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特表2024-504539ミネラル含量の豊富な塩を用いて苦味が低減された酒類およびその製造方法
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  • 特表-ミネラル含量の豊富な塩を用いて苦味が低減された酒類およびその製造方法 図1
  • 特表-ミネラル含量の豊富な塩を用いて苦味が低減された酒類およびその製造方法 図2
  • 特表-ミネラル含量の豊富な塩を用いて苦味が低減された酒類およびその製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ミネラル含量の豊富な塩を用いて苦味が低減された酒類およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20240125BHJP
   C12G 3/06 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C12G3/04
C12G3/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524737
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 KR2022010601
(87)【国際公開番号】W WO2023128101
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194211
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523142319
【氏名又は名称】寶海醸造株式会社
【氏名又は名称原語表記】BO HAE BREWERY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】36 Honam-ro 68beon-gil,Mokpo-si,Jeollanam-do 58728(KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジェウン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジファン
(72)【発明者】
【氏名】シム,スア
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ナ,ジフン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ ユン
【テーマコード(参考)】
4B115
【Fターム(参考)】
4B115LG02
4B115LH11
4B115LP02
4B115MA03
(57)【要約】
【要約】
【課題】 塩が含まれて苦味が低減された酒類およびその製造方法が提供される。
【解決手段】 本発明による酒類は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩およびエタノールを含み、その製造方法は、エタノールに湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を添加する段階;および前記塩が添加されたエタノールを攪拌する段階を含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩およびエタノールを含む、酒類。
【請求項2】
前記塩は、酒類内0.00001~0.01%(w/v)で含まれている、請求項1に記載の酒類。
【請求項3】
前記塩は、湖塩、岩塩および天日塩をそれぞれ6:3:1~8:1:1(湖塩:岩塩:天日塩)の重量比で含む、請求項2に記載の酒類。
【請求項4】
酒類体積100%を基準にしてエタノールを5~30%(v/v)の濃度で含む、請求項1に記載の酒類。
【請求項5】
前記酒類は、希釈式、または蒸留式焼酎である、請求項1に記載の酒類。
【請求項6】
前記エタノールは、発酵酒精、脱臭酒精、または蒸留式焼酎原液で提供される、請求項1に記載の酒類。
【請求項7】
湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を含まない酒類と比較して苦味が低減された特徴を有する、請求項1に記載の酒類。
【請求項8】
前記湖塩はアンデス湖塩;
前記岩塩はヒマラヤピンクソルト;または
前記天日塩は土板塩である、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の酒類。
【請求項9】
前記酒類は焼酎である、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の酒類。
【請求項10】
エタノールに湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を添加する段階;および
前記塩が添加されたエタノールを攪拌する段階を含む、酒類の製造方法。
【請求項11】
前記塩を酒類内0.00001~0.01%(w/v)になるように添加する、請求項10に記載の酒類の製造方法。
【請求項12】
前記塩は、湖塩、岩塩および天日塩をそれぞれ6:3:1~8:1:1(湖塩:岩塩:天日塩)の重量比で含む、請求項11に記載の酒類の製造方法。
【請求項13】
前記塩を添加する段階でエタノールの濃度は10~50%(v/v)である、請求項10に記載の酒類の製造方法。
【請求項14】
前記攪拌する段階は、エアレーション、超音波処理または湯煎処理する方法で行う、請求項10に記載の酒類の製造方法。
【請求項15】
前記エアレーションは1分~5分間行われる、請求項14に記載の酒類の製造方法。
【請求項16】
前記攪拌を行ったエタノールを静置させる段階;および
前記静置させたエタノールをろ過する段階を追加的に含む、請求項10に記載の酒類の製造方法。
【請求項17】
前記湖塩はアンデス湖塩;
前記岩塩はヒマラヤピンクソルト;または
前記天日塩は土板塩である、請求項10に記載の酒類の製造方法。
【請求項18】
前記製造方法によって製造された酒類は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を含まない酒類と比較して苦味が低減された特徴を有する、請求項10~17のうちのいずれか一項に記載の酒類の製造方法。
【請求項19】
前記酒類は、酒類体積100%を基準にしてエタノールを5~30%(v/v)の濃度で含む、請求項18に記載の酒類の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、塩を含む酒類およびその製造方法を提供し、具体的には、塩が含まれて苦味が低減された酒類およびその製造方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
最近、酒類に対する消費者の欲求が多様化され、高品質の酒類を求める傾向が強くなるにつれて香味に優れた酒類の開発の必要性が増大し続けている。酒類の品質を左右する重要な要素は香りであり、酒類の香りには多くの成分が複合的に関与するが、ここに直接的に影響を与える要素として明らかになった成分としては、アセトアルデヒド(acetaldehyde)、酢酸エチル(ethyl acetate)、カプロン酸エチル(ethyl caproate)、イソアミルアセテート(isoamylacetate)、イソアミルアルコール(isoamylalcohol)、フェニルエチルアルコール(phenylethanol)、フェニルエチルアセテート(phenylethyl acetate)などがある。前記酒類の香りに関与する香り成分の組み合わせと含量を調節すれば優れた香りの酒類を得ることができるが、酒類の香り、アルコール臭、苦味、嗜好度などが複合的に改善された酒類を得るためには追加的研究が必要であるのが実情である。
【0003】
酒類に含まれるエタノールは独特のアルコール香りおよび特有の苦味などの否定的な香味を有し、アルコール濃度が高いほどこのような否定的香味がさらに大きく現れる。特に、焼酎、ウィスキー、リキュールまたはラム酒などのような高濃度アルコールを含む酒類は、このような否定的な香味によって販売増加量が鈍化している。
【0004】
従来、酒類の味をまろやかにし苦味とピリッとした味などをマスキングするために、酒類に砂糖または液状果糖などの糖類が多量添加されてきており、メディアでは、酒類に含まれている砂糖の量が過度でありカロリーが高いとの理由により問題になったことがある。よって、消費者の酒類に対する否定的認識が増加している傾向にある。よって、砂糖などの糖を使用せず酒類特有の苦味を低減させる方案に対する必要性が増加しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書の一例は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩およびエタノールを含む、酒類を提供する。
【0006】
他の例は、エタノールに湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を添加する段階;および
前記塩が添加されたエタノールを攪拌する段階を含む、酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法を提供する。
【0007】
他の例は、前記酒類の製造方法によって製造された、酒類を提供する。
【0008】
他の例は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩の酒類の苦味を低減する用途を提供する。
【0009】
他の例は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を含む酒類の苦味低減用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは酒類アルコールの臭いおよび苦味を減少させるために研究努力した結果、塩を添加する場合、効果的に苦味を低減させることができることを確認し、さらに一歩進んで、塩の最適含量、製造条件などを調節して、苦味を減らして嗜好度が向上した酒類を製造することができることを確認して本発明を完成した。本明細書で提供される酒類は、糖でない塩を添加して、アルコール特有の苦味を低減し、本明細書で提供される酒類は、他の種類の酒類より苦味が低減された特徴を有し、具体的には、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を含まない酒類と比較して苦味が低減された特徴を有し、これに制限されるわけではない。
【0011】
本明細書の一例は、塩およびエタノールを含む、酒類を提供する。
【0012】
他の例は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩およびエタノールを含む酒類を提供する。
【0013】
他の例は、エタノールに湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を添加する段階;および前記塩が添加されたエタノールを攪拌する段階を含む、酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法を提供する。
【0014】
他の例は、前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法で、前記塩を添加する段階前にアルコール(例えば、酒精および/またはエタノール)を希釈させる段階(1次希釈段階)および/または前記攪拌する段階前に塩が添加されたエタノールを希釈させる段階(2次希釈段階)を追加的に含むことができ、これに制限されるわけではない。
【0015】
前記1次希釈段階で希釈されたアルコールは、前記塩を添加する段階でエタノールとして使用することができ、前記2次希釈段階で希釈されたエタノールは攪拌する段階でエタノールとして使用することができ、これに制限されるわけではない。
【0016】
本明細書の他の例は、前記酒類の製造方法によって製造された、酒類を提供する。
【0017】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0018】
本明細書では、「酒類」は清酒、濁酒、焼酎などであってもよく、具体的に希釈式、または蒸留式焼酎であってもよく、これに制限されるわけではない。
【0019】
前記「希釈式焼酎」は、酒精にアルコール含量を低めるための水と甘味を与えるための甘味料、酸味を出すための酸味料などを入れて作った焼酎を意味することができる。
【0020】
前記「蒸留式焼酎」は、穀物で仕込んだ酒母を蒸留して作った酒を意味することができる。
【0021】
前記エタノールは、酒精または蒸留式焼酎原液またはこれらの組み合わせで提供することができる。具体的には、前記酒精は、発酵酒精、脱臭酒精、および/または蒸留式焼酎原液で提供することができ、前記発酵酒精はデンプンや糖分が含まれている材料などで発酵させてアルコール分95度以上に精製して製造することができ、大韓民国酒税法上、酒精とは、デンプンが含まれている材料または糖分が含まれている材料を発酵させてアルコール分85度以上に蒸留したものを意味する。また、穀類、タピオカ、さつまいもなどのデンプン質または糖質(砂糖)原料に糖化酵素を投入して発酵させた後、連続式蒸留方式で製造することができ、これに制限されるわけではない。
【0022】
本明細書では、「湖塩(lake salt)」は、一般湖より塩度が高い湖で作られた塩を意味するものであって、例えば、もともと海であったところが地殻変動などの原因で湖に変わった後、水分が蒸発しながら作られたものであってもよい。湖塩の代表例としては、アンデス湖塩などがある。前記「アンデス湖塩(アンデスレイクソルト)」はアンデス氷河の清浄な澄んだ1級水が溶けて流れ込みながら浄化および洗浄作用を果たして数万年間繰り返し澄んだ風と太陽の蒸発過程を経ながら不純物が除去されて自然が作った天恵の純粋塩を意味する。
【0023】
本明細書では、「岩塩(halite、rock salt)」は、石塩またはロックソルトとも言い、海水が蒸発して塩が鉱物として残ったものを意味することができる。岩塩の代表例としてはヒマラヤピンクソルトなどがある。前記「ヒマラヤピンクソルト(ヒマラヤピンク塩)」は、パキスタンの山、特にケラ塩鉱山(Khewra mine)などで生産されるロックソルトであって、無機質が豊富でピンク色を帯びる。
【0024】
本明細書では、「天日塩」は、塩田で海水を蒸発させて作られた塩を意味するものであって、湖および堆積鉱山で抽出される塩とは区別される。一例では、前記天日塩は、塩田で塩を生産する時、干潟土の上を押し固めて平らにした後にその上で生産される塩である土板塩であってもよい。また、前記天日塩は、塩田の上にビニル壮版、タイル、ガラスなどを敷いて蒸発がうまく行われるようにして生産される壮版塩であってもよく、これに制限されるわけではない。
【0025】
本出願で提供される酒類内の前記塩の総含量は、0.00001~0.01%(w/v)、0.00001~0.005%(w/v)、0.00001~0.001%(w/v)、0.00001~0.0008%(w/v)、0.00001~0.0006%(w/v)、0.00005~0.01%(w/v)、0.00005~0.005%(w/v)、0.00005~0.001%(w/v)、0.00005~0.0008%(w/v)、0.00005~0.0006%(w/v)、0.0001~0.01%(w/v)、0.0001~0.005%(w/v)、0.0001~0.001%(w/v)、0.0001~0.0008%(w/v)、0.0001~0.0006%(w/v)、0.0002~0.01%(w/v)、0.0002~0.005%(w/v)、0.0002~0.001%(w/v)、0.0002~0.0008%(w/v)、0.0002~0.0006%(w/v)、0.0004~0.01%(w/v)、0.0004~0.005%(w/v)、0.0004~0.001%(w/v)、0.0004~0.0008%(w/v)、または0.0004~0.0006%(w/v)で含まれてもよく、例えば0.0005%(w/v)であってもよく、これに制限されるわけではない。
【0026】
前記酒類、酒類の製造方法、酒類の苦味を低減する用途、酒類の苦味低減用組成物および/または酒類の苦味低減方法では、前記塩は、湖塩、岩塩、および天日塩を含み、これらの間の割合は、天日塩1重量部に対して、湖塩6~8重量部、6~7.5重量部、6.5~8重量部または6.5~7.5重量部、および岩塩1~3重量部、1~2.5重量部、1.5~3重量部、または1.5~2.5重量部であってもよい。
【0027】
より具体的には、前記塩は、湖塩、岩塩および天日塩をそれぞれ6:3:1~8:1:1、6:3:1~7.5:1.5:1、6.5:2.5:1~8:1:1、または6:3:1~7.5:1.5:1の重量比(湖塩:岩塩:天日塩)で含むことができ、例えば、6:3:1、7:2:1、または8:1:1の重量比で含むことができるが、これに制限されるわけではない。
【0028】
前記酒類は、酒類体積100%を基準にしてエタノールを5~30%(v/v)、5~25%(v/v)、5~20%(v/v)、5~17%(v/v)、10~30%(v/v)、10~25%(v/v)、10~20%(v/v)、10~17%(v/v)、13~30%(v/v)、13~25%(v/v)、13~20%(v/v)、13~17%(v/v)、16~30%(v/v)、16~25%(v/v)、16~20%(v/v)、または16~17%(v/v)の濃度で含むことができ、例えば16.8%(v/v)の濃度で含むことができ、これに制限されるわけではない。
【0029】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法で使用された前記エタノールの濃度は、10~50%(v/v)、10~45%(v/v)、10~40%(v/v)、10~38%(v/v)、10~35%(v/v)、10~30%(v/v)、10~25%(v/v)、10~20%(v/v)、15~50%(v/v)、15~45%(v/v)、15~40%(v/v)、15~38%(v/v)、15~35%(v/v)、15~30%(v/v)、15~25%(v/v)、15~20%(v/v)、20~50%(v/v)、20~45%(v/v)、20~40%(v/v)、20~38%(v/v)、20~35%(v/v)、20~30%(v/v)、20~25%(v/v)、25~50%(v/v)、25~45%(v/v)、25~40%(v/v)、25~38%(v/v)、25~35%(v/v)、25~30%(v/v)、30~50%(v/v)、30~45%(v/v)、30~40%(v/v)、30~38%(v/v)、30~35%(v/v)、35~50%(v/v)、35~45%(v/v)、35~40%(v/v)、または35~38%(v/v)であってもよく、例えば、20%(v/v)、25%(v/v)、30%(v/v)、または38%(v/v)であってもよく、これに制限されるわけではない。
【0030】
本明細書で「アルコール度数」は、アルコール飲料に対するエタノールの体積濃度を百分率(パーセント)で表示した割合を意味する。前記酒類では、15℃でアルコール度数が5.0~30.0度、5.0~25.0度、5.0~20.0度、5.0~17.0度、10.0~30.0度、10.0~25.0度、10.0~20.0度、10.0~17.0度、13.0~30.0度、13.0~25.0度、13.0~20.0度、13.0~17.0度、16.0~30.0度、16.0~25.0度、16.0~20.0度、または、16.0~17.0度であってもよく、例えば、16.8度であってもよく、これに制限されるわけではない。
【0031】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記アルコールを希釈させる段階で、前記アルコール(例えば、エタノール)は、酒精または蒸留式焼酎原液またはこれらの組み合わせで提供することができ、具体的には、前記酒精は、発酵酒精、脱臭酒精、および/または蒸留式焼酎原液であってもよく、前記発酵酒精は、穀類、タピオカ、さつまいもなどのデンプン質または糖質(砂糖)原料に糖化酵素を投入して発酵させた後、連続式蒸留方式で製造することができ、これに制限されるわけではない。
【0032】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、1次希釈段階は、アルコール(例えば、酒精および/またはエタノール)を10~50%(v/v)、10~45%(v/v)、10~40%(v/v)、10~38%(v/v)、10~35%(v/v)、10~30%(v/v)、10~25%(v/v)、10~20%(v/v)、15~50%(v/v)、15~45%(v/v)、15~40%(v/v)、15~38%(v/v)、15~35%(v/v)、15~30%(v/v)、15~25%(v/v)、15~20%(v/v)、20~50%(v/v)、20~45%(v/v)、20~40%(v/v)、20~38%(v/v)、20~35%(v/v)、20~30%(v/v)、20~25%(v/v)、25~50%(v/v)、25~45%(v/v)、25~40%(v/v)、25~38%(v/v)、25~35%(v/v)、25~30%(v/v)、30~50%(v/v)、30~45%(v/v)、30~40%(v/v)、30~38%(v/v)、30~35%(v/v)、35~50%(v/v)、35~45%(v/v)、35~40%(v/v)、または35~38%(v/v)の濃度に希釈させることができ、例えば、20%(v/v)、25%(v/v)、30%(v/v)、または38%(v/v)の濃度に希釈させることができ、これに制限されるわけではない。
【0033】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、2次希釈段階は、アルコール(例えば、酒精および/またはエタノール)を5~30%(v/v)、5~25%(v/v)、5~20%(v/v)、5~17%(v/v)、10~30%(v/v)、10~25%(v/v)、10~20%(v/v)、10~17%(v/v)、13~30%(v/v)、13~25%(v/v)、13~20%(v/v)、13~17%(v/v)、16~30%(v/v)、16~25%(v/v)、16~20%(v/v)、または16~17%(v/v)の濃度に希釈させることができ、例えば16.8%(v/v)の濃度に希釈させることができ、これに制限されるわけではない。
【0034】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記塩を酒類内総含量が0.00001~0.01%(w/v)、0.00001~0.005%(w/v)、0.00001~0.001%(w/v)、0.00001~0.0008%(w/v)、0.00001~0.0006%(w/v)、0.00005~0.01%(w/v)、0.00005~0.005%(w/v)、0.00005~0.001%(w/v)、0.00005~0.0008%(w/v)、0.00005~0.0006%(w/v)、0.0001~0.01%(w/v)、0.0001~0.005%(w/v)、0.0001~0.001%(w/v)、0.0001~0.0008%(w/v)、0.0001~0.0006%(w/)、0.0002~0.01%(w/v)、0.0002~0.005%(w/v)、0.0002~0.001%(w/v)、0.0002~0.0008%(w/v)、0.0002~0.0006%(w/v)、0.0004~0.01%(w/v)、0.0004~0.005%(w/v)、0.0004~0.001%(w/v)、0.0004~0.0008%(w/v)、または0.0004~0.0006%(w/v)になるように添加することができ、例えば0.0005%(w/v)になるように添加することができ、これに制限されるわけではない。
【0035】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記攪拌する段階は、1~30℃、1~25℃、1~20℃、1~17℃、5~30℃、5~25℃、5~20℃、5~17℃、10~30℃、10~25℃、10~20℃、10~17℃、13~30℃、13~25℃、13~20℃、または13~17℃で行うことができ、例えば、15℃で行うことができ、これに制限されるわけではない。
【0036】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記攪拌する段階は、前記アルコールのpHが5~7である条件で行うことができ、これに制限されるわけではない。
【0037】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記攪拌する段階は、エアレーション、超音波処理、および/または湯煎処理する方法で行うことができ、これに制限されるわけではない。
【0038】
前記エアレーションは、1分~5分、1分~4分、1分~3分、1分~2分40秒、2分~5分、2分~4分、2分~3分、2分~2分40秒、2分10秒~5分、2分10秒~4分、2分10秒~3分、2分10秒~2分40秒、2分20秒~5分、2分20秒~4分、2分20秒~3分、または2分20秒~2分40秒間行うことができ、例えば、2分30秒間行うことができ、これに制限されるわけではない。
【0039】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記攪拌を行ったエタノールを静置させる段階;および前記静置させたエタノールをろ過する段階を追加的に含むことができ、これに制限されるわけではない。
【0040】
前記静置させる段階は、1~30℃、1~25℃、1~20℃、1~17℃、5~30℃、5~25℃、5~20℃、5~17℃、10~30℃、10~25℃、10~20℃、10~17℃、13~30℃、13~25℃、13~20℃、または13~17℃で行うことができ、例えば、15℃で行うことができ、これに制限されるわけではない。
【0041】
前記酒類の製造方法によって製造された酒類は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を含まない酒類と比較して苦味が低減された特徴を有することができ、これに制限されるわけではない。
【0042】
本明細書で提供される酒類は、官能評価によって苦味程度を確認することができ、前記官能評価は、5点を最高点にして検査を行うことができ、5点に近いほど苦味が弱く現れることを基準にして検査を行うことができる。当該官能評価を通じて測定された前記酒類の苦味点数は、湖塩、岩塩および天日塩からなる群より選択された1種以上の塩を含まない酒類と比較して、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、33%以上、または34%以上増加でき、前記点数が増加することは苦味が相対的に弱く現れることを意味することができ、これに制限されるわけではない。
【0043】
前記酒類の製造方法および/または酒類の苦味低減方法では、前記酒類は、酒類体積100%を基準にしてエタノールを5~30%(v/v)、5~25%(v/v)、5~20%(v/v)、5~17%(v/v)、10~30%(v/v)、10~25%(v/v)、10~20%(v/v)、10~17%(v/v)、13~30%(v/v)、13~25%(v/v)、13~20%(v/v)、13~17%(v/v)、16~30%(v/v)、16~25%(v/v)、16~20%(v/v)、または16~17%(v/v)の濃度で含むことができ、例えば16.8%(v/v)の濃度で含むことができ、これに制限されるわけではない。
【発明の効果】
【0044】
本明細書で提供する酒類は、塩を添加して酒類特有の苦味を除去して苦味が低減された特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】焼酎を製造する多様な製造方法による製造段階を示す模式図である。
図2】焼酎を製造する多様な製造方法による製造段階を示す模式図である。
図3】焼酎を製造する多様な製造方法による製造段階を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明を実施例を通じてより詳しく説明する。しかし、下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の権利範囲を制限しない。
【実施例
【0047】
実施例1.アンデス湖塩、ヒマラヤピンクソルトおよび土板塩を含む焼酎の製造
【0048】
実施例1-1.塩を含む焼酎の製造
95%(v/v)酒精に脱イオン水を加えてアルコール(エタノール)濃度が38%(v/v)になるようにした。前記希釈した酒精に0.088%(w/v)の活性炭を加えて8時間攪拌し珪藻土に通過させて脱臭ろ過した。脱臭ろ過を経た酒精に脱イオン水およびステビオシド0.003%(w/v)、食塩0.0005%(w/v)を加えながらアルコール含量16.8%(v/v)になるようにし、15℃、エアレーション2分30秒、前記酒精のpHが5.5~6.5になる条件下で攪拌した。
【0049】
攪拌後、苦味の低減化のために常温15℃で4時間静置させ、静置させた後に生産用ろ過パッド(厚さ:3.6mm、名目上孔径:1μm)を用いてろ過させ、ろ過させて得られた焼酎を375mL瓶に入れて焼酎を製造し、前記焼酎の製造方法の模式図を図2に示した。
【0050】
実施例1-2.塩種類によるミネラル含量分析およびこれによる焼酎製造
最上のミネラル含量を有する焼酎を製造するために、まず、様々な種類の塩に含まれているミネラル含量を分析した。
【0051】
具体的には、前記実施例1-1の製造方法では、前記食塩としてアンデス湖塩(アルゼンチン)、ヒマラヤピンクソルト(パキスタン)、新安土板塩(大韓民国全羅南道新安郡)と市中で購入した天日塩(壮版塩)および精製塩をそれぞれ0.0005%(w/v)加えて実質的に同様な方法で焼酎を製造し、下記表1の陽イオンおよび陰イオン条件のイオンクロマトグラフィーでミネラル含量を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0052】
【表1】
【表2】
(上記表2の単位はppmである)
【0053】
その結果、苦味を発生させるミネラル中のMg、Ca、Cl含量を考慮して、MgおよびCaの含量が少ない天然塩のうちのアンデス湖塩の割合を高く設定し、その次に官能的な側面を考慮して、ヒマラヤピンクソルトおよび土板塩順に割合を設定した。このような結果を考慮して、下記表3の具体的な構成含量を有する食塩を準備した。
【0054】
【表3】
(上記表3では、上記食塩内塩含量は全体食塩内での重量比を意味する(例:塩1はアンデス湖塩とヒマラヤピンクソルトを5:5の重量比で含むものを意味する))
【0055】
上記表3の構成含量を有する食塩の塩1~7を食塩として使用して、前記実施例1-1と実質的に同様な方法でそれぞれ試料1~7の焼酎を製造した。前記焼酎内のミネラル含量を前記ミネラル測定方法と実質的に同様な方法で測定し、その結果を下記表4に示した。
【0056】
【表4】
(上記表4の単位はppmである)
【0057】
実施例2.焼酎に含まれている塩種類および塩含量による官能検査
【0058】
実施例2-1.塩種類による官能検査
前記実施例1-2で製造したアンデス湖塩、ヒマラヤピンクソルト、新安土板塩および天日塩をそれぞれ全体焼酎含量の0.0005%(w/v)で含む焼酎に対して、焼酎に含まれている塩種類による苦味関連官能検査を実施した。
【0059】
具体的には、男女性別1:1の割合で、20代から50代の専門的に訓練された官能検査要員10人を選定して、いかなる情報も提供しないブラインド検査で官能検査を行い、サンプルの条件は多く露出される室温状態と冷蔵状態の2種類サンプルで行った。点数は5点が最高点であって、5点に近いほど苦味が弱く現れることを基準にして検査を行い、その結果を下記表5に示した。
【0060】
【表5】
(上記表5では、点数が高いほど(5点に近いほど)苦味が少ないことを意味する)
【0061】
その結果、アンデス湖塩、ヒマラヤピンクソルトおよび新安土板塩の官能検査の平均点数が4点を超え、天日塩は4点を超えなくて、前記三つの種類の塩が焼酎に添加された場合に焼酎の苦味が減少するということを確認し、特にアンデス湖塩を含む焼酎の点数が高いことを確認した。
【0062】
実施例2-2.塩含量による官能検査
前記実施例1-2で製造した多様な割合でアンデス湖塩、ヒマラヤピンクソルトおよび新安土板塩を全て合わせて全体焼酎含量の0.0005%(w/v)で含む焼酎試料1~7に対して、焼酎に含まれている塩含量による苦味関連官能検査を前記実施例2-1と実質的に同様な方法で実施し、その結果を下記表6に示した。
【0063】
【表6】
(上記表6では、点数が高いほど(5点に近いほど)苦味が少ないことを意味する)
【0064】
その結果、試料6の官能検査の点数が相対的に高くて、7:2:1(アンデス湖塩:ヒマラヤピンクソルト:土板塩)重量比の塩を含む場合、苦味が最も多く減少したことを確認し、8:1:1および6:3:1(アンデス湖塩:ヒマラヤピンクソルト:土板塩)重量比の塩を含む焼酎(試料7および試料5)も、苦味減少点数が高いことを確認した。
【0065】
実施例2-3.苦味が減少した焼酎の官能検査
前記実施例2-2の官能検査の結果、最も苦味が減少したと判断される試料6焼酎の苦味以外の総合的な味に対する官能検査を実施した。
【0066】
具体的には、前記実施例2-1の官能要員を対象にして検査を行い、甘味および苦味などに対する総合的な味に対する官能検査を行い、サンプルの条件は多く露出される室温状態および焼酎を通常保管する冷蔵状態で検査を行った。点数は5点を最高点にして、甘味および苦味の総合的な味に対する評価を行い、5点に近いほど総合的な味に優れたことを意味し、その結果を下記表7に示した。
【0067】
【表7】
(上記表7では、点数が高いほど(5点に近いほど)全体的な味が良いことを意味する)
【0068】
その結果、当該試料6の焼酎に対して全ての官能要員が高い点数を付与し、平均4.91の高い点数を受けて、苦味が減少しただけでなく、全体的な味も良いことを確認した。
【0069】
実施例2-4.塩の代わりに糖を添加する場合と比較
前記実施例2-2で高い評価を受けた試料6の焼酎と塩の代わりに糖が添加されている他の製品との苦味比較のために、官能検査を実施した。
【0070】
具体的には、前記実施例2-1の方法と実質的に同様な方法で、比較A~比較Eの焼酎と比較して、官能検査を実施し、比較A~比較Eの焼酎組成を下記表8に、前記官能検査結果を下記表9に示した。
【0071】
【表8】
【表9】
(上記表9では、点数が高いほど(5点に近いほど)苦味が少ないことを意味する)
【0072】
その結果、塩を含む試料6の焼酎は、塩の代わりに糖を含む他の焼酎と比較した時、より高い点数を受けて、苦味が相対的にさらに多く減少したことを確認した。
【0073】
実施例3.焼酎製造条件による官能検査
【0074】
実施例3-1.塩種類別焼酎製造条件による官能検査
前記実施例1-1で準備した焼酎に対して、焼酎製造条件による官能検査を焼酎に含まれている塩の種類別に実施した。
【0075】
具体的には、前記実施例1-2のアンデス湖塩、ヒマラヤピンクソルト、または新安土板塩をそれぞれ食塩として添加し、前記実施例1-1の製造方法でそれぞれ38%(v/v)、30%(v/v)、25%(v/v)、または20%(v/v)の濃度のエタノールを使用して、前記実施例1-1と実質的に同様な方法で製造する方法(表10)、攪拌温度を25℃、20℃、15℃、または10℃にして製造する方法(表11)、攪拌時一般的なsonication条件の超音波処理、40~50℃での湯煎、またはエアレーション2分30秒を行って製造する方法の三つの方法で焼酎を製造し(表12)、前記各三つの方法で製造された焼酎の官能検査を前記実施例2-1と実質的に同様な方法で官能検査を実施し、その結果をそれぞれ下記表10~12に示した。下記表10~12の結果値は、前記実施例2-1と実質的に官能検査後に官能要員1~10の点数の平均値を記載したものである。
【0076】
【表10】
【表11】
【表12】
(上記表10~12では、点数が高いほど(5点に近いほど)苦味が少ないことを意味する)
【0077】
その結果、前記塩が含まれている焼酎製造時、エタノール濃度が38%(v/v)、15℃温度で、エアレーション処理を行う場合、最も苦味が減少したことを確認した。
【0078】
実施例3-2.多様な焼酎製造条件による官能検査
前記実施例1-1で準備した焼酎に対して、焼酎製造条件による官能検査を実施した。
【0079】
具体的には、前記実施例1-2の塩6を食塩として添加して攪拌温度を15℃とし、エタノール濃度を38%(v/v)、30%(v/v)、25%(v/v)、または20%(v/v)にして前記実施例1-1の製造方法と実質的に同様な方法で製造する方法で、攪拌時、エアレーション2分30秒、一般的なsonication条件の超音波処理および40~50℃での湯煎を行う方法に分けて各方法で焼酎を製造し、このように製造した焼酎で前記実施例2-1と実質的に同様な方法で官能検査を実施し、その結果を下記表13~15に示した。
【0080】
【表13】
【表14】
【表15】
(上記表13~15では、点数が高いほど(5点に近いほど)苦味が少ないことを意味する)
【0081】
その結果、15℃でエアレーションを処理した場合、超音波処理した場合、湯煎した場合の全てにおいて、エタノール濃度が38%(v/v)である場合、官能検査点数が高くて、38%(v/v)エタノール濃度で苦味が最も多く減少したことを確認した。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
【国際調査報告】