(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】量子コンピューティングにおける誤差補正のための極低温古典的超伝導回路網
(51)【国際特許分類】
G06N 10/70 20220101AFI20240124BHJP
H10N 60/10 20230101ALI20240124BHJP
H10N 60/12 20230101ALI20240124BHJP
【FI】
G06N10/70 ZAA
H10N60/10 K
H10N60/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569769
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 US2022014154
(87)【国際公開番号】W WO2022165074
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523094937
【氏名又は名称】シーク, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】518300652
【氏名又は名称】1キュービー インフォメーション テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】1QB INFORMATION TECHNOLOGIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サリム, アミール ジャファリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン, カレブ
(72)【発明者】
【氏名】ハッチングス, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ムカノフ, オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ロナー, プーヤ
(72)【発明者】
【氏名】サンカル, クリシャヌ ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ガデルマージー, ナビド
【テーマコード(参考)】
4M113
【Fターム(参考)】
4M113AA00
4M113AA41
4M113AC08
4M113AC45
4M113AC48
4M113AC50
(57)【要約】
本特許文書は、量子コンピューティングにおける誤差を補正する量子誤差補正コードのデコーダとして使用され得る、極低温古典的超伝導回路を使用する、誤差補正モジュールまたはガジェットの実施形態の実装を対象とする。本明細書に開示される方法およびシステムは、真のデコード関数の関数近似器によって古典的デコーダを置換する。関数近似器は、シミュレーションにおいて、または量子実験においてデコーダによって発生されたデータに対してモデルを事前訓練することによって生産される。そのようなモデルの実施例は、ニューラルネットワークである。そのような関数近似器は、古典的デコーダのものに近いデコード正確度に到達することができるが、はるかに単純かつ高速な論理を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器を備える極低温温度において機能する極低温古典的超伝導回路であって、前記デコーダは、複数のノードと、前記ノードの間にパルスを分配するための前記複数のノードのノードの間の複数の相互接続と、前記関数近似器パラメータを表す複数の加重とを備え、前記複数のノードの各ノードは、
磁束、電流、または電圧を備える少なくとも1つのパルスを受信するための受信機区分と、
前記受信されたパルスを処理するための処理コアと、
前記処理されたパルスを伝送するための送信機区分と
を備える、極低温古典的超伝導回路。
【請求項2】
磁気接合と、量子位相スリップデバイスとを備える混合信号デジタルおよびアナログジョセフソン接合超伝導電子機器を備える、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項3】
前記ジョセフソン接合超伝導電子機器は、デジタルおよび混合信号量子磁束族を備え、前記デジタルおよび混合信号量子磁束族は、エネルギー効率的高速単一磁束量子(ERSFQ)、エネルギー効率的単一磁束量子(eSFQ)、断熱量子磁束パラメトロン(AQFP)、逆量子論理(RQL)、高速単一磁束量子(RSFQ)、SFQuClass、または超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID、Bi-SQUID、nSQUID)を備える、請求項2に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項4】
各ノードは、アナログ、デジタル、またはアナログ-デジタルモードにおいて動作するように構成される、請求項1-3に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項5】
前記ノードは、層において配列され、さらに、最初の層における前記ノードの受信機区分および最後の層における前記送信機区分は、デジタルモードにおいて動作し、他の層における前記ノードは、アナログモードにおいて動作する、請求項4に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項6】
前記ノードは、アナログ、デジタル、またはアナログおよびデジタルのハイブリッドである相互接続によって結合される、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項7】
前記ノードは、同期的または非同期的に動作される相互接続によって結合される、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項8】
前記デコーダはさらに、信号を増幅するために、少なくとも1つの増幅器を備える、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項9】
前記複数の加重の少なくとも1つの加重は、磁気結合、容量結合、または抵抗結合を備える固定結合を備える、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項10】
前記複数の加重の少なくとも1つの加重は、磁気結合、容量結合、ガルバニック結合、または抵抗結合を備える可変結合を備える、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項11】
前記磁気結合は、変圧器を備え、異なる結合強度が、前記複数の加重の加重を表すために、変圧器における異なる入力パルスのために使用され、固定磁気結合は、前記加重に比例する、請求項9に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項12】
前記抵抗結合は、分圧器を備え、さらに、異なる結合強度が、前記複数の加重の加重を表すために、前記分圧器における異なる入力パルスのために使用され、さらに、固定抵抗結合は、前記加重に比例する、請求項9に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項13】
前記複数の加重の加重は、前記加重に比例する前記単一磁束量子(SFQ)パルスの数を発生させること、前記加重に比例するパルス率を発生させること、および前記加重に比例するパルスの強度を発生させることのうちの少なくとも1つを介して表される、請求項10に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項14】
前記ジョセフソン接合超伝導電子機器は、超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)を備え、前記発生されたパルスの数、前記パルス率、または前記パルス強度のうちの少なくとも1つは、前記超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)のバイアス電流または臨界電流を変化させることによって変動される、請求項2に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項15】
前記処理コアは、前記磁束を記憶するための少なくとも1つの記憶ループを備え、前記磁束は、抵抗器、SQUID、またはクロックであり得るコマンドパルスを使用して消去される、請求項9に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項16】
前記複数のノードの2つのノードの間の前記相互接続は、電気的、磁気的、または光子的である、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項17】
前記複数のノードの少なくとも2つのノードの間の前記相互接続は、並列または直列である、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項18】
前記複数のノードの2つのノードの間の前記相互接続は、ジョセフソン伝送ライン(JTL)または受動的伝送ライン(PTL)を使用して電気的である、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項19】
前記ノードの間の前記パルスは、ラインドライバを使用して発生され、各前記パルスは、少なくとも1つのパルスを生成する、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項20】
前記量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器は、ニューラルネットワークを備え、さらに、前記ニューラルネットワークパラメータおよび活性化は、前記デコーダノードおよび加重によって表され、さらに、前記ニューラルネットワーク活性化は、前記ノード処理コアを使用して実装される、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項21】
前記活性化は、シグモイドおよび整流線形ユニット(ReLU)活性化関数を備える、請求項20に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項22】
前記ニューラルネットワークは、リカレントニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ホップフィールドネットワーク、ボルツマンマシン、またはグラフィカルモデルを備える、請求項20に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項23】
前記量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器は、少なくとも1つのニューラルネットワークと、少なくとも1つの線形関数近似器とを備える、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項24】
前記複数の加重の少なくとも1つの加重は、プログラム可能である、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項25】
前記関数近似器は、ユーザからの入力を使用してプログラム可能である、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項26】
前記量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器は、回帰ユニット、分類器、決定木、またはランダムフォレストを備える、請求項1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【請求項27】
量子コンピューティングのための、量子誤差補正が可能なシステムであって、前記システムは、
(a)異なる極低温温度における異なる極低温ステージを含むように構造化される極低温デバイスと、
(b)量子プロセッサであって、前記量子プロセッサは、量子コンピューティングを実施するために2つまたはそれを上回る異なる量子状態(「キューディット」)を伴う複数の量子デバイスを備え、前記キューディットの適切な動作のために、所望の極低温温度における前記極低温デバイスに結合され、それによって冷却され、前記複数のキューディットは、量子コンピューティングのための量子情報をエンコードするためのデータキューディットと、前記データキューディットと相互作用し、測定値を提供するためのシンドロームキューディットとを備え、前記複数のキューディットは、量子誤差を補正するための誤差補正コードを提供する、量子プロセッサと、
(c)極低温古典的超伝導回路であって、前記極低温古典的超伝導回路は、前記極低温デバイスに結合され、それによって冷却され、前記シンドロームキューディットから前記測定値に関する情報を受信するようにさらに結合され、前記量子誤差補正コードのデコーダを含み、前記シンドロームキューディットからの前記測定値に関する前記受信された情報を処理し、データキューディットに関する回復演算を発生させ、前記量子コンピューティングにおける誤差を低減させるように構造化され、前記極低温古典的超伝導回路は、古典的コプロセッサとして前記量子プロセッサに結合され、前記量子プロセッサと前記極低温古典的超伝導回路との間の通信遅延を低減させる、極低温古典的超伝導回路と
を備える、システム。
【請求項28】
前記誤差補正コードは、トポロジカル誤差補正コードである、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記トポロジカル誤差補正コード上の前記誤差補正手順は、プラケットを備える前記複数のキューディットに対するパリティチェック演算を備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記トポロジカルコードは、トーリックコード、表面コード、回転表面コード、カラーコード、三角形カラーコード、または重六角形コードを備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
複数の論理キューディットを備え、前記複数の論理キューディットは、それぞれが、前記極低温古典的超伝導回路と前記量子プロセッサとの間の古典的量子インターフェースを備え、前記論理キューディットは、量子誤差補正スキームを備え、前記複数の論理キューディットは、量子コンピューティングを実施するためのものである、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記量子プロセッサは、少なくとも1つのシンドローム抽出回路を備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
請求項27に記載のシステムを使用して量子誤差補正スキームを実装するための方法であって、前記方法は、
(i)前記少なくとも1つのシンドロームキューディットを調製することと、
(ii)少なくとも1つのデータキューディットと、少なくとも1つのシンドロームキューディットとを備える前記少なくとも1つのシンドローム抽出回路を実施することと、
(iii)各前記シンドローム抽出回路の少なくとも1つのシンドロームキューディットに対して少なくとも1つの測定を実施することと、
(iv)前記少なくとも1つの測定の結果を前記検出器の関数近似器に提供することと、
(v)前記デコーダの関数近似器を使用し、回復演算子を備える回復演算を提供することと、
(vi)前記回復演算を適用することと
を含む、方法。
【請求項34】
前記回復演算子は、前記誤差補正コードに適用されるユニタリ演算子である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記回復演算子は、パウリフレーム上の基底の変化である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記回復演算子は、同値演算子である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
(ii)-(iv)におけるステップは、少なくとも1回繰り返される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
請求項27に記載のシステムのデコーダのための関数近似器を構築するための方法であって、前記方法は、
(a)前記誤差補正コードから、前記少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する、および対応する誤差に関するデータを収集することと、
(b)前記少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する前記収集されたデータおよび前記対応する誤差に関する前記収集されたデータを使用し、前記関数近似器を構築することと
を含む、方法。
【請求項39】
(b)は、ニューラルネットワークを訓練することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記データは、雑音チャネルによって悩まされるキューディットのシミュレーションから収集される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記雑音チャネルは、パウリ雑音チャネルを備え、さらに、前記パウリ雑音チャネルは、脱分極または脱位相させる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記データは、論理演算を実施する前記複数のキューディットのシミュレーションから収集される、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記データは、実験データから収集され、実験データは、静止時のキューディットからのデータ、論理測定を実施するキューディットからのデータ、および論理ゲートからのデータを備える、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張および関連特許出願)
本特許文書は、弁理士整理番号第133858-8007.US00号下の2021年1月27日付けの出願人であるSeeQC, Inc.および1QB Information Technologies Inc.による「CRYOGENIC CLASSICAL SUPERCONDUCTING CIRCUITRY FOR ERROR CORRECTION IN QUANTUM COMPUTING」と題された米国仮特許出願第63/142,375号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本特許文書の開示は、量子コンピューティングシステムにおける信号およびデータの伝送における誤差補正に関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムにおけるデジタル信号またはデータのデジタルコンピューティングおよび伝送では、伝送されるデジタルデータは、送信側から受信側への伝送の間に誤差を受け得る。誤差訂正コードまたは誤差補正コード(ECC)が、送信側から受信側への通信チャネルを経由するデータにおける誤差を制御するために、伝送されるべきデジタルデータをエンコードするために使用され得る。送信側は、冗長情報を用いて伝送されるべきメッセージまたはデータをエンコードし、したがって、伝送において生じ得る誤差が、検出され、再伝送を伴わずに補正されることができる。
【0004】
量子コンピューティングでは、量子算出を実施するための量子システムが、異なる量子状態を呈するサブシステムのアンサンブルによって実装されることができ、サブシステムは、量子コヒーレンスに起因して、相互に相関または「交絡」される。種々の実装では、サブシステムのアンサンブルにおける各サブシステムは、基本的量子デバイスとして動作するために、2つまたはそれを上回る異なる量子状態を呈し得る。情報は、異なる基本的量子デバイスの量子状態の重畳および相関によって表され、記憶され、処理され、伝送されることができる。2つまたはそれを上回る異なる量子状態を伴うそのような基本的量子デバイスは、「キューディット」と称され得、2状態デバイスは、多くの場合、量子ビット(「キュービット」)と称される。量子コンピューティングでは、デジタルコンピューティングにおけるデータ伝送の間に生じ得る誤差に加えて、量子情報は、量子デコヒーレンスおよび他の量子雑音または干渉に起因して、誤差の影響を受けやすい。量子誤差補正は、耐障害性量子コンピューティングを達成するために不可欠であり、量子コンピューティングの統合された部分である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本特許文書の開示は、量子コンピューティングにおける誤差を補正する量子誤差補正コードのデコーダとして使用され得る、極低温古典的超伝導回路を使用する、誤差補正モジュールまたはガジェットの実施形態の実装を対象とする。
【0006】
本明細書に開示される方法およびシステムは、真のデコード関数の関数近似器によって古典的デコーダを置換する。関数近似器は、シミュレーションにおいて、または量子実験においてデコーダによって発生されたデータに対してモデルを事前訓練することによって生産される。そのようなモデルの実施例は、ニューラルネットワークである。そのような関数近似器は、古典的デコーダのものに近いデコード正確度に到達することができるが、はるかに単純かつ高速な論理を使用する。結果として、関数近似器は、(1)希釈冷凍機または別の極低温環境内で動作し得るハードウェア上で実装され、量子プロセッサへの、およびそれからのデータ転送における待ち時間および潜在的誤差を除去することができ、(2)古典的デコーダよりもはるかに少ない処理時間を使用する。
【0007】
開示される極低温古典的超伝導回路は、情報を処理するために、超伝導ジョセフソン接合電子機器を使用するように実装されてもよい。超伝導電子機器は、低エネルギー散逸を伴って、高速で動作する。開示される極低温古典的超伝導回路は、高速単一磁束量子(RSFQ)、エネルギー効率的高速単一磁束量子(ERSFQ)、エネルギー効率的単一磁束量子(eSFQ)、逆量子論理(RQL)、および断熱量子磁束パラメトロン(AQFP)等の量子パラメトロン回路、超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)、2つのジョセフソン接合を伴うBi-SQUID、負の相互インダクタンスを伴うSQUID(nSQUID)等、およびSQUIDに基づくアナログ超伝導回路等のデジタルおよび混合信号単一量子磁束族を含んでもよい。
【0008】
一実装では、開示される技術は、量子コンピューティングのための、量子誤差補正が可能なシステムを提供し、異なる極低温温度における異なる極低温ステージを含むように構造化される、極低温デバイスと、量子コンピューティングを実施するために複数のキューディットを備える、量子プロセッサであって、複数のキューディットは、データキューディットと、データキューディットと相互作用し、シンドロームキューディットの測定値を提供するためのシンドロームキューディットとを備え、複数のキューディットは、量子コンピューティングにおける量子誤差を補正するための誤差補正コードを備え、量子プロセッサは、キューディットの適切な動作のために、所望の極低温温度における極低温デバイスに結合され、それによって冷却される、量子プロセッサと、極低温デバイスに結合され、それによって冷却され、シンドロームキューディットから測定値に関する情報を受信するようにさらに結合され、量子誤差補正コードのデコーダを含み、シンドロームキューディットからの測定値に関する受信された情報を処理し、データキューディットに関する回復演算を発生させ、量子コンピューティングにおける誤差を低減させるように構造化される、極低温古典的超伝導回路であって、極低温古典的超伝導回路は、古典的コプロセッサとして量子プロセッサに結合され、量子プロセッサと極低温古典的超伝導回路との間の通信遅延を低減させる、極低温古典的超伝導回路とを含むように実装されることができる。
【0009】
別の実装では、開示される技術は、少なくとも1つのシンドロームキューディットを調製するステップと、少なくとも1つのデータキューディットと、少なくとも1つのシンドロームキューディットとを備える、少なくとも1つのシンドローム抽出回路を実施するステップと、各シンドローム抽出回路の少なくとも1つのシンドロームキューディットに対して少なくとも1つの測定を実施するステップと、少なくとも1つの測定の結果をデコーダの関数近似器に提供するステップと、デコーダの関数近似器を使用し、回復演算子を備える回復演算を提供するステップと、回復演算を適用するステップとを含む、量子誤差補正スキームを実装するための方法を提供するように実装されることができる。
【0010】
別の実装では、開示される技術は、量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器であって、デコーダは、複数のノードと、ノードの間にパルスを分配するための複数のノードのノードの間の複数の相互接続と、関数近似器パラメータを表す複数の加重とを備え、複数のノードの各ノードは、磁束、電流、または電圧を備える少なくとも1つのパルスを受信するための受信機区分と、受信されたパルスを処理するための処理コアと、処理されたパルスを伝送するための送信機区分とを備える、関数近似器を備える、極低温温度において機能する、極低温古典的超伝導回路を提供するように実装されることができる。
【0011】
別の実装では、開示される技術は、デコーダのための関数近似器を構築するための方法を提供し、誤差補正コードから、少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する、および対応する誤差に関するデータを収集するステップと、少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する収集されたデータおよび対応する誤差に関する収集されたデータを使用し、関数近似器を構築するステップとを含む、動作を実施するように実装されることができる。
【0012】
また別の実装では、開示される技術は、それぞれ、異なる量子状態を呈することが可能な複数の物理キューディットであって、複数の物理キューディットは、量子コンピューティングを実施し、量子コンピューティングを実施するための複数のデータキューディットと、データキューディットと相互作用し、量子プロセッサによって実施された量子コンピューティングにおける量子誤差を示すシンドロームキューディットの量子状態の測定値を提供するために、データキューディット間に位置する、複数のシンドロームキューディットとを備えるように構造化される、複数の物理キューディットを備える、量子プロセッサと、シンドロームキューディットと相互作用し、シンドロームキューディットの量子状態の測定値を表す読出信号を生産するために、量子プロセッサに結合される、キューディット読出回路と、シンドロームキューディットの量子状態の測定値を表す読出信号の情報を受信するために結合される、極低温古典的超伝導回路であって、極低温古典的超伝導回路は、受信された情報を処理し、量子プロセッサによって実施された量子コンピューティングにおける誤差に関する情報を取得し、キューディットの量子情報を再構築するための回復演算を発生させ、量子コンピューティングにおける誤差を低減させる、デコーダを含むように構造化される、極低温古典的超伝導回路と、それぞれ、所望の極低温温度において量子プロセッサ、キューディット読出回路、および極低温古典的超伝導回路を封入するように結合される、極低温システムであって、極低温古典的超伝導回路および量子プロセッサは、低減された通信遅延を伴う極低温古典的超伝導回路と量子プロセッサとの間の高速通信を可能にするために、相互に対して位置付けられる、極低温システムとを含む、量子コンピューティングシステムを提供するように実装されることができる。
【0013】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の利点は、これが、量子プロセッサと古典的コプロセッサとの間のデータ転送の待ち時間を除去する、または実質的に低減させることである。
【0014】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、これが、量子プロセッサと古典的コプロセッサとの間のデータ転送における潜在的誤差を防止することである。
【0015】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、関数近似器が、希釈冷凍機または別の極低温冷却デバイスにおいて設置および動作され得るハードウェア上で実装され得ることである。
【0016】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、これが、種々の量子プロセッサおよび種々の量子算出に適用され得ることである。
【0017】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、これが、種々の関数近似器、特に、種々のニューラルネットワークを利用し得ることである。
【0018】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、これが、従来のデコーダと比較して、処理時間を低減させることである。
【0019】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、デコーダが、本システム上で実行された実験から収集されたデータストリームを使用して、データ駆動方式で訓練され得ることである。
【0020】
開示される技術の1つまたはそれを上回る実施形態の別の利点は、デコーダが、最新の時間窓上で実行された実験からのデータストリームに従って再調整または較正され、したがって、本システムのキューディットを悩ませる雑音の最新の源に従って、最大の性能を提供し得ることである。
【0021】
開示される技術の上記および他の特徴は、図面、説明、および請求項により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、開示される技術の一実装に基づく、量子誤差補正コードのデコーダのための少なくとも1つの関数近似器を備える、極低温古典的超伝導回路の実施例の略図である。
【0023】
【
図2】
図2は、
図1に説明されるデコーダのノードの略図である。
【0024】
【
図3】
図3は、ノード受信機の実施形態の略図である。
【0025】
【
図4】
図4は、加重が、発生されたSFQパルスの数においてエンコードされる、可変加重実装の実施形態を示す、略図である。
【0026】
【
図5】
図5は、可変多重パルス発生器の2つの実施形態を示す。
【0027】
【
図6】
図6は、閾値に基づく活性化関数を伴うノード処理コアの実施形態を示す、略図である。
【0028】
【
図7A】
図7Aは、SQUIDを使用する整流線形ユニット(ReLU)活性化関数を伴うノード処理コアの実施形態を示す、略図である。
【0029】
【
図7B】
図7Bは、Bi-SQUIDを使用する整流線形ユニット(ReLU)活性化関数を伴うノード処理コアの実施形態を示す、略図である。
【0030】
【
図8】
図8は、記憶された磁束を消去し、回路をリセットする2つの実施形態を示す、略図である。
【0031】
【
図9】
図9は、直接的1対1相互接続の実施形態を示す、略図である。
【0032】
【
図10】
図10は、2つの層のノードの間の接続性の実施形態を示す、略図である。
【0033】
【
図11】
図11は、相互接続ワイヤの数を低減させるためにパラレライザおよびシリアライザを使用する、2つの連続する層におけるノードの間の接続性の実施形態を示す、略図である。
【0034】
【
図12】
図12は、量子補正ガジェットの実施形態の略図である。
【0035】
【
図13】
図13は、
図12に説明されるシステムを使用して、量子誤差補正スキームを実装するための方法の実施形態を示す、フローチャートである。
【0036】
【
図14】
図14は、量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器を構築するための方法の実施形態を示す、フローチャートである。
【0037】
【
図15】
図15は、着信信号を記憶するための結合を伴うバッファおよびDフリップフロップバッファ機能の実施形態を示す、略図である。
【0038】
【0039】
【
図17】
図17は、ノードのための増幅器場所の実施形態を示す、略図である。
【0040】
【
図18】
図18は、直列に複数のSQUIDを伴う増幅器の実施形態を示す、略図である。
【0041】
【
図19】
図19は、アナログノードの実施形態を示す、略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
量子コンピュータにおける誤差補正は、耐障害性量子算出を提供し、従来のコンピュータに関して解決困難であり得る算出問題を解決するための大規模な量子アルゴリズムを実施するために望ましい。
【0043】
量子コンピュータにおける物理量子デバイスキュービットまたはキューディットは、自然なデコヒーレンスまたは制御装置との相互作用等の種々の源の結果としての連続的誤差に悩まされ得る。これらの誤差を克服することに対する1つのアプローチは、量子誤差補正スキームを使用することによるものであり、単一の論理キュービットまたはキューディットが、(1)量子算出を実施するための物理キュービットまたはキューディットの数、(2)量子算出を実施するための物理キュービットまたはキューディットの量子状態における誤差を検出するための付加的シンドロームキュービットまたはキューディットおよび誤差補正回路網、(3)観察されたシンドロームに基づいて回復演算を規定するデコーダ、および(4)回復演算を物理キュービットまたはキューディットに適用するためのコントローラの組み合わせを使用してエンコードされる。耐障害性は、誤差が、それらが生じるよりも速い率で検出および補正され得るときに達成され、それによって、誤差が長い算出にわたって悪化しないように防止する。
【0044】
しかしながら、そのような量子誤差補正システムを工学設計することは、課題を提示する。複雑性は、補正されるべき誤差の可能性の数が増加することに伴って、指数関数的に増加する。デコードは、誤差を補正するために必要とされるアクションを可能にするために、短い期間で行われる必要がある。デコーダにおいてデコードを迅速に実施し、可能な限りキュービットまたはキューディットに近接してデコーダを配置することは、誤差補正動作によって引き起こされる所望されない待ち時間を低減させることができる。デコードプロセスは、キュービットまたはキューディットによって形成される量子プロセッサに隣接して位置し、誤差が発生される率と同一のタイムフレームでデコードプロセスを実施するための古典的コプロセッサによって実装されることができる。非常に短いデコヒーレンス時間および非常に高速のゲートを有する超伝導キュービットまたはキューディットに関して、本高速デコード時間は、(1)量子プロセッサと古典的コプロセッサとの間で読出情報を伝送するために要求される待ち時間および(2)デコードを実施するために要求される処理時間のため、達成することが困難または課題となり得る。
【0045】
本特許文書に開示される技術は、物理キュービットまたはキューディットの正確度、量子プロセッサと古典的コプロセッサとの間の通信遅延、および誤差補正の速度限界と関連付けられるある限界を軽減するための方法およびシステムを提供するような方法で実装されることができる。
【0046】
開示される技術は、例えば、異なる極低温温度における異なる極低温ステージを含むように構造化された極低温デバイスと、量子コンピューティングを実施するための複数のキューディットを備え、キューディットの適切な動作のために、所望の極低温温度における極低温デバイスに結合され、それによって冷却される、量子プロセッサとを含む、量子コンピューティングを実施するための、量子誤差補正が可能なシステムを含むように実装されることができる。キューディットは、(1)量子コンピューティングのための量子情報をエンコードするためのデータキューディットと、(2)データキューディットと相互作用し、シンドロームキューディットの測定値を提供するためのシンドロームキューディットとを含む。データキューディットおよびシンドロームキューディットの組み合わせは、量子コンピューティングにおける量子誤差を補正するための量子誤差補正コードを提供する、または可能にする。本システムはさらに、極低温デバイスに結合され、それによって冷却される、極低温古典的超伝導回路を含む。極低温古典的超伝導回路は、シンドロームキューディットから測定値に関する情報を受信するように結合され、量子誤差補正コードのデコーダを含み、シンドロームキューディットからの測定値に関する受信された情報を処理し、データキューディットに関する回復演算を発生させ、量子コンピューティングにおける誤差を低減させるように構造化される。極低温古典的超伝導回路は、古典的コプロセッサとして量子プロセッサに結合され、量子プロセッサと極低温古典的超伝導回路との間の通信遅延を低減させる。
【0047】
実装では、極低温古典的超伝導回路は、データキューディットおよびシンドロームキューディットとインターフェースをとる、古典的回路を含んでもよい。シンドロームキューディットとインターフェースをとる古典的回路の一部は、デコード問題を解決し、量子コンピューティングにおける誤差を補正する際に対応するデータキューディット毎に回復演算を発生させるためのデコーダを含む。例えば、いくつかの実装では、デコーダは、ニューラルネットワークに基づいて構築されてもよい。
【0048】
本明細書で使用されるように、用語「キュービット」は、概して、その量子状態が次元2の複素単位ベクトルである、量子情報処理の単位を指す。これらの2つの次元は、典型的には、「0」および「1」と称される。
【0049】
本明細書で使用されるように、用語「キューディット」は、概して、マルチレベル量子システムまたはキュービットを指す。
【0050】
本明細書で使用されるように、用語「物理キュービット」は、概して、キュービットの物理的実装を指す。
【0051】
本明細書で使用されるように、用語「物理キューディット」は、概して、キューディットの物理的実装を指す。
【0052】
本明細書で使用されるように、用語「論理キュービット」は、概して、1つまたはそれを上回る物理キュービットによって実現され得る、キュービットの抽象的概念を指す。論理キュービットが、量子情報処理(例えば、量子算出)のために使用される抽象的ヒルベルト空間を形成し、論理キュービットが、物理キュービットの種々の自由度を使用してエンコードされ、物理キュービットに関連付けられる物理ヒルベルト空間が、多くの場合、論理ヒルベルト空間よりもはるかに高い次元であり、したがって、物理キュービットが、誤差の種々の源に対して論理キュービットを保護することを可能にすることを理解されたい。
【0053】
本明細書で使用されるように、用語「論理キューディット」は、概して、1つまたはそれを上回る物理キューディットによって実現され得る、キューディットの抽象的概念を指す。
【0054】
n個のキュービットの集合は、個々のキュービットのヒルベルト空間のテンソル積である、ヒルベルト空間内のその「量子状態」を有する。
【0055】
n個のキューディットの集合は、個々のキューディットのヒルベルト空間のテンソル積である、ヒルベルト空間内のその「量子状態」を有する。
【0056】
本明細書で使用されるように、用語「量子ゲート」は、概して、1つまたはそれを上回るキュービットまたはキューディットの集合的量子状態に対して実施されるユニタリ演算を指す。
【0057】
本明細書で使用されるように、用語「パウリゲート」は、概して、パウリ量子論理ゲートX、Y、またはZのうちの1つを指す。
【0058】
本明細書で使用されるように、用語「誤差」は、概して、その原因が、限定ではないが、自然なキュービットまたはキューディットデコヒーレンス、熱的相互作用、または制御装置との相互作用を含み得る、キュービットまたはキューディットの任意の望ましくない変換を指す。
【0059】
本明細書で使用されるように、任意の事象(量子ゲート、キュービットまたはキューディット調製、キュービットまたはキューディット測定、キュービットまたはキューディット待機時間、または誤差補正ガジェット等)に適用されるときの用語「誤差率」は、事象が誤差を含有する確率を指す。
【0060】
本明細書で使用されるように、用語「雑音チャネル」は、概して、物理的に実装されるときに所望の回路を悩ませる誤差の数学的モデルを指す。雑音チャネルは、多くの場合、CPTP(完全正値トレース保存)マップとして表され、多くの場合、パラメータとして種々のコンポーネントに関する誤差率を有する。
【0061】
本明細書で使用されるように、用語「量子誤差補正コード」は、概して、高い誤差率を伴う多くの物理キュービットまたはキューディットから低い誤差率を伴う実用的な論理キュービットまたはキューディットを構築するための手順を指す。
【0062】
本明細書で使用されるように、用語「データキュービット」は、概して、量子情報をエンコードするために使用される物理キュービットのうちの1つを指す。
【0063】
本明細書で使用されるように、用語「データキューディット」は、概して、量子情報をエンコードするために使用される物理キューディットのうちの1つを指す。
【0064】
本明細書で使用されるように、用語「コード空間」は、物理キュービットのヒルベルト空間のヒルベルト部分空間を指す。コード空間内の波動関数を前提として、論理キュービットの状態は、抽出され得る。
【0065】
本明細書で使用されるように、用語「データキュービット誤差率」は、所与の時間単位における各データキュービットにおける誤差の確率を指す。
【0066】
本明細書で使用されるように、用語「データキューディット誤差率」は、所与の時間単位における各データキューディットにおける誤差の確率を指す。
【0067】
本明細書で使用されるように、用語「コード距離」は、概して、1つのエンコードされた状態から別のものに切り替えるために要求される最小数の誤差を指す。いくつかの実施形態では、これは、単一の論理キュービットまたはキューディットをエンコードするために使用されるデータキュービットまたはキューディットのパッチの1つの側に沿ってキュービットまたはキューディットの数に変換される。これは、論理キュービットまたはキューディット状態における誤差につながり得る、データキュービットまたはキューディット誤差の最小の可能性として考えられる数に等しい。
【0068】
本明細書で使用されるように、用語「シンドロームキュービット」は、概して、誤差を検出するために使用される、物理キュービットのうちの1つを指す。
【0069】
本明細書で使用されるように、用語「シンドロームキューディット」は、概して、誤差を検出するために使用される、物理キューディットのうちの1つを指す。
【0070】
本明細書で使用されるように、用語「シンドローム」は、概して、シンドロームキューディットまたはキュービットからの(可能性として多くの)測定の組み合わせられた読出値を指す。
【0071】
本明細書で使用されるように、用語「回復演算」は、概して、データキュービットまたはデータキューディットに適用するべきゲートの提案されたセットを指す。
【0072】
本明細書で使用されるように、用語「量子誤差補正コードのためのデコーダ」は、概して、シンドロームの数を入力としてとり、誤差が生じる前の論理キュービットまたは論理キューディットの状態を復元するように意図される回復演算を出力としてもたらす、方法およびシステムを指す。
【0073】
本明細書で使用されるように、用語「誤差補正のラウンド」は、概して、量子誤差補正コードを通した1回の端から端までの通過を指す。
【0074】
本明細書で使用されるように、用語「論理誤差率」は、概して、所与の時間単位における論理キュービットまたはキューディットにおける論理誤差の発生の確率を指す。一実施形態では、これは、誤差補正スキーム全体の1つのラウンドが論理キュービットにおける誤差をもたらす周波数を見出すことによって計算される。
【0075】
本明細書で使用されるように、用語「ニューラルネットワーク」は、概して、ノードのいくつかのサブセットが、発信エッジのみを有する「入力」として指定され、ノードのいくつかのサブセットが、着信エッジのみを有する「出力」として指定される、算出グラフを指し、パラメータを伴うノード毎に、そのパラメータに対するその関連付けられる関数の勾配自体が、容易に算出可能な関数である。
【0076】
本明細書で使用されるように、用語「フィードフォワードニューラルネットワーク」は、概して、いかなるサイクルも伴わず、入力から出力への全ての経路が同一の長さを有する、ニューラルネットワークを指す。
【0077】
本明細書で使用されるように、用語「入力層」は、概して、入力ノードのセットを指す。
【0078】
本明細書で使用されるように、用語「層」は、概して、入力層からの固定された等しい距離のノードのセットを指す。
【0079】
本明細書で使用されるように、用語「入力ベクトル」は、概して、入力ノードまたは複数のノードの中に進入するためのベクトルを指す。
【0080】
本明細書で使用されるように、用語「出力ベクトル」は、概して、出力ノードまたは複数のノードの中に進入するためのベクトルを指す。
【0081】
本明細書で使用されるように、用語「訓練データ」は、概して、(x, y)対のセットを指し、xは、入力データ点であり、yは、出力データ点である。
【0082】
本明細書で使用されるように、用語「シンドローム抽出回路」は、概して、1つまたはそれを上回るシンドロームキュービットまたはキューディットをデータキュービットまたはキューディットと交絡させ、(a)保護されている量子算出の論理状態を崩壊させることなく測定され得、(b)これらの測定の結果が、物理キュービットまたはキューディットを悩ませる誤差についての情報を抽出するために使用され得る状態におけるシンドロームキュービットまたはキューディットを調製するために使用される、回路を指す。
【0083】
以下の詳細な説明では、文脈が別様に決定付けない限り、類似する符号が、典型的には、類似するコンポーネントを識別する、付随の図が、参照される。
【0084】
マルチレベル量子システム
マルチレベル量子システムが、量子状態の重畳および交絡等の量子力学的プロセスに基づいて動作する方法で構造化されてもよい。マルチレベルシステムは、人工または自然原子の2つまたはそれを上回るエネルギー状態、例えば、超伝導人工原子の基底(|0>)および第1の励起状態(|1>)を伴うシステムを含むことができる。そのようなマルチレベルシステムは、0, 1, …, n個のエネルギー状態を有することができる。マルチレベル量子システムは、「キューディット」と称され得、複数のキューディットが、量子コンピューティングシステムを実装するために使用され得る。キューディットは、n個の量子状態0,1 , ... ,n-1のうちの1つまたはn個の状態のうちのいずれかの重畳として考えられ得る。2つのエネルギー状態、すなわち、基底(|0>)および第1の励起状態(|1>)のみから成るシステムを含む、キューディットの具体的サブカテゴリが、存在する。これらの2状態システムは、「キュービット」と称される。各キュービットは、これらの2つの状態のうちの1つに置かれることができる。しかしながら、マルチレベル量子システムの性質に起因して、それらはまた、これらの2つの状態の重畳に置かれることができる。交絡されたキュービットまたはキューディットデバイスは、算出タスクを実施することができる。
【0085】
量子誤差補正コード
量子誤差補正コード(QECC)は、比較的により高い誤差率を伴ういくつかの物理データキューディットから比較的に低い誤差率を伴う1つまたはそれを上回る実用的な論理キューディットを構築することによって実装されることができる。QECCは、例えば、データキューディットの数(nによって表される)、論理キューディットの数(kによって表される)、およびコード状態に生じ、依然として補正され得る誤差の数(コード距離と呼ばれ、dによって表される)を含む、いくつかのパラメータによって特徴付けられ得る。
【0086】
いくつかの実装では、QECCは、古典的誤差補正コード(ECC)の自然な延長として構築されてもよく、これは、ビット反転誤差を補正することによって、多くの低忠実度ビットを使用して、1つまたはそれを上回る論理ビットをエンコードすることができる。
【0087】
QECCの顕著なクラスが、スタビライザコードによって与えられる。一般的なスタビライザ形式論は、以下の通りである。nキューディットパウリ群のアーベル部分群Kが、選定され、これは、スタビライザ部分群と呼ばれる。発生器A_1, A_2, …, A_kのセットが、Kのために選定される。コード空間は、A、すなわち、固有値+1の固有状態によって安定化されるデータキューディットの状態の空間である。コード空間は、したがって、n-k個の論理キューディットをエンコードする。スタビライザA_1, A_2, …, A_kのそれぞれを同時に測定することは、データ状態をコード空間に投影する。詳細に関して、Gheorghiu, V.「Standard Form of Qudit Stabilizer Groups」 https://arxiv.org/abs/1101.1519およびGottesman, D.「An Introduction to Quantum Error Correction and Fault-Tolerant Quantum Computation」(2009), https://arxiv.org/abs/0904.2557(参照することによって本特許文書の明細書の一部として組み込まれる)を参照されたい。
【0088】
スタビライザコードの実施形態のうちの1つは、CSSコードである。CSSコードは、同一の数のデータビットを伴う2つの入れ子になった線形ECCであるC’<Cから単一のQECCを生産する、Calderbank-Shor-Steane(CSS)構造を使用して定義される。論理キュービットは、部分商C/C’内でエンコードされる。本構造がQECCを生産する理由は、(1)パウリX(ビット反転)誤差およびパウリZ(位相反転)誤差の両方を補正するための能力が、完全な量子誤差補正を可能にし、(2)アダマールゲートの適用が、コードをその双対に反転させ、Z誤差に関してX誤差を交換するためである。CSSコードに関して、各スタビライザ発生器は、XタイプまたはZタイプのいずれかである。(例えば、M. NielsenおよびI. Chuangによる「Quantum Computation and Quantum Information」(10th Anniversary Edition, ISBN 978-1-107-00217-3, Cambridge University Press, 2010, http://mmrc.amss.cas.cn/tlb/201702/W020170224608149940643.pdf)(参照することによって本特許文書の明細書の一部として組み込まれる)の第10章を参照されたい。)
【0089】
完全なQEC手順は、以下のように実装されることができる。一定の時間間隔において、データキューディットと、シンドロームキューディットとを備える、シンドローム抽出回路が、実行される。そのようなシンドローム抽出回路は、物理キューディットゲートのシーケンスを動作させ、「スタビライザ測定」を実施し、シンドロームキューディットから読出値を生産する。読出値の本集合は、「シンドローム」と称される。本シンドロームデータは、生じた誤差についての不完全な情報を提供し、そのシンドロームを引き起こした最も可能性の高い誤差を推測する、古典的デコーダに送信される。デコーダは、候補回復演算を返し、これは、次いで、データキューディットに適用される。
【0090】
種々の古典的アルゴリズムが、使用されるコードに応じて、効率的かつ正確なデコードを実施するために開発されている。いくつかの実施例およびそれらの実装詳細が、C. Chamberland et. al.による「Triangular color codes on trivalent graphs with flag qubits」https://arxiv.org/pdf/1911.00355.pdf (2020)、KubicaおよびN. Delfosseによる「Efficient color code decoders in d ≧ 2 dimensions from toric code decoders」https://arxiv.org/pdf/1905.07393.pdf (2019)、N. Delfosse、N. H. Nickersonによる「Almost-linear time decoding algorithm for topological codes」https://arxiv.org/pdf/1709.06218.pdf (2017)、およびBrown et al.による「Fault-tolerant error correction with the gauge color code」(2015)(https://arxiv.org/abs/1503.08217)(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)に見出されることができる。
【0091】
いくつかの実装では、そのようなアルゴリズムは、量子プロセッサの外部にある特殊目的古典的デコーダ上で実施されてもよい。例えば、本明細書に開示される特殊目的デコーダは、十分に低い極低温温度において動作してもよく、通信遅延の最小限化を可能にする、所望の低い極低温温度における量子プロセッサに物理的に近接して設置されてもよい。具体的実施例として、特殊目的デコーダは、10mK、100mK、600mK、3K、または4K等の数十mK~数ケルビンの範囲内の好適な極低温温度において設置されてもよく、量子プロセッサの極低温温度は、数十mKである。
【0092】
量子誤差補正技法に関するさらなる詳細が、Devitt, S. J.、Munro, W. J.、Nemoto K.による「Quantum Error Correction for Beginners」https://arxiv.org/pdf/0905.2794.pdf (2013)およびNielsen, M.、Chuang, I.による上記に引用された2010年の書籍における第10章「Quantum error-correction」http://mmrc.amss.cas.cn/tlb/201702/W020170224608149940643.pdf(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)に見出されることができる。
【0093】
トポロジカル誤差補正コードは、キューディットが固定された物理的レイアウトに従うスタビライザコードであり、論理キューディット空間は、キューディットを含有する表面の2次ホモロジ群を用いて識別される。本状況では、各スタビライザ発生器は、プラケットと称される、表面上の2次元面に対応する。
【0094】
耐障害性量子算出
量子コンピューティングデバイスおよびその動作は、量子デバイスの論理および物理コンポーネントによって特徴付けられることができる。本デバイスの物理コンポーネントは、キュービット、ゲート等を含む、実際のハードウェアである一方、論理コンポーネントは、論理キュービット、ゲート等の本デバイスの論理機能を表し、本デバイス上で実施される算出において操作される抽象的情報を指す。前述で言及されるように、種々の実装では、QECCによる1つの論理キュービットの構造は、複数の物理キュービットおよび物理ゲートを使用してもよい。
【0095】
ゲートモデル量子算出は、論理キュービットだけではなく、全て論理状態に作用する、キュービット調製、量子ゲート、キュービット測定、および待機(キュービットの状態の保存)等の論理コンポーネントを伴う。これらのコンポーネントのうちのいずれかは、動作時に故障し得、物理的状態の中に誤差を導入し得る。その状況では、導入される誤差の数が、大きすぎ、したがって、物理的状態におけるそのような誤差が、もはやQECCによって補正され得ないとき、論理状態も、同様に誤り得る。
【0096】
耐障害性量子算出は、誤差に耐性がある方法でこれらのコンポーネントの全てを実装するプロトコルを指し、すなわち、量子算出の論理的結果は、導入される誤差の数が本デバイスの誤差補正能力を超えて大きすぎない限り、いかなる故障も生じなかった場合と同一にされることができる。耐障害性量子算出に関するいくつかの情報が、Gottesman, D.による「An Introduction to Quantum Error Correction and Fault-Tolerant Quantum Computation」https://arxiv.org/pdf/0904.2557.pdf (2009)に見出されることができる。耐障害性は、有用な量子コンピューティングに不可欠であり得、耐障害性デバイスを構築することが、実践的な量子コンピューティングシステムを構築する際に望ましい。耐障害性量子算出を達成するために、誤差補正ガジェットまたはモジュールが、単一の耐障害性論理キュービットを生産するために使用されることができ、これに基づいて、耐障害性ガジェットまたはモジュールは、耐障害性調製、耐障害性ゲート等の量子回路の他のコンポーネントに対応するように提供されることができる。耐障害性量子算出に関する複数のスキームが、提案されており、これは、種々の方法で量子誤差補正コードを使用する。各論理キュービット自体がQECCにおいてエンコードされる場合に耐障害性ガジェットを構築および使用することは、アーキテクチャの課題を提示する。さらなる詳細が、Litinski, D.による「A Game of Surface Codes: Large-Scale Quantum Computing with Lattice Surgery」https://arxiv.org/pdf/1808.02892.pdf (2019)、Horsman, C. et alによる「Surface code quantum computing by lattice surgery」https://arxiv.org/pdf/1111.4022.pdf (2013)、Landahl, A. J.、Anderson, J. T.、Rice, P. R.による「Fault-tolerant quantum computing with color codes」https://arxiv.org/pdf/1108.5738.pdf (2011)、およびFowler, A. et alによる「Surface codes: Towards practical large-scale quantum computation」https://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1208/1208.0928.pdf (2012)(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)に見出され得る。
【0097】
耐障害性誤差補正
開示される技術を実装するための好適な誤差補正ガジェットは、量子プロセッサの一部として実装される、シンドローム抽出回路と、古典的プロセッサの一部として実装される、デコーダとを含むことができる。これは、物理コンポーネントのシンドローム抽出回路の誤差率が、固定閾値(経験的に決定され、使用されるQECCに基づいて変動する)を下回り、我々が、完全なデコーダを有する場合、誤差補正ガジェットの故障率が、QECCのコード距離を増加させることによって恣意的に小さくされ得るという閾値定理(Gottesman, D.によるarXiv:0904.2557 (2009)参照)の結果である。完全なデコーダは、実践において不可能である可能性が高く、また、デコード問題は、コード距離が増加されるにつれて、解決することがより困難になる。実践的なデコーダを実装するための1つの方法は、Chamberland, C.、Ronagh, P.による「Deep neural decoders for near term fault-tolerant experiments」arXiv:1802.06441 (2018)(https://arxiv.org/abs/1802.06441)(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)と題された論文におけるそのようなデコーダのいくつかの実施例によって説明されるように、デコード問題を解決するためのニューラルネットワークに基づくデコーダを構築することである。
【0098】
リカレントニューラルネットワーク
デコーダの関数近似器に関する候補のうちの1つは、リカレントニューラルネットワークである。本ニューラルネットワークモデルは、構築するために十分に単純であるが、訓練データを適合させ、それによって、デコーダを正確に模倣するために十分にさらに複雑であるアーキテクチャを有し得る。リカレントニューラルネットワークは、シンドローム測定の時系列性質を取り扱うことに対する自然なアプローチである。
【0099】
リカレントニューラルネットワークは、内部状態ベクトルを維持し、これは、ある所定のベクトルとして初期化される。単一の再帰ステップが、入力ベクトルとともに本内部状態ベクトルを第1のフィードフォワードニューラルネットワークを通して通過させることによって実装されることができ、これは、リカレントニューラルネットワークのための新しい内部状態ベクトルをもたらす。抽出ステップは、内部状態ベクトルを第2のフィードフォワードニューラルネットワークを通して通過させることによって実施され、これは、出力ベクトルをもたらす。
【0100】
各シンドロームキュービットに対するN個のラウンドの測定を含有するデータ点を使用する推測の1回の完全な通過は、N個のラウンドの再帰ステップ(それぞれ、測定セットのうちの1つを使用する)を含み、単一の抽出ステップが続く。
【0101】
図1は、本特許文書における開示される技術に基づく、誤差補正ガジェットまたはモジュールのデコーダ部分を実装するための極低温古典的超伝導回路100の実施形態の実施例を示す。極低温古典的超伝導回路100は、内側で超伝導回路のための適切な動作条件を維持するために、1つまたはそれを上回る極低温温度において動作される。極低温古典的超伝導回路100は、量子誤差補正コードのデコーダ102を含んでもよい。量子誤差補正コードのデコーダ102は、1つまたはそれを上回る関数近似器モジュール104、106、および108を含む。量子誤差補正コードのデコーダは、複数のノードと、ノードの間にパルスを分配するための複数のノードのノードの間の複数の相互接続と、複数の加重とを含む。極低温古典的超伝導回路は、磁気接合および/または量子位相スリップデバイスを含み得る、混合信号、デジタルおよび/またはアナログジョセフソン接合超伝導電子機器を含む。動作時、そのような極低温古典的超伝導回路100は、1つまたはそれを上回るシンドロームキューディットとインターフェースをとり、1つまたはそれを上回るシンドロームキューディットの測定データを受信するために提供される。
【0102】
一実施形態では、ジョセフソン接合超伝導電子機器は、単一磁束量子論理を含む。別の実施形態では、ジョセフソン接合超伝導電子機器は、断熱量子磁束パラメトロンタイプ回路を含む。他の実施形態では、ジョセフソン接合超伝導電子機器は、SQUIDまたはBi-SQUIDを含む。ジョセフソン接合超伝導電子機器は、ERSFQ、eSFQ、AQFP、RQL、RSFQ、SFQuClass、nSQUIDベース、またはSQUIDおよびBi-SQUIDを使用するアナログ回路等の1つまたはそれを上回る好適なデジタルおよび混合信号量子磁束回路に基づいて構築されてもよい。
【0103】
関数近似器104、106、または108は、本明細書に開示される関数近似器実施例等の種々の構成において実装されてもよい。そのような関数近似器の一実施例は、論理的に算出可能な関数として現れ、可能性として、基礎となるマッピングを決定する調整可能パラメータを有する、入力ベクトルから出力ベクトルへのマッピングを含むことができる。本明細書の別の場所に説明される訓練と称されるプロセスを通してパラメータを調整することによって、関数近似器は、入力-出力対の所与の訓練データセットに適合され、それによって、それから訓練データが発生される真の関数を近似することができる。いったん訓練されると、関数近似器マッピングは、訓練データセット上のその挙動を合致させることによって、真の関数を近似する。
【0104】
一実施形態では、関数近似器は、シンドロームと誤差との間の対応を効率的に算出する、古典的論理回路を含む。別の実施形態では、本古典的論理回路は、シンドロームを誤差にマッピングするためのテーブルを含む。別の実施形態では、古典的論理回路は、本テーブルを実装または近似するハッシュ関数を使用することによって実装されることができる。
【0105】
別の実施形態では、古典的論理回路は、シンドロームと誤差との対応を算出するためのハードウェア効率的組み合わせアルゴリズムに基づいて実装されることができる。一実施形態では、そのような組み合わせアルゴリズムは、A. G. Fowler, et al.による「Topological code Autotune」(https://arxiv.org/abs/1202.6111)(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)と題された2012年の論文における実施例によって例証されるように、そのサブルーチンのうちの1つまたは複数として最小加重完全合致(MWPM)を含んでもよい。別の実施形態では、組み合わせアルゴリズムは、https://arxiv.org/abs/1709.06218 (2017)におけるN. DelfosseおよびN. H. Nickersonによる「Almost-linear time decoding algorithm for topological codes」(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)と題された論文における実施例によって例証されるように、サブルーチンとして素集合(UF)を含んでもよい。
【0106】
一実施形態では、関数近似器は、Nielsen, M.による「Neural Networks and Deep Learning」http://neuralnetworksanddeeplearning.com/と題された2013年の書籍およびJames, G.、Witten D.、Hastie T.、Tibshirani Rによる「An Introduction to Statistical Learning: with Applications in R」(https://link.springer.com/book/10.1007/978-1-4614-7138-7)と題された書籍(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)における実施例によって例証されるように、ニューラルネットワークを含むことによって実装されることができる。
【0107】
ニューラルネットワークは、限定ではないが、ディープニューラルネットワークを含む、種々のタイプであってもよい。ある実施形態では、ディープニューラルネットワークは、畳み込み、リカレント、またはフィードフォワードユニットを含んでもよい。
【0108】
ニューラルネットワークは、整流線形またはシグモイド関数等の活性化関数を伴うノードを有してもよい。
【0109】
別の実施形態では、ニューラルネットワークは、確率的グラフィカルモデルに基づいてもよい。1つまたはそれを上回る実施形態では、確率的グラフィカルモデルは、ホップフィールドニューラルネットワークまたはボルツマンマシンを含んでもよい。
【0110】
別の実施形態では、関数近似器は、少なくとも1つの線形関数を含む。また別の実施形態では、関数近似器は、回帰ユニット、分類器、決定木、およびランダムフォレストのうちの少なくとも1つを含む。関数近似器の実施例に関するさらなる詳細が、「An Introduction to Statistical Learning: with Applications in R.」と題された上記に参照される書籍に見出されることができる。デコーダが、加重を有する場合、そのような加重が、少なくとも1つの関数近似器パラメータを表すことを理解されたい。関数近似器がニューラルネットワークである実施形態では、調整可能パラメータは、ニューラルネットワークの層の間の線形行列の係数を含んでもよい。関数近似器自体が、それ自体の中のコンポーネントとして複数の関数近似器を含有し得ることをさらに理解されたい。
【0111】
依然として
図1を参照すると、極低温古典的超伝導回路100は、シンドロームキューディットまたはキュービットからの測定データを処理のために関数近似器104、106、または108のために好適な入力に変換するために、デコーダ102の前に前処理ユニット110を含んでもよい。極低温古典的超伝導回路100はさらに、関数近似器104、106、または108からの出力を回復演算に変換するために、後処理ユニット112を含んでもよい。
【0112】
図2は、
図1のデコーダ実施例等の本明細書に開示されるデコーダの関数近似器のノードの実施例の略図を示す。そのようなノードは、いくつかの実装では、ニューラルネットワークにおけるノードであり得る。
【0113】
デコーダにおける各ノード200は、1つまたはそれを上回る他のノードから1つまたはそれを上回る入力信号(in1, in2, …, inn)を受信する、受信機区分202と、入力信号を処理する、処理コア204と、処理コア204による処理の結果に基づいて、他の層におけるノードに関する出力または関数近似器の結果を表す出力を生成する、送信機区分206とを含む。関数近似器がディープニューラルネットワークである実施形態では、受信機区分202は、以前の層におけるノードから、またはシンドローム抽出回路から入力信号を受信する。
【0114】
図2では、各ノード200は、異なる機能性を伴う3つの重複する区分202(受信機)、204(処理コア)、および206(送信機)と見なされることができる。受信機区分202は、先行する層におけるノードまたは極低温古典的超伝導回路の一部としてのシンドローム抽出回路から発生された全ての信号を収集する。以前の層におけるノードからの入力の層におけるノードへの各入力は、対応する加重によってスケーリングされてもよい。1つまたはそれを上回る実施形態では、以前の層におけるノードからの全ての加重された入力は、受信機においてともに合計され、処理コアにフィードされる。処理コア204は、受信機202から信号を受信し、その上に活性化を適用する。活性化は、入力信号を出力信号にマッピングする、活性化回路によって実装される。本マッピングは、異なる形態であり得るが、一般に、大部分が非線形である。実装では、ある非線形性が、信号の流動に対して活性化回路の中に導入される。ReLU(整流線形活性化関数ユニット)、シグモイド、およびその他等の異なる形態の非線形性が、使用されることができる。一般に、活性化回路では、ある場合には、対応する加重によって加重される以前のノードからの全ての信号の総和である、入力は、活性化回路の詳細に依存する、出力信号にマッピングされる。本マッピングは、殆どの場合では、本質的に非線形である。所望の機能性に応じて、活性化回路は、出力が、入力が閾値を上回る場合にのみ生産される、閾値活性化回路と同程度に単純であり得る。他の実装では、活性化回路は、ReLUまたは他の関数のように、より複雑なマッピングを実装し得る。
【0115】
ニューラルネットワーク実装では、シンドロームキューディットとインターフェースをとる入力層におけるノードは、それぞれ、ノード受信機202への1つの入力を有し、本単一の入力は、シンドローム測定に由来するデジタル情報を搬送する。入力層における全てのノードに関する単一の加重は、同一であり、いくつかの実装では、1であると仮定され得る。処理コア204は、ノード受信機202において到着する本デジタル信号を、ニューラルネットワークの内側層にフィードされるパルスに変換する。したがって、第1の層におけるノードはそれぞれ、単一のデジタルパルスを受信し、これを続く層における複数のノードにフィードされるパルスに変換する。本コンバータの実施例は、V. K. Kaplunenko、V. P. Koshelets、K. K. Likharev、V. V. Migulin、O. A. Mukhanov、G. A. Ovsyannikov、V. K. Semenov、I. L. Serpuchenko、およびA. N. VystavkinによってExtended Abstracts of International Superconductive Electronics Conference (ISEC’87), Tokyo, pp. 127-130(1987年8月)における「Experimental Study of the RSFQ Logic Circuits」(参照することによって本特許文書の開示の一部として組み込まれる)において開示されるSFQ-DCコンバータに基づくことができる。SFQ-DCコンバータでは、高速SFQパルスが、低速変動または固定振幅電圧パルスに変換される。低速変動電圧パルスは、ニューラルネットワークにおいて処理されるためにより便宜的である。
【0116】
開示される技術を実装する際、デコーダは、層の異なるノードまたは異なる層に関して異なるタイプの活性化回路を実装するように設計されてもよい。例えば、隠れ層におけるノードにおいて使用される活性化は、ReLUであり得、最後の層上の活性化回路は、閾値検出器回路であり得る。一般に、異なる数のコンポーネント、トポロジ、および作業条件を使用する異なる活性化関数が、実装されてもよい。
【0117】
活性化関数の実施例は、ReLUである。処理コア204の出力は、送信機206にフィードされ、次の層におけるノードにブロードキャストされる。送信機206は、信号が、次の層に送信されるために十分に強いように設計される。送信機206の出力は、ネットワークにおける相互接続に応じて、単一の出力または複数の出力であり得る。例えば、信号が、次の層に直列にフィードされる場合、出力は、単一のラインである、または代替として、これは、次の層への並列フィードの場合では、並列出力であり得る。送信機区分では、増幅器が、必要な場合、信号を強化するように設計され得る。
【0118】
ここで
図3を参照すると、
図2のノードを実装するためのノード受信機区分202の実施形態の実施例の略図が、示される。受信機区分の本特定の実施例は、入力信号として磁束、電流、または電圧を備える、少なくとも1つのパルスを受信する。本実施例における受信機区分は、それぞれ、入力信号を記憶する、入力バッファと、それぞれ、信号加重を受信された入力信号に適用するための信号結合回路とを含む。
【0119】
動作時、受信機区分202は、これが受信する各個々の入力信号に対して対応する加重を適用するように構造化および動作される。一実施形態では、量子誤差補正コードのデコーダの加重は、図示されるような磁気結合回路、容量結合回路、または抵抗結合回路によって達成され得る、固定信号結合を使用して適用される。一実施形態では、固定磁気結合回路は、それぞれ、磁気的に結合されたインダクタの対によって形成される、変圧器302、304、または306を含む。本実施形態では、入力信号(in1, in2, …, inn)は、異なる変圧器302、304、および306を介して磁気結合によってそれらの対応する加重を用いて適用される。そのような実施形態では、異なる結合強度が、対応する加重を表すために、変圧器における異なる入力パルスのために使用され、固定磁気結合は、対応する加重に比例する。
【0120】
ここで
図15を参照すると、入力信号を記憶するための結合を伴う入力バッファおよびDフリップフロップバッファ機能の実施例の実施形態が、示される。そのような入力バッファは、以前のノードに由来する異なる入力信号の加重された結合を記憶および同期するために追加される。バッファの1つの機能は、入力信号を記憶し、それらの個別のクロック信号(CLK)を使用し、全ての加重された結合が同時に生じるように、加重を用いて適用されるべき入力信号のタイミングを制御することである。
【0121】
一実施形態では、バッファは、
図15の右側上に示される回路によって示されるようなDフリップフロップバッファ1500であり、これは、ジョセフソン接合J
0、J
1、およびJ
2と、インダクタL
1およびL
2によって形成される変圧器と、電流源I
bとを含む。接合J
0によって受信される入力信号は、接合J
1を切り替え、インダクタL
1内に記憶される磁束を生成する。記憶された磁束は、その結果、関連付けられる加重m
nを用いてL
2に結合する。全ての入力信号がそれらの対応する入力バッファに到着した後、クロック信号CLKが、各バッファ内のジョセフソン接合J
2に印加され、ジョセフソン接合J
2を切り替え、磁束を除去することによってDフリップフロップをリセットし、パルスの次のラウンドのためにこれを準備する。
【0122】
抵抗結合が、分圧器を含み得ることを理解されたい。異なる結合強度が、複数の加重の加重を表すために、分圧器における異なる入力パルスのために使用されてもよい。固定抵抗結合は、加重に比例する。
【0123】
別の実施形態では、量子誤差補正コードのデコーダの加重は、可変結合を使用して適用される。可変結合は、磁気結合、容量結合、またはガルバニック結合であってもよい。
【0124】
一実施形態では、可変磁気結合は、
図16に示されるような2ステージ変圧器の内側の間置されたSQUIDを使用して実装される。調節可能電流を変化させることによって、SQUIDに堆積される磁束の量は、変化する。これは、調節可能電流に応じて、L
1とL
2との間の有効結合m
nを可変関数にするであろう。
【0125】
ここで
図4を参照すると、可変加重実装の別の実施形態が、示される。加重は、発生されたSFQパルスの数においてエンコードされる。可変加重は、発生されたSFQパルスの数を対応する加重に比例的に変動させることによって実装される。依然として、複数の数のSFQパルスが発生される、可変結合実施形態では、ジョセフソン接合超伝導電子機器は、SQUIDを含んでもよい。本明細書では、発生されるパルスの数は、SQUIDのバイアス電流または臨界電流を変化させることによって変動される。本実施形態では、可変多重パルス発生器は、伝送ノード、受信ノードのいずれかで、または伝送および受信ノードの両方で実装されてもよい。
【0126】
ここで
図5を参照すると、調節可能電流源に基づく、可変多重パルス発生器の2つの実施形態502および504が、示される。発生される可変多重パルスは、SFQパルスである。2つのジョセフソン接合J
0およびJ
1を伴う多重パルス発生器502では、出力パルスの数は、調節可能電流源を使用することによって制御される。ジョセフソン接合J
0、SQUID、および電流源を伴う多重パルス発生器504では、出力パルスの数は、SQUIDに磁気的に結合されるインダクタからの外部磁場を用いてSQUIDの臨界電流を調節することによって制御される。
【0127】
可変加重実装が、訓練の結果として調節され得る、プログラム可能な加重を可能にすることを理解されたい。
【0128】
ここで再び
図2を参照すると、処理コア204は、ノード200に関する活性化関数を実装する。シグモイドおよび整流線形ユニット(ReLU)等の異なる活性化関数が、接合のシャントおよび異なる数のジョセフソン接合、および異なるトポロジを含む、回路パラメータの異なる値を使用して実装されてもよい。
【0129】
ここで
図6を参照すると、閾値に基づく活性化関数を伴うノード処理コア204の実施形態が、示される。活性化回路は、ここでは、ソフトバイナリステップ関数のように機能し、入力が、ある閾値を上回る場合、出力は、デジタルハイであり、入力が、ある閾値を下回る場合、出力は、デジタルローである。デコーダでは、入力の値に基づいて、各ノードの出力は、誤差補正回路にフィードされるデジタルパルスである。一実施形態では、単純な閾値比較器が、シグモイド関数を実装するために使用される。本実施形態では、処理コア204は、閾値に基づいて出力パルスを発生させるために、電流源に結合される、2つのジョセフソン接合J
0およびJ
1を含む。具体的には、本実施形態では、入力パルスおよび電流源からのバイアス電流の組み合わせられた振幅が、ジョセフソン接合J
1の臨界電流を超える場合、ジョセフソン接合J
1は、切り替わり、したがって、出力への1つのパルスを生成する。
【0130】
いくつかの実施形態では、処理コア204は、磁束を記憶するための少なくとも1つの超伝導記憶ループ602(入力に結合されるインダクタLstorage)を含む。記憶ループ602は、受信機区分202から信号を受信し、記憶された値に基づいて、関連信号を出力する。
【0131】
ここで
図7Aを参照すると、SQUIDを使用する整流線形ユニット(ReLU)活性化関数およびSQUIDの調節可能バイアス電流源I
bを伴う
図2のノード処理コア204の実施形態が、示される。SQUIDの伝達関数は、整流線形ユニット(ReLU)関数を一次に近似する。ここでは、Lpは、受信機区分における入力インダクタの有効インダクタンスを表し、別のインダクタが、SQUIDに結合され、調節可能臨界電流I
tを搬送し、信号が、それから発し、磁気結合を通してノードの処理コアに進入する。調節可能バイアス電流源I
bは、整流線形ユニット(ReLU)関数の機能性を決定し、調節可能臨界電流I
tは、整流線形ユニット(ReLU)に関する閾値を決定するために使用される。入力が、所定の閾値よりも小さい場合、いかなる出力も、生成されない一方、入力信号が、I
tによって設定される閾値を超えるとき、信号の強度に応じて、可変数のSFQパルスが、発生される。単位時間あたりの出力パルスの数(パルス率または平均出力dc電圧)が、整流線形ユニット(ReLU)関数によって決定される。2つの電流I
bおよびI
tを調節することによって、伝達関数上の作業曲線が、選定され得る。
【0132】
ここで
図7Bを参照すると、高度に線形の磁束対電圧特性を達成するために、
図7AのSQUIDを置換するためのBi-SQUIDを使用する、整流線形ユニット(ReLU)活性化関数を伴うノード処理コアの別の実施形態が、示される。Bi-SQUIDの機能性は、これが整流線形ユニット(ReLU)関数をより良好に近似し得るという差異を伴って、SQUIDに類似する。Bi-SQUIDの伝達関数は、整流線形ユニット(ReLU)関数の線形区分に関して活用され得る、線形領域を示す。回路の機能性は、上記のSQUIDバージョンに類似する。ここでは、Lpは、受信機区分における有効インダクタンスを表し、信号が、それから発し、磁気結合を通してノードの処理コアに進入する。調節可能電流源I
bは、整流線形ユニット(ReLU)関数の機能性を決定し、調節可能臨界電流I
tは、整流線形ユニット(ReLU)に関する閾値を決定するために使用される。入力が、所定の閾値よりも小さい場合、いかなる出力も、生成されない一方、入力信号が、I
tによって設定される閾値を超えるとき、信号の強度に応じて、可変数のSFQパルスが、発生される。単位時間あたりの出力パルスの数(パルス率または平均出力dc電圧)が、整流線形ユニット(ReLU)関数によって決定される。2つの電流I
bおよびI
tを調節することによって、伝達関数上の作業曲線が、選定され得る。
【0133】
ここで
図8を参照すると、ノード処理コア204に関する記憶された磁束を消去し、回路をリセットする2つの実施形態が、示される。記憶ループ内に記憶される磁束を空にすることは、回路をリセットし、次の入力のためにノードを準備する。実施形態802では、磁束は、合致するインピーダンスを伴う負荷抵抗器806を使用して消去され、記憶された磁束は、時定数L1/Rで減衰し、式中、L1は、抵抗器と直列の全インダクタンスである。他の実施形態804では、磁束は、外部磁束制御を伴うSQUIDを使用することによって消去される。外部磁束リセット信号を印加することによって、SQUIDの臨界電流は、低減され、これは、SQUIDを通常の状態に駆動することができる。通常の状態では、記憶された磁束は、減衰し、デコードパルスの次のラウンドのために回路を準備する。
【0134】
ここで再び
図2を参照すると、送信機区分206は、ノードの出力を次の層におけるノードの受信機区分に、または関数近似器結果を表す出力に接続することに関与する。
図9および10の実施例等、種々の接続スキームが、実装されてもよい。一実施形態では、相互接続は、直接的1対1相互接続である。別の実施形態では、相互接続は、相互接続の数を低減させるために、バスおよび並列化および直列化の異なる方法を使用して実装される。完全直列相互接続の実施例が、
図10の実施例に示され、単一のラインが、複数のインダクタと結合され、これは、1つの層における1つのノードを次の隣接する層におけるノードにおいて実装されるインダクタに磁気的に結合する。2つの隣接する層のノードの間の直接的1対1相互接続の実施例が、
図9に示され、1つの層における各ノードの出力は、種々の方法を使用して、次の層における異なるノードに分配されてもよい。直接的1対1接続の一実施形態では、各ノードの出力は、SFQパルススプリッタのツリーを使用して分配され、全ての受信モードのための十分なパルスを生成する。スプリッタは、入力SFQ信号の同じコピーを生成する。入力毎に2つの出力を生成するバイナリスプリッタは、最も一般的に使用されスプリッタである。完全直列相互接続では、出力電流パルスは、全ての受信機ノードに結合し、抵抗器を介して接地に終端する。
【0135】
一実施形態では、ジョセフソン伝送ライン(JTL)または受動的伝送ライン(PTL)が、ノードの間のSFQ信号の転送のために使用される。JTLは、SFQパルスの転送のために能動的ジョセフソン接合要素を使用する。PTLは、SFQまたは電流または電圧信号の転送のために受動的マイクロ波ラインを使用する。別の実施形態では、パルス信号は、ノードの間の相互接続のために、光学に転換され、電気信号に戻るように転換されることができる。ダイオードまたは他の低エネルギー光子発生技法が、電気パルスを光子パルスに転換するために使用されてもよい。超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SNSPD)または他の低エネルギー光子検出器が、光子パルスを電気パルスに転換するために使用されてもよい。光子相互接続を伴う実施形態では、低損失光学導波管が、光の伝搬のために使用され、光子源および検出器は、光子導波管に効率的に結合される。
【0136】
種々の相互接続スキームが、実装されてもよい。ここで
図10を参照すると、相互接続スキームの実施形態が、示される。本実施形態では、各伝送ノードは、次の層における異なるノードに結合される単一のPTLライン(例えば、示されるようなインダクタを介した磁気結合)を使用する完全直列方式における全ての受信ノードのためのドライバを含む。各受信ノードは、そのカプラ(固定または可変)を使用して本ラインに結合する。さらに、各受信ノードは、全ての伝送ノードから全てのそのようなラインに結合する。異なる伝送ノードからの複数の受信された信号は、各受信ノードにおいて合計される。接続1010-1026は、種々のタイプであってもよい。一実施形態では、接続1010-1026は、SFQスプリッタ等、電気的である。別の実施形態では、接続1010-1026は、変圧器を使用する磁気結合である。また別の実施形態では、接続1010-1026は、容量結合を含む。
【0137】
ここで
図11を参照すると、相互接続ワイヤの数を低減させるためにパラレライザおよびシリアライザを使用する、2つの連続する層におけるノードの間の接続性の実施形態が、示される。ノードの間の直接的相互接続、直列化、および並列化の組み合わせが、使用され得ることを理解されたい。シリアライザは、信号が発信される伝送ノードにおける各ノードから出力を直列に読み出す、直列-並列コンバータ回路である。シリアライザのデータ出力は、次いで、受信ノードに直列に伝送される。受信ノードにおいて、情報は、直列-並列コンバータを使用して並列化され、これは、関連付けられる加重された結合を用いて対応する入力にフィードされるであろう。パラレライザは、並列-直列コンバータである。
【0138】
信号が、デコーダの異なるステージにおいて増幅される必要があり得ることを理解されたい。例えば、一実施形態では、活性化関数の後の各ノードの信号は、増幅器を使用して増幅されてもよい。1つまたはそれを上回る実施形態では、増幅器は、SQUIDまたはbiSQUID等の複数のジョセフソン接合を使用することによって実装されてもよい。
図17は、ノードに関する種々の場所における増幅器の実施形態の実施例、すなわち、
図2のノード受信機202の入力側に設置される増幅器、
図2のノード処理コア204およびノード送信機206における増幅器を示す。増幅器は、種々のタイプであってもよい。各増幅器は、単一または複数のステージであってもよい。
【0139】
直列に複数のSQUIDを伴う増幅器の実施形態が、
図18に示される。
図18の本実施例における各SQUIDは、biSQUIDまたは他の好適なSQUID変形例と置換されてもよい。
図18のSQUIDに結合される一連のインダクタのフィードバック回路の実施例によって図示されるようなフィードバック機構が、増幅器の線形性、動的範囲、および/または他の特性を変化させるように設計されてもよい。
【0140】
異なるノードおよびその異なる区分のための異なる動作モード、すなわち、アナログ、デジタル、およびハイブリッドアナログ-デジタル設計が、想定され得ることを理解されたい。ノードが層において編成される、1つまたはそれを上回る実施形態では、内側層におけるノードは、アナログモードにおいて作業する一方、最初の(入力)層におけるノードの受信機区分および最後の(出力)層におけるノードの送信機区分は、デジタルモードにおいて作業する。特に、入力層におけるノードの受信機区分202は、デジタル信号を受信し、これを内部層において使用されるべきアナログ信号に変換する。出力層におけるノードは、アナログ信号を受信し、デコーダの出力としてデジタル信号を生成および伝送する。1つまたはそれを上回る代替実施形態では、内側層におけるノードは、デジタルモードまたはアナログ-デジタルハイブリッドモードにおいて作業する。デコーダが、
図1に関して本明細書の別の場所に説明されるデコーダ102等の種々のタイプであり得ることを理解されたい。1つまたはそれを上回る実施形態では、デコーダの出力は、後処理ユニット112にフィードされ、関数近似器からの出力を回復演算に変換する。
【0141】
ノードの間の相互接続が、アナログまたはデジタル(すなわち、SFQ信号のパターン)であり得ることを理解されたい。1つまたはそれを上回る実施形態では、ノードの間の信号は、デジタルに変換され、次いで、ノードの間でデジタル的に送信される。他の実施形態では、信号は、アナログ電圧または電流信号である。代替実施形態では、ハイブリッド組み合わせが、想定されてもよい。ノードの間で通信される情報は、SFQパルスの数においてエンコードされてもよい(デジタル)、または異なる振幅および長さのパルスの形状においてエンコードされてもよい(アナログ)。
【0142】
図19に示されるアナログ実施形態では、以前の層におけるノードからの入力は、異なる加重を用いて合計され、SQUID、biSQUID、またはその変形例であり得る、活性化関数回路に磁気的に結合される。活性化関数回路は、電圧が、ノード受信機区分において生成された磁束によって変調されるように設計される。出力抵抗器R
outに作用する本電圧は、次の層におけるノードにフィードされ得る、出力電流を生成する。
【0143】
デコーダシステムは、本システムの設計がアナログ、デジタル、またはハイブリッドであることに応じて、同期的および非同期的に動作されてもよい。
【0144】
1つまたはそれを上回る実施形態では、信号は、ノード間で伝搬し、各ノードにおいて、信号は、異なる加重を用いて処理され、次いで、活性化関数を通して通過し、結果として生じる信号もまた、次の層に非同期的に伝搬する。同期または非同期動作は、異なるコンポーネントのために使用されてもよい。例えば、デジタル信号を受信する入力層におけるノードの受信機区分およびデジタル信号を発生させる出力層におけるノードの送信機区分は、同期的に動作されてもよい一方、内側層におけるノードは、非同期的に動作してもよい。
【0145】
ここで
図12を参照すると、量子補正ガジェットまたはモジュール1200の実施形態が、示される。量子補正ガジェット1200は、量子誤差補正動作を実施するために設計される、1つまたはそれを上回るシンドローム抽出回路を含んでもよい。量子プロセッサ1210はまた、量子誤差補正動作が提供される、量子算出動作を実施するための物理キュービットまたはキューディットを含む。量子補正ガジェット1200はさらに、
図1に示されるようなデコーダを含有する、別個の極低温古典的超伝導回路1214を含む。
【0146】
量子プロセッサ1210は、種々のタイプであってもよい。いくつかの実装では、そのような量子プロセッサは、算出タスクを実施するために、交絡されたキューディットまたはキュービットデバイスの性質を使用する。量子力学が動作する特定の領域では、物質の粒子は、状態の重畳として公知である、複数の状態において同時に存在することができる。状態の重畳において存在する2つまたはそれを上回るキューディットまたはキュービットは、ともに交絡されることができる。キューディットが、それぞれ、2つの量子状態0および1を伴うキュービットを含む、実施形態では、交絡は、重畳におけるキュービットが、非古典的な方法で相互と相関され得、すなわち、一方の状態(これが1または0または両方であるかどうかにかかわらず)が、別のものの状態に依存し得、それらが個々に取り扱われるときよりも、それらが交絡されたときに2つのキュービットについて確認され得るより多くの情報が存在することを意味する。2つまたはそれを上回る交絡されたキューディットのシステムは、量子処理の一部として量子干渉を介して操作され得る。バイナリコンピューティングが、オンおよびオフ状態(バイナリコードにおける1および2と同等である)のみを使用することに限定される場合、量子プロセッサは、データコンピューティングにおいて使用可能である信号を出力するために、物質のこれらの量子状態を利用する。量子プロセッサ1210は、少なくとも1つのデータキューディットと、誤差補正コードを表す少なくとも1つのシンドロームキューディットとを備える、複数のキューディットを含んでもよい。複数のキューディットは、誤差補正コードを含む。誤差補正コードは、本明細書に説明される任意のタイプ等の異なるタイプであってもよい。一実施形態では、誤差補正コードは、トーリックコード、表面コード、回転表面コード、カラーコード、または三角形カラーコード等のトポロジカル誤差補正コードを含む。
【0147】
図12では、キューディット読出回路が、提供され、量子プロセッサ1210に結合され、キューディットと相互作用し、キューディットに対する測定を実施し、測定データを提供する。そのようなキューディット読出回路は、発明者であるMcDermott et al.による「System and method for circuit quantum electrodynamics measurement」と題された米国特許第9,692, 423号https://patents.google.com/patent/US9692423B2/en?oq=9692423(参照することによって本特許文書の明細書の一部として組み込まれる)に開示される読出回路を含む、種々の構成において実装されてもよい。
【0148】
量子補正ガジェット1200の動作に関連して、量子プロセッサ1210内のシンドロームキューディットと相互作用するように結合されるキューディット読出回路の一部は、量子誤差補正動作に関する測定データを提供するために、データキューディットに対して測定を直接実施することなく、シンドロームキューディットに対して測定を実施するために使用される。極低温古典的超伝導回路1214は、シンドロームキューディットを読み取ることから測定データを受信し、測定データにおける受信された情報を処理し、量子プロセッサによって実施された量子コンピューティングにおける誤差に関する情報を取得し、キューディットの量子情報を再構築するための回復演算を発生させ、量子コンピューティングにおける誤差を低減させる、
図1のデコーダを含む。
【0149】
量子補正ガジェット1200は、異なる極低温温度における異なる極低温ステージを提供するように設計される、極低温デバイス1212を含んでもよい。量子プロセッサ1210は、キューディットを動作させるために望ましい、または好適な低い極低温温度において極低温デバイス1212によって冷却される。いくつかの実装では、デコーダを含有する、極低温古典的超伝導回路1214は、量子プロセッサ1210から分離されてもよく、100mK、600mK、3K、または4K等の量子プロセッサ1210のものよりも高い極低温温度において極低温デバイス1212内に保たれてもよい。他の実装では、デコーダを含有する、極低温古典的超伝導回路1214は、量子プロセッサ1210と同一の極低温ステージにおいて、同一の極低温温度(例えば、数十mK)において極低温デバイス1212内に保たれてもよい。極低温デバイス1212は、種々のタイプであってもよい。一実施形態では、極低温デバイス1212は、キューディットの動作のための要求される低温に到達することが可能な極低温プラットフォームを含む。別の実施形態では、極低温デバイス1212は、異なる温度における異なる極低温ステージを伴う、希釈冷凍機システムを含む。
【0150】
別の実施形態では、極低温デバイス1212は、クライオ冷却器システムを含む。別の実施形態では、極低温デバイス1212は、断熱消磁冷凍機を含む。
【0151】
量子補正ガジェット1200の一部として1つまたはそれを上回るデコーダを伴う極低温古典的超伝導回路1214は、例えば、
図1の極低温古典的超伝導回路100を含む、種々の好適な極低温古典的超伝導回路によって実装されてもよい。
【0152】
極低温古典的超伝導回路1214は、量子プロセッサ1210に対する古典的コプロセッサとして作用するように構造化され、量子プロセッサ1210に結合されてもよい。極低温古典的超伝導回路1214は、量子プロセッサ1210と極低温古典的超伝導回路1214との間の通信遅延(または待ち時間)の最小限化を可能にする、同一の極低温デバイス1212によって冷却される。情報が、有限値である媒体中の電磁波の速度において進行することを理解されたい。モジュールの間の進行距離の低減は、通信遅延を低減させる。
【0153】
極低温古典的超伝導回路1214は、量子誤差補正コードの少なくとも1つのデコーダ1216のための少なくとも1つの関数近似器を含む。量子誤差補正コードのデコーダ1216のための関数近似器は、本明細の別の場所に開示される任意の関数近似器等の種々のタイプであってもよい。量子誤差補正コードのデコーダ1216は、本明細書の別の場所に開示される任意のデコーダ等の種々のタイプであってもよい。
【0154】
量子補正ガジェット1200は、論理キューディットを含んでもよい。論理キューディットは、極低温古典的超伝導回路1214と量子プロセッサ1210との間の古典的量子インターフェースを含む。論理キューディットが、少なくとも1つのデータキューディットと、少なくとも1つのシンドローム抽出回路とを含む、量子誤差補正スキームを含むことを理解されたい。各シンドローム抽出回路は、少なくとも1つのシンドロームキューディットを含む。誤差補正スキームの動作は、少なくとも、(1)各シンドローム抽出回路の少なくとも1回の反復であって、シンドローム抽出回路は、シンドロームの調製と、ゲートの実行と、シンドロームの測定とを含む、各シンドローム抽出回路の少なくとも1回の反復と、(2)デコーダへの測定読出値の通信と、(3)デコーダが回復演算を提案することと、(4)回復演算がデータキューディットに直ちに適用されるか、または後の使用のために記憶されるかのいずれかであり得ることとを含む。
【0155】
量子補正ガジェット1200は、本明細書に開示される論理キューディットのn個のコピーを含んでもよい。
【0156】
トポロジカル誤差補正コードの実施形態では、データキューディットは、プラケットと呼ばれる、1つまたはそれを上回る面を含む表面上にレイアウトされる。各プラケットは、1つまたはそれを上回るシンドローム抽出回路を含む。
【0157】
ここで
図13を参照すると、
図12に説明される量子補正ガジェット1200を使用して、量子誤差補正スキームを実装するための方法の実施形態のフローチャートが、示される。本方法は、本明細書に開示される論理キューディットの動作を含む。
【0158】
処理ステップ1302に従って、少なくとも1つのシンドロームキューディットが、提供され、量子誤差補正動作のために量子測定を実施するために調製される。少なくとも1つのシンドロームキューディットが、種々の方法で調製され得ることを理解されたい。少なくとも1つのシンドロームキューディットが少なくとも1つのシンドロームキュービットを含む、実施形態では、調製は、例えば、マイクロ波光子を介してエネルギーをキューディットに印加し、これをその状態のうちの2つまたはそれを上回るものの重畳に置くステップを含む。本状態におけるキュービットは、次いで、プロセッサにおける他のキューディット、例えば、1つまたはそれを上回るデータキューディットと交絡されることができる。キューディットの間の交絡は、キューディットの最終状態が相互に依存するような方法でそれらをともに相互作用させることによって誘発され得る。例えば、2つの超伝導キューディットの間の交絡は、相互に共振するようにキューディットを周波数調整し、ある固定時間にわたって静電容量を介して結合し、状態依存性相対的位相偏移をもたらすことによって誘発されることができる。少なくとも1つのシンドロームキューディットが少なくとも1つのマルチレベル量子システムを含む実施形態では、調製は、上記に説明されるものと同一の方法を含んでもよい。
【0159】
処理動作1304に従って、シンドローム抽出回路が、実施される。シンドローム抽出回路は、少なくとも1つのデータキューディットと、少なくとも1つのシンドロームキューディットとを含む。各シンドローム抽出回路の動作は、少なくとも、(1)所望の初期状態における1つまたはそれを上回るシンドロームキューディットの調製と、(2)データキューディット、シンドロームキューディット間の対の間のCNOT(キュービットの実施形態における)等の2キューディットゲートの適用と、(3)所望の基底におけるシンドロームの測定とを含む。Chamberland, C.、Ronagh, P.によるarXiv:1802.06441 (2018)の
図3は、回転表面コードに関するシンドローム抽出回路を描写している。Chamberland, C. et alによるarXiv:1911.00355(2020)の
図3は、三角形カラーコードに関するシンドローム抽出回路を描写している。
【0160】
依然として
図13を参照すると、処理ステップ1306に従って、少なくとも1つの測定が、少なくとも1つのシンドローム抽出回路のそれぞれの少なくとも1つのシンドロームキューディットに対して実施される。
【0161】
処理ステップ1308に従って、停止基準が、満たされる場合、本方法は、処理ステップ1310に進む。停止基準が、満たされない場合、処理ステップ1304および1306は、繰り返される。停止基準が、種々のタイプであり得ることを理解されたい。一実施形態では、停止基準は、処理ステップ1304および1306が固定された所定の回数だけ繰り返されたことである。
【0162】
依然として
図13を参照すると、処理ステップ1310に従って、少なくとも1つの測定の結果が、量子誤差補正コードのデコーダの関数近似器に提供される。極低温古典的超伝導回路は、少なくとも1つの測定に対応する結果を取得するために関数近似器を実装するように動作される。
【0163】
処理ステップ1312従って、回復演算が、関数近似器を使用して提供される。回復演算は、回復演算子を含む。
【0164】
処理ステップ1314に従って、回復演算が、適用される。回復演算子が、種々のタイプであり得ることを理解されたい。一実施形態では、回復演算子は、誤差補正コードに適用される、ユニタリ演算子である。回復演算子は、各個々のデータキュービット上の別個のユニタリ演算、例えば、単一キュービットパウリX、Y、またはZ演算を含んでもよい。代替実施形態では、回復演算子は、加えて、パウリフレーム上の基底の変化を含む。後続ゲートが、ユニタリ演算子が適用されるときのある将来の時間ステップまで、適用される前に本基底の変化を通して通過される。
【0165】
ここで
図14を参照すると、量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器を構築するための方法の実施形態が、示される。関数近似器が、本明細書の別の場所に開示される任意の関数近似器等の種々のタイプであり得ることを理解されたい。関数近似器は、
図1に関して本明細書に説明される任意の関数近似器等の任意の好適な関数近似器であってもよい。
【0166】
処理ステップ1402に従って、データが、少なくとも1つのシンドロームキューディットに関して、および誤差補正コードからの対応する誤差に関して収集される。データが、雑音チャネルによって悩まされるキューディットのシミュレーションから収集され得ることを理解されたい。雑音チャネルが、パウリ雑音チャネル(キュービットの実施形態において)を含み得、パウリ雑音チャネルが、脱分極または脱位相させ得ることをさらに理解されたい。一実施形態では、データは、論理演算を実施する複数のキューディットのシミュレーションから収集される。代替実施形態では、データは、実験データから収集され、実験データは、静止時のキューディットからのデータ、論理測定を実施するキューディットからのデータ、および論理ゲートからのデータを含む。
【0167】
依然として
図14を参照すると、処理ステップ1404に従って、関数近似器が、少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する収集されたデータおよび対応する誤差に関する収集されたデータを使用して構築される。関数近似器がニューラルネットワークを含む実施形態では、関数近似器の構築が、ニューラルネットワークを訓練するステップを含むことを理解されたい。関数近似器の構築が、ハードウェアの制約を正確にモデル化するための修正を含み得ることを理解されたい。1つまたはそれを上回る実施形態では、修正は、入力および出力信号のデジタル化、整流線形ユニット(ReLU)およびシグモイド等の活性化関数、および調整可能パラメータを8ビット精度に変換することを含んでもよい。関数近似器がニューラルネットワークを含む実施形態では、特殊化技法が、そのような修正を備えるニューラルネットワークを訓練するために存在する。(さらなる詳細が、Courbariaux, M.、Hubara, I.、Soudry, D.、El-Yaniv, R.、Bengio, Y.による「Binarized Neural Networks: Training Deep Neural Networks with Weights and Activations Constrained to +1 or -1」arXiv:1602.02830 (2016)、Courbariaux, M.、Bengio, Y.、David J. P.による「Training deep neural networks with low precision multiplications」arXiv:1412.7024 (2015)、Gupta S.、Agrawal A.、Gopalakrishnan K.、Narayanan P.による「Deep Learning with Limited Numerical Precision」arXiv:1502.02551、およびJacob B. et alによる「Quantization and Training of Neural Networks for Efficient Integer-Arithmetic-Only Inference」arXiv:1712:05877 (2017)(参照することによって本特許文書の特許明細書の一部として組み込まれる)に見出されることができる。)
【0168】
データを収集する実施例
データ点が、関数近似器を訓練し、QEC手順の論理誤差率をベンチマークする目的のために、シミュレーションを介して発生される。単一のデータ点の発生は、以下の通りである。Zスタビライザタイプのシンドローム抽出回路および測定回路に関するプロセスが、下記に説明され、これは、Xスタビライザ回路に関して類似する。本明細書では、コード距離dは、固定される。全てのキュービット測定は、0または1読出値をもたらし、したがって、入力座標は、サイズ(N_ラウンド、#シンドロームキュービット)の2次元0-1アレイである一方、出力座標は、サイズ(#データキュービット)の1次元0-1アレイである。
・パラメータN_ラウンドが、選定される。
・量子回路が、順番に以下を含む、シミュレーションにおいて構築される。
・|0>状態におけるデータキュービットの調製。
・上記に参照されるChamberland論文の
図3および4に示されるようなZスタビライザ回路のN_ラウンド反復。
・上記の量子回路は、脱分極雑音チャネルを通して通過され、回路の雑音が多いバージョンを生成する。本脱分極雑音チャネルは、キュービット調製に関連付けられる雑音強度、1キュービットゲート、2キュービットゲート、アイドルキュービット、およびキュービット測定に関する5つの別個のパラメータを与えられる。
・本雑音が多い回路は、次いで、シミュレーションにおいて実行され、シンドロームキュービット毎に、N_ラウンド測定読出値のシーケンスをもたらす。サイズ(N_ラウンド、#シンドロームキュービット)の本アレイは、データ点の入力座標である。
・データキュービットは、雑音が多い回路の終了時に完全に測定される。サイズ(#データキュービット)の読出ベクトルは、データ点の出力座標である。
【0169】
上記のプロセスは、多数のデータ点を取得するために、脱分極雑音チャネルのために使用される異なる乱数シードおよび回路実行のために使用される異なる乱数シードを用いて複数回繰り返される。
【0170】
したがって、下記に列挙される実施例を含む、開示される技術の特徴の種々の実装が、上記の開示に基づいて行われることができる。
【0171】
実施例1.量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器を含む、極低温温度において機能する、極低温古典的超伝導回路であって、デコーダは、複数のノードと、ノードの間にパルスを分配するための複数のノードのノードの間の複数の相互接続と、関数近似器パラメータを表す複数の加重とを備え、複数のノードの各ノードは、磁束、電流、または電圧を備える少なくとも1つのパルスを受信するための受信機区分と、受信されたパルスを処理するための処理コアと、処理されたパルスを伝送するための送信機区分とを備える、極低温古典的超伝導回路。
【0172】
実施例2.磁気接合と、量子位相スリップデバイスとを備える、混合信号デジタルおよびアナログジョセフソン接合超伝導電子機器を含む、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0173】
実施例3.ジョセフソン接合超伝導電子機器は、エネルギー効率的高速単一磁束量子(ERSFQ)、エネルギー効率的単一磁束量子(eSFQ)、断熱量子磁束パラメトロン(AQFP)、逆量子論理(RQL)、高速単一磁束量子(RSFQ)、SFQuClass、または超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID、Bi-SQUID、nSQUID)を備える、デジタルおよび混合信号量子磁束族を備える、実施例2に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0174】
実施例4.各ノードは、アナログ、デジタル、またはアナログ-デジタルモードにおいて動作するように構成される、実施例1-3に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0175】
実施例5.ノードは、層において配列され、さらに、最初の層におけるノードの受信機区分および最後の層における送信機区分は、デジタルモードにおいて動作し、他の層におけるノードは、アナログモードにおいて動作する、実施例4に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0176】
実施例6.ノードは、アナログ、デジタル、またはアナログおよびデジタルのハイブリッドである相互接続によって結合される、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0177】
実施例7.ノードは、同期的または非同期的に動作される相互接続によって結合される、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0178】
実施例8.デコーダはさらに、信号を増幅するために、少なくとも1つの増幅器を備える、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0179】
実施例9.複数の加重の少なくとも1つの加重は、磁気結合、容量結合、または抵抗結合を備える、固定結合を備える、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0180】
実施例10.複数の加重の少なくとも1つの加重は、磁気結合、容量結合、ガルバニック結合、または抵抗結合を備える、可変結合を備える、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0181】
実施例11.磁気結合は、変圧器を備え、さらに、異なる結合強度が、複数の加重の加重を表すために、変圧器における異なる入力パルスのために使用され、さらに、固定磁気結合は、加重に比例する、実施例9に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0182】
実施例12.抵抗結合は、分圧器を備え、さらに、異なる結合強度が、複数の加重の加重を表すために、分圧器における異なる入力パルスのために使用され、さらに、固定抵抗結合は、加重に比例する、実施例9に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0183】
実施例13.複数の加重の加重は、加重に比例する単一磁束量子(SFQ)パルスの数を発生させるステップ、加重に比例するパルス率を発生させるステップ、および加重に比例するパルスの強度を発生させるステップのうちの少なくとも1つを介して表される、実施例10に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0184】
実施例14.ジョセフソン接合超伝導電子機器は、超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)を備え、発生されたパルスの数、パルス率、またはパルス強度のうちの少なくとも1つは、超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)のバイアス電流または臨界電流を変化させることによって変動される、実施例2に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0185】
実施例15.処理コアは、磁束を記憶するための少なくとも1つの記憶ループを備え、磁束は、抵抗器、SQUID、またはクロックであり得るコマンドパルスを使用して消去される、実施例9に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0186】
実施例16.複数のノードの2つのノードの間の相互接続は、電気的、磁気的、または光子的である、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0187】
実施例17.複数のノードの少なくとも2つのノードの間の相互接続は、並列または直列である、請求項1-16のいずれかに記載の極低温古典的超伝導回路。
【0188】
実施例18.複数のノードの2つのノードの間の相互接続は、ジョセフソン伝送ライン(JTL)または受動的伝送ライン(PTL)を使用して電気的である、実施例1-16のいずれかに記載の極低温古典的超伝導回路。
【0189】
実施例19.ノードの間のパルスは、ラインドライバを使用して発生され、各パルスは、少なくとも1つのパルスを生成する、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0190】
実施例20.量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器は、ニューラルネットワークを備え、さらに、ニューラルネットワークパラメータおよび活性化は、デコーダノードおよび加重によって表され、さらに、ニューラルネットワーク活性化は、ノード処理コアを使用して実装される、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0191】
実施例21.活性化は、シグモイドおよび整流線形ユニット(ReLU)活性化関数を備える、実施例20に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0192】
実施例22.ニューラルネットワークは、リカレントニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ホップフィールドネットワーク、ボルツマンマシン、またはグラフィカルモデルを備える、実施例20に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0193】
実施例23.量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器は、少なくとも1つのニューラルネットワークと、少なくとも1つの線形関数近似器とを備える、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0194】
実施例24.複数の加重の少なくとも1つの加重は、プログラム可能である、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0195】
実施例25.関数近似器は、ユーザからの入力を使用してプログラム可能である、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0196】
実施例26.量子誤差補正コードのデコーダのための関数近似器は、回帰ユニット、分類器、決定木、またはランダムフォレストを備える、実施例1に記載の極低温古典的超伝導回路。
【0197】
実施例27.量子コンピューティングのための、量子誤差補正が可能なシステムであって、異なる極低温温度における異なる極低温ステージを含むように構造化される、極低温デバイスと、量子コンピューティングを実施するために複数のキューディットを備え、キューディットの適切な動作のために、所望の極低温温度における極低温デバイスに結合され、それによって冷却される、量子プロセッサであって、複数のキューディットは、量子コンピューティングのための量子情報をエンコードするためのデータキューディットと、データキューディットと相互作用し、測定値を提供するためのシンドロームキューディットとを備え、複数のキューディットは、量子誤差を補正するための誤差補正コードを提供する、量子プロセッサと、極低温デバイスに結合され、それによって冷却され、シンドロームキューディットから測定値に関する情報を受信するようにさらに結合され、量子誤差補正コードのデコーダを含み、シンドロームキューディットからの測定値に関する受信された情報を処理し、データキューディットに関する回復演算を発生させ、量子コンピューティングにおける誤差を低減させるように構造化される、極低温古典的超伝導回路であって、極低温古典的超伝導回路は、古典的コプロセッサとして量子プロセッサに結合され、量子プロセッサと極低温古典的超伝導回路との間の通信遅延を低減させる、極低温古典的超伝導回路とを含む、システム。
【0198】
実施例28.誤差補正コードは、トポロジカル誤差補正コードである、実施例27に記載のシステム。
【0199】
実施例29.トポロジカル誤差補正コード上の誤差補正手順は、プラケットを備える複数のキューディットに対するパリティチェック演算を備える、実施例27に記載のシステム。
【0200】
実施例30.トポロジカルコードは、トーリックコード、表面コード、回転表面コード、カラーコード、三角形カラーコード、または重六角形コードを備える、実施例28に記載のシステム。
【0201】
実施例31.極低温デバイスは、キューディットの動作のための要求される温度に到達することが可能な極低温プラットフォームを備える、実施例27に記載のシステム。
【0202】
実施例32.極低温デバイスは、希釈冷凍機システム、クライオ冷却器システム、または断熱消磁冷凍機を備える、実施例27に記載のシステム。
【0203】
実施例33.実施例27に記載のシステムを使用して量子誤差補正スキームを実装するための方法であって、(i)少なくとも1つのシンドロームキューディットを調製するステップと、(ii)少なくとも1つのデータキューディットと、少なくとも1つのシンドロームキューディットとを備える、少なくとも1つのシンドローム抽出回路を実施するステップと、(iii)各シンドローム抽出回路の少なくとも1つのシンドロームキューディットに対して少なくとも1つの測定を実施するステップと、(iv)少なくとも1つの測定の結果を検出器の関数近似器に提供するステップと、(v)デコーダの関数近似器を使用し、回復演算子を備える回復演算を提供するステップと、(vi)回復演算を適用するステップとを含む、方法。
【0204】
実施例34.回復演算子は、誤差補正コードに適用される、ユニタリ演算子である、実施例33に記載の方法。
【0205】
実施例35.回復演算子は、パウリフレーム上の基底の変化である、実施例33に記載の方法。
【0206】
実施例36.回復演算子は、同値演算子である、実施例33に記載の方法。
【0207】
実施例37.(ii)-(iv)におけるステップは、少なくとも1回繰り返される、実施例33に記載の方法。
【0208】
実施例38.実施例27に記載のシステムのデコーダのための関数近似器を構築するための方法であって、誤差補正コードから、少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する、および対応する誤差に関するデータを収集するステップと、少なくとも1つのシンドロームキューディットに関する収集されたデータおよび対応する誤差に関する収集されたデータを使用し、関数近似器を構築するステップとを含む、方法。
【0209】
実施例39.(b)は、ニューラルネットワークを訓練するステップを含む、実施例38に記載の方法。
【0210】
実施例40.データは、雑音チャネルによって悩まされるキューディットのシミュレーションから収集される、実施例38に記載の方法。
【0211】
実施例41.雑音チャネルは、パウリ雑音チャネルを備え、さらに、パウリ雑音チャネルは、脱分極または脱位相させる、実施例40に記載の方法。
【0212】
実施例42.データは、論理演算を実施する複数のキューディットのシミュレーションから収集される、実施例38に記載の方法。
【0213】
実施例43.データは、実験データから収集され、実験データは、静止時のキューディットからのデータ、論理測定を実施するキューディットからのデータ、および論理ゲートからのデータを備える、実施例38に記載の方法。
【0214】
実施例44.それぞれ、極低温古典的超伝導回路と量子プロセッサとの間の古典的量子インターフェースを備える、複数の論理キューディットを含み、論理キューディットは、量子誤差補正スキームを備え、複数の論理キューディットは、量子コンピューティングを実施するためのものである、耐障害性量子コンピューティングのための実施例27に記載のシステム。
【0215】
実施例45.量子プロセッサは、少なくとも1つのシンドローム抽出回路を備える、実施例27に記載のシステム。
【0216】
実施例46.極低温古典的超伝導回路および量子プロセッサは、極低温デバイスの異なる極低温ステージに結合され、したがって、異なる極低温温度において冷却される、実施例27に記載のシステム。
【0217】
実施例47.極低温古典的超伝導回路および量子プロセッサは、極低温デバイスの共通の極低温ステージに結合され、したがって、共通の極低温温度において冷却される、実施例27に記載のシステム。
【0218】
実施例48.量子コンピューティングシステムであって、それぞれ、異なる量子状態を呈することが可能な複数の物理キューディットであって、複数の物理キューディットは、量子コンピューティングを実施し、量子コンピューティングを実施するための複数のデータキューディットと、データキューディットと相互作用し、量子プロセッサにおける量子誤差を示すシンドロームキューディットの量子状態の測定値を提供するために、データキューディット間に位置する、複数のシンドロームキューディットとを備えるように構造化される、複数の物理キューディットを備える、量子プロセッサと、シンドロームキューディットと相互作用し、シンドロームキューディットの量子状態の測定値を表す読出信号を生産するために、量子プロセッサに結合される、キューディット読出回路と、シンドロームキューディットの量子状態の測定値を表す読出信号の情報を受信するために結合される、極低温古典的超伝導回路であって、極低温古典的超伝導回路は、受信された情報を処理し、量子プロセッサにおける量子誤差に関する情報を取得し、キューディットの量子情報を再構築するための回復演算を発生させ、量子誤差を低減させる、デコーダを含むように構造化される、極低温古典的超伝導回路と、それぞれ、所望の極低温温度において量子プロセッサ、キューディット読出回路、および極低温古典的超伝導回路を封入するように結合される、極低温システムであって、極低温古典的超伝導回路および量子プロセッサは、低減された通信遅延を伴う極低温古典的超伝導回路と量子プロセッサとの間の高速通信を可能にするために、相互に対して位置付けられる、極低温システムとを含む、量子コンピューティングシステム。
【0219】
実施例49.極低温古典的超伝導回路内のデコーダは、ニューラルネットワークの一部としてノードの異なる層を形成するために結合される、複数のノードと、ノードの異なる層のノードの間でシグナリングを提供するためのノードの異なる層のノードの間の複数の相互接続とを含み、各ノードは、ノードの異なる層のノードの間のシグナリングに対して加重を適用するように構造化される、ニューラルネットワークを含む、実施例27または48に記載のシステム。
【0220】
実施例50.極低温古典的超伝導回路は、実施例1-26のいずれか1項に記載されるように構成される、実施例27または48に記載のシステム。
【0221】
実施例51.量子プロセッサは、所望の初期状態においてシンドロームキューディットを調製し、データキューディットとシンドロームキューディットとの間の量子力学的相互作用を引き起こすように動作可能であり、キューディット読出回路は、所望の基底におけるシンドロームキューディットの測定値を取得するように動作される、実施例48に記載のシステム。
【0222】
実施例52.極低温古典的超伝導回路および量子プロセッサは、極低温デバイスの異なる極低温ステージに結合され、したがって、異なる極低温温度において冷却される、実施例48に記載のシステム。
【0223】
実施例53.極低温古典的超伝導回路および量子プロセッサは、極低温デバイスの共通の極低温ステージに結合され、したがって、共通の極低温温度において冷却される、実施例48に記載のシステム。
【0224】
本特許文書に引用される刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含有される開示と矛盾する範囲について、本明細書は、任意のそのような矛盾する資料に優先する、および/またはそれよりも優先順位が高いことを意図している。
【0225】
本特許文書は、多くの詳細を含有するが、これらは、任意の主題または請求され得る内容の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の技法の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本特許文書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装されることができる。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴はまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。また、特徴が、ある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらには最初にそのように請求され得るが、請求される組み合わせからの1つまたはそれを上回る特徴は、ある場合には、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0226】
いくつかの実装および実施例のみが、説明され、他の実装、強化、および変形例が、本特許文書に説明および例証される内容に基づいて行われることができる。
【国際調査報告】