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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】気体流中の可燃性物質の監視
(51)【国際特許分類】
   F27D 17/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
F27D17/00 104Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541665
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2022051338
(87)【国際公開番号】W WO2022157304
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】21152977.1
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】パウベル,ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】バー,アブー
(72)【発明者】
【氏名】レーカー,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ケピンスキ,レオノール
(72)【発明者】
【氏名】アミラット,モハンド
(72)【発明者】
【氏名】セネシャル,ジャン-バプティスト
(72)【発明者】
【氏名】ジュマ,サラ
【テーマコード(参考)】
4K056
【Fターム(参考)】
4K056AA12
4K056AA19
4K056CA02
4K056CA04
4K056CA08
4K056CA10
4K056DB00
(57)【要約】
【解決手段】 高温気体流中の可燃性物質を監視し、且つ制御信号を生成するための方法及びデバイスであって、酸化物の制御された噴射は、監視デバイス(9)の窓と、気体流の流路(3)との間に延在するランス(8)によって気体流中に注入され、前記ランス(8)は、窓と、流路(3)内の気体流との間に見通し線を画定し、気体流中の可燃性物質の存在下において、前記可燃性物質は、ランス(8)の前方の気体流中の炎(10)内の酸化物で燃焼し、気体流中の可燃性物質の濃度と相関する炎の1つ又は複数の特性は、見通し線及び窓を通して監視デバイス(9)によって検出され、監視デバイス(9)は、1つ又は複数の検出された炎特性を処理し、且つ前記1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて制御信号を生成する、方法及びデバイス。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視デバイスによって気体流中の可燃性物質を監視する方法であって、
・前記気体流は、ガス入口からガス出口に延在する流路に沿って少なくとも550℃、好ましくは少なくとも650℃の温度で流れ、
・ランスは、前記監視デバイスの窓と、前記流路との間に延在し、前記ランスは、前記窓と、前記流路内の前記気体流との間に見通し線を画定し、
・22~100体積%の酸素含有量を有する酸化物の制御された噴射は、前記ランスによって前記気体流中に注入され、それにより、前記気体流中の可燃性物質の存在下において、前記可燃性物質は、前記ランスの前方の前記気体流中の炎内の前記酸化物で燃焼し、
・前記気体流中の可燃性物質の濃度と相関する前記炎の1つ又は複数の特性は、前記見通し線及び前記窓を通して前記監視デバイスによって検出され、
・前記監視デバイスは、前記1つ又は複数の検出された炎特性を処理し、且つ前記1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて制御信号を生成する、方法。
【請求項2】
前記酸化物の制御された噴射は、0.1Nm/h~50.0Nm/h、より好ましくは0.2~25.0Nm/hの流れで前記ランス内に注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランスは、前記見通し線が主要気体流方向と5°~175°、より好ましくは25°~155°、より好ましくは45°~135°の角度を形成するようなものである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ランスは、前記流路の断面直径の0%~50%で前記流路内に延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御信号は、前記気体流を生成する上流設備に通信され、且つ前記上流設備で制御パラメータとして使用され、及び/又は下流ガス処理設備に通信され、且つ前記設備の制御のための制御パラメータとして使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記監視デバイスは、前記炎の可視及び/又は不可視放射強度、好ましくは前記炎の可視及び/又は赤外線放射強度、好ましくは前記炎の可視及び赤外線放射強度の組合せを検出する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記気体流は、燃焼設備からの燃焼排ガス流である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記燃焼設備は、非鉄金属を溶解する炉、鉄及び鉄合金を溶解又は再溶解する炉、電子廃棄物から金属を回収するための炉、セメント又は石灰窯、廃棄物焼却窯又は高炉、電気アーク炉及びボイラを含む群から選択され、好ましくは非鉄金属を溶解する炉、鉄又は鉄合金を溶解又は再溶解する炉及び電子廃棄物から金属を回収するための炉から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記制御信号は、前記上流燃焼設備に通信され、且つ好ましくは燃料流量及び/又は燃焼酸化物流量を前記燃焼設備に合わせて10秒以内、好ましくは4秒以内、より好ましくは3秒以内に調整することにより、前記燃焼設備内の燃焼化学量論を調整するために使用される、請求項7及び8に記載の方法。
【請求項10】
22~100体積%の酸素含有量を有する酸化物は、酸化物源から前記燃焼設備に燃焼酸化物として供給され、前記同じ酸化物源からの酸化物は、前記酸化物の制御された噴射として前記ランスによって前記気体流中に注入される、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
気体流中の可燃性物質を監視するためのデバイスであって、
・前記監視デバイスの窓付近の第1の端部と、前記窓から離れる方を向いている開いた第2の端部とを有するランスであって、前記窓と、前記ランスの前記開いた第2の端部との間に見通し線を画定し、前記ランスの前記第1の端部の側面において又はその上に酸化物入口を呈する、ランスと、
・前記窓の背後に位置し、且つ前記ランス及び前記窓を通して、前記ランスの前記第2の端部の前方に位置する炎の1つ又は複数の特性を検出することができるセンサと、
・前記1つ又は複数の検出された炎特性を処理し、且つ前記1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて制御信号を生成するようにプログラミングされた処理ユニットと
を含むデバイス。
【請求項12】
前記生成された制御信号を送信するための送信機を更に含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記センサは、可視及び/又は不可視放射強度、好ましくは可視及び/又は赤外線放射強度、より好ましくは可視及び赤外線放射強度の組合せを検出することができる、請求項11又は12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ランスの前記第2の端部において又はそれに隣接して温度を検出するように位置付けられた熱電対を更に含み、前記処理ユニットは、前記熱電対とデータ通信し、且つ前記熱電対によって検出された前記温度を受信する、請求項11~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記熱電対は、前記ランス内又は前記ランスに隣接する管内に位置付けられる、請求項14に記載のデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体流中に存在する可燃性物質を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼炉の内側の炎を監視し、監視結果を使用して炉内の燃焼工程を制御することが当技術分野で公知である。
【0003】
欧州特許出願公開第A-2843340号明細書は、バーナ及び酸素供給によって加熱された炉の雰囲気内の燃焼ガスを検出する方法を提案した。前記公知の方法によれば、酸素は、炉の雰囲気内に気流(循環)を発生させるように燃焼炉内に高速で注入される。検出される燃焼ガスは、前記酸素の存在により点火され、生じた炎のスペクトルは、炉の雰囲気内の前記燃焼ガスの存在を検出するために使用される。実際に、この公知の方法は、多数の欠点を表す。ほとんどの産業の燃焼炉では、燃焼空間によって占められる容積及び燃焼雰囲気内に通常発生する流れパターンは、燃焼ガスの検出が雰囲気内の燃焼ガスの一時的な局所の蓄積に依存するのと対照的に、燃焼ガスの検出が信頼できるように、過剰な酸素量又は過剰な酸素注入速度、典型的には両方が炉の雰囲気内に十分な気流を発生させるために必要とされるようなものである。信頼できる検出に必要な量及び/又は速度の酸素注入は、費用が掛かるだけでなく、例えば充填物の酸素化が過度になり、炉内の温度プロファイルが変わることなどをもたらし得る点において、燃焼炉が作動される実際の目的にも大きく影響を与えるであろう。加えて、典型的には、前記酸素の注入を通して発生した炎のスペクトル及び燃焼炉の主要バーナによって発生した1つ又は複数の炎のスペクトルを隔離することができず、これは、記載された信頼できない方法によって燃焼ガスの検出を再度行う。
【0004】
燃焼炉の排ガス内の燃焼ガスの存在を監視することも当技術分野で公知である。スペイン特許出願公開第A-2207389号明細書から、最初に記載された公知の方法の欠点が存在しない方法が公知である。スペイン特許出願公開第A-2207389号明細書によれば、有機物質を含有し得るアルミニウム装填を溶解するための燃焼炉の排ガス中に酸素が注入されて、前記酸素注入により排ガスに生じた温度変化を検出し、検出された温度変化に応じて炉内のバーナの酸素/燃料比を調整する。スペイン特許出願公開第A-2207389号明細書に開示されたように、炉内のバーナの酸素/燃料比が、検出された温度変化が正のものであるか又は負のものであるかに応じて調整されると、方法は、精度が限定され、炉内のバーナの酸素/燃料比の周波数変化及び不安定な炉の作動の可能性をもたらす。発生した温度変化の値を使用することにより、一部の改善を提供するが、排ガスが溶解炉から出る温度の周期性(例えば、バーナの電力変化)又は非周期性変化(断片の型)など、検出された温度変化に影響を及ぼし得る他の要因を考慮できない場合に不正確なままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、燃焼工程によって発生した燃焼ガス内の可燃性物質を検出するためのより信頼でき且つより正確な方法が必要とされている。
【0006】
本発明の目的は、上で参照した先行技術方法に関連する問題の少なくとも一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ガス内の可燃性物質を検出できることは、燃焼工程によって発生したガスのみを関心対象とするわけではないため、本発明が提案する解決策は、燃焼炉排ガスの温度に類似した温度で利用可能である、燃焼ガス以外のガスにも適用可能である。
【0008】
本発明は、具体的には、ガス入口からガス出口に延在する流路に沿って少なくとも550℃の温度で流れる気体流中の可燃性物質を監視する方法に関する。従って、前記流路は、監視される気体流を生成する燃焼炉などの設備又は機器を含まない。
【0009】
流路に沿って流れる気体流の温度は、好ましくは、少なくとも600℃、より好ましくは少なくとも700℃である。前記温度は、最大で1500℃又は更に最大で1800℃に達し得る。
【0010】
気体流中の可燃性物質は、窓を含む監視デバイスによって監視される。ランスは、監視デバイスの窓と、気体流の流路との間に延在し、且つ窓と、流路内の気体流との間に見通し線を画定する。
【0011】
本発明によれば、22~100体積%の酸素含有量を有する酸化物の制御された噴射は、ランスによって気体流中に注入される。気体流中の可燃性物質の存在下において、前記可燃性物質は、ランスの前方の気体流中の炎に注入された酸化物で燃焼する。
【0012】
本概念では、流体噴射は、噴射が制御又は決定された流量及び/又は流速で流れるとき、「制御された」とみなされる。
【0013】
本発明によれば、気体流中の可燃性物質の濃度と相関する炎の1つ又は複数の特性は、見通し線及び窓を通して監視デバイスによって検出され、その後、監視デバイスは、1つ又は複数の検出された炎特性を処理し、且つ前記1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて制御信号を生成する。
【0014】
気体流が生成されるあらゆる機器の下流の流路内で監視を行うため、前記監視は、1つ又は複数の炎特性の検出に対する、前記機器内で行われる工程からの干渉のいかなる危険もなしに可能である。
【0015】
流路は、典型的には、ガス管内に位置するか又はガス管によって画定される。
【0016】
酸化物の制御された噴射は、複数の機能を有する。第1に、制御された噴射は、酸素を提供し、酸素は、気体流中の可燃性物質と一緒に気体流中に炎を発生させる。更に、制御された噴射は、制御された手法で前記酸素を提供するため、炎も制御された手法で発生し、従って存在するあらゆる可燃性物質の監視がより信頼性を増す。加えて、酸化物の制御された噴射は、監視デバイスを気体流から遮り、従って気体流、その成分及び/又はその温度により監視デバイスが損傷するか又は汚れることを防ぎ、それにより方法の耐久性及び信頼性が増す。
【0017】
本発明による方法は、少なくとも22体積%の酸素含有量、例えば酸素富化空気などを有するあらゆる酸化物で行われ得るが、気体流中で可燃性物質をより容易に点火するために、より高い酸素含有量の酸化物が好ましい。制御された噴射の酸化物は、少なくとも30体積%の酸素含有量、好ましくは少なくとも60体積%、より好ましくは少なくとも90体積%又は少なくとも98体積%の酸素を有し得る。
【0018】
同様に、方法は、周囲温度又は非極低温の準周囲温度における酸化物の気体流中への注入により行われ得るが、典型的には0℃より高く、酸化物の制御された噴射をより高温で行うことにより、気体流れ中の可燃性物質の点火がより容易になる。従って、本発明による方法に使用される酸化物は、周囲温度以上であり得、例えば少なくとも100℃、少なくとも150℃、少なくとも200℃など、及び具体的には最大で600℃又は最大で650℃の温度に事前に加熱され得る。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、酸化物の制御された噴射は、0.1Nm/h~50.0Nm/h、より好ましくは0.2~25.0Nm/hの流量でランスによって噴射される。
【0020】
有益な実施形態によれば、ランスは、見通し線が気体流方向の流れ方向と5°~175°、好ましくは25°~155°、より好ましくは45°~135°の角度を形成するように位置付けられ、角度は、見通し線と、制御された噴射の流れ方向及び気体流の流れ方向における気体流との間の角度として画定される。従って、角度が90°未満であるとき、酸化物の噴射は、気体流と部分的に並流して注入され、角度が90°を超えるとき、制御された噴射は、気体流と部分的に逆流して注入される。角度が90°であるとき、制御された酸化物の噴射は、流路に沿って気体流の流れに直角に注入される。
【0021】
ランスが流路内に延在する程度は、変動し得、典型的には流路の断面直径の0%(例えば、ランスの下流端が流路の外壁と同一平面にあるとき)~50%である。
【0022】
少なくとも25体積%の酸素を含有する酸化物で燃料を燃焼させることによって熱が発生する燃焼チャンバを通して排出ガスが流される点において、熱処理からの排出ガスを加熱することは、欧州特許出願公開第A-2701716号明細書から公知である。排出ガスは、それにより、200~1700℃、具体的には400~800℃の温度に加熱され得る。一実施形態によれば、排出ガス内の可燃性物質は、燃料として使用され、更なる燃料を追加することなく、前記酸化物により燃焼チャンバ内で燃焼される。燃焼チャンバは、耐火壁を設けた排出ガス退避管を拡大し得る。燃料及び酸化物又は酸化物のみの燃焼チャンバへの注入のために、バーナランスが使用され得、それを通して燃料及び酸化物が同軸で提供され得る。前記バーナランスは、点火システムを具備し得、赤外又は紫外プローブによって監視され得る。排出ガスに存在するあらゆる可燃性物質を監視することは、欧州特許出願公開第A-2701716号明細書に開示も提案もされていない。
【0023】
1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて監視デバイスによって生成される、本発明による制御パラメータは、様々な方法又は方法の組合せで使用され得る。例えば、制御パラメータは、オペレータが気体流の可燃性物質の含有量を検証又は記録できるようにユーザインターフェースに通信され得る。
【0024】
制御パラメータは、処理ユニットにおける所定の参照値又は所定の参照範囲と比較され得、処理ユニットは、監視デバイス内に統合されても又はされなくてもよく、警報信号は、生成された制御パラメータが、(制御パラメータの性質及び参照値が所定の最大値若しくは所定の最小値であるかどうかに依存して)参照値より高い若しくは低い場合又は生成された制御パラメータが所定の範囲から外れた場合に生成され得る。
【0025】
制御パラメータは、生成された制御パラメータが、前記設備及び/又はそこで行う工程の制御のための制御パラメータとして効率的に使用される上流設備及び/又は下流設備に通信され得る。上流設備は、気体流の流れ方向において流路のガス入口の上流に位置する設備であることを理解されたい。そのような上流設備の例は、高温燃焼ガスの気体流を生成する燃焼設備など、気体流を生成する設備である。下流設備は、気体流の流れ方向において流路のガス出口の下流に位置することを理解されたい。下流設備の例は、気体流の処理のための下流ガス処理設備、例えば、限定されないが、気体流を清浄化又は浄化するための設備であり得る。下流設備は、例えば、その化学変化により気体流を活用するための設備でもあり得る。
【0026】
監視デバイスによって検出された1つ又は複数の炎特性は、その中での酸化物の制御された噴射の注入に続いて、気体流中に発生した炎の放射強度を含み得る。監視デバイスは、従って、可視及び/又は不可視範囲、好ましくは可視又は赤外スペクトル範囲、好ましくは両方の組合せ、例えば400~1000nmの波長範囲内の前記炎の放射強度を検出し得る。
【0027】
監視デバイスは、見通し線及び窓を通して監視デバイスによって検出される炎の1つ又は複数の特性に加えて、気体流の温度を測定するための熱電対など、気体流と接触する温度センサも含み得る。好ましい実施形態によれば、前記温度センサは、22~100体積%の酸素含有量を有する酸化物の制御された噴射に位置付けられ、その制御された噴射は、気体流中に注入され、温度センサは、次いで、気体流がそのような可燃性物質を含有するとき、この制御された噴射の酸化物での気体流中の可燃性物質の燃焼により、前記気体流に発生した炎の温度を測定する。
【0028】
1つのそのような実施形態によれば、温度センサは、見通し線を画定するランス内に位置する。その場合、温度センサが位置する酸化物の制御された噴射は、前記ランスによって注入された制御された噴射と同一であり、温度センサは、炎の温度を測定し、炎の1つ又は複数の特性は、見通し線及び窓を通して監視デバイスによって検出される。
【0029】
代替実施形態によれば、温度センサが位置する酸化物の制御された噴射は、(第1の制御された噴射に対応する)ランスによって注入された酸化物の制御された噴射と異なる第2の制御された噴射である。その場合、監視デバイスは、温度センサが位置する酸化物の更なる(第2の)制御された噴射を気体流中に注入するための別個の注入器も含む。第1及び第2の制御された噴射は、隣接する場所又は離間した場所で気体流中に注入され得る。
【0030】
監視デバイスは、例えば、国際公開第A-2010/022964号パンフレットに記載された工程によれば、温度センサによって測定された温度を、(a)制御信号を生成するための追加入力として、すなわち、監視デバイスが、見通し線及び窓を通して監視デバイスによって検出された1つ又は複数の炎特性並びに温度センサによって測定された温度の両方に基づいて制御信号を生成する、追加入力として、(b)温度センサによって測定された温度が、見通し線及び窓を通して監視デバイスによって検出された1つ又は複数の炎特性の値に対応する気体流中の可燃性物質のレベルと比べて、気体流中の可燃性物質の大きく異なるレベルを示すとき、監視デバイスが警報信号を生成する、検証入力として、又は(c)監視デバイスが、見通し線及び窓を通して監視デバイスによって検出された1つ又は複数の炎特性に基づいて制御信号を生成できないとき、監視デバイスが、温度センサによって測定された温度に基づいて前記制御信号を生成する、バックアップ入力として使用され得る。
【0031】
一実施形態によれば、監視デバイスは、例えば、監視デバイスのエネルギー消費を低減するために、1つ又は複数の炎特性を断続的に検出及び/又は処理する。好ましい実施形態によれば、監視デバイスは、1つ又は複数の炎特性を連続的に検出して処理する。
【0032】
監視デバイスによって検出された1つ若しくは複数の炎特性及び/又は1つ若しくは複数の炎特性に基づいて監視デバイスによって生成された制御信号は、データ記憶デバイス内に効率的に記憶される。従って、記憶されたデータは、後に回収され、例えば気体流を生成する上流設備の性能を高めるために、事故の事後評価において又は将来の処理制御を最適化するため、具体的には自動学習工程によって使用され得る。
【0033】
1つ若しくは複数の検出された炎特性及び/又は生成された制御信号は、通常、1つ若しくは複数のユーザインターフェースに通信され、その上に/それにより表示され得る。ユーザインターフェースは、携帯電話、タブレットなどの携帯機器の一部であり得る。ユーザインターフェースは、ローカル又はリモート制御ステーションにも位置し得る。
【0034】
本発明による方法は、上述のように、気体流が少なくとも550℃の温度を有することを条件として、広範囲の気体流中の可燃性物質を監視するために使用され得る。本発明による方法は、燃焼設備からの燃焼排ガス流中の可燃性物質を監視するためにとりわけ有益である。
【0035】
燃焼設備では、熱エネルギーは、燃焼によって発生する。燃焼設備の排ガス内に可燃性物質が存在することは、設備内の不完全燃焼を示し、すなわち炉内のエネルギー発生が懸念される限り、最適な炉の作動に達していない。そのような最適に達していない炉の作動は、例えば、(廃棄物焼却炉若しくは高炉内などの)可燃性炉の充填物の成分の変動に起因するか、又は溶解工程中に制御不能に放出される金属屑など、溶解される充填物内の可燃性物質の存在による場合がある。本発明によれば、そのような燃焼設備の排ガス内の可燃性物質の存在は、確実に監視することができる。場合により、炉内の不完全燃焼は、具体的には、炉の内側の雰囲気を化学的に低減させるために意図的に模索される。そのような場合、燃焼設備の排ガスは、事実上可燃性物質を含有し、本発明による方法及びデバイスは、有利には、例えば制御不能に放出される金属屑などの充填物内の可燃性物質の存在に起因して、排ガス内の可燃性物質の濃度又はレベル及び前記濃度又はレベルの変動を監視するために使用され得る。
【0036】
本発明によれば、燃焼設備からの排ガス流中の可燃性物質の存在を監視し、且つ燃焼設備内の燃焼化学量論を調整するために、監視デバイスによって生成された制御信号を使用することにより、燃焼設備の効率が向上し得る。
【0037】
本発明が特に関心対象とする燃焼設備は、非鉄金属を(再)溶解する炉(アルミニウム、銅、鉛及び錫を溶解する炉及びそれらの合金を溶解するための炉など)、鉄及び鉄合金を溶解又は再溶解する炉、電子廃棄物(e-waste)から金属を回収するための炉、セメント若しくは石灰窯、廃棄物焼却窯又は高炉、電気アーク炉、ボイラなどを含む。好ましい実施形態によれば、本発明による方法は、非鉄金属を溶解する炉、鉄若しくは鉄合金を溶解若しくは再溶解する炉又は電子廃棄物から金属を回収するための炉からの燃焼排ガス流中の可燃性物質を監視するために使用される。
【0038】
燃焼設備からの燃焼排ガス流である気体流中の可燃性物質を監視するために方法が使用されるとき、監視デバイスによって生成された制御信号は、上流燃焼設備に通信され得、この場合、制御信号は、有利には、燃焼設備内の燃焼化学量論を調整するために使用され得る。本発明のそのような実施形態は、具体的には、排ガス流の一部として燃焼設備から出る可燃性物質(未燃物又はCOなどの部分燃焼の製品)の存在を低減又は回避するために使用され得、それにより燃焼設備のエネルギー効率が向上する。本方法は、この目的を、迅速であり、正確であり、信頼性のある手法で達成することが可能にする:
・速度:監視デバイスは、流れる排ガス流中にその場で発生した炎の1つ又は複数の特性を即座に検出する。排ガスを試料抽出する必要はない。その結果、非常に低い遅延時間を達成することができる。
・精度:監視は、ガス流を生成する設備、具体的には燃焼設備の下流の排ガス流で行われる。監視デバイスによって観察された気体流中の炎は、従って、設備内の工程、具体的には燃焼設備(燃焼設備からのあらゆる放射を含む)内の1つ又は複数の炎から遮蔽される。従って、より高い精度が達成される。空気より高い酸素含有量を有する酸化物の制御された噴射は、気体流中の炎を発生させるために使用される。炎が周囲空気で発生したとき、具体的には周囲空気の制御不能な量に比べて高い精度が得られる。
・信頼性:高温排ガス流、具体的には高温燃焼排ガス流は、腐食性であり、且つ/又は汚れている可能性があり、高レベルの凝縮性物質を含有する可能性がある。炎が気体流中に発生すると、前記炎は、煤煙を更に発生させ得る。本発明によれば、監視デバイスの窓が気体流から離間され、窓及び見通し線が、ランスを通して流れる酸化物の制御された噴射によって気体流及びその中の炎からの腐食、浸食又は堆積から保護される点でより高い信頼性及び耐久性を達成する。
【0039】
監視デバイスが燃焼設備の下流の燃焼排ガス流中の可燃性物質の存在を検出するか、又は所定レベルより高いレベルで燃焼排ガス流中の可燃性物質の存在を検出すると、監視デバイスによって生成された制御信号は、燃焼設備に供給する酸素が、燃焼設備の内側のあらゆる可燃性物質の実質的に完全燃焼又は完全燃焼を十分に確保することを確実にするように、燃焼設備内の燃焼化学量論を変更/調整/調節するために使用することができる。これは、可燃物が設備に供給される速度を変えることなく、燃焼酸化物が燃焼設備に供給される速度を増加させることにより、燃焼酸化物が燃焼設備に供給される速度を変えることなく、可燃物、具体的には燃料が燃焼設備に供給される速度を低減するか、又は燃焼設備に供給される可燃物(具体的には燃料)に対する燃焼酸化物の割合を増加させることにより達成され得る。燃焼設備が不完全燃焼で意図的に作動され、監視デバイスが、予期したより高いレベルの燃焼排ガス流中の可燃性物質を検出し、すなわち所定レベルより高いレベルで可燃性物質を検出するとき、監視デバイスによって生成された制御信号は、同様に、燃焼設備の内側の可燃性物質の燃焼レベルを、意図的に不完全であるにも関わらず、十分に確保するように、燃焼設備内の燃焼化学量論を変更/調整/調節するために使用することができ、従って例えば燃焼設備内の燃焼エネルギー生産を最適化する一方、前記設備内の非酸化性雰囲気の存在を確保する。
【0040】
好ましい実施形態によれば、監視デバイスによって生成された制御信号は、生成された対応する制御信号に基づいて、1つ又は複数の検出された炎特性の監視デバイスによる検出から10秒以内、好ましくは4秒以内、より好ましくは3秒以内に燃料流量及び/又は燃焼酸化物流量を燃焼設備に合わせて調整することにより、燃焼設備内の燃焼化学量論を調整するために使用される。
【0041】
燃焼ガス流を生成する燃焼設備内の燃焼酸化物として使用される酸化物は、制御された噴射が本発明によるガス流又は異なる化学成分に注入される、その酸化物と同じ化学成分を有し得る。
【0042】
燃焼酸化物として使用される酸化物が、周囲空気より高い酸素含有量を有するとき、燃焼設備のエネルギー効率は、典型的には、燃焼設備の空気燃焼作動に関して向上される。従って、好ましい実施形態によれば、22~100体積%の酸素含有量を有する酸化物は、燃焼酸化物として酸化物源から燃焼設備に供給される。
【0043】
2つの異なる酸化物源からの酸化物は、それぞれ燃焼設備内の燃焼酸化物として、ランスによって気体流中に注入された酸化物の制御された噴射に対して使用され得る。22~100体積%の酸素含有量を有する酸化物が燃焼設備内の燃焼酸化物として使用されるとき、有利には、一方では燃焼設備内の燃焼酸化物と同じであり、一方では酸化物の制御された噴射として気体流中にランスによって噴射される酸化物の制御された噴射と同じ酸化物源からの酸化物が使用され得る。
【0044】
本発明は、本発明による方法に使用するように適合されている、気体流中の可燃性物質を監視するためのデバイスにも関する。
【0045】
本発明によるデバイスは、ランス、センサ及び処理ユニットを含む。ランスは、監視デバイスの窓付近の第1の端部と、前記窓から離れる方を向いている開いた第2の端部とを有する。ランスは、窓と、ランスの開いた第2の端部との間に見通し線を画定する。ランスは、ランスの第1の端部の側面において又はその上に酸化物入口を更に呈する。センサは、窓の背後に位置し、且つランス及び窓を通して、ランスの第2の端部の前方に位置する炎の1つ又は複数の特性を検出することができる。処理ユニットは、1つ又は複数の検出された炎特性を処理し、且つ1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて制御信号を生成するようにプログラミングされる。使用時、ランスの酸化物入口は、酸化物流量をランスに合わせて調節できる流れコントローラを介して酸化物源に流体連結される。デバイスは、有益には、生成された制御信号を送信するための送信機も含む。
【0046】
好ましい実施形態によれば、センサは、可視又は赤外線などの不可視放射強度、好ましくは可視及び赤外線放射強度の組合せを検出することができる。
【0047】
監視デバイスは、1つ又は複数の炎特性を断続的又は連続的に検出及び/又は処理するようにプログラミングされ得る。
【0048】
監視デバイスは、好ましくは、ランスの第2の端部において又はそれに隣接して温度を検出するように位置付けられた熱電対も含む。その場合、デバイスの処理ユニットは、熱電対によって検出された温度を受信するために前記熱電対とデータ通信する。一実施形態によれば、熱電対は、ランス内に位置付けられる。代替実施形態によれば、熱電対は、ランスに隣接する管内に位置付けられる。
【0049】
本発明の方法及びデバイスの基本的な実施形態によれば、気体流中の可燃性物質の濃度と相関する1つ又は複数の検出された炎特性に基づいて監視デバイスによって生成された制御信号は、二進信号であり、2つの二進信号の一方は、所定の閾値を超えるガス流中の可燃性物質のレベルに対応する値であり、2つの二進信号の2番目は、前記閾値以下のガス流中の可燃性物質のレベルに対応する値である。例えば、具体的には、完全燃焼又は実質的な完全燃焼が、高温ガス流を生成する燃焼設備内で模索されるとき、二進信号の一方は、監視デバイスがガス流中に可燃性物質を検出しないときに生成され得、二進信号の他方は、監視デバイスがガス流中に可燃性物質を検出するときに生成され得る。
【0050】
本発明の好ましいより高度な実施形態によれば、制御信号は、非二進である。そのような場合、非二進制御信号は、有利には、気体流中の可燃性物質の濃度の値が制御信号の値から引き出され得るようなものである。例えば、制御信号及び濃度は、互いに線形依存を表し得る。
【0051】
本発明及びその利点は、図1~4を参照して以下の非限定的例により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1図1は、本発明に従って使用するための燃焼炉及び監視デバイスを含む設備の概略図である。
図2図2は、本発明に従って使用するために適切な監視機器の概略図である。
図3図3は、本発明に従って使用するために適切な監視機器の概略図である。
図4図4は、本発明に従って使用するために適切な監視機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1]に示された溶解工程は、いわゆる短回転ドラム炉(SRF)1内で実行される。
【0054】
添加材、例えばコークス、鉄、蛍石などが追加される金属装填物2が炉1内に充填される。
【0055】
裸火7は、装填物2を直接加熱し、装填物2に含有された1つ又は複数の金属を溶解させるために炉1の内側で生成される。得られた液体金属相は、叩かれ、次に冶金処理ステップ(図示せず)に向けられる。
【0056】
SRF 1は、前方ドアを介して炉のドラムの長手方向軸に金属装填物2を充填される。排気ガスは、炉のドラム軸上の炉のドラムの後部開口を通して炉から出る。SRF 1から引き出された排気は、後部開口に直接接続された垂直排出ガスチャネル3内に収集された後、サイクロン(図示せず)、更に排気濾過デバイス(図示せず)に再度向けられる。SRF 1は、3MW公称電力の1つの水冷式酸素ガスバーナ4を嵌合される。天然ガス5及び酸素6は、炉1の内側に炎7を生成するためにバーナ先端から注入される。
【0057】
示された工程は、例えば、錫を溶解するために使用され得る。換言すると、炉1内に充填される装填物は、錫装填物である。
【0058】
公称天然ガス流は、250~300Nm/hで変化する。公称酸素ガス流は、450~700Nm/hで変化する。公称排出ガス流は、2300~2700Nm/hで変化し、排出ガス公称温度は、1100~1500℃で変化すると推定される。排出ガス内のCO含有量は、0~30体積%で溶解工程中に動的に変化する。
【0059】
排出ガス内のCO含有量を検出して定量するために、監視デバイス9は、炉のドラムの外側で排出ガスチャネル4上に装着されるランス8の一端に設置される。ランス8の第2の先端は、開いており、監視デバイス9がランス8を通る排出ガス流を「観察」できるように排出ガスの流れの内側に位置する。周囲温度で1~30Nm/hの実質的な純酸素(少なくとも99体積%の酸素)の制御された流れは、ランス8を通して排出ガス流に向かって排出ガス流中に注入される。ランス8は、酸素源、この場合には酸素貯蔵器12に接続されるが、酸素源は、酸素パイプライン又は空気分離ユニットでもあり得る。
【0060】
従って、酸素が排出ガス流中に注入されることにより、排出ガスに含有されたCOが燃焼し、排出ガスに含有されたCOの量に釣り合った寸法、温度及び放射の更なる炎10を生成する。
【0061】
いかなる誤解も避けるように、本明細書で使用する場合、用語「炎」は、可視炎及び希釈された炎(無炎燃焼とも呼ばれる)の両方を含む。
【0062】
監視デバイス9は、ランス8を通して炎10を見ている間、これらの炎特性(寸法、温度及び放射)の少なくとも1つを捕捉し、排出ガスに含有されたCOの量に釣り合った制御信号を生成する。生成された制御信号は、データ処理のためにプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などのデジタルデータ処理ユニット11に送信される。処理されたデータは、国際公開第2010/022964号パンフレットに記載された方法による、バーナ4を通して注入された酸素及び天然ガスの割合を調整するための制御信号として使用される。このように、炎10の1つ又は複数の炎特性の検出と、炉1における調整ステップとの間の時間経過は、非常に短く(10秒未満、好ましくは4秒未満又は更に3秒未満)に保たれる。
【0063】
従って、炉1の作動を最適化し、排出ガス流中のCOなどの可燃性物質の存在を最小に保つことにより、特定の天然ガスの消費を最大で20%に抑えることを達成し得る。
【0064】
図2]は、本発明に使用するために適切な監視ユニットを示す。
【0065】
監視ユニットは、窓91を備えた監視デバイス9を含み、窓91を通して、窓91の前方に位置する炎の1つ又は複数の特性が監視デバイス9によって検出され得る。
【0066】
注入ランス8は、窓91から前方に延在する。監視デバイス9に向かうランス8の端部(ランス8の上流端)では、ランス8は、酸素入口81を設け、酸素入口81を介して酸素を制御された速度でランス8に送り込むことができる。ランス8の反対側の先端82(下流端)は、開口端である。ランス8は、直線であり、内部閉塞がないため、ランス8は、監視デバイス9の窓91と、ランス8の開口端82との間に明瞭な見通し線を画定する。ランス8は、フランジ83を更に設けられ、監視ユニットは、フランジ83で燃焼設備の排出ガスチャネルなどのガス流管上に装着され得る。
【0067】
フランジ83がガス流管上に装着され、ガス流管を通して高温ガス流が流れ、酸素の制御された流れが酸素入口81を介してランス8に供給されると、前記酸素は、制御された酸素噴射として高温ガス流中に注入される。高温気体流が可燃性物質を含有するとき、炎は、可燃性物質が制御された噴射の酸素に接触するところで発生する。ランス8及び窓91を通る見通し線を介して、監視デバイス9は、前記炎の1つ又は複数の特性を検出する。例えば、監視デバイス9は、CO燃焼に対応する波長で前記炎の放射強度を検出するように構築及びプログラミングされ得る。検出された強度は、従って、ガス流中のCOの濃度を示す。その後、監視デバイス9は、検出された放射強度に基づいて制御信号を生成する。
【0068】
代わりに又は前記放射強度と組み合わせて、監視デバイス9は、炎特性として炎からIR(赤外)放射を検出し、制御信号を生成するために検出されたIR放射を使用し得る。
【0069】
図3]の監視ユニットは、ランス8に加えて、その中に熱電対101が装着される更なる酸素管100を含む点で[図2]の監視ユニットと異なる。熱電対101は、監視デバイス9とデータ通信する。酸素入口81を通して送り込まれる酸素の制御された流れは、ランス8と管100とに分割されるため、それぞれは、酸素の別個の制御された噴射を高温ガス流中に注入し、可燃性物質が前記ガス流中に存在するとき、可燃性物質が注入された酸素と接触するところでガス流中に炎が発生する。ランス8及び窓91の見通し線を介して、監視デバイス9は、上記のように1つ又は複数の炎特性を検出する。加えて、管100内の熱電対101を介して、監視デバイス9は、炎温度を更に検出し、炎温度は、監視デバイス9が制御信号を生成するための更なる入力として、制御信号を生成するための可能なバックアップ入力として、又は見通し線及び窓91を介して検出された炎の1つ若しくは複数の特性の一応の正確さを検証するために安全確認として使用され得る。
【0070】
図4]の監視ユニットは、管100がランス8の酸素入口81に流体接続されない点において、[図3]に示された監視ユニットと異なる。その場合、その中に熱電対が位置付けられた管100は、酸化物ガスの制御された噴射を別個に供給され得、酸化物ガスの制御された噴射は、次に、ガス流中に注入される。代わりに、比較的少量のスイープガスは、その中に熱電対が位置付けられた管100を通して流され得るか、又はガスが全く流されなくてもよい。
【0071】
示されていない実施形態によれば、熱電対は、ランス8内に位置付けられ得る。
【0072】
本発明による方法は、実験室規模の炉から排出された排ガス流中の可燃性物質を監視するために使用された。
【0073】
排ガスの温度は、1000℃を超えた。排ガス内の一酸化炭素含有量は、0~12体積%変化した。
【0074】
使用された酸化物は、純酸素であった。
【0075】
監視ユニットは、前記炉の排ガス管の上に装着された。監視デバイスは、ユニットの監視デバイスの窓の背後に位置するフォトセンサを具備した。フォトセンサは、可視及びIR範囲内で放射強度を測定することができた。従って、窓と、前記下流端との間に見通し線を画定する酸素ランスの下流端に炎が発生したとき、監視デバイスは、前記見通し線及び窓を介して可視及びIR範囲内の炎放射の強度を検出した。
【0076】
試験の第1の組では、酸素は、炉の排ガスの温度範囲内及びガス流中のCOの変化する公知の濃度においてガス流中に異なる流量で注入された。この手法では、ガス流中の酸素で可燃性物質を燃焼することに起因して、最も際立った温度上昇を提供する、ランスを通る酸素流量、従って酸素注入速度も決定された。特定の試験条件下では、0.25Nm/hの酸素流量値は、あらゆるCOレベルに最適であることがわかった。換言すると、前記酸素流量は、COのあらゆるレベルに対して熱電対によって検出された最高排ガス温度の増加を提供した。前記最高温度の増加自体のサイズは、気体流中の増加するCOレベルと共に増加した。加えて、前記酸素流速も、あらゆるCOレベルに対するフォトセンサによって検出された、最高の検出された炎の放射強度を提供し、それにより検出された放射強度のレベルもガス流中の増加するCOレベルと共に増加した。
【0077】
試験の第1の組は、監視ユニットを較正するために使用された。
【0078】
試験の第2の組では、較正された監視デバイスは、様々な電力レベル及び燃焼化学量論で作動する炉から高温の排ガス流中のCOを監視するために使用された。所定の許容できる上限を超える排ガス流中のCOレベルに対応する放射強度を検出したとき、監視デバイスは、前記炉の酸素燃料比の対応する調整に対する制御信号を生成した。
【0079】
試験の第2の組は、試験結果による較正後、監視デバイスを使用して、未知の排ガス流中のCO含有量を、排ガス流から離間して、炉内の炎の干渉を受けずに確実に決定することが可能であることが確認された。
【0080】
監視デバイスにより炎の放射に基づいて決定されたCOレベルと、熱電対によって検出された温度上昇に基づいて決定されたCOレベルとの比較は、本発明の監視デバイスの精度及び信頼性を確認した。
【0081】
高温気体流中の可燃性物質を監視するための、本発明による方法及びデバイスの効率は、非鉄金属を溶解するための工業炉で長期間の試験中に確認され、低減した雰囲気が維持された。決定された炎特性は、可視及び近赤外線範囲内のマルチスペクトル放射強度をピクセル化した。制御信号は、国際公開第A-2010/022964号パンフレットに記載された原理に基づいて生成された。方法及びデバイスは、堅固で信頼できることがわかり、かなりのエネルギー節約が充填物の酸化を増加させることなく達成された。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】