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特表2024-504538リムシリアル番号を用いてアルミニウム合金リムを処理するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】リムシリアル番号を用いてアルミニウム合金リムを処理するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20240125BHJP
   C22B 21/00 20060101ALI20240125BHJP
   C22B 7/00 20060101ALI20240125BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240125BHJP
   B09B 3/30 20220101ALI20240125BHJP
【FI】
B09B5/00 C ZAB
C22B21/00
C22B7/00 A
B09B3/35
B09B3/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524087
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 CA2022050140
(87)【国際公開番号】W WO2022165588
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/145,246
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506081725
【氏名又は名称】ハウス オブ メタルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HOUSE OF METALS COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100140671
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 正代
(72)【発明者】
【氏名】ビトン,ダニエル
【テーマコード(参考)】
4D004
4K001
【Fターム(参考)】
4D004AA16
4D004AA21
4D004AB03
4D004BA05
4D004CA04
4D004CA07
4D004CA12
4D004CA22
4D004CA32
4D004CA40
4D004CB12
4D004CB31
4D004CB42
4D004CB44
4D004CB46
4D004DA01
4D004DA02
4D004DA10
4D004DA16
4K001AA02
4K001BA22
4K001CA02
(57)【要約】
組成の異なる複数のアルミニウム合金リムであり、それぞれ他のアルミニウム合金リムから区別するシリアル番号を有しているアルミニウム合金リムからなる原料を供給することと、非一時的コンピュータ可読メモリ中に、複数のアルミニウム合金リムカテゴリを記憶することと、前記原料中のリム毎にスキャンして、そのアルミニウム合金リムのシリアル番号を決定し、そのシリアル番号に基づいて、そのアルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中の1つであって、複数のバッチ中の各バッチが対応しているカテゴリを決定するためにデータプロセッサを動作させ、次にそのアルミニウム合金リムを、そのカテゴリに対応しているバッチに配分することにより、前記原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けることと、その後に各バッチを個別に処理することと、を含むアルミニウム合金リムの処理方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金リムの処理方法であって、
組成の異なる複数のアルミニウム合金リムであり、それぞれ複数のアルミニウム合金リム中の他のアルミニウム合金リムから区別するシリアル番号を有しているアルミニウム合金リムからなる原料を供給することと、
非一時的コンピュータ可読メモリ中に、複数のアルミニウム合金リムカテゴリを記憶することと、
アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、
そのアルミニウム合金リムのシリアル番号を決定するためにそのアルミニウム合金リムをスキャンし、
そのシリアル番号に基づいて、複数のアルミニウム合金リムカテゴリの中から、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリであって、アルミニウム合金リムの複数のバッチ中のアルミニウム合金リムの各バッチが、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の1つのカテゴリに対応しているカテゴリ、を決定するためにデータプロセッサを動作させ、次に
そのアルミニウム合金リムを、そのアルミニウム合金リムカテゴリに対応するアルミニウム合金リムのバッチに配分すること、により、
アルミニウム合金リムからなる前記原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けることと、
アルミニウム合金リムからなる前記原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けた後に、アルミニウム合金リムの複数のバッチの各バッチを個別に処理することと、
を含む方法。
【請求項2】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのアルミニウム合金リムのバッチ毎に、そのバッチを個別に処理することは、そのバッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化することと、次に断片を清浄化することとを含み、清浄化は、断片をショットブラストすることを含んでおり、
前記方法は、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、そのバッチの断片をリサイクルのために個別に供給することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金組成範囲を記憶することをさらに含み、複数のアルミニウム合金組成範囲は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリのカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲を含み、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲は、複数の元素中の元素毎に、その元素の元素範囲を含んでいる、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコードを記憶することをさらに含み、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含み、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、アルミニウム合金製品を製造するリサイクルのためにそのバッチの断片を個別に供給することは、そのバッチに対応するカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者にそのバッチの断片を供給することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
複数のアルミニウム合金リム製造業者中の特定の製造業者について、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム中のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標を記憶することをさらに含み、
少なくとも2つの異なる製品示標は、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第1のカテゴリを指定するための第1の製品示標と、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第2のカテゴリを指定するための第2の製品示標と、を含み、アルミニウム合金リムの第1のカテゴリとアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の異なるカテゴリであり、
アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリをそのシリアル番号に基づいて決定するためにデータプロセッサを動作させることは、複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第1の種類のアルミニウム合金リムについて、および複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第2の種類のアルミニウム合金リムについて、第1の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第1のカテゴリと、第2の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第2のカテゴリと、を決定することを含み、
第1の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第1のバッチに配分することを含み、
第2の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第2のバッチに配分することを含み、
第1のバッチの断片および第2のバッチの断片を特定の製造業者に供給することは、第1のバッチが第1のカテゴリに対応するという表示とともに第1のバッチを特定の製造業者に提供することと、第2のバッチが第2のカテゴリに対応するという表示とともに第2のバッチを特定の製造業者に、別個に提供することと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片をショットブラストすることは、断片から少なくとも1種類の汚染物質元素を少なくとも部分的に除去することを含み、さらに、
断片のそのバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素の汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することと、
データプロセッサを動作させて、i)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値を、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて決定し、次にii)総汚染物質濃度値に基づいて、断片のそのバッチを合格または不合格の何れかにすることと、
断片のそのバッチが合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することと、
断片のそのバッチが不合格のとき、少なくとも1種類の汚染物質元素の何れかの汚染物質を除去するための清浄をさらに行うことなく、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供しないことと、をさらに含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数の汚染物質組成範囲を記憶することをさらに含み、
複数の汚染物質組成範囲は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられている汚染物質組成範囲を含んでいるとともに、
複数の汚染物質組成範囲中の各汚染物質組成範囲は、少なくとも1種類の汚染物質について汚染物質毎の最大汚染物質濃度を含む、少なくとも1つの最大汚染物質濃度を特定しており、
アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片をショットブラストすることは、断片から少なくとも1種類の汚染物質元素を少なくとも部分的に除去することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のそのバッチをショットブラストした後に、さらに、
そのバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することと、
断片のそのバッチを、i)そのバッチに対応するアルミニウム合金リムカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲によって特定される少なくとも1つの最大汚染物質濃度と、ii)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値であって、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて計算される総汚染物質濃度値と、に基づいて合格または不合格の何れかにするために、データプロセッサを動作させることと、
断片のそのバッチが合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することと、
断片のそのバッチが不合格のとき、少なくとも1種類の汚染物質元素の何れかの汚染物質を除去するための清浄をさらに行うことなく、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供しないことと、をさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のそのバッチをショットブラストした後に、さらに、
断片のそのバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、複数の元素の元素毎に、その断片中のその元素の濃度推定値を含むその断片の推定組成を決定することによって、複数の推定組成を決定することと、
複数の推定組成から、複数のショットブラストされた片の総組成推定値であって、複数の元素についての元素毎の元素濃度推定値である複数の元素濃度推定値を含む総組成推定値を決定することと、
データプロセッサを動作させて、i)複数のショットブラストされた片の総組成推定値が、そのバッチについて決定されたカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲内にあるとき、断片のそのバッチを合格にする一方、ii)範囲内にないとき、断片を不合格にすることと、
断片のそのバッチが合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することと、
断片のそのバッチが不合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するための下流のリサイクルプロセスには断片のそのバッチを提供しないことと、を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、および複数の汚染物質組成範囲について汚染物質組成範囲毎に、最大閾値を、少なくとも部分的にその汚染物質組成範囲中のその汚染物質元素の最大汚染物質濃度に基づいて定義することをさらに含み、
アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、
断片のそのバッチの総汚染物質濃度値は、断片のバッチの少なくとも1つの総濃度推定値を含み、少なくとも1つの総濃度推定値は、少なくとも1種類の汚染物質元素中について汚染物質元素毎に、断片のそのバッチ中のその元素の総濃度推定値を含み、
断片のそのバッチを合格または不合格の何れかにするためにデータプロセッサを動作させることは、
データプロセッサが、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、最大閾値がその汚染物質元素の濃度推定値を超えているとき複数の断片を合格にし、
データプロセッサが、少なくとも1種類の汚染物質元素の何れかの汚染物質元素の濃度推定値がその汚染物質元素の最大閾値を超えているとき複数の断片を不合格にする、
ように決定することを含む、
請求項6または8に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1種類の汚染物質元素は、少なくとも2種類の汚染物質元素であって少なくとも第1の汚染物質元素と第2の汚染物質元素とを含み、
断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも2種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することは、その断片中の第1の汚染物質の第1の汚染物質濃度推定値と、その断片中の第2の汚染物質元素の第2の汚染物質濃度推定値と、を決定することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の汚染物質元素および第2の汚染物質元素は、鉄、ニッケル、クロム、ケイ素、鉛、銅、および亜鉛からなる群から選ばれる、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することは、断片のバッチの少なくとも2つの総汚染物質濃度推定値の表示とともに断片のバッチを提供することをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
断片のバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することは、
断片の材料をその材料が冷却過程で特性放射を放出する温度まで加熱することと、
その特性放射を検出するためにセンサを動作させることと、
特性放射を解析して材料の組成測定値を決定するためにプロセッサを動作させることと、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
断片のバッチの総汚染物質濃度値は、断片のバッチの少なくとも2つの濃度分散推定値を含み、少なくとも2つの濃度分散推定値は、少なくとも2種類の汚染物質元素中の汚染物質元素毎に、複数の断片の中のその汚染物質元素の濃度分散推定値を含むとともに、少なくとも2種類の汚染物質元素中の汚染物質元素毎に、その汚染物質元素の最大閾値は、少なくとも部分的に複数の断片中のその汚染物質元素の濃度分散推定値に基づいて決定される、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのアルミニウム合金リムのバッチ毎にそのバッチを個別に処理することは、そのバッチのアルミニウム合金リムを損傷しないように保ちながら清浄化することを含み、
前記方法は、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、そのバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムを個別に供給することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコード記憶することをさらに含み、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含んでおり、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、そのバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムを個別に供給することは、そのバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムをそのバッチに対応するカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者に供給することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
複数のアルミニウム合金リム製造業者中の特定の製造業者について、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム中のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標を記憶することをさらに含み、
少なくとも2つの異なる製品示標は、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第1のカテゴリを指定するための第1の製品示標と、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第2のカテゴリを指定するための第2の製品示標と、を含み、アルミニウム合金リムの第1のカテゴリとアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の異なるカテゴリであり、複数のアルミニウム合金組成範囲中で異なるアルミニウム合金組成範囲に関連付けられており、
アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリをそのシリアル番号に基づいて決定するためにデータプロセッサを動作させることは、複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第1の種類のアルミニウム合金リムについて、および複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第2の種類のアルミニウム合金リムについて、第1の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第1のカテゴリと、第2の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第2のカテゴリと、を決定することを含み、
第1の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎にそのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第1のバッチに配分することを含み、
第2の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎にそのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第2のバッチに配分することを含み、
第1のバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムおよび第2のバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムを特定の製造業者に供給することは、第1のバッチを第1のバッチが第1のカテゴリに対応するという表示とともに特定の製造業者に提供することと、第2のバッチを第2のバッチが第2のカテゴリに対応するという表示とともに特定の製造業者に別個に提供することと、を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アルミニウム合金リムの複数のバッチのアルミニウム合金リムのバッチ毎に、
そのバッチのアルミニウム合金リムの再生販売価格を推定することと、
そのバッチのアルミニウム合金リムのリサイクル販売価格を推定することと、次に
再生販売価格またはリサイクル品販売価格に基づいて再生とリサイクルとの一方だけを実施することと、をさらに含み、
再生は、そのバッチのアルミニウム合金リムを損傷しないように保ちながら個別に清浄化することと、次に、清浄化されたそのバッチのアルミニウム合金リムを個別に供給することと、を含んでおり、
リサイクルは、そのバッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化し、次に断片を清浄化することを含み、清浄化することは、断片をショットブラストし、次に、そのバッチの断片をリサイクルのために個別に供給することと、を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
アルミニウム合金リムを処理するためのシステムであって、
組成の異なる複数のアルミニウム合金リムからなる原料を提供するため、およびアルミニウム合金リムからなる前記原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けるためのアルミニウム合金リム移送機構であって、複数のアルミニウム合金リム中の各アルミニウム合金リムが、そのアルミニウム合金リムを複数のアルミニウム合金リム中の他のアルミニウム合金リムから区別するシリアル番号を有している移送機構と、
複数のアルミニウム合金リムカテゴリが記憶されているコンピュータ可読メモリと、
スキャナであり、動作時、アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムをスキャンしてそのアルミニウム合金リムのシリアル番号を決定するスキャナと、
コンピュータ可読メモリおよびスキャナと通信のために接続されたデータプロセッサと、
アルミニウム合金リムの複数のバッチの各バッチを受け入れ、個別に処理するための下流の処理装置と、を含み、
データプロセッサの動作時、アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、スキャナがシリアル番号をデータプロセッサに送信し、データプロセッサがシリアル番号に基づいて複数のアルミニウム合金リムカテゴリの中からそのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリを決定するものであり、アルミニウム合金リムの複数のバッチ中のアルミニウム合金リムの各バッチは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の1つのカテゴリに対応している、
システム。
【請求項21】
下流の処理装置は、動作時、そのバッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化し、次に断片をショットブラストする、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
コンピュータ可読メモリは、複数のアルミニウム合金組成範囲を記憶しており、複数のアルミニウム合金組成範囲は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲を含み、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲は、複数の元素中の元素毎に、その元素の元素範囲を含んでいる、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
コンピュータ可読メモリは、複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコードを記憶しており、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含んでいる、
請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
複数のアルミニウム合金リム製造業者中の特定の製造業者について、コンピュータ可読メモリは、複数のアルミニウム合金リム中のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標を記憶しており、ここにおいて、
少なくとも2つの異なる製品示標は、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第1のカテゴリを指定するための第1の製品示標と、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第2のカテゴリを指定するための第2の製品示標と、を含み、アルミニウム合金リムの第1のカテゴリとアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の異なるカテゴリであり、
アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、データプロセッサは、動作時、複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第1の種類のアルミニウム合金リムについて、および複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第2の種類のアルミニウム合金リムについて、第1の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第1のカテゴリと、第2の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとを、そのシリアル番号に基づいて決定することによって、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリを決定し、
第1の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分するアルミニウム合金リム移送機構は、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第1のバッチに配分することを含み、
第2の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分するアルミニウム合金リム移送機構は、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第2のバッチに配分することを含む、
請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
組成分析装置をさらに含み、該組成分析装置は、動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、および断片のバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に決定するためのものであり、電子通信のためにデータプロセッサと接続されており、
断片をショットブラストする下流の処理装置は、その動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素を少なくとも部分的に断片から除去することを含み、
データプロセッサは、その動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、i)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値を、少なくとも1種類の汚染物質元素の汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて決定し、ii)断片のそのバッチを、断片のそのバッチの総汚染物質濃度値に基づいて合格または不合格の何れかにするものであり、総汚染物質濃度値は、少なくとも1種類の汚染物質元素の汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて計算される、
請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
複数のアルミニウム合金組成範囲中の各アルミニウム合金組成範囲は、少なくとも1種類の汚染物質について汚染物質毎に最大汚染物質濃度を含む少なくとも1つの最大汚染物質濃度を特定しており、
データプロセッサは、動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のそのバッチの総汚染物質濃度値と少なくとも1つの最大汚染物質濃度とに基づいて断片のそのバッチを合格にするかまたは不合格にする、
請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
組成分析装置は、各リムの材料をそのリムの表面の少なくとも1スポットを、その材料が冷却される過程で特性放射を放出する温度まで加熱するための放射エミッターと、その特性放射を検出および測定するためのセンサと、その特性放射から材料の組成を決定するためのプロセッサと、を含む、
請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
組成分析装置は、レーザ誘導ブレークダウン分光法組成分析装置である、
請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
アルミニウム合金リム移送機構は、コンベヤ、ピックアンドプレイスユニット、およびロボットアームのうち少なくとも1種類を含む、
請求項20に記載のシステム。
【請求項30】
スキャナの下流において複数のアルミニウム合金リムからなる前記原料のための複数の移動経路をさらに含み、
複数のアルミニウム合金リム中の各リムは、アルミニウム合金リムの複数のバッチの中から、そのリムのためにプロセッサによって選ばれたバッチに基づいて、複数の移動経路の中から選ばれた1つの移動経路に沿って移送される、
請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年2月3日に出願され、参照によりその内容が本明細書に全体として組み込まれる米国特許仮出願第63/145,246号の優先権を主張する。
【0002】
記載される実施形態は、アルミニウム合金リムを処理する分野、詳しくは、処理およびまたはリサイクルの途上におけるアルミニウム合金リムシリアル番号の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
最新の廃棄物管理において、新しい材料または物体を形成するためにそのままでは廃棄材料となるものをリサイクルすることが重要である。多くの異なる材料、例えばガラス、紙、ボール紙、金属、プラスチック、タイヤ、布地、バッテリーおよび電子機器がリサイクルされ得る。廃棄物のリサイクルのための典型的な方法は、収集、選別、清浄化および処理を含む。
【0004】
金属は、リサイクルにとって特に価値がある。他の材料と異なり、金属は、それら金属の原料と実質的に同質の製品にリサイクルされることがある。
【0005】
わずかな元素組成の差異が大いに異なる材料特性を生む結果となり得る。特定の高価値合金は、特異的な元素組成を有する。リサイクルのために提供される金属は、元素組成が高価値合金とは隔たっていることがある。さらに、リサイクルのために提供される金属は、未知の組成を有することがある。廃棄金属が識別用表示、例えばシリアル番号とともにリサイクルのために提供されたとき、似ている製品をグループにまとめるか、または表示の属性を分析することによって金属廃棄物の属性を決定することによって、リサイクルプロセスを改善するためにこの表示を利用すると有利な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、読者に出願人の教示の様々な側面を提起することを目的とするが、いかなる特定の実施形態を定義しようとするものでもない。全体として、廃棄金属をリサイクルする1つ以上の方法が本明細書において開示される。
【0007】
第1の側面において、本発明のいくつかの実施形態は、アルミニウム合金リムの処理方法であって、(1)組成の異なる複数のアルミニウム合金リムであり、それぞれ複数のアルミニウム合金リム中の他のアルミニウム合金リムから区別するシリアル番号を有しているアルミニウム合金リムからなる原料を供給することと;(2)非一時的コンピュータ可読メモリ中に、複数のアルミニウム合金リムカテゴリを記憶することと;(3)アルミニウム合金リムからなる原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムのシリアル番号を決定するためにそのアルミニウム合金リムをスキャンすることによって、アルミニウム合金リムからなる原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けることと;(4)そのシリアル番号に基づいて、複数のアルミニウム合金リムカテゴリの中から、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリであって、アルミニウム合金リムの複数のバッチ中のアルミニウム合金リムの各バッチが、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の1つのカテゴリに対応しているカテゴリ、を決定するためにデータプロセッサを動作させることと;(5)、そのアルミニウム合金リムをそのアルミニウム合金リムカテゴリに対応するアルミニウム合金リムのバッチに配分することと;(6)アルミニウム合金リムからなる原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けた後に、アルミニウム合金リムの複数のバッチの各バッチを個別に処理することと、を含む方法を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態において、アルミニウム合金リムの複数のバッチのアルミニウム合金リムのバッチ毎に、そのバッチを個別に処理することは、そのバッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化することと、次に断片を清浄化することとを含み、清浄化は、断片をショットブラストすることを含んでおり、本方法は、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、そのバッチの断片をリサイクルのために個別に供給することをさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、本方法は、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金組成範囲を記憶することをさらに含み、複数のアルミニウム合金組成範囲は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリのカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲を含み、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲は、複数の元素中の元素毎に、その元素の元素範囲を含んでいる。
【0010】
いくつかの実施形態において、本方法は、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコードを記憶することをさらに含み、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含み、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、アルミニウム合金製品を製造するリサイクルのためにそのバッチの断片を個別に供給することは、そのバッチに対応するカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者にそのバッチの断片を供給することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、本方法は、(1)複数のアルミニウム合金リム製造業者中の特定の製造業者について、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム中のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標を記憶することをさらに含み、少なくとも2つの異なる製品示標は、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第1のカテゴリを指定するための第1の製品示標と、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第2のカテゴリを指定するための第2の製品示標と、を含み、アルミニウム合金リムの第1のカテゴリとアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の異なるカテゴリであり、(2)アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリをそのシリアル番号に基づいて決定するためにデータプロセッサを動作させることは、複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第1の種類のアルミニウム合金リムについて、および複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第2の種類のアルミニウム合金リムについて、第1の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第1のカテゴリと、第2の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第2のカテゴリと、を決定することを含み、(3)第1の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第1のバッチに配分することを含み、(4)第2の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第2のバッチに配分することを含み、(5)第1のバッチの断片および第2のバッチの断片を特定の製造業者に供給することは、第1のバッチが第1のカテゴリに対応するという表示とともに第1のバッチを特定の製造業者に提供することと、第2のバッチが第2のカテゴリに対応するという表示とともに第2のバッチを特定の製造業者に、別個に提供することと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、この場合、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片をショットブラストすることは、断片から少なくとも1種類の汚染物質元素を少なくとも部分的に除去することを含み、次に、本方法は、(1)断片のそのバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素の汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することと、(2)データプロセッサを動作させて、i)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値を、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて決定し、次にii)総汚染物質濃度値に基づいて、断片のそのバッチを合格または不合格の何れかにすることと、(3)断片のそのバッチが合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することと、(4)断片のそのバッチが不合格のとき、少なくとも1種類の汚染物質元素の何れかの汚染物質を除去するための清浄をさらに行うことなく、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供しないことと、をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、本方法は、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数の汚染物質組成範囲を記憶することをさらに含み、複数の汚染物質組成範囲は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられている汚染物質組成範囲を含んでいるとともに、複数の汚染物質組成範囲中の各汚染物質組成範囲は、少なくとも1種類の汚染物質について汚染物質毎の最大汚染物質濃度を含む、少なくとも1つの最大汚染物質濃度を特定しており、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片をショットブラストすることは、断片から少なくとも1種類の汚染物質元素を少なくとも部分的に除去することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のそのバッチをショットブラストした後に、本方法は、(1)そのバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することと、(2)断片のそのバッチを、i)そのバッチに対応するアルミニウム合金リムカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲によって特定される少なくとも1つの最大汚染物質濃度と、ii)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値であって、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて計算される総汚染物質濃度値と、に基づいて合格または不合格の何れかにするために、データプロセッサを動作させることと、(3)断片のそのバッチが合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することと、(4)断片のそのバッチが不合格のとき、少なくとも1種類の汚染物質元素の何れかの汚染物質を除去するための清浄をさらに行うことなく、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供しないことと、をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、この場合、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のそのバッチをショットブラストした後に、本方法は、(1)断片のそのバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、複数の元素の元素毎に、その断片中のその元素の濃度推定値を含むその断片の推定組成を決定することによって、複数の推定組成を決定することと、(2)複数の推定組成から、複数のショットブラストされた片の総組成推定値であって、複数の元素についての元素毎の元素濃度推定値である複数の元素濃度推定値を含む総組成推定値を決定することと、(3)データプロセッサを動作させて、i)複数のショットブラストされた片の総組成推定値が、そのバッチについて決定されたカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲内にあるとき、断片のそのバッチを合格にすることと、(4)範囲内にないとき、断片を不合格にすることと、(5)断片のそのバッチが合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するために断片のそのバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することと、(6)断片のそのバッチが不合格のとき、目標アルミニウム合金を製造するための下流のリサイクルプロセスには断片のそのバッチを提供しないことと、をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、本方法は、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、および複数の汚染物質組成範囲について汚染物質組成範囲毎に、最大閾値を、少なくとも部分的にその汚染物質組成範囲中のその汚染物質元素の最大汚染物質濃度に基づいて定義することをさらに含み、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、(1)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値は、断片のバッチの少なくとも1つの総濃度推定値を含み、少なくとも1つの総濃度推定値は、少なくとも1種類の汚染物質元素中について汚染物質元素毎に、断片のそのバッチ中のその元素の総濃度推定値を含み、(2)断片のそのバッチを合格または不合格の何れかにするためにデータプロセッサを動作させることは、データプロセッサが、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、最大閾値がその汚染物質元素の濃度推定値を超えているとき複数の断片を合格にし、(3)データプロセッサが、少なくとも1種類の汚染物質元素の何れかの汚染物質元素の濃度推定値がその汚染物質元素の最大閾値を超えているとき複数の断片を不合格にする、ように決定することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1種類の汚染物質元素は、少なくとも2種類の汚染物質元素であって少なくとも第1の汚染物質元素と第2の汚染物質元素とを含み、断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも2種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することは、その断片中の第1の汚染物質の第1の汚染物質濃度推定値と、その断片中の第2の汚染物質元素の第2の汚染物質濃度推定値と、を決定することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の汚染物質元素および第2の汚染物質元素は、鉄、ニッケル、クロム、ケイ素、鉛、銅および亜鉛からなる群から選ばれる。
【0018】
いくつかの実施形態において、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のバッチを下流のリサイクルプロセスに提供することは、断片のバッチの少なくとも2つの総汚染物質濃度推定値の表示とともに断片のバッチを提供することをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、断片のバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を決定することは、断片の材料をその材料が冷却過程で特性放射を放出する温度まで加熱することと、その特性放射を検出するためにセンサを動作させることと、特性放射を解析して材料の組成測定値を決定するためにプロセッサを動作させることと、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、断片のバッチの総汚染物質濃度値は、断片のバッチの少なくとも2つの濃度分散推定値を含み、少なくとも2つの濃度分散推定値は、少なくとも2種類の汚染物質元素中の汚染物質元素毎に、複数の断片の中のその汚染物質元素の濃度分散推定値を含むとともに、少なくとも2種類の汚染物質元素中の汚染物質元素毎に、その汚染物質元素の最大閾値は、少なくとも部分的に複数の断片中のその汚染物質元素の濃度分散推定値に基づいて決定される。
【0021】
いくつかの実施形態において、アルミニウム合金リムの複数のバッチのアルミニウム合金リムのバッチ毎にそのバッチを個別に処理することは、そのバッチのアルミニウム合金リムを損傷しないように保ちながら清浄化することを含み、本方法は、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、そのバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムを個別に供給することをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、本方法は、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコード記憶することをさらに含み、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含んでおり、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、そのバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムを個別に供給することは、そのバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムをそのバッチに対応するカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者に供給することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、本方法は、複数のアルミニウム合金リム製造業者中の特定の製造業者について、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム中のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標を記憶することをさらに含み、少なくとも2つの異なる製品示標は、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第1のカテゴリを指定するための第1の製品示標と、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第2のカテゴリを指定するための第2の製品示標と、を含み、アルミニウム合金リムの第1のカテゴリとアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の異なるカテゴリであり、複数のアルミニウム合金組成範囲中で異なるアルミニウム合金組成範囲に関連付けられており、アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリをそのシリアル番号に基づいて決定するためにデータプロセッサを動作させることは、複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第1の種類のアルミニウム合金リムについて、および複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第2の種類のアルミニウム合金リムについて、第1の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第1のカテゴリと、第2の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第2のカテゴリと、を決定することを含み、第1の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎にそのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第1のバッチに配分することを含み、第2の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎にそのアルミニウム合金リムを配分することは、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第2のバッチに配分することを含み、第1のバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムおよび第2のバッチの清浄化されたアルミニウム合金リムを特定の製造業者に供給することは、第1のバッチを第1のバッチが第1のカテゴリに対応するという表示とともに特定の製造業者に提供することと、第2のバッチを第2のバッチが第2のカテゴリに対応するという表示とともに特定の製造業者に別個に提供することと、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、本方法は、アルミニウム合金リムの複数のバッチのアルミニウム合金リムのバッチ毎に、そのバッチのアルミニウム合金リムの再生販売価格を推定することと、そのバッチのアルミニウム合金リムのリサイクル販売価格を推定することと、次に再生販売価格またはリサイクル品販売価格に基づいて再生とリサイクルとの一方だけを実施することと、をさらに含み、再生は、そのバッチのアルミニウム合金リムを損傷しないように保ちながら個別に清浄化することと、次に、清浄化されたそのバッチのアルミニウム合金リムを個別に供給することと、を含んでおり、リサイクルは、そのバッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化し、次に断片を清浄化することを含み、清浄化することは、断片をショットブラストし、次に、そのバッチの断片をリサイクルのために個別に供給することと、を含んでいる。
【0025】
いくつかの側面によれば、アルミニウム合金リムを処理するためのシステムは、(1)組成の異なる複数のアルミニウム合金リムからなる原料を提供するため、およびアルミニウム合金リムからなる前記原料をアルミニウム合金リムの複数のバッチに分けるためのアルミニウム合金リム移送機構であって、複数のアルミニウム合金リム中の各アルミニウム合金リムが、そのアルミニウム合金リムを複数のアルミニウム合金リム中の他のアルミニウム合金リムから区別するシリアル番号を有している移送機構と、(2)複数のアルミニウム合金リムカテゴリが記憶されているコンピュータ可読メモリと、(3)スキャナであり、動作時、アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムをスキャンしてそのアルミニウム合金リムのシリアル番号を決定するスキャナと、(4)コンピュータ可読メモリおよびスキャナと通信のために接続されたデータプロセッサと、(5)アルミニウム合金リムの複数のバッチの各バッチを受け入れ、個別に処理するための下流の処理装置と、を含む。データプロセッサの動作時、アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、スキャナがシリアル番号をデータプロセッサに送信し、データプロセッサがシリアル番号に基づいて複数のアルミニウム合金リムカテゴリの中からそのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリを決定するものであり、アルミニウム合金リムの複数のバッチ中のアルミニウム合金リムの各バッチは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の1つのカテゴリに対応している。
【0026】
いくつかの実施形態において、下流の処理装置は、そのバッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化し、次に断片をショットブラストする。
【0027】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読メモリは、複数のアルミニウム合金組成範囲を記憶しており、複数のアルミニウム合金組成範囲は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲を含み、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金組成範囲は、複数の元素中の元素毎に、その元素の元素範囲を含んでいる。
【0028】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読メモリは、複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコードを記憶しており、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムの複数のカテゴリ中のカテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含んでいる。
【0029】
いくつかの実施形態において、複数のアルミニウム合金リム製造業者中の特定の製造業者について、コンピュータ可読メモリは、複数のアルミニウム合金リム中のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標を記憶しており、ここにおいて、少なくとも2つの異なる製品示標は、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第1のカテゴリを指定するための第1の製品示標と、その特定の製造業者によって製造されたアルミニウム合金リムの第2のカテゴリを指定するための第2の製品示標と、を含み、アルミニウム合金リムの第1のカテゴリとアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとは、複数のアルミニウム合金リムカテゴリ中の異なるカテゴリであり、アルミニウム合金リムからなる前記原料中のリム毎に、データプロセッサは、動作時、複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第1の種類のアルミニウム合金リムについて、および複数のアルミニウム合金リム中の少なくとも第2の種類のアルミニウム合金リムについて、第1の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第1のカテゴリと、第2の種類のアルミニウム合金リムについてのアルミニウム合金リムの第2のカテゴリとを、そのシリアル番号に基づいて決定することによって、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリを決定し、第1の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分するアルミニウム合金リム移送機構は、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第1のバッチに配分することを含み、第2の種類のアルミニウム合金リム中のリム毎に、そのアルミニウム合金リムを配分するアルミニウム合金リム移送機構は、そのアルミニウム合金リムをアルミニウム合金リムの第2のバッチに配分することを含む。いくつかの実施形態において、本システムは、組成分析装置をさらに含み、該組成分析装置は、動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、および断片のバッチの断片の代表サンプルの断片毎に、その断片の汚染物質濃度推定値を、少なくとも1種類の汚染物質元素について汚染物質元素毎に決定するためのものであり、電子通信のためにデータプロセッサと接続されており、断片をショットブラストする下流の処理装置は、その動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、少なくとも1種類の汚染物質元素を少なくとも部分的に断片から除去することを含み、データプロセッサは、その動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、i)断片のそのバッチの総汚染物質濃度値を、少なくとも1種類の汚染物質元素の汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて決定し、ii)断片のそのバッチを、断片のそのバッチの総汚染物質濃度値に基づいて合格または不合格の何れかにするものであり、総汚染物質濃度値は、少なくとも1種類の汚染物質元素の汚染物質元素毎に、および断片の代表サンプルの断片毎に、その断片中のその汚染物質元素の汚染物質濃度推定値に基づいて計算される。
【0030】
いくつかの実施形態において、複数のアルミニウム合金組成範囲中の各アルミニウム合金組成範囲は、少なくとも1種類の汚染物質について汚染物質毎に最大汚染物質濃度を含む少なくとも1つの最大汚染物質濃度を特定しており、データプロセッサは、動作時、アルミニウム合金リムの複数のバッチのバッチ毎に、断片のそのバッチの総汚染物質濃度値と少なくとも1つの最大汚染物質濃度とに基づいて断片のそのバッチを合格にするかまたは不合格にする。
【0031】
いくつかの実施形態において、組成分析装置は、各リムの材料をそのリムの表面の少なくとも1スポットを、その材料が冷却される過程で特性放射を放出する温度まで加熱するための放射エミッターと、その特性放射を検出および測定するためのセンサと、その特性放射から材料の組成を決定するためのプロセッサと、を備える。
【0032】
いくつかの実施形態において、組成分析装置は、レーザ誘導ブレークダウン分光法組成分析装置である。
【0033】
いくつかの実施形態において、アルミニウム合金リム移送機構は、コンベヤ、ピックアンドプレイスユニット、およびロボットアームのうち少なくとも1つを備える。
【0034】
いくつかの実施形態において、本システムは、スキャナの下流において複数のアルミニウム合金リムからなる前記原料のための複数の移動経路をさらに含み、複数のアルミニウム合金リム中の各リムは、アルミニウム合金リムの複数のバッチの中から、そのリムのためにプロセッサによって選ばれたバッチに基づいて、複数の移動経路の中から選ばれた1つの移動経路に沿って移送される。
【0035】
本発明のこれらの利点およびその他の利点は、以下の図面を参照し、以下の詳細な本発明の実施形態および側面の記載と併せてより十分にかつ完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0037】
図2】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0038】
図3】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0039】
図4】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0040】
図5】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0041】
図6】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0042】
図7】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0043】
図8】フローチャートにおいて、アルミニウム合金リムの処理方法を例示する。
【0044】
図9】ブロック図において、アルミニウム合金リムの処理システムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
多数の特定の詳細が本明細書において記載される実施形態例の完璧な理解を提供するために提示されることは言うまでもない。しかし、本明細書において記載される実施形態がこれら特定の詳細なしで実施され得ることは当業者によって理解されよう。他の例において、周知の方法、手順および構成要素は、本明細書において記載される実施形態を不明確にしないように詳細に記載されなかった。さらに、本明細書および図面は、本明細書において記載される実施形態の範囲をいかなる形でも制限するとみなされるべきではなく、単に本明細書において記載される様々な実施形態の実体化を記載しているとみなされるべきである。
【0046】
最初に、アルミニウム合金リムを処理するための方法100が示されている図1が参照される。方法100は、ステップ102において組成の異なる複数のアルミニウム合金リムを提供するステップで始まる。各リムがアルミニウム合金を含むが、1つのリムの特定の元素組成は、原料中の他のリムの組成と異なることがある。例えば、1つのリムがA356.2アルミニウム合金で製作される一方で、他のリムが別のアルミニウム合金で製作されることがある。
【0047】
2つのリムが同じ合金で製作されている場合でも具体的な組成が異なることがある。例えば、エコメルト(Eccomelt)356.2は、以下の元素組成範囲を有する。Si:6.5%~7.5%、Cu:0%~0.02%、Fe:0%~0.014%、Mg:0.25%~0.4%、Zn:0%~0.018%、Mn:0%~0.03%、Ni:0%~0.008%、Cr:0%~0.03%、Sn:0%~0.01%、Ti:0%~0.15% Sr:0%~0.02%、Al:0%~91.674%。両方ともエコメルト356.2で製作された2つの製品が、それぞれ特定の組成範囲内に属し、具体的な組成においてわずかに異なることがある。
【0048】
ステップ102において提供されるアルミニウム合金リムは、それぞれが、各リムを複数ある他のリムと区別し得るシリアル番号を有する。シリアル番号は、リムの表面に印刷されるかまたは刻み込まれることがある。
【0049】
ステップ104において、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リムカテゴリが記憶される。アルミニウム合金リムカテゴリは、同じ製造業者によって製造されたリム、同じ製品示標のリム、同じ合金のリム、同じ製造バッチのリム、経年数、表面処理、コーティングなど、リムをグループにまとめるために用いられる他の属性のリムを含むことがある。
【0050】
ステップ110において、アルミニウム合金リムは、アルミニウム合金リムの複数のバッチに分けられる。ステップ110aにおいて、アルミニウム合金リムは、各アルミニウム合金リムのシリアル番号を決定するためにスキャンされる。ステップ110aのいくつかの例において、リムは、可視光カメラによってスキャンされることがある。可視光カメラは、静止画像または連続画像を取り込むことがある。これらの画像から、各リムと関連付けられたシリアル番号が決定されることがある。いくつかの例において、画像は、関連付けられたシリアル番号を決定するために、人間のオペレータによって精査されることがある。他の例において、静止画像データまたは連続画像データからプログラムを用いてシリアル番号を決定するためにデータプロセッサを動作させることがある。いくつかの例において、データプロセッサは、取り込んだ画像データをリアルタイムで処理することがある。他の例において、データプロセッサは、画像データの収集が完了したときだけ集めたデータを処理し始めることがある。
【0051】
他の例において、各アルミニウムリムのシリアル番号を決定するために他のセンサタイプが用いられることがある。これらの他のセンサタイプは、赤外線センサ、バーコードスキャナ、立体画像センサ、あるいは金属表面に刻み込まれるかまたは印刷されたシリアル番号を取り込む当分野において公知の他のセンサを含むことがある。
【0052】
いくつかの例において、リムが自動的にスキャンされ、その際、アルミニウム合金リムからなる原料があるエリアを通過するとき、すべてのリムのシリアル番号が決定されることがある。他の例において、スキャンを促進するように人間のオペレータがリムを事前に処理する。例えば、すべてのシリアル番号がセンサと向かい合うようにリムを配置することがある。他の例において、人間のオペレータが手持ちサイズのスキャン装置を動作させ、各リムが順番にスキャンされるようにスキャナを操作することがある。スキャナは、リム毎にリムのシリアル番号がスキャナのセンサの視野内にあるように配置される。リムがスキャンされたら、オペレータは、次のリムに移動する。
【0053】
いくつかの例において、シリアル番号は、スキャンされたら非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶され、それぞれ特定のリムに関連付けられることがある。
【0054】
ステップ110bにおいて、アルミニウムリム毎に、そのシリアル番号に基づいてステップ104において記憶されたカテゴリからアルミニウム合金リムカテゴリを決定するために、データプロセッサを動作させる。データプロセッサは、非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶されているデータベースにアクセスすることがある。データベースは、ステップ104において記憶されたアルミニウム合金リムカテゴリと、各カテゴリに対応するシリアル番号と、を含むことがある。例えば、種々の製造業者からシリアル番号のリストを受け取ることがあり、各リストが特定の製造業者と結び付けられて記憶されることがある。組成が異なることがあるアルミニウム合金で製作された様々な種類のアルミニウム合金リムを製造する製造業者の場合、異なる種類のアルミニウム合金リム毎にアルミニウム合金リムのその種類のシリアル番号の個別のリストiを含む、その製造業者についてのシリアル番号のいくつかのリストが記憶されることがある。データプロセッサは、ステップ110bにおいて決定されたシリアル番号の値をアルミニウム合金リムカテゴリに対応する既知のシリアル番号と比較することがある。決定されたシリアル番号が、非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶されている、アルミニウム合金リムカテゴリのカテゴリに対応するシリアル番号と等しい場合、決定されたシリアル番号と関連付けられるリムがこのアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられ得る。あるいは、シリアル番号が特定のカテゴリに対応するか決定するために、データベースがアルゴリズムを用いることがある(例えば、シリアル番号の一部が特定の製造業者または特定の製造業者によって製造された特定の製品系統を示すことが見いだされることがあり、あるいはシリアル番号の形式が特定の製造業者または特定の製造業者によって製造された特定の製品系統を一意に特定することがある)。データプロセッサは、カテゴリ毎にステップ110aにおいて決定されたシリアル番号に対して式が関連付けられている演算を行うことがある。各演算の結果は、決定されたシリアル番号がアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられるかどうかを示すことがある。
【0055】
ステップ110cにおいて、ステップ110bにおいて決定されたアルミニウム合金リムカテゴリに従ってアルミニウム合金リムがバッチに配分される。いくつかの例において、リムが物理的に分けられ、その結果、各リムバッチが個別のエリアまたは個別の容器に保管されることがある。他の実施形態において、異なるバッチは、汚染を防ぐために他の方法で互いから分離することができる。
【0056】
アルミニウム合金リムは、アルミニウム合金リムの複数のバッチに配分される。いくつかの例において、リムは物理的に別々のバッチに配分される。アルミニウム合金リムは、次にバッチ毎に処理されることがある。各バッチは、既に決定されたアルミニウム合金リムカテゴリに対応する種々の特性、例えば合金タイプ、元素組成、製造業者、コーティング、経年数、または他の特性を有するので、各バッチは、その関連付けられたカテゴリの特性に適した方法で処理することができる。いくつかの例において、バッチは、特定の製造業者からの陽極酸化(アノード酸化)処理された表面を有するリムを含むことがある。これらのリムは、第1の方法で処理されることがある。別のバッチは、陽極酸化処理された表面のないリムを含むことがある。このバッチは、第2の方法で処理されることがある。
【0057】
方法100のいくつかの例は、ステップ114をさらに含むことがあり、ステップ112は、ステップ112aおよび112bをさらに含むことがある。
【0058】
ステップ112aにおいて、アルミニウム合金リムの複数のバッチの各バッチを個別に処理するとき、アルミニウム合金リムは、断片に断片化される。いくつかの例において、断片は、アルミニウム合金リムを断片化ユニット中に通すことによって製造されることがある。断片化ユニットは、細断装置のことがある。当分野において公知のあらゆる適切な細断機が用いられることがある。例えば、アルミニウム合金リムは、9760 SW、フリーマンドライブ(Freeman Drive)、ウィルソンビル(Wilsonville)、オレゴン州、97070-9286、米国、のSSIシュレッディングシステムズ社(SSI Shredding Systems Inc.)から入手可能なSSIシリーズ45H細断機のような従来型細断装置のホッパーに供給されることがある。この細断装置は、反対回りに水平回転する平行な軸に装着することができるカッターを収容するカッターボックスを備えることがある。原料ホッパーは、カッターボックスの上に配置することができる。原料ホッパー内に入れられたアルミニウム合金リムは、次に、重力によって適切な位置まで下方へ移動し、そこでカッターの噛み合いによって、ちぎられるかまたは切断されて細片とすることができる。
【0059】
ステップ112aにおいて製造される断片のサイズは、断片化ユニットの設計および構成、例えば細断機またはカッターの寸法、間隔および向きに依存して変ることがある。
【0060】
ステップ112bでは、ステップ112aにおいて製造された断片は、清浄化される。清浄化ステップは、断片をショットブラストすることを含む。すなわち、清浄化ユニットは、ショットブラスト装置を含むことがある。さらに、各断片は、清浄化ステーションにおいて、作業者による手動のハンド清浄化、ウォータブラスト、サンドブラスト、レーザ清浄化、洗浄プロセス、および/またはワイヤーブラシグラインディングに付されることがある。いくつかの方法例において、複数の断片の少なくとも一部が清浄化プロセスの間に2つ以上の形式の清浄化に付されることがある。
【0061】
例えば、清浄化プロセス112bでショットブラストを用いるとき、研磨粒子、すなわち複数の投射材を高速で断片に投射することができる。断片の表面に衝突する投射材は、断片の表面に堆積したコーティング、腐食および破片、すなわち汚染物質元素を取り除くことができ、大部分汚染されていない表面を有する断片が得られる結果となる。
【0062】
ショットブラストは、適切なあらゆるショットブラスト装置において行なわれ得る。例えば、装置は、遠心ブラスト装置、例えば1219 コーポレートドライブ(Corporate Drive)、バーリントン(Burlington)、オンタリオ州、L7L 5V5、カナダのBCPホイールアブレータ(Wheelabrator)から入手可能な小型部品をブラスト清浄化するのに適しているモデル(FB-4/28/E/MR)フレックスベル(Flexbel)システムのことがある。研磨材(投射材)は、鋼ショット、アルミナ、シリカおよびその他の研摩材料を含むことがある。
【0063】
ステップ112bにおいて、ショットブラストされた複数の断片は、複数の投射材から分離されることがある(用いられる清浄化の形式に応じて類似の他の分離ステップが行われることがある)。複数の断片を複数の投射材から分離することが望ましいことがある。なぜならば集合バッチ中に投射材を含んでいると組成がゆがめられ、いくつかの価値ある合金を製造する際に用いるためには汚染物質濃度が高すぎることとなるおそれがあるからである。
【0064】
ステップ114において、各バッチの断片は、リサイクルのために個別に供給される。各バッチは、特定の特性を有する個別のアルミニウム合金リムカテゴリ、例えば同じ製造業者によって製造されたリム、同じ製品示標のリム、同じ合金のリム、同じ製造バッチのリム、経年数、表面処理、コーティングなど、リムをグループにまとめるために用いられることがある他の属性に対応している。これらの特性は、各バッチのリサイクル価値を変えることがある。例えば、高価値合金で製作されたリムは、高価値合金にリサイクルされ、より高い価格を獲得することがある。より低い価値の合金または未知の組成を有する合金で製作されたリムは、別のプロセスを用いてリサイクルされることがある。
【0065】
方法100のいくつかの例では、アルミニウム合金リムカテゴリ毎に、非一時的コンピュータ可読メモリ中にアルミニウム合金組成範囲が記憶されるステップ106をさらに含むことがあり、この組成範囲は、複数の元素の元素毎に、その元素の元素範囲を含む。例えば、アルミニウム合金リムのあるカテゴリは、関連付けられている組成範囲を有することがある。アルミニウム合金は、A356.2アルミニウム合金のことがある。関連付けられている組成範囲は、A356.2アルミニウム合金の元素組成範囲を含む。
【0066】
方法100のいくつかの例では、製造業者が各アルミニウムリムカテゴリと関連付けられるように、複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定している製造業者レコードが非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶されるステップ108をさらに含むことがある。ステップ108を含む方法では、ステップ110cにおいてアルミニウム合金リムがカテゴリに割り当てられるとき、リムがアルミニウム合金製造業者と関連付けられる。
【0067】
ステップ108を含む方法100の例において、リサイクルのために各バッチの断片を個別に供給するステップ114は、バッチが1つのアルミニウム合金リム製造業者と関連付けられているリサイクルのために、断片のバッチを供給するステップを含むことがある。製造業者によって断片をグループ分けすると、製造業者が品質管理で周知の評判を有する状況において、有利なことがある。いくつかの例において、製造業者が非常に特異的な元素組成範囲を有する1種類の特定の合金のリムだけを製造し、既知の材料組成を有するリサイクル原料が得られる結果となることがある。他の例において、同じ合金のリムの2つのバッチが提供されたとき、各バッチが異なる組成を有することがある。リムをさらに製造業者によってバッチにグループ分けすると、所定の合金タイプについてより特異的な組成を有するバッチが得られる結果となることがある。いくつかの例において、不注意から、あるバッチへ別のバッチの材料からの汚染が生じることを防ぐために、異なる製造業者向けと意図されている別々のバッチを互いに離隔しておくための追加の手段を採用することができる。例えば、限定するものではないが、各バッチは、そのバッチに属さない材料による汚染を防ぐために、1つ以上の容器の中に個別に密閉されることがある。別の例において、汚染を防ぐために、別々のバッチが別々の場所に保管されることがある。
【0068】
次に、図2を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムの処理方法200が描かれている。方法200は、方法100に含まれるステップの何れをも含むことがあり、さらにステップ204、210b、210cおよび214を含む。
【0069】
ステップ204において、特定の製造業者のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なるカテゴリを指定するための少なくとも2つの異なる製品示標が、非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶される。いくつかの例において、製品示標は、特定の合金、スタイル、サイズ、表面処理、経年数、または他の特性のリムを含むことがある。ステップ204において記憶される製品示標は、上述したステップ104においてメモリ中に記憶されたアルミニウム合金リムカテゴリに対応する。ステップ204において記憶される少なくとも2つの異なる製品示標は、2つの異なるアルミニウム合金リムカテゴリに対応する。いくつかの例において、2つ以上の製品示標が記憶されることがある。記憶された2つ以上の製品示標の組み合わせの中で、2つの製品示標が同じアルミニウム合金リムカテゴリに対応することが可能である。例えば、すべて製造業者ABCによって製造された製品示標A1、製品示標A2、および製品示標B1が、ステップ104において記憶された2つのアルミニウム合金リムカテゴリだけに対応することがある。A1およびA2がカテゴリ例1に対応する一方で、B1がカテゴリ例2に対応することがある。
【0070】
ステップ210bにおいて、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリを、そのシリアル番号に基づいて決定するためにデータプロセッサを動作させる。方法200のステップ102において、少なくとも第1の種類および第2の種類のアルミニウム合金リムが提供される。各種類のアルミニウム合金リムは、ステップ204においてメモリ中に記憶された特定の製品示標と関連付けられることがある。第1の種類のリムのシリアル番号は、ステップ110aにおいて記載されたように決定される。第2の種類のリムのシリアル番号は、ステップ110aにおいて記載されたように決定される。次に、各種類のリムと関連付けられるアルミニウム合金リムカテゴリを決定するために、ステップ110bについて記載されたようにデータプロセッサを動作させる。第1の種類のリムは、第1のアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられる。第2の種類のリムは、第2の合金リムカテゴリと関連付けられる。例えば、製造業者ABCからのリムタイプA1と製造業者ABCからのリムタイプB1とが提供されることがある。各リムのシリアル番号がスキャンされ、次に、方法100に関して上述したようにアルミニウム合金リムの種類毎に関連付けられるアルミニウム合金リムカテゴリを決定するためにデータプロセッサを動作させる。例えば、リムタイプA1がカテゴリ1と関連付けられることがある一方でリムタイプB1がカテゴリ2と関連付けられことがある。各々が同じ製品示標を含む各種類のすべてのリムが同じカテゴリと関連付けられることがある。例えば、方法200に提供されたすべてのタイプA1リムがカテゴリ1と関連付けられることがあり、方法200に提供されたすべてのタイプB1リムがカテゴリ2と関連付けられることがある。
【0071】
ステップ210cにおいて、アルミニウム合金リムは、アルミニウム合金リムの第1のバッチまたは第2のバッチに配分される。各バッチは、ステップ110cに記載されているアルミニウム合金リムカテゴリに対応する。さらに、各バッチは、ステップ204において記憶された製品示標に対応する。各種類のリムが個別のバッチに配分される。例えば、すべてカテゴリ1と関連付けられたタイプA1のすべてのリムがバッチ1に配分され、すべてカテゴリ2と関連付けられたタイプB1のすべてのリムがバッチ2に配分される。ステップ110cにおいて記載されたように、リムを物理的に分離することによってリムが各バッチに配分されることがある。いくつかの例において、人間のオペレータがリムを別々のバッチに分離することがある。他の例において、自動装置、例えばコンベヤシステムまたはロボットアームが既に決定された属性に基づいてリムを自動的にバッチに配分することがある。
【0072】
方法200のいくつかの例では、ステップ210cにおいて、アルミニウム合金リムが2つ以上のバッチに配分されることがある。
【0073】
ステップ214において、アルミニウム合金リムの各バッチの断片は、ステップ108においてメモリ中に記憶された各バッチの各カテゴリと関連付けられている特定の製造業者に供給される。第1のバッチは、第1のバッチがアルミニウム合金リムの第1のカテゴリに対応するという表示とともに製造業者に提供される。別個に、第2のバッチは、第2のバッチが第2のカテゴリに対応するという表示とともに製造業者に提供される。例えば、バッチ1のリムは、バッチ1のリムがアルミニウム合金リムカテゴリ1に対応するという表示とともに製造業者ABCに供給され、バッチ2のリムは、バッチ2のリムがカテゴリ2に対応するという表示とともに製造業者ABCに供給される。いくつかの例において、リムカテゴリの表示は、物理的表示、例えばバッチ中の各リムに取り付けられた印刷された接着ラベル、描画された表示またはその他の物理的表示のことがある。他の例において、ステップ214において各バッチとともに提供される表示は、電子レコード、例えば非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶された値、またはその他の電子的な表示の手段のことがある。いくつかの例において、バッチ1とバッチ2とを互いに別々にして、何れか一方のバッチの、他方のバッチからの材料による汚染を防ぐために追加の手段を講じることができる。例えば、限定するものではないが、一方のバッチの、そのバッチに属さない材料による汚染を防ぐために、一方または両方のバッチが個別に1つ以上の容器中に密閉されることがある。別の例において、この場合も限定するものではないが、混入または汚染のリスクを減らすために、別々に出荷されることにより、異なるバッチが個別に製造業者に出荷されことがある。
【0074】
次に、図3を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムの処理方法300が描かれている。方法300は、図1の方法100のステップの何れをも含むことがあり、さらに、ステップ312b、316、318、320、322および324を含む。ステップ312bは、ステップ112bに対応し、ステップ112bに関連する上記のすべての記載が方法300のステップ312bに適用される。
【0075】
ステップ312bにおいて、断片は、清浄化される。清浄化ステップは、断片から少なくとも1種類の汚染物質元素を除去するために断片をショットブラストすることを含む。複数の断片から汚染物質元素を少なくとも部分的に取り除いてバッチ組成中のこれらの汚染物質元素の濃度を少なくとも低下させることは、これらの汚染物質元素を完全に除去するのではなくても、望ましいことがある。材料特性は、元素組成に敏感なことがあるので、バッチ中に汚染物質元素を含んでいると組成がゆがめられ、いくつかの価値ある合金を製造するためにそのバッチを用いるには、汚染物質濃度が高すぎることとなるおそれがある。表現を換えると、リム断片からなる原料は、汚染物質元素を含むバッチ組成を有することがあり、その場合は望ましさが低下したバッチ組成を有する。一方、清浄化された複数の断片は、比較的少なくなった汚染物質元素を含むバッチ組成を有し、従って望ましさが増大したバッチ組成を有することがある。よって、すべての汚染物質元素を除去して、汚染物質元素のない金属素地表面を残すことが望ましいことがある。
【0076】
汚染物質元素の例は、コーティング、例えば塗料、金属電気メッキ、セラミックコーティング、またはプラスチックコーティングを含むがこれに限定されるものではない。同様に、廃棄金属片の外表面は、腐食、または錆びなどの環境汚染を特徴とすることがある。さらに、汚染物質は、アルミニウム合金リムに取り付けられることがあるナット、ボルト、ネジ、鋼ブッシングなど(すなわち外来異物)のことがある。
【0077】
ステップ316において、断片の各バッチの断片の代表サンプルの断片毎に、汚染物質濃度推定値が決定される。汚染物質濃度推定値とは、その汚染物質元素を含有する(例えばその断片の表面にある、および/またはその断片に固定されている)断片の質量に対する汚染物質元素の量(質量単位)の推定値である。ベースの合金内に普通には見いだされない元素でも、必ずしも汚染物質元素とみなされないと理解されるべきである。さらに、汚染物質元素とみなされるものは、例えばバッチについての所望の特性に応じてリサイクルプロセス間で変ることがある。すなわち、例えばアルミニウム合金の1つのリサイクルプロセスにおいて、銅が汚染物質元素とみなされることがある一方、第2のリサイクルプロセスにおいて、銅が汚染物質元素とみなされないことがある。
【0078】
汚染物質の濃度をその汚染物質が固定されている、および/または表面にある断片に対して測定するために、当分野において公知の何れの方法も用いることができる。いくつかの例において、断片の代表サンプル中の汚染濃度を測るためにレーザスキャナを用いることができる。このことは、代表断片の表面のあるポイントにおいて材料が冷却過程で特性放射を放出する温度まで材料を加熱するためにレーザを用いることを含んでよい。次に、種々の周波数における信号の大きさのスペクトルを提供するためにその特性放射を検出するようにセンサを動作させることができる。次に、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,220,418号に記載されているように、合金内の種々の元素の相対濃度を推測するために、種々の周波数における信号の大きさのこのスペクトルをコンピュータプロセッサによって解析することができる。ベースの合金のタイプが既知である(すなわちどの元素がセンサによって検出されるかが予測される)場合、コンピュータプロセッサは、どの元素が「汚染物質元素」であり、どれが「合金元素」であるか推測することができる。よって、汚染物質元素の濃度を推定することができる。
【0079】
断片の代表サンプルの断片毎に、1回の濃度測定が行われることがある。この測定の位置は、汚染物質濃度推定値に影響を及ぼすことがある。例えば、測定が錆びの箇所においてダイレクトに行われた場合、汚染物質濃度推定値は、測定が同じ断片上で錆びの箇所に隣接して行われた場合と異なることがある。よって、いくつかの例において、断片の代表サンプルの断片毎に何回かの濃度測定が行われることがある。従って、濃度測定値は、推定値と理解されるべきである。十分な断片に対して十分な測定が行われた場合、統計解析に基づいて汚染物質濃度の正確な推定値を得ることができると理解されるべきである。
【0080】
一例において、レーザディスタンススペクトロメトリー(Laser Distance Spectrometry)によって製造された「レーザ誘導ブレークダウン分光法」(「LIBS(Laser-Induced Breakdown Spectroscopy))組成分析装置をレーザスキャナおよびセンサとして採用することができる。LIBS組成分析装置は、放射エミッター、例えばNd:YAGレーザを備えることがある。レーザは、1~20ヘルツの範囲の周波数で発光し、それによって断片とレーザとの間の接点において断片の温度を摂氏30,000度より上まで上げ、プラズマを発生させる。プラズマは、急速に冷却され、高エネルギー化されたイオンは低エネルギー状態に戻る。低エネルギー状態に戻りながら、イオンは、特性放射を放出する。LIBS組成分析装置は、特性放射を検出する1つ以上のセンサを含むことがある。次に、センサから得られる読みをプロセッサが分析し、それらから、温度変化を受けている材料中に含有される構成要素の濃度を決定することがある。プロセッサは、組成分析装置中に配置されることがある。あるいは、プロセッサは、リモートプロセッサのことがある。
【0081】
適切な他の組成分析装置は、レーザ分光法を用いるか、または各断片の材料によってその断片の表面において放出されるべき特性放射を誘導し、その材料の組成を決定するためにその特性放射を検出し分析する他の方法に依拠する他のシステムを用いる組成分析装置を含むことがある。組成分析装置は、適切なあらゆるセンサを用いることによって特性放射を検出することがあり、例えば適切なセンサは、相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)、高比重短チャンネル金属-酸化物-半導体(HMOS)、電荷結合素子(CCD)および他のタイプのセンサを含むことがある。
【0082】
適切な組成分析装置は、例えば、プラズマ、電子ビームのような放射エミッター、あるいは各断片の材料をその断片の表面の少なくとも1スポットにおいて、材料が冷却される過程で十分な量および質の特性放射を放出して、センサがその特性放射を検出することを可能にし、プロセッサがその特性放射から材料の組成を決定することを可能にする温度まで加熱するのに適している他の何れかの放射エミッターを用いることがある。組成分析装置は、連続使用ならびに特定の金属廃棄物リサイクル運転において存在することがある典型的な条件に耐えるように適応させることができる。そのような条件は、移動機構の動作の結果として生じる振動や、リサイクルプロセスにおいて発生する塵および他の粒子を含むことがある。
【0083】
あるいは、特性放射を測定することを含まない、組成を推定する他の手段が用いられることがある。
【0084】
単一の断片がいくつかの汚染物質元素を含むことがあるので、いくつかの例において、その断片についていくつかの汚染物質元素の汚染物質濃度推定値が決定されることがある。例えば、断片が2つの汚染物質元素、すなわち第1の汚染物質元素と第2の汚染物質元素とを含有することがある。よって、ステップ316において、第1の汚染物質元素の第1の汚染物質濃度推定が行われ、第2の汚染物質元素の第2の汚染物質濃度推定が行われることがある。さらに、すべての断片が同じ汚染物質元素を含むわけではないことが理解されるべきである。例えば、複数の断片中のいくつかの断片が塗料によって汚染されていることがあり、いくつかが錆びによって汚染されていることがあり、いくつかが塗料と錆びとによって汚染されていることがある。
【0085】
さらに、望ましくはあるものの、複数の断片の断片毎に各汚染物質元素の汚染物質濃度推定値を決定することは非現実的なことがある。例えば、複数の断片の各断片を試験することは、汚染物質濃度推定を行うために必要な時間の長さに起因して非現実的なことがある。よって、いくつかの例において、複数の断片のサブセットが複数の断片の代表サンプルとして用いられることがあり、断片の代表サンプルの断片だけについて汚染物質元素毎の汚染物質濃度推定値が決定されることがある。
【0086】
ステップ318では、断片のバッチからの断片の代表サンプルに基づいて断片のバッチの総汚染物質濃度値を決定するためにデータプロセッサを動作させる。例えば、総汚染物質濃度値は、断片の代表サンプルにおいて測定された最も高い汚染物質濃度推定値、または特定の閾値を超える汚染物質濃度推定値を有する断片の割合に基づくことがある。この閾値は、特定の汚染物質元素に特異的なことがある。例えば、総汚染物質濃度値は、特定の閾値を超える鉄濃度推定値を有する断片の割合に基づくことがある。あるいは、多くの汚染物質元素にそれら自体の特異的な閾値が割り当てられることがある。例えば、総汚染物質濃度値は、鉄の特異的な閾値を超える鉄濃度推定値および/または鉛の特異的な閾値を超える鉛濃度推定値を有する断片の割合に基づくことがある。
【0087】
いくつかの実施形態において、総汚染物質濃度値の決定は、特定の汚染物質に関する個々の断片の個々の汚染物質濃度推定値から断片の代表サンプル中のその汚染物質の濃度の標準偏差または分散を決定することを含むことがある。その標準偏差または分散が高すぎたら、その汚染物質の総汚染物質濃度推定値を十分な確実性で決定することができないので、バッチは不合格にされることがある。次に、特定の汚染物質の特定の閾値が、少なくとも部分的に断片の代表サンプル中のその汚染物質の汚染物質濃度推定値における分散または標準偏差に基づいて決定されることがある。標準偏差が高いほど、その汚染物質の特定の閾値は、リサイクルされる合金中のその汚染物質の最大許容濃度に対して低く設定されなければならない。リサイクルされる合金中のその汚染物質の実際の濃度が、最大許容濃度を超えてしまう確率を低くするためである。
【0088】
断片の代表サンプル中の十分な割合の断片が過度に高い汚染物質濃度推定値、例えばそれら汚染物質元素の特定の閾値を超える推定値を有するとき、このことは、上流の問題、例えば断片の不適切な清浄化を示すか、あるいは含まれるべきでなかったいくつかの廃棄金属片がバッチに含まれたことを示すことがある。すなわち、総汚染物質濃度推定値を十分高い確実性で推定することができない場合、および非常に汚染された断片の存在が、総汚染物質濃度推定値を十分高い確実性で推定することができないことを示すものである場合には、複数の断片を不合格にすることが望ましいことがある。
【0089】
例えば、nは正の整数であるとして、n個の断片を含む断片の代表サンプルを考える。断片の代表サンプルが複数の断片を適切に代表するために、nは十分大きくなるように選ばれるべきである。次に、経験から(すなわち先行リサイクルプロセス事例から集められた経験的なデータから)、断片の代表サンプル中の十分高い割合の断片が閾値百分率、例えば5%を上回る鉄濃度を有するなら、このことは、複数の断片の上流の供給または清浄化に何らかの問題がある(確率を増大させる)ことを示唆するとしよう。過度に高い鉄濃度を有する断片の数、およびそれらの過度に高い鉄濃度は、複数の断片全体の鉄の予測総濃度を許容限界値より上に高めるのに十分顕著であることも顕著でないこともある。しかし、過度に高い鉄濃度を有する断片の数およびそれらの過度に高い鉄濃度が複数の断片全体内の鉄の予測総濃度を許容限界値より上に高めるには不十分である場合でも、断片の代表サンプル中の過度に高い鉄濃度を有する断片の数は、断片の代表サンプルの断片の鉄濃度推定値だけに基づいて複数の断片全体について決定することができる鉄の総濃度推定値の正確性における信頼性を低くすることがあるので、複数の断片を不合格にすることが望ましいことがある。
【0090】
他の例において、総汚染物質濃度値は、断片の代表サンプルの断片毎に測定されたすべての汚染物質濃度推定値の平均値に基づいている、すなわち総汚染物質濃度推定値に基づいていることがある。すなわち、複数の断片を合格にするかまたは不合格にする決定は、断片の代表サンプルの断片毎に測定された汚染物質濃度推定値の平均を汚染物質元素毎の閾値と比較することによって行われることがある。断片の代表サンプルが複数の断片全体に対して十分大きいという前提で、断片の代表サンプルの断片毎に測定されたすべての汚染物質濃度推定値の平均は、複数の断片全体の統計的に正確な総汚染物質濃度の近似値を提供する可能性が高い。
【0091】
より小さなサンプル母集団について測定された属性からより大きな母集団の属性を推測することができるように、より大きな母集団を統計的に代表するのに必要なより小さなサンプル母集団の最小限の大きさを決定するために、当分野において公知のあらゆる統計的な方法が用いられることがある。総汚染物質濃度値の不確実性値を提供するためにも統計的な方法が用いられることがある。
【0092】
断片の代表サンプルが1種類の汚染物質元素を含むだけである場合、総汚染物質濃度値は、その汚染物質元素の総汚染物質濃度推定値だけに基づいてよい。断片の代表サンプルが、例えば3種類の汚染物質元素を含む場合、総汚染物質濃度値は、3種類の汚染物質元素毎の総汚染物質濃度推定値に基づいてよい。すなわち、複数の断片の総汚染物質濃度値は、複数の断片からの断片の代表サンプルの各汚染物質の総汚染物質濃度推定値のそれぞれに基づいてよい。
【0093】
例えば、10個の同じ大きさの断片を含み、そのうち3個が5質量%鉄の汚染物質濃度推定値および3質量%鉛の汚染物質濃度推定値を有し、そのうち3個が3質量%鉄の汚染物質濃度推定値および1質量%鉛の汚染物質濃度推定値を有し、そのうち2個が7質量%銅の汚染物質濃度推定値を有し、そのうち2個が1質量%鉄の汚染物質濃度推定値、3質量%銅の汚染物質濃度推定値および2質量%ケイ素の汚染物質濃度推定値を有する、断片の代表サンプルを考える。
【0094】
この例において、総汚染物質濃度値は、断片毎の汚染物質濃度推定値のそれぞれの平均、すなわちこの例では2.6質量%の鉄、1.2質量%の鉛、2質量%の銅および0.4質量%のケイ素である総汚染物質濃度推定値に基づくことがある。
【0095】
よって、総汚染物質濃度値は、種々の方法で、例えばi)汚染物質毎に個々の断片の汚染物質濃度推定値の平均値および/または個々の断片のこれら汚染物質濃度推定値における分散または標準偏差を決定することによって、あるいはii)断片の代表サンプル中の非常に汚染された断片の存在(およびおそらく上流の清浄化または他のプロセスステップにおけるあり得る過失についての懸念)のため、総汚染物質濃度推定値を十分に高い確実性で推定することはできないと決定することによって、総汚染物質濃度推定値に基づくものにすることができる。
【0096】
ステップ320において、断片のバッチは、総汚染物質濃度値に基づいて合格にされるかまたは不合格にされる。いくつかの例において、総汚染物質濃度値は、複数の断片を合格にするかまたは不合格にするために用いられる一連の計算結果であってよい。例えば、総汚染物質濃度値は、以下の計算、(a)総汚染物質濃度推定値のそれぞれを十分に高い確実性で推定することができるか?、Yesの場合(b)各総汚染物質濃度推定値はその汚染物質元素の閾値より低いか?、を含むことがある。(a)と(b)とに対してYesの場合、複数の断片を合格にする。(a)または(b)の何れか一方に対してNoの場合、複数の断片を不合格にする。
【0097】
ステップ322において、合格の断片のバッチは、目標アルミニウム合金を製造するために下流のリサイクルプロセスに供給される。アルミニウム合金廃棄金属をアルミニウム合金製品にリサイクルするための当分野において公知のあらゆる方法が下流のリサイクルプロセスによって利用されることがある。
【0098】
ステップ324において、不合格の断片のバッチは、目標アルミニウム合金を製造するために下流のリサイクルプロセスに提供されない。不合格とされた断片は、ステップ318において決定された汚染物質濃度の高いレベルに基づいて、下流のリサイクルプロセスにとって適切な状態にないとみなされる。不合格の断片バッチは、下流のリサイクルプロセスに提供される前にさらに処理されることがある。さらに、汚染の性質に基づいて推論することができる。例えば、断片の清浄化が不十分なのではなく別々のバッチが不注意により混合され、バッチの少なくとも1つを汚染したかもしれない。このフィードバック情報は将来、交叉による汚染を防ぐために別々のバッチの処理をより良く分けるために用いることができる。
【0099】
次に図4を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムを処理する代替手段400が描かれている。方法400は、方法100のステップの何れをも含むことがあり、さらにステップ402および412bを含む。方法400のいくつかの例は、さらにステップ416、418、420、422および424を含むことがある。ステップ412bは、ステップ112bに対応する。ステップ112bに関連する上記のすべての記載が方法400のステップ412bに適用される。
【0100】
ステップ402において、汚染物質毎の最大汚染物質濃度を含む汚染物質組成範囲が非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶される。上記においてステップ312bおよび316に関して記載されたように、断片のバッチ中に存在する汚染物質は、いくつかの汚染物質を含むことがある。これらの汚染物質は、ある範囲の濃度で断片のバッチ中に存在することがある。断片のバッチ内の特定の濃度の汚染物質は、典型的な下流のリサイクルプロセスによって過度の努力およびコストなしで合理的に処理することができるものより上のレベルで存在することがある。これは、最大汚染物質濃度と定義されることがある。下流のリサイクルプロセスに提供するために許容可能であるとみなされる汚染物質濃度の範囲を汚染物質組成範囲と定義することがある。汚染物質毎に、汚染物質組成範囲の上限値は、最大汚染物質濃度に対応することがある。これらの値が非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶される。
【0101】
ステップ412bにおいて、断片は清浄化される。この清浄化ステップは、断片から少なくとも1種類の汚染物質元素を除去するためにショットブラストするステップを含む。少なくとも1種類の汚染物質元素を除去するためにショットブラストするステップ412bは、上記において方法300および100のステップ312bおよび112bに関して記載された通りのことがある。
【0102】
方法400のいくつかの例は、ステップ416、418、420、422および424をさらに含むことがある。ステップ416において、断片の汚染物質濃度推定値が決定される。ステップ316において汚染物質濃度を決定するために用いられたのと同様な方法が汚染物質濃度を決定するために用いられることがある。上記のステップ316の記載が同様にステップ416に適用される。
【0103】
ステップ418において、断片のバッチからの断片の代表サンプルに基づいて総汚染物質濃度値を決定するためにデータプロセッサを動作させる。ステップ318において総汚染物質濃度を決定するために用いられたのと同様な方法が総汚染物質濃度を決定するために用いられることがある。上記のステップ318の記載が同様にステップ418に適用される。
【0104】
ステップ420において、断片のバッチは、総汚染物質濃度値に基づいて合格にされるかまたは不合格にされる。いくつかの例において、バッチは、データプロセッサを動作させることによって合格にされるかまたは不合格にされることがある。いくつかの例において、総汚染物質濃度値は、複数の断片を合格にするかまたは不合格にするために用いられる一連の計算結果であってよい。例えば、総汚染物質濃度値は、以下の計算、(a)総汚染物質濃度推定値のそれぞれを十分高い確実性で推定することができるか?、Yesの場合(b)各総汚染物質濃度推定値はその汚染物質元素についての閾値より低いか?、を含むことがある。(a)と(b)とに対してYesの場合、複数の断片を合格にする。(a)または(b)の何れか一方に対してNoの場合、複数の断片を不合格にする。他の実施形態において、これらの2つのステップが組み合わされることがある。すなわち、総汚染物質濃度推定値がその汚染物質元素の閾値より十分低ければ、この推定値の分散が比較的高く、不確実性を高めていても、実際の汚染物質濃度が許容される組成範囲より上である可能性は十分低いことから、複数の断片を合格にすることができる。
【0105】
ステップ422において、合格の断片のバッチは、目標アルミニウム合金を製造するために下流のリサイクルプロセスに提供される。アルミニウム合金廃棄金属をアルミニウム合金製品にリサイクルするための当分野において公知のあらゆる方法が、下流のリサイクルプロセスによって利用されることがある。
【0106】
ステップ424において、不合格の断片のバッチは、何れかの汚染物質を除去するためにさらに清浄化することなく、下流のリサイクルプロセスに提供されない。不合格の断片のバッチは、目標アルミニウム合金を製造するために下流のリサイクルプロセスに提供されない。不合格の断片は、ステップ318において決定された高いレベルの汚染物質濃度に基づいて、下流のリサイクルプロセスにとって適切な状態にないとみなされる。不合格の断片バッチは、下流のリサイクルプロセスに提供される前にさらに処理されなければならない。
【0107】
次に図5を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムを処理する代替方法500が描かれている。方法500は、方法100のステップの何れをも含むことがあり、ステップ526、528、530、532および534をさらに含む。
【0108】
ステップ526において、断片のバッチ中の断片の代表サンプルの各断片について、元素毎の推定組成が決定される。断片の各バッチがアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられている一方で、アルミニウム合金リムカテゴリのリムの正確な組成は未知のことがある。カテゴリは、リムの特定のスタイルに対応することがあるが、リムの正確な組成は未知のことがある。あるいは、カテゴリは、特定のアルミニウム合金で製作されたリムに対応することがある。しかし、特定の合金内で正確な組成が変ることがある。例えば、エコメルト356.2アルミニウム合金は、Si:6.5%~7.5%、Cu:0%~0.02%、Fe:0%~0.014%、Mg:0.25%~0.4%、Zn:0%~0.018%、Mn:0%~0.03%、Ni:0%~0.008%、Cr:0%~0.03%、Sn:0%~0.01%、Ti:0%~0.15%、Sr:0%~0.02%、Al:0%~91.674%という規格組成範囲を有する。アルミニウム合金リムをリサイクルするとき、組成のわずかな変動が物理的性質および化学的性質、ひいては工業的な価値および市場価値の大きな変動を生む結果となることがあるので、リサイクル原材料の組成の良好な推定値を決定することは有利である。同様に、断片のバッチの起源であるリムは、腐食増加、従って組成変化を生む結果となる環境条件に曝されたかもしれない。同様に、あらゆるリムは様々な程度に腐食し、その結果、様々な組成を有するリムになっているかもしれない。
【0109】
断片の代表サンプルの各断片の各元素の推定組成を決定するために、金属サンプルの組成を推定するための当分野において公知のあらゆる方法がステップ526において用いられることがある。いくつかの例において、断片の代表サンプルの各断片について単一の組成測定が行われることがある。この測定の位置は、組成推定値に影響を及ぼすことがある。例えば、測定が錆びの箇所においてダイレクトに行われた場合、組成推定値は、測定が同じ断片上で錆びの箇所に隣接して行われた場合と異なることがある。よって、いくつかの例において、断片の代表サンプルの各断片についていくつかの組成測定が行われることがある。従って、組成測定値は、推定値と理解されるべきである。十分な断片に対して十分な測定が統計解析に基づいて行われた場合、組成の正確な推定値を得ることができることが理解されるべきである。
【0110】
一例において、レーザディスタンススペクトロメトリーによって製造された「レーザ誘導ブレークダウン分光法」(「LIBS」)組成分析装置をレーザスキャナおよびセンサとして採用することができる。LIBS組成分析装置は、放射エミッター、例えばNd:YAGレーザを備えることがある。このレーザは、1~20ヘルツの範囲の周波数で発光し、その結果、断片とレーザとの間の接触箇所において断片の温度を摂氏30,000度より上に上げ、プラズマを発生させることがある。プラズマは、急速に冷却され、高エネルギーイオンは低エネルギー状態に戻る。低エネルギー状態に戻る間に、イオンは、特性放射を放出する。LIBS組成分析装置は、特性放射を検出する1つ以上のセンサを含むことがある。次に、センサから得られる読み値をプロセッサが解析し、それらから温度変化を受けている材料中に含有される構成成分の濃度を決定することがある。プロセッサは、組成分析装置内に配置されることがある。あるいは、プロセッサは、リモートプロセッサのことがある。
【0111】
適切な他の組成分析装置は、その断片の表面において各断片の材料によって放出されるべき特性放射を誘導し、その材料の組成を決定するためにその特性放射を検出および分析する他の方法に依拠するレーザ分光法または他のシステムを用いる組成分析装置を備えることがある。組成分析装置は、適切なあらゆるセンサを用いることによって特性放射を検出することがあり、例えば、適切なセンサは、相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)、高密度短チャンネル金属-酸化物-半導体(HMOS)、電荷結合素子(CCD)および他のタイプのセンサを含むことがある。
【0112】
適切な組成分析装置は、例えば、プラズマ、電子ビームなどの放射エミッター、または各断片の材料をその断片の表面の少なくとも1スポットにおいて、材料が冷却過程で十分な量および質の特性放射を放出して、センサがその特性放射を検出することを許し、プロセッサがその特性放射から材料の組成を決定することを可能にする温度まで加熱するのに適するあらゆる他の放射エミッターを用いることがある。組成分析装置は、連続使用や特定の廃棄金属リサイクル運転において存在することがある典型的な条件に耐えるように構成することができる。そのような条件は、移送機構の動作の結果として生じる振動やリサイクルプロセスにおいて発生する塵および他の粒子を含むことがある。
【0113】
あるいは、特性放射を測定することを含まない、組成を検出する他の手段が用いられることがある。
【0114】
ステップ528において、断片のバッチの総組成推定値が決定される。例えば、総組成推定値は、ステップ526において断片の代表サンプル中で測定された組成推定値に基づくことがある。
【0115】
いくつかの実施形態において、総汚染物質濃度値の決定は、個々の断片の組成推定値から断片の代表サンプル中のその組成の濃度の標準偏差または分散を決定することを含むことがある。その標準偏差または分散が高すぎたら、総汚染物質濃度推定値が十分な確実性で決定可能ではないことがあるので、バッチは不合格にされることがある。
【0116】
nは正の整数であるとして、n個の断片を含む断片の代表サンプルを考える。断片の代表サンプルが複数の断片を適切に代表するために、nは十分大きくなるように選ばれるべきである。次に、経験から(すなわち先行リサイクルプロセス事例から集められた経験的なデータから)、断片の代表サンプル中の十分高い割合の断片が閾値百分率、例えば5%を上回る鉄濃度を有するなら、このことは、複数の断片の上流供給または清浄化に何らかの問題がある(確率を増大させる)ことを示唆するとしよう。過度に高い鉄濃度を有する断片の数、およびそれらの過度に高い鉄濃度は、複数のセグメント全体の鉄の予測総濃度を許容限界値より上に高めるのに十分顕著であることも顕著でないこともある。しかし、過度に高い鉄濃度を有する断片の数およびそれらの過度に高い鉄濃度が複数の断片全体内の予測総鉄濃度を許容限界値より上に高めるには不十分である場合でも、断片の代表サンプル中の過度に高い鉄濃度を有する断片の数は、断片の代表サンプルの断片の鉄濃度推定値だけに基づいて複数の断片全体について決定することができる鉄の総濃度推定値の正確性における信頼性を低くすることがあるので、複数の断片を不合格にすることが望ましいことがある。
【0117】
他の例において、総組成推定値は、断片の代表サンプルの断片毎に測定されたすべての組成推定値の平均に基づいていることがある。断片の代表サンプルが複数の断片全体に対して十分大きいという前提で、断片の代表サンプルの断片毎に測定されたすべての組成推定値の平均は、複数の断片全体の統計的に正確な総組成の近似値を提供する可能性が高い。
【0118】
より小さなサンプル母集団について測定された属性からより大きな母集団の属性を推論することができるように、より大きな母集団を統計的に代表するのに必要なより小さなサンプル母集団の最小限の大きさを決定するために、当分野において公知のあらゆる統計的な方法が用いられることがある。総汚染物質濃度値の不確実性値を提供するためにも統計的な方法が用いられることがある。
【0119】
他の例において、断片のバッチの断片の代表サンプルに基づいて断片のバッチの総組成推定値を決定するために、当分野において公知の他のあらゆる統計的な方法が用いられることがある。
【0120】
ステップ530では、元素毎の総組成推定値がステップ106において決定されたバッチのカテゴリに関連付けられたアルミニウム合金組成範囲内にあるときは断片のバッチを合格にし、範囲内にないときはそれらを不合格にするようにデータプロセッサを動作させる。データプロセッサは、ステップ528において決定された元素毎の組成推定値をステップ106において記憶されたアルミニウム合金リムカテゴリの許容組成範囲と比較する。元素毎の濃度推定値がアルミニウム合金リムカテゴリの許容組成範囲内にある場合にバッチは合格にされる。一種類の元素の濃度がアルミニウム合金リムカテゴリの許容組成範囲の外にある場合にバッチは不合格にされる。
【0121】
ステップ532において、合格の断片のバッチは、目標アルミニウム合金を製造するために下流のリサイクルプロセスに提供される。アルミニウム合金廃棄金属をアルミニウム合金製品にリサイクルするための当分野において公知のあらゆる方法が下流のリサイクルプロセスによって利用されてよい。
【0122】
ステップ534において、不合格の断片のバッチは、目標アルミニウム合金を製造する下流のリサイクルには提供されない。不合格にされた断片は、ステップ528において決定された不適切な組成推定値に基づいて、下流のリサイクルプロセスにとって適切な状態にないとみなされる。不合格の断片バッチは、下流のリサイクルプロセスに提供される前にさらに処理されることがある。
【0123】
次に図6を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムを処理する代替手段600のフローチャートが描かれている。方法600のいくつかの例は、方法300のステップの何れをも含むことがあり、さらにステップ602、618および620、いくつかの例においてはステップ616および622を含む。方法600の他の例は、方法400のステップの何れをも含むことがあり、さらにステップ602および618、いくつかの例においてはステップ616、620および622を含むことがある。
【0124】
ステップ602において、汚染物質元素毎に少なくとも部分的に最大汚染物質濃度に基づいて最大閾値が決定される。いくつかの例において、汚染物質元素は、以下の元素、Fe、Ni、Cr、Si、Pb、Cu、およびZnの何れかまたはすべてを含むことがある。最大閾値は、例えばステップ402において決定されたように最大汚染物質濃度に少なくとも部分的に基づいている。いくつかの例において、最大閾値は、何れかの汚染物質元素の最大汚染物質濃度を超えることと同等なことがある。例えば、ステップ402において、最大汚染物質濃度は、以下のように、Fe:1.2%、Ni:0.5%、Pb:0.1%であると決定されることがある。ステップ602において、最大閾値は、3つの元素のうち何れか1種類の推定濃度が最大汚染物質濃度を超えた場合に、最大閾値を超えるように設定される。例えば、サンプルにおいて、汚染物質濃度推定値が以下のように、Fe:0.1%、Ni:0.1%、Pb:0.2%である場合、最大閾値を超えている。他の例において、最大閾値は、特定の一元素だけが問題となり、その元素について最大汚染物質濃度を超えた場合に最大閾値を超えるように設定されることがある(この実施形態は、例えば、製造業者が適用可能な最大濃度を超える1種類の汚染物質、または可能な汚染物質のいくつかのサブセットだけを問題としている場合に有用なことがある)。他の例において、最大閾値は、すべての汚染物質元素について最大汚染物質濃度が特定の百分率を超えた場合に、最大閾値を超えるように設定されることがある。例えば、すべての汚染物質元素について最大汚染物質濃度が少なくとも70%を超えた場合に、最大閾値を超える。他の例において、当分野において公知のあらゆる数学的な方法または統計的な方法を用いて最大閾値を決定する他の方法が用いられることがある。例えば、総汚染物質濃度推定値に関して決定された標準偏差または分散が比較的低い場合、70%の百分率閾値を増加させることがある。これにより、実際の汚染物質濃度が総汚染物質濃度推定値より大幅に高くなる確率が減少するからである。これに対し、総汚染物質濃度推定値に関して決定された標準偏差または分散が比較的高い場合、70%の百分率閾値が引き下げられることがある。これにより、実際の汚染物質濃度が総汚染物質濃度推定値より大幅に高くなる確率が増大するからである。
【0125】
ステップ618において、汚染物質元素毎の最大閾値を汚染物質毎の総汚染物質濃度推定値が超えていないときは断片のバッチを合格にし、あるいは複数の汚染物質元素の少なくとも1種類の汚染物質元素の最大閾値をその汚染物質の総汚染物質濃度推定値が超えているときは断片のバッチを不合格にするようにデータプロセッサを動作させる。他の例において、断片のバッチを合格にするために種々の指標が用いられることがある。
【0126】
バッチは、複数種類の元素のうち何れか一種類の元素の最大閾値を、関連付けられている総汚染物質濃度推定値が超えているとき不合格にされることがある。他の実施形態において(例えば、バッチの意図される受け取り側がいくつかの汚染物質だけを問題としているとき)、バッチは、複数種類の汚染物質元素中の元素のいくつかのサブセットの最大閾値を、それらに関連付けられた総汚染物質濃度推定値が超えているとき不合格にされることがある。
【0127】
方法600のいくつかの例は、ステップ616をさらに含むことがある。ステップ616では、断片の材料を材料が冷却過程で特性放射を放出する温度まで加熱し、特性放射線を検出するためにセンサを動作させ、特性放射線を分析して組成測定値を決定するためにプロセッサを動作させることによって、断片の汚染物質濃度推定値が決定される。一例において、ステップ616を実行するために、レーザディスタンススペクトロメトリーによって製造される「レーザ誘導ブレークダウン分光法」(「LIBS」)組成分析装置が用いられることがある。LIBS組成分析装置は、放射エミッター、例えばNd:YAGレーザを含むことがある。このレーザは、1~20ヘルツの範囲の周波数において発光し、それによって断片とレーザとの間の接触箇所において断片の温度を摂氏30,000度より上に高め、プラズマを発生させることがある。プラズマは、急速に冷却され、高エネルギーイオンは低エネルギー状態に戻る。低エネルギー状態に戻る間に、イオンは、特性放射を放出する。LIBS組成分析装置は、特性放射を検出する1つ以上のセンサを含むことがある。次に、プロセッサがセンサから得られる読み値を分析し、それらから温度変化を受けつつある材料中に含有される構成要素の濃度を決定することがある。プロセッサは、組成分析装置中に配置されることがある。あるいは、プロセッサは、リモートプロセッサのことがある。
【0128】
他の適切な組成分析装置は、レーザ分光を用いる組成分析装置または各断片の材料によってその断片の表面において放出されるべき特性放射を誘導し、その材料の組成を決定するためにその特性放射を検出し、分析する他の方法に依拠する他のシステムを含むことがある。組成分析装置は、何らかの適切なセンサを用いることによって特性放射を検出することがあり、例えば、適切なセンサは、相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)、高密度短チャンネル金属-酸化物-半導体(HMOS)、電荷結合素子(CCD)および他のタイプのセンサを含むことがある。
【0129】
適切な組成分析装置は、例えば、プラズマ、電子ビームなどの放射エミッター、または各断片の材料をその断片の表面の少なくとも1スポットにおいて材料が冷却過程で十分な量および質の特性放射を放出してセンサがその特性放射を検出することを許し、プロセッサがその特性放射から材料の組成を決定することを可能にする温度まで加熱するのに適しているあらゆる他の放射エミッターを用いることがある。組成分析装置は、連続使用ならびに特定の廃棄金属処理運転において存在することがある典型的な条件に耐えるように構成することができる。そのような条件は、移送機構の動作の結果生じる振動や、リサイクルプロセスにおいて発生する塵および他の粒子を含むことがある。
【0130】
方法600のいくつかの例は、さらにステップ620および622を含むことがある。ステップ620において、合格した断片のバッチが、断片のバッチの総汚染物質濃度推定値の表示とともに下流のリサイクルプロセスに提供される。いくつかの例において、少なくとも2種類の汚染物質元素またはいくつかのサブセットの汚染物質元素の総汚染物質濃度推定値が提供される。
【0131】
下流のリサイクルプロセスは、廃棄金属、より詳しくは廃棄アルミニウム合金片をリサイクルするために適している当分野において公知のあらゆるプロセスのことがある。特定の合金にリサイクルするためのバッチの適性を決定するために、バッチ毎の汚染物質濃度推定値の表示が用いられることがある。例えば、高いレベルにおける特定の汚染物質元素、例えば鉛の存在は、バッチを、高い鉛レベルが許されない特定の合金にリサイクルするには不適当にすることがある。高価値合金を製造するプロセスには、低い汚染物質レベルの表示を伴うバッチが提供されることがある。同様に、高いレベルの汚染物質を有するアルミニウム合金断片のバッチを処理するために、下流の特定のリサイクルプロセスの設備が改良されることがある。そのようにしなければ、これらのプロセスは、出荷される製品の品質またはコストなどの理由で望ましくなくなることがある。断片のバッチの総汚染物質濃度推定値の表示とともにそのバッチを提供すれば、アルミニウム合金断片のバッチにとってより適した用途を選ぶことが可能になる。
【0132】
汚染物質濃度表示は、そのバッチに関連付けられている物理的な、印刷された、または書面表記の形式、非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶された電子的な値、あるいはデータを物理的製品と関連付けるための当分野において公知のあらゆる他の形式のことがある。
【0133】
ステップ622において、不合格の断片のバッチは、下流のリサイクルプロセスに提供されない。
【0134】
次に図7を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムを処理する代替方法700のフローチャートが描かれている。方法700は、方法100のステップの何れをも含むことがあり、さらにステップ712b、714、いくつかの例においては736および738を含む。
【0135】
ステップ712bにおいて、アルミニウム合金リムは、アルミニウム合金リムを損傷しないように保ちながら清浄化することによって処理される。アルミニウム合金リムは、アルミニウム合金の物体を清浄化するための当分野において公知のあらゆる方法によって清浄化されることがある。アルミニウム合金リムは、ショットブラストすることによって清浄化されることがある。アルミニウム合金リムをそのまま清浄化するためのステップ712bに、アルミニウム合金断片をショットブラストによって清浄化する上記のステップ112bに関する記載が適用されることがある。アルミニウム合金リムをそのまま清浄化するために、その他の機械的プロセスが用いられることがある。これらは、ブラッシング、ワイピング、スクレ―ピング、または金属物体の表面からクズ片を機械的に除去するその他のプロセスを含むことがある。他の例において、損傷させずにアルミニウム合金リムからクズ片を除去するために液体溶媒が用いられることがある。液体溶媒は、水、アルコール、ミネラルスピリット、脱脂溶液、またはアルミニウム合金製品を清浄化するための当分野において公知のあらゆる他の溶媒を含むことがある。他の例において、アルミニウム合金リムを清浄化するための当分野において公知のあらゆる他の方法が用いられることがある。
【0136】
ステップ714において、アルミニウム合金リムのバッチ毎に、各バッチの清浄化されたアルミニウム合金リムが処理のために個別に供給される。各バッチは、他のバッチから物理的に分離され、個別の処理に付されることがある。いくつかの例において、清浄化されたそのままの各アルミニウム合金リムのバッチは、再生プロセスに供給されることがある。他の例において、清浄化されたそのままの各アルミニウム合金リムのバッチは、リサイクルプロセスに提供されることがある。いくつかの例において、清浄化されたそのままのアルミニウム合金リムのバッチは、バッチごとに異なるプロセスに提供されることがある。
【0137】
方法700のいくつかの例は、ステップ736をさらに含むことがある。ステップ736において、非一時的コンピュータ可読メモリ中に複数のアルミニウム合金リム製造業者を特定する製造業者レコードが記憶される。これらのレコードは、カテゴリ毎に、そのカテゴリに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者を含むことがある。ステップ104においてメモリ中に記憶される各カテゴリは、そのカテゴリの製造業者と関連付けられている。例えば、カテゴリは、リムタイプA1を含むことがある。タイプA1のリムの製造業者ABCが、そのカテゴリに関連付けられることがある。
【0138】
ステップ736を含む方法において、ステップ714においてアルミニウム合金リムのバッチを処理のために供給することは、清浄化された、そのままの各アルミニウム合金リムのバッチを、そのバッチに関連付けられているアルミニウム合金リム製造業者に供給することを含む。例えば、上記において参照された、清浄化された損傷のないタイプA1のアルミニウム合金リムのバッチが処理のために製造業者ABCに供給されることがある。他の例において、ステップ736において記憶された、関連付けられた製造業者は、必ずしもアルミニウム合金リムの元の製造業者ではないことがある。例えば、元はABCによって製造されたリムタイプA1のバッチが製造業者DEFと関連付けられ、ステップ714において処理のために製造業者DEFに供給されることがある。
【0139】
方法700のいくつかの例は、特定の製造業者に対して、少なくとも2つの異なるアルミニウム合金リムカテゴリを指定する少なくとも2つの異なる製品示標を、非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶するステップ738をさらに含むことがある。ステップ204に関する上記の記載がステップ738に適用されることがある。
【0140】
いくつかの例において、製品示標は、特定の合金、スタイル、サイズ、表面処理、経年数、またはその他の特性のリムを含むことがある。ステップ738において記憶される製品示標は、上述したステップ104においてメモリに記憶されたアルミニウム合金リムカテゴリに対応する。ステップ738において記憶される少なくとも2つの異なる製品示標は、2つの異なるアルミニウム合金リムカテゴリに対応する。いくつかの例において、2つより多い製品示標が記憶されることがある。記憶される2つより多い製品示標の中で、2つの製品示標が同じアルミニウム合金リムカテゴリに対応することがある。例えば、すべて製造業者ABCによって製造された製品示標A1、製品示標A2、および製品示標B1が、ステップ104において記憶された2つのアルミニウム合金リムカテゴリだけに対応することがある。A1およびA2が例カテゴリ1に対応する一方で、B1が例カテゴリ2に対応することがある。
【0141】
方法700のいくつかの例において、そのアルミニウム合金リムのアルミニウム合金リムカテゴリをそのシリアル番号に基づいて決定するために、データプロセッサを動作させる。少なくとも第1の種類および第2の種類のアルミニウム合金リムが供給される。各種類のアルミニウム合金リムが、ステップ738においてメモリに記憶された、ある製品示標と関連付けられることがある。第1の種類のリムのシリアル番号は、ステップ110aにおいて記載されたように決定される。第2の種類のリムのシリアル番号は、ステップ110aにおいて記載されたように決定される。次に、各種類のリムと関連付けられるアルミニウム合金リムカテゴリを決定するために、ステップ110bについて記載されたようにデータプロセッサを動作させる。第1の種類のリムは、第1のアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられる。第2の種類のリムは、第2のアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられる。例えば、製造業者ABCからのリムタイプA1と製造業者ABCからのリムタイプB1とが供給されることがある。各リムのシリアル番号は、スキャンされ、次に、方法100に関して上述したように、アルミニウム合金リムの種類毎に関連付けられるアルミニウム合金リムカテゴリを決定するために、データプロセッサを動作させる。例えば、リムタイプA1がカテゴリ1と関連付けられる一方でリムタイプB1がカテゴリ2と関連付けられることがある。それぞれが同じ製品示標を含む各種類のすべてのリムは、同じカテゴリと関連付けられる。例えば、方法700に供給されるすべてのタイプA1リムがカテゴリ1と関連付けられることがあり、方法700に供給されるすべてのタイプB1リムがカテゴリ2と関連付けられることがある。
【0142】
アルミニウム合金リムは、アルミニウム合金リムの第1のバッチまたは第2のバッチに配分される。各バッチは、ステップ110cにおいて記載されたアルミニウム合金リムカテゴリに対応する。さらに、各バッチは、ステップ738において記憶される製品示標に対応する。各種類のリムが個別のバッチに配分される。例えば、すべてがカテゴリ1と関連付けられているタイプA1のすべてのリムは、バッチ1に配分され、すべてがカテゴリ2と関連付けられているタイプB1のすべてのリムは、バッチ2に配分される。ステップ110cにおいて記載されたように、リムは、物理的にリムを分離することによって各バッチに配分されることがある。いくつかの例において、人間のオペレータがリムを別々のバッチに分離することがある。他の例において、自動化された装置、例えばコンベヤシステムまたはロボットアームが、先に決定された属性に基づいてリムを自動的にバッチに配分することがある。
【0143】
方法700のいくつかの例において、アルミニウム合金リムは、2つより多いバッチに配分されることがある。例えば、アルミニウム合金リムは、10バッチまたは20バッチに分けられ、各バッチは、損傷のないそのままのリムを含むことがある。
【0144】
アルミニウム合金リムの各バッチは、ステップ108においてメモリに記憶された、各バッチのカテゴリと関連付けられている特定の製造業者に供給することができる。第1のバッチは、第1のバッチが第1のアルミニウム合金リムカテゴリに対応するという表示とともに製造業者に供給される。これとは別に、第2のバッチは、第2のバッチが第2のカテゴリに対応するという表示とともに製造業者に供給される。例えば、バッチ1のリムは、バッチ1のリムがアルミニウム合金リムカテゴリ1に対応するという表示とともに製造業者ABCに供給され、バッチ2のリムは、バッチ2のリムがカテゴリ2に対応するという表示とともに製造業者ABCに供給される。いくつかの例において、リムカテゴリの表示は、物理的な表示、例えば、バッチ中の各リムに取り付けられる印刷された接着性ラベル、塗装された表示、またはその他の物理的表示のことがある。他の例において、それぞれとともに提供される表示は、電子レコード、例えば非一時的コンピュータ可読メモリ中に記憶された値、または他の電子的表示手段のことがある。
【0145】
次に図8を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムを処理する代替方法800のフローチャートが描かれている。方法800は、方法100のステップの何れをも含むことがあり、さらにステップ838、840、842、844および846を含む。
【0146】
ステップ838では、ステップ110において既にバッチに分けられたアルミニウム合金リムが供給される。各アルミニウム合金リムバッチの再生販売価格が推定される。アルミニウム合金リムの再生販売価格は、リムの使用状態が良好な場合、アルミニウム合金リムのバッチの市場価格とすることができるだろう。再生販売価格は、複数の方法によって決定されることがある。アルミニウム合金リム毎に関連付けられているアルミニウム合金リムカテゴリは、市場において入手可能な類似の製品を特定するために用いられることがある。例えば、バッチと関連付けられているアルミニウム合金リムカテゴリが製造業者ABCからのリムタイプA1である場合、製造業者ABCからのA1タイプのリムの中古市場価値を決定するために、市場が調査されることがある。この中古市場価値は、再生販売価格になるように決定されることがある。あるいは、いくつかの例において、製造業者ABCからのタイプA1のリムの中古市場価値を決定するために第3者のアルミニウムリム大量購入者が意見を求められることがある。大量のリム購入者は、中古市場におけるA1タイプのリムの価格より低い価格で見積もりを提示することがある。しかし、中古市場で個々のリムを売ることは効率的でないことがあるので、この価格の方が正しい再生販売価格に近いことがある。
【0147】
他の例において、バッチと関連付けられているアルミニウム合金リムカテゴリが、17インチ直径のアルミニウム合金リムである場合、17インチ直径のアルミニウム合金リムの平均中古市場価値を決定するために市場が調査されることがある。あるいは、いくつかの例において、17インチ直径のアルミニウム合金リムの中古市場価値を決定するために第3者のアルミニウムリム大量購入者が意見を求められることがある。
【0148】
他の例において、バッチと関連付けられているアルミニウム合金リムカテゴリがA356アルミニウム合金リムである場合、A356アルミニウム合金リムの平均中古市場価値を決定するために市場が調査されることがある。あるいは、いくつかの例において、A356アルミニウム合金リムの中古市場価値を決定するために第3者のアルミニウムリム大量購入者が意見を求められることがある。
【0149】
再生品推定販売価格が決定されたら、後の参照のために記憶されることがある。推定された再生販売価格は、卸売、保管、清浄化および細部の修理などの再生プロセスのコスト、あるいは再生および販売のプロセス時に必要となる他のあらゆる運転コストを考慮に入れるために訂正されることがある。
【0150】
ステップ840において、各リムバッチのアルミニウム合金リムのリサイクル販売価格が推定される。アルミニウム合金リムのリサイクル販売価格は、アルミニウム合金リムバッチを含む原料に対して市場において妥当に設定される価格から処理コストおよび取り扱いコストを引いたものである。いくつかの例において、リムのバッチに関連付けられているアルミニウム合金リムカテゴリがリサイクル販売価格を決定するために用いられることがある。例えば、関連付けられているアルミニウム合金リムカテゴリがA356アルミニウム合金リムである場合、スクラップA356アルミニウムの質量あたり単位卸売価格がリサイクル販売価格を決定するために用いられることがある。リムのバッチは、リムの総質量およびリムのバッチの質量を決定するために秤量され、カウントされることがある。リムのバッチの総質量は、バッチ中のリムの数で除され、バッチ中のリムあたり平均質量が得られる結果となることがある。アルミニウム合金リムのバッチ中のリムあたり総リサイクル販売価格を決定するために、先に決定されたA356質量あたり単位価格にリムあたり平均質量を乗じることがある。総リサイクル販売価格は、処理コストおよび取り扱いコストを考慮に入れるためにさらに調整されることがある。これらのコストは、リムを断片化するコスト、リムを保管するコスト、ショットブラストコストを含むリムを清浄化するコスト、卸売コスト、および他のコストを含むことがある。リムあたり総リサイクル販売価格から処理コストと取り扱いコストとの合計を引くと、リムあたり推定リサイクル販売価格のことがある。
【0151】
いくつかの例において、リムあたり平均質量は、処理ステップ時に予測される材料損失を考慮に入れるためにさらに調整されることがある。例えば、リムまたはリムの断片をショットブラストするとき少量のリム材料が除去され、質量減少を生じる結果となることがある。最終的に推定されるリサイクル販売価格において、質量調整がこの損失を考慮に入れることがある。
【0152】
ステップ840のいくつかの例において、関連付けられたアルミニウム合金リムカテゴリが材料に対応しないことがある。リムの材料特性が未知の場合がある。アルミニウム合金リムのバッチの総組成推定値を決定するために、上記においてステップ526および528に関して記載されたように、組成分析装置が利用されることがある。この組成推定値が、類似の組成のスクラップ金属の単位質量あたり卸売価格を決定するために用いられることがある。いくつかの例において、リムは、バッチに合金元素を補充することによってリムのバッチの組成がより高い価値の既知の合金の組成に調整されるような方法でリサイクルされることがある。そのような例においては、高価値合金のスクラップ金属の単位質量あたり卸売価格が用いられることがあり、合金に補充するためのコストがリサイクル販売価格から減じられることがある。
【0153】
ステップ842では、ステップ838において決定された再生販売価格とステップ840において決定されたリサイクル販売価格とに基づいて、リサイクルプロセスまたは再生プロセスの何れかが実施される。ステップ838とステップ840との両方において、価格は、リムあたり価格または類似の比較を可能にする何らかの他の尺度に規格化されることがある。再生販売価格がリサイクル販売価格より高い場合、ステップ844が実施される。リサイクル販売価格が再生販売価格より高い場合、ステップ846が実施される。
【0154】
ステップ844では、リムが損傷しないように保ちながらアルミニウム合金リムを清浄化し、次に清浄化されたバッチのアルミニウム合金リムを販売するために別々に供給することによってリムが再生される。リムは、上記においてステップ712bに関して記載されたように、損傷しないように保ちながら清浄化されることがある。リムは、上記においてステップ714に関して記載されたように、そのまま供給されることがある。
【0155】
ステップ846において、バッチのアルミニウム合金リムは、それらを断片に断片化し、断片を清浄化することによってリサイクルされる。清浄化プロセスは、ショットブラストすることと、その後にリサイクルのために断片を供給することを含む。このプロセスは、上記においてステップ112、112a、112bおよび114に関して記載されたように行われることがある。
【0156】
次に図9を参照すると、そこにはアルミニウム合金リムを処理するためのシステム900のブロック図が描かれている。方法100、200、300、400、500、600、700および800に関する上記の記載がシステム900に適用されることがある。図9に示されるように、アルミニウム合金リムを処理するためのシステム900は、移送機構902、スキャナ904、下流の処理装置906、メモリ908、およびデータプロセッサ910を備えることがある。システム900のいくつかの例は、組成分析装置912をさらに含むことがある。
【0157】
システム900のいくつかの例において、移送機構902には、アルミニウム合金リムからなる原料が供給される。移送行機構902は、コンベヤ、ピックアンドプレイスユニット、ロボットアーム、または物理的な物体を移送するための当分野において公知のあらゆる他の方法を含むことがある。アルミニウム合金リムは、あらゆる手段によって移送機構902上に積載されることがあり、例えばトラックがコンベヤ902の一端に接続されたホッパーにアルミニウム合金リムを投入することがあり、あるいは作業者によってアルミニウム合金リムが手作業でコンベヤ上に置かれることがある。図1~8に関して上述したように、各アルミニウム合金リムは、シリアル番号を有する。
【0158】
システム900のいくつかの例において、メモリ908中に複数のアルミニウム合金リムカテゴリが記憶されることがある。いくつかの例において、メモリ908は、非一時的コンピュータ可読メモリのことがある。
【0159】
いくつかの例において、複数のアルミニウム合金リムの組成範囲がメモリ908中に記憶されることがある。各アルミニウム合金リムの組成範囲は、記憶されたアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられることがある。各組成範囲は、複数の元素中の元素毎に、その元素の元素範囲を含むことがある。いくつかの例において、各アルミニウム合金組成範囲は、少なくとも1種類の汚染物質の汚染物質毎に少なくとも1つの最大汚染物質濃度を特定することがある。
【0160】
いくつかの例において、製造業者レコードがメモリ908中に記憶されることがある。製造業者レコードは、複数のアルミニウム合金リム製造業者に関する情報を含み、複数のアルミニウム合金リム製造業者は、アルミニウム合金リムカテゴリ毎に関連付けられたアルミニウム合金リム製造業者を含むことがある。
【0161】
いくつかの例において、特定の製造業者のアルミニウム合金リムの少なくとも2つの異なる製品示標がメモリ908中に記憶されることがある。これらの製品示標は、少なくとも2つの異なるアルミニウム合金リムカテゴリを指定することがある。
【0162】
移送機構902は、アルミニウム合金リムからなる原料をスキャナ904に提供することがある。スキャナ904は、移送機構902によって提供された原料中の各アルミニウム合金リムのシリアル番号をスキャンすることができる。上記においてステップ110aに関して記載されたように、スキャナは、アルミニウム合金リムのアルミニウム合金表面に印刷されているか、または刻み込まれているシリアル番号をスキャンするあらゆるタイプのことがある。いくつかの例において、各アルミニウム合金リムのシリアル番号がスキャンされたら、メモリ908中に記憶されることがある。
【0163】
システム900のいくつかの例は、組成分析装置912をさらに含むことがある。組成分析装置912は、金属サンプルの組成を決定するための当分野において公知のあらゆるシステムを含むことがある。いくつかの例において、組成分析装置912は、各リムの材料をそのリムの表面の少なくとも1スポットにおいて、その材料が冷却過程で特性放射を放出する温度まで加熱するための放射エミッター、その特性放射を検出し、測定するためのセンサおよびその特性放射から材料の組成を決定するためのプロセッサを含むことがある。いくつかの例において、組成分析装置912は、レーザ誘導ブレークダウン分光法組成分析装置である。ステップ526に関する上記の記載がシステム900の組成分析装置に適用されることがある。いくつかの例において、電子通信のために組成分析装置912がデータプロセッサ910に接続されることがある。
【0164】
スキャナ904は、スキャンした各シリアル番号をデータプロセッサ910に送信する。データプロセッサ910は、スキャンされたそのシリアル番号に基づいて、メモリ908中に記憶されているアルミニウム合金リムのカテゴリの中から各アルミニウム合金リムに関連付けられるべきアルミニウム合金リムカテゴリを決定する。ステップ110bに関する上記の記載がシステム900のこの側面に適用されることがある。
【0165】
システム900のいくつかの例において、少なくとも2つの種類のリムおよびまたは製品示標が提供される。データプロセッサ910は、メモリ908中に記憶されているアルミニウム合金リムのカテゴリの中から、アルミニウム合金リムの各種類およびまたは各製品示標と関連付けられるべきアルミニウム合金リムカテゴリを決定する。
【0166】
各アルミニウム合金リムがアルミニウム合金リムカテゴリと関連付けられたら、似ているカテゴリと関連付けられたアルミニウム合金リムがバッチに分けられる。少なくとも2つの種類およびまたは製品示標のリムが提供され、次にカテゴリと関連付けられるシステム900の例において、各種類または各製品示標のリムが種類または製品示標に従ってバッチに分けられる。各バッチは、アルミニウム合金リムのカテゴリに対応する。各リムは、移送機構902によってそのそれぞれのバッチに配分されることがある。
【0167】
いくつかの例において、システム900は、スキャナ904より下流に、アルミニウム合金リムからなる原料のための複数の移動経路を含むことがある。データプロセッサ910によって特定されたアルミニウム合金リムの各バッチは、アルミニウム合金リムのバッチに基づいて選ばれた経路に沿って移送されることがある。例えば、例バッチ1は、経路Aに沿って移送されることがある。例バッチ2は、経路Bに沿って移送されることがある。例バッチ3は、経路Aに沿って移送されることがある。
【0168】
アルミニウム合金リムの各バッチは、下流の処理装置906に個別に供給される。アルミニウム合金リムの各バッチは、下流の処理装置によって個別に処理される。スキャナ904の下流にいくつかの経路を含んでいるシステム900の例では、各バッチは、異なる下流の処理装置906に提供されることがある。
【0169】
いくつかの例において、下流の処理装置906は、各バッチのアルミニウム合金リムを断片に断片化し、次に断片をショットブラストすることがある。そのような例において、下流の処理装置は、断片化ユニット、例えば工業用細断機とショットブラスト装置とを含むことがある。いくつかの例において、断片化および清浄化は、上記においてステップ112aおよび112bに関して記載されたように行われることがある。いくつかの例において、ショットブラストは、断片化されたアルミニウム合金リムから少なくとも1種類の汚染物質元素を除去することがある。
【0170】
システム900のいくつかの例において、アルミニウム合金リムおよびまたは断片のバッチ毎に、汚染物質濃度推定値を代表サンプルに基づいて決定するために、組成分析装置912を動作させることがある。データプロセッサ910と協働して、総汚染物質濃度推定値が決定されることがある。ステップ316および318に関する上記の記載がシステム900のこの側面に適用されることがある。
【0171】
組成分析装置912を含むシステム900の例において、データプロセッサ910は、汚染物質元素毎の総汚染物質濃度値に基づいて断片の各バッチを合格にするかまたは不合格にすることがある。ステップ320に関する上記の記載がシステム900のこの側面に適用されることがある。
【0172】
いくつかの例において、データプロセッサ910は、メモリ908に記憶されている各汚染物質元素の総汚染物質濃度値と最大汚染物質濃度とに基づいて、断片の各バッチを合格にするかまたは不合格にすることがある。ステップ618および620に関する上記の記載がシステム900のこの側面に適用されることがある。
【0173】
本発明は、本明細書において例としてのみ記載された。添付の請求項によってのみ限定される本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態例に種々の変更および変化が施されることがある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】