(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】自動車の表面を清浄するための方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/48 20060101AFI20240124BHJP
B60S 1/52 20060101ALI20240124BHJP
B60S 1/62 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B60S1/48
B60S1/52
B60S1/62 120B
B60S1/62 110
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
B60S1/62 110C
B60S1/62 110D
B60S1/62 110Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546366
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2022051685
(87)【国際公開番号】W WO2022161975
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ヨアン、ドレ
(72)【発明者】
【氏名】ドニ、テボー
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン、ペレ
(72)【発明者】
【氏名】マキシム、ボドワン
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AA11
3D225AC02
3D225AD01
3D225AD22
3D225AF02
3D225AF03
3D225AF07
(57)【要約】
本発明は、清浄液のリザーバと、清浄液を噴射するための少なくとも1つのノズル(2)と、清浄液をリザーバから清浄ノズル(2)に搬送するように設計された流体分配回路と、リザーバに収容された清浄液を流体分配回路内に注入するように設計されたポンプとを備える清浄装置を用いて自動車表面を清浄するための方法であって、流体分配回路は、実質的に同一の流量を有する複数の弁(8)を備える清浄液分配ユニット(6)を備え、ノズル(2)は、分配ユニット(6)の複数の弁(8)に接続され、方法は、リザーバに収容された清浄液を分配ユニット(6)内に注入するようにポンプの始動を指示するステップと、ノズル(2)の出口における所望の圧力に従って、かつ分配ユニット(6)の入口における圧力が所定の圧力に達したとき、ノズル(2)に接続された複数の弁(8)の開放を指示するステップと、清浄液をノズル(2)から清浄対象の表面上に噴射するステップと、を備える、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清浄液のリザーバと、前記清浄液を噴射するための少なくとも1つのノズル(2)と、前記清浄液を前記リザーバから前記清浄ノズル(2)に搬送するように設計された流体分配回路と、前記リザーバに収容された前記清浄液を前記流体分配回路内に注入するように設計されたポンプとを備える清浄装置を使用して自動車表面を清浄するための方法であって、前記流体分配回路は、実質的に同一の流量を有するいくつかの弁(8)を備える清浄液分配ブロック(6)を備え、前記ノズル(2)は、前記分配ブロック(6)のいくつかの弁(8)に接続され、前記方法は、
前記分配ブロック(6)まで前記リザーバに収容された前記清浄液を注入するように前記ポンプの動作を命令するステップと、
前記ノズル(2)の出口における所望の圧力に従って、かつ前記分配ブロック(6)の入口における圧力が所定の圧力に達したとき、前記ノズル(2)に接続された前記弁(8)のいくつかの開放を命令するステップと、
清浄液を前記ノズル(2)から清浄対象の表面上に噴射するステップと、
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
開放される前記弁(8)の数は、いくつかの弁(8)に接続された前記ノズル(2)と前記分配ブロック(6)との間の距離に依存する、請求項1に記載の清浄方法。
【請求項3】
開放される前記弁(8)の数は、周囲温度に依存する、請求項1または2のいずれかに記載の清浄方法。
【請求項4】
前記ノズル(2)に接続された前記弁(8)を開放するように命令されると、すべての前記弁(8)が開放される、請求項1から3のいずれか一項に記載の清浄方法。
【請求項5】
前記弁(8)を閉じた状態で、前記ポンプを作動させるステップと、
前記弁(8)を開放するステップと、
をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の清浄方法。
【請求項6】
前記清浄装置は、前記分配ブロック(6)に接続され、かつ前記弁(8)のセットの開閉を命令するように構成された制御ユニットを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の清浄方法。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記清浄ノズル(2)の前記出口における前記所望の圧力に応じて異なるいくつかの弁(8)の開放を命令する、請求項1から3または5のいずれか一項と組み合わせた請求項6に記載の清浄方法。
【請求項8】
前記清浄装置は、いくつかのノズルを備え、各ノズルは、弁(8)のセットに接続され、前記方法は、前記分配ブロック(6)まで前記リザーバに収容された前記清浄液を注入するために、前記ポンプの動作を命令する前記ステップの後に弁(8)の各セットのいくつかの弁(8)を開放する命令を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の清浄方法。
【請求項9】
前記弁(8)は、0.12~0.15m
3/hの出口メトリック流量を有するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の清浄方法。
【請求項10】
前記弁(8)は、電磁弁である、請求項1から9のいずれか一項に記載の清浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の表面を清浄するための装置であって、自動車に搭載されることを意図している装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の表面、例えば自動車のセンサは、様々なタイプの汚れを受ける可能性がある。自動車のセンサは、例えば様々な運転者支援カメラ、または車両に載置された距離センサ、超音波センサ、レーダ、LIDARセンサ、もしくはレインセンサを含む。
【0003】
ここで、この汚れにより、特定の装置が誤動作したり、車両のユーザが困難(フロントガラス上の汚れによる視界の欠如)を経験し始めたりする可能性がある。したがって、これらの表面を清浄するための装置を提供することが必要である。
【0004】
従来、このような清浄装置は、清浄液を貯留するリザーバと、清浄液を表面の前方に載置された少なくとも1つの清浄ノズルに搬送することで清浄液を表面上に噴射することが可能な様々なパイプまたは管で構成された流体分配回路(原則として、複数の表面に対して複数の清浄ノズルが存在する)とで構成される。
【0005】
清浄ノズルが一般にリザーバ上に直接取り付けられる限り、ポンプは、流体分配回路内の清浄液を推進することを意図している。より具体的には、ポンプの液体吸入管は、リザーバに構成された開口部に圧入され(アセンブリが気密であることを確実にするためにシールが使用される)、液体排出オリフィスは、その部分が流体分配回路に接続される。
【0006】
汚れの存在によるセンサの誤動作が検出されると(例えば、自動的に)、またはユーザが清浄装置を作動させる命令を動作させると、ポンプは、大気圧と同様の圧力(圧力はリザーバ内の清浄液のヘッドに依存する)にある清浄液をリザーバから引き出し、より高い圧力(圧力差はポンプの容量に依存する)でその清浄液を流体分配回路内に推進する。加圧された清浄流体は、清浄ノズルによってセンサ上に噴射される。
【0007】
しかし、このような装置は、清浄性能の点で欠点を有し得る。
【0008】
具体的には、ポンプと清浄ノズルとの間の距離に依存する圧力降下が存在することが分かる。この距離は、車両上の清浄ノズルの位置に応じて変化する。したがって、清浄液が清浄ノズルを出るときに清浄液の圧力が過度に低いために、表面の清浄が効果的でない可能性がある。
【0009】
例えば、ノズル(または清浄液のいくつかのリザーバ)と同数のポンプを追加し、これらを清浄ノズルの比較的近くに配置することが可能である。しかし、この決定から生じる構造は複雑であり、その製造および保守コストは高くなる。
【0010】
本発明の注目すべき目的は、圧力降下を最小限に抑える観点と、単純な構造の清浄装置を使用してこれを実施する可能性の観点の両方において、以下の問題を克服することができる自動車表面を清浄するための方法を提供することである。
【発明の概要】
【0011】
その目的のために、本発明は、清浄液のリザーバと、清浄液を噴射するための少なくとも1つのノズルと、清浄液をリザーバから清浄ノズルに搬送するように設計された流体分配回路と、リザーバに収容された清浄液を流体分配回路内に注入するように設計されたポンプとを備える清浄装置を使用して自動車表面を清浄するための方法であって、流体分配回路は、ポンプに流体的に接続された清浄液分配ブロックを備え、かつ実質的に同一の流量を有するいくつかの弁を備え、ノズルは、分配ブロックのいくつかの弁に接続され、方法は、
分配ブロックまでリザーバに収容された清浄液を注入するようにポンプの動作を命令するステップと、
ノズルの出口における所望の圧力に従って、かつ分配ブロックの入口における圧力が所定の圧力に達したとき、ノズルに接続された弁のいくつかの開放を命令するステップと、
清浄液をノズルから清浄対象の表面上に噴射するステップと、
を備える、方法に関する。
【0012】
これにより、圧力降下が制限されるか、または排除される方法が得られる。第1に、流体分配回路内に弁が存在することにより、二段階で作動を実施させることができる中間段階レベルを作成することが可能になり、ポンプは第1の段階で作動され、次いで弁は、分配ブロックの入口における圧力が十分であるときに開放される。これにより、清浄液が障害物なく、したがってかなりの圧力降下を伴って辿る経路の長さが短くなり、圧縮段が形成される。
【0013】
加えて、いくつかの弁の間でノズルに向かう液体の流れを分割することによって、分配ブロックに入る総流量は、ノズルに接続された弁の数で分割される。各弁における圧力降下は、単一の弁を使用した場合よりも著しく低い。したがって、分配ブロックの通過に伴う圧力降下を制限するために、ノズルに接続された弁の一部(いくつかの弁)またはこれらの弁のすべてを開放することが可能である。圧力降下は、この手法を採用することによってさらにまた制限される。開放されるノズルに接続された弁の数を選択することによって、ノズルの出口で得られる圧力を選択することさえ可能である。
【0014】
したがって、標準的な構成要素を使用しながら、圧力降下、より一般的には清浄ノズルにおける圧力に影響を与えることが可能である。
【0015】
清浄システムのさらなる任意選択の特徴によれば、個々にまたは組み合わせて:
開放される弁の数は、いくつかの弁に接続されたノズルと分配ブロックとの間の距離に依存する。したがって、清浄ノズルが分配ブロックから離れるほど、可能な限り低い圧力降下を確実にするために開放することができる弁の数が多くなる;
開放される弁の数は、周囲温度に依存する。低温の場合、清浄ノズルに接続されたより多くの数の弁を開放することによって、より大きい圧力降下を補償することが可能である;
ノズルに接続された弁を開放するように命令されると、すべての弁が開放される。これにより、可能な限り圧力降下が減少する。
【0016】
清浄方法は、
弁を閉じた状態で、ポンプを作動させるステップと、
弁を開放するステップと、
をさらに備える。
【0017】
これにより、ポンプと分配ブロックとの間に位置する流体分配回路のセグメントに圧縮段レベルが形成される。これは、圧力降下を制限する。
【0018】
清浄装置は、分配ブロックに接続され、かつ弁のセットの開閉を命令するように構成された制御ユニットを備え、
制御ユニットは、清浄ノズルの出口における所望の圧力に応じて異なるいくつかの弁の開放を命令し、
清浄装置は、いくつかのノズルを備え、各ノズルは、弁のセットに接続され、方法は、分配ブロッまでリザーバに収容された清浄液を注入するために、ポンプの動作を命令するステップの後に弁の各セットのいくつかの弁を開放する命令を備え、
弁は、0.12~0.15m3/hの出口メトリック流量を有するように構成され、
弁は、電磁弁である。
【0019】
本発明は、純粋に例として提供され、添付の図面を参照して提供される以下の説明を読むことによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による清浄装置の一部の概略図である。
【
図2】1つまたは複数の弁に入る流量の関数として、液体が1つまたは複数の弁を通過するときの圧力降下を示すグラフの形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して説明された実施形態は、例である。説明は1つまたは複数の実施形態に言及しているが、これは、各言及が同じ実施形態に関連すること、または特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを必ずしも意味しない。様々な実施形態の個々の特徴を組み合わせて、他の実施形態を作成することもできる。
【0022】
「上流」および「下流」という用語は、取り扱われる物質の流れが搬送されている方向に要素/装置を位置させるために使用される。したがって、物質が第1の装置によって最初に取り扱われ、次いで第2の装置によって取り扱われる場合、第1の装置または要素、例えばポンプは、第2の装置または要素の上流に位置する。
【0023】
ここで、本発明による清浄装置の一部を示す
図1を参照する。この清浄システムの目的は、例えば、車両に搭載されたセンサ、またはフロントガラスもしくはリアウィンドウなどの自動車の様々な表面を清浄することを可能にすることである。
【0024】
そのような清浄装置は、ポンプ(図面には図示せず)が取り付けられた清浄液のリザーバ(図には図示せず)を備える。ポンプは、ポンプを収容することを意図しているリザーバの凹部に取り付けられ、リザーバは、それを通してポンプの吸入管が取り付けられるオリフィスを備え、アセンブリが気密であることを確実にするために、オリフィスの周りのリザーバとポンプとの間の界面にシールを有する。従来のように、ポンプは、例えば管状本体を備える標準的なポンプである。この本体は、圧送用の第1の部分(pumping first portion)と、電気モータを備える駆動用の第2の部分(driving second portion)とで構成することができる。圧送用の第1の部分は、リザーバから清浄液を受け取り、ポンプの吸入圧力よりも高い圧力で排出することができるように、液体吸入管および液体排出管を備える。液体吸入管は、圧送用の第1の部分の自由端に載置され、ポンプの本体と同軸であり、それと同じ回転軸を共有することができる。排出用の第2の部分(discharging second portion)は、圧送用の第1の部分から本体の回転軸に垂直な方向に延びることが可能である。
【0025】
駆動用の第2の部分は、圧送用の第1の部分の上方に位置することができ、電気モータと、その自由端に、ポンプを電源に接続することを可能にするコネクタとを備えることができる。
【0026】
複数の清浄ノズル2および4が装着されてもよく、清浄装置の他端に位置し、加圧された清浄液をその上に噴射するために、清浄対象の自動車の表面の前方に載置されることを意図している。
【0027】
清浄装置は、異なる部材(ポンプ、清浄ノズル2および4など)を互いに接続して流体分配回路を形成するパイプ(または配管)をさらに備える。
【0028】
清浄装置は、いくつかの弁8(この例では4つが図示されている)を備える清浄液分配ブロック6をさらに備える。ポンプは、リザーバから洗浄液を圧送し、分配ブロック6ならびに清浄ノズル2および4に送るように構成される。
【0029】
分配ブロック6の弁8は、ノズルにそれぞれ流体的に接続されるように構成される。少なくとも1つのノズル、この例ではノズル2は、いくつかの弁、
図1では3つの弁に接続される。いくつかの弁に接続されたノズルの数は、当然ながら、1つのノズルに接続された弁の数と同様に変化してもよい。
【0030】
弁8は、圧送された洗浄液を関連する清浄ノズルに選択的に送るように構成される。弁8は、例えば、このタイプの清浄装置において従来から使用されている電磁弁である。弁8は並列に配置されてもよく、これは、弁8が分配ブロック6の1つの流体チャネルにすべて接続されていることを意味する。この流体チャネルは分配ブロック6の入口に接続され、この入口はポンプに接続される。分配ブロック6の出口自体は、キャップによって隠されてもよい。あるいは、分配ブロック6の出口において、液体をリザーバに戻し、過圧弁を有するリターントゥリザーバライン(return-to-reservoir line)を設けることが可能である。
【0031】
弁8は、実質的に同一の流量を有する。これもまた、同じ仕様または非常に類似した仕様を有する弁を使用することによる標準化に対する要望を実証している。例として、弁8は、互いに最大で5%異なる流量を有する。例として、弁8は、0.12~0.15m3/hの公称出口メトリック流量を有するように構成される。
【0032】
したがって、動作中、ポンプの作動は、洗浄液をリザーバから分配ブロック6に向かって、かつ関連する1つまたは複数の弁8が開放している清浄ノズルに向かって送ることを可能にする。
【0033】
分配ブロック6はモジュール式ブロックであるため、弁8の数は、清浄ノズルの数に適合するように、または清浄装置が自動車に取り付けられている場合、例えば自動車のモデルに応じて、清浄装置の特定の構成に適合するように容易に修正することができる。異なる分配ブロック6を組み合わせることもまた、可能である。
【0034】
ノズル4を使用して表面を清浄するための方法については、ポンプを作動させた後、弁8を開放することで清浄ノズル4を通して清浄液を噴射することを伴う。
【0035】
ノズル2を使用した清浄するための方法については、第1のステップはまた、ポンプの動作を命令し、分配ブロック6までリザーバに収容された清浄液を注入するステップである。ポンプをノズル2に接続する弁8を閉じることで、最大圧力に達するまでポンプと分配ブロック6との間に備えられる流体分配回路のセグメントを加圧することが可能である(ノズル4も同様である)。これを行うことにより、分配ブロック6の上流のセグメント内に圧縮段レベルが形成され、したがって流体分配回路内の圧力降下を制限することが可能になる。
【0036】
第2のステップは、ノズルの出口における所望の圧力に従って、かつ分配ブロックの入口における圧力が所定の圧力(上記で説明したような最大値、または中間)に達したとき、ノズルに接続された弁のいくつかの開放を命令することに対応する。開放される弁8の数は、後で分かるように、特定のパラメータに応じて変化し得る。
【0037】
いくつかの弁8を通る液体の通過は、
図2に示されるように圧力降下を最小限に抑えることを可能にし、
図2は、弁8の入口における流量(横軸)の関数として圧力降下(縦軸)を表す。具体的には、このタイプの用途のために従来の方法で使用される弁について、単一の弁のみが使用されるときの弁入口における液体流量は、約30ミリリットル/秒である。このとき、圧力降下は、
図2の曲線上の点12から分かるように約0.9バールである。
【0038】
対照的に、例えば同じ条件下で同じ量の液体を通過させるために3つの弁が開放される場合、この液体は3つの弁の間で分割され、各弁への入口における流量は3で分割され、10ミリリットル/秒になる。このとき、圧力降下は、
図2の曲線上の点10から分かるように約0.1バールである。これにより、分配ブロック6を通過する際の圧力降下を非常に大幅に低減することが可能である。
【0039】
ノズルに接続される弁の数および開放される弁の数を調整するアクションは、分配ブロックの出口における圧力を調整することを可能にし、したがって、例えばノズル出口において可能な限り高い圧力を有するように、ノズルの出口における圧力を調整することを可能にする。開放される弁8の数を変化させることによって、例えば表面の汚れのレベルに応じて、この表面を清浄するためのいくつかの清浄モードを想定することも可能である。したがって、ノズル2に接続されたより多いまたはより少ない数の弁8を開放することによって、ノズル2の出口における圧力は異なり、これは異なる洗浄モードに対応する。
【0040】
したがって、清浄液がノズル2に達することで、清浄対象の表面上に噴射することができる。
【0041】
好ましいことに、開放される弁8の数は、いくつかの弁8に接続されたノズル2と分配ブロック6との間の距離に依存する。具体的には、ノズル、例えば分配ブロック6から離れたノズル2に影響を及ぼす圧力降下を回避するために、多数の弁8を割り当て、弁8の間で清浄液を分割することによって上記で説明したように、流体分配回路に沿った圧力降下が制限される程度を最大化するために弁8のすべてを開放することが可能である。したがって、流体分配ブロック6から異なる距離に位置するいくつかのノズルを有することが可能であり、各ノズルは、その距離に応じて異なる数の弁8に接続される。例えば、単一の弁8に接続されたノズル4は、したがって、3つの弁8に接続され、かつ潜在的な圧力降下がより大きいノズル2よりも分配ブロック6に近くてもよい。
【0042】
開放される弁8の数が、周囲温度に依存することも可能である。具体的には、温度が低いほど圧力降下が大きくなる。結果として、圧力降下が可能な限り完全に最小限に抑えられることを確実にするために、温度が低いときにより多くの数の弁を開放することが可能である。
【0043】
ノズル2に接続された弁8を開放するように命令されると、すべての弁8を開放することも可能である。これにより、ノズル2の出口において最大圧力が生じる。上記で説明したように、例えば上述の理由により、ノズル2に接続された弁8の一部のみを開放することが可能である。
【0044】
清浄装置は、分配ブロック6に接続され、かつ弁8のセットの開閉を命令するように構成された制御ユニットを備えることができる。それにより、これらの命令を集中させることが可能になり、上述の様々な弁開放ダイナミクスを所定の位置に設定することが可能になる。
【0045】
制御ユニットは、清浄ノズルの出口における所望の圧力に応じて異なるいくつかの弁8の開放を命令してもよい。分配ブロック6の弁8の開放に関する様々な可能性の具体例が、ここで与えられている。
【0046】
上記で説明したように、清浄装置は、いくつかのノズルを備えることができ、各ノズルは、弁8のセットに接続され、方法は、分配ブロック6までリザーバに収容された清浄液を注入するために、ポンプの動作を命令するステップの後に弁の各セットのいくつかの弁8を開放する命令を備える。ノズルに接続される弁8の数は、特に上記で調べられたパラメータ(ノズルと分配ブロック6との間の距離、いくつかの異なる洗浄モードを実施する能力など)に応じて異なり得る。
【符号の説明】
【0047】
2,4 清浄ノズル
6 清浄液分配ブロック
8 弁
10 10mL/sの入口流量に対する圧力降下を示す点
12 30mL/sの入口流量に対する圧力降下を示す点
【国際調査報告】