(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】チャイルドシートの安全警告システム及びチャイルドシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20240124BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240124BHJP
【FI】
B60N2/28
B60N2/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545863
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2022052034
(87)【国際公開番号】W WO2022162137
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110118583.8
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110282116.9
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェンウェン・グオ
(72)【発明者】
【氏名】マンクン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ズジアン・リウ
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE07
3B087DE08
(57)【要約】
本発明は、第1の、第2の、第3の検出装置及び中継制御装置を含むチャイルドシートの安全警告システムを提供し、第1の検出装置は、トップベルトが引っ張っている時に送信した第1の検出信号を検出し、第2の検出装置は、ISOFIXコネクタが取り付けられている時に送信した第2の検出信号を検出し、第3の検出装置は、バックルが係合されている時に送信した第3の検出信号を検出し、中継制御装置は、第1の、第2の、第3の検出信号を受信し、中継制御装置は、第1の、第2の、第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信しなかった場合警報信号を発し、これにより、乳幼児の乗車の安全性と快適性を確保するとともに、チャイルドシートの取付効率を高めるために、トップベルト、ISOFIXコネクタ、バックルの取付と係合状態が正しいかどうかを使用者に提示する。本発明は、チャイルドシートにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップベルトと、ISOFIXコネクタと、バックルとを備えるチャイルドシートに応用されるチャイルドシートの安全警告システムであって、
前記チャイルドシートの安全警告システムは、警報装置を備え、
前記警報装置は、受信された警報信号に基づいて選択的に警報を発する
ことを特徴とするチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項2】
前記チャイルドシートの安全警告システムは、第1の検出装置と、第2の検出装置と、第3の検出装置と、中継制御装置とを備え、
前記第1の検出装置は、前記トップベルトの引張状態を検出し、前記トップベルトが引っ張られていると検出した場合に第1の検出信号を送信し、
前記第2の検出装置は、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出し、前記ISOFIXコネクタが取り付けられていると検出した場合に第2の検出信号を送信し、
前記第3の検出装置は、前記バックルが係合されているかどうかを検出し、前記バックルが係合されていると検出した場合に第3の検出信号を送信し、
前記中継制御装置は、前記第1の検出信号、前記第2の検出信号、前記第3の検出信号を受信し、前記第1の検出信号、前記第2の検出信号、前記第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信しない場合に、前記警報装置が警報信号を発する
ことを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項3】
前記第1の検出装置は、前記トップベルトの移動経路に設けられた、前記トップベルトの引張状態を検出するための第1の検出部材を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項4】
前記第2の検出装置は、前記ISOFIXコネクタに設けられた、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出するための第2の検出部材を含む
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項5】
前記第3の検出装置は、前記バックルの係合経路に設けられた、前記バックルが係合されているかどうかを検出するための第3の検出部材を含む
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項6】
前記中継制御装置は、それぞれ前記第1の検出装置と、前記第2の検出装置と、前記第3の検出装置と有線又は無線で電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項7】
前記警報装置は、前記中継制御装置に電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項8】
前記中継制御装置は、前記警報装置に有線又は無線で電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項7に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項9】
前記中継制御装置は、移動端末又は自動車用制御システムに通信接続されて、前記警報信号を前記移動端末又は前記自動車用制御システムに送信する
ことを特徴とする請求項2、7~8のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項10】
前記中継制御装置は、前記第1の検出装置と、前記第2の検出装置と、前記第3の検出装置とそれぞれ独立して設けられている
ことを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項11】
前記中継制御装置は、チャイルドシート又は自動車に設けられている
ことを特徴とする請求項10に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項12】
前記第1の検出装置は、第1の検出部材及び第1の無線モジュールを含み、前記第1の検出部材は、前記トップベルトの引張状態を検出するように構成され、前記第1の無線モジュールは、前記中継制御装置に無線接続して前記第1の検出信号を前記中継制御装置に送信するように構成される
ことを特徴とする請求項10又は11に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項13】
前記第2の検出装置は、第2の検出部材及び第2の無線モジュールを含み、前記第2の検出部材は、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出するように構成され、前記第2の無線モジュールは、前記中継制御装置に無線接続して前記第2の検出信号を前記中継制御装置に送信するように構成される
ことを特徴とする請求項12に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項14】
前記第3の検出装置は、第3の検出部材及び第3の無線モジュールを含み、前記第3の検出部材は、前記バックルが係合されているかどうかを検出するように構成され、前記第3の無線モジュールは、前記中継制御装置に無線接続して前記第3の検出信号を前記中継制御装置に送信するように構成される
ことを特徴とする請求項13に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項15】
前記中継制御装置は、無線通信モジュールを含み、前記無線通信モジュールは、前記第1の無線モジュールと、前記第2の無線モジュールと、前記第3の無線モジュールとに無線接続されている
ことを特徴とする請求項14に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項16】
前記無線通信モジュールと、前記第1の無線モジュールと、前記第2の無線モジュールと、前記第3の無線モジュールとは、ブルートゥースモジュール又はWi-Fiモジュールである
ことを特徴とする請求項15に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項17】
前記第1の検出装置は、第1の検出回路基板及び前記第1の検出回路基板に電気接続された第1の検出部材を含み、前記第2の検出装置は、第2の検出回路基板及び前記第2の検出回路基板に電気接続された第2の検出部材を含み、前記第3の検出装置は、第3の検出回路基板及び前記第3の検出回路基板に電気接続された第3の検出部材を含み、前記第1の検出回路基板と、前記第2の検出回路基板と、前記第3の検出回路基板とは、それぞれ電線を介して前記中継制御装置に接続されている
ことを特徴とする請求項10~16のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項18】
前記中継制御装置は、前記第1の検出装置と、前記第2の検出装置と、前記第3の検出装置と一体に構成され、前記第1の検出装置は、前記トップベルトの移動経路に設けられた、前記トップベルトの引張状態を検出するための第1の検出部材を含み、前記第1の検出部材は、電線を介して前記第1の検出装置に電気接続され、前記第2の検出装置は、前記ISOFIXコネクタに設けられた、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出するための第2の検出部材を含み、前記第2の検出部材は、電線を介して前記第2の検出装置に電気接続され、前記第3の検出装置は、前記バックルの前記係合経路に設けられた、バックルが係合されているかどうかを検出する第3の検出部材を含み、前記第3の検出部材は、電線を介して前記第3の検出装置に電気接続されている
ことを特徴とする請求項6~17のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項19】
前記トップベルトが引っ張られている時に前記第1の検出部材に作用して、前記第1の検出装置に前記第1の検出信号を生成させて送信する
ことを特徴とする請求項14、17~18のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項20】
前記第1の検出装置は、さらに、第1のトリガ部材を含み、前記第1のトリガ部材は、前記トップベルトに移動可能に配置して接続され、前記トップベルトが引っ張られている時に前記第1のトリガ部材を移動させて前記第1の検出部材に作用する
ことを特徴とする請求項19に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項21】
前記第1の検出装置は、さらに、前記第1のトリガ部材に当接する弾性部材を含み、前記トップベルトが引っ張られない時に、前記弾性部材の弾性力により前記第1のトリガ部材をリセットさせて前記第1の検出部材を解放する
ことを特徴とする請求項20に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項22】
前記第1の検出装置は、さらに、牽引部材を含み、前記牽引部材の両端は、前記トップベルトと、前記第1のトリガ部材とにそれぞれ接続され、前記トップベルトは、前記牽引部材を介して前記第1のトリガ部材を引っ張って移動させる
ことを特徴とする請求項20又は21に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項23】
前記第1の検出装置は、さらに、スライダ部材を含み、前記スライダ部材は、スライド可能であり、前記トップベルトと、前記牽引部材とにそれぞれ接続され、前記トップベルトが外力によって引っ張られている時に、前記スライダ部材をスライドさせ、前記スライダ部材は、前記牽引部材を介して前記第1のトリガ部材を引っ張って移動させる
ことを特徴とする請求項22に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項24】
前記第2の検出装置は、さらに、第2のトリガ部材を含み、前記第2のトリガ部材は、移動可能であり、前記ISOFIXコネクタに接続され、前記ISOFIXコネクタの取り付け中に前記第2のトリガ部材を移動させて前記第2の検出部材に作用し、前記ISOFIXコネクタが取り付けられたときに前記第2の検出装置に前記第2の検出信号を生成させて送信する
ことを特徴とする請求項14、17~18のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項25】
前記第3の検出部材は、前記バックルの雄バックル又は雌バックルに取り付けられ、前記雄バックルが前記雌バックルに係合されている時に前記第3の検出部材に作用して前記第3の検出装置に前記第3の検出信号を生成させて送信する
ことを特徴とする請求項14、17~18のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項26】
前記雄バックルと前記雌バックルとのうちの一方に貫通孔が開設されており、前記第3の検出部材は、前記雄バックル又は前記雌バックルに内蔵され前記貫通孔を介して両者の係合経路に突出し、前記雄バックルが前記雌バックルに係合されている時に前記第3の検出部材に作用する
ことを特徴とする請求項25に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項27】
前記第1の検出部材と、前記第2の検出部材と、前記第3の検出部材とは、いずれも機械スイッチ、接触センサ、圧力センサ、赤外線センサ、変位センサのいずれである
ことを特徴とする請求項14、17~18のいずれか1項に記載のチャイルドシートの安全警告システム。
【請求項28】
車両のシートに取り付けられたチャイルドシートであって、
請求項1に記載のチャイルドシートの安全警告システムを含む
ことを特徴とするチャイルドシート。
【請求項29】
前記チャイルドシートは、ベースと、シート部と、支持脚とを含み、
前記ベースは、前記車両のシートに接続されたアンカー部を有し、
前記シート部は、前記ベースに設けられ、
前記支持脚は、前記ベースの前部に設けられ、前記ベースから前記車両の床に延び、
前記警報装置は、複数のスイッチを含み、前記警報装置は、前記複数のスイッチの開閉に応答して警報を選択的に発し、
前記支持脚は、互い嵌合された第1のチューブ及び第2のチューブを含み、前記第1のチューブが前記第2のチューブにロックされた場合、前記第2のチューブの一端に加えられた圧力により前記複数のスイッチのうちの1つを閉じる
ことを特徴とする請求項28に記載のチャイルドシート。
【請求項30】
前記複数のスイッチは、3つのスイッチであり、
前記警報装置は、
前記3つのスイッチのいずれかが閉じており、且つ前記3つのスイッチがすべて閉じていない場合に警報を発し、
前記3つのスイッチがすべて閉じられているか、すべて切断されている場合に警報を発さない
ことを特徴とする請求項29に記載のチャイルドシート。
【請求項31】
前記アンカー部は、2つのアンカーアームを含み、前記3つのスイッチのうちの第1のスイッチは、前記支持脚が前記車両の床に当接することに応答して閉じ、前記3つのスイッチのうちの第2のスイッチと第3のスイッチとは、前記2つのアンカーアームのうちの1つが前記車両のシートの対応する位置にアンカーされることにそれぞれ応答して閉じる
ことを特徴とする請求項30に記載のチャイルドシート。
【請求項32】
前記支持脚は、表示部を含み、前記表示部は、前記チャイルドシートの横方向に沿って順に設けられた3つの発光素子を有し、前記警報装置が警報を発した場合、前記3つの発光素子の中央の発光素子が前記第1のスイッチの閉じに応答して発光し、前記3つの発光素子の両側の発光素子が前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの閉じにそれぞれ応答して発光する
ことを特徴とする請求項31に記載のチャイルドシート。
【請求項33】
前記第1のチューブ内に受付部材が設けられており、前記受付部材は、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの間にスライド可能に設けられ、前記受付部材の一端にトリガ部が設けられており、前記トリガ部は、前記複数のスイッチのうちの1つを閉じるために使用される
ことを特徴とする請求項29~32のいずれか1項に記載のチャイルドシート。
【請求項34】
前記第1のチューブは、前記第2のチューブにスライド可能に外嵌され、前記第2のチューブ内に係合部材が設けられており、前記係合部材は、前記受付部材の異なる位置に選択的にロックされることができる
ことを特徴とする請求項33に記載のチャイルドシート。
【請求項35】
前記支持脚は、さらに接地部を含み、前記接地部は、前記第2のチューブの一端に位置して前記車両の床に接触するために使用され、前記接地部は、両側に設けられた押圧部を含み、前記押圧部は、前記係合部材に連動し、これにより、前記押圧部が押圧される場合、前記係合部材が前記受付部材とのロックを外れ、前記押圧部が押圧されない場合、前記係合部材が前記受付部材にロックされる
ことを特徴とする請求項34に記載のチャイルドシート。
【請求項36】
前記第2のチューブは、さらに、連動部材を含み、前記押圧部と前記係合部材とは、前記連動部材を介して連動し、前記押圧部に第1の斜面が形成され、前記連動部材の一端に第2の斜面が形成され、前記押圧部の第1の方向への移動は、前記第1の斜面と前記第2の斜面との協働により、前記連動部材の前記第1の方向に垂直な第2の方向への移動を引き起こす
ことを特徴とする請求項35に記載のチャイルドシート。
【請求項37】
前記係合部材は、ピボット軸を介して前記第2のチューブ内に回転可能に固定され、前記連動部材の他端に傾斜溝が形成されており、前記係合部材は、アクチュエータ軸を介して前記傾斜溝に接続され、前記アクチュエータ軸は、前記傾斜溝内で移動可能であり、前記連動部材の前記第2の方向への移動は、前記係合部材の前記ピボット軸回りの回転を引き起こす
ことを特徴とする請求項36に記載のチャイルドシート。
【請求項38】
前記連動部材に前記第2の方向に延びる長尺溝が形成されており、前記第2のチューブ内に固定されたピンが前記長尺溝を通過し、前記連動部材と前記接地部との間に推力を与えるためのリターン部材が設けられる
ことを特徴とする請求項36又は37に記載のチャイルドシート。
【請求項39】
前記受付部材には、前記第1のチューブが前記第2のチューブに対して移動する方向沿った複数の段位孔が形成されており、前記係合部材は、前記複数の段位孔のいずれかに係合して前記受付部材にロックされる
ことを特徴とする請求項33~38のいずれか1項に記載のチャイルドシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児用キャリアの技術分野に関し、特にチャイルドシートの安全警告システム及びチャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの乳幼児用キャリア(例えばベビーカー、ベビーバスケット、チャイルドシート、ベビーバンドなど)は、乳幼児を持つ家庭に広く応用されており、乳幼児用キャリアは、取付及び使用の過程で、所定の位置に取り付けられているだけでなく、乳幼児を縛る束縛システムをしっかりと係合させて、保護の役割を果たすことができる。しかし、実際の使用中、経験不足や不注意により取付が不十分で発見されなかったり、介護者の不注意により乳幼児が長時間でキャリアに縛られたりすることがあり、乳幼児の安全に不利であり、また、乳幼児用キャリアへの取り付け構造や束縛システムは、種類が多く、取り付けてから手動で一つ一つ確認する方式では時間がかかり、取り付け効率の向上には不利である。
【0003】
乳幼児用キャリアの使用、接続などの状況と外部制御デバイス又は移動デバイスなどと関連し、外部制御デバイス又は移動デバイスを通じて乳幼児用キャリアの使用、接続などの状況を制御、監視することができれば、乳幼児用キャリアの使用過程における安全性と快適性を最大限に発揮させることができる。
【0004】
そのため、上記問題を解決するためにチャイルドシートの安全警告システムを提供する必要がある。
【0005】
また、従来のチャイルドシートは、通常、ベースとベースに設置されたシートとを備え、ISOFIX接続ポートは、ベースの片側に設置され、支持脚は、ベースの前部に設置され、チャイルドシートのISOFIX接続ポートをそれぞれ自動車内の対応する取付箇所に対応して接続し、支持脚を自動車シートの前方の床に支持することにより、チャイルドシートを固定することができる。ISOFIX接続ポートは、ベースの両側に固定され、支持脚は、チャイルドシートの前部に固定されている。3点の固定により、チャイルドシートは、自動車シートに強固に固定でき、衝撃を受けたときに反転しない。
【0006】
市販されているISOFIXと支持脚により取り付けるチャイルドシートの組み立ては便利で迅速であるが、使用者がチャイルドシートを取り付ける際に、組み立てが誤りや組み立て漏れがあれば、児童の安全に大きな脅威となる。
【0007】
そのため、正しく取り付けられているか否かを確実に提示できるチャイルドシートの開発も必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、安全性、快適性及び取付効率を向上させるためのチャイルドシートの安全警告システムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、チャイルドシートが所定位置に固定されているか否かを提示することができる構造的に信頼性の高いチャイルドシートを提供することにある。
【0010】
本願のさらなる目的は、機械的構造によりトリガされる警報装置を備えたチャイルドシートを提供することにある。
【0011】
本願のさらなる目的は、取り付けられていない具体的な部位を正確に提示することができるチャイルドシートを提供することにある。
【0012】
本発明の目的はさらに、上記の欠陥のうちの少なくとも1つを軽減又は解消することができるチャイルドシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を実現するために、本発明は、シート安全警告システムを提供し、トップベルト、ISOFIXコネクタ、バックルを備えるチャイルドシートに使用され、さらに、受信された警報信号に基づいて選択的に警報を発する警報装置を備える。
【0014】
本発明の一態様は、チャイルドシートの安全警告システムを提供し、第1の検出装置、第2の検出装置、第3の検出装置及び中継制御装置を備え、第1の検出装置は、前記トップベルトの引張状態を検出し、前記トップベルトが引っ張られていると検出した場合に第1の検出信号を送信するように構成され、第2の検出装置は、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出し、前記ISOFIXコネクタが取り付けられていると検出した場合に第2の検出信号を送信する構成され、第3の検出装置は、前記バックルが係合されているかどうかを検出し、前記バックルが係合されていると検出した場合に第3の検出信号を送信するように構成され、中継制御装置は、前記第1の検出信号、前記第2の検出信号、前記第3の検出信号を受信し、中継制御装置が前記第1の検出信号、前記第2の検出信号、前記第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信しない場合、警報装置が警報信号を発する。
【0015】
一実施例では、前記第1の検出装置は、トップベルトの移動経路に設けられた、前記トップベルトの引張状態を検出するための第1の検出部材を含む。
【0016】
一実施例では、前記第2の検出装置は、ISOFIXコネクタに設けられた、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出するための第2の検出部材を備える。
【0017】
一実施例では、前記第3の検出装置は、バックルの係合経路に設けられた、前記バックルが係合しているかどうかを検出するための第3の検出部材を含む。
【0018】
一実施例では、前記中継制御装置は、それぞれ前記第1の検出装置と、前記第2の検出装置と、前記第3の検出装置と有線又は無線で電気的に接続されている。
【0019】
一実施例では、前記警報装置は、前記中継制御装置に電気的に接続されている。
【0020】
一実施例では、前記中継制御装置は、前記警報装置に有線又は無線で電気的に接続されている。
【0021】
一実施例では、前記中継制御装置は、移動端末又は自動車用制御システムに通信接続されて、前記警報信号を前記移動端末又は前記自動車用制御システムに送信する。
【0022】
一実施例では、前記中継制御装置は、前記第1の検出装置と、前記第2の検出装置と、前記第3の検出装置とそれぞれ独立して設けられている。
【0023】
一実施例では、前記中継制御装置は、チャイルドシート又は自動車に設けられている。
【0024】
一実施例では、前記第1の検出装置は、第1の検出部材及び第1の無線モジュールを含み、前記第1の検出部材は、前記トップベルトの引張状態を検出するように構成され、前記第1の無線モジュールは、前記中継制御装置に無線接続して前記第1の検出信号を前記中継制御装置に送信するように構成される。
【0025】
一実施例では、前記第2の検出装置は、第2の検出部材及び第2の無線モジュールを含み、前記第2の検出部材は、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出するように構成され、前記第2の無線モジュールは、前記中継制御装置に無線接続して前記第2の検出信号を前記中継制御装置に送信するように構成される。
【0026】
一実施例では、前記第3の検出装置は、第3の検出部材及び第3の無線モジュールを含み、前記第3の検出部材は、前記バックルが係合されているかどうかを検出するように構成され、前記第3の無線モジュールは、前記中継制御装置に無線接続して前記第3の検出信号を前記中継制御装置に送信するように構成される。
【0027】
一実施例では、前記中継制御装置は、無線通信モジュールを含み、前記無線通信モジュールは、前記第1の無線モジュールと、前記第2の無線モジュールと、前記第3の無線モジュールとに無線接続されている。
【0028】
一実施例では、前記無線通信モジュールと、前記第1の無線モジュールと、前記第2の無線モジュールと、前記第3の無線モジュールとは、ブルートゥース(登録商標)モジュール又はWi-Fiモジュールである。
【0029】
一実施例では、前記第1の検出装置は、第1の検出回路基板及び前記第1の検出回路基板に電気接続された第1の検出部材を含み、前記第2の検出装置は、第2の検出回路基板及び前記第2の検出回路基板に電気接続された第2の検出部材を含み、前記第3の検出装置は、第3の検出回路基板及び前記第3の検出回路基板に電気接続された第3の検出部材を含み、前記第1の検出回路基板と、前記第2の検出回路基板と、前記第3の検出回路基板とは、それぞれ電線を介して前記中継制御装置に接続されている。
【0030】
一実施例では、前記中継制御装置は、前記第1の検出装置と、前記第2の検出装置と、前記第3の検出装置と一体に構成され、ここで、前記第1の検出装置は、トップベルトの移動経路に設けられた、前記トップベルトの引張状態を検出するための第1の検出部材を含み、前記第1の検出部材は、電線を介して前記第1の検出装置に電気接続され、前記第2の検出装置は、ISOFIXコネクタに設けられた、前記ISOFIXコネクタが取り付けられているかどうかを検出するための第2の検出部材を含み、前記第2の検出部材は、電線を介して前記第2の検出装置に電気接続され、前記第3の検出装置は、バックルの係合経路に設けられた、バックルが係合されているかどうかを検出するための第3の検出部材を含み、前記第3の検出部材は、電線を介して前記第3の検出装置に電気接続されている。
【0031】
一実施例では、前記トップベルトが引っ張られている時に前記第1の検出部材に作用して、前記第1の検出装置に第1の検出信号を生成して発する。
【0032】
一実施例では、前記第1の検出装置は、さらに、第1のトリガ部材を含み、前記第1のトリガ部材は、前記トップベルトに移動可能に配置して接続され、前記トップベルトが引っ張られている時に前記第1のトリガ部材を移動させて前記第1の検出部材に作用する。
【0033】
一実施例では、前記第1の検出装置は、さらに、前記第1のトリガ部材に当接する弾性部材を含み、前記トップベルトが引っ張られない時に、前記弾性部材の弾性力により前記第1のトリガ部材をリセットさせて前記第1の検出部材を解放する。
【0034】
一実施例では、前記第1の検出装置は、さらに、牽引部材を含み、前記牽引部材の両端は、前記トップベルトと、前記第1のトリガ部材とにそれぞれ接続され、前記トップベルトは、前記牽引部材を介して前記第1のトリガ部材を引っ張って移動させる。
【0035】
一実施例では、前記第1の検出装置は、さらに、スライダ部材を含み、前記スライダ部材は、スライド可能であり、前記トップベルトと、前記牽引部材とにそれぞれ接続され、前記トップベルトが外力によって引っ張られている時に、前記スライダ部材をスライドさせ、前記スライダ部材は、前記牽引部材を介して前記第1のトリガ部材を引っ張って移動させる。
【0036】
一実施例では、前記第2の検出装置は、さらに、第2のトリガ部材を含み、前記第2のトリガ部材は、移動可能であり、前記ISOFIXコネクタに接続され、前記ISOFIXコネクタの取り付け中に前記第2のトリガ部材を移動させて前記第2の検出部材に作用し、前記ISOFIXコネクタが取り付けられている時に前記第2の検出装置に第2の検出信号を生成させて送信する。
【0037】
一実施例では、前記第3の検出部材は、前記バックルの雄バックル又は雌バックルに取り付けられ、前記雄バックルが前記雌バックルに係合されている時に前記第3の検出部材に作用して、前記第3の検出装置に第3の検出信号を生成させて送信する。
【0038】
一実施例では、前記雄バックルと前記雌バックルとのうちの一方に貫通孔が開設されており、前記第3の検出部材は、前記雄バックル又は前記雌バックルに内蔵され前記貫通孔を介して両者の係合経路に突出し、前記雄バックルが前記雌バックルに係合されている時に前記第3の検出部材に作用する。
【0039】
一実施例では、前記第1の検出部材と、前記第2の検出部材と、前記第3の検出部材とは、いずれも機械スイッチ、接触センサ、圧力センサ、赤外線センサ、変位センサのいずれである。
【0040】
従来技術に比べ、本発明のチャイルドシートの安全警告システムは、トップベルト、ISOFIXコネクタ、バックルの取り付け及び係合状態を検出して第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号を送信するための第1の検出装置、第2の検出装置、及び第3の検出装置を含み、中継制御装置が第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号のうちの少なくとも一方を受信していない場合に、警報装置は、警報信号を発し、これにより、乳幼児の乗車の安全性と快適性を確保するとともに、チャイルドシートの取り付け効率を向上させるために、トップベルト、ISOFIXコネクタ、バックルの取り付けと係合状態が正しいかどうかを使用者に提示する。
【0041】
本発明の別の態様は、車両のシートに取り付けるのに適した、前記チャイルドシートの安全警告システムを含むチャイルドシートを提供する。
【0042】
一実施例では、前記チャイルドシートは、ベースと、シート部と、支持脚とを含み、ベースは、前記車両シートに接続されたアンカー部を含み、シート部は、前記ベースに設けられ、支持脚は、前記ベースの前部に設けられ、前記ベースから前記車両の床に延びる。警報装置は、複数のスイッチを含み、前記警報装置は、前記複数のスイッチの開閉に応答して警報を選択的に発し、ここで、前記支持脚は、互い嵌合された第1のチューブ及び第2のチューブを含み、前記第1のチューブが前記第2のチューブにロックされた場合、前記第2のチューブの一端に加えられた圧力により前記複数のスイッチのうちの1つを閉じる。
【0043】
一実施例では、前記複数のスイッチは、3つのスイッチであり、前記警報装置は、前記3つのスイッチのいずれかが閉じており、且つ前記3つのスイッチがすべて閉じていない場合に警報を発し、前記3つのスイッチがすべて閉じられているか、すべて切断されている場合に警報を発さないように構成される。
【0044】
一実施例では、前記アンカー部は、2つのアンカーアームを含み、前記3つのスイッチのうちの第1のスイッチは、前記支持脚が前記車両の床に当接することに応答して閉じ、前記3つのスイッチのうちの第2のスイッチと第3のスイッチとは、前記2つのアンカーアームのうちの1つが前記車両のシートの対応する位置にアンカーされることにそれぞれ応答して閉じる。
【0045】
一実施例では、前記支持脚は、表示部を含み、前記表示部は、前記チャイルドシートの横方向に沿って順に設けられた3つの発光素子を有し、前記警報装置が警報を発した場合、前記3つの発光素子の中央の発光素子が前記第1のスイッチの閉じに応答して発光し、前記3つの発光素子の両側の発光素子が前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの閉じにそれぞれ応答して発光する。
【0046】
一実施例では、前記第1のチューブ内に受付部材が設けられており、前記受付部材は、前記第1のチューブと第2のチューブとの間にスライド可能に設けられた、前記受付部材の一端にトリガ部が設けられており、前記トリガ部は、前記複数のスイッチのうちの1つを閉じるために使用される。
【0047】
一実施例では、前記第1のチューブは、第2のチューブにスライド可能に外嵌され、前記第2のチューブ内に係合部材が設けられており、前記係合部材は、前記受付部材の異なる位置に選択的にロックされることができる。
【0048】
一実施例では、前記支持脚は、さらに接地部を含み、前記接地部は、前記第2のチューブの一端に位置して前記車両の床に接触するために使用され、前記接地部は、両側に設けられた押圧部を含み、前記押圧部は、前記係合部材に連動し、これにより、前記押圧部が押圧される場合、前記係合部材が前記受付部材とのロックを外れ、前記押圧部が押圧されない場合、前記係合部材が前記受付部材にロックされる。
【0049】
一実施例では、前記第2のチューブは、さらに、連動部材を含み、前記押圧部と前記係合部材とは、前記連動部材を介して連動し、前記押圧部に第1の斜面が形成され、前記連動部材の一端に第2の斜面が形成され、前記押圧部の第1の方向への移動は、前記第1の斜面と前記第2の斜面との協働により、前記連動部材の前記第1の方向に垂直な第2の方向への移動を引き起こす。
【0050】
一実施例では、前記係合部材は、ピボット軸を介して前記第2のチューブ内に回転可能に固定され、前記連動部材の他端に傾斜溝が形成されており、前記係合部材は、アクチュエータ軸を介して前記傾斜溝に接続され、前記アクチュエータ軸は、前記傾斜溝内で移動可能であり、前記連動部材の前記第2の方向への移動は、前記係合部材の前記ピボット軸回りの回転を引き起こす。
【0051】
一実施例では、前記連動部材に前記第2の方向に延びる長尺溝が形成されており、前記第2のチューブ内に固定されたピンが前記長尺溝を通過し、前記連動部材と前記接地部との間に推力を与えるためのリターン部材が設けられる。
【0052】
一実施例では、前記受付部材には、前記第1のチューブが前記第2のチューブに対して移動する方向沿った複数の段位孔が形成されており、前記係合部材は、前記複数の段位孔のいずれかに係合して前記受付部材にロックされる。
【0053】
本発明は、以下の有益な効果のうちの少なくとも1つを有する。
【0054】
本発明のチャイルドシートは、正確に固定されていないことを便利に提示することができ、それによってチャイルドシートの安全性を高め、消費者が組立漏れや組み立て不足の状況を効果的に回避し、シート内の児童の安全をよりよく保護することができる。また、本発明のチャイルドシートは、固定されていない具体的なコネクタを正確に提示することができる。本発明のチャイルドシートの支持脚の構造設計は、合理的であり、信頼性の高い機械構造により警報装置をトリガし、それにより、チャイルドシートが正しく取り付けられているかどうかをより効果的に判断する。また、本発明のチャイルドシートは、調整が便利で、丈夫で耐久性がある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明の第1の態様の第1の実施例におけるチャイルドシートの構造の模式図である。
【
図2】
図1のベースがカバーを取り外した構造の模式図である。
【
図4】
図3の支持部材を取り外した構造の模式図である。
【
図6】
図1のチャイルドシートの他の背面構造の模式図である。
【
図7】
図6の支持部材を取り外した構造の模式図である。
【
図9】
図2のベースの他の角度からの構造の模式図である。
【
図13】本発明の第1の態様の第1の実施例におけるチャイルドシートの安全警告システムの回路の原理図である。
【
図14】本発明の第1の態様の第1の実施例におけるチャイルドシートの安全警告システムの原理のブロック図である。
【
図15】本発明の第1の態様の第2の実施例におけるチャイルドシートの背面構造の模式図である。
【
図19】本発明の第1の態様の第2の実施例におけるチャイルドシートの安全警告システムの回路の原理図である。
【
図20】本発明の第1の態様の第3の実施例におけるチャイルドシートが支持部材を取り外した背面構造の模式図である。
【
図21】本発明の第1の態様の第3の実施例におけるチャイルドシートが支持部材を取り外した他の背面構造の模式図である。
【
図22】
図20のベースの他の角度からの構造の模式図である。
【
図23】本発明の第1の態様の第3の実施例におけるバックルの分解図である。
【
図24】本発明の第1の態様の第3の実施例におけるチャイルドシートの安全警告システムの回路の原理図である。
【
図25】本発明の第1の態様の第4の実施例におけるチャイルドシートの安全警告システムの原理のブロック図である。
【
図26】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの斜視図であり、ここで、シート部が取り外された。
【
図27】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの支持脚の正面の断面図である。
【
図28】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの支持脚の伸展長さの側面の断面図である。
【
図29】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの支持脚の他の伸展長さの側面の断面図であり、ここで、スイッチが切断状態にある。
【
図30】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの支持脚の他の伸展長さの側面の断面図であり、ここで、スイッチが閉じる状態にある。
【
図31】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの一部の部材の部分断面立体図である。
【
図32】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの一部の部材の他の部分断面立体図である。
【
図33】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの警報装置の模式図である。
【
図34】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの連動部材と係合部材との協働関係の模式図である。
【
図35】本発明の第2の態様におけるチャイルドシートの連動部材と係合部材との協働関係の他の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
次に、添付図面を参照して、本発明の様々な態様及び実施例について説明する。添付図面における同様の要素番号は、同様の要素を表す。本発明におけるチャイルドシートの安全警告システム100は、主にチャイルドシート200に適用されるが、これを限定するものではなく、他の乳幼児用キャリアにも使用できる。
【0057】
次に、
図1~
図4に示すように、本発明の第1の態様では、チャイルドシート200は、主としてベース210と、ベース210に取り付けられたシート本体220とを含む。また、シート本体220にはトップバンド230が設けられており、ベース210の後端に2つのISOFIXコネクタ240が設けられ、トップベルト230と2つのISOFIXコネクタとは、自動車と接続してチャイルドシート200を固定するために使用され、これにより、3点式の接続を形成して安全基準を満たす。さらに、
図1を参照すると、シート本体220には、乳幼児を拘束するためのシートベルトシステムが設けられており、
図1ではシートベルトシステムはすべて表示されていないが、シートベルトシステムの設置は、当分野の通常の方式であり、シートベルトシステムにはバックル250が設けられており、バックル250の係合によりシートベルトシステムがシート本体220に乗っている乳幼児を固定する。
【0058】
以下、
図1~
図25に示すように、本発明のチャイルドシートの安全警告システム100は、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、中継制御装置140及び警報装置150を含む。ここで、第1の検出装置110は、トップベルト230の移動経路に設けられ、トップベルト230の引張状態を検出し、トップベルト230が引っ張られている時に第1の検出信号を送信し、第2の検出装置120は、ISOFIXコネクタ240に設けられ、ISOFIXコネクタ240が取り付けられているかどうかを検出し、ISOFIXコネクタ240が取り付けられている時に第2の検出信号を送信し、第3の検出装置130は、バックル250に設けられ、バックル250が係合されているかどうかを検出し、バックル250が係合されている時に第3の検出信号を送信する。中継制御装置140は、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、警報装置150にそれぞれ電気的に接続され、第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号を受信し、第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信しない場合に警報信号を送信し、警報装置150は、前記警報信号を受信し、該警報信号に基づいて警報を行う。
【0059】
なお、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130の数は必要に応じて柔軟に設定することができ、例えば、トップバンド230の設定方式に基づいて少なくとも1つの第1の検出装置110を設定することができ、ISOFIXコネクタ240については、ISOFIXコネクタ240ごとに第2の検出装置120を設置することが好ましいが、これに限定されるものではなく、第3の検出装置130は、バックル250の数に応じて具体的に選択する。
【0060】
図1~2に示すように、本発明において、中継制御装置140は、好ましくは、ベース210内に取り付けられるが、これに限定されるものではなく、チャイルドシート200の取り付けが容易な任意の位置に取り付けられることができる。また、独立して設けられた中継制御装置140については、自動車に装着することもできる(詳細は後述)。
【0061】
図1~2、
図14、
図25に示すように、中継制御装置140は、また、移動端末300又は自動車用制御システム(図示せず)に通信接続して、移動端末300又は自動車用制御システムに警報信号を送信し、移動端末300又は自動車用制御システムを介して警報情報を表示することにより、ユーザーにより容易に提示することができる。
【0062】
図14、
図25に示すように、中継制御装置140は、信号処理モジュール141と、無線通信モジュール142とを含み、無線通信モジュール142を介して移動端末300又は自動車用制御システムに通信接続され、信号処理モジュール141は、第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号を取得して信号を処理し、第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号の少なくとも1つを受信しなかった場合に警報信号を生成し、この時、信号処理モジュール141は、警報信号に基づいて警報装置150の警報を直接制御してもよいし、無線通信モジュール142を介して移動端末300又は自動車用制御システムに警報信号を送信してもよく、移動端末300は、警報信号を受信した後、情報、音声、振動などの方法でユーザーに提示することができ、自動車用制御システムは、警報信号に基づいて画面表示又は音声提示によりユーザーに提示することができる。もちろん、移動端末300又は自動車用制御システムの提示方式は上記の方式に限定されるものではない。
【0063】
好ましくは、無線通信モジュール142は、ブルートゥースモジュール、Wi-Fiモジュール、又は、無線周波数識別(RFID)モジュールなどであってもよく、もちろん、前述の無線接続モジュールに限らず、他の無線接続方式を用いて無線接続を実現してもよい。また、本発明に係る移動端末300は、ユーザーの携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、スマートブレスレットを含むが、これらに限定されず、他のモバイルデバイスであってもよい。
【0064】
図1~2、
図13~14、
図24に示すように、本発明において、警報装置150は、中継制御装置140とは独立して設けられ、警報装置150は、ベース210の先端に取り付けられ、ベース210の上面に露出して、ユーザーが見やすいようにしている。もちろん、警報装置150は、チャイルドシート200の他の任意の見やすい位置に取り付けられてもよい。また、警報装置150と中継制御装置140とは、有線又は無線で電気的に接続することができる。
【0065】
本発明において、警報装置150は、音声警報器、発光警報器、振動警報器、ディスプレイ警報器のうちの少なくとも1つであってもよいが、前記警報方式に限定されるものではない。中継制御装置140が第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信せずに警報信号を発すると、警報装置150は、受信された警報信号に基づいて警報を発し、警報方式は、音声警報、照明警報、振動警報、パターン警報、文字情報警報のうちの少なくとも1つであり、トップベルト230、ISOFIXコネクタ240、バックル250の少なくとも1つは取り付けられていないことをユーザーに提示する。
【0066】
好ましい実施例では、警報装置150は、第1の警報151と、第2の警報152とを含み、ここで、第1の警報151は、警報提示音を発し、1個の音声警報器であり、第2の警報152は、ライト警報で、複数を有し、第2の警報152は、トップバンド230、ISOFIXコネクタ240、バックル250の取り付け状態をそれぞれ指示する。
【0067】
より具体的には、第1の警報器151は、優先的にブザーであり、第2の警報器152は、好ましくはLEDランプで、3つであり、3つの第2の警報器152は、それぞれ第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号に対応し、それぞれトップバンド230、ISOFIXコネクタ240、バックル250の接続状態を指示するために使用される。すなわち、中継制御装置140は、第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信せずに警報信号を生成し送信し、警報装置150は、受信された警報信号に基づいてブザーをトリガして警報音を発し、ユーザーに提示するとともに、対応するLEDランプの点灯又は点滅をトリガして、具体的などの部品が取り付けられていないかをユーザーに明確に提示し、ユーザーの迅速な検査と再設置を容易にする。
【0068】
なお、第2の警報器152の数は、必要に応じて柔軟に選択することができ、例えば、より多くの部品が検出される必要がある場合、検出された部品の数に応じて第2の警報器152の数を設定することができ、あるいは、同じ部品の複数の箇所が検出される必要がある場合、必要に応じて検出された部位の数に応じて第2の警報器152の数を設定して、正確な指示の目的を達成することができる。また、警報ランプを1つだけ設置することで、警報の役割を果たすこともできる。
【0069】
なお、警報装置150と中継制御装置140とは一体化されていてもよく、この場合、中継制御装置140が取り付けられた後、第1の警報器151、第2の警報器152をチャイルドシート200の表面に露出させてユーザーの観察を容易にすればよい。
【0070】
次に、
図1~
図25に示すように、本発明において、中継制御装置140は、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、警報装置150と一体化することができ、この場合、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130の検出部材を検出する必要がある部材に対応して設置すればよく(詳細は後述)、警報装置150の設置態様は、上述の通りである。もちろん、中継制御装置140は、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、警報装置150との間はそれぞれ独立して設置することができ、各装置がそれぞれ独立して設置されている場合、中継制御装置140は、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130との間は有線又は無線で電気的に接続され(詳細は後述)、警報装置150の設置形態は上述の通りである。また、このような設置形態では、中継制御装置140は、チャイルドシート200に設けてもよく、自動車に設けてもよい。以下、本発明におけるチャイルドシートの安全警告システム100の異なる実施例についてそれぞれ説明する。
【0071】
まず、
図1~
図14に示すように、本発明のチャイルドシートの安全警告システム100の第1の実施例では、中継制御装置140は、
図2に示すように、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130と一体化されており、具体的には、同じ回路基板上に集積されており、中継制御装置140は、ベース210内に取り付けられている。また、中継制御装置140と警報装置150とは、それぞれ設置され、両者の間は電線で電気的に接続されており、警報装置150の設置形態は上述したように重複しない。
【0072】
図3~8、
図13~14に示すように、この実施例では、1つの第1の検出装置110を設け、第1の検出部材111を含み、第1の検出部材111は、トップバンド230の移動経路上に設けられ、トップバンド230の引張状態を検出するために使用され、第1の検出部材111は、中継制御装置140の回路基板に電線を介して電気的に接続され、トップバンド230が引っ張られていると、第1の検出部材111に作用して誘導信号を発生させ、これにより、第1の検出装置110に第1の検出信号を発生させ、中継制御装置140は、この第1の検出信号を取得することができる。
【0073】
この実施例において、第1の検出部材111は、好ましくは、機械スイッチであり、ボタンスイッチ、弾性片スイッチを含むがこれらに限定するものではなく、
図4~5に示すボタンスイッチを選択すると、第1の検出部材111は、ボタン1111を有し、第1の検出部材111は、ベース210又はシート本体220の背面に取り付けられ、ボタン1111がトップバンド230の移動経路上に突出し、
図7~8に示す弾性片スイッチを選択すると、第1の検出部材111は、弾性片スイッチ1112を有し、第1の検出部材111は、ベース210又はシート本体220の背面に取り付けられ、弾性片スイッチ1112は、トップベルト230の移動経路上に突出する。したがって、トップバンド230が
図4~5、
図7~8の矢印F1で示す方向に引っ張られていると、トップバンド230は、第1の検出部材111のボタンスイッチ1111又は弾性片スイッチ1112に作用力を印加しそれを閉じ、第1の検出装置110の検出回路をオンにして第1の検出信号を生成し、トップバンド230が弛緩すると、第1の検出部材111(機械スイッチ)は力を失って自動的に切断し、このとき、第1の検出装置110は、第1の検出信号を生成することができない。
【0074】
なお、第1の検出部材111は、機械スイッチに限らず、他の方式で検出することもでき、例えば、接触センサ、圧力センサ、赤外線センサ、変位センサのいずれを用いてもよいが、ここに挙げた検出部材に限定されるものではない。圧力センサの例では、トップベルト230が作用する圧力が予め設定された値に達したことを検出すると誘導信号を生成し、第1の検出装置110は、その誘導信号に基づいて第1の検出信号を生成する。
【0075】
図3~5に示すように、この実施例の一実施例では、第1の検出部材111は、シート本体220の背面に設けられ、トップバンド230に対応する。より具体的には、ベース210の後端には中空構造をした支持棒260がさらに設けられ、支持棒260の上部には固定ブロック270が設けられ、固定ブロック270には固定棒271が設けられ、トップベルト230の下端は、固定棒271に接続され、その上端には、自動車の頂部に接続されたフック(図示せず)が設けられている。第1の検出部材111は、支持棒260の上部、固定ブロック270、シート本体220の背面のいずれかに取り付けることができ、好ましくは、固定ブロック270に取り付けることができ、トップベルト230の引張過程で第1の検出部材111に作用することができるように、トップベルト230の側部に対応する。同時に、第1の検出部材111に電気的に接続された電線は、支持棒260の内部を介して配線されている。そのため、支持棒260の設置は、トップバンド230を取り付ける役割を果たすだけでなく、第1の検出装置110の電線の配線を容易にし、チャイルドシート200の外部構造を簡潔で美しくする。
【0076】
次に、
図6~
図8に示すように、この実施例の別の実施例では、第1の検出部材111をベース210の後端に取り付け、トップベルト230の下端をベース210に直接接続し、第1の検出部材111をトップベルト230の移動経路に位置させることができ、同様にトップベルト230を介して第1の検出部材111に作用させて、第1の検出装置110に第1の検出信号を発生させることができる。
【0077】
しかし、この実施例では、第1の検出部材111に正確に作用し、検出の正確性を保証するために、第1の検出装置110に、さらに、第1のトリガ部材112及び弾性部材113を設け、第1のトリガ部材112は、ベース210に移動可能に設けられ、第1のトリガ部材112は、トップバンド230に接続し、弾性部材113は、第1のトリガ部材112に当接し、トップバンド230の引張中に第1のトリガ部材112を駆動して移動させ、第1のトリガ部材112が第1の検出部材111のボタン1111又は弾性片1112に作用させ、第1の検出部材111を閉じ、さらに、第1の検出装置110に第1の検出信号を発生させ、トップバンド230が引っ張られていない場合、弾性部材113の弾性力の作用により、第1のトリガ部材112がリセットされて第1の検出部材111のボタン1111又は弾性片1112を解放させ、さらに、第1の検出部材111を切断させる。
【0078】
図7~8に示すように、この実施例では、第1の検出装置110は、支持棒260内に収容するとともに、両端がそれぞれ第1のトリガ部材112、トップベルト230に接続される牽引部材114を含み、トップベルト230の下端が支持棒260の上部にスライドに接続され、トップベルト230が外力により上方に引っ張られたとき、牽引部材114を介して第1のトリガ部材112を
図7~8に矢印F1で示す方向に上方に移動させ、第1のトリガ部材112は、移動過程で第1の検出部材111の弾性片1112に作用し、第1の検出部材111を閉じる。
【0079】
なお、上記2つの実施例において、支持棒260は、
図3に示すように複数の棒材で連結されていてもよいし、
図6に示すように1つの棒材のみで構成されていてもよい。これは、この実施例における第1の検出部材111及びトップバンド230の取り付けに影響を与えないため、支持棒260の具体的な構成に限定されない。
【0080】
次に、
図9、
図13~14に示すように、この実施例では、2つのISOFIXコネクタ240の取り付け状態を検出するために、2つのISOFIXコネクタ240に2つの第2の検出装置120をそれぞれ設け、2つの第2の検出装置120の構成及び設置形態は同じである。
【0081】
図9に示すように、第2の検出装置120は、ISOFIXコネクタ240に装着されその装着状態を検出する第2の検出部材121を含み、第2の検出部材121は、電線を介して中継制御装置140の回路基板に電気的に接続し、ISOFIXコネクタ240が取付されていると、第2の検出部材121に作用して誘導信号を発生することにより、第2の検出装置120に第2の検出信号を発生し、中継制御装置140は、第2の検出信号を取得することができる。
【0082】
この実施例では、第2の検出部材121は、好ましくは、機械スイッチであり、第2の検出部材121は、好ましくは弾性片スイッチであり、該第2の検出部材121は弾性片1211を有し、弾性片1211は、ISOFIXコネクタ240の移動経路上に突出し、もちろん、第2の検出部材121は、押しボタンスイッチ又は他のタイプの機械スイッチであってもよい。第2の検出部材121は、中継制御装置140の回路基板に電線を介して電気的に接続され、ISOFIXコネクタ240が取り付けられていると第2の検出部材121の弾性片1211に作用してそれを閉じることにより、第2の検出装置120の検出回路を導通させて第2の検出信号を発生する。
【0083】
同様に、第2の検出部材121も、機械スイッチに限定されず、例えば、接触センサ、圧力センサ、赤外線センサ、変位センサのいずれでもよいが、これらの検出装置に限定されるものではない。接触センサの例では、ISOFIXコネクタ240に取り付けられ、ISOFIXコネクタ240が取り付けられた後に接触センサに作用して誘導信号を発生させることができ、第2の検出装置120はこの誘導信号に基づいて第2の検出信号を生成する。
【0084】
図9に示すように、この実施例では、第2の検出装置120は、さらに、第2のトリガ部材122を含み、第2のトリガ部材122は、移動可能で、ISOFIXコネクタ240に接続され、ISOFIXコネクタ240が取り付けている過程で第2のトリガ部材122を移動させて第2の検出部材121の弾性片1211に作用することで、第2の検出部材121(機械スイッチ)を閉じ、ISOFIXコネクタ240が取り付けた後、第2のトリガ部材122は、常に第2の検出部材121を閉じ位置に保持することにより、第2の検出装置120の検出回路を導通して第2の検出信号を発生し、ISOFIXコネクタ240がロック解除され自動車上のロック部材から離脱すると、第2の検出部材121(機械スイッチ)は作動力を失って自動的に切断し、このとき第2の検出装置120は、第1の検出信号を発生できない。
【0085】
次に、
図10~13に示すように、第3の検出装置130は、バックル250の係合経路上に設けられ、電線を介して中継制御装置140の回路基板に電気的に接続された第3の検出装置131を備え、バックル250が係合すると第3の検出装置131に作用して誘導信号を発生させることにより、第3の検出装置130に第3の検出信号を発生させ、中継制御装置140はこの第3の検出信号を取得することができる。
【0086】
図10~12に示すように、この実施例では、前記第3の検出装置131は、好ましくは、雄バックル251又は雌バックル252に内蔵され、両者の挿通経路に突出した機械スイッチであり、雄バックル251が雌バックル252と係合している場合には、その機械スイッチに作用してそれを閉じることができ、雄バックル251と雌バックル252とが離脱した後に、その機械スイッチを自動的に切断することができる。
【0087】
この実施例では、第3の検出部材131は、雌バックル252内に内蔵されており、雄バックル251が雌バックル252内に挿入されたときに第3の検出部材131に作用してそれを閉じることができる。より具体的には、雌バックル252には挿着溝2521が設けられ、雌バックル252には挿着溝2521を連通する通孔2522が設けられ、第3の検出部材131は、雌バックル252に内蔵され、そのボタン1311は、
図12~13に示すように、通孔2522を介して挿着溝2521内に突出される。また、雌バックル252の挿着溝2521内にはロックレバー2523が設けられ、ロックレバー2523は、移動可能に設けられ、雌バックル252にはロックレバー2523の移動を駆動するためのロック解除部材2524が設けられているので、雄バックル251が挿着溝2521内に挿着されるとロックレバー2523に係合し、ロック解除部材2524を押すとロックレバー2523を駆動して移動して雄バックル251から離脱し、雄バックル251と雌バックル252を分離することができる。
【0088】
これに対応し、雄バックル251は、挿着端2511を有し、挿着端2511の後端に駆動リブ2512が突出しており、挿着端2511の前端にロック溝2513が設けられており、雄バックル251が挿着溝2521に挿着された後、その前端のロック溝2513がロックレバー2523に係合するとともに、その後端の駆動リブ2512が第3の検出装置131のボタン1311を押圧してそれを閉じ、これにより、第3の検出装置130に第3の検出信号を発生させ、ロック解除部材2524によりロックレバー2523を移動させてロック溝2513から離脱すると、雄バックル251が挿着溝2511から引き抜くことができ、このとき第3の検出部材131は力を失って自動的に切断され、さらに、第3の検出装置130は、第3の検出信号を生成することができない。
【0089】
なお、第3の検出装置131は、機械スイッチに限定されるものではなく、接触センサ、圧力センサ、赤外線センサ、変位センサのいずれであってもよい。接触センサを例にとると、雄バックル251又は雌バックル252に内蔵されており、雄バックル251が雌バックルの挿着溝2521に挿着された後、接触センサに作用して誘導信号を発生させることができ、これにより第3の検出装置130に第3の検出信号を発生させて送信することができる。
【0090】
以下、
図15~
図19に示すように、本発明のチャイルドシートの安全警告システム100の第2の実施例において、上記第1の実施例との違いは、主に、第1の検出装置110の数が異なり、その他の部分はすべて同じであり、同じ部分は説明を省略する。
【0091】
この実施例では、トップベルト230は、ベース210又はシート本体220にそれぞれ固定された左ベルト231及び右ベルト232を含み、左ベルト231、右ベルト232の上端は、接続されフックを有し、フックが自動車の頂部に接続されたたときに左ベルト231、右ベルト232を引っ張ることができる。
【0092】
この実施例では、左ベルト231、右ベルト232に対応して、第1の検出装置110をそれぞれ設け、即ち、左ベルト231、右ベルト232の引張状況を2つの第1の検出装置110でそれぞれ検出し、トップベルト230の引張時に、2つの第1の検出装置110がそれぞれ第1の検出信号を送信することにより、左ベルト231、右ベルト232の引張状態を監視する。
【0093】
2つの第1の検出装置110は同じ構成であり、各第1の検出装置110は、上述した第1の実施例における設置形態を採用してもよいし、他の設置形態を採用してもよく、この実施例では、第1の検出装置110は、上述した第1の実施例における方式に比べ、さらに1つのスライダ115を設置してもよい。
【0094】
図15~
図19に示すように、左ベルト231に対応して設けられた第1の検出装置110を例に説明し、第1の検出装置110は、第1の検出部材111a、第1のトリガ部材112、弾性部材113、牽引部材114及びスライダ115を含む。ここで、第1のトリガ部材112は、ベース210の側部に移動可能に設けられ、第1のトリガ部材112は、牽引部材114を介して左ベルト231に接続され、弾性部材113は、第1のトリガ部材112に当接し、第1の検出部材111aは、中継制御装置140の回路基板に電線を介して電気的に接続され、さらに、第1の検出部材111aは、第1のトリガ部材112の側部に位置し、スライダ115は、シート本体220の背部にスライド装着され、スライダ115は、左ベルト231と牽引部材114とをそれぞれ接続している。したがって、トップバンド230の引張中にスライダ115を引っ張って
図17の矢印F1で示す方向に上方に移動し、スライダ115は、さらに、牽引部材114を介して第1のトリガ部材112を引っ張って
図17中矢印F1で示す方向に上方に移動し、この過程で、第1のトリガ部材112は第1の検出部材111aに作用して第1の検出信号を生成する。そして、第1のトリガ部材112の上方移動中に弾性部材113に作用してそれを変形させ、トップバンド230が解放されると、弾性部材113は変形を回復して第1のトリガ部材112を下方に移動させるため、第1の検出装置110が第1の検出信号を生成できないように第1の検出部材111aを解放する。
【0095】
なお、右ベルト232に対応して設けられた第1の検出装置110は、
図19に示すように、第1の検出部材111bは、電線を介して中継制御装置140の回路基板に電気的に接続されている。他の部分は説明を省略する。なお、左ベルト231、右ベルト232に対応して取り付けられた第1の検出部材をそれぞれ111a、111bと表記するのは説明の便宜上だけであり、両者は同じである。
【0096】
図15~
図16に示すように、この実施例では、ベース210の後端に設けられた支持棒260は、具体的には、左支持棒261、右支持棒262、及び両者の上部に接続された横支持棒263を含み、いずれも中空構造をしている。トップバンド230の左ベルト231は、左支持棒261に穿設され、右ベルト232は、右支持棒262内に穿設され、両者の上端は、左支持棒261、右支持棒262にそれぞれ穿設されて固定接続され、牽引部材114は、左支持棒261、右支持棒262内に穿設され、これにより、チャイルドシート200の外観を簡潔、美観にさせる。
【0097】
図19に示すように、この実施例では、同様に2つの第2の検出装置120を設け、2つの第2の検出装置120の設置形態は、上記の実施例と同じ、この実施例では、説明を容易にするために、2つのISOFIXコネクタ240に取り付けられた第2の検出部材をそれぞれ121a、121bと表記し、2つの第2の検出部材121a、121bを中継制御装置140の回路基板に電線を介して電気的に接続する。
【0098】
また、
図15~
図19に示すように、この実施例では、ユーザーへの正確な提示を容易にするために、警報装置150は、上記の設置形態に加えて、2つの第2の警報152をさらに追加し、即ち、共に5つの第2の警報152を設け、5つの第2の警報152は、左ベルト231、右ベルト232、2つのISOFIXコネクタ240、及びバックル250の接続状態を指示する。具体的には、左ベルト231又は/及び右ベルト232が引っ張られていない時、第1の検出部材111a又は/及び111bが切断され、この時、中継制御装置140は、警報信号を発し、両者に対応する第2の警報器152が警報を行うように制御する。2つのISOFIXコネクタ240のうちの少なくとも1つが取り付けられてない場合、第2の検出部材121a又は/及び121bが切断され、中継制御装置140は、警報信号を発行し、両者に対応する第2の警報器152が警報を行うように制御する。バックル250が係合していない場合、第3の検出部材131は切断され、この時、中継制御装置140は警報信号を発し、バックル250に対応する第2の警報152が警報を行うように制御する。
【0099】
なお、ここでは言及していない警報装置150の構成及び動作態様は、いずれも上記と同様である。
【0100】
次に、
図20~
図24に示すように、本発明のチャイルドシートの安全警告システム100の第3の実施例において、上記第1の実施例との違いは、中継制御装置140が第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、警報装置150とそれぞれ独立して設けられ、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、警報装置150は、中継制御装置140にそれぞれ電線を用いて電気的に接続されている。警報装置150の具体的な設定は、上記のいずれの形態であってもよく、説明を省略する。
【0101】
実施例では、第1の検出装置110は、トップバンド230の移動経路上に設けられ、第1の検出回路基板110aに電気的に接続された第1の検出回路基板110aをさらに含み、第1の検出回路基板110aは、固定ブロック270、シート本体220の背面又はベース210に取り付けられ、第1の検出回路基板110aは、中継制御装置140に電線を介して電気的に接続されている。したがって、トップバンド230が引っ張られていると、第1の検出部材111に作用して誘導信号を発生させ、第1の検出装置110は、第1の検出部材111の誘導信号に基づいて第1の検出信号を生成して中継制御装置140に送信する。
【0102】
図20~
図24に示すように、この実施例では、第2の検出装置120は、ISOFIXコネクタ240に設けられ、電線を介して中継制御装置140に電気的に接続する第2の検出回路基板120aを含み、第2の検出部材121は、第2の検出回路基板120aに電気的に接続され、ISOFIXコネクタ240が取り付けられたときに第2の検出部材121に作用して誘導信号を発生させ、第2の検出装置120は、この誘導信号に基づいて第2の検出信号を生成する。
【0103】
これに対応し、第3の検出装置130は、雌バックル252に内蔵され、電線を介して中継制御装置140に電気的に接続する第3の検出回路基板130aをさらに含み、第3の検出部材131は、第3の検出回路基板130aに電気的に接続され、雌バックル252に内蔵され、第3の検出装置131のボタン1311は、通孔2522を介してバックル250の係合経路に突出し、バックル250が係合するときに第3の検出装置131に作用し、これにより、第3の検出装置130は、第3の検出信号を生成して送信する。
【0104】
なお、第3の検出回路基板130aと第3の検出部材131とは、雄バックル251に内蔵されても良い。
【0105】
また、
図23に示すように、この実施例では、第3の検出装置130は、バックル又は軟包であるリチウム電池である電源132をさらに含み、該リチウム電池は、雌バックル120内に取り付けられ、第3の検出回路基板130aに電気的に接続され、第3の検出回路基板130a及び第3の検出装置131に電力を供給するために使用され、そして、第3の検出装置131が閉じると、第3の検出回路基板130a上の回路が導通して第3の検出信号を発生させる。もちろん、電源132は他のタイプの電池を用いてもよく、第3の検出回路基板130aに集積してもよい。
【0106】
この実施例では、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130の数、取り付け方法、動作原理は、上述した第1、第2の実施例のいずれの形態であってもよく、説明を省略する。
【0107】
次に、
図20~23、
図25に示すように、本発明のチャイルドシートの安全警告システム100の第4の実施例において、上記第3の実施例との違いは、中継制御装置140が第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130とそれぞれ無線接続することにより、各装置間の回線接続を減少させ、チャイルドシートの安全警告システム100の接続を簡略化することにある。また、各装置は、それぞれ独立して設けられ無線で接続されているので、中継制御装置140は、チャイルドシート200のほか、自動車、例えば自動車の操作プラットフォームに設けられ、中継制御装置140の取り付けをより柔軟にし、より多くの機器と無線接続することができる。
【0108】
この実施例では、第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130、中継制御装置140の構成は、上記第3の実施例と同様に設定されているので、説明を省略し、以下では無線接続部についてのみ説明する。
【0109】
図25に示すように、この実施例では、第1の検出装置110は、中継制御装置140の無線通信モジュール142と無線接続するための第1の検出回路基板110aに設けられた第1の無線モジュール112をさらに備えているので、第1の検出装置110の第1の検出信号は、第1の無線モジュール112を介して中継制御装置140に送信される。
【0110】
これに対応し、第2の検出装置120は、中継制御装置140の無線通信モジュール142と無線接続するための第2の検出回路基板120aに設けられた第2の無線モジュール122をさらに含み、第2の検出装置120の第2の検出信号は、第2の無線モジュール122を介して中継制御装置140に送信される。第3の検出装置130は、中継制御装置140の無線通信モジュール142と無線接続するための第3の検出回路基板130aに設けられた第3の無線モジュール132をさらに含み、第3の検出装置130の第3の検出信号は、第3の無線モジュール132を介して中継制御装置140に送信される。
【0111】
この実施例では、第1の無線モジュール112、第2の無線モジュール122、第3の無線モジュール132及び無線通信モジュール142は、いずれもBluetoothモジュールであることが好ましいが、これに限らず、例えばWi-Fiモジュール、無線周波数識別(RFID)モジュールなどを用いて無線接続を実現することもできる。
【0112】
以上のように、本発明のチャイルドシートの安全警告システム100は、トップバンド230、ISOFIXコネクタ240、バックル250の取付及び係合状態を検出して第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号を送信する第1の検出装置110、第2の検出装置120、第3の検出装置130を有するため、中継制御装置140は、第1、第2、第3の検出信号のうちの少なくとも1つを受信しない場合に警報信号を発することにより、乳幼児の乗車の安全性及び快適性を確保するとともに、チャイルドシート200の取付効率を向上させるために、トップベルト230、ISOFIXコネクタ240、バックル250の取付及び係合状態が正しいかどうかをユーザーに提示する。
【0113】
本発明に係るチャイルドシート200の他の部分の構造は、当業者に周知の従来の設置形態であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0114】
本発明の第2の態様は、また、チャイルドシートを提供する。
【0115】
図26は、本願の第2の態様に係るチャイルドシートの斜視図であり、シート部が取り外されている。チャイルドシートは、ベース10’、シート部(図示せず)、及び支持脚30を含むことができる。シート部は、当該技術分野において一般的なシート部であってもよく、これは、子供がその上に乗るためのものであり、拘束要素を介して子供をそのシート部に拘束する。シート部は、ベース10’に対して異なる乗り方向、例えば車両前方に向かう方向と車両後方に向かう方向とを有するように回転可能である。任意選択で、シート部は、子供をシート部に収容するのを容易にするために、ベース10’に対して車両の側面に面する方向に回転することもできる。
【0116】
図26に示すように、支持脚30は、ベース10’の前部に設けられ、ベース10’から車両の床に向かって延びることができる。チャイルドシートが取り付けられていると、支持脚30は、車両の床に当接し、支持力を提供することができる。ベース10’は、後部の両側から後方に延びるアンカー部110’を有することができる。アンカー部110’は、2つのアンカーアーム111’で構成することができる(
図31参照)。アンカー部110’は、例えば、ISOFIX連結器であってもよい。アンカー部110’は、車両シートの対応する接続ポートに接続(又はアンカー)することができる。
【0117】
ベース10’の前部には、支持脚結合部120’が形成されていてもよい。支持脚30は、ベース10’を貫通し、ベース10’の支持脚結合部120’に枢着することができる。ベース10’には、表示部340が設けられていてもよい。表示部340の位置は、支持脚30に対応していてもよい。表示部340は、光を透過するパネルとして形成することができる。支持脚30の底端には接地部330が形成されていてもよい。接地部330の全体又は一部(例えば、下面)は、弾性又は可撓性材料で形成することができ、高い摩擦力を有し、例えば、ゴムなどにより形成される。接地部330の外形は、支持脚30の中間部分の外形よりも大きく、より強固な支持効果を有することができる。
【0118】
図27は、本願の第2の態様に係るチャイルドシートの支持脚の正面の断面図である。支持脚30は、互いに嵌合された第1のチューブ310と第2のチューブ320とを含むことができる。第1のチューブ310は、第2のチューブ320の外部に外嵌さられてもよい。第1のチューブ310は、第2のチューブ320に対して伸展及び収縮することができる。すなわち、第1のチューブ310及び第2のチューブ320は、伸縮可能なスリーブとして形成されている。第1のチューブ310及び第2のチューブ320は、いずれも略矩形の外形を有していてもよい。伸展及び収縮において、第1のチューブ310は、複数の位置で第2のチューブ320にロックすることができる。例えば、第1のチューブ310と第2のチューブ320との間は、無段の相互ロック(すなわち、任意の位置でロック可能)に形成されてもよく、又は、段落付きの相互ロック(すなわち、特定の複数の位置でロック可能)に形成されてもよい。第1のチューブ310が第2のチューブ320にロックされている場合、第2のチューブ320の一端(例えば、下端)に加えられた圧力は、スイッチ520a(以下に詳述する)を閉じることができる。
【0119】
第1のチューブ310内には、受付部材311が設けられていてもよい。
図27に示すように、受付部材311は、第1のチューブ310と第2のチューブ320との間に位置している。受付部材311の一端(例えば上端)には、スイッチ520aを閉じるためのトリガ可能部312が設けられている。
【0120】
受付部材311は、第1のチューブ310と第2のチューブ320との間を上下にスライド可能である。受付部材311は、長尺シートとして形成することができ、第1のチューブ310が第2のチューブ320に対して移動する方向(すなわち、
図27中の上下方向)に沿った複数の段位孔3111を有する。
【0121】
図28は、本願の第2の態様に係るチャイルドシートの支持脚の伸展長さの側面断面図である。第2のチューブ320内には、係合部材321が設けられていてもよい。係合部材321は、Lのような形状に形成することができる。係合部材321は、受付部材311の異なる位置に選択的にロックすることができる。例えば、係合部材321は、段位孔3111内に引っ掛かることによって係合することができる。
【0122】
係合部材321は、ピボット軸3211を介して第2のチューブ320内に回転可能に固定されてもよい。したがって、係合部材321が段位孔3111内に係合すると、第2のチューブ320は、第1のチューブ310にロックされる。なお、第2のチューブ320と第1のチューブ310とがロックされている場合、受付部材311は、第1のチューブ310と第2のチューブ320との間をスライド可能であるため、第2のチューブ320は第1のチューブ310に対して一定距離移動可能である。第2のチューブ320の第1のチューブ310に対する移動可能な距離は、第1のチューブ310の上部に設けられたストッパによって規定される。この距離は、支持脚30がその支持作用を発揮することに影響を与えない微小な距離とすることができる。
【0123】
第2のチューブ320内には、連動部材322が設けられていてもよい。連動部材322は、第2のチューブ320の縦方向(
図27中の上下方向)に延びている。接地部330は、左右両側に設けられた押圧部331を含むことができる。すなわち、2つの押圧部331は、接地部330の両側にそれぞれ移動可能に形成されている。押圧部331と係合部材321とは、連動部材322を介して連動可能である。
【0124】
具体的には、
図27に示すように、押圧部331の内端は第1の斜面332として形成することができ、連動部材322の一端(下端)は第2の斜面3221として形成されている。第1の斜面332は、第2の斜面3221と協働することができる。
【0125】
連動部材322には、縦方向に延びる長尺溝3223が形成されていてもよい。第2のチューブ320に固定されたピン3224は、長尺溝3223を通り、長尺溝3223に対して移動可能である。連動部材322と接地部330との間には、推力を提供するためのリターン部材333が設けられていてもよい。リターン部材333は、例えばばねであってもよい。
【0126】
押圧部331が押圧されると、押圧部331は両側から中間に移動し、第1の斜面332は第2の斜面3221に協働して連動部材322を押圧してリターン部材333の回復力に抗して下に移動する。
【0127】
図29は、本願の第2の態様に係るチャイルドシートの支持脚の他方の伸展長さの側面の断面図であり、ここで、スイッチが切断状態であり、
図30は本願のチャイルドシートの支持脚の他方の伸展長さの側面断面図であり、スイッチが閉じる状態であり、
図34は本願のチャイルドシートの連動部材と係合部材との係合関係の模式図である。
図35は、本願のチャイルドシートの連動部材と係合部材との係合関係の別の模式図である。
【0128】
連動部材の他端(上端)には傾斜溝3222が形成されている。係合部材321は、アクチュエータ軸3212を介して傾斜溝3222に結合することができる。
図28~
図30では、傾斜溝3222は係合部材321によって遮られている。
図34及び
図35は、傾斜溝3222と係合部材321との係合関係を示し、ここで、係合部材321の姿勢は、ピボット軸3211及びアクチュエータ軸3212によって具現される。
図34及び
図35でピボット軸3211及び作動軸3212は破線で示され、
図34及び
図35の矢印は、連動体322の運動方向を示している。
【0129】
押圧部331が押圧されて連動部材322が下方向に移動すると(
図35に示すように)、ピボット軸3211が固定されて動かないため、アクチュエータ軸3212は、傾斜溝3222によって駆動されて傾斜溝3222の右上方向に移動する。この移動は、係合部材321がピボット軸3211の周りを時計回りに移動することに対応しこれにより、係合部材321が受付部材311から離脱し、第1のチューブ310が第2のチューブ320に対して自由に(例えば、
図28に示す位置から
図29に示す位置まで)移動できる。
【0130】
その後、押圧部331を開放すると、連動部材322はリターン部材333によって押し上げられ(
図34に示すように)、ピボット軸3211が固定されていないため、アクチュエータ軸3212は、傾斜溝3222によって駆動されて傾斜溝3222の左下方向に移動する。この移動は、係合部材321がピボット軸3211を中心に反時計回りに移動することに対応し、これにより、係合部材321が受付部材311にロックされる。係合部材321が受付部材311にロックされると、連動部材322はさらに上に移動することができない。
【0131】
係合部材321が受付部材311にロックされている場合、接地部330が地面に接触しているため、第2のチューブ320と受付部材311は、第1のチューブ310に対して一定距離(
図29の状態から
図30の状態に変更)上方に移動し、これにより、受付部材311の上端に固定されたトリガ部312が第1のチューブ310の上端に固定されたスイッチ520aに対して移動し、スイッチ520aを閉じる。
【0132】
係合部材321を動作させて受付部材311とロック解除された場合、又は、係合部材321が受付部材311とロックされているが支持脚30が接地されていない場合、受付部材311自体の重力により、受付部材311は、第1のチューブ310の上端がトリガ部312をストッパするまで第1のチューブ310に対して一定距離下方に移動することができる。このとき、トリガ部312は、スイッチ520aを切断するようにスイッチ520aから分離される。
【0133】
チャイルドシートを取り付ける際には、支持脚30が車両の床にちょうど安定して接触するまで、第1のチューブ310と第2のチューブ320を相対移動させることによって支持脚30の長さを調整するために、押圧部331を押圧する必要がある。支持脚30の上述した構成により、支持脚30の長さを調整する過程で、支持脚30が車両の床に接触することによってスイッチ520aが閉じることはない。換言すれば、係合部材321と受付部材311とがロックされていない場合には、接地部330に推力が加えられてスイッチ520aが閉じることはない。これにより、チャイルドシートの警報装置が支持脚30を車両の床や他の物体に意外に接触させて取り付けられていると認識する可能性が回避され、警報装置の正確な識別率が向上する。
【0134】
図33は、本願の第2の態様に係るチャイルドシートの警報装置の模式図である。警報装置50は、本体部510と、複数のスイッチ520a、520b、520cと、警報器530とを含み、複数のスイッチ520a、520b、520cは、本体部510と電気的に接続され、本体部510にスイッチが閉じているか、切断れているかの信号を供給することができ、本体部510は、この信号に基づいて警報を行うかどうかを判定することができ、警報器530は、スイッチ520a、520b、520cの数に対応する発光装置531、532、533を有する。本体部510は、ベース10’の内部に設けることができる。
図33に示す実施例では、複数のスイッチ520a、520b、520cは、3つのスイッチであってもよいが、本願はこれに限定されない。上記警報は、警報(例えば、音、振動、光線などの形態のうちの1つ又は複数)を発生することができる。音声警報を有する場合、発音装置は、例えば本体部510内又は警報530内に設けられてもよく、あるいはベース10’内に単独で形成されてもよい。一方、3つのスイッチ520a、520b、520cの場合、警報器530上の3つの発光装置531、532、533は、それぞれ3つのスイッチ520a、520b、520cに対応することができる。具体的には、中間の発光装置531は、第1のチューブ310に設けられたスイッチ520aに対応し、両側の発光装置532、533は、2つのアンカーアーム111’(以下で詳細に説明する)に設けられたスイッチ520b、520cにそれぞれ対応する。発光装置は、例えばLEDランプであってもよい。任意選択で、複数の発光装置531、532、533は異なる色を有してもよい。警報器530は、発光装置が発する光が表示部340の上面を透過して発せられるように、表示部340内に設けてもよい。任意選択で、表示部340は、上面を有さずに警報器530を直接露出する。本体部510は、各スイッチ520a、520b、520cから受信した開閉信号に基づいて警報を発するか否かを判断する論理判断装置又は演算装置を備えていてもよい。
【0135】
警報装置50は、3つのスイッチ520a、520b、520cのうちのいずれか1つが閉じており、且つ、3つのスイッチ520a、520b、520cがすべて閉じていない場合に警報を発するように構成することができ、3つのスイッチ520a、520b、520cがすべて閉じているか、すべて切断されている場合は警報を出さない。
【0136】
警報装置50が警報を発すると判定すると、警報器530上の3つの発光装置531、532、533は、発光して、閉じていないスイッチ520a、520b、520cを指示する。例えば、第1のチューブ310に設けられたスイッチ520aが切断であるが、2つのアンカーアーム111’上のスイッチ520b、520cが閉じている場合、中間の発光装置531は発光し、両側の発光装置532、533は発光しない。上記発光は、継続的に発光してもよいし、点滅してもよい。
【0137】
任意選択で、警報器530上の3つの発光装置531、532、533は、スイッチ520a、520b、520cが閉じたときに対応する発光装置が発光するという、上記とは逆の論理を有していてもよい。なお、警報装置50の上述のロジックは、他の数のスイッチ及び発光装置がある場合にも同様に適用される。
【0138】
図31は本願の第2の態様に係るチャイルドシートの部分部材の部分断面斜視図、
図32は本願のチャイルドシートの部分部材の他の部分断面斜視図である。
【0139】
各アンカーアーム111’上(例えば、内側)には、スイッチ520b/520cが設けられていてもよい(
図32では、スイッチ520cは図示せずに遮蔽されており、なお、スイッチ520cはスイッチ520bに対向する別のアンカーアーム111’にあり、スイッチ520cとスイッチ520bは互いに対向している)。アンカーアーム111’には、長尺孔112’も形成することができる。長尺孔112’内には、長尺孔112’内を移動可能なトリガ部312が形成されている。トリガ部312は、例えば、ベース10’の対応する位置に固定することができる。アンカーアーム111’が車両上の対応する接続ポートに係合すると、トリガ部312は長尺孔112’に対して移動し、スイッチ520b/520cは長形孔112’に対して静止し、これにより、トリガ部312がスイッチ520b/520cに接触してスイッチ520b/520cを閉じる。アンカーアーム111’が車両上の対応する接続ポートに接合されている場合、トリガ部312は、対応するスイッチ520b/520cを閉じた状態を保持する。このように、アンカーアーム111’に関連するスイッチは、閉じてアンカーアーム111’が所定位置に固定されていることを示すことができる。
【0140】
以上開示したのは本発明の好適な実施例にすぎず、もちろんこれによって本発明の権利範囲を限定することはできないので、本発明の特許出願範囲による同等の変化は、本発明がカバーする範囲に属する。
【国際調査報告】