(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】熱交換器及びその製造方法、電気制御ボックス及びエアコンシステム
(51)【国際特許分類】
F28D 7/00 20060101AFI20240124BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20240124BHJP
F28F 21/08 20060101ALI20240124BHJP
F28F 1/02 20060101ALI20240124BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
F28D7/00 A
F28F9/02 E
F28F21/08 E
F28F21/08 A
F28F1/02 B
F28D1/053 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545362
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2021120787
(87)【国際公開番号】W WO2022166223
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110183051.2
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416385
【氏名又は名称】広東美的暖通設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Penglai Industry Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,China
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】李 兆▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 羽▲ジャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲豐▼
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103BB42
3L103CC17
3L103CC18
3L103DD03
3L103DD32
3L103DD43
3L103DD98
(57)【要約】
熱交換器及びその製造方法、電気制御ボックス及びエアコンシステムであって、該熱交換器(6)は少なくとも2つの板体(631、632)及び接続片(64)を含み、該少なくとも2つの板体(631、632)が互いに積層されて設置され、該少なくとも2つの板体(631、632)にそれぞれ複数のマイクロチャネル(610、611)が設置され、接続片(64)は隣接する前記板体(631、632)の間に挟まれて設置され、接続片(64)の両側に半田が設置され、半田によって接続片(64)は接続片(64)の両側に設置された板体(631、632)に溶接して固定される。該熱交換器の溶接工程が簡単であり、溶接の信頼性が高く、加工コストを削減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの板体及び接続片を含む熱交換器であって、
前記少なくとも2つの板体が積層されて設置され、前記少なくとも2つの板体にそれぞれ複数のマイクロチャネルが設置され、
前記接続片は隣接する前記板体の間に挟まれて設置され、前記接続片の両側に半田が設置され、前記半田によって前記接続片は前記接続片の両側に設置された前記板体に溶接して固定されることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
隣接する前記板体間の前記接続片は単層構造体であり、又は隣接する前記板体間の前記接続片が少なくとも2層であり、少なくとも2層の前記接続片がさらに前記半田によって溶接して固定されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記接続片の融点は、半田の融点よりも高いことを特徴とする請求項1或いは2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記接続片は金属箔であることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記接続片はアルミ箔又は銅箔であることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記接続片の厚さは0.9mm~1.2mmであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記接続片に設置された前記半田が前記接続片の両側に隣接する前記板体を被覆する面積は、隣接する前記板体の重なり面積の80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記少なくとも2つの板体は第1板体と第2板体を含み、前記第1板体には第1冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、前記第2板体には第2冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、前記第2冷媒流が前記第1冷媒流から熱を吸収して前記第1冷媒流を過冷却させ、又は前記第1冷媒流が前記第2冷媒流から熱を吸収して前記第2冷媒流を過冷却させることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記熱交換器は集合管をさらに含み、前記集合管の管壁には少なくとも2つの挿入孔が設けられ、前記板体は前記挿入孔に対応し、且つ前記集合管に溶接されて固定され、隣接する前記挿入孔の間隔は2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換器は総集合管とバッフル板とを含み、前記バッフル板が前記総集合管内に配置されることによって、前記総集合管には前記複数のマイクロチャネルに対応する少なくとも2組の集合管が形成され、前記複数のマイクロチャネルは前記総集合管の管璧を貫通して、対応する前記集合管に連通されることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項11】
積層された前記少なくとも2層の前記接続片の厚さに等しい幅を有するスロットは、前記少なくとも2つの板体の間に形成され、前記バッフル板が前記スロットに嵌め込まれることを特徴とする請求項10に記載の熱交換器。
【請求項12】
少なくとも2つの板体を提供するステップと、
接続片を提供し、前記接続片の両側に半田を設置するステップと、
前記少なくとも2つの板体を積層して設置し、且つ前記接続片を隣接する前記板体の間に挟持して設置するステップと、
前記少なくとも2つの板体及び前記接続片を加熱して、前記半田によって前記接続片及び前記接続片の両側ステップと、含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項13】
ボックス本体と、請求項1~11のいずれか一項に記載の熱交換器と、を含む電気制御ボックスであって、前記熱交換器は前記電気制御ボックスに接続され、前記熱交換器は、前記電気制御ボックスの熱を放散するために使用されることを特徴とする電気制御ボックス。
【請求項14】
圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器及び請求項1~11のいずれか一項に記載の熱交換器を含むエアコンシステムであって、前記圧縮機は接続管路を介して前記室外熱交換器と前記室内熱交換器との間に循環流動の冷媒流を提供し、前記熱交換器は前記室外熱交換器と前記室内熱交換器との間に設置され、且つ前記接続管路と連通されることを特徴とするエアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年02月08日に提出された「熱交換器及びその製造方法、電気制御ボックス及びエアコンシステム」という名称及び202110183051.2という出願号である中国特許出願による優先権を請求し、この中国特許出願の全体内容がここに引用することにより本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願はエアコン技術分野に関し、特に熱交換器及びその製造方法、電気制御ボックス及びエアコンシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
熱交換器はエアコンシステムやその他の分野で広く使用されており、例えばエアコンシステムでは通常、凝縮器出口の過冷却度を高め、冷媒の単位質量の冷却又は加熱能力を向上させるためのエコノマイザとして熱交換器が使用される。従来の熱交換器はプレート式熱交換器を含む。プレート式熱交換器は、薄い金属板で所定の波形形状を有する熱交換プレートにプレスされ、次に積層され、クランプ板やボルトで固定して作られる熱交換器の一種である。熱交換プレートの間に通路が形成され、冷媒は通路を通って流れ、熱交換プレートを介して熱交換が行われるが、熱交換器には複数層の熱交換プレートを積層する必要があるため、熱交換器の体積が大きく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は熱交換器及びその製造方法、電気制御ボックス及びエアコンシステムを提供し、従来のプレート式熱交換器の体積が大きい技術的問題を解決し、熱交換器の加工の困難さ及びコストを削減する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の第1態様は熱交換器を提供し、該熱交換器は少なくとも2つの板体及び接続片を含み、少なくとも2つの板体が積層されて設置され、少なくとも2つの板体にそれぞれ複数のマイクロチャネルが設置され、接続片は隣接する板体の間に挟まれて設置され、接続片の両側に半田が設置され、半田によって接続片は接続片の両側に設置された板体に溶接して固定される。
【0006】
ここで、隣接する板体間の接続片は単層構造体であるか、又は隣接する板体間の接続片が少なくとも2層であり、少なくとも2層の接続片がさらに半田によって溶接して固定される。
【0007】
ここで、接続片の融点は、半田の融点よりも高い。
【0008】
ここで、接続片は金属箔である。
【0009】
ここで、接続片の厚さは0.9mm~1.2mmである。
【0010】
ここで、接続片に設置された半田がその両側に隣接する板体を被覆する面積は、両側に隣接する板体の重なり面積の80%以上である。
【0011】
ここで、少なくとも2つの板体は第1板体と第2板体を含み、第1板体には第1冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、第2板体には第2冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、第2冷媒流が第1冷媒流から熱を吸収して第1冷媒流を過冷却させ、又は第1冷媒流が第2冷媒流から熱を吸収して第2冷媒流を過冷却させる。
【0012】
ここで、熱交換器は集合管をさらに含み、集合管の管壁には少なくとも2つの挿入孔が設けられ、板体は挿入孔に対応し、集合管に溶接されて固定され、隣接する挿入孔の間隔は2mm以上である。
【0013】
本出願の第2態様は熱交換器の製造方法を提供し、熱交換器の製造方法は、少なくとも2つの板体を提供するステップと、接続片を提供し、接続片の両側に半田を設置するステップと、少なくとも2つの板体を積層して設置し、且つ接続片を隣接する板体の間に挟持して設置するステップと、少なくとも2つの板体及び接続片を加熱して、半田によって接続片及び接続片の両側に位置するステップと、含む。
【0014】
本出願の第3態様は電気制御ボックスを提供し、電気制御ボックスは、ボックス本体と、上記実施形態のいずれかに記載の熱交換器と、を含み、熱交換器は、電気制御ボックスに接続され、熱交換器は、電気制御ボックスの熱を放散するために使用される。
【0015】
本出願の第4態様はエアコンシステムを提供し、該エアコンシステムは圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器及び上記いずれかの実施形態の熱交換器を含み、圧縮機は接続管路を介して室外熱交換器と室内熱交換器との間に循環流動の冷媒流を提供し、熱交換器は室外熱交換器と室内熱交換器との間に設置され、且つ接続管路と連通される。
【発明の効果】
【0016】
本出願の有益な効果は以下のとおりである。従来技術の状況とは異なり、本出願では、マイクロチャネルを有する少なくとも2つの板体を積層して設置することによって、熱交換器の体積を効果的に減少させることができる。また、接続片を2つの板体の間に挟まれて設置され、接続片の両側に設置された半田付けにより接続片及び板体を溶接して固定されるので、溶接工程が簡単であり、溶接の信頼性が高く、加工コストを削減することができる。
【0017】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示及び説明に過ぎず、本出願を制限するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここでの図面は明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する。これらの図面は、本出願の実施形態を示し、且つ明細書と共に本出願の技術的解決策を説明するために使用される。
【
図1】本出願のエアコンシステムの一実施形態の概略ブロック図である。
【
図2】本出願のエアコンシステムの別の実施形態における概略ブロック図である。
【
図3】本出願のエアコンシステムの別の実施形態における概略ブロック図である。
【
図4】本出願のエアコンシステムの別の実施形態における概略ブロック図である。
【
図5】本出願の熱交換器の熱交換本体の一実施形態の概略構造図である。
【
図6】本出願の熱交換器の熱交換本体の他の実施形態の概略構造図である。
【
図7】本出願の熱交換器の熱交換本体の他の実施形態の概略構造図である。
【
図8】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの一実施形態の概略構造図である。
【
図9】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図10】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図11】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図12】本出願の熱交換器の熱交換本体の他の実施形態の概略構造図である。
【
図13】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図14】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図15】本出願の熱交換器の熱交換本体の他の実施形態の概略構造図である。
【
図16】
図15の第1管体の設置平面の立体構造模式図である。
【
図17】本出願の熱交換器の熱交換本体の他の実施形態の概略構造図である。
【
図18】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図19】本出願の熱交換器の熱交換本体の他の実施形態の概略構造図である。
【
図20】
図19の熱交換器の製造方法の一実施形態の概略フローチャートである。
【
図21】本出願の熱交換器の熱交換本体及び集合管アセンブリの別の実施形態の概略構造図である。
【
図23】本出願の熱交換器の他の実施形態の概略構造図である。
【
図25】
図23の放熱フィンの一実施形態の概略構造図である。
【
図26】
図23の放熱フィンの他の実施形態の概略構造図である。
【
図27】いくつかの構成要素を隠した後の、本出願の電気制御ボックスの一実施形態の立体構造模式図である。
【
図28】
図27の放熱フィンの一実施形態の立体構造模式図である。
【
図29】
図27の放熱フィンの別の実施形態の立体構造模式図である。
【
図30】本出願の放熱固定板及び放熱器の一実施形態の立体構造模式図である。
【
図31】
図30の放熱固定板の一実施形態の概略平面図である。
【
図32】本出願の放熱器及び電気制御ボックスの他の実施形態の概略断面構造図である。
【
図33】本出願の放熱器及び電気制御ボックスの他の実施形態の概略断面構造図である。
【
図34】本出願の別の実施形態における放熱器と電気制御ボックスとの間の配合を示す概略平面図である。
【
図35】本出願の放熱器と電気制御ボックスとの協働の別の実施形態の概略断面構造図である。
【
図39】本出願の別の実施形態における放熱器と電気制御ボックスとの間の協働を示す概略平面図である。
【
図40】
図39の放熱器と電気制御ボックスとの協働を示す断面概略図である。
【
図41】本出願の別の実施形態における放熱器と電気制御ボックスとの間の協働を示す断面概略図である。
【
図42】本出願の別の実施形態における電気制御ボックスの一部の構成要素を隠した後の立体構造模式図である。
【
図43】本出願の別の実施形態における電気制御ボックスの一部の構成要素を隠した後の立体構造模式図である。
【
図44】本出願の別の実施形態における電気制御ボックスの一部の構成要素を隠した後の概略平面図である。
【
図46】本出願のエアコンシステムの他の実施形態の概略構成図である。
【
図47】
図46のエアコンシステムのボックス本体を取り外した後の内部構造を示す模式図である。
【
図48】
図46のドレインスリーブの一実施形態の概略構造図である。
【
図49】
図46のドレインスリーブの別の実施形態の概略構造図である。
【
図50】は、
図46のエアコンシステムのA■A方向に沿った概略断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願の実施形態の図面を参照しながら本出願の実施形態の技術方案を明確且つ完全に説明する。理解されるように、記載された実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、それらのすべてではない。本出願の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得するすべての他の実施形態は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0020】
本明細書における「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこの語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、他の実施形態と相互に排他的な独立した実施形態又は代替実施形態ではない。当業者であれば、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせることができることを明示的にも暗黙的にも理解するできる。
【0021】
図1に示すとおり、
図1は本出願の実施形態におけるエアコンシステムの概略ブロック図である。
図1に示すように、エアコンシステム1は主に圧縮機2、四方弁3、室外熱交換器4、室内熱交換器5、熱交換器6、膨張弁12及び膨張弁13を含む。膨張弁13及び熱交換器6は室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に設置され、圧縮機2は四方弁3を介して室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に循環流動の冷媒流を提供する。
【0022】
熱交換器6は第1熱交換チャネル610及び第2熱交換チャネル611を含む。第1熱交換チャネル610の第一端部が膨張弁13を介して室外熱交換器4に接続され、第1熱交換チャネル610の第二端部が室内熱交換器5に接続される。第2熱交換チャネル611の第一端が膨張弁12を介して第1熱交換チャネル610の第二端部に接続され、第2熱交換チャネル611の第二端部が圧縮機2の吸気口22に接続される。
【0023】
エアコンシステム1が冷房モードにある時、冷媒流の経路は以下のとおりである。
【0024】
圧縮機2の排気口21-四方弁3の接続口31-四方弁3の接続口32-室外熱交換器4-熱交換器6-室内熱交換器5-四方弁3の接続口33-四方弁3の接続口34-圧縮機2の吸気口22。
【0025】
第1熱交換チャネル610の冷媒流の流路(主チャネル)は、第1熱交換チャネル610の第一端部-第1熱交換チャネル610の第二端部-室内熱交換器5である。第2熱交換通路611の冷媒流の流路(補助チャネル)は、第1熱交換チャネル610の第二端部-膨張弁12-第2熱交換チャネル611の第一端部-第2熱交換チャネル611の第二端部-圧縮機2の吸気口22である。
【0026】
例えば、この時のエアコンシステムの動作原理は以下のとおりである。室外熱交換器4は凝縮器として、膨張弁13を介して中圧中温の冷媒流(温度は40°であってもよく、液相冷媒流)を出力し、第1熱交換チャネル610の冷媒流は中圧中温の冷媒流であり、膨張弁12は中圧中温の冷媒流を低圧低温の冷媒流(温度は10°であってもよく、気液二相冷媒流)に変換し、第2熱交換チャネル611の冷媒流は低圧低温の冷媒流れである。第2熱交換チャネル611の低圧低温の冷媒流は第1熱交換チャネル610の中圧中温の冷媒流から吸熱し、さらに第2熱交換チャネル611の冷媒流の気化を実現し、それにより第1熱交換チャネル610の冷媒流がさらに過冷却される。気化された第2熱交換チャネル611の冷媒流は、空気を噴射することによって圧縮機2のエンタルピーを増加させ、エアコンシステム1の冷却能力を向上させる。
【0027】
ここで、膨張弁12は第2熱交換チャネル611の絞り部材として、第2熱交換チャネル611の冷媒流の流量を調整する。第1熱交換チャネル610の冷媒流と第2熱交換チャネル611の冷媒流とは熱交換を行い、それにより第1熱交換チャネル610の冷媒流を過冷却することを実現する。そのため、熱交換器6はエアコンシステム1のエコノマイザとして、過冷却度を向上させ、さらにエアコンシステム1の熱交換効率を向上させることができる。
【0028】
さらに、当業者に理解されるように、暖房モードでは、四方弁3の接続口31は接続口33に接続され、四方弁3の接続口32は接続口34に接続される。圧縮機2が排気口21を介して出力する冷媒流は室内熱交換器5から室外熱交換器4に流れ、且つ室内熱交換器5を凝縮器とする。この時、室内熱交換器5が出力する冷媒流は2路に分けられ、一路が第1熱交換チャネル610(主チャネル)に流れ込み、他路が膨張弁12を介して第2熱交換チャネル611(補助チャネル)に流入する。第2熱交換チャネル611の冷媒流は同様に第1熱交換チャネル610の冷媒流を過冷却することを実現することができ、エアコンの暖房能力を向上させる。
【0029】
なお、他の実施形態において、
図2及び
図3に示すとおり、第2熱交換チャネル611の第一端部が第1熱交換チャネル610の第二端部に接続されなくてもよく、第2熱交換チャネル611の第一端部が膨張弁13の第一端部又は膨張弁13の第二端部に直接接続されてもよい。このようにして、第2熱交換チャネル611の冷媒流は第1熱交換チャネル610の冷媒流を過冷却させ、空気システム1の冷却又は暖房能力を向上させることができる。
【0030】
図4に示すとおり、
図4は本出願の別の実施形態におけるエアコンシステムの概略ブロック図である。
図4に示したエアコンシステム1と
図1に示したエアコンシステム1との違いは、気液分離器8が追加されている点である。
【0031】
図1に示す実施形態と同様に、熱交換器6は第1熱交換チャネル610及び第2熱交換チャネル611を含み、第1冷媒流が第1熱交換チャネル610に流れ、第2冷媒流が第2熱交換チャネル611に流れる。第2冷媒流は第2熱交換チャネル611に沿って流れる過程で第1冷媒流から吸熱し、それにより第1冷媒流を過冷却させる。他の実施形態では、第1冷媒流が第1熱交換チャネル610に沿って流れる過程において第2冷媒流から吸熱し、それにより第2冷媒を過冷却させる。これにより、熱交換器6はエアコンシステム1のエコノマイザとして、過冷却度を向上させ、さらにエアコンシステム1の熱交換効率を向上させることができる。
【0032】
本実施例において、圧縮機2の吸気口はエンタルピー増加吸気口221及び還気口222を含む。さらに、第2熱交換チャネル611を通って流れる第2冷媒流はさらに圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221又は気液分離器8の入口81に供給され、ここで気液分離器8の出口82はさらに圧縮機2の還気口222に接続され、圧縮機2に低圧ガス冷媒流を供給することに用いられる。
【0033】
さらに、エアコンシステム1はさらに四方弁3、膨張弁12及び膨張弁13を含む。膨張弁13及び熱交換器6は室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に設置される。圧縮機2は四方弁3を介して室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に循環流動の冷媒流を提供する。
【0034】
四方弁3は接続口31、接続口32、接続口33及び接続口34を含む。四方弁3の接続口32は室外熱交換器4に接続される。四方弁3の接続口34は気液分離器8に接続される。四方弁3の接続口31は圧縮機2に接続され、具体的には圧縮機2の排気口21に接続される。四方弁3の接続口33は室内熱交換器5に接続される。
【0035】
上記実施形態において、エアコンシステム1における四方弁31の作用は冷媒流のシステム管路における流れ方向を変更することによって、冷却と暖房との相互変換を実現し、それによりエアコンシステム1は冷房モードと暖房モードとの間で切り替えることができ、エアコンシステム1が同時に冷房機能及び暖房機能を備える場合、上記四方弁31を用いて冷媒流の流れ方向を調整できる。
【0036】
別の実施形態では、エアコンシステム1が四方弁31を使用しなくてもよいことが理解できる。エアコンシステム1が四方弁31を含まない場合、圧縮機2は接続管路を介して室外熱交換器4に直接接続されることができる。具体的には、圧縮機2は接続管路を介して室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に循環流動の冷媒流を提供し、熱交換器6は室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に設置され、且つ接続管路と連通される。例えば、エアコンシステム1が冷房能力のみを備えている場合や暖房能力のみを備えている場合には、エアコンシステム1は、上記四方弁31を使用しなくてもよい。このようにすれば、エアコンシステム1の構成を簡素化することができ、エアコンシステム1の生産コストを節減することができる。また、熱交換器6がエコノマイザとして使用されない場合には、熱交換器6は他の位置の接続管路と連通されることができる。
【0037】
第1熱交換チャネル610の第一端部は膨張弁13を介して室外熱交換器4に接続され、第1熱交換チャネル610の第二端部は室内熱交換器5に接続される。第2熱交換チャネル611の第一端部は膨張弁12を介して第1熱交換チャネル610の第二端部に接続され、第2熱交換チャネル611の第二端部は圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221に接続されるか又は気液分離器8の入口81に接続される。
【0038】
第2熱交換チャネル611の第二端部が圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221に接続される際、圧縮機2のジェットエンタルピー増加に中間圧力のガス状冷媒を提供することができ、エアコンシステム1の冷却能力及び/又は暖房能力を向上させる。ここで、ジェットエンタルピー増加の原理及び作用は当業者の理解範囲に属し、ここでは説明を省略する。第2熱交換チャネル611の第二端部が気液分離器8の入口81に接続される際、中圧位置に比べて冷媒流の蒸発温度が低くなり、温度差が大きくなり、エアコンシステム1の熱交換効率をさらに向上させる。
【0039】
エアコンシステム1はまた切換アセンブリを含む。切換アセンブリは、第2熱交換チャネル611の第二端部を圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221と気液分離器8の入口81とに選択的に接続することに用いられる。すなわち、切換アセンブリは、第2熱交換チャネル611を通って流れる第2冷媒流を、圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221と気液分離器8の入口81とに選択的に供給するために使用することができる。
【0040】
一実施形態では、切換アセンブリは電磁弁15を含むことができる。電磁弁15は圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221と第2熱交換チャネル611の第二端部との間に接続され、圧縮機2がジェットエンタルピー増加を必要とする時に電磁弁15が開かれ、圧縮機2のジェットエンタルピー増加に中間圧力のガス状冷媒流を提供する。
【0041】
切換アセンブリはさらに電磁弁14を含むことができる。電磁弁14は第2熱交換チャネル611の第二端部と気液分離器8の入口81との間に接続され、電磁弁14は圧縮機2がジェットエンタルピー増加を必要としない又はジェットエンタルピー増加に適さない時に起動するために用いられ、それにより第2熱交換チャネル611の第二端部から出力された第2冷媒流を気液分離器8に導く。
【0042】
ここで、電磁弁15と電磁弁14はそれぞれ第2熱交換チャネル612の第二端部に接続される。膨張弁12は第2熱交換チャネル611の絞り部材として、第2熱交換チャネル611の第2冷媒流の流量を調整する。
【0043】
図4に示されるエアコンシステム1は
図1に示されるエアコンシステム1の冷房原理及び暖房原理と基本的に一致するため、ここでは説明を省略する。
【0044】
図4に示すように、エアコンシステム1はさらに電気制御ボックス7を含む。熱交換器6は電気制御ボックス7に接続され、且つ熱交換器6は電気制御ボックス7における電子部品を放熱するように設置され、具体的には以下の説明を参照されたい。すなわち、熱交換器6はエアコンシステム1のエコノマイザとして、過冷却度を向上させ、また放熱器として、電気制御ボックス7に放熱を行い、具体的には電気制御ボックス7における電子部品を放熱する。
【0045】
本出願はさらに上述したエアコンシステム1の全体構造に基づいて以下のいくつかの最適化を行う。
【0046】
1. マイクロチャネル熱交換器
【0047】
図5、
図6及び
図7に示すように、熱交換器6は熱交換本体61を含む。熱交換本体61に複数のマイクロチャネル612が設けられる。該複数のマイクロチャネル612は第1マイクロチャネル及び第2マイクロチャネルを含み、且つ
図1~
図4に示されるエアコンシステムにおいて、第1マイクロチャネルは熱交換器6の第1熱交換チャネル610であり、第2マイクロチャネルは熱交換器6の第2熱交換チャネル611である。これにより、第1マイクロチャネル610及び第1熱交換チャネル610は同一の参照符号を使用し、第2マイクロチャネル611及び第2熱交換チャネル611は同一の参照符号を使用する。熱交換本体61は、単一又は複数の板体613を含むことができる。
【0048】
各マイクロチャネル612がその延在方向に垂直な断面形状は矩形であってもよい。各マイクロチャネル612の辺の長さは0.5mm~3mmである。各マイクロチャネル612と板体613の表面との間、及びマイクロチャネル612間の厚さは0.2mm~0.5mmであり、これによりマイクロチャネル612は耐圧性及び伝熱性能の要件を満たす。他の実施形態では、マイクロチャネル612の断面形状は、円形、三角形、台形、楕円形又は非規則形状のような他の形状であってもよい。
【0049】
複数のマイクロチャネル612は、単層マイクロチャネル又は多層マイクロチャネルとして設置されてもよい。冷媒流の流速が低く、かつ冷媒流の流れ状態が層流である場合には、複数のマイクロチャネル612の断面積が大きいほど複数のマイクロチャネル612の長さが短くなり、冷媒流の流動抵抗損失を低減することができる。
【0050】
板体613の複数のマイクロチャネル612は、交互に配置された第1マイクロチャネル610と第2マイクロチャネル611とを含むことができ、第1マイクロチャネル610の延伸方向D1は、第2マイクロチャネル611の延伸方向D2と平行である。具体的には、
図5に示すように、複数のマイクロチャネル612には、第1の予め設定された数のマイクロチャネルは、第1マイクロチャネル610に分割され、複数のマイクロチャネル612には、第2の予め設定された数のマイクロチャネルは第2マイクロチャネル611に分割される。複数の第1マイクロチャネルセット610及び複数の第2マイクロチャネル611とが順で交互に配置されている、すなわち、2組の第1マイクロチャンネル610の間に第2マイクロチャンネル611が設けられ、2組の第2マイクロチャンネル611との間に第1マイクロチャンネル610が設けられている。これにより、少なくとも2組の第1マイクロチャネルセット610及び第2マイクロチャンネル611は互いに間隔をあけて配置されることを実現し、第1マイクロチャンネル610及び第2のマイクロチャンネル611の交互に配列された熱交換器6が形成される。第1の予め設定された数と第2の予め設定された数とは同一であってもよく、同一でなくてもよい。
【0051】
さらに、
図1~
図4の使用シーンにおいて、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611は互いに独立してもよく、異なる冷媒流の流れに供給し、それによりそのうちの一つの冷媒流を介して他方の冷媒流を過冷却することができる。他の実施形態では、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611は、互いに連通され、同じ冷媒流を流すための一つのマイクロチャネルとして機能することができる。さらに、第1マイクロチャネル610及び/又は第2マイクロチャネル611が2層又は複数層に配置される場合、逆方向の集合管によって2層又は多層の第1マイクロチャネル610及び/又は第2マイクロチャネル611を互いに連通させることができ、又は板体613を180度屈曲させることによって2層又は多層の第1マイクロチャネル610及び/又は第2マイクロチャネル611が形成されることができる。
【0052】
選択的に、一実施形態において、
図5に示すように、熱交換本体61は少なくとも1組の第1マイクロチャネル610及び少なくとも1組の第2マイクロチャネル611を含むことができる。該少なくとも1組の第1マイクロチャネル610及び少なくとも1組の第2マイクロチャネル611は板体613の幅方向に沿って互いに間隔をあけて設置される。該幅方向は板体613の延伸方向に垂直である。
【0053】
別の実施形態では、
図6に示すように、該少なくとも1組の第1マイクロチャネル610及び少なくとも1組の第2マイクロチャネル611はまた、板体613の厚さ方向に沿って互いに間隔を置いて配置されてもよい。板体613の厚さ方向は板体613の延伸方向に垂直である。
【0054】
他の実施形態において、
図7に示すように、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611は互いに独立し、且つそれぞれ異なる板体613に設置され、それにより第1マイクロチャネル610の延伸方向D1及び第2マイクロチャネル611の延伸方向D2が互いに垂直に配置される。これにより、以下に説明する第1集合管及び第2集合管をそれぞれ熱交換器6の異なる側面に設置することができ、それにより熱交換器6の集合管の配置を容易にする。本実施形態において第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611には異なる冷媒流を流れ、さらにそのうちの一つの冷媒流を介して他の冷媒流を過冷却することができる。
【0055】
さらに、板体613は扁平管であってもよく、それにより放熱部品又は電子部品は板体613に設置されることができる。他の実施形態において、板体613はさらに他の形状断面のキャリアであってもよく、例えば円柱体、直方体、立方体等である。他の実施形態では、後述するように、熱交換本体61は、互いに積層されて配置された少なくとも2つの板体613又は互いに入れ子にされた2つの管体を含むこともできる。
【0056】
例えば、
図1~
図4に示すエアコンシステムの冷房モードでは、第1冷媒流(即ち中圧中温の冷媒流)が第1マイクロチャネル610を通って流れ、第2冷媒流(すなわち低圧低温の冷媒流)が第2マイクロチャネル611を通って流れ、第1冷媒流が液相冷媒流であってもよく、第2冷媒流が気液二相冷媒流であってもよい。第2冷媒流は、第2マイクロチャネル611に沿って流れる過程に第1マイクロチャネル610の第1冷媒流から吸熱し、さらに気化されて第1冷媒流をさらに過冷却させる。
【0057】
なお、上記及び以下に説明するマイクロチャネル構造に基づく熱交換器6は
図1~
図4に示す応用シーンに制限されず、従って第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611並びに第1冷媒流及び第2冷媒流の「第1」及び「第2」は異なるマイクロチャネル及び冷媒流のみを区別することに用いられ、マイクロチャネル612及び冷媒流の具体的な応用に制限されるべきではない。例えば、他の実施形態又は動作モードでは、第1マイクロチャネル610を通って流れる第1冷媒流は第2マイクロチャネル611の第2冷媒流に対して吸熱を行い、且つ第1冷媒流及び第2冷媒流の状態も上で定義された液相又は気液二相に制限されない。
【0058】
図1~
図4に示すように、第1冷媒流の流動方向A1と第2冷媒流の流動方向A2は逆であり、このように第1冷媒流の温度及び第2冷媒流の温度を熱交換領域内に常に大きな温度差が存在するようにすることができ、それにより第1冷媒流及び第2冷媒流の熱交換効率を向上させる。
【0059】
選択的に、第1冷媒流の流動方向A1は第2冷媒流の流動方向A2と同じであってもよく又は互いに垂直であってもよい。冷媒流の流動方向が同じである場合、入口に近い側の熱交換器6の温度が低く、更に該領域の熱交換効果を向上させることができ、例えば該領域が電気的に制御された発熱が大きい領域に接続されて放熱効果を向上させる。冷媒流の流動方向が互いに垂直である場合、第1集合管及び第2集合管がそれぞれ熱交換器6の異なる側面に設置され、これにより、熱交換器の冷媒集合管の配置を容易にすることができる。
【0060】
1.1 集合管アセンブリ
【0061】
図8に示すとおり、熱交換器6はさらに集合管アセンブリ62を含む。集合管アセンブリ62の延伸方向は熱交換本体61の延伸方向と互いに垂直に設置される。例えば熱交換本体61が水平面に沿って設置される場合、集合管アセンブリ62は重力方向に沿って垂直に設置され、このように、集合管アセンブリ62が熱交換器6の下方に設置された圧縮機に接続される場合、集合管アセンブリ62の管路配置を容易にすることができる。
【0062】
熱交換本体61が重力方向に沿って垂直に設置される場合、集合管アセンブリ62は水平面に沿って設置され、このように集合管アセンブリ62における冷媒分布の均一性を向上させることができ、それにより熱交換本体61における冷媒の分配が均一になる。
【0063】
図8に示すように、集合管アセンブリ62は第1集合管621及び第2集合管622を含む。第1集合管621に第1集流通路が設置され、第2集合管622に第2集流通路が設置される。ここで、熱交換本体61内の冷媒流(第1冷媒流又は第2冷媒流)の流動方向における熱交換器6の横断面形状がI字形である。他の実施形態では、熱交換本体61内の冷媒流の流動方向における熱交換器6の断面形状は、L字形、U字形、G字形、又は円形などであってもよい。
【0064】
第1集流通路は第1マイクロチャネル610に接続され、これにより第1集流通路を介して第1マイクロチャネル610に第1冷媒流を供給し、及び/又は第1マイクロチャネル610を通って流れる第1冷媒流を収集する。
【0065】
例えば、
図1~4に示されるエアコンシステムにおいて、第1マイクロチャネル610の第一端部は2つの第1集合管621のうちの一つ及び膨張弁13を介して室外熱交換器4に接続され、それにより冷房モードでは、第1マイクロチャネル610に第1冷媒流を供給する。第1マイクロチャネル610の第二端部は、第1マイクロチャネル610を通って流れた第1冷媒流を収集するために、2つの第1集合管621のうちの他方を介して室内熱交換器5に接続される。暖房モードでは、第1マイクロチャネル610内の第1冷媒流の流動方向が逆であるので、冷房モードでの2つの第1集合管621の機能と比較して、2つの第1集合管621の機能が交換される。
【0066】
第2集流通路は、第2マイクロチャネル611に接続され、これにより第2集流通路をを介して第2マイクロチャネル611に第2冷媒流を供給し、及び/又は第2マイクロチャネル611を通って流れた第2冷媒流を収集する。例えば、
図1~4に示されるエアコンシステムにおいて、第2マイクロチャネル611の第一端部は2つの第2集合管622のうちの1つ及び第2膨張弁12に接続され、それにより第2マイクロチャネル611に第2冷媒流を供給する。第2マイクロチャネル611の第二端部は、第2マイクロチャネル611を通って流れた第2冷媒流を収集するために、2つの第2集合管622のの他方を介して圧縮機2のエンタルピー増加吸気口221又は気液分離器8の入口81に接続される。
【0067】
第1マイクロチャネル610及び/又は第2マイクロチャネル611が、180°屈曲又は逆方向集合管を介して連通されて2層の第1マイクロチャネル610又は第2マイクロチャネル611が形成されるとき、第1マイクロチャネル610及び/又は第2マイクロチャネル611の流入口及び流出口は、熱交換本体61の同じ側に配置されることができる。この時前記第1集流通路及び第2集流通路は冷媒供給領域と冷媒収集領域に分割されることができ、第1マイクロチャネル及び/又は第2マイクロチャネルの流入口と流出口はそれぞれ集合管アセンブリ62から供給された冷媒供給領域及び収集冷媒領域に接続される。
【0068】
一実施形態では、熱交換本体61は少なくとも2組の第1マイクロチャネル610及び少なくとも2組の第2マイクロチャネル611を含む。ここで、該少なくとも2組の第1マイクロチャネル610の同じ端部が同じ第1集合管621に接続され、該少なくとも2組の第2マイクロチャネル611の同じ端部が同じ第2集合管622に接続される。すなわち一つの集合管は複数組のマイクロチャネルに対応することができ、各マイクロチャネルが対応する集合管を設置することを回避し、コストを削減する。
【0069】
図8に示す実施形態では、第1マイクロチャネル610の延伸方向D1と第2マイクロチャネル611の延伸方向D2とが平行であるため、第1集合管621及び第2集合管622の延伸方向が互いに平行である。しかしながら、他の実施形態では、第1集合管621及び第2集合管622の延伸方向は、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611の延伸方向に応じて調整でき、例えば、互いに垂直に配置することができる。
【0070】
1.2 第1集合管と第2集合管とが間隔をあけてて設置される
【0071】
図8に示すように、第1集合管621及び第2集合管622は間隔をあけて設置され、且つ第2集合管622は第1集合管621より熱交換本体61から遠くに設置され、第1集合管621は第2集合管622と熱交換本体61との間に設置される。
【0072】
一実施形態では、
図9に示されるように、第2マイクロチャネル611は、第1集合管621を貫通して第2集合管622に挿入されて且つ溶接されて固定される。第1マイクロチャネル610は、第1集合管621に挿入されて且つ溶接されて固定される。別の実施形態では、
図10に示されるように、第1集合管621は、第2集合管622より熱交換本体61から離れて配置され、第2集合管622は、第1集合管621と熱交換本体61との間に配置される。第1マイクロチャネル610は、第2集合管622を貫通して第1集合管621に挿入されて且つ溶接されて固定される。
【0073】
ここで説明され、本明細書に記載のマイクロチャネルが集合管を貫通するということは、マイクロチャネルが集合管を貫通し、且つ集合管と連通されないことを意味し、マイクロチャネルが集合管に挿入されるということは、マイクロチャネルが集合管と連通されることを意味する。例えば第2マイクロチャネル611が第1集合管621を貫通するということは、第2マイクロチャネル611が第1集合管621を貫通して、且つ第2集合管622と連通されないことを意味する。第2マイクロチャネル611が第2集合管622に挿入されるということは、第2マイクロチャネル611が第2集合管622と連通されることを意味する。
【0074】
第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611はそれぞれ1組又は複数組設けられてもよい。例えば、
図9に示すように、第1マイクロチャネル610は2組設置されてもよく、第2マイクロチャネル611は1組設置されてもよく、第2マイクロチャネル611は2組の第1マイクロチャネル610の間に位置される。他の実施形態において、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611はいずれも2組又は2組以上に配置されることができ、且つ第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネルは交互に積層されて配置され、例えば第1マイクロチャネル610-第2マイクロチャネル611-第1マイクロチャネル610-第2マイクロチャネル611又は第1マイクロチャネル610-第2マイクロチャネル611-第2マイクロチャネル611-第1マイクロチャネル610等の配置形態を形成する。
【0075】
他の実施形態では、
図9に示すように、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611のうちの一つを主チャネルとすることができ、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611の他方は補助チャネルとして機能し、且つ補助チャネルにおける冷媒流を利用して主チャネルの冷媒流を過冷却する。この時、主チャネルにおける冷媒流の流量が大きいため、補助チャネルにおける冷媒流の流量が小さく、主チャネルが熱交換本体61の外側に設置されることができ、それが電気制御ボックス6に接続されやすく、電気制御ボックス6を放熱することに用いられる。また、本実施形態において、冷媒流量が大きい主チャネルを補助チャネルに対応する集合管に貫通させ、且つ主チャネルに対応する集合管に挿入する方式は、補助チャネルが主チャネルに対応する集合管を貫通することに比べて、主チャネルに対応する集合管の空間を占用せず、主チャネルに対応する集合管の流路圧損を減少させ、分流をより均一にすることができる。
【0076】
例えば、
図10に示すように、第1マイクロチャネル610が冷媒流量の大きい主チャネルであり、第2マイクロチャネル611が冷媒流量が小さい補助チャネルである場合、第1マイクロチャネル610が第2集合管622を貫通して第1集合管621に挿入される。この方式では、第2マイクロチャネル611が第1集合管621の空間を占有せず、第2マイクロチャネル611が第1集合管621を貫通する方式に比べて、第1集合管621の流路圧損を低減させ、分流をより均一にすることができる。
【0077】
別の実施形態では、第1集合管621及び第2集合管622は溶接されてもよく、第1集合管621と第2集合管622との間の距離を減少することができる。他の実施形態では、第1集合管621及び第2集合管622は、互いに接着されてもよく、又はスナップ結合されてもよい。
【0078】
また、第1マイクロチャネル610は第2集合管622をバイパスした後に第1集合管621に接続されることができる。例えば、第1マイクロチャネル610が第2集合管622の外側に設置され、それにより第2集合管622をバイパスした後に第1集合管621に接続される。あるいは、第2マイクロチャネル611は、第1集合管621をバイパスした後に第2集合管622に接続されてもよい。
【0079】
他の実施形態では、熱交換本体61におけるマイクロチャネルは他の方法で配置されてもよい。マイクロチャネルにおける少なくとも一部のマイクロチャネルは、少なくとも2つの集合管の一方を貫通し、他方の集合管に挿入される。これにより、熱交換器6の体積を小さくすることができる。具体的に設定する時に、冷媒流の流量の大きいマイクロチャネルが少なくとも2つの集合管の一方を貫通して、且つ他方の集合管に挿入することができ、これにより、集合管の圧損をより小さくすることができ、マイクロチャネルをより均一に分流することができる。
【0080】
理解できるように、上記熱交換本体61は一つの板体613であってもよく、複数の板体613で構成されてもよい。それに応じて、第1マイクロチャネル610と第2マイクロチャネル611は同一の板体613に設置されてもよいし、異なる板体613に設置されてもよい。例えば、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611が同一の板体613に設置される場合、一部のマイクロチャネルの一端が該少なくとも2つの集合管のうちの1つを貫通し、且つ別の集合管に挿入される。該少なくとも一部のマイクロチャネルの他端はそれが貫通する集合管に挿入され、このように配置され、熱交換本体61の集積度を向上させ、溶接等の工程を省くことができ、且つ熱交換効果を向上させる。
【0081】
少なくとも2つの集合管は、上述の互いに間隔をあけて設置された形態に制限されるものではなく、後述するような一般的な総集合管とバッフル板とからなる少なくとも2つの集合管であってもよい。
【0082】
1.3 総集合管は2つの集合管に分割される
【0083】
図11に示すように、集合管アセンブリ62は総集合管623とバッフル板624とを含む。バッフル板624は総集合管623に配置され、バッフル板624によって総集合管623は分離されて、第1集合管621と第2集合管622が形成される。他の実施形態では、バッフル板624及び形成された集合管の数は、必要に応じて設定することができる。
【0084】
このとき、
図11に示すように、第1マイクロチャネル610は総集合管623の管壁を貫通して第1集合管621に挿入され、第2マイクロチャネル611は総集合管623の管壁及びバッフル板624を貫通して(すなわち第1集合管621を貫通して)第2集合管622に挿入される。他の実施形態では、第2マイクロチャネル611が総集合管623の管壁を貫通して第2集合管622に挿入され、第1マイクロチャネル610が総集合管623の管壁及びバッフル板624を貫通して第1集合管621に挿入される。
【0085】
図9又は10に示した集合管アセンブリ62と比較すると以下の通りである。本実施形態は一本の総集合管623によって第1集合管621及び第2集合管622の機能を同時に実現し、集合管アセンブリ62のコスト及び体積を低減させることができる。
【0086】
他の実施形態では、バッフル板624を利用して、総集合管623は2つの第1集合管621又は2つの第2集合管622に分割されることができる。例えば、第1マイクロチャネル610又は第2マイクロチャネル611が180°屈曲又は逆方向の集合管によって、2層の第1マイクロチャネル610又は2層の第2マイクロチャネル611が形成される際、第1マイクロチャネル610の一端が総集合管623の管壁を貫通してその中の第1集合管621の一方に挿入され、第1マイクロチャネル610の他端が総集合管623の管壁及びバッフル板624を貫通してその中の第1集合管621の他方に挿入される。あるいは、第2マイクロチャネル611の一端は、総集合管623の管壁を貫通して、その中の第2集合管622の一方に挿入され、第2マイクロチャネル611の他端は、総集合管623の管壁及びバッフル板624を貫通してその中の第2集合管622の他方に挿入される。
【0087】
他の実施形態において、
図12及び
図13に示すように、熱交換本体61の端面にスロット601が設置される。スロット601が第1マイクロチャネル610と第2マイクロチャネル611との間に位置され、バッフル板624がスロット601に嵌め込まれ、それにより第1マイクロチャネル610が総集合管623の管壁を貫通して第1集合管621に挿入され、第2マイクロチャネル611が総集合管623の管壁を貫通して第2集合管622に挿入される。このようなスロット601を設ける方式により、熱交換器6の全長を短縮することができ、熱交換器6の材料コストを低減させ、且つ集合管アセンブリ62と熱交換本体61との溶接プロセスを簡略化することができる。
【0088】
一実施形態では、第1マイクロチャネル610又は第2マイクロチャネル611が180°を折り曲げた又は集合管を逆方向した後に2層の第1マイクロチャネル610又は第2マイクロチャネル611を形成するときに、熱交換本体61の入口端及び出口端は同じ側に位置される。この時、第1マイクロチャネル610の一端は総集合管623の管壁を貫通し且つその中の第1集合管621の一方に挿入され、第1マイクロチャネル610の他端は総集合管623の管壁を貫通してその中の第1集合管621の他方に挿入される。
【0089】
あるいは、第2マイクロチャネル611の一端が総集合管623の管壁を貫通して且つその中の第2集合管622の一方に挿入され、第2のマイクロチャネル611の他端が総集合管623の管壁を貫通してその中の第2集合管622の他方に挿入される。
【0090】
さらに、熱交換本体61は単一の板体613又は複数の板体613であってもよい。
図12に示す実施形態では、熱交換本体61は単一の板体613であってもよく、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611は単一の板体613内に配置されてもよい。さらに、単一の板体613の端面に、第1マイクロチャネル610と第2マイクロチャネル611との間に間隔領域が設置され、スロット601が該間隔領域に設置される。このように、熱交換本体61が一体的に設置され、構造がシンプルであり、高い信頼性を有し、且つ熱交換本体61の伝熱効率を向上させることができる。他の実施形態において、以下に説明するように、熱交換本体61は少なくとも2つの板体613を含むこともできる。少なくとも2つの板体613が積層されて配置される。該少なくとも2つの板体613の端面にスロット601が設置され、且つスロット601が隣接する板体613の間に設置され、バッフル板624がスロット601に嵌め込まれる。
【0091】
注目すべきことは、熱交換本体61に少なくとも2組のマイクロチャネルが設置されることができる限り、上述したバッフル板624及びスロット601は他のマイクロチャネルグループ化方法にもに適合することができる。該少なくとも2組のマイクロチャネルは互いに連通され、同一の冷媒流の流動に用いられ、該少なくとも2組のマイクロチャネルは互いに独立してもよく、異なる冷媒流の流動に用いられることができる。
【0092】
1.4 第1集合管及び第2集合管が入れ子状に設置される。
【0093】
図14に示すように、第2集合管622の直径は第1集合管621の直径より小さい。第1集合管621は第2集合管622の外側に嵌設され、第1マイクロチャンネル610は第1集合管621の管壁を貫通し、且つ第1集合管621に挿入される。第2マイクロチャネル611は、第1集合管621及び第2集合管622の管壁を貫通して第2集合管622に挿入される。他の実施形態では、第2集合管622が第1集合管621の外側に嵌設されてもよい。この時に第2マイクロチャネル611が第2集合管622の管壁を貫通し、且つ第2集合管622に挿入される。第1マイクロチャネル610は、第2集合管622及び第1集合管621の管壁を貫通し、第1集合管621に挿入される。
【0094】
図9又は
図10に示される集合管アセンブリ62と比較して、入れ子式に配置されることによって集合管アセンブリ62の体積を低減することができる。
【0095】
他の実施形態では、2つの第1集合管621が互いに入れ子にされてもよく、又は2つの第2集合管622が互いに入れ子にされてもよい。この時、第1マイクロチャネル610の一端は外側の第1集合管621の管壁を貫通し、且つ外側の第1集合管621に挿入される。第1マイクロチャネル610の他端は2つの第1集合管621の管壁を貫通し、且つ内側の第1集合管621内に挿入される。
【0096】
あるいは、第2マイクロチャネル611の一端は外側の第2集合管622の管壁を貫通し、且つ外側の2集合管622内に挿入される。第2マイクロチャネル611の他端は2つの第2集合管622の管壁を貫通し、且つ内側の第2集合管622内に挿入される。
【0097】
2. スリーブ式熱交換器
【0098】
図15に示すように、熱交換器6は熱交換本体61を含む。熱交換本体61は互いに入れ子にされた第1管体614及び第2管体615を含み、すなわち熱交換器6はスリーブ式熱交換器である。第1管体614に複数の第1マイクロチャネル610が設置され、第2管体615に複数の第2マイクロチャネル611が設置され、複数の第1マイクロチャネル610及び複数の第2マイクロチャネル611はいずれも
図5に示されるマイクロチャネル612と同じであり、これにより、熱交換本体61の長さが短くなり、さらに熱交換器6の体積を縮小する。
【0099】
ここで、第1マイクロチャネル610の延伸方向と第2マイクロチャネル611の延伸方向は互いに平行であり、例えば第1マイクロチャネル610の延伸方向が第2マイクロチャネル611の延伸方向と同じである。
【0100】
本実施形態において、
図16に示すように、第1管体614は第2管体615の外側に嵌設され、第1管体614の外表面に少なくとも一つの平面616が設置され、それにより第1管体614の熱交換接触面が形成される。放熱部品又は電子部品は、平面616に配置されることができ、実装を容易にする。他の実施形態では、第2管体615は、第1管体614の外側に嵌設されてもよく、同様の平面が形成されてもよい。
【0101】
図1~
図4に示すエアコンシステム1において、第1冷媒流は複数の第1マイクロチャネル610を通って流れ、第2冷媒流は複数の第2マイクロチャネル611を通って流れ、第1冷媒流は液相冷媒流であってもよく、第2冷媒流は気液二相冷媒流であってもよい。第2冷媒流は複数の第2マイクロチャネル611に沿って流れる過程で複数の第1マイクロチャネル610の第1冷媒流から吸熱し、さらに気化され、それにより第1冷媒流がさらに過冷却される。他の実施形態又は動作モードでは、第1マイクロチャネル610を通って流れる第1冷媒流は、第2マイクロチャネル611の第2冷媒流を吸熱することができ、且つ第1冷媒流及び第2冷媒流の状態もまた、上で定義された液相又は気液二相に制限されない。
【0102】
図5に示す熱交換器6と比較すると、熱交換本体61の断面積が大きくなり、冷媒流の圧力損失を減少させることができる。また、第1管体614及び第2管体615はスリーブ式で設置され、複数の第1マイクロチャネル610と複数の第2マイクロチャネル611の熱交換面積を向上させ、第1マイクロチャネル610と第2マイクロチャネル611との間の熱交換効率を向上させることができる。
【0103】
図8と同様に、熱交換器6はさらに集合管アセンブリ62を含む。集合管アセンブリ62は第1集合管621と第2集合管622を含む。第1集合管621に第1集流通路が設置され、第1集流通路は、第1マイクロチャンネル610に第1冷媒流を提供し、及び/又は第1マイクロチャンネル610を通って流れる第1冷媒流を収集することに用いられる。第2集合管622には第2集流通路が設けられ、第2集流通路は、第2マイクロチャンネル611に第2冷媒流を供給し、及び/又は第マイクロチャンネル611を通って流れる第2冷媒流を収集する。ここで、熱交換本体61内の冷媒流の流動方向における熱交換器6の横断面形状がI字形である。他の実施形態では、熱交換本体61内の冷媒流の流動方向における熱交換器6の横断面形状は、L字形、U字形、G字形、又は円形などであってもよい。
【0104】
集合管アセンブリ62は上述した様々な集合管の配置方式を用いることができ、例えば上述した第1集合管621及び第2集合管622が互いに間隔をあけて配置される配置方式、総集合管623及びバッフル板624の配置方式、又は第1集合管621及び第2集合管622が互いに入れ子状に配置される配置方式である。この時、第1管体614及びその上の第1マイクロチャネル610と、第2管体615及びその上の第2マイクロチャネル611と共に上述の方式で上述の集合管と配合することができ、ここでは説明を省略する。
【0105】
3. 熱交換器は互いに積層されて配置された複数の板体を有する
【0106】
図17に示すように、熱交換器6は熱交換本体61を含む。熱交換本体61は第1板体631及び第2板体632を含み、第1板体631及び第2板体632は互いに積層されて設置される。
【0107】
第1板体631には複数の第1マイクロチャネル610が設けられ、第2板体632には複数の第2マイクロチャネル611が設けられる。複数の第1マイクロチャネル610及び複数の第2マイクロチャネル611はいずれも
図5~
図7に示されるマイクロチャネル612と同じであり、ここでは説明を省略する。多層構造を採用することで、熱交換本体61の長さが短くなり、さらに熱交換器6の体積を縮小する。
【0108】
第1板体631及び第2板体632が互いに積層されて配置されるため、第1板体631及び第2板体632の接触面積を向上させ、それにより第1マイクロチャネル610と第2マイクロチャネル611との間の熱交換面積を増加させ、熱交換効率を向上させる。
【0109】
図1~
図4に示すエアコンシステムにおいて、第1冷媒流は複数の第1マイクロチャネル610を通って流れ、第2冷媒流は複数の第2マイクロチャネル611を通って流れ、第2冷媒流は複数の第2マイクロチャネル611に沿って流れる過程において複数の第1マイクロチャネル610の第1冷媒流から吸熱し、さらにガス化され、第1冷媒流をさらに過冷却させる。
【0110】
他の実施形態又は動作モードでは、第1マイクロチャネル610を通って流れる第1冷媒流は、第2マイクロチャネル611の第2冷媒流から吸熱することができる。第1冷媒流及び第2冷媒流の状態も上で定義された液相又は気液二相に制限されない。
【0111】
第1板体631及び第2板体632はそれぞれ1つ又は複数設けられてもよい。例えば、第1板体631の数は2つであってもよく、第2板体632は2つの第1板体631の間に挟持されて設置され、例えば第1板体631、第2板体632及び第1板体631は順に積層されて設置される。第2板体632が2つの第1板体631の間に挟まれて設置されることによって、第2板体632の第2冷媒流は同時に2つの第1板体631の第1冷媒流に対して吸熱を行い、2つの第1板体631の第1冷媒流れが過冷却されることを実現する。また、放熱部品又は電子部品は第1板体631に熱伝導接続されてもよく、例えば第2板体632から離れる第1板体631の表面に設置され、取り付けを容易にすることができる。他の実施形態において、第1板体631及び第2板体632はいずれも2つ以上設置されることができ、且つ第1板体631及び第2板体632が交互に積層されて設置される。
【0112】
一実施形態では、2つの第1板体631は、互いに独立した2つの板体であってもよい。他の実施形態において、2つの第1板体631はU字形を呈して一体に接続され、又は逆方向の集合管で接続されてもよく、この時に2つの第1板体631内の第1マイクロチャネル610がU字形を呈して連通され、それにより第1マイクロチャネル610の入口及び出口が熱交換本体61の同じ側に位置される。
【0113】
他の実施形態において、第2板体632の数は2つであってもよく、第1板体631は2つの第2板体632の間に挟持されて設置される。この時、放熱部品又は電子部品は第2板体632に熱伝導接続されるように設置されてもよい。
【0114】
図18に示すように、熱交換器6はさらに集合管アセンブリ62を含む。集合管アセンブリ62は第1集合管621及び第2集合管622を含む。第1集合管621に第1集流通路が設けられ、第1集流通路は第1マイクロチャンネル610に第1冷媒流を供給し、及び/又は第1マイクロチャンネル610を通って流れる第1冷媒流を収集することに用いられる。第2集合管622には第2集流通路が設けられ、第2集流通路は第2マイクロチャンネル611に第2冷媒流を供給し、及び/又は第2マイクロチャンネル611を通って流れる第2冷媒流を収集することに用いられる。
【0115】
集合管アセンブリ62は上述した様々な集合管の配置方式を採用することができ、例えば上述した第1集合管621及び第2集合管622が互いに間隔を開けて設置される配置方式、総集合管623及びバッフル板624の配置方式、又は第1集合管621及び第2集合管622が互いに入れ子状に配置される配置方式である。このとき、第1板体631及びその上の第1マイクロチャネル610と、第2板体633及びその上の第2マイクロチャネル611と、共に上述の方式で上記集合管と配合することができる。
【0116】
3.1 積層されて設置された板体の間の溶接プロセス
【0117】
図19に示すように、本実施形態において、熱交換器6は第1板体631、第2板体632及び接続片64を含む。第1板体631及び第2板体632が互いに積層されて設置され、接続片64が隣接する第1板体631と第2板体632との間に挟まれて設置される。接続片64の両側に半田(図示せず)が設置され、半田は接続片64を接続片64の両側の第1板体631及び第2板体632に溶接して固定させるために用いられる。
【0118】
本実施形態では、半田が接続片64の両側に設置され、接続片64を介して第1板体631及び第2板体632が溶接される。このように、第1板体631と第2板体632との間に効果的な固定を得ることができる。隣接する板体613を溶接する際に2つの板体613の貼り合わせ面に半田を塗布する必要があり、表面に半田をコーティングする板体613に比べて、2つの板体613の間に半田付けの接続片64を配置することにより、生産コストを大幅に削減することができる。
【0119】
さらに、接続片64の融点は半田の融点よりも高い。熱伝導性を向上させるために、接続片64は金属箔であってもよい。例えば、接続片64はアルミニウム箔又は銅箔などであってもよい。金属箔のコストが低く、金属箔の両側に半田を設置するプロセスもシンプルであり、従って半田付きの金属箔が入手しやすく、且つ低い生産コストを有する。
【0120】
接続片64に設置された半田がその両側に隣接する第1板体631及び第2板体632を被覆する面積は、第1板体631と第2板体632との重なり面積の80%以上であり、それにより第1板体631と第2板体632との間に溶接の信頼性を向上させる。選択的に、接続片64に設置された半田がその両側に隣接する第1板体631及び第2板体632を被覆する面積は、第1板体631と第2板体632との重なり面積の80%であってもよい。又は、接続片64に設置された半田がその両側に隣接する第1板体631及び第2板体632を被覆する面積は、第1板体631と第2板体632との重なり面積に等しくてもよく、このようにすれば、熱交換器6の信頼性をさらに向上させることができる。
【0121】
選択的に、第1板体631と第2板体632との間の接続片64は単層構造体であってもよく、すなわち第1板体631と第2板体632との間に一層の接続片64のみが設置される。他の実施形態において、第1板体631と第2板体632との間の接続片64は少なくとも2層であり、例えば、接続片64は2層、3層又は4層構造体等であってもよい。このとき、少なくとも2層の接続片64は、さらに半田により溶接されて固定されている。接続片64の層数を柔軟に選択することにより、第1板体631と第2板体632との距離を調整することができ、熱交換器6が異なる応用シーンに適応できる。例えば、上述したバッフル板と配合するために、第1板体631と第2板体632との間には、積層された少なくとも2つの接続片64の厚さに等しい幅を有するスロットが形成される。
【0122】
接続片64の厚みは0.9mm~1.2mmである。例えば、接続片64の厚さは0.9mm、1mm又は1.2mmなどであってもよい。
【0123】
接続片64は、マイクロチャネルを有する他の少なくとも2つの板体、例えば2つの第1板体631又は2つの第2板体632の間に配置されることができることに留意されたい。
【0124】
具体的な実施形態において、
図20に示すように、上記熱交換器6の製造方法は以下のステップを含むことができる。ステップS11では、少なくとも2つの板体を提供する。ステップS12では、接続片を提供し、接続片の両側に半田を設置する。ステップS13では、少なくとも2つの板体を積層して設置し、且つ接続片を隣接する板体の間に挟持して設置する。ステップS14では、該少なくとも2つの板体及び接続片を加熱して、半田によって接続片及び接続片の両側に位置する板体3を溶接して固定する。
【0125】
3.2 積層されて設置された板体と集合管との間の接続
【0126】
図21に示すように、熱交換器6は少なくとも2つの板体613及び少なくとも一つの集合管620を含む。板体613は本体部671と接続部672を含む。該少なくとも2つの板体613の本体部671が互いに積層されて設置される。接続部672の一端が本体部671に接続され、接続部672の他端が集合管620に接続される。
【0127】
図22に示すように、集合管620の管壁に少なくとも2つの挿入孔602が設置され、板体613の接続部672の他端は挿入孔602に対応し、且つ集合管620に溶接されて固定される。すなわち接続部672は板体613の端部に位置され、集合管620と固定されることに用いられる。該少なくとも2つの板体613が集合管620と溶接する時に、溶接箇所で、隣接する2つの板体613の間隔が小さいと、溶接の難度が増大し、半田が隣接する2つの板体613の間の隙間に沿って流れ、板体613と集合管620との溶接不良を引き起こし、冷媒流の漏洩のリスクを引き起こす。
【0128】
本実施形態において、集合管620の隣接する2つの挿入孔602の間に第1間隔d1を有し、隣接する2つの板体613の本体部671の間は第2間隔d2を有し、第1間隔d1は第2間隔d2より大きい。このように、溶接箇所で隣接する2つの板体613の接続部672間の距離を増加させることができ、隣接する2つの板体613の間の毛管作用を減少させ、板体613と集合管620との溶接の信頼性を向上させる。
【0129】
さらに、第1間隔d1は2mm以上であり、例えば、第1間隔d1は2mm又は3mm等であってもよく、それにより板体613の接続部672間の毛管作用を低減させ、板体613の接続部672と集合管620との間の溶接に有利である。さらに、第1間隔d1はさらに6mm以下であり、それにより熱交換器6が高い構造強度を有し、熱交換器6の信頼性を向上させる。
【0130】
選択的に、少なくとも一部の板体613の接続部672は湾曲して設置され、例えば、少なくとも一部の板体613の接続部672は弧状に設置される。このような湾曲配置の方式によって隣接する2つの板体613の接続部672の間隔を調整しやすく、板体613と集合管620との間の溶接固定に有利であり、溶接時に隣接する2つの板体613間の毛細管作用を減少させることができる。
【0131】
選択的に、板体613の接続部672の一端は湾曲して設置され、その他端は直線的に設置され、これにより加工プロセスを簡略化させる。
【0132】
さらに、少なくとも部分的に隣接する板体613の接続部672の間に第3間隔d3を有し、第3間隔d3は本体部671から集合管620までの少なくとも一部の範囲内で徐々に増加し、隣接する接続部672の距離を徐々に増加させ、隣接する2つの板体613間の毛管作用を減少させる。
【0133】
図21に示される実施形態では、少なくとも2つの板体61は、上述した第1板体631と第2板体632とを含むことができる。
【0134】
さらに、本実施形態において、第1板体631の数は2つであり、第2板体632の数は2つであり、第1板体631及び第2板体632は順に積層されて設置される。そのうち、一つの第2板体632は2つの第1板体631の間に挟まれて設置され、もう一つの第2板体632は前記挟まれた第2板体632から離れる一つの第1板体631の外側に積層して設置される。集合管620は、間隔をあけて配置された第1集合管621と第2集合管622とを含む。第1板体631に第1冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、第2板体632に第2冷媒流が流れるための複数の第2マイクロチャネルが設置される。第2冷媒流は複数の第2マイクロチャネル611に沿った流れる過程において第1冷媒流から吸熱して、第1冷媒流が過冷却され、又は第1冷媒流が複数の第1マイクロチャネル610に沿って流れる過程において第2冷媒流から吸熱して第2冷媒流が過冷却される。第1板体631の接続部672は第1集合管621に溶接されて固定され、第2板体632の接続部672は第2集合管621に溶接固定される。
【0135】
図21に示すように、挟持された第2板体632の接続部672は第1集合管621を貫通することができ、且つ第2集合管622に接続され、外側に位置する第2板体632の接続部672は第1集合管621及び第2集合管622をバイパスして溶接固定することができ、このようにして、第1集合管621における挿入孔602の数を減少させ、挿入孔602間の距離を増加させ、熱交換器6の組み立てに有利であり、熱交換器6の信頼性を向上させる。同時に第1集合管621における冷媒流の干渉を低減することができる。
【0136】
別の実施形態では、第2板体632の接続部672のすべては、第1集合管621を貫通し、第2集合管622に接続される。他の実施形態において、第1板体631の接続部672は第2集合管622を貫通することができ、且つ第1集合管621に接続され、ここでは詳細な説明を省略する。
【0137】
ここで、第1板体631及び第2板体632の数は実際の応用に応じて選択的に設定することができ、ここでは具体的に制限されない。
【0138】
集合管620は上述の様々な集合管の配置方式を用いてもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0139】
さらに、板体613の本体部672は直線型構造であるため、これにより、第1板体631の本体部671と第2板体632の本体部671との間は半田で直接に溶接されることができる。
【0140】
他の実施形態において、第1板体631の本体部671と第2板体632の本体部671との間は上述した半田付けの接続片によって接続され、ここでは説明を省略する。
【0141】
4. 放熱フィン
【0142】
図23及び
図24に示すように、熱交換器6は熱交換本体61及び放熱フィン65を含む。放熱フィン65は熱交換本体61に設置され、放熱フィン65が熱交換本体61に熱伝導接続され、これにより、放熱フィン65によって熱交換本体61と空気との接触面積を増大させ、空気との熱交換を促進し、熱交換器6の熱交換効率を向上させ、且つ熱交換器6の放熱効果を向上させる。
【0143】
ここで、放熱フィン65は溶接、接着又は締結接続によって熱交換本体61の表面に接続されてもよい。
【0144】
さらに、
図23に示される実施形態において、熱交換本体61は並列に且つ間隔をあけて設置される少なくとも2つの板体アセンブリ603を含む。放熱フィン65は該少なくとも2つの板体アセンブリ603に設置される。
【0145】
熱交換器6はさらに固定板66を含む。固定板66は同時に該少なくとも2つの板体アセンブリ603及び放熱フィン65を被覆し、且つ固定板66は板体アセンブリ603から離れる放熱フィン65の側に位置され、これにより放熱風路が形成される。このように、放熱フィン65の封止は全体的な固定板66という構造体を採用し、部品が少なく、熱交換器6の生産を簡単且つ確実にすることができ、同時に形成される放熱風路は放熱効果を向上させることができる。放熱風路で定義される気流方向は板本体アセンブリの間隔方向に沿って設置されてもよく、すなわち板体アセンブリ603の延伸方向に垂直であり、それにより熱交換フィン65の放熱効率を向上させる。他の実施形態では、放熱風路で定義される気流方向は板体アセンブリ603の延伸方向に沿って設定されてもよく、又は板体アセンブリ603の延伸方向と他の角度を呈して設置されてもよい。
【0146】
図23に示すように、固定板66は天板661を含む。天板661は同時に該少なくとも2つの板体アセンブリ603及び放熱フィン65に被覆し、放熱フィン65の封止を容易にする。
【0147】
さらに、固定板66はさらに少なくとも一つの側面板662を含む。側面板662は天板661に折り曲げ接続され、且つ板体アセンブリ603に向かって延伸され、側面板662を介して放熱風路を密封し、熱交換器6の部品を減少させ、放熱風路の密封性を向上させる。
【0148】
具体的には、一実施形態において、固定板66は天板661及び一つの側面板662を含むことができる。該側面板662は天板661の一端に折り曲げ接続され、放熱フィン65の一端は該側板662に当接され、それにより放熱風路を閉鎖する。放熱フィン65の他端は他の部品により接合されて組み立てられてもよく、又は以下に説明される電気制御ボックスのボックス本体に当接されてもよく、これにより放熱フィン65が完全な風路を形成する。この方式で、放熱フィン65のパッケージを簡略化することができ、組み立て効率を向上させることができる。
【0149】
他の実施形態において、側面板662の数が2つである。2つの側面板662が少なくとも2つの板体アセンブリ603の間隔方向と垂直する方向に沿って間隔をあけて設置され、天板661がそれぞれ2つの側面板662に折り曲げ接続され、収容空間が形成され、放熱フィン65が収容空間に位置され、すなわち2つの側面板662の間に位置される。このようにして、固定板66は放熱フィン65を完全に密閉し、全体の放熱風路を形成することができ、部品の数が減り、放熱フィン65のパッケージングプロセスがさらに簡素化され、熱交換器6の製造が簡単かつ確実になり、同時に熱交換能力を向上させる。
【0150】
また、
図24に示すように、放熱フィン65は、シート材を押し出して形成された波形構造体であり、その波形構造の山及び谷は、天板661及び板体アセンブリ603がお互いに対向する表面にそれぞれ接触される。
【0151】
任意選択的に、放熱フィン65の数は少なくとも2つであってもよい。
図25に示すとおり、放熱フィン65の数は板体アセンブリ603の数と等しくてもよく、各放熱フィン65はその対応する板体アセンブリ603に設置される。各放熱フィン65の板体アセンブリ603の延伸方向に垂直である方向の幅はその対応する板体アセンブリ603の幅と同じであってもよく、それにより熱交換能力を向上させ、且つ材料コストを節約することができる。
【0152】
図25に示すように、各放熱フィン65は一つの板体アセンブリ603に貼り付けることができ、複数の放熱フィン65は板体アセンブリ603の間隔方向に沿って互いに間隔を置いて配列されることができる。溶接工程において、板体613間の空隙の温度が板体613より高く、このように配置することにより放熱フィン65が溶融して変形することを防止することができる。複数の放熱フィン65が間隔をあけて設置されることにより、放熱フィン65の熱交換効率を保証することができるだけでなく、材料を節約することができ、生産コストを削減することができる。
【0153】
選択的に、
図26に示すように、放熱フィン65の数は1つであってもよく、即ち放熱フィン65は一体式に設置され、且つ同時に少なくとも2つの板体アセンブリ603に設置される。ここで、放熱フィン65が板体アセンブリ603の延伸方向に垂直である方向の幅は熱交換本体61の幅以上であってもよい。このように、一体式の放熱フィン65の数が少なく且つその表面積が大きく、一方で放熱フィン65と熱交換本体61との接続を容易にすることができ、放熱フィン65と熱交換本体61との取り付け効率を向上させ、他方で放熱フィン65と空気との接触面積を増大させ、熱交換効果を向上させることができる。
【0154】
さらに、固定板66は該少なくとも2つの板体アセンブリ603の間隔方向の両端に沿って開放して設置され、それにより気流の放熱風路における流動方向は少なくとも2つの板体アセンブリ603の間隔方向に沿って設置される。さらに、板体アセンブリ603内の冷媒流の流動方向は該少なくとも2つの板体アセンブリ603の間隔方向に垂直であり、それにより放熱風路の放熱効果を向上させ、熱交換器6全体の熱交換効率を向上させる。
【0155】
ここで、各板体アセンブリ603にマイクロチャネルが設置されてもよく、例えば上述した様々な板体とマイクロチャネルとの配合方式を採用して、ここでは詳細な説明を省略する。
【0156】
当業者には理解されるように、上述の放熱フィン65の構造は、本明細書に記載された様々な形態の熱交換器6に適用され、特定の実施形態に制限されるべきではない。
【0157】
5 熱交換器が放熱器として機能する
【0158】
本出願はまた上記熱交換器6を放熱器として使用することができ(以下では放熱器6として説明する)。放熱器6は熱交換本体61及び集合管アセンブリ62を含み、且つ放熱器6を電気制御ボックス7における電子部品に対して放熱するように設置する。当業者によって理解されるように、本明細書で言及される放熱器6は、上述した様々な形態の熱交換器を含むべきであり、特定の実施形態に制限されるべきではないことに留意されたい。
【0159】
一実施形態において、放熱器6はエアコンシステム1のエコノマイザとする同時に、電気制御ボックス6におけるのモジュール放熱器の代わりに、電気制御ボックス7を放熱するために用いられ、エアコンシステム1の管路アセンブリ及びモジュールの数を簡略化し、コストを削減する。
【0160】
さらに、
図27に示すように、電気制御ボックス7はボックス本体72と放熱器6を含む。ボックス本体72に取付キャビティ721が設けられ、電子部品71は取付キャビティ721に設置され、放熱器6は取付キャビティ721に設置され、取付キャビティ721における電子部品71を放熱するために用いられる。別の実施形態では、放熱器6はまた、ボックス本体72の外側に配置されてもよく、取付キャビティ721における電子部品71を放熱するように構成されてもよい。
【0161】
図27に示すように、ボックス本体72は天板(図示せず、底板723に対向して設置され、取付キャビティ721の開口部を覆う)、底板723及び周方向側板724を含む。天板及び底板723は対向して間隔をあけて設置され、周方向側板724は天板及び底板723に接続され、さらに取付キャビティ721が形成される。
【0162】
具体的には、
図27において、底板723及び天板は長方形を呈する。周方向側板724の数は4つである。4つの周方向側板724はそれぞれ対応する底板723及び天板の側辺に接続され、さらに底板723及び天板が囲まれて直方体状の電気制御ボックス7が形成される。底板723の長辺の大きさは、電気制御ボックス7の長さであり、底板723の短辺の大きさは電気制御ボックス7の幅である。底板723に垂直である周方向側板724の高さは電気制御ボックス7の高さである。
図27に示すように、電気制御ボックス7のX方向における長さは電気制御ボックス7の長さであり、電気制御ボックス7のY方向における長さは電気制御ボックス7の高さであり、電気制御ボックス7のZ方向における長さが電気制御ボックス7の幅である。
【0163】
以下のいくつかの実施形態は放熱器6と電気制御ボックス7との具体的な組み合わせを詳細に説明する。
【0164】
5.1 熱交換本体の形態
【0165】
一実施形態において、熱交換本体61は直線ストリップ状に配置され、
図18に示すように、熱交換本体61は全体的な長さ、全体的な幅及び全体的な高さを有する。ここで、全体的な長さは熱交換本体61がその延伸方向に沿った長さであり、すなわち熱交換本体61が
図18に示されるX方向における長さである。全体的な幅は熱交換本体61の延伸方向に垂直で且つ熱交換本体61が位置する平面に垂直な方向における熱交換本体61の長さであり、すなわち熱交換本体61が
図18に示されるY方向における長さである。全体的な高さは、
図18に示されるZ方向に沿った熱交換本体61の長さである。ここで、熱交換本体61が位置する平面は集合管アセンブリ62が位置する平面を指し、即ち
図18に示されるXOZ平面である。
【0166】
本実施形態では、
図27に示すように、熱交換本体61が電気制御ボックス7の底板723に設置されることができる。あるいは、熱交換本体61は電気制御ボックス7の周方向側板724に配置されてもよい。他の実施形態において、熱交換本体61はさらに電子部品71等の設置位置に基づいて電気制御ボックス7の他の位置に固定されてもよく、本出願の実施形態は具体的に制限されない。
【0167】
熱交換本体61が
図18に示す直線ストリップ状である場合、熱交換本体61は、底板723に当接されてもよく、又は底板723と間隔をあけて設置される。このようにして、底板723の長手方向の寸法を十分に利用することができ、熱交換効果を向上させるためにできるだけ長い熱交換本体61を設置することができる。他の実施形態において、熱交換本体61は、周方向側板724に当接されてもよく、又は周方向側板724と間隔をあけて設置されてもよく、本出願の実施形態は具体的に制限されない。
【0168】
さらに、
図28に示すとおり、熱交換本体61の全体的な長さを縮小するために、熱交換本体61が第1延伸部617及び第2延伸部618に分割されることができる。第2延伸部618が第1延伸部617の端部に接続され、且つ第1延伸部617の片側に向かって折り曲げられ、それにより熱交換本体61がL字型を呈する。
【0169】
熱交換本体61を折り曲げて屈曲接続された第1延伸部617及び第2延伸部618を形成することにより、熱交換本体61が十分の延伸長さを有する条件で、熱交換本体61の全体的な長さを縮小することができ、それにより放熱器6と配合する電気制御ボックス7のX方向に沿った長さを縮小することができ、電気制御ボックス7の体積を縮小する。
【0170】
具体的には、第1延伸部617が底板723と平行に設置され、これにより底板723の長手方向の寸法を十分に利用することができ、できるだけ長い熱交換本体61を設置して熱交換効果を向上させることができる。第2延伸部618は周方向側板724と平行に配置されることができ、これにより第2延伸部618がX方向に占有される空間を減少させる。
【0171】
あるいは、第1延伸部617は、周方向側板724の一方と平行に配置されてもよく、第2延伸部618は、該周方向側板724に隣接する周方向側板724と平行に配置されて、これにより放熱器6が取付キャビティ721の一側に配置される。
【0172】
選択的に、第1延伸部617は底板723に当接されてもよく、又は底板723と間隔をおいて設置されてもよく、第2延伸部618は周方向側板724に当接されてもよく、又は周方向側板724と間隔を置いて設置されてもよく、本出願の実施形態は具体的に限定されない。
【0173】
さらに、
図28に示すように、第2延伸部618の数は一つであってもよい。一つの第2延伸部618は第1延伸部617の一端に接続され、それにより熱交換本体61がL字型を呈する。
【0174】
図29に示すように、第2延伸部618の数は2つであってもよい。2つの第2延伸部618はそれぞれ第1延伸部617の対向する両端に接続され、且つそれぞれ第1延伸部617の同一側に折り曲げられる。
【0175】
具体的には、2つの第2延伸部618は第1延伸部617の対向する両端の間に平行に間隔をあけて設置されてもよく、それにより熱交換本体61の熱交換効果を保証する場合に、熱交換本体61の全体的な長をさらに縮小させ、放熱器6の体積を縮小させる。また、2つの第2延伸部618が第1延伸部617の同じ側に折り曲げて設置され、2つの第2延伸部618がそれぞれ第1延伸部617の対向する両側に位置されることに比べて、放熱器6の全体的な幅を短くすることができる。
【0176】
さらに、2つの第2延伸部618は第1延伸部617と垂直に設置されてもよく、それによりU字型の熱交換本体61が形成される。このように、熱交換本体61の全体的な長さを縮小することができるだけでなく、また第2延伸部618のX方向に占有される空間を低減することができ、2つの第2延伸部618と取付キャビティ721に設けられた電子部品71とが干渉を生成することを回避する。
【0177】
又は、2つの第2延伸部618は第1延伸部617に対して傾斜して設置されてもよく、且つ2つの第2延伸部618が第1延伸部617に対して傾斜する角度は同一であってもよく、異なってもよく、電気制御ボックス7の全体的な幅を短縮させる。
【0178】
さらに、第1延伸部617の延伸長さは第2延伸部618の延伸長さより大きく設定され、それにより第1延伸部617が電気制御ボックス7の長手方向に沿って設置され、第2延伸部618が電気制御ボックス7の幅方向又は高さ方向に沿って設置される。
【0179】
さらに、
図27に示すように、取付キャビティ721に設けられる放熱器6の数は一つであってもよい。一つの放熱器6はボックス本体72の長手方向に沿って延伸され、取付キャビティ721に設置されてもよい。あるいは、一つの放熱器6はボックス本体72の高さ方向に沿って延伸されて取付キャビティ721に設置されてもよい。
【0180】
あるいは、取付キャビティ721に設けられる放熱器6の数は少なくとも2つであってもよい。例えば、放熱器6の数は2つ、3つ、4つ又は5つ等であってもよい。数が多い放熱器6を設置することにより、電気制御ボックス7の放熱効果を向上させることができる。
【0181】
5.2 放熱器は電気制御ボックスに設置される
【0182】
当業者であれば理解できるように、本出願に開示された様々な形態の放熱器6が電気制御ボックス7の取付キャビティ721に設置されるか又は電気制御ボックス7の放熱に適用することができ、且つ直接的又は間接的に電子部品71と熱伝導接続されることができる。
【0183】
さらに、
図27に示すように、放熱器6は電気制御ボックス7の取付キャビティ721に設置される。具体的には、放熱器6を取付キャビティ721に設置された電子部品71と熱伝導接続させることができ、それにより電子部品71を放熱することに用いられる。
【0184】
具体的には、電子部品71を熱交換本体61に熱伝導接続させることができ、電子部品71は熱交換本体61の任意の位置に熱伝導接続されることができる。
【0185】
放熱器6における熱交換本体61が直線ストリップ状である場合(すなわち放熱器6がI型である場合)、電子部品71は熱交換本体61の任意の位置に設置されることができる。これにより、電子部品71の組み立てが容易になる。例えば、電子部品71が熱交換本体61の中間位置に設置されることができ、又は電子部品71が熱交換本体61の2つの端部の位置に設置されることができる。選択的に、電子部品71は熱交換本体61の片側に設置されてもよく、実際の応用シーンに基づいて、電子部品71が熱交換本体61の対向する両側に設置されてもよい。
【0186】
図28及び
図29に示す実施形態において、放熱器6がL字型又はU字型である場合、電子部品71が第1延伸部617に熱伝導接続されることができ、且つ電子部品71及び第2延伸部618は第1延伸部617の同じ側に設置されることができ、それにより電気制御ボックス7の高さ、即ちY方向に沿った寸法、を短縮させる。
【0187】
又は、電子部品71が第2延伸部618に熱伝導接続されることができ、具体的に電子部品71が第1延伸部617に向かう第2延伸部618の側に配置されることができ、それにより電気制御ボックス7の長さ、即ちX方向に沿った寸法、を短縮させる。
【0188】
又は、電子部品71の一部が第1延伸部617に設置され、電子部品71の一部が第2延伸部618に設置されることができ、それにより電子部品71が均一に分布する。
【0189】
図27及び
図30に示すように、さらに電気制御ボックス7に放熱固定板74が設置されることができる。電子部品71を放熱固定板74に設置させ、その後放熱固定板74を熱交換本体61に接続させ、放熱固定板74によって電子部品71及び熱交換本体61を熱伝導接続させ、このように、電子部品71の取り付け効率を大幅に向上させることができる。
【0190】
ここで、放熱固定板74は熱伝導性が良好な金属板又は合金板を用いて製造することができる。例えば、熱伝導効率を向上させるために、放熱固定板74はアルミニウム板、銅板、アルミニウム合金板等で製造されることができる。
【0191】
又は、
図31に示すように、放熱固定板74にヒートパイプ741を嵌設されることができる。ヒートパイプ741は集中的な高密度熱源を迅速に熱伝導させて放熱固定板74の表面全体に拡散させるために使用され、それにより放熱固定板74の熱分布を均一にし、放熱固定板74と熱交換本体61との熱交換効果を向上させる。
【0192】
ここで、
図31の上側の図面に示すように、ヒートパイプ741は長いストリップ状に設置されてもよい。ヒートパイプ741の数は複数であってもよい。複数のヒートパイプ741は平行に間隔をあけて配置されてもよい。あるいは、
図31の下側の図面に示すように、複数のヒートパイプ741は順にリング状又はフレーム型に接続されてもよく、本出願の実施形態は具体的に制限されない。
【0193】
5.3 放熱器は電気制御ボックスの外部に設置される
【0194】
図32に示すように、放熱器6は電気制御ボックス7の外部に設置される。電気制御ボックス7のボックス本体72に取り付け口726が開設されることができ、且つ電子部品71が取り付け口726を介して放熱器6に熱伝導接続される。
【0195】
具体的には、
図32に示すように、電子部品71が放熱器6から離れた放熱固定板74の側の表面に設置される。
【0196】
あるいは、
図33に示すように、ヒートパイプ741を設けることによって電子部品71を放熱器6に熱伝導接続させてもよい。例えば、ヒートパイプ741は吸熱端741a及び放熱端741bを含むことができる。ヒートパイプ741の吸熱端741aが取付キャビティ721に挿入されることができ、且つ電子部品71と熱伝導接続され、それにより電子部品71の熱を吸収することに用いられる。ヒートパイプ741の放熱端741bが電気制御ボックス7の外部に設置され、放熱器6と熱伝導接続され、放熱器6を利用してヒートパイプ741の放熱端741bを放熱させる。
【0197】
5.4 放熱フィンと電子部品の配置
【0198】
図23~
図26に示す実施形態において、放熱器6は放熱フィン65を含む。放熱フィン65を有する放熱器6が電気制御ボックス7に適用される時に、放熱フィン65によって熱交換本体61と電気制御ボックス7内の空気との接触面積を増大させ、空気との熱交換を容易にし、取付キャビティ721内の温度を低下させ、電子部品71を保護することができる。
【0199】
あるいは、電子部品71及び放熱フィン65が熱交換本体6の同じ側に設置されることができ、且つ電子部品71及び放熱フィン65をずらして設置され、電子部品71と放熱フィン65とが干渉を生成することを回避し、且つ電子部品71と放熱フィン65との間の距離を大きく設定し、放熱フィン65と電子部品71とが接触する冷媒の温度を低くすることができ、熱交換本体61の放熱効果を向上させる。
【0200】
他の実施形態において、電子部品71が熱交換本体61の片側に設置され、放熱フィン65が熱交換本体61の他側に設置される。具体的には、放熱フィン65が熱交換本体61の他側の任意の位置に設置されてもよい。
【0201】
一実施形態において、放熱フィン65は電気制御ボックス7の外側に延伸されることができる。例えばボックス本体72に取付口が開設され、熱交換本体61がボックス本体72に設置され、且つ電子部品71に熱伝導接続され、放熱フィン65の片側が熱交換本体61に熱伝導接続され、且つ取付口を介してボックス本体72の外側に延伸され、且つさらに空気冷却補助により熱交換本体61の放熱能力を向上させることができる。
【0202】
6. 電子部品が放熱器の温度より高い位置に設置される
【0203】
図34に示すとおり、本実施形態における電気制御ボックス7はボックス本体72、放熱器6及び電子部品71を含む。ボックス本体72に取付キャビティ721が設けられ、放熱器6は少なくとも部分的に取付キャビティ721に設置され、電子部品71は取付キャビティ721に設けられる。ここで、ボックス本体72及び放熱器6の構造は上記実施形態とほぼ同じであり、上記実施形態の説明を参照されたい。
【0204】
選択的に、熱交換本体61は全て電気制御ボックス7の取付キャビティ721に設置されてもよい。熱交換本体61も部分的に電気制御ボックス7の取付キャビティ721に設置されてもよく、電気制御ボックス7の外に部分的に突出され、集合管アセンブリ62と外部管路との接続に用いられる。
【0205】
冷媒流の流れにより放熱器6の温度が低くなり、電気制御ボックス7における電子部品71が発熱することにより電気制御ボックス7の取付キャビティ721内の温度が高くなり、電気制御ボックス7内の温度が高い空気は放熱器6に接触すると凝縮しやすく、さらに放熱器6の表面に凝縮水が形成される。生成された凝縮水が電子部品71の位置に流れると、電子部品71を短絡させ又は損傷させやすく、より深刻な火災の危険が発生する。
【0206】
従って、
図34に示すように、熱交換本体61を冷媒流の流れ方向に沿って第1端61aと第2端61bに分割することができる。熱交換本体61が作動する時に、熱交換本体61の温度が第1端61aから第2端61bまでの方向に徐々に低下し、すなわち第1端61aの温度が第2端61bの温度より高い。電子部品71は、第1端部61aに近い位置に配置され、電子部品71と熱交換本体61とが熱伝導接続される。なお、熱交換本体61は電気制御ボックス7の内部環境又は内部構成要素と熱交換する必要があるため、上記及び以下に説明する熱交換本体61の温度は熱交換本体61の表面温度を指す。具体的には、熱交換本体61の表面温度変化は、表面に隣接する熱交換チャネルによって決定される。例えば、熱交換本体61の表面に隣接する熱交換チャネルが主チャネルである場合、主チャネルの冷媒流が流れに伴って補助チャネルの冷媒流に吸熱されるため、熱交換本体61の表面温度が主チャネルの冷媒流れ方向に沿って徐々に低下し、この時主チャネルに沿った第1端61aの冷媒流は第2端61bの上流に向かって流れる。熱交換本体61の表面に隣接する熱交換チャネルが補助チャネルである場合、熱交換本体61の表面温度が補助チャネルの冷媒流れ方向に沿って徐々に上昇し、この時は補助チャネルに沿った第1端61aの冷媒流は第2端61bの下流に向かって流れる。
【0207】
そのため、動作時に熱交換本体61の温度変化に基づき、熱交換本体61は温度が高い第1端61aと温度が低い第2端61bに分割される。温度が高い第1端61aと熱空気との温度差が小さいため、凝縮水を生成せず又は生成された凝縮水の量が少ないため、電子部品71を第1端61aに近い位置に設置されることにより、電子部品71と凝縮水との接触確率を低下させることができ、電子部品71を保護することができる。
【0208】
なお、エアコンは一般的に冷房モードと暖房モードが存在するため、この2種類のモードでは冷媒の流動方向が逆である場合がある。この時、熱交換本体61の温度は第1端61aから第2端61bまで逆の変化傾向があり、すなわち一つのモードでは、熱交換本体61の温度が第1端61aから第2端61bまで徐々に減少し、他のモードで熱交換本体61の温度が第1端61aから第2端61bまで徐々に上昇する。本実施形態において、冷却モードを優先的に確保する場合、熱交換本体61の温度が第1端61aから第2端61bまで徐々に低下する。その理由は以下のとおりである。
【0209】
環境温度が低い場合、例えば、エアコン装置が冬季で暖房を行う時に、電気制御ボックス7内の空気温度が低く、この時、電気制御ボックス7内の空気と放熱器6との温度差が小さく、空気が凝縮して凝縮水を形成しにくい。環境温度が高い場合、例えば、エアコン装置が夏で冷房を行う時に、電気制御ボックス7内の空気温度が高く、電気制御ボックス7内の空気と放熱器6との間の温度差が大きく、空気が凝縮して凝縮水を形成することが容易である。これにより、本実施形態において、少なくともエアコン装置の冷房モードにおいて、熱交換本体61の温度を第1端61aから第2端61bまでの方向に徐々に低下させ、それにより放熱器6が冷房モードで凝縮水を生成することを回避する。
【0210】
さらに、電子部品71を第1端61aに近接する位置に設置することは、熱交換体61における電子部品71の熱伝導接続位置と第1端61aとの間に第1距離を有し、熱交換体61における電子部品71の熱伝導接続位置と第2端61bとの間に第2距離を有し、第1距離が第2距離より小さい。
【0211】
具体的には、熱交換本体61の温度が第1端61aから第2端61bまでの方向に徐々に減少し、これにより、第1端61aの温度が最も高く、第2端61bの温度が最も低く、熱交換本体61の温度が高いほど、電気制御ボックス7内の空気との温度差が小さくなり、凝縮水が凝集しにくくなる。熱交換本体61の温度が低いほど、熱空気との温度差が大きく、凝縮水が凝集しやすくなる。すなわち、熱交換本体61の第1端61aから第2端61bまでの方向では、凝縮水が発生する確率が次第に増大する。これにより、電子部品71が熱交換本体61の温度が高い一端に設置され、すなわち凝縮水が溜まりにくい位置に設置することにより、電子部品71と凝縮水とが接触するリスクを低減させ、さらに電子部品71を保護することができる。
【0212】
さらに、
図34に示すように、熱交換本体61の延伸方向が垂直方向に沿って設置されることができ、且つ第1端61aが第2端61bの上部に設置される。これにより、第2端61bに近接する熱交換本体61の位置に凝縮水が生成されると、凝縮水が垂直方向に沿って下向きに流れ、すなわち凝縮水が電子部品71から離れる方向に流れることができ、電子部品71と凝縮水との接触を回避する。
【0213】
又は、必要に応じて熱交換本体61の延伸方向を水平方向に沿って設置してもよく、それにより第2端61bに近接する位置に生成する凝縮水が重力の作用で熱交換本体61から迅速に分離され、電子部品71と接触することを回避することができる。又は、他の実施形態において、熱交換本体61の延伸方向は水平方向に対して傾斜して設置されてもよく、本出願の実施形態は具体的に制限されない。
【0214】
当然のことながら、本実施形態における放熱器6の構造は上述の実施形態と同じであってもよく、即ち折り曲げられた熱交換本体61を採用する。あるいは、本実施形態における放熱器6の構造は直線ストリップ状の熱交換本体61を採用することができる。あるいは、上述したマイクロチャネルが設けられた放熱器6に加えて、他の種類の放熱器を用いてもよく、本出願の実施形態は放熱器6の具体的な構成を制限するものではない。さらに、放熱器が電気制御ボックスに適用される本出願の他の実施形態は、本明細書で開示される様々な放熱器、又は当技術分野で知られている他の放熱器を使用することができる。
【0215】
7. 凝縮水の防護
【0216】
図35に示すとおり、本実施形態における電気制御ボックス7はボックス本体72、取付板76、電子部品71及び放熱器6を含む。
【0217】
そのうち、ボックス本体72に取付キャビティ721が設けられ、取付板76は取付キャビティ721に設置され、それにより取付キャビティ721が取付板76の両側に位置する第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214を形成する。電子部品71が第2キャビティ7214に設けられ、熱交換体61の少なくとも一部は第1キャビティ7212に配置され、且つ電子部品71と熱伝導接続される。取付板76は放熱器6の凝縮水が第2キャビティ7214に流入するのを遮断するために用いられる。
【0218】
電気制御ボックス7に取付キャビティ721を区画する取付板76を設置し、且つ熱交換本体61と電子部品71がそれぞれ互いに独立した第1キャビティ7212と第2キャビティ7214に設置されることにより、電子部品71を凝縮水から完全に遮断することができ、それにより電子部品71が凝縮水に接触して短絡するか又は損傷することを回避する。
【0219】
さらに、放熱固定板74を用いて電子部品71及び熱交換本体61を間接的に接続させることができる。
【0220】
具体的には、取付板76が放熱固定板74に対応する位置に逃げ孔762が開設され、放熱固定板74が熱交換本体61に接続され且つ逃げ孔762を塞ぎ、電子部品71が熱交換本体61から離れた放熱固定板74の側に設けられる。このように、放熱固定板74によって電子部品71及び熱交換本体61を熱伝導接続させることができ、且つ放熱固定板74によって第1キャビティ7212と第2キャビティ7214とを離間させることができ、これにより凝縮水が回避穴762を通過して電子部品71が設けられた第2キャビティ7214に流れることを防止でき、さらに凝縮水が電子部品71と接触することを防止することができる。
【0221】
さらに、熱交換本体61に多くの凝縮水が発生すると、凝縮水が蓄積された後に重力により落下し、滴下した凝縮水が飛散しやすく、さらに電気制御ボックス7における回路に危険をもたらし、且つ電気制御ボックス7から分散された凝縮水も排出することに不利である。
【0222】
これにより、
図35に示すように、電気制御ボックス7に導流板77を設置することができ、導流板77は放熱器6の下側に設置され、放熱器6から滴下した凝縮水を収集することに用いられる。導流板77を配置することは、凝縮水の滴下した高さを小さくすることができるだけでなく、凝縮水の飛散を回避し、且つ導流板77も凝縮水に一定の蓄積作用を有し、凝縮水を合流させた後に電気制御ボックス7から一緒に排出することに役立つ。
【0223】
図35に示すように、導流板7は電気制御ボックス7の底板723に固定され、導流板77の一端は底板723に接続され、導流板77の他端は第1キャビティ7212内部に延伸され、且つ垂直方向に沿った放熱器6の投影が導流板77の内部に位置される。このように、放熱器6から滴下した凝縮水がいずれも導流板77に位置することを保証することができ、凝縮水が電気制御ボックス7の他の位置に滴下することを回避する。
【0224】
当然のことながら、放熱器6はさらに取付板76に設置されてもよい。この場合、導流板77の一端が取付板76に接続され、導流板77の他端が第1キャビティ7212内部に延伸され、且つ垂直方向に沿った放熱器6の投影が導流板77の内部に位置される。
【0225】
さらに、
図36に示すように、導流板77における凝縮水を直ちに電気制御ボックス7から排出することを容易にするために、さらにボックス本体72の底壁に排水口725が開設されてもよく、且つ導流板77がボックス本体72の底壁に対して傾斜して設置され、凝縮水が導流板77によって導かれた後に排水口725を介してボックス本体72から排出されることができる。
【0226】
具体的には、電気制御ボックス7の周方向側板724に排水口725が開設され、導流板77が取付板76又はボックス本体72の底板723に接続され、且つ排水口725の方向に傾斜して設置され、凝縮水が導流板77に滴下した後、傾斜した導流板77に沿って排水口725の位置に集められ、さらに排水口725によって電気制御ボックス7から排出される。
【0227】
ここで、排水口725の数及び大きさは凝縮水の多少に応じて柔軟に設定することができ、本出願の実施形態は具体的に制限されるものではない。
【0228】
本実施形態において、熱交換本体61における冷媒流の流れ方向が水平方向に沿って設置されることができ、すなわち熱交換本体61の延伸方向が水平方向に沿って設置され、一方で熱交換本体61における凝縮水の流路を短くすることができ、それにより凝縮水が重力によって導流板77に迅速に滴下し、電気制御ボックス7から凝縮水を適時に排出しやすく、取付キャビティ721に設置された電子部品71と接触することを防止する。その一方で、導流板77と熱交換体61との干渉も回避でき、これにより比較的長い熱交換本体61を設置することができ、放熱器6の熱交換効率を向上させることができる。
【0229】
他の実施形態では、
図37に示すように、導流板77の中央領域から両端までの方向に、垂直方向に沿った導流板77の高さが徐々に低くなり、それにより導流板77に落下した凝縮水が導流板77の両端に流れる。即ち導流板77は逆V字形に設置され、この方式では、垂直方向に沿った導流板77の全体的な高さを低下させることができ、導流板77と電気制御ボックス7における他の部品とが干渉を生成することを回避し、且つ放熱器6が導流板77に滴下した凝縮水を迅速に排出することができる。
【0230】
さらに、
図37に示すように、ボックス本体72にそれぞれ導流板77の両端位置に対応する第1排水口771及び第2排水口772が設置され、それにより導流板77の両端に流れた凝縮水を排出することができる。導流板77に滴下した凝縮水は導流板77の両端に向かって流れ、且つ第1排水口771及び第2排水口772を介してボックス本体72から排出される。
【0231】
さらに他の実施形態では、
図38に示すとおり、導流板77の中央領域から両端までの方向に、垂直方向に沿った導流板77の高さが徐々に高くなり、それにより導流板77に落下した凝縮水が導流板77の中央部領域に流れる。即ち導流板77はV字状に設置されることができる。この方式では、凝縮水が導流板77を介して導流板の中央領域に集中され、且つ中央領域から排出されることができる。
【0232】
さらに、
図38に示すように、ボックス本体72に導流板77の中央領域の位置に対応する排水口725が設置され、導流板77の中央領域に流れた凝縮水を排出することができる。この方式により、凝縮水の収集及び排出を容易にする。
【0233】
上記排水口725、第1排水口771及び第2排水口772の数及び大きさは凝縮水の多少に応じて柔軟に設定することができ、本出願の実施形態は具体的に制限されない。
【0234】
なお、上記導流板77は他の取り付け方式で電気制御ボックス7に取り付けられ且つ電気制御ボックス7内の電子部品71を放熱するための放熱器6の下方に設置されてもよく、上述の実施形態に制限されるものではない。
【0235】
8. 放熱器の上流に電子部品が設置され、下流に放熱フィンが設置される
【0236】
図39に示すように、ボックス本体72に取付キャビティ721が設けられ、熱交換本体61の少なくとも一部が取付キャビティ721に設けられる。電子部品71は第1位置で熱交換本体61と熱伝導接続され、放熱フィン65は第2位置で熱交換本体61と熱伝導接続される。ここで第1位置と第2位置は熱交換本体61の冷媒流の流れ方向に沿って互いに間隔をあけて設置される。上述したように、ここで言及される冷媒流は
図1~
図4に示されるエアコンシステムにおける主チャネルの冷媒流であってもよく、補助チャネルの冷媒流であってもよい。
【0237】
本実施形態には電子部品71と放熱フィン65が熱交換本体61の冷媒流の流れ方向に沿って互いに間隔をあけて設置されることにより、熱交換本体61の空間を十分に利用することができ、熱交換本体61によって電子部品71を放熱するだけでなく、放熱フィン65によって電気制御ボックス7の取付キャビティ721内の温度を低下させ、さらに取付キャビティ721に設置された電子部品71を保護することができる。
【0238】
さらに、熱交換本体61は冷媒流の流れ方向に沿って互いに間隔をあけて設置される第1端61a及び第2端61bを含む。ここで熱交換本体61の温度は第1端61aから第2端61bまでの方向に徐々に減少し、即ち第1端61aの温度は第2端61bの温度より大きい。第1位置は第2位置よりも第1端61aに近い位置に配置される。
【0239】
具体的には、熱交換本体61の動作過程において、熱交換本体61表面の温度が冷媒流の流れ方向に応じて変化し、さらに温度が高い第1端61aと温度が低い第2端61bが形成される。温度が高い第1端61aと取付キャビティ721内の熱空気との温度差が小さいため、凝縮水が発生しにくく、これにより、電子部品71を第1端61aに近接して設置されることができ、即ち、第1位置が第1端61aに近接する位置に設置される。温度が低い第2端61bと取付キャビティ721内の熱空気との温度差が大きいため、凝縮水が発生しやすく、これにより、放熱フィン65を第2端61bに接近して設置されることができる。一方では、放熱フィン65の温度が低いと、放熱フィン65と熱空気との温度差が十分に大きくなり、電気制御ボックス7の放熱に有利となる。他方では、放熱フィン65で凝縮により形成された凝縮水も熱空気の作用により蒸発され、凝縮水が蒸発されて熱を吸収することにより、冷媒流の温度がさらに低下し、放熱器6の熱交換効果を向上させる。
【0240】
8.1 放熱気流の流速を加速させる
【0241】
さらに、
図40に示すように、さらに電気制御ボックス7に放熱ファン78が設置されることができる。放熱ファン78は電気制御ボックス7に放熱フィン65に作用する放熱気流を形成することに用いられる。これにより、放熱気流の流速を加速させ、さらに熱交換効果を向上させることができる。
【0242】
また、放熱ファン78は放熱フィン65に近接する位置に設置されることができ、放熱フィン65に直接的に作用することができる。
【0243】
又は、
図40に示すように、さらに電気制御ボックス7に取付板76が設置されることができ、取付板76は取付キャビティ721に設置され、それにより取付キャビティ721には取付板76の両側に位置する第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214が形成される。取付板76に第1通気口764及び第2通気口766が間隔をあけて設けられるため、第1キャビティ7212内のガスは第1通気口764を通って第2キャビティ7214に流入し、第2キャビティ7214内のガスは第2通気口766を通って第1キャビティ7212に流入する。熱交換体61の少なくとも一部が第1キャビティ7212に配置され、電子部品71及び放熱ファン78が第2キャビティ7214に配置される。
【0244】
取付板76を採用して取付キャビティ721を分離して2つの互いに独立した第1キャビティ7212と第2キャビティ7214を形成することにより、第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214内に循環気流を形成することができ、それにより第1キャビティ7212に設けられた放熱フィン65と接触する風量を増加させ、且つ降温された後の気流が第2キャビティ7214に設置された電子部品71の放熱を容易にすることができ、ガスの混合流を防止し、放熱フィン65の放熱効率を向上させる。
【0245】
ここで、第2キャビティ7214に設置された放熱ファン78は、第2キャビティ7214における空気の流速を加速させ、更に第1キャビティ7212と第2キャビティ7214との間の空気の循環速度を加速し、電気制御ボックス7の放熱効率を向上させることに用いられる。
【0246】
さらに、放熱フィン65を通って流れる放熱気流の流れ方向は冷媒流の流れ方向に垂直であるように設置することができる。
【0247】
図39及び
図40に示すように、熱交換本体61における冷媒流が水平方向に沿って流れる時に、放熱気流が垂直方向に沿って流れるように設置することができ、それにより放熱気流が電子部品71の位置に流れることを回避する。
【0248】
具体的には、第1通気口764及び第2通気口766は垂直方向に沿って放熱フィン65の対向する両側に間隔を置いて設置されることができる。ここで、第1通気口764及び第2通気口766の数及び配置密度は必要に応じて設定することができる。
【0249】
あるいは、熱交換本体61における冷媒流が垂直方向に沿う時に、放熱気流が水平方向に沿って流れるように設定することができ、それにより放熱気流が電子部品71の位置に流れることを回避する。あるいは、放熱気流の流れ方向及び冷媒流の流れ方向は、互いに直交する他の2方向に沿って設定されてもよく、本出願の実施形態は具体的に制限されない。
【0250】
さらに、垂直方向に設置された第1通気口764及び第2通気口766を用いる場合、第1通気口764が第2通気口766の上部に設置されることができ、それにより第2通気口766を介して第1キャビティ7212に入った熱風は熱交換本体61の位置まで自動的に上昇し、且つ熱交換本体61と熱交換する。
【0251】
また、放熱ファン78を第1通気口764に近接する位置に設置することができ、それにより第1キャビティ7212の頂部に位置する冷気が直ちに第2キャビティ7214に入り、且つ放熱ファン78が冷気を加速して、電子部品71の放熱効率を向上させることができる。
【0252】
9. 内部循環
【0253】
一般的に、電気制御ボックス7を降温するために、一般的に電気制御ボックス7のボックス本体72に取付キャビティ721と連通する放熱孔が開設され、それにより放熱孔を介して外部空気と自然対流して熱交換を行い、さらに電気制御ボックス7に対して降温を行う。しかしボックス本体72に放熱孔が開設される方式を採用すると、電気制御ボックス7の密封性を低下させ、外部の水分、ほこり等の不純物が放熱孔を介して取付キャビティ721に入り、更に取付キャビティ721に設置された電子部品を損傷する。
【0254】
本実施形態は上記問題を解決するために、電気制御ボックス7のボックス本体72を密封構造体に設置することができる。具体的には、
図41に示すとおり、電気制御ボックス7はボックス本体72、取付板76、放熱器6、電子部品71及び放熱ファン78を含む。
【0255】
そのうち、ボックス本体72に取付けキャビティ721が設けられ、取付板76は取付キャビティ721に設置され、それにより取付キャビティ721が取付板76の両側に位置する第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214を形成する。取付板76に間隔をあけて設置された第1通気口764及び第2通気口766が設けられ、第1通気口764及び第2通気口766は、第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214に連通される。放熱器6の少なくとも一部が第1キャビティ7212に配置され、電子部品71が第2キャビティ7214に配置され、且つ放熱器6と熱伝導接続される。放熱ファン78は送風に用いられ、第1キャビティ7212内のガスが第1通気口764を通って第2キャビティ7214に流入する。
【0256】
本実施形態では、第1キャビティ7212に放熱器6の少なくとも一部が配置され、第2キャビティ7214に電子部品71及び放熱ファン78が配置され、取付板76に間隔をあけて第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214を連通する第1通気口764及び第2通気口766が設けられる。これにより、電子部品71が発熱して第2キャビティ7214内の空気の温度が高くなり、放熱ファン78は熱風を第2通気口766に送り込む。熱風の密度が小さいため、熱風は自然上昇して第1キャビティ7212に配置された放熱器6に接触し、放熱器6は熱風の温度を低下して冷気が形成されることに用いられる。冷気が第1通気口764から第2キャビティ7214に流入する。放熱ファン78は冷気を加速させるために使用され、冷気を利用して第2キャビティ7214に設けられた電子部品71を降温し、電子部品71と熱交換した後の空気の温度が上昇し、温度が上昇された冷気は放熱ファン78の作用によって第2通気口766に送り込まれ、このように循環し、内部循環の方式により電気制御ボックス7に配置された電子部品71を降温する。電気制御ボックス7に放熱孔を開けて降温するのと比較して、本出願の電気制御ボックス7は完全密閉型の電気制御ボックス7であり、防水、防虫、防塵、防湿の問題を効果的に解決でき、電気制御ボックス7の電気制御の信頼性を向上させる。
【0257】
他の実施形態において、
図42に示すように、放熱ファン78が位置する平面は取付板76が位置する平面に垂直である。放熱ファン78の風下側は第1通気口764に向かって設置される。
【0258】
具体的には、放熱ファン78は取付板76の第2キャビティ7214に向かう片側に設置されてもよい。放熱ファン78の回転軸方向は取付板76が位置する平面に平行である。放熱ファン78の風下側は放熱ファン78の吸気側を指す。本実施形態において、放熱ファン78を第1通気口764と電子部品71との間に設置することができ、第1通気口764を介して第2キャビティ7214に入った冷気は放熱ファン78によって加速された後に流出し、冷気の流速を向上させ、電気制御ボックス7の放熱効率を向上させる。
【0259】
別の実施形態では、
図43に示されるように、放熱ファン78は、遠心ファンとして構成されてもよい。
【0260】
ここで、遠心ファンは入力された機械的エネルギーに依存し、ガス圧力を高め、ガスを排出する機械である。遠心ファンの動作原理は高速回転のインペラを利用してガスを加速することである。これにより、本実施形態では、放熱ファン78を遠心ファンとすることにより、一方で高速の冷気を得ることができ、電子部品71の放熱効率を向上させ、一方で、遠心ファンも放熱ファン78の構造を簡略化することができ、且つ取り付け効率を向上させることができる。
【0261】
また取付板76に導風板(図示せず)を間隔をあけて設置されることができ、且つ導風板の間に導風流路が形成され、放熱ファン78から吹き出された空気を導くために用いられる。
【0262】
例えば、分散に配置された電子部品71の間に2つの平行に間隔をあけて配置された導風板が設置されることができる。導風板の延伸方向は電子部品71の間隔方向に沿って配置し、2つの導風板の間に電子部品71の間隔方向に沿った導風流路を画定する。放熱ファン78が吹き出した冷気はまず一部の電子部品71の位置に流れ、電子部品71を放熱させ、一部の電子部品71を通過した空気はさらに導風流路を介して他の電子部品71の位置に流れ、他の電子部品71を放熱することに用いられる。それにより、電子部品71の熱損失をより均衡させることができ、局所的な電子部品71の温度が高くなりすぎて損傷することを回避することができる。
【0263】
ここで、放熱器6が電気制御ボックス7に設置されることができ、即ち、熱交換本体61が第1キャビティ7212に設置されることができ、第1キャビティ7212における空気を降温することに用いられる。
【0264】
あるいは、放熱器6が電気制御ボックス7の外部に設置されることができ、且つ放熱器6の少なくとも一部が第1キャビティ7212に延伸されて設置されることができる。例えば、放熱器6が熱交換本体61と集積管路アセンブリ62と放熱フィン65とを含む場合には、ボックス本体72に第1キャビティ7212と連通される取付口(図示せず)が開設されてもよい。この時、熱交換本体61がボックス本体72の外側壁に接続され、放熱フィン65が熱交換本体61に接続され、且つ取付口を介して第1キャビティ7212に挿入される。
【0265】
ここで、本実施形態における放熱器6と電気制御ボックス7との配合方式は上記実施形態におけるものと同じであり、上記実施形態の説明を参照し、ここでは説明を省略する。
【0266】
図43に示すように、電子部品71が放熱ファン78の送風範囲内に設置されることができ、それにより放熱ファン78が電子部品71に直接的に作用して電子部品71を降温することができる。
【0267】
ここで、電子部品71は例えばコモンモードインダクタ711、リアクタンス712及びコンデンサ713等の発熱量が大きい主発熱部品、及び送風機モジュール714等の発熱量が小さい副発熱部品を含むことができる。主発熱部品の放熱効率を向上させるために、主発熱部品と第1通気口764との間の距離を副発熱部品と第1通気口764との間の距離より小さく設定することができ、すなわち、発熱量が大きい主発熱部品が第1通気口764に近接する位置に設置され、発熱量が小さい副発熱部品が第1通気口764から離れた位置に設置される。これにより、第1通気口764から流入する温度の低い空気は、まず発熱量の大きい主発熱部品に作用して発熱量の大きい主発熱部品の放熱効率を向上させる。
【0268】
選択的に、第2通気口766は放熱ファン78が送風する末端に設けられ、発熱量が大きい電子部品71に近い位置に開けられ、一方で放熱ファン78の放射範囲を拡大し、第2キャビティ7214内の空気の循環効率を向上させ、他方では発熱量が大きい電子部品71と熱交換した後の熱風は第2キャビティ7214から排出され、第2キャビティ7214全体の温度を上昇させることを回避することもできる。
【0269】
さらに、第2通気口766が第1通気口764に近接する位置に設置されることができ、第2キャビティ7214での空気の循環経路を短縮し、空気の流動抵抗を低下させ、空気の循環効率を向上させ、さらに電気制御ボックス7の放熱効率を向上させる。
【0270】
さらに、第1通気口764及び第2通気口766の大きさは電子部品71の配置状況に応じて設定されてもよい。
【0271】
具体的には、第2通気口766の数は複数であってもよい。複数の第2通気口766はそれぞれ取付板76の異なる位置に設置される。発熱量が大きい電子部品71の位置に設けられた第2通気口766のサイズが相対的に大きく設定されてもよく、第2通気口766の数が相対的に多く設定されてもよく、且つ複数の第2通気口766の分布密度が相対的に大きく設定されてもよい。発熱量が小さい電子部品71の位置に設けられた第2通気口766のサイズが相対的に小さくてもよく、第2通気口766の数が相対的に少なく設定されてもよく、且つ複数の第2通気口766の分布密度が相対的に小さく設定されてもよい。
【0272】
さらに、第1通気口764の寸法を第2通気口766の寸法より大きく設定して、還気風量を増加させ、、放熱ファン78の効率を向上させることができる。
【0273】
10. 自然対流
【0274】
図44及び
図45に示すとおり、本実施形態において、電気制御ボックス7はボックス本体72、取付板76、放熱器6及び主発熱部品715を含む。
【0275】
ここで、ボックス本体72に取付キャビティ721が設けられ、取付板76は取付キャビティ721に設置され、それにより取付キャビティ721は取付板76の両側に位置する第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214を形成する。取付板76に垂直方向に沿って間隔をあけてて配置される第1通気口764及び第2通気口766が設けられる。放熱器6の少なくとも一部は第1キャビティ7212に設けられる。主発熱部品715は第2キャビティ7214に設けられる。第1通気口764及び第2通気口766は、第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214を連通して、主発熱部品715と放熱器6との温度差を利用して、第1キャビティ7212と第2キャビティ7214との間に循環する放熱気流を発生させる。
【0276】
具体的には、主発熱部品715は第2キャビティ7214に設けられ、主発熱部品715の動作により発生した熱は、第2キャビティ7214内の温度を上昇させ、熱風の密度が低いため、熱風が自然に上昇して第2キャビティ7214の上部の第1通気口764を介して、第1キャビティ7212に入り、熱風が放熱器6に接触した後、放熱器6と熱交換を行い、熱風の温度を低下させ、密度を増加させ、重力の作用で自然に第1キャビティ7212の底部に沈下し、第2通気口766を介して第2キャビティ7214に入り、第2キャビティ7214に設けられた主発熱部品715を降温するために使用され、主発熱部品715と熱交換した後の熱風がさらに第1通気口764の位置まで上昇し、これにより第1キャビティ72142と第2キャビティ7214との間の内循環気流が形成される。
【0277】
本実施形態は取付板76に第1通気口764及び第2通気口766が開設され、第1通気口764及び第2通気口766は第1キャビティ7212及び第2キャビティ7214を連通させ、且つ第1通気口764及び第2通気口766を垂直方向に沿って設置される。これにより、空気の自重を利用して第1キャビティ7212と第2キャビティ7214との間に空気を循環流動させることができ、それにより第2キャビティ7214に設けられた電子部品71を降温することに用いられ、且つ電気制御ボックス7の温度を下げることができる。放熱ファン78を利用して送風する解決策と比較して、この実施形態における電気制御ボックス7の構造は単純であり、電気制御ボックス7の組み立て効率を向上させ、電気制御ボックス7の製造コストを削減することができる。
【0278】
また、放熱器6が重力方向に沿って主発熱部品715の上側に設置されることができ、すなわち放熱器6が第1キャビティ7212の頂部に近い位置に設置され、主発熱部品715が第2キャビティ7214の底部に近接する位置に設置される。このような配置方式により、放熱器6と第1通気口764との間の距離を縮小することができ、それにより第1通気口764を介して第1キャビティ7212に入った熱風が放熱器6と迅速に接触して降温し、且つ重力の作用で自然に沈下する。主発熱部品715と第2通気口766との間の距離を縮小することによって、第2通気口766を介して第2キャビティ7214に入った熱風が主発熱部品715と急速に接触して昇温し、且つ浮力の作用で自然に上昇し、このように、電気制御ボックス7内の気流の循環速度を向上させ、放熱効率を向上させることができる。
【0279】
さらに、
図45に示すように、さらに電気制御ボックス7に副発熱部品716が設置されることができる。副発熱部品716は第2キャビティ7214に設置され、且つ熱交換本体61に熱伝導接続される。ここで、副発熱部品716の発熱量は主発熱部品715の発熱量より小さい。
【0280】
具体的には、本実施形態において、発熱量が大きい主発熱部品715が第2通気口766に近い位置に設置されることができる。一方では第1キャビティ7212を通って入った冷気をまず発熱量の大きい電子部品71に接触させ、電子部品71の放熱効率を向上させる。もう一方で冷気と発熱量が大きい電子部品71との間に大きな温度差を持たせ、冷気を迅速に昇温させ、さらに浮力の作用で迅速に上昇させることができる。発熱量が小さい副発熱部品716が熱交換本体61に設置され、且つ熱交換本体61に接触され、熱交換本体61を利用して発熱量が小さい電子部品71を直接降温することができる。このように、発熱量が大きい主発熱部品715及び発熱量が小さい副発熱部品716を異なる領域に配置することにより、電子部品71の分布を合理的にすることができ、且つ電気制御ボックス7の内部空間を十分に利用することができる。
【0281】
選択的に、副発熱部品716は放熱固定板74を介して熱交換本体61に接続され、それにより副発熱部品716の組み立て効率を向上させる。
【0282】
ここで、副発熱部品716と熱交換本体61との接続方式は上記実施形態と同じであってもよく、具体的には上記実施形態の説明を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0283】
あるいは、放熱器6が電気制御ボックス7の外部に設置されることができ、且つ放熱器6の少なくとも一部が第1キャビティ7212に延伸されて設置されることができる。
【0284】
ここで、放熱器6と電気制御ボックス7との配合方式は上記実施形態と同じであり、上記実施形態の説明を参照されたい。
【0285】
11. 管路にドレインスリーブが設置される
【0286】
図46及び
図47に示すように、本実施形態のエアコンシステム1は放熱器6、管路710及びドレインスリーブ79を含む。
【0287】
管路710は放熱器6に接続され、放熱器6に冷媒流を提供するか又は放熱器6から流出する冷媒流を収集するために用いられる。具体的には、管路710は、放熱器6の集合管アセンブリに接続される。
【0288】
そのうち、管路710は入力管路及び出力管路を含むことができる。入力管路は放熱器6に冷媒流を供給するために用いられ、出力管路は放熱器6内の冷媒流を収集するために用いられる。
【0289】
ドレインスリーブ79は管路710に嵌設され、管路710に形成された凝縮水又は管路を通って流れた凝縮水を排水することに用いられる。該ドレインスリーブ79によって管路710における凝縮水を導流でき、且つ管路710を保護する作用を有することができ、エアコンシステム1の信頼性を向上させる。
【0290】
具体的には、
図48に示すように、ドレインスリーブ79はスリーブ本体791とフランジ792を含む。
【0291】
スリーブ本体791に挿入孔793及び排水溝708が設置される。挿入孔793は管路710を収容するために用いられる。挿入孔793の数及び大きさは管路710の分布及び大きさに応じて設定することができる。例えば、
図46に示す実施形態において、挿入孔793の数は2つであってもよい。他の実施形態では、挿入孔793の数は1つ又は3つ等であってもよい。
【0292】
スリーブ本体791は可撓性材料を用いてもよく、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴム(thermoplastic polyurethane elastomer rubber)であって、管路710を保護し、管路710が振動する時に電気制御ボックス板金と接触して摩耗することを防止する。
【0293】
フランジ792はスリーブ本体791の端面に設置され、且つ挿入孔793の外周に位置され、さらにスリーブ本体791と配合して集水溝794が形成される。集水溝794は管路710における凝縮水を収集することに用いられる。排水溝708は集水溝794に連通され、集水溝794内の凝縮水を排出することに用いられる。エアコンシステムは運転する時に、凝縮水は管路710に沿ってドレインスリーブ79の集水溝794に流れ込み、さらにスリーブ本体791における排水溝708を介して排出される。
【0294】
図48に示すように、フランジ793の外側壁はスリーブ本体791の外側壁と同一平面上にあり、それにより集水溝794の体積を増加させ、それにより凝縮水の収集をより容易にする。
【0295】
管路710は重力方向に沿って設置されてもよい。スリーブ本体791は対向する上端面及び下端面を含む。フランジ792及び集水溝794はスリーブ本体791の上端面に設置され、排水溝708はスリーブ本体791の上端面及び下端面に連通する。管路710における凝縮水は重力の作用下で集水溝794に流入することができ、次に集水溝794に連通された排水溝708によって凝縮水を排出することができる。このようにして、管路710における凝縮水に対して自動排出を実現することができる。他の実施形態では、管路710は、異なる用途シナリオに適合するように傾斜して配置されてもよい。
【0296】
図48に示すように、排水溝708はスリーブ本体791の側壁に開設され、且つさらに挿入孔793及びスリーブ本体7911の外側面を連通し、それにより管路710が排水溝708を介して挿入孔793に嵌め込まれる。このような設計によれば、一方では、排水溝708を介してドレインスリーブ79を管路710に嵌設することができ、ドレインスリーブ79と管路710との組み立てを容易にし、他方では、排水溝708を介して集水溝794内の凝縮水を排出することができ、ドレインスリーブ79の構造を簡略化する。ここで、排水溝708の大きさは凝縮水の数に応じて選択的に設置することができ、ここでは具体的に制限されない。
【0297】
選択的に、フランジ792は排水溝708の位置する片側に開口を有し、それにより管路710が開口を介して集水溝794に入ることができる。これにより、ドレインスリーブ79の組み立てが容易になる。
【0298】
図46及び
図50に示すように、エアコンシステム1はさらに電気制御ボックス7を含む。電気制御ボックス7はボックス本体72を含む。放熱器6はボックス本体72に設置される。選択的に、ボックス本体72に排水口725が設置され、ドレインスリーブ79は排水口725内に嵌設される。電気制御ボックス7における凝縮水はドレインスリーブ79の集水溝794に収集されることができ、且つ排水溝708を介して排出される。このように、凝縮水の排出に有利であるだけでなく、且つ該ドレインスリーブ79を介して電気制御ボックス7を密封することができ、それにより電気制御ボックス7の信頼性を向上させる。
【0299】
スリーブ本体791及びフランジ792はボックス本体72に当接される。排水溝708とフランジ792の開口とは、スリーブ本体791及びフランジ792がボックス本体72に当接する側に位置される。それによりボックス本体72がドレインスリーブ79の側面から排水溝708及び開口を塞ぐ。このように、電気制御ボックス7の密封性を向上させ、電気制御ボックス7の外部に連通する面積を減少させることができる。
【0300】
他の実施形態において、
図49に示すように、本実施形態は
図48に示される実施形態と異なる点は、挿入孔793の内部に複数のリブ796が設置されてもよい。複数のリブ796が管路710の周りに間隔をあけて設置され、且つ管路710に当接され、それによりリブ796の間にさらに排水溝709が形成されることである。集水溝794は排水溝709と連通され、且つ集水溝794に収集された凝縮水は排水溝709を介して排出されることもできる。
図49に示す実施形態において、ドレインスリーブ79には排水溝708及び排水溝709が同時に設置され、このようにすることにより、集水溝794における凝縮水の排出に有利であり、集水溝794における凝縮水が溢れることを防止する。ここで、リブ796はスリーブ本体791の上端面及び下端面に接続されてもよい。リブ796の数は2つ、3つ、4つ又は5つ等であってもよい。リブ796の延伸方向は管路710の延伸方向と同じであり、凝縮水の排出を容易にする。
【0301】
リブ796はスリーブ本体791と一体成形に設置されてもよい。これにより、加工を容易にし、且つドレインスリーブ79の構造をより確実にすることができる。他の実施形態において、リブ796は挿入孔793の内表面に接着されてもよい。リブ796の数は実際に排出される凝縮水の量に応じて選択して設定することができ、本出願では特に制限されない。
【0302】
他の実施形態において、ドレインスリーブ79には排水溝709のみが設置され、排水溝708が設置されないことができる。このように、集水溝794における凝縮水の排出を実現することができ、且つドレインスリーブ79の構造をよりシンプルにする。
【0303】
図49に示すように、スリーブ本体791にさらに固定溝797が設置されてもよい。固定溝797はボックス本体72と係合することに用いられ、それによりドレインスリーブ79が固定される。選択的に、固定溝797は排水溝708が設置されるスリーブ本体791の側に設置されてもよく、それによりドレインスリーブ79の取り付けを容易にする。固定溝797によってドレインスリーブ79の固定を実現することができ、ドレインスリーブ79が管路710で摺動することを防止し、同時に、ドレインスリーブ79は管路710を固定することができ、管路710が外力の作用で傾斜することを防止し、エアコンシステム1の信頼性を向上させる。
【0304】
上記実施形態において、エアコンシステム1の管路710にドレインスリーブ79が嵌設され、管路710における凝縮水を排水することができ、管路710を保護し、且つ電気制御ボックス7を密封することができ、エアコンシステム1の信頼性を向上させる。
【0305】
以上の各実施形態における構造は互いに組み合わせて使用することができ、且つ、理解できるように、上記実施形態における解決手段は上記放熱器6に加えて、他の種類の放熱器6を用いてもよく、本出願の実施形態は具体的には制限されない。
【0306】
以上は本出願の実施形態に過ぎず、それによって本出願の特許範囲を制限するものではなく、本出願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野に直接又は間接的に適用されるものは、いずれも同様に本出願の特許請求の範囲内に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの板体及び接続片を含む熱交換器であって、
前記少なくとも2つの板体が積層されて設置され、前記少なくとも2つの板体にそれぞれ複数のマイクロチャネルが設置され、
前記接続片は隣接する
2つの前記板体の間に挟まれて設置され、前記接続片の両側に
それぞれ半田が設置され、前記半田によって前記接続片は前記接続片の両側に
それぞれ設置された
2つの前記板体に溶接して固定されることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
隣接する
2つの前記板体間の前記接続片は単層構造体であり、又は隣接する
2つの前記板体間の前記接続片が少なくとも2層であり、少なくとも2層の前記接続片がさらに前記半田によって溶接して固定されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記接続片の融点は、半田の融点よりも高いことを特徴とする
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記接続片は金属箔であることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記接続片はアルミ箔又は銅箔であることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記接続片の厚さは0.9mm~1.2mmであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記接続片に設置された前記半田が前記接続片の両側に隣接する前記板体を被覆する面積は、隣接する前記板体の重なり面積の80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記少なくとも2つの板体は第1板体と第2板体を含み、前記第1板体には第1冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、前記第2板体には第2冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、前記第2冷媒流が前記第1冷媒流から熱を吸収して前記第1冷媒流を過冷却させ、又は前記第1冷媒流が前記第2冷媒流から熱を吸収して前記第2冷媒流を過冷却させることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記熱交換器は集合管をさらに含み、前記集合管の管壁には少なくとも2つの挿入孔が設けられ、
少なくとも2つの前記板体は
少なくとも2つの前記挿入孔に
それぞれ対応し、且つ前記集合管に溶接されて固定され、隣接する
2つの前記挿入孔の間隔は2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換器は総集合管とバッフル板とを含み、前記バッフル板が前記総集合管内に配置されることによって、前記総集合管には前記複数のマイクロチャネルに対応する少なくとも2組の集合管が形成され、前記複数のマイクロチャネルは前記総集合管の管璧を貫通して、対応する
少なくとも2つの前記集合管に連通されることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項11】
積層された前記少なくとも2層の前記接続片の厚さに等しい幅を有するスロットは、前記少なくとも2つの板体の間に形成され、前記バッフル板が前記スロットに嵌め込まれることを特徴とする請求項10に記載の熱交換器。
【請求項12】
少なくとも2つの板体を提供するステップと、
接続片を提供し、前記接続片の両側に
それぞれ半田を設置するステップと、
前記少なくとも2つの板体を積層して設置し、且つ前記接続片を隣接する
2つの前記板体の間に挟持して設置するステップと、
前記少なくとも2つの板体及び前記接続片を加熱して、前記半田によって前記接続片及び前記接続片の両側
にそれぞれ設置された2つの前記板体を溶接して固定するステップと、含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項13】
ボックス本体と、請求項1~11のいずれか一項に記載の熱交換器と、を含む電気制御ボックスであって、前記熱交換器は前記電気制御ボックスに接続され、前記熱交換器は、前記電気制御ボックスの熱を放散するために使用されることを特徴とする電気制御ボックス。
【請求項14】
圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器及び請求項1~11のいずれか一項に記載の熱交換器を含むエアコンシステムであって、前記圧縮機は接続管路を介して前記室外熱交換器と前記室内熱交換器との間に循環流動の冷媒流を提供し、前記熱交換器は前記室外熱交換器と前記室内熱交換器との間に設置され、且つ前記接続管路と連通されることを特徴とするエアコンシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本出願の第2態様は熱交換器の製造方法を提供し、熱交換器の製造方法は、少なくとも2つの板体を提供するステップと、接続片を提供し、接続片の両側に半田を設置するステップと、少なくとも2つの板体を積層して設置し、且つ接続片を隣接する板体の間に挟持して設置するステップと、少なくとも2つの板体及び接続片を加熱して、半田によって接続片及び接続片の両側に位置する板体を溶接して固定するステップと、含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
上記実施形態において、エアコンシステム1における四方弁3の作用は冷媒流のシステム管路における流れ方向を変更することによって、冷却と暖房との相互変換を実現し、それによりエアコンシステム1は冷房モードと暖房モードとの間で切り替えることができ、エアコンシステム1が同時に冷房機能及び暖房機能を備える場合、上記四方弁3を用いて冷媒流の流れ方向を調整できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
別の実施形態では、エアコンシステム1が四方弁3を使用しなくてもよいことが理解できる。エアコンシステム1が四方弁3を含まない場合、圧縮機2は接続管路を介して室外熱交換器4に直接接続されることができる。具体的には、圧縮機2は接続管路を介して室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に循環流動の冷媒流を提供し、熱交換器6は室外熱交換器4と室内熱交換器5との間に設置され、且つ接続管路と連通される。例えば、エアコンシステム1が冷房能力のみを備えている場合や暖房能力のみを備えている場合には、エアコンシステム1は、上記四方弁3を使用しなくてもよい。このようにすれば、エアコンシステム1の構成を簡素化することができ、エアコンシステム1の生産コストを節減することができる。また、熱交換器6がエコノマイザとして使用されない場合には、熱交換器6は他の位置の接続管路と連通されることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
ここで、電磁弁15と電磁弁14はそれぞれ第2熱交換チャネル611の第二端部に接続される。膨張弁12は第2熱交換チャネル611の絞り部材として、第2熱交換チャネル611の第2冷媒流の流量を調整する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611はそれぞれ1組又は複数組設けられてもよい。例えば、
図9に示すように、第1マイクロチャネル610は2組設置されてもよく、第2マイクロチャネル611は1組設置されてもよく、第2マイクロチャネル611は2組の第1マイクロチャネル610の間に位置される。他の実施形態において、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611はいずれも2組又は2組以上に配置されることができ、且つ第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル
611は交互に積層されて配置され、例えば第1マイクロチャネル610-第2マイクロチャネル611-第1マイクロチャネル610-第2マイクロチャネル611又は第1マイクロチャネル610-第2マイクロチャネル611-第2マイクロチャネル611-第1マイクロチャネル610等の配置形態を形成する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
他の実施形態では、
図9に示すように、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611のうちの一つを主チャネルとすることができ、第1マイクロチャネル610及び第2マイクロチャネル611の他方は補助チャネルとして機能し、且つ補助チャネルにおける冷媒流を利用して主チャネルの冷媒流を過冷却する。この時、主チャネルにおける冷媒流の流量が大きいため、補助チャネルにおける冷媒流の流量が小さく、主チャネルが熱交換本体61の外側に設置されることができ、それが電気制御ボックス
7に接続されやすく、電気制御ボックス
7を放熱することに用いられる。また、本実施形態において、冷媒流量が大きい主チャネルを補助チャネルに対応する集合管に貫通させ、且つ主チャネルに対応する集合管に挿入する方式は、補助チャネルが主チャネルに対応する集合管を貫通することに比べて、主チャネルに対応する集合管の空間を占用せず、主チャネルに対応する集合管の流路圧損を減少させ、分流をより均一にすることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
具体的な実施形態において、
図20に示すように、上記熱交換器6の製造方法は以下のステップを含むことができる。ステップS11では、少なくとも2つの板体を提供する。ステップS12では、接続片を提供し、接続片の両側に半田を設置する。ステップS13では、少なくとも2つの板体を積層して設置し、且つ接続片を隣接する板体の間に挟持して設置する。ステップS14では、該少なくとも2つの板体及び接続片を加熱して、半田によって接続片及び接続片の両側に位置する
板体を溶接して固定する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
さらに、本実施形態において、第1板体631の数は2つであり、第2板体632の数は2つであり、第1板体631及び第2板体632は順に積層されて設置される。そのうち、一つの第2板体632は2つの第1板体631の間に挟まれて設置され、もう一つの第2板体632は前記挟まれた第2板体632から離れる一つの第1板体631の外側に積層して設置される。集合管620は、間隔をあけて配置された第1集合管621と第2集合管622とを含む。第1板体631に第1冷媒流が流れるための複数の第1マイクロチャネルが設置され、第2板体632に第2冷媒流が流れるための複数の第2マイクロチャネルが設置される。第2冷媒流は複数の第2マイクロチャネル611に沿った流れる過程において第1冷媒流から吸熱して、第1冷媒流が過冷却され、又は第1冷媒流が複数の第1マイクロチャネル610に沿って流れる過程において第2冷媒流から吸熱して第2冷媒流が過冷却される。第1板体631の接続部672は第1集合管621に溶接されて固定され、第2板体632の接続部672は第2集合管622に溶接固定される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
さらに、板体613の本体部671は直線型構造であるため、これにより、第1板体631の本体部671と第2板体632の本体部671との間は半田で直接に溶接されることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0159
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0159】
一実施形態において、放熱器6はエアコンシステム1のエコノマイザとする同時に、電気制御ボックス7におけるのモジュール放熱器の代わりに、電気制御ボックス7を放熱するために用いられ、エアコンシステム1の管路アセンブリ及びモジュールの数を簡略化し、コストを削減する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0199
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0199】
あるいは、電子部品71及び放熱フィン65が熱交換本体61の同じ側に設置されることができ、且つ電子部品71及び放熱フィン65をずらして設置され、電子部品71と放熱フィン65とが干渉を生成することを回避し、且つ電子部品71と放熱フィン65との間の距離を大きく設定し、放熱フィン65と電子部品71とが接触する冷媒の温度を低くすることができ、熱交換本体61の放熱効果を向上させる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0223
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0223】
図35に示すように、導流板
77は電気制御ボックス7の底板723に固定され、導流板77の一端は底板723に接続され、導流板77の他端は第1キャビティ7212内部に延伸され、且つ垂直方向に沿った放熱器6の投影が導流板77の内部に位置される。このように、放熱器6から滴下した凝縮水がいずれも導流板77に位置することを保証することができ、凝縮水が電気制御ボックス7の他の位置に滴下することを回避する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0264
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0264】
あるいは、放熱器6が電気制御ボックス7の外部に設置されることができ、且つ放熱器6の少なくとも一部が第1キャビティ7212に延伸されて設置されることができる。例えば、放熱器6が熱交換本体61と集合管アセンブリ62と放熱フィン65とを含む場合には、ボックス本体72に第1キャビティ7212と連通される取付口(図示せず)が開設されてもよい。この時、熱交換本体61がボックス本体72の外側壁に接続され、放熱フィン65が熱交換本体61に接続され、且つ取付口を介して第1キャビティ7212に挿入される。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0294
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0294】
図48に示すように、フランジ
792の外側壁はスリーブ本体791の外側壁と同一平面上にあり、それにより集水溝794の体積を増加させ、それにより凝縮水の収集をより容易にする。
【国際調査報告】