(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】メチルピラゾール置換ピリドイミダゾール系化合物の結晶及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20240124BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20240124BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
C07D471/04 108Q
C07D471/04 CSP
A61K31/444
A61P35/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544759
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2022074076
(87)【国際公開番号】W WO2022161408
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110106007.1
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520255698
【氏名又は名称】シージーンテック (スーチョウ, チャイナ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チョンシア
(72)【発明者】
【氏名】タイ、メイピー
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シューホイ
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA01
4C065AA03
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH02
4C065JJ01
4C065KK02
4C065LL01
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4C065PP09
4C065PP12
4C065QQ04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
メチルピラゾール置換ピリドイミダゾール系化合物の結晶及びその製造方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)で表される化合物。
【化1】
【請求項2】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:7.65±0.20°、17.70±0.20°、24.02±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のA型結晶。
【化2】
【請求項3】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:7.65±0.20°、16.84±0.20°、17.70±0.20°、20.10±0.20°、20.91±0.20°、24.02±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項2に記載のA型結晶。
【請求項4】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:7.65±0.20°、16.84±0.20°、17.70±0.20°、20.10±0.20°、20.91±0.20°、24.02±0.20°、24.98±0.20°、26.60±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項3に記載のA型結晶。
【請求項5】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:7.649°、12.713°、16.841°、17.695°、20.100°、20.912°、24.018°、24.976°、26.599°、28.076°において特徴的な回折ピークを有する、請求項4に記載のA型結晶。
【請求項6】
XRPDパターンが
図1に示された通りである、請求項5に記載のA型結晶。
【請求項7】
示差走査熱量曲線が283.9±3.0℃において一つの吸熱ピークのピーク値を示す、請求項2~請求項6のいずれか一項に記載のA型結晶。
【請求項8】
DSCパターンが
図2に示された通りである、請求項7に記載のA型結晶。
【請求項9】
熱重量分析曲線は200.0±3.0℃において0.955%の重量減少を示す、請求項2~請求項6のいずれか一項に記載のA型結晶。
【請求項10】
TGAパターンが
図3に示された通りである、請求項9に記載のA型結晶。
【請求項11】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:6.75±0.20°、9.94±0.20°、23.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のB型結晶。
【請求項12】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:6.75±0.20°、9.94±0.20°、11.70±0.20°、17.52±0.20°、20.36±0.20°、23.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項11に記載のB型結晶。
【化3】
【請求項13】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:6.75±0.20°、9.94±0.20°、11.70±0.20°、14.38±0.20°、17.52±0.20°、18.95±0.20°、20.36±0.20°、23.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項12に記載のB型結晶。
【請求項14】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:6.75°、9.94°、11.70°、13.62°、14.38°、15.47°、17.52°、18.95°、20.36°、23.94°、25.34°、25.46°、26.93°、28.79°において特徴的な回折ピークを有する、請求項13に記載のB型結晶。
【請求項15】
XRPDパターンが
図4に示された通りである、請求項14に記載のB型結晶。
【請求項16】
示差走査熱量曲線はそれぞれ57.40±3.0℃及び296.86±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す、請求項11~請求項15のいずれか一項に記載のB型結晶。
【請求項17】
DSCパターンが
図5に示された通りである、請求項16に記載のB型結晶。
【請求項18】
熱重量分析曲線は150.0±3.0℃において10.53%の重量減少を示す、請求項11~請求項15のいずれか一項に記載のB型結晶。
【請求項19】
TGAパターンが
図6に示された通りである、請求項18に記載のB型結晶。
【請求項20】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:10.78±0.20°、13.64±0.20°、16.66±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のD型結晶。
【化4】
【請求項21】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:10.78±0.20°、13.64±0.20°、16.66±0.20°、19.63±0.20°、21.13±0.20°、25.40±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項20に記載のD型結晶。
【請求項22】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:5.51±0.20°、8.73±0.20°、10.78±0.20°、13.64±0.20°、16.66±0.20°、19.63±0.20°、21.13±0.20°、25.40±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項21に記載のD型結晶。
【請求項23】
粉末X線回折パターンが以下の2θ角:5.51°、8.10°、8.73°、10.78°、12.64°、13.64°、14.47°、14.92°、15.80°、16.66°、17.47°、19.03°、19.63°、21.13°、21.69°、22.02°、22.20°、23.84°、24.31°、25.40°、25.93°、26.28°、26.84°、27.41°、27.93°、29.10°、30.01°、30.78°、32.16°、32.78°、33.57°、38.41°において特徴的な回折ピークを有する、請求項22に記載のD型結晶。
【請求項24】
XRPDパターンが
図10に示された通りである、請求項23に記載のD型結晶。
【請求項25】
示差走査熱量曲線はそれぞれ27.1±3.0℃及び298.8±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す、請求項20~請求項24のいずれか一項に記載のD型結晶。
【請求項26】
DSCパターンが
図11に示された通りである、請求項25に記載のD型結晶。
【請求項27】
熱重量分析曲線は150.0±3.0℃において3.15%の重量減少を示す、請求項20~請求項24のいずれか一項に記載のD型結晶。
【請求項28】
TGAパターンが
図12に示された通りである、請求項27に記載のD型結晶。
【請求項29】
FGFR/VEGFRジキナーゼ阻害剤に関連する疾患を治療するための薬物の製造における、請求項1に記載の化合物又は請求項2~請求項10のいずれか一項に記載のA型結晶、請求項11~請求項19のいずれか一項に記載のB型結晶又は請求項20~請求項28のいずれか一項に記載のD型結晶の使用。
【請求項30】
前記FGFR/VEGFRジキナーゼ阻害剤に関連する薬物が固形腫瘍を治療するための薬物であることを特徴とする、請求項29に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチルピラゾール置換ピリドイミダゾール系化合物の結晶及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は以下の優先権を主張する。
CN202110106007.1、出願日:2021年01月26日。
線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、線維芽細胞増殖因子(FGF)に特異的に結合できる受容体タンパク質の一種であり、FGFRsファミリーには、FGFR1b、FGFR1c、FGFR2b、FGFR2c、FGFR3b、FGFR3c、FGFR4というタイプが含まれる。線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、生物学的シグナルを伝達し、細胞増殖を調節し、組織修復に関与する機能を持つ生理活性物質の一種である。FGFRの高発現、突然変異、融合などの異常が、例えば肝臓がん、膀胱がん、肺がん、乳がんなどの腫瘍の発生、進行を引き起こす可能性があることが臨床的に発見されている。FGFRはリガンドFGFに結合し、細胞内の複数のチロシン残基が自己リン酸化され、下流でシグナルが伝達され、MEK/MAPK、PLCy/PKC、PI3K/AKT、STATSなどが含まれる。したがって、FGFRは重要な抗腫瘍標的であると考えられている。
【0003】
VEGFRファミリーには、VEGFR-1、VEGFR-2(KDR)及びVEGFR-3という三つの特異的なチロシンキナーゼ受容体が含まれる。VEGFR-2は内皮細胞増殖を引き起こし、血管透過性効果を高め、血管新生を促進するVEGFのシグナル伝達の重要な調節因子であり、かつVEGFR-2とVEGFの親和性はVEGFR-1よりも高い。研究により、内皮細胞ではVEGFR-2のみが発現し、VEGFR-2の活性化が効率的に血管新生を刺激できることが示されている。したがって、VEGFR-2は抗血管新生薬の開発の主な標的である。
【0004】
VEGFRとFGFR経路は共同で血管新生における内皮細胞の活性化と生成を完了し、VEGFが血管新生促進効果を発揮するためにFGFの存在を必要とする場合がある。FGFRとVEGFR経路の相乗効果は、腫瘍の免疫回避を阻害し、腫瘍阻害効果を高めることもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(II)で表される化合物を提供する。
【化1】
【0006】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:7.65±0.20°、17.70±0.20°、24.02±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のA型結晶を提供する。
【0007】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.65±0.20°、16.84±0.20°、17.70±0.20°、20.10±0.20°、20.91±0.20°、24.02±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.65±0.20°、16.84±0.20°、17.70±0.20°、20.10±0.20°、20.91±0.20°、24.02±0.20°、24.98±0.20°、26.60±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.65±0.20°、17.70±0.20°、及び/又は24.02±0.20°、及び/又は16.84±0.20°、及び/又は20.10±0.20°、及び/又は20.91±0.20°、及び/又は24.98±0.20°、及び/又は26.60±0.20°、及び/又は12.71±0.20°、及び/又は28.08±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.649°、12.713°、16.841°、17.695°、20.100°、20.912°、24.018°、24.976°、26.599°、28.076°において特徴的な回折ピークを有する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶のXRPDパターンは
図1に示された通りである。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶のXRPDパターンの解析データは表1に示された通りである。
【0014】
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶の示差走査熱量曲線は283.9±3.0℃において一つの吸熱ピークのピーク値を示す。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶のDSCパターンは
図2に示された通りである。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶の熱重量分析曲線は200.0±3.0℃において0.955%の重量減少を示す。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、上記A型結晶のTGAパターンは
図3に示された通りである。
【0019】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:6.75±0.20°、9.94±0.20°、23.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のB型結晶を提供する。
【0020】
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.75±0.20°、9.94±0.20°、11.70±0.20°、17.52±0.20°、20.36±0.20°、23.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.75±0.20°、9.94±0.20°、11.70±0.20°、14.38±0.20°、17.52±0.20°、18.95±0.20°、20.36±0.20°、23.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.75°、9.94°、11.70°、13.62°、14.38°、15.47°、17.52°、18.95°、20.36°、23.94°、25.34°、25.46°、26.93°、28.79°において特徴的な回折ピークを有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶のXRPDパターンは
図4に示された通りである。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶のXRPDパターンの解析データは表2に示された通りである。
【0026】
【0027】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶の示差走査熱量曲線はそれぞれ57.40±3.0℃及び296.86±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶のDSCパターンは
図5に示された通りである。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶の熱重量分析曲線は150.0±3.0℃において10.53%の重量減少を示す。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態では、上記B型結晶のTGAパターンは
図6に示された通りである。
【0031】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:10.74±0.20°、13.64±0.20°、21.14±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のC型結晶を提供する。
【0032】
【0033】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:10.74±0.20°、13.64±0.20°、19.62±0.20°、21.14±0.20°、25.45±0.20°、25.96±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.70±0.20°、10.74±0.20°、13.64±0.20°、16.63±0.20°、19.62±0.20°、21.14±0.20°、25.45±0.20°、27.47±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.44°、8.70°、10.74°、13.64°、15.85°、16.63°、17.44°、19.62°、21.14°、21.61°、24.26°、25.45°、25.96°、27.47°、29.07°において特徴的な回折ピークを有する。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶のXRPDパターンは
図7に示された通りである。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶のXRPDパターンの解析データは表3に示された通りである。
【0038】
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶の示差走査熱量曲線はそれぞれ37.60±3.0℃及び299.00±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶のDSCパターンは
図8に示された通りである。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶の熱重量分析曲線は150.0±3.0℃において7.91%の重量減少を示す。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態では、上記C型結晶のTGAパターンは
図9に示された通りである。
【0043】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:10.78±0.20°、13.64±0.20°、16.66±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のD型結晶を提供する。
【0044】
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:10.78±0.20°、13.64±0.20°、16.66±0.20°、19.63±0.20°、21.13±0.20°、25.40±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.51±0.20°、8.73±0.20°、10.78±0.20°、13.64±0.20°、16.66±0.20°、19.63±0.20°、21.13±0.20°、25.40±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.51°、8.10°、8.73°、10.78°、12.64°、13.64°、14.47°、14.92°、15.80°、16.66°、17.47°、19.03°、19.63°、21.13°、21.69°、22.02°、22.20°、23.84°、24.31°、25.40°、25.93°、26.28°、26.84°、27.41°、27.93°、29.10°、30.01°、30.78°、32.16°、32.78°、33.57°、38.41°において特徴的な回折ピークを有する。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶のXRPDパターンは
図10に示された通りである。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶のXRPDパターンの解析データは表4に示された通りである。
【0050】
【0051】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶の示差走査熱量曲線はそれぞれ27.1±3.0℃及び298.8±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶のDSCパターンは
図11に示された通りである。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶の熱重量分析曲線は150.0±3.0℃において3.15%の重量減少を示す。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、上記D型結晶のTGAパターンは
図12に示された通りである。
【0055】
本発明は、式(III)で表される化合物を提供する。
【0056】
【0057】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:9.56±0.20°、19.10±0.20°、27.12±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物のE型結晶を提供する。
【0058】
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:9.56±0.20°、10.82±0.20°、16.94±0.20°、19.10±0.20°、27.12±0.20°、28.76±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:9.56±0.20°、10.82±0.20°、16.94±0.20°、17.57±0.20°、19.10±0.20°、25.00±0.20°、27.12±0.20°、28.76±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.01°、9.56°、10.82°、13.51°、13.97°、16.94°、17.57°、19.10°、21.26°、23.73°、24.47°、25.00°、26.04°、26.62°、27.12°、28.33°、28.76°、29.22°、30.59°、31.56°、32.72°、35.31°、36.10°、37.25°、38.64°において特徴的な回折ピークを有する。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶のXRPDパターンは
図13に示された通りである。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶のXRPDパターンの解析データは表5に示された通りである。
【0064】
【0065】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶の示差走査熱量曲線は303.8±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶のDSCパターンは
図14に示された通りである。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶の熱重量分析曲線は200.0±3.0℃において2.27%の重量減少を示す。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態では、上記E型結晶のTGAパターンは
図15に示された通りである。
【0069】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:8.08±0.20°、19.09±0.20°、26.87±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物のF型結晶を提供する。
【0070】
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、上記F型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.08±0.20°、9.51±0.20°、12.40±0.20°、19.09±0.20°、24.91±0.20°、26.87±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、上記F型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.08±0.20°、9.51±0.20°、12.40±0.20°、16.80±0.20°、17.70±0.20°、19.09±0.20°、24.91±0.20°、26.87±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態では、上記F型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.08°、9.51°、12.40°、13.34°、14.53°、16.80°、17.70°、19.09°、20.34°、22.34°、24.91°、26.87°、28.87°において特徴的な回折ピークを有する。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、上記F型結晶のXRPDパターンは
図16に示された通りである。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態では、上記F型結晶のXRPDパターンの解析データは表6に示された通りである。
【0076】
【0077】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:8.79±0.20°、17.53±0.20°、26.33±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物のG型結晶を提供する。
【0078】
【0079】
本発明のいくつかの実施形態では、上記G型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.79±0.20°、12.34±0.20°、17.53±0.20°、19.10±0.20°、25.16±0.20°、26.33±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、上記G型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.79±0.20°、12.34±0.20°、17.53±0.20°、19.10±0.20°、19.65±0.20°、21.45±0.20°、25.16±0.20°、26.33±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態では、上記G型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.79°、12.34°、13.92°、15.13°、15.76°、17.08°、17.53°、19.10°、19.65°、20.61°、21.45°、21.90°、23.38°、25.16°、26.33°、26.70°、29.18°、35.42°、37.62°において特徴的な回折ピークを有する。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態では、上記G型結晶のXRPDパターンは
図17に示された通りである。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態では、上記G型結晶のXRPDパターンの解析データは表7に示された通りである。
【0084】
【0085】
本発明は、式(IV)で表される化合物を提供する。
【0086】
【0087】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:6.65±0.20°、17.80±0.20°、18.92±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物のH型結晶を提供する。
【0088】
【0089】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.65±0.20°、13.42±0.20°、17.80±0.20°、18.92±0.20°、21.99±0.20°、24.42±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.65±0.20°、13.42±0.20°、17.80±0.20°、18.92±0.20°、20.05±0.20°、21.99±0.20°、24.42±0.20°、26.30±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.65°、13.42°、17.80°、18.45°、18.92°、20.05°、21.99°、24.42°、26.30°、27.00°において特徴的な回折ピークを有する。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶のXRPDパターンは
図18に示された通りである。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶のXRPDパターンの解析データは表8に示された通りである。
【0094】
【0095】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶の示差走査熱量曲線はそれぞれ275.73±3.0℃及び310.54±3.0℃において一つの吸熱ピークの開始点を示す。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶のDSCパターンは
図19に示された通りである。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶の熱重量分析曲線は200.0±3.0℃において8.58%の重量減少を示し、また260.0±3.0℃において2.45%の重量減少を示す。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態では、上記H型結晶のTGAパターンは
図20に示された通りである。
【0099】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:5.33±0.20°、13.74±0.20°、20.66±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物のI型結晶を提供する。
【0100】
【0101】
本発明のいくつかの実施形態では、上記I型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.33±0.20°、9.02±0.20°、13.74±0.20°、18.16±0.20°、20.66±0.20°、21.91±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態では、上記I型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.33±0.20°、9.02±0.20°、11.77±0.20°、13.74±0.20°、17.51±0.20°、18.16±0.20°、20.66±0.20°、21.91±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態では、上記I型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.33°、9.02°、10.62°、11.77°、13.74°、15.99°、17.51°、18.16°、19.63°、20.66°、21.24°、21.91°、23.15°、24.94°、26.89°において特徴的な回折ピークを有する。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態では、上記I型結晶のXRPDパターンは
図21に示された通りである。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態では、上記I型結晶のXRPDパターンの解析データは表9に示された通りである。
【0106】
【0107】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:5.24±0.20°、18.48±0.20°、20.79±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物のJ型結晶を提供する。
【0108】
【0109】
本発明のいくつかの実施形態では、上記J型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.24±0.20°、18.48±0.20°、19.77±0.20°、20.79±0.20°、22.67±0.20°、23.24±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態では、上記J型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.24±0.20°、18.48±0.20°、19.77±0.20°、20.79±0.20°、22.67±0.20°、23.24±0.20°、24.20±0.20°、26.28±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、上記J型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.24°、12.55°、13.78°、14.86°、16.30°、17.19°、18.48°、19.77°、20.79°、22.67°、23.24°、24.20°、26.28°において特徴的な回折ピークを有する。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態では、上記J型結晶のXRPDパターンは
図22に示された通りである。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態では、上記J型結晶のXRPDパターンの解析データは表10に示された通りである。
【0114】
【0115】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:17.97±0.20°、20.47±0.20°、25.16±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物のK型結晶を提供する。
【0116】
【0117】
本発明のいくつかの実施形態では、上記K型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.79±0.20°、17.97±0.20°、20.47±0.20°、23.46±0.20°、23.87±0.20°、25.16±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態では、上記K型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.79±0.20°、17.97±0.20°、18.74±0.20°、19.47±0.20°、20.47±0.20°、23.46±0.20°、23.87±0.20°、25.16±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態では、上記K型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.79°、7.87°、8.65°、11.69°、16.47°、17.97°、18.28°、18.74°、19.47°、20.47°、20.76°、21.73°、22.33°、23.46°、23.87°、25.16°、25.94°、26.30°、27.06°、28.07°、29.34°、30.18°、31.69°、33.26°、34.45°において特徴的な回折ピークを有する。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態では、上記K型結晶のXRPDパターンは
図23に示された通りである。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態では、上記K型結晶のXRPDパターンの解析データは表11に示された通りである。
【0122】
【0123】
本発明は、式(V)で表される化合物を提供する。
【0124】
【0125】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:5.85±0.20°、16.75±0.20°、20.67±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(V)で表される化合物のL型結晶を提供する。
【0126】
【0127】
本発明のいくつかの実施形態では、上記L型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.85±0.20°、11.57±0.20°、16.75±0.20°、20.67±0.20°、22.50±0.20°、25.29±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態では、上記L型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.85±0.20°、11.57±0.20°、16.75±0.20°、18.10±0.20°、20.67±0.20°、22.50±0.20°、23.34±0.20°、25.29±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態では、上記L型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.85°、8.36°、11.57°、16.75°、18.10°、20.67°、22.50°、23.34°、25.29°、27.93°、31.76°において特徴的な回折ピークを有する。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態では、上記L型結晶のXRPDパターンは
図24に示された通りである。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態では、上記L型結晶のXRPDパターンの解析データは表12に示された通りである。
【0132】
【0133】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:5.72±0.20°、16.77±0.20°、17.51±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(V)で表される化合物のM型結晶を提供する。
【0134】
【0135】
本発明のいくつかの実施形態では、上記M型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.72±0.20°、11.52±0.20°、16.77±0.20°、17.51±0.20°、18.10±0.20°、20.05±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0136】
本発明のいくつかの実施形態では、上記M型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.72±0.20°、11.52±0.20°、16.77±0.20°、17.51±0.20°、18.10±0.20°、20.05±0.20°、22.48±0.20°、25.30±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態では、上記M型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:5.42°、5.72°、11.52°、13.57°、14.92°、16.77°、17.51°、18.10°、20.05°、22.48°、23.35°、23.91°、25.30°、27.10°、27.94°、30.00°、31.77°において特徴的な回折ピークを有する。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態では、上記M型結晶のXRPDパターンは
図25に示された通りである。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態では、上記M型結晶のXRPDパターンの解析データは表13に示された通りである。
【0140】
【0141】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:4.55±0.20°、16.76±0.20°、18.30±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(V)で表される化合物のN型結晶を提供する。
【0142】
【0143】
本発明のいくつかの実施形態では、上記N型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.55±0.20°、16.14±0.20°、16.76±0.20°、17.20±0.20°、18.30±0.20°、20.22±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態では、上記N型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.55±0.20°、16.14±0.20°、16.76±0.20°、17.20±0.20°、18.30±0.20°、20.22±0.20°、22.63±0.20°、24.50±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態では、上記N型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.55°、16.14°、16.76°、17.20°、18.30°、20.22°、22.63°、24.50°、26.73°、31.76°において特徴的な回折ピークを有する。
【0146】
本発明のいくつかの実施形態では、上記N型結晶のXRPDパターンは
図26に示された通りである。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態では、上記N型結晶のXRPDパターンの解析データは表14に示された通りである。
【0148】
【0149】
本発明は、式(VI)で表される化合物を提供する。
【化19】
【0150】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:4.57±0.20°、5.79±0.20°、18.06±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(VI)で表される化合物のO型結晶を提供する。
【0151】
【0152】
本発明のいくつかの実施形態では、上記O型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.57±0.20°、5.79±0.20°、16.38±0.20°、18.06±0.20°、19.32±0.20°、20.13±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0153】
本発明のいくつかの実施形態では、上記O型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.57±0.20°、5.79±0.20°、9.09±0.20°、14.52±0.20°、16.38±0.20°、18.06±0.20°、19.32±0.20°、20.13±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0154】
本発明のいくつかの実施形態では、上記O型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.57°、5.79°、6.45°、9.09°、10.09°、12.20°、13.04°、14.52°、16.38°、18.06°、18.33°、19.32°、20.13°、22.42°、22.74°、23.32°、23.90°、27.37°、29.29°において特徴的な回折ピークを有する。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態では、上記O型結晶のXRPDパターンは
図27に示された通りである。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態では、上記O型結晶のXRPDパターンの解析データは表15に示された通りである。
【0157】
【0158】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:9.96±0.20°、17.02±0.20°、21.78±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(VI)で表される化合物のP型結晶を提供する。
【0159】
【0160】
本発明のいくつかの実施形態では、上記P型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:9.96±0.20°、17.02±0.20°、21.31±0.20°、21.78±0.20°、24.71±0.20°、25.52±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0161】
本発明のいくつかの実施形態では、上記P型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:9.96±0.20°、16.23±0.20°、17.02±0.20°、17.81±0.20°、21.31±0.20°、21.78±0.20°、24.71±0.20°、25.52±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態では、上記P型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:6.87°、8.26°、9.96°、13.64°、15.18°、16.23°、17.02°、17.81°、18.62°、21.31°、21.78°、24.71°、25.52°、29.14°、31.47°において特徴的な回折ピークを有する。
【0163】
本発明のいくつかの実施形態では、上記P型結晶のXRPDパターンは
図28に示された通りである。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態では、上記P型結晶のXRPDパターンの解析データは表16に示された通りである。
【0165】
【0166】
本発明は、式(VII)で表される化合物を提供する。
【化22】
【0167】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:7.90±0.20°、16.76±0.20°、25.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(VII)で表される化合物のQ型結晶を提供する。
【0168】
【0169】
本発明のいくつかの実施形態では、上記Q型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.90±0.20°、16.76±0.20°、17.19±0.20°、20.09±0.20°、23.82±0.20°、25.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0170】
本発明のいくつかの実施形態では、上記Q型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.90±0.20°、11.53±0.20°、16.76±0.20°、17.19±0.20°、20.09±0.20°、20.94±0.20°、23.82±0.20°、25.94±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態では、上記Q型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:7.90°、8.53°、9.90°、11.53°、12.98°、15.12°、16.76°、17.19°、19.68°、20.09°、20.94°、22.50°、22.86°、23.82°、25.32°、25.94°、27.16°、27.83°、29.17°、30.11°、31.83°、33.48°において特徴的な回折ピークを有する。
【0172】
本発明のいくつかの実施形態では、上記Q型結晶のXRPDパターンは
図29に示された通りである。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態では、上記Q型結晶のXRPDパターンの解析データは表17に示された通りである。
【0174】
【0175】
本発明は、式(VIII)で表される化合物を提供する。
【0176】
【0177】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:3.18±0.20°、6.43±0.20°、16.67±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(VIII)で表される化合物のR型結晶を提供する。
【0178】
【0179】
本発明のいくつかの実施形態では、上記R型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:3.18±0.20°、6.43±0.20°、16.67±0.20°、18.20±0.20°、18.63±0.20°、19.53±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0180】
本発明のいくつかの実施形態では、上記R型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:3.18±0.20°、6.43±0.20°、16.67±0.20°、18.20±0.20°、18.63±0.20°、19.53±0.20°、20.02±0.20°、27.78±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0181】
本発明のいくつかの実施形態では、上記R型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:3.18°、6.43°、11.35°、13.24°、16.67°、18.20°、18.63°、19.53°、20.02°、21.59°、23.44°、27.78°において特徴的な回折ピークを有する。
【0182】
本発明のいくつかの実施形態では、上記R型結晶のXRPDパターンは
図30に示された通りである。
【0183】
本発明のいくつかの実施形態では、上記R型結晶のXRPDパターンの解析データは表18に示された通りである。
【0184】
【0185】
本発明は、式(X)で表される化合物を提供する。
【0186】
【0187】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:4.74±0.20°、17.04±0.20°、24.77±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(X)で表される化合物のS型結晶を提供する。
【0188】
【0189】
本発明のいくつかの実施形態では、上記S型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:4.74±0.20°、11.97±0.20°、17.04±0.20°、20.65±0.20°、24.77±0.20°、31.75±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0190】
本発明のいくつかの実施形態では、上記S型結晶のXRPDパターンは
図31に示された通りである。
【0191】
本発明のいくつかの実施形態では、上記S型結晶のXRPDパターンの解析データは表19に示された通りである。
【0192】
【0193】
本発明は、粉末X線回折パターンが以下の2θ角:8.37±0.20°、11.54±0.20°、16.76±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物のT型結晶を提供する。
【0194】
【0195】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.37±0.20°、11.54±0.20°、16.76±0.20°、22.49±0.20°、23.36±0.20°、25.26±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0196】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.37±0.20°、11.54±0.20°、16.76±0.20°、19.53±0.20°、22.49±0.20°、23.36±0.20°、25.26±0.20°、27.12±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0197】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶の粉末X線回折パターンは、以下の2θ角:8.37°、9.98°、11.54°、13.44°、15.08°、16.76°、18.70°、19.53°、20.03°、21.14°、22.49°、23.36°、25.26°、27.12°、27.92°、31.77°において特徴的な回折ピークを有する。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶のXRPDパターンは
図32に示された通りである。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶のXRPDパターンの解析データは表20に示された通りである。
【0200】
【0201】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶の示差走査熱量曲線は282.6±3.0℃において一つの吸熱ピークのピーク値を示す。
【0202】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶のDSCパターンは
図33に示された通りである。
【0203】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶の熱重量分析曲線は250.0±3.0℃において1.56%の重量減少を示す。
【0204】
本発明のいくつかの実施形態では、上記T型結晶のTGAパターンは
図34に示された通りである。
【0205】
本発明は、FGFR/VEGFRジキナーゼ阻害剤に関連する疾患を治療するための薬物の製造における、上記化合物又は上記A型結晶、B型結晶、C型結晶、D型結晶、E型結晶、F型結晶、G型結晶、H型結晶、I型結晶、J型結晶、K型結晶、L型結晶、M型結晶、N型結晶、O型結晶、P型結晶、Q型結晶、R型結晶、S型結晶及びT型結晶の使用をさらに提供する。
【0206】
本発明のいくつかの実施形態では、上記使用は、FGFR/VEGFRジキナーゼ阻害剤に関連する薬物が固形腫瘍を治療するための薬物であることを特徴とする。
<定義及び説明>
【0207】
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語及び語句、以下の意味を有するものとする。特定の語句や用語は、特に定義されていない場合、不確定又は不明瞭であるとみなされるべきではなく、通常の意味に従って理解されるべきである。本明細書に商品名が記載されている場合、それは対応する商品又はその有効成分を指すことを意図している。
【0208】
本発明の中間体化合物は、以下に列挙する特定の実施形態、他の化学合成方法との組み合わせによって形成される実施形態、及び当業者に周知の等価置換の方式を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって製造することができ、好ましい実施形態には、本発明の実施例が含まれるが、これらに限定されない。
【0209】
本発明の特定の実施形態の化学反応は適切な溶媒中で完了し、前記溶媒は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るために、当業者は、既存の実施形態に基づいて合成工程又は反応スキームを変更又は選択することが必要な場合がある。
【0210】
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の通常の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、当該絶対配置は、当該技術分野における通常の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折法(SXRD)は、培養した単結晶をBruker D8 venture回折計で回折強度データを収集し、光源はCuKα線であり、走査方法はφ/ω走査であり、関連データを収集した後、さらに直接法(Shelxs97)を使用して結晶構造を解析し、絶対配置を確認することができる。
【0211】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるDSCパターンは下向き吸熱である。
【0212】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0213】
本発明で使用される溶媒はすべて市販されており、さらに精製することなく使用できる。
【0214】
本発明で使用される溶媒は市販品から得ることができる。本発明は以下の略語を使用する:DCMはジクロロメタンを表し、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを表し、DMSOはジメチルスルホキシドを表し、EtOHはエタノールを表し、MeOHはメタノールを表し、TFAはトリフルオロ酢酸を表し、ATPはアデノシン三リン酸を表し、HEPESは4-ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸を表し、MgCl2はマグネシウムジクロライドを表し、Pd(PPh3)2Cl2はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドを表す。
【発明の効果】
【0215】
本発明の化合物の結晶は安定性が良好で医薬化が容易であり、本発明の化合物の結晶は優れたDNA-PKキナーゼ阻害活性を有する。
【0216】
本発明の粉末X線回折(X-ray powder diffractometer、XRPD)
装置モデル:PANalytical社のX’Pert 3型X線回折装置
試験方法:XRPD検出には、約10mgの試料が使用される。
【0217】
詳細なXRPDパラメータは以下の通りである:
線源:Cu Kα(Kα1=1.540598オングストローム、Kα2=1.544426オングストローム、Kα2/Kα1強度比:0.5)
発光管電圧:45kV、発光管電流:40mA
発散スリット:1/8deg固定
第1ソーラスリット:0.04rad、第2ソーラスリット:0.04rad
受光スリット:なし、散乱防止スリット:7.5mm
測定時間:5min
スキャン角度範囲:3~40deg
ステップ幅角度:0.0263deg
ステップサイズ:46.665秒
サンプルトレイ速度:15rpm
本発明の示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、DSC)
装置モデル:TA Discovery DSC 2500示差走査熱量計
試験方法:試料(約1~5mg)を採取し、DSC用アルミパンに入れて試験し、50mL/min N2条件で、10℃/minの昇温速度で、試料を25℃(室温)から試料が分解する直前まで加熱する。
【0218】
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)
装置モデル:TA Discovery TGA 5500熱重量分析装置
試験方法:試料(約1~5mg)を採取し、TGA用アルミパンに入れて試験し、10mL/min N2条件で、10℃/minの昇温速度で、試料を室温から350℃まで加熱する。
【0219】
本発明の動的水蒸気吸着分析(Dynamic Vapor Sorption、DVS)方法
装置モデル:SMS Intrinsic動的水蒸気吸着装置
試験条件:試料(約10~30mg)を採取し、DVSサンプルトレイに入れて試験する。
【0220】
詳細なDVSパラメータは以下の通りである:
温度:25℃
バランス:dm/dt=0.002%/min(最短:10min、最長:180min)
RH範囲:0%RH-95%RH-0%RH
RH勾配:10%(90%RH-0%RH-90%RH)
5%(95%RH-90%RHと90%RH-95%RH)
【0221】
吸湿性評価の分類は以下の通りである:
【表20-2】
【0222】
注:ΔW%は、25±1℃、80±2%RHにおける試験品の吸湿重量増加を表す。
【図面の簡単な説明】
【0223】
【
図1】式(II)の化合物のA型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図2】式(II)の化合物のA型結晶のDSCパターンである。
【
図3】式(II)の化合物のA型結晶のTGAパターンである。
【
図4】式(II)の化合物のB型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図5】式(II)の化合物のB型結晶のDSCパターンである。
【
図6】式(II)の化合物のB型結晶のTGAパターンである。
【
図7】式(II)の化合物のC型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図8】式(II)の化合物のC型結晶のDSCパターンである。
【
図9】式(II)の化合物のC型結晶のTGAパターンである。
【
図10】式(II)の化合物のD型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図11】式(II)の化合物のD型結晶のDSCパターンである。
【
図12】式(II)の化合物のD型結晶のTGAパターンである。
【
図13】式(III)の化合物のE型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図14】式(III)の化合物のE型結晶のDSCパターンである。
【
図15】式(III)の化合物のE型結晶のTGAパターンである。
【
図16】式(III)の化合物のF型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図17】式(III)の化合物のG型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図18】式(IV)の化合物のH型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図19】式(IV)の化合物のH型結晶のDSCパターンである。
【
図20】式(IV)の化合物のH型結晶のTGAパターンである。
【
図21】式(IV)の化合物のI型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図22】式(IV)の化合物のJ型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図23】式(IV)の化合物のK型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図24】式(V)の化合物のL型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図25】式(V)の化合物のM型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図26】式(V)の化合物のN型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図27】式(VI)の化合物のO型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図28】式(VI)の化合物のP型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図29】式(VII)の化合物のQ型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図30】式(VIII)の化合物のR型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図31】式(X)の化合物のS型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図32】式(I)の化合物のT型結晶のCu-Kα線のXRPDパターンである。
【
図33】式(I)の化合物のT型結晶のDSCパターンである。
【
図34】式(I)の化合物のT型結晶のTGAパターンである。
【
図35】式(II)の化合物のA型結晶のDVSパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0224】
本発明の内容をよりよく理解するために、以下に具体的な実施例を参照してさらに説明するが、具体的な実施形態は本発明の内容を限定するものではない。
【0225】
実施例1:式(II)の化合物のA型結晶の製造
【化29】
【0226】
15Lのジオキサン、5Lの水を50L反応釜に10~30℃で加えた。撹拌しながら化合物1(1500g)及び化合物2(1335g)を反応釜に一度に加えた。撹拌しながら1930gの炭酸カリウムを反応釜に一度に加えた。窒素で10分間置換し、次に100gのPd(dppf)Cl2を反応釜に一度に加えた。反応を内部温度88~90℃まで加熱し、16時間撹拌し続けた。10Lの反応溶液を取って50L反応釜に加え、撹拌しながら30Lの水を加え、室温で15分間撹拌した。残りの10Lを上記のように処理した。減圧下で吸引ろ過してろ過ケーキを得た。ろ過ケーキを50℃のオーブンで48時間乾燥させた。50L反応釜に金属捕捉剤(1000g)、活性炭(1000g)、硫酸マグネシウム(1000g)を加え、60℃で18時間撹拌し続け、反応溶液を室温まで冷却した後、珪藻土でろ過し、ろ液を回収した。ろ液を濃縮して粗生成物を得た。反応溶液を熱いうちに減圧下でろ過し、ろ過ケーキを無水ジオキサン(4L×2)で溶出し、ろ液を得た。ろ液を40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、残留物を得た。濃縮した粗生成物を50L反応釜に移し、15Lのn-ヘプタン及び1.5Lのジクロロメタンをそれぞれ加え、25~35℃で16時間撹拌した。反応釜内の懸濁液を卓上ろ過器に送り込み、吸引ろ過し、ろ過ケーキをn-ヘプタン(2L×2)で溶出し、固体を回収し、固体を40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、化合物3を得た。
【0227】
【0228】
10~30℃で50L反応フラスコに15LのN,N-ジメチルホルムアミドを加え、撹拌しながら化合物3(1.5kg)及び化合物4(619.5g)を反応フラスコに一度に加え、撹拌しながら炭酸カリウム(1.81kg)及びXphos(415.5g)を反応釜に一度に加え、窒素で10分間置換し、次にPd2(dba)3(399g)を反応釜に一度に加え、反応を内部温度90~95℃(外部温度100℃)まで加熱し、8時間撹拌し続け、HPLCで化合物3≦1%まで追跡し、卓上吸引ろ過漏斗に1kgの珪藻土を加え、卓上吸引ろ過器で減圧下で吸引ろ過し、次いでDMF(1L×2)を加えて洗浄し、ろ液を回収した。ろ液をオイルポンプで反応体積の約1/3減圧下で濃縮した。上記濃縮液を50L反応釜に加え、3Vの水を加え、4M水酸化ナトリウム水溶液でpHを11~12に調整し、減圧下で吸引ろ過し、ろ液を酢酸エチル(15L×2)で抽出して不純物の一部を除去し、3M塩酸水溶液で水相のpHを5~6に調整し、大量の黄色固体粒子を析出させた後、卓上吸引ろ過漏斗でろ過し、固体を回収し、ろ過ケーキを50℃の真空オーブン中で乾燥させ、化合物5を得た。
【0229】
【0230】
20~30℃で50L反応釜に11.5Lのエチレングリコールジメチルエーテル、3.8Lの水を加え、撹拌しながら化合物5(1150g)及び化合物6(676.15g)を反応フラスコに一度に加え、撹拌しながら炭酸カリウム(1183.60g)を反応フラスコに一度に加え、窒素で10分間置換し、次にPd(dppf)Cl2(208.87g)を反応フラスコに一度に加え、反応を内部温度77~80℃まで加熱し、16時間撹拌し続け、HPLCで化合物5≦1%まで追跡し、卓上吸引ろ過漏斗で減圧下で吸引ろ過し、次いで1Lのエチレングリコールジメチルエーテルを加えて洗浄し、ろ液を回収した。ろ液をオイルポンプで反応体積の約1/3減圧下で濃縮し、上記濃縮液を50L反応釜に加え、3Vの水を加え、4M水酸化ナトリウム水溶液でpHを13に調整し、次に3M塩酸水溶液でpHを6に調整し、大量の黄褐色固体粒子を析出させた後、卓上吸引ろ過漏斗でろ過し、ろ過ケーキを回収し、ろ過ケーキを50℃のオーブン中で乾燥させて粗生成物を得た。
【0231】
20~30℃で50L反応釜に10.0LのDCMを加え、撹拌しながら粗生成物(1000g)、DPPE(37.94g)及びプロピレンジアミン(81.11mL)を反応釜に一度に加え、反応を内部温度40℃まで加熱し、16時間撹拌し続け、減圧下で吸引ろ過し、次にDCM(500mL)を加えて洗浄し、ろ過ケーキを回収した。上記操作を3回繰り返した。10~30℃で3.0LのTHFを50L反応フラスコに加え、撹拌しながらろ過ケーキを反応釜に加え、反応を内部温度60℃まで加熱し、16時間撹拌し続け、減圧下で吸引ろ過し、次に500mLのTHFを加えて洗浄し、ろ過ケーキを回収した。ろ過ケーキを40~50℃で真空乾燥させた。10~30℃で5.0LのDMF及び5.0Lのジオキサンを50L反応釜に加え、撹拌しながら粗生成物を反応釜に加え、反応を内部温度50℃まで加熱し、16時間撹拌し続け、減圧下で吸引ろ過し、次に500mLのジオキサンを加えて洗浄し、ろ過ケーキを回収した。ろ過ケーキを40~50℃で真空乾燥させた。10~30℃で10.0LのTHFを50L反応釜に加えた。撹拌しながらろ過ケーキを反応フラスコに加え、反応を内部温度60℃まで加熱し、16時間撹拌し続け、減圧下で吸引ろ過し、次に500mLのTHFを加えて洗浄し、ろ過ケーキを回収した。ろ過ケーキを40~50℃で真空乾燥させて粗生成物を得た。10~30℃で20.0Lの水を50L反応釜に加え、撹拌しながらろ過ケーキを反応釜に加え、pHを5~6に調整し、反応釜を40℃まで加熱し、16時間撹拌し続け、減圧下で吸引ろ過し、次に2Lの水を加えて洗浄し、ろ過ケーキを回収した。ろ過ケーキを40~50℃で真空乾燥させ、式(I)の化合物を得た。式(I)の化合物は、XRPDによりT型結晶として特徴付けられた。XRPDパターンは
図32に、DSCパターンは
図33に、TGAパターンは
図34に示された通りである。
【0232】
【0233】
式(I)の化合物(740g)をDMSO(7.4L)に加え、メタンスルホン酸(155.41g、1.62mol、115.12mL、1.05eq)を反応溶液に20~30℃で加え、反応を20~30℃で4時間撹拌し、37Lの酢酸エチルを反応溶液に加え、反応溶液を16時間撹拌し続け、大量の固体を析出させ、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(2L×2)で洗浄し、ろ過ケーキを40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、式(II)の化合物のA型結晶を得た。A型結晶のXRPDパターンは
図1に、DSCパターンは
図2に、TGAパターンは
図3に示された通りである。
【0234】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.83 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.10-8.04 (m, 2H), 7.76 (s, 1H), 7.72 (d, J=4.0 Hz, 1H), 7.50-7.32 (m, 2H), 7.24 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.47 (s, 3H), 2.30(s, 3H)。
【0235】
実施例2:
式(II)の化合物のB型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とメタンスルホン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのアセトンを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(II)の化合物のB型結晶を得た。
【0236】
式(II)の化合物のC型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とメタンスルホン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのEtOH/H2O(19:1、v/v)を混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(II)の化合物のC型結晶を得た。
【0237】
式(II)の化合物のD型結晶の製造
75gの式(I)の化合物をDMSO(750mL)に加え、20~30℃で反応溶液にメタンスルホン酸(15g、1eq)を加え、反応溶液を溶解し清澄化させ、4時間撹拌し、1.5Lの酢酸エチルを反応溶液に加え、20時間撹拌し、固体を析出させ、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(50mL×2)で洗浄し、濃縮乾固させて粗生成物(約45g)を得た。粗生成物をエタノール(450mL)に加え、20~30℃で24時間撹拌し、ろ過し、ろ過ケーキをエタノール(10mL×2)で洗浄し、ろ過ケーキを40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、式(II)の化合物のD型結晶を得た。
【0238】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 11.07 (brs, 1H), 8.86 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.08-8.06 (m, 1H), 7.79-7.77 (m, 2H), 7.48-7.30 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.47 (s, 3H), 2.41(s, 3H)。
【0239】
式(III)の化合物のE型結晶の製造
100mgの式(I)の化合物を秤量してDMSO(1mL)に加え、反応溶液に塩酸(20.51mg、208.12μmol、17.34μL、純度37%)を20~30℃で加えて反応させ、20~30℃で24時間撹拌し、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(1mL×2)で洗浄し、ろ過ケーキを40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、式(III)の化合物のE型結晶を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 11.04 (brs, 1H), 8.85 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.08-8.06 (m, 2H), 7.77-7.72 (m, 2H), 7.49-7.34 (m, 2H), 7.26 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.46 (s, 3H)。
【0240】
式(III)の化合物のF型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物と塩酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのEtOH/H2O(19:1、v/v)を混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(III)の化合物のF型結晶を得た。
【0241】
式(III)の化合物のG型結晶の製造
100mgの式(I)の化合物を秤量してDMSO(1mL)に加え、反応溶液に塩酸(20.51mg、208.12μmol、17.34μL、純度37%)を20~30℃で加えて反応させ、20~30℃で24時間撹拌し、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(1mL×2)で洗浄し、ろ過ケーキを40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、式(III)の化合物のG型結晶を得た。
【0242】
式(IV)の化合物のH型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物と硫酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのエタノールを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(IV)の化合物のH型結晶を得た。
【0243】
式(IV)の化合物のI型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物と硫酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのEtOH/H2O(19:1、v/v)を混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(IV)の化合物のI型結晶を得た。
【0244】
式(IV)の化合物のJ型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物と硫酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのテトラヒドロフランを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(IV)の化合物のJ型結晶を得た。
【0245】
式(IV)の化合物のK型結晶の製造
100mgの式(I)の化合物を秤量してDMSO(1mL)に加え、反応溶液に硫酸(20.41mg、208.12μmol、11.09μL、1eq)を20~30℃で加え、反応溶液を20~30℃で20時間撹拌し、反応溶液に2mLの酢酸エチルを加え、反応溶液を20時間撹拌し続け、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(1mL×2)で洗浄し、ろ過ケーキを40~50℃で減圧下でスピン乾燥させ、式(IV)の化合物のK型結晶を得た。
【0246】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 11.05 (brs, 1H), 8.85 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.09-8.06 (m, 2H), 7.77-7.75 (m, 2H), 7.49-7.33 (m, 2H), 7.24 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.46 (s, 3H)。
【0247】
式(V)の化合物のL型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とリン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのエタノールを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(V)の化合物のL型結晶を得た。
【0248】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.84 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.09-8.02 (m, 2H), 7.77-7.70 (m, 2H), 7.50-7.45 (m, 3H), 7.36 (t, J=4.0 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.11 (d, J=4.0 Hz, 2H), 3.94 (s, 3H), 2.29 (s, 3H)。
【0249】
式(V)の化合物のM型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とリン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのEtOH/H2O(19:1、v/v)を混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(V)の化合物のM型結晶を得た。
【0250】
式(V)の化合物のN型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とリン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのテトラヒドロフランを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(V)の化合物のN型結晶を得た。
【0251】
式(VI)の化合物のO型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とp-トルエンスルホン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのアセトンを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(VI)の化合物のO型結晶を得た。
【0252】
式(VI)の化合物のP型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とp-トルエンスルホン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのテトラヒドロフランを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(VI)の化合物のP型結晶を得た。
【0253】
式(VII)の化合物のQ型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とシュウ酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのEtOH/H2O(19:1、v/v)を混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(VII)の化合物のQ型結晶を得た。
【0254】
式(VIII)の化合物のR型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物とマレイン酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのアセトンを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(VIII)の化合物のR型結晶を得た。
【0255】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.73 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.21 (s, 2H), 8.09-8.03 (m, 2H), 7.99 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.49-7.30 (m, 3H), 7.23 (s, 1H), 6.22 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.46 (s, 3H)。
【0256】
式(X)の化合物のS型結晶の製造
20mgの式(I)の化合物と酒石酸(1eq)を秤量してそれぞれHPLCバイアルに加え、0.5mLのアセトンを混合して加え、室温で4日間撹拌した後、遠心分離し、固体を50℃に移し、真空下で30分間乾燥させ、式(X)の化合物のS型結晶を得た。
【0257】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.68 (d, J=4.0 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.09-8.02 (m, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.49-7.33 (m, 3H), 7.24 (s, 1H), 4.32 (s, 3H), 3.94 (s, 3H)。
【0258】
実験例3:式(II)の化合物のA型結晶の吸湿性研究
実験の材料:
SMS Intrinsic動的水蒸気吸着装置
【0259】
実験の方法:
式(II)の化合物のA型結晶を10~30mg取り、DVSサンプルトレイに置いて試験する。
【0260】
実験の結果:
式(II)の化合物のA型結晶のDVSパターンは
図35に示された通りであり、△W=1.708%である。
【0261】
実験の結論:
式(II)の化合物のA型結晶は25℃及び80%RHでの吸湿重量増加が1.708%であり、吸湿性がある。
【0262】
実験例4:式(II)の化合物のA型結晶の安定性データ
高温、高湿、及び光の条件下で試験し、試料を開いた清潔な秤量瓶に入れ、≦5mmの薄層に広げ、各条件の時点で3つ(1.1g/部)の試料を並行して秤量し、準備した試料を各条件下に置き、それぞれの時点で試料を採取して分析した。
【0263】
加速安定性と長期安定性試験を行い、試料を二層の医薬品用低密度ポリエチレン袋に入れ、各層の医薬品用低密度ポリエチレン袋をバックルで密封してから、二層の低密度ポリエチレン袋をアルミホイル袋に入れてヒートシールした。各条件の時点で6つ(1.1g/部)の試料を並行して秤量し、準備した試料を各条件下に置き、それぞれの時点で試料を採取して分析した。
【0264】
式(II)の化合物のA型結晶を以下の条件下に置き、異なる時点で試料を採取して物性を検出し、HPLCで含有量と全不純物を分析した。研究条件と試験項目を以下の表21に示す。
【0265】
【0266】
実験の結論:式(II)の化合物のA型結晶は良好な安定性を有する。
【0267】
生物学的試験データ:
【0268】
実験例1:式(II)の化合物のA型結晶の細胞増殖に対する阻害効果に関する研究
実験の目的:
【0269】
本発明の化合物は、FGFR及びVEGFR経路を標的として阻害し、VEGF/VEGFR、FGF/FGFRシグナル伝達経路を阻害することによって腫瘍細胞増殖を阻害することができる。本実験では、FGFR1高発現のヒト非小細胞肺がん細胞NCI-H1581、FGFR2高発現の胃がん細胞SNU-16、FGFR3高発現のヒト膀胱がん細胞RT112/84を選択し、腫瘍細胞株NCI-H1581、SNU-16、RT-112/84における本発明の化合物のインビトロの細胞生存率に対する影響を検出することにより、細胞増殖に対する化合物の阻害効果を研究する。
【0270】
実験の方法と手順:
【0271】
細胞培養
腫瘍細胞株は、表22に示す培養条件に従い、37℃、5%CO2のインキュベーターで培養した。定期的に継代し、対数増殖期の細胞をプレーティング用に採取した。
【0272】
【0273】
細胞のプレーティング
(1)細胞をトリパンブルーで染色し、生細胞を数えた。
(2)細胞濃度を適切な濃度に調整した。
【0274】
【0275】
(3)培養プレートの各ウェルに90μLの細胞懸濁液を加え、細胞を含まない培養液をブランクコントロールウェルに加えた。
(4)培養プレートを37°C、5%CO2、相対湿度100%のインキュベーターで一晩培養した。
【0276】
10X化合物作業溶液の調製及び化合物処理細胞
【0277】
(1)10X化合物作業溶液の調製:78μLの細胞培養液をV底の96ウェルプレートに加え、400X化合物保存プレートから2μLの化合物を吸引して96ウェルプレートの細胞培養液に加えた。2μLのDMSOをビヒクルコントロールとブランクコントロールに加えた。化合物又はDMSOを加えた後、マルチチャンネルピペットで吹いてよく混合した。
(2)投与:10μLの10X化合物作業溶液を細胞培養プレートに加えた。10μLのDMSO-細胞培養液の混合液をビヒクルコントロールとブランクコントロールに加えた。DMSOの最終濃度は0.25%であった。
(3)96ウェルプレートをインキュベーターに戻し、3日間培養した後に試験した。
【0278】
CellTiter-Glo発光法による細胞生存率試験
以下の手順は、Promega CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay Kit(Promega-G7573)の説明書に従って実行された。
【0279】
(1)CellTiter-Glo緩衝液を溶かし、室温まで放置した。
(2)CellTiter-Glo基質を室温まで放置した。
(3)CellTiter-Glo緩衝液をCellTiter-Glo基質のバイアルに加えて基質を溶解することにより、CellTiter-Glo作業溶液を調製した。
(4)ゆっくりとボルテックスシェイクして完全に溶解した。
(5)細胞培養プレートを取り外し、30分間放置して室温まで平衡化させた。
(6)50μL(各ウェルの細胞培養液の体積の半分に等しい)のCellTiter-Glo作業溶液を各ウェルに加えた。細胞培養プレートをアルミホイルで包み、光を遮断した。
(7)細胞溶解を誘導するために、培養プレートをオービタルシェーカーで2分間振とうした。
(8)発光シグナルを安定させるために、培養プレートを室温で10分間放置した。
(9)2104 EnVisionプレートリーダーで発光シグナルを検出した。
データ分析:
【0280】
次の式を使用して、試験化合物の阻害率(Inhibition rate、IR)を計算し:IR(%)=(1-(RLU化合物-RLUブランクコントロール)/(RLUビヒクルコントロール-RLUブランクコントロール))*100%。Excelで異なる濃度の化合物の阻害率を計算し、GraphPad Prismソフトウェアを使用して阻害曲線をプロットし、最小阻害率、最大阻害率、IC50などの関連パラメーターを計算した。次の式でIC50を計算した。
【0281】
Y=最小抑制率+(最大抑制率-最小抑制率)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))
X:log(濃度)
Y:応答値、その値はXと負の相関関係にある
HillSlope:勾配係数
【0282】
実験の結果:表23を参照。
【0283】
【0284】
実験の結論:式(II)の化合物のA型結晶は、FGFRの高発現を有する3つの腫瘍細胞株に対して一定の抗細胞増殖活性を示す。
【0285】
実験例2:式(II)の化合物のA型結晶のインビトロBaF3細胞株活性
【0286】
実験の目的:
本実験では、VEGFRを発現する改変細胞(Ba/F3-TEL-FLT1(VEGFR1)、Ba/F3-TEL-FLT4(VEGFR3)、Ba/F3-TEL-VEGFR2)を選択して式(II)の化合物のA型結晶のBaF3細胞株に対するインビトロ増殖阻害効果を評価する。
【0287】
実験の方法と手順:
1000×式(II)の化合物のA型結晶の溶液の調製
【0288】
式(II)の化合物のA型結晶をDMSOに溶解して10mMの母溶液として調製した。4倍希釈に従い、10.0000mM、2.5000mM、0.6250mM、0.1563mM、0.0391mM、0.0098mM、0.0024mM、0.0006mM、0.0002mMに調製して96ウェルドラッグプレート(Beaver、Suzhou)に保存し、合計で9つの濃度勾配であり、同容量のDMSO溶媒をネガティブコントロールとして使用した。
【0289】
1.対数増殖期の細胞懸濁液を採取し、96ウェル白色細胞培養プレート(Corning3917、NY、USA)に1ウェルあたり95μL(2000細胞/ウェル)の量で接種した。
【0290】
2.希釈した培地-化合物の混合液をそれぞれ加え、各ウェルの容量は5μLであり、Ba/F3-TEL-FLT1(VEGFR1)、Ba/F3-TEL-FLT4(VEGFR3)、Ba/F3-TEL-VEGFR2細胞内のDMSOの最終濃度は0.1%であった。
【0291】
【0292】
3.37℃、5%CO2のインキュベーターで72時間インキュベートした。
4.CellTiter-Glo法による化合物の増殖阻害活性及びデータ解析は実験例1と同様である。
【0293】
【0294】
実験の結論:VEGFRを発現する改変細胞(Ba/F3-TEL-FLT1(VEGFR1)、Ba/F3-TEL-FLT4(VEGFR3)、Ba/F3-TEL-VEGFR2)において、式(II)の化合物のA型結晶は一定の抗細胞増殖活性を示し、Ba/F3-TEL-VEGFR2は強い抗増殖活性を示す。
【0295】
実験例3:式(II)の化合物のA型結晶の薬物動態評価
【0296】
実験の目的:SDラットにおける単回静脈内注射及び胃内投与の後、式(II)の化合物のA型結晶の動物の経口吸収を評価する。
実験の材料:SDラット、EDTA-K2
【0297】
実験の操作:
【0298】
実験の手順:5%DMSO/10%Solutol/85%水を溶媒とし、濃度5mg/mLの式(II)の化合物のA型結晶の清澄溶液をオスとメスのSDラット(一晩絶食、7~11週齢)の体内に静脈内注射し、投与量は10mg/kgとした。
【0299】
1mg/mL、3mg/mL、10mg/mLの5%DMSO/10%Kolliphor HS15/85%(0.2%(v/v)Tween80水溶液)の式(II)の化合物のA型結晶をオスとメスのSDラット(一晩絶食、7~11週齢)に胃内投与し、投与量は10mg/kg、30mg/kg、100mg/kgとした。4群の動物はいずれも投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、8.0、及び24時間(IV群は0.083時間増加)に頸静脈から約0.2mLの血液を採取し、EDTA-K2を加えた抗凝固チューブに入れ、血漿を遠心分離した。血中薬物濃度はLC-MS/MS法によって測定し、関連する薬物動態パラメータはWinNonlin(登録商標) Version 6.3(Pharsight、Mountain View、CA)薬物動態ソフトウェアを使用してノンコンパートメントモデル線形対数台形法によって計算した。
【0300】
実験の結果:
【0301】
オスとメスのSDラットに1mg/kgの式(II)の化合物のA型結晶を単回静脈内注射した後、血漿クリアランス(Cl)はそれぞれ8.78及び7.03mL/min/kgであり、定常状態における分布容積(Vdss)は0.419及び0.366L/kgであり、消失半減期(T1/2)はそれぞれ0.675及び0.765hであり、0から最終定量可能時点までの血漿濃度-時間曲線下面積(AUC0-last)の値はそれぞれ3980及び4930nM・hである。
【0302】
静脈内注射の投与量で、オスとメスのSDラットの全身曝露量(AUC0-lastとC0)に有意な性差はない。
【0303】
10、30及び100mg/kgの式(II)の化合物のA型結晶をオスのSDラットに単回胃内投与した後、式(II)の化合物のA型結晶のピーク濃度(Cmax)はそれぞれ3780、16700及び19900nMであり、ピーク時間(Tmax)はそれぞれ投与後0.500、1.00及び0.833hに現れる。AUC0-lastはそれぞれ7150、38200及び113000nM・hである。10mg/kg胃内投与群における薬物のバイオアベイラビリティは18.0%である。
【0304】
10、30及び100mg/kgの式(II)の化合物のA型結晶をメスのSDラットに単回胃内投与した後、式(II)の化合物のA型結晶のピーク濃度(Cmax)はそれぞれ9170、24500及び27400nMであり、ピーク時間(Tmax)はそれぞれ投与後0.667、1.00及び0.500hに現れる。AUC0-lastはそれぞれ24800、65600及び125000nM・hである。10mg/kg胃内投与群における薬物のバイオアベイラビリティは50.3%である。
【0305】
30及び100mg/kgの胃内投与量で、オスとメスのSDラットの全身曝露量(AUC0-lastとCmax)に有意な性差はない。
【0306】
結論:式(II)の化合物のA型結晶は、ラット種において、低いクリアランス、許容可能な経口バイオアベイラビリティ、及び良好な創薬可能性を有する。
【0307】
実験例4:ラットにおける本発明の化合物の薬物動態学的研究
実験の動物:
SDラット(一晩絶食、7~11週齢)
【0308】
実験の操作:
【0309】
実験の手順:5%DMSO/10%Solutol/85%水を溶媒とし、濃度10mg/mLの本発明の化合物又はその結晶の清澄溶液をオスのSDラット(一晩絶食、7~11週齢)の体内に静脈内注射し、投与量は100mg/kgとした。
【0310】
10mg/mLの5%DMSO/10%Kolliphor HS15/85%(0.2%(v/v)Tween80水溶液)の本発明の化合物又はその結晶をオスのSDラット(一晩絶食、7~11週齢)に胃内投与し、投与量は100mg/kgとした。3群の動物はいずれも投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、8.0及び24hに頸静脈から約0.2mLの血液を採取し、EDTA-K2を加えた抗凝固チューブに入れ、血漿を遠心分離した。血中薬物濃度はLC-MS/MS法によって測定し、関連する薬物動態パラメータはWinNonlin(登録商標) Version 6.3(Pharsight、Mountain View、CA)薬物動態ソフトウェアを使用してノンコンパートメントモデル線形対数台形法によって計算した。
【0311】
実験の結果:
【0312】
【0313】
実験の結論:同じ投与量で、式(II)の化合物のD型結晶は、式(III)の化合物のE型結晶、式(I)の化合物よりも高い曝露量とCmaxを示す。
【0314】
実験例5:動物腫瘍モデルにおける式(II)の化合物のA型結晶のインビボ抗腫瘍活性試験
【0315】
実験の目的:
本実験では、Renca皮下異種移植腫瘍ヌードマウスモデルを使用して、式(II)の化合物のA型結晶の抗腫瘍効果を評価する。
【0316】
実験の動物:
メスのBalb/cマウス(6~8週齢)
【0317】
実験の方法:
細胞培養
【0318】
マウス腎臓癌Renca細胞(ATCC-CRL-2947)をインビトロ壁上で培養し、培養条件は、RPMI 1640培地に10%ウシ胎児血清、0.1mM非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、2mMグルタミン、100U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンを加え、37℃、5%CO2のインキュベーターで培養した。従来の継代は週に2回実施した。細胞の飽和度が80%~90%になり、その数が必要量に達したら、細胞を収集し、計数して接種した。
【0319】
細胞接種
0.1mL(1×105細胞)のRenca細胞を各マウスの右上肢背側に皮下接種し、平均腫瘍体積が約50~80mm3に達した時点で群分けして投与した。
【0320】
腫瘍の測定と実験の指標
週に2回ノギスで腫瘍の直径を測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b2であり、aとbは、それぞれ腫瘍の長径と短径を表す。
【0321】
化合物の抗腫瘍効果は、TGI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)によって評価される。相対腫瘍増殖率T/C(%)=TRTV/CRTV×100%(TRTV:治療群の平均RTV、CRTV:陰性対照群の平均RTV)である。腫瘍測定の結果に基づいて相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式はRTV=Vt/V0であり、ここで、V0は群分けして投与する時(即ち、D0)に測定した腫瘍体積であり、Vtは対応するマウスの特定の測定時の腫瘍体積であり、TRTV及びCRTVは同じ日のデータである。
【0322】
TGI(%)は、腫瘍増殖阻害率を反映する。TGI(%)=[(1-(特定の治療群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該治療群の投与開始時の平均腫瘍体積)/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
【0323】
統計分析は、SPSSソフトウェアを使用して実験終了時のRTVデータに基づいて行われる。2群間の比較はT検定で、3群以上の比較は一元配置分散分析で分析し、分散が等しい場合(F値に有意差がない場合)にはTukey’s法を用いて分析し、分散が等しくない場合(F値に有意差がある場合)にはGames-Howell法を用いて検出する。p<0.05は有意差ありと考えられる。
【0324】
実験の結果:
式(II)の化合物のA型結晶(100mg/kg)投与群は、腫瘍増殖を阻害する明らかな効果を有し、溶媒対照群と比較してp=0.031であり、有意差がある。
【0325】
【0326】
注:QD:1日1回投与、TGI%:腫瘍増殖阻害率
【0327】
実験の結論:式(II)の化合物のA型結晶は、Renca異種移植腫瘍モデルにおいて優れた腫瘍阻害効果を示す。
【国際調査報告】