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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】鳥給餌システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 39/01 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A01K39/01 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535370
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2021050085
(87)【国際公開番号】W WO2022148530
(87)【国際公開日】2022-07-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521160616
【氏名又は名称】スイスインノ ソリューションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウォルスタッド,デニス
【テーマコード(参考)】
2B102
【Fターム(参考)】
2B102AA07
2B102AB02
2B102AB24
2B102AB28
2B102AB32
2B102AB36
2B102AB46
2B102AC01
(57)【要約】
本発明は、鳥給餌システムを開示し、その鳥給餌システムは、散乱又は落下した飼料をトレイで捕捉し、鳥がそれに近づけなくすることによって、鳥給餌システムを使用する鳥が地面に食品を散乱又は落下させることを防ぐという事実によって特徴づけられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥飼料貯蔵容器(5)と、
給餌ステーション(6)と、
前記給餌ステーション(6)から散乱又は落下した飼料を収集するためのトレイ(9)と
を備える鳥給餌システム(1)であって、
前記トレイ(9)が、前記給餌ステーション(6)から散乱又は落下した前記飼料に鳥が近づけないようにすることを特徴とし、
前記トレイ(9)が、トレイ部材(11)と、分離装置(10)とを備える、
鳥給餌システム(1)。
【請求項2】
前記トレイ部材(11)及び前記分離装置(10)が、単一の構成部品から作られる、又は、互いに分離可能であることを特徴とし、
前記分離装置(10)が、前記散乱又は落下した飼料に前記鳥が近づけないようにする、
請求項1に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項3】
前記鳥給餌システム(1)、特に、前記トレイ(9)が、給餌中に鳥が止まることを可能にする少なくとも1つの鳥止まり装置を備えることを特徴とし、
前記鳥止まり装置が好ましくは、前記給餌ステーション(6)を囲んでいる、
請求項1又は2に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項4】
前記分離装置(10)が、前記給餌ステーション(6)とトレイ部材(11)との間に配置されることを特徴とし、
前記分離装置(10)が、好ましくは、使用時に、前記飼料貯蔵容器(5)及び/又は給餌ステーション(6)の下端部に取り付けられる、漏斗部材又は格子部材を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項5】
前記トレイ(9)又は前記トレイ部材(11)が、好ましくは、ロック及び/又はスライド機構を使用して、前記飼料貯蔵容器(5)及び/又は前記給餌ステーション(6)の底部に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項6】
前記トレイ(9)が、排水は可能であるが、飼料、外皮、又は飼料の殻の通過にはあまりに小さいように構成された少なくとも1つのトレイ排水開口(12)を備え、特に、前記トレイ排水開口(12)の最大径が0.3cmであることを特徴とする、
請求項1~5のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項7】
前記給餌ステーション(6)が、使用時、実質的に前記飼料貯蔵容器(5)の下3分の1に配置され、少なくとも1つの給餌ポート(7)、好ましくは、4つの給餌ポート(7)を備え、鳥が飼料に近づくことを可能にすることを特徴とし、
前記給餌ポート(7)が、前記飼料貯蔵容器(5)に開口を提供し、前記開口が、飼料、外皮、及び/又は殻が詰まらないだけ十分に広く、特に、前記給餌ポート(7)の直径が2cmであり、それによって、飼料が好ましくは、重力によって前記給餌ポート(7)から取り除かれると、再供給され、前記給餌ポート(7)が、前記鳥が前記飼料を入手できるようにする収集装置と、少なくとも1つのポート排水開口(13)とを備え、
前記ポート(7)排水開口が、水の排水のためには十分小さいが、飼料の通過のためには十分な大きさではなく、特に、前記ポート(7)排水開口の直径が最大0.3cmである、
請求項1~6のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項8】
前記鳥給餌システム(1)が、カバー(2)を備えることを特徴とし、
前記カバー(2)が好ましくは、略凸形状を有し、
前記カバー(2)が好ましくは、使用時、前記鳥給餌システムの頂部に、より好ましくは、前記飼料貯蔵容器(5)の頂部に取り付けられる、
請求項1~7のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項9】
前記トレイ(9)が、少なくとも1つの上縁を備えることを特徴とし、
前記トレイ部材(11)の前記上縁及び前記分離装置(10)が、使用時、垂直方向に互いに1.5cmの最大間隔で配置され、好ましくは、前記トレイ部材(11)又は前記分離装置(10)が他方を取り囲んでいる、
請求項1~8のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項10】
前記トレイ(9)が、前記給餌ステーション(6)を水平に囲んでおり、好ましくは、円形又は楕円形のベース領域を示すことを特徴とし、
前記トレイ(9)の前記縁部が、前記トレイ(9)の中心から外側に曲げられ、好ましくは、半円を形成し、鳥が止まる若しくは立つ面を提供する、及び/又は、前記給餌ステーション(6)へのアクセスを提供する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項11】
前記飼料貯蔵容器(5)が、好ましくは、円錐状又は砂時計形状の上半分による、頂部から底部まで減少する断面を有することを特徴とする、
請求項1~10のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項12】
前記飼料貯蔵容器(5)が、透明又は半透明の材料から少なくとも部分的に作られ、好ましくは、ガラス又はアクリルガラスを備えることを特徴とする、
請求項1~11のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項13】
前記鳥給餌システム(1)が、吊り下げ部材(3)を備えることを特徴とし、
前記吊り下げ部材(3)が、好ましくは、前記カバー(2)及び/又は前記飼料貯蔵容器(5)の少なくとも1つの穴を通して、前記カバー(2)及び/又は前記飼料貯蔵容器(5)に取り付けるための締結要素(4)を備え、それにより、前記トレイ(9)が、使用時、地面と略平行に配置される、
請求項1~12のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項14】
前記カバー(2)が、好ましくは、前記吊り下げ部材のための穴を通して、前記飼料貯蔵容器(5)に取り外し可能に接続されることを特徴とし、
前記カバーが好ましくは、前記吊り下げ部材に沿って摺動可能であり、及び/又は、前記カバー(2)が、開放装置、好ましくは、フラップを備え、再補充する/空にするための前記飼料貯蔵部へのアクセスを可能にする、
請求項1~13のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【請求項15】
前記トレイ(9)、カバー(2)、及び/又は給餌ステーション(6)が、非多孔性半硬質若しくは硬質プラスチック、金属、ガラス、及び/又は木を備えることができることを特徴とする、
請求項1~14のいずれか一項に記載の鳥給餌システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散乱又は落下した飼料が地面に降下しないが、鳥が近づくことができないトレイに収集され、鳥がさらに飼料を散乱又は落下させることを防ぐことを保証する鳥給餌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鳥給餌システムは一般に、当該技術分野において知られており、野鳥に給餌及び野鳥を誘引するために使用される。それらの給餌システムは、鳥を誘引するために、飼料を使用する。
【0003】
鳥給餌システムは通常、屋外に保管され、観察者は鳥への給餌を見ることができる。
【0004】
飼料が散乱又は落下したときに地面に降下することを防ぐトレイ、プラットフォーム、又は収集装置をする鳥給餌システムがある。
【0005】
米国特許出願公開第20090260576A1号は、鳥給餌捕捉装置を開示しており、その装置は、落下又は散乱した飼料を捕らえて、地面に降下することを防ぐために、給餌ステーションの下の鳥給餌システムに取り付けることができる。
【0006】
しかしながら、鳥は依然として鳥飼料に近づくことができ、給餌中、鳥は飼料をさらに散乱及び落下させ、依然として、鳥給餌システムの下の植生の成長を妨げる可能性がある。さらに、スズメのような一部の鳥は、地面上での給餌を好み、地面から食べるために、さらに飼料を故意に散乱させる。無駄にされた飼料は、他の害獣への給餌になるだけでなく、より多くの飼料を購入し、次に、地面から収集する必要があることも意味し、それは鳥に給餌する人にとって、無駄が多く及び/又は厄介なものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、先行技術のこれらの欠点を克服し、飼料が地面上に降下せず、及び/又は、齧歯類及び害獣のような好ましくない動物に提供可能ではないが、同時に、観察可能でありながら、鳥給餌システム上で鳥に給餌可能とすることができるような装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項による鳥給餌システムによって解決される。
【0009】
特に、この目的は、飼料貯蔵容器、給餌ステーション、及びトレイを備える鳥給餌システムによって解決される。トレイは、散乱又は落下した飼料を収集し、同時に、鳥が散乱又は落下した飼料に近づけないようにし、トレイ部材及び分離装置を備える。
【0010】
鳥給餌システムの使用時、トレイは、給餌ステーションの下の領域を覆い、散乱又は落下した飼料がトレイを実質的に通過できないことを保証する。飼料に鳥が近づけないようにすることによって、散乱又は落下した飼料は再び散乱及び落下され得ず、地面に降下しないので、飼料が地面に落ちないことが保証される。飼料が地面上に散乱すると、飼料は腐敗及び分解することがあり、飼料は使用不可能になり、不快臭を発生させる。
【0011】
鳥給餌システムの下の植生は、動物が飼料屑を通してかきむしることがなく、よりよく育つことができる。飼料屑を食べる齧歯類のような望ましくない動物を防ぐことを通して、これは、そのような動物から食物源を奪うことに役立ち、鳥に給餌する人の人数をより少なくする。
【0012】
さらにまた、システムは無駄が多くなく、及び、鳥に給餌する人に多くの作業をさせることなく、自由に再循環させてもよい落下した飼料を収集する。同時に、散乱又は落下した飼料は、地面に堆積せず、清掃に費やす時間を必要としない。
【0013】
トレイは、飼料の収集を可能にし、鳥に給餌する人が飼料に近づくことを容易にし、同時に、厳しい風及び大雨のような環境条件に対して保護される。
【0014】
トレイ部材及び分離装置は、単一の構成部品から作ることができる、又は、互いに分離可能とすることができる。分離装置は、散乱又は落下した飼料に鳥が近づけないようにする。
【0015】
トレイ部材及び分離装置が1つの構成部品を形成する場合、ふくらみ及び/又はトレイの狭くなっている側壁により、鳥が飼料に近づけないようにすることができる。鳥はトレイの狭い壁を通り抜けることができない、又は、鳥はふくらみによって妨げられるので、鳥が飼料をさらに散乱又は落下させることが阻止される。鳥がトレイに入ることができないようにトレイが非常に深いことも考えられるであろう。
【0016】
他方で、トレイと分離可能な分離装置は、トレイ部材を個別に取り外し可能に取り付けることができるという利点を有する。よって、トレイ部材に収集された飼料には、鳥に給餌する人が容易に近づくことができ、飼料貯蔵容器に再供給することができる、又は、処分することができる。
【0017】
鳥給餌システム、特に、トレイは、給餌中に鳥が止まることを可能にする少なくとも1つの鳥止まり装置を備えることができる。鳥止まり装置は好ましくは、給餌ステーションを囲んでいる。
【0018】
鳥止まり装置は、給餌中に鳥が止まることを可能にし、鳥給餌ステーションをよりアピール可能なものとする。さらにまた、鳥止まり装置は、観察者が鳥の食事を観察することを可能にする。
【0019】
止まり装置を備えるトレイが給餌ステーションを囲むことが望ましいが、それは、その場合、鳥は給餌ステーションに向かい、給餌ステーションの飼料に近づくために鳥の背中が給餌ステーションから離れる方向に向けられるので、糞が通常は鳥給餌システム上に落ちないためである。したがって、トレイは好ましくは、所望の鳥の実例がトレイの縁部から無理なく餌を食べることができるだけ十分に大きく、トレイの縁部が止まり装置である。これは、材料コストを最小限に維持し、よりコンパクトな鳥給餌システムを作ることに役立つ。
【0020】
次に、鳥給餌システム上の糞が少ないほど、鳥に給餌する人が清掃する労力はより少なくてすみ、糞がトレイの散乱又は落下した飼料と混ざることを最小限にすることに役立つ。
【0021】
鳥給餌システムのトレイ又はトレイ部材は、好ましくは、ロック及び/又はスライド機構を使用して、飼料貯蔵容器及び/又は給餌ステーションの底部に取り外し可能に取り付けることができる。
【0022】
取り外し可能に取り付けられるトレイ又は取り外し可能に取り付けられるトレイ部材により、鳥に給餌する人は、散乱又は落下した飼料に簡単に近づくことができる。特にトレイ部材は取り外し可能であることが望ましく、それは、散乱又は落下した飼料へのアクセスが、分離装置によって妨げられず、より簡単な方法で、取り除く又は再利用することができるためである。
【0023】
トレイ又はトレイ部材はロック及び/又はスライド機構によって取り付けることが特に望ましく、それは、鳥に給餌する人が、トレイ又はトレイ部材を取り外す又は取り付けるツールに依存する必要がないためである。
【0024】
分離装置は、給餌ステーションとトレイ部材との間に配置することができる。分離装置は、好ましくは、使用時に、飼料貯蔵容器及び/又は給餌ステーションの下端部に取り付けられる、漏斗部材又は格子部材を備えることができる。
【0025】
分離装置としての格子部材は、散乱又は落下した飼料の収集に特によく適しており、散乱又は落下した飼料に鳥が近づけないようにするが、それは、格子部材が多くの材料を必要としないためである。したがって、格子部材は安価な方法で作成することができ、同時に、給餌ステーションとトレイ部材との間に水平に並べられたときにごくわずかな高さしかない。格子部材の使用により、トレイを全体としてわずかな高さにすることができ、さらに材料コストを節約できる。格子部材は、ワイヤ、プラスチック、金属、又はロープのような異なる材料も備える可能性がある。グリッドの開口は好ましくは、屑は開口を簡単に通り抜けるが、鳥は依然として届かないように、使用される飼料に適合される。
【0026】
漏斗部材は、落下又は散乱した飼料に鳥が近づけないようにすることもでき、トレイで落下又は散乱した飼料を収集する。
【0027】
トレイの小さい区画又は領域に収集することが望まれる設計では、漏斗部材は、散乱又は落下した飼料を収集するために有利である。
【0028】
給餌ステーションとトレイ部材との間の飼料貯蔵容器及び/又は給餌ステーションの下端部に分離装置を取り付けることにより、給餌ステーションと分離装置との間の距離は短くなる。給餌ステーションと分離装置と間の距離が短いことにより、飼料は、鳥給餌ステーションから簡単には散乱又は落下せず、分離装置を通過して終わることを保証するのに役立つ。その分離が給餌ステーションから垂直方向にさらに離れるほど、屑を収集するために設計しなければならない領域はより大きくなる。よって、少なくとも鳥の止まり装置のために必要とされているトレイに加えて、たとえば、トレイ部材の下の外部分離装置とは対照的に、さらに材料コストは減少される。
【0029】
したがって、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、トレイ部材の内側に、又は、トレイ部材を覆う、分離装置を配置することは特に有利である。
【0030】
トレイは、排水は可能であるが、飼料、外皮、又は飼料の殻の通過にはあまりに小さいように構成された少なくとも1つのトレイ排水開口を備えることができる。特に、トレイ排水開口の最大径は0.3cmである。
【0031】
排水開口は、散乱及び落下した飼料が雨又は露のために湿った又は濡れたままではないことを保証することに役立つ。したがって、排水開口は、飼料が腐敗すること、及び、トレイが水で満たされることを防ぐ。
【0032】
給餌ステーションは、少なくとも1つの給餌ポート、好ましくは、4つの給餌ポートを備えることができ、鳥が飼料に近づくことを可能にする。
【0033】
給餌ポートは、飼料貯蔵容器に開口を提供し、開口は、飼料、外皮、及び/又は殻が詰まらないだけ十分に広い。
【0034】
特に、給餌ポートの直径又は幅は2cmであり、それによって、飼料は好ましくは、重力によって給餌ポートから取り除かれると、再供給される。
【0035】
さらに、給餌ポートは、鳥が飼料を入手できるようにする収集装置と、少なくとも1つのポート排水開口とを備える。ポート排水開口は、水の排水のためには十分小さいが、飼料の通過のためには十分な大きさではなく、特に、ポート排水開口の直径は最大0.3cmである。
【0036】
十分に広く、ポート排水開口を備える給餌ポートは、湿度、又は飼料、外皮、及び/又は殻のかみ合いによる詰まりの阻止に役立つ。さらに、飼料が濡れるのを防ぐことで、腐敗の防止に役立ち、したがって、鳥が腐った飼料を食べること及び病気になることの防止に役立つ。できるだけ多くの可能であるが無駄ではない飼料を使用するために、ポート排水開口は、飼料が通過できるほど大きくはないことも有利である。
【0037】
給餌ポートは、重力によって飼料が再供給されることが望ましく、それは、鳥に給餌する人の労力を必要とせず、給餌ステーションが飼料貯蔵容器の下端部に格納されて以降、飼料貯蔵容器の飼料を完全に使い果たすことができることを保証するためである。収集装置は、鳥が飼料に近づくことを可能にし、飼料が無駄になることなく連続的に再供給されるのに十分な空間及び境界を提供する。
【0038】
鳥給餌システムは、カバーを備えることができ、カバーは好ましくは、略凸形状を有し、カバーは好ましくは、使用時、鳥給餌システムの頂部に、より好ましくは、飼料貯蔵容器の頂部に取り付けられる。
【0039】
使用時、鳥給餌システムは、環境の影響に対してカバーで保護できることが有利である。
【0040】
カバーは、鳥給餌システムを雨から保護するのに役立ち、そのため、飼料の腐敗を防ぐ。さらに、雨からの保護により、給餌ステーションが濡れることを防ぐ。給餌ステーションが濡れた場合、飼料が給餌ポートに詰まり、使い果たされたときの飼料の再供給を妨げることがあり、そのため、鳥給餌システムが使えなくなる。さらにまた、カバーは、鳥に多少の陰を提供して、鳥をより快適にすることがあり、暑い日中に鳥を引きつけることがある。
【0041】
カバーは、好ましくは、飼料貯蔵容器上に取り付けられ、同時に、飼料貯蔵容器のための保護手段の役割を果たすことができ、その保護手段は、貯蔵された飼料を保護するために、いずれにしても、所定の位置にある必要がある。さらに、カバーは、猛禽の犠牲になることに対する保護を提供し、そのため、鳥に守られていると感じさせ、より多くの鳥を引きつけることがある。
【0042】
略凸形状が望ましく、それは、多くの材料を必要とせず、同時に、液体がその頂部にたまって、カバーを侵食することがなく、鳥給餌システムの寿命を延ばすことを保証するためである。
【0043】
トレイは、少なくとも1つの上縁を備えることができ、トレイ部材の上縁及び分離装置は、使用時、垂直方向に互いに1.5cmの最大間隔で配置され、好ましくは、トレイ部材又は分離装置が他方を取り囲んでいる。
【0044】
トレイの上縁と分離装置との間の1.5cmの最大間隔により、トレイの高さを比較的小さくすることができ、一方で、材料費用を節約できることが保証される。間隔が大きい場合、トレイは、さらに飼料に近づけないようにするために、より深くなければならない。この最大高さ間隔により、製造が安価である全体的にコンパクトなデザインが可能になる。
【0045】
他方で、トレイの上縁と分離装置との間の小さい間隔は有利であり、それは、鳥は、トレイの縁部に加えて、分離装置上にも止まることができるためである。これにより、小さい鳥も給餌ステーションに近づくことが可能となり、同時に、トレイの上縁と分離装置との間の小さい高さ間隔のために、依然として、小さい鳥を観察者に見えるようにするという利点を与える。
【0046】
トレイは、給餌ステーションを水平に囲んでいることができ、好ましくは、円形又は楕円形のベース領域を示し、トレイの縁部は、トレイの中心から外側に曲げられ、好ましくは、半円を形成し、鳥が止まる若しくは立つ面を提供する、及び/又は、給餌ステーションへのアクセスを提供する。
【0047】
給餌ステーションを囲む円形又は楕円形のベース領域は有利であるが、それは、複数の側からの複数の鳥が給餌ステーションに近づくことができ、同時に、依然として観察者が見ることができるためである。
【0048】
外側に曲げられているトレイの縁部は別の利点であるが、それは、このデザインは、材料コストを節約し、止まり木のような追加の装置の必要なしに、鳥が止まる又は立つ場所を提供する。さらに、屈曲縁部は、トレイが汚される又は変色することを防ぐ。鳥の汚れ及び糞は、トレイの側部上ではなく、トレイの湾曲したコーナ上にのみ落下し、それは、美観を損ない、より清掃集約的である。
【0049】
飼料貯蔵容器は、好ましくは、円錐状又は砂時計形状の上半分による、頂部から底部に減少する断面を有することができる。
【0050】
飼料貯蔵容器の断面は、飼料貯蔵容器の長手方向軸を横切る断面である。長手方向軸は、使用位置において、中心の頂部から底部まで延在する。
【0051】
頂部から底部への断面の減少は、より多くの飼料を鳥給餌システムに貯蔵することができ、同時に、高さを増加させる必要はないという明らかな利点を提供する。これは、飼料貯蔵容器の補充にあまり時間を必要とせず、より長い時間、鳥に給餌することができ、その一方で、より効果的なデザインを特徴とすることを意味する。他方で、飼料貯蔵容器が使用時にその下端部でより小さい断面を有するように設計される場合、鳥に飼料貯蔵容器のまわりでの収集するに十分な空間を残すため、有利である。したがって、ベースが給餌ステーションを囲んでいることを増加させる必要はない。これは、さらに材料を節約し、結果としてよりコンパクトなデザインになる。
【0052】
飼料貯蔵容器は、透明又は半透明の材料から少なくとも部分的に作ることができ、好ましくは、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネートプラスチック、又はガラスを備える。
【0053】
一方で、透明又は半透明の材料は、飼料貯蔵容器の充填レベルを見ることができるので、鳥に給餌する人に対して利点を提供する。
【0054】
他方で、このデザインは、鳥が飼料の供給をより簡単に認識することを可能にすることがあり、そのため、より多くの鳥を引きつけることがある。
【0055】
鳥給餌システムは、吊り下げ部材を備えることができ、吊り下げ部材は、好ましくは、カバー及び/又は飼料貯蔵容器の少なくとも1つの穴を通して、カバー及び/又は飼料貯蔵容器に取り付けるための締結要素を備えることができ、それにより、トレイは、使用時、地面と略平行に配置される。
【0056】
吊り下げ部材は、鳥給餌システムを地面から持ち上げ、齧歯類のような望ましくない動物が鳥飼料に近づくことを防ぐという利点を有する。持ち上げられた位置は、猫のような潜在的な捕食者から鳥を保護することにも役立ち、その結果として、より多くの鳥を引きつける。吊り下げ部材は、鳥給餌システムを地面から持ち上げることを実現する非常に安価な方法でもあり、それは、ロープ又は被覆線及び締結要素のような極めて少ない材料しか必要としないためである。吊り下げ部材は、鳥給餌システムのトレイを地面と平行に調整するための手段も提供する。これを実現する1つの方法は、鳥給餌システムの重心の上に、吊り下げ部材を取り付けるようになっており、そのため、自動的にトレイを地面と平行に位置合わせする。別の可能性は、鳥給餌システムのいくつかの側部に吊り下げ部材を取り付けることであり、それは、鳥給餌システムを位置合わせすることを可能にする。
【0057】
吊り下げ部材のための手段が利用できない場合、追加のポールが同様に鳥給餌システムのために考えられるであろう。
【0058】
カバーは、好ましくは、吊り下げ部材のための穴を通して、飼料貯蔵容器に取り外し可能に接続することができ、カバーは好ましくは、吊り下げ部材に沿って摺動可能であり、及び/又は、カバーは、開放装置、好ましくは、フラップを備えることができ、補充する/空にするための飼料貯蔵部へのアクセスを可能にする。
【0059】
取り外し可能に接続されているカバー及び/又は開放装置は、飼料貯蔵容器への簡単なアクセスを可能にし、鳥に給餌する人が飼料貯蔵容器に補充すること又は空にすることをより簡単にする。
【0060】
吊り下げ部材に沿ったスライド機構は、カバーを所定の位置に確実に固定する利点を提供し、同時に、カバー上向きに摺動させて、飼料貯蔵容器を補充する追加のツールを必要としないため、望ましいであろう。
【0061】
さらに、カバーは、吊り下げ部材若しくは締結手段及び重力によってその位置に保持のみであることも考えられるであろう。
【0062】
トレイ、カバー、及び/又は給餌ステーションは、非多孔性半硬質若しくは硬質プラスチック、金属、ガラス、及び/又は木を備えることができる。
【0063】
鳥給餌システムは、長い期間、環境状態に耐えることができる必要がある。同時に、使用される材料は、安価で、製造が簡単でなければならない。
【0064】
非多孔性半硬質若しくは硬質プラスチック、金属、ガラス、及び/又は木は、これらの特徴を満たし、したがって、鳥給餌システムでの使用に有利である。
【0065】
以下において、本発明の実施形態が図で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明による鳥給餌システムを側面図で示す。
図2】本発明による鳥給餌システムを斜視側面図で示す。
図3】本発明による鳥給餌システムを斜視側面図で示す。
図4】本発明による鳥給餌システムを斜視上面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図の同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【0068】
図1は、吊り下げ部材3と、締結要素4と、カバー2と、飼料貯蔵容器5と、給餌ステーション6と、トレイ部材11を備えるトレイ9と、いくつかの給餌ポート7とを有する本発明による鳥給餌1システムを示す。鳥給餌システムは、意図された使用位置でもある直立位置で示されている。鳥給餌システム1は、締結要素4を通して、ポリスチレンプラスチックからなるカバー2及びアクリルガラスから作られた飼料貯蔵容器5に取り付けられる吊り下げ部材3を使用することにより取り付けることができる。
【0069】
締結要素4は、カバー2の穴及び飼料貯蔵容器5の穴を有するふくらみによって実現される。
【0070】
吊り下げ部材3は、ビニル被覆ステンレス鋼ケーブルから作られる。チェーンの使用も、異なるバージョンの吊り下げ部材として、想定される可能性がある。鳥給餌システム1は、吊り下げ部材3のループによって、又は、結ぶことによって、枝などの持ち上げられた位置に取り付けることができる。カバー2は、鳥及び飼料を環境の影響から保護する凸形状を有し、約10cmであるベース円の半径を有する球欠を示す。トレイ9のトレイ部材11のベース領域の最大半径も約10cmである。さらにまた、トレイの側部は、内向きに曲げられて、縁部を形成し、変形に対するさらなる安定性を与え、さらに、側部の底部における丸み付き縁部を特徴とする。
【0071】
図1に示されるように、飼料貯蔵容器5は、依然としてコンパクトなまま、最大量の飼料の貯蔵空間を提供するために、頂部においてより大きい断面を有する。
【0072】
飼料貯蔵容器5の下端部において、ベース領域断面は円錐形に減少し、飼料貯蔵容器の最低部に取り付けられる4つの給餌ポート7を有する給餌ステーション6に近づく鳥のための空間を作る。
【0073】
鳥の止まり装置14の役割をするために、トレイ9の縁部は曲げられて、半円を形成する。止まり装置14に加えて、丸み付き縁部は、鳥がトレイの側壁を汚さない備えとして働く。
【0074】
図2は、鳥給餌システムを斜視側面図で示す。図2は、給餌ステーション6の給餌ポート7が、飼料、外皮、及び/又は殻が詰まらせないように十分に広い給餌ポート7の開口を通して、飼料が重力で自動的に供給される収集装置8を備えることを示す。たとえ、それらが飼料又は濡れた飼料で詰まったとしても、給餌ステーションは4つの給餌ポート7を備えているので、鳥は、依然として餌を食べることができる。特に、給餌ポートの開口は、2cmの幅を有し、半円を形成する壁によって互いに接続される、飼料貯蔵容器5から略半径方向に離れるように導かれる2つの直線状側壁から構成される収集装置8を備え、側壁間の距離は2cmである。
【0075】
さらに、図2は、トレイ9が、どちらもプラスチック材料から作られるトレイ部材11及び分離装置10を備えることを示す。このバージョンでは、分離装置10は、散乱又は落下した場合に飼料が通過するために十分に大きいメッシュサイズを有する格子であり、トレイ部材11の内側に配置される。メッシュサイズは特に、1cmのサイズである。トレイ部材11は、鳥が分離装置10の格子を通して飼料に到達できず、食品が一度通過すると鳥を近づけさせないように、十分に深い。
【0076】
分離装置10は、給餌ステーション6に固定的に接続されるが、トレイ部材11は、より簡単に取り外して空にするために、給餌ステーション6にロック機構で取り外し可能に取り付けられるだけである。
【0077】
トレイ9の縁部及び分離装置10の格子で形成される表面は、鳥が止まって餌を食べる手段として働く。トレイ9の縁部は、給餌ステーションのまわりの止まり木に類似した、鳥のための止まり装置14として働くために、外向きの半円で形づくられる。トレイ9は、給餌ステーションを囲む円形ベース領域を有し、それにより、複数の鳥が、鳥給餌ステーション1から同じ距離で止まって給餌ステーションに近づくことができる。
【0078】
図3は、鳥給餌ステーション1の底部を斜視側面図で示し、カバー2の締結要素4、飼料貯蔵容器5、トレイ9及びトレイ部材11、並びにトレイ排水開口12を示す。
【0079】
トレイ9は、水がトレイにたまらず、トレイに落下した飼料が、腐敗せず、地面にも落下しないことを確実なこととする複数のトレイ排水開口12を備える。トレイ排水開口12は、基本的に0.3cmのサイズであり、トレイの中心から外向きに線に沿って一直線に並ぶ。
【0080】
鳥給餌システム1のこの実施形態は、4つの対角材によって支持されたトレイ部材11の中央に上向きの円錐状隆起を示す。対角材は、摩擦の増加を支援し、分離装置に対して基本的に45°までトレイを回して、ラッチを解除し、トレイの取り外すのに役立つ。この円錐状隆起は、給餌ステーションを受け入れるために使用される平坦域で終わり、ロック機構によって給餌ステーションに接続する。図3は、鳥のための止まり装置14として働く屈曲上縁を有するトレイ9の円錐形状も示す。
【0081】
図4は、鳥給餌システム1を斜視上面図で示す吊り下げ部材3を受けて締結するための2つの締結要素を備えた、頂部の保護カバー2(図1参照)と、ポート排水開口13を備える給餌ポート7を備える給餌ステーション6とを有する。ポート排水開口13は、給餌ポート7からの水の排出を可能にするが、飼料が通過するにはあまりに小さい。これは、湿った飼料による給餌ポートの開口の詰まりを防ぎ、飼料が食べられるままであることに役立つ。
【0082】
図4は、給餌ステーション6に係止結合を受けるために平坦面を形成し、同時に、トレイ部材11に安定性を与えるトレイ部材の中央の円錐状隆起も特徴とする。
【0083】
図4は、分離装置10及びトレイ部材11を備えるトレイ9も示し、トレイ部材11のトレイ排水開口12を特徴とする。分離装置10の格子及び止まり装置14は、鳥が止まって休むこと、及び/又は、給餌ステーションに近づくことの両方を可能にすることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】