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特表2024-504451高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 7/10 20060101AFI20240124BHJP
   C07C 9/00 20060101ALI20240124BHJP
   C07C 11/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
C07C7/10
C07C9/00
C07C11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545364
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2022134666
(87)【国際公開番号】W WO2023124690
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111667068.1
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520373578
【氏名又は名称】インナー・モンゴリア・イータイ・コール-ベイスト・ニュー・マテリアルズ・リサーチ・インスティテュート・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Inner Mongolia Yitai Coal-based New Materials Research Institute Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】劉宏宇
(72)【発明者】
【氏名】錢震
(72)【発明者】
【氏名】李志飛
(72)【発明者】
【氏名】張曉龍
(72)【発明者】
【氏名】李俊誠
(72)【発明者】
【氏名】薛強
(72)【発明者】
【氏名】王旭
(72)【発明者】
【氏名】張慧
(72)【発明者】
【氏名】關懷
(72)【発明者】
【氏名】▲どん▼艶陽
(72)【発明者】
【氏名】劉翔
(72)【発明者】
【氏名】左佳樂
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AD16
4H006BB17
4H006BB31
4H006BB45
(57)【要約】
本公開は、高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を開示し、化工技術分野に関する。この高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法では、反応-抽出組み合わせプロセスを採用し、まずアルカリ水溶液を用いてフィッシャートロプシュ油(C5-C20)に対してアルカリ洗浄を行い、酸性物質を、水に溶解しやすい塩類に転化し、エステル類を加水分解し、水洗で除去し、カーボネート類抽出剤により1回目抽出を行ってフィッシャートロプシュ油中のアルコール及びエステルを除去し、プロピレンカーボネートによって2回目抽出を行ってフィッシャートロプシュ油中のケトン及びアルデヒド類不純物を除去し、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物を有効に除去する目的を達成し、抽出後、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量を1~60ppmに低下することができ、石油製品の収率を90%以上に維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッシャートロプシュ油に対して順次にアルカリ洗浄、水洗及び抽出を行うことを含み、前記抽出は、1回目抽出及び2回目抽出を含み、前記1回目抽出は、カーボネート類抽出剤を採用して抽出が行われ、前記2回目抽出は、プロピレンカーボネートを採用して抽出が行われ、
フィッシャートロプシュ油の炭素数がC5-C20であることを特徴とする高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法。
【請求項2】
前記1回目抽出の過程において、フィッシャートロプシュ油とカーボネート類抽出剤との体積比を1:1~10、好ましくは1:2~6に制御し、
好ましくは、フィッシャートロプシュ油の炭素数がC10-C20であることを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項3】
前記カーボネート類抽出剤は、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート及びトリメチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の除去方法。
【請求項4】
前記2回目抽出の過程において、フィッシャートロプシュ油とプロピレンカーボネートとの体積比を1:1~10、好ましくは1:2~6に制御することを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項5】
前記1回目抽出及び前記2回目抽出の過程はいずれもシーブプレート抽出塔中で行われ、抽出温度が20~25℃であり、
好ましくは、前記シーブプレート抽出塔の振動数が1~500回/minであり、シーブプレートの開口率が1~99%であり、シーブプレートの間隔とシーブプレート塔の高さとの比が1~50:100であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の除去方法。
【請求項6】
前記アルカリ洗浄は、アルカリ水溶液を採用して処理が行われ、前記アルカリ水溶液には、NaOH、KOH、NaHCO、NaCO、KCO、Ca(OH)及びKHCOのうちの少なくとも1種が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項7】
前記アルカリ水溶液の質量濃度が10~30%であり、前記フィッシャートロプシュ油と前記アルカリ水溶液との体積比が1:1~3であり、
好ましくは、アルカリ洗浄の操作時間が1~3hであることを特徴とする請求項6に記載の除去方法。
【請求項8】
前記アルカリ洗浄は、撹拌条件下、又はスタティック混合装置中で行われ、アルカリ洗浄の後、静置して分層させ、
好ましくは、前記スタティック混合装置を採用してアルカリ洗浄を行う際に、前記スタティック混合装置の還流量と抽出量との比を2~8:1に制御することを特徴とする請求項7に記載の除去方法。
【請求項9】
前記水洗の過程において、フィッシャートロプシュ油と水との体積比を1:2~4、水洗時間を1~2hに制御することを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項10】
前記水洗は、撹拌条件下、又はスタティック混合装置中で行われ、水洗後、静置して分層させ、
好ましくは、前記スタティック混合装置を採用して水洗を行う際に、前記スタティック混合装置の還流量と抽出量との比を2~8:1に制御することを特徴とする請求項9に記載の除去方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年12月31日に出願された、名称が「高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法」である中国特許出願202111667068.1の優先権を主張し、その内容を全て引用によりここに組み込む。
【0002】
<技術分野>
本公開は、化工技術分野に関し、具体的に、高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法に関する。
【背景技術】
【0003】
フィッシャートロプシュ油は、α-アルケンを大量に含有するため、豊富な下流側用途を有するが、フィッシャートロプシュ反応過程において5wt%程度の酸素含有化合物を生成し、主に、アルデヒド、酸、アルコール、ケトン、エステルの5種類に分類される。このような不純物が製品に含まれると、下流側製品の適用に影響を及ぼすので、酸素含有化合物を除去する手段をとる必要がある。
【0004】
CN106753546A(2017)では、強アルカリ性の含水ジメチルスルホキシド溶液複合抽出剤を採用して酸素含有化合物を除去し、抽出後のフィッシャートロプシュ合成軽質油をさらにシリカゲル乾燥機に通した後に、酸素含有化合物の総含有量が0.05%未満となる。CN112745909A(2019)では、エチレングリコール複合抽出溶媒を用い、ここで、複合抽出溶媒は、主溶媒と共溶媒とを含有し、主溶媒がエチレングリコール類化合物であり、共溶媒が水、アンモニア水、アルコールアミン類化合物、アミド類化合物又はスルホン類化合物であり、この方法により、炭化水素類化合物の収率を96質量%以上に達することができる。
【0005】
しかし、従来のプロセスは、ほとんど低炭素数の石油製品を対象とするものであり、石油製品の炭素数が高いほど酸素含有化合物が除去されにくくなる。従来、高炭素数の石油製品に対して、まだ酸素含有化合物を効果的に除去しにくい。
これに鑑みて、特に本公開を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本公開の目的は、少なくとも、石油製品の収率を保証した上、高炭素数の石油製品中の酸素含有化合物を効果的に除去する、高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本公開は以下の通り実現される。
【0008】
第1の態様において、本公開は、フィッシャートロプシュ油に対して順次にアルカリ洗浄、水洗及び抽出を行うことを含む、高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、この方法において、抽出は、1回目抽出及び2回目抽出を含み、1回目抽出は、カーボネート類抽出剤を採用して抽出が行われ、2回目抽出は、プロピレンカーボネートを採用して抽出が行われ、フィッシャートロプシュ油の炭素数がC5-C20である。
【0009】
好適な実施形態において、1回目抽出の過程において、フィッシャートロプシュ油とカーボネート類抽出剤との体積比を1:1~10、好ましくは1:2~6に制御する。
【0010】
好ましくは、フィッシャートロプシュ油の炭素数がC10-C20である。
【0011】
選択可能な実施形態において、カーボネート類抽出剤が、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート及びトリメチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0012】
選択可能な実施形態において、2回目抽出の過程において、フィッシャートロプシュ油とプロピレンカーボネートとの体積比を1:1~10、好ましくは1:2~6に制御する。
【0013】
選択可能な実施形態において、1回目抽出及び2回目抽出の過程はいずれもシーブプレート抽出塔中で行われ、抽出温度が20~25℃である。
【0014】
好ましくは、シーブプレート抽出塔の振動数が1~500回/minであり、シーブプレートの開口率が1~99%であり、シーブプレートの間隔とシーブプレート塔の高さとの比が1~50:100である。
【0015】
選択可能な実施形態において、アルカリ洗浄は、アルカリ水溶液を採用して処理が行われ、アルカリ水溶液には、NaOH、KOH、NaHCO、NaCO、KCO、Ca(OH)及びKHCOのうちの少なくとも1種が含まれている。
【0016】
選択可能な実施形態において、アルカリ水溶液の質量濃度が10~30%であり、フィッシャートロプシュ油とアルカリ水溶液との体積比が1:1~3であり、好ましくは、アルカリ洗浄の操作時間が1~3hである。
【0017】
選択可能な実施形態において、アルカリ洗浄は、撹拌条件下、又はスタティック混合装置中で行われ、アルカリ洗浄の後、静置して分層させ、好ましくは、スタティック混合装置を採用してアルカリ洗浄を行う際に、スタティック混合装置の還流量と抽出量との比を2~8:1に制御する。
【0018】
選択可能な実施形態において、水洗の過程において、フィッシャートロプシュ油と水との体積比を1:2~4、水洗時間を1~2hに制御する。
【0019】
選択可能な実施形態において、水洗は、撹拌条件下、又はスタティック混合装置中で行われ、水洗後、静置して分層させ、好ましくは、スタティック混合装置を採用して水洗を行う際に、スタティック混合装置の還流量と抽出量との比を2~8:1に制御する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本公開の実施態様は、下記の有益な効果を有することができる。反応-抽出組み合わせプロセスを採用し、まず、アルカリ水溶液を用いてフィッシャートロプシュ油(C5-C20)に対してアルカリ洗浄を行い、酸性物質を、水に溶解しやすい塩類に転化させ、エステル類を加水分解し、水洗により除去し、カーボネート類抽出剤により1回目抽出を行ってフィッシャートロプシュ油中のアルコール及びエステルを除去し、プロピレンカーボネートにより2回目抽出を行ってフィッシャートロプシュ油中のケトン及びアルデヒド類不純物を除去し、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物を有効に除去する目的を達成し、抽出後、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が1~60ppmに低下し、石油製品の収率が90%以上に維持される。
【0021】
本公開の実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下、本公開の実施例における技術案を明らかに完全に説明する。実施例において、具体的な条件が明記されていない場合、一般的な条件又はメーカが提案する条件に従って行われる。用いる試薬又は機器についてメーカが明記されていないものは、いずれも市販される一般的な製品である。
【0022】
本公開は、高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、反応-抽出組み合わせプロセスを採用して、炭素数C5-C20(好ましくはC10-C20)のフィッシャートロプシュ油に対して非常に良い処理効果を有し、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物を有効に除去し、フィッシャートロプシュ油の収率を保証することができる。具体的に以下の工程を含む。
【0023】
S1. アルカリ洗浄
フィッシャートロプシュ油に対してアルカリ洗浄を行い、アルカリ洗浄において、酸性物質を、水に溶解しやすい塩類に転化させ、エステル類を加水分解し、後続工程における水洗により除去される。
【0024】
具体的に、アルカリ洗浄は、アルカリ水溶液を採用して処理が行われ、常温(20~25℃)下で行えばよい。アルカリ水溶液には、NaOH、KOH、NaHCO、NaCO、KCO、Ca(OH)及びKHCOのうちの少なくとも1種が含まれている。アルカリ水溶液において採用する塩基性原料は、1種であってもよいし、複数種であってもよいが、ここでは制限されない。
【0025】
幾つかの実施例において、アルカリ水溶液の質量濃度が10~30%であり、具体的に10%、15%、20%、25%、30%などであってもよいし、上記の隣接する質量濃度間の任意の値であってもよい。フィッシャートロプシュ油とアルカリ水溶液との体積比が1:1~3であり、具体的に1:1、1:2、1:3などであってもよいし、上記の隣接する割合値間の任意の値であってもよい。アルカリ洗浄の操作時間が1~3hであり、具体的に1h、1.5h、2h、2.5h、3hなどであってもよいし、上記の隣接する時間値間の任意の値であってもよい。
【0026】
幾つかの実施例において、反応を十分に行うために、アルカリ洗浄は、撹拌条件下、又はスタティック混合装置中で行われ、アルカリ洗浄の後、静置して分層させ、静置時間が20~60minであってもよい。
【0027】
具体的に、スタティック混合装置は、一般的なスタティック混合装置であってもよく、撹拌の代わりにすることができ、操作過程において、スタティック混合装置の出口からのものが入口へ還流し、通常、スタティック混合装置の還流量と抽出量との比を2~8:1に制御し、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1等であってもよいし、上記の隣接する割合値間の任意の値であってもよい。
【0028】
S2. 水洗
水洗は、脱イオン水を採用して行われてもよく、常温(20~25℃)下であればよく、アルカリ洗浄において生成する塩類等を十分に除去するためにフィッシャートロプシュ油と脱イオン水との体積比を1:2~4、水洗時間を1~2hに制御する。
【0029】
具体的に、フィッシャートロプシュ油と脱イオン水との体積比が1:2、1:3、1:4等であってもよいし、上記の隣接する体積比間の任意の値であってもよい。水洗時間が1h、1.5h、2h等であってもよいし、上記の隣接する時間値間の任意の値であってもよい。
【0030】
同様に、水洗も撹拌条件下、又はスタティック混合装置中で行われ、水洗後、静置して分層させ、静置時間が20~60minであってもよい。
【0031】
同様に、スタティック混合装置は、一般的なスタティック混合装置であってもよく、撹拌の代わりにすることができ、操作過程において、スタティック混合装置の出口からのものが入口へ還流し、通常、スタティック混合装置の還流量と抽出量との比を2~8:1に制御し、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1等であってもよいし、上記の隣接する割合値間の任意の値であってもよい。
【0032】
S3. 1回目抽出
1回目抽出は、カーボネート類抽出剤を採用して抽出が行われ、1回目抽出によりフィッシャートロプシュ油中のアルコール及びエステルを除去することができる。
【0033】
幾つかの実施例において、1回目抽出の過程において、フィッシャートロプシュ油とカーボネート類抽出剤との体積比を1:1~10、好ましくは1:2~6に制御する。フィッシャートロプシュ油とカーボネート類抽出剤との体積比を1:1、1:2、1:3、1:4、1:5等に制御してもよいし、上記の隣接する割合値間の任意の値に制御してもよい。
【0034】
幾つかの実施例において、カーボネート類抽出剤が、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート及びトリメチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である。上記の複数種のカーボネート類抽出剤はいずれもフィッシャートロプシュ油中のアルコール及びエステルを有効に除去することができ、単一の抽出剤を採用してもよいし、混合抽出剤を採用してもよいが、ここでは制限されない。
【0035】
幾つかの実施例において、1回目抽出の過程は、シーブプレート抽出塔中で行われ、抽出温度が20~25℃であり、即ち、常温下で行われる。シーブプレート抽出塔の振動数が1~500回/minであり、シーブプレートの開口率が1~99%であり、シーブプレートの間隔とシーブプレート塔の高さとの比が1~50:100である。
【0036】
具体的に、シーブプレート抽出塔の振動数が1回/min、20回/min、60回/min、80回/min、100回/min、120回/min、140回/min、160回/min、180回/min、200回/min、220回/min、240回/min、260回/min、280回/min、300回/min、320回/min、340回/min、360回/min、380回/min、400回/min、420回/min、440回/min、460回/min、480回/min、500回/min等であってもよいし、上記の隣接する振動数間の任意の値であってもよい。シーブプレートの開口率が1%、10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、99%等であってもよいし、上記の隣接する開口率間の任意の値であってもよい。シーブプレートの間隔とシーブプレート塔の高さとの比が1:100、5:100、10:100、15:100、20:100、25:100、30:100、35:100、40:100、45:100、50:100等であってもよいし、上記の隣接する割合値間の任意の値であってもよい。
【0037】
S4. 2回目抽出
2回目抽出は、プロピレンカーボネートを採用して抽出を行い、フィッシャートロプシュ油中のケトン及びアルデヒド類不純物を有効に除去することができる。
【0038】
幾つかの実施例において、2回目抽出の過程において、フィッシャートロプシュ油とプロピレンカーボネートとの体積比を1:1~10、好ましくは1:2~6に制御する。具体的に、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5等であってもよいし、上記の隣接する体積比間の任意の値であってもよい。
【0039】
幾つかの実施例において、1回目抽出及び2回目抽出の過程はいずれもシーブプレート抽出塔中で行われ、抽出温度が20~25℃であり、即ち、常温下で行われる。シーブプレート抽出塔の振動数が1~500回/minであり、シーブプレートの開口率が1~99%であり、シーブプレートの間隔とシーブプレート塔の高さとの比が1~50:100である。
【0040】
具体的に、シーブプレート抽出塔の振動数が1回/min、20回/min、60回/min、80回/min、100回/min、120回/min、140回/min、160回/min、180回/min、200回/min、220回/min、240回/min、260回/min、280回/min、300回/min、320回/min、340回/min、360回/min、380回/min、400回/min、420回/min、440回/min、460回/min、480回/min、500回/min等であってもよいし、上記の隣接する振動数間の任意の値であってもよい。シーブプレートの開口率が1%、10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、99%等であってもよいし、上記の隣接する開口率間の任意の値であってもよい。シーブプレートの間隔とシーブプレート塔の高さとの比が1:100、5:100、10:100、15:100、20:100、25:100、30:100、35:100、40:100、45:100、50:100等であってもよいし、上記の隣接する割合値間の任意の値であってもよい。
【0041】
なお、2回目抽出の終了後、精留等の一般的な方法を採用して抽出剤を回収することができるが、ここではその説明を省略する。
【0042】
以下、実施例を参照しながら本公開の特徴及び性能をさらに詳しく説明する。
【0043】
実施例1
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0044】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、中でも、アルコールの含有量が3.2%であり、アルデヒドの含有量が0.4%であり、酸の含有量が0.5%であり、エステルの含有量が0.4%であり、ケトンの含有量が0.5%である。
【0045】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に10wt%のNaOH水溶液10Lを添加し1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0046】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤10Lを添加し、遠心抽出装置の回転速度が2000r/minであり、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0047】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0048】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が36ppmであり、石油製品の収率が95%である。
【0049】
実施例2
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0050】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、中でも、アルコールの含有量が3.4%であり、アルデヒドの含有量が0.5%であり、酸の含有量が0.5%であり、エステルの含有量が0.3%であり、ケトンの含有量が0.3%である。
【0051】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に5wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0052】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤10Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が120回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0053】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が120回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0054】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が30ppmであり、石油製品の収率が94%である。
【0055】
実施例3
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0056】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、アルコールの含有量が3.2%であり、アルデヒドの含有量が0.6%であり、酸の含有量が0.6%であり、エステルの含有量が0.3%であり、ケトンの含有量が0.3%である。
【0057】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に20wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0058】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0059】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート25Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0060】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が35ppmであり、石油製品の収率が92%である。
【0061】
実施例4
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0062】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、中でも、アルコールの含有量が3.5%であり、アルデヒドの含有量が0.5%であり、酸の含有量が0.5%であり、エステルの含有量が0.3%であり、ケトンの含有量が0.2%である。
【0063】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に20wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0064】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤10Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が120回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0065】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が120回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0066】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が28ppmであり、石油製品の収率が92.6%である。
【0067】
実施例5
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0068】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、アルコールの含有量が3.8%であり、アルデヒドの含有量が0.5%であり、酸の含有量が0.3%であり、エステルの含有量が0.2%であり、ケトンの含有量が0.2%である。
【0069】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に5wt%のNaOH水溶液20Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0070】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤10Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が120回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0071】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が120回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0072】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が38ppmであり、石油製品の収率が91%である。
【0073】
実施例6
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0074】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、アルコールの含有量が3.6%であり、アルデヒドの含有量が0.4%であり、酸の含有量が0.4%であり、エステルの含有量が0.3%であり、ケトンの含有量が0.3%である。
【0075】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に5wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、スタティック混合装置で混合し、還流/抽出比が3:1であり、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0076】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0077】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート25Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0078】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が34ppmであり、石油製品の収率が93%である。
【0079】
実施例7
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0080】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、中でも、アルコールの含有量が3.6%であり、アルデヒドの含有量が0.5%であり、酸の含有量が0.5%であり、エステルの含有量が0.2%であり、ケトンの含有量が0.2%である。
【0081】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に5wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、スタティック混合装置で混合し、還流/抽出比が7:1であり、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、20Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0082】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0083】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート25Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0084】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が30ppmであり、石油製品の収率が93.5%である。
【0085】
実施例8
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0086】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、中でも、アルコールの含有量が3.5%であり、アルデヒドの含有量が0.6%であり、酸の含有量が0.5%であり、エステルの含有量が0.2%であり、ケトンの含有量が0.1%である。
【0087】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に5wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0088】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤10Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0089】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が50%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0090】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が33ppmであり、石油製品の収率が90.5%である。
【0091】
実施例9
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0092】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、中でも、アルコールの含有量が3.3%であり、アルデヒドの含有量が0.6%であり、酸の含有量が0.5%であり、エステルの含有量が0.4%であり、ケトンの含有量が0.2%である。
【0093】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に20wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0094】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤20Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が60%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの10%である。
【0095】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート25Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が80回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が60%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの10%である。
【0096】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が32ppmであり、石油製品の収率が92.5%である。
【0097】
実施例10
本実施例は、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0098】
フィッシャートロプシュ油原料:フィッシャートロプシュ油(C8)中の酸素含有化合物の含有量が5%であり、アルコール、アルデヒド、酸、エステル及びケトンを含み、アルコールの含有量が3.7%であり、アルデヒドの含有量が0.6%であり、酸の含有量が0.4%であり、エステルの含有量が0.2%であり、ケトンの含有量が0.1%である。
【0099】
アルカリ洗浄と水洗:10Lのフィッシャートロプシュ油を取り、フィッシャートロプシュ油に20wt%のNaOH水溶液10Lを添加し、1時間撹拌し、30min静置して分層させ、その後、水相を除去し、10Lの脱イオン水を添加して水洗を行った。
【0100】
1回目抽出:水洗後のフィッシャートロプシュ油にブチレンカーボネート抽出剤10Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が100回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0101】
2回目抽出:ブチレンカーボネート抽出後の10Lのフィッシャートロプシュ油にプロピレンカーボネート30Lを添加し、シーブプレート抽出塔の振動数が100回/minであり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの開口率が55%であり、シーブプレート抽出塔のシーブプレートの間隔がシーブプレート塔の高さの5%である。
【0102】
検出したところ、フィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の含有量が40ppmであり、石油製品の収率が93.6%である。
【0103】
比較例1
本比較例はフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0104】
実施例1におけるフィッシャートロプシュ油石油製品の成分と同じである。
【0105】
除去方法は、1回目抽出時にブチレンカーボネートの代わりにエチレングリコールを用いたことのみが実施例1と相違する。
【0106】
検出したところ、アルコールの除去率は、実施例1と比べて、35%低下し、かつ、抽出剤の残存率が0.035%である。
【0107】
比較例2
本比較例はフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0108】
実施例3におけるフィッシャートロプシュ油石油製品の成分と同じである。
【0109】
除去方法は、1回目抽出におけるブチレンカーボネートの代わりにグリセロールを用いたことのみが実施例3と相違する。
【0110】
検出したところ、アルコールの除去率は、実施例3と比べて40%低下し、かつ、フィッシャートロプシュ油中の抽出剤の残存率が0.033%である。
【0111】
比較例3
本比較例はフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0112】
実施例6におけるフィッシャートロプシュ油石油製品の成分と同じである。
【0113】
除去方法は、2回目抽出におけるプロピレンカーボネートの代わりにスルホランを用いたことのみが実施例6と相違する。
【0114】
検出したところ、アルデヒド及びケトンの除去率がそれぞれ32%及び36%低下し、かつ、フィッシャートロプシュ油中の抽出剤の残存率が0.014%である。
【0115】
比較例4
本比較例はフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、具体的には以下の通りである。
【0116】
実施例10におけるフィッシャートロプシュ油石油製品の成分と同じである。
【0117】
除去方法は、2回目抽出におけるプロピレンカーボネートの代わりにN-メチルピロリドンを用いたことのみが実施例10と相違する。
【0118】
検出したところ、アルデヒド及びケトンの除去率がそれぞれ38%及び35%低下し、かつ、フィッシャートロプシュ油中の抽出剤の残存率が0.028%である。
【0119】
以上より、本公開の実施例は、高炭素数のフィッシャートロプシュ油中の酸素含有化合物の除去方法を提供し、反応-抽出組み合わせプロセスを採用し、従来のプロセスに対して次の利点を有する。(1)高炭素数の石油製品中の酸素含有化合物の除去に適し、かつ、除去率が高い。(2)過程において採用する試薬は、無毒性で再生しやすく、環境保護の要求に合致する。(3)採用するシーブプレート抽出塔は、より本公開の実施例が提供するプロセスに適し、酸素含有化合物を有効に除去しながら、石油製品の収率を保証することができる。
【0120】
以上は、本公開の好適な実施例に過ぎず、本公開を制限するためのものではなく、当業者にとって、本公開は様々な変更及び変化を有してもよい。本公開の趣旨及び原則の範囲内で行われたいかなる修正、等価置換、改進等のいずれも本公開の請求範囲内に含まれるべきである。

【国際調査報告】