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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ベビーカーの輪群制動装置
(51)【国際特許分類】
   B62B 9/08 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
B62B9/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545352
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2022051995
(87)【国際公開番号】W WO2022162119
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110133195.7
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユアン、ジャーリャン
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051CE03
3D051CE06
(57)【要約】
【課題】足の面でペダルを持ち上げる必要がなく、使用者の靴の表面の清潔を保証するベビーカーの輪群制動装置の提供。
【解決手段】本発明は、第1の制動機構と、第2の制動機構と、牽引部材とを含むベビーカーの輪群制動装置を提供し、第1の制動機構は、ベビーカーの第1の車輪に設けられ、第1の車輪をロック又はロック解除するために使用され、第2の制動機構は、ベビーカーの第2の車輪に設けられ、第2の車輪をロック又はロック解除するために使用され、牽引部材は、第1の制動機構と第2の制動機構との間に接続され、第1の制動機構と第2の制動機構をロック又はロック解除時に互いに連動させ、ロック時の操作方向がロック解除時の操作方向と同方向になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制動機構と、第2の制動機構と、牽引部材とを含むベビーカーの輪群制動装置であって、
前記第1の制動機構は、ベビーカーの第1の車輪に設けられ、前記第1の車輪をロック又はロック解除するために使用され、前記第2の制動機構は、前記ベビーカーの第2の車輪に設けられ、前記第2の車輪をロック又はロック解除するために使用され、前記牽引部材は、前記第1の制動機構及び前記第2の制動機構との間に接続されることで、ロック又はロック解除する時に前記第1の制動機構と前記第2の制動機構を互いに連動させ、ロック時の操作方向がロック解除時の操作方向と同方向になる、
ことを特徴とするベビーカーの輪群制動装置。
【請求項2】
前記第1の制動機構は、前記第1の車輪をロックしている場合、前記牽引部材を介して前記第2の制動機構が前記第2の車輪をロックするように駆動し、前記第2の制動機構は、前記第2の車輪をロック解除する場合、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構が前記第1の車輪をロック解除するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項3】
前記第1の制動機構は、第1の軸ピンを含み、前記第1の軸ピンは、前記第1の車輪をロック又はロック解除し、前記第2の制動機構は、第2の軸ピンを含み、前記第2の軸ピンは、前記第2の車輪をロック又はロック解除する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項4】
前記第1の制動機構は、さらに、前記第1の軸ピンを駆動する第1の駆動部材を含み、前記第2の制動機構は、さらに、前記第2の軸ピンを駆動する第2の駆動部材を含み、前記牽引部材は、前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材との間に接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項5】
前記第1の駆動部材は、回転可能に設けられ、前記第1の駆動部材の側面に第1の駆動斜面が設けられており、前記第1の制動機構は、さらに、第1の弾性部材を含み、前記第1の軸ピンは、スライド可能に設けられ、前記第1の駆動部材が回転する場合に前記第1の駆動斜面の押圧により前記第1の車輪に挿入し、又は、前記第1の弾性部材の弾性力により前記第1の車輪から退出する、
ことを特徴とする請求項4に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項6】
前記第1の駆動斜面の一端にロック位置が設けられ、他端にロック解除位置が設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項7】
前記第1の駆動部材には、その回転を案内する円弧状のガイド孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項8】
前記第1の駆動部材には、その回転を駆動する第1の操作部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項9】
前記第2の駆動部材は、回転可能に設けられ、前記第2の駆動部材の側面に第2の駆動斜面が設けられており、前記第2の制動機構は、さらに、第2の弾性部材を含み、前記第2の軸ピンは、スライド可能に設けられ、前記第2の駆動部材が回転する場合に該第2の駆動斜面の押圧により前記第2の車輪に挿入し、又は、前記第2の弾性部材の弾性力により前記第2の車輪から退出する、
ことを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項10】
前記第2の駆動部材に駆動斜孔が設けられており、前記第2の制動機構は、さらに、第3の弾性部材及び第2の操作部材を含み、前記第2の操作部材は、軸ピンを有し、前記軸ピンは、前記駆動斜孔にスライド可能に挿着され、前記第3の弾性部材は、前記第2の駆動部材をリセットさせる弾性力を提供する、
ことを特徴とする請求項9に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項11】
前記第2の駆動斜面の一端にロック位置が設けられており、他端にロック解除位置が設けられている、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項12】
前記第1の制動機構は、前記第1の車輪をロックしている場合、前記第2の制動機構が前記第2の車輪をロックするように駆動し、前記第1の制動機構は、前記第1の車輪をロック解除する場合、前記第2の制動機構が前記第2の車輪をロック解除するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項13】
前記第1の制動機構は、さらに、係合フックを含み、前記第1の駆動部材に第1のガイド溝及び第2のガイド溝が設けられており、前記第1のガイド溝と前記第2のガイド溝との間に係合位置及びロック解除位置が設けられており、前記係合フックの第1の端は、該ベビーカーのフレームに固定され、前記係合フックの第2の端は、前記第1のガイド溝及び第2のガイド溝のうちの1つにスライド可能に設けられ、前記第1の駆動部材が回転して前記第1の軸ピンが前記第1の車輪をロックするように押圧する場合、前記係合フックが該第1のガイド溝から該係合位置にスライドし、前記第1の駆動部材が回転して該第1の軸ピンが該第1の車輪をロック解除するように押下する場合、該係合フックが前記係合位置から前記ロック解除位置にスライドする、
ことを特徴とする請求項4~12のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項14】
前記ベビーカーの前記フレームに固定孔が設けられており、前記係合フックの前記第1の端は、前記固定孔に接続されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項15】
前記第1の駆動部材には、さらに、第3のガイド溝及び第4のガイド溝が設けられており、前記第3のガイド溝の両端は、前記第1のガイド溝及び前記係合位置に接続され、前記第4のガイド溝の両端は、前記係合位置及び前記第2のガイド溝に接続されている、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項16】
前記第4のガイド溝と前記第2のガイド溝との間には、前記係合フックを前記第2のガイド溝にスライドさせるガイド斜面が設けられている、
ことを特徴とする請求項15に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項17】
前記ベビーカーの輪群制動装置は、さらに、前記ベビーカーのフレームに設けられた駆動機構を含み、前記駆動機構は、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構及び前記第2の制動機構に接続され、前記駆動機構を操作すると、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構とが前記第1の車輪及び前記第2の車輪をロックするように駆動し、又は、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構とが前記第1の車輪及び前記第2の車輪をロック解除するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項18】
前記駆動機構は、固定座と、第3の駆動部材と、係合トーションバネと、リセットトーションバネとを含み、
前記固定座は、前記ベビーカーのフレームに設けられ、
前記第3の駆動部材の本体部は、前記固定座に回転可能に設けられ、前記本体部から第3の操作部が延び、前記第3の駆動部材の本体部は、ガイド側面を含み、前記ガイド側面に環状溝を有し、前記環状溝は、係合溝を有し、
前記係合トーションバネは、固定部と、前記固定部から延びるトーションバネヘッドとを含み、前記固定部は、前記固定座に固定され、前記トーションバネヘッドは、前記環状溝にスライド可能に設けられ、前記第3の駆動部材が第1の方向に沿って枢動し前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構が前記第1の車輪と前記第2の車輪をロックするように駆動する場合、前記トーションバネヘッドは、前記環状溝に沿ってスライドし前記係合溝に当接し、前記第3の駆動部材が前記第1の方向と反対する第2の方向に沿って枢動し前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構とが前記第1の車輪と前記第2の車輪をロック解除するように駆動する場合、前記トーションバネヘッドは、前記環状溝に沿って前記係合溝から離れ、
前記リセットトーションバネの第1の端は、前記固定座に固定され、第2の端は、前記第3の駆動部材の本体部に固定されている、
ことを特徴とする請求項17に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項19】
前記環状溝は、第1のガイド溝及び第2のガイド溝を含み、前記第1のガイド溝と前記第2のガイド溝との間に前記係合溝及びロック解除溝が設けられており、前記第3の駆動部材が初期位置に位置する場合、前記トーションバネヘッドは、前記ロック解除溝に位置している、
ことを特徴とする請求項18に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項20】
前記第1のガイド溝と前記ロック解除溝との角度は、90°よりも大きく、前記第2のガイド溝と前記係合溝との角度は、90°よりも大きい、
ことを特徴とする請求項19に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項21】
前記第1のガイド溝、前記係合溝、前記第2のガイド溝及び前記ロック解除溝のうちの少なくとも1つの溝の底面は、反時計方向に沿って溝の一端から他端まで徐々に高くなるように設けられており、これにより、前記第1のガイド溝、前記係合溝、前記第2のガイド溝及び前記ロック解除溝のうちの少なくとも2つの隣接する溝の底面との間に段差構造を形成している、
ことを特徴とする請求項19又は20に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項22】
前記係合溝は、溝の延びる方向に沿って2つのセグメントに分け、前記2つのセグメントの底面との間に段差構造が形成され、前記第1のガイド溝に近いセグメントの底面は、前記第2のガイド溝に近いセグメントの底面よりも高い、
ことを特徴とする請求項19~21のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項23】
前記係合溝の内側壁は、前記トーションバネヘッドを位置決めするための凹部を含む、
ことを特徴とする請求項18~22のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカーに関し、特に、ベビーカーの輪群制動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のベビーカーの輪群制動装置は、一般的に2つの後輪に設置されており、各後輪には踏むためのペダルが設置されており、いずれかのペダルを踏むと、牽引部材を介して他のペダルを同時に動かすことができ、さらに、ベビーカーの2つの後輪を同時にブレーキすることができる。ロック解除時には、足の面を使っていずれかのペダルを持ち上げるだけで、2つのペダルを同時に動かして2つの後輪を同時にロック解除することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存のベビーカーは、一回踏みで2つのブレーキの効果を得ることができるが、ロック解除時には、足の面を使ってペダルを持ち上げると使用者の靴の表面が汚れることが多く、使用者はロック解除のたびに靴の表面を清潔にする必要があり、使用するのが嫌になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1の制動機構と、第2の制動機構と、牽引部材とを含むベビーカーの輪群制動装置を提供し、第1の制動機構は、ベビーカーの第1の車輪に設けられ、第1の車輪をロック又はロック解除するために使用され、第2の制動機構は、ベビーカーの第2の車輪に設けられ、第2の車輪をロック又はロック解除するために使用され、牽引部材は、第1の制動機構と第2の制動機構との間に接続されていることで、ロック又はロック解除する時に該第1の制動機構と該第2の制動機構とを互いに連動させ、ロック時の操作方向がロック解除時の操作方向と同方向になる。
【0005】
本発明は、第1の車輪に第1の制動機構を設け、第2の車輪に第2の制動機構を設け、第1の制動機構及び第2の制動機構を牽引部材を用いて接続し、ロック時の操作方向とロック解除時の操作方向とが同方向である。これにより、ロック及びロック解除の操作を簡単に便利にすることができ、足の面でペダルを持ち上げる必要がなく、使用者の靴の表面の清潔を保持することができる。
【0006】
第1の制動機構は、第1の車輪をロックする場合、牽引部材を介して、第2の制動機構が第2の車輪をロックするように駆動し、第2の制動機構は、第2の車輪をロック解除する場合、牽引部材を介して、第1の制動機構が第1の車輪をロック解除するように駆動する。これにより、一方の踏みで両車輪が同時ブレーキされ、他方の踏みで両車輪が同時にロック解除され、操作が簡単で便利で、靴の面でペダルを持ち上げる必要がない。
【0007】
一実施例では、第1の制動機構は、第1の軸ピンを含み、第1の軸ピンは、第1の車輪をロック又はロック解除し、第2の制動機構は、第2の軸ピンを含み、第2の軸ピンは解除第2の車輪をロック又はロックする。
【0008】
具体的に、第1の制動機構は、さらに、第1の軸ピンを駆動する第1の駆動部材を含み、第2の制動機構は、さらに、第2の軸ピンを駆動する第2の駆動部材を含み、牽引部材は、第1の駆動部材と第2の駆動部材との間に接続されている。
【0009】
具体的に、第1の駆動部材は、回転可能に設けられ、第1の駆動部材の側面に第1の駆動斜面が設けられており、第1の制動機構は、さらに、第1の弾性部材を含み、第1の軸ピンは、スライド可能に設けられ、第1の駆動部材が回転する場合に第1の駆動斜面の押圧により第1の車輪に挿入し、又は、第1の弾性部材の弾性力により第1の車輪から退出する。
【0010】
具体的に、第1の駆動斜面の一端にロック位置が設けられており、他端にロック解除位置が設けられている。
【0011】
具体的に、第1の駆動部材には、その回転を案内する円弧状のガイド孔が設けられている。
【0012】
具体的に、第1の駆動部材には、その回転を駆動する第1の操作部材が設けられている。
【0013】
具体的に、第2の駆動部材は、回転可能に設けられ、第2の駆動部材の側面に第2の駆動斜面が設けられ、第2の制動機構は、さらに、第2の弾性部材を含み、第2の軸ピンは、スライド可能に設けられ、第2の駆動部材が回転する場合に第2の駆動斜面の押圧により第2の車輪に挿入し、又は、第2の弾性部材の弾性力により第2の車輪から退出する。
【0014】
具体的に、第2の駆動部材に駆動斜孔が設けられており、第2の制動機構は、さらに、第3の弾性部材及び第2の操作部材を含み、第2の操作部材は、軸ピンを有し、軸ピンは、駆動斜孔にスライド可能に挿入され、第3の弾性部材は、第2の駆動部材をリセットするための弾性力を提供する。
【0015】
具体的に、第2の駆動斜面の一端にロック位置が設けられており、他端にロック解除位置が設けられている。
【0016】
具体的に、第1の制動機構は、第1の車輪をロックする場合、第2の制動機構が第2の車輪をロックするように駆動し、又は、第1の制動機構は、第1の車輪をロック解除する場合、第2の制動機構が第2の車輪をロック解除するように駆動する。
【0017】
具体的に、第1の制動機構は、さらに、係合フックを含み、第1の駆動部材に第1のガイド溝及び第2のガイド溝が設けられており、第1のガイド溝と第2のガイド溝との間に係合位置及びロック解除位置が設けられており、係合フックの一端は、ベビーカーのフレームに固定され、係合フックの他端は、第1のガイド溝及び第2のガイド溝のうちの一方にスライド可能に設けられ、第1の駆動部材が回転して第1の軸ピンが第1の車輪をロックするように押圧する場合、係合フックが第1のガイド溝から係合位置にスライドし、第1の駆動部材が回転して第1の軸ピンが第1の車輪をロック解除するように押圧する場合、係合フックが係合位置からロック解除位置にスライドする。
【0018】
ベビーカーのフレームには固定孔が設けられており、係合フックの一端は折り曲げられて固定孔に挿入されている。固定孔は、係合フックの一端を制限することもできるとともに、係合フックが各ガイド溝内をスライドする際に一定の角度で回転できることを保証することもでき、係合フックの柔軟性を高めることができる。
【0019】
具体的に、第1の駆動部材に第3のガイド溝及び第4のガイド溝がさらに設けられており、第3のガイド溝の両端は、第1のガイド溝及び係合位置に接続され、第4のガイド溝の両端は、係合位置及び第2のガイド溝に接続されている。
【0020】
具体的には、第4のガイド溝と第2のガイド溝との間には、係合フックを第2のガイド溝にスライドさせるガイド斜面が設けられている。係合フックが第4のガイド溝を上方向にスライドしてロック解除すると係合フックを変形させる可能性があり、第4のガイド溝の溝壁も圧潰する現象があるため、ガイド斜面を設けることにより、係合フックを第2のガイド溝内に自動的かつ迅速にスライドさせることができ、係合フックを変形させ、第4のガイド溝の溝壁を圧潰する問題を回避し、使用寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施例におけるベビーカーの輪群制動装置の構造図である。
図2】本発明の第1の実施例における第1の制動機構の構造図である。
図3】本発明の第1の実施例における第1の駆動部材の構造図である。
図4】本発明の第1の実施例における第2の制動機構の構造図である。
図5】本発明の第1の実施例における第2の駆動部材の構造図である。
図6】本発明の第1の実施例における第1の制動機構のブレーキ時の状態図である。
図7】本発明の第1の実施例における第2の制動機構のブレーキ時の状態の構造図である。
図8】本発明の第2の実施例におけるベビーカーの輪群制動装置の構造図である。
図9】本発明の第2の実施例におけるベビーカーの輪群制動装置の他の構造図である。
図10】本発明の第2の実施例における第1の制動機構の斜面図である。
図11】本発明の第2の実施例における第1の制動機構の側面図である。
図12】本発明の第2の実施例における第1の駆動部材の構造図である。
図13】本発明の第3の実施例におけるベビーカーの輪群制動装置のブレーキ時のの構造図である。
図14】本発明の第3の実施例におけるベビーカーの輪群制動装置のロック解除時の構造図である。
図15】本発明の第3の実施例におけるベビーカーのフレームに取り付けられた駆動機構の構造図である。
図16A図15の駆動機構が固定座の一部を取り外した構造図である。
図16B図16Aの駆動機構の第3の駆動部材の本体部の一部の断面図である。
図17A】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材の部分拡大側面図である。
図17B】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材の部分拡大側面図である。
図18】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が初期位置に位置する時にトーションバネヘッドの第3の駆動部材のガイド側面の環状溝内の位置の模式図である。
図19】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が1回目の操作で第1の方向に沿って枢動する時にトーションバネヘッドの第3の駆動部材のガイド側面の環状溝内の位置の模式図である。
図20】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が第1の方向に沿って終了位置に枢動した時にトーションバネヘッドの第3の駆動部材のガイド側面の環状溝内の位置の模式図である。
図21】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が第2の方向に沿ってロック位置に枢動した時にトーションバネヘッドの第3の駆動部材のガイド側面の環状溝内の位置の模式図である。
図22】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が2回目の操作で第1の方向に沿って回転する時にトーションバネヘッドの第3の駆動部材のガイド側面の環状溝内の位置の模式図である。
図23】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が2回目の操作で第1の方向に沿って回転する時にトーションバネヘッドの第3の駆動部材のガイド側面の環状溝内の位置の模式図である。
図24】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材のガイド側面の環状溝の一例の模式図である。
図25】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材が第1の方向に沿って終了位置に枢動した時にトーションバネヘッドの図24に示す環状溝内の位置の模式図である。
図26】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材の他の側面の模式図である。
図27】本発明の第3の実施例における駆動機構が第3の駆動部材を取り外した内部の構造図である。
図28】本発明の第3の実施例における駆動機構が第3の駆動部材の底部を取り外した内部の構造図である。
図29】本発明の第3の実施例における駆動機構が第3の駆動部材の底部を取り外さない構造図である。
図30】本発明の第3の実施例における駆動機構と第1の制動機構との分解の構造図である。
図31】本発明の第3の実施例における駆動機構と牽引部材と協働の模式図である。
図32】本発明の第3の実施例における第3の駆動部材の内側の構造図である。
図33】本発明の第3の実施例における駆動機構と第1の制動機構の構造図である。
図34】本発明の第3の実施例における第1の制動機構の一部の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術的内容、構造的特徴、実現された効果を詳細に説明するために、以下に実施例と併せ、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1に示すように、本発明の実施例1に係るベビーカーの輪群制動装置100の構成を図に示す。
【0024】
本発明のベビーカーの輪群制動装置100は、ベビーカーの後側に取り付けられ、第1の制動機構1、第2の制動機構2及び牽引部材3を含み、第1の制動機構1は、ベビーカーフレームの第1の後輪シート103に設けられ、第1の後輪101をロックするために使用され、第2の制動機構2は、ベビーカーフレームの第2の後輪シート104に設けられ、第2の後輪102をロック解除するために使用され、牽引部材3は、第1の制動機構1と第2の制動機構2との間に接続され、第1の制動機構1と第2の制動機構2とを、ロック又はロック解除を行う時に連動させ、これにより、第1の制動機構1は、第1の後輪101をロックする場合に、第2の制動機構2が第2の後輪102をロックするように駆動し、又は、第2の制動機構2は、第2の後輪102をロック解除する場合に、第1の制動機構1が第1の後輪101をロック解除するように駆動する。ロックされる時の第1の制動機構1の操作方向は、ロック解除される時の第2の制動機構2の操作方向と同方向である。
【0025】
図2図4に示すように、第1の制動機構1は、第1の軸ピン11、第1の軸ピン11を駆動する第1の駆動部材12、及び第1の弾性部材13を含み、第1の弾性部材13は、圧縮ばねである。第1の軸ピン11は、第1の後輪101をロックするために使用され、第2の制動機構2は、第2の軸ピン21及び第2の軸ピン21を駆動する第2の駆動部材22を含み、第2の軸ピン21は、第2の後輪102をロックするために使用される。牽引部材3は、第1の駆動部材12と第2の駆動部材22との間に接続されている。具体的に、第1の駆動部材12は、第1の後輪シート103に回転可能に設けられ、第1の駆動部材12の側面に第1の駆動斜面121が設けられている。第1の軸ピン11は、第1の後輪シート103にスライド可能に設けられ、一端が第1の駆動斜面121にスライド可能に当接し、第1の弾性部材13は、第1の後輪シート103内に設けられ、第1の軸ピン11を第1の後輪101に挿入する弾性力を提供する。第1の軸ピン11は、第1の駆動部材12が回転する場合に、第1の駆動斜面121の押圧により第1の後輪101に挿入し、又は、第1の弾性部材13の弾性力により第1の後輪101から退出する。第1の駆動斜面121の一端にロック位置122が設けられ、他端にロック解除位置123が設けられ、第1の駆動部材12を水平に置くときに、ロック位置122は、第1の駆動部材12の高位に位置し、ロック解除位置123は、第1の駆動部材12の低位に位置し、第1の軸ピン11の一端が第1の後輪101に挿入する場合、第1の軸ピン11の他端は、ロック位置122に位置し、第1の軸ピン11の一端が第1の後輪101から退出する場合、第1の軸ピン11の他端は、ロック解除位置123に位置している。第1の駆動部材12には、その回転を案内する円弧状のガイド孔124が設けられている。第1の後輪シート103にガイド柱が設けられ、ガイド柱が円弧状のガイド孔124にスライド可能に挿入される。第1の駆動部材12に、さらに、第1の操作部材125が設けられ、使用者が足で踏みやすいようにする。
【0026】
図4及び図5を参照し、第2の駆動部材22は、第2の後輪シート104にスライド可能に設けられ、第2の駆動部材22に駆動斜孔221が設けられ、第2の制動機構2は、さらに、第3の弾性部材23及び第2の操作部材24を含み、第2の操作部材24は、軸ピン241を有し、軸ピン241は、駆動斜孔221にスライド可能に挿着する。第3の弾性部材23は、第2の後輪シート104と第2の駆動部材22との間に設けられ、第2の駆動部材22を回転してリセットする弾性力を提供し、第3の弾性部材23は、圧縮ばねである。具体的に、第2の駆動部材22の側面に第2の駆動斜面222が設けられ、第2の制動機構2は、さらに、第2の弾性部材25を含み、第2の軸ピン21は、第2の後輪シート104にスライド可能に設けられ、第2の弾性部材25は、第2の後輪シート104に設けられ第2の軸ピン21に嵌着され、第2の軸ピン21をリセットするための弾性力を提供する。第2の軸ピン21は、第2の駆動部材22が回転する場合に第2の駆動斜面222の押圧により第2の後輪102に挿入し、又は、第2の弾性部材25の弾性力により第2の後輪102から退出することができる。具体的に、第2の駆動斜面222の一端にロック位置223が設けられ、他端にロック解除位置224が設けられている。第2の駆動部材22を水平に置くときに、ロック位置223は、第2の駆動部材22の高位に位置し、ロック解除位置224は、第2の駆動部材22の低位に位置し、第2の軸ピン21の一端が第2の後輪102に挿入する場合、第2の軸ピン21の他端は、ロック位置223に位置し、第2の軸ピン21の一端が第2の後輪102から退出する場合、第2の軸ピン21の他端は、ロック解除位置224に位置している。
【0027】
上述した図6及び図7を参照して、以下にこの実施例のベビーカーの輪群制動装置100の動作原理を詳細に説明する。
【0028】
ブレーキする必要がある場合、第1の駆動部材12のペダルを足で下に踏み込み、第1の駆動部材12が回転すると、第1の駆動斜面121は第1の軸ピン11と相対的にスライドし、第1の軸ピン11は、ロック解除位置123から第1の駆動斜面121に沿ってロック位置122にスライドする。この過程で、第1の駆動斜面121は、第1の軸ピン11を第1の後輪101内に挿入し、さらに、第1の後輪101をブレーキする。第1の駆動部材12が回転すると同時に、第1の駆動部材12は、牽引部材3を引き、牽引部材3は、第2の駆動部材22が回転するように駆動し、第2の駆動部材22の第2の駆動斜面222は、第2の軸ピン21を第2の後輪102内に挿入するように駆動し、第2の軸ピン21は、ロック解除位置224から第2の駆動斜面222に沿ってロック位置223にスライドする。このとき、第1の後輪101及び第2の後輪102は同時にロックされた状態にある。
【0029】
ロック解除が必要な場合は、他の側の第2の操作部材24を足で下に踏み込み、第2の操作部材24を下に移動させる。第2の操作部材24の軸ピン241は、駆動斜孔221内をスライドし、第2の駆動部材22が回転するように駆動し、第2の駆動部材22は、第2の駆動斜面222が回転するように駆動し、第2の弾性部材25の弾性力により、第2の軸ピン21をロック位置223からロック解除位置224にスライドさせる。第2の軸ピン21の他端は、第2の後輪102から退出する。同時に、第2の駆動部材22は、牽引部材3を介して第1の駆動部材12が回転するように駆動し、第1の駆動部材12により第1の駆動斜面121が回転するように駆動し、第1の弾性部材13の弾性力により、第1の軸ピン11をロック位置122からロック解除位置123にスライドさせる。第1の軸ピン11の他端は、第1の後輪101から退出する。このとき、第1の後輪101及び第2の後輪102は同時にロック解除された状態にある。
【0030】
簡単に言えば、ブレーキが必要な場合は、第1の操作部材125の操作方向を足で下に踏み込み、ロック解除が必要な場合と同様に、他の側の第2の操作部材24の操作方向を足で下に踏み込むので、足の面でペダルを持ち上げる必要がない。
【0031】
本発明は、第1の後輪101に第1の制動機構1を設け、第2の後輪102に第2の制動機構2を設け、第1の制動機構1及び第2の制動機構2を牽引部材3で接続することにより、第1の制動機構1が第1の後輪101をロックする際に第2の制動機構2を駆動して第2の後輪102をロックし、あるいは、第2の制動機構2が第2の後輪102をロック解除する際に、第1の制動機構1を駆動して第1の後輪101をロック解除し、さらに、1つのロックの踏みで2つの後輪が同時にブレーキする効果を達成し、他の側でロック解除の踏みで両後輪が同時にロック解除され、操作が簡単で便利で、しかも足の面でペダルを持ち上げる必要がなく、使用者の靴の表面が清潔であることを保証する。
【0032】
図8図12に示すように、図は、本発明の実施例2におけるベビーカーの輪群制動装置100'の構造を示す。
【0033】
図8図10に示すように、この実施例におけるベビーカーの輪群制動装置100'は、第1の制動機構1'、第2の制動機構2'及び牽引部材3'を含み、第1の制動機構1'は、ベビーカーフレームの第1の後輪シート103に設けられ、第1の後輪101をロック又はロック解除するために使用され、第2の制動機構2'は、ベビーカーフレームの第2の後輪シート104に設けられ、第2の後輪102をロック又はロック解除するために使用され、牽引部材3'は、第1の制動機構1'と第2の制動機構2'との間に接続され、第1の制動機構1'と第2の制動機構2'とを、ロック又はロック解除する時に連動させ、第1の制動機構1'は、第1の後輪101をロックする場合、第2の制動機構2'が第2の後輪102をロックするように駆動し、第1の制動機構1'は、第1の後輪101をロック解除する場合に、第2の制動機構2'が第2の後輪102をロック解除するように駆動する。第1の制動機構1'がロックする時の操作方向は、第1の制動機構1'がロック解除する時の操作方向と同方向である。
【0034】
図9図12に示すように、第1の制動機構1'は、第1の軸ピン11'、第1の軸ピン11'を駆動する第1の駆動部材12'及び係合フック13'を含み、第1の軸ピン11'は、第1の後輪101をロック又はロック解除するために使用され、第2の制動機構2'は、第2の軸ピン及び第2の軸ピンを駆動する第2の駆動部材を含み、この実施例における第2の軸ピン及び第2の軸ピンを駆動する第2の駆動部材は、実施例1における第1の軸ピン11及び第1の駆動部材12の構成と同様であり、ここで説明を省略する。第2の軸ピンは、第2の後輪102をロック又はロック解除するために使用され、牽引部材3'は、第1の駆動部材12'と第2の駆動部材との間に接続されている。第1の駆動部材12'に第1のガイド溝121'及び第2のガイド溝122'が設けられている。第1のガイド溝121'と第2のガイド溝122'との間に係合位置123'及びロック解除位置124'が設けられている。第1の駆動部材12'に第3のガイド溝125'及び第4のガイド溝126'がさらに設けられ、第3のガイド溝125'の両端は、第1のガイド溝121'及び係合位置123'に接続され、第4のガイド溝126'の両端は、係合位置123'及び第2のガイド溝122'に接続されている。第1のガイド溝121'、第3のガイド溝125'、係合位置123'、第4のガイド溝126'、第2のガイド溝122'及びロック解除位置124'は、順次に接続してサイクルを形成し、第3のガイド溝125'と係合位置123'と第4のガイド溝126'との間は、V状の構造を形成し、係合フック13'の係合位置123'からの予想外の離脱を防止する。係合フック13'の一端は、ベビーカーの第1の後輪シート103に固定され、係合フック13'の他端は、第1のガイド溝121'、第3のガイド溝125'、係合位置123'、第4のガイド溝126'、第2のガイド溝122'及びロック解除位置124'をスライド可能に順次に経過する。第1の駆動部材12'が回転して第1の軸ピン11'が第1の後輪101をロックするように押圧する場合、係合フック13'が第1のガイド溝121'から係合位置123'にスライドし、第1の駆動部材12'が回転して第1の軸ピン11'が第1の後輪101をロック解除するように押圧する場合、係合フック13'が係合位置123'からロック解除位置124'にスライドする。なお、ベビーカーフレームの第1の後輪シート103に固定孔1031が設けられ、係合フック13'の一端は、折り曲げて固定孔1031内に挿入する。固定孔1031は、係合フック13'の一端を位置限定するとともに、係合フック13'が各ガイド溝内をスライドする際に一定角度回動できることを保証して、係合フック13'の柔軟性を高め、係合フック13'の変形を回避することができる。
【0035】
また、図11に示すように、第4のガイド溝126'と第2のガイド溝122'との間には、係合フック13'を第2のガイド溝122'にスライドさせるガイド斜面129'が設けられている。係合フック13'が第4のガイド溝126'で上方にスライドしてロック解除する時に係合フック13'を変形させる可能性があり、第4のガイド溝126'の溝壁も圧潰する現象があるため、ガイド斜面129'を設けることにより、係合フック13'を第2のガイド溝122'内に自動的にかつ迅速にスライドすることができ、これにより、係合フック13'を変形させ、第4のガイド溝126'の溝壁を圧潰する問題を回避し、使用寿命を延長することができる。
【0036】
図9及び図12を参照し、具体的に、第1の制動機構1'は、さらに、第1の弾性部材14'を含み、第1の弾性部材14'は、圧縮ばねであり、第1の弾性部材14'は、第1の後輪シート103内に設けられ第1の軸ピン11'に嵌着される。第1の駆動部材12'の側面に第1の駆動斜面127'が設けられ、第1の軸ピン11'は、第1の後輪シート103にスライド可能に設けられ、第1の駆動部材12'が回転する場合に第1の駆動斜面127'の押圧により第1の後輪101に挿入し、又は、第1の弾性部材14'の弾性力により第1の後輪101から退出する。この実施例における第1の駆動斜面127'は、さらに、実施例1の第1の駆動斜面121の一端に設けられたロック位置122及び他端に設けられたロック解除位置123と同様の構成を有し、これにより、第1の軸ピン11'を位置限定し、ここで説明を省略する。第1の駆動部材12'には、さらに、踏むための操作部材(例えばペダル128')が設けられている。
【0037】
第2の制動機構2'は、第2の弾性部材及び第3の弾性部材をさらに含み、この実施例2における第2の制動機構2'の具体的な構成図は図示していないが、実施例1の構成及び原理と同様であり、実施例1の図面を参照することができる。第3の弾性部材は、第2の後輪シート104内に設けられ、第2の駆動部材が回転してリセットする弾性力を提供することができる。第2の弾性部材は、圧縮ばねであり、第2の軸ピンに嵌着される。第2の駆動部材の側面には第2の駆動斜面が設けられ、第2の軸ピンは、第2の後輪シート104にスライド可能に設けられ、第2の駆動部材の回転時に第2の駆動斜面の押圧によって第2の後輪102に挿入し、又は、第2の弾性部材の弾性力によって第2の後輪102から退出する。具体的には、第2の駆動斜面の一端にロック位置が設けられ、他端にロック解除位置124'が設けられている。第2の駆動部材を水平に置く場合、ロック位置は第2の駆動部材の高位に位置し、ロック解除位置124'は第2の駆動部材の低位に位置し、第2の軸ピンの一端が第2の後輪102に挿入されると、第2の軸ピンの他端はロック位置に位置し、第2の軸ピンの一端が第2の後輪102から退出すると、第2の軸ピンの他端は、ロック解除位置124'に位置する。
【0038】
上述した図8図12を参照し、以下にこの実施例のベビーカーの輪群制動装置100'の動作原理を詳細に説明する。
【0039】
ブレーキが必要な場合は、第1の駆動部材12'のペダルを足で下に踏み込み、第1の駆動部材12'が回転すると、係合フック13'が第1のガイド溝121'から第3のガイド溝125'にスライドし、さらに、第3のガイド溝125'から係合位置123'にスライドする。この過程で、第1の駆動斜面127'は第1の軸ピン11'と相対的にスライドし、第1の軸ピン11'はロック解除位置124'から第1の駆動斜面127'に沿ってロック位置にスライドする。同時に、第1の駆動斜面127'は第1の軸ピン11'を駆動して第1の後輪101内に挿入し、さらに、第1の後輪101をブレーキする。また、第1の駆動部材12'が回転すると同時に、第1の駆動部材12'が牽引部材3'を引き、牽引部材3'により第2の駆動部材を回転させ、第2の駆動部材の第2の駆動斜面が第2の後輪102内に第2の軸ピンを挿入するように駆動し、第2の軸ピンがロック解除位置124'から第2の駆動斜面に沿ってロック位置にスライドする。このとき、第1の後輪101及び第2の後輪102は同時にロックされた状態にある。
【0040】
ロック解除が必要な場合、再び第1の駆動部材12'のペダルを足で下に踏み込み、第1の駆動部材12'が回転すると、係合フック13'は係合位置123'から離れ、第4のガイド溝126'にスライドし、その後、係合フック13'は、第4のガイド溝126'からガイド斜面129'に入り、ガイド斜面129'のガイドにより、係合フック13'は第2のガイド溝122'にスライドし、さらに、第2のガイド溝122'からロック解除位置124'にスライドする。この過程で、第1の駆動部材12'は、第1の駆動斜面127'を回転させ、第1の弾性部材14'の弾性力によって、第1の軸ピン11'をロック位置からロック位置124'にスライドさせる。第1の軸ピン11'の他端は、第1の後輪101から退出する。同時に、第1の駆動部材12'は、牽引部材3'を介して第2の駆動部材を回転させ、第2の駆動部材は、第2の駆動斜面を回転させ、第2の弾性部材の弾性力によって、第2の軸ピンをロック位置からロック位置124'にスライドさせる。第2の軸ピンの他端は、第2の後輪102から退出する。このとき、第1の後輪101及び第2の後輪102は、同時にロック解除された状態にある。
【0041】
簡単に言えば、ブレーキが必要な場合は、第1の駆動部材12'の操作部材(すなわちペダル128')の操作方向を足で下に踏み、ロック解除が必要な場合と同様に、ペダル128'の操作方向を足で再度に下に踏み、足の面でペダルを持ち上げる必要がない。
【0042】
本発明は、第1の後輪101に第1の制動機構1'を設け、第2の後輪102に第2の制動機構2'を設け、第1の制動機構1'及び第2の制動機構2'を牽引部材3'で接続することにより、第1の制動機構1'が第1の後輪101をロックする時に第2の制動機構2'を駆動して第2の後輪102をロックし、あるいは、第1の制動機構1'が第1の後輪101をロック解除する時に第2の制動機構2'が第2の後輪102をロック解除するように駆動し、さらに、1つのロック又はロック解除の踏みで両後輪が同時にブレーキするという1つの踏みで双ブレーキの効果を達成し、操作が簡単で便利であり、かつ足の面でペダルを持ち上げる必要がなく、使用者の靴面の清潔を保証する。
【0043】
図13図34は、本発明の実施例3におけるベビーカーの輪群制動装置100”の構成を例示的に示す。
【0044】
ベビーカーの輪群制動装置100”は、第1の制動機構1”、第2の制動機構2”及び牽引部材3”を含み、第1の制動機構1’は、ベビーカーの第1の車輪101”に設けられ、第1の車輪101”をロック又はロック解除するために使用され、第2の制動機構2”は、ベビーカーの第2の車輪102”に設けられ、第2の車輪102”をロック又はロック解除するために使用され、牽引部材3”は、第1の制動機構1”と第2の制動機構2との間に接続され、第1の制動機構1”と第2の制動機構2”とを、ロック又はロック解除の時に連動させる。
【0045】
図13図14に示すように、ベビーカーの輪群制動装置100”は、ベビーカーのフレームFに設けられた駆動機構4を含み、駆動機構4は、牽引部材3”(図示せず)を介して第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”に接続され、駆動機構4は、一方向に沿って操作すると、牽引部材3”を介して第1の制動機構1”と第2の制動機構2”とを同時に駆動して第1の車輪101”及び第2の車輪102”をそれぞれロックすることができ、その後、駆動機構4は、同一の方向に操作すると、牽引部材3”を介して第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”を同時に駆動して第1の車輪101”及び第2の車輪102”をそれぞれロック解除することができる。
【0046】
次に、図15図29を参照して、本発明の実施例3における駆動機構4の同一方向の二次操作に係る構成について説明する。
【0047】
図15に示すように、駆動機構4は、ベビーカーのフレームFに固定する固定座41と、第3の駆動部材42とを含み、第3の駆動部材42の本体部421が固定座41に回動可能に設けられており、第3の駆動部材42がフレームFの中心軸線周りに回動可能であり、本体部421から、使用者が操作するための第3の操作部材422、例えばペダルや操作レバーなどを延在させる。図13及び図14に示す実施例では、フレームFは、第1の車輪101”と第2の車輪102”との間の連結棒(例えば、両後脚管間の横パイプ)であってよく、固定座41は、連結棒に固定されている。
【0048】
図16Aに示すように、第3の駆動部材42の本体部421は、ガイド側面423を含む。図17に示すように、ガイド側面423は、第1のガイド溝423a及び第2のガイド溝423bを含み、第1のガイド溝423aと第2のガイド溝423bとの間には係合溝423c及びロック解除溝423dが設けられ、第1のガイド溝423a、係合溝423c、第2のガイド溝423b及びロック解除溝423dは、閉じた環状溝として順次接続されている。
【0049】
なお、第3の駆動部材42の本体部421のガイド側面423と対向する他方の側には同じガイド側面を設けてもよいし、図26に示すようにガイド側面を設けなくてもよい。
【0050】
図16A及び図16Bに示すように、駆動機構4は、固定部431と固定部431から延出されたトーションバネヘッド432とを含む係合トーションバネ43をさらに含む。固定部431は、固定座41に固定され、トーションバネヘッド432は、ガイド側面423の環状溝にスライド自在に設けられている。第3の駆動部材42がフレームFの中心軸線を中心に枢動すると、トーションバネヘッド432はロック解除溝423dから出発し、第1のガイド溝423a、係合溝423c、第2のガイド溝423b及びロック解除溝423dを反時計方向に順次スライドする。
【0051】
トーションバネヘッド432がガイド側面423の環状溝を反時計方向にスライドすることを保証するために、一実施例では、第1のガイド溝423aとロック解除溝423dとの間の角度θ1が90度より大きく、第2のガイド溝423bと係合溝423cとの角度θ2が90度より大きく、これにより、第3の駆動部材42が第1の方向D1(図19)に沿って回転すると、トーションバネヘッド432は、ロック解除溝423dから第1のガイド溝423aにスライドする傾向があり、また、第3の駆動部材42が第1の方向Dに沿って再び枢動すると、トーションバネヘッド432は、係合溝423cから第2のガイド溝423bにスライドする傾向がある。ここで、2つの溝の間の角度とは、2つの溝の略延在方向の間の角度を意味する。
【0052】
図17Bに示す別の実施例では、第1のガイド溝423a、係合溝423c、第2のガイド溝423b及びロック解除溝423dのうちの少なくとも1つの溝の底面は、図17Bに矢印で示す反時計方向に沿って溝の一端から他端まで徐々に高くなるように設けられ、これにより、第1のガイド溝423a、係合溝423c、第2のガイド溝423b及びロック解除溝423dのうちの少なくとも2つの隣接する溝の底面間に段差構造が形成され、これにより、トーションバネヘッド432がガイド側面423の環状溝で逆方向にスライドしないようにする。
【0053】
1つの態様では、4つの溝の底面は、いずれも、隣接する2つの溝の底面の間に段差構造が形成されるように、図17Bに矢印で示す反時計方向に溝の一端から他端まで徐々に高くなるように構成することができる。すなわち、第1のガイド溝423aと係合溝423cとの接続箇所を基準とすると、第1のガイド溝423aの底面は、係合溝423cの底面よりも高く、係合溝423cと第2のガイド溝423bとの接続箇所を基準とすると、係合溝423cの底面は、第2のガイド溝423bの底面よりも高く、第2のガイド溝423bとロック解除溝423dとの接続箇所を基準とすると、第2のガイド溝423bの底面は、ロック解除溝423dの底面よりも高く、ロック解除溝423dと第1のガイド溝423aとの接続箇所を基準とすると、ロック解除溝423dの底面は、第1のガイド溝423aの底面よりも高い。
【0054】
別の態様では、一方の溝の底面、例えば係合溝423cの底面は、溝の一端から他端までの高さが変化しないように設けられ、他の3つの溝の底面は、図17Bに矢印で示す反時計方向に溝の一端から他端まで徐々に高くなるように設けられてもよい。
【0055】
さらに別の態様では、4つの溝の底面は、いずれも、図17Bに矢印で示す反時計方向に溝の一端から他端まで徐々に高くなるように設けられているが、2つの隣接する溝の底面の間、例えばロック解除溝423dと第1のガイド溝423aの底面の間には段差構造が形成されておらず、他の隣接する溝の底面の間には段差構造が形成されている。
【0056】
さらに、図24及び図25に示すように、係合溝423cは環状溝の延在方向に沿って2つのセグメント423c21と423c22に分け、これら2つのセグメントの底面の間に段差構造が形成され、且つ、第1のガイド溝423aに近いセグメント423c21の底面は、第2のガイド溝423bに近いセグメント423c22の底面よりも高く、これにより、トーションバネヘッド432が係合溝423cにスムーズに係合することを確保する。
【0057】
また、係合トーションバネ43は、固定部431から延びる固定トーションバネヘッド433(図26参照)を含むことができ、図26に示すように、固定トーションバネヘッド433は、第3の駆動部材42の本体部421のガイド側面423と対向する他方の側に設けられ、係合トーションバネ43をよりよく固定するために使用される。
【0058】
駆動機構4は、図27図29に示すように、リセットトーションバネ44をさらに備え、リセットトーションバネ44の第1の端441は、固定座41に固定され、図27及び図28に示すように、第2の端442は、第3の駆動部材42の本体部421に固定されている。例えば、第2の端442は、図29に示すように、本体部421の底部の貫通孔に固定されてもよい。リセットトーションバネ44は、第3の駆動部材42を初期位置に復帰させるために使用される。
【0059】
次に、本発明の実施例3に係る駆動機構4が同一の操作方向に二次操作される動作について説明する。
【0060】
図18に示すように、第3の駆動部材42が初期位置にあるとき、トーションバネヘッド432はロック解除溝423dに位置する。
【0061】
駆動機構4が使用者によって一方向に操作されると、例えば、ユーザーが第3の駆動部材42の第3の操作部材422に下向きの圧力を加えると、第3の駆動部材42は、図19に示すように、リセットトーションバネ44の弾性力に抗して第1の方向D1に枢動し、トーションバネヘッド432は、ロック解除溝423dに沿って第1のガイド溝423aにスライドする。
【0062】
第3の駆動部材42が第1の方向D1に沿って枢動を続けるにつれて、トーションバネヘッド432は、第1のガイド溝423aに沿って係合溝423cにスライドする。このとき、トーションバネヘッド432は、図20に示すように、係合溝423cの外側壁に引っ掛かり、第3の駆動部材42が第1の方向D1に沿って枢動し続けることができなくなり、すなわち、第3の駆動部材42が第1の方向D1に沿って終了位置に枢動する。この過程で、駆動機構4は、第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”を牽引部材3”を介して同時に駆動して、それぞれ第1の車輪101”及び第2の車輪102”をロックする。係合溝423cの外側壁は、環状溝の中心から遠い側壁を指し、以下の係合溝423cの内側壁は、環状溝の中心に近い側壁を指す。
【0063】
ユーザーが第3の駆動部材42の第3の操作部材422に下向きの圧力を加えなくなると、第3の駆動部材42は、リセットトーションバネ44の弾性力により第2の方向D2に枢動し、そして、トーションバネヘッド432が係合溝423cの外側壁から離れて係合溝423cの内側壁に当接し、第3の駆動部材42が第2の方向D2に枢動し続けることができなくなり、第3の駆動部材42をロック位置に保持する。この過程で、第3の駆動部材42が第2の方向D2に沿って枢動する過程は非常に短いため、第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”は、第1の車輪101”及び第2の車輪102”をロックしたままである。トーションバネヘッド432が予想外に外れることなく係合溝423cの内側壁に当接するすることを確実にするために、係合溝423cの内側壁は、トーションバネヘッド432を位置決めするための凹部423c1を含むことができ、図21に示されるように、この凹部423c1の角度は、90度より大きい。凹部の角度は、凹部を形成する係合溝423cの内側壁の2つのセグメントの間の角度である。
【0064】
駆動機構4が使用者によって同じ方向に再操作されると、例えば、ユーザーが第3の駆動部材42の第3の操作部材422に再び下向きの圧力を加えると、第3の駆動部材42は、リセットトーションバネ44の弾性力に抗して第1の方向D1に再枢動し、トーションバネヘッド432は、図22に示すように、係合溝423cの内側壁から離れて外側壁に達する。第3の駆動部材42が第1の方向D1に沿って枢動し続けるにつれて、トーションバネヘッド432は、図23に示すように、トーションバネヘッド432が第2のガイド溝423bにスライドして第2のガイド溝423bの端壁を掛けるまで、係合溝423cに沿って第2のガイド溝423bにスライドし、これにより、第3の駆動部材42が第1の方向D1に沿って枢動し続けることができない。この過程で、第3の駆動部材42が第1の方向D1に沿って枢動する過程は、同様に非常に短いので、第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”は、第1の車輪101”及び第2の車輪102”をロックしたままである。
【0065】
ユーザーが第3の駆動部材42の第3の操作部材422に下向きの圧力を加えないと、第3の駆動部材42は、リセットトーションバネ44の弾性力により第2の方向D2に枢動し、トーションバネヘッド432は、第2のガイド溝423bに沿ってロック解除溝423dにスライドし、第3の駆動部材42は、図18に示すように、初期位置に戻る。この過程で、駆動機構4は、牽引部材3”を介して、第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”のそれぞれを駆動して第1の車輪101”及び第2の車輪102”を同時にロック解除する。
【0066】
以下、図30図32を参照して、本発明の実施例3における駆動機構4が、第1の制動機構1及び第2の制動機構2を、牽引部材3を介して同時に駆動する方法について説明する。
【0067】
図32に示すように、第3の駆動部材42の本体部421の内側面には、一対の駆動斜溝421aが対称に設けられ、駆動斜溝421aの同じ端の間の距離は、他端の間の距離よりも短い。
【0068】
本発明の実施例3において、駆動機構4が第1の制動機構1”に対応する牽引部材3”と、第1の制動機構2”に対応する牽引部材3”とは、同じ形態をとることができるので、ここでは、駆動機構4は、第1の制動機構1”に対応する牽引部材3”を例に説明する。
【0069】
図30に示すように、牽引部材3”の駆動機構4に接続された一端には、駆動ピン31”が接続されており、駆動ピン31”は、フレームFの駆動機構4を支持するセグメントの内部にフレームFの中心軸線に沿って軸方向にスライド可能に設けられており、駆動ピン31”には、それ自体の中心軸線に垂直なスライド軸31a”が含まれている。フレームFの支持セグメントには、フレームFの中心軸線方向に延びる長形孔が開口しており、スライド軸31a”は、長形孔内にスライド可能に挿着されるとともに駆動斜溝421a内に挿着され、第3の駆動部材42が枢動する際に駆動斜溝41aを介して駆動ピン31”をスライドさせる。駆動斜溝421aを設けることにより、駆動斜溝421aは、第3の駆動部材42が枢動するねじれ力を駆動ピン31”に対する軸方向の引張力に変換することができ、これにより、駆動ピン31”が牽引部材3”を引き、さらに、牽引部材3”を介して第1の制動機構1”を引き、第1の車輪101”をロックする目的を達成することができる。第3の駆動部材42は、2つの駆動ピン31”を同時に駆動してスライドすることができ、これにより、第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”を同時に駆動することができる。
【0070】
もちろん、本発明はこれに限定されない。駆動機構4は、第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”を牽引部材3”を介して同時に駆動することは、他の実施例を採ることができる。
【0071】
図31に示すように、2つの駆動ピン31”の間には弾性部材32”が接続されている。弾性部材32”は、駆動ピン弾性部材32”が繰り返し動作できるように、駆動ピン弾性部材32”にリセットする弾性力を提供することができる。例えば、弾性部材32”は、圧縮ばねであってもよい。2つの駆動ピン31”が第3の駆動部材42によって駆動されて互いに近接すると、弾性部材32”が圧縮される。
【0072】
次に、図30図33及び図34を参照して、本発明の実施例3における第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”が牽引部材3”の駆動により第1の車輪101”及び第2の車輪102”をどのようにロック又はロック解除するかの一実施例について説明する。
【0073】
この実施例では、第1の制動機構1”と第2の制動機構2”とは同じ構成をとることができるので、ここでは第1の制動機構1”のみを例に説明する。
【0074】
図30及び図33に示すように、第1の制動機構1”は、ロック部材11”、ブッシング13”、弾性リセット部材14”及び第1の車輪101”の車軸に位置する周方向に複数のロック溝151”が配置されたロック溝構造15”を含む。
【0075】
図34に示すように、ブッシング13”は、側部に開口される中空構造であり、その上壁に牽引部131”を有し、牽引部材3”に接続するために使用され、その側壁には貫通斜溝132”があり、ロック部材11”を駆動するために使用される。
【0076】
ロック部材11”は、T字型構造を構成する第1の軸と第2の軸とを含み、第1の軸は、ブッシング13”に設けられ、ブッシング13”に進入又は突出することができる。第1の軸がブッシング13”内に位置する端部は、ブッシング13”の側壁の貫通斜溝132”を貫通するスライドピン111”を含み、これにより、ブッシング13”が牽引部材3”に引っ張られて上方に移動すると、貫通斜溝132”は、スライドピン111”を横方向に移動させ、ロック部材11”の第1の軸がブッシング13”から少なくとも部分的に突出し、第2の軸は、第1の軸がブッシング13”から突出するにつれてロック溝構造15”のうちの1つのロック溝151”に係合し、第1の車輪101”をロックする。
【0077】
弾性リセット部材14”は、ロック部材11”とスライドブッシング13”の間に位置し、ロック部材11”の第1の軸をスライドブッシング13”に進入する弾性力を提供する。弾性リセット部材14”は、例えば、引張バネ、弾性ベルトであってもよい。ロック部材11”の第1の軸がブッシング13”から突出した後、弾性リセット部材14”が押圧される。スライドブッシング13”が牽引部材3”に引っ張られなくなると、ロック部材11”の第1の軸は、弾性リセット部材14”の作用によりスライドブッシング13”内に戻り、第2の軸は、第1の軸がスライドブッシング13”に戻るにつれてロック溝構造15”中のロック溝151”との係合を外し、第1の車輪101”をロック解除する。同時に、第1の軸上のスライドピン111”は、貫通斜溝132”逆に駆動され、スライドブッシング13”が下方に移動する。
【0078】
なお、本発明の実施例3における第1の制動機構1”及び第2の制動機構2”は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の実施例2に係る第2の制動機構の構成を採用してもよい。
【0079】
以上開示されたのは本発明の好適な例にすぎず、もちろんこれによって本発明の権利範囲を限定することはできないので、本願の開示範囲による同等の変化は、依然として本発明がカバーする範囲に属する。
【符号の説明】
【0080】
1、1' 第1の制動機構
2、2' 第2の制動機構
3、3' 牽引部材
11、11' 第1の軸ピン
12、12' 第1の駆動部材
13、14' 第1の弾性部材
13' 係合フック
21 第2の軸ピン
22 第2の駆動部材
23 第2の弾性部材
24 第2の操作部材
25 第3の弾性部材
100、100' ベビーカーの輪群制動装置
101 第1の後輪
102 第2の後輪
103 第1の後輪シート
104 第2の後輪シート
121 第1の駆動斜面
121' 第1のガイド溝
122、223 ロック位置
122' 第2のガイド溝
123、124'、224 ロック解除位置
123' 係合位置
124 円弧状のガイド孔
125 第1の操作部材
125' 第3のガイド溝
126' 第4のガイド溝
127' 第1の駆動斜面
128' ペダル
129' ガイド斜面
221 駆動斜孔
222 第2の駆動斜面
241 軸ピン
1031 固定孔
100” ベビーカーの輪群制動装置
F フレーム
101” 第1の車輪
102” 第2の車輪
1” 第1の制動機構
11” ロック部材
13” ブッシング
131” 牽引部
132” 貫通斜溝
14” 弾性リセット部材
15” ロック溝構造
151” ロック溝
2” 第2の制動機構
3” 牽引部材
31” 駆動ピン
31a” スライド軸
32” 弾性部材
4 駆動機構
41 固定座
42 第3の駆動部材
421 本体部
421a 駆動斜溝
422 第3の操作部材
423 ガイド側面
423a 第1のガイド溝
423b 第2のガイド溝
423c 係合溝
423c1 凹部
423c21、423c22 係合溝の2つのセグメント
423d ロック解除溝
43 係合トーションバネ
431 固定部
432 トーションバネヘッド
433 固定トーションバネヘッド
44 リセットトーションバネ
441 リセットトーションバネの第1の端
442 リセットトーションバネの第2の端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制動機構と、第2の制動機構と、牽引部材とを含むベビーカーの輪群制動装置であって、
前記第1の制動機構は、ベビーカーの第1の車輪に設けられ、前記第1の車輪をロック又はロック解除するために使用され、前記第2の制動機構は、前記ベビーカーの第2の車輪に設けられ、前記第2の車輪をロック又はロック解除するために使用され、前記牽引部材は、前記第1の制動機構及び前記第2の制動機構との間に接続されることで、ロック又はロック解除する時に前記第1の制動機構と前記第2の制動機構を互いに連動させ、ロック時の操作方向がロック解除時の操作方向と同方向になる、
ことを特徴とするベビーカーの輪群制動装置。
【請求項2】
前記第1の制動機構は、前記第1の車輪をロックしている場合、前記牽引部材を介して前記第2の制動機構が前記第2の車輪をロックするように駆動し、前記第2の制動機構は、前記第2の車輪をロック解除する場合、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構が前記第1の車輪をロック解除するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項3】
前記第1の制動機構は、第1の軸ピンを含み、前記第1の軸ピンは、前記第1の車輪をロック又はロック解除し、前記第2の制動機構は、第2の軸ピンを含み、前記第2の軸ピンは、前記第2の車輪をロック又はロック解除する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項4】
前記第1の制動機構は、さらに、前記第1の軸ピンを駆動する第1の駆動部材を含み、前記第2の制動機構は、さらに、前記第2の軸ピンを駆動する第2の駆動部材を含み、前記牽引部材は、前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材との間に接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項5】
前記第1の駆動部材は、回転可能に設けられ、前記第1の駆動部材の側面に第1の駆動斜面が設けられており、前記第1の制動機構は、さらに、第1の弾性部材を含み、前記第1の軸ピンは、スライド可能に設けられ、前記第1の駆動部材が回転する場合に前記第1の駆動斜面の押圧により前記第1の車輪に挿入し、又は、前記第1の弾性部材の弾性力により前記第1の車輪から退出する、
ことを特徴とする請求項4に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項6】
前記第1の駆動斜面の一端にロック位置が設けられ、他端にロック解除位置が設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項7】
前記第1の駆動部材には、その回転を案内する円弧状のガイド孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項8】
前記第1の駆動部材には、その回転を駆動する第1の操作部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項9】
前記第2の駆動部材は、回転可能に設けられ、前記第2の駆動部材の側面に第2の駆動斜面が設けられており、前記第2の制動機構は、さらに、第2の弾性部材を含み、前記第2の軸ピンは、スライド可能に設けられ、前記第2の駆動部材が回転する場合に該第2の駆動斜面の押圧により前記第2の車輪に挿入し、又は、前記第2の弾性部材の弾性力により前記第2の車輪から退出する、
ことを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項10】
前記第2の駆動部材に駆動斜孔が設けられており、前記第2の制動機構は、さらに、第3の弾性部材及び第2の操作部材を含み、前記第2の操作部材は、軸ピンを有し、前記軸ピンは、前記駆動斜孔にスライド可能に挿着され、前記第3の弾性部材は、前記第2の駆動部材をリセットさせる弾性力を提供する、
ことを特徴とする請求項9に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項11】
前記第2の駆動斜面の一端にロック位置が設けられており、他端にロック解除位置が設けられている、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項12】
前記第1の制動機構は、前記第1の車輪をロックしている場合、前記第2の制動機構が前記第2の車輪をロックするように駆動し、前記第1の制動機構は、前記第1の車輪をロック解除する場合、前記第2の制動機構が前記第2の車輪をロック解除するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項13】
前記第1の制動機構は、さらに、係合フックを含み、前記第1の駆動部材に第1のガイド溝及び第2のガイド溝が設けられており、前記第1のガイド溝と前記第2のガイド溝との間に係合位置及びロック解除位置が設けられており、前記係合フックの第1の端は、該ベビーカーのフレームに固定され、前記係合フックの第2の端は、前記第1のガイド溝及び第2のガイド溝のうちの1つにスライド可能に設けられ、前記第1の駆動部材が回転して前記第1の軸ピンが前記第1の車輪をロックするように押圧する場合、前記係合フックが該第1のガイド溝から該係合位置にスライドし、前記第1の駆動部材が回転して該第1の軸ピンが該第1の車輪をロック解除するように押下する場合、該係合フックが前記係合位置から前記ロック解除位置にスライドする、
ことを特徴とする請求項4~12のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項14】
前記ベビーカーの前記フレームに固定孔が設けられており、前記係合フックの前記第1の端は、前記固定孔に接続されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項15】
前記第1の駆動部材には、さらに、第3のガイド溝及び第4のガイド溝が設けられており、前記第3のガイド溝の両端は、前記第1のガイド溝及び前記係合位置に接続され、前記第4のガイド溝の両端は、前記係合位置及び前記第2のガイド溝に接続されている、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項16】
前記第4のガイド溝と前記第2のガイド溝との間には、前記係合フックを前記第2のガイド溝にスライドさせるガイド斜面が設けられている、
ことを特徴とする請求項15に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項17】
前記ベビーカーの輪群制動装置は、さらに、前記ベビーカーのフレームに設けられた駆動機構を含み、前記駆動機構は、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構及び前記第2の制動機構に接続され、前記駆動機構を操作すると、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構とが前記第1の車輪及び前記第2の車輪をロックするように駆動し、又は、前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構とが前記第1の車輪及び前記第2の車輪をロック解除するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項18】
前記駆動機構は、固定座と、第3の駆動部材と、係合トーションバネと、リセットトーションバネとを含み、
前記固定座は、前記ベビーカーのフレームに設けられ、
前記第3の駆動部材の本体部は、前記固定座に回転可能に設けられ、前記本体部から第3の操作部材が延び、前記第3の駆動部材の本体部は、ガイド側面を含み、前記ガイド側面に環状溝を有し、前記環状溝は、係合溝を有し、
前記係合トーションバネは、固定部と、前記固定部から延びるトーションバネヘッドとを含み、前記固定部は、前記固定座に固定され、前記トーションバネヘッドは、前記環状溝にスライド可能に設けられ、前記第3の駆動部材が第1の方向に沿って枢動し前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構が前記第1の車輪と前記第2の車輪をロックするように駆動する場合、前記トーションバネヘッドは、前記環状溝に沿ってスライドし前記係合溝に当接し、前記第3の駆動部材が前記第1の方向と反対する第2の方向に沿って枢動し前記牽引部材を介して前記第1の制動機構と前記第2の制動機構とが前記第1の車輪と前記第2の車輪をロック解除するように駆動する場合、前記トーションバネヘッドは、前記環状溝に沿って前記係合溝から離れ、
前記リセットトーションバネの第1の端は、前記固定座に固定され、第2の端は、前記第3の駆動部材の本体部に固定されている、
ことを特徴とする請求項17に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項19】
前記環状溝は、第1のガイド溝及び第2のガイド溝を含み、前記第1のガイド溝と前記第2のガイド溝との間に前記係合溝及びロック解除溝が設けられており、前記第3の駆動部材が初期位置に位置する場合、前記トーションバネヘッドは、前記ロック解除溝に位置している、
ことを特徴とする請求項18に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項20】
前記第1のガイド溝と前記ロック解除溝との角度は、90°よりも大きく、前記第2のガイド溝と前記係合溝との角度は、90°よりも大きい、
ことを特徴とする請求項19に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項21】
前記第1のガイド溝、前記係合溝、前記第2のガイド溝及び前記ロック解除溝のうちの少なくとも1つの溝の底面は、反時計方向に沿って溝の一端から他端まで徐々に高くなるように設けられており、これにより、前記第1のガイド溝、前記係合溝、前記第2のガイド溝及び前記ロック解除溝のうちの少なくとも2つの隣接する溝の底面との間に段差構造を形成している、
ことを特徴とする請求項19又は20に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項22】
前記係合溝は、溝の延びる方向に沿って2つのセグメントに分け、前記2つのセグメントの底面との間に段差構造が形成され、前記第1のガイド溝に近いセグメントの底面は、前記第2のガイド溝に近いセグメントの底面よりも高い、
ことを特徴とする請求項19~21のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【請求項23】
前記係合溝の内側壁は、前記トーションバネヘッドを位置決めするための凹部を含む、
ことを特徴とする請求項18~22のいずれか1項に記載のベビーカーの輪群制動装置。
【国際調査報告】