(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】取り外し可能なカバーとディスプレイとを備えたエアロゾル発生デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240125BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20240125BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/60
A24F40/65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533393
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2021087333
(87)【国際公開番号】W WO2022161715
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 顕
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC01
4B162AC34
4B162AC37
4B162AD41
(57)【要約】
本発明は、メインハウジングを備えた本体であって、エアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させるように構成された本体200と、メインハウジングに取り外し可能に取り付けられてメインハウジングの外面の一部を覆うカバー300とを備えるエアロゾル発生デバイス100に関する。カバーは、その外部から見える表面の一部として、電子ペーパー、電子インク、又はメモリインピクセル(MIP)LCDディスプレイなどの非発光反射型ディスプレイ技術を使用してユーザカスタマイズ可能なコンテンツを表示する、電子ディスプレイ330を備える。磁気結合要素(210)は、カバーを本体に取り外し可能に取り付ける手段を提供することができ、有線インタフェース(340)又は無線インタフェースが、カバーを本体に電気的に接続するために提供され得る。無線インタフェースはまた、リモートデバイス(400)と通信するためにも使用され得る。ディスプレイはまた、ユーザ入力を受信するために、タッチ感知式であってもよい。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生デバイスであって、
メインハウジングを備えた本体であって、エアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させるように構成されている本体と、
前記メインハウジングの外面の一部を覆うために前記メインハウジングに取り外し可能に取り付けられるか、又は接続されるカバーと、
を備え、
前記カバーは、その外部から見える表面の一部として、非発光反射型ディスプレイ技術を使用する電子ディスプレイを備え、ディスプレイピクセルは発光しないが、周囲光の散乱及び反射によって見える、
エアロゾル発生デバイス。
【請求項2】
前記電子ディスプレイが、電子ペーパー又は電子インクディスプレイを備えるか、又はそれらから実質的に構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項3】
前記電子ディスプレイが、メモリインピクセル(MIP)ディスプレイを備えるか、又はそれから実質的に構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項4】
前記電子ディスプレイが、グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン、及び/又は単色を表示するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項5】
グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン、及び/又は単色の前記表示が、前記カバー及び/又は前記電子ディスプレイに提供される表示情報に基づく、請求項4に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項6】
前記グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン、及び/又は単色の前記表示が、前記エアロゾル発生デバイスの操作情報に基づく、請求項4又は5に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項7】
前記操作情報の変化に基づいて、前記表示が変化する、請求項6に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項8】
前記エアロゾル発生デバイスには前記カバー又は電子ディスプレイと前記本体との間に有線接続が設けられている、請求項5~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項9】
前記有線接続が、前記本体から前記カバー及び/又は電子ディスプレイに電力を供給するように構成されている、請求項8に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項10】
前記有線接続が、前記表示情報及び/又は前記操作情報を通信するように構成されている、請求項8又は9に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項11】
前記カバー及び/又は電子ディスプレイには、リモートデバイス及び/又は前記本体から前記表示情報及び/又は前記操作情報を受信するための無線インタフェースが設けられている、請求項5~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項12】
前記リモートデバイスが、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又はサーバであるか、又はそれらを備える、請求項11に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項13】
前記本体には、前記表示情報及び/又は前記操作情報を前記カバー又は前記電子ディスプレイに通信するための無線インタフェースが設けられている、請求項11に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項14】
前記無線インタフェースが、Bluetooth Low Energy(BLE)インタフェースである、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項15】
前記カバーが、前記メインハウジングに設けられた1つ又は複数のそれぞれの磁気対向結合要素と相互作用する、前記カバーに設けられた1つ又は複数の磁気結合要素を介して、前記メインハウジングに取り外し可能に取り付けられている、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生デバイスに関し、特に、ディスプレイを有するカバーを含むエアロゾル発生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
市場で一般的に見られるエアロゾル発生デバイスは、通常、エアロゾル発生デバイスのユーザが消費するための消耗品からエアロゾルを発生させるために構成されたメインユニットを含む。エアロゾル発生基材を含む消耗品は容易に交換又は置き換えできるが、エアロゾル発生デバイスは個人用デバイスとして扱われることが多く、通常、損傷、誤動作、又は故障の場合を除いて長期間交換されない。しかしながら、一般的に入手可能なエアロゾル発生デバイスは、視覚的及び装飾的な装飾物を介してエアロゾル発生デバイスをカスタマイズ及び個人化する可能性が非常に限られている。外部から見える部分には彫刻、又は同様の手段によって装飾物が施される場合があるが、これらの装飾物は通常永久的なものであり、除去又は変更するのは困難又は不可能である。したがって、エアロゾル発生デバイスのユーザは、エアロゾル発生デバイスを一度個人化することしかできない。ユーザが、カスタマイズされたエアロゾル発生デバイスにその後新たにカスタマイズされた外観を提供したい場合には、まだカスタマイズされていない新しいエアロゾル発生デバイスを購入する必要がある。しかしながら、これはコストと材料の無駄の増加につながる。これと対照的に、ステッカー、又はフィルム包装紙など、物理的又は化学的接着又は吸着に依存する非永続的なカスタマイズ手段で生成された装飾物は交換又は変更することができ、それに必要とする努力は限定的である。しかしながら、これらの装飾物は耐久性に欠けており、時間の経過とともにすぐに劣化する。
【0003】
したがって、ほとんど労力を必要とせずに容易に変更及び手直しできる、耐久性があり長期にわたる視覚的なカスタマイズの可能性を提供するエアロゾル発生デバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的のいくつか又はすべては、独立請求項の特徴によって定義される本発明によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の特徴によって定義される。
【0005】
第1の態様では、本発明は、メインハウジングを備えた本体であって、エアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させるように構成された本体と、メインハウジングに取り外し可能に取り付けられるか又は接続されてメインハウジングの外面の一部を覆うカバーとを備えるエアロゾル発生デバイスである。カバーは、その外部から見える表面の一部として、非発光反射型ディスプレイ技術を使用する電子ディスプレイを備え、個々のディスプレイピクセルは発光しないが、周囲光の散乱及び反射によって見える。
【0006】
非発光反射型ディスプレイ技術を使用する電子ディスプレイは、そのようなディスプレイ技術が通常、能動的に発光するディスプレイよりもはるかに少ないエネルギーしか必要としないため、有利である。LCD又はOLEDテクノロジーを使用した従来の電子ディスプレイとは対照的に、非発光及び反射型ディスプレイはエネルギー消費がはるかに低くなる。更に、従来のディスプレイとは対照的に、反射型ディスプレイは、エネルギー消費を増加させることなく、より明るい周囲条件下でディスプレイに表示されるコンテンツの可読性と視認性を向上させ、一方、LCD又はOLEDテクノロジーを備えた従来のディスプレイは、それぞれ、より明るいバックライト又はより明るい個別の発光ピクセルを必要とし、適切な可読性と視認性を確保するためにエネルギー消費量が増加する。したがって、非発光及び反射型ディスプレイは、エネルギー消費が低いため、エアロゾル発生デバイスでの使用に非常に適しており、エアロゾル発生デバイスに設けられた電源が急速に消耗する危険性なしに、ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツをディスプレイに長時間表示できる。加えて、ディスプレイを本体から取り外しできる取り外し可能なカバー上に設けることにより、必要な場合にディスプレイのメンテナンス、修理、交換が容易になる。
【0007】
第2の態様によれば、第1の態様において、電子ディスプレイは、電子ペーパー又は電子インクディスプレイを備えるか、又はそれらから実質的に構成される。
【0008】
第2の態様は、電子ペーパー又は電子インクディスプレイは、ディスプレイ上に表示されるコンテンツを変更するときにのみエネルギーが消費されるので、エネルギー消費が非常に低いため、有利である。これにより、静的コンテンツをほぼ無制限に表示できる。このため、このディスプレイは、静的なコンテンツ、又はディスプレイの更新サイクルが長いコンテンツを長期間にわたって表示するのに特に適している。
【0009】
第3の態様によれば、第1の態様において、電子ディスプレイはメモリインピクセル(MIP)ディスプレイを備えるか、又はそれから実質的に構成される。
【0010】
第3の態様は、典型的なMIPディスプレイが、エネルギー消費が低減されているにもかかわらず、一般的なLCDディスプレイの機能を提供するため、有利である。MIPディスプレイでは、回路メモリが各ピクセルに埋め込まれており、定期的なリフレッシュを必要とせずにピクセル情報を保持する。これにより、低エネルギー消費で動的コンテンツを表示できる低エネルギー消費のディスプレイが実現する。
【0011】
第4の態様によれば、第1~第3の態様のいずれかにおいて、電子ディスプレイは、グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン、及び/又は単色を表示するように構成される。
【0012】
第4の態様によれば、ディスプレイは、ユーザの個人的な好みに応じた外観をエアロゾル発生デバイスに提供するために、ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツを表示することができる。
【0013】
第5の態様によれば、第4の態様において、グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン、及び/又は単色の表示は、カバー及び/又は電子ディスプレイに提供される表示情報に基づく。
【0014】
第5の態様は、提供される表示情報を変更することによりディスプレイに表示されるコンテンツの外観を容易に変更することによって達成されるので、有利である。
【0015】
第6の態様によれば、第4又は第5の態様のいずれか1つにおいて、グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は単色の表示は、エアロゾル発生デバイスの操作情報に基づく。
【0016】
第6の態様は、エアロゾル発生デバイスの操作状態を示す情報をユーザに示すことができるため、有利である。
【0017】
第7の態様によれば、第6の態様において、操作情報の変化に基づいて表示が変化する。
【0018】
第7の態様は、エアロゾル発生デバイスの操作状態を示す情報の変化をユーザに示すことができるため、有利である。
【0019】
第8の態様によれば、第5から第7の態様のいずれか1つにおいて、エアロゾル発生デバイスにはカバー又は電子ディスプレイと本体との間に有線接続が設けられる。
【0020】
第8の態様は、本体とカバー又はディスプレイとの間で電子情報及び電気信号を交換するための費用効率が高く信頼性の高い手段を提供するため、有利である。
【0021】
第9の態様によれば、第8の態様において、有線接続は、本体からカバー及び/又は電子ディスプレイに電力を供給するように構成される。
【0022】
第9の態様は、カバー及び/又は電子ディスプレイに専用の電源を設ける必要がなくなるため、有利である。これにより、カバーをより薄く、より軽くすることができる。
【0023】
第10の態様によれば、第8又は第9の態様のいずれか1つにおいて、有線接続は、表示情報及び/又は操作情報を通信するように構成される。
【0024】
第10の態様は、電子ディスプレイ上にどのコンテンツが表示されるかに基づいて、情報をカバー及び/又は電子ディスプレイに直接且つ確実に通信できるため、有利である。
【0025】
第11の態様によれば、第5から第10の態様のいずれか1つにおいて、カバー及び/又は電子ディスプレイには、リモートデバイス及び/又は本体から表示情報及び/又は操作情報を受信するための無線インタフェースが設けられる。
【0026】
第11の態様は、どのコンテンツがディスプレイに表示されるかに基づいて、情報が、カバー及び/又は電子ディスプレイがリモートデバイスに有線で接続されることを必要とせずに、ユーザによってカバー及び/又は電子ディスプレイに都合よく通信され得るため、有利である。加えて、このような情報は、カバーを本体から物理的に取り外した場合にも通信することができる。
【0027】
第12の態様によれば、第11の態様において、リモートデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又はサーバであるか、又はそれらを備える。
【0028】
第12の態様は、どのコンテンツがディスプレイ上に表示されるかに基づいて、情報が容易にアクセスされ、保存され、カバー及び/又は電子ディスプレイに通信され得るため、有利である。
【0029】
第13の態様によれば、第12の態様において、本体には、表示情報及び/又は操作情報をカバー又は電子ディスプレイに通信するための無線インタフェースが設けられる。
【0030】
第13の態様は、ディスプレイ上にどのコンテンツが表示されるかに基づいて、有線接続に伴う損耗なしに情報を通信できるため、有利である。加えて、このような情報は、カバーが本体から物理的に取り外された状態でも通信可能である。
【0031】
第14の態様によれば、第11から第13の態様のいずれか1つにおいて、無線インタフェースは、Bluetooth Low Energy(BLE)インタフェースである。
【0032】
第14の態様は、BLEが広く採用され、十分に文書化され、標準化された無線通信技術であり、幅広い電子デバイスとの互換性を確保しているため、有利である。
【0033】
第15の態様によれば、第1~第14の態様のいずれか1つにおいて、電子ディスプレイは、カバーの外部から見える表面の50%以上を構成する。
【0034】
これにより、電子ディスプレイ上に表示されるユーザがカスタマイズ可能なコンテンツの視覚効果が強化され、エアロゾル発生デバイスに所望の視覚的外観が提供される。
【0035】
第15の態様による第16の態様によれば、電子ディスプレイは、エアロゾル発生デバイスを動作させるためのタッチ入力を受け取るためのタッチ感知ディスプレイであるか、又はそれを含む。
【0036】
第16の態様は、ユーザが電子ディスプレイを使用してエアロゾル発生デバイスを操作することを更に可能にし、したがってエアロゾル発生デバイスに均一な外観を提供するためにボタン、又はスイッチなどの代替入力手段の量を減らすことができるため、有利である。
【0037】
第17の態様によれば、第1~第16の態様のいずれか1つにおいて、カバーは、メインハウジングに設けられた1つ又は複数のそれぞれの磁気対向結合要素と相互作用する、カバーに設けられた1つ又は複数の磁気結合要素を介して、メインハウジングに取り外し可能に取り付けられる。
【0038】
第17の態様は、信頼性があり、便利で、機械的損耗のないカバーを本体に着脱する手段を提供するため、有利である。
【0039】
第18の態様によれば、第1~第17の態様のいずれか1つにおいて、本体が、1つ又は複数のインタフェース要素を備えるメインハウジングの表面に設けられる。
【0040】
第19の態様によれば、第18の態様において、1つ又は複数のインタフェース要素は、操作入力要素、発光インジケータ、又は充電インタフェースのうちの1つ又は複数を含む。
【0041】
第20の態様によれば、第19の態様において、1つ又は複数のインタフェース要素のうちの1つ又は複数はカバーによって覆われ、したがってエアロゾル発生デバイスの外部からは見えない。
【0042】
第21の態様によれば、第20の態様において、カバーがメインハウジングから取り外されると、カバーによって覆われた1つ又は複数のインタフェース要素のうちの1つ又は複数が露出され、外部にアクセス可能になる。
【0043】
第18~第21の態様は、ユーザが電子的及び/又は電気的な情報及び信号をエアロゾル発生デバイスに対話すること、又は提供することを可能にするため、有利である。充電インタフェースなどのインタフェース、又はボタンなどの操作入力要素は、未使用時にはカバーで隠して保護することができ、それと同時にカバーを本体から取り外すだけで簡単にアクセスできるようになる。
【0044】
第22の態様によれば、第1~第21の態様のいずれか1つにおいて、カバーは、メインハウジングに取り外し可能に取り付けられるか、又は接続されるとき、第1の向き及び/又は第1の位置から第2の向き及び/又は第2の位置まで、メインハウジングに対してスライド可能又は回転可能に構成される。
【0045】
第23の態様によれば、第22の態様において、カバーが第2の向き及び/又は第2の位置にあると、カバーによって覆われた1つ又は複数のインタフェース要素のうちの1つ又は複数が露出され、外部にアクセス可能になる。
【0046】
第22及び第23の態様の利点は、物理的にカバーを取り外す必要なしに、カバーを回転させることによってカバーによって覆われた本体の任意の部分に容易にアクセスできるので、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1A-1B】本発明の実施形態による、エアロゾル発生デバイスの側面図及び上面図の略図をそれぞれ示す。
【
図2A-2C】本発明の実施形態による、エアロゾル発生デバイスの上面図、エアロゾル発生デバイスのメインハウジングの上面図、及びエアロゾル発生デバイスのカバーの底面図の略図をそれぞれ示す。
【
図3】リモートデバイスと通信する本発明の実施形態によるエアロゾル発生デバイスの本体及びカバーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の好ましい実施形態は、以下に、添付の図面と併せて説明される。
【0049】
本発明の以下の詳細な説明において、向き又は位置関係を示す、「一端」、「他端」、「外側」、「上」、「上方」、「内側」、「下」、「下方」、「水平」、「同軸」、「中央」、「端」、「部分」、「長さ」、「外端」などの用語は、図面に示す向き又は位置関係に基づいていることを理解すべきである。空間内の相対位置を示すために本明細書で使用される「上」、「上方」、「下方」、「下」などの用語は、別のユニット又は特徴の関係と比較して図面に示したユニット又は特徴を説明するために、解説を容易にする目的で使用される。空間内の相対位置の用語は、図に示したもの以外の使用中又は操作中のデバイスの様々な向きを含むことを意図している場合がある。例えば、図中のデバイスが裏返されている場合、他のユニット又は特徴の「下方」又は「下」にあると説明されたユニットは、他のユニット又は特徴の「上方」にあることになる。したがって、例示的な用語「下方」は、上方と下方の両方の向きを含むことができる。デバイスは、(90度又は他の向きで回転された)他の方法で方向づけることができ、本明細書で使用される空間関連の記述語は、それに応じて解説される。より具体的には、「上方」という語は、1つのユニット、層又は要素が、他のユニット、層又は要素に向かって、デバイスの外部方向に相対的に配置又は構成されることを意味し、「下方」という語は、1つのユニット、層又は要素が、他のユニット、層又は要素に向かってデバイスの内部方向に相対的に配置又は構成されることを意味する。
【0050】
図1A及び1Bは、水平の向きに配置されたエアロゾル発生デバイス100の側面図及び平面図をそれぞれ示す。エアロゾル発生デバイス100は、メインハウジングを有する本体200と、本体200のメインハウジングに取り外し可能に取り付けられるカバー300とを備える。本体200は、ユーザが消費するエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生ユニットを収容するように構成される。エアロゾル発生デバイス100は、典型的には、エアロゾル発生基材を含む消耗品110を加熱及び/又は受け取るためのエアロゾル発生ユニットを備える。エアロゾル発生デバイス100は、電子タバコであってもよく、eベイパー又はtベイパーエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させるように構成されていてもよい。例えば、加熱ユニットは、タバコスティック又は同様の消耗品110を収容するように構成された容器を備えてもよく、加熱要素が、容器、及び容器内に収容されたタバコスティックを加熱するように構成されていてもよい。代替として、容器は、液体などのエアロゾル発生基材が入っているカートリッジを受け入れるために構成されてもよく、加熱ユニットは、芯材要素又は同様のもの及び芯材要素を加熱するために構成された加熱要素を含んでもよい。
【0051】
エアロゾル発生デバイス100はまた、交換可能及び/又は再充電可能な電源とすることができる電源を含んでもよく、追加として、再充電可能な電源を充電するための充電ポート又はデータ転送線として機能するUSBポート又は同様のインタフェースと、回路とが設けられてもよい。回路は、処理ユニット及び/又はメモリユニットを備えることができる。カバー300は、本体200の上方に配置され、メインハウジングから取り外し可能である。カバー300が取り外し可能であるとは、カバー300が、エアロゾル発生デバイス100のユーザにより、メインハウジングから、いかなる追加の工具又は支援も必要とすることなく、ユーザが片手又は両手を利用することにより取り外し可能であることを意味する。
【0052】
エアロゾル発生デバイス100は、エアロゾル発生デバイス100を維持するときのユーザの快適さを改善するために細長い形状を有し得る。エアロゾル発生デバイス100の長手方向は、エアロゾル発生デバイス100が細長く延びる方向である。
図1A及び
図1Bに示す実施形態では、エアロゾル発生デバイス100の長手方向は水平方向に相当する。
図1Bに示すように上から見たとき、カバー300は、メインハウジング200からカバー300へのシームレスな移行に寄与するように、メインハウジング200の形状に対応する形状を有することが好ましい。好ましい実施形態では、カバー300は磁気手段を介してメインハウジングに取り付けられる。
【0053】
カバー300は、実質的に平面である中央部と、メインハウジング200とカバー300との間に空間を配置し又は囲んでカバー300をメインハウジング200に隣接させるように湾曲した、又は曲がった1つ又は複数の周辺又は外周部とを有することができ、その空間内に1つ又は複数の操作入力要素230を配置することができる。代替として、カバー300は、中央部が1つ又は複数の周辺又は外周部の曲率よりも小さい曲率を有し、連続的に湾曲した形状を有してもよい。
【0054】
図2Aに示すように、電子ディスプレイ330には、本体200の代わりにカバー300が設けられている。これはいくつかの点で有利である。これにより、必要に応じて、ディスプレイ330のメンテナンス及び起こり得る修理が簡素化される。ディスプレイ330が損傷した場合、又はメンテナンスが必要な場合、カバー300を本体200から取り外すことができ、ディスプレイ330及びそのコンポーネントのいずれかにアクセスすることが簡単且つ便利になる。更に、ユーザはディスプレイ330を構成するカバー300全体を簡単に交換できるので、欠陥のあるディスプレイ330を交換するのがより便利である。これは、欠陥のあるディスプレイ330を取り外すために特別な工具を必要とする、及び/又はメインハウジング200を開ける必要があるようなメインハウジング200に備えられたディスプレイ330を交換するよりも、便利である。これは、例えば損耗、又は人的ミスにより、エアロゾル発生デバイス100に意図しない偶発的な損傷をもたらす可能性がある。ディスプレイ330は、本体200のメインハウジングに取り付けられたときにエアロゾル発生デバイス100の外側から見えるカバー300の外面の一部を形成する。ディスプレイ330の外面は、カバー300が滑らかな外面を有するように、ディスプレイ330が設けられるカバー300の周囲の外面と面一になるように配置されることが好ましい。或いは、提供されるディスプレイ330の耐久性に応じて、ディスプレイ330の外面は、周囲のカバー300の外面よりわずかに凹んで配置されてもよい。これにより、エアロゾル発生デバイス100が未使用時に、例えば平坦な面上に置かれたときに、ディスプレイ330の外面が潜在的に有害な影響を受けることが防止される。ディスプレイ330には、ディスプレイ330の外面の少なくとも一部又は全部を形成する保護層が更に設けられてもよい。
【0055】
カバー300は、実質的に平面である中央部と、カバー300が本体200のメインハウジングに隣接することを可能にするように湾曲した又は曲げられた1つ又は複数の周辺部又は外周部とを有してもよい。代替として、カバー300は、中央部が1つ又は複数の周辺又は外周部の曲率よりも小さい曲率を有し、連続的に湾曲した形状を有してもよい。ディスプレイ330は、一般に、ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツを表示するのに適した任意のサイズ及び形状を有することができるが、電子ディスプレイ330は、カバー300の外部から見える表面の50%超を構成し、ディスプレイ330上に表示されるユーザカスタマイズ可能なコンテンツによって達成され得る視覚的外観を向上させることが好ましい。ディスプレイ330は平面ディスプレイであることが好ましく、したがってカバー300の平面部分の一部として設けられることが好ましいが、ディスプレイ330はまた、湾曲した形状のカバー300の部分の一部として設けられ得る曲面ディスプレイであってもよい。
【0056】
電子ディスプレイ330は、非発光及び反射型ディスプレイ技術を備える。このディスプレイ技術は、個々のピクセルが背景照明からの光を透過したり発光したりするように構成されていないという点で、透過型LCD技術や発光LED技術を備えた一般的に使用されているディスプレイとは異なる。むしろ、非発光反射型ディスプレイ330の個々のピクセルは、周囲光を反射及び散乱させて個々のピクセルを可視化するように構成される。一般に使用される透過型又は発光型ディスプレイと比較して、非発光反射型ディスプレイ330上に表示されるコンテンツの可読性及び視認性は、明るい周囲照明条件下では低下するのではなく、向上する。バックライトや発光ピクセルがないため、反射型ディスプレイはエネルギー効率が高くなる。結果として、非発光反射型ディスプレイ330は、エネルギー消費が非常に低く、電子タバコを含むエアロゾル発生デバイス100などの携帯用個人用デバイスに特に適している。
【0057】
カバー300は、任意の適切な手段を介して本体200のメインハウジングに取り外し可能に取り付けられ得る。このような手段は、圧入接続、スナップフィット接続、インターロック手段などの機械的手段を含んでもよく、又は、磁気接続を提供するための磁気手段、若しくはそれらの組み合わせを含んでもよい。
図2B及び
図2Cに示すように、本体200には磁気結合要素210が設けられてもよい。更に、カバー300には、磁気対向結合要素310が設けられてもよい。磁気結合要素210及び磁気対向結合要素310は、永久磁石及び対応する永久磁石又は強磁性コンポーネントを含んでもよく、或いはその逆でもよい。
【0058】
カバー300には、メインハウジング200を備えた本体200と、カバー300並びにカバー300に含まれるディスプレイ330との間の有線接続を確立するために、メインハウジングに設けられた有線インタフェース240に電気的及び/又は電子的に接続するための有線インタフェース340が設けられてもよい。有線接続は、本体とカバー300との間で電気的及び電子的な信号及び情報を交換するためのものである。電気信号の交換は、カバー300及びディスプレイ330が別個の専用電源を備えていない場合、本体200からカバー300及びディスプレイ330に電力を供給することを含んでもよい。加えて、本体200及び/又はディスプレイ330を備えたカバー300には、無線インタフェースが設けられてもよい。無線インタフェースは、本体200とディスプレイ330を備えたカバー300との間で電子情報を通信するためのものであってもよい。加えて、又は代わりに、無線インタフェースは、リモートデバイスと本体200及び/又はディスプレイ330を備えたカバー300との間で電子情報を通信するためのものであってもよい。
【0059】
電子ディスプレイ330は、非発光反射型ディスプレイ330を備えるか、又は実質的にそれらからなる。非発光反射型ディスプレイ330は、電子ペーパー又は電子インクディスプレイ、又はメモリインピクセル(MIP)LCDディスプレイを備え得るか、又は実質的にそれらからなり得る。加えて、反射型ディスプレイ、電子ペーパー若しくは電子インクディスプレイ、又はMIP LCDディスプレイの利点を有することは、エネルギー消費が非常に低いため、更に有利である。これは、静的画像又は静止画像の表示を維持するためにエネルギーがほとんど又はまったく必要とされないためである。電子ペーパー又は電子インクディスプレイでは、帯電及び染色された粒子が薄層に含まれており、個々のピクセルの外観は、帯電及び染色された粒子を含む薄層の上下に設けられた複数の電極を介して制御される。電極を介して層全体の極性を変更すると、染色された粒子が見えるようになり、したがって個々のピクセルの外観が作成される。MIPディスプレイは、バックライト光源の代わりに反射ベース層を備えた反射型LCDディスプレイを利用する。したがって、反射性ベース層によって反射される周囲光により、個々のピクセルが見えるようになる。加えて、MIPディスプレイでは、それぞれの個々のピクセルに回路メモリ、通常はSRAMが設けられる。回路メモリにより、一般的なLCD又はOLEDディスプレイでは通常30Hz~120Hzの周波数で発生するピクセル状態の継続的なリフレッシュを必要とする代わりに、個々のピクセル状態を保存できる。電子ペーパー又は電子インクディスプレイ、並びにMIP LCDディスプレイでは、静止画像は個々のピクセル状態を常に更新する必要がないため、そのような静止画像を長期間表示するのにほとんどエネルギーを必要としない。これにより、電子ペーパー又はインクディスプレイ、並びにMIP LCDディスプレイは、エアロゾル発生デバイス100の外部にユーザがカスタマイズ可能な視覚的外観を提供するために、ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツを表示するためのディスプレイ330内での使用又はディスプレイ330としての使用に特に適したものとなる。
【0060】
図3に示すように、本体200とカバー300は、ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツをディスプレイ330に表示するための情報を異なる方法を使用して通信し、交換するように構成されていてもよい。ディスプレイ330は、グラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン、及び/又は単色のうちの1つ又は複数を含むがこれらに限定されない、様々なユーザカスタマイズ可能なコンテンツを表示するように構成されていてもよい。利用されるディスプレイのタイプに応じて、表示されるコンテンツはカラー及び/又は単色であり、静的又は動的であってもよい。ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツを表示するために、ディスプレイ330を備えたカバー300には、表示されるユーザカスタマイズ可能なコンテンツを記憶するためのメモリが設けられてもよい。或いは、ユーザがカスタマイズ可能なコンテンツをディスプレイ330に直接提供することもできる。本体200とカバー300にそれぞれ設けられた有線インタフェース240、340の間に確立された有線接続を使用して、ユーザカスタマイズ可能なコンテンツが本体200からカバーメモリ及び/又はディスプレイ330に提供されてもよい。有線インタフェース240及び340は、FPC/FCCコネクタを備えることが好ましいが、任意の適切な有線インタフェースを利用することができる。或いは、本体200とカバー300にそれぞれ無線接続を確立するための無線インタフェース241、341を設けてもよく、無線インタフェースを介してユーザがカスタマイズ可能なコンテンツを提供してもよい。加えて、又は代わりに、ユーザカスタマイズ可能なコンテンツは、最初に無線インタフェース241を介してリモートデバイス400から本体200に提供され、その後、上記の詳細な方法及び手段のいずれかを使用してカバー300に提供され得る。或いは、ユーザカスタマイズ可能なコンテンツは、無線インタフェース341を使用して、リモートデバイス400からカバー300及び/又はディスプレイに直接提供されてもよい。リモートデバイス400は、スマートフォン又はパーソナルコンピュータなどのパーソナル電子デバイス、及びサーバ又はクラウドストレージを含み得る。好ましい実施形態では、カバー300及び/又はディスプレイ330は、Bluetooth Low Energy(BLE)無線インタフェースを介して本体200及び/又はリモートデバイス400と通信するように構成される。
【0061】
ユーザカスタマイズ可能なコンテンツを表示する場合、コンテンツは上記の詳細な方法及び手段のいずれかを使用してカバー300及び/又はディスプレイ330に提供され得、コンテンツの表示はユーザからの入力に基づいて行われ得る。例えば、複数のグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色をカバー300及び/又はディスプレイ330に提供することができ、ユーザは、エアロゾル発生デバイス100に備えられた入力手段を介して、又はリモートデバイス400を介して、ディスプレイ330に入力を提供することができ、複数のグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色のうちのどの1つ又は複数がディスプレイ330上に表示されるかに基づいて表示情報を提供することができる。提供される表示情報は、表示される単一のグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色、又は周期的に表示及び変更される複数のグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色を示し得る。加えて、又は代わりに、ユーザカスタマイズ可能なコンテンツは、上記で詳細に説明した有線又は無線接続のいずれか1つを使用してカバー300及び/又はディスプレイ330に提供される、エアロゾル発生デバイス100の操作情報に基づいて表示され得る。例えば、ユーザカスタマイズ可能なコンテンツは、限定ではないが、バッテリ充電レベル、エアロゾルを発生させるための操作温度、エアロゾル発生基材の残量、ユーザによる最後のメンテナンス操作以降の合計操作時間とユーザのパフの量を含む、エアロゾル発生デバイス100の操作状態に関する情報に基づき得る。例えば、操作情報及び/又は操作情報への変更に基づいて、特定のグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色が表示され得る。加えて、又は代わりに、表示されるグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色は、色又は明るさが変化し、及び/又は異なるグラフィックオブジェクト、画像、視覚パターン及び/又は色に変化してもよい。
【0062】
ユーザが、エアロゾル発生デバイス100を制御するため、及び/又はディスプレイ330上に表示されるユーザカスタマイズ可能なコンテンツの表示を制御するために、エアロゾル発生デバイス100に入力を提供できるようにするために、ディスプレイ330は、タッチ入力を受信するように構成されたタッチ感知ディスプレイを備えるか、又はタッチ感知ディスプレイから実質的に構成され得る。加えて、又は代わりに、ボタン、スイッチ、トグル、データインタフェース充電インタフェース、及びLED光源などの発光インジケータを含むインタフェース要素が、本体200のメインハウジング上でアクセス可能であるように提供されてもよい。加えて、インタフェース要素は、カバー300が本体200のメインハウジングに取り付けられたときにカバー300によって覆われ、その結果、エアロゾル発生デバイス100の外側からアクセスできず、見えなくなるように設けられてもよい。本体200のメインハウジングに対してカバー300を取り外すか、そうでなければ移動させることにより、ユーザがインタフェース要素にアクセスできるようにすることができる。
【0063】
本開示では、特定の実施形態及び一般的に関連する方法について説明してきたが、これらの実施形態及び方法の改変形態及び置換形態は、当事業者にとって明らかにであろう。したがって、例示的な実施形態についての上記の説明は、本開示を定義又は制限するものではない。独立請求項及び従属請求項によって規定されるような本開示の範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び改変も可能である。
【符号の説明】
【0064】
100 エアロゾル発生デバイス
110 消耗品
200 メインハウジングを備えた本体
210 取り付け手段
240 本体有線インタフェース
241 本体無線インタフェース
300 カバー
310 取り付け手段
330 ディスプレイ
340 カバー有線インタフェース
341 カバー無線インタフェース
400 リモートデバイス
【国際調査報告】