(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/12 20210101AFI20240124BHJP
G02B 6/132 20060101ALI20240124BHJP
G02B 6/136 20060101ALI20240124BHJP
G02B 6/124 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H01S5/12
G02B6/132
G02B6/136
G02B6/124
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544718
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2022087169
(87)【国際公開番号】W WO2023040256
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111083202.3
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515034895
【氏名又は名称】ジョンシャン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】SUN YAT-SEN UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】▲ユ▼穎
(72)【発明者】
【氏名】楊▲ヂゥオ▼輝
(72)【発明者】
【氏名】劉林
(72)【発明者】
【氏名】余思遠
【テーマコード(参考)】
2H147
5F173
【Fターム(参考)】
2H147AB04
2H147BA05
2H147BC05
2H147CA11
2H147EA12C
2H147EA13B
2H147FC03
2H147FF02
2H147FF05
5F173AB13
5F173AB25
5F173AP33
5F173AR94
5F173AR99
(57)【要約】
本発明は、エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル材料の側壁回折格子の高再現性製造を解決して確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法を開示し、エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、所定の幾何学的形状の導波路構造の基板を得るステップと、得られた基板において低屈折率絶縁薄膜層を堆積させるステップと、絶縁薄膜層において高屈折率誘電体薄膜を堆積させるステップと、誘電体薄膜においてフォトエッチングを行い、側壁回折格子形態のフォトレジストパターンを作成するステップと、得られたフォトレジストパターンにおいて誘電体薄膜のエッチング及びフォトレジスト除去を行い、レーザーの誘電体側壁回折格子を製造し、更に、DFBレーザーを製造するステップとを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法であって、
エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、所定の幾何学的形状の導波路構造の基板を得るステップS1と、
ステップS1で得られた基板において低屈折率絶縁薄膜層を堆積させるステップS2と、
絶縁薄膜層において高屈折率誘電体薄膜を堆積させるステップS3と、
誘電体薄膜においてフォトエッチングを行い、側壁回折格子形態のフォトレジストパターンを作成するステップS4と、
ステップS4で得られたフォトレジストパターンにおいて誘電体薄膜のエッチング及びフォトレジスト除去を行い、レーザーの誘電体側壁回折格子を製造し、誘電体側壁回折格子を使用してDFBレーザーを製造するステップS5とを含むことを特徴とする、誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項2】
ステップS1では、ドライエッチング及びフォトレジスト除去によって得られた所定の幾何学的形状の導波路構造の基板は、ゼロfootingの、幾何学的寸法が確定された導波路構造の基板であり、前記所定の幾何学的形状は正台形であり、所定の幾何学的形状の導波路構造の基板における導波路構造の正台形の内角の角度は60~85°であり、この角度は、コーナーfootingの高さが100nm未満の場合に役立つことを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項3】
ステップS1の具体的な過程は、
エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、露光制御プロセス又は後処理方式により、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、ゼロfootingの、寸法が確定可能な所定の幾何学的形状の導波路構造の基板を得ることであることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項4】
ステップS1の前記エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板は、GaAs系、GaSb系及びGaNレーザー材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項5】
所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンの角度は60~80°であり、露光制御プロセスパラメータ及び後処理方式は、露光線量、現像時間、ポストベークリフロー又はプラズマドライ処理を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項6】
前記ドライエッチングプロセスパラメータは、プロセスガス流量、圧力、プラズマ濃度、バイアス電圧の大きさ又はサンプル温度を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項7】
ステップS2で堆積された絶縁薄膜の厚さは50nm未満であり、堆積された絶縁薄膜は低屈折率誘電体材料であり、前記低屈折率誘電体材料の屈折率は2未満であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項8】
ステップS3で堆積された誘電体薄膜は300mm未満であり、堆積された誘電体薄膜は高屈折率誘電体材料であり、前記高屈折率誘電体材料の屈折率は2を超えることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項9】
ステップS4の前記回折格子の設計は、回折格子周期、デューティ比、回折格子の長さ及びリッジ導波路位置の回折格子寸法の補正を含み、露光調整プロセスは、全体的な露光線量の調整及び局所的な露光線量の最適化を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【請求項10】
ステップS5で製造された誘電体側壁回折格子は、一次回折格子又は三次回折格子であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の技術分野に関し、より具体的には、誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の工業用バッチで製造された分布帰還型(DFB)レーザーは、まず、頂部回折格子を製造し、次に、二次エピタキシーを行うという方法によって製造されるものであり、この方法によって製造されたDFBレーザーが完了すると、後で波長と間隔を調整することができず、二次エピタキシーが欠陥をもたらしやすく、非放射性再結合及びキャリアの漏れなどを引き起こし、その結果、レーザーの性能を低下させる。側壁エッチング回折格子は、エピタキシャル材料の成長後にエピタキシャル材料の特性に応じて回折格子を微調整することができ、また、連続的に隣接するレーザーが異なる波長を出力し、即ち、多波長レーザーアレイを使用し、エピタキシャル材料の特性を十分に考慮する。このレーザーアレイは、複数のレーザーのパッケージング寸法及びパッケージングコストを大幅に削減し、パッケージング精度を向上させ、レーザー出力の正確な位置合わせを必要とする光モジュールなどの適用に役立つ。
【0003】
一方、導波路及び側壁回折格子の単一露光による製造方法もある。しかし、DFB側壁回折格子の特徴的寸法に対する要件が低いため、該回折格子領域のドライエッチング過程においてプラズマが内部に拡散する時間、反応生成物が外部に拡散する時間は長くなり、その結果、回折格子領域のエッチング深さと導波路全体の外のエッチング深さとの間に大きな差があり、即ち、エッチングfooting現象(約200~300nm)が生じ、導波路の縁にあるコア回折格子領域の形態に深刻な影響を与える。高いフィードバック強度の下でシングルモードレージングを実現するには、エッチングの深さに厳しい要件がある。エッチングの深さが浅すぎると、フィードバック強度が弱くなり、シングルモード特性が弱くなり、エッチングの深さが深すぎると、footingのために縁位置のエッチング界面が活性層領域まで延在し、大量の表面状態と欠陥が現れ、その結果、閾値が向上し、電力が低下し、モードホッピング現象が発生する。台形リッジ導波路は、フォトレジスト形態とプラズマエッチングプロセスを調整することにより、エッチング側壁角度を90°から60~85°に調整し、footingを100nm未満に低下させることができ、その結果、エッチング深さを正確に制御し、側壁の縁の回折格子の形態を改善し、回折格子のフィードバック強度の正確な制御を実現することができる。
【0004】
なお、側壁回折格子には、金属回折格子によって製造するという解決策もある。該解決策は、主に回折格子のフォトレジストパターンを露光し、次に金属を蒸着し、最後にフォトレジスト上の金属を剥離することによって製造することである。高密度で微細な一次回折格子(回折格子の特徴的幅が約100nm)の場合、金属回折格子は多くの場合、高品質で安定した剥離が困難であり、プロセスの安定性が低く、不良率が高くなる。同時に、金属回折格子は光を強く吸収するため、閾値が高くなり、出力が低下し、スロープ効率が低下する。
【0005】
従来技術では、2018年11月13日に出願された中国特許出願公開第108808442号の中国特許出願は、多波長分布帰還型半導体レーザーアレイ及びその製造方法を開示し、ここで、多波長分布帰還型半導体レーザーアレイは、回折格子、導波路及び出力光ファセットを含み、ここで、回折格子は横結合表面回折格子、導波路はリッジ導波路、ファセットはエッチングによって形成されたファセットである。該解決策は、分布帰還型半導体レーザーに関するが、既存の横結合表面回折格子DFBレーザーアレイがFP縦モード共振器の干渉を受けやすく、縦モード選択能力が弱く、波長制御が精度、低コスト、横モード分布の一貫性のバランスを取るのが難しいという問題を解決し、それは、確定的結合係数の回折格子設計及びプロセス最適化に関するものではない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記の従来のDFBレーザーアレイの設計柔軟性が十分でなく、確定的回折格子結合係数のDFBレーザーを実現できないという欠陥を克服するために、誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法を提供する。
【0007】
本発明の主な目的は、上記の技術的問題を解決することであり、本発明の技術的解決策は、以下のとおりであり、
誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法は、
エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、所定の幾何学的形状の導波路構造の基板を得るステップS1と、
ステップS1で得られた基板において低屈折率絶縁薄膜層を堆積させるステップS2と、
絶縁薄膜層において高屈折率誘電体薄膜を堆積させるステップS3と、
誘電体薄膜においてフォトエッチングを行い、側壁回折格子形態のフォトレジストパターンを作成するステップS4と、
ステップS4で得られたフォトレジストパターンにおいて誘電体薄膜のエッチング及びフォトレジスト除去を行い、レーザーの誘電体側壁回折格子を製造し、誘電体側壁回折格子を使用してDFBレーザーを製造するステップS5とを含む。
【0008】
更に、ステップS1では、ドライエッチング及びフォトレジスト除去によって得られた所定の幾何学的形状の導波路構造の基板は、ゼロfootingの、幾何学的寸法が確定された導波路構造の基板であり、前記所定の幾何学的形状は正台形であり、所定の幾何学的形状の導波路構造の基板における導波路構造の正台形の内角の角度は60~85°であり、この角度は、コーナーfootingの高さが100nm未満の場合に役立ち、同時に、回折格子結合係数をより正確に推定することに役立つ。
【0009】
更に、ステップS1の具体的な過程は、
エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、露光制御プロセス又は後処理方式により、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、ゼロfootingの、寸法が確定可能な所定の幾何学的形状の導波路構造の基板を得ることである。
【0010】
更に、ステップS1の前記エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板は、GaAs系、GaSb系及びGaNレーザー材料を含む。
【0011】
更に、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンの角度は60~80°であり、露光制御プロセスパラメータ及び後処理方式は、露光線量、現像時間、ポストベークリフロー又はプラズマドライ処理を含む。
【0012】
更に、前記ドライエッチングプロセスパラメータは、プロセスガス流量、圧力、プラズマ濃度、バイアス電圧の大きさ又はサンプル温度を含む。
【0013】
更に、ステップS2で堆積された絶縁薄膜の厚さは50nm未満であり、堆積された絶縁薄膜は低屈折率誘電体材料であり、前記低屈折率誘電体材料の屈折率は2未満である。
【0014】
更に、ステップS3で堆積された誘電体薄膜は300mm未満であり、堆積された誘電体薄膜は高屈折率誘電体材料であり、前記高屈折率誘電体材料の屈折率は2を超える。
【0015】
更に、ステップS4の前記回折格子の設計は、回折格子周期、デューティ比、回折格子の長さ及びリッジ導波路位置の回折格子寸法の補正を含み、露光調整プロセスは、全体的な露光線量の調整及び局所的な露光線量の最適化を含む。
【0016】
更に、ステップS5で製造された誘電体側壁回折格子は、一次回折格子又は三次回折格子である。
【0017】
従来技術に比べて、本発明の技術的解決策の有益な効果は以下のとおりであり、
本発明は、誘電体側壁回折格子を導入することにより、従来の埋め込み構造の回折格子の二次エピタキシーによって引き起こされるプロセスの複雑さ及び汚染のリスクを回避する。DFBレーザーアレイの設計柔軟性を更に向上させ、エピタキシャルウェハの有効性と多波長アレイの実現に役立ち、同時に、エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル材料の側壁回折格子の高再現性製造を解決し、確定的回折格子結合係数のDFBレーザーを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの構造概略図である。
【
図2】本発明の誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法のフロー図である。
【
図3】本発明の実施例によるフォトレジストで被覆された低footingの正台形傾斜導波路構造のSEM図である。
【
図4】本発明の実施例による側壁回折格子形態のフォトレジストパターンのSEM図である。
【
図5】本発明の実施例によって得られたDFBレーザーの誘電体回折格子(アモルファスシリコンを一例にとする)構造のSEM図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明確にするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明をより詳細に説明する。なお、衝突がないという条件で、本願の実施例及び実施例の特徴は、相互に組み合わせることができる。
【0020】
以下の説明では、本発明を完全に理解するために、多数の詳細が記載され、しかし、本発明は、ここで説明した以外の方法で実施することもでき、従って、本発明の保護範囲は、以下に開示される具体的な実施例によって限定されない。
【0021】
(実施例1)
図1に示すように、誘電体側壁回折格子に基づいた確定的回折格子結合係数のDFBレーザーの製造方法は、以下のステップを含み、
S1、エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、所定の幾何学的形状の導波路構造の基板を得て、
なお、具体的な実施例では、前記幾何学的形状は、正台形であり得、具体的な処理過程は、以下のとおりであり、エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板においてフォトエッチングを行い、露光制御プロセス又は後処理方式により、正台形の導波路形態のフォトレジストパターンを得た後、ドライエッチング及びフォトレジスト除去を行い、ゼロfootingの、寸法が確定可能な正台形の導波路構造の基板を得て、得られたゼロfootingの前記導波路構造は、DFBレーザーの回折格子結合係数を正確に推定するために使用される。
図3に示す。
【0022】
なお、正台形の導波路構造を設計してゼロfootingの導波路を取得し、寸法を確定することにより、回折格子と活性領域の光学場との相互作用を確定することに役立つ。
【0023】
ステップS1の前記エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル基板は、GaAs系、GaSb系及びGaNレーザー材料を含み、分離制限層はAl元素を含むため、エッチング時に活性領域の上方まで正確に停止することができない。
【0024】
更に、所定の幾何学的形状の導波路形態のフォトレジストパターンの角度は60~80°であり、露光制御プロセスパラメータ及び後処理方式は、露光線量、現像時間、ポストベークリフロー又はプラズマドライ処理を含み、
前記所定の幾何学的形状の導波路構造の基板における導波路構造の正台形の内角の角度は60~85°であり、この角度は、コーナーfootingの高さが100nm未満の場合に役立ち、回折格子結合係数をより正確に推定することにも役立つ。
【0025】
更に、前記ドライエッチングプロセスパラメータは、プロセスガス流量、圧力、プラズマ濃度、バイアス電圧の大きさ又はサンプル温度を含む。
【0026】
S2、ステップS1で得られた基板において低屈折率絶縁薄膜層を堆積させ、
なお、本ステップで堆積された絶縁薄膜の厚さは50nm未満であり、堆積された絶縁薄膜は低屈折率誘電体材料であり、前記低屈折率誘電体材料の屈折率は2未満であるため、回折格子と活性領域の光学場との結合に役立ち、更に、それを変調する。
【0027】
S3、絶縁薄膜層において高屈折率誘電体薄膜を堆積させ、
なお、ステップS3で堆積された誘電体薄膜は300mm未満であり、堆積された誘電体薄膜は、アモルファスシリコン及びシリコンリッチ窒化シリコンなどの高屈折率誘電体材料であり、前記高屈折率誘電体材料の屈折率は2を超える。
【0028】
本発明は、高屈折率誘電体材料(アモルファスシリコン、シリコンリッチ窒化シリコンなど)を導入することにより、プロセスの製造精度を高め、金属回折格子によって導入される吸収損失を回避する。
【0029】
S4、誘電体薄膜においてフォトエッチングを行い、側壁回折格子形態のフォトレジストパターンを作成する。
図4に示す。
【0030】
前記回折格子の設計は、回折格子周期、デューティ比、回折格子の長さ及びリッジ導波路位置の回折格子寸法の補正を含み、露光調整プロセスは、全体的な露光線量の調整及び局所的な露光線量の最適化を含む。
【0031】
S5、ステップS4で得られたフォトレジストパターンにおいてエッチング及びフォトレジスト除去を行い、レーザーの誘電体側壁回折格子を製造し、誘電体側壁回折格子を使用してDFBレーザーを製造する。
図5に示す。
【0032】
ステップ5で製造されたアモルファスシリコン回折格子は、一次回折格子又は三次回折格子であり、導波路の寸法と誘電体回折格子の寸法が確定可能なので、確定的回折格子結合係数のレーザーデバイスを製造することができ、具体的な実施例では、得られた誘電体側壁回折格子は、既存のプロセスフローを使用してDFBレーザーを製造するために使用され得、前記既存のプロセスフローは、平坦化、P面電極製造、基板薄化、N面電極製造及びアニーリングによるオーミックコンタクトを含む。
【0033】
本発明によって提供される誘電体側壁回折格子は、エッチングによって形成されるものであり、高品質で微細で安定した一次回折格子又は三次回折格子を得ることができ、高密度波長分割多重化のための超小型回折格子周期間隔を実現することができる(隣接する波長の回折格子の特徴的寸法が2nm未満)。
【0034】
本発明は、エッチング停止層のないレーザーエピタキシャル材料(GaAs、GaSb、GaN系)の側壁回折格子の高再現性製造を解決し、確定的回折格子結合係数のDFBレーザーを実現し、DFBレーザーアレイの設計柔軟性を更に向上させ、エピタキシャルウェハの有効性と多波長アレイの実現に役立つ。
【0035】
明らかに、本発明の上記実施例は、本発明を明確に説明するための単なる例であり、本発明の実施形態を限定することを意図するものではない。当業者にとって、上記説明に基づいて他の異なる形式の変更又は修正を行うこともできる。ここでは全ての実施形態を網羅する必要はなく、網羅することもできない。本発明の精神及び原則の範囲内で行われた修正、同等の交換及び改良などは、本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】