(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】USP13阻害剤及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C07D 215/26 20060101AFI20240125BHJP
A61K 31/4706 20060101ALI20240125BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20240125BHJP
A61K 31/4365 20060101ALI20240125BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240125BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240125BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240125BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240125BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20240125BHJP
C07D 215/44 20060101ALI20240125BHJP
C07D 215/46 20060101ALI20240125BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240125BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20240125BHJP
C07D 311/12 20060101ALI20240125BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C07D215/26
A61K31/4706
A61K31/47
A61K31/4365
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
C07D495/04 105A
C07D215/44 CSP
C07D215/46
A61K45/00
A61K31/353
C07D311/12
A61P25/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541583
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 US2022012447
(87)【国際公開番号】W WO2022155427
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507316826
【氏名又は名称】ジョージタウン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ムサ, チャーベル
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】カルヴ, バララマン
【テーマコード(参考)】
4C071
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C071AA01
4C071BB01
4C071CC01
4C071CC21
4C071DD15
4C071EE13
4C071FF06
4C071HH19
4C071JJ01
4C071LL01
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA021
4C084ZA151
4C084ZA161
4C084ZA941
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC201
4C084ZC202
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA08
4C086BC28
4C086CB26
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA94
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】
新規なユビキチン特異的プロテアーゼ13(USP13)阻害剤が、その使用方法とともに提供される。本明細書に記載のUSP13阻害剤は、神経変性疾患及びがんなどのUSP13関連疾患の治療及び/または予防に有用である。また、本明細書に記載の化合物及び組成物を使用して細胞内のUSP13を阻害する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであって、式中、
nは、0、1または2であり、
LはS、O、またはNR
7であり、
XはS、O、NR
8、またはCR
5=CR
6であり、
Y
1、Y
2、Y
3、及びY
4は、それぞれ独立してNまたはCRであり、Rは、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、Y
1、Y
2、Y
3、及びY
4の少なくとも1つがNであり、
R
1は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルケニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルであり、
各R
2は、独立して、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
R
3、R
4、R
5、及びR
6は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
R
7及びR
8は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、前記化合物。
【請求項2】
前記化合物が、以下の式:
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中、nが0である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、R
3、R
4、及びR
7がそれぞれ水素である、請求項2または3に記載の化合物。
【請求項5】
式中、R
1がアリールである、請求項2~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物が、以下の式:
【化3】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
式中、nが0である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
式中、R
3、R
4、及びR
6がそれぞれ水素である、請求項6または7に記載の化合物。
【請求項9】
式中、R
5がハロゲンである、請求項6~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
式中、LがNHまたはOである、請求項6~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式中、R
1がベンジルまたはフェニルである、請求項6~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が、
【化4】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
以下の式の化合物、
【化5】
またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグであって、式中、
AAは、アミノ酸またはそのエステルであり、
Arは、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、
AAは、AAのアミノ基を介してArに共有結合している、前記化合物。
【請求項14】
前記アミノ酸またはそのエステルが、天然アミノ酸またはそのエステルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記アミノ酸またはそのエステルが、非天然アミノ酸またはそのエステルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、以下の式を有し、
【化6】
式中、
Arが、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
R
3が、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルケニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルである、請求項13~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、以下の式を有し、
【化7】
式中、
nが0、1、2、3、または4であり、
R
4が、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
各R
5が、独立して、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
式中、R
1が水素である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
式中、R
2がメチルである、請求項17または18に記載の化合物。
【請求項20】
式中、R
3が置換または非置換のベンジルである、請求項17~19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
式中、R
4がニトロである、請求項17~20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
式中、nが0である、請求項17~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物が、
【化8】
からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物または請求項24に記載の医薬組成物を含む、キット。
【請求項26】
対象におけるUSP13関連疾患を治療または予防する方法であって、
有効量の請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物または請求項24に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
USP13関連疾患を有する対象を選択することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記USP13関連疾患が、神経変性疾患である、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記神経変性疾患が、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、軽度認知障害、α-シヌクレイン病、タウオパチー、またはTDP-43の細胞内蓄積に関連する病態である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第2の治療薬を前記対象に投与することをさらに含む、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の治療薬が、レバドパ、ドーパミンアゴニスト、抗コリン薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、COMT阻害剤、アマンタジン、リバスチグミン、NMDAアンタゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、リルゾール、抗精神病薬、抗うつ薬、及びテトラベナジンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
神経変性疾患を有する対象を選択することをさらに含む、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記USP13関連疾患ががんである、請求項26または27に記載の方法。
【請求項34】
前記がんが、膵臓癌、乳癌、脳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、甲状腺癌、腎臓癌、副腎癌、肝臓癌、神経線維腫症1型、リンパ腫、または白血病である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
第2の治療薬を前記対象に投与することをさらに含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の治療薬が化学療法剤または放射線である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
がんに罹患した対象を選択することをさらに含む、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
細胞内のUSP13を阻害する方法であって、
細胞を有効量の請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、前記方法。
【請求項39】
細胞内のアルファ-シヌクレインレベルを低下させる方法であって、
細胞を有効量の請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、前記方法。
【請求項40】
前記接触がインビトロまたはインビボで行われる、請求項38または39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年1月14日に出願された米国仮出願第63/137,425号の利益を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ユビキチン結合は、ほとんどの細胞プロセスとシグナル伝達経路に関与している。ユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)-13(USP13)は、システイン依存性プロテアーゼスーパーファミリーの脱ユビキチン化酵素メンバーである。具体的には、USP13はユビキチン特異的酵素であり、ユビキチンをタンパク質基質から切断して、ユビキチン媒介タンパク質分解を逆転させる。ユビキチンは、プロテアソーム及びリソソームを含む主要な分解経路にタンパク質を標的とする。黒色腫細胞では、USP13は主にユビキチン化と脱ユビキチン化を介していくつかのタンパク質の分解を調節する。ユビキチン化と脱ユビキチン化サイクルの調節、オートファジーとタンパク質分解の開始と制御におけるUSP13の役割は、細胞の恒常性と生存に不可欠である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では、新規なユビキチン特異的プロテアーゼ13(USP13)阻害剤が、その使用方法とともに提供される。本明細書に記載のUSP13阻害剤は、神経変性疾患及びがんなどのUSP13関連疾患の治療及び/または予防に有用である。また、本明細書に記載の化合物及び組成物を使用して細胞内のUSP13を阻害する方法も提供される。
【0004】
小分子USP13阻害剤は、次の式:
【化1】
の化合物、及びその薬学的に許容される塩またはプロドラッグを含む。これらの化合物において、nは0、1、または2であり、LはS、O、またはNR
7であり、XはS、O、NR
8、またはCR
5=CR
6であり、Y
1、Y
2、Y
3、及びY
4は、それぞれ独立して、NまたはCRであり、式中、Rは、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、Y
1、Y
2、Y
3、及びY
4の少なくとも1つは、Nであり、R
1は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルケニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルであり、各R
2は独立して、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R
7及びR
8は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0005】
任意に、化合物は以下に示すような式を有する:
【化2】
【0006】
任意に、化合物は、
【化3】
からなる群から選択される。
【0007】
本明細書に記載の小分子USP13阻害剤はまた、次の式:
【化4】
の化合物、及びその薬学的に許容される塩及びプロドラッグを含み、式中、AAは、アミノ酸またはそのエステルであり、Arは、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、AAは、AAのアミノ基を介してArに共有結合している。任意に、アミノ酸またはそのエステルは、天然アミノ酸もしくはそのエステル、または非天然アミノ酸もしくはそのエステルである。
【0008】
任意に、化合物は、次の式:
【化5】
を有し、式中、
Arは、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルケニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルである。
【0009】
任意に、化合物は、次の式:
【化6】
を有し、式中、
nは、0、1、2、3、または4であり、R
4は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、各R
5は、独立して、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0010】
任意に、化合物は、
【化7】
からなる群から選択される。
【0011】
また本明細書では、本明細書に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が記載される。
【0012】
さらに、本明細書に記載の化合物または医薬組成物を含むキットが本明細書に記載される。
【0013】
対象におけるUSP13関連疾患を治療または予防する方法も本明細書で提供される。対象におけるUSP13関連疾患を治療または予防する方法は、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象に投与することを含む。任意に、方法は、USP13関連疾患を有する対象を選択することをさらに含む。
【0014】
任意に、USP13関連疾患は、神経変性疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、軽度認知障害、α-シヌクレイン病、タウオパチー、またはTDP-43の細胞内蓄積に関連する病態)である。方法は、神経変性疾患に罹患した対象を選択することをさらに含むことができる。方法は、対象に第2の治療薬(例えば、レバドパ、ドーパミンアゴニスト、抗コリン薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、COMT阻害剤、アマンタジン、リバスチグミン、NMDAアンタゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、リルゾール、抗精神病薬、抗うつ薬、またはテトラベナジン)を投与することをさらに含むことができる。
【0015】
任意に、USP13関連疾患は、がん(例えば、膵臓癌、乳癌、脳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、甲状腺癌、腎臓癌、副腎癌、肝臓癌、神経線維腫症1型、リンパ腫、または白血病)である。方法は、がんに罹患した対象を選択することをさらに含むことができる。方法は、対象に第2の治療薬(例えば、化学療法剤または放射線)を投与することをさらに含むことができる。
【0016】
細胞内でUSP13を阻害する方法も本明細書で提供される。細胞内でUSP13を阻害する方法は、細胞を本明細書に記載の有効量の化合物と接触させることを含む。
【0017】
細胞内のアルファ-シヌクレインレベルを低下させる方法も本明細書で提供される。細胞内のアルファ-シヌクレインレベルを低下させる方法は、細胞を本明細書に記載の有効量の化合物と接触させることを含む。任意に、接触はインビトロまたはインビボで行うことができる。
【0018】
1つまたは複数の実施形態の詳細は、図面及び下の説明において述べられる。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)、及びCL3-499(
図1F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるMTTアッセイ及びLDHアッセイから得たデータを示すグラフである。N=1群あたり3~4。
【
図1B】BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)、及びCL3-499(
図1F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるMTTアッセイ及びLDHアッセイから得たデータを示すグラフである。N=1群あたり3~4。
【
図1C】BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)、及びCL3-499(
図1F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるMTTアッセイ及びLDHアッセイから得たデータを示すグラフである。N=1群あたり3~4。
【
図1D】BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)、及びCL3-499(
図1F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるMTTアッセイ及びLDHアッセイから得たデータを示すグラフである。N=1群あたり3~4。
【
図1E】BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)、及びCL3-499(
図1F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるMTTアッセイ及びLDHアッセイから得たデータを示すグラフである。N=1群あたり3~4。
【
図1F】BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)、及びCL3-499(
図1F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるMTTアッセイ及びLDHアッセイから得たデータを示すグラフである。N=1群あたり3~4。
【
図2A】BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるUSP13活性を示すグラフである。N=1群あたり3~9。
【
図2B】BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるUSP13活性を示すグラフである。N=1群あたり3~9。
【
図2C】BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるUSP13活性を示すグラフである。N=1群あたり3~9。
【
図2D】BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるUSP13活性を示すグラフである。N=1群あたり3~9。
【
図2E】BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるUSP13活性を示すグラフである。N=1群あたり3~9。
【
図2F】BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるUSP13活性を示すグラフである。N=1群あたり3~9。
【
図3A】BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
【
図3B】BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
【
図3C】BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
【
図3D】BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
【
図3E】BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
【
図3F】BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
【
図4A】(
図4A)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり34匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4B】(
図4B)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4C】(
図4C)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4D】(
図4D)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4E-H】(
図4E)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。 (
図4F)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。 (
図4G)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。 (
図4H)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4I】(
図4I)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4J-M】(
図4J)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。 (
図4K)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。 (
図4L)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。 (
図4M)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図4N】(
図4N)BK50118-Cが、TgA53Tマウスにおいてアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させたが、p-タウレベルを減少させなかったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、1日用量10mg/Kgまたは7日間で40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。(A)上記マウスの4~12%SDS-NuPAGEゲル上のアクチンと比較したアルファ-シヌクレインのレベルを示す中脳溶解物のWB。(B)最初のブロットはWB濃度測定である。2番目と3番目のブロットはIPアルファ-シヌクレイン(syn)またはユビキチンである。ELISAが示すBK50118-C処理後の(C)アルファ-シヌクレイン及び(D)ptau396のレベル。アスタリスクは、対応するビヒクルに対する統計的有意差*p<0.05または**p<0.01を示す。分析には通常の一元配置分散分析を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。DAB+ニッスル染色。Cは、対応するビヒクル(E/G)または(J/L)と比較して、皮質(F/H)及び線条体(K/M)のアルファ-シヌクレインレベルを有意に減少させ、これは、皮質(I)及び線条体(N)におけるアルファ-シヌクレイン陽性細胞の定量化によって検証された。分析には両側スチューデントt検定を使用し、*は溶媒に対してp<0.05を示す。N=1群あたり3~4。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:100μm(E、F、J、K)または200μm(G、H、L、M)。
【
図5A-F】(
図5A)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5B)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5C)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5D)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5E)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5F)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。
【
図5G】(
図5G)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。
【
図5H-M】(
図5H)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5I)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5J)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5K)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5L)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。 (
図5M)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。
【
図5N】(
図5N)BK50118-Cがアルファ-シヌクレインのユビキチン化を有意に増加させたが、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)レベルに対する影響は最小限であったことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。厚さ20μmの脳切片の免疫化学アッセイでは、DMSO(A、C、E)またはBK50118-C(B、D、F)のいずれかで処理したTgA53Tマウスの線条体に、アルファ-シヌクレイン、ユビキチン化、及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、これは共局在の光学密度によって検証された(G)。免疫染色により、ビヒクルDMSO(H、J、L)及びBK50118-C(I、K、M)でのTH及びDAPI染色が示された。BK50118-Cは線条体のTHレベルに最小限の影響を及ぼし、これは光学密度(N)の定量化によって検証された。アスタリスクは統計的有意差*p<0.05を示し、分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。スケールバー:200μm。
【
図6A-E】(
図6A)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。 (
図6B)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。 (
図6C)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。 (
図6D)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。 (
図6E)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。
【
図6F-H】(
図6F)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。 (
図6G)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。 (
図6H)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。
【
図6I】(
図6I)BK50118-CがTgA53Tマウスにおける細胞生存を改善したことを示す。雄及び雌のTgA53Tマウスを、7日間で1日用量40mg/KgのビヒクルまたはBK50118-Cを腹腔内注射することにより処理した。ニッスル染色は、BK50118-Cが、対応するビヒクルA)、D)、G)と比較して、皮質B)、線条体E)、及び黒質(SN)H)のニューロン数を有意に増加させたことを示し、これは皮質C)、線条体F)、及びSN I)中のニッスル+細胞の定量化によって検証された。アスタリスクは、ビヒクルに対する統計的有意差を示す。*p<0.05対ビヒクル。分析には両側スチューデントt検定を使用した。N=1群あたり3~4匹のマウス。すべての値は平均値±SDとして表示される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)-13は、基質またはタンパク質からユビキチンを切断する脱ユビキチン化酵素である。黒色腫細胞では、USP13は主にユビキチン化と脱ユビキチン化を介していくつかのタンパク質の分解を調節する。ユビキチン化と脱ユビキチン化サイクルの調節、オートファジーとタンパク質分解の開始と制御におけるUSP13の役割は、細胞の恒常性と生存に不可欠である。さらに、USP13は死後のアルツハイマー病(AD)及びパーキンソン病(PD)の脳で過剰発現する。ユビキチン化と脱ユビキチン化のバランスは、神経変性疾患における有毒タンパク質の分解にとって重要である。USP13ノックダウンは、PDモデルにおけるアルファ-シヌクレインのユビキチン化とクリアランスを増加させ、パーキン機能を調節する。USP13ノックダウンは、ADモデルにおけるp-tauのユビキチン化を増加させ、p-tau及びAβのクリアランスを促進する。したがって、USP13は神経変性におけるタンパク質クリアランスの調節において重要な役割を果たしている。
【0021】
本明細書では、新規なユビキチン特異的プロテアーゼ13(USP13)阻害剤が、その使用方法とともに提供される。本明細書に記載のUSP13阻害剤は、神経変性疾患及びがんなどのUSP13関連疾患の治療及び/または予防に有用である。また、本明細書に記載の化合物及び組成物を使用して細胞内のUSP13を阻害する方法も提供される。
【0022】
I.化合物
本明細書に記載のUSP13阻害剤のクラスは、式I:
【化8】
及びその薬学的に許容される塩またはプロドラッグにより表される。
【0023】
式Iにおいて、nは0、1、または2である。
【0024】
また、式Iにおいて、LはS、O、またはNR7である。
【0025】
加えて、式Iにおいて、XはS、O、NR8、またはCR5=CR6である。
【0026】
また式Iにおいて、Y1、Y2、Y3、及びY4は、それぞれ独立してNまたはCRであり、Rは、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。いくつかの例では、Y1、Y2、Y3、及びY4のうちの少なくとも1つはNである。いくつかの例では、Y1、Y2、Y3及びY4のうちの1つだけがNである。
【0027】
さらに式Iにおいて、R1は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルケニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルである。
【0028】
また式Iにおいて、各R2は、独立して、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0029】
加えて式Iにおいて、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0030】
さらに式Iにおいて、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0031】
場合によっては、式Iの化合物は、構造I-Aで表される:
【化9】
構造I-A
【0032】
構造I-Aにおいて、n、L、X、R1、R2、R3、R4、及びR7は、式Iについて上で定義した通りである。
【0033】
場合によっては、式Iの化合物は、構造I-Bで表される:
【化10】
構造I-B
【0034】
構造I-Bにおいて、n、R1、R2、R3、R4、及びR7は、式Iについて上で定義した通りである。任意に、構造I-Bにおいて、nは0である。任意に、構造I-Bにおいて、R3、R4、及びR7はそれぞれ水素である。任意に、構造I-Bにおいて、R1はアリールである。
【0035】
場合によっては、式Iの化合物は、構造I-Cで表される:
【化11】
構造I-C
【0036】
構造I-Cにおいて、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びLは、式Iについて上で定義した通りである。任意に、構造I-Cにおいて、nは0である。任意に、構造I-Cにおいて、R3、R4、及びR6はそれぞれ水素である。任意に、構造I-Cにおいて、R5はハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)である。任意に、構造I-Cにおいて、LはNHまたはOである。任意に、構造I-Cにおいて、R1はベンジルまたはフェニルである。
【0037】
式Iの例として、以下の化合物が挙げられる:
【化12】
【0038】
本明細書に記載のUSP13阻害剤のクラスは、式II:
【化13】
式II
及びその薬学的に許容される塩またはプロドラッグにより表される。
【0039】
式IIにおいて、AAはアミノ酸またはそのエステルである。任意に、アミノ酸またはそのエステルは、天然に存在するアミノ酸であり、本明細書では天然アミノ酸またはそのエステルとも称される。任意に、天然に存在するアミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、チロシン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、及びヒスチジンからなる群から選択され得る。
【0040】
任意に、アミノ酸またはそのエステルは、非天然(unnatural)アミノ酸であり、本明細書では非天然(non-natural)アミノ酸またはそのエステルとも称される。本明細書で使用する場合、非天然アミノ酸という用語は、20の天然アミノ酸のうちの1つまたは複数と構造及び/または全体の形状が類似するすべてのアミノ酸様化合物を包含する。例えば、非天然アミノ酸の側鎖には、アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化アルキル、アセチル、ケトン、アジリジン、ニトリル、ニトロ、ハロゲン化物、アシル、ケト、アジド、ヒドロキシル、ヒドラジン、シアノ、ハロ、ヒドラジド、アルケニル、アルキニル、エーテル、チオエーテル、エポキシド、スルホン、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボラン、フェニルボロン酸、チオール、セレノ、スルホニル、ボレート、ボロン酸、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、複素環、ピリジル、ナフチル、ベンゾフェノン、シクロオクチン、チオエステル、エノン、イミン、アルデヒド、エステル、チオ酸、ヒドロキシルアミン、アミノ、カルボン酸、アルファーケトカルボン酸、アルファまたはベータ不飽和酸及びアミド、グリオキシルアミド、またはオルガノシラン基などの拘束環等が含まれ得る。適切な非天然アミノ酸は、例えば、Unnatural Amino Acids:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology),Volume794,Pollegioni and Servi,eds.,Springer(2012)に記載されており、これは参照により、少なくとも非天然アミノ酸の説明に関しては全体的に本明細書に組み込まれる。
【0041】
アミノ酸またはそのエステルの側鎖は、(R)配置または(S)配置(またはD-配置またはL-配置)のいずれかであり得る。
【0042】
また、式IIにおいて、Arは置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。
【0043】
加えて、式IIにおいて、AAは、AAのアミノ基を介してArに共有結合している。
【0044】
場合によっては、式IIの化合物は、構造II-Aで表される:
【化14】
構造II-A
【0045】
構造II-Aにおいて、Arは置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。
【0046】
さらに構造II-Aにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0047】
加えて構造II-Aにおいて、R3は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルケニル、置換もしくは非置換のヘテロアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルである。
【0048】
場合によっては、式IIの化合物は、構造II-Bで表される:
【化15】
構造II-B
【0049】
構造II-Bにおいて、R1、R2、及びR3は、構造II-Aについて上で定義した通りである。
【0050】
また、構造II-Bにおいて、nは0、1、2、3、または4である。
【0051】
加えて構造II-Bにおいて、R4は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0052】
さらに構造II-Bにおいて、各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のヘテロアルケニル、置換または非置換のヘテロアルキニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のシクロアルキル、及び置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0053】
任意に、構造II-Bにおいて、R1は水素である。任意に、構造II-Bにおいて、R2はメチルである。任意に、構造II-Bにおいて、R3は置換または非置換のベンジルである。任意に、構造II-Bにおいて、R4はニトロである。任意に、構造II-Bにおいて、nは0である。
【0054】
式IIの例として、以下の化合物が挙げられる:
【化16】
【0055】
本明細書で使用する場合、アルキル、アルケニル、及びアルキニルという用語には、直鎖及び分枝鎖の一価の置換基が含まれる。例としては、メチル、エチル、イソブチル、3-ブチニルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の範囲には、C1~C20アルキル、C2~C20アルケニル、及びC2~C20アルキニルが含まれる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の追加の範囲には、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、及びC2~C4アルキニルが含まれる。
【0056】
ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルは、アルキル、アルケニル、及びアルキニルと同様に定義されるが、主鎖内にO、S、もしくはNヘテロ原子、またはそれらの組み合わせを含むことができる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の範囲には、C1~C20ヘテロアルキル、C2~C20ヘテロアルケニル、及びC2~C20ヘテロアルキニルが含まれる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の追加の範囲には、C1~C12ヘテロアルキル、C2~C12ヘテロアルケニル、C2~C12ヘテロアルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C2~C6ヘテロアルケニル、C2~C6ヘテロアルキニル、C1~C4ヘテロアルキル、C2~C4ヘテロアルケニル、及びC2~C4ヘテロアルキニルが含まれる。
【0057】
シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルという用語には、単一の環状または複数の縮合環を有する環状アルキル基が含まれる。例としては、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、及びアダマンタニルが挙げられる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の範囲には、C3~C20シクロアルキル、C3~C20シクロアルケニル、及びC3~C20シクロアルキニルが含まれる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の追加の範囲には、C5~C12シクロアルキル、C5~C12シクロアルケニル、C5~C12シクロアルキニル、C5~C6シクロアルキル、C5~C6シクロアルケニル、及びC5~C6シクロアルキニルが含まれる。
【0058】
ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、及びヘテロシクロアルキニルという用語は、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルと同様に定義されるが、環状主鎖内にO、S、またはNのヘテロ原子、またはそれらの組み合わせを含むことができる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の範囲には、C3~C20ヘテロシクロアルキル、C3~C20ヘテロシクロアルケニル、及びC3~C20ヘテロシクロアルキニルが含まれる。本明細書に記載の化合物及び方法に有用なこれらの基の追加の範囲には、C5~C12ヘテロシクロアルキル、C5~C12ヘテロシクロアルケニル、C5~C12ヘテロシクロアルキニル、C5~C6ヘテロシクロアルキル、C5~C6ヘテロシクロアルケニル、及びC5~C6ヘテロシクロアルキニルが含まれる。
【0059】
アリール分子には、例えば、交互の単共有結合と二重共有結合から構成されているかのように、同じ番号の非局在化電子によって接続されている、通常は6個の炭素原子の1つまたは複数の平面セットを組み込んだ環状炭化水素が含まれる。アリール分子の例はベンゼンである。ヘテロアリール分子には、O、N、Sなどの原子の主環状鎖に沿った置換基が含まれる。ヘテロ原子が導入されると、5つの原子のセット、例えば、4つの炭素と1つのヘテロ原子によって芳香族系を形成することができる。ヘテロアリール分子の例としては、フラン、ピロール、チオフェン、イマダゾール、オキサゾール、ピリジン、及びピラジンが挙げられる。アリール分子及びヘテロアリール分子には、例えば、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、ナフタレン、アントラセン、キノリンなどの追加の縮合環も含むことができる。アリール分子及びヘテロアリール分子は、特に断りのない限り、環上の任意の位置に結合することができる。
【0060】
本明細書で使用するアルコキシという用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルキル基である。本明細書で使用するアリールオキシという用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアリール基である。同様に、本明細書で使用するアルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、ヘテロアルケニルオキシ、ヘテロアルキニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、及びヘテロシクロアルキルオキシという用語は、それぞれ、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、ヘテロアルケニルオキシ、ヘテロアルキニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、シクロアルキルオキシ、及びヘテロシクロアルキルオキシ基である。
【0061】
本明細書で使用するヒドロキシという用語は、式-OHで表される。
【0062】
本明細書で使用するアミンまたはアミノという用語は、式-NZ1Z2によって表され、式中、Z1及びZ2はそれぞれ、上述の水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基などの、本明細書に記載の置換基であり得る。
【0063】
本明細書で使用されるアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル分子は、置換または非置換であり得る。本明細書で使用する場合、置換という用語は、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基を、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルの主鎖に結合した位置に付加することを含み、例えば、これらの分子の1つによる水素の置換である。置換基の例としては、ヒドロキシ、ハロゲン(例えば、F、Br、Cl、またはI)、及びカルボキシル基が挙げられるが、これらに限定されない。逆に、本明細書で使用する場合、非置換という用語は、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルが完全に水素を補い、すなわち、置換基なしで、その飽和レベルと同程度であることを示す、例えば直鎖デカン(-(CH2)9-CH3)。
【0064】
II.化合物の製造方法
本明細書に記載の化合物は、さまざまな方法で調製することができる。化合物は、さまざまな合成方法を使用して合成することができる。これらの方法の少なくともいくつかは有機合成化学の分野で知られている。本明細書に記載の化合物は、容易に入手可能な出発物質から調製することができる。最適な反応条件は、使用する特定の反応体または溶媒によって変化し得るが、そのような条件は、当業者により決定可能である。
【0065】
式I及び式II、ならびに本明細書に記載の化合物の変形には、各化合物について記載されているさまざまな構成要素の追加、減算、または移動が含まれる。同様に、分子内に1つまたは複数のキラル中心が存在する場合、考えられるすべてのキラル変異体が含まれる。加えて、化合物の合成は、様々な化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の使用、及び適切な保護基の選択は、当業者によって決定され得る。保護基の化学は、例えばWuts、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,5th.Ed.,Wiley&Sons,2014において見出され得、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
本明細書に記載の化合物を産生するための反応は、有機合成の当業者によって選択され得る溶媒中で実行され得る。溶媒は、反応が行われる条件下、すなわち温度及び圧力下で、出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。反応は、1つの溶媒または2つ以上の溶媒の混合物中で実行され得る。生成物または中間体の形成は、当技術分野で知られている任意の適切な方法に従って監視することができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、1H-NMRまたは13C-NMR)、赤外分光法(IR)、分光測光法(例えば、紫外可視)、もしくは質量分析法(MS)、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィーなどによる、分光手段により監視することができる。
【0067】
本明細書に記載の化合物を合成するための例示的な方法は、以下の実施例1に提供される。
【0068】
III.医薬製剤
本明細書に記載の化合物またはその誘導体は、医薬組成物として提供することができる。意図される投与様式に応じて、医薬組成物は、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル、粉末、液体、エアロゾル、または懸濁液などの固体、半固体、または液体の剤形であり得、好ましくは、正確な用量の単回投与に適した単位剤形である。組成物は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその誘導体と、薬学的に許容される担体の組み合わせを含み、さらに、他の医薬剤、薬学的薬剤、担体、または希釈剤を含むことができる。薬学的に許容されるとは、許容されない生物学的作用を引き起こすことなく、または医薬組成物に含まれている他の成分と有害な様式で相互作用することなく、選択された化合物と共に個体に投与され得る、生物学上またはその他の点で不所望ではない物質を意味する。
【0069】
本明細書で使用する場合、担体という用語は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、脂質、または医薬製剤で使用する当技術分野で周知の他の材料を包含する。組成物に使用する担体の選択は、組成物の意図される投与経路に依存するであろう。これらの物質を含有する薬学的に許容される担体及び製剤の調製は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22d Edition,Loyd et al.eds.,Pharmaceutical Press and Philadelphia College of Pharmacy at University of the Sciences(2012)中で記載される。生理的に許容される担体の例としては、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、及び他の有機酸との緩衝液等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、若しくはリジン等のアミノ酸;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール若しくはソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;ならびに/またはTWEEN(登録商標)(ICI,Inc.;Bridgewater,New Jersey)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(登録商標)(BASF;Florham Park,NJ)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0070】
非経口的注射に好適な、本明細に記載される1つたまは複数の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含有する組成物は、生理学的に許容される水性または非水性の滅菌溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、及び滅菌注射用溶液または分散液に再構成される滅菌粉末を含み得る。好適な水性または非水性の担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油等)、及びオレイン酸エチル等の注射用有機エステルが挙げられる。例えば、レシチン等のコーティング剤の使用によって、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。
【0071】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等のアジュバントも含有し得る。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等によって促進することができる。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム等を含むこともできる。注射可能な薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらすことができる。
【0072】
本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグの経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、及び顆粒が含まれる。そのような固体剤形において、本明細書に記載の化合物またはその誘導体は、少なくとも1つの不活性常用賦形剤(もしくは担体)、例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、または(a)充填剤もしくは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア、(c)湿潤剤、例えば、グリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、例えば、パラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、及びモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイト、ならびに(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0073】
類似した型の固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量のポリエチレングリコール、及び同様物の賦形剤を使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。
【0074】
錠剤、糖剤、カプセル剤、ピル及び顆粒などの固体剤形は、コーティング及びシェル、例えば、腸溶コーティング、及び当該技術分野で周知の他のものを用いて調製することができる。これらは、隠蔽剤を含有してもよく、また、腸管の特定の部分において、活性化合物(単数または複数)を遅延様式で放出するような組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。活性化合物はまた、適切な場合、上述の賦形剤のうちの1つまたは複数とともにマイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0075】
本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグの経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、溶剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒などの当技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤、及び、乳化剤を含有し得、例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等が挙げられる。
【0076】
係る不活性希釈剤以外に、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、または芳香剤など追加の薬剤を含むことができる。
【0077】
活性化合物に加えて、懸濁剤は、追加の薬剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガント、またはこれらの物質の混合物等を含有することができる。
【0078】
本明細書に記載の組成物またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグの直腸投与用の組成物は、任意に坐剤であり、これは、例えば、常温では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で溶融し活性成分を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤または担体と、化合物とを混合することにより調製することができる。
【0079】
本明細書に記載の化合物またはその誘導体の局所投与のための剤形は、軟膏剤、散剤、スプレー剤、吸入剤、及び皮膚パッチを含む。本明細書に記載の化合物またはその誘導体は、生理学的に許容される担体と、必要な場合は、任意の保存剤、緩衝剤、または噴霧剤と一緒に、滅菌条件下で混合される。眼製剤、軟膏剤、散剤、及び溶剤もまた、組成物の範囲内であることが企図される。
【0080】
任意に、本明細書に記載の化合物を薬剤デポに含めることができる。薬剤デポは、所望の部位(例えば、滑膜関節、椎間板腔、脊柱管、腹部領域、患者の組織など)への移植及び保持を容易にする物理的構造を含む。薬物デポは、移植部位から最大約0.1cm~約5cmの距離で化合物の最適な濃度勾配を提供することができる。本明細書で使用する場合、デポには、カプセル、ミクロスフェア、微粒子、マイクロカプセル、マイクロファイバー粒子、ナノスフェア、ナノ粒子、コーティング、マトリックス、ウエハー、丸薬、ペレット、エマルジョン、リポソーム、ミセル、ゲル、抗体-化合物コンジュゲート、タンパク質-化合物コンジュゲート、または他の医薬送達組成物が含まれるが、これらに限定されない。デポに適した材料には、好ましくはFDA承認またはGRAS材料である薬学的に許容される生分解性材料が含まれる。これらの材料は、ポリマーまたは非ポリマー、ならびに合成または天然、またはそれらの組み合わせであり得る。デポには、任意に、薬剤ポンプを含めることができる。
【0081】
組成物は、本明細書に記載の1つまたは複数の化合物及び薬学的に許容される担体を含むことができる。本明細書で使用する場合、薬学的に許容される塩という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答などを起こさずに、対象の組織と接触させて使用するのに適するとともに、合理的な利益/リスク比、及びその用途の効果と釣り合う本明細書に記載の化合物またはその誘導体の塩、ならびに、可能である場合には双性イオンの形態の本明細書に記載の化合物を指す。塩という用語は、本明細書に記載の化合物の比較的非毒性の無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、化合物の単離及び精製中にインサイチュで調製されるか、または遊離塩基形態の精製化合物を適切な有機酸または無機酸と別々に反応させること、及びそのように形成された塩を単離することにより調製される。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、メシル酸ナフチル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、メタンスルホン酸塩、及びラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等などのアルカリ及びアルカリ性土類金属に基づくカチオン、ならびに、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含むがこれらに限定されない、非毒性アンモニウム、4級アンモニウム、及びアミンカチオンを含み得る。(S.M.Barge et al.,J.Pharm.Sci.(1977)66,1を参照されたく、少なくともその中で教示される組成物については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。)
【0082】
本明細書に記載の化合物及び組成物またはその薬学的に許容される塩の投与は、治療有効量の本明細書に記載の化合物及び組成物または本明細書に記載のその薬学的に許容される塩を使用して、障害を治療するのに有効な期間実施することができる。本明細書に記載の化合物及び組成物、または本明細書に記載のその薬学的に許容される塩の有効量は、当業者によって決定され得、哺乳動物に対する例示的な投与量として、体重1kg当たり約0.0001~約200mgの1日あたりの活性化合物が挙げられ、これは、単回用量で、または1日あたり1~4回などの個別の分割用量の形態で投与することができる。あるいは、投与量は、約0.01~約150mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.1~100mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.5~約75mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.5~約50mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.01~約50mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.05~約25mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.1~約25mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.5~約25mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約1~約20mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約1~約10mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約20mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約10mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約5mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約2.5mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約1.0mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、約0.5mg/体重kgの1日当たりの活性化合物、またはそこから導出可能な任意の範囲であり得る。任意に、投与量は、約0.01mg/kg~約10mg/体重kgの1日当たりの活性化合物である。任意に、投与量は約0.01mg/kg~約5mg/kgである。任意に、投与量は約0.01mg/kg~約2.5mg/kgである。
【0083】
当業者は、任意の特定の対象に対する具体的な用量レベル及び投与頻度は変動し得、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、種、年齢、体重、一般的な健康状態、対象の性別と食事、投与方法と投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、及び特定の状態の重症度を含む様々な要因に依存することを理解するであろう。
【0084】
製剤において使用される正確な投与量はまた、投与経路、及び、疾患または障害の重篤度に依存し、従事者及び各対象の状況の判断に従って決定されるべきである。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から誘導された用量反応曲線から外挿することができる。さらに、投与経路に応じて、当業者は、対象の細胞、組織及び/または器官における所望のレベルの応答に対する血漿濃度をもたらす用量を決定する方法を知っているであろう。
【0085】
IV.使用方法
本明細書では、対象におけるUSP13関連疾患を治療または予防する方法が提供される。方法は、有効量の1つまたは複数の本明細書に記載の化合物もしくは組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを対象に投与することを含む。有効量は、方法における化合物の量を説明するために使用される場合、所望の薬理学的効果または他の生物学的効果を達成する化合物の量を指す。有効量は、例えば、本明細書に提供されるように、USP13がインビトロで阻害される化合物の濃度であり得る。また、インビトロで投与される濃度に対応する対象中の標的細胞におけるインビボ濃度が達成されるような量の本明細書に記載の1つまたは複数の化合物を対象に投与することを含む方法も企図される。
【0086】
本明細書に記載の化合物及び組成物、またはその薬学的に許容される塩は、限定されないが小児及び老人集団を含むヒトにおける、及び動物における、例えば獣医学的用途のUSP13関連疾患の治療に有用である。
【0087】
場合によっては、USP13関連疾患は、中枢神経系の神経変性疾患などの神経変性疾患である。そのような疾患には、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、軽度認知障害、α-シヌクレイン病、タウオパチー、またはTDP-43の細胞内蓄積に関連する病態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
任意選択で、USP13関連疾患はがんである。本明細書で使用する場合、がんという用語は、細胞が正常な組織成長より急速に増殖する任意の細胞障害を指す。増殖性障害としては、腫瘍とも呼ばれる新生物が挙げられるが、これに限定されない。新生物としては、膵臓癌、乳癌、脳癌(例、神経膠芽腫)、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、甲状腺癌、腎臓癌、副腎癌、肝臓癌、神経線維腫症1型、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。新生物は、固形新生物(例えば、肉腫または癌腫)、または造血系に影響を与える癌性増殖(例えば、リンパ腫または白血病)であり得る。他の増殖性疾患としては、神経線維腫症が挙げられるが、これに限定されない。
【0089】
任意に、USP13関連疾患は、筋変性疾患、プリオン病、または伝染性海綿状脳症である。本明細書で提供される方法において、筋変性疾患としは、封入体筋炎(IBM)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、及び運動ニューロン疾患(MND)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される方法において、プリオン病または伝染性海綿状脳症(TSE)としては、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)、ゲルストマン・シュトラウスラー・シャインカー症候群、致死的家族性不眠症、及びヒトにおけるクールー病が挙げられるが、これらに限定されない。動物のプリオン病としては、スクレイピー、ウシ海綿状脳症(BSE)、慢性消耗病(CWD)、伝染性ミンク脳症、ネコ海綿状脳症、及び有蹄類海綿状脳症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
当業者であれば、USP13に関連する障害を有する対象を選択する方法を知っているであろう。例えば、限定するものではないが、当業者は、神経変性疾患を有する対象、または神経変性疾患を発症するリスクのある対象を診断する方法を知っている。例えば、遺伝子検査(例えば、TDP-43遺伝子における変異の同定)または家族分析(例えば、家族歴)、中枢神経系画像検査(例えば、磁気共鳴画像法及び陽電子放出断層撮影法)、臨床検査または行動検査(例えば、筋力低下、振戦、または記憶力の評価)、及び/または臨床検査を含む検査のうちの1つまたは複数を使用することができる。
【0091】
USP13はパーキン及びアルファ-シヌクレインのユビキチン化を独立して調節する。USP13ノックダウンは、アルファ-シヌクレインのユビキチン化とクリアランスを増加させ、パーキン機能を調節する。USP13ノックダウンはまた、過剰リン酸化タウ(p-タウ)のユビキチン化を増加させ、p-タウ及びアミロイドβ(Aβ)ペプチドのクリアランスを促進する。p-タウ、Aβ、アルファ-シヌクレインなどの神経毒性タンパク質は神経変性疾患で共存しており、USP13を阻害することで同時に分解され得る。USP13活性が低下すると、p-タウ、Aβ、及び/またはアルファ-シヌクレインのレベルも低下する。したがって、本明細書に記載の化合物は、細胞内のp-タウ、Aβ、及び/またはアルファ-シヌクレインレベルを低下させるのにも有効である。任意に、本明細書に記載の化合物は血液脳関門を通過することができる。
【0092】
本明細書において提供される方法は、任意に、第2の治療薬を対象へ投与することを含む。例えば、神経変性疾患を治療するために、第2の治療薬は、レバドパ、ドーパミンアゴニスト、抗コリン薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、COMT阻害剤、アマンタジン、リバスチグミン、NMDAアンタゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、リルゾール、抗精神病薬、抗うつ薬、及びテトラベナジンからなる群から選択することができる。別の例では、がんを治療するために、第2の治療薬は、例えば、化学療法剤または放射線であり得る。
【0093】
本明細書に記載の化合物は、対象におけるパーキン活性を増加させることができる。全体を通して使用されるように、対象におけるパーキン活動の増加は、対照と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上の増加であり得る。例えば、パーキン活動の増加は、本明細書に記載の化合物を投与しなかった対象または対照値と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上の増加であり得る。
【0094】
USP13の活性の阻害または低下の量は、酵素活性の減少から完全な除去までの範囲であり得るため、完全である必要はない。例えば、低下は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはその間の任意の量の低下であり得る。USP13の活性の阻害または低下は、mRNA発現の減少、タンパク質発現の減少、及び/またはUSP13の酵素活性の減少に起因し得る。
【0095】
さらに、対象における神経変性疾患、筋変性疾患またはプリオン病を治療または予防する方法が提供され、方法は、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象に投与することを含む。方法は、中枢神経系の神経変性疾患、筋変性疾患、プリオン病に罹患した対象、または中枢神経系の神経変性疾患、筋変性疾患もしくはプリオン病のリスクを有する対象を選択することを任意に含むことができる。
【0096】
また、対象におけるがんを治療または予防する方法が提供され、方法は、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象に投与することを含む。この方法は、場合により、がんに罹患した対象、またはがんのリスクを有する対象を選択することを任意に含むことができる。
【0097】
本発明で使用される組成物の投与様式を以下に例示する。本明細書に記載の化合物は、注射(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内)、持続静脈内注入、皮膚、経皮、経皮、経口(例えば、錠剤、錠剤、薬液、食用フィルムストリップ)、埋め込み浸透圧ポンプ、座薬、またはエアゾールスプレーによるものを含む、さまざまな経路のいずれかによって送達することができる。投与経路としては、局所、皮内、くも膜下腔内、病巣内、腫瘍内、膀胱内、膣内、眼内、直腸内、肺内、頭蓋内、脳室内、脊髄内、皮膚、皮下、関節内、身体の腔内への配置、鼻吸入、肺吸入、皮膚への圧入、及びエレクトロポレーションが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
本明細書に記載の化合物は、細胞内のアルファ-シヌクレインレベルを低下させるのにも有用である。細胞内のアルファ-シヌクレインレベルを低下させる方法には、細胞を有効量の本明細書に記載の1つまたは複数の化合物と接触させることを含む。任意に、接触はインビボで行われる。任意に、接触はインビトロで行われる。
【0099】
V.キット
また、本明細書では、対象におけるUSP13関連疾患(例えば、神経変性疾患またはがん)を治療または予防するためのキット(医薬品パックとも呼ばれる)も提供される。医薬品パックまたはキットは、1つまたは複数の医薬組成物の成分を充填した1つまたは複数の容器を含む。キットは、本明細書に記載の化合物または組成物のいずれかを含むことができる。例えば、キットは、式I及び/または式IIの1つまたは複数の化合物を含むことができる。キットは、レバドパ、ドーパミンアゴニスト、抗コリン薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、COMT阻害剤、アマンタジン、リバスチグミン、NMDAアンタゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、リルゾール、抗精神病薬、抗うつ薬、テトラベナジン、または化学療法薬の1つまたは複数などの1つまたは複数の追加の薬剤をさらに含むことができる。キットは、本明細書に記載のいずれかの化合物または組成物の経口製剤を含むことができる。キットは、本明細書に記載の化合物または組成物のいずれかの静脈内投与製剤を含むことができる。キットはさらに、キットの使用説明書(例えば、対象を治療するための説明書)、容器、化合物または組成物を投与するための手段(例えば、注射器)、及び/または担体を含み得る。
【0100】
そのような容器(複数可)には、任意に、医薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を管轄する政府機関により規定された書式の説明書を付随させることができ、この説明書は、ヒト投与に関する製造、使用、または販売の政府機関による承認が織り込まれている。組成物の使用説明書も含めることができる。
【0101】
全体を通して使用されるように、治療する(treat)、治療する(treating)、及び治療は、疾患または障害、例えば、神経変性疾患またはがんの1つまたは複数の影響または症状を軽減または遅延させる方法を指す。対象は疾患または障害と診断され得る。治療は、単なる症状ではなく背景病理を低減する方法も指し得る。対象への投与の効果は、疾患または障害の1つもしくは複数の症状の低減、疾患または障害の重症度の低減、疾患または障害の完全な除去、または1つもしくは複数の症状の開始もしくは悪化の遅延であるがこれらに限定されない効果を有し得る。例えば、開示される方法は、治療の前の対象と比較して、または対照の対象もしくは対照値と比較して、対象における疾患の1つまたは複数の症状に約10%の低減がある場合に、治療であると判断される。したがって、低減は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはその間の任意の量の低減であり得る。
【0102】
本明細書において使用される時、予防する、予防すること、または予防によって、神経変性の疾患または障害の発症、発生率、重症度、または再発を妨げるか、遅延させるか、回避するか、除去するか、未然に防ぐか、停止するか、または妨害する方法が意味される。例えば、開示の方法は、本明細書に記載のUSP13阻害剤を投与されなかった神経変性の影響を受けやすい対照対象と比較して、神経変性の影響を受けやすい対象における神経変性または神経変性の1つまたは複数の症状(例えば、振戦、脱力感、記憶喪失、固縮、痙縮、萎縮)の発症、発生率、重症度、または再発の減少または遅延がある場合に、予防であるとみなされる。開示された方法は、治療を受ける前の対象の進行状況と比較して、USP13阻害剤の投与後に神経変性の影響を受けやすい対象における神経変性または神経変性の1つまたは複数の症状の発症、発生率、重症度、または再発の減少または遅延がある場合にも、予防であるとみなされる。したがって、神経変性の発症、発生率、重症度、または再発の低減または遅延は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはその間の任意の量の低減であり得る。
【0103】
全体を通して使用されるように、対象とは個人を意味する。好ましくは、対象は霊長類などの哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。非ヒト霊長動物も同様に対象である。対象という用語は、飼育動物(ネコ、イヌ等)、家畜(例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等)、及び実験用動物(例えばフェレット、チンチラ、マウス、ウサギ、ラット、アレチネズミ、モルモット等)を包含する。したがって、獣医学的使用及び医学的製剤が、本明細書において企図される。
【0104】
本願を通じて、様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示全体は、参照により本出願に組み込まれる。
【0105】
以下の実施例は、本明細書に記載の方法及び組成物の特定の態様をさらに説明することを意図しており、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0106】
以下の実施例は、開示された主題による方法及び結果を説明するために以下に記載される。これらの実施例は、本明細書に開示される主題のすべての側面を包含することを意図したものではなく、むしろ代表的な方法及び結果を説明することを意図している。これらの実施例は、当業者には明らかな、本明細書に記載の主題の均等物及び変形を排除することを意図したものではない。
【0107】
実施例1:USP-13阻害剤の合成
一般情報
市販の7-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン(1)、アニリン(2)、4-クロロ-6-フルオロキノリン(3)、ベンジルアルコール(4)、ベンジルアミン(5)、4-クロロ-3-ニトロ-2H-クロメン-2-オン(6)、試薬及び溶媒を、さらに精製することなく購入したまま使用した。メチル(S)-フェニルアラニネート(7)及びメチル(S)-チロシネート(8)を、それらのHCl塩からNaHCO3水溶液及びEtOAc水溶液で抽出することによって得た。NMRスペクトルは、重水素化溶媒中で400MHz(1HNMR)及び100MHz(13CNMR)で得た。反応生成物を、下記のようにシリカゲル(粒径40~63μm)上のカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0108】
合成方法と化合物の特性評価
化合物BK50118-A、BK50118-B、及びBK50118-Cは、以下に示すスキーム1に従って合成した。
【0109】
【0110】
スキーム1に従って化合物を調製するための一般的な手順を以下に示す:8mLの圧力容器に、特に明記しない限り、7-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン(1)(0.6mmol)、アニリン(1.2mmol)及びDMSO(1.0mL)を投入した。次いで、圧力容器を100℃の油浴に配置し、混合物を24時間撹拌した。
1HNMR分析に基づいて完全な変換が達成された後、反応混合物をEtOAcで抽出した。組み合わされた有機層を水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、下記のように移動相としてヘキサン-酢酸エチルを使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【化18】
【0111】
N-フェニルチエノ[3,2-b]ピリジン-7-アミン(BK50118-A)。化合物BK50118-Aを、上述の一般的な手順に従うことにより、100℃で24時間後、1mLのDMSO中の7-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン(101mg、0.6mmol)及びアニリン(111mg、1.2mmol)から98%の収率(133mg、0.59mmol)で無色の固体として得た。粗生成物を、移動相としてヘキサン/EtOAc(1:1)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。R
f=0.3(ヘキサン/EtOAc、1:1);
1HNMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=8.42(d、J=5.4Hz、1H)、7.63(d、J=5.4Hz、1H)、7.53(d、J=5.4Hz、1H)、7.45-7.37(m、2H)、7.32-7.25(m、2H)、7.19(m、1H)、6.92(d、J=5.4Hz、1H)、6.12(s、1H);
13CNMR(100MHz、クロロホルム-d)δ=157.8、148.9、146.3、139.4、129.7、128.1、126.5、124.9、122.6、120.8、102.3。
【化19】
【0112】
6-フルオロ-N-フェニルキノリン-4-アミン(BK50118-B)。化合物BK50118-Bを、上述の一般的な手順に従うことにより、100℃で24時間後、1mLのDMSO中の4-クロロ-6-フルオロキノリン(109mg、0.6mmol)及びアニリン(111mg、1.2mmol)から95%の収率(135mg、0.57mmol)で無色の固体として得た。粗生成物を、移動相としてヘキサン/EtOAc(1:1)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。R
f=0.3(ヘキサン/EtOAc、1:1);
1HNMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=8.54(d、J=5.2Hz、1H)、8.04(dd、J=9.9、5.2Hz、1H)、7.58(dd、J=9.9、2.7Hz、1H)、7.49-7.37(m、3H)、7.28(d、J=7.7Hz、2H)、7.19(m、1H)、7.01(d、J=5.2Hz、1H)、6.59(s、1H)。
13CNMR(100MHz、クロロホルム-d)δ=160.2(d、J=246.7Hz)、150.3(d、J=2.3Hz)、147.3(d、J=5.0Hz)、146.4、139.9、132.8(d、J=9.0Hz)、129.9、124.9、122.7、120.5(d、J=8.5Hz)、119.4(d、J=25.1Hz)、104.1(d、J=23.1Hz)、103.0;
19FNMR(376MHz、クロロホルム-d)δ=-114.04(m)。
【化20】
【0113】
4-(ベンジルオキシ)-6-フルオロキノリン(BK50118-C)。化合物BK50118-Cを、上述の一般的な手順に従うことにより、100℃で16時間後、4-クロロ-6-フルオロキノリン(109mg、0.6mmol)及びベンジルアルコール(1mL)から97%の収率(147mg、0.58mmol)で無色の固体として得た。粗生成物を、移動相としてヘキサン/EtOAc(1:1)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。Rf=0.5(ヘキサン/EtOAc、1:1);1HNMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=8.70(d、J=5.2Hz、1H)、8.03(dd、J=9.5、5.2Hz、1H)、7.85(dd、J=9.5、2.9Hz、1H)、7.54-7.33(m、6H)、6.80(d、J=5.2Hz、1H)、5.27(s、2H);13CNMR(100MHz、クロロホルム-d)δ=160.8(d、J=5.1Hz)、160.2(d、J=246.7Hz)、150.6(d、J=2.5Hz)、146.4(d、J=1.2Hz)、135.5、131.5(d、J=9.0Hz)、128.9、128.6、127.5、122.2(d、J=9.6Hz)、119.9(d、J=25.6Hz)、105.9(d、J=23.4Hz)、101.7、70.5。19FNMR(376MHz、クロロホルム-d)δ=-113.82(m)。
【0114】
化合物CL3-499を、以下に示すスキーム2及び以下の手順に従って合成した。
【0115】
スキーム2:
【化21】
8mLの密閉バイアルに、4-クロロ-6-フルオロキノリン(3)(100mg、0.55mmol)、Pd
2(dba)
3(10.1mg、0.01mmol、2mol%)、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(TMPCl)(11.3mg、0.03mmol、6mol%)、NaOt-Bu(169.2mg、1.76mmol)、ベンジルアミン(5)(177mg、1.65mmol)及びジオキサン(1.5mL)を投入した。次いで、バイアルを100℃の油浴に配置し、56時間撹拌した。反応をNaHCO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、移動相としてヘキサン-EtOAc(8:2)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ヘキサン-EtOAc(1:1)から再結晶させた。
【化22】
【0116】
N-ベンジル-6-フルオロキノリン-4-アミン(CL3-499)。化合物CL3-499を黄色固体として81%の収率(112mg、0.45mmol)で得た。Rf=0.16(ヘキサン/EtOAc、1:1);1HNMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.51(d、J=5.2Hz、1H)、7.99(dd、J=5.8Hz、J=5.3Hz、1H)、7.43-7.31(m、7H)、6.47(d、J=5.2Hz、1H)、5.18(bs、1H)、4.53(d、J=5.2Hz、2H);13CNMR(100MHz、クロロホルム-d)δ159.7(d、J=245.0Hz)、150.4(d、J=2.3Hz)、149.0(d、J=4.7Hz)、145.5、137.3、132.4(d、J=8.9Hz)、128.9、127.9、127.5、119.2(d、J=8.6Hz)、118.8(d、J=24.9Hz)、103.7(d、J=22.6Hz)、99.8、47.6;19FNMR(376MHz、クロロホルム-d)δ-114.97(m)。
【0117】
化合物CL3-512及びCL3-514を、以下に示すスキーム3に従って合成した。スキーム3:
【化23】
【0118】
スキーム3に従って化合物を調製するための一般的な手順を以下に示す:8mLバイアルに4-クロロ-3-ニトロ-2H-クロメン-2-オン(6)、アミノエステル誘導体(7)または(8)、K
2CO
3及びACN:H
2O(6.8mL、2.4:1)を投入した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC分析に基づいて完全な変換が達成された後、pHを7に調整し、反応混合物をEtOAcで抽出した。組み合わされた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を、下記のようにシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【化24】
【0119】
(S)-メチル(3-ニトロ-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル)-フェニルアラニネート(CL3-512)。移動相としてDCM/MeOH(9:1)を使用するカラム精製後、化合物CL3-512を、上述の一般的な手順に従うことにより、4-クロロ-3-ニトロ-2H-クロメン-2-オン(6)(200mg、0.89mmol)、メチル(S)-フェニルアラニネート(7)(146.5mg、0.89mmol)、及びK
2CO
3(246mg、1.78mmol)から90%の収率(274mg、0.8mmol)で無色の固体として得た。R
f=0.44(DCM/MeOH、9:1);
1HNMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.98(d、J=8.3Hz、1H)、7.67(dd、J=9.1Hz、7.2Hz、1H)、7.37(dd、J=9.0Hz、7.3Hz、1H)、7.28(d、J=8.3Hz、1H)、7.21~7.13(m、5H)、4.57(bs、1H)、3.34(dd、J=14.1Hz、4.5Hz)、3.29(s、3H)、3.22(dd、J=14.1Hz、8.7Hz);
13CNMR(100MHz、メタノール-d
4)δ172.1、154.9、151.0、135.8、133.8、128.7、128.3、126.9、124.5、123.5、117.2、116.7、113.1、58.8、53.4、38.1。
【化25】
【0120】
(S)-メチル(3-ニトロ-2-オキソ-2H-クロメン-4-イル)-チロシネート(CL3-514)。移動相としてDCM/MeOH(9:1)を使用するカラム精製後、化合物CL3-514を、上述の一般的な手順に従うことにより、4-クロロ-3-ニトロ-2H-クロメン-2-オン(6)(200mg、0.89mmol)、メチル(S)-チロシネート(8)(161mg、0.89mmol)、及びK2CO3(246mg、1.78mmol)から42%の収率(137.1mg、0.37mmol)で無色の固体として得た。Rf=0.21(DCM/MeOH、9:1);1HNMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.78(d、J=8.2Hz、1H)、7.55(dd、J=8.5Hz、8.5Hz、1H)、7.24(dd、J=8.5Hz、8.4)Hz、1H)、7.18(d、J=8.2Hz、1H)、6.81(d、J=8.1Hz、2H)、6.45(d、J=8.1Hz、2H)、4.40(bs、1H)、3.25(s、3H)、3.16(dd、J=14.1Hz、4.5Hz、1H)、3.04(dd、J=14.1Hz、8.5Hz、1H);13CNMR(100MHz、メタノール-d4)δ173.8、156.1、150.5、135.9、130.1、126.3、123.9、117.4、116.0、114.8、113.7、48.4、38.0、29.9。
【0121】
実施例2:活性アッセイ
細胞株、トランスフェクション、及び治療。ヒトSHSY-5Y神経芽腫細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)(ThermoFisher)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(PenStrep、ThermoFisher)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(ThermoFisher Scientific;Waltham,MA)で培養し、5%CO2を含む大気酸素濃度(21%)で、37℃でインキュベートした。SHSY-5Y細胞を、20%FBS、1%PenStrepを含むHam’sF12(1:1)(ThermoFisher)を含むDMEM中で培養した。細胞を、各実験の開始時に70~80%のコンフルエンスに達するように調整された密度で播種した。SH-SY5Y細胞を、新鮮な培地と薬物を添加する前に、FugeneHDトランスフェクション試薬(Promega;Madison,WI)を使用してヒト野生型アルファ-シヌクレインで24時間一時的にトランスフェクトした。細胞を、DMSOに溶解した1mM、100μM、10μM、1μM、0.1μM、及び0.01μMのBK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-499、CL3-512、及びCL3-514または等量のDMSOで5時間処理した。
【0122】
細胞生存率を、培養培地での乳酸デヒドロゲナーゼアッセイ(ThermoFisher)及び播種した細胞でのMTTアッセイ(ThermoFisher)によって決定した。同じ処理条件の別のサンプルを使用して、培地を除去し、0.2ml 1×ナトリウム-トリス、EDTA、NP-40(STEN)緩衝液(50mMトリス(pH7.6)、150mM NaCl、2mM EDTA、0.2%NP-40、0.2% Haltプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤溶液(ThermoFisher)を添加することにより細胞を氷上で採取した。細胞をセルスクレーパーで剥がし、遠心管に集め、4℃で30分間撹拌しながらインキュベートした。サンプルを-80℃で保存し、追加の分析に使用した。
【0123】
アルファ-シヌクレイン酵素免疫吸着法(ELISA)。総ヒトアルファ-シヌクレイン(Millipore;Burlington,MA)のELISAを、Milliplexed ELISAを使用して実施した。簡単に説明すると、Xmapテクノロジーは2つの蛍光色素で内部コード化された磁性微小球を使用する。これら2つの色素を正確に組み合わせることで、サンプル内の複数のタンパク質が同時に測定される。これらの球体のそれぞれは、特定の捕捉抗体でコーティングされている。捕捉抗体は検出抗体及びレポーター分子に結合し、ビーズ表面での反応を完了させる。
【0124】
合計25μLの可溶性タンパク質を25μLの混合ビーズ溶液とともに4℃で一晩インキュベートした。洗浄後、サンプルを25μLの検出抗体溶液とともに室温で1.5時間インキュベートした。ストレプトアビジン-フィコエリトリン(25μL)を、25μLの検出抗体溶液を含む各ウェルに添加した。次いで、サンプルを洗浄し、100μLのシース液に懸濁させた。次に、サンプルを、Xponentソフトウェアを使用してMAGPIX上で実行させた。中央蛍光強度(MFI)データを、サンプル中の分析対象物濃度を計算するための5パラメーターロジスティックまたはスプライン曲線フィッティング法を使用して分析した。特異的アルファ-シヌクレインELISAを、1×STEN緩衝液中の中脳溶解物からの組織可溶性抽出物に対して実行した。USP13(MyBioSource、カタログ番号MBS9335287)、ヒトアルファ-シヌクレイン(Biolegend、カタログ番号844101)、及び特異的p-タウser396(Invitrogen、KHB7031)についてのELISAを、メーカーのプロトコールに従って、上記のように細胞または脳組織抽出物に対して実行した。
【0125】
ウェスタンブロット分析。マウス中脳溶解物から可溶性タンパク質を抽出するために、組織を単離し、1×STEN緩衝液(50mMトリス(pH7.6)、150mM NaCl、2mM EDTA、0.2% NP-40、0.2% BSA、20mM PMSF及びプロテアーゼカクテル阻害剤)中でホモジナイズし、10,000×g、4℃で20分間遠心分離し、可溶性タンパク質画分を含む上清を収集した。抽出物を、4~12%SDS NuPAGE Bis-トリスゲル(Invitrogen、NP0301BOX)上のウェスタンブロット(WB)によって分析した。ベータアクチン(β-アクチン)をモノクローナル抗体(Emdmillipore、MAB1501R)でプローブした(1:3000)。ヒトアルファ-シヌクレインをモノクローナル抗体(ThermoFisher、AHB0261、Rockford、IL、USA)でプローブした(1:2000)。USP13をポリクローナル抗体(ThermoFisher、PA5-12014、Rockford、IL、USA)でプローブした(1:1000)。ユビキチンをポリクローナル抗体(ThermoFisher、PA3-16717、Rockford、IL、USA)でプローブした(1:5000)。WBを、Quantity One 4.6.3ソフトウェア(Bio Rad、Hercules、CA、USA)及びImage Jを使用した濃度測定によって定量化した。
【0126】
免疫沈降(IP)。マウス脳組織を1×STEN緩衝液中でホモジナイズし、可溶性画分を上記のように単離した。溶解物を固定化組換えタンパク質A/Gアガロース(Santa Crutz,sc-2003,Dallas,TX,USA)で事前洗浄し、2500×gで1分間、4℃で遠心分離した。上清を回収してタンパク質アッセイによって定量し、セファロースG及び一次抗体を含むIgG対照の存在下で、合計300μgのタンパク質を一次抗アルファ-シヌクレイン(1:200、Thermofisher、AHB0261)マウス抗体または抗ユビキチン(1:100)(ThermoFisher、PA3-16717、Rockford、IL、USA)抗体と4℃で一晩インキュベートした。2500×g、4℃で3分間の遠心分離によって免疫沈降物を収集し、最後の洗浄ステップでは界面活性剤を含まない緩衝液を使用して2500×gで3分間遠心しながら、PBSで5回洗浄し、Pierceの説明書(Pierce#20365,Rockford,IL,USA)に従ってタンパク質を溶出させた。IP後、サンプルを4~12%SDS-NuPAGEでサイズ分画し、0.45μmニトロセルロース膜に転写した。次に、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート二次抗体を使用してWB検出を実行した。
【0127】
免疫組織学。動物をキシラジンとケタミンの混合物(1:8)で深く麻酔し、生理食塩水で1分間洗浄した後、4%パラホルムアルデヒド(PFA)で15~20分間灌流した。脳を素早く解剖し、直ちに4%PFA中で、4℃で24時間保存し、その後30%スクロースに4℃で48時間移した。脳を、クライオスタットミクロトームを使用して厚さ20μmの冠状切片に切断し、-20℃で保存した。
【0128】
アルファ-シヌクレインのユビキチン化を評価するために、20μm厚さの脳切片に対して免疫組織化学を実施した。使用した抗体は、ヒトアルファ-シヌクレインモノクローナル抗体(ThermoFisher,AHB0261,Rockford,IL,USA)及びユビキチンポリクローナル抗体(ThermoFisher,PA3-16717,Rockford,IL,USA)であった。ユビキチンとアルファ-シヌクレインの共局在の光学濃度測定を、ImageJを使用して測定した。チロシンヒドロキシラーゼ(TH)はDA合成の制限酵素であるため、TH+ニューロンをプローブすることは、SNにおけるDA生成ニューロンの状態及びその線条体にある末端を評価するのに役立つ。線条体におけるTH+の蛍光染色を行い、線条体DA末端の光学濃度測定を行った。4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドールを用いた核染色を、製造業者のプロトコール(Life Technologies,Rockford,IL,USA)に従って実施した。
【0129】
20μm厚さのマウス脳切片でアルファ-シヌクレイン(ThermoFisher,AHB0261,Rockford,IL,USA)のDAB染色を実行し、ニッスルで対比染色されたアルファ-シヌクレイン+ニューロンの立体計数を実行した。
【0130】
ニッスルと銀染色。ニッスル染色を、FD Cresyl Violet Solution(商標)Regular Strength(FD NeuroTechnologies,Cat PS102-01)を製造元の指示に従って使用して実行した。銀染色は、製造業者の指示に従って、FD NeuroSilver(商標)(FD Neuro Technologies、Cat PK301)を使用して実行した。
【0131】
薬物動態研究。C57BL/6マウスにBK50118-Cを単回腹腔内投与(10mg/kg)した。脳及び血清サンプルを1、2、3、4、8、及び12時間後に収集した(n=時点ごとに3)。ビヒクル(DMSO)を注射した動物をバックグラウンドの減算に使用した。薬剤のストック溶液(1mg/mL)と内部標準をメタノールで調製した。キャリブレーター及び対照サンプルに使用した中間溶液は、メタノール/水(1:1)で段階希釈した。検量線標準及び品質サンプル(QC)の調製を、ブランクサンプル(脳ホモジネート、血清)の中間希釈液を混合することによって実行した。内部標準使用溶液には、アセトニトリル(ACN)/酢酸エチル(4:1)で希釈した重水素標識BK50118-C-d7が5ng/mLの濃度で含まれていた。血清と脳のサンプルを-80℃で保存し、調製前に室温に解凍した。脳をMilliQ水中でホモジナイズした(1mgの脳:10μL水)。25μLの水性サンプルと75μLの内部標準作業溶液を混合することにより、脳サンプルと血清サンプルの両方でタンパク質が沈殿した。混合物を12,300gで5分間遠心分離した。その後、75μLの各上清と25μLのMilliQ水を96ウェルPCRプレート(FisherScientific,Dawsonville,GA,USA)にピペットで移した。
【0132】
脳組織及び血清サンプル中のBK50118-Cの濃度を、超高速液体クロマトグラフィータンデム質量分析(UHPLC-MS/MS)によって測定した。簡単に説明すると、UHPLC-MS/MSシステムには、ポジティブモードで動作するエレクトロスプレーイオン化(ESI)源を備えたElute HTGバイナリグラジエントUHPLCポンプ、Eluteカラムオーブン、及びEVOQ Eliteトリプル四重極質量分析計(すべてBruker Daltonik GmbH,Bremen,Germany製)が含まれていた。サンプルを、10μLサンプルループを備えたPALオートサンプラー(CTC Analytics,Zwingen,Switzerland)を使用して注入し、サンプルを、6つのマイクロタイタープレート用のPALスタッククーラー内に保管し、+6℃で操作した。システムはCompass2.0/HyStar4.0ソフトウェア(Bruker)によって制御され、化合物のスクリーニング及び定量を、TASQ2.2データ取得及び処理ソフトウェア(Bruker)によって実行した。質量分析計には、Genius3045窒素/空気発生器(Peak Scientific Instruments,Inchinnan,Scotland,UK)によって生成された窒素と空気を供給した。ESIパラメーターは次のとおりである:プローブガス流量50、ネブライザーガス流量60、プローブ温度+400℃、コーンガス流量20、コーン温度+350℃、CIDガスAr1.5mTorr。質量スペクトルをMRMモードでスキャンし、テスト化合物及びそれぞれの前駆体イオンの最適な衝突エネルギーを詮索した。
【0133】
クロマトグラフィー分離には、YMC-Ultra HT Hydrosphere C18カラム(2.0×100mm、粒子サイズ2μm)及びYMC-Hydrosphere2.1×5mmガードカラム(YMC Co.Ltd.,Kyoto,Japan)を使用した。移動相Aは、水中の10mMギ酸アンモニウム、pH4.3であり、移動相Bは、10%水、50%アセトニトリル、及び40%イソプロピルアルコール中の10mMギ酸アンモニウム、pH4.3であった。移動相の勾配は次のとおりあった(分-A/B%):0分-50/50、0.5分-50/50、2.0分-20/80、3分-20/80、3.1分-50/50、4.5分-50/50。流量は450μL/分であり、カラム温度は50℃に設定した。サンプル注入量は10μLであった。
【0134】
統計及びデータ分析。すべての統計分析は、GraphPad Prismバージョン5.0(GraphPad software,Inc,San Diego,CA,USA)を使用して実行した。両側スチューデントt検定を2つの群の平均値の比較に使用した。複数の群の平均値の比較には、通常の一元配置分散分析(ANOVA)に続いてニューマン・クールスまたはダネット比較の事後検定を使用した。アスタリスクは実際のp値の有意性(*<0.05、**<0.01、***<0.001、及び****<0.0001)を示し、Nは群あたりの動物の数または独立した実験(細胞培養)の数である。特に明記しない限り、データは平均値±SDとして表される。IC50からUSP13レベルも、GraphPad Prismバージョン5.0(GraphPad software,Inc,SanDiego,CA,USA)を使用して推定した。
【0135】
結果:
本明細書に記載の様々な量の化合物で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞の生存率及び活性アッセイを実施した。具体的には、ヒトSHSY5Y神経芽腫細胞を、DMSOに溶解した1mM、100μM、10μM、1μM、0.1μM、及び0.01μMのBK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-499、CL3-512、及びCL3-514または等量のDMSOで5時間処理した。
【0136】
図1A~
図1Fのグラフは、BK50118-A(
図1A)、BK50118-B(
図1B)、BK50118-C(
図1C)、CL3-514(
図1D)、CL3-512(
図1E)及びCL3-499(
図1F)で処理した細胞におけるMTT及びLDHアッセイを表す。N=1群あたり3~4。
図1A~1Fのデータは、化合物BK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-514、CL3-512及びCL3-499が安全であり、最大1mM濃度の2つの生存率アッセイを使用して細胞死を引き起こさないことを示す。
【0137】
図2A~2Fのグラフは、BK50118-A(
図2A)、BK50118-B(
図2B)、BK50118-C(
図2C)、CL3-514(
図2D)、CL3-512(
図2E)及びCL3-499(
図2F)で処理した細胞内のELISAによるUSP13活性を示す。N=1群あたり3~9。
図2A~2Fのデータは、化合物BK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-514、CL3-512及びCL3-499が、1nM~1mM濃度の濃度範囲内でヒトUSP13の活性を有意に低下させることを示す。
【0138】
SHSY5Y細胞株におけるUSP13活性を阻害するのに必要な各化合物の半分の推定最大阻害濃度(IC
50)を決定した(表1)。Spautin-1も比較目的で評価した。
【表1】
【0139】
表1のデータは、化合物BK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-514、CL3-512、及びCL3-499がUSP-13活性を強力に阻害することを示している。
【0140】
図3A~3Fのグラフは、DMSOまたは等量のDMSOに5時間溶解した1mM、100μM、10μM、1μM、0.1μM、及び0.01μMのBK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-499、CL3-512、及びCL3-514で処理したヒトSHSY5Y神経芽腫細胞におけるELISAによるアルファ-シヌクレインレベルを示す。
図3A~3Fのグラフは、BK50118-A(
図3A)、BK50118-B(
図3B)、BK50118-C(
図3C)、CL3-514(
図3D)、CL3-512(
図3E)及びCL3-499(
図3F)で処理した細胞におけるアルファ-シヌクレインのELISAレベルを表す。N=1群あたり3~9。
図3A~3Fのデータは、化合物BK50118-A、BK50118-B、BK50118-C、CL3-514、CL3-512及びCL3-499が、1~0.1nMの濃度でアルファ-シヌクレインのレベルを有意に低下させることを示す。
【0141】
インビボ研究
BK50118-Cは強力なUSP13阻害剤であるため、この分子の薬物動態(PK)を決定した。野生型C57BL6マウスにDMSOではなく10mg/kgのBK50118-Cを注射し、0、1、2、4、6、8、12時間後に脳と血清を単離し、水中に抽出し、質量分析で検査した。BK50118-Cの濃度は、血清及び脳の両方において1時間(T最大)でピークに達し(表2)、脳及び血清においてそれぞれ81.49nM及び354.63nMの最大濃度(C最大)に達した。薬物の生物学的利用能(AUC、曲線下面積)は、脳及び血清においてそれぞれ164.3nM×h、及び599.4nM×hであった。排泄(T1/2)は、脳では2.32時間、血清では1.84時間であった。血清:脳の比率は28%に達しており、この薬剤が脳に豊富に流入していることを示す。
【0142】
表2.10mg/kgの重水素化BK50118-Cを注射した野生型マウス(C57B6)で測定したBK50118-Cの薬理学的パラメーターであり、組織を注射後12時間にわたり収集した。
【表2】
【0143】
BK50118-Cは、アルファ-シヌクレインを減少させ、アルファ-シヌクレインユビキチン化を増加させ、マウスのニューロン生存性を改善する
トランスジェニックA53Tマウスは、プリオンプロモーターの制御下でヒトアルファ-シヌクレインのアルギニンからスレオニンへの(A53T)変異を持ち、生後3か月という早い段階で線条体に豊富なアルファ-シヌクレインを持っている。雄及び雌のTgA53Tマウス(15か月齢)を、DMSO対10mg/kgまたは40mg/kgBK50118-Cの腹腔内注射で7日間毎日処理した。中脳溶解物のWBは、ヒトアルファ-シヌクレインが上記の用量で有意に減少したことを示した(
図4A、Bの1番目のブロット)。中脳抽出物からのアルファ-シヌクレインタンパク質の免疫沈降とそれに続くユビキチンWB(
図4B、2番目のブロット)では、DMSO及び10mg/kgBK50118-Cと比較して、40mg/kgBK50118-Cでのユビキチン化の増加が示された。中脳抽出物からのユビキチンの免疫沈降とそれに続くアルファ-シヌクレインWB(
図4B、3番目のブロット)では、DMSO及び10mg/kgBK50118-Cと比較して、40mg/kgBK50118-Cで単量体アルファ-シヌクレインは示されなかったが、アルファ-シヌクレインのユビキチン化の増加が示された。同じ抽出物中のアルファ-シヌクレインのELISA測定(
図4C)により、ヒトアルファ-シヌクレインがそれぞれ約30%(10mg/kg)及び56%(40mg/kg)減少したことが確認された(
図4C)。
【0144】
TgA53Tマウスはまた、線条体におけるタウオパチーの状態の上昇を示し、タウオパチーがシヌクレイノパチーの共通の特徴であることを示唆している。したがって、タウレベルも測定した。マウスのタウレベルには影響はなかった(
図4D)。20μm厚さの脳切片の免疫染色により、DMSO処理マウスの皮質(
図4E、G、I)及び線条体(
図4J、L、N)の両方でヒトアルファ-シヌクレイン染色が示された。BK50118-C処理(40mg/kg)は、DMSOと比較して皮質(
図4F、H、I)及び線条体(
図4K、M、I)の両方でヒトアルファ-シヌクレイン染色を有意に減少させた。定量化により、BK50118-C(40mg/kg)がヒトアルファ-シヌクレイン陽性ニューロンの数を皮質で42%、線条体で40%有意に減少させたことが示された(
図4I、N)。ニッスル染色により、皮質(
図6C)、線条体(
図6F)及びSN(
図6I)におけるニッスル+細胞の定量化によって検証されたように、BK50118-Cは、DMSO(
図6A、D、G)と比較して、皮質(
図6B、C)、線条体(
図6E、F)、及び黒質(SN)(
図6H、I)のニューロン数を有意に増加させたことが示された。
【0145】
BK50118-Cはアルファ-シヌクレインのユビキチン化を増加させ、TgA53Tマウスの線条体のチロシンヒドロキシラーゼレベルに最小限の影響を与える
アルファ-シヌクレインクリアランスに対するBK50118-Cの機構的効果を確認するために、TgA53Tマウスの線条体で免疫染色を行った。ヒトアルファ-シヌクレイン染色は、BK50118-C(40mg/Kg)処理マウス(
図5B)と比較した、DMSO中のヒトアルファ-シヌクレインのレベルを示す(
図5A)。DMSO処理した線条体におけるユビキチン染色(
図5C)は、40mg/KgのBK50118-Cで処理したマウスと比較したユビキチンのレベルを示した(
図5D)。DMSO中のアルファ-シヌクレインとユビキチンの融合染色(
図5E)は、BK50118-C(
図5F)と比較して、BK50118-Cで処理したマウスにおいてアルファ-シヌクレインがユビキチンと共局在することを示した。アルファ-シヌクレイン-ユビキチン染色の光学密度は、マウスにBK50118-Cを注射した場合、DMSOと比較して線条体における共局在の有意な増加(130%)を示した(
図5G)。また、TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)の染色も行った。THは、ドーパミン(DA)の前駆体であるL-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)の合成における律速段階の触媒作用を担う酵素である。THの染色は、SN及び線条体の末端におけるDA生成ニューロンの状態を評価するのに役立つ。TgA53Tマウスの線条体におけるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)の染色は、DMSO処理マウス(
図5H、J、L、N)と比較して、BK50118-C(
図5I、K、M、N)では目立った効果を示さなかった。
【0146】
添付の特許請求の範囲の化合物及び方法は、本明細書に記載の特定の化合物及び方法によって範囲が限定されず、これらは特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図されており、機能的に同等である任意の化合物及び方法は本開示の範囲内にある。本明細書に示され、かつ記載される修正に加えて、化合物及び方法の様々な修正が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。さらに、特定の代表的な化合物、方法、及びこれらの化合物及び方法の態様のみを具体的に説明するが、他の化合物及び方法は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。したがって、本明細書では、ステップ、要素、コンポーネント、または構成要素の組み合わせを明示的に言及することができるが、ただし、明示的に記載されていない場合でも、ステップ、要素、コンポーネント、及び構成要素の他のすべての組み合わせが含まれる。
【国際調査報告】