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特表2024-504528電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20240125BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H02J1/00 306K
H02J1/00 306L
H02J7/10 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563102
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2022095295
(87)【国際公開番号】W WO2023123846
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111642182.9
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】姚 遠
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲うぇいちぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】林 貴応
(72)【発明者】
【氏名】張 懐森
(72)【発明者】
【氏名】高 錦鳳
(72)【発明者】
【氏名】顔 ▲ユー▼
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165CA01
5G165EA06
5G165GA09
5G165HA01
5G165HA07
5G165HA17
5G165LA01
5G165LA02
5G165NA01
5G165NA03
5G165NA05
5G165NA09
5G503AA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB02
5G503CC02
5G503FA06
5G503GB03
(57)【要約】
本出願は、電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器を提供する。この電圧変換回路は、Nレベル変換ユニットとN-1個のDCDC変換ユニットとを含む。M番目のDCDC変換ユニットの第一の入力端がNレベル変換ユニットのM番目の出力端に接続され、M番目のDCDC変換ユニットの第二の入力端がNレベル変換ユニットのM+1番目の出力端に接続され、Nレベル変換ユニットのM番目の出力端の出力レベルとM+1番目の出力端の出力レベルとが隣接するレベルである。ただし、N≧3で、1≦M<Nである。この電圧変換回路は、Nレベル変換ユニットを介して複数のDCDC変換ユニットに接続され、ハイパワー出力を実現し、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧変換回路であって、
N個の異なるレベルの出力端を有するNレベル変換ユニットと、
N-1個のDCDC変換ユニットであって、M番目の前記DCDC変換ユニットの第一の入力端が前記Nレベル変換ユニットのM番目の出力端に接続され、前記M番目の前記DCDC変換ユニットの第二の入力端が前記Nレベル変換ユニットのM+1番目の出力端に接続され、前記M番目の出力端の出力レベルと前記M+1番目の出力端の出力レベルとが隣接するレベルであるN-1個のDCDC変換ユニットとを含み、
ただし、N≧3で、1≦M<Nである、ことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項2】
一番目の前記DCDC変換ユニットの第一の出力端が第一のノードに接続され、P番目の前記DCDC変換ユニットの第一の出力端がP-1番目の前記DCDC変換ユニットの第二の出力端に接続され、N-1番目の前記DCDC変換ユニットの第二の出力端が第二のノードに接続され、
ただし、2≦P<Nである、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項3】
前記N=3である場合、前記電圧変換回路は、第一の3レベル変換ユニットと、第一のDCDC変換ユニットと、第二のDCDC変換ユニットとを含み、
前記第一の3レベル変換ユニットは、レベルが順にデクリメントする第一の出力端と、第二の出力端と、第三の出力端とを有し、
前記第一のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第一の3レベル変換ユニットの第一の出力端に接続され、前記第一のDCDC変換ユニットの第二の入力端と前記第二のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第一の3レベル変換ユニットの第二の出力端に接続され、前記第二のDCDC変換ユニットの第二の入力端は前記第一の3レベル変換ユニットの第三の出力端に接続され、
前記第一のDCDC変換ユニットの第一の出力端は前記第一のノードに接続され、前記第一のDCDC変換ユニットの第二の出力端は前記第二のDCDC変換ユニットの第一の出力端に接続され、前記第二のDCDC変換ユニットの第二の出力端は前記第二のノードに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電圧変換回路。
【請求項4】
前記第一の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである、ことを特徴とする請求項3に記載の電圧変換回路。
【請求項5】
各前記DCDC変換ユニットの第一の出力端は第三のノードに接続され、各前記DCDC変換ユニットの第二の出力端は第四のノードに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項6】
前記N=3である場合、前記電圧変換回路は、第二の3レベル変換ユニットと、第三のDCDC変換ユニットと、第四のDCDC変換ユニットとを含み、
前記第二の3レベル変換ユニットは、レベルが順にデクリメントする第一の出力端と、第二の出力端と、第三の出力端とを有し、
前記第三のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第二の3レベル変換ユニットの第一の出力端に接続され、前記第三のDCDC変換ユニットの第二の入力端と前記第四のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第二の3レベル変換ユニットの第二の出力端に接続され、前記第四のDCDC変換ユニットの第二の入力端は前記第二の3レベル変換ユニットの第三の出力端に接続され、
前記第三のDCDC変換ユニットの第一の出力端と前記第四のDCDC変換ユニットの第一の出力端は前記第三のノードに接続され、前記第三のDCDC変換ユニットの第二の出力端と前記第四のDCDC変換ユニットの第二の出力端は前記第四のノードに接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の電圧変換回路。
【請求項7】
前記第二の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである、ことを特徴とする請求項6に記載の電圧変換回路。
【請求項8】
前記Nレベル変換ユニットの入力端は単相交流電源又は三相交流電源に接続される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電圧変換回路。
【請求項9】
前記DCDC変換ユニットは、LLC回路、CLLLC回路又はPSFB回路である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電圧変換回路。
【請求項10】
前記電圧変換回路は、制御ユニットをさらに含み、
前記制御ユニットは、それぞれ前記Nレベル変換ユニットと前記N-1個のDCDC変換ユニットに接続され、
前記制御ユニットは、各前記DCDC変換ユニットの出力電圧間の差値が第一の閾値以下となるように、前記Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられ、
又は、前記制御ユニットは、各前記DCDC変換ユニットの出力電流間の差値が第二の閾値以下となるように、前記Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電圧変換回路。
【請求項11】
前記制御ユニットは、
各前記DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を取得し、
各前記出力電圧又は各前記出力電流に基づいて前記Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項9に記載の電圧変換回路。
【請求項12】
前記制御ユニットは、
各前記出力電圧又は各前記出力電流に基づいて前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、前記中間出力レベルが前記Nレベル変換ユニットの最大の出力レベルと前記Nレベル変換ユニットの最小の出力レベルとの間にある、ことを特徴とする請求項10に記載の電圧変換回路。
【請求項13】
前記制御ユニットは、
各前記出力電圧に基づき、基準電圧を得て、
各前記出力電圧と前記基準電圧とを一つずつ差を付け、各前記出力電圧に対応する電圧差を得て、
各前記電圧差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、
又は、前記制御ユニットは、
各前記出力電流に基づき、基準電流を得て、
各前記出力電流と前記基準電流とを一つずつ差を付け、各前記出力電流に対応する電流差を得て、
各前記電流差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項11に記載の電圧変換回路。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の電圧変換回路を含む、ことを特徴とする充電装置。
【請求項15】
請求項14に記載の充電装置を含む、ことを特徴とする電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電源の技術分野に関し、特に電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器に関する。
【関連出願の相互参照】
【0002】
本出願は、2021年12月29日に提出された、名称が「電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器」の中国特許出願2021116421829の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
現代のパワーエレクトロニクス技術の発展に伴い、パワーインバータは、様々な産業分野で広く応用されている。
【0004】
しかしながら、現代社会においてパワーインバータのパワーの需要はますます大きくなっており、ハイパワーの応用シナリオを満たすために、どのようにハイパワー回路の出力パワーを向上させるかは、現在早急に解決が待たれる問題である。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、ハイパワー出力を実現でき、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器を提供することを目的とする。
【0006】
第一の局面によれば、本出願の実施の形態によって採用される技術案は、Nレベル変換ユニットとN-1個のDCDC変換ユニットとを含む電圧変換回路を提供する。Nレベル変換ユニットは、N個の異なるレベルの出力端を有する。M番目の前記DCDC変換ユニットの第一の入力端が前記Nレベル変換ユニットのM番目の出力端に接続され、前記M番目の前記DCDC変換ユニットの第二の入力端が前記Nレベル変換ユニットのM+1番目の出力端に接続され、前記M番目の出力端の出力レベルと前記M+1番目の出力端の出力レベルとが隣接するレベルである。ただし、N≧3で、1≦M<Nで、2≦P<Nである。
【0007】
本出願の実施例の技術案では、M-1個のDCDC変換ユニットの入力端をNレベル変換ユニットのN個のレベル出力端に対応して接続することで、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、それにより、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、Nレベル変換ユニットの出力レベルを直接調節でき、それにより、DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、最終的にDCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を調整して、複数のDCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を等しく又はほぼ近くすることができる。それにより、電圧均一化又は電流均一化の効果を達成し、電圧均一化制御又は電流均一化制御の制御難易度を低減させる。
【0008】
いくつかの実施例では、一番目のDCDC変換ユニットの第一の出力端が第一のノードに接続され、P番目のDCDC変換ユニットの第一の出力端がP-1番目DCDC変換ユニットの第二の出力端に接続され、N-1番目のDCDC変換ユニットの第二の出力端が第二のノードに接続され、ただし、2≦P<Nである。
【0009】
本出願の実施例の技術案では、M-1個のDCDC変換ユニットの入力端をNレベル変換ユニット10のN個のレベル出力端に対応して接続することで、M-1個のDCDC変換ユニットの出力端を第一のノードB1と第二のノードB2との間に直列接続し、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、それにより、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、Nレベル変換ユニットの出力レベルを直接調節でき、それにより、DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、最終的にDCDC変換ユニットの出力電圧を調整して、複数のDCDC変換ユニットの出力電圧を等しく又はほぼ近くすることができる。それにより、電圧均一化の効果を達成し、電圧均一化制御の制御難易度を低減させる。
【0010】
いくつかの実施例では、N=3である場合、電圧変換回路は、第一の3レベル変換ユニットと、第一のDCDC変換ユニットと、第二のDCDC変換ユニットとを含む。第一の3レベル変換ユニットは、レベルが順にデクリメントする第一の出力端と、第二の出力端と、第三の出力端とを有する。第一のDCDC変換ユニットの第一の入力端は第一の3レベル変換ユニットの第一の出力端に接続され、第一のDCDC変換ユニットの第二の入力端と第二のDCDC変換ユニットの第一の入力端は第一の3レベル変換ユニットの第二の出力端に接続され、第二のDCDC変換ユニットの第二の入力端は第一の3レベル変換ユニットの第三の出力端に接続される。第一のDCDC変換ユニットの第一の出力端は第一のノードに接続され、第一のDCDC変換ユニットの第二の出力端は第二のDCDC変換ユニットの第一の出力端に接続され、第二のDCDC変換ユニットの第二の出力端は第二のノードに接続される。
【0011】
本出願の上記実施例では、上記方式で接続することにより、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができるとともに、この接続方式で、第一のDCDC変換ユニットと第二のDCDC変換ユニットの電圧均一化方式がより簡単になる。
【0012】
いくつかの実施例では、第一の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである。本出願の上記実施例では、複数種の3レベル変換ユニットの回路構造を提供し、設計の柔軟性を向上させる。
【0013】
いくつかの実施例では、各DCDC変換ユニットの第一の出力端は第三のノードに接続され、各前記DCDC変換ユニットの第二の出力端は第四のノードに接続される。
【0014】
本出願の実施例の技術案では、M-1個のDCDC変換ユニットの入力端をNレベル変換ユニットのN個のレベル出力端に対応して接続し、M-1個のDCDC変換ユニットの出力端を第三のノードと第四のノードとの間に並列接続することで、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、それにより、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、Nレベル変換ユニットの出力レベルを直接調節でき、それにより、DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、最終的にDCDC変換ユニットの出力電流を調整して、複数のDCDC変換ユニットの出力電流を等しく又はほぼ近くすることができる。それにより、電流均一化の効果を達成し、電流均一化制御の制御難易度を低減させる。
【0015】
いくつかの実施例では、N=3である場合、電圧変換回路は、第二の3レベル変換ユニットと、第三のDCDC変換ユニットと、第四のDCDC変換ユニットとを含む。第二の3レベル変換ユニットは、レベルが順にデクリメントする第一の出力端と、第二の出力端と、第三の出力端とを有する。第三のDCDC変換ユニットの第一の入力端は第二の3レベル変換ユニットの第一の出力端に接続され、第三のDCDC変換ユニットの第二の入力端と第四のDCDC変換ユニットの第一の入力端は第二の3レベル変換ユニットの第二の出力端に接続され、第四のDCDC変換ユニットの第二の入力端は第二の3レベル変換ユニットの第三の出力端に接続される。第三のDCDC変換ユニットの第一の出力端と第四のDCDC変換ユニットの第一の出力端は第三のノードに接続され、第三のDCDC変換ユニットの第二の出力端と第四のDCDC変換ユニットの第二の出力端は第四のノードに接続される。
【0016】
本出願の上記実施例では、上記方式で接続することにより、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができるとともに、この接続方式で、第三のDCDC変換ユニットと第四のDCDC変換ユニットの電流均一化方式がより簡単になる。
【0017】
いくつかの実施例では、第二の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである。本出願の上記実施例では、複数種の3レベル変換ユニットの回路構造を提供し、設計の柔軟性を向上させる。
【0018】
いくつかの実施例では、Nレベル変換ユニットの入力端は単相交流電源又は三相交流電源に接続される。本出願の上記実施例では、電圧変換回路が異なる交流電源に適合し、電圧変換回路の適合性と互換性を向上させることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、DCDC変換ユニットは、LLC回路、CLLLC回路又はPSFB回路である。本出願の上記実施例では、複数種のDCDC変換ユニットの回路構造を提供し、設計の柔軟性を向上させる。
【0020】
いくつかの実施例では、電圧変換回路は、制御ユニットをさらに含む。この制御ユニットは、それぞれ前記Nレベル変換ユニットと前記N-1個のDCDC変換ユニットに接続される。この制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧間の差値が第一の閾値以下となるように、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられ、又は、この制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電流間の差値が第二の閾値以下となるように、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる。
【0021】
本出願の上記実施例では、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御して、各DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を等しく又はほぼ近くすることができ、それにより、電圧均一化の目的又は電流均一化の目的を達成する。この電圧均一化の制御方式と電流均一化の制御方式は、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を調整する必要がなく、制御難易度を低減させ、回路の作動安定性を向上させることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を取得し、各DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流に基づいてNレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる。
【0023】
本出願の上記実施例では、各DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流に基づき、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御して、各DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を等しく又はほぼ近くすることができ、電圧均一化又は電流均一化の目的を達成することができる。
【0024】
いくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流に基づいてNレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、前記中間出力レベルがNレベル変換ユニットの最大の出力レベルとNレベル変換ユニットの最小の出力レベルとの間にある。
【0025】
本出願の上記実施例では、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御することで、隣接する二つのDCDC変換ユニットの入力電圧を迅速かつ柔軟的に調整でき、それにより、複数のDCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を迅速に調整する。
【0026】
いくつかの実施例では、制御ユニットは、各前記出力電圧に基づき、基準電圧を得て、各前記出力電圧と前記基準電圧とを一つずつ差を付け、各前記出力電圧に対応する電圧差を得て、各前記電圧差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、又は、制御ユニットは、各前記出力電流に基づき、基準電流を得て、各前記出力電流と前記基準電流とを一つずつ差を付け、各前記出力電流に対応する電流差を得て、各前記電流差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられる。
【0027】
本出願の上記実施例では、各DCDC変換ユニットの出力電圧間の関係に基づき、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを柔軟に制御することができ、それにより、異なる回路状況に基づいて適応的に計算して電圧均一化又は電流均一化を行い、電圧均一化又は電流均一化の効率を向上させることができる。
【0028】
第二の方面によれば、本出願は、充電装置を提供する。この充電装置は、第一の方面のいずれか1項に記載の電圧変換回路を含む。
【0029】
第三の方面によれば、本出願は、電力消費機器を提供する。この電力消費機器は、第二の方面に記載の充電装置を含む。
【0030】
上記説明は、本出願の技術案の概略にすぎず、本出願の技術手段をより明確に理解できるように、明細書の内容に従って実施することができるとともに、本出願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確かつ分かり易くするために、以下では、本出願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
一つ又は複数の実施例では、それに対応する添付図面における図面により例示的に説明するが、これらの例示的な説明は、実施例の限定を構成するものではない。添付図面において同じ符号を有する素子/モジュール及びステップは、同様の素子/モジュール及びステップとして表され、特に説明がない限り、添付図面における図面は、割合に対する制限を構成しない。
図1】本出願の実施例による電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
図2】本出願の実施例による電圧均一化回路又は電流均一化回路の回路構造概略図である。
図3】本出願の実施例による別の電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
図4】本出願の実施例による電気自動車の構造概略図である。
図5】本出願の実施例によるまた別の電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
図6】本出願の実施例によるまた別の電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
図7】本出願の実施例による第五の電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
図8】本出願の実施例による単相I型3レベル変換ユニットの回路構造概略図である。
図9】本出願の実施例による三相I型3レベル変換ユニットの回路構造概略図である。
図10】本出願の実施例による単相T型3レベル変換ユニットの回路構造概略図である。
図11】本出願の実施例による三相T型3レベル変換ユニットの回路構造概略図である。
図12】本出願の実施例による第六の電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
図13】本出願の実施例による第七の電圧変換回路の回路構造ブロック図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下は、添付図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例について詳細に記述する。以下の実施例は、本出願の技術案を明瞭に説明するためのものに過ぎないため、例に過ぎず、本出願の保護範囲を制限するものではない。
【0033】
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、当業者が通常理解している意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものにすぎず、本出願を制限するためのものではない。本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明における用語の「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0034】
本出願の実施例の記述では、技術用語の「第一」「第二」などは、異なる対象を区別するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するか、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序又は主次関係を暗黙的に示すとは理解されない。本出願の実施例の記述では、「複数」とは、特に明確かつ具体的な限定がない限り、二つ以上を意味する。
【0035】
本明細書で言及される「実施例」は、実施例を結び付けながら記述される特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各位置にこのフレーズが現れるのは、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と排他的な独立した実施例又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記述されている実施例を他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗黙的に理解している。
【0036】
本出願の実施例の記述では、用語の「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三種類の関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという三種類の状況を表すことができる。また、本明細書における符号「/」は、前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0037】
本出願の実施例の記述では、特に明確な規定と限定がない限り、技術用語の「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続でもよく、取り外し可能接続でもよく、又は、一体的接続でもよく、機械接続でもよく、電気的接続でもよく、直接接続でもよく、中間媒体を介する間接的接続でもよく、二つの要素の内部の連通又は二つの要素の相互作用関係でもよい。当業者は、上記用語の本出願の実施例での具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0038】
パワーエレクトロニクス技術の発展に伴い、ハイパワーモジュールの充電装置の需要が高まっている。現在、スイッチトランジスタ単体の性能及び磁気デバイスの体積問題のため、複数のローパワーの電圧変換回路を用いてハイパワーの電圧変換回路に並列して使用することが多い。
【0039】
例えば、図1を参照すると、図1は、本出願の実施例によるハイパワーの電圧変換回路の構造ブロック図の概略図であり、この回路は、3レベル変換ユニット11と、第一のDCDC変換ユニット21と、第二のDCDC変換ユニット22とから構成され、第一のDCDC変換ユニット21の出力端と第二のDCDC変換ユニット22の出力端とが直列接続される。
【0040】
図1に示す回路では、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22が作動する時、第一のDCDC変換ユニット21の出力電圧と第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧とが一致することを確保する必要がある。しかしながら、デバイスの一致性問題のため、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22が同一のパラメータに従って設計されても、第一のDCDC変換ユニット21の出力電圧と第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧とが一致しない状況が発生し、即ち二つのDCDC変換ユニットの電圧不均一の状況が発生する。この回路が長期にわたって電圧不均一の状態で作動すると、同一パラメータの回路に温度が異なったり、デバイスのエージング度合いが異なったり、単一回路が定格設計作動条件を超えて使用されたり、耐用年数が縮んだりするなどの問題が発生し得る。
【0041】
電圧均一化の問題を解決するために、二種の方式を用いることができる。一つ目は、図1に示す回路では、まず、それぞれ第一のDCDC変換ユニット21の第一の出力端と第二の出力端との間の出力電圧、及び第二のDCDC変換ユニット22の第一の出力端と第二の出力端との間の出力電圧を取得し、そして、第一のDCDC変換ユニット21の出力電圧の大きさと第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧の大きさを比較し、続いて、両者の出力電圧の大きさに基づき、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22におけるスイッチトランジスタのスイッチ周波数、位相シフト角、デューティ比などを調整して、両者の出力電圧を等しくする。二つ目は、図2を参照すると、ある相のLLC共振インバータの共振空洞に他の回路のモジュールのトランス補助巻線を混入して仮想被制御電圧源を構築することで、位相シフト制御を組み合わせて、多相の電圧均一化を実現する。
【0042】
しかしながら、二つの回路のDCDC変換ユニットの周波数を調整することで電圧均一化を行う場合、二つの回路のDCDC変換ユニットの周波数に周波数差Δfが発生し、Δfの低周波オーバートーン発振が発生するため、EMI干渉が大きくなり、フィルタリングされにくくなる。二つの回路のDCDC変換ユニットの位相シフト角を調節することで電圧均一化を行う場合、二つの回路の位相シフト角が同じでないと、二つの回路間の環流が増大してしまう。二つの回路のDCDC変換ユニットのデューティ比を調節する方式により電圧均一化を行う場合、もともとソフトスイッチで作動したDCDC変換ユニットをハードスイッチ条件で作動させやすくなるため、温度が高く上昇しすぎてトランジスタが爆発してしまう。
【0043】
また、例えば、図3を参照すると、図3は、本出願の実施例による別のハイパワーの電圧変換回路の構造ブロック図の概略図であり、図3に示すように、この回路は、同様に、3レベル変換ユニット11と、第一のDCDC変換ユニット21と、第二のDCDC変換ユニット22とから構成され、図1に示す実施例との相違点は、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22の各入力端と各出力端がいずれもそれぞれ並列接続されることである。
【0044】
図3に示す回路では、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22が作動する時、第一のDCDC変換ユニット21の出力電流と第二のDCDC変換ユニット22の出力電流とが一致することを確保する必要がある。しかしながら、デバイスの一致性問題のため、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22が同一のパラメータに従って設計されても、第一のDCDC変換ユニット21の出力電流と第二のDCDC変換ユニット22の出力電流とが一致しない状況が発生し、即ち二つのDCDC変換ユニットの電流不均一の状況が発生する。この回路が長期にわたって電流不均一の状態で作動すると、同様に同一パラメータの回路に温度が異なったり、デバイスのエージング度合いが異なったり、単一回路が定格設計作動条件を超えて使用されたり、耐用年数が縮んだりするなどの問題が発生し得る。
【0045】
電流均一化の問題を解決するために、同様に、二種の方式を用いることができる。第一には、図3に示す回路では、まず、それぞれ第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22の出力電流を取得し、そして、第一のDCDC変換ユニット21の出力電流の大きさと第二のDCDC変換ユニット22の出力電流の大きさを比較し、続いて、両者の出力電流の大きさに基づき、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22におけるスイッチトランジスタのスイッチ周波数、位相シフト角、デューティ比などを調整して、両者の出力電流を等しくする。第二の方式は、図2を参照すると、ある相のLLC共振インバータの共振空洞に他の回路のモジュールのトランス補助巻線を混入して仮想被制御電圧源を構築することで、位相シフト制御を組み合わせて、多相の電流均一化を実現する。
【0046】
同様に、二つの回路DCDC変換ユニットの周波数を調整することで電流均一化を行うと、二つの回路DCDC変換ユニットの周波数に周波数差Δfが発生し、Δfの低周波オーバートーン発振が発生するため、EMI干渉が大きくなり、フィルタリングされにくくなる。二つの回路DCDC変換ユニットの位相シフト角を調節することで電流均一化を行う場合、二つの回路の位相シフトが同じでないと、二つの回路間の環流が増大してしまう。二つの回路DCDC変換ユニットのデューティ比の方式を調節する方式により電流均一化を行う場合、ソフトスイッチで作動したDCDC変換ユニットをハードスイッチ条件で作動させやすくなるため、温度が高く上昇しすぎてトランジスタが爆発してしまう。
【0047】
上記問題を回避するために、本出願の実施例は、電圧変換回路、充電装置、及び電力消費機器を提供する。新しいマルチレベル変換ユニットとDCDC変換ユニットとの接続方式を提供することにより、ハイパワー出力を実現し、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができるだけではなく、マルチレベル変換ユニットの出力電圧を制御することで、電圧均一化又は電流均一化を行うように後端のDCDC変換ユニットを制御することができ、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角、デューティ比を制御することで達成する必要がなく、それにより、上記問題を回避する。
【0048】
本出願の実施例による電圧変換回路は、車両、船舶又は航空機などの電力消費装置に用いることができるが、これらに限られない。この電力消費機器は、電気エネルギーを消費する負荷、負荷に給電する電池、及び電力消費機器に充電するための充電装置を含む。この充電装置は、本出願による電圧変換回路からなり、この充電装置は、交流電源を直流電流に変換し、それにより、負荷又は電池に給電することができ、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができるだけではなく、マルチレベル変換ユニットの出力電圧を制御することで複数のDCDC変換ユニットの電圧均一化の目的を実現し、回路作動の安定性を向上させる。
【0049】
本出願の実施例は、電池を電源として使用する電力消費装置を提供する。電力消費機器は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、電動バイク、電気自動車、汽船、宇宙船などであってもよいが、これらに限られない。そのうち、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動汽船玩具及び電動飛行機玩具などを含んでもよく、宇宙船は、飛行機、ロケット、航空機及び宇宙船などを含んでもよい。
【0050】
以下の実施例では、容易に説明するために、本出願の一実施例の電力消費機器が車両100であることを例にして説明する。図4を参照すると、図4は、本出願のいくつかの実施例による車両100の構造概略図である。
【0051】
車両100は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両100の内部に電池110が設置され、電池110は、車両100の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池110は、車両100の給電に用いられてもよく、例えば、電池100は、車両100の操作電源としてもよい。車両100は、コントローラ120とモータ130とをさらに含んでもよく、コントローラ120は、モータ130に給電するように電池110を制御するために用いられ、例えば、車両100の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0052】
本出願のいくつかの実施例では、電池110は、車両100の操作電源だけではなく、車両100の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに又はその一部の代わりに車両100に駆動動力を提供してもよい。
【0053】
電池110とは、電気エネルギーを貯蔵するための任意のタイプのエネルギー貯蔵コンポーネントである。例えば、単一の電池単体であってもよく、複数の電池単体からなる電池モジュールであってもよく、一つ又は複数の電池モジュールを含む電池パックであってもよい。電池110の外形は、実際の状況の必要に応じて、相応な形状、例えば、円柱体、矩形などを有してもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、電池モジュールにおける複数の電池単体の間の接続は、直列又は並列又は直並列でもよく、直並列とは、複数の電池単体のうち、直列されるものもあるし、並列されるものもあることである。電池パックを構成する電池モジュールの間の接続は、直列又は並列又は直並列でもよい。電池パック又は電池モジュールは、電池単体以外の他の構造、例えば、複数の電池単体の間の電気的接続を実現するためのバス部品を含んでもよい。
【0055】
コントローラ120は、一つの電池管理システムを少なくとも含む。この電池管理システムとは、電池110を管理し、電池110が正常に運動できることを確保する電子システムである。電池管理システムは、電圧変換回路に接続されてもよい。
【0056】
本出願の実施例は、電圧変換回路を提供する。図5を参照すると、Nレベル変換ユニット10とN-1個のDCDC変換ユニットとを含む。
【0057】
Nレベル変換ユニット10は、N個の異なるレベルの出力端を有する。M番目のDCDC変換ユニットの第一の入力端がNレベル変換ユニット10のM番目の出力端に接続され、M番目のDCDC変換ユニットの第二の入力端がNレベル変換ユニット10のM+1番目の出力端に接続され、Nレベル変換ユニット10のM番目の出力端の出力レベルとNレベル変換ユニット10のM+1番目の出力端の出力レベルとが隣接するレベルである。ただし、N≧3で、1≦M<Nである。
【0058】
そのうち、Nレベル変換ユニット10は、交流電源から入力された電圧をマルチレベルの直流電気出力に変換してもよく、即ちこのNレベル変換ユニット10は、一つの最大の出力レベル、一つの最小の出力レベル、及び最大の出力レベルと最小の出力レベルとの間に介在する少なくとも一つのミドルレベルを出力してもよい。Nレベル変換ユニット10は、複数のスイッチトランジスタを含んでもよく、スイッチトランジスタのスイッチ状態を制御することで、複数のレベルを出力し、例えば、複数のハイレベル、ゼロレベル及び複数のローレベルなどを出力することを実現できる。
【0059】
DCDC変換ユニットは、ある電圧レベルの直流電源を他の電圧レベルの直流電源に変換してもよい。通常、M番目のDCDC変換ユニットにとって、第一の入力端は正極入力端で、第二の入力端は負極入力端である。
【0060】
この電圧変換回路では、M-1個のDCDC変換ユニットの入力端をNレベル変換ユニット10のN個のレベル出力端に対応して接続することで、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、それにより、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、Nレベル変換ユニット10の出力レベルを直接調節でき、それにより、DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、最終的にDCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を調整して、複数のDCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を等しく又はほぼ近くすることができ、それにより、電圧均一化又は電流均一化の効果を達成する。これから分かるように、この接続方式で電圧均一化又は電流均一化の制御方式が簡単になり、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を制御することで電圧均一化又は電流均一化を行う必要がなく、ソフトウェアポリシーの制御難易度を低減させ、回路の安定性を向上させることができる。
【0061】
電圧均一化出力を実現するために、そのうちのいくつかの実施例では、図6を参照すると、一番目のDCDC変換ユニット21の第一の出力端が第一のノードB1に接続され、P番目のDCDC変換ユニットの第一の出力端がP-1番目DCDC変換ユニットの第二の出力端に接続され、N-1番目のDCDC変換ユニット2(N-1)の第二の出力端が第二のノードB2に接続され、ただし、2≦P<Nである。
【0062】
通常、M番目のDCDC変換ユニットにとって、第一の入力端は正極入力端で、第二の入力端は負極入力端で、第一の出力端は正極出力端で、第二の出力端は負極出力端である。この時、第一のノードB1は、バス正極に接続されるために用いられ、第二のノードB2は、バス負極に接続されるために用いられる。
【0063】
この電圧変換回路では、M-1個のDCDC変換ユニットの入力端をNレベル変換ユニット10のN個のレベル出力端に対応して接続し、M-1個のDCDC変換ユニットの出力端を第一のノードB1と第二のノードB2との間に直列接続し、この電圧変換回路を第一のノードB1と第二のノードB2を介して直流バスに接続することで、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、それにより、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、Nレベル変換ユニット10の出力レベルを直接調節でき、それにより、DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、最終的にDCDC変換ユニットの出力電圧を調整して、複数のDCDC変換ユニットの出力電圧を等しく又はほぼ近くすることができ、それにより、電圧均一化の効果を達成する。これから分かるように、この接続方式で、電圧均一化の制御方式が簡単になり、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を制御することで電圧均一化を行う必要がなく、ソフトウェアポリシーの制御難易度を低減させ、回路の安定性を向上させることができる。
【0064】
そのうちのいくつかの実施例では、N=3である場合、図7を参照すると、電圧変換回路は、第一の3レベル変換ユニット11と、第一のDCDC変換ユニット21と、第二のDCDC変換ユニット22とを含む。第一の3レベル変換ユニット11は、レベルが順にデクリメントする第一の出力端A1と、第二の出力端A2と、第三の出力端A3とを有する。第一のDCDC変換ユニット21の第一の入力端は第一の3レベル変換ユニット11の第一の出力端A1に接続され、第一のDCDC変換ユニット21の第二の入力端と第二のDCDC変換ユニット22の第一の入力端は第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2に接続され、第二のDCDC変換ユニット22の第二の入力端は第一の3レベル変換ユニット11の第三の出力端A3に接続される。第一のDCDC変換ユニット21の第一の出力端は第一のノードB1に接続され、第一のDCDC変換ユニット21の第二の出力端は第二のDCDC変換ユニット22の第一の出力端に接続され、第二のDCDC変換ユニット22の第二の出力端は第二のノードB2に接続される。
【0065】
具体的には、第一の3レベル変換ユニット11は、複数の上トランジスタと下トランジスタを含み、上トランジスタと下トランジスタのスイッチ状態により、それぞれハイレベル、ミドルレベル及びローレベルの3レベルの状態を出力することができる。例えば、第一の出力端A1のレベルは+Uで、第二の出力端A2のレベルは0で、第三の出力端A3のレベルは-Uであり、そのうちUは、第一の出力端のレベルの大きさを代表し、具体的な数値は実際の必要に応じて設定することができ、ここで限定しない。
【0066】
この電圧変換回路では、上記方式で接続することにより、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、この後に、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、第一の3レベル変換ユニット11の第一の出力端A1、第二の出力端A2及び第三の出力端A3の少なくとも一つのレベルを直接調節でき、それにより、第一のDCDC変換ユニット21の入力電圧及び/又は第二のDCDC変換ユニット22の入力電圧を調整でき、最終的に第一のDCDC変換ユニット21の出力電圧及び/又は第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧を調整して、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧を等しく又はほぼ近くすることができ、それにより、電圧均一化の効果を達成する。これから分かるように、この回路接続方式で、電圧変換回路の出力パワーを高めることができるとともに、電圧均一化の制御方式が簡単になり、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を制御することで電流均一化を行う必要がなく、ソフトウェアポリシーの制御難易度を低減させ、回路の安定性を向上させることができる。
【0067】
そのうちのいくつかの実施例では、第一の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである。
【0068】
具体的には、図8を参照すると、この第一の3レベル変換ユニットが単相I型3レベル変換ユニットである場合、この第一の3レベル変換ユニットは、四つのNMOSトランジスタ(Q1-Q4)と二つのクランプダイオード(D1、D2)とを含む。又は、図9を参照すると、この第一の3レベル変換ユニットが三相I型3レベル変換ユニットである場合、この第一の3レベル変換ユニットは、十二個のIGBT(Q11-Q34)と六つのクランプダイオード(D11-D32)とを含む。又は、図10を参照すると、この第一の3レベル変換ユニットが単相T型3レベル変換ユニットである場合、この第一の3レベル変換ユニットは、四つのNMOSトランジスタ(Q5-Q8)を含む。また、図11を参照すると、この第一の3レベル変換ユニットが三相T型3レベル変換ユニットである場合、この第一の3レベル変換ユニットは、十二個のNMOSトランジスタ(Q41-Q64)を含む。実際の応用では、上記回路構造又は従来技術における適切な回路構造を第一の3レベル変換ユニットとして使用してもよく、また、スイッチトランジスタのタイプは、実際の必要に応じて設定されてもよく、それにより、回路設計の柔軟性と自由度を向上させることができる。
【0069】
いくつかの実施例では、第一の3レベル変換ユニットは、入力インダクタンス、入力コンデンサ、入力抵抗又は入力コンデンサなどのデバイスを含んでもよく、図8に示すように、この単相I型3レベル変換ユニットは、入力インダクタンスL、出力コンデンサC1、出力コンデンサC2及び入力コンデンサC3をさらに含む。実際の応用では、第一の3レベル変換ユニットの具体的な回路構造は、従来技術におけるすべての適切な回路構造を参照することができ、ここで上記実施例における限定に限られない。
【0070】
そのうちのいくつかの実施例では、Nレベル変換ユニット10の入力端が単相交流電源又は三相交流電源に接続される。具体的には、この第一の3レベル変換ユニットが単相I型3レベル変換ユニット又は単相T型3レベル変換ユニットである場合、その入力端が単相交流電源に接続され、この第一の3レベル変換ユニットが三相I型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである場合、その入力端が三相交流電源に接続される。異なるNレベル変換ユニットの回路構造を選択することにより、異なる交流電源に適合でき、それにより、電圧変換回路の適合性と互換性を向上させる。
【0071】
そのうちのいくつかの実施例では、DCDC変換ユニットは、LLC回路、CLLC回路、位相シフトフルブリッジ(Phase-ShiftingFull-BridgeConverter、PSFB)回路であるか、又は、本分野の他のすべての適切な変換電圧レベルに使用できる回路であり、ここでは限定しない。そのうち、LLC回路は共振変換回路であり、その回路は、二つのインダクタンスと一つのコンデンサとを含み、CLLLC回路は共振変換回路であり、その回路は、二つのコンデンサと三つのインダクタンスとを含み、LLC回路、CLLLC回路及びPFSB回路の具体的な構造は、従来技術における通常の回路を参照することができ、ここでその具体的な回路構造について詳細に紹介しない。これから分かるように、電圧変換回路を設計する時、実際の必要に応じて異なるDCDC変換ユニットの回路構造を選択し、設計される電圧変換回路の柔軟性を向上させることができる。
【0072】
そのうちのいくつかの実施例では、電圧変換回路は、制御ユニットをさらに含む。この制御ユニットは、それぞれNレベル変換ユニットとN-1個のDCDC変換ユニットに接続される。制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧間の差値が第一の閾値以下となるように、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる。
【0073】
具体的には、制御ユニットは、それぞれNレベル変換ユニットとN-1個のDCDC変換ユニットの制御端に接続され、例えば、制御ユニットは、それぞれNレベル変換ユニットにおけるスイッチトランジスタの制御端、及びN-1個のDCDC変換ユニットにおけるスイッチトランジスタの制御端に接続される。
【0074】
この電圧変換回路では、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御することにより、各DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、このように、各DCDC変換ユニットの入力電圧が変化したため、各DCDC変換ユニットの出力電圧間も調整され、従って、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御することにより、各DCDC変換ユニットの出力電圧を等しく又はほぼ近くし、即ち各DCDC変換ユニットの出力電圧間の差値を第一の閾値以下にすることができる。そのうち、第一の閾値は、0Aであってもよく、実際の応用で実際の必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0075】
そのうちのいくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧を取得し、各DCDC変換ユニットの出力電圧に基づいてNレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる。
【0076】
具体的には、まず各DCDC変換ユニットの第一の出力端に電圧サンプリングユニットを設置することができ、各電圧サンプリングユニットにより各DCDC変換ユニットの出力電圧データを収集することができるとともに、制御ユニットは、各電圧サンプリングユニットの出力電圧データにより、各DCDC変換ユニットの出力電圧を得ることができ、続いて、制御ユニットは、各出力電圧の大きさに基づいてNレベル変換ユニットの出力レベルを制御して、各DCDC変換ユニットの出力電圧を等しく又はほぼ近くし、それにより、複数のDCDC変換ユニット電圧の均一化を制御する目的を達成する。これから分かるように、この電圧均一化の制御方式は、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を調整する必要がなく、制御難易度を低減させ、回路の作動安定性を向上させることができる。
【0077】
実際の応用では、電圧サンプリングユニットは、従来のチップモジュール(例えば集積回路IC)又は本分野の通常の回路で実現されてもよく、ここで電圧サンプリングユニットの回路構造について詳細に紹介しない。
【0078】
例示的に、図7を参照すると、第一の3レベル変換ユニット11を含む電圧変換回路に対して、制御ユニットは、それぞれ第一の3レベル変換ユニット11、第一のDCDC変換ユニット21及び第二のDCDC変換ユニット22に接続することができるとともに、制御ユニットは、第一のDCDC変換ユニット21の第一の出力端と第二の出力端との間の第一の出力電圧U1を取得し、第二のDCDC変換ユニット22の第一の出力端と第二の出力端との間の第二の出力電圧U2を取得し、第一の出力電圧U1と第二の出力電圧U2の大きさに基づき、第一の3レベル変換ユニット11の出力端のレベルの大きさを調整することができる。
【0079】
例えば、第一の出力電圧U1が第二の出力電圧U2よりも小さい場合、制御ユニットは、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2のレベルの大きさを向上させるように制御できる。それにより、第一の3レベル変換ユニット11の第一の出力端A1と第二の出力端A2との間の電圧を向上させ、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2と第三の出力端A3との間の電圧を低減させることで、第一のDCDC変換ユニット21の入力電圧を高め、第二のDCDC変換ユニット22の入力電圧を低減させる。そうすると、第一のDCDC変換ユニット21の出力電圧が増大し、第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧が低減する。同様に、第一の出力電圧U1が第二の出力電圧U2よりも大きい場合、制御ユニットは、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2のレベルの大きさを低減させるように制御できる。それにより、第一の3レベル変換ユニット11の第一の出力端A1と第二の出力端A2との間の電圧を低減させ、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2と第三の出力端A3との間の電圧を向上させることで、第一のDCDC変換ユニット21の入力電圧を低減させ、第二のDCDC変換ユニット22の入力電圧を高める。そうすると、第一のDCDC変換ユニット21の出力電圧が低減し、第二のDCDC変換ユニット22の出力電圧が向上する。これから分かるように、上記制御方式により、最終的に、第一のDCDC変換ユニット21の第一の出力電圧U1と第二のDCDC変換ユニット22の第二の出力電圧U2を等しく又はほぼ近くし、電圧均一化の目的を達成することができる。
【0080】
実際の応用では、第一の3レベル変換ユニット11の第一の出力端A1又は第三の出力端A3のレベルの大きさのみをコントロールすることにより、第一の3レベル変換ユニット11の第一の出力端A1と第二の出力端A2との間の電圧の大きさのみを変化させるか、又は、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2と第三の出力端A3の電圧の大きさのみを変化させてもよく、それにより、電圧均一化の目的を達成する。このようなコントロール方式も本出願の実施例が保護を要求する範囲内に属すべきである。
【0081】
そのうちのいくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧に基づいてNレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、前記中間出力レベルがNレベル変換ユニットの最大の出力レベルとNレベル変換ユニットの最小の出力レベルとの間にある。
【0082】
具体的には、図7を参照すると、第一の3レベル変換ユニット11を含む電圧変換回路に対して、第一のDCDC変換ユニット21の第一の出力電圧と第二のDCDC変換ユニット22の第二の出力電圧に基づき、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2のレベルを制御できる。第二の出力端A2のレベルが第一の3レベル変換ユニット11の中間出力レベルであり、中間出力レベルをコントロールすることで、第一のDCDC変換ユニット21と第二のDCDC変換ユニット22の入力電圧を迅速に調整することができる。それにより、第一のDCDC変換ユニット21の出力電流の大きさと第二のDCDC変換ユニット22の出力電流の大きさを等しく又はほぼ近く調整する。これから分かるように、本出願による接続方式で、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御することで、隣接する二つのDCDC変換ユニットの入力電圧を迅速かつ柔軟的に調整でき、それにより、DCDC変換ユニットの出力電流を迅速に調整する。
【0083】
そのうちのいくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電圧に基づき、基準電圧を得て、各DCDC変換ユニットの出力電圧と基準電圧とを一つずつ差を付け、各DCDC変換ユニットの出力電圧に対応する電圧差を得て、各前記電圧差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられる。
【0084】
具体的には、Nレベル変換ユニットを含む電圧変換回路に対して、制御ユニットは、まず、各DCDC変換ユニットの第一の出力端と第二の出力端との間の出力電圧の大きさを取得し、それぞれU1、U2、……及びU(N-1)であり、そして、制御ユニットは、これらの出力電圧を計算して平均電圧値を得て、この平均電圧値を基準電圧とし、続いて、それぞれ各出力電圧と基準電圧とを差を付け、各出力電圧に対応する電圧差を得て、続いて、PIコントローラにより各電圧差を処理し、少なくとも一つの電圧指令を得て、最終的に、制御ユニットは、少なくとも一つの電圧指令に基づき、Nレベル変換ユニットのスイッチトランジスタのスイッチ状態を制御し、それにより、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御する。
【0085】
これから分かるように、この電圧均一化の制御方式は、各DCDC変換ユニットの出力電圧間の関係に基づき、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを柔軟に制御することができ、それにより、異なる回路状況に基づいて適応的に計算して電圧均一化を行い、電圧均一化の効率を向上させることができる。
【0086】
このようなコントロール方式で、Nレベル変換ユニットの中間出力レベルを制御し、Nレベル変換ユニットのミドルレベルの出力端がN-2個であるため、電圧指令は、多くともN-2個であることが理解され得る。実際の応用では、基準電圧は、各DCDC変換ユニットの出力電流からいずれか一つの出力電流を基準電圧として選択してもよく、例えば、U1を基準電圧として選択してもよく、一般的には、コントロール精度を確保するために、通常、平均値を基準電圧として選択する。
【0087】
例示的に、図7を参照すると、第一の3レベル変換ユニット11を含む電圧変換回路に対して、電圧サンプリングユニットによりそれぞれ第一のDCDC変換ユニット21の第一の出力電圧U1、及び第二のDCDC変換ユニット22の第二の出力電圧U2を取得し、そして、第一の出力電圧U1と第二の出力電圧U2とを差を付け、電圧差を得て、続いて、PIコントローラによりこの電圧差を処理し、電圧指令を得て、制御ユニットは、この電圧指令に基づいて第一の3レベル変換ユニット11のスイッチトランジスタのスイッチ状態を制御し、それにより、第一の3レベル変換ユニット11の第二の出力端A2のレベルの大きさを制御し、最終的に第一のDCDC変換ユニット21の入力電圧と第二のDCDC変換ユニット22の入力電圧を調整して、電圧均一化の効果を達成することができる。この時、基準電圧として、第一の出力電圧、第二の出力電圧、又は第一の出力電圧と第二の出力電圧の平均電圧値を選択してもよく、ここでは限定しない。
【0088】
以上をまとめると、本出願の実施例による電圧変換回路は、電圧変換回路の出力パワーを向上させ、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができるとともに、Nレベル変換ユニットの出力レベルを調整することで、複数のDCDC変換ユニットの出力電圧を調整し、電圧均一化の効果を達成することができ、この電圧均一化の制御方式は、電圧均一化制御の難易度を低減させる。
【0089】
電流均一化出力を実現するために、図12を参照すると、この電圧変換回路は、同様に、Nレベル変換ユニット10とN-1個のDCDC変換ユニットとを含む。図6に示す実施例との相違点は、この電圧変換回路では、各DCDC変換ユニットの第一の出力端が第三のノードC1に接続され、各DCDC変換ユニットの第二の出力端が第四のノードC2に接続されることである。
【0090】
通常、M番目のDCDC変換ユニットにとって、第一の入力端は正極入力端で、第二の入力端は負極入力端で、第一の出力端は正極出力端で、第二の出力端は負極出力端であり、この時、第三のノードC1は、バス正極に接続されるために用いられ、第四のノードC2は、バス負極に接続されるために用いられる。
【0091】
この電圧変換回路では、M-1個のDCDC変換ユニットの入力端をNレベル変換ユニット10のN個のレベル出力端に対応して接続し、M-1個のDCDC変換ユニットの出力端を第三のノードC1と第四のノードC2との間に並列接続することで、第三のノードC1と第四のノードC2は、直流バスに接続されるために用いられてもよく、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、それにより、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、Nレベル変換ユニット10の出力レベルを直接調節でき、それにより、DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、最終的にDCDC変換ユニットの出力電流を調整して、複数のDCDC変換ユニットの出力電流を等しく又はほぼ近くすることができ、それにより、電流均一化の効果を達成する。これから分かるように、この接続方式で、電流均一化の制御方式が簡単になり、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を制御することで電流均一化を行う必要がなく、ソフトウェアポリシーの制御難易度を低減させ、回路の安定性を向上させることができる。
【0092】
そのうちのいくつかの実施例では、N=3である場合、図13を参照すると、電圧変換回路は、第二の3レベル変換ユニット12と、第三のDCDC変換ユニット23と、第四のDCDC変換ユニット24とを含む。第二の3レベル変換ユニット12は、レベルが順にデクリメントする第一の出力端A1と、第二の出力端A2と、第三の出力端A3とを有する。第三のDCDC変換ユニット23の第一の入力端は第二の3レベル変換ユニット12の第一の出力端A1に接続され、第三のDCDC変換ユニット23の第二の入力端と第四のDCDC変換ユニット24の第一の入力端は第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2に接続され、第四のDCDC変換ユニット24の第二の入力端は第二の3レベル変換ユニット12の第三の出力端A3に接続され、第三のDCDC変換ユニット23の第一の出力端と第四のDCDC変換ユニット24の第一の出力端は第三のノードC1に接続され、第三のDCDC変換ユニット23の第二の出力端と第四のDCDC変換ユニット24の第二の出力端は第四のノードC2に接続される。
【0093】
具体的には、第二の3レベル変換ユニット12は、複数の上トランジスタと下トランジスタを含み、上トランジスタと下トランジスタのスイッチ状態により、それぞれハイレベル、ミドルレベル及びローレベルの3レベルの状態を出力することができる。例えば、第一の出力端A1のレベルは+Uで、第二の出力端A2のレベルは0で、第三の出力端A3のレベルは-Uであり、そのうちUは、第一の出力端のレベルの大きさを代表し、具体的な数値は実際の必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0094】
この電圧変換回路では、上記方式で接続することにより、電圧変換回路の出力パワーを向上させることができ、この後に、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができる。そして、この電圧変換回路では、この後に、第二の3レベル変換ユニット12の第一の出力端A1、第二の出力端A2及び第三の出力端A3の少なくとも一つのレベルを直接調節でき、それにより、第三のDCDC変換ユニット23の入力電圧及び/又は第四のDCDC変換ユニット24の入力電圧を調整でき、最終的に第三のDCDC変換ユニット23の出力電流及び/又は第四のDCDC変換ユニット24の出力電流を調整して、第三のDCDC変換ユニット23と第四のDCDC変換ユニット24の出力電流を等しく又はほぼ近くすることができ、それにより、電流均一化の効果を達成する。これから分かるように、この回路接続方式で、電圧変換回路の出力パワーを高めることができるとともに、電流均一化の制御方式が簡単になり、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を制御することで電流均一化を行う必要がなく、ソフトウェアポリシーの制御難易度を低減させ、回路の安定性を向上させることができる。
【0095】
そのうちのいくつかの実施例では、第二の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである。
【0096】
具体的には、図8を参照すると、この第二の3レベル変換ユニットが単相I型3レベル変換ユニットである場合、この第二の3レベル変換ユニットは、四つのNMOSトランジスタ(Q1-Q4)と二つのクランプダイオード(D1、D2)とを含む。又は、図9を参照すると、この第二の3レベル変換ユニットが三相I型3レベル変換ユニットである場合、この第二の3レベル変換ユニットは、十二個のIGBT(Q11-Q34)と六つのクランプダイオード(D11-D32)とを含む。又は、図10を参照すると、この第二の3レベル変換ユニットが単相T型3レベル変換ユニットである場合、この第二の3レベル変換ユニットは、四つのNMOSトランジスタ(Q5-Q8)を含む。また、図11を参照すると、この第二の3レベル変換ユニットが三相T型3レベル変換ユニットである場合、この第二の3レベル変換ユニットは、十二個のNMOSトランジスタ(Q41-Q64)を含む。実際の応用では、上記回路構造又は従来技術における適切な回路構造を第二の3レベル変換ユニットとして使用してもよく、また、スイッチトランジスタのタイプは、実際の必要に応じて設定されてもよく、それにより、回路設計の柔軟性と自由度を向上させることができる。
【0097】
いくつかの実施例では、第二の3レベル変換ユニットは、入力インダクタンス、入力コンデンサ、入力抵抗又は入力コンデンサなどのデバイスをさらに含んでもよく、図8に示すように、この単相I型3レベル変換ユニットは、入力インダクタンスL、出力コンデンサC1、出力コンデンサC2及び入力コンデンサC3とをさらに含む。実際の応用では、第二の3レベル変換ユニットの具体的な回路構造は、従来技術におけるすべての適切な回路構造を参照することができ、ここでは上記実施例における限定に限られない。
【0098】
そのうちのいくつかの実施例では、Nレベル変換ユニット10の入力端が単相交流電源又は三相交流電源に接続される。具体的には、この第二の3レベル変換ユニットが単相I型3レベル変換ユニット又は単相T型3レベル変換ユニットである場合、その入力端が単相交流電源に接続され、この第二の3レベル変換ユニットが三相I型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである場合、その入力端が三相交流電源に接続される。異なるNレベル変換ユニットの回路構造を選択することにより、異なる交流電源に適合でき、それにより、電圧変換回路の適合性と互換性を向上させる。
【0099】
そのうちのいくつかの実施例では、DCDC変換ユニットは、LLC回路、CLLC回路、位相シフトフルブリッジ(Phase-ShiftingFull-BridgeConverter、PSFB)回路であるか、又は、本分野の他のすべての適切な変換電圧レベルに使用できる回路であり、ここでは限定しない。そのうち、LLC回路は共振変換回路であり、その回路は、二つのインダクタンスと一つのコンデンサとを含み、CLLLC回路は共振変換回路であり、その回路は、二つのコンデンサと三つのインダクタンスとを含み、LLC回路、CLLLC回路及びPFSB回路の具体的な構造は、従来技術における通常の回路を参照することができ、ここでその具体的な回路構造について詳細に紹介しない。これから分かるように、電圧変換回路を設計する時、実際の必要に応じて異なるDCDC変換ユニットの回路構造を選択し、設計される電圧変換回路の柔軟性を向上させることができる。
【0100】
そのうちのいくつかの実施例では、電圧変換回路は、制御ユニットをさらに含む。この制御ユニットは、それぞれNレベル変換ユニットとN-1個のDCDC変換ユニットに接続される。制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電流間の差値が第一の閾値以下となるように、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる。
【0101】
具体的には、制御ユニットは、それぞれNレベル変換ユニットとN-1個のDCDC変換ユニットの制御端に接続され、例えば、制御ユニットは、それぞれNレベル変換ユニットにおけるスイッチトランジスタの制御端、及びN-1個のDCDC変換ユニットにおけるスイッチトランジスタの制御端に接続される。
【0102】
この電圧変換回路では、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御することにより、各DCDC変換ユニットの入力電圧を調整でき、このように、各DCDC変換ユニット入力電圧が変化したため、各DCDC変換ユニットの出力電流間も調整され、そのため、Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御することにより、各DCDC変換ユニットの出力電流を等しく又はほぼ近くし、即ち各DCDC変換ユニットの出力電流間の差値を第二の閾値以下にすることができる。そのうち、第二の閾値は、0Aであってもよく、実際の応用で実際の必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0103】
そのうちのいくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電流を取得し、各DCDC変換ユニットの出力電流に基づいてNレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる。
【0104】
具体的には、まず各DCDC変換ユニットの第一の出力端に電流サンプリングユニットを設置し、各電流サンプリングユニットにより各DCDC変換ユニットの出力電流データを収集することができるとともに、制御ユニットは、各電流サンプリングユニットの出力電流データにより、各DCDC変換ユニットの出力電流を得ることができ、続いて、制御ユニットは、各出力電流の大きさに基づいてNレベル変換ユニットの出力レベルを制御して、各DCDC変換ユニットの出力電流を等しく又はほぼ近くし、それにより、複数のDCDC変換ユニット電流均一化を制御する目的を達成する。これから分かるように、この電流均一化の制御方式は、DCDC変換ユニットの周波数、位相シフト角又はデューティ比を調整する必要がなく、制御難易度を低減させ、回路の作動安定性を向上させることができる。
【0105】
実際の応用では、電流サンプリングユニットは、従来のチップモジュール(例えば集積回路IC)又は本分野の通常の回路で実現されてもよく、ここで電流サンプリングユニットの回路構造について詳細に紹介しない。
【0106】
例示的に、図13を参照すると、第二の3レベル変換ユニット12を含む電圧変換回路に対して、制御ユニットは、それぞれ第二の3レベル変換ユニット12、第三のDCDC変換ユニット23及び第四のDCDC変換ユニット24に接続することができるとともに、制御ユニットは、第三のDCDC変換ユニット23の第一の出力電流I1を取得し、第四のDCDC変換ユニット24の第二の出力電流I2を取得し、第一の出力電流I1と第二の出力電流I2の大きさに基づき、第二の3レベル変換ユニット12の出力端のレベルの大きさを調整することができる。
【0107】
例えば、第一の出力電流I1が第二の出力電流I2よりも小さい場合、制御ユニットは、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2のレベルの大きさを向上させるように制御できる。それにより、第二の3レベル変換ユニット12の第一の出力端A1と第二の出力端A2との間の電圧を向上させ、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2と第三の出力端A3との間の電圧を低減させることで、第三のDCDC変換ユニット23の入力電圧を高め、第四のDCDC変換ユニット24の入力電圧を低減させる。そうすると、第三のDCDC変換ユニット23の出力電流が増大し、第四のDCDC変換ユニット24の出力電流が低減する。同様に、第一の出力電流I1が第二の出力電流I2よりも大きい場合、制御ユニットは、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2のレベルの大きさを低減させるように制御できる。それにより、第二の3レベル変換ユニット12の第一の出力端A1と第二の出力端A2との間の電圧を低減させ、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2と第三の出力端A3との間の電圧を向上させることで、第三のDCDC変換ユニット23の入力電圧を低減させ、第四のDCDC変換ユニット24の入力電圧を高める。そうすると、第三のDCDC変換ユニット23の出力電流が低減し、第四のDCDC変換ユニット24の出力電流が向上する。これから分かるように、上記制御方式により、最終的に、第三のDCDC変換ユニット23の第一の出力電流I1と第四のDCDC変換ユニット24の第二の出力電流I2を等しく又はほぼ近くし、電流均一化の目を達成することができる。
【0108】
実際の応用では、第二の3レベル変換ユニット12の第一の出力端A1又は第三の出力端A3のレベルの大きさのみをコントロールすることにより、第二の3レベル変換ユニット12の第一の出力端A1と第二の出力端A2との間の電圧の大きさのみを変化させるか、又は、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2と第三の出力端A3の電圧の大きさのみを変化させてもよく、それにより、電流均一化の目的を達成する。このようなコントロール方式も本出願の実施例が保護を要求する範囲内に属すべきである。
【0109】
そのうちのいくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電流に基づいてNレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、前記中間出力レベルがNレベル変換ユニットの最大の出力レベルとNレベル変換ユニットの最小の出力レベルとの間にある。
【0110】
具体的には、図13を参照すると、第二の3レベル変換ユニット12を含む電圧変換回路に対して、第三のDCDC変換ユニット23の第一の出力電流と第四のDCDC変換ユニット24の第二の出力電流に基づき、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2のレベルを制御できる。第二の出力端A2のレベルが第二の3レベル変換ユニット12の中間出力レベルであり、中間出力レベルをコントロールすることで、第三のDCDC変換ユニット23と第四のDCDC変換ユニット24の入力電圧を迅速に調整することができる。それにより、第三のDCDC変換ユニット23の出力電流の大きさと第四のDCDC変換ユニット24の出力電流の大きさを等しく又はほぼ近く調整する。これから分かるように、本出願による接続方式で、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御することで、隣接する二つのDCDC変換ユニットの入力電圧を迅速かつ柔軟的に調整でき、それにより、DCDC変換ユニットの出力電流を迅速に調整する。
【0111】
そのうちのいくつかの実施例では、制御ユニットは、各DCDC変換ユニットの出力電流に基づき、基準電流を得て、各DCDC変換ユニットの出力電流と基準電流とを一つずつ差を付け、各DCDC変換ユニットの出力電流に対応する電流差を得て、各前記電流差に基づき、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられる。
【0112】
具体的には、Nレベル変換ユニットを含む電圧変換回路に対して、制御ユニットは、まず、各DCDC変換ユニットの第一の出力端の出力電流の大きさを取得し、それぞれI1、I2、……及びI(N-1)であり、そして、制御ユニットは、これらの出力電流を計算して平均電流値を得て、この平均電流値を基準電流とし、続いて、それぞれ各出力電流と基準電流とを差を付け、各出力電流に対応する電流差を得て、続いて、PIコントローラにより各電流差を処理し、少なくとも一つの電圧指令を得て、最終的に、制御ユニットは、少なくとも一つの電圧指令に基づき、Nレベル変換ユニットのスイッチトランジスタのスイッチ状態を制御し、それにより、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御する。
【0113】
これから分かるように、この電流均一化の制御方式は、各DCDC変換ユニットの出力電流間の関係に基づき、Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを柔軟に制御することができ、それにより、異なる回路状況に基づいて適応的に計算して電流均一化を行い、電流均一化の効率を向上させることができる。
【0114】
このようなコントロール方式で、Nレベル変換ユニットの中間出力レベルを制御し、Nレベル変換ユニットのミドルレベルの出力端がN-2個であるため、電圧指令は、多くともN-2個であることが理解され得る。実際の応用では、基準電流は、各DCDC変換ユニットの出力電流間からいずれか一つの出力電流を基準電流として選択してもよく、例えば、I1を基準電流として選択してもよく、一般的には、コントロール精度を確保するために、通常、平均値を基準電流として選択する。
【0115】
例示的に、図13を参照すると、第二の3レベル変換ユニット12を含む電圧変換回路に対して、電流サンプリングユニットによりそれぞれ第三のDCDC変換ユニット23の第一の出力電流I1、及び第四のDCDC変換ユニット24の第二の出力電流I2を取得し、そして、第一の出力電流I1と第二の出力電流I2とを差を付け、電流差を得て、続いて、PIコントローラによりこの電流差を処理し、電圧指令を得て、制御ユニットは、この電圧指令に基づいて第二の3レベル変換ユニット12のスイッチトランジスタのスイッチ状態を制御し、それにより、第二の3レベル変換ユニット12の第二の出力端A2のレベルの大きさを制御し、最終的に第三のDCDC変換ユニット23の入力電圧と第四のDCDC変換ユニット24の入力電圧を調整して、電流均一化の効果を達成することができる。この時、基準電流として、第一の出力電流、第二の出力電流、又は第一の出力電流と第二の出力電流の平均電流値を選択してもよく、ここでは限定しない。
【0116】
以上をまとめると、本出願の実施例による電圧変換回路は、電圧変換回路の出力パワーを向上させ、ハイパワーの応用シナリオを満たすことができるとともに、Nレベル変換ユニットの出力レベルを調整することで、複数のDCDC変換ユニットの出力電流を調整し、電流均一化の効果を達成することができ、この電流均一化の制御方式は、電流均一化制御の難易度を低減させる。
【0117】
本出願の実施例の別の局面として、本出願の実施例は、充電装置をさらに提供する。この充電装置は、以上のいずれかの実施例に記載の電圧変換回路を含む。
【0118】
本出願の実施例のまた別の局面として、本出願の実施例は、電力消費機器をさらに提供する。この電力消費機器は、以上のいずれかの実施例に記載の充電装置を含む。
【0119】
なお、以上に記述されている装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、そのうち前記分離された部品として説明されるユニットは、物理的に分離されてもよく、物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよく、すなわち、一つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部又は全部のモジュールを選択して、本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0120】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ使用され、限定するのではない。本発明の構想によって、以上の実施例又は異なる実施例の技術的特徴を組み合わせてもよく、ステップは、任意の順序で実現されてもよく、以上のような本発明の異なる局面の多くの他の変形が存在し、簡潔にするために、それらは詳細には提供されていない。前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、前述の各実施例に記載された技術案を修正したりそのうちの一部の技術的特徴を等価物に置き換えたりすることができることを理解すべきである。これらの修正又は置き換えは、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧変換回路であって、
N個の異なるレベルの出力端を有するNレベル変換ユニットと、
N-1個のDCDC変換ユニットであって、M番目の前記DCDC変換ユニットの第一の入力端が前記Nレベル変換ユニットのM番目の出力端に接続され、前記M番目の前記DCDC変換ユニットの第二の入力端が前記Nレベル変換ユニットのM+1番目の出力端に接続され、前記M番目の出力端の出力レベルと前記M+1番目の出力端の出力レベルとが隣接するレベルであるN-1個のDCDC変換ユニットとを含み、
ただし、N≧3で、1≦M<Nである、ことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項2】
一番目の前記DCDC変換ユニットの第一の出力端が第一のノードに接続され、P番目の前記DCDC変換ユニットの第一の出力端がP-1番目の前記DCDC変換ユニットの第二の出力端に接続され、N-1番目の前記DCDC変換ユニットの第二の出力端が第二のノードに接続され、
ただし、2≦P<Nである、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項3】
前記N=3である場合、前記電圧変換回路は、第一の3レベル変換ユニットと、第一のDCDC変換ユニットと、第二のDCDC変換ユニットとを含み、
前記第一の3レベル変換ユニットは、レベルが順にデクリメントする第一の出力端と、第二の出力端と、第三の出力端とを有し、
前記第一のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第一の3レベル変換ユニットの第一の出力端に接続され、前記第一のDCDC変換ユニットの第二の入力端と前記第二のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第一の3レベル変換ユニットの第二の出力端に接続され、前記第二のDCDC変換ユニットの第二の入力端は前記第一の3レベル変換ユニットの第三の出力端に接続され、
前記第一のDCDC変換ユニットの第一の出力端は前記第一のノードに接続され、前記第一のDCDC変換ユニットの第二の出力端は前記第二のDCDC変換ユニットの第一の出力端に接続され、前記第二のDCDC変換ユニットの第二の出力端は前記第二のノードに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電圧変換回路。
【請求項4】
前記第一の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである、ことを特徴とする請求項3に記載の電圧変換回路。
【請求項5】
各前記DCDC変換ユニットの第一の出力端は第三のノードに接続され、各前記DCDC変換ユニットの第二の出力端は第四のノードに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項6】
前記N=3である場合、前記電圧変換回路は、第二の3レベル変換ユニットと、第三のDCDC変換ユニットと、第四のDCDC変換ユニットとを含み、
前記第二の3レベル変換ユニットは、レベルが順にデクリメントする第一の出力端と、第二の出力端と、第三の出力端とを有し、
前記第三のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第二の3レベル変換ユニットの第一の出力端に接続され、前記第三のDCDC変換ユニットの第二の入力端と前記第四のDCDC変換ユニットの第一の入力端は前記第二の3レベル変換ユニットの第二の出力端に接続され、前記第四のDCDC変換ユニットの第二の入力端は前記第二の3レベル変換ユニットの第三の出力端に接続され、
前記第三のDCDC変換ユニットの第一の出力端と前記第四のDCDC変換ユニットの第一の出力端は前記第三のノードに接続され、前記第三のDCDC変換ユニットの第二の出力端と前記第四のDCDC変換ユニットの第二の出力端は前記第四のノードに接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電圧変換回路。
【請求項7】
前記第二の3レベル変換ユニットは、単相I型3レベル変換ユニット、三相I型3レベル変換ユニット、単相T型3レベル変換ユニット又は三相T型3レベル変換ユニットである、ことを特徴とする請求項6に記載の電圧変換回路。
【請求項8】
前記Nレベル変換ユニットの入力端は単相交流電源又は三相交流電源に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項9】
前記DCDC変換ユニットは、LLC回路、CLLLC回路又はPSFB回路である、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項10】
前記電圧変換回路は、制御ユニットをさらに含み、
前記制御ユニットは、それぞれ前記Nレベル変換ユニットと前記N-1個のDCDC変換ユニットに接続され、
前記制御ユニットは、各前記DCDC変換ユニットの出力電圧間の差値が第一の閾値以下となるように、前記Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられ、
又は、前記制御ユニットは、各前記DCDC変換ユニットの出力電流間の差値が第二の閾値以下となるように、前記Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項11】
前記制御ユニットは、
各前記DCDC変換ユニットの出力電圧又は出力電流を取得し、
各前記出力電圧又は各前記出力電流に基づいて前記Nレベル変換ユニットの出力レベルを制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項10に記載の電圧変換回路。
【請求項12】
前記制御ユニットは、
各前記出力電圧又は各前記出力電流に基づいて前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、前記中間出力レベルが前記Nレベル変換ユニットの最大の出力レベルと前記Nレベル変換ユニットの最小の出力レベルとの間にある、ことを特徴とする請求項10に記載の電圧変換回路。
【請求項13】
前記制御ユニットは、
各前記出力電圧に基づき、基準電圧を得て、
各前記出力電圧と前記基準電圧とを一つずつ差を付け、各前記出力電圧に対応する電圧差を得て、
各前記電圧差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられ、
又は、前記制御ユニットは、
各前記出力電流に基づき、基準電流を得て、
各前記出力電流と前記基準電流とを一つずつ差を付け、各前記出力電流に対応する電流差を得て、
各前記電流差に基づき、前記Nレベル変換ユニットの少なくとも一つの中間出力レベルを制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項11に記載の電圧変換回路。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の電圧変換回路を含む、ことを特徴とする充電装置。
【請求項15】
請求項14に記載の充電装置を含む、ことを特徴とする電力消費機器。
【国際調査報告】