(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】薬剤成分、ホリスティック成分、又は医薬成分のための送達システム
(51)【国際特許分類】
A61K 31/05 20060101AFI20240125BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240125BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240125BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20240125BHJP
A61F 13/20 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61K31/05
A61P15/00
A61P25/04
A61P29/00
A61K9/00
A61F13/20 230
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541755
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022012427
(87)【国際公開番号】W WO2022155412
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522265800
【氏名又は名称】ハーフォリック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バス ポール
(72)【発明者】
【氏名】キニー ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
3B200
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
3B200AA15
3B200CA17
4C076AA53
4C076AA99
4C076BB30
4C076EE06
4C076EE16
4C076EE30
4C076EE32
4C076EE36
4C076FF68
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA75
4C206NA10
4C206ZA81
(57)【要約】
医薬、ホリスティック又は薬剤成分のためのタンポン及び送達システムであって、(1)先端部及び円筒形外表面を有する概円筒形の非吸収性膣インプラントと、(2)先端部から遠位の、タンポンの円筒形外表面の少なくとも一部に適用された(そして好ましくは先端部を露出したままにする)外側送達シースと、(3)タンポン及び適用された送達シースを含むアプリケータと、を備え、外側送達シースは、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬品、ホリスティック又は薬剤成分を含む製剤を備える。送達システムの準備方法及び使用方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬、ホリスティック又は薬剤成分のための送達システムであって、
先端部及び円筒形外表面を有する略円筒形状の非吸収性膣インプラントと、
前記インプラントの前記円筒形外表面の少なくとも一部に適用された外側シースと、
前記インプラント及び前記シースを含むアプリケータと、を備え、
前記シースは、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分を有する、送達システム。
【請求項2】
前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分は、CBDを有する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記CBD成分は、前記シースの最大50%である、請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記インプラントは、一時的なインプラントである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項5】
前記シースは、前記インプラントの前記円筒形外表面に巻き付けられ、それ自体に取り付けられた可撓性シートの送達層材料で構成されている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項6】
前記シースは、前記インプラントに直接接着されていない、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記シースは、膣液の存在下で分解するように設計されている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項8】
前記シースは、膣壁に接着するように設けられている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項9】
前記シースは、前記先端部から約5~6mm遠位に配置されている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項10】
前記シース層は、約1~100mgの前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分を有する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項11】
前記シースの厚さは、約1mil~4milである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項12】
前記インプラントの前記先端部に設けられた溶解可能先端をさらに備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項13】
前記溶解可能先端は、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分を備える製剤から形成される、請求項12に記載の送達システム。
【請求項14】
前記溶解可能先端は、治療薬を含むチャンバ又はスロットを備える、請求項12に記載の送達システム。
【請求項15】
前記溶解可能先端は、中に治療薬を含むカプセルである、請求項12に記載の送達システム。
【請求項16】
前記溶解可能先端は、前記シースと一体化されている、請求項12に記載の送達システム。
【請求項17】
医薬、ホリスティック又は薬剤成分のための送達システムであって、
先端部及び円筒形外表面を有する略円筒形状の非吸収性膣インプラントと、
前記インプラントの前記円筒形外表面の少なくとも一部に適用された外側送達シースと、
前記インプラント及び前記適用された外側送達シースを含むアプリケータと、を備え、
前記外側送達シースは、第1内側放射層及び第2外側放射層を有し、前記第1又は第2放射層の少なくとも1つは、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分で構成されている、送達システム。
【請求項18】
前記第1及び第2放射層の各々は、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分から構成され、前記第2外側放射層は、前記第1内側放射層よりも迅速に溶解するように設けられている、請求項17に記載の送達システム。
【請求項19】
前記第2外側放射層は、前記第1内側放射層と比較して、より大量の前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分を備える、請求項17に記載の送達システム。
【請求項20】
前記第1及び第2放射層の各々は、前記第1及び第2放射層の各々に対して異なる(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分で構成されている、請求項17に記載の送達システム。
【請求項21】
前記第2外側放射層の前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分は、前記第1内側放射層と比較してより局所的な効果を有するように配合され、前記第1内側放射層の前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分は、前記第2外側放射層と比較してより全身的な効果を有するように配合される、請求項20に記載の送達システム。
【請求項22】
医薬、ホリスティック又は薬剤成分の送達システムを構築するための方法であって、
先端部と円筒形外表面とを有する略円筒形状の非吸収性膣インプラントを提供するステップと、
前記インプラントの前記円筒形外表面の少なくとも一部に外側送達シースを適用するステップと
前記インプラント及び前記適用された外側送達シースをアプリケータに設置するステップと、を備え、
前記外側送達シースは、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分を有し、
前記適用するステップは、
(a)前記水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分を有する可撓性材料のウェブを提供するステップと、
前記可撓性ウェブから矩形タブを切断するステップと、
前記インプラントの円筒形外表面に前記矩形タブを巻き付けるステップと、を備える、方法。
【請求項23】
前記適用するステップは、前記巻き付けるステップの後に、前記矩形タブの対向する端部を互いに接着するステップを更に備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記シースは2つの層を有し、前記2つの層の少なくとも1つは、(a)前記水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記適用するステップは、前記シースを前記先端部から約5~6mm遠位に配置する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
医薬、ホリスティック又は薬剤成分のための送達システムであって、
先端部及び円筒形外表面を有する略円筒形状の非吸収性膣インプラントと、
前記インプラントの前記先端部に設けられ、医薬、ホリスティック又は薬剤成分を担持する溶解可能先端と、
前記インプラント及び前記先端を含むアプリケータと、を備える、送達システム。
【請求項27】
前記溶解可能先端は、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)医薬、ホリスティック又は薬剤成分を備える製剤から形成される、請求項26に記載の送達システム。
【請求項28】
前記溶解可能先端は、医薬、ホリスティック又は薬剤成分を含むチャンバ又はスロットを有する、請求項26に記載の送達システム。
【請求項29】
前記溶解可能先端は、中に医薬、ホリスティック又は薬剤成分を含むカプセルである、請求項26に記載の送達システム。
【請求項30】
前記溶解可能先端は、(a)前記水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)前記医薬、ホリスティック又は薬剤成分から形成された前記シースと一体化され、前記シースは、前記インプラントの前記円筒形外表面の少なくとも一部を取り囲む、請求項26に記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2021年1月14日に出願された米国仮出願第63/137、252号の優先権及び利益を主張するものであり、その全内容は参照により本書に組み込まれる。
【0002】
現代医学では、投薬管理における第1の目的は、薬品の標的への最も直接的な経路によって、そのような薬品を個人の身体に送達することである。言い換えれば、患者の医学的疾患を治療するための薬剤の送達は、薬品を必要としない身体の領域に投与される薬品の最小限の伝達量で、最小限の時間で薬品が意図する疾患に到達して治療するために、高度に標的化されるべきである。このような正確な標的化は、身体の他の部分が薬品に悪影響を及ぼす可能性がある場合や、身体を通る迂回路が薬品を希釈する可能性がある場合に特に望まれる。
【0003】
研究において、女性の80%に影響を及ぼし、女性の10%に通常の日常生活を制限する衰弱症状を伴う月経痛などの毎月起こる可能性のある膣疾患の場合、又はウイルス、酵母、又は他の病原体によって引き起こされる可能性のある膣疾患の場合、治療薬は、人の膣腔に直接送られることが望ましい。さらに、場合によっては、薬品送達を延長し、送達領域から排出される体液が薬品送達を妨げるという問題なしに、膣腔、子宮頸部、又は子宮の領域に伝達する時間を持つことが望ましいとされる。
【0004】
このような標的を絞った長時間の送達を実現するために、ここ数十年、複数の送達システムが採用されている。しかしながら、膣管を介した薬品送達の問題から、薬品のキャリアを提供する坐薬や発泡剤は、膣管からの体液の流れや排出のために、しばしば落ちてしまったり、効果が低くなったりしてしまう。タンポン関連デバイスは、使用者へ使いやすさや馴染みやすさの点で有利であるが、先行技術は、放出された薬品が使用者の身体に送達されるのではなく、実際にタンポンに吸収され得るように構成されている。さらに、送達機構の一部としてのタンポンの使用は、使用可能な時間枠及び潜在的な悪影響なしにデバイスの使用から利益を得ることができる女性の人口を制限する。月経以外の時期にタンポンのような吸収性デバイスを使用すると、繊維の損失が残り、ウイルス、酵母、又は他の病原体の温床となり、膣上皮に微細な裂け目ができ、これらの病原体の血流への拡散を許す可能性があり、その一例はTSS(毒性ショック症候群)をもたらすことがある。
【0005】
膣薬剤送達に関する前述の先行技術は、例示であって排他的ではないことを意図しており、本明細書に記載され請求される発明の制限を意味するものではない。関連技術の様々な他の制限は、以下の明細書及び添付図面を読み、理解することにより、当業者にとって既知であるか、又は明らかとなる。
【発明の概要】
【0006】
本明細書のデバイス及び方法は、膣内又は膣と直接伝達する領域への薬品の標的化された送達に対する解決策を提供するものである。さらに、本明細書のシステムは、病気を直接治療するために膣道の組織を通して直接伝達することによって、長時間にわたって、薬品の標的化された送達のために採用可能であり、また、血流及び周辺領域に薬品などを伝達するために採用可能である。
【0007】
本開示は、試行錯誤の医療デバイスであるタンポンから着想を得て、生理痛や子宮内膜症などの病気に悩む女性を局所的に救済する送達解決策に進化させながら、このデバイスを安全に使用できる典型的な人口を超えて使用法を拡大する膣薬送達デバイスに関するものである。さらに、本システムは、膣道の組織を介した直接伝達により、長時間にわたって、あるいは標的治療薬の吸収に見合った溶解率で、薬品の標的送達を行い、病気を直接治療するとともに、薬品などを血流やその周辺に伝達するために採用可能である。
【0008】
本開示の側面によれば、治療薬(医薬、ホリスティック又は薬剤成分)のためのデバイス及び送達システムは、テーパ状曲面先端部及び円筒形外表面を有する略円筒形状の非吸収性膣インプラント部品と、先端部から遠位の、インプラントの円筒形外表面の少なくとも一部分に適用され、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリア及び(b)治療薬を有する外側送達シースと、装置及び適用されたポリマーフィルムを含むアプリケータと、を備える。デバイスの代替構成は、外側送達シースの代わりに、又は外側送達シースと組み合わせて、インプラントの先端部に位置する固定又は取り外し可能に係合する溶解可能カプセルを備えることができる。このように配置されたデバイスは、治療薬又は治療薬の組み合わせを適切な場所に適切な時間に送達する。治療薬は、消化器系を通過することはない。女性は、製品を届けるために習慣を変える必要がない。
【0009】
上記の説明に関して、ここに開示された膣内薬品送達システム発明の少なくとも1つの好ましい実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明における構造の詳細及び図面に示された構成要素の配置にその適用が限定されないことが理解されるであろう。ここに説明され示された本発明は、この開示を読んだ当業者によって、他の実施形態が可能であり、他の様々な方法で実践され実施されることが可能である。また、本明細書で採用されている言い回しや用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0010】
このように、当業者は、本開示が基づいている着想が、他の膣内薬品送達デバイスの設計のための基礎として、及び本開示デバイスのいくつかの目的を遂行するために、容易に利用され得ることを理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、そのような同等の構造及び方法論を含むものとみなされることが重要である。
【0011】
月経困難症によって引き起こされるような痛みの治療のための一実施形態では、治療薬として鎮痛剤、より具体的にはイブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)を使用することが好ましい。同様の実施形態において、治療薬は、カンナビノイド、より具体的にはカンナビジオール(CBD)又はカンナビジオール酸(CBDA)などの植物由来種であり、いくつかの研究では、カンナビノイドの痛みを緩和する抗炎症効果に加えて、研究されている他の効果のうち潜在的な制吐、抗不安作用が確認されている。別の実施形態では、感染症のリスクにつながる不均衡な膣マイクロバイオームの治療のために、ラクトバチルス種、より具体的にはL.crispatus(クリスパータス)などの治療薬としてのプロバイオティクスが使用される。
【0012】
より詳細な実施形態では、治療薬成分は、外側送達シースの最大50%である。代替的に、又は追加的に、外側送達シースは、膣壁に付着するように設けられる。代替的に、又は追加的に、外側送達シースは、約1~200mgの治療薬を含む。代替的に、又は追加的に、送達シースの厚さは、約1mil~20milである。
【0013】
一実施形態では、デバイスは、溶解可能な外側送達シースも含んでいてもいなくてもよい円筒形の膣インプラント構成要素に係合するように提供されたカプセルとして提供されるか、又はそれと組み合わせて提供されることができる。カプセルは、PCLなどの溶解可能なポリマー又は他の材料でもあってもよく、カプセルは、膣管を介して標的領域に送達される薬品を保持する、含浸された、及び/又はその中にキャビティを有する。本明細書のデバイスの同様の実施形態では、カプセル及び円筒形の外側送達シースは、一体構造として形成することができる。この態様では、カプセルは、外側送達シースの溶解と同時の速度で溶解することができ、又はより急速に溶解することができる。本明細書のデバイスの別の実施形態では、カプセルは、局所的に薬品の継続的な送達を提供するように、同じ溶解可能な態様で構成され得る。しかしながら、溶解可能なカプセルは、再使用可能なデバイスへの取り外し可能な係合のために適用されることができる。使用中、この構成のカプセルは、時間の経過とともに係合が外れて溶解する。このような構成により、患者に必要な薬が入ったカプセルを薬局から調剤し、デバイスに係合させ、挿入時に離脱し、時間の経過とともに溶解するようにすることができる。
【0014】
本開示の目的は、容易に採用できる膣内薬品送達システム及びそのための方法を提供することである。
【0015】
本明細書のシステムにおける本発明の膣内薬品送達デバイス及び方法のこれら及び他の目的、特徴、及び利点、ならびに後続の説明から明らかになる既存の先行技術に対するその利点は、本明細書に記載の改良によって達成され、以下、本発明を完全に開示する以下の詳細説明に記載するが、いかなる方法でもそれを制限すると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本明細書のデバイス及び方法を採用する開示されたシステムの実施形態及び/又は特徴の一部、しかし唯一又は独占的な例を示すものである。本明細書に開示された実施形態及び図は、いかなる方法においても限定するのではなく、本明細書の発明の例示とみなされることが意図される。
【0017】
【
図1】
図1は、非吸収性膣インプラントに提供され、アプリケータコンポーネントに配置された、本開示の実施形態による医薬、ホリスティック又は薬剤送達機構の側面図であり、アプリケータコンポーネントは、断面で示されている。
【
図2】
図2は、非吸収性膣インプラントに提供され、アプリケータコンポーネント及び除去コンポーネントのない例示的な医薬、ホリスティック又は薬剤送達機構の側面図である。
【
図3】
図3は、非吸収性膣インプラントの周囲に取り付けられる前の、例示的な医薬、ホリスティック又は薬剤送達機構の側面図である。
【
図4】
図4は、追加の先端送達成分を有する、医薬、ホリスティック又は薬剤送達機構の別の実施形態の断面図である。
【
図6】
図6は、別の先端送達成分を組み込んだ別の実施形態の側面図である。
【
図7】
図7は、別の先端送達成分を組み込んだ別の実施形態の側面図である。
【
図8】
図8は、別の先端送達成分を組み込んだ別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~3を参照すると、本開示は、薬剤、ホリスティック又は医薬成分のための送達システムに向けられている(本開示は、このような送達システムを構築するための方法にも向けられており、本開示は、このような送達システムを用いるための方法にも向けられている)。本システムは、テーパ状曲面先端部12、遠位端部14、及び一般的な円筒形外表面を有する一般的な円筒形状の非吸収性膣インプラント10を備える。実施形態において、非吸収性インプラント10は、一般的に、タンポン形状であるが、タンポンの吸収特性を有さない。好ましくは、膣インプラントは、一時的なインプラント(例えば、ストリング18を使用して取り外し可能)である。システムは、また、インプラント10の外側円筒面の一部について、先端から遠位端に適用された外側送達シース16を有する(すなわち、遠位端は、外側送達シースから実質的に自由である)。外側送達シース16は、医薬、ホリスティック又は薬剤成分を担持する水溶性ポリマーフィルムキャリアを含む。インプラント10は、遠位端から延びる従来のタンポンストリング18と、インプラント10及び外側送達シース16を有する従来のタンポンアプリケーターアセンブリ20とを備えることもできる。実施形態において、インプラント10は、再利用可能であってもよい。
【0019】
非吸収性インプラント10は、人体への外科的又は非外科的な挿入又は埋め込みのために知られている任意の材料、又は材料の組み合わせで構成することができる。実施形態では、インプラント10は、そのような材料で構成された固体、中空円筒である。
【0020】
実施形態では、水溶性ポリマーフィルムは、インプラントの円筒形外表面に適用する前に、医薬、ホリスティック又は薬剤成分を配合される。このような水溶性ポリマーフィルムは、ARxという会社から商業的に入手可能であり、製品識別ARCare93488非粘着性分解可能フィルムである。
【0021】
実施形態では、医薬、ホリスティック又は薬剤成分はCBDを有する。より詳細な実施形態では、CBD成分は、外側送達シースの50%までを占めることができる。例えば、外側送達シースは、100mgの材料を有することができ、ここでは、CBDは、送達シース材料の50mgまで取る。
【0022】
実施形態では、シース16製剤は、~50%の濃度でイブプロフェンを含む。より詳細な実施形態では、シース16は、~11milの厚さ、40mm×50mmの固体フィルムであり、主に、糖アルコールベースの可塑剤及び非イオン性界面活性剤と本明細書に記載するような天然ポリマーとの組み合わせからなる。
【0023】
実施形態では、外側送達シース16は、インプラント10の円筒形外表面の一部について適用されるシート(例えば、ウェブから切り取られたもの)の形態である。外側送達シースは、膣管内の膣壁に付着するように設けられることもできる。実施形態では、外側送達シース16は、先端部12から約5~約6mm遠位である。実施形態では、外側送達シース16は、約1~約100mgの医薬、ホリスティック又は薬剤成分を有する。実施形態では、送達シース16は、約1mil~約4milの厚さである。
【0024】
使用中、インプラント10及び送達シース16が患者の膣管に挿入されると、送達シース16の配合により、送達シースが患者の膣壁に付着することができ、これにより、患者の血流への医薬、ホリスティック又は薬剤成分のより効果的且つ迅速な移送が可能となる。さらに、医薬、ホリスティック又は薬剤成分がCBDである場合、例えば、現在のデバイスは、月経痛の領域でCBD成分の血流への送達をより効果的且つ迅速に行うことを可能にする。
【0025】
外側送達シースの配合は、時間の経過とともに患者の体内で安全に溶解するように設計されている。テストでは、外側送達シース16の実施形態は、30分未満で効果的に完全に溶解することが示されている。
【0026】
デバイスの実施形態は、まず、水溶性ポリマーフィルムに有効量の医薬、ホリスティック又は薬剤成分を配合することによって製造することができる。次に、製剤は、一般的には厚さが1mil~4milの間であるが、最大20milまで厚くてもよい、可撓性材料のウェブ(タンポンについて巻かれ、シースとして一緒に固定できるように十分に可撓性がある)の形態で硬化/硬質化される。次に、ウェブは、
図3に示すように、複数の矩形タブ16′に切断され、その各々は、非吸収性インプラント10の外周面の周りに別々に巻き付けられることもできる。タブ16′がインプラント10の外周面の周りに巻き付けられると、シース16が形成される。実施形態では、シース16のフィルムは、インプラント10の周囲でそれ自体に接着される。これは、熱、少量の水分、及び/又は接着剤を使用することによって行うことができる。実施形態では、シース16は、インプラント10に直接接着されず、むしろシース16は、挿入されている間、インプラント表面上の所定の位置に留まるように十分にきつくインプラント10についてそれ自身に接着される。一旦挿入されると、膣液の存在下で、シース16は、インプラントから分離し、ばらばらになる。
【0027】
シース16がタンポン形インプラント10の外周面に適用されると、インプラント10及びシース16は、次に、従来のタンポンアプリケーターデバイス20に取り付けられることができる。
【0028】
外側送達シース16の厚さは、送達シースが溶解する速度を制御するために、製造中に変化させることができ、それによって、患者への医薬、ホリスティック又は薬剤成分の送達速度を制御する。ある例示的な製剤では、厚さの変化は、経口テストにおける溶解時間と直線的な関係を示していた。フィルム厚が47%減少した場合、溶出時間は平均して44%減少した。溶出時間は、ポリマー組成、治療薬の濃度、添加物(可塑剤、セルロース系など)の存在、フィルムへの水分取り込み、及びpHによっても影響を受けることがある。
【0029】
開示された送達システムは、従来のタンポンアプリケータを使用することができるため有効であり、その結果、患者は、送達デバイスを快適に使用し、利用することができる。
【0030】
このデバイスは、インプラントの円筒形の外表面領域を包含する軸方向に配置された円筒形シース16を提供し、これは、膣液及び温度やpHなどの条件によって活性化される所望の溶解率で使用者に目標とする利益を提供する材料で構成することができる。
【0031】
本明細書において、上、上方、下方、前、後、上部、下部、左、右及び他のそのような用語の方向前置詞は、図面に配向され現れるデバイスを指し、便宜上のみ使用されており、そのような用語は、デバイスを特定の方向で使用又は配置しなければならないことを限定又は示唆することを意図するものではない。さらに、実質的又は略にという言葉が使用される場合、そのような使用時に別途定義されない限り、±20%であることを意図している。
【0032】
ここで、
図4~
図9の図面を参照すると、同様の構成要素が同様の参照符号で識別されており、
図4及び
図5には、円筒形状の非吸収性インプラント10の遠位端に別の先端22が係合する態様が示されている。
【0033】
図4及び
図5のデバイスの態様では、先端22は、PCLのような流体溶解可能材料で形成されている。先端22の材料は、シース16の材料と同じであってもよいが、本明細書に記載するように、異なる溶解特性を有する異なる材料であってもよい。先端22及びシース16の一方又は両方を形成する溶解可能材料は、先端22及びシース16の溶解中に膣管に送達されるべき所望の治療薬又は薬剤を含浸させることができる。
【0034】
先端22は、治療薬を含浸させた本明細書に記載の溶解可能ポリマーの固溶体又は他の材料で形成されてもよいし、先端22を形成する壁で囲まれた先端22の先端に延びるスロット24で形成されてもよい。スロット24が設けられる場合、溶解可能薬26は、スロット24内に配置されることができる。
【0035】
実施形態では、先端22は、それ自体が先端22に含まれる密閉されたキャビティ(図示せず)内に薬(図示せず)を含むカプセルであってもよい。この実施形態では、治療薬は、先端部が溶解して封入されたキャビティが露出するにつれて先端22の壁に開口部が形成されると、膣管内に分散される。
【0036】
図9に示されているように、インプラント10aは、インプラント10aの遠位端と係合するように適用された係合可能な先端22aによって形成されてもよい。この態様は、医師及び薬局が、好ましくは膣腔を通して送達される複数の薬をストックすることを可能にする。識別できるように、無限の異なる薬を有する先端22aは、特定の患者の病気を治療するようにストックされ提供されてもよく、ストックされた円筒形インプラント10aに係合されることができる。これにより、カプセルの溶解に伴って溶解する1つ以上の薬を含浸させたカプセル22aの高いカスタマイズ性を実現することができる。
【0037】
図6及び
図7を参照すると、先端22b又は22cに先端スロット24b又は24cが形成されている場合、1つ以上の薬の二次供給を有するカプセル22b又は22cが提供されることもできる。この二次的な薬の供給は、先端スロット24b又は24c内に予め配置されてもよく、又は、例えば、封入されたキャビティを囲む先端22の壁を通して一時的に連絡される皮下注射針を用いて医療従事者によって(先端部自体がカプセルである実施形態において)封入されたキャビティに配置されることができる。
【0038】
実施形態において、取り外し可能に係合可能な溶解先端22は、円筒形インプラント10の遠位端部又はそれと係合するように構成された、嵌合コネクタ26又は接着剤を備えることができる。そのような、例えば、コネクタ26を、円筒形インプラントハウジング10の先端/遠位端に配置された相補的なコネクタと係合するピン又はフック又は他の突起物とすることもできる。
【0039】
実施形態において、溶解先端22は、描かれた錠剤、カプレット又はカプセル26のような薬との係合に適合され得る。この態様では、図示された選択された薬又はサプリメントのタブレット26は、それに係合するように適合された溶解先端22の先端スロット24内に配置される。そのようなことは、例えば、先端スロット24の側壁を可撓性に形成し、スロットの幅を、薬やサプリメントに使用される従来利用可能な錠剤やカプセル26のほとんどよりも小さく形成することによってあり得る。使用時、錠剤又はカプセル26は、
図6に示すようなスロット24内の圧縮係合に摺動される。こうして、カプセル26内に提供される薬及び/又はサプリメントは、それが溶解可能な膣管に送られることになる。
【0040】
本開示は、送達シース内の医薬、ホリスティック又は薬剤成分(本明細書では治療薬又はAPIとも呼ばれる)についての多くの可能な選択肢を想定している。本開示は、以下の各グループ(医薬、医療、及びホリスティック)について簡単に説明し、ポリマーフィルムに含まれ得る各グループの例を提供する。
【0041】
医薬グループは、成分の潜在的なリストを有する。用途に応じて、1つの医薬成分が他のものより好ましい場合がある(例えば、治療される状態に基づく)。しかしながら、以下の医薬のいずれもがポリマー溶液に添加されることができる。医薬は、特定の疾患及び不調の「緩和」又は証明された「治癒」のためのFDA認可の医学研究に基づいて、独立して又は組み合わせて、ポリマー溶液中で適切に使用され得る。医薬グループは、以下のうちの1つ又は2つ以上の組合せを有することができる。
1.解熱鎮痛剤
2.鎮痛剤
3.抗マラリア薬
4.抗生物質
5.気分安定薬
6.ホルモン補充剤
7.興奮剤
8.精神安定剤
9.スタチン
10.制酸剤
11.逆流防止剤
12.抗炎症剤
13.抗ドパミン薬
14.プロトンポンプ阻害剤(PPIS)
15.H2受容体拮抗薬
16.細胞保護剤
17.プロスタグランジンアナログ
18.緩下剤
19.抗痙攣薬
20.止瀉薬
21.胆汁酸分泌抑制剤
22.オピオイド
23.B受容体遮断薬(「B遮断薬」)
24.カルシウムチャネル遮断薬
25.利尿剤
26.強心配糖体
27.抗不整脈薬
28.硝酸薬
29.抗アンギヌス薬
30.血管収縮薬
31.血管拡張薬
32.ACE阻害剤
33.アンジオテンシン受容体遮断薬
34.βブロッカー
35.Aブロッカー
36.チアジド系利尿薬
37.ループ利尿薬
38.アルドステロン阻害薬
39.凝固
40.抗凝固薬
41.ヘパリン
42.抗血小板薬
43.フィブリノリティクス
44.抗血友病因子薬
45.止血剤
46.HMGコアレダクターゼ阻害剤
47.低脂血症治療薬
48.麻酔薬
49.抗精神病薬
50.抗うつ剤(三環系抗うつ剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、リチウム塩、選択的セロ
ニン再取り込み阻害剤(SSRIS)等を含む。)
51.制吐剤
52.抗痙攣薬/抗てんかん薬
53.抗不安薬
54.バルビツール酸塩
55.運動障害(例えば、パーキンソン病)治療薬
56.興奮剤(アンフェタミンを含む)
57.ベンゾジアゼピン系薬剤
58.シクロピロロン系
59.ドパミン拮抗薬
60.抗ヒスタミン剤
61.カンナビノイド
62.5-HT(セロトニン)拮抗薬
63.鎮痛薬
64.非ステロイド性抗炎症薬(Nsaids)(COX-2選択的阻害剤を含む)
65.筋弛緩剤
66.神経・筋治療薬
67.抗コリンエステラーゼ
68.気管支拡張薬
69.鎮咳剤
70.ムコリッチ
71.脱血栓剤
72.副腎皮質ホルモン剤
73.β2アドレナリン作動薬
74.抗コリン剤
75.マスト細胞安定化剤
76.ロイコトリエン拮抗薬
77.アンドロゲン
78.抗アンドロゲン薬
79.エストロゲン
80.ゴナドトロピン
81.副腎皮質ホルモン(コルチコステロイド)
82.ヒト成長ホルモン
83.インスリン
84.糖尿病治療薬(スルホニルウレア系、ビグアナイド系/メトホルミン系、チアゾリジン系、インスリン系)
85.甲状腺ホルモン剤、A
86.甲状腺機能低下症治療薬
87.カルシトニン
88.ジホスホン酸塩
89.バソプレシンアナログ
90.アルカリ化剤
91.キノロン系
92.コリン作動薬
93.抗痙攣薬
94.5-αリダクターゼ阻害剤
95.選択的α-1ブロッカー
96.シルデナフィル
97.不妊治療薬
98.ホルモン不妊法
99.オルメロキシフェン
100.止血剤
101.抗線溶薬
102.ホルモン補充療法(HRT)
103.骨調整剤
104.β受容体アゴニスト
105.卵胞刺激ホルモン
106.ルテナイジングホルモン
107.LHRH
108.ガモレン酸
109.ゴナドトロピン放出抑制剤
110.プロゲストーゲン
111.ドパミンアゴニスト
112.エストロゲン
113.プロスタグランジン
114.ゴナドレリン
115.クロミフェン
116.タモキシフェン
117.ジエチルスチルベストロール
118.抗真菌剤
119.抗レプロティクス
120.抗結核薬
121.抗マラリア薬
122.駆虫薬
123.アメーバ剤
124.抗ウイルス剤
125.抗原虫薬
126.プロバイオティクス
127.プレバイオティクス
128.ワクチン
129.免疫グロブリン
130.免疫抑制剤
131.インターフェロン
132.モノクローナル抗体
133.抗アレルギー剤
134.抗ヒスタミン剤
135.副腎皮質ホルモン剤
136.電解質
137.ミネラル製剤(鉄製剤及びマグネシウム製剤を有する)
138.非経口栄養剤
139.ビタミン類
140.抗肥満薬
141.蛋白同化薬
142.造血器官用医薬品
143.食品用医薬品
144.細胞毒性薬
145.抗体治療薬
146.性ホルモン
147.アロマターゼ阻害剤
148.ソマトスタチン阻害剤
149.リコンビナントインターロイキン
150.G-CSF
151.エリスロポエチン
【0042】
何千種類もの医薬品が存在するが、市販されている医薬品はすべて、米国病院フォーミュラリーサービス(AHFS)の薬理・治療分類システムの1つ以上の階層に分類されている。この分類は、薬剤師の全国組織である米国医療システム薬剤師会(ASHP)によって開発され、維持されている。この分類には、次のような医薬品群を有する。
1.抗ヒスタミン薬(製剤のクラリネックス、ザイザル、OTC薬のアレグラ、ベナドリル、クラリチン、クロルトリメトン、ジルメタン、ジルテック、タビストを有する)
2.抗感染症剤(ペニシリン系、抗ウイルス剤を有する)
3.抗悪性腫瘍剤
4.自律神経系薬剤
5.血液誘導体
6.造血・凝固・血栓症治療薬
7.心血管系薬剤(ジゴキシン、アセブトロール、プロプラノロール、リシノプリルを有する)
8.細胞治療薬
9.中枢神経系(CNS)薬(興奮剤、抑肝散を有する)
10.避妊薬
11.歯科用剤
12.診断薬
13.電解質・カロリー・水バランス
14.酵素
15.呼吸器系薬剤
16.眼・耳・鼻・咽喉(EENT)製剤
17.消化器官用薬(ラベプラゾールナトリウム、ニタゾキサニド、ベバシズマブ、ニザチジンを有する)
18.金化合物
19.重金属拮抗薬
20.ホルモンとその代用品
21.局所麻酔薬
22.オキシトシク
23.放射性薬剤
24.血清・毒物・ワクチン
25.皮膚・粘膜用剤
26.平滑筋弛緩剤(シクロベンザプリン、カリソプロドールなど)
27.ビタミン類
28.その他の治療薬
29.医薬品補助剤
【0043】
ホリスティック群には、以下に挙げるような潜在的な成分リストが含まれる。ホリスティック群は、チンキ剤、エッセンシャルオイル、植物、花又は根の抽出物、細胞塩、サルコース、ノゾース、及びビタミンなどの方法で、病気及び/又は痛み(精神、身体、又は感情)、又は不快感の治療薬としてのハーブ、ビタミン、及び/又はミネラル(単一又は組み合わせ)の添加物を含むことがある。ホリスティック群には、自然療法、中国伝統医学、東洋医学、アーユルヴェーダ医学で使用される成分が含まれる場合がある。また、この分類には、魚油、オメガ3脂肪酸、グルコサミン、コンドロイチン、又は亜麻仁油などの非ビタミンサプリメントが含まれる場合がある。ホリスティック群は、以下の成分の1つ以上を有することができる。
1.イチョウ
2.オトギリソウ
3.ハーブ花粉エキスNOS
4.センナ・アレキサンドリナ
5.ハーブエキスNOS
6.シミシフガ・ラセモサ
7.エキナセア・プルプレア
8.プランタゴ・オバタ
9.セレーノア・レペンス
10.グリシン・マックス
11.メマツヨイグサ
12.ブドウ
13.カンナビス・サティバ
14.カンナビス・インディカ
15.メンサ×ピペリタ
16.シトラス×パラディシ
17.カノコソウ
18.マリアアザミ、オオアザミ
19.ビスカムアルバム
20.アリウム・サティヴム
21.ビテックス・アグヌス・キャストゥス
22.ペラルゴニウム・レニフォルム根
23.ジギタリス・プルプレア
24.高麗人参NOS
25.フミン酸
26.ビタミンA、B-6、B-12、C、D、E、K
27.クロミウム
28.葉酸
29.カルシウム
30.鉄分
31.亜鉛
32.植物、果実、ナッツのチンキ剤、濃縮物、抽出物
【0044】
実施形態では、水溶性ポリマーフィルム16及び/又は溶解可能先端22は、プルラン、アルギン酸ナトリウム、マルトデキストリン、ゼラチン、又はデンプンなどの天然ポリマーの組み合わせを用いて優先的に配合される。これらのうちの2つ以上を組み合わせることにより、配合者は、水への溶解度、粘度、粘着性、膨潤、フィルム形成、及び機械的特性などのいくつかの重要な特性の間でバランスをとる柔軟性を得ることができる。これらの特性は、可塑剤や少量の界面活性剤の使用により、さらに向上させることができる。しかし、これは、HPMC、CMC、HPC、PCL、PVA、PVP、又はPEOなどの合成ポリマーの使用を制限すべきではなく、これらは1つ以上、又は天然ポリマーと組み合わせて、様々な利点を提供し、様々な治療薬との適合性の課題や欠点、及びフィルム特性へのそれらの影響を克服するのに特に有用であると考えられる。
【0045】
代表的な配合は、重量ベースで以下の組成範囲に入ることができるが、特定の治療薬の固有の必要性のために限定されるべきではない。
治療薬 ~5~50%
水溶ポリマー ~3~70%
可塑剤 ~0~20%
界面活性剤 ~0~5%
充填剤 ~0~5%
【0046】
以下の表1は、例示的な配合物で使用可能なポリマーの非網羅的なリストであり、ポリマーの各特性及び主要な知見に関する情報と共に記載されている。
【表1】
【0047】
この表1は、以下の論文にある情報に基づいている。論文は、Karki, et. al., Thin Films as an Emerging Platform for Drug Delivery (Asian Journal of Pharmaceutical Sciences, June 2016)である。別の有益な論文は、Bala, et. al., Orally Dissolving Strips: A New Approach to Oral Drug Delivery System (Int J Pharm Investig Apr-Jun 2013)である。これらの論文のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
可塑剤の種類、割合、及び化学的性質は、ポリマー水性分散体からのフィルム形成、及び結果としてフィルムの最終的な特性に影響を及ぼす可能性がある。実際、ポリエチレングリコール(PEG)、ジエチレングリコール(DEG)、グリセロール(GLY)、キシリトール、ソルビトール、フルクトース、スクロースなどのポリオールは、バイオポリマーフィルムのいくつかの特性を改善する有効な可塑剤と考えられている。
【0049】
界面活性剤又は表面活性剤は、分散、湿潤、可溶化、乳化を助け、より均質な混合物又は溶液を可能にするために使用することができる。これは、親水性ポリマー系における親油性治療薬の使用など、他の方法では相容れない成分を使用する場合に特に重要である。界面活性剤を適切に選択することで、より安定したフィルムが得られ、水性媒体への溶解を助け、また治療薬の全体的な吸収を助けることができる。使用される代表的な界面活性剤には、ラウレス硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシメチレンステアレート、ポロキサマー、及びツイーン(Tween)、スパン(Span)タイプの製品などがある。
【0050】
充填剤とは、より一般的なカテゴリーで、低濃度の様々な添加物を含むことができる。これには、TiO2のような着色剤のような美的目的の添加物や、製造中の液体フィルムのレオロジー修正、又は固体フィルムの安定化剤として使用することができる。これは、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナンなどのセルロース系や天然ガムを有することができる。
【0051】
送達シース16の粘着特性は、上記の表1に示すようなポリマー成分に起因する可能性がある。
【0052】
本開示の特定の実施形態は、フィルム16の組成物において複数の層を利用することができる。例えば、例示的なフィルム16は、内側放射層及び外側放射層を有することができ、ここでは、粘膜と最初に接触する外側放射層は、内側放射層よりも速く溶けるように配合される。このような外側放射層は、長期的な救済のために、溶解の遅い内側放射層16aに治療薬の低用量で、より迅速な初期救済のために治療薬のより大きな用量を提供し得る。別の例として、層の一方が第1治療薬を含み、他方の層が第2治療薬を含むことができる。第1治療薬は、より局所的な効果を有するように配合/選択され、第2治療薬は、より全身的な取り込みを有するように配合/選択されることができる。別の例として、内側放射層は、上皮層を通過して拡散する前に、より速く溶解する外側層がタンポンに吸収されないように保護する、より遅く溶解する保護層として配合することができる。別の例として、内側層は、治療薬を含まない非吸収性(又は実質的に低速吸収性)接着剤又はバリア層としてより使用されることができる。このような非吸収性の内側層は、外側層がより遅い溶解時間を有することを可能にし、これはより長い放出メカニズムのための選択肢となり得ることもある。別の例として、外側層は、内側層中の治療薬の組み込みが困難であるか、製造又は保管/流通に必要な特定の特性を欠く製剤を必要とする場合に、シースに追加の機械的特性を与えるように配合されることもある。
【0053】
溶解特性を変えるために、異なる層間で様々な製剤調整を行うことができる。例えば、ポリマーの分子量を上げると、機械的性質に良い影響を与えるが、鎖の絡まりが増えるため、溶解性が低下することがよくある。また、可塑剤や界面活性剤など、他の添加剤を使用することで調整することも可能である。可塑剤の含有量を増やすと溶解性に悪影響を及ぼすことが多いが、界面活性剤はポリマーの濡れ性/膨潤性を高めるために使用でき、溶解性を助けることができる。
【0054】
局所的な治療薬の例としては、膣マイクロバイオームのバランスをとるための乳酸菌種や混合物などのプロバイオティクスや、細菌性膣炎の治療のためのメトロニダゾールやクリンダマイシンなどの抗生物質が考えられる。全身的な作用様式を示すことができる治療薬の例としては、鎮痛剤又はカンナビノイドが挙げられる。
【0055】
シース16対先端22のための異なる製剤の選択は、シースの異なる層の選択について上述したのと略同じ方法で提供されることもできる。
【国際調査報告】