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特表2024-504582ヨウ素(I2)を回収するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ヨウ素(I2)を回収するための方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 7/14 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
C01B7/14 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541358
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 US2022070158
(87)【国際公開番号】W WO2022155650
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/137,472
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/572,542
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】チウ、ユオン
(72)【発明者】
【氏名】コプカリ、ハルク
(72)【発明者】
【氏名】ワン、タオ
(72)【発明者】
【氏名】ユーリック、ケビン
(57)【要約】
ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れからヨウ素(I)を回収する方法は、流れをアルカリ溶液と接触させて、ヨウ化物塩を形成すること、流れを吸着剤と接触させて、流れから水を選択的に吸着すること、流れを濃酸と接触させて、流れから水蒸気を吸収すること、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華若しくは凝縮させて、固体若しくは液体ヨウ素(I)を形成すること、又は流れを材料と接触させて、材料が、材料の相変化を通して潜熱を吸収すること及び顕熱を吸収することのうちの少なくとも1つを行う際に、流れからヨウ素(I)蒸気を凝縮若しくは逆昇華させること、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素(I)を回収する方法であって、前記方法が、
ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れを提供することと、
前記流れをアルカリ溶液と接触させて、ヨウ化物塩を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、亜硫酸カリウム(KSO)、亜硫酸水素カリウム(KHSO)、亜硫酸カルシウム(Ca(SO)、亜硫酸水素カルシウム(Ca(HSO、亜硫酸リチウム(LiSO)、亜硫酸水素リチウム(LiHSO)、亜硫酸マグネシウム(Mg(SO)、亜硫酸水素マグネシウム(Mg(HSO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物から形成された水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヨウ化物塩中のヨウ化物をヨウ素(I)に変換することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記提供するステップにおいて、前記流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供され、前記流れが、水蒸気を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記流れが、不活性ガスを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ヨウ素(I)を回収する方法であって、前記方法が、
ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、
前記流れを吸着剤と接触させて、前記流れから水を選択的に吸着することと、を含む、方法。
【請求項7】
前記提供するステップにおいて、前記流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接触させるステップの後に、前記ヨウ素(I)蒸気を前記ヨウ素(I)乾燥プロセスにリサイクルすることを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記接触させるステップの後に、前記ヨウ素(I)蒸気を逆昇華させて、ヨウ素(I)を回収することを更に含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記吸着剤が、3A、4A、5A、若しくはXH-9のモレキュラーシーブ、アルミナ、硫酸カルシウム、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、ヨウ化カルシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記吸着剤を90℃~120℃の温度に加熱して、前記吸着剤に付着したヨウ素を気化させ、次いで前記吸着剤を約150℃~約350℃に加熱して、前記吸着剤から水を脱着させることによって前記吸着剤を再生することを更に含む、請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記流れが、不活性ガスを更に含む、請求項6~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ヨウ素(I)を回収する方法であって、前記方法が、
ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、
前記流れを濃酸と接触させて、前記流れから前記水蒸気を吸収することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記提供するステップにおいて、前記流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記接触させるステップの後に、前記ヨウ素(I)蒸気を前記ヨウ素(I)乾燥プロセスにリサイクルすることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年1月14日に出願された米国仮特許出願第63/137,472号に対する利益を主張する、2022年1月10日に出願された米国特許出願第17/572,542号に対する優先権を主張するものであり、これらは両方とも、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ヨウ素(I)を使用するプロセスから、特に、ヨウ素(I)を乾燥させるために使用されるプロセスから、ヨウ素(I)を回収するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
無水ヨウ化水素(HI)は、ヨウ化水素酸、有機及び無機ヨウ化物、ヨードアルカンの調製において、並びに還元剤として使用され得る重要な工業化学物質である。
【0004】
ヨウ化水素(HI)の商業生産では、ヨウ素(I)は、以下の方程式1に示すように、出発物質として使用されることが多い。
方程式1
+I→2HI
【0005】
原料(ヨウ素及び水素)は、HIとともに同伴され得る水を含有する。次に、ヨウ化水素(HI)中の水の存在は、ほとんどの合金に対して腐食性であるヨウ化水素酸を作り出し、それによって、下流の製造及び処理設備に損傷を引き起こす。水はまた、いくつかのプロセスにおいて、HI生成物の品質に有害であり得る。
【0006】
更に、水、ヨウ素(I)、及びHIは、三元混合物を形成することができる。水の存在は、この混合物の形成をもたらす可能性があり、これも腐食性であり、生成物分離に有害な影響を及ぼし、収率の低減をもたらす場合がある。
【0007】
ヨウ素(I)から水を除去するために使用される方法は、ヨウ素(I)の損失をもたらし得る。したがって、必要とされているのは、普通なら損失するはずのヨウ素(I)を回収する方法である。
【発明の概要】
【0008】
本出願は、ヨウ素(I)を使用するプロセスからヨウ素(I)を回収するための方法を提供する。
【0009】
一実施形態では、ヨウ素(I)を回収する方法は、ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れを提供することと、流れをアルカリ溶液と接触させて、ヨウ化物塩を形成することと、を含む。
【0010】
別の実施形態では、ヨウ素(I)を回収する方法は、ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、流れを吸着剤と接触させて、流れから水を選択的に吸着することと、を含む。
【0011】
別の実施形態では、ヨウ素(I)を回収する方法は、不活性ガス、水蒸気、及びヨウ素(I)蒸気を含む流れを提供することと、流れを濃酸と接触させて、流れから水蒸気を吸収することと、を含む。
【0012】
別の実施形態では、ヨウ素(I)を回収する方法は、ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華又は凝縮させて、固体又は液体ヨウ素(I)を形成することと、を含む。
【0013】
別の実施形態では、ヨウ素(I)を回収する方法は、ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れを提供することと、流れを材料と接触させて、材料が、材料の相変化を通して潜熱を吸収すること及び顕熱を吸収することのうちの少なくとも1つを行う際に、流れからヨウ素(I)蒸気を凝縮又は逆昇華させることと、を含む。
【0014】
他の実施形態は、先の実施形態のいずれかを組み合わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、ヨウ素を乾燥させるために使用されるものなどのガス流からヨウ素(I)を回収するための方法を提供する。ヨウ素(I)を乾燥させる、又はヨウ素(I)から水を除去するためのそのような方法は、両方とも「METHODS FOR REMOVING WATER FROM IODINE(I)」と題された同時係属中の米国特許出願第63/137,463号及び同第17/572,547号に開示されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、ヨウ素(I)から水を除去するための方法は、ヨウ素(I)を、加熱された窒素(N)、空気、二酸化炭素(CO)、アルゴン、ヘリウム、又は例えば、ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン(HCFC-123)、1-クロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、ジフルオロメタン(HFC-32)、ヨウ化水素(HI)、及びトリフルオロヨードメタン(CFI)などのヨウ素(I)に不活性な任意の他のガスの流れと接触させることを含むことができる。
【0016】
ヨウ素(I)は、多段ストリッピングカラムを介して不活性ガスと接触することができる。ヨウ素(I)は、多段ストリッピングカラムの頂部に供給され、不活性ガスは、カラムの底部に供給される。湿潤ヨウ素(I)と乾燥不活性ガスとの間の向流接触は、徐々に増加し、それによってより多くの水を除去し、非常に低い残留含水量を有する、カラムの底部に現れるヨウ素(I)をもたらす。リボイラは、ヨウ素(I)から水を追い出すのを助けるために、カラム設計に組み込まれ得る。不活性ガスは、初めは本質的に水を含まないので、それとともに水を運び去り、含水量が非常に少ないヨウ素(I)を残す。得られた不活性ガス流は、カラムの頂部から現れ、除去された水及びいくらかのヨウ素(I)とともに運ばれる。
【0017】
いくつかの実施形態では、各装置中の液体及び蒸気が、多段カラムと同様に向流方式で互いに接触するフラッシュドラム又はバブラなどの一連の液体-蒸気接触装置は、上記の多段カラムと同じ効果を達成し得る。連続した別個の接触装置の使用は、116℃を下回る温度でヨウ素(I)と接触する不活性ガスの量が不十分である場合に、逆昇華又は凝固が防止され得るように、ヨウ素(I)のより良好な管理を可能にし得る。
【0018】
いくつかの他の実施形態では、例えば、フラッシュドラムなどの単段液体-蒸気接触装置を使用することができる。いくつかの他の実施形態では、例えば、流下薄膜装置などの並流液体-蒸気接触装置を使用することができる。いくつかの実施形態では、ヨウ素(I)は、ヨウ素(I)の空気圧搬送の間に不活性ガスと接触することができ、ヨウ素を搬送するために使用されるガスは、不活性ガスである。
【0019】
この方法で使用するための他の好適なガスはまた、ヨウ素(I)から水を効果的に除去するために低い含水量を有する。水に対して親和性を示すか、又は水と共沸混合物を形成することができる化学成分も、この方法での使用に適切である。
【0020】
本開示は、ヨウ素を乾燥させるために使用される不活性ガス流からヨウ素(I)を回収する方法を提供する。そのような流れには、不活性ガス、乾燥プロセスでヨウ素から除去された水、及び不活性ガス流とともに運ばれたいくらかのヨウ素が含まれる。乾燥流中のこのヨウ素は、回収されないとしても、プロセスからのヨウ素の著しい損失を表し得る。乾燥プロセスにおいて、普通なら損失するはずのヨウ素(I)を回収することは、より経済的なプロセスをもたらす。
【0021】
いくつかの実施形態では、不活性ガスは、窒素(N)、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、空気、水素、ヨウ化水素、又はヨウ素(I)に対して不活性な任意の他のガスを含むことができる。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、ガスの組み合わせを含むことができる。
【0022】
無水基準で表される不活性ガス流中のヨウ素(I)濃度は、約0.5モル%、約1モル%ppm、約2モル%、約3モル%、約5モル%、約10モル%、約15モル%、約20モル%若しくは約30モル%ほどの低さ、又は約40モル%、約50モル%、約60モル%、約70モル%、約80モル%、約90モル%若しくは約99モル%ほどの高さ、又は例えば、約0.5モル%~約99モル%、約1モル%~約90モル%、約2モル%ppm~約80モル%、約3モル%~約70モル%、約5モル%~約60モル%、約10モル%~約50モル%、約15モル%~約40モル%、約20モル%~約30モル%、約10モル%~約20モル%、約5モル%~約15モル%若しくは約30モル%~約60モル%などの前述の値のいずれか2つの間で定義される任意の範囲内であり得る。好ましくは、無水基準で表される不活性ガス流中のヨウ素(I)濃度は、約3モル%~約60モル%である。より好ましくは、無水基準で表される不活性ガス流中のヨウ素(I)濃度は、約5モル%~約40モル%である。最も好ましくは、無水基準で表される不活性ガス流中のヨウ素(I)濃度は、約10モル%~約20モル%である。
【0023】
アルカリ溶液による処理を介したヨウ素(I)の回収
この方法では、不活性ガス流をアルカリ溶液でスクラビングして、不活性ガス流からヨウ素(I)を除去することによって、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガス流が処理される。スクラビング後、窒素を冷却して残留水を凝縮させること(除湿として一般的に既知である)、及び/又はそれを乾燥剤に通すことなどの従来の方法によって、不活性ガス流を乾燥させて水を除去し得る。次いで、乾燥窒素は、より多くのヨウ素(I)を乾燥させる際に再使用するためにリサイクルされ得る。アルカリ溶液は、有用なヨウ素塩生成物として回収され得る。回収されたアルカリ溶液又は乾燥ヨウ化物塩中のヨウ化物は、当技術分野で既知の方法によって、例えば、硫酸と反応させる、又は塩酸と反応させ、続いて過酸化水素と反応させるなどによって、変換してヨウ素(I)に戻すことができる。
【0024】
アルカリ溶液中のヨウ化物対イオンは、とりわけ、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、又はカルシウムであり得る。いくつかの実施形態では、アルカリ溶液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム若しくは水酸化カルシウム、又はそれらの組み合わせなどの化合物から形成された水溶液であり得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、次亜ヨウ素酸塩イオン(例えば、NaOI)をヨウ化物(例えば、NaI)及び硫酸塩(例えば、Na2SO4)に変換するために、亜硫酸ナトリウム(NaSO)などの還元剤が任意選択的に使用され得る。他の還元剤の中でも、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸カリウム(KSO)、亜硫酸水素カリウム(KHSO)、亜硫酸カルシウム(Ca(SO)、亜硫酸水素カルシウム(Ca(HSO、亜硫酸リチウム(LiSO)、亜硫酸水素リチウム(LiHSO)、亜硫酸マグネシウム(Mg(SO)、亜硫酸水素マグネシウム(Mg(HSO)などの他の還元剤が使用され得る。
【0026】
固体吸着剤による水の吸着を介したヨウ素(I)の回収
この方法では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れを吸着剤に通過させて、流れから実質的に全ての水蒸気を除去する。吸着剤は、流れから水蒸気を選択的に除去する。いくつかの実施形態では、依然としてヨウ素蒸気を含んでいる乾燥不活性ガス流は、より多くのヨウ素(I)を乾燥させる際に再使用するためにリサイクルされる。いくつかの実施形態では、乾燥不活性ガス流は、ヨウ素(I)で飽和される。いくつかの他の実施形態では、ヨウ素蒸気を有する乾燥不活性ガス流は、固体ヨウ素(I)を回収するために逆昇華される。回収された固体ヨウ素(I)は、吸着剤から既に乾燥されているので、HIの生成に使用するためにリサイクルすることができる。
【0027】
吸着剤は、モレキュラーシーブ(例えば、3A、4A、5A、若しくはXH-9)、アルミナ、硫酸カルシウム(「ドライエライト」)、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、又はこれらのいずれかの組み合わせから選択することができる。
【0028】
吸着剤がもはや十分な速度で水を吸着しないときなど、吸着剤を再生することが望ましいとき、又はそうすることが好都合であるとき、吸着剤は、最初に吸着剤を加熱して、吸着剤に付着した追加のヨウ素を気化及び回収し、本明細書に開示される方法(例えば、逆昇華、凝縮など)のうちの1つ以上によってヨウ素の捕集を可能にすることによって再生され得る。いくつかの実施形態では、加熱は、ヨウ素の回収を加速するために真空下で行われ得る。吸着剤は、約90℃、約95℃、約100℃若しくは約105℃ほどの低さの温度、又は約110℃、約115℃若しくは約120℃ほどの高さの温度、又は例えば、約90℃~約120℃、約95℃~約115℃、約100℃~約110℃、約105℃~約120℃、約100℃~約120℃若しくは約90℃~約100℃などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の温度に加熱され得る。
【0029】
残留ヨウ素の除去に続いて、吸着剤は、窒素又は空気などの高温の不活性ガスと接触させて、吸着剤から水を脱着させることによって再生することができる。吸着剤は、約150℃、約175°、約200℃、約225℃若しくは約250℃ほどの低さの温度、又は約275℃、約300℃、約325℃若しくは約350℃ほどの高さの温度、又は例えば、約150℃~約350℃、約175℃~約325℃、約200℃~約300℃、約225℃~約300℃、約150℃~約250℃若しくは約200℃~約300℃などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の温度に吸着剤を加熱することによって再生され得る。
【0030】
濃酸による水の吸収を介したヨウ素(I)の回収
この方法では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れを、濃酸を循環させる接触器に通過させる。水蒸気は、濃酸に吸収され、流れから実質的に全ての水蒸気が除去される。いくつかの実施形態では、依然としてヨウ素蒸気を含んでいる乾燥不活性ガス流は、より多くのヨウ素(I)を乾燥させる際に再使用するためにリサイクルされる。いくつかの他の実施形態では、ヨウ素蒸気を有する乾燥不活性ガス流は、固体ヨウ素(I)を回収するために逆昇華される。回収された固体ヨウ素(I)は、濃酸によって既に乾燥されているので、HIの生成に使用するためにリサイクルすることができる。
【0031】
好適な濃酸には、硫酸(HSO)、ヨウ化水素酸(HI)、リン酸(HPO)、及びメタリン酸(HPO)が含まれる。例えば、濃酸が硫酸である場合、硫酸の濃度は、95%~100%の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、硫酸は、オレウム又は発煙硫酸である。
【0032】
接触器は、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガス流が、塔の底部から入り、塔の頂部から出るが、液体濃酸が、塔の頂部に供給され、塔の底部から出る水蒸気充填塔又はトレイ塔であり得る。代替的に、接触器は、並流充填塔又はトレイ塔であり得、ここでは、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガス流及び濃酸の両方が、塔を同じ方向に流れる。代替的に、接触器は、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガス流と液体濃酸とが緊密に混合される、混合タンクであり得る。代替的に、接触器は、液体濃酸がエデュケーターを通って循環して、エデュケーターに引き込まれている水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガス流と緊密に混合するエデュケーターであり得る。接触器は、複数の接触器ユニットを含むことができる。
【0033】
逆昇華によるヨウ素(I)の回収
この方法では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガス流を冷たい表面と接触させて、ヨウ素を逆昇華させ、それを固体ヨウ素(I)として回収する。逆昇華温度は、ヨウ素(I)からの水を凍結させて、回収収率を最大化するのに十分に低くてもよい。再溶融後、回収されたヨウ素(I)及び水の混合物は、一方の層が水に富み、他方の層がヨウ素(I)に富む二相液体を形成する。ヨウ素(I)/水混合物が、約114℃~160℃及び大気圧又はその付近で再溶融される場合、水の大部分は、蒸発し、ヨウ素(I)乾燥ステップへのリサイクルに容易に利用可能な加熱された溶融ヨウ素(I)を残す。代替的に、より軽い水リッチ層は、廃棄のためにデカントされ得、一方、より重いヨウ素(I)リッチ層は、ヨウ素(I)乾燥ステップへ戻してリサイクルされ得る。
【0034】
逆昇華温度は、約-45℃、約-30℃、約-10℃、約0℃、約10℃、約20℃ほどの低さ、又は約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約66℃、約80℃、約90℃若しくは約100℃ほどの高さ、又は例えば、約-45℃~約100℃、約-30℃~約90℃、約-20℃~約80℃、約-10℃~約66℃、約0℃~約60℃、約10℃~約50℃、約20℃~約40℃、約35℃~約66℃、約20℃~約80℃若しくは約10℃~約60℃などの前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の温度であり得る。好ましくは、逆昇華温度は、約35℃~約66℃である。
【0035】
代替的に、いくつかの実施形態では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れは、流れ中の水の凝縮又は凝固を本質的に伴わずに、ヨウ素(I)を選択的に凝固させるのに十分な温度で逆昇華に供される。次いで、ヨウ素(I)のほとんどが固体として捕集され得、残りの少量は、窒素/不活性ガス及び水蒸気流中に運び去られる。次いで、固体ヨウ素(I)を再溶融し、ヨウ素(I)乾燥ステップへ戻してリサイクルすることができる。
【0036】
そのような実施形態では、逆昇華温度は、約0℃、約10℃、約20℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃若しくは約50℃ほどの低さ、又は約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約80℃、約90℃若しくは約100℃ほどの高さ、又は例えば、約0℃~約100℃、約10℃~約90℃、約20℃~約80℃、約30℃~約70℃、約35℃~約65℃、約40℃~約60℃、約45℃~約55℃、約35℃~約55℃、約20℃~約35℃若しくは約55℃~約90℃などの前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の温度であり得る。好ましくは、逆昇華温度は、約35℃~約55℃である。
【0037】
ヨウ素(I)を含む不活性ガス流出物の流れが、例えば、65℃及び大気圧で逆昇華装置を通過する場合、ヨウ素(I)は、過剰な水を含まない固体として回収され得、次いで、再溶融及びリサイクルに供されて乾燥され得る。不活性ガス流出物から回収後のヨウ素(I)の収率は、約89%である。これは、基準として1000ポンドのヨウ素(I)を使用すると、乾燥における全体的なヨウ素(I)損失を約0.3%、すなわち乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド当たり3.3ポンドのヨウ素(I)損失に低減させることになる。この損失は、逆昇華後に不活性ガスを排気することから生じ、これはいくらかの残留ヨウ素(I)を含む。
【0038】
逆昇華装置は、10個の、長さ10フィート、4~6インチ径のジャケット付きガラスライニングパイプ、又は例えば、Hastelloy(登録商標)Cなどの他の好適な材料でライニングされた(若しくは形成された)パイプのセットで構築され得る。そのようなシステムは、バッチ動作モードで1日に数サイクル動作させることができる。動作サイクル温度は、逆昇華温度と約175℃との間であり得、逆昇華によってヨウ素を回収するための冷却と、逆昇華装置から回収されたヨウ素を除去するための加熱とを交互に行う。
【0039】
水中での逆昇華によるヨウ素(I)の回収
この方法では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れを、ヨウ素を逆昇華させるのに十分に低い温度で水と接触させ、それを固体ヨウ素(I)として回収する。回収されたヨウ素(I)及び水の混合物は、一方の層が水に富み、他方の層がヨウ素(I)に富む二相液体を形成する。次いで、二相混合物は、液-液抽出によって分離され得る。最上層又は水リッチ相は、デカント及びリサイクルされて、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れのより多くと接触させるために使用され得る。いくらかのデカントされていない水を依然として含有する底部層又はヨウ素リッチ相は、ヨウ素を溶融するために加熱することができる。溶融後、溶融ヨウ素は、0.15重量%未満の水を含有すると推定される。次いで、この溶融ヨウ素は、ヨウ素(I)乾燥ステップへ戻してリサイクルすることができる。代替的に、又は追加的に、溶融ヨウ素を吸着剤又は吸収剤と接触させて、残りの水の多くを溶融ヨウ素から吸着剤又は吸収剤中に抽出することができる。吸着剤又は吸収剤は、例えば、濃硫酸又はモレキュラーシーブなど、本明細書に記載される任意のものであり得る。
【0040】
そのような実施形態では、水は、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃若しくは約45℃ほどの低さの温度、又は約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃若しくは約95℃ほどの高さの温度、又は例えば、約0℃~約95℃、約5℃~約90℃、約10℃~約85℃、約15℃~約80℃、約20℃~約75℃、約25℃~約70℃、約30℃~約65℃、約35℃~約60℃、約40℃~約55℃、約45℃~約50℃、約5℃~約45℃若しくは約20℃~約30℃などの前述の値のいずれか2つの間に定義された任意の範囲内の温度であり得る。好ましくは、逆昇華温度は、約5℃~約45℃である。
【0041】
いくつかの実施形態では、接触は、例えば、ガラス、又はポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマー、又はテトラフルオロエチレン若しくはポリフッ化ビニリデンなどのフルオロポリマーでライニングされた水プール容器中であり得る。いくつかの実施形態では、容器は、適合性のある金属合金又はポリマーから形成される。
【0042】
水中での凝縮によるヨウ素(I)の回収
この方法では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れを、ヨウ素を凝縮するのに十分低いが、ヨウ素(I)を液体状態に維持するのに十分高い温度で水と接触させる。回収されたヨウ素(I)及び水の混合物は、一方の層が水に富み、他方の層がヨウ素(I)に富む二相液体を形成する。次いで、二相混合物は、液-液抽出によって分離され得る。最上層又は水リッチ相は、デカント及びリサイクルされて、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れのより多くと接触させるために使用され得る。次いで、底部層又はヨウ素リッチ相は、ヨウ素(I)乾燥ステップへ戻してリサイクルすることができる。
【0043】
そのような実施形態では、水は、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃若しくは約120℃ほどの低さの温度、又は約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃若しくは約150℃ほどの高さの温度、又は約95℃~約150℃、約100℃~約145℃、約105℃~約140℃、約110℃~約135℃、約115℃~約130℃、約120℃~約125℃、約110℃~約120℃、約95℃~約115℃、約130℃~約150℃若しくは約105℃~約125℃などの前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の温度であり得る。好ましくは、逆昇華温度は、約110℃~約120℃である。水は、約100℃を超える温度で超大気圧である。
【0044】
いくつかの実施形態では、接触は、例えば、ガラス、又はポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマー、又はテトラフルオロエチレン若しくはポリフッ化ビニリデンなどのフルオロポリマーでライニングされた水プール容器中であり得る。いくつかの実施形態では、容器は、適合性のある金属合金又はポリマーから形成される。
【0045】
潜熱又は顕熱伝達を使用する逆昇華又は凝縮によるIの回収
この方法では、水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの流れを材料によって接触させて、材料が、材料の相変化を通して潜熱を吸収し、及び/又は顕熱を吸収し、したがってヨウ素(I)を冷却する際に、流れからヨウ素(I)を凝縮及び/又は逆昇華させる。好適な材料は、例えば、二酸化炭素(CO)を含み得る。二酸化炭素(CO)は、初期は、大気圧で固相(ドライアイスとして)であり得るか、又は高圧で液相であり得る。接触温度は、好ましくは、水蒸気ヨウ素(I)回収率を達成するのに十分に低い冷却温度に達する水蒸気及びヨウ素(I)を含む不活性ガス流をもたらすように選択される。
【0046】
冷却温度は、約-40℃、約-30℃、約-20℃、約-10℃、約0℃若しくは約10℃ほどの低さ、又は約20℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃若しくは約70℃ほどの高さ、又は約-40℃~約70℃、約-30℃~約60℃、約-20℃~約50℃、約-10℃~約40℃、約0℃~約30℃、約10℃~約20℃、約20℃~約50℃、約-30℃~約10℃、約30℃~約60℃若しくは約30℃~約40℃などの前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の温度であり得る。好ましくは、冷却温度は、約20℃~約50℃である。
【0047】
他の好適な材料には、例えば、窒素、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、HCFC-244bbなどの過冷却液体、並びにペンタフルオロエタン(HFC-125)、HFC-134a、HFC-32、及びトリフルオロヨードメタン(CFI)などの他の不活性ハロカーボンが含まれる。他の好適な材料には、例えば、窒素、二酸化炭素、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)などの過冷却ガス、及びペンタフルオロエタン(HFC-125)、HFC-134a、HFC-32、CFI、HCFC-244bbなどの他の不活性ハロカーボン、メタン、エタン、プロパンなどのアルカンが含まれる。いくつかの実施形態では、凍結水を使用することができる。
【0048】
冷却のために接触させた少量の物質を含有する、逆昇華又は凝縮されたヨウ素(I)は、そのまま除去され得るか、又は溶融液としての移送を容易にするために溶融され得る。いずれの場合も、ヨウ素(I)は、所望のヨウ素(I)乾燥ステップへ戻してリサイクルされ得る。
【0049】
本明細書に記載される全ての方法は、バッチ、半バッチ、又は連続プロセスで使用され得る。本明細書に記載される全ての方法は、減圧、大気圧、又は過圧で行われ得る。
【0050】
本発明は、例示的な設計に対するものとして説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は慣習的な実践に属する本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。
【0051】
本明細書で使用する場合、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれか2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択され得る。
【0052】
本明細書で使用するとき、量に関連して使用される「約」という修飾語は、記述された値を含み、文脈によって規定される意味を有する(例えば、それは、特定の量の測定に関連する誤差の程度を少なくとも含む)。ある範囲の文脈で使用される場合、「約」という修飾語はまた、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を開示するとも考えられる。
【0053】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例解することに役立つ。
【実施例
【0054】
実施例1:アルカリ溶液での処理によるヨウ素(I)の回収の予測的実施例
水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの試料は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に、19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含む。この窒素流出物は、充填塔スクラバに送られ、ヨウ素(I)を、7.6重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)及び11.9重量%の亜硫酸ナトリウム(NaSO)を含む循環するアルカリ水溶液と反応させることによって塩溶液に変換する。ヨウ素(I)は、以下の方程式2に示すように、アルカリ溶液と反応して、ヨウ化ナトリウム及び硫酸ナトリウムを生成する。
方程式2:
+2NaOH+NaSO--→2NaI+NaSO+H
【0055】
出発アルカリ水溶液が消費されると、反応の物質収支を考慮して計算されるように、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に、以下の表1に示される組成を有する最終生成物溶液が得られる。
【表1】
【0056】
実施例2:モレキュラーシーブに付着したヨウ素(I)の回収の予測的実施例
水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの試料は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含む。この窒素流出物を、4Åモレキュラーシーブで満たした8:1L/D容器に供給する。116℃で動作させると、窒素流出物の含水量は、初期の117,000重量ppmから1000重量ppm未満に低減され得ると推定される。この乾燥窒素は、モレキュラーシーブによって除去されたその含水量の99%を有することになり、ヨウ素(I)を依然として含んでいるが、乾燥ヨウ素(I)に容易に再使用又はリサイクルされ得る。
【0057】
116℃及び大気圧において、4Åモレキュラーシーブは、以下の表2に示される静的水容量を有すると推定され、これは再生モレキュラーシーブの残留含水量がゼロであると仮定される。
【表2】
【0058】
上記の静的吸着容量を使用して、大気圧及び116℃の窒素中で1000重量ppmの含水量に達するために、モレキュラーシーブ100ポンド当たり12ポンドの水の積分静的容量が推定される。連続的な動的動作については、静的容量の控えめな50%が、物質移動、再生後の残留含水量、及びモレキュラーシーブの老化又は不純物の共吸着による吸着効率の損失を説明すると仮定される。これにより、吸着床サイズ及びサイクル時間を推定するためにモレキュラーシーブ100ポンド当たり6ポンドの水と算出される。
【0059】
実施例3:逆昇華装置を用いたヨウ素(I)回収
直径4インチ×長さ10インチのジャケット付きパイプを特徴とするベンチスケールの逆昇華装置を、スパイラルバッフルインサートを有するもの及び有さないもので構築した。逆昇華装置は、ヨウ素(I)がパイプ内で凝固するように設計された。代替的に、逆昇華装置は、ヨウ素(I)がパイプの外面上で凝固するように設計することができる。商業規模の設計は、接触フィン又は強化表面装置の使用を通して商業規模で典型的に実現されるより高い熱伝達率に部分的に起因して、性能の数倍の増加を実現することが予想される。
【0060】
バッフルを備えた装置の入口温度は、87.3℃であった。逆昇華装置の本体は、入口に最も近い側の40.4℃から、パイプの中心の41.1℃、出口の側の37.6℃までの範囲であった。出口温度は、38.3℃であった。バッフルなしの装置では、入口温度は、94.5℃であった。パイプ内の温度は、入口に最も近い側の40.3℃から、パイプの中心の40.2℃、出口に最も近いパイプの側の36.4℃までの範囲であった。出口温度は、40.1℃であった。逆昇華装置の平均温度は、約40℃であった。
【0061】
以下の表3は、バッフルを有するベンチスケール装置及びバッフルを有さないベンチスケール装置(それぞれ、「バッフルあり」及び「バッフルなし」)についての流量及びヨウ素(I)捕集量についてのデータを示す。
【表3】
【0062】
実施例4:逆昇華によるヨウ素(I)回収の予測的実施例
水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの試料は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含む。この窒素流出物は、逆昇華装置又はコールドトラップに供給されて、流入する窒素流出物供給物中の水の大半が凝縮しないままであるように選択された温度でヨウ素(I)を凝固させる。
【0063】
以下の表4は、大気圧での逆昇華温度に対する予想されるヨウ素(I)回収効率及び共凝縮された水の量を要約する。流れの好ましい逆昇華温度は、35℃~66℃であり、この温度では、非常に少量の流入する水が凝固したヨウ素(I)と共凝縮した状態で、高いヨウ素(I)回収率(88パーセント超)が達成される。これにより、更なる処理を必要とすることなく、所望のヨウ素(I)乾燥プロセスへ戻してリサイクルするための回収されたヨウ素(I)が提供される。
【表4】
【0064】
実施例5:温水を使用した凝縮によるヨウ素(I)の回収の予測的実施例
水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの試料は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含む。窒素流出物は、116℃及び25psigで動作する温水のプール又は容器に供給される。この水温は、ジャケット付き容器、水蒸気コイル、又は水中への直接水蒸気注入に水蒸気を適用することによって維持され得る。
【0065】
温水のプール又は容器は、蒸気-液体接触を提供するように設計される。これは、他の方法の中でもとりわけ、穏やかな撹拌、自己撹拌を促進するためのガス散布、バッフル、静的ミキサーを用いるか若しくは用いないインライン混合、又は循環エダクターを使用して遂行され得る。
【0066】
これらの動作条件下では、窒素流出物が温水プールを出るときの水蒸気損失を補償するために、並びに流入する窒素流出物と直接接触させるために過剰な液体水を提供するために、50ポンドの水(以下で更に説明するような新鮮な補給液及びリサイクルされた軽質相水)が必要とされる。過剰な液体水を使用して116℃の温度を維持し、窒素流出物からのヨウ素(I)の逆昇華又は凝固とは対照的に、ヨウ素(I)の凝縮を可能にし得る。
【0067】
窒素流出物を温水と接触させた後、温水プールから排出された窒素は、本質的に全ての流入する窒素(19ポンド)、17ポンドの蒸発水蒸気、及び1ポンドの残留ヨウ素(I)を含有し、したがって、97パーセントのヨウ素(I)の回収効率を実現する。
【0068】
温水プールは、水蒸発損失及び窒素流出物とともに流入する水を考慮した後に、29ポンドのヨウ素(I)及び35ポンドの水を含む混合物を含む。この混合物を30分間沈降させた後、相分離して、ヨウ素(I)リッチ相を除去する。このヨウ素(I)相は、約2モルパーセント又は0.15重量%の濃度で水を含有すると推定される。しかしながら、減圧すると、残留水の大部分は、ヨウ素(I)の更なる損失はほとんどなく、116℃で溶融液体ヨウ素(I)から蒸発する。このようにして回収されたヨウ素(I)は、所望の乾燥ステップへ戻してリサイクルされ得る。
【0069】
より軽い、水リッチ相は、0.05モルパーセント又は0.7重量%の溶解したヨウ素(I)を含有すると推定され、この水リッチ相は、ヨウ素(I)回収プロセスにおいて再使用され得る。この方法は、バッチプロセス、セミバッチプロセス、又は連続プロセスとして用いられ得る。
【0070】
実施例6:冷水を使用した逆昇華によるヨウ素(I)の回収の予測的実施例
水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの試料は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含む。窒素流出物は、38℃及びほぼ大気圧で動作する水のプール又は容器に供給される。この水温は、ジャケット付き冷却、冷却コイル、氷若しくはドライアイスなどの他の低温流体の直接添加、又は単に冷水から開始して38℃に加温することによって維持することができる。
【0071】
冷水のプール又は容器は、初期に、蒸気-液体接触を提供するように設計されたおおよそ300ポンドの水で満たされる。これは、穏やかな撹拌、自己撹拌を促進するためのガス散布、バッフル、静的ミキサーを用いるか若しくは用いないインライン混合、循環エダクター、又は他の好適な方法を使用して遂行され得る。この多量の水は、混合物の取り扱いを容易にするために、約10重量%の固体ヨウ素(I)を含む混合物の形成を永続させるように選択される。
【0072】
窒素流出物を冷水と接触させた後、冷水プールから排出された窒素は、流入する窒素のほぼ全て(19ポンド)、0.14ポンドの水蒸気、及び0.04ポンドの残留ヨウ素(I)を含み、ヨウ素(I)回収において99.8%の効率を表す。
【0073】
冷水プールは、約29ポンドのヨウ素(I)を含む。この混合物は、より軽い水リッチ相をデカントするための相分離の前に、10分間沈降させた。水リッチ相は、38℃で0.05重量%の溶解ヨウ素(I)を含有すると推定され、回収プロセスで再使用され得る。
【0074】
重く湿潤したヨウ素リッチ沈殿物は、スラリーとして、又は代替的に、濾過された固体として処理され得る。スラリー又は濾過ケーキの形態で回収された湿潤ヨウ素を116℃に加熱して、固体ヨウ素(I)を溶融させるだけではなく、水の大部分を蒸発させることができる。この溶融ヨウ素(I)を除去し、所望の乾燥ステップへ戻してリサイクルすることができる。溶融ヨウ素(I)は、0.15重量%未満の水を含有すると推定される。
【0075】
この冷水法を使用するヨウ素(I)回収プロセスは、バッチ、半バッチ、又は連続プロセスで実行され得る。
【0076】
実施例7:固体COを使用した逆昇華によるヨウ素(I)回収の予測的実施例
上述したヨウ素(I)乾燥方法から、乾燥に使用される窒素流出物は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に、19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含有する。この窒素流出物は、ほぼ大気圧でドライアイス(固体CO)の容器に供給される。乾燥窒素流出物と固体COとの間の直接接触は、COの加熱及び蒸発をもたらす。この直接的な熱伝達は、窒素流出物の冷却をもたらし、ヨウ素(I)の逆昇華を引き起こす。
【0077】
容器は、初期におおよそ19ポンドの固体COで満たされ、これは約20%の過剰冷却を提供すると計算される。容器は、窒素流出物と固体COとが直接接触するように設計されている。これは、穏やかな撹拌、自己撹拌を促進するためのガス散布、バッフル、又は他の方法を使用して遂行され得る。接触器の設計はまた、固体COが充填されたインライン混合、又は所望の他の設備を含み得る。
【0078】
窒素流出物が固体COと接触し、35℃以下に冷却された後、排出された窒素流はいずれも、流入する窒素の大部分(19ポンド)、16ポンドのCO蒸気、2.4ポンドの水蒸気、及び1.0ポンドの残留ヨウ素(I)を含み、ヨウ素(I)の回収効率は、96%となる。
【0079】
固体COを枯渇させた後、又は窒素流出物の全てを処理した後、任意の残りの固体CO及び任意の局在化水氷とともに、逆昇華されたヨウ素(I)は、CO及び水を除去するために加熱され得る。2100重量ppmの水を含有すると推定される残りの28.5ポンドのヨウ素(I)は、そのまま除去されるか、又は所望の乾燥ステップへ戻してリサイクルするための液体としての移動を容易にするために溶融される。
【0080】
捕捉された水氷に起因して残りのヨウ素(I)がより高い含水量を有する場合、ヨウ素(I)は、116℃に加熱されて、固体ヨウ素(I)を溶融させ得る。この溶融ヨウ素(I)は、所望の乾燥ステップへ戻してリサイクルするために、そのまま除去され得る。溶融ヨウ素(I)は、0.15重量%未満の量の可溶化水を含有すると推定される。
【0081】
表5(以下)は、66℃、38℃、及び10℃でこの方法を使用して回収されたヨウ素の量を示す。
【表5】

*COは、66℃の逆昇華温度に対して14lb/時、38℃の逆昇華温度に対して19lb/時、10℃の逆昇華温度に対して35lb/時、及び-40℃の逆昇華温度に対して40lb/時の速度で装入される。
【0082】
実施例8:濃酸での処理によるヨウ素(I)回収の予測的実施例
水蒸気及びヨウ素(I)蒸気を含む不活性ガスの試料は、乾燥されるヨウ素(I)1000ポンド毎に19ポンドの窒素、30ポンドのヨウ素(I)、及び2.5ポンドの水を含む。この窒素流出物は、向流充填塔の底部に供給される。熱循環する98重量%のHSOは、充填塔の頂部に供給される。供給流及び充填塔全体は、大気圧で動作する場合、普通なら液体HSO中に損失するはずのヨウ素(I)の逆昇華を防止するために、約116℃を上回る高温に維持されるべきである。
【0083】
窒素流出物の含水量は、初期の117,000重量ppmから1,000重量ppm未満に低減され得ると推定される。この乾燥窒素は、濃HSOによって除去されたその含水量の99%を有し、ヨウ素(I)を依然として含むが、乾燥ヨウ素(I)に容易に再使用又はリサイクルされ得る。
【0084】
充填物の選定に応じて、直径おおよそ12インチ×全高18フィートの充填塔は、水及びヨウ素を含む窒素流出物の乾燥を実施するのに十分すぎるほどである。良好な液体分布及び物質移動を達成するために、7GPM/ftの循環する98重量%のHSOを使用すると、高温HSO循環フローは、約2,500lb/時であると計算される。
【0085】
典型的には、循環するHSOが、約95重量%のHSOの濃度に達するまで、この実施例規模のための98重量%のHSOの200ガロン又は2,500lbsのリザーバが使用され、その時点で、使用済みHSOは、廃棄され、新鮮な98重量%のHSOと交換される。推定98重量%のHSO消費量は、ヨウ素(I)1,000lbs当たり85lbsである。
【0086】
態様
態様1は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れを提供することと、流れをアルカリ溶液と接触させて、ヨウ化物塩を形成することと、を含む、方法である。
【0087】
態様2は、アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウム、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸カリウム(KSO)、亜硫酸水素カリウム(KHSO)、亜硫酸カルシウム(Ca(SO)、亜硫酸水素カルシウム(Ca(HSO、亜硫酸リチウム(LiSO)、亜硫酸水素リチウム(LiHSO)、亜硫酸マグネシウム(Mg(SO)、亜硫酸水素マグネシウム(Mg(HSO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物から形成された水溶液である、態様1に記載の方法である。
【0088】
態様3は、ヨウ化物塩中のヨウ化物をヨウ素(I)に変換することを更に含む、態様1又は態様2に記載の方法である。
【0089】
態様4は、提供するステップにおいて、流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供され、流れが、水蒸気を含む、態様1~3のいずれかに記載の方法である。
【0090】
態様5は、流れが、不活性ガスを含む、態様1~4のいずれかに記載の方法である。
【0091】
態様6は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、流れを吸着剤と接触させて、流れから水を選択的に吸着することと、を含む、方法である。
【0092】
態様7は、提供するステップにおいて、流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供される、態様6に記載の方法である。
【0093】
態様8は、接触させるステップの後に、ヨウ素(I)蒸気をヨウ素(I)乾燥プロセスにリサイクルすることを更に含む、態様7に記載の方法である。
【0094】
態様9は、接触させるステップの後に、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華させて、ヨウ素(I)を回収することを更に含む、態様6又は態様7に記載の方法である。
【0095】
態様10は、吸着剤が、3A、4A、5A、若しくはXH-9のモレキュラーシーブ、アルミナ、硫酸カルシウム、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、ヨウ化カルシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様6~9のいずれかに記載の方法である。
【0096】
態様11は、吸着剤を90℃~120℃の温度に加熱して、吸着剤に付着したヨウ素を気化させ、次いで吸着剤を約150℃~約350℃に加熱して、吸着剤から水を脱着させることによって吸着剤を再生することを更に含む、態様6~10のいずれかに記載の方法である。
【0097】
態様12は、流れが、不活性ガスを更に含む、態様6~11のいずれかに記載の方法である。
【0098】
態様13は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、流れを濃酸と接触させて、流れから水蒸気を吸収することと、を含む、方法である。
【0099】
態様14は、提供するステップにおいて、流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供される、態様13に記載の方法である。
【0100】
態様15は、接触させるステップの後に、ヨウ素(I)蒸気をヨウ素(I)乾燥プロセスにリサイクルすることを更に含む、態様14に記載の方法である。
【0101】
態様16は、接触させるステップの後に、流れを逆昇華させて、ヨウ素(I)を回収することを更に含む、態様13又は態様14に記載の方法である。
【0102】
態様17は、濃酸が、硫酸(HSO)、ヨウ化水素酸(HI)、リン酸(HPO)、及びメタリン酸(HPO)からなる群から選択される、態様13~16のいずれかに記載の方法である。
【0103】
態様18は、流れが、不活性ガスを更に含む、態様13~17のいずれかに記載の方法である。
【0104】
態様19は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華又は凝縮させて、固体又は液体ヨウ素(I)を形成することと、を含む、方法である。
【0105】
態様20は、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを約-45℃~約100℃の温度で表面と接触させることを含む、態様19に記載の方法である。
【0106】
態様21は、固体ヨウ素(I)を溶融して、二相混合物を形成することを更に含む、態様20に記載の方法である。
【0107】
態様22は、混合物を114℃~約160℃に加熱することによって、二相混合物から水を蒸発させる、態様19に記載の方法である。
【0108】
態様23は、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを約0℃~約100℃の温度で表面と接触させて、水蒸気を凝固させることなく、ヨウ素(I)を逆昇華又は凝縮させることを含む、態様19に記載の方法である。
【0109】
態様24は、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを約90℃~約150℃の温度で水と接触させて、ヨウ素(I)を凝縮させることを含む、態様19に記載の方法である。
【0110】
態様25は、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを液体水と接触させて、ヨウ素(I)を逆昇華させることを含む、態様19に記載の方法である。
【0111】
態様26は、固体又は液体ヨウ素(I)を乾燥させることを更に含む、態様19~25のいずれかに記載の方法である。
【0112】
態様27は、流れが、不活性ガスを更に含む、態様19~26のいずれかに記載の方法である。
【0113】
態様28は、提供するステップにおいて、流れが、ヨウ素(I)乾燥プロセスから提供される、態様19~27のいずれかに記載の方法である。
【0114】
態様29は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れを提供することと、流れを材料と接触させて、材料が、材料の相変化を通して潜熱を吸収すること及び顕熱を吸収することのうちの少なくとも1つを行う際に、流れからヨウ素(I)蒸気を凝縮又は逆昇華させることと、を含む、方法である。
【0115】
態様30は、接触させるステップにおいて、流れが、-40℃~70℃の温度に達する、態様29に記載の方法である。
【0116】
態様31は、材料が、固体二酸化炭素、氷、過冷却液体、例えば、窒素、二酸化炭素、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、HCFC-244bb、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、HFC-134a、HFC-32、及びトリフルオロヨードメタン(CFI)、並びに過冷却ガス、例えば、窒素、二酸化炭素、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、HFC-134a、HFC-32、CFI、HCFC-244bb、アルカン、例えば、メタン、エタン、及びプロパンからなる群から選択される、態様29又は態様30に記載に記載の方法である。
【0117】
態様32は、提供するステップにおいて、流れが、ヨウ素I)乾燥プロセスから提供され、流れが、水蒸気を含む、態様29~31のいずれかに記載の方法である。
【0118】
態様33は、流れが、不活性ガスを含む、態様29~32のいずれかに記載の方法である。
【0119】
態様34は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、流れをヨウ素(I)乾燥プロセスから提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、流れをアルカリ溶液と接触させて、ヨウ化物塩を形成することと、を含み、アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、亜硫酸カリウム(KSO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物から形成された水溶液である、方法である。
【0120】
態様35は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)乾燥プロセスからの流れを提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、流れを吸着剤と接触させて、流れから水を選択的に吸着することと、接触させるステップの後に、ヨウ素(I)蒸気をヨウ素(I)乾燥プロセスにリサイクルすることと、を含み、吸着剤が、3Aモレキュラーシーブ及び4Aモレキュラーシーブからなる群から選択される、方法である。
【0121】
態様36は、吸着剤を90℃~120℃の温度に加熱して、吸着剤に付着したヨウ素を気化させ、次いで吸着剤を約150℃~約350℃に加熱して、吸着剤から水を脱着させることによって吸着剤を再生することを更に含む、態様35に記載の方法である。
【0122】
態様37は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)乾燥プロセスからの流れを提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、流れを濃酸と接触させて、流れから水蒸気を吸収することであって、濃酸が、硫酸(HSO)を含む、吸収することと、接触させるステップの後に、ヨウ素(I)蒸気をヨウ素(I)乾燥プロセスにリサイクルすることと、を含む、方法である。
【0123】
態様38ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)乾燥プロセスから流れを提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華又は凝縮させて、固体又は液体ヨウ素(I)を形成することと、を含み、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを約0℃~約100℃の温度で表面と接触させて、水蒸気を凝固させることなく、ヨウ素(I)を逆昇華又は凝縮させることを含む、方法。
【0124】
態様39ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素I)乾燥プロセスから流れを提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華又は凝縮させて、固体又は液体ヨウ素(I)を形成することと、を含み、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを約90℃~約150℃の温度で水と接触させて、ヨウ素(I)を凝縮させることを含む、方法。
【0125】
態様40ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)乾燥プロセスから流れを提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、ヨウ素(I)蒸気を逆昇華又は凝縮させて、固体又は液体ヨウ素(I)を形成することと、を含み、ヨウ素(I)蒸気の逆昇華又は凝縮が、流れを液体水と接触させて、ヨウ素(I)を逆昇華させることを含む、方法。
【0126】
態様41は、ヨウ素(I)を回収する方法であって、ヨウ素(I)乾燥プロセスから流れを提供することであって、流れが、ヨウ素(I)蒸気、不活性ガス、及び水蒸気を含む、提供することと、流れを材料と接触させて、材料が、材料の相変化を通して潜熱を吸収すること及び顕熱を吸収することのうちの少なくとも1つを行う際に、流れからヨウ素(I)蒸気を凝縮又は逆昇華させることと、を含む、方法である。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素(I)を回収する方法であって、前記方法が、
ヨウ素(I)蒸気並びに不活性ガス及び水蒸気のうちの少なくとも1つを含む流れを提供することと、
前記流れをアルカリ溶液と接触させて、ヨウ化物塩を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、亜硫酸カリウム(KSO)、亜硫酸水素カリウム(KHSO)、亜硫酸カルシウム(Ca(SO)、亜硫酸水素カルシウム(Ca(HSO、亜硫酸リチウム(LiSO)、亜硫酸水素リチウム(LiHSO)、亜硫酸マグネシウム(Mg(SO)、亜硫酸水素マグネシウム(Mg(HSO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物から形成された水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ヨウ素(I)を回収する方法であって、前記方法が、
ヨウ素(I)蒸気及び水蒸気を含む流れを提供することと、
前記流れを濃酸と接触させて、前記流れから前記水蒸気を吸収することと、を含む、方法。
【国際調査報告】