(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】抗体-薬物複合体に適した毒素分子
(51)【国際特許分類】
C07D 491/22 20060101AFI20240124BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20240124BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240124BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240124BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240124BHJP
【FI】
C07D491/22 CSP
A61K31/4745
A61P35/00
A61K39/395 Y
A61K47/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546115
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2022074825
(87)【国際公開番号】W WO2022161479
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110127049.3
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522362109
【氏名又は名称】ミンフイ ファーマシューティカル (ハンチョウ) リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521320209
【氏名又は名称】ミンフイ ファーマシューティカル (シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー アオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン イーラー
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ グオチン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C076
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA07
4C050BB04
4C050CC07
4C050DD02
4C050EE02
4C050FF02
4C050GG03
4C050GG05
4C050HH01
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C085AA27
4C085BB11
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、抗体-薬物複合体に適した毒素分子を提供し、具体的には、本発明は、以下の式(I)に示されるような化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供する。本発明の化合物は、腫瘍細胞増殖に関連する疾患を治療するための薬物の調製に使用されることができる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)に示されるような化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、
【化1】
Xは、H、OH、NH
2、NHR
0からなる群から選択され、
Yは、(CR
1R
2)
nからなる群から選択され、
Zは、化学結合、C(O)、C(S)、C(NH)、S(O)
2,S(O)からなる群から選択され、
R
0は、C
1-C
8アルキル基、C
1-C
8ハロゲン化アルキル基、C
1-C
8重水素化アルキル基、C
1-C
8アルコキシ基、C
1-C
8ヒドロキシアルキル基、C
3-C
8シクロアルキル基または3-12員複素環基からなる群から選択され、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン、C
1-C
8アルキル基、C
1-C
8ハロゲン化アルキル基、C
1-C
8重水素化アルキル基、C
1-C
8アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
8ヒドロキシアルキル基、C
3-C
8シクロアルキル基もしくは3-12員複素環基からなる群から選択されるか、
または、R
1およびR
2は、それらが結合する炭素原子と一緒になってC
3-C
8シクロアルキル基もしくは3-12員複素環基を形成し、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン、C
1-C
8アルキル基、C
1-C
8ハロゲン化アルキル基、C
1-C
8重水素化アルキル基からなる群から選択されるか、
または、R
3およびR
4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、飽和または不飽和の5-12員環、飽和または不飽和の5-12員複素環からなる群から選択される構造を形成し、
nは、0、1、2または3から選択され、
nが2、3である場合、各CR
1R
2は、同じであっても異なっていてもよく、
特に明記しない限り、本発明の基は、すべて、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、C
1-C
6アルキル-アミノ基、C
1-C
6アルキル基、C
2-C
6アルケニル基、C
2-C
6アルキニル基、C
1-C
6アルコキシ基、ハロゲン化C
1-C
6アルキル基、ハロゲン化C
2-C
6アルケニル基、ハロゲン化C
2-C
6アルキニル基、ハロゲン化C
1-C
6アルコキシ基、アリル基、ベンジル基、C
6-C
12アリール基、C
1-C
6アルコキシ-C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6アルコキシ-カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C
2-C
6アルキニル-カルボニル基、C
2-C
6アルケニル-カルボニル基、C
3-C
6シクロアルキル-カルボニル基、C
1-C
6アルキル-スルホニル基からなる群から選択される置換基によって置換されることができることを特徴とする、前記式(I)に示されるような化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項2】
前記R
3は、C
1-C
8アルキル基、C
1-C
8ハロゲン化アルキル基、C
1-C
8重水素化アルキル基からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項3】
R
4は、水素原子、重水素原子、ハロゲンからなる群から選択されることを特徴とする
請求項1-2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項4】
前記化合物は、以下の式に示されるような構造を有することを特徴とする
請求項1-3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【化2】
【請求項5】
Zは、化学結合、C(O)であることを特徴とする
請求項1-4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項6】
Xは、H、OH、NH
2からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1-5に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項7】
Yは、(CR
1R
2)
nからなる群から選択され、
前記R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン、C
1-C
8アルキル基、C
1-C
8ハロゲン化アルキル基、C
1-C
8重水素化アルキル基、C
1-C
8ヒドロキシアルキル基、C
3-C
6シクロアルキル基もしくは3-6員複素環基からなる群から選択されるか、または、R
1およびR
2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C
3-C
6シクロアルキル基もしくは3-6員複素環基を形成し、C
1-C
8アルキル基は、任意選択で、C
6-C
10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、C
3-C
6シクロアルキル基、3-6員複素環基からなる群から選択される置換基によって置換されることができ、
nは、0、1、2または3から選択され、
nが2、3である場合、各CR
1R
2は、同じであっても異なっていてもよいことを特徴とする
請求項1-6に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項8】
前記化合物は、以下の式に示されるような構造を有することを特徴とする
請求項1-7に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【化3】
【請求項9】
前記化合物は、以下の式に示されるような構造を有することを特徴とする
請求項1-7に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【化4】
【請求項10】
医薬組成物であって、
それは、請求項1-9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、ならびに一つまたは複数の種の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項11】
請求項1-9のいずれか1項に記載の式Iの化合物の用途であって、
腫瘍細胞増殖に関連する疾患を治療するための医薬組成物の調製に使用されることを特徴とする、前記請求項1-9のいずれか1項に記載の式Iの化合物の用途。
【請求項12】
請求項1-9のいずれか1項に記載の式Iの化合物の用途であって、
抗体-薬物複合体を調製するために、抗体-薬物複合体中の毒素として使用されることを特徴とする、前記請求項1-9のいずれか1項に記載の式Iの化合物の用途。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、医薬化学の分野に関し、具体的には、本発明は、腫瘍細胞増殖阻害活性を有する毒素分子を提供する。
【0002】
[背景技術]
抗体-薬物複合体(antibody drug conjugate、ADC)は、安定した化学リンカー化合物を介して、モノクローナル抗体または抗体断片を生物学的に活性な細胞毒素に接続し、正常細胞および腫瘍細胞の表面抗原結合に対する抗体の特異性および細胞障害性物質の高い効率を十分に利用し、同時に前者の治療効果が低く、後者の毒性副作用が大きい等という欠点を回避する。これは、これまでの伝統的な化学療法薬物と比較して、抗体-薬物複合体が腫瘍細胞により正確に結合し、且つ正常細胞への影響を軽減できることを意味する。
【0003】
現在、Her2を標的とするトラスツズマブおよびDM1からなるADC薬物であるKadcyla等、様々なADC薬物は、臨床または臨床研究で使用される。同時に、B7H3を標的とする抗体およびADC薬物に関する特許報告もある。
【0004】
抗体薬物複合体に使用される細胞毒性を有する小分子には、数種類があり、そのうちの一つは、カンプトテシン誘導体であり、それは、トポイソメラーゼIを阻害することにより抗腫瘍効果を有する。カンプトテシン誘導体であるエキサテカンの抗体薬物複合体(ADC)への応用は、文献で報告されているが、当技術分野では、より治療効果の高いADC薬物をさらに開発する必要がある。
【0005】
DNAトポイソメラーゼ(Topoisomerase、Topo)は、生物体内に広く存在する必須酵素の一種であり、DNA複製、転写、組換え、修復等のすべての重要な核プロセスに関与する。トポイソメラーゼによって引き起こされる一時的なDNA鎖切断の様々な形態に応じて、トポイソメラーゼを二つのカテゴリー、即ちトポイソメラーゼIおよびトポイソメラーゼIIに分類することができる。トポイソメラーゼIおよびトポイソメラーゼIIは、共にDNA複製中にスーパーコイルDNAの巻き戻しを触媒するが、トポイソメラーゼIIは、二本鎖の切断に関与し、トポイソメラーゼIは、一本鎖の切断のみを引き起こす。カンプトテシンおよびその類似体は、DNAトポイソメラーゼI-DNA複合体に可逆的に結合してカンプトテシンおよびその類似体-DNAトポイソメラーゼI-DNA三元複合体を形成することにより、進行的なもき戻しを停止させ、最終的には複製フォークと三元複合体との衝突を引き起こし、修復不可能なDNA切断が発生して、細胞死を引き起こす。
【0006】
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
本発明の目的は、抗体薬物複合体に適した毒素分子を提供することである。
【0007】
[課題を解決するための手段]
本発明の第1の態様は、以下の式(I)に示されるような化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を提供し、
【0008】
【0009】
Xは、H、OH、NH2、NHR0からなる群から選択され、
Yは、(CR1R2)nからなる群から選択され、
Zは、化学結合、C(O)、C(S)、C(NH)、S(O)2,S(O)からなる群から選択され、
R0は、C1-C8アルキル基、C1-C8ハロゲン化アルキル基、C1-C8重水素化アルキル基、C1-C8アルコキシ基、C1-C8ヒドロキシアルキル基、C3-C8シクロアルキル基または3-12員複素環基からなる群から選択され、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン、C1-C8アルキル基、C1-C8ハロゲン化アルキル基、C1-C8重水素化アルキル基、C1-C8アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1-C8ヒドロキシアルキル基、C3-C8シクロアルキル基もしくは3-12員複素環基からなる群から選択されるか、
または、R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になってC3-C8シクロアルキル基もしくは3-12員複素環基を形成し、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン、C1-C8アルキル基、C1-C8ハロゲン化アルキル基、C1-C8重水素化アルキル基からなる群から選択されるか、
または、R3およびR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、飽和または不飽和の5-12員環、飽和または不飽和の5-12員複素環からなる群から選択される構造を形成し、
nは、0、1、2または3(好ましくは0、1または2である)から選択され、
nが2、3である場合、各CR1R2は、同じであっても異なっていてもよい。
【0010】
特に明記しない限り、本発明の基は、すべて、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-C6アルキル-アミノ基、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロゲン化C1-C6アルキル基、ハロゲン化C2-C6アルケニル基、ハロゲン化C2-C6アルキニル基、ハロゲン化C1-C6アルコキシ基、アリル基、ベンジル基、C6-C12アリール基、C1-C6アルコキシ-C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ-カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-C6アルキニル-カルボニル基、C2-C6アルケニル-カルボニル基、C3-C6シクロアルキル-カルボニル基、C1-C6アルキル-スルホニル基からなる群から選択される置換基によって置換されることができる。
【0011】
別の好ましい例において、前記R3は、C1-C8アルキル基、C1-C8ハロゲン化アルキル基、C1-C8重水素化アルキル基からなる群から選択される。
【0012】
別の好ましい例において、前記R4は、水素原子、重水素原子、ハロゲンからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記化合物は、以下の式に示されるような構造を有する。
【0013】
【0014】
別の好ましい例において、前記Zは、化学結合、C(O)である。
別の好ましい例において、前記Xは、H、OH、NH2である。
別の好ましい例において、前記Yは、(CR1R2)nからなる群から選択され、
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン、C1-C8アルキル基、C1-C8ハロゲン化アルキル基、C1-C8重水素化アルキル基、C1-C8ヒドロキシアルキル基、C3-C6シクロアルキル基もしくは3-6員複素環基からなる群から選択されるか、または、R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3-C6シクロアルキル基もしくは3-6員複素環基を形成し、C1-C8アルキル基は、任意選択で、C6-C10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、C3-C6シクロアルキル基、3-6員複素環基からなる群から選択される置換基によって置換されることができる。
【0015】
nは、0、1、2または3から選択され、
nが2、3である場合、各CR1R2は、同じであっても異なっていてもよく、
別の好ましい例において、前記化合物は、以下の式に示されるような構造を有する。
【0016】
【0017】
別の好ましい例において、前記化合物は、以下の式に示されるような構造を有する。
【0018】
【0019】
本発明の第2の態様は、本発明の第2の態様のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、ならびに一つまたは複数の種の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0020】
本発明の第3の態様は、腫瘍細胞増殖に関連する疾患を治療するための医薬組成物の調製に使用される、本発明の第1の態様に記載の式Iの化合物の用途を提供する。
【0021】
別の好ましい例において、前記疾患は、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肺がん、子宮がん、前立腺がん、腎臓がん、尿路がん、膀胱がん、肝臓がん、胃がん、子宮内膜がん、唾液腺がん、食道がん、黒色腫、神経膠腫、神経芽腫、肉腫、咽頭がん、肺がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、白血病、骨がん、皮膚がん、甲状腺がん、膵臓がん、リンパ腫からなる群から選択される。
【0022】
本発明の第4の態様は、抗体-薬物複合体を調製するために、抗体-薬物複合体中の毒素として使用されることを特徴とする、本発明の第1の態様中に記載の式Iの化合物の用途を提供する。
【0023】
[発明の効果]
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者らは、長期にわたる徹底的な研究の結果、予想外に式Iに示されるような化合物を発見した。前記化合物は、腫瘍細胞の増殖を阻害する予期せぬ活性を有しており、腫瘍細胞の増殖に関連する疾患の治療に使用されることができる。上記の発見に基づいて、本発明者らは本発明を完成させた。
【0025】
定義
本明細書で使用されるように、「アルキル基」という用語は、直鎖または分岐鎖のアルキル基を含む。例えば、C1-C8アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基等の1~8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。
【0026】
本明細書で使用されるように、「アルケニル基」という用語は、直鎖または分岐鎖のアルケニル基を含む。例えば、C2-C6アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、または類似基等の2~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルケニル基を指す。
【0027】
本明細書で使用されるように、「アルキニル基」という用語は、直鎖または分岐鎖のアルキニル基を含む。例えば、C2-C6アルキニル基とは、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、または類似基等の、2~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキニル基を指す。
【0028】
本明細書で使用されるように、「C3-C10シクロアルキル基」という用語は、3~10個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または類似基等の単環式であり得る。架橋環またはスピロ環形態の等の二環式形態であり得る。
【0029】
本明細書で使用されるように、「C1-C8アルキルアミノ基」という用語は、C1-C8アルキル基によって置換されたアミノ基を指し、一置換または二置換であり得、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジt-ブチルアミノ基等である。
【0030】
本明細書で使用されるように、「C1-C8アルコキシ基」という用語は、1~8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を指し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基等である。
【0031】
本明細書で使用されるように、「N、SおよびOからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~10員ヘテロシクロアルキル基」という用語は、3~10個の原子を有し、且つそのうちの1~3個の原子がN、SおよびOからなる群から選択されるヘテロ原子の飽和または部分飽和の環状基を指す。それは、単環式または架橋環またはスピロ環形態の二環式形態であり得る。具体的な例としては、オキセタン、アゼチジン、テトラヒドロ-2H-ピラニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロフラニル基、モルホリニル基およびピロリジニル基等であり得る。
【0032】
本明細書で使用されるように、「C6-C10アリール基」という用語は、フェニル基またはナフチル基等の類似基の6~10個の炭素原子を有するアリール基を指す。
【0033】
本明細書で使用されるように、「N、SおよびOからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール基」という用語は、5~10個の原子を有し、且つそのうちの1~3個の原子がN、SおよびOからなる群から選択されるヘテロ原子である環状芳香族基を指す。単環式または縮合環形態であり得る。具体的な例は、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、(1,2,3)-トリアゾリル基および(1,2,4)-トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基等であり得る。
【0034】
本発明に記載の基は、「置換または非置換」であると特に明記しない限り、本発明の基は、すべてハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-C6アルキル-アミノ基、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロゲン化C1-C6アルキル基、ハロゲン化C2-C6アルケニル基、ハロゲン化C2-C6アルキニル基、ハロゲン化C1-C6アルコキシ基、アリル基、ベンジル基、C6-C12アリール基、C1-C6アルコキシ-C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ-カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-C6アルキニル-カルボニル基、C2-C6アルケニル-カルボニル基、C3-C6シクロアルキル-カルボニル基、C1-C6アルキル-スルホニル基等からなる群から選択される置換基によって置換されることができる。
【0035】
本明細書で使用されるように、「ハロゲン」または「ハロゲン原子」とは、F、Cl、Br、およびIを指す。より好ましくは、ハロゲンまたはハロゲン原子は、F、ClおよびBrから選択される。「ハロゲン化」とは、F、Cl、Br、およびIから選択される原子によって置換されることを指す。
【0036】
特に明記しない限り、本発明に記載の構造式は、非対称中心を含むR、S配置、二重結合の(Z)、(E)異性体などのすべての異性体形態(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または配座異性体))を含むことを意図している。従って、本発明の化合物の個々の立体化学異性体またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体(または配座異性体)の混合物は、すべて本発明の範囲内である。
【0037】
本明細書で使用されるように、「互変異性体」という用語は、異なるエネルギーの構造異性体が低エネルギー障壁を超えて相互変換できることを表す。例えば、プロトン互変異性体(即ち、プロトン化)は、1H-インダゾールおよび2H-インダゾール等のプロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子再結合による相互変換を含む。
【0038】
本明細書で使用されるように、「水和物」という用語は、本発明の化合物が水と配位して形成される錯体を指す。
本出願の化合物は、以下に列挙される具体的な実施形態、具体的な実施形態と他の化学合成方法とを組み合わせることによって形成される実施形態、ならびに当業者に周知の同等の置換方法を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって調製されることができ、好ましい実施形態は、本出願の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0039】
本出願で使用される溶媒は、市販されており、化合物は、人工またはChemDraw(登録商標)ソフトウェアによって命名され、市販の化合物は、サプライヤーのカタログ名が使用される。
【0040】
化合物の調製
本発明の化合物は、以下の一般的な方法によって調製されることができる。
【0041】
調製方法1:
【0042】
【0043】
式Ia化合物を五硫化リンまたはローソン試薬と反応させて、式Iの化合物を得る。
調製方法2:
【0044】
【0045】
式IIaの化合物中のヒドロキシル基を保護基(PG1)で保護した後、五硫化リンまたはローソン試薬と反応させて、式IIcの化合物を得る。次いでIIcおよびIIdを脱水縮合および脱保護基(PG1およびPG2)反応を受けて、式IIfの化合物を得る。最後に、IIfからの変換により、式Iの化合物を得る。
【0046】
医薬組成物和施用方法
本発明の化合物は、優れた腫瘍細胞増殖の阻害活性を有するため、本発明の化合物およびその様々な結晶形、薬学的に許容される無機または有機塩、水和物または溶媒和物、ならびに本発明の化合物を主な有効成分として含有する医薬組成物は、腫瘍細胞増殖に関連する疾患の予防および/または治療(安定、軽減または治癒)に使用されることができる。
【0047】
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効量の範囲内の本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。ここで、「安全かつ有効量」とは、深刻な副作用を引き起こさずに病状を明らかに改善するのに十分な化合物の量を指す。通常、医薬組成物は、1~2000mgの本発明の化合物/剤、より好ましくは、1~200mgの本発明の化合物/剤を含む。好ましくは、前記「1剤」は、一つのカプセルまたは錠剤である。
【0048】
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトへの使用に適し、十分な純度および十分に低い毒性を有していなければならない、一つまたは複数の適合性固体または液体の充填剤またはゲル物質を指す。「適合性」とは、組成物の各成分が、本発明の化合物およびそれらの間で、化合物の効力を顕著に低下させることなく、互いにブレンドすることができることを指す。薬学的に許容される担体の一部の例としては、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース等)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ごま油、落花生油、オリーブ油等)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等)、乳化剤(例えば、トゥイーン(登録商標))、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香味剤、安定剤、抗酸化剤、防腐剤、パイロジェンフリー水等を含む。
【0049】
本発明の化合物または医薬組成物の投与方式は、特に限定されず、代表的な投与方式は、経口、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)を含む(これらに限定されない)。
【0050】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤および顆粒剤を含む。これらの固形剤形において、活性化合物は、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも一つの従来の不活性賦形剤(または担体)と混合されるか、または(a)テンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸等の充填剤または相溶化剤、(b)ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴム等の結合剤、(c)グリセリン等の保湿剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモテンプンジャガイモデンプンまたはタピオカテンプンタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(e)パラフィン等のリターダー、(f)第四級アミン化合物等の吸収促進剤、(g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリル等の湿潤剤、(h)カオリン等の吸着剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム)、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の潤滑剤、またはその混合物等の成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形は、緩衝剤も含むことができる。
【0051】
錠剤、シュガーピル、カプセル剤、丸剤および顆粒剤等の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび当技術分野で公知の他の材料等の、コーティングおよびシェル材料を用いて調製することができる。それらは、乳白剤を含むことができ、また、このような組成物の活性化合物または化合物の放出は、消化管の特定の部分で遅延的な方式で放出することができる。使用可能な埋め込み成分の例としては、高分子物質およびワックスである。必要に応じて、活性化合物は、一つまたは複数の上記賦形剤とマイクロカプセルを形成することができる。
【0052】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳濁液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒等の当技術分野で従来から使用される不活性希釈剤、および例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、蓖麻子油およびごま油またはこれらの物質の混合物等の可溶化剤および乳化剤を含むことができる。
【0053】
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤和香料等の補助剤も含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよび脱水ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメトキシドおよび寒天またはこれらの物質の混合物等の懸濁剤を含むことができる。
【0054】
非経口注射用の組成物は、生理学的に許容される滅菌含水または無水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌注射可能な溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含むことができる。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、ポリオールおよびその適切な混合物を含む。
【0055】
本発明の化合物は、単独で、または他の薬学的に許容される治療剤と併用して投与することができる。
併用して投与する場合、前記医薬組成物は、一つまたは複数の種(2種、3種、4種、またはそれ以上)の他の薬学的に許容される治療剤をさらに含む。当該他の薬学的に許容される治療剤のうちの一つまたは複数の種(2種、3種、4種、またはそれ以上)を本発明の化合物と同時に、別々にまたは連続してサイトカインおよび/またはインターフェロン介在性疾患を予防および/または治療するために使用されることができる。
【0056】
医薬組成物が使用される場合、安全かつ流行量の本発明の化合物が、治療を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)に適用され、ここで、投与時の投与量は、考慮される有効用量であり、体重60kgの人の場合、一日量は、通常1~2000mg、好ましくは、1~500mgである。もちろん、具体的な投与量は、投与経路、患者の健康状況等の要因も考慮に入れる必要があり、これらは、すべて熟練した医師のスキルの範囲内である。
【0057】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてさらに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常従来の条件または製造業者によって提案された条件に従う。特に明記されない限り、パーセンテージと部数とは、重量で計算される。
【0058】
実施例
実施例1
【0059】
【0060】
第一段階
1a(1.95g、7.40mmol)、イミダゾール(2.52g、37.00mmol)を三口フラスコ(100mL)に順次に入れ、窒素ガス置換後、三口フラスコに入無水N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)を加え、0℃に冷却し、反応系にトリエチルクロロシラン(4.45g、29.60mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(0.90g、7.40mmol)を順次に加え、0℃下で2時間反応させ続け、反応系を酢酸エチル(200mL)で希釈し、飽和食塩水(25mL×4)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0-100%)によって精製して、1b-1(0.90g)および1b-2(1.50g)を得、総収率:73%。
【0061】
1b-1:
MS-ESI計算値[M+H]+ 378、実測値378。
1b-2:
MS-ESI計算値[M+H]+ 492、実測値378(一つの分子TESを除去する)。
【0062】
第二段階
1b-2(1.10g、2.20mmol)、ローソン試薬(1.80g、4.40mmol)を三口フラスコ(100mL)に順次に入れ、窒素ガス置換後、三口フラスコに無水トルエン(30mL)を加え、混合系を90℃に昇温させ、攪拌しながら5-6時間反応させる。反応系を酢酸エチル(200mL)で希釈し、有機相を飽和食塩水(25mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0-100%)によって精製して、1c(620mg)を得、収率:51%。
【0063】
MS-ESI計算値[M+H]+ 394、実測値394。
第三段階
1c(620mg、1.10mmol)、1d(380mg、1.54mmol)、p-トルエンスルホン酸ピリジン(166mg、0.66mmol)を単口ボトル(100mL)に順次に入れ、無水トルエン(30mL)を加え、窒素ガスを置換した後、120℃に昇温させて24時間反応させた後、反応系に1d(60mg)およびp-トルエンスルホン酸ピリジン(90mg)を追加し、引き続き120℃に昇温させて20時間反応させ、減圧下で反応系を濃縮して、残留物を得、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=0-100%)によって精製して、1e(260mg)を得、収率:48%。
【0064】
MS-ESI計算値[M+H]+ 494、実測値494。
第四段階
1e(80mg、0.16mmol)を単口ボトル(100mL)に秤量し、反応系に6N塩酸水溶液(27mL)を加え、110℃に昇温させて4時間反応させ、反応系をろ過して不溶物を除去し、減圧下でろ液を濃縮して、粗生成物1f(50mg)を得る。
【0065】
MS-ESI計算値[M+H]+ 452、実測値452。
第五段階
単口ボトル(25mL)に1f(20mg、0.04mmol)および1.2mg/mLのグリコール酸のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2.00mL、0.032mmol)を順次に加え、反応系を0℃に冷却し、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(11mg、0.08mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(16mg、0.04mmol)を順次に加え、0.5時間反応させた後に1.2mg/mLのグリコール酸のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(0.20mL、0.003mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(1mg)を追加し、1時間反応させ続けた後、反応系を酢酸エチル(80mL)で希釈し、有機相を0.5N希塩酸(5mL×1)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL×2)および飽和食塩水(10mL×5)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物1-1(2mg)および1-2(5mg)を得、総収率:34%。
【0066】
1-1:
MS-ESI計算値[M+H]+ 510、実測値510。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.54(d,J=8.8Hz,1H),7.82(d,J=10.8Hz,1H),7.80(s,1H),5.92(d,J=16.8Hz,1H),5.69-5.60(m,1H),5.53(d,J=20.4Hz,1H),5.52(d,J=16.4Hz,1H),5.35(d,J=20.0Hz,1H),4.15-3.98(m,2H),3.30-3.22(m,1H),3.19-3.09(m,1H),2.40(s,3H),2.26-2.14(m,2H),1.96-1.84(m,2H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
1-2:
MS-ESI計算値[M+H]+ 510、実測値510。
【0067】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.54(d,J=9.2Hz,1H),7.81(d,J=11.2Hz,1H),7.80(s,1H),6.69(s,1H),5.92(d,J=16.8Hz,1H),5.69-5.62(m,1H),5.62-5.56(m,1H),5.55-5.47(m,2H),5.33(d,J=20.0Hz,1H),4.16-3.98(m,2H),3.30-3.20(m,1H),3.16-3.07(m,1H),2.39(s,3H),2.26-2.15(m,2H),1.95-1.85(m,2H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
実施例2
【0068】
【0069】
第一段階
粗生成物1f(15.00g)を分取HPLCによって分離および精製して、2-1(2.80g)および2-2(4.00g)を得、調製収率:45%。
【0070】
2-1:
MS-ESI計算値[M+H]+ 452、実測値452。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.82-7.73(m,2H),6.70(s,1H),5.92(d,J=16.8Hz,1H),5.86(d,J=20.4Hz,1H),5.59(d,J=20.4Hz,1H),5.52(d,J=16.4Hz,1H),4.45-4.37(m,1H),3.30-3.19(m,1H),3.10-2.98(m,1H),2.40(s,3H),2.25-2.12(m,1H),2.08-1.96(m,1H),1.95-1.82(m,2H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
2-2:
MS-ESI計算値[M+H]+ 452、実測値452。
【0071】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.51(d,J=4.4Hz,1H),7.92(d,J=10.4Hz,1H),7.84(s,1H),6.02(d,J=20.0Hz,1H),5.95(d,J=16.4Hz,1H),5.70(d,J=20.0Hz,1H),5.53(d,J=16.8Hz,1H),5.23-5.15(m,1H),3.36-3.25(m,1H),3.20-3.07(m,1H),2.60-2.51(m,1H),2.42(s,3H),2.25-2.12(m,1H),1.98-1.82(m,1H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
実施例3
【0072】
【0073】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(20mg、0.04mmol)、ジクロロメタン(2mL)、トリエチルアミン(25μL、0.18mmol)を順次に加え、無水酢酸(19μL、0.20mmol)を滴下し、室温下で攪拌しながら1時間反応させる。反応液を直接ろ過し、フィルターケーキをジクロロメタン溶液(5mL)ですすぎ、フィルターケーキを収集し、乾燥させて、化合物3(10mg)を得、収率:46%。
【0074】
MS-ESI計算値[M+H]+ 494、実測値494。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.59(d,J=8.8Hz,1H),7.84(d,J=10.8Hz,1H),7.79(s,1H),6.71(s,1H),5.91(d,J=16.8Hz,1H),5.62-5.57(m,1H),5.56-5.48(m,2H),5.41(d,J=20.0Hz,1H),3.26-3.12(m,2H),2.41(s,3H),2.22-2.10(m,2H),2.00(s,3H),1.92-1.86(m,2H),0.85(t,J=7.2Hz,3H).
実施例4
【0075】
【0076】
第一段階
単口ボトル(100mL)に2-2(4.00g、8.86mmol)、無水ジクロロメタン(30mL)およびトリエチルアミン(3.58g、35.44mmol)を順次に加え、無水酢酸(3.70g、36.28mmol)を上記の反応液に滴下し、室温下で攪拌しながら1.5時間反応させる。反応液を直接ろ過し、フィルターケーキをジクロロメタン(20mL)ですすぎ、フィルターケーキを収集し、乾燥させて、化合物4(4.26g)を得、収率:96%。
【0077】
MS-ESI計算値[M+H]+ 494、実測値494。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.58(d,J=8.8Hz,1H),7.83-7.77(m,2H),6.70(s,1H),5.91(d,J=16.8Hz,1H),5.61-5.55(m,1H),5.55-5.51(m,1H),5.49(d,J=12.0Hz,1H),5.32(d,J=19.6Hz,1H),3.28-3.07(m,2H),2.37(s,3H),2.26-2.04(m,2H),2.01(s,3H),1.96-1.84(m,2H),0.88(t,J=7.2Hz,3H).
実施例5
【0078】
【0079】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(20mg、0.04mmol)、2-ヒドロキシ-2-フェニル酢酸(13mg、0.09mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.12mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(23mg、0.06mmol)を順次に加え、引き続き攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(50mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、15mL×4)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物5(5mg)を得、収率:19%。
【0080】
MS-ESI計算値[M+H]+ 586、実測値586。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.76-8.70(m,1H),7.88-7.82(m,1H),7.803(s,0.5H),7.800(s,0.5H),7.56(d,J=7.2Hz,1H),7.46(d,J=6.8Hz,1H),7.35-7.31(m,2H),7.29-7.26(m,1H),6.72(s,1H),6.33-6.18(m,1H),5.93(d,J=16.8Hz,0.5H),5.92(d,J=16.4Hz,0.5H),5.56-5.47(m,4H),5.17-5.02(m,1H),3.17-3.13(m,2H),2.41(s,3H),2.17-2.10(m,2H),1.94-1.87(m,2H),0.87(t,J=7.2Hz,3H).
実施例6
【0081】
【0082】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(60mg、0.13mmol)、2-ヒドロキシ-2-フェニル酢酸(40mg、0.27mmol)および無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(52mg、0.40mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(76mg、0.20mmol)を順次に加え、攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(10mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(200mL×1)で抽出し、有機相を飽和食塩水(25mL×4)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物6(65mg)を得、収率:83%。
【0083】
MS-ESI計算値[M+H]+ 586、実測値586。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.80-8.70(m,1H),7.87-7.81(m,1H),7.81(s,0.5H),7.80(s,0.5H),7.57(d,J=7.2Hz,1H),7.46(d,J=7.2Hz,1H),7.37-7.30(m,2H),7.30-7.23(m,1H),6.71(s,1H),6.35-6.17(m,1H),5.95(d,J=16.4Hz,0.5H),5.93(d,J=16.4Hz,0.5H),5.65-5.35(m,4H),5.15-5.02(m,1H),3.22-3.06(m,2H),2.39(s,3H),2.19-2.05(m,2H),1.96-1.85(m,2H),0.87(t,J=7.2Hz,3H).
実施例7
【0084】
【0085】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(20mg、0.04mmol)、2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオン酸(15mg、0.09mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.12mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(23mg、0.06mmol)を順次に加え、攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(50mL)を加え、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、15mL×4)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物7(15mg)を得、収率:56%。
【0086】
MS-ESI計算値[M+H]+ 600、実測値600。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.57(d,J=8.8Hz,0.5H),8.39(d,J=8.8Hz,0.5H),7.85-7.82(m,1H),7.80(d,J=8.0Hz,1H),7.30-7.28(m,1H),7.25-7.22(m,1H),7.20-7.15(m,3H),7.13-7.07(m,1H),6.72(d,J=4.0Hz,1H),5.94-5.89(m,1H),5.56-5.51(m,2H),5.43-5.38(m,2H),4.36-4.31(m,0.5H),4.24-4.19(m,0.5H),3.18-3.05(m,4H),2.40(s,3H),2.17-2.12(m,2H),1.93-1.87(m,2H),0.88-0.85(m,3H).
実施例8
【0087】
【0088】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(65mg、0.14mmol)、2-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオン酸(48mg、0.29mmol)および無水ジクロロメタン(2mL)を順次に加え、引き続き反応液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(55mg、0.43mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(84mg、0.22mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(10mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、150mL×1)で抽出し、有機相を飽和食塩水(25mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物8(55mg)を得、収率:64%。
【0089】
MS-ESI計算値[M+H]+ 600、実測値600。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.60(d,J=9.2Hz,0.5H),8.39(d,J=8.8Hz,0.5H),7.85-7.76(m,2H),7.34-7.07(m,6H),6.71(s,0.5H),6.70(s,0.5H),5.98-5.87(m,1H),5.75-5.50(m,3H),5.42-5.38(m,1H),4.40-4.30(m,0.5H),4.26-4.15(m,0.5H),3.21-3.04(m,4H),2.38(s,3H),2.20-2.00(m,2H),1.96-1.82(m,2H),0.91-0.81(m,3H).
実施例9
【0090】
【0091】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(40mg、0.09mmol)、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオン酸(14mg、0.13mmol)、無水ジクロロメタン(5mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(29mg、0.22mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(51mg、0.13mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら1時間反応させる。反応系に水(10mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタン(20mL×5)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物9(10mg)を得、収率:21%。
【0092】
MS-ESI計算値[M+H]+ 538、実測値538。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.45(d,J=9.2Hz,1H),7.82(d,J=11.2Hz,1H),7.79(s,1H),6.71(s,1H),5.90(d,J=16.4Hz,1H),5.62-5.50(m,4H),5.36-5.28(m,1H),3.32-3.20(m,1H),3.18-3.04(m,1H),2.39(s,3H),2.24-2.13(m,2H),1.93-1.79(m,2H),1.53(s,3H),1.37(s,3H),0.90-0.81(m,3H).
実施例10
【0093】
【0094】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(50mg、0.11mmol)、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオン酸(17mg、0.17mmol)、無水ジクロロメタン(5mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(36mg、0.28mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(63mg、0.17mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら1時間反応させる。反応系に水(15mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物10(30mg)を得、収率:51%。
【0095】
MS-ESI計算値[M+H]+ 538、実測値538。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.46(d,J=9.2Hz,1H),7.83-7.74(m,2H),6.71(s,1H),5.91(d,J=16.4Hz,1H),5.64-5.44(m,4H),5.24(d,J=20.0Hz,1H),3.29-3.18(m,1H),3.17-3.08(m,1H),2.37(s,3H),2.22-2.09(m,2H),1.96-1.85(m,2H),1.55(s,3H),1.37(s,3H),0.87(t,J=7.2Hz,3H).
実施例11
【0096】
【0097】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(20mg、0.04mmol)、3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロピオン酸(13mg、0.09mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.12mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(23mg、0.06mmol)を順次に加え、攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(30mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、15mL×4)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物11-1(2mg)(小極性)および11-2(5mg)(大極性)を得、総収率:27%。
【0098】
11-1:
MS-ESI計算値[M+H]+ 578、実測値578。
11-2:
MS-ESI計算値[M+H]+ 578、実測値578。
【0099】
実施例12
【0100】
【0101】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(50mg、0.11mmol)、3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピオン酸(23.9mg、0.17mmol)および無水ジクロロメタン(4mL)を順次に加え、反応溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(35.8mg、0.28mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(75mg、0.19mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら4時間反応させる。反応系に水(15mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、10mL×6)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物12-1(15mg)(小極性)および12-2(6mg)(大極性)を得、総収率:32%。
【0102】
12-1:
MS-ESI計算値[M+H]+ 578、実測値578。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.01(d,J=8.8Hz,1H),7.83(d,J=10.8Hz,1H),7.81(s,1H),7.36(br s,1H),6.70(br s,1H),5.92(d,J=16.4Hz,1H),5.67-5.59(m,2H),5.52(d,J=16.4Hz,1H),5.41(s,2H),4.73-4.61(m,1H),3.18(t,J=6.4Hz,2H),2.40(s,3H),2.31-2.21(m,1H),2.20-2.10(m,1H),1.96-1.84(m,2H),0.87(t,J=7.2Hz,3H).
12-2:
MS-ESI計算値[M+H]+ 578、実測値578。
【0103】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.97(d,J=8.4Hz,1H),7.85(d,J=10.8Hz,1H),7.80(s,1H),7.17-7.09(m,1H),6.72(br s,1H),5.91(d,J=16.4Hz,1H),5.68-5.59(m,1H),5.58-5.33(m,3H),4.66-4.55(m,1H),3.20-3.12(m,2H),2.40(s,3H),2.28-2.09(m,2H),1.93-1.83(m,2H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
実施例13
【0104】
【0105】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(20mg、0.04mmol)、N-t-ブトキシカルボニルグリシン(16mg、0.09mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.12mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(23mg、0.06mmol)を順次に加え、攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(40mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、15mL×4)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物13a(15mg)を得、収率:56%。
【0106】
MS-ESI計算値[M+H]+ 609、実測値609。
第二段階
13a(15mg、0.02mmol)、酢酸エチル(2mL)を単口ボトル(25mL)に順次に加え、反応系に塩化水素酢酸エチル溶液(4.0M、2mL)を滴下し、室温下で攪拌しながら7時間反応させた後、塩化水素ジオキサン溶液(4.0M、1mL)を滴下し、室温下で引き続き攪拌しながら1時間反応させる。反応液を氷飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)に泡が出なくなるまでゆっくりと加え、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、30mL×6)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取HPLCによって精製して、化合物13(2mg)を得、収率:15%。
【0107】
MS-ESI計算値[M+H]+ 509、実測値509。
実施例14
【0108】
【0109】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(100mg、0.22mmol)、N-t-ブトキシカルボニルグリシン(77mg、0.44mmol)および無水ジクロロメタン(4mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(85mg、0.66mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(100mg、0.26mmol)を順次に加え、攪拌しながら1時間反応させる。反応系に水(10mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、150mL×1)で抽出し、有機相を飽和食塩水(25mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、粗生成物14a(140mg)を得る。
【0110】
MS-ESI計算値[M+H]+ 609、実測値609。
第二段階
粗生成物14a(125mg)を酢酸エチル(4mL)に溶解し、塩化水素酢酸エチル溶液(4.0M、4mL)を上記の溶液に滴下し、室温下で攪拌しながら17時間反応させる。反応液を氷飽和重炭酸ナトリウム水溶液にゆっくりと加えてpHを8-9に調節し、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、200mL×3)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物をアセトニトリル(2mL)でスラリー化して、14(60mg)を得、二段階収率:54%。
【0111】
MS-ESI計算値[M+H]+ 509、実測値509。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.60(br s,1H),7.82(d,J=10.8Hz,1H),7.79(s,1H),6.71(br s,1H),5.90(d,J=16.8Hz,1H),5.66-5.58(m,1H),5.56-5.45(m,2H),5.41-5.37(m,1H),3.30-3.10(m,4H),2.38(s,3H),2.24-2.14(m,2H),1.96-1.82(m,2H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
実施例15
【0112】
【0113】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(30mg、0.07mmol)、4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(28mg、0.14mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を順次に加え、室温下で、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(37μL、0.21mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(40mg、0.11mmol)を順次に加え、攪拌しながら1.5時間反応させる。反応系に水(50mL)を加え、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、15mL×4)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物15a(17mg)を得、収率:40%。
【0114】
MS-ESI計算値[M+H]+ 637、実測値637。
第二段階
15a(17mg、0.03mmol)、ジオキサン(1mL)を単口ボトル(25mL)に順次に加え、反応系に塩化水素ジオキサン溶液(4M、4mL)を滴下し、室温下で攪拌しながら1時間反応させる。反応液を氷飽和重炭酸ナトリウム水溶液(60mL)に泡が出なくなるまでゆっくりと加え、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、30mL×6)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、残留物を分取HPLCによって精製して、化合物15(3mg)を得、収率:21%。
【0115】
MS-ESI計算値[M+H]+ 537、実測値537。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.67(d,J=8.8Hz,1H),8.37(s,1H),7.85(d,J=10.8Hz,1H),7.80(s,1H),6.73(br s,1H),5.91(d,J=16.8Hz,1H),5.64-5.59(m,1H),5.53-5.45(m,3H),3.25-3.10(m,2H),2.79-2.75(m,2H),2.41(s,3H),2.35-2.32(m,2H),2.24-2.11(m,2H),1.92-1.80(m,4H),0.85(t,J=7.2Hz,3H).
実施例16
【0116】
【0117】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(100mg、0.22mmol)、4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(90mg、0.44mmol)および無水ジクロロメタン(5mL)を順次に加え、反応溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(86mg、0.66mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(121mg、0.32mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら4時間反応させる。反応系に水(30mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、50mL×4)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=0-100%)によって精製して、16a(106mg)を得、収率:75%。
【0118】
MS-ESI計算値[M+H]+ 637、実測値637。
第二段階
単口ボトル(25mL)に16a(106mg、0.17mmol)および酢酸エチル(5mL)を順次に加え、塩化水素酢酸エチル溶液(4.0M、5mL)を上記の溶液に滴下し、室温下で攪拌しながら17時間反応させる。減圧下で反応液を濃縮して、残留物を得る。残留物に飽和炭酸ナトリウム溶液を加えてpHを塩基性に調節し、水相をジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、50mL×4)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を分取HPLCによって分離および精製して、化合物16(4mg)を得、収率:4%。
【0119】
MS-ESI計算値[M+H]+ 537、実測値537。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.73(d,J=8.8Hz,1H),8.39(br s,1H),7.83(d,J=10.8Hz,1H),7.80(s,1H),5.91(d,J=16.4Hz,1H),5.64-5.56(m,1H),5.55-5.34(m,3H),3.19-3.10(m,2H),2.80(t,J=7.6Hz,2H),2.39(s,3H),2.35(t,J=7.2Hz,2H),2.25-2.05(m,2H),2.04-1.93(m,1H),1.94-1.80(m,3H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
実施例17
【0120】
【0121】
第一段階
単口ボトル(25mL)に1f(100mg、0.22mmol)、1-ヒドロキシ-1-シクロプロパンカルボン酸(45mg、0.44mmol)、無水ジクロロメタン(3mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(85mg、0.66mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(108mg、0.29mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら3時間反応させる。反応系に水(15mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタン(150mL×1)で抽出し、有機相を合併し、有機相を飽和食塩水(15mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取HPLCによって分離および精製して、化合物17(12mg)を得、収率:10%。
【0122】
MS-ESI計算値[M+H]+ 536、実測値536。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.62(d,J=8.8Hz,1H),7.84-7.79(m,1H),7.79(s,1H),6.70(s,1H),6.27(s,1H),5.91(d,J=16.8Hz,1H),5.66-5.57(m,1H),5.56-5.46(m,2H),5.35-5.24(m,1H),3.32-3.21(m,1H),3.20-3.05(m,1H),2.39(s,3H),2.35-2.15(m,2H),1.38-1.15(m,2H),1.04-0.90(m,2H),0.85(t,J=7.2Hz,3H).
実施例18
【0123】
【0124】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-2(70mg、0.16mmol)、1-ヒドロキシ-1-シクロプロパンカルボン酸(33mg、0.32mmol)および無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を順次に加え、混合溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(60mg、0.47mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(91mg、0.24mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら3時間反応させる。反応系に水(15mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(150mL×1)で抽出し、有機相を飽和食塩水(25mL×5)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物18(28mg)を得、収率:34%。
【0125】
MS-ESI計算値[M+H]+ 536、実測値536。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.65(d,J=9.2Hz,1H),7.81(d,J=11.2Hz,1H),7.79(s,1H),6.70(s,1H),6.29(s,1H),5.92(d,J=16.8Hz,1H),5.66-5.58(m,1H),5.56-5.46(m,2H),5.92(d,J=20.0Hz,1H),3.32-3.20(m,1H),3.20-3.05(m,1H),2.39(s,3H),1.95-1.84(m,2H),1.38-1.16(m,2H),1.05-0.90(m,2H),0.86(t,J=7.2Hz,3H).
実施例19
【0126】
【0127】
第一段階
単口ボトル(25mL)に2-1(30mg、0.07mmol)、3-シクロプロピル-2-ヒドロキシプロピオン酸(22mg、0.17mmol)、無水ジクロロメタン(3mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(23mg、0.18mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(42mg、0.11mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら1時間反応させる。減圧下で反応液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物19(6mg)を得、収率:16%。
【0128】
MS-ESI計算値[M+H]+ 564、実測値564。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.50(d,J=8.8Hz,1H),7.81(d,J=10.8Hz,1H),7.79(s,1H),6.71(s,1H),5.90(d,J=16.4Hz,1H),5.63-5.55(m,1H),5.62-5.46(m,3H),5.35(d,J=20.0Hz,1H),4.27-4.05(m,1H),3.29-3.20(m,1H),3.19-3.05(m,1H),2.40(s,3H),2.29-2.08(m,2H),1.74-1.63(m,2H),1.72-1.62(m,1H),1.62-1.49(m,1H),0.97-0.89(m,1H),0.85(t,J=7.4Hz,3H),0.50-0.28(m,2H),0.20-0.02(m,2H).
実施例20
【0129】
【0130】
第一段階
単口ボトル(25mL)に20a(500mg、3.87mmol)、水(4mL)および氷酢酸(930mg、15.48mmol)を順次に加え、混合系を0-5℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム水溶液(2mL、7.7mmol/mL)をゆっくりと滴下し、滴下完了後に室温に戻し、引き続き攪拌しながら3時間反応させる。反応系を酢酸エチル(20mL×5)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、粗生成物20b(200mg)を得る。
【0131】
第二段階
単口ボトル(25mL)に2-2(30mg、0.07mmol)、20b(90mg、0.69mmol)、無水ジクロロメタン(5mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(15.2mg、0.28mmol)および2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(34mg、0.09mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら1時間反応させる。反応系に水(10mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物20(5mg)を得、収率:13%。
【0132】
MS-ESI計算値[M+H]+ 564、実測値564。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.51(d,J=8.8Hz,1H),7.78-7.65(m,2H),6.69(s,1H),5.86(d,J=16.4Hz,1H),5.66(d,J=5.6Hz,1H),5.60-5.34(m,3H),5.20(d,J=20.0Hz,1H),4.10-3.91(m,1H),3.25-3.13(m,1H),3.13-2.99(m,1H),2.31(s,3H),2.12(q,J=6.8Hz,2H),1.99-1.75(m,3H),1.63-1.42(m,1H),0.95-0.86(m,1H),0.83(t,J=7.3Hz,3H),0.50-0.26(m,2H),0.19-0.07(m,2H).
実施例21
【0133】
【0134】
第一段階
単口ボトル(25mL)に21a(800mg、3.72mmol)および酢酸エチル(4mL)を順次に加え、塩化水素酢酸エチル溶液(4.0M、7.4mL)を上記の溶液に滴下し、室温下で攪拌しながら17時間反応させる。反応液を直接ろ過し、フィルターケーキを酢酸エチル(5mL)ですすぎ、フィルターケーキを収集し、乾燥させて、化合物21b(570mg)を得、収率:99%。
【0135】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.63(br s,1H),8.52(s,3H),3.22(d,J=8.8Hz,1H),1.16-1.02(m,1H),0.68-0.50(m,4H).
第二段階
21b(330mg、2.20mmol)を希硫酸(2.0N、4.4mL)に溶解し、混合系を0-5℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム水溶液(5mL、4.4mmol/mL)をゆっくりと滴下し、滴下完了後に室温にゆっくりと戻し、引き続き攪拌しながら一晩反応させる。反応系に飽和状態まで塩化ナトリウムを加え、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合併し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、粗生成物21c(150mg)を得る。
【0136】
第三段階
単口ボトル(25mL)に2-2(100mg、0.22mmol)、粗生成物21c(130mg)および無水ジクロロメタン(5mL)を順次に加え、反応系にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(113mg、0.88mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロリン酸(125mg、0.33mmol)を順次に加え、室温下で攪拌しながら2時間反応させる。反応系にジクロロメタンおよびメタノールの混合溶媒(Vジクロロメタン:Vメタノール=10:1、200mL)を加えて希釈し、有機相を希塩酸(1.0N、20mL×1)および飽和食塩水(20mL×2)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にろ過し、減圧下でろ液を濃縮して、残留物を得、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン)によって精製して、化合物21(5mg)を得、収率:4%。
【0137】
MS-ESI計算値[M+H]+ 550、実測値550。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.75(d,J=8.8Hz,1H),7.85(d,J=10.4Hz,1H),7.80(S,1H),6.69(s,1H),5.92(d,J=16.4Hz,1H),5.64-5.56(m,1H),5.56-5.46(m,2H),5.43-5.34(m,1H),4.66-4.60(m,1H),3.48-3.30(m,1H),3.22-3.12(m,1H),2.41(s,3H),2.26-2.10(m,2H),1.94-1.82(m,2H),1.11-1.05(m,1H),0.90-0.72(m,7H).
生物学的活性試験
細胞増殖阻害実験
対数増殖期のKPL-4腫瘍細胞を取り、新鮮なRPMI1640培地で細胞を再懸濁し、計数し、且つ細胞懸濁液を2×104細胞/mLに調整する。細胞懸濁液を96ウェル細胞培養プレートに100μL/ウェルで接種し、二酸化炭素インキュベーター(37℃、5%CO2)で一晩培養する。翌日、細胞を接種した96ウェルプレートの一つを取り出し、室温に平衡化した後、予め室温に平衡化してよく混合したCellTiter-Glo試薬(Promega、USA)100μLを試験プレートの各ウェルに加え、暗所で30分間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーで発光値(G0値として表示する)を読み取り、別の平行プレートを取り、様々な濃度の試験化合物またはDMSO(最終濃度0.5%)を試験プレートの対応するウェルに加え、二酸化炭素インキュベーターで72時間培養した後、試験プレートを室温に平衡化し、且つCellTiter-Glo試薬を使用して細胞活性を検出し、G3値として表示する。
【0138】
以下の式に従って細胞増殖率を計算する:細胞増殖率(%)=(試験化合物ウェルG3平均値-G0平均値)/(DMSO対照ウェルG3平均値-G0平均値)×100。Graphpad Prismソフトウェアを使用して阻害曲線をフィッティングし、且つGI50値を計算する(以下の表を参照する)。
【0139】
【0140】
結果は、本発明の複数の化合物が、上記の腫瘍細胞増殖阻害実験においてより高い阻害増殖活性を示し、活性がDXd(エキサテカン(Exatecan)誘導体、構造は、次のとおりである)よりも優れていることを示す。本発明の化合物は、優れた腫瘍細胞増殖阻害活性を有するため、腫瘍治療薬物として、または腫瘍治療用の抗体-薬物複合体を調製するための毒素分子として使用されることができる。
【0141】
【0142】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。
【国際調査報告】