示せず)、および定置半径方向反射体106から組み立てられており、それらは加圧キャニスタ120内に配置されている。予荷重ばねを備える一連の半径方向支持ブラケット126を含む半径方向炉心支持システム125が梁132を介して炉心構成機器と接続することにより、荷重が半径方向に均一に分散される。予荷重ばねを備える一連の軸方向支持ブラケット128を含む軸方向炉心支持システム127がプレート148と接続することにより、荷重が軸方向に均一に分散される。軸方向支持ブラケット128は、シャフト136および/または差込部140を介してプレート148と係合可能である。
【0044】
図5~7を参照すると、半径方向炉心支持システム125は、予荷重ばねを備える一連の半径方向支持ブラケット126を含み、半径方向支持ブラケット126が梁132を用いて炉心100構成機器と接続することにより、荷重が均一に分散される。半径方向支持ブラケット126は、炉心100に沿って配置され、キャニスタ120の壁面上に、軸方向および周方向に均一に分布している。半径方向支持ブラケット126は、その片側が、フランジ144によってキャニスタ120の壁に取り付けられている。半径方向支持ブラケット126の反対側は、キャニスタ120内の炉心100の軸方向(L)の長さに沿って配置された梁132と接続する。梁132は、炉心100に摺動可能に接続されることにより、黒鉛炉心ブロック130構成部品、キャニスタ120、および半径方向支持ブラケット126と、ばね134パックとの間の膨張差を受け入れられるようにする。半径方向ブラケット126のハウジング138内に配置されるばね134パックの数と特性は、要求される予荷重、予想される外部荷重、および半径方向の熱膨張差と照射誘発効果による複合的な寸法変化に基づいて選択される。
【0045】
引き続き図5~7を参照すると、軸方向支持ブラケット128は、キャニスタ隔壁122、124に取り付けられ、プレート148越しに炉心黒鉛ブロック130に力を及ぼす。軸方向支持ブラケット128とプレート148との間の摺動界面が、炉心黒鉛ブロック130とキャニスタ120との間の膨張差を受け入れる。軸方向ブラケット128のハウジング138内に配置されるばね134パックの数と特性は、要求される予荷重、予想される外部荷重、および軸方向の熱膨張差と照射誘発効果による複合的な寸法変化に基づいて選択される。
【0046】
本願に記載された主題の様々な態様を、以下の付番された実施例にて記載する。
【0047】
[実施例1]原子炉炉心機械的支持ブラケットであって、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに原子炉炉心構成機器と接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを原子炉のキャニスタに取り付けるためのフランジとを含む原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0048】
[実施例2]前記差込部が、原子炉炉心の長さに沿って軸方向に配置された支持梁に接続するように構成されている、実施例1に記載の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0049】
[実施例3]前記差込部が、原子炉炉心のいずれかの端部に配置されたプレートに接続するように構成されている、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0050】
[実施例4]前記ばねが、皿ばね座金を含む皿ばねである、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0051】
[実施例5]複数の皿ばねを備え、当該複数の皿ばねの各々は積み重ねられた複数の皿ばね座金を含む、実施例4に記載の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0052】
[実施例6]前記ハウジングがステンレス鋼製である、実施例1~5のいずれか1つに記載の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0053】
[実施例7]前記ばねがアロイ718製である、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載の原子炉炉心機械的支持ブラケット。
【0054】
[実施例8]原子炉であって、炉心と、当該炉心をその内部に封じ込めるためのキャニスタと、当該キャニスタに取り付けられるように構成された炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心機械的支持システムは、当該炉心を半径方向に支持する半径方向炉心機械的支持システムと、当該炉心を軸方向に支持する軸方向炉心機械的支持システムとを含むことを特徴とする原子炉。
【0055】
[実施例9]実施例8に記載の原子炉であって、前記キャニスタ内に配置された半径方向反射体と、前記キャニスタの内壁と当該半径方向反射体との間に配置された支持梁であって、前記炉心の長さに沿って軸方向に配置された支持梁とを含み、前記半径方向炉心機械的支持システムは当該支持梁と接続するように構成された半径方向支持ブラケットを含むことを特徴とする原子炉。
【0056】
[実施例10]実施例9に記載の原子炉であって、前記半径方向支持ブラケットが、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに当該支持梁と接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含むことを特徴とする原子炉。
【0057】
[実施例11]前記炉心の各端部に配置されたプレートをさらに含み、前記軸方向炉心機械的支持システムが当該プレートと接続するように構成されている、実施例8~10のいずれか1つ以上に記載の原子炉。
【0058】
[実施例12]実施例11に記載の原子炉であって、前記軸方向炉心機械的支持システムが、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに前記プレートと接続するように構成されたシャフトを含むシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含むことを特徴とする原子炉。
【0059】
[実施例13]前記シャフトは、前記プレートと係合するように構成された差込部を備える、実施例12に記載の原子炉。
【0060】
[実施例14]前記半径方向炉心機械的支持システムおよび前記軸方向炉心機械的支持システムは、1g~10gの加速度に対応する範囲の力を予めかけることで前記炉心を軸方向に支持するように構成されている、実施例8~13のいずれか1つ以上に記載の原子炉。
【0061】
[実施例15]原子炉であって、炉心と、当該炉心をその内部に封じ込めるためのキャニスタと、当該キャニスタに取り付けられるように構成された炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心機械的支持システムは、当該炉心を半径方向に支持する半径方向炉心機械的支持システムと、当該炉心を軸方向に支持する軸方向炉心機械的支持システムとを含み、当該炉心はさらに、当該キャニスタ内に配置された半径方向反射体と、当該キャニスタの内壁と当該半径方向反射体との間に配置され、当該炉心の長さに沿って軸方向に配置された支持梁であって、当該半径方向炉心機械的支持システムは当該支持梁と接続するように構成された半径方向支持ブラケットを備えることを特徴とする支持梁と、当該炉心の各端部に配置されたプレートであって、当該軸方向炉心機械的支持システムは当該プレートと接続するように構成されているプレートとを含み、当該半径方向支持ブラケットと当該軸方向支持ブラケットはそれぞれ、ハウジングと、当該ハウジング内に配置されたばねと、当該ハウジング内に摺動可能に配置され、当該ハウジングに入出する際に当該ばねを圧縮・解放するように当該ばねに係合するシャフトであって、さらに当該支持梁または当該プレートと接続するように構成された差込部を備えるシャフトと、当該シャフトの移動を制限するシャフトトラベルピンと、当該支持ブラケットを当該キャニスタに取り付けるためのフランジとを含むことを特徴とする原子炉。
【0062】
[実施例16]前記シャフトは、前記支持梁または前記プレートと係合するように構成された差込部を備える、実施例15に記載の原子炉。
【0063】
[実施例17]前記半径方向炉心機械的支持システムおよび前記軸方向炉心機械的支持システムは、1g~10gの加速度に対応する範囲の力を予めかけることで前記炉心を軸方向に支持するように構成されている、実施例15~16のいずれか1つ以上に記載の原子炉。
【0064】
本開示に記載され、添付の図面に例示されているような態様の全体的構造、機能、製造、および使用について深く理解できるよう、数多くの具体的な詳細事項を記載する。本開示に記載された態様が不明瞭になることを避けるため、よく知られた操作、構成部品、および要素については詳述しない。読者においては、本願で説明および図示する態様が非限定的な例であり、したがって、本願で開示する特定の構造および機能の詳細が代表的かつ例示的であり得ることを理解されたい。これらの実施形態は、本願の特許請求の範囲から逸脱することなく変形・変更される可能性がある。また、前方、後方、左、右、上方へ、下方へなどの用語は便宜的に使用するものであり、限定的に解釈するものでないことを理解されたい。
【0065】
本開示において、同一参照記号は、いくつかの図面を通して同一のまたは対応する部品を指すものである。
【0066】
本願で言及したすべての特許、特許出願、刊行物、または他の開示資料は、各々の参考文献が参照により明示的に本願に組み込まれるように、その全体が参照により本願に組み込まれる。本願で参照により組み込まれると記述されたすべての参考文献およびあらゆる資料またはそれらの一部分は、本願に記載された既存の定義、言明、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本願に組み込まれる。したがって、本願に記載の開示事項は、必要な範囲において、それと矛盾のある、参照により本願に組み込まれた資料に取って代わり、本願に明示的に記載された開示事項が優先する。
【0067】
本開示を、様々な実施例および例示的な態様を参照して説明してきた。本願に記載の態様は、開示した発明の様々な態様の様々な詳細度の例示的な特徴を示すものとして理解されたい。したがって、特段の指定がない限り、可能な範囲において、開示した態様における1つ以上の特徴、要素、構成部品、構成要素、成分、構造物、モジュールおよび/または局面は、開示した発明の範囲から逸脱することなく、当該開示した態様における他の1つ以上の特徴、要素、構成部品、構成要素、成分、構造物、モジュールおよび/または局面との間で、複合、分割、置換えおよび/または再構成が可能であることを理解されたい。したがって、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な態様のいずれにおいても様々な置換え、変更または組み合わせが可能であることを理解するであろう。当業者はまた、本開示を検討すれば、本願に記載された本発明の様々な態様に対する多くの均等物を認識するであろう。あるいは単に定常的な実験を用いてかかる均等物を確認できるであろう。したがって、本開示は、様々な態様の説明によってではなく、特許請求の範囲によって限定される。
【0068】
通常、本願において、特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、一般に「非限定的(open)」な用語として意図されているということを当業者は理解するであろう(例えば、用語「含めて(including)」は「含めるがそれに限定しない」と解釈し、用語「有する(having)」は「少なくとも~を有する」と解釈し、用語「含む(includes)」は「含むがそれに限定しない」と解釈すべきである等)。さらに当業者は、導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は当該請求項において明示的に記載されるものであり、かかる記載がない場合、かかる意図は存在しないものと理解するであろう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、請求項の記載事項の導入のために、「少なくとも1つ(at least one)」および「1つ以上(one or more)」という導入句を使用する場合がある。しかしながら、そのような句の使用は、「a」または「an」という不定冠詞によって請求項の記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」または「少なくとも1つの」といった導入句と「a」または「an」といった不定冠詞が共に含まれる場合であっても、かかる導入された請求項の記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つだけ含む請求項に限定されることが示唆される、と解釈すべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、通常、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈すべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するために定冠詞を使用している場合にも当てはまる。
【0069】
また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、通常「少なくとも記載された数」を意味すると解釈すべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語を伴わずに「2つの記載事項(two recitations)」が記載されている場合、通常少なくとも2つの記載事項、または2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどの少なくとも1つ」に類似する慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、ならびに/またはAとBとCのすべてなどを有するシステムを含むが、それらに限定されない)。また、「A、B、またはCなどの少なくとも1つ」に類似する慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、ならびに/またはAとBとCのすべてなどを有するシステムを含むが、それらに限定されない)。一般的に、2つ以上の選択的な用語を表す選言的な語および/または句は、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、当該用語のうちの1つ、当該用語のいずれか、または当該用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることも、当業者には理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、一般的に「A」、「B」、または「AおよびB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0070】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者であれば、そこに記載された動作は一般的に任意の順序で実行され得ることを理解するであろう。また、請求項の記載はシーケンスで示されているが、様々な動作は、記載されている順序とは別の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよいことが理解されよう。そのような代替の順序付けの例として、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、重複、割り込み、中断、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、またはその他の順序付けを含んでもよい。さらに、「~に応答する(responsive to)」、「~に関連する(related to)」といった用語や他の過去時制の形容詞は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、一般にかかる変化形を除外するように意図するものではない。
【0071】
「一態様(one aspect)」、「ある態様(an aspect)」、「ある実施例(an exemplification)」、「一実施例(one exemplification)」などへの参照は、その態様に関連して記載される特定の特徴物、構造、または特性が少なくとも1つの態様に含まれることを意味することは、特記に値する。したがって、本開示の全体を通じて様々な箇所に見られる句「一態様では(in one aspect)」、「ある態様では(in an aspect)」、「ある実施例では(in an exemplification)」、および「一実施例では(in one exemplification)」は、必ずしもすべてが同じ態様を指すものではない。さらに、特定の特徴物、構造、または特性は、1つ以上の態様において任意の適当な様式で組み合わせることができる。
【0072】
本願に使用する「a」、「an」および「the」に先導される単数形は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、複数形をも包含する。
【0073】
非限定的な例として、本願で使用する頂部、底部、左、右、下方、上方、前、後ろ、およびそれらの変形例などの方向性を示唆する語句は、添付図面に示す要素の幾何学的配置に関連するものであり、特段の記載がない限り、本願の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0074】
本開示で使用される「およそ(about)」または「約(approximately)」という用語は、特に指定がない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容誤差を意味し、これは値がどのように測定または決定されるかに依存する面がある。特定の態様において、用語「およそ」または「約」は、標準偏差の1、2、3、または4倍の範囲内を意味する。特定の態様において、用語「およそ」、または「約」は、所定の値から50%、200%、105%、100%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.05%以内の範囲を意味する。
【0075】
本開示では、特に断らない限り、すべての数値パラメータは、すべての場合において「約」という用語によって前置き・修正されていると理解されたい。ここに、数値パラメータは、パラメータの数値を求めるために使用される基礎的な測定技術に特有の変動特性を有している。最低限のこととして、また均等論の適用を特許請求の範囲に限定する意図はないが、本願に記載された各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数を勘案し、通常の丸め手法を適用して解釈するべきである。
【0076】
本願で記載するあらゆる数値範囲は、記載の範囲に内包されるすべての断片的部分を含むものとする。例えば、「1~100」という範囲は、記載された最小値1と最大値100との間(最小値と最大値を内包)のすべての断片的部分を含む。すなわち、最小値は1以上、最大値は100以下である。また、本願に記載されたすべての範囲は、記載された範囲の端点を含むものとする。例えば、「1~100」の範囲には、端点の1と100が含まれる。本開示に記載されている最大の限度値は、そこに包摂されるすべての下位の限度値を含むことを意図しており、本開示に記載されている最小の限度値は、そこに包摂されるすべての上位の限度値を含むことを意図している。したがって、出願人は、特許請求の範囲を含む本開示を修正し、明示的に記載された範囲に包摂される任意の部分的範囲を明示的に記載する権利を有する。そのような範囲はすべて、本開示に内在的に記載されているものである。
【0077】
本開示で参照され、かつ/または任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、または他の開示資料は、組み込まれる資料が本願と矛盾しない範囲で、参照により本願に組み込まれる。そのため、必要な範囲において、本願に明瞭に記載された開示内容は、それと矛盾のある、参照により本願に組み込まれた資料に優先するものとする。既存の定義、見解、または本願に記載されたその他の開示内容と矛盾する任意の内容またはその一部は、参照により本願に組み込まれるが、組み込まれる内容と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0078】
「含む、備える(comprise)」の語およびその派生語(「comprises」、「comprising」など)、「有する(have)」の語およびその派生語(「has」、「having」など)、「含む(include)」の語およびその派生語(「includes」、「including」など)、「包有する(contain)」の語およびその派生語(「contains」、「containing」など)は、非限定的な連結動詞である。すなわち、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、または「包有する」システムは、当該1つ以上の要素を有しているが、当該1つ以上の要素のみを有することに限定されるものではない。同様に、1つ以上の特徴物を「備えている」、「有する」、「含む」、または「包有する」システム、装置、または機器の要素は、当該1つ以上の特徴物を有しているが、当該1つ以上の特徴物のみを有することに限定されるものではない。
【0079】
要約すると、本願に記載された概念を採用することによって得られる多くの利点を記載してきた。1つ以上の形態に関する上述の記載は、例示と説明の目的で提示したものであり、開示された正確な形態を網羅的または限定的に示すことを意図するものではない。上記の教示に照らして、改修または変形が可能である。当該1つ以上の形態は、原理および実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な改修例と共に、想到される特定の用途に適するものとして、当業者が利用できるようにするために選択・説明したものである。本願と共に提示される特許請求の範囲によって、全体的な範囲が定義されることを意図している。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】