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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電気めっき装置及び電気めっき方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 5/08 20060101AFI20240124BHJP
   C25D 5/22 20060101ALI20240124BHJP
   C25D 17/00 20060101ALI20240124BHJP
   C25D 21/00 20060101ALI20240124BHJP
   C25D 21/10 20060101ALI20240124BHJP
   C25D 7/00 20060101ALN20240124BHJP
【FI】
C25D5/08
C25D5/22
C25D17/00 C
C25D17/00 J
C25D21/00 K
C25D21/10 302
C25D7/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567085
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2021137064
(87)【国際公開番号】W WO2022156420
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110071104.1
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523273554
【氏名又は名称】▲シン▼巨(深▲せん▼)半導体科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】郎 馬庫斯
【テーマコード(参考)】
4K024
【Fターム(参考)】
4K024AA09
4K024AB01
4K024BA15
4K024BB11
4K024CA12
4K024CB09
4K024CB13
4K024CB15
4K024CB18
4K024GA16
(57)【要約】
電気めっき装置及び電気めっき方法である。当該電気めっき装置は、製造プレートを電気めっきするための電気めっきユニットを含む。前記電気めっきユニットは、前記製造プレートに電解液を溶射するための電解液通路と、前記電解液通路の外面に設けられた電気めっきアセンブリとを含む。前記電気めっきアセンブリは、前記電解液通路の外面に設けられた陽極と、陽極内に設けられ、溶射の逆方向に電解液を吸収するための吸入通路とを含む。電解液通路と電気めっきアセンブリを併用して、電解液を製造プレートに均一に電気めっきすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気めっき装置であって、
製造プレートを電気めっきするための電気めっきユニットを含み、
前記電気めっきユニットは、
前記製造プレートに電解液を溶射するための電解液通路と、前記電解液通路の外面に設けられた電気めっきアセンブリとを含み、
前記電気めっきアセンブリは、
前記電解液通路の外面に設けられた陽極と、陽極内に設けられ、溶射の逆方向に電解液を吸収するための吸入通路とを含み、
前記電気めっきアセンブリは、
前記電気めっきアセンブリと前記製造プレートとの距離を調整するために、前記電解液通路の外面に移動可能に設けられている、ことを特徴とする電気めっき装置。
【請求項2】
前記陽極の外面にシールドコートが塗布されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項3】
前記吸入通路は、複数設けられ、且つ、複数の前記吸入通路は、前記陽極内に均一に分布している、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項4】
前記吸入通路は、1つ設けられ、且つ、前記吸入通路は、前記陽極内に環状に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項5】
前記電気めっきユニットと前記製造プレートとの間にディフューザが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項6】
前記電気めっきユニットは、複数設けられ、複数の前記電気めっきユニットは、1つの電気めっきモジュールを構成し、前記電気めっき装置は、複数の前記電気めっきモジュールを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項7】
前記電気めっき装置は、
前記電解液通路に連通する電解槽と、
一端が前記吸入通路に連通し、他端が前記電解槽に連通する循環ポンプと、を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項8】
前記電気めっき装置は、製造プレートを載置するための発振可能なラックを更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電気めっき装置を用いた電気めっき方法であって、
予め設定された電気めっき距離に基づいて前記電気めっき装置における各電気めっきユニットに溶射距離を設定することと、
電気めっきすべき製造プレートを前記電気めっき装置の発振可能なラックに載置し、前記電解液通路を介して前記製造プレートに溶射することと、
溶射中、前記発振可能なラックを介して、0.1ヘルツ~100ヘルツの発振周波数で電気めっきすべき製造プレートを振動揺動させることと、を含む、ことを特徴とする電気めっき方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号202110071014.1、出願日2021年1月19日の中国特許出願を基礎とし、その優先権を主張しており、その全てがここでは全体として本願に導入される。
【0002】
(技術分野)
本願は、電気めっき技術分野に関し、特に電気めっき装置及び電気めっき方法に関する。
【背景技術】
【0003】
IC基板の生産分野では、電気めっき(特に銅めっき)に対する要求が高まっている。このうち、技術的な難点は、ますます小さくなる導電性線路や銅バンプなどの微細構造の上で効率的な電気めっきプロセスを行うことである。また、量産の要望に応えるためには、ますます微細な構造に十分な銅を付着させることに加えて、どのように銅を製造プレート全体に均一に付着させるかを考える必要がある。
【0004】
微細構造を電解液に十分に浸漬させて十分な交換効率を保証するために、市場には大型な化学反応槽が現れ、例えば一部は全表面抽出装置を備える。しかし、個々に設計された基板製品について言えば、製造プレート全体上の電解液の均一性、または反応を独立に調整することができるは、期待に応えられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、製造プレートに均一な電気めっきを実現することを目的とした電気めっき装置及び電気めっき方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例は、電気めっき装置を提供し、製造プレートを電気めっきするための電気めっきユニットを含む。前記電気めっきユニットは、前記製造プレートに電解液を溶射するための電解液通路と、前記電解液通路の外面に設けられた電気めっきアセンブリとを含む。前記電気めっきアセンブリは、前記電解液通路の外面に設けられた陽極と、陽極内に設けられ、溶射の逆方向に電解液を吸収するための吸入通路とを含む。
【0007】
更に、前記電気めっきアセンブリは、前記電気めっきアセンブリと前記製造プレートとの距離を調整するために、前記電解液通路の外面に移動可能に設けられている。
【0008】
更に、前記陽極の外面にシールドコートが塗布されている。
【0009】
更に、前記吸入通路は、複数設けられ、且つ、複数の前記吸入通路は、前記陽極内に均一に分布している。
【0010】
更に、前記吸入通路は、1つ設けられ、且つ、前記吸入通路は、前記陽極内に環状に設けられている。
【0011】
更に、前記電気めっきユニットと前記製造プレートとの間にディフューザが設けられている。
【0012】
更に、前記電気めっきユニットは、複数設けられ、複数の前記電気めっきユニットは、1つの電気めっきモジュールを構成し、前記電気めっき装置は、複数の前記電気めっきモジュールを含む。
【0013】
更に、前記電気めっき装置は、前記電解液通路に連通する電解槽と、一端が前記吸入通路に連通し、他端が前記電解槽に連通する循環ポンプとを更に備える。
【0014】
更に、前記電気めっき装置は、製造プレートを載置するための発振可能なラックを更に備える。
【0015】
本願の実施例は、上記のいずれかに記載の電気めっき装置を用いた電気めっき方法を更に提供し、予め設定された電気めっき距離に基づいて前記電気めっき装置における各電気めっきユニットに溶射距離を設定することと、電気めっきすべき製造プレートを前記電気めっき装置の発振可能なラックに載置し、前記電解液通路を介して前記製造プレートに溶射することと、溶射中、前記発振可能なラックを介して、0.1ヘルツ~100ヘルツの発振周波数で電気めっきすべき製造プレートを振動揺動させることとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本願の実施例は、電気めっき装置及び電気めっき方法を提供する。当該電気めっき装置は、製造プレートを電気めっきするための電気めっきユニットを含む。前記電気めっきユニットは、前記製造プレートに電解液を溶射するための電解液通路と、前記電解液通路の外面に設けられた電気めっきアセンブリとを含む。前記電気めっきアセンブリは、前記電解液通路の外面に設けられた陽極と、陽極内に設けられ、溶射の逆方向に電解液を吸収するための吸入通路とを含む。本願の実施例は、電解液通路と電気めっきアセンブリを併用して、電解液を製造プレートに均一に電気めっきすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の実施例の技術的態様をより明確に説明するために、以下に、実施例の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例であり、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0018】
図1】本願の実施例によって提供される電気めっき装置の構成図である。
図2】本願の実施例によって提供される電気めっき装置の別の角度の構成図である。
図3】本願の実施例によって提供される電気めっき装置の他の状態の構成図である。
図4】本願の実施例によって提供される電気めっき装置における電気めっきユニットの構成図である。
図5】本願の実施例によって提供される電気めっき装置における電気めっきモジュールの構成図である。
図6】本発明の実施例によって提供される電気めっき装置における発振可能なラックの構成図である。
図7】本願の実施例によって提供される電気めっき方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願の実施例の図面に関連して、本願の実施例の技術的態様を明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0020】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「含む」および「包含」は、説明された特徴、全体、ステップ、操作、要素および/またはコンポーネントの存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのセットの存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0021】
また、本明細書で使用される技術用語は、特定の実施例を記述するためだけのものであり、本願を限定することを意図していないことも理解されるべきである。本願明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「1」、「1つ」、および「当該」は、文脈が他の状況を明確に示さない限り、複数形を含むことを意味する。
【0022】
更に、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語「および/または」は、関連して列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意の組合せ、および可能なすべての組合せを意味し、これらの組合せを含むことを理解すべきである。
【0023】
次に、図1を参照する。図1は、本願の実施例に提供される電気めっき装置の構成図であり、製造プレート20に電気めっきを行うための電気めっきユニット10を含む。前記電気めっきユニット10は、前記製造プレート20に電解液を溶射するための電解液通路11と、前記電解液通路11の外面に設けられた電気めっきアセンブリ12とを含む。前記電気めっきアセンブリ12は、前記電解液通路11の外面に設けられた陽極121と、陽極121内に設けられ、電解液を溶射の逆方向に吸収するための吸入通路122とを含む。
【0024】
本実施例に記載の電気めっき装置は、電気めっきユニット10を含む。ここで、前記電気めっきユニットは、電解液通路11、陽極121及び吸入通路122を含む。前記電気めっきユニット10は、前記電解液通路11を介して電解液を製造プレート20に溶射し、前記陽極121を介して導電作用、金属イオン補充等を供給し、更に、前記吸入通路122を介して、前記電解液通路11から製造プレート20に溶射された電解液を吸収する。
【0025】
本実施例は、電解液通路11と電気めっきアセンブリ12を併用することにより、電解液を製造プレートに均一に電気めっきすることができ、電気めっき品質と効果を高め、異なる製造プレートの電気めっき需要を満たすことができる。本実施例で説明した電解液通路11は、一般に円筒形に設けられているので、前記陽極121は、前記電解液通路11の外面に環状に設けられていることが理解される。また、本実施例に記載の製造プレート20は、PCB板、基板、配線板、高周波板、単板、二重板、多層板など、電気めっきを必要とする異なる種類の製造プレートであってもよい。
【0026】
一実施例では、図2及び図3に関連して、前記電気めっきアセンブリ12は、前記電気めっきアセンブリ12と前記製造プレート20との距離を調整するために、前記電解液通路11の外面に移動可能に設けられている。
【0027】
本実施例では、製造プレート20に電気めっきを行う必要がある場合、製造プレート20上のデバイスの大きさに応じて、前記電気めっきアセンブリ12と製造プレート20との距離を柔軟に調整することができる。つまり、具体的な実際のシーンの需要に応じて、前記電気めっきアセンブリ12が前記電解液通路11方向に左右に往復移動するように制御することができ、前記陽極121の導電効果の調整及び前記吸入通路122の電解液吸収能力の調整の目的を達成し、更に電気めっき効果を調整する目的を達成する。
【0028】
なお、前記電気めっき装置が複数の電気めっきユニット10を含む場合、各電気めっきユニット10は、実際のニーズに応じて、電解液の流動速度、電解液吸収流量、陽極121から製造プレート20までの距離、陽極121の電流密度(アンペア/平方デシメートル/セグメント)など、電気めっきパラメータを具体的に設定することができる。
【0029】
一実施例では、前記陽極121の外面にはシールドコート1211が塗布されている。
【0030】
本実施例は、前記シールドコート1211(化学溶媒中に導電性粒子を組み込み、非金属材料上に塗布し、電磁波を遮蔽する機能性塗料)を塗布することにより、前記電解アセンブリ12を保護し、前記陽極121が外部環境の干渉を受けて前記陽極121の導電効果に影響を与えることを回避する。
【0031】
一実施例では、図4に示すように、前記吸入通路122は、複数設けられており、且つ前記複数の吸入通路122は、前記陽極内に均一に分布している。
【0032】
本実施例では、前記陽極121内に複数の吸入通路122を設け、且つこれらの吸入通路122は、陽極121内に均一に分布している。すなわち陽極121が電解液通路11の周りに配置されているのと同様であり、本実施例で説明した複数の吸入通路122は、前記陽極121内に円周方向に均一に分布している。ここで、前記吸入通路122は、数が多い場合には、前記陽極内に環状に均一に分布することができる。前記吸入通路122は、数が少ない場合には、前記陽極内に矩形(例えば、4つの吸入通路122)に均一に分布することができ、また、前記陽極内に六角形(例えば、6つの吸入通路122)に均一に分布することができる。つまり、前記陽極121内の前記吸入通路122の分布方法は、数によって決定される。
【0033】
別の実施例では、前記吸入通路122は、1つ設けられ、且つ、前記吸入通路122は、陽極121内に環状に設けられている。
【0034】
本実施例では、前記陽極121内には吸入通路122が1つだけ設けられており、当該吸入通路122は陽極121のように周囲に設けられている。もちろん、他の実施例では、陽極121内に多層の吸入通路122を環状に設けるなど、前記吸入通路122を他の方法で設けることもできる。
【0035】
一実施例では、図2に関連して、前記電気めっきユニット10と前記製造プレート20との間にディフューザ112が設けられている。
【0036】
本実施例では、前記ディフューザ112を設けることにより、前記電気めっきユニット10における電解液通路11による電解液溶射を均一にすることができ、つまり、製造プレート20に溶射された電解液をより均一にし、電気めっき品質を向上させる。1つの具体的な実施例では、前記電解液通路11の前端(すなわち、前記製造プレート20に近い方)には、前記電解液通路11から溶射される電解液をより均一にするためのヘッド111が設けられている。別の具体的な実施例では、前記ディフューザ112は、拡散網であり、且つ当該拡散網には、電解液の通過のための複数の丸孔または角穴などを含む。もちろん、本実施例で述べたディフューザは、電気めっきをより均一にするためのものであるため、他の電気めっきをより均一にすることができるシールド素子などを選択することもできる。
【0037】
一実施例では、図5に示すように、前記電気めっきユニット10は、複数設けられ、複数の前記電気めっきユニット10は、1つの電気めっきモジュール1を構成し、前記電気めっき装置は、複数の前記電気めっきモジュール1を含む。
【0038】
本実施例では、複数の前記電気めっきユニット10を1つの電気めっきモジュール1として構成し、前記電気めっき装置が複数の前記電気めっきモジュール1を含むようにした。このように、電気めっき過程において、実際の状況に応じて、各電気めっきモジュール1の電気めっき距離、電気めっき流量などを柔軟にすることができ、電気めっき効率を高めるだけでなく、工業化の柔軟性を高め、特定の製品の需要を満たすことができる。
【0039】
1つの具体的な実施例では、前記電気めっき装置は、4個の電気めっきモジュール1または16個の電気めっきモジュール1を含む。前記電気めっき装置が4個の電気めっきモジュール1を含む場合、各電気めっきモジュール1は、9個の電気めっきユニット10を含む。前記電気めっき装置が16個の電気めっきモジュール1を含む場合、各電気めっきモジュールは、4個の電気めっきユニット10を含む。
【0040】
別の具体的な実施例では、前記電気めっきユニット10は、環状に電気めっきモジュール1を構成している。もちろん、他の実施例では、前記電気めっきユニット10は、三角形、円形などのような、他の様式で電気めっきモジュール1を構成することもできる。
【0041】
一実施例では、図1に関連して、前記電気めっき装置は、前記電解液通路11に連通する電解槽13と、一端が前記吸入通路122に連通し、他端が前記電解槽13に連通する循環ポンプ14とを更に備える。
【0042】
本実施例では、前記電解液通路11は、前記電解槽13から電解液を取得し、その後、電解液を製造プレート20に溶射するとともに、前記吸入通路122を介して、製造プレート20に溶射された電解液を吸収する。吸収された電解液は、前記循環ポンプ14を介して再び前記電解槽13に還流する。このように繰り返すことで、製造プレート20への電気めっきの均一性を確保することができ、資源の浪費を回避することができる。
【0043】
一実施例では、図6に示すように、前記電気めっき装置は、製造プレート20を載置するための発振可能なラック15を更に含む。
【0044】
本実施例では、前記発振可能なラック15に製造プレート20を載置する。更に、前記発振可能なラック15のx軸、y軸、z軸上のフレーム発振は、単独でプログラムすることができ、フレーム内で製造プレート20の回転などを選択することができる。同時に、製造プレート20と前記電気めっきユニット10との間の距離を前記発振可能なラック15によって調整することもできる。1つの具体的な実施例では、前記電気めっきユニット10と前記製造プレート20との間の距離は、100mm未満であり、前記発振可能なラック15の発振周波数は、0.1ヘルツ~100ヘルツである。前記回転可能なラック15により、実際の電気めっきシーンに対して、電気めっき均一性を向上させるための個別のパネル移動モードが提供される。別の具体的な実施例では、前記発振可能なラック15は、左から右への連続S型、右から左への連続S型、または上から下への連続S型など、連続S型での前記製造プレート20の振動揺動を制御することができる。更に、前記発振可能なラック15は、例えば、左から右への連続「8」字型、右から左への連続「8」字型など、連続「8」字型での前記製造プレート20の振動揺動を制御することもできる。
【0045】
具体的な応用シーンでは、前記製造プレート20を複数の部分、例えば4つの部分などに分割し、前記製造プレート上の各部分を前記発振可能なラック15を介してそれぞれ振動揺動することができる。
【0046】
図7は、本願の実施例によって提供される電気めっき方法のフローチャートであり、具体的には、ステップS701~S703を含む。
【0047】
S701において、予め設定された電気めっき距離に基づいて、前記電気めっき装置の各電気めっきユニットに溶射距離を設定する。
【0048】
S702において、電気めっきすべき製造プレートを前記電気めっき装置の発振可能なラック上に載置し、前記電解液通路を介して前記製造プレートに溶射する。
【0049】
S703において、溶射中、前記発振可能なラックを通じて電気めっきすべき製造プレートを振動揺動し、ここで、発振周波数は、0.1ヘルツ~100ヘルツである。
【0050】
方法部分の実施例は装置部分の実施例と相互に対応しているので、方法部分の実施例は、装置部分の実施例の説明を参照して、ここでは省略する。
【0051】
説明書では、各実施例は、他の実施例と異なる点を重点的に説明しており、各実施例の間の同じ又は類似部分は、互いに参照すればよい。実施例に開示されたシステムについては、実施例に開示された方法に対応するため、説明は比較的簡単であり、関連する点は方法の部分的な説明を参照すればよい。当業者にとっては、本願の原理を逸脱することなく、本願に対していくつかの改良及び修飾を行うこともでき、これらの改良及び修飾も本願の請求項の保護範囲内に入ることを指摘すべきである。
【0052】
また、本明細書において、第1および第2などの関係用語は、1つのエンティティまたは操作を別のエンティティまたは操作と区別するためにのみ使用され、必ずしもこれらのエンティティまたは操作間にそのような実際の関係または順序が存在することを要求または暗示しないことを説明する必要がある。更に、用語「含む」、「包含」、またはその任意の他のバリエーションは、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置がそれらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素も含むように、非排他的に包含することを意図しており、あるいはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素も含むことができる。これ以上の制限がない場合、文「1つを含む」によって定義される要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイスに別の同じ要素が存在することを除外するものではない。
【0053】
(付記)
(付記1)
電気めっき装置であって、
製造プレートを電気めっきするための電気めっきユニットを含み、
前記電気めっきユニットは、
前記製造プレートに電解液を溶射するための電解液通路と、前記電解液通路の外面に設けられた電気めっきアセンブリとを含み、
前記電気めっきアセンブリは、
前記電解液通路の外面に設けられた陽極と、陽極内に設けられ、溶射の逆方向に電解液を吸収するための吸入通路とを含み、
前記電気めっきアセンブリは、
前記電気めっきアセンブリと前記製造プレートとの距離を調整するために、前記電解液通路の外面に移動可能に設けられている、ことを特徴とする電気めっき装置。
【0054】
(付記2)
前記陽極の外面にシールドコートが塗布されている、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0055】
(付記3)
前記吸入通路は、複数設けられ、且つ、複数の前記吸入通路は、前記陽極内に均一に分布している、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0056】
(付記4)
前記吸入通路は、1つ設けられ、且つ、前記吸入通路は、前記陽極内に環状に設けられている、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0057】
(付記5)
前記電気めっきユニットと前記製造プレートとの間にディフューザが設けられている、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0058】
(付記6)
前記電気めっきユニットは、複数設けられ、複数の前記電気めっきユニットは、1つの電気めっきモジュールを構成し、前記電気めっき装置は、複数の前記電気めっきモジュールを含む、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0059】
(付記7)
前記電気めっき装置は、
前記電解液通路に連通する電解槽と、
一端が前記吸入通路に連通し、他端が前記電解槽に連通する循環ポンプと、を更に備える、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0060】
(付記8)
前記電気めっき装置は、製造プレートを載置するための発振可能なラックを更に備える、ことを特徴とする付記1に記載の電気めっき装置。
【0061】
(付記9)
付記1~8のいずれか一つに記載の電気めっき装置を用いた電気めっき方法であって、
予め設定された電気めっき距離に基づいて前記電気めっき装置における各電気めっきユニットに溶射距離を設定することと、
電気めっきすべき製造プレートを前記電気めっき装置の発振可能なラックに載置し、前記電解液通路を介して前記製造プレートに溶射することと、
溶射中、前記発振可能なラックを介して、0.1ヘルツ~100ヘルツの発振周波数で電気めっきすべき製造プレートを振動揺動させることと、を含む、ことを特徴とする電気めっき方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】