(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】mRNAがコードする抗体を送達する方法および組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 48/00 20060101AFI20240125BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240125BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240125BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240125BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240125BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20240125BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240125BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240125BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240125BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240125BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20240125BHJP
A61K 9/51 20060101ALI20240125BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240125BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240125BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20240125BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20240125BHJP
C07K 16/24 20060101ALI20240125BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240125BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240125BHJP
A61K 38/20 20060101ALN20240125BHJP
A61K 39/395 20060101ALN20240125BHJP
【FI】
A61K48/00 ZNA
A61P37/02
A61P11/06
A61P11/02
A61P11/00
A61P21/00
A61P43/00 105
A61P37/08
A61P17/04
A61P1/04
A61P17/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P31/14
A61K31/7105
A61K9/51
A61K47/24
A61K47/14
A61K47/28
A61K31/7125
C07K16/24
C07K16/28
C12N15/13
A61K38/20
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K39/395 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542664
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 US2022012416
(87)【国際公開番号】W WO2022155404
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517316797
【氏名又は名称】トランスレイト バイオ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】リアン・ボーグリン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ゲナール
(72)【発明者】
【氏名】カン・アン・トラン
(72)【発明者】
【氏名】アニュシャ・ディアス
(72)【発明者】
【氏名】フランク・デローザ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA24
4C076AA65
4C076BB13
4C076BB21
4C076CC03
4C076CC07
4C076CC09
4C076CC10
4C076CC15
4C076CC16
4C076CC18
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4C076DD70
4C076FF70
4C084AA13
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4C086NA13
4C086NA14
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4C086ZA61
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4C086ZB13
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4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、とりわけ、対象における免疫疾患を処置する方法を提供し、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-9R、IL-13R、IL-25RまたはIL-33Rから選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。本発明はまた、とりわけ、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-9R、IL-13R、IL-25RまたはIL-33Rから選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを含む組成物を提供し、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における免疫疾患を処置する方法であって、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33から選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている、方法。
【請求項2】
対象における免疫疾患を処置する方法であって、それを必要とする対象に、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1)から選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている、方法。
【請求項3】
抗体が、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質標的を阻害し、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
抗体が抗IL6R抗体または抗IL4Rα抗体である、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
免疫疾患が、喘息、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症-間質性肺疾患(SSc-ILD)、特発性肺線維症IPF、サルコイドーシス、またはアレルギーから選択される、請求項1~4に記載の方法。
【請求項6】
免疫疾患が、アトピー性皮膚炎、好酸球性表現型を有する喘息、または経口コルチコステロイド依存性喘息、鼻ポリポーシスを伴う慢性副鼻腔炎、小児アトピー性皮膚炎、小児喘息、好酸球性食道炎、COPD、結節性そう痒症、慢性自然蕁麻疹および水疱性類天疱瘡、イネ科花粉アレルギー、およびピーナッツアレルギーから選択される、請求項1~4に記載の方法。
【請求項7】
免疫疾患が、関節リウマチ、多関節型若年性特発性関節炎、全身性若年性関節炎、または重度のCovid-19疾患から選択される、請求項1~4に記載の方法。
【請求項8】
投与が、噴霧、気管内送達、または吸入によって行われる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
投与が、肺組織へのmRNAの投与をもたらす、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
投与が、少なくとも約48時間、72時間、96時間、または120時間の抗体発現をもたらす、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
mRNAの少ない全身曝露が起こるかまたは全身曝露が全く起こらない、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
免疫疾患が自己免疫性皮膚炎またはアトピー性皮膚炎から選択される、請求項1~4に記載の方法。
【請求項13】
投与が静脈内で行われる、請求項1~12に記載の方法。
【請求項14】
投与が腹腔内で行われる、請求項1~12に記載の方法。
【請求項15】
抗体が全身的に発現される、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
LNPが、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質うちの1つまたはそれ以上を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
LNPがコレステロールをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
LNPが、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とPEG修飾脂質のモル比を、それぞれ約30~60:25~35:1~15で有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
非カチオン性脂質が、1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DEPE)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン 4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、または1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)から選択される、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
LNPが、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEが約5:60:35の比で存在する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
重鎖および軽鎖が単一のmRNAにコードされる、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
重鎖および軽鎖が別々のmRNAにコードされる、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
LNPが150nm以下のサイズを有する、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
LNPが100nm以下のサイズを有する、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
LNPが75nm以下のサイズを有する、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
LNPが約60nmのサイズを有する、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
1つかそれ以上のmRNAが安定性を高めるために修飾されている、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
1つかそれ以上のmRNAが、修飾ヌクレオチド、キャップ構造、ポリAテール、5’および/または3’非翻訳領域を含むように修飾されている、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
1つかそれ以上のmRNAが修飾されていない、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33から選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つかそれ以上のmRNAを含む組成物であって、1つかそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている、組成物。
【請求項32】
IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1)から選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つかそれ以上のmRNAを含む組成物であって、1つかそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている、組成物。
【請求項33】
抗体が、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1)から選択されるタンパク質標的を阻害し、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている、請求項31または32に記載の組成物。
【請求項34】
抗体が抗IL6R抗体または抗IL4Rα抗体である、請求項31~33に記載の組成物。
【請求項35】
LNPが、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質のうち1つかそれ以上を含む、請求項31~34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
LNPがコレステロールをさらに含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
LNPが、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とPEG修飾脂質のモル比を、それぞれ約30~60:25~35:1~15で有する、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
非カチオン性脂質が、1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DEPE)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン 4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、または1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)から選択される、請求項35~37に記載の組成物。
【請求項39】
LNPがDMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEを含む、請求項31~38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEが約5:60:35の比で存在する、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
mRNAが、
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASRFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAENSLFLQMNGLRAEDTALYYCAKGRDSFDIWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVTYLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号18)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL6R抗体重鎖をコードする、請求項34に記載の組成物。
【請求項42】
mRNAが、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む、抗IL6R抗体重鎖をコードする、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
mRNAが、DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPGKAPKLLIYGASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFASYYCQQANSFPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号19)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
mRNAが、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む、抗IL6R抗体軽鎖をコードする、請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAがコドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACTGGAAGCCGGACAAGCCTGCTGCTGGCCTTTGGCCTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGAAGCGCATTTCCAACAATTCCTCTGAGCGAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGAGGAGGCCTCGTGCAGCCAGGCAGATCCCTGAGGCTCTCCTGCGCCGCTAGCAGATTCACTTTCGACGACTACGCCATGCACTGGGTGCGGCAGGCACCTGGCAAGGGACTGGAATGGGTGTCCGGCATTTCTTGGAACAGCGGGCGGATCGGGTACGCGGACAGCGTGAAAGGAAGGTTTACAATCTCCCGGGACAATGCTGAGAACTCCCTGTTCCTGCAGATGAACGGCCTGAGAGCTGAAGACACAGCACTGTACTATTGCGCAAAAGGCCGCGACTCCTTTGACATCTGGGGGCAGGGCACAATGGTGACCGTGTCTAGCGCCTCCACAAAAGGACCTAGCGTTTTCCCACTGGCTCCATCTAGCAAGTCTACATCCGGGGGCACCGCCGCTCTGGGCTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCTGAGCCCGTCACTGTCAGCTGGAACTCCGGAGCTCTGACCTCAGGCGTGCACACTTTTCCCGCTGTGCTGCAGAGCTCTGGCCTGTACAGCCTGAGCAGCGTTGTGACCGTGCCTAGCTCATCCCTCGGCACCCAGACCTATATCTGCAACGTCAACCACAAACCTTCCAACACCAAAGTGGACAAGAAAGTGGAACCTAAGTCCTGCGATAAGACTCATACTTGCCCTCCTTGTCCAGCACCAGAGCTGCTGGGGGGGCCAAGCGTGTTTCTCTTTCCACCTAAGCCTAAAGACACCCTGATGATCTCCAGGACCCCAGAGGTGACATGTGTGGTGGTGGACGTGTCTCATGAGGACCCTGAGGTGAAATTCAATTGGTATGTGGACGGCGTTGAGGTTCACAACGCAAAGACCAAGCCAAGGGAGGAGCAGTATAATAGCACCTATCGCGTGGTGTCCGTCCTGACAGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGGAAGGAGTATAAGTGTAAAGTGAGCAACAAGGCACTGCCTGCTCCTATCGAGAAGACTATCAGCAAAGCTAAAGGACAGCCAAGAGAGCCCCAGGTGACCTACCTGCCACCTTCTCGGGACGAACTGACCAAAAACCAGGTGAGCCTGACTTGCCTGGTGAAGGGCTTTTATCCCTCTGATATTGCAGTGGAGTGGGAGAGTAACGGGCAGCCCGAGAACAACTACAAGACTACTCCACCAGTTCTGGATTCCGACGGCAGCTTCTTCCTGTATAGCAAACTGACAGTGGACAAGTCCCGGTGGCAGCAGGGCAACGTTTTTAGCTGCAGCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCATTACACACAGAAGTCTCTGTCTCTGTCCCCCGGAAAGTGA(配列番号2);
(B) ATGGCCACCGGGTCTCGGACAAGCCTCCTGCTCGCATTCGGGCTCCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAAGAAGGATCCGCATTTCCCACCATTCCACTGTCTGAGGTGCAGCTGGTCGAGTCTGGAGGAGGACTGGTGCAGCCTGGCAGGTCTCTGAGGCTGTCTTGCGCTGCCAGCCGGTTTACCTTTGATGATTACGCCATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGCAAAGGACTGGAATGGGTGTCCGGAATTTCCTGGAATAGTGGCAGGATCGGCTATGCCGACTCTGTCAAAGGCCGGTTTACAATCTCCCGCGACAACGCTGAGAACTCCCTGTTCCTGCAGATGAACGGCCTGAGAGCTGAAGATACCGCCCTGTACTATTGCGCCAAGGGGCGCGACAGCTTCGACATTTGGGGCCAGGGAACCATGGTGACTGTGAGCAGCGCATCCACAAAAGGGCCCTCCGTGTTCCCCCTGGCACCTTCCAGTAAATCCACTTCTGGCGGAACAGCAGCTCTCGGCTGTCTGGTGAAGGATTATTTCCCCGAGCCAGTGACAGTGTCTTGGAATTCTGGCGCACTCACCAGTGGAGTCCACACTTTTCCAGCCGTGCTGCAGAGCTCCGGACTGTATTCCCTGAGCTCCGTCGTGACAGTGCCATCCTCTTCTCTGGGAACTCAGACATATATTTGCAACGTTAATCATAAGCCTTCTAACACCAAGGTGGATAAGAAAGTGGAGCCCAAATCCTGCGACAAGACACACACTTGCCCACCATGCCCTGCCCCTGAACTGCTGGGAGGACCAAGCGTGTTTCTCTTCCCTCCTAAGCCTAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAGGTGACATGCGTGGTGGTTGACGTCTCCCATGAAGATCCTGAAGTGAAATTTAACTGGTACGTGGACGGAGTGGAAGTGCACAATGCAAAGACCAAACCCCGCGAGGAACAGTACAACTCCACTTACCGGGTGGTTTCCGTGCTGACAGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGAAAAGAGTATAAGTGCAAAGTGAGCAATAAGGCCCTGCCCGCCCCTATTGAGAAGACCATCTCTAAGGCTAAAGGCCAGCCTCGCGAACCCCAGGTTACCTATCTGCCTCCAAGCAGAGATGAGCTCACCAAAAACCAGGTGTCTCTGACCTGTCTGGTGAAAGGCTTCTATCCAAGCGATATCGCCGTGGAGTGGGAGTCCAACGGACAGCCAGAAAACAATTACAAGACTACCCCACCTGTCCTGGACAGCGACGGGAGCTTCTTTCTGTACTCTAAGCTGACAGTCGACAAAAGCCGGTGGCAGCAAGGCAACGTCTTCAGCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCATAATCATTATACTCAGAAGTCTCTGAGCCTGAGCCCTGGCAAGTAG(配列番号3);
(C) ATGGCCACTGGAAGCAGAACCTCCCTGCTGCTGGCATTCGGACTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAGGAGGGATCCGCTTTCCCAACCATCCCCCTCAGCGAGGTGCAGCTCGTTGAATCTGGAGGAGGACTGGTGCAACCAGGACGCTCCCTGAGACTGTCTTGTGCTGCTTCCAGGTTTACTTTTGACGATTATGCTATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCAGGAAAAGGACTGGAATGGGTGTCTGGAATTTCTTGGAACAGCGGACGCATTGGCTACGCCGACTCTGTGAAGGGAAGGTTTACTATCTCCAGGGATAACGCGGAAAACTCCCTCTTCCTCCAGATGAACGGCCTGAGGGCAGAGGACACCGCTCTGTACTACTGCGCCAAAGGAAGAGATAGCTTCGATATCTGGGGACAGGGGACCATGGTGACAGTTTCCAGCGCTAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCACTGGCCCCATCCTCCAAGAGCACTTCTGGCGGGACTGCTGCACTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTATTTCCCTGAGCCTGTGACAGTGAGCTGGAACTCAGGAGCACTGACTTCCGGGGTGCATACATTCCCCGCTGTGCTGCAGTCTTCTGGGCTGTATTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTCCCTTCCTCAAGCCTGGGAACCCAGACATATATTTGTAACGTGAACCACAAGCCAAGCAATACAAAGGTGGATAAGAAGGTGGAGCCTAAGTCCTGTGACAAAACACACACATGTCCCCCATGTCCAGCTCCTGAACTGCTTGGCGGACCATCCGTCTTCCTGTTTCCACCCAAACCAAAGGATACACTGATGATCAGCCGGACACCAGAGGTGACTTGCGTCGTCGTGGACGTCAGCCATGAAGACCCCGAGGTGAAGTTTAATTGGTATGTGGACGGGGTGGAGGTCCACAACGCCAAGACCAAACCCAGGGAGGAGCAGTACAACTCCACTTATCGCGTGGTTTCTGTGCTGACAGTCCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGGAAGGAGTACAAATGCAAAGTGTCCAATAAGGCCCTGCCCGCCCCAATCGAGAAAACTATTTCAAAGGCCAAAGGACAGCCCAGAGAGCCACAGGTGACCTACCTCCCTCCTTCCAGGGACGAGCTCACTAAGAATCAGGTGTCTCTGACTTGCCTGGTGAAAGGCTTTTATCCTTCTGACATCGCAGTGGAGTGGGAGAGCAATGGCCAGCCCGAGAACAATTATAAAACAACACCACCCGTCCTGGACTCTGATGGCAGCTTTTTCCTGTATAGCAAGCTGACAGTGGACAAATCACGCTGGCAGCAGGGGAATGTCTTCAGCTGTAGCGTGATGCACGAAGCTCTGCACAATCACTATACACAGAAGTCCCTGTCCCTGAGCCCAGGAAAATAA(配列番号4);または
(D) ATGGCTACCGGCAGCAGGACTAGCCTGCTGCTGGCTTTCGGCCTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAAGAGGGGTCCGCTTTCCCTACTATCCCTCTGTCCGAAGTGCAGCTGGTCGAGAGCGGAGGGGGCCTGGTGCAGCCTGGAAGAAGTCTGCGCCTGTCCTGCGCAGCAAGCAGGTTTACATTTGACGACTACGCAATGCACTGGGTGCGCCAAGCTCCAGGCAAAGGCTTAGAATGGGTGTCTGGCATCAGCTGGAACTCAGGGCGGATCGGCTACGCAGACAGCGTGAAGGGCAGGTTCACTATCTCTAGGGACAACGCCGAGAACTCCCTGTTCCTGCAGATGAATGGGCTGCGGGCAGAAGACACTGCACTGTATTATTGTGCTAAGGGGAGAGACTCTTTCGACATCTGGGGCCAGGGCACAATGGTGACTGTGTCCTCTGCCTCTACCAAGGGCCCTTCCGTGTTCCCACTGGCACCAAGCAGCAAATCCACATCCGGGGGGACCGCAGCTCTCGGATGTCTGGTGAAAGACTATTTCCCTGAGCCCGTCACAGTGTCTTGGAATTCCGGCGCCCTGACAAGCGGCGTGCACACTTTTCCTGCCGTTCTGCAGAGCTCCGGCCTATACTCCCTGTCCAGCGTGGTGACAGTCCCTTCTAGCAGTCTGGGCACACAGACTTATATTTGCAACGTGAATCACAAGCCATCTAACACCAAGGTGGATAAGAAGGTGGAACCAAAGTCCTGTGATAAAACCCATACCTGTCCTCCATGTCCAGCTCCTGAACTCCTGGGGGGACCCTCTGTGTTCCTGTTCCCACCTAAGCCTAAAGACACTCTGATGATTTCCAGAACTCCTGAGGTGACTTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCATGAGGATCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGAGTCGAGGTGCATAACGCTAAAACTAAACCAAGAGAGGAACAGTATAATTCCACTTATAGAGTTGTGAGCGTCCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGAAAAGAATACAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGCACTCCCCGCACCAATTGAGAAGACCATTTCCAAGGCCAAGGGCCAGCCAAGAGAGCCTCAGGTGACCTATCTGCCTCCAAGCCGGGACGAACTGACAAAGAATCAGGTCAGCCTGACTTGCCTGGTGAAGGGGTTTTACCCTTCTGACATCGCCGTGGAATGGGAGTCTAATGGACAGCCCGAAAACAACTACAAGACCACACCACCCGTGCTGGACAGCGATGGCTCCTTTTTCCTGTATAGTAAACTGACCGTCGACAAGTCTCGCTGGCAGCAGGGCAACGTGTTTTCTTGCAGCGTTATGCATGAAGCCCTCCACAACCACTATACACAGAAAAGCCTGTCTCTCAGCCCTGGGAAGTGA(配列番号5)のうちの1つと少なくとも80%同一の配列を含む、請求項42に記載の組成物。
【請求項46】
抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAがコドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACTGGAAGCCGGACAAGCCTGCTGCTGGCCTTTGGCCTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGAAGCGCATTTCCAACAATTCCTCTGAGCGACATTCAGATGACACAGAGCCCCAGCAGCGTGTCCGCATCAGTGGGAGACAGGGTGACTATCACATGTAGAGCTTCTCAAGGAATTAGCTCTTGGCTGGCCTGGTATCAGCAGAAGCCAGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTATGGAGCTAGCTCTCTGGAGTCTGGGGTGCCATCTAGGTTCAGTGGCTCCGGCAGCGGAACAGACTTCACACTGACTATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGACTTTGCCAGCTACTACTGCCAGCAGGCAAATAGCTTTCCCTATACTTTCGGACAGGGCACCAAGCTGGAGATTAAGCGGACCGTTGCTGCTCCAAGCGTGTTCATCTTCCCACCTTCCGACGAGCAGCTGAAGTCTGGCACCGCCAGCGTGGTGTGTCTGCTGAACAATTTCTATCCCCGTGAAGCCAAAGTGCAGTGGAAGGTGGATAACGCTCTCCAGTCTGGCAATTCCCAGGAGAGCGTGACAGAGCAGGATTCTAAGGATTCTACCTACTCCCTGTCCAGCACACTGACCCTGAGCAAGGCCGATTACGAAAAACACAAAGTGTACGCCTGCGAAGTCACACACCAGGGGCTGAGCTCCCCAGTGACAAAGAGCTTTAATAGAGGGGAGTGCTGA(配列番号6);
(B) ATGGCTACAGGGAGCCGCACTAGCCTGCTGCTGGCTTTTGGCCTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAAGAGGGGTCCGCCTTTCCTACCATCCCCCTGTCCGATATTCAGATGACCCAGTCCCCTAGCAGCGTGTCTGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACTATCACCTGTAGGGCCAGCCAGGGCATTTCTAGCTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAGCCAGGAAAGGCTCCCAAACTGCTGATCTACGGGGCATCCTCTCTGGAGTCCGGAGTGCCAAGCAGATTCTCTGGGAGCGGCAGCGGGACCGATTTCACACTGACCATTAGCAGCCTGCAGCCAGAAGACTTCGCCAGCTACTATTGTCAGCAGGCAAACTCTTTTCCTTATACCTTCGGGCAGGGGACTAAACTGGAAATCAAGCGGACAGTGGCTGCTCCAAGCGTGTTCATCTTCCCACCTTCCGACGAGCAGCTGAAGTCTGGCACAGCTTCCGTGGTGTGCCTGCTGAACAACTTTTATCCAAGGGAAGCTAAAGTGCAGTGGAAGGTGGACAACGCTCTGCAGTCTGGAAATAGCCAGGAATCCGTGACTGAGCAGGATAGCAAAGACAGCACATACAGCCTGTCTTCCACTCTGACCCTGAGCAAGGCAGACTACGAGAAACACAAAGTGTATGCCTGTGAGGTGACCCATCAGGGCCTGTCTAGCCCAGTGACCAAGTCCTTTAACAGAGGCGAATGTTGA(配列番号7);
(C) ATGGCAACTGGATCCCGGACCTCTCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAGGAGGGGAGCGCTTTTCCTACTATCCCCCTGTCTGACATCCAGATGACTCAGAGCCCAAGCTCTGTGTCCGCAAGCGTGGGGGACAGGGTGACAATCACTTGCAGGGCATCCCAGGGAATCTCCTCTTGGCTGGCATGGTACCAGCAGAAACCTGGAAAAGCCCCAAAACTGCTGATTTATGGCGCTTCCAGCCTCGAATCCGGAGTGCCATCCCGGTTTTCTGGCTCCGGCAGCGGGACAGATTTTACTCTGACCATCTCTAGCCTGCAGCCAGAGGATTTTGCCTCCTATTATTGCCAGCAGGCCAACAGCTTTCCTTATACCTTTGGACAGGGAACTAAGCTGGAGATCAAGAGGACAGTGGCTGCTCCTAGCGTGTTCATCTTCCCACCTTCTGACGAACAGCTGAAGTCTGGAACAGCCTCTGTGGTGTGCCTCCTCAACAACTTCTATCCCCGGGAGGCTAAGGTCCAGTGGAAAGTGGACAACGCCCTGCAGTCCGGAAACTCCCAGGAGAGCGTGACCGAGCAGGACAGCAAGGATAGCACTTATTCCCTGTCCTCCACCCTGACTCTGTCCAAGGCCGACTACGAAAAGCACAAAGTGTACGCCTGCGAAGTCACTCATCAGGGACTGAGCTCCCCCGTGACCAAGAGCTTCAATAGGGGAGAATGTTAG(配列番号8);または
(D) ATGGCAACTGGCTCCAGGACTAGCCTGCTGCTGGCATTTGGCCTCCTGTGTCTGCCATGGCTGCAGGAGGGCTCCGCCTTCCCAACAATTCCACTGTCCGACATCCAGATGACACAGTCCCCTAGCAGCGTGAGCGCCTCCGTGGGAGATAGAGTGACAATTACCTGTCGCGCAAGCCAGGGGATCAGCAGCTGGCTGGCCTGGTATCAACAGAAACCTGGAAAAGCCCCCAAGCTCCTGATCTATGGCGCCAGCAGCCTGGAAAGCGGGGTTCCAAGCCGGTTTTCCGGGTCCGGCAGCGGAACTGACTTCACCCTGACAATTTCAAGCCTGCAGCCCGAGGATTTTGCAAGCTACTACTGTCAGCAGGCTAATAGCTTTCCTTACACATTCGGCCAGGGCACCAAGCTCGAAATTAAAAGAACTGTGGCTGCCCCATCCGTGTTTATCTTCCCACCCTCTGACGAACAGCTGAAGTCCGGGACAGCCTCTGTGGTGTGCCTGCTGAACAATTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTCCAATGGAAGGTCGACAATGCTCTGCAGTCTGGAAACTCCCAGGAGTCTGTGACTGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTATAGCCTGTCTTCCACCCTGACCCTGAGCAAGGCCGATTACGAAAAGCACAAGGTGTATGCCTGTGAGGTGACCCACCAGGGACTGTCTAGCCCAGTGACTAAATCCTTTAATAGAGGCGAATGCTGA(配列番号9)のうちの1つと少なくとも80%同一の配列を含む、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
mRNAが、EVQLVESGGGLEQPGGSLRLSCAGSGFTFRDYAMTWVRQAPGKGLEWVSSISGSGGNTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKDRLSITIRPRYYGLDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG(配列番号20)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする、請求項34に記載の組成物。
【請求項48】
mRNAが、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む、抗IL4Rα抗体重鎖をコードする、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
mRNAが、DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLYSIGYNYLDWYLQKSGQSPQLLIYLGSNRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGFYYCMQALQTPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号21)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする、請求項34に記載の組成物。
【請求項50】
mRNAが、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAがコドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACAGGCTCTAGGACATCCCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGATCTGCATTCCCAACTATCCCTCTGTCCGAGGTTCAGCTGGTGGAAAGCGGGGGAGGGCTGGAGCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTGTCCTGCGCTGGATCCGGCTTCACTTTTCGCGATTATGCCATGACATGGGTGCGGCAGGCCCCCGGCAAAGGACTGGAGTGGGTTTCCAGCATTTCTGGCAGCGGAGGGAACACCTACTATGCCGATAGCGTGAAGGGAAGGTTTACAATCAGCCGCGATAACAGCAAGAATACCCTCTATCTGCAGATGAATTCTCTGAGGGCAGAGGACACTGCCGTGTATTATTGCGCAAAGGATAGGCTGAGCATCACTATCCGCCCACGCTACTACGGGCTGGACGTGTGGGGGCAGGGAACTACCGTTACCGTGTCTTCCGCCAGCACAAAGGGACCTTCTGTGTTCCCCCTGGCTCCCTGTAGCAGATCCACCTCTGAGAGCACCGCTGCCCTGGGATGCCTGGTGAAGGATTATTTCCCAGAGCCCGTGACTGTGAGCTGGAATTCAGGCGCACTCACCTCTGGGGTGCACACCTTCCCTGCCGTGCTGCAGTCCAGCGGCCTGTATTCTCTCTCCAGCGTCGTGACCGTGCCTTCCAGTAGCCTGGGAACTAAAACATATACCTGTAACGTGGATCACAAGCCCTCCAATACCAAGGTGGACAAGCGGGTCGAGAGCAAGTACGGACCCCCATGTCCTCCCTGTCCAGCTCCTGAGTTCCTGGGGGGCCCTTCAGTGTTCCTGTTTCCCCCTAAGCCAAAGGACACTCTCATGATCTCCAGGACTCCAGAGGTGACATGCGTGGTGGTGGATGTCAGCCAGGAGGATCCAGAGGTCCAGTTCAATTGGTACGTCGACGGGGTGGAGGTGCATAACGCCAAGACTAAGCCCCGCGAGGAACAGTTTAATTCCACTTACAGGGTGGTCTCTGTGCTGACTGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGAAAGGAGTATAAGTGCAAAGTGTCTAATAAGGGGCTGCCCAGCTCCATCGAGAAAACAATCTCTAAGGCTAAGGGGCAGCCTCGGGAGCCTCAGGTGTACACTCTGCCCCCTTCACAGGAAGAGATGACCAAAAATCAGGTGTCCCTGACTTGCCTGGTGAAGGGGTTTTATCCCTCTGACATCGCAGTGGAATGGGAGTCCAACGGCCAGCCTGAAAACAACTATAAGACAACCCCTCCCGTGCTGGATAGCGACGGGAGCTTTTTCCTGTACAGCAGACTGACTGTGGATAAATCTAGGTGGCAGGAGGGAAACGTGTTTTCTTGCAGCGTCATGCACGAAGCCCTGCACAATCACTACACACAGAAATCCCTGTCCCTGTCCCTGGGCTGA(配列番号10);
(B) ATGGCTACCGGGTCCAGGACATCTCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAGGAAGGCTCAGCCTTTCCAACAATCCCACTGTCCGAAGTGCAGCTGGTGGAGAGCGGCGGCGGCCTTGAACAACCTGGAGGCTCTTTGAGACTGTCATGCGCCGGGTCCGGATTTACCTTTCGCGACTACGCAATGACTTGGGTGCGCCAGGCTCCCGGAAAGGGACTGGAATGGGTTTCCTCTATTAGCGGGTCCGGCGGCAACACTTATTACGCAGATAGCGTGAAGGGGCGCTTCACTATTAGCAGGGACAATTCTAAAAACACCCTGTACCTGCAGATGAACAGCTTAAGAGCCGAAGACACAGCTGTGTACTACTGCGCTAAAGACAGACTCTCCATTACAATCCGCCCAAGGTATTACGGCCTGGACGTGTGGGGCCAGGGAACAACAGTGACCGTGAGCTCTGCTTCCACTAAGGGCCCTAGCGTGTTCCCCCTGGCTCCATGCTCCCGCAGCACATCAGAGTCTACCGCCGCACTGGGATGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCCGAGCCTGTGACTGTGAGCTGGAATAGCGGGGCCCTGACCTCTGGAGTTCATACATTCCCAGCCGTGCTGCAGTCTTCCGGCCTGTACTCTCTGAGCTCTGTGGTGACCGTCCCATCCTCTTCTCTGGGCACAAAGACCTACACATGTAACGTTGACCACAAGCCATCCAATACCAAGGTGGACAAGAGAGTGGAATCCAAGTATGGCCCTCCTTGTCCCCCTTGTCCTGCTCCAGAGTTCCTGGGAGGGCCATCCGTCTTCCTCTTCCCTCCCAAGCCTAAGGATACACTGATGATCTCCAGGACCCCTGAAGTGACATGTGTCGTGGTGGACGTGAGCCAAGAAGACCCCGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGAGTCGAGGTGCACAACGCTAAAACAAAGCCCCGCGAGGAGCAGTTCAACTCCACATACCGGGTGGTCTCAGTGCTGACTGTGCTTCATCAGGATTGGCTGAATGGGAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGAGCAACAAGGGACTGCCATCTAGCATCGAGAAAACAATCAGCAAGGCTAAGGGACAGCCAAGGGAACCTCAGGTGTATACTCTGCCACCCTCCCAGGAAGAGATGACTAAGAATCAGGTCTCCCTGACCTGTCTGGTGAAGGGATTCTACCCTAGCGACATTGCTGTCGAGTGGGAGTCCAACGGGCAGCCAGAAAATAATTACAAGACCACACCTCCAGTGCTGGACAGCGATGGATCCTTCTTCCTGTACTCTCGGCTGACCGTGGATAAGAGCCGGTGGCAGGAGGGCAACGTTTTCTCTTGCAGCGTGATGCACGAGGCTCTGCATAATCACTATACACAGAAGTCTCTAAGCCTGTCTCTGGGATGA(配列番号11);
(C) ATGGCTACAGGATCCCGGACTAGCCTGCTGCTGGCCTTCGGCCTGTTGTGCCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGGTCTGCCTTTCCAACAATCCCACTGTCTGAGGTCCAGCTGGTGGAGTCCGGCGGAGGGCTAGAACAGCCTGGGGGATCTCTGAGGCTCTCTTGCGCAGGATCCGGCTTTACATTCAGAGACTACGCAATGACTTGGGTCAGACAGGCCCCTGGAAAGGGGCTGGAGTGGGTTTCCAGCATTTCCGGATCCGGGGGCAACACATATTACGCTGACTCTGTGAAGGGCAGGTTCACAATCAGCAGGGATAACTCCAAGAACACCCTCTATCTGCAGATGAACTCCCTGCGGGCCGAGGATACCGCAGTGTACTACTGTGCCAAAGATAGGCTGAGCATCACAATCCGCCCTAGGTATTATGGGCTCGACGTGTGGGGCCAGGGAACTACAGTGACAGTGTCCTCGGCATCCACCAAAGGCCCCTCCGTTTTCCCCCTGGCACCCTGTAGCCGCTCTACTTCTGAGAGTACTGCTGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTACTTTCCAGAGCCCGTCACAGTGTCCTGGAATTCTGGGGCTCTGACTTCTGGCGTGCACACATTCCCCGCAGTGCTGCAGTCTTCTGGCCTGTACTCTCTGTCTTCTGTGGTGACCGTGCCCAGCAGCAGCCTGGGCACTAAGACATATACCTGTAATGTTGACCACAAACCTTCCAACACTAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGTCTAAGTATGGACCTCCCTGTCCACCTTGTCCTGCTCCAGAGTTCCTCGGGGGACCAAGCGTTTTCCTGTTCCCCCCAAAGCCAAAGGACACTCTGATGATTAGCCGCACTCCCGAAGTGACTTGTGTTGTGGTGGACGTCTCTCAGGAGGATCCTGAGGTGCAGTTTAATTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACAAAACCACGGGAGGAACAGTTCAATAGCACCTATAGGGTCGTGTCCGTCCTGACAGTGCTCCACCAGGATTGGCTCAACGGAAAAGAATACAAATGCAAGGTGTCTAACAAGGGGCTGCCTTCCAGCATCGAGAAGACTATTAGCAAGGCAAAGGGGCAGCCAAGAGAGCCTCAGGTGTATACCCTGCCCCCATCTCAGGAGGAGATGACAAAGAACCAGGTCTCCCTGACTTGTCTGGTCAAGGGGTTCTACCCATCTGACATCGCTGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAACCCGAGAATAACTACAAAACAACCCCACCCGTGCTGGACAGCGATGGATCCTTCTTCCTGTATTCCAGGTTGACCGTGGACAAATCTCGCTGGCAGGAGGGAAACGTTTTCTCTTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACACAGAAATCTCTCTCTCTGTCTCTGGGGTGA(配列番号12);または
(D) ATGGCTACAGGGTCTCGGACAAGTCTGCTGCTGGCATTCGGGCTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAAGAGGGAAGCGCATTCCCAACCATTCCACTCAGCGAGGTGCAGCTGGTCGAAAGCGGGGGGGGACTGGAACAACCTGGAGGATCCCTGCGGCTGTCATGCGCAGGCTCCGGCTTTACCTTCAGGGACTACGCCATGACATGGGTGAGACAGGCTCCTGGGAAGGGGCTCGAGTGGGTGAGCAGCATTTCCGGAAGCGGGGGAAACACCTATTACGCAGATAGTGTTAAGGGCCGCTTTACTATCTCTAGGGACAATTCCAAGAACACCCTGTACCTGCAGATGAACAGCCTGCGAGCCGAGGACACCGCAGTGTATTACTGTGCCAAGGACCGGCTCTCTATTACCATTAGACCTAGGTATTACGGGCTGGACGTGTGGGGACAGGGAACAACAGTGACCGTGTCTTCTGCCTCCACAAAAGGGCCCTCTGTGTTCCCTCTGGCACCTTGCTCCAGGTCTACCTCCGAGAGCACAGCTGCACTGGGATGTCTGGTTAAAGATTACTTTCCAGAACCAGTTACTGTGAGCTGGAACTCTGGAGCTCTGACCTCCGGAGTTCACACATTCCCTGCAGTGCTGCAGTCTAGCGGCCTGTATTCCCTGTCCTCCGTCGTGACCGTGCCTTCCTCCTCTCTGGGCACTAAGACCTACACTTGCAACGTGGATCACAAACCTAGCAATACAAAGGTCGATAAACGGGTTGAGAGCAAATACGGCCCTCCATGTCCTCCTTGTCCAGCCCCTGAATTCCTGGGCGGACCCTCCGTTTTCCTGTTCCCACCCAAGCCCAAGGACACACTGATGATTTCTAGGACTCCTGAAGTGACATGCGTGGTCGTGGATGTCTCCCAGGAGGATCCAGAAGTCCAGTTCAATTGGTACGTGGATGGAGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACAAAGCCAAGGGAGGAGCAGTTTAACTCTACTTACAGAGTGGTGAGCGTGCTCACAGTGCTGCATCAGGATTGGCTCAACGGAAAAGAGTACAAGTGTAAGGTCAGCAATAAGGGCCTGCCATCCTCCATTGAGAAAACCATCTCCAAGGCAAAGGGGCAGCCAAGAGAACCTCAGGTCTACACCCTGCCACCATCTCAAGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGAGCCTCACTTGCCTGGTGAAGGGATTCTACCCTAGCGACATTGCCGTGGAGTGGGAATCTAACGGGCAGCCAGAGAACAACTACAAGACAACTCCTCCCGTGCTGGATAGCGACGGGTCTTTCTTCCTGTATAGCAGGCTGACAGTGGATAAGAGCCGCTGGCAAGAGGGCAACGTCTTTTCTTGTTCCGTCATGCACGAGGCTCTGCATAACCACTATACCCAGAAGTCACTGTCCCTCTCCCTGGGGTGA(配列番号13)のうちの1つと少なくとも80%同一の配列を含む、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAがコドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACAGGCTCTAGGACATCCCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGATCTGCATTCCCAACTATCCCTCTGTCCGATATTGTGATGACCCAGAGCCCCCTGAGCCTGCCAGTGACTCCTGGGGAGCCCGCATCTATCAGCTGCCGGTCCTCTCAGTCTCTGCTGTATTCTATCGGGTACAACTACCTGGATTGGTACCTGCAGAAAAGTGGGCAGAGCCCCCAGCTGCTCATCTATCTGGGGTCCAACAGGGCTAGTGGCGTGCCAGACCGGTTCTCCGGATCCGGCTCCGGAACAGACTTTACACTGAAAATTAGCCGCGTGGAGGCCGAGGACGTGGGGTTTTATTATTGTATGCAGGCCCTGCAGACCCCATACACATTTGGCCAGGGGACAAAGCTGGAAATTAAGCGCACTGTGGCCGCTCCGTCTGTGTTCATCTTTCCTCCCAGCGATGAACAGCTGAAGTCTGGGACCGCTAGCGTCGTGTGCCTGCTGAACAATTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTGCAGTGGAAGGTGGACAATGCCCTGCAGAGCGGGAACAGCCAGGAGAGTGTTACTGAGCAGGATTCTAAAGATTCCACCTATTCCCTGTCTTCCACCCTGACTCTGTCTAAGGCCGATTACGAAAAACATAAGGTGTACGCATGCGAGGTGACCCACCAGGGGCTGAGCTCTCCCGTGACTAAGAGCTTCAATCGCGGAGAGTGCTGA(配列番号14);
(B) ATGGCTACAGGCAGCAGAACCAGCCTGCTGCTGGCATTTGGCCTGCTGTGCCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGGAGCGCTTTTCCCACAATTCCTCTGTCTGATATCGTCATGACCCAATCTCCCCTGTCCCTGCCTGTGACTCCAGGAGAGCCCGCTAGCATTTCTTGCAGGTCTTCCCAGAGCCTGCTGTACAGCATCGGCTATAACTACCTGGATTGGTATCTGCAGAAAAGCGGGCAGTCTCCTCAGCTGCTGATCTACCTGGGCTCTAACAGAGCCTCTGGGGTCCCCGACAGGTTTTCCGGAAGCGGCTCTGGCACCGACTTTACTCTCAAAATCAGCCGCGTGGAGGCAGAGGACGTGGGCTTCTATTACTGCATGCAGGCCCTGCAGACACCATATACATTCGGACAGGGGACCAAGCTGGAGATTAAGAGAACAGTGGCTGCCCCAAGCGTGTTTATCTTTCCTCCCTCCGATGAACAGCTGAAAAGCGGCACTGCTTCCGTGGTGTGCCTGCTGAATAATTTCTACCCTAGAGAGGCCAAAGTCCAGTGGAAGGTGGACAACGCCCTGCAGAGCGGGAACAGCCAGGAAAGTGTCACCGAGCAGGATTCCAAGGATTCCACATATTCTCTGTCCAGCACTCTGACACTGTCCAAGGCAGACTACGAAAAACACAAGGTCTACGCCTGCGAAGTGACCCACCAGGGACTGTCTAGCCCTGTGACTAAGTCTTTTAATAGGGGGGAGTGTTAG(配列番号15);
(C) ATGGCTACTGGCAGCAGAACCAGCCTGCTGCTGGCATTCGGGCTGCTCTGCCTGCCATGGCTGCAGGAGGGATCCGCCTTCCCAACTATCCCCCTGAGCGATATCGTGATGACCCAGTCTCCCCTGAGCCTGCCAGTTACACCCGGCGAACCTGCTAGCATCAGCTGCAGATCCTCCCAGTCTCTCCTGTACTCCATCGGGTACAATTATCTGGATTGGTATCTGCAGAAGTCTGGCCAATCCCCCCAGCTGCTGATCTACCTGGGCTCCAACAGAGCAAGCGGCGTGCCCGATAGATTCAGCGGCAGCGGGAGCGGCACTGATTTTACTCTGAAGATCAGCAGGGTGGAGGCCGAAGATGTGGGATTTTACTACTGCATGCAAGCACTGCAGACTCCTTACACATTCGGCCAGGGAACTAAGCTGGAGATCAAAAGAACCGTGGCAGCTCCAAGCGTCTTCATTTTCCCACCTTCTGACGAGCAGCTGAAGTCCGGCACAGCTTCCGTCGTGTGCCTCCTGAACAACTTCTACCCCAGGGAGGCAAAGGTGCAATGGAAAGTGGACAACGCTCTGCAGAGCGGAAACAGTCAGGAGTCCGTGACCGAGCAGGACAGCAAAGACTCCACTTACAGCCTGAGCTCTACTCTGACCCTGAGCAAAGCTGACTACGAGAAGCATAAGGTGTATGCTTGCGAGGTCACCCACCAGGGCCTCTCTTCTCCCGTGACCAAGAGCTTCAACAGAGGCGAGTGCTGA(配列番号16);または
(D) ATGGCAACTGGAAGCAGGACCTCCCTGCTCCTGGCTTTCGGCCTGCTCTGTCTGCCATGGCTGCAAGAAGGATCTGCCTTTCCTACAATTCCACTGTCCGACATCGTGATGACACAGTCCCCCCTGTCTCTGCCTGTCACCCCAGGCGAACCAGCCTCTATTTCTTGTCGGTCCTCTCAGTCCCTGCTGTATAGCATCGGATATAATTATCTGGACTGGTACCTGCAAAAATCCGGCCAGTCTCCTCAGCTGCTGATCTATCTGGGCTCCAACCGGGCTAGCGGAGTCCCAGACCGGTTTTCCGGGTCTGGCAGTGGGACAGATTTTACACTGAAAATTTCCCGGGTGGAGGCTGAGGACGTGGGATTTTACTACTGTATGCAGGCCCTGCAAACCCCATATACTTTCGGACAGGGAACAAAGCTGGAGATCAAAAGAACCGTGGCCGCCCCCAGCGTTTTCATCTTCCCACCAAGCGACGAGCAGCTCAAATCTGGGACCGCTAGCGTGGTCTGTCTGCTGAATAACTTCTACCCAAGGGAAGCAAAGGTGCAGTGGAAGGTCGACAACGCACTGCAGAGCGGGAACTCCCAGGAGAGCGTGACTGAACAGGACAGCAAGGACAGCACCTATAGCCTCAGCAGCACTCTGACCCTGTCTAAAGCTGATTACGAAAAACACAAGGTGTATGCTTGTGAAGTGACTCACCAGGGCCTGTCTTCCCCTGTTACAAAGTCCTTCAATAGAGGAGAATGTTAA(配列番号17)のうちの1つと少なくとも80%同一の配列を含む、請求項50に記載の組成物。
【請求項53】
mRNAが5’UTRおよび3’UTR配列を含む、請求項31~52のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
5’UTR配列が、GGACAGATCGCCTGGAGACGCCATCCACGCTGTTTTGACCTCCATAGAAGACACCGGGACCGATCCAGCCTCCGCGGCCGGGAACGGTGCATTGGAACGCGGATTCCCCGTGCCAAGAGTGACTCACCGTCCTTGACACG(配列番号27)と少なくとも80%同一性を有する配列を含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
3’UTR配列が、CGGGTGGCATCCCTGTGACCCCTCCCCAGTGCCTCTCCTGGCCCTGGAAGTTGCCACTCCAGTGCCCACCAGCCTTGTCCTAATAAAATTAAGTTGCATC(配列番号28)と少なくとも80%の同一性を有する配列を含む、請求項53または54のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年1月14日に出願された米国仮特許出願第63/137,528号の優先権および利益を主張し、その内容は全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
配列表の参照による組み入れ
2022年1月10日に作製され、サイズが60614バイトである「MRT-2210WO_SL.txt」という名称のテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
抗体は強力な治療効果を有し、現在、がん、免疫疾患、心血管疾患、および移植拒絶を含む一連の疾患の処置に使用されている。伝統的に、治療抗体は組換え技術によって生産され、製剤化され、次に抗体療法を必要とする患者に投与される。しかしながら、抗体の製造および製剤化は非常に高価である。さらに、多くの抗体はインビボでは非常に短い半減期しかもたないため、分解される前に標的抗原または標的組織に到達しない場合がある。所望の効果を達成するために、抗体療法はしばしば高用量および頻回の投与を必要とし、それは望ましくない標的外の効果をもたらすことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、とりわけ、対象における疾患を処置する方法を提供する。一部の態様では、本発明は、対象における免疫疾患を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、2型炎症のドライバを標的とする抗体をコードするmRNAを含む組成物を対象に投与することを伴い、このような標的には、例えば、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R)が含まれる。一部の実施形態では、本方法は、2型炎症のドライバに結合し、および/または阻害する抗体をコードするmRNAを含む組成物を対象に投与することを伴い、このような標的には、例えば、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R)が含まれる。本発明者らは驚くべきことに、免疫疾患に関与する特異的サイトカインを標的とする脂質ナノ粒子(LNP)に封入された抗体をコードするmRNAを送達するための頑強であり、効率的な手段を発見した。本明細書に開示される方法および組成物は、肺関連免疫疾患に関連するものなど、種々の疾患を処置するために使用することができる。このような肺関連免疫疾患の例には、喘息、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症-間質性肺疾患(SSc-ILD)、特発性肺線維症IPF、サルコイドーシス、またはアレルギーが含まれる。本発明者らはまた驚くべきことに、吸入または噴霧により本明細書中に記載された組成物を投与すると、全身曝露が少ないか全くなく、したがって、全身的な望ましくない副作用を回避できる可能性があることを発見した。
【0005】
一部の態様では、対象における免疫疾患を処置する方法であって、本方法は、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質標的に結合し、および/または阻害する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-4である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-5である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-6である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-9である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-13である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-25である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-33である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-5受容体(IL-5R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-6受容体(IL-6R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-9受容体(IL-9R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-13受容体(IL-13R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-25受容体(IL-25R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)である。
【0006】
一部の態様では、本明細書では、対象における免疫疾患を処置する方法が提供され、本方法は、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質に結合し、および/または阻害する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。一部の実施形態では、抗体は、IL-4に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-5に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-6に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-9に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-13に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-25に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-33に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)に結合し、および/または阻害する。一部の実施形態では、抗体は、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)に結合し、および/または阻害する。
【0007】
一部の実施形態では、抗体は、抗IL6R抗体または抗IL4Rα抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗IL6R抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗IL4Rα抗体である。
【0008】
一部の実施形態では、免疫疾患は、2型炎症関連サイトカインの増加と関連する。
【0009】
一部の実施形態では、免疫疾患は、喘息、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症-間質性肺疾患(SSc-ILD)、特発性肺線維症IPF、サルコイドーシス、またはアレルギーから選択される。一部の実施形態では、免疫疾患は喘息である。一部の実施形態では、免疫疾患は、鼻ポリープ(CRSwNP)を伴う慢性副鼻腔炎である。一部の実施形態では、免疫疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。一部の実施形態では、免疫疾患は、全身性硬化症-間質性肺疾患(SSc-ILD)である。一部の実施形態では、免疫疾患は特発性肺線維症IPFである。一部の実施形態では、免疫疾患はサルコイドーシスである。一部の実施形態では、免疫疾患はアレルギーである。
【0010】
一部の実施形態では、投与は、噴霧、気管内送達、または吸入によって行われる。一部の実施形態では、投与は、噴霧によって行われる。一部の実施形態では、肺送達は、噴霧器、好ましくはメッシュ噴霧器を用いた化合物の噴霧器によるものである。一部の実施形態では、噴霧器は、エアロゾルの形態で化合物を肺細胞に送達する。一部の実施形態では、肺細胞は、肺上皮細胞である。一部の実施形態では、平均サイズが約50~70nmである脂質ナノ粒子を有する組成物は、噴霧による肺送達に特に適している。
【0011】
一部の実施形態では、投与は、気管内送達によって行われる。一部の実施形態では、投与は、吸入によって行われる。
【0012】
一部の実施形態では、投与は、mRNAの肺組織への投与をもたらす。
【0013】
一部の実施形態では、投与は、少なくとも約48時間、72時間、96時間、または120時間の抗体発現をもたらす。したがって、一部の実施形態では、投与は、少なくとも約48時間の抗体発現をもたらす。一部の実施形態では、投与は、少なくとも約72時間の抗体発現をもたらす。一部の実施形態では、投与は、少なくとも約96時間の抗体発現をもたらす。一部の実施形態では、投与は、少なくとも約120時間の抗体発現をもたらす。一部の実施形態では、投与は、約72~120時間の抗体発現をもたらす。一部の実施形態では、投与は、96~120時間の抗体発現をもたらす。
【0014】
一部の実施形態では、対象の肺への組成物の投与後に、mRNAの少ない全身曝露が起こるかまたは全身曝露が全く起こらない。
【0015】
一部の実施形態では、免疫疾患は、自己免疫性皮膚炎またはアトピー性皮膚炎から選択される。したがって、一部の実施形態では、免疫疾患は自己免疫性皮膚炎である。一部の実施形態では、免疫疾患はアトピー性皮膚炎である。
【0016】
一部の実施形態では、投与は、静脈内に行われる。一部の実施形態では、投与は、腹腔内に行われる。一部の実施形態では、抗体は、例えば、静脈内または腹腔内に投与される場合に、全身に発現される。
【0017】
一部の実施形態では、LNPは、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質のうちの1つまたはそれ以上を含む。
【0018】
一部の実施形態では、LNPは、コレステロールをさらに含む。
【0019】
一部の実施形態では、LNPは、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とPEG修飾脂質のモル比を、それぞれ約30~60:25~35:1~15で有する。
【0020】
一部の実施形態では、非カチオン性脂質は、1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DEPE)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン 4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、または1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)から選択される。
【0021】
一部の実施形態では、LNPは、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEを含む。一部の実施形態では、LNPは、DMG-PEG-2000を含む。一部の実施形態では、LNPは、Guan-SS-Cholを含む。一部の実施形態では、LNPは、DOPEを含む。
【0022】
一部の実施形態では、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEは、約1~15:30~60:25~35の比で存在する。一部の実施形態では、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEは、約5:60:35の比で存在する。
【0023】
一部の実施形態では、重鎖および軽鎖は、単一のmRNAにコードされる。
【0024】
一部の実施形態では、重鎖および軽鎖は、別々のmRNAにコードされる。
【0025】
一部の実施形態では、LNPは、150nm以下のサイズを有する。
【0026】
一部の実施形態では、LNPは、100nm以下のサイズを有する。
【0027】
一部の実施形態では、LNPは、75nm以下のサイズを有する。
【0028】
一部の実施形態では、LNPは、約60nmのサイズを有する。
【0029】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のmRNAは、安定性を高めるために修飾されている。
【0030】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のmRNAは、修飾ヌクレオチド、キャップ構造、ポリAテール、5’および/または3’非翻訳領域を含むように修飾されている。
【0031】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のmRNAは修飾されていない。
【0032】
一部の態様では、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質標的に結合し、および/または阻害する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを含む組成物が提供され、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-4である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-5である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-6である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-9である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-13である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-25である。一部の実施形態では、タンパク質標的はIL-33である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-5受容体(IL-5R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-6受容体(IL-6R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-9受容体(IL-9R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-13受容体(IL-13R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-25受容体(IL-25R)である。一部の実施形態では、タンパク質標的は、IL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)である。
【0033】
一部の実施形態では、抗体は、抗IL6R抗体または抗IL4Rα抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗IL6R抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗IL4Rα抗体である。
【0034】
一部の実施形態では、LNPが、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質のうちの1つまたはそれ以上を含む。
【0035】
一部の実施形態では、LNPは、コレステロールをさらに含む。
【0036】
一部の実施形態では、LNPは、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とPEG修飾脂質のモル比を、それぞれ約30~60:25~35:1~15で有する。
【0037】
一部の実施形態では、非カチオン性脂質は、1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DEPE)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン 4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、または1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)から選択される。
【0038】
一部の実施形態では、LNPは、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEを含む。
【0039】
一部の実施形態では、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEは、約1~15:30~60:25~35の比で存在する。一部の実施形態では、DMG-PEG-2000、Guan-SS-Chol、およびDOPEは、約5:60:35の比で存在する。
【0040】
一部の実施形態では、mRNAは、EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASRFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGRIGYADSVKGRFTISRDNAENSLFLQMNGLRAEDTALYYCAKGRDSFDIWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVTYLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号18)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL6R抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号18と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む抗IL6R抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号18と同一の配列を含む抗IL6R抗体重鎖をコードする。
【0041】
一部の実施形態では、mRNAは、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む抗IL6R抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の同一の分泌配列をさらに含む抗IL6R抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26の分泌配列をさらに含む抗IL6R抗体重鎖をコードする。
【0042】
一部の実施形態では、mRNAは、DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPGKAPKLLIYGASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFASYYCQQANSFPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号19)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号19と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号19と同一の配列を含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする。
【0043】
一部の実施形態では、mRNAは、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の分泌配列をさらに含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26の分泌配列をさらに含む抗IL6R抗体軽鎖をコードする。
【0044】
一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACTGGAAGCCGGACAAGCCTGCTGCTGGCCTTTGGCCTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGAAGCGCATTTCCAACAATTCCTCTGAGCGAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGAGGAGGCCTCGTGCAGCCAGGCAGATCCCTGAGGCTCTCCTGCGCCGCTAGCAGATTCACTTTCGACGACTACGCCATGCACTGGGTGCGGCAGGCACCTGGCAAGGGACTGGAATGGGTGTCCGGCATTTCTTGGAACAGCGGGCGGATCGGGTACGCGGACAGCGTGAAAGGAAGGTTTACAATCTCCCGGGACAATGCTGAGAACTCCCTGTTCCTGCAGATGAACGGCCTGAGAGCTGAAGACACAGCACTGTACTATTGCGCAAAAGGCCGCGACTCCTTTGACATCTGGGGGCAGGGCACAATGGTGACCGTGTCTAGCGCCTCCACAAAAGGACCTAGCGTTTTCCCACTGGCTCCATCTAGCAAGTCTACATCCGGGGGCACCGCCGCTCTGGGCTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCTGAGCCCGTCACTGTCAGCTGGAACTCCGGAGCTCTGACCTCAGGCGTGCACACTTTTCCCGCTGTGCTGCAGAGCTCTGGCCTGTACAGCCTGAGCAGCGTTGTGACCGTGCCTAGCTCATCCCTCGGCACCCAGACCTATATCTGCAACGTCAACCACAAACCTTCCAACACCAAAGTGGACAAGAAAGTGGAACCTAAGTCCTGCGATAAGACTCATACTTGCCCTCCTTGTCCAGCACCAGAGCTGCTGGGGGGGCCAAGCGTGTTTCTCTTTCCACCTAAGCCTAAAGACACCCTGATGATCTCCAGGACCCCAGAGGTGACATGTGTGGTGGTGGACGTGTCTCATGAGGACCCTGAGGTGAAATTCAATTGGTATGTGGACGGCGTTGAGGTTCACAACGCAAAGACCAAGCCAAGGGAGGAGCAGTATAATAGCACCTATCGCGTGGTGTCCGTCCTGACAGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGGAAGGAGTATAAGTGTAAAGTGAGCAACAAGGCACTGCCTGCTCCTATCGAGAAGACTATCAGCAAAGCTAAAGGACAGCCAAGAGAGCCCCAGGTGACCTACCTGCCACCTTCTCGGGACGAACTGACCAAAAACCAGGTGAGCCTGACTTGCCTGGTGAAGGGCTTTTATCCCTCTGATATTGCAGTGGAGTGGGAGAGTAACGGGCAGCCCGAGAACAACTACAAGACTACTCCACCAGTTCTGGATTCCGACGGCAGCTTCTTCCTGTATAGCAAACTGACAGTGGACAAGTCCCGGTGGCAGCAGGGCAACGTTTTTAGCTGCAGCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCATTACACACAGAAGTCTCTGTCTCTGTCCCCCGGAAAGTGA(配列番号2);
(B) ATGGCCACCGGGTCTCGGACAAGCCTCCTGCTCGCATTCGGGCTCCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAAGAAGGATCCGCATTTCCCACCATTCCACTGTCTGAGGTGCAGCTGGTCGAGTCTGGAGGAGGACTGGTGCAGCCTGGCAGGTCTCTGAGGCTGTCTTGCGCTGCCAGCCGGTTTACCTTTGATGATTACGCCATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGCAAAGGACTGGAATGGGTGTCCGGAATTTCCTGGAATAGTGGCAGGATCGGCTATGCCGACTCTGTCAAAGGCCGGTTTACAATCTCCCGCGACAACGCTGAGAACTCCCTGTTCCTGCAGATGAACGGCCTGAGAGCTGAAGATACCGCCCTGTACTATTGCGCCAAGGGGCGCGACAGCTTCGACATTTGGGGCCAGGGAACCATGGTGACTGTGAGCAGCGCATCCACAAAAGGGCCCTCCGTGTTCCCCCTGGCACCTTCCAGTAAATCCACTTCTGGCGGAACAGCAGCTCTCGGCTGTCTGGTGAAGGATTATTTCCCCGAGCCAGTGACAGTGTCTTGGAATTCTGGCGCACTCACCAGTGGAGTCCACACTTTTCCAGCCGTGCTGCAGAGCTCCGGACTGTATTCCCTGAGCTCCGTCGTGACAGTGCCATCCTCTTCTCTGGGAACTCAGACATATATTTGCAACGTTAATCATAAGCCTTCTAACACCAAGGTGGATAAGAAAGTGGAGCCCAAATCCTGCGACAAGACACACACTTGCCCACCATGCCCTGCCCCTGAACTGCTGGGAGGACCAAGCGTGTTTCTCTTCCCTCCTAAGCCTAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAGGTGACATGCGTGGTGGTTGACGTCTCCCATGAAGATCCTGAAGTGAAATTTAACTGGTACGTGGACGGAGTGGAAGTGCACAATGCAAAGACCAAACCCCGCGAGGAACAGTACAACTCCACTTACCGGGTGGTTTCCGTGCTGACAGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGAAAAGAGTATAAGTGCAAAGTGAGCAATAAGGCCCTGCCCGCCCCTATTGAGAAGACCATCTCTAAGGCTAAAGGCCAGCCTCGCGAACCCCAGGTTACCTATCTGCCTCCAAGCAGAGATGAGCTCACCAAAAACCAGGTGTCTCTGACCTGTCTGGTGAAAGGCTTCTATCCAAGCGATATCGCCGTGGAGTGGGAGTCCAACGGACAGCCAGAAAACAATTACAAGACTACCCCACCTGTCCTGGACAGCGACGGGAGCTTCTTTCTGTACTCTAAGCTGACAGTCGACAAAAGCCGGTGGCAGCAAGGCAACGTCTTCAGCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCATAATCATTATACTCAGAAGTCTCTGAGCCTGAGCCCTGGCAAGTAG(配列番号3);
(C) ATGGCCACTGGAAGCAGAACCTCCCTGCTGCTGGCATTCGGACTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAGGAGGGATCCGCTTTCCCAACCATCCCCCTCAGCGAGGTGCAGCTCGTTGAATCTGGAGGAGGACTGGTGCAACCAGGACGCTCCCTGAGACTGTCTTGTGCTGCTTCCAGGTTTACTTTTGACGATTATGCTATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCAGGAAAAGGACTGGAATGGGTGTCTGGAATTTCTTGGAACAGCGGACGCATTGGCTACGCCGACTCTGTGAAGGGAAGGTTTACTATCTCCAGGGATAACGCGGAAAACTCCCTCTTCCTCCAGATGAACGGCCTGAGGGCAGAGGACACCGCTCTGTACTACTGCGCCAAAGGAAGAGATAGCTTCGATATCTGGGGACAGGGGACCATGGTGACAGTTTCCAGCGCTAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCACTGGCCCCATCCTCCAAGAGCACTTCTGGCGGGACTGCTGCACTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTATTTCCCTGAGCCTGTGACAGTGAGCTGGAACTCAGGAGCACTGACTTCCGGGGTGCATACATTCCCCGCTGTGCTGCAGTCTTCTGGGCTGTATTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTCCCTTCCTCAAGCCTGGGAACCCAGACATATATTTGTAACGTGAACCACAAGCCAAGCAATACAAAGGTGGATAAGAAGGTGGAGCCTAAGTCCTGTGACAAAACACACACATGTCCCCCATGTCCAGCTCCTGAACTGCTTGGCGGACCATCCGTCTTCCTGTTTCCACCCAAACCAAAGGATACACTGATGATCAGCCGGACACCAGAGGTGACTTGCGTCGTCGTGGACGTCAGCCATGAAGACCCCGAGGTGAAGTTTAATTGGTATGTGGACGGGGTGGAGGTCCACAACGCCAAGACCAAACCCAGGGAGGAGCAGTACAACTCCACTTATCGCGTGGTTTCTGTGCTGACAGTCCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGGAAGGAGTACAAATGCAAAGTGTCCAATAAGGCCCTGCCCGCCCCAATCGAGAAAACTATTTCAAAGGCCAAAGGACAGCCCAGAGAGCCACAGGTGACCTACCTCCCTCCTTCCAGGGACGAGCTCACTAAGAATCAGGTGTCTCTGACTTGCCTGGTGAAAGGCTTTTATCCTTCTGACATCGCAGTGGAGTGGGAGAGCAATGGCCAGCCCGAGAACAATTATAAAACAACACCACCCGTCCTGGACTCTGATGGCAGCTTTTTCCTGTATAGCAAGCTGACAGTGGACAAATCACGCTGGCAGCAGGGGAATGTCTTCAGCTGTAGCGTGATGCACGAAGCTCTGCACAATCACTATACACAGAAGTCCCTGTCCCTGAGCCCAGGAAAATAA(配列番号4);または
(D) ATGGCTACCGGCAGCAGGACTAGCCTGCTGCTGGCTTTCGGCCTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAAGAGGGGTCCGCTTTCCCTACTATCCCTCTGTCCGAAGTGCAGCTGGTCGAGAGCGGAGGGGGCCTGGTGCAGCCTGGAAGAAGTCTGCGCCTGTCCTGCGCAGCAAGCAGGTTTACATTTGACGACTACGCAATGCACTGGGTGCGCCAAGCTCCAGGCAAAGGCTTAGAATGGGTGTCTGGCATCAGCTGGAACTCAGGGCGGATCGGCTACGCAGACAGCGTGAAGGGCAGGTTCACTATCTCTAGGGACAACGCCGAGAACTCCCTGTTCCTGCAGATGAATGGGCTGCGGGCAGAAGACACTGCACTGTATTATTGTGCTAAGGGGAGAGACTCTTTCGACATCTGGGGCCAGGGCACAATGGTGACTGTGTCCTCTGCCTCTACCAAGGGCCCTTCCGTGTTCCCACTGGCACCAAGCAGCAAATCCACATCCGGGGGGACCGCAGCTCTCGGATGTCTGGTGAAAGACTATTTCCCTGAGCCCGTCACAGTGTCTTGGAATTCCGGCGCCCTGACAAGCGGCGTGCACACTTTTCCTGCCGTTCTGCAGAGCTCCGGCCTATACTCCCTGTCCAGCGTGGTGACAGTCCCTTCTAGCAGTCTGGGCACACAGACTTATATTTGCAACGTGAATCACAAGCCATCTAACACCAAGGTGGATAAGAAGGTGGAACCAAAGTCCTGTGATAAAACCCATACCTGTCCTCCATGTCCAGCTCCTGAACTCCTGGGGGGACCCTCTGTGTTCCTGTTCCCACCTAAGCCTAAAGACACTCTGATGATTTCCAGAACTCCTGAGGTGACTTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCATGAGGATCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGAGTCGAGGTGCATAACGCTAAAACTAAACCAAGAGAGGAACAGTATAATTCCACTTATAGAGTTGTGAGCGTCCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGAAAAGAATACAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGCACTCCCCGCACCAATTGAGAAGACCATTTCCAAGGCCAAGGGCCAGCCAAGAGAGCCTCAGGTGACCTATCTGCCTCCAAGCCGGGACGAACTGACAAAGAATCAGGTCAGCCTGACTTGCCTGGTGAAGGGGTTTTACCCTTCTGACATCGCCGTGGAATGGGAGTCTAATGGACAGCCCGAAAACAACTACAAGACCACACCACCCGTGCTGGACAGCGATGGCTCCTTTTTCCTGTATAGTAAACTGACCGTCGACAAGTCTCGCTGGCAGCAGGGCAACGTGTTTTCTTGCAGCGTTATGCATGAAGCCCTCCACAACCACTATACACAGAAAAGCCTGTCTCTCAGCCCTGGGAAGTGA(配列番号5)のうちの1つと少なくとも80%同一の配列を含む。
【0045】
一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、1つの配列番号2、3、4、または5と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、1つの配列番号2、3、4、または5と同一の配列を含む。したがって、一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号2と同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号3と同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号4と同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号5と同一の配列を含む。
【0046】
一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACTGGAAGCCGGACAAGCCTGCTGCTGGCCTTTGGCCTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGAAGCGCATTTCCAACAATTCCTCTGAGCGACATTCAGATGACACAGAGCCCCAGCAGCGTGTCCGCATCAGTGGGAGACAGGGTGACTATCACATGTAGAGCTTCTCAAGGAATTAGCTCTTGGCTGGCCTGGTATCAGCAGAAGCCAGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTATGGAGCTAGCTCTCTGGAGTCTGGGGTGCCATCTAGGTTCAGTGGCTCCGGCAGCGGAACAGACTTCACACTGACTATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGACTTTGCCAGCTACTACTGCCAGCAGGCAAATAGCTTTCCCTATACTTTCGGACAGGGCACCAAGCTGGAGATTAAGCGGACCGTTGCTGCTCCAAGCGTGTTCATCTTCCCACCTTCCGACGAGCAGCTGAAGTCTGGCACCGCCAGCGTGGTGTGTCTGCTGAACAATTTCTATCCCCGTGAAGCCAAAGTGCAGTGGAAGGTGGATAACGCTCTCCAGTCTGGCAATTCCCAGGAGAGCGTGACAGAGCAGGATTCTAAGGATTCTACCTACTCCCTGTCCAGCACACTGACCCTGAGCAAGGCCGATTACGAAAAACACAAAGTGTACGCCTGCGAAGTCACACACCAGGGGCTGAGCTCCCCAGTGACAAAGAGCTTTAATAGAGGGGAGTGCTGA(配列番号6);
(B) ATGGCTACAGGGAGCCGCACTAGCCTGCTGCTGGCTTTTGGCCTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAAGAGGGGTCCGCCTTTCCTACCATCCCCCTGTCCGATATTCAGATGACCCAGTCCCCTAGCAGCGTGTCTGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACTATCACCTGTAGGGCCAGCCAGGGCATTTCTAGCTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAGCCAGGAAAGGCTCCCAAACTGCTGATCTACGGGGCATCCTCTCTGGAGTCCGGAGTGCCAAGCAGATTCTCTGGGAGCGGCAGCGGGACCGATTTCACACTGACCATTAGCAGCCTGCAGCCAGAAGACTTCGCCAGCTACTATTGTCAGCAGGCAAACTCTTTTCCTTATACCTTCGGGCAGGGGACTAAACTGGAAATCAAGCGGACAGTGGCTGCTCCAAGCGTGTTCATCTTCCCACCTTCCGACGAGCAGCTGAAGTCTGGCACAGCTTCCGTGGTGTGCCTGCTGAACAACTTTTATCCAAGGGAAGCTAAAGTGCAGTGGAAGGTGGACAACGCTCTGCAGTCTGGAAATAGCCAGGAATCCGTGACTGAGCAGGATAGCAAAGACAGCACATACAGCCTGTCTTCCACTCTGACCCTGAGCAAGGCAGACTACGAGAAACACAAAGTGTATGCCTGTGAGGTGACCCATCAGGGCCTGTCTAGCCCAGTGACCAAGTCCTTTAACAGAGGCGAATGTTGA(配列番号7);
(C) ATGGCAACTGGATCCCGGACCTCTCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAGGAGGGGAGCGCTTTTCCTACTATCCCCCTGTCTGACATCCAGATGACTCAGAGCCCAAGCTCTGTGTCCGCAAGCGTGGGGGACAGGGTGACAATCACTTGCAGGGCATCCCAGGGAATCTCCTCTTGGCTGGCATGGTACCAGCAGAAACCTGGAAAAGCCCCAAAACTGCTGATTTATGGCGCTTCCAGCCTCGAATCCGGAGTGCCATCCCGGTTTTCTGGCTCCGGCAGCGGGACAGATTTTACTCTGACCATCTCTAGCCTGCAGCCAGAGGATTTTGCCTCCTATTATTGCCAGCAGGCCAACAGCTTTCCTTATACCTTTGGACAGGGAACTAAGCTGGAGATCAAGAGGACAGTGGCTGCTCCTAGCGTGTTCATCTTCCCACCTTCTGACGAACAGCTGAAGTCTGGAACAGCCTCTGTGGTGTGCCTCCTCAACAACTTCTATCCCCGGGAGGCTAAGGTCCAGTGGAAAGTGGACAACGCCCTGCAGTCCGGAAACTCCCAGGAGAGCGTGACCGAGCAGGACAGCAAGGATAGCACTTATTCCCTGTCCTCCACCCTGACTCTGTCCAAGGCCGACTACGAAAAGCACAAAGTGTACGCCTGCGAAGTCACTCATCAGGGACTGAGCTCCCCCGTGACCAAGAGCTTCAATAGGGGAGAATGTTAG(配列番号8);または
(D) ATGGCAACTGGCTCCAGGACTAGCCTGCTGCTGGCATTTGGCCTCCTGTGTCTGCCATGGCTGCAGGAGGGCTCCGCCTTCCCAACAATTCCACTGTCCGACATCCAGATGACACAGTCCCCTAGCAGCGTGAGCGCCTCCGTGGGAGATAGAGTGACAATTACCTGTCGCGCAAGCCAGGGGATCAGCAGCTGGCTGGCCTGGTATCAACAGAAACCTGGAAAAGCCCCCAAGCTCCTGATCTATGGCGCCAGCAGCCTGGAAAGCGGGGTTCCAAGCCGGTTTTCCGGGTCCGGCAGCGGAACTGACTTCACCCTGACAATTTCAAGCCTGCAGCCCGAGGATTTTGCAAGCTACTACTGTCAGCAGGCTAATAGCTTTCCTTACACATTCGGCCAGGGCACCAAGCTCGAAATTAAAAGAACTGTGGCTGCCCCATCCGTGTTTATCTTCCCACCCTCTGACGAACAGCTGAAGTCCGGGACAGCCTCTGTGGTGTGCCTGCTGAACAATTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTCCAATGGAAGGTCGACAATGCTCTGCAGTCTGGAAACTCCCAGGAGTCTGTGACTGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTATAGCCTGTCTTCCACCCTGACCCTGAGCAAGGCCGATTACGAAAAGCACAAGGTGTATGCCTGTGAGGTGACCCACCAGGGACTGTCTAGCCCAGTGACTAAATCCTTTAATAGAGGCGAATGCTGA(配列番号9)のうちの1つと少なくとも80%同一の配列を含む。
【0047】
一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、以下の配列番号6、7、8、または9のうちの1つと70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、以下の配列番号6、7、8または9のうちの1つと同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号6と同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号7と同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号8と同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL6R抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号9と同一の配列を含む。
【0048】
一部の実施形態では、mRNAは、EVQLVESGGGLEQPGGSLRLSCAGSGFTFRDYAMTWVRQAPGKGLEWVSSISGSGGNTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKDRLSITIRPRYYGLDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG(配列番号20)と少なくとも80%同一の配列を含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする。
【0049】
一部の実施形態では、mRNAは、配列番号20と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号20と同一の配列を含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする。
【0050】
一部の実施形態では、mRNAは、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26と70%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の分泌配列をさらに含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26と同一の分泌配列をさらに含む抗IL4Rα抗体重鎖をコードする。
【0051】
一部の実施形態では、mRNAは、以下:
DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLYSIGYNYLDWYLQKSGQSPQLLIYLGSNRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGFYYCMQALQTPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号21)と少なくとも80%同一である配列を含む抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号21と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号21と同一である配列を含む抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする。
【0052】
一部の実施形態では、mRNAは、MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAFPTIPLS(配列番号26)と少なくとも80%同一の分泌配列をさらに含む抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、配列番号26と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の分泌配列をさらに含む抗IL4Rα抗体軽鎖をコードする。
【0053】
一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、以下の配列:
(A) ATGGCCACAGGCTCTAGGACATCCCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGATCTGCATTCCCAACTATCCCTCTGTCCGAGGTTCAGCTGGTGGAAAGCGGGGGAGGGCTGGAGCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTGTCCTGCGCTGGATCCGGCTTCACTTTTCGCGATTATGCCATGACATGGGTGCGGCAGGCCCCCGGCAAAGGACTGGAGTGGGTTTCCAGCATTTCTGGCAGCGGAGGGAACACCTACTATGCCGATAGCGTGAAGGGAAGGTTTACAATCAGCCGCGATAACAGCAAGAATACCCTCTATCTGCAGATGAATTCTCTGAGGGCAGAGGACACTGCCGTGTATTATTGCGCAAAGGATAGGCTGAGCATCACTATCCGCCCACGCTACTACGGGCTGGACGTGTGGGGGCAGGGAACTACCGTTACCGTGTCTTCCGCCAGCACAAAGGGACCTTCTGTGTTCCCCCTGGCTCCCTGTAGCAGATCCACCTCTGAGAGCACCGCTGCCCTGGGATGCCTGGTGAAGGATTATTTCCCAGAGCCCGTGACTGTGAGCTGGAATTCAGGCGCACTCACCTCTGGGGTGCACACCTTCCCTGCCGTGCTGCAGTCCAGCGGCCTGTATTCTCTCTCCAGCGTCGTGACCGTGCCTTCCAGTAGCCTGGGAACTAAAACATATACCTGTAACGTGGATCACAAGCCCTCCAATACCAAGGTGGACAAGCGGGTCGAGAGCAAGTACGGACCCCCATGTCCTCCCTGTCCAGCTCCTGAGTTCCTGGGGGGCCCTTCAGTGTTCCTGTTTCCCCCTAAGCCAAAGGACACTCTCATGATCTCCAGGACTCCAGAGGTGACATGCGTGGTGGTGGATGTCAGCCAGGAGGATCCAGAGGTCCAGTTCAATTGGTACGTCGACGGGGTGGAGGTGCATAACGCCAAGACTAAGCCCCGCGAGGAACAGTTTAATTCCACTTACAGGGTGGTCTCTGTGCTGACTGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGAAAGGAGTATAAGTGCAAAGTGTCTAATAAGGGGCTGCCCAGCTCCATCGAGAAAACAATCTCTAAGGCTAAGGGGCAGCCTCGGGAGCCTCAGGTGTACACTCTGCCCCCTTCACAGGAAGAGATGACCAAAAATCAGGTGTCCCTGACTTGCCTGGTGAAGGGGTTTTATCCCTCTGACATCGCAGTGGAATGGGAGTCCAACGGCCAGCCTGAAAACAACTATAAGACAACCCCTCCCGTGCTGGATAGCGACGGGAGCTTTTTCCTGTACAGCAGACTGACTGTGGATAAATCTAGGTGGCAGGAGGGAAACGTGTTTTCTTGCAGCGTCATGCACGAAGCCCTGCACAATCACTACACACAGAAATCCCTGTCCCTGTCCCTGGGCTGA(配列番号10);
(B) ATGGCTACCGGGTCCAGGACATCTCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAGGAAGGCTCAGCCTTTCCAACAATCCCACTGTCCGAAGTGCAGCTGGTGGAGAGCGGCGGCGGCCTTGAACAACCTGGAGGCTCTTTGAGACTGTCATGCGCCGGGTCCGGATTTACCTTTCGCGACTACGCAATGACTTGGGTGCGCCAGGCTCCCGGAAAGGGACTGGAATGGGTTTCCTCTATTAGCGGGTCCGGCGGCAACACTTATTACGCAGATAGCGTGAAGGGGCGCTTCACTATTAGCAGGGACAATTCTAAAAACACCCTGTACCTGCAGATGAACAGCTTAAGAGCCGAAGACACAGCTGTGTACTACTGCGCTAAAGACAGACTCTCCATTACAATCCGCCCAAGGTATTACGGCCTGGACGTGTGGGGCCAGGGAACAACAGTGACCGTGAGCTCTGCTTCCACTAAGGGCCCTAGCGTGTTCCCCCTGGCTCCATGCTCCCGCAGCACATCAGAGTCTACCGCCGCACTGGGATGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCCGAGCCTGTGACTGTGAGCTGGAATAGCGGGGCCCTGACCTCTGGAGTTCATACATTCCCAGCCGTGCTGCAGTCTTCCGGCCTGTACTCTCTGAGCTCTGTGGTGACCGTCCCATCCTCTTCTCTGGGCACAAAGACCTACACATGTAACGTTGACCACAAGCCATCCAATACCAAGGTGGACAAGAGAGTGGAATCCAAGTATGGCCCTCCTTGTCCCCCTTGTCCTGCTCCAGAGTTCCTGGGAGGGCCATCCGTCTTCCTCTTCCCTCCCAAGCCTAAGGATACACTGATGATCTCCAGGACCCCTGAAGTGACATGTGTCGTGGTGGACGTGAGCCAAGAAGACCCCGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGAGTCGAGGTGCACAACGCTAAAACAAAGCCCCGCGAGGAGCAGTTCAACTCCACATACCGGGTGGTCTCAGTGCTGACTGTGCTTCATCAGGATTGGCTGAATGGGAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGAGCAACAAGGGACTGCCATCTAGCATCGAGAAAACAATCAGCAAGGCTAAGGGACAGCCAAGGGAACCTCAGGTGTATACTCTGCCACCCTCCCAGGAAGAGATGACTAAGAATCAGGTCTCCCTGACCTGTCTGGTGAAGGGATTCTACCCTAGCGACATTGCTGTCGAGTGGGAGTCCAACGGGCAGCCAGAAAATAATTACAAGACCACACCTCCAGTGCTGGACAGCGATGGATCCTTCTTCCTGTACTCTCGGCTGACCGTGGATAAGAGCCGGTGGCAGGAGGGCAACGTTTTCTCTTGCAGCGTGATGCACGAGGCTCTGCATAATCACTATACACAGAAGTCTCTAAGCCTGTCTCTGGGATGA(配列番号11);
(C) ATGGCTACAGGATCCCGGACTAGCCTGCTGCTGGCCTTCGGCCTGTTGTGCCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGGTCTGCCTTTCCAACAATCCCACTGTCTGAGGTCCAGCTGGTGGAGTCCGGCGGAGGGCTAGAACAGCCTGGGGGATCTCTGAGGCTCTCTTGCGCAGGATCCGGCTTTACATTCAGAGACTACGCAATGACTTGGGTCAGACAGGCCCCTGGAAAGGGGCTGGAGTGGGTTTCCAGCATTTCCGGATCCGGGGGCAACACATATTACGCTGACTCTGTGAAGGGCAGGTTCACAATCAGCAGGGATAACTCCAAGAACACCCTCTATCTGCAGATGAACTCCCTGCGGGCCGAGGATACCGCAGTGTACTACTGTGCCAAAGATAGGCTGAGCATCACAATCCGCCCTAGGTATTATGGGCTCGACGTGTGGGGCCAGGGAACTACAGTGACAGTGTCCTCGGCATCCACCAAAGGCCCCTCCGTTTTCCCCCTGGCACCCTGTAGCCGCTCTACTTCTGAGAGTACTGCTGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTACTTTCCAGAGCCCGTCACAGTGTCCTGGAATTCTGGGGCTCTGACTTCTGGCGTGCACACATTCCCCGCAGTGCTGCAGTCTTCTGGCCTGTACTCTCTGTCTTCTGTGGTGACCGTGCCCAGCAGCAGCCTGGGCACTAAGACATATACCTGTAATGTTGACCACAAACCTTCCAACACTAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGTCTAAGTATGGACCTCCCTGTCCACCTTGTCCTGCTCCAGAGTTCCTCGGGGGACCAAGCGTTTTCCTGTTCCCCCCAAAGCCAAAGGACACTCTGATGATTAGCCGCACTCCCGAAGTGACTTGTGTTGTGGTGGACGTCTCTCAGGAGGATCCTGAGGTGCAGTTTAATTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACAAAACCACGGGAGGAACAGTTCAATAGCACCTATAGGGTCGTGTCCGTCCTGACAGTGCTCCACCAGGATTGGCTCAACGGAAAAGAATACAAATGCAAGGTGTCTAACAAGGGGCTGCCTTCCAGCATCGAGAAGACTATTAGCAAGGCAAAGGGGCAGCCAAGAGAGCCTCAGGTGTATACCCTGCCCCCATCTCAGGAGGAGATGACAAAGAACCAGGTCTCCCTGACTTGTCTGGTCAAGGGGTTCTACCCATCTGACATCGCTGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAACCCGAGAATAACTACAAAACAACCCCACCCGTGCTGGACAGCGATGGATCCTTCTTCCTGTATTCCAGGTTGACCGTGGACAAATCTCGCTGGCAGGAGGGAAACGTTTTCTCTTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACACAGAAATCTCTCTCTCTGTCTCTGGGGTGA(配列番号12);または
(D) ATGGCTACAGGGTCTCGGACAAGTCTGCTGCTGGCATTCGGGCTGCTGTGCCTGCCATGGCTGCAAGAGGGAAGCGCATTCCCAACCATTCCACTCAGCGAGGTGCAGCTGGTCGAAAGCGGGGGGGGACTGGAACAACCTGGAGGATCCCTGCGGCTGTCATGCGCAGGCTCCGGCTTTACCTTCAGGGACTACGCCATGACATGGGTGAGACAGGCTCCTGGGAAGGGGCTCGAGTGGGTGAGCAGCATTTCCGGAAGCGGGGGAAACACCTATTACGCAGATAGTGTTAAGGGCCGCTTTACTATCTCTAGGGACAATTCCAAGAACACCCTGTACCTGCAGATGAACAGCCTGCGAGCCGAGGACACCGCAGTGTATTACTGTGCCAAGGACCGGCTCTCTATTACCATTAGACCTAGGTATTACGGGCTGGACGTGTGGGGACAGGGAACAACAGTGACCGTGTCTTCTGCCTCCACAAAAGGGCCCTCTGTGTTCCCTCTGGCACCTTGCTCCAGGTCTACCTCCGAGAGCACAGCTGCACTGGGATGTCTGGTTAAAGATTACTTTCCAGAACCAGTTACTGTGAGCTGGAACTCTGGAGCTCTGACCTCCGGAGTTCACACATTCCCTGCAGTGCTGCAGTCTAGCGGCCTGTATTCCCTGTCCTCCGTCGTGACCGTGCCTTCCTCCTCTCTGGGCACTAAGACCTACACTTGCAACGTGGATCACAAACCTAGCAATACAAAGGTCGATAAACGGGTTGAGAGCAAATACGGCCCTCCATGTCCTCCTTGTCCAGCCCCTGAATTCCTGGGCGGACCCTCCGTTTTCCTGTTCCCACCCAAGCCCAAGGACACACTGATGATTTCTAGGACTCCTGAAGTGACATGCGTGGTCGTGGATGTCTCCCAGGAGGATCCAGAAGTCCAGTTCAATTGGTACGTGGATGGAGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACAAAGCCAAGGGAGGAGCAGTTTAACTCTACTTACAGAGTGGTGAGCGTGCTCACAGTGCTGCATCAGGATTGGCTCAACGGAAAAGAGTACAAGTGTAAGGTCAGCAATAAGGGCCTGCCATCCTCCATTGAGAAAACCATCTCCAAGGCAAAGGGGCAGCCAAGAGAACCTCAGGTCTACACCCTGCCACCATCTCAAGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGAGCCTCACTTGCCTGGTGAAGGGATTCTACCCTAGCGACATTGCCGTGGAGTGGGAATCTAACGGGCAGCCAGAGAACAACTACAAGACAACTCCTCCCGTGCTGGATAGCGACGGGTCTTTCTTCCTGTATAGCAGGCTGACAGTGGATAAGAGCCGCTGGCAAGAGGGCAACGTCTTTTCTTGTTCCGTCATGCACGAGGCTCTGCATAACCACTATACCCAGAAGTCACTGTCCCTCTCCCTGGGGTGA(配列番号13)のうちの1つと少なくとも80%同一である配列を含む。
【0054】
一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号10、11、12、または13のうちの1つと70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号10、11、12、または13のうちの1つと同一である配列を含む。したがって、一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号10と同一である配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号11と同一である配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号12と同一である配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体重鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号13と同一である配列を含む。
【0055】
一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、以下の配列のうちの1つと少なくとも80%同一の配列:
(A) ATGGCCACAGGCTCTAGGACATCCCTGCTGCTGGCCTTCGGACTGCTGTGTCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGATCTGCATTCCCAACTATCCCTCTGTCCGATATTGTGATGACCCAGAGCCCCCTGAGCCTGCCAGTGACTCCTGGGGAGCCCGCATCTATCAGCTGCCGGTCCTCTCAGTCTCTGCTGTATTCTATCGGGTACAACTACCTGGATTGGTACCTGCAGAAAAGTGGGCAGAGCCCCCAGCTGCTCATCTATCTGGGGTCCAACAGGGCTAGTGGCGTGCCAGACCGGTTCTCCGGATCCGGCTCCGGAACAGACTTTACACTGAAAATTAGCCGCGTGGAGGCCGAGGACGTGGGGTTTTATTATTGTATGCAGGCCCTGCAGACCCCATACACATTTGGCCAGGGGACAAAGCTGGAAATTAAGCGCACTGTGGCCGCTCCGTCTGTGTTCATCTTTCCTCCCAGCGATGAACAGCTGAAGTCTGGGACCGCTAGCGTCGTGTGCCTGCTGAACAATTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTGCAGTGGAAGGTGGACAATGCCCTGCAGAGCGGGAACAGCCAGGAGAGTGTTACTGAGCAGGATTCTAAAGATTCCACCTATTCCCTGTCTTCCACCCTGACTCTGTCTAAGGCCGATTACGAAAAACATAAGGTGTACGCATGCGAGGTGACCCACCAGGGGCTGAGCTCTCCCGTGACTAAGAGCTTCAATCGCGGAGAGTGCTGA(配列番号14);
(B) ATGGCTACAGGCAGCAGAACCAGCCTGCTGCTGGCATTTGGCCTGCTGTGCCTGCCTTGGCTGCAGGAGGGGAGCGCTTTTCCCACAATTCCTCTGTCTGATATCGTCATGACCCAATCTCCCCTGTCCCTGCCTGTGACTCCAGGAGAGCCCGCTAGCATTTCTTGCAGGTCTTCCCAGAGCCTGCTGTACAGCATCGGCTATAACTACCTGGATTGGTATCTGCAGAAAAGCGGGCAGTCTCCTCAGCTGCTGATCTACCTGGGCTCTAACAGAGCCTCTGGGGTCCCCGACAGGTTTTCCGGAAGCGGCTCTGGCACCGACTTTACTCTCAAAATCAGCCGCGTGGAGGCAGAGGACGTGGGCTTCTATTACTGCATGCAGGCCCTGCAGACACCATATACATTCGGACAGGGGACCAAGCTGGAGATTAAGAGAACAGTGGCTGCCCCAAGCGTGTTTATCTTTCCTCCCTCCGATGAACAGCTGAAAAGCGGCACTGCTTCCGTGGTGTGCCTGCTGAATAATTTCTACCCTAGAGAGGCCAAAGTCCAGTGGAAGGTGGACAACGCCCTGCAGAGCGGGAACAGCCAGGAAAGTGTCACCGAGCAGGATTCCAAGGATTCCACATATTCTCTGTCCAGCACTCTGACACTGTCCAAGGCAGACTACGAAAAACACAAGGTCTACGCCTGCGAAGTGACCCACCAGGGACTGTCTAGCCCTGTGACTAAGTCTTTTAATAGGGGGGAGTGTTAG(配列番号15);
(C) ATGGCTACTGGCAGCAGAACCAGCCTGCTGCTGGCATTCGGGCTGCTCTGCCTGCCATGGCTGCAGGAGGGATCCGCCTTCCCAACTATCCCCCTGAGCGATATCGTGATGACCCAGTCTCCCCTGAGCCTGCCAGTTACACCCGGCGAACCTGCTAGCATCAGCTGCAGATCCTCCCAGTCTCTCCTGTACTCCATCGGGTACAATTATCTGGATTGGTATCTGCAGAAGTCTGGCCAATCCCCCCAGCTGCTGATCTACCTGGGCTCCAACAGAGCAAGCGGCGTGCCCGATAGATTCAGCGGCAGCGGGAGCGGCACTGATTTTACTCTGAAGATCAGCAGGGTGGAGGCCGAAGATGTGGGATTTTACTACTGCATGCAAGCACTGCAGACTCCTTACACATTCGGCCAGGGAACTAAGCTGGAGATCAAAAGAACCGTGGCAGCTCCAAGCGTCTTCATTTTCCCACCTTCTGACGAGCAGCTGAAGTCCGGCACAGCTTCCGTCGTGTGCCTCCTGAACAACTTCTACCCCAGGGAGGCAAAGGTGCAATGGAAAGTGGACAACGCTCTGCAGAGCGGAAACAGTCAGGAGTCCGTGACCGAGCAGGACAGCAAAGACTCCACTTACAGCCTGAGCTCTACTCTGACCCTGAGCAAAGCTGACTACGAGAAGCATAAGGTGTATGCTTGCGAGGTCACCCACCAGGGCCTCTCTTCTCCCGTGACCAAGAGCTTCAACAGAGGCGAGTGCTGA(配列番号16);または
(D) ATGGCAACTGGAAGCAGGACCTCCCTGCTCCTGGCTTTCGGCCTGCTCTGTCTGCCATGGCTGCAAGAAGGATCTGCCTTTCCTACAATTCCACTGTCCGACATCGTGATGACACAGTCCCCCCTGTCTCTGCCTGTCACCCCAGGCGAACCAGCCTCTATTTCTTGTCGGTCCTCTCAGTCCCTGCTGTATAGCATCGGATATAATTATCTGGACTGGTACCTGCAAAAATCCGGCCAGTCTCCTCAGCTGCTGATCTATCTGGGCTCCAACCGGGCTAGCGGAGTCCCAGACCGGTTTTCCGGGTCTGGCAGTGGGACAGATTTTACACTGAAAATTTCCCGGGTGGAGGCTGAGGACGTGGGATTTTACTACTGTATGCAGGCCCTGCAAACCCCATATACTTTCGGACAGGGAACAAAGCTGGAGATCAAAAGAACCGTGGCCGCCCCCAGCGTTTTCATCTTCCCACCAAGCGACGAGCAGCTCAAATCTGGGACCGCTAGCGTGGTCTGTCTGCTGAATAACTTCTACCCAAGGGAAGCAAAGGTGCAGTGGAAGGTCGACAACGCACTGCAGAGCGGGAACTCCCAGGAGAGCGTGACTGAACAGGACAGCAAGGACAGCACCTATAGCCTCAGCAGCACTCTGACCCTGTCTAAAGCTGATTACGAAAAACACAAGGTGTATGCTTGTGAAGTGACTCACCAGGGCCTGTCTTCCCCTGTTACAAAGTCCTTCAATAGAGGAGAATGTTAA(配列番号17)のうちの1つと少なくとも80%同一である配列を含む。
【0056】
一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号14、15、16、または17と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号14、15、16、または17と同一である配列を含む。したがって、一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号14と同一である配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号15と同一である配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号16である同一の配列を含む。一部の実施形態では、抗IL4Rα抗体軽鎖をコードするmRNAは、コドン最適化され、配列番号17である同一の配列を含む。
【0057】
一部の実施形態では、mRNAは、5’UTRおよび3’UTR配列を含む。一部の実施形態では、5’UTR配列は、GGACAGATCGCCTGGAGACGCCATCCACGCTGTTTTGACCTCCATAGAAGACACCGGGACCGATCCAGCCTCCGCGGCCGGGAACGGTGCATTGGAACGCGGATTCCCCGTGCCAAGAGTGACTCACCGTCCTTGACACG(配列番号27)と少なくとも80%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、5’UTR配列は、配列番号27と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む。一部の実施形態では、5’UTR配列は、配列番号27と同一である配列を含む。
【0058】
一部の実施形態では、3’UTR配列は、CGGGTGGCATCCCTGTGACCCCTCCCCAGTGCCTCTCCTGGCCCTGGAAGTTGCCACTCCAGTGCCCACCAGCCTTGTCCTAATAAAATTAAGTTGCATC(配列番号28)と少なくとも80%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、3’UTR配列は、配列番号28と70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列を含む。一部の実施形態では、3’UTR配列は、配列番号28と同一である配列を含む。
【0059】
本出願において、「または」の使用は、特に断らない限り、「および/または」を意味する。本開示において使用される場合、用語「含む(comprise)」および該用語の変形、例えば「含んでいる」および「含む(comprises)」は、他の添加剤、成分、整数または工程を除外することを意図しない。本出願で使用される場合、用語「約」および「およそ」は、同等物として使用される。両方の用語は、関連技術分野の当業者によって認識される任意の正常な変動をカバーすることを意味する。
【0060】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲において明らかである。しかしながら、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲は、本発明の実施形態を示しているが、限定ではなく、例示としてのみ示されていることを理解されたい。本発明の範囲内の種々の変更および修正は、当業者に明らかになる。
【0061】
図面は、限定のためではなく、例示的な目的のためである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】抗IL6RをコードするmRNAの投与から72時間後の気管支肺胞洗浄液(BALF)中のヒトIgGレベルを比較する例示的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
定義
本発明がより容易に理解されるようにするために、ある特定の用語をまず以下に定義する。以下の用語および他の用語についての追加の定義は本明細書を通して示される。本発明の背景を説明し、その実施に関する追加の詳細を提供するために本明細書で参照される刊行物および他の参考資料は参照によって本明細書に組み入れる。
【0064】
抗体:本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、インタクト抗体と活性抗体フラグメントの両方を包含する。典型的には、インタクト「抗体」は、特定の抗原に特異的に結合する免疫グロブリンである。抗体は、ヒトクラス:IgG、IgM、IgA、IgE、およびIgDのいずれかを含む任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであり得る。当該技術分野において理解されている典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含むことが公知である。各四量体は、2つの同一のポリペプチド鎖対で構成され、各対は、1つの「軽」鎖(およそ25kD)および1つの「重」鎖(およそ50~70kD)を有する。各鎖のN末端は、抗原認識に主に関与する約100~110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語「可変軽鎖」(VL)および「可変重鎖」(VH)は、それぞれ、これらの軽鎖および重鎖を指す。各可変領域は、超可変(HV)領域およびフレームワーク(FR)領域にさらに細分化される。超可変領域は、相補性決定領域と呼ばれる3つの超可変配列領域(CDR1、CDR2およびCDR3)を含み、4つのフレームワーク領域(FR1、FR2、FR2およびFR4)によって分離され、ベータ-シート構造を形成し、HV領域を位置に保持する足場として機能する。各重鎖および軽鎖のC末端は、軽鎖の1つのドメイン(CL)および重鎖の3つのドメイン(CH1、CH2およびCH3)からなる定常領域を規定する。一部の実施形態では、用語「インタクト抗体」または「完全に組み立てられた抗体」は、天然に産生された抗体と同様に、場合によりジスルフィド結合によって結合した2つの重鎖および2つの軽鎖を含有することを意味する抗体に関して使用される。一部の実施形態では、本発明による抗体は、抗体フラグメントである。本明細書で使用される場合、「抗体フラグメント」は、例えば抗体の抗原結合領域または可変領域などの、インタクト抗体の一部を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;トリアボディ;テトラボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体フラグメントから形成される多特異的抗体が挙げられる。例えば、抗体フラグメントは、重鎖および軽鎖の可変領域からなる単離されたフラグメントである「Fv」フラグメント、軽鎖および重鎖可変領域がペプチドリンカー(「ScFvタンパク質」)によって接続された組換え一本鎖ポリペプチド分子、ならびに超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位を含む。多数の実施形態では、抗体フラグメントは、親抗体と同じ抗原に結合するフラグメントである親抗体の十分な配列を含有する;一部の実施形態では、フラグメントは、親抗体のそれと同等の親和性で抗原と結合し、および/または抗原への結合について親抗体と競合する。抗体の抗原結合フラグメントの例としては、限定されないが、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFvフラグメント、Fvフラグメント、dsFvダイアボディ、dAbフラグメント、Fd’フラグメント、Fdフラグメント、および単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。
【0065】
およそまたは約:本明細書で使用される場合、「およそ」または「約」という用語は、目的の1つまたはそれ以上の値に適用される場合、言及される参照値に類似の値を指す。ある特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、別段の記載がない限り、または文脈から明らかでない限り(このような数が可能な値の100%を超える場合を除き)、上述の参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以内の、いずれかの方向での(より大きいかまたはより小さい)、該当する値の範囲を指す。
【0066】
送達:本明細書で使用される場合、「送達」という用語は、局所送達と全身送達の両方を包含する。例えば、mRNAの送達は、mRNAが標的組織に送達され、コードされるタンパク質が発現されて標的組織内に保持される状況(「局所分配」または「局所送達」とも呼ばれる)、およびmRNAが標的組織に送達され、コードされるタンパク質が発現されて患者の循環系(例えば、血清)内に分泌され、全身に分配され、他の組織によって取り込まれる状況(「全身分配」または「全身送達」とも呼ばれる)を包含する。一部の実施形態では、送達は、例えば噴霧を含む、肺送達である。
【0067】
封入:本明細書で使用される場合、「封入」という用語、または文法上同等物は、mRNA分子をナノ粒子内に閉じ込めるプロセスを指す。
【0068】
操作されたまたは突然変異体:本明細書で使用される場合、「操作された」もしくは「突然変異体」という用語、または文法的同等物は、その天然に存在する配列と比較して1つまたはそれ以上の修飾を含むヌクレオチド配列またはタンパク質配列を指し、限定されないが、欠失、異種核酸もしくはアミノ酸の挿入、逆位、置換、またはそれらの組合せが含まれる。
【0069】
発現:本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」は、mRNAのポリペプチドへの翻訳、複数のポリペプチド(例えば、抗体の重鎖または軽鎖)のインタクトタンパク質(例えば、抗体)への組み立て、および/またはポリペプチドもしくは完全に組み立てられたタンパク質(例えば、抗体)の翻訳後修飾を指す。本出願において、「発現」および「産生」という用語、ならびに文法的同等物は、互換的に使用される。
【0070】
機能的:本明細書で使用される場合、「機能的」生物学的分子は、それによって特徴付けられる特性および/または活性を示す形態の生物学的分子である。
【0071】
半減期:本明細書で使用される場合、「半減期」という用語は、ある期間の開始時に測定した場合、核酸もしくはタンパク質濃度または活性のような含量がその値の半分に低下するのに必要とされる時間である。
【0072】
改善する、増加させる、または減少させる:本明細書で使用される場合、「改善する」、「増加させる」もしくは「減少させる」という用語、または文法上同等物は、本明細書に記載される処置の開始前の同じ個体における測定値、または本明細書に記載される処置の非存在下の対照となる対象(または複数の対照となる対象)における測定値などの、ベースライン測定値に対する値を示す。「対照となる対象」は、処置される対象とほぼ同じ年齢の、処置される対象と同じ形態の疾患に罹患している対象である。
【0073】
不純物:本明細書で使用される場合、「不純物」という用語は、標的材料または化合物の化学組成とは異なる、限られた量の液体、気体、または固体内部の物質を指す。不純物は、汚染物質とも呼ばれる。
【0074】
インビトロ:本明細書で使用される場合、「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく、人工的な環境、例えば、試験管または反応容器、細胞培養物等で起こるイベントを指す。
【0075】
インビボ:本明細書で使用される場合、「インビボ」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物などの多細胞生物内で起こるイベントを指す。細胞系の文脈においては、この用語は、生細胞内で起こるイベントを指すために使用される(例えば、インビトロ系と対照的に)。
【0076】
単離された:本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、(1)(天然および/または実験設定のいずれにせよ)最初に産生された際に会合していた成分の少なくとも一部から分離された、ならびに/または(2)人の手によって産生、製造、および/もしくは製作された、物質および/または実体を指す。単離された物質および/または実体は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超のこれらが最初に会合していた他の成分から分離される。一部の実施形態では、単離された薬剤が、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超純粋である。本明細書で使用される場合、物質は、他の成分を実質的に含まない場合に、「純粋」である。本明細書で使用される場合、単離された物質および/または実体のパーセント純度の計算は賦形剤(例えば、緩衝剤、溶媒、水等)を含むべきでない。
【0077】
メッセンジャーRNA(mRNA):本明細書で使用される場合、「メッセンジャーRNA(mRNA)」という用語は、少なくとも1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを指す。mRNAは、本明細書で使用される場合、修飾RNAと未修飾RNAの両方を包含する。mRNAは、1つまたはそれ以上のコード領域および非コード領域を含有する。mRNAは、天然供給源から精製する、組換え発現系を使用して産生し、場合により精製する、化学的に合成すること等が可能である。適切な場合、例えば化学的に合成した分子の場合には、mRNAは、化学修飾塩基または糖、骨格修飾等を有する類似体などのヌクレオシド類似体を含むことができる。特に断らない限り、mRNA配列は5’から3’方向に提示される。
【0078】
「噴霧」とは、典型的には噴霧器を用いて肺に吸入される微細なスプレーまたは分散懸濁液中の医薬組成物の送達を指す。
【0079】
「噴霧器」とは、液体または粒子を、典型的には直接吸入され得るエアロゾルの形態で、微細なスプレーもしくはミストまたは分散した懸濁液に変換するために、噴射剤、または酸素、圧縮空気、もしくは超音波などの他の適切なエネルギー源を使用する装置である。一部の実施形態では、本発明とともに使用される噴霧器は、メッシュの振動を生成するための圧電要素を含有する。振動は、メッシュを通して液体医薬組成物をポンプで送り出す。液体は、エアロゾルを生成する液滴中のメッシュから放出される。このような噴霧器は、一般に、(振動)メッシュ噴霧器と呼ばれる。一部の実施形態では、噴霧器は、肺送達のための医薬組成物をエアロゾル化するために使用される。噴霧器からの吸入は、対象が使用するマウスピースを介して行われる。
【0080】
核酸:本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、最も広義の意味で、ポリヌクレオチド鎖に組み込まれるか、または組み込むことができる任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合を介してポリヌクレオチド鎖に組み込まれるか、または組み込むことができる化合物および/または物質である。一部の実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を指す。一部の実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基を含むポリヌクレオチド鎖を指す。一部の実施形態では、「核酸」は、RNAならびに一本鎖および/または二本鎖DNAおよび/またはcDNAを包含する。さらに、「核酸」、「DNA」、「RNA」という用語、および/または同様の用語は、核酸類似体、すなわち、ホスホジエステル骨格以外を有する類似体を含む。例えば、当技術分野で公知であり、骨格中にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有する、いわゆる「ペプチド核酸」は本発明の範囲内にあると考えられる。「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」という用語は、互いの縮重バージョンである、および/または同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列を含む。タンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはRNAはイントロンを含む。一部の実施形態では、核酸は、天然供給源から精製する、組換え発現系を使用して産生し、場合により精製する、化学合成等をする。適切な場合、例えば化学的に合成した分子の場合には、核酸は、化学修飾塩基または糖、骨格修飾等を有する類似体などのヌクレオシド類似体を含むことができる。核酸配列は、特に指示しない限り、5’から3’方向に提示される。一部の実施形態では、核酸は、天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン);ヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、および2-チオシチジン);化学修飾塩基;生物修飾塩基(例えば、メチル化塩基);挿入塩基;修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース);および/または修飾リン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’-N-ホスホロアミダイト結合)であるか、またはこれらを含む。一部の実施形態では、本発明は、具体的には、送達を容易にするまたは達成するために化学的に修飾されていない核酸(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシドを含む、ポリヌクレオチドおよび残基)を意味する「未修飾核酸」に関する。一部の実施形態では、ヌクレオチドTおよびUは、配列記載において互換的に使用される。
【0081】
患者:本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」という用語は、提供される組成物を、例えば、実験、診断、予防、化粧、および/または治療目的で投与することができる任意の生物を指す。典型的な患者には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、および/またはヒトなどの哺乳動物)が含まれる。一部の実施形態では、患者がヒトである。ヒトには、出生前および出生後形態が含まれる。
【0082】
薬学的に許容される:「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、信頼できる医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した物質を指す。
【0083】
「肺送達」とは、本明細書に記載される医薬組成物を、肺に医薬組成物を送達することによってインビボで肺細胞に投与することを指す。肺送達の非限定的な方法には、噴霧および気管内投与/気管内注入が含まれる。
【0084】
安定な:本明細書で使用される場合、用語「安定な」タンパク質またはその文法的同等物は、その物理的安定性および/または生物学的活性を保持するタンパク質を指す。一実施形態では、タンパク質の安定性は、溶液中のモノマータンパク質のパーセンテージに基づいて、分解された(例えば、フラグメント化された)および/または凝集されたタンパク質の低いパーセンテージで決定される。一実施形態では、安定な操作されたタンパク質は、野生型タンパク質と比較して、増大した半減期を保持するかまたはそれを示す。一実施形態では、安定な操作されたタンパク質は、野生型タンパク質と比較して、タンパク質分解をもたらすユビキチン化を受けにくい。
【0085】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒトまたは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマまたは霊長類)を指す。ヒトには、出生前および出生後形態が含まれる。多くの実施形態では、対象はヒトである。対象は、疾患の診断または処置のために医療提供者にかかっているヒトを指す患者であることができる。「対象」という用語は、本明細書において、「個体」または「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患または障害に罹患することができるか、またはかかりやすいが、疾患または障害の症状を示していても、示していなくてもよい。
【0086】
実質的に:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、目的の特徴または特性の全部または全部に近い程度または度合いを示す定量的状態を指す。生物分野の当業者であれば、生物および化学現象が、完了するおよび/または完了まで進行するまたは絶対的な結果を達成するもしくは回避することがあったとしても稀であることを理解するだろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物および化学現象に固有の完全性の潜在的な欠如をとらえるために本明細書で使用される。
【0087】
処置すること:本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置」、または「処置すること」という用語は、特定の疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状または機能を部分的または完全に軽減する、改善する、緩和する、阻害する、予防する、その発症を遅延させる、その重症度を減少させる、および/またはその発生を減少させるために使用される任意の方法を指す。処置は、疾患に関連する病態を発症するリスクを減らす目的で、疾患の徴候を示していない、および/または疾患の早期徴候のみを示す対象に投与することができる。
【0088】
詳細な説明
本発明は、とりわけ、脂質ナノ粒子内に封入されたmRNAの送達のための改善された方法および組成物を提供し、mRNAは、II型炎症のドライバを標的とする抗体をコードする。例えば、II型炎症と関連付けられる適切なタンパク質標的には、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)が含まれる。例えば、本発明の抗体は、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)に結合し、および/または阻害する。本発明の種々の態様を以下にさらに説明する。
【0089】
mRNAがコードする抗体
本開示は、例えば、免疫関連疾患を含む種々の疾患の処置に用いることができるmRNAがコードする抗体を提供する。種々の免疫関連疾患が当該技術分野において公知であり、一般に、肺の免疫関連疾患と肺に関連しない免疫関連疾患とに分けることができる。本明細書に提供されるmRNAがコードする抗体の方法および組成物は、肺関連または非肺関連の免疫疾患のいずれかの処置において使用することができる。肺関連免疫疾患の例としては、例えば、喘息、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症-間質性肺疾患(SSc-ILD)、特発性肺線維症IPF、サルコイドーシス、またはアレルギーが挙げられる。非肺関連疾患の例には、自己免疫性肝炎およびアトピー性皮膚炎が含まれる。
【0090】
対象における免疫疾患を処置する方法が提供され、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質標的に結合し、および/または阻害する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。
【0091】
対象における免疫疾患を処置する方法が提供され、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33から選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。
【0092】
対象における免疫疾患を処置する方法が提供され、それを必要とする対象に、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質標的に結合する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。
【0093】
対象における免疫疾患を処置する方法が提供され、それを必要とする対象に、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、またはIL-33から選択されるタンパク質標的を阻害する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。
【0094】
対象における免疫疾患を処置する方法が提供され、それを必要とする対象に、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)から選択されるタンパク質標的を阻害する抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたはそれ以上のmRNAを投与することを含み、1つまたはそれ以上のmRNAが脂質ナノ粒子(LNP)に封入されている。
【0095】
一部の態様では、LNPに封入された、mRNAがコードする抗体は、肺関連免疫疾患を処置するために使用される。このシナリオでは、抗体をコードし、LNP内に封入されたmRNAは、吸入、噴霧、または気管内注入によって肺組織に送達される。この投与方法の1つの利点は、肺関連疾患に対して、少ないか全くない全身曝露を可能にし、したがって、望ましくない全身性の副作用を回避することである。したがって、一部の実施形態では、吸入または噴霧によって抗体をコードするmRNAを投与しても、全身曝露は生じない。一部の実施形態では、吸入または噴霧による抗体をコードするmRNAの投与は、少ない全身曝露を有する。一部の実施形態では、吸入または噴霧により抗体をコードするmRNAの投与は、LNPに封入されたmRNAの肺組織への送達をもたらす。
【0096】
一部の実施形態では、mRNAがコードする抗体は、抗IL6R抗体である。種々の抗IL6R抗体が当該技術分野において公知であり、サリルマブおよびトシリズマブなどのものを含む。抗IL6R抗体は、関節リウマチ、多関節型若年性特発性関節炎、全身性若年性関節炎を含む種々の疾患の処置、および重度のコロナウイルス感染またはCovid-19疾患の症例におけるサイトカインストームの処置に使用されてきた。
【0097】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるmRNAがコードする抗体は、関節リウマチの処置に使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL6R mRNAがコードする抗体は、関節リウマチの処置に使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL6R mRNAがコードする抗体は、多関節型若年性特発性関節炎の処置に使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL6R mRNAがコードする抗体は、全身性若年性関節炎の処置に使用される。これらのシナリオにおいて、抗IL6R mRNAがコードする抗体は、静脈内または腹腔内に送達される。
【0098】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるmRNAがコードする抗体は、コロナウイルス感染またはCovid-19疾患を有する対象におけるサイトカインストームを減少または処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供されるmRNAがコードする抗体は、コロナウイルス感染またはCovid-19疾患を有する対象を処置するために使用することができる。このシナリオでは、mRNAがコードする抗体は吸入または噴霧によって送達される。
【0099】
一部の実施形態では、mRNAがコードする抗体は、抗IL4α抗体である。種々の抗IL4α抗体が当該技術分野において公知であり、例えば、デュピルマブが含まれる。抗IL4α抗体は、例えば、アトピー性皮膚炎、好酸球表現型を有する喘息、または経口コルチコステロイド依存性喘息、鼻ポリポーシスを伴う慢性副鼻腔炎の処置を含む種々の疾患の処置に使用されており、小児アトピー性皮膚炎、小児喘息、好酸球性食道炎、COPD、結節性そう痒症、慢性自然蕁麻疹および水疱性類天疱瘡などの2型炎症によって引き起こされる疾患について評価されている。抗IL4α抗体は、イネ科花粉アレルギーおよびピーナッツアレルギーの処置にも使用されている。
【0100】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるmRNAがコードする抗体は、好酸球性表現型を有するアトピー性皮膚炎、好酸球性表現型を有する喘息、または経口コルチコステロイド依存性喘息、鼻ポリポーシスを伴う慢性副鼻腔炎、小児アトピー性皮膚炎、小児喘息、好酸球性食道炎、COPD、結節性そう痒症、慢性自然蕁麻疹および水疱性類天疱瘡、イネ科花粉アレルギー、およびピーナッツアレルギーのうちの1つまたはそれ以上を処置するために使用することができる。
【0101】
したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、アトピー性皮膚炎を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、中等度のアトピー性皮膚炎を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、重度のアトピー性皮膚炎を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、喘息を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、重度の喘息を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、中等度の喘息を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、鼻ポリポーシスを伴う慢性副鼻腔炎を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、結節性そう痒症を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、好酸球性食道炎を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、水疱性類天疱瘡を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、慢性自然蕁麻疹を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、COPDを処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、イネ科花粉アレルギーを処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に提供される抗IL4α mRNAがコードする抗体は、ピーナッツアレルギーを処置するために使用される。
【0102】
本明細書に記載される抗体をコードするmRNAの例示的な配列は、下記の表に提供される。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、コドン最適化配列である。
【0103】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【0104】
例示的な重鎖および軽鎖抗体配列は、下記の表に提供される。
【0105】
【0106】
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、インタクト抗体と抗体フラグメントの両方を包含する。典型的には、インタクト「抗体」は、特定の抗原に特異的に結合する免疫グロブリンである。抗体は、ヒトクラス:IgG、IgM、IgE、IgA、およびIgDのいずれかを含む任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであり得る。典型的には、インタクト抗体は四量体である。各四量体は、2つの同一のポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1つの「軽」鎖(およそ25kD)および1つの「重」鎖(およそ50~70kD)を有する。各鎖のN末端は、抗原認識に主に関与する約100~110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語「可変軽鎖」(VL)および「可変重鎖」(VH)は、それぞれ軽鎖および重鎖上のこれらの対応する領域を指す。各可変領域はさらに超可変(HV)領域とフレームワーク(FR)領域に細分化することができる。超可変領域は、相補性決定領域と呼ばれる3つの超可変配列領域(CDR1、CDR2およびCDR3)からなり、4つのフレームワーク領域(FR1、FR2、FR2およびFR4)によって分離され、ベータシート構造を形成し、HV領域を位置に保持する足場として機能する。各重鎖および軽鎖のC末端は、軽鎖の1つのドメイン(CL)および重鎖の3つのドメイン(CH1、CH2およびCH3)からなる定常領域を規定する。免疫グロブリンの軽鎖はさらにアイソタイプのカッパとラムダに分化することができる。
【0107】
一部の実施形態では、用語「インタクト抗体」または「完全に組み立てられた抗体」は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む抗体に関して使用され、場合により、天然に産生された抗体と同様に、ジスルフィド結合によって結合される。一部の実施形態では、本発明による抗体は、抗体フラグメントである。
【0108】
一部の実施形態では、本発明は、「抗体フラグメント」を送達するために使用することができる。本明細書で使用される場合、「抗体フラグメント」は、インタクト抗体の一部、例えば、抗体の抗原結合または可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;トリアボディ;テトラボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体フラグメントから形成される多特異抗体が挙げられる。例えば、抗体フラグメントは、重鎖および軽鎖の可変領域からなる単離されたフラグメント、「Fv」フラグメント、軽鎖および重鎖可変領域がペプチドリンカー(「ScFvタンパク質」)によって連結される組換え一本鎖ポリペプチド分子、ならびに超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位を含む。多くの実施形態において、抗体フラグメントは、親抗体と同じ抗原に結合するフラグメントである親抗体の十分な配列を含み;一部の実施形態では、フラグメントは、親抗体のそれと同等の親和性で抗原と結合し、および/または抗原への結合について親抗体と競合する。抗体の抗原結合フラグメントの例としては、限定されないが、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFvフラグメント、Fvフラグメント、dsFvダイアボディ、dAbフラグメント、Fd’フラグメント、Fdフラグメント、および単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。
【0109】
本発明は、当該技術分野において公知である任意の抗体、および標準的方法を用いて所望の抗原に対して産生され得る抗体を送達するために使用され得る。本発明は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体混合物またはカクテル、ヒトもしくはヒト化抗体、キメラ抗体、または二重特異的抗体を送達するために使用され得る。
【0110】
mRNAの合成
本発明によるmRNAは、種々の公知である方法のいずれかに従って合成することができる。例えば、本発明によるmRNAはインビトロ転写(IVT)を介して合成することができる。手短に言えば、IVTは、典型的にはプロモーターを含有する直鎖または環状DNA鋳型、リボヌクレオチド三リン酸のプール、DTTおよびマグネシウムイオンを含むことができる緩衝系、ならびに適切なRNAポリメラーゼ(例えば、T3、T7、またはSP6 RNAポリメラーゼ)、DNAse I、ピロホスファターゼ、および/またはRNAse阻害剤を用いて実施される。正確な条件は具体的な用途によって変化する。
【0111】
一部の実施形態では、本発明によるmRNAを調製するために、DNA鋳型をインビトロで転写する。適切なDNA鋳型は、典型的には、インビトロ転写のためのプロモーター、例えば、T3、T7またはSP6プロモーターを有し、続いて所望のmRNAおよび終止シグナルのための所望のヌクレオチド配列を有する。
【0112】
SP6 RNAポリメラーゼを用いたmRNAの合成
一部の実施形態では、mRNAは、SP6 RNAポリメラーゼを用いて産生される。SP6 RNAポリメラーゼは、SP6プロモーター配列に対して高い配列特異性を有するDNA依存性RNAポリメラーゼである。SP6ポリメラーゼは、プロモーターから下流の一本鎖DNAまたは二本鎖DNA上のRNAの5’→3’インビトロ合成を触媒し、天然リボヌクレオチドおよび/または修飾リボヌクレオチドおよび/または標識リボヌクレオチドを重合転写産物に取り込む。このような標識されたリボヌクレオチドの例としては、ビオチン-、フルオレセイン-、ジゴキシゲニン-、アミノアリル-、および同位体標識ヌクレオチドが挙げられる。
【0113】
バクテリオファージSP6 RNAポリメラーゼの配列は、初期には、以下のアミノ酸配列:
MQDLHAIQLQLEEEMFNGGIRRFEADQQRQIAAGSESDTAWNRRLLSELIAPMAEGIQAYKEEYEGKKGRAPRALAFLQCVENEVAAYITMKVVMDMLNTDATLQAIAMSVAERIEDQVRFSKLEGHAAKYFEKVKKSLKASRTKSYRHAHNVAVVAEKSVAEKDADFDRWEAWPKETQLQIGTTLLEILEGSVFYNGEPVFMRAMRTYGGKTIYYLQTSESVGQWISAFKEHVAQLSPAYAPCVIPPRPWRTPFNGGFHTEKVASRIRLVKGNREHVRKLTQKQMPKVYKAINALQNTQWQINKDVLAVIEEVIRLDLGYGVPSFKPLIDKENKPANPVPVEFQHLRGRELKEMLSPEQWQQFINWKGECARLYTAETKRGSKSAAVVRMVGQARKYSAFESIYFVYAMDSRSRVYVQSSTLSPQSNDLGKALLRFTEGRPVNGVEALKWFCINGANLWGWDKKTFDVRVSNVLDEEFQDMCRDIAADPLTFTQWAKADAPYEFLAWCFEYAQYLDLVDEGRADEFRTHLPVHQDGSCSGIQHYSAMLRDEVGAKAVNLKPSDAPQDIYGAVAQVVIKKNALYMDADDATTFTSGSVTLSGTELRAMASAWDSIGITRSLTKKPVMTLPYGSTRLTCRESVIDYIVDLEEKEAQKAVAEGRTANKVHPFEDDRQDYLTPGAAYNYMTALIWPSISEVVKAPIVAMKMIRQLARFAAKRNEGLMYTLPTGFILEQKIMATEMLRVRTCLMGDIKMSLQVETDIVDEAAMMGAAAPNFVHGHDASHLILTVCELVDKGVTSIAVIHDSFGTHADNTLTLRVALKGQMVAMYIDGNALQKLLEEHEVRWMVDTGIEVPEQGEFDLNEIMDSEYVFA(配列番号1)
を有するものとして記載された(GenBank:Y00105.1)。
【0114】
本発明に適したSP6 RNAポリメラーゼは、バクテリオファージSP6 RNAポリメラーゼと実質的に同じポリメラーゼ活性を有する任意の酵素である。したがって、一部の実施形態では、本発明に適したSP6 RNAポリメラーゼは、配列番号1から修飾される。例えば、適切なSP6 RNAポリメラーゼは、1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは、配列番号1と約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%、もしくは60%同一または相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは、(N末端、C末端、または内部から)切断されたタンパク質であり得るが、ポリメラーゼ活性を保持する。一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは融合タンパク質である。
【0115】
本発明に適したSP6 RNAポリメラーゼは、例えば、Aldevron、Ambion、New England Biolabs(NEB)、PromegaおよびRocheから市販されている製品であり得る。SP6は、配列番号1のアミノ酸配列または本明細書に記載される配列番号1のバリアントに従って、商業的供給源または非商業的供給源から注文および/またはカスタム設計することができる。SP6は、標準忠実度ポリメラーゼであり得るか、またはRNAポリメラーゼ活性、例えば、SP6 RNAポリメラーゼ遺伝子における突然変異またはSP6 RNAポリメラーゼ自体の翻訳後修飾を促進するように修飾された高忠実度/高効率/高容量であり得る。このような修飾されたSP6の例としては、AmbionのSP6 RNAポリメラーゼ-Plus(商標)、NEBのHiScribe SP6、ならびにPromegaのRiboMAX(商標)およびRiboprobe(登録商標)システムが挙げられる。
【0116】
一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは融合タンパク質である。例えば、SP6 RNAポリメラーゼは、酵素の単離、精製、または溶解性を促進するために、1つまたはそれ以上のタグを含み得る。適切なタグは、N末端、C末端、および/または内部に位置することができる。適切なタグの非限定的な例としては、カルモジュリン結合タンパク質(CBP);ファシオラ肝臓8-kDa抗原(Fh8);FLAGタグペプチド;グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST);ヒスチジンタグ(例えば、ヘキサヒスチジンタグ(His6));マルトース結合タンパク質(MBP);N-利用物質(NusA);小ユビキチン関連修飾因子(SUMO)融合タグ;ストレプトアビジン結合ペプチド(STREP);タンデム親和性精製(TAP);およびチオレドキシン(TrxA)が挙げられる。本発明では、他のタグを使用することができる。これらおよび他の融合タグは、例えば、Costaら、Frontiers in Microbiology 5巻(2014):63頁およびPCT/US16/57044号に記載され、その内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。ある特定の実施形態では、Hisタグは、SP6のN末端に位置する。
【0117】
DNA鋳型
典型的には、DNA鋳型は、完全に二本鎖であるかまたは二本鎖SP6プロモーター配列を有するほとんどの一本鎖のいずれかである。
【0118】
線状化プラスミドDNA(1つまたはそれ以上の制限酵素を介して線状化される)、線状化ゲノムDNAフラグメント(制限酵素および/または物理的手段を介する)、PCR産物、および/または合成DNAオリゴヌクレオチドは、それらが転写されるDNA配列の上流(および正方向)に二本鎖SP6プロモーターを含むことを条件として、SP6を用いたインビトロ転写のための鋳型として用いることができる。
【0119】
一部の実施形態では、線状化DNA鋳型は、平滑末端を有する。
【0120】
一部の実施形態では、転写されるDNA配列は、より効率的な転写および/または翻訳を促進するために最適化される。例えば、DNA配列は、シス調節エレメント(例えば、TATAボックス、終止シグナルおよびタンパク質結合部位)、人工組換え部位、カイ部位、CpGジヌクレオチド含有量、ネガティブCpGアイランド、GC含有量、ポリメラーゼスリップ部位、および/または転写に関連する他のエレメントに関して最適化される;DNA配列は、潜在的スプライス部位、mRNA二次構造、mRNAの安定な自由エネルギー、反復配列、RNA不安定モチーフ、および/またはmRNAプロセシングおよび安定性に関連する他のエレメントに関して最適化される;DNA配列は、コドン使用バイアス、コドン適合性、内部カイ部位、リボソーム結合部位(例えば、IRES)、未成熟ポリA部位、シャイン-ダルガーノ(SD)配列、および/または翻訳に関連する他のエレメントに関して最適化される;および/またはDNA配列は、コドンコンテキスト、コドン-アンチコドン相互作用、翻訳休止部位、および/またはタンパク質折り畳みに関連する他のエレメントに関して最適化される。当技術分野において公知である最適化方法、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2011/0081708号に記載されるThermoFisherおよびOptimumGene(商標)によるGeneOptimizerを本発明で使用することができる。
【0121】
一部の実施形態では、DNA鋳型は、5’および/または3’非翻訳領域を含む。一部の実施形態では、5’非翻訳領域は、mRNAの安定性または翻訳に影響する1つまたはそれ以上のエレメント、例えば、鉄応答性エレメントを含む。一部の実施形態では、5’非翻訳領域は、長さが約50~500ヌクレオチドの間であり得る。
【0122】
一部の実施形態では、3’非翻訳領域は、ポリアデニル化シグナルのうちの1つもしくはそれ以上、細胞内での位置のmRNAの安定性に影響するタンパク質の結合部位、またはmiRNAの1つもしくはそれ以上の結合部位を含む。一部の実施形態では、3’非翻訳領域は、長さが50~500ヌクレオチドの間またはそれ以上であり得る。
【0123】
例示的な3’および/または5’UTR配列は、センスmRNA分子の安定性を増加させるために、安定であるmRNA分子(例えば、グロビン、アクチン、GAPDH、チューブリン、ヒストン、またはクエン酸サイクル酵素)から誘導することができる。例えば、5’UTR配列は、ヌクレアーゼ耐性を改善し、および/またはポリヌクレオチドの半減期を改善するために、CMV前初期1(IE1)遺伝子の部分配列またはそのフラグメントを含み得る。また、ポリヌクレオチドをさらに安定化するために、ヒト成長ホルモン(hGH)をコードする配列またはそのフラグメントをポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の3’末端または非翻訳領域に含めることが考えられる。一般に、これらの修飾は、修飾されていない対応物と比較して、ポリヌクレオチドの安定性および/または薬物動態特性(例えば、半減期)を改善し、例えば、インビボヌクレアーゼ消化に対するこのようなポリヌクレオチドの抵抗性を改善するためになされる修飾を含む。
【0124】
大規模mRNA合成
一部の実施形態では、本発明は、安定なLNP封入mRNAの大規模生産に用いることができる。一部の実施形態では、本発明に従う方法は、少なくとも100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、250g、500g、750g、1kg、5kg、10kg、50kg、100kg、1000kgまたはそれ以上のmRNAを単一バッチで合成する。本明細書で使用される場合、「バッチ」という用語は、一度に合成されたmRNAの含量または量、例えば、単一の製造設定に従って製造されたmRNAの含量または量を指す。バッチとは、1セットの条件下で連続的に合成するために、酵素の単一アリコートおよび/またはDNA鋳型の単一アリコートを介して起こる1つの反応において合成されるmRNAの量を指すことができる。単一のバッチで合成されたmRNAは、所望の量を達成するために組み合わされる異なる時間に合成されたmRNAを含まない。一般に、反応混合物は、SP6 RNAポリメラーゼ、直鎖DNA鋳型、およびRNAポリメラーゼ反応緩衝液(リボヌクレオチドを含む場合があるかまたはリボヌクレオチドの添加を必要とする場合がある)を含む。
【0125】
本発明によれば、1~100mgのSP6ポリメラーゼが、典型的には、生成されたmRNAの1グラム(g)あたり使用される。一部の実施形態では、生成されたmRNAの1gあたり約1~90mg、1~80mg、1~60mg、1~50mg、1~40mg、10~100mg、10~80mg、10~60mg、10~50mgのSP6ポリメラーゼが使用される。一部の実施形態では、約5~20mgのSP6ポリメラーゼを使用して、約1グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、約0.5~2グラムのSP6ポリメラーゼを使用して、約100グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、約5~20グラムのSP6ポリメラーゼを使用して、約1キログラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、少なくとも5mgのSP6ポリメラーゼを使用して、少なくとも1グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、少なくとも500mgのSP6ポリメラーゼを使用して、少なくとも100グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、少なくとも5グラムのSP6ポリメラーゼを使用して、少なくとも1キログラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、生成されたmRNA1gあたり約10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、または100mgのプラスミドDNAが使用される。一部の実施形態では、約10~30mgのプラスミドDNAを使用して、約1グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、約1~3グラムのプラスミドDNAを使用して、約100グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、約10~30グラムのプラスミドDNAを使用して、約1キログラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、少なくとも10mgのプラスミドDNAを使用して、少なくとも1グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、少なくとも1グラムのプラスミドDNAを使用して、少なくとも100グラムのmRNAを生成する。一部の実施形態では、少なくとも10グラムのプラスミドDNAを使用して、少なくとも1キログラムのmRNAを生成する。
【0126】
一部の実施形態では、反応混合物中のSP6 RNAポリメラーゼの濃度は、約1~100nM、1~90nM、1~80nM、1~70nM、1~60nM、1~50nM、1~40nM、1~30nM、1~20nM、または約1~10nMであり得る。ある特定の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼの濃度は、約10~50nM、20~50nM、または30~50nMである。SP6 RNAポリメラーゼの100~10000単位/mlの濃度、例として、100~9000単位/ml、100~8000単位/ml、100~7000単位/ml、100~6000単位/ml、100~5000単位/ml、100~1000単位/ml、200~2000単位/ml、500~1000単位/ml、500~2000単位/ml、500~3000単位/ml、500~4000単位/ml、500~5000単位/ml、500~6000単位/ml、1000~7500単位/ml、および2500~5000単位/mlの濃度を用いることができる。
【0127】
反応混合物中の各リボヌクレオチド(例えば、ATP、UTP、GTP、およびCTP)の濃度は、約0.1mM~約10mM、例えば、約1mM~約10mMの間、約2mM~約10mMの間、約3mM~約10mMの間、約1mM~約8mMの間、約1mM~約6mMの間、約3mM~約10mMの間、約3mM~約8mMの間、約3mM~約6mMの間、約4mM~約5mMの間である。一部の実施形態では、各リボヌクレオチドは、反応混合物中で約5mMである。一部の実施形態では、反応において使用されるrNTP(例えば、ATP、GTP、CTPおよびUTPの組合せ)の全濃度は、1mM~40mMの間の範囲である。一部の実施形態では、反応において使用されるrNTP(例えば、ATP、GTP、CTPおよびUTPの組合せ)の全濃度は、1mM~30mMの間、または1mM~28mMの間、または1mM~25mMの間、または1mM~20mMの間の範囲である。一部の実施形態では、全rNTP濃度は30mM未満である。一部の実施形態では、全rNTP濃度は25mM未満である。一部の実施形態では、全rNTP濃度は20mM未満である。一部の実施形態では、全rNTP濃度は15mM未満である。一部の実施形態では、全rNTP濃度は10mM未満である。
【0128】
RNAポリメラーゼ反応緩衝液には、典型的には、塩/緩衝剤、例えば、Tris、HEPES、硫酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムが含まれる。
【0129】
反応混合物のpHは、約6~8.5、6.5~8.0、7.0~7.5であり得、一部の実施形態では、pHは7.5である。
【0130】
直鎖または線状化のDNA鋳型(例えば、上記されるように、所望の量のRNAを提供するのに十分な量/濃度で)、RNAポリメラーゼ反応緩衝液、およびSP6 RNAポリメラーゼを組み合わせて、反応混合物を形成する。反応混合物を約37℃~約42℃で30分~6時間、例えば約60~約90分間インキュベートする。
【0131】
一部の実施形態では、適切なRNAポリメラーゼ反応緩衝液(最終反応混合物のpHは約7.5である)中の約5mM NTP、約0.05mg/mL SP6ポリメラーゼ、および約0.1mg/ml DNA鋳型を約37℃~約42℃で60~90分間インキュベートする。
【0132】
一部の実施形態では、反応混合物は、SP6ポリメラーゼ特異的プロモーター、SP6 RNAポリメラーゼ、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、29mM NTP、10mM DTTおよび反応緩衝液(10×の場合は800mM HEPES、20mMスペルミジン、250mM MgCl2、pH7.7)および所望の反応体積に十分な含量(QS)をRNaseフリー水とともに有する線状化二本鎖DNA鋳型を含有する。次に、この反応混合物を37℃で60分間インキュベートする。次に、ポリメラーゼ反応を、DNase IおよびDNase I緩衝液(10×の場合は100mM Tris-HCl、5mM MgCl2および25mM CaCl2、pH7.6)の添加によってクエンチさせ、精製のための調製における二本鎖DNA鋳型の消化を促進する。この実施形態は、100グラムのmRNAを生成するのに十分であることが示されている。
【0133】
一部の実施形態では、反応混合物は、1~10mMの範囲の濃度のNTP、0.01~0.5mg/mlの範囲の濃度のDNA鋳型、および0.01~0.1mg/mlの範囲の濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含み、例えば、反応混合物は、5mMの濃度のNTP、0.1mg/mlの濃度のDNA鋳型、および0.05mg/mlの濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含む。
【0134】
ヌクレオチド
種々の天然に存在するかまたは修飾されたヌクレオシドを用いて、本発明によるmRNAを生成することができる。一部の実施形態では、mRNAは、天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジン);ヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、シュードウリジン、(例えば、N-1-メチル-シュードウリジン)、2-チオウリジン、および2-チオシチジン);化学的に修飾された塩基;生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基);インターカレートされた塩基;修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース);および/または修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’-N-ホスホルアミダイト結合)であるかまたはそれを含む。
【0135】
一部の実施形態では、mRNAは、1つまたはそれ以上の非標準ヌクレオチド残基を含む。非標準ヌクレオチド残基は、例えば、5-メチル-シチジン(「5mC」)、シュードウリジン(「ψU」)、および/または2-チオ-ウリジン(「2sU」)を含み得る。このような残基の検討およびそれらのmRNAへの取り込みについては、例えば、米国特許第8,278,036号または国際公開第2011/012316号を参照されたい。mRNAはRNAであり得、U残基の25%が2-チオ-ウリジンであり、C残基の25%が5-メチルシチジンであるRNAとして定義される。RNAの使用のための教示は、米国特許出願公開第2012/0195936号および国際公開第2011/012316号に開示され、いずれも参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。非標準ヌクレオチド残基の存在は、mRNAを、同じ配列を有するが、標準残基のみを含有する対照mRNAよりも安定におよび/またはあまり免疫原性ではなくすることができる。さらなる実施形態では、mRNAは、イソシトシン、シュードイソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリンおよび2-クロロ-6-アミノプリンシトシン、ならびにこれらの修飾および他の核酸塩基修飾の組合せから選択される1つまたはそれ以上の非標準ヌクレオチド残基を含むことができる。一部の実施形態は、フラノース環または核酸塩基に対する追加の修飾をさらに含むことができる。追加の修飾には、例えば、糖修飾または置換(例えば、2’-O-アルキル修飾、ロック核酸(LNA)の1つまたはそれ以上)が含まれる。一部の実施形態では、RNAは追加のポリヌクレオチドおよび/またはペプチドポリヌクレオチド(PNA)と複合体化またはハイブリダイズされる。糖修飾が2’-O-アルキル修飾である一部の実施形態では、このような修飾には、それだけに限らないが、2’-デオキシ-2’-フルオロ修飾、2’-O-メチル修飾、2’-O-メトキシエチル修飾および2’-デオキシ修飾が含まれる。一部の実施形態では、これらの修飾のいずれもヌクレオチドの0~100%-例えば、個別にまたは組み合わせて構成ヌクレオチドの0%、1%、10%、25%、50%、75%、85%、90%、95%超または100%で存在することができる。
【0136】
合成後プロセシング
典型的には、5’キャップおよび/または3’テールを合成後に付加することができる。キャップの存在は、ほとんどの真核細胞に見られるヌクレアーゼに対する耐性を提供するのに重要である。「テール」の存在は、mRNAをエキソヌクレアーゼ分解から保護するのに役立つ。
【0137】
5’キャップは、典型的には、以下のように付加される:第1に、RNA末端ホスファターゼが5’ヌクレオチドから末端リン酸基のうちの1つを除去し、2つの末端リン酸を残す;次に、グアノシン三リン酸(GTP)がグアニル基転移酵素を介して末端リン酸に付加され、5’5’5三リン酸結合を生成し;次に、グアニンの7-窒素がメチル基転移酵素によってメチル化される。キャップ構造の例としては、限定されないが、m7G(5’)ppp(5’(A,G(5’)ppp(5’)AおよびG(5’)ppp(5’)Gが挙げられる。追加のキャップ構造は、2017年2月27日出願され、公開された米国特許出願公開第2016/0032356号および米国仮特許出願第62/464,327号に記載され、参照により本明細書に組み入れられる。
【0138】
典型的には、テール構造は、ポリ(A)および/またはポリ(C)テールを含む。mRNAの3’末端上のポリAまたはポリCテールは、典型的には、それぞれ少なくとも50個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも150個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも200個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも250個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも300個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも350個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも400個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも450個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも500個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも550個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも650個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも700個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも750個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも800個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも850個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも900個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも950個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、または少なくとも1kbのアデノシンもしくはシトシンヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ポリAまたはポリCテールは、それぞれ約10~800個のアデノシンまたはシトシンヌクレオチド(例えば、約10~200個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~300個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~400個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~500個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~550個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約50~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約100~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約150~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約200~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約250~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約300~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約350~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約400~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約450~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約500~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~150個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~100個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約20~70個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、または約20~60個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド)であることができる。一部の実施形態では、テール構造は、本明細書に記載される様々な長さのポリ(A)テールとポリ(C)テールの組合せを含む。一部の実施形態では、テール構造は、少なくとも50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアデノシンヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、テール構造は、少なくとも50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のシトシンヌクレオチドを含む。
【0139】
本明細書に記載されるように、キャッピングおよび/またはテーリングがないと、早期中断mRNA転写産物のサイズがあまりに小さすぎて検出することができないために、5’キャップおよび/または3’テールの付加によって、インビトロ合成中に産生される中断転写産物の検出が容易になる。よって、一部の実施形態では、mRNAを純度(mRNA中に存在する中断転写産物のレベル)について試験する前に、5’キャップおよび/または3’テールを合成されたmRNAに付加する。一部の実施形態では、mRNAを本明細書に記載されるように精製する前に、5’キャップおよび/または3’テールを合成されたmRNAに付加する。他の実施形態では、mRNAを本明細書に記載されるように精製した後に、5’キャップおよび/または3’テールを合成されたmRNAに付加する。
【0140】
本発明に従って合成されたmRNAは、さらなる精製なしに使用することができる。特に、本発明に従って合成されたmRNAは、ショートマーを除去する工程なしで使用することができる。一部の実施形態では、本発明に従って合成されたmRNAをさらに精製することができる。種々の方法を用いて、本発明に従って合成されたmRNAを精製することができる。例えば、遠心分離、濾過および/またはクロマトグラフィー法を使用して、mRNAの精製を実施することができる。一部の実施形態では、合成されたmRNAは、エタノール沈殿もしくは濾過もしくはクロマトグラフィー、もしくはゲル精製または任意の他の適切な手段によって精製される。一部の実施形態では、mRNAはHPLCによって精製される。一部の実施形態では、mRNAは、当業者に周知の、標準フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール溶液中で抽出される。一部の実施形態では、mRNAはタンジェンシャルフローフィルトレーションを使用して精製される。適切な精製方法には、2018年2月27日に出願された「METHODS FOR PURIFICATION OF MESSENGER RNA」と題する米国特許出願第2016/0040154号、米国特許出願第2015/0376220号、PCT出願第PCT/US18/19954号、および2018年2月27日に出願された「METHODS FOR PURIFICATION OF MESSENGER RNA」と題するPCT出願第PCT/US18/19978号に記載されるものが含まれ、これらは全て参照により本明細書に組み入れられ、本発明を実施するために使用することができる。
【0141】
一部の実施形態では、mRNAは、キャッピングおよびテーリング前に精製される。一部の実施形態では、mRNAは、キャッピングおよびテーリング後に精製される。一部の実施形態では、mRNAは、キャッピングおよびテーリングの前と後の両方で精製される。
【0142】
一部の実施形態では、mRNAは、遠心分離によってキャッピングおよびテーリングの前もしくは後のいずれかまたは前と後の両方で精製される。
【0143】
一部の実施形態では、mRNAは、濾過によってキャッピングおよびテーリングの前もしくは後のいずれかまたは前と後の両方で精製される。
【0144】
一部の実施形態では、mRNAは、タンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)によってキャッピングおよびテーリングの前もしくは後のいずれかまたは前と後の両方で精製される。
【0145】
一部の実施形態では、mRNAは、クロマトグラフィーによってキャッピングおよびテーリングの前もしくは後のいずれかまたは前と後の両方で精製される。
【0146】
mRNAの特徴付け
mRNAの完全長または中断転写産物は、当技術分野において利用可能な任意の方法を用いて検出および定量することができる。一部の実施形態では、合成されたmRNA分子は、ブロット法、キャピラリー電気泳動、クロマトグラフィー、蛍光、ゲル電気泳動、HPLC、銀染色、分光法、紫外線(UV)、もしくはUPLC、またはそれらの組合せを用いて検出される。当技術分野において公知である他の検出方法が、本発明に含まれる。一部の実施形態では、合成されたmRNA分子は、キャピラリー電気泳動による分離を伴うUV吸収分光法を用いて検出される。一部の実施形態では、mRNAを、ゲル電気泳動(「グリオキサールゲル電気泳動」)の前にまずグリオキサール色素によって変性させる。一部の実施形態では、合成されたmRNAをキャッピングまたはテーリング前に特性評価する。一部の実施形態では、合成されたmRNAをキャッピングおよびテーリング後に特性評価する。
【0147】
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法によって生成されたmRNAは、完全長mRNA以外の不純物を10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満で含む。不純物には、IVT汚染物質、例えば、タンパク質、酵素、遊離ヌクレオチドおよび/またはショートマーが含まれる。
【0148】
一部の実施形態では、本発明に従って生成されたmRNAは、ショートマーおよび中断転写産物を実質的に含まない。特に、本発明に従って生成されたmRNAは、キャピラリー電気泳動またはグリオキサールゲル電気泳動により検出不能なレベルのショートマーまたは中断転写産物を含有する。本明細書で使用される場合、「ショートマー」または「中断転写産物」という用語は、完全長未満である任意の転写産物を指す。一部の実施形態では、「ショートマー」または「中断転写産物」は、長さが100ヌクレオチド未満、90未満、80未満、70未満、60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、または10未満のヌクレオチドである。一部の実施形態では、ショートマーは、5’-キャップおよび/または3’-ポリAテールを付加した後に検出または定量される。
【0149】
mRNA溶液
一部の実施形態では、mRNAを脂質ナノ粒子に封入することができるように、mRNAは脂質溶液と混合する溶液中に提供することができる。適切なmRNA溶液は、種々の濃度で封入されるmRNAを含有する任意の水溶液であり得る。例えば、適切なmRNA溶液は、約0.01mg/ml、0.05mg/ml、0.06mg/ml、0.07mg/ml、0.08mg/ml、0.09mg/ml、0.1mg/ml、0.15mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、または1.0mg/mlの濃度またはそれよりも大きい濃度でmRNAを含有し得る。一部の実施形態では、適切なmRNA溶液は、約0.01~1.0mg/ml、0.01~0.9mg/ml、0.01~0.8mg/ml、0.01~0.7mg/ml、0.01~0.6mg/ml、0.01~0.5mg/ml、0.01~0.4mg/ml、0.01~0.3mg/ml、0.01~0.2mg/ml、0.01~0.1mg/ml、0.05~1.0mg/ml、0.05~0.9mg/ml、0.05~0.8mg/ml、0.05~0.7mg/ml、0.05~0.6mg/ml、0.05~0.5mg/ml、0.05~0.4mg/ml、0.05~0.3mg/ml、0.05~0.2mg/ml、0.05~0.1mg/ml、0.1~1.0mg/ml、0.2~0.9mg/ml、0.3~0.8mg/ml、0.4~0.7mg/ml、または0.5~0.6mg/mlの範囲の濃度でmRNAを含有し得る。一部の実施形態では、適切なmRNA溶液は、最大約5.0mg/ml、4.0mg/ml、3.0mg/ml、2.0mg/ml、1.0mg/ml、0.09mg/ml、0.08mg/ml、0.07mg/ml、0.06mg/ml、または0.05mg/mlの濃度でmRNAを含有し得る。
【0150】
典型的には、適切なmRNA溶液は、緩衝剤および/または塩を含有することもできる。一般的に、緩衝剤は、HEPES、硫酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウムおよびリン酸ナトリウムを含むことができる。一部の実施形態では、緩衝剤の適切な濃度は、約0.1mM~100mM、0.5mM~90mM、1.0mM~80mM、2mM~70mM、3mM~60mM、4mM~50mM、5mM~40mM、6mM~30mM、7mM~20mM、8mM~15mM、または9~12mMの範囲であることができる。一部の実施形態では、緩衝剤の適切な濃度は、約0.1mM、0.5mM、1mM、2mM、4mM、6mM、8mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、もしくは50mMであるかまたはそれより大きい。
【0151】
例示的な塩には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、および塩化カリウムが含まれる。一部の実施形態では、mRNA溶液中の塩の適切な濃度は、約1mM~500mM、5mM~400mM、10mM~350mM、15mM~300mM、20mM~250mM、30mM~200mM、40mM~190mM、50mM~180mM、50mM~170mM、50mM~160mM、50mM~150mM、または50mM~100mMの範囲であることができる。適切なmRNA溶液中の塩濃度は、約1mM、5mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、もしくは100mMである、またはそれを超える。
【0152】
一部の実施形態では、適切なmRNA溶液は、約3.5~6.5、3.5~6.0、3.5~5.5、3.5~5.0、3.5~4.5、4.0~5.5、4.0~5.0、4.0~4.9、4.0~4.8、4.0~4.7、4.0~4.6、または4.0~4.5の範囲のpHを有することができる。一部の実施形態では、適切なmRNA溶液は、約3.5、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.2、5.4、5.6、5.8、6.0、6.1、6.3、および6.5のpHまたはそれ以下を有することができる。
【0153】
様々な方法を使用して本発明に適したmRNA溶液を製造することができる。一部の実施形態では、mRNAを本明細書に記載される緩衝液に直接溶解することができる。一部の実施形態では、mRNA溶液は、mRNAストック溶液を封入用の脂質溶液と混合する前に緩衝液と混合することによって作製することができる。一部の実施形態では、mRNA溶液は、mRNAストック溶液を封入用の脂質溶液と混合する直前に緩衝液と混合することによって作製することができる。一部の実施形態では、適切なmRNAストック溶液は、約0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.8mg/ml、1.0mg/ml、1.2mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、もしくは1.6mg/ml、2.0mg/ml、2.5mg/ml、3.0mg/ml、3.5mg/ml、4.0mg/ml、4.5mg/ml、もしくは5.0mg/mlまたはそれを超える濃度で水中にmRNAを含有することができる。
【0154】
一部の実施形態では、mRNAストック溶液はポンプを使用して緩衝液と混合される。例示的なポンプには、それだけに限らないが、ギアポンプ、蠕動ポンプおよび遠心ポンプが含まれる。
【0155】
典型的には、緩衝液は、mRNAストック溶液の流量を超える流量で混合される。例えば、緩衝液は、mRNAストック溶液の流量より少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、または20倍大きい流量で混合される。一部の実施形態では、緩衝液は、約100~6000ml/分(例えば、約100~300ml/分、300~600ml/分、600~1200ml/分、1200~2400ml/分、2400~3600ml/分、3600~4800ml/分、4800~6000ml/分、または60~420ml/分)の間の範囲の流量で混合される。一部の実施形態では、緩衝液は、約60ml/分、100ml/分、140ml/分、180ml/分、220ml/分、260ml/分、300ml/分、340ml/分、380ml/分、420ml/分、480ml/分、540ml/分、600ml/分、1200ml/分、2400ml/分、3600ml/分、4800ml/分、もしくは6000ml/分またはそれを超える流量で混合される。
【0156】
一部の実施形態では、mRNAストック溶液は、約10~600ml/分(例えば、約5~50ml/分、約10~30ml/分、約30~60ml/分、約60~120ml/分、約120~240ml/分、約240~360ml/分、約360~480ml/分、または約480~600ml/分)の間の範囲の流量で混合される。一部の実施形態では、mRNAストック溶液は、約5ml/分、10ml/分、15ml/分、20ml/分、25ml/分、30ml/分、35ml/分、40ml/分、45ml/分、50ml/分、60ml/分、80ml/分、100ml/分、200ml/分、300ml/分、400ml/分、500ml/分、もしくは600ml/分またはそれを超える流量で混合される。
【0157】
送達ビヒクル
本明細書に記載される安定な脂質ナノ粒子製剤は、mRNAの送達ベヒクルとして適している。
【0158】
本明細書で使用される場合、「送達ビヒクル」、「導入ビヒクル」、「ナノ粒子」という用語または文法上同等物は互換的に使用される。
【0159】
送達ビヒクルは、1つもしくはそれ以上の追加の核酸、担体、標的化リガンドもしくは安定化試薬と組み合わせて、または適切な賦形剤と混合される薬理学的組成物に製剤化される。薬物を製剤化および投与するための技術は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、ペンシルバニア州イーストン、最新版に見られる。特定の送達ビヒクルは、標的細胞への核酸のトランスフェクションを容易にする能力に基づいて選択される。
【0160】
リポソーム送達ビヒクル
一部の実施形態では、適切な送達ビヒクルはリポソーム送達ビヒクル、例えば脂質ナノ粒子である。本明細書で使用される場合、リポソーム送達ビヒクル、例えば脂質ナノ粒子は、通常、1つまたはそれ以上の二重層の膜によって外側媒体から隔離された内部水空間を有する顕微鏡的小胞として特徴付けられる。リポソームの二重層膜は、典型的には空間的に分離された親水性ドメインおよび疎水性ドメインを含む合成または天然起源の脂質などの両親媒性分子によって形成される(Lasic、Trends Biotechnol.、16:307~321、1998)。リポソームの二重層膜はまた、両親媒性ポリマーおよび界面活性剤によっても形成される(例えば、ポリマーソーム、ニオソーム等)。本発明の文脈において、リポソーム送達ビヒクルは、典型的には所望のmRNAを標的細胞または組織に輸送するのに役立つ。一部の実施形態では、ナノ粒子送達ビヒクルはリポソームである。一部の実施形態では、リポソームは、1つまたはそれ以上のカチオン性脂質、1つまたはそれ以上の非カチオン性脂質、1つまたはそれ以上のコレステロール系脂質、および1つまたはそれ以上のPEG修飾脂質を含む。一部の実施形態では、リポソームは3つ以下の別個の脂質成分を含む。一部の実施形態では、1つの別個の脂質成分はステロール系カチオン性脂質である。
【0161】
カチオン性脂質
本明細書で使用される場合、「カチオン性脂質」という句は、生理学的pHなどの選択されたpHで正味の正の電荷を有するいくつかの脂質種のいずれかを指す。
【0162】
本発明の組成物および方法に使用するのに適したカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2010/144740号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化1】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質、(6Z,9Z,28Z,31Z)-ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノエート、およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0163】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2013/149140号に記載されるイオン化可能なカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化2】
の1つのカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩(式中、R
1およびR
2は、水素、場合により置換された、可変的に飽和または不飽和のC
1~C
20アルキルおよび場合により置換された、可変的に飽和または不飽和のC
6~C
20アシルからなる群からそれぞれ独立に選択され;L
1およびL
2は、水素、場合により置換されたC
1~C
30アルキル、場合により置換された、可変的に不飽和のC
1~C
30アルケニル、および場合により置換されたC
1~C
30アルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され;mおよびoは0および任意の正の整数からなる群からそれぞれ独立に選択され(例えば、mは3である);nは0または任意の正の整数である(例えば、nは1である))を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化3】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質(15Z,18Z)-N,N-ジメチル-6-(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イル)テトラコサ-15,18-ジエン-1-アミン(「HGT5000」)およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化4】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質(15Z,18Z)-N,N-ジメチル-6-((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イル)テトラコサ-4,15,18-トリエン-1-アミン(「HGT5001」)およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化5】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質および(15Z,18Z)-N,N-ジメチル-6-((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イル)テトラコサ-5,15,18-トリエン-1-アミン(「HGT5002」)およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0164】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2010/053572号にアミノアルコールリピドイドとして記載されるカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化6】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0165】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2016/118725号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化7】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0166】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2016/118724号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化8】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0167】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、14,25-ジトリデシル15,18,21,24-テトラアザ-オクタトリアコンタンの式を有するカチオン性脂質、およびその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0168】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、その各々を参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2013/063468号および国際公開第2016/205691号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化9】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩(式中、R
Lの各例は独立に、場合により置換されたC
6~C
40アルケニルである)を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化10】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化11】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化12】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化13】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0169】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2015/184256号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化14】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩(式中、各Xは独立に、OまたはSであり;各Yは独立に、OまたはSであり;各mは独立に、0~20であり;各nは独立に、1~6であり;各R
Aは独立に、水素、場合により置換されたC1~50アルキル、場合により置換されたC2~50アルケニル、場合により置換されたC2~50アルキニル、場合により置換されたC3~10カルボシクリル、場合により置換された3~14員ヘテロシクリル、場合により置換されたC6~14アリール、場合により置換された5~14員ヘテロアリールまたはハロゲンであり;各R
Bは独立に、水素、場合により置換されたC1~50アルキル、場合により置換されたC2~50アルケニル、場合により置換されたC2~50アルキニル、場合により置換されたC3~10カルボシクリル、場合により置換された3~14員ヘテロシクリル、場合により置換されたC6~14アリール、場合により置換された5~14員ヘテロアリールまたはハロゲンである)を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化15】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質、「標的23」およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0170】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2016/004202号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化16】
を有するカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化17】
を有するカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化18】
を有するカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0171】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、米国仮特許出願第62/758,179号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化19】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩(式中、各R
1およびR
2は独立に、HまたはC
1~C
6脂肪族であり;各mは独立に、1~4の値を有する整数であり;各Aは独立に、共有結合またはアリーレンであり;各L
1は独立に、エステル、チオエステル、ジスルフィド、または無水物基であり;各L
2は独立に、C
2~C
10脂肪族であり;各X
1は独立に、HまたはOHであり;各R
3は独立に、C
6~C
20脂肪族である)を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化20】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化21】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化22】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0172】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、J.McClellan、M.C.King、Cell 2010、141、210~217およびWhiteheadら、Nature Communications(2014)5:4277に記載されるカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法のカチオン性脂質は、
【化23】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0173】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2015/199952号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化24】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化25】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化26】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化27】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化28】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化29】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化30】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化31】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化32】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化33】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化34】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化35】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化36】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0174】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2017/004143号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化37】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化38】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化39】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化40】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化41】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化42】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化43】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化44】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化45】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化46】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化47】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化48】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化49】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化50】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化51】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化52】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化53】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0175】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2017/075531号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化54】
のカチオン性脂質またはその薬学的に許容される塩(式中、L
1またはL
2の一方は-O(C=O)-、-(C=O)O-、-C(=O)-、-O-、-S(O)
x、-S-S-、-C(=O)S-、-SC(=O)-、-NR
aC(=O)-、-C(=O)NR
a-、NR
aC(=O)NR
a-、-OC(=O)NR
a-、または-NR
aC(=O)O-であり;L
1またはL
2の他方は-O(C=O)-、-(C=O)O-、-C(=O)-、-O-、-S(O)
x、-S-S-、-C(=O)S-、SC(=O)-、-NR
aC(=O)-、-C(=O)NR
a-、NR
aC(=O)NR
a-、-OC(=O)NR
a-または-NR
aC(=O)O-または直接結合であり;G
1およびG
2はそれぞれ独立に、非置換C
1~C
12アルキレンまたはC
1~C
12アルケニレンであり;G
3はC
1~C
24アルキレン、C
1~C
24アルケニレン、C
3~C
8シクロアルキレン、C
3~C
8シクロアルケニレンであり;R
aはHまたはC
1~C
12アルキルであり;R
1およびR
2はそれぞれ独立に、C
6~C
24アルキルまたはC
6~C
24アルケニルであり;R
3はH、OR
5、CN、-C(=O)OR
4、-OC(=O)R
4または-NR
5C(=O)R
4であり;R
4はC
1~C
12アルキルであり;R
5はHまたはC
1~C
6アルキルであり;xは0、1または2である)を含む。
【0176】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2017/117528号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化55】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化56】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、化合物構造:
【化57】
を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0177】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2017/049245号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法のカチオン性脂質は、以下の式:
【化58】
の1つの化合物およびその薬学的に許容される塩を含む。これらの4つの式のいずれか1つについて、R
4は-(CH
2)
nQおよび-(CH
2)
nCHQRから独立に選択され;Qは-OR、-OH、-O(CH
2)
nN(R)
2、-OC(O)R、-CX
3、-CN、-N(R)C(O)R、-N(H)C(O)R、-N(R)S(O)
2R、-N(H)S(O)
2R、-N(R)C(O)N(R)
2、-N(H)C(O)N(R)
2、-N(H)C(O)N(H)(R)、-N(R)C(S)N(R)
2、-N(H)C(S)N(R)
2、-N(H)C(S)N(H)(R)、および複素環からなる群から選択され;nは1、2、または3である。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化59】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化60】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化61】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化62】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0178】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、その各々を参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2017/173054号および国際公開第2015/095340号に記載されるカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化63】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化64】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化65】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化66】
の化合物構造を有するカチオン性脂質およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0179】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2012/170889号に記載される切断可能なカチオン性脂質が含まれる。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、以下の式:
【化67】
のカチオン性脂質
(式中、R
1はイミダゾール、グアニジニウム、アミノ、イミン、エナミン、場合により置換されたアルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノなどのアルキルアミノ)およびピリジルからなる群から選択され;R
2は以下の2つの式:
【化68】
の1つからなる群から選択され、R
3およびR
4は、場合により置換された、可変的に飽和または不飽和のC
6~C
20アルキルおよび場合により置換された、可変的に飽和または不飽和のC
6~C
20アシルからなる群からそれぞれ独立に選択され;nは0または任意の正の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上)である)を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化69】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質、「HGT4001」およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化70】
の化合物構造を有するカチオン性脂質「HGT4002」(本明細書では「Guan-SS-Chol」とも称する)およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化71】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質、「HGT4003」およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化72】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質、「HGT4004」およびその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化73】
の化合物構造を有する、カチオン性脂質「HGT4005」およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0180】
本発明の組成物および方法に使用するのに適した他のカチオン性脂質には、2018年5月16日に出願された米国仮特許出願第62/672,194号に記載され、参照によって本明細書に組み入れる、切断可能なカチオン性脂質が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、米国仮特許出願第62/672,194号に記載される一般式のいずれかまたは構造(1a)~(21a)および(1b)~(21b)および(22)~(237)のいずれかであるカチオン性脂質を含む。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、式(I’)による構造を有するカチオン性脂質
【化74】
(式中、
R
Xは独立に、-H、-L
1-R
1、または-L
5A-L
5B-B’であり;
L
1、L
2、およびL
3の各々は独立に、共有結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)S-、または-C(O)NR
L-であり;
各L
4AおよびL
5Aは独立に、-C(O)-、-C(O)O-、または-C(O)NR
L-であり;
各L
4BおよびL
5Bは独立に、C
1~C
20アルキレン;C
2~C
20アルケニレン;またはC
2~C
20アルキニレンであり;
各BおよびB’はNR
4R
5または5~10員窒素含有ヘテロアリールであり;
各R
1、R
2、およびR
3は独立に、C
6~C
30アルキル、C
6~C
30アルケニル、またはC
6~C
30アルキニルであり;
各R
4およびR
5は独立に、水素、C
1~C
10アルキル;C
2~C
10アルケニル;またはC
2~C
10アルキニルであり;
各R
Lは独立に、水素、C
1~C
20アルキル、C
2~C
20アルケニル、またはC
2~C
20アルキニルである)
を含む。
【0181】
ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法は、
【化75】
の化合物構造を有する、62/672,194の化合物(139)であるカチオン性脂質を含む。
【0182】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法は、カチオン性脂質、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」)を含む(参照によって本明細書に組み入れる、Feignerら(Proc.Nat’l Acad.Sci.84、7413(1987);米国特許第4,897,355号)。本発明の組成物および方法に適した他のカチオン性脂質には、例えば、5-カルボキシスペルミルグリシンジオクタデシルアミド(「DOGS」);2,3-ジオレイルオキシ-N-[2-(スペルミン-カルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウム(「DOSPA」)(Behrら、Proc.Nat.’l Acad.Sci.86、6982(1989)、米国特許第5,171,678号;米国特許第5,334,761号);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(「DODAP」);1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(「DOTAP」)が含まれる。
【0183】
本発明の組成物および方法に適した追加の例示的なカチオン性脂質には、1,2-ジステアリルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(「DSDMA」);1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(「DODMA」);1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(「DLinDMA」);1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(「DLenDMA」);N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」);N-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DMRIE」);3-ジメチルアミノ-2-(コレスタ-5-エン-3-ベータ-オキシブタン-4-オキシ)-1-(シス,シス-9,12-オクタデカジエノキシ)プロパン(「CLinDMA」);2-[5’-(コレスタ-5-エン-3-ベータ-オキシ)-3’-オキサペントキシ)-3-ジメチル-1-(シス,シス-9’,1-2’-オクタデカジエノキシ)プロパン(「CpLinDMA」);N,N-ジメチル-3,4-ジオレイルオキシベンジルアミン(「DMOBA」);1,2-N,N’-ジオレイルカルバミル-3-ジメチルアミノプロパン(「DOcarbDAP」);2,3-ジリノレオイルオキシ-Ν,Ν-ジメチルプロピルアミン(「DLinDAP」);1,2-N,N’-ジリノレイルカルバミル-3-ジメチルアミノプロパン(「DLincarbDAP」);1,2-ジリノレオイルカルバミル-3-ジメチルアミノプロパン(「DLinCDAP」);2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(「DLin-K-DMA」);2-((8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(「オクチル-CLinDMA」);(2R)-2-((8-[(3ベータ)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(「オクチル-CLinDMA(2R)」);(2S)-2-((8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル)オキシ)-N,fsl-dimethyh3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(「オクチル-CLinDMA(2S)」);2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(「DLin-K-XTC2-DMA」);および2-(2,2-ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イル)-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルエタンアミン(「DLin-KC2-DMA」)(参照によって本明細書に組み入れる、国際公開第2010/042877号;Sempleら、Nature Biotech.28:172~176(2010)参照)が含まれる(Heyes,J.ら、J Controlled Release 107:276~287(2005);Morrissey,DV.ら、Nat.Biotechnol.23(8):1003~1007(2005);国際公開第2005/121348号)。一部の実施形態では、カチオン性脂質の1つまたはそれ以上は、イミダゾール、ジアルキルアミノ、またはグアニジニウム部分の少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1つまたはそれ以上のカチオン性脂質には、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(「XTC」);(3aR,5s,6aS)-N,N-ジメチル-2,2-ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル)テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-5-アミン(「ALNY-100」)および/または4,7,13-トリス(3-オキソ-3-(ウンデシルアミノ)プロピル)-N1,N16-ジウンデシル-4,7,10,13-テトラアザヘキサデカン-1,16-ジアミド(「NC98-5」)が含まれる。
【0184】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1種またはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化76】
の化合物構造を有するTL1-04D-DMAであるカチオン性脂質を含む。
【0185】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1種またはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化77】
の化合物構造を有するGL-TES-SA-DME-E18-2であるカチオン性脂質を含む。
【0186】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1種またはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化78】
の化合物構造を有するSY-3-E14-DMAPrであるカチオン性脂質を含む。
【0187】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1つまたはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化79】
の化合物構造を有するTL1-01D-DMAであるカチオン性脂質を含む。
【0188】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1つまたはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化80】
の化合物構造を有するTL1-10D-DMAであるカチオン性脂質を含む。
【0189】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1つまたはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化81】
の化合物構造を有するGL-TES-SA-DMP-E18-2であるカチオン性脂質を含む。
【0190】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1つまたはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化82】
の化合物構造を有するHEP-E4-E10であるカチオン性脂質を含む。
【0191】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法に適した1つまたはそれ以上のカチオン性脂質は、
【化83】
の化合物構造を有するHEP-E3-E10であるカチオン性脂質を含む。
【0192】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、組成物、例えば脂質ナノ粒子中の総脂質含有量の、重量によって測定される、少なくとも約5%、10%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%を構成する1つまたはそれ以上のカチオン性脂質を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物は、組成物、例えば脂質ナノ粒子中の総脂質含有量の、mol%として測定される、少なくとも約5%、10%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%を構成する1つまたはそれ以上のカチオン性脂質を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物は、組成物、例えば脂質ナノ粒子中の総脂質含有量の、重量によって測定される、約30~70%(例えば、約30~65%、約30~60%、約30~55%、約30~50%、約30~45%、約30~40%、約35~50%、約35~45%、または約35~40%)を構成する1つまたはそれ以上のカチオン性脂質を含む。一部の実施形態では、本発明の組成物は、組成物、例えば脂質ナノ粒子中の総脂質含有量の、mol%として測定される、約30~70%(例えば、約30~65%、約30~60%、約30~55%、約30~50%、約30~45%、約30~40%、約35~50%、約35~45%、または約35~40%)を構成する1つまたはそれ以上のカチオン性脂質を含む。
【0193】
非カチオン性/ヘルパー脂質
一部の実施形態では、提供されるリポソームは1つまたはそれ以上の非カチオン性(「ヘルパー」)脂質を含有する。本明細書で使用される場合、「非カチオン性脂質」という句は、任意の中性、双性イオン性またはアニオン性脂質を指す。本明細書で使用される場合、「アニオン性脂質」という句は、生理学的pHなどの選択されたHで正味の負の電荷を有するいくつかの脂質種のいずれかを指す。非カチオン性脂質には、それだけに限らないが、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-l-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、ホスファチジルセリン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、ガングリオシド、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、l-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(SOPE)、またはこれらの混合物が含まれる。
【0194】
一部の実施形態では、このような非カチオン性脂質は単独で使用されるが、好ましくは他の脂質、例えばカチオン性脂質と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、非カチオン性脂質は、リポソーム中に存在する総脂質の約5%~約90%、または約10%~約70%のモル比を含み得る。一部の実施形態では、非カチオン性脂質は中性脂質、すなわち、組成物が製剤化および/または投与される条件で正味の電荷を有さない脂質である。一部の実施形態では、リポソーム中の非カチオン性脂質のパーセンテージは、5%超、10%超、20%超、30%超、または40%超であることができる。
【0195】
コレステロール系脂質
一部の実施形態では、提供されるリポソームは、1つまたはそれ以上のコレステロール系脂質を含む。例えば、適切なコレステロール系カチオン性脂質は、例えば、DC-Choi(N,N-ジメチル-N-エチルカルボキサミドコレステロール)、1,4-ビス(3-N-オレイルアミノ-プロピル)ピペラジン(Gaoら、Biochem.Biophys.Res.Comm.179、280頁(1991);Wolfら、BioTechniques 23巻、139頁(1997);米国特許第5,744,335号)、またはICEを含む。一部の実施形態では、コレステロール系脂質は、リポソーム中に存在する総脂質の約2%~約30%、または約5%~約20%のモル比を含み得る。一部の実施形態では、脂質ナノ粒子中のコレステロール系脂質のパーセンテージは、5%超、10%超、20%超、30%超、または40%超であることができる。
【0196】
PEG修飾脂質
例えば、N-オクタノイル-スフィンゴシン-1-[スクシニル(メトキシポリエチレングリコール)-2000](C8 PEG-2000セラミド)を含む、誘導体化セラミド(PEG-CER)などの、ポリエチレングリコール(PEG)修飾リン脂質および誘導体化脂質の使用も、単独でまたは好ましくは導入ビヒクルを含む他の脂質製剤と組み合わせて(例えば、脂質ナノ粒子)、本発明によって企図される。企図されるPEG修飾脂質には、それだけに限らないが、C6~C20長のアルキル鎖を有する脂質に共有結合した最大SkDa長のポリエチレングリコール鎖が含まれる。このような成分の添加は複雑な凝集を防ぎ、循環寿命を増加させ、脂質-核酸組成物の標的組織への送達を増加させる手段を提供することもできる(Klibanovら(1990)FEBS Letters、268(1):235~237)、またはこれらはインビボで製剤から迅速に交換するよう選択される(米国特許第5,885,613号参照)。特に有用な交換可能な脂質は、より短いアシル鎖(例えば、C14またはC18)を有するPEG-セラミドである。本発明のPEG修飾リン脂質および誘導体化脂質は、リポソーム導入ビヒクル中に存在する全脂質の約0%~約20%、約0.5%~約20%、約1%~約15%、約4%~約10%、または約2%のモル比を構成することができる。
【0197】
様々な実施形態によると、脂質ナノ粒子を構成するカチオン性脂質、非カチオン性脂質、および/またはPEG修飾脂質の選択、ならびにこのような脂質の互いに対する相対モル比は、選択される脂質の特徴、意図した標的細胞の性質、送達されるMCNAの特徴に基づく。追加の考慮事項には、例えば、アルキル鎖の飽和、ならびに選択される脂質のサイズ、電荷、pH、pKa、膜融合性および毒性が含まれる。よって、それに応じてモル比を調整することができる。
【0198】
ポリマー
一部の実施形態では、適切な送達ビヒクルは、担体としてのポリマーを単独で、または本明細書に記載される様々な脂質を含む他の担体と組み合わせて使用して製剤化される。よって、一部の実施形態では、リポソーム送達ビヒクルは、本明細書で使用される場合、ポリマーを含むナノ粒子も包含する。適切なポリマーには、例えば、ポリアクリレート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリラクチド、ポリラクチド-ポリグリコリドコポリマー、ポリカプロラクトン、デキストラン、アルブミン、ゼラチン、アルギネート、コラーゲン、キトサン、シクロデキストリン、プロタミン、PEG化プロタミン、PLL、PEG化PLLおよびポリエチレンイミン(PEI)が含まれる。PEIが存在する場合、これは10~40kDaの範囲の分子量の分枝PEI、例えば25kDa分枝PEI(Sigma 番号408727)であることができる。
【0199】
本発明による使用に適したリポソーム
本発明に適したリポソームは、本明細書に記載されるカチオン性脂質、非カチオン性脂質、コレステロール脂質、PEG修飾脂質および/またはポリマーのいずれか1つまたはそれ以上を種々の比率で含むことができる。非限定的な例として、適切なリポソーム製剤は、cKK-E12、DOPE、コレステロールおよびDMG-PEG2K;C12-200、DOPE、コレステロールおよびDMG-PEG2K;HGT4003、DOPE、コレステロールおよびDMG-PEG2K;ICE、DOPE、コレステロールおよびDMG-PEG2K;またはICE、DOPE、およびDMG-PEG2Kから選択される組合せを含むことができる。
【0200】
様々な実施形態では、カチオン性脂質(例えば、cKK-E12、C12-200、ICE、および/またはHGT4003)は、モル比でリポソームの約30~60%(例えば、約30~55%、約30~50%、約30~45%、約30~40%、約35~50%、約35~45%、または約35~40%)を構成する。一部の実施形態では、カチオン性脂質(例えば、cKK-E12、C12-200、ICE、および/またはHGT4003)のパーセンテージは、モル比でリポソームの約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、もしくは約60%であるかまたはこれらを超える。
【0201】
一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロール系脂質とPEG修飾脂質の比はそれぞれ約30~60:25~35:20~30:1~15の間である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロール系脂質とPEG修飾脂質の比はそれぞれおよそ40:30:20:10である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロール系脂質とPEG修飾脂質の比はそれぞれおよそ40:30:25:5である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロール系脂質とPEG修飾脂質の比はそれぞれおよそ40:32:25:3である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロール系脂質とPEG修飾脂質の比はおよそ50:25:20:5である。
【0202】
特定の実施形態では、本発明により使用するためのリポソームは、カチオン性脂質、非カチオン性脂質(例えば、DOPEまたはDEPE)、PEG修飾脂質(例えば、DMG-PEG2K)、および場合によりコレステロールからなる脂質成分を含む。このようなリポソームに包含するのに特に適したカチオン性脂質には、GL-TES-SA-DME-E18-2、TL1-01D-DMA、SY-3-E14-DMAPr、TL1-10D-DMA、HGT4002(本明細書ではGuan-SS-Cholとも称される)、GL-TES-SA-DMP-E18-2、HEP-E4-E10、HEP-E3-E10、およびTL1-04D-DMAが含まれる。これらのカチオン性脂質は、噴霧を介して肺送達を通じて投与されるリポソームにおける使用に特に適していることが見出されている。これらの中で、HEP-E4-E10、HEP-E3-E10、GL-TES-SA-DME-E18-2、GL-TES-SA-DMP-E18-2、TL1-01D-DMAおよびTL1-04D-DMAは特に良好に機能した。
【0203】
リポソームの例には、カチオン性脂質成分としてのGL-TES-SA-DME-E18-2、TL1-01D-DMA、SY-3-E14-DMAPr、TL1-10D-DMA、GL-TES-SA-DMP-E18-2、HEP-E4-E10、HEP-E3-E10およびTL1-04D-DMA、非カチオン性脂質成分としてのDOPE、ヘルパー脂質成分としてのコレステロール、ならびにPEG修飾脂質成分としてのDMG-PEG2Kのうちの1つが含まれる。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロールとPEG修飾脂質のモル比は、それぞれ約30~60:25~35:20~30:1~15の間であり得る。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロールとPEG修飾脂質のモル比は、それぞれ、およそ40:30:20:10である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロールとPEG修飾脂質のモル比は、それぞれ、およそ40:30:25:5である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロールとPEG修飾脂質のモル比は、それぞれ、およそ40:32:25:3である。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とコレステロールとPEG修飾脂質のモル比は、およそ50:25:20:5である。
【0204】
一部の実施形態では、肺送達に特に適したリポソームの脂質成分は、HGT4002(本明細書ではGuan-SS-Cholとも称される)、DOPEおよびDMG-PEG2Kからなる。一部の実施形態では、カチオン性脂質と非カチオン性脂質とPEG修飾脂質のモル比は、およそ60:35:5である。
【0205】
別個の脂質成分の比
脂質ナノ粒子が3つまたは3つ以下の別個の脂質の成分を含む実施形態では、全脂質含有量の比(すなわち、脂質成分(1):脂質成分(2):脂質成分(3)の比)をx:y:zとして表すことができ、ここでは、
(y+z)=100-x
である。
【0206】
一部の実施形態では、「x」、「y」、および「z」の各々は脂質の3つの別個の成分のモルパーセンテージを表し、比はモル比である。
【0207】
一部の実施形態では、「x」、「y」、および「z」の各々は脂質の3つの別個の成分の重量パーセンテージを表し、比は重量比である。
【0208】
一部の実施形態では、変数「x」によって表される、脂質成分(1)はステロール系カチオン性脂質である。
【0209】
一部の実施形態では、変数「y」によって表される、脂質成分(2)はヘルパー脂質である。
【0210】
一部の実施形態では、変数「z」によって表される、脂質成分(3)はPEG脂質である。
【0211】
一部の実施形態では、脂質成分(1)(例えば、ステロール系カチオン性脂質)のモルパーセンテージを表す変数「x」は、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%である。
【0212】
一部の実施形態では、脂質成分(1)(例えば、ステロール系カチオン性脂質)のモルパーセンテージを表す変数「x」は、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約40%、約30%、約20%、または約10%以下である。実施形態では、変数「x」は約65%、約60%、約55%、約50%、約40%以下である。
【0213】
一部の実施形態では、脂質成分(1)(例えば、ステロール系カチオン性脂質)のモルパーセンテージを表す変数「x」は、少なくとも約50%であるが約95%未満;少なくとも約50%であるが約90%未満;少なくとも約50%であるが約85%未満;少なくとも約50%であるが約80%未満;少なくとも約50%であるが約75%未満;少なくとも約50%であるが約70%未満;少なくとも約50%であるが約65%未満;または少なくとも約50%であるが約60%未満である。実施形態では、変数「x」は少なくとも約50%であるが約70%未満;少なくとも約50%であるが約65%未満;または少なくとも約50%であるが約60%未満である。
【0214】
一部の実施形態では、脂質成分(1)(例えば、ステロール系カチオン性脂質)の重量パーセンテージを表す変数「x」は、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%である。
【0215】
一部の実施形態では、脂質成分(1)(例えば、ステロール系カチオン性脂質)の重量パーセンテージを表す変数「x」は、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約40%、約30%、約20%、または約10%以下である。実施形態では、変数「x」は約65%、約60%、約55%、約50%、約40%以下である。
【0216】
一部の実施形態では、脂質成分(1)(例えば、ステロール系カチオン性脂質)の重量パーセンテージを表す変数「x」は:少なくとも約50%であるが約95%未満;少なくとも約50%であるが約90%未満;少なくとも約50%であるが約85%未満;少なくとも約50%であるが約80%未満;少なくとも約50%であるが約75%未満;少なくとも約50%であるが約70%未満;少なくとも約50%であるが約65%未満;または少なくとも約50%であるが約60%未満である。実施形態では、変数「x」は少なくとも約50%であるが約70%未満;少なくとも約50%であるが約65%未満;または少なくとも約50%であるが約60%未満である。
【0217】
一部の実施形態では、脂質成分(3)(例えば、PEG脂質)のモルパーセンテージを表す変数「z」は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、または25%以下である。実施形態では、脂質成分(3)(例えば、PEG脂質)のモルパーセンテージを表す変数「z」は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%である。実施形態では、脂質成分(3)(例えば、PEG脂質)のモルパーセンテージを表す変数「z」は、約1%~約10%、約2%~約10%、約3%~約10%、約4%~約10%、約1%~約7.5%、約2.5%~約10%、約2.5%~約7.5%、約2.5%~約5%、約5%~約7.5%、または約5%~約10%である。
【0218】
一部の実施形態では、脂質成分(3)(例えば、PEG脂質)の重量パーセンテージを表す変数「z」は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、または25%以下である。実施形態では、脂質成分(3)(例えば、PEG脂質)の重量パーセンテージを表す変数「z」は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%である。実施形態では、脂質成分(3)(例えば、PEG脂質)の重量パーセンテージを表す変数「z」は、約1%~約10%、約2%~約10%、約3%~約10%、約4%~約10%、約1%~約7.5%、約2.5%~約10%、約2.5%~約7.5%、約2.5%~約5%、約5%~約7.5%、または約5%~約10%である。
【0219】
3つおよび3つのみの別個の脂質の成分を有する組成物について、変数「x」、「y」、および「z」は、3つの変数の和が合計して総脂質含有量の100%になる限り、任意の組合せであることができる。
【0220】
mRNAを封入するリポソームの形成
本発明の組成物に使用するためのリポソーム導入ビヒクルは、当技術分野において現在公知である種々の技術によって調製することができる。提供される組成物に使用するためのリポソームは、当技術分野において現在公知である種々の技術によって調製することができる。例えば、適切な容器(container)または容器(vessel)の内壁に選択された脂質を、適切な溶媒に溶解することによって、沈着させ、次に、溶媒を蒸発させて容器内に薄膜を残すかまたは噴霧乾燥させるような従来技術に従って、多層小胞(MLV)を調製することができる。次に、水相を、MLVの形成をもたらす渦運動で容器に添加することができる。次に、単層小胞(ULV)は、多層小胞の均質化、超音波処理または押し出しによって形成される。さらに、界面活性剤除去技術によって単層小胞を形成することができる。
【0221】
ある特定の実施形態では、提供される組成物は、mRNAがリポソームの両表面上に会合されており、同リポソーム内に封入されているリポソームを含む。例えば、本発明の組成物の製造中、カチオン性リポソームは、静電的相互作用を通してmRNAと会合することができる。例えば、本発明の組成物の調製中に、カチオン性リポソームは、静電的相互作用を介してmRNAと会合し得る。
【0222】
一部の実施形態では、本発明の組成物および方法はリポソームに封入されたmRNAを含む。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のmRNA種は同じリポソームに封入される。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のmRNA種は異なるリポソームに封入される。一部の実施形態では、mRNAは、その脂質組成、脂質成分のモル比、径、電荷(ゼータ電位)、標的化リガンドおよび/またはこれらの組合せが異なる1つまたはそれ以上のリポソームに封入される。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のリポソームは、ステロール系カチオン性脂質、中性脂質、PEG修飾脂質および/またはこれらの組合せの異なる組成を有することができる。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のリポソームは、リポソームを作製するために使用されるコレステロール系カチオン性脂質、中性脂質、およびPEG修飾脂質の異なるモル比を有することができる。
【0223】
所望のmRNAをリポソームに取り込む方法は、しばしば「搭載」と称される。例示的な方法は、参照により本明細書に組み入れられるLasicら、FEBS Lett.、312巻:255~258頁、1992に記載されている。リポソームを取り込んだ核酸は、リポソームの内部空間内、リポソームの二重層膜内に完全にもしくは部分的に位置されるか、またはリポソーム膜の外表面に完全にもしくは部分的に会合することができる。核酸のリポソームへの取り込みはまた、本明細書において「封入」とも称され、核酸はリポソームの内部空間内に完全に含有される。リポソームのような導入ビヒクルにmRNAを取り込む目的は、しばしば、核酸の迅速な排出を引き起こす、核酸および/またはシステムもしくは受容体を分解する酵素または化学物質を含有し得る環境から核酸を保護することである。したがって、一部の実施形態では、適切な送達ビヒクルは、その中に含有されるmRNAの安定性を増強することができ、および/または標的細胞もしくは組織へのmRNAの送達を促進することができる。
【0224】
本発明による適切なリポソームは、種々のサイズで作製することができる。一部の実施形態では、提供されたリポソームは、公知のmRNAを封入するリポソームよりも小さくすることができる。一部の実施形態では、リポソームのサイズの減少は、mRNAのより効率的な送達と関連する。適切なリポソームサイズの選択は、標的細胞または組織の部位、およびある程度、リポソームが作製されている用途を考慮に入れることができる。
【0225】
一部の実施形態では、mRNAによりコードされる抗体の全身的分布を促進するために、適切なサイズのリポソームが選択される。一部の実施形態では、mRNAのトランスフェクションをある特定の細胞または組織に制限することが望ましい場合がある。例えば、肝細胞を標的とするために、リポソームは、その寸法が、肝臓内の肝類洞を裏打ちする内皮層の有窓部よりも小さくなるようなサイズであり得る。このような場合に、リポソームは、標的肝細胞に到達するために、このような内皮有窓部を容易に貫通することができる。
【0226】
あるいはまたはさらに、リポソームは、リポソームの寸法が、ある特定の細胞または組織への分布を制限または明示的に回避するのに十分な直径を有するようなサイズであり得る。
【0227】
当技術分野において公知である種々の代替方法が、リポソーム集団のサイズ決定に利用可能である。このようなサイズ決定方法の1つは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,737,323号に記載されている。浴またはプローブ超音波処理のいずれかによりリポソーム懸濁液を超音波処理することによって、直径約0.05ミクロン未満の小さなULVまで漸進的なサイズ減少が生じる。均質化は、大きなリポソームをより小さなリポソームにフラグメント化するためのせん断エネルギーに依存する別の方法である。典型的な均質化手順では、典型的には約0.1~0.5ミクロンの間の選択されたリポソームサイズが観察されるまで、MLVを標準エマルジョンホモジナイザーを介して再循環させる。リポソームのサイズは、参照により本明細書に組み入れられるBloomfield、Ann.Rev.Biophys.Bioeng.、10巻:421~150頁(1981)に記載されているように、準電光散乱(QELS)によって決定することができる。形成されたリポソームの超音波処理によって、平均リポソーム直径を減少させることができる。効率的なリポソーム合成を導くために、間欠的超音波処理サイクルをQELS評価と交互に行うことができる。
【0228】
組成物の治療的使用
一態様では、本発明は、とりわけ、治療目的に有用なmRNAを封入したLNP製剤を提供する。例えば、一部の実施形態では、LNP封入mRNAは、免疫疾患などの対象における疾患の処置のための抗体をコードする。
【0229】
一部の実施形態では、mRNAはコドン最適化されている。種々のコドン最適化方法が当該技術分野において公知である。
【0230】
噴霧
肺送達のための医薬組成物を噴霧する有効性は、小エアロゾル液滴のサイズに依存する。一般に、液滴のサイズが小さいほど、肺への浸透および肺への保持の可能性が大きくなる。大きな液滴(直径10μmを超える)は口腔と咽喉に沈着する可能性が最も高く、中程度の液滴(直径5~10μm)は口と気道の間に沈着する可能性が最も高く、小さい液滴(直径5μm未満)は肺に沈着して残存する可能性が最も高い。
【0231】
粒子サイズ1~5μmの吸入エアロゾル液滴は、下気道の狭い枝に侵入することがある。より大きな径のエアロゾル液滴は、典型的には、口腔を覆う上皮細胞によって吸収され、下気道上皮および深部肺胞組織に到達する可能性は低い。
【0232】
エアロゾル中の粒子サイズは、一般に、空気力学的質量中央径(MMAD)を参照して記載される。MMADは、幾何標準偏差(GSD)とともに、粒子の重量およびサイズに基づいて、任意のエアロゾルの粒子サイズ分布を統計的に記載する。エアロゾルのMMADを計算する手段は、当該技術分野において周知である。
【0233】
カスケード式衝突体を用いてMMADを計算する具体的な方法は、Mitchellらによって1959年に最初に報告された。粒子サイズを測定するためのカスケード式衝突体は、一連の噴流、各々のその後の衝突スライドから構成され、移動する空気流中の粒子は、それらの運動量が、スライドの周囲を移動する際に空気流が及ぼす抗力を克服するのに十分である場合、それらの経路内に配置されたスライド上に衝突するという原理に基づいている。各噴流が前の噴流よりも小さいため、エアロゾルが衝突体を通過するにつれて、空気流の速度、したがって分散粒子の速度が増加する。その結果、最終的には、より小さい粒子がスライドに衝撃を与えるのに十分な運動量を獲得し、エアロゾルの完全な粒子サイズ分類が達成される。本発明の医薬組成物のMMADを測定するために本明細書において使用される改善された次世代衝突体は、2003年にMarpleらによって最初に報告され、薬局方で広く使用されている。
【0234】
エアロゾル中の粒子サイズを記載するための別のパラメータは、体積中央径(VMD)である。VMDはまた、粒子の体積に基づくエアロゾルの粒子サイズ分布を記載する。エアロゾルのVMDを計算する手段は、当該技術分野において周知である。VMDを決定するために使用される具体的な方法は、本発明の医薬組成物のVMDを測定するために本明細書において使用されるレーザー回折である(例えば、Clark, 1995, Int J Pharm. 115:69~78を参照されたい)。
【0235】
一部の実施形態では、噴霧された医薬組成物の平均粒子サイズは、約4μm~6μm、例えば、約4μm、約4.5μm、約5μm、約5.5μm、または約6μmである。
【0236】
微粒子画分(FPF)は、特定値より小さいMMADまたはVMDを有するエアロゾル中の粒子の比率として定義される。一部の実施形態では、粒子サイズ5μm未満を有する噴霧される医薬組成物のFPFは、少なくとも約30%、より典型的には少なくとも約40%、例えば少なくとも約50%、より典型的には少なくとも約60%である。
【0237】
一部の実施形態では、噴霧は、平均吸入可能放出用量(すなわち、粒子サイズが5μm未満のFPFのパーセンテージ;例えば、15L/分抽出を伴う次世代衝突体によって決定した場合)が、放出された用量の少なくとも約30%、例えば、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、または少なくとも約35%であるように行われる。一部の実施形態では、噴霧は、平均吸入可能送達用量(すなわち、粒子サイズが5μm未満のFPFのパーセンテージ;例えば、15L/分抽出を伴う次世代衝突体によって決定した場合)が、放出された用量の少なくとも約15%、例えば、放出された用量の少なくとも16%または16.5%であるように行われる。
【0238】
噴霧器
噴霧は、当該技術分野において公知である任意の噴霧器によって達成することができる。噴霧器は、液体をミストに変換し、肺により容易に吸入できるようにする。噴霧器は、乳児、小児および成人に有効である。噴霧器は大用量の吸入薬を噴霧することができる。典型的には、本発明とともに使用するための噴霧器は、着脱可能なマウスピースを含む。これは、本発明の医薬組成物を投与する場合に、RNaseを含まない清澄なマウスピースのみを使用すべきであるため重要である。
【0239】
一部の実施形態では、噴霧器のリザーバ体積は、約5.0mL~約8.0mLの範囲である。一部の実施形態では、噴霧器のリザーバ体積は、約5.0mLである。一部の実施形態では、噴霧器のリザーバ体積は、約6.0mLである。一部の実施形態では、噴霧器のリザーバ体積は、約7.0mLである。一部の実施形態では、噴霧器のリザーバ体積は、約8.0mLである。
【0240】
1つのタイプの噴霧器はジェット噴霧器であり、これはコンプレッサに接続された管を含み、圧縮された空気または酸素を液体薬品を通して高速で流し、エアロゾルに変え、次に、患者によって吸入される。
【0241】
別のタイプの噴霧器は、超音波噴霧器であり、これは、液体リザーバに接触する圧電素子の機械的振動を引き起こす高周波超音波を発生する電子発振器を備える。液体の高周波振動は、蒸気ミストを生成するのに十分である。例示的な超音波噴霧器は、Omron NE-U17およびBeurer噴霧器IH30である。
【0242】
第3のタイプの噴霧器は、振動メッシュ技術(VMT)を含む振動メッシュ噴霧器などのメッシュ噴霧器である。VMT噴霧器は、典型的には、液体リザーバの頂部で振動し、それによってメッシュ/膜の孔を通して非常に微細なエアロゾル液滴のミストを押し出す1000~7000孔を有するメッシュ/膜を含む。本発明の医薬組成物の送達に適したVMT噴霧器には、以下:eFlow(PARI Medical Ltd.)、i-Neb(Respironics Respiratory Drug Delivery Ltd)、Nebulizer IH50(Beurer Ltd.)、AeroNeb Go(Aerogen Ltd.)、InnoSpire Go(Respironics Respiratory Drug Delivery Ltd)、Mesh Nebulizer(Shenzhen Homed Medical Device Co,Ltd.)、Portable Nebulizer(Microbase Technology Corporation)およびAirworks(Convexity Scientific LLC)のうちのいずれかが含まれる。一部の実施形態では、VMT噴霧器のメッシュまたは膜は、圧電素子によって振動するように作製される。一部の実施形態では、VMT噴霧器のメッシュまたは膜は、超音波によって振動するように作製される。
【0243】
VMT噴霧器は、本発明の医薬組成物中のオリゴヌクレオチドの完全性に影響しないため、本発明を実施するのに特に適していることが判明している。典型的には、本発明の医薬組成物中のオリゴヌクレオチドの少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%が、噴霧後にその完全性を維持する。
【0244】
一部の実施形態では、噴霧は、吸入および呼気中に連続的である。より典型的には、噴霧は、呼吸作動される。本発明とともに使用するのに適した噴霧器は、0.2mL/分超の噴霧速度を有する。一部の実施形態では、噴霧速度は0.25mL/分超である。他の実施形態では、噴霧速度は0.3mL/分超である。一部の実施形態では、噴霧速度は0.45mL/分超である。典型的な態様では、噴霧速度は、0.2mL/分~0.5mL/分の範囲である。
【0245】
噴霧体積が10mLを超える場合、処置中にヒト対象に有害作用が現れることがある。特に、20mLを超える体積を投与する場合、このような有害作用がより一般的である。一部の実施形態では、噴霧体積は、20mLを超えない。
【0246】
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物の単回用量は、噴霧処置あたり1回または2回の補充でのみ投与することができる。例えば、患者に投与される医薬組成物の全体積が13mLである場合、8mLリザーバを有する噴霧器を使用するときには、全体積を投与するためには1回の補充のみが必要であるが、5mLリザーバを有する噴霧器を使用するときには、2回の補充が同じ体積を投与するために必要である。別の実施形態では、噴霧処置毎に、例えば26mLの体積を投与するために、少なくとも3回の補充が必要とされ、8mLリザーバを有する噴霧器を使用する場合には、少なくとも3回の補充が必要とされる。さらに別の実施形態では、少なくとも4回の補充が必要である。例えば、5mLリザーバを有する噴霧器で42mLを送達するためには、少なくとも8回の補充が必要である。典型的には、本発明の医薬組成物を投与するために必要とされる補充は1~3回以下である。
【0247】
本発明の医薬組成物は、典型的には、0.2mL/分から0.5mL/分の範囲の速度で噴霧される。オリゴヌクレオチドの0.5mg/ml~0.8mg/mlの濃度(例えば、約0.6mg/ml)が、特に振動メッシュ噴霧器とともに投与される場合に、特に適切であることが見出されている。
【0248】
一部の実施形態では、単一の噴霧セッション中に使用される噴霧器の数は、2~8の範囲である。一部の実施形態では、単一の噴霧セッション中に使用される噴霧器の数は、1~8の範囲である。一部の実施形態では、1つの噴霧器は、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、2つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、3つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、4つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、5つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、6つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、7つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。一部の実施形態では、8つの噴霧器が、単一の噴霧セッション中に使用される。
【実施例】
【0249】
本発明のある特定の化合物、組成物および方法は、ある特定の実施形態に従って特異性をもって記載されてきたが、以下の実施例は、本発明の化合物を例示するためにのみ役立ち、本発明の化合物を限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0250】
脂質ナノ粒子(LNP)への抗体をコードするmRNAの封入
この実施例は、脂質ナノ粒子(LNP)におけるmRNAがコードする抗体の封入、および抗体をコードするmRNAを含むLNP製剤の調製を例示する。
【0251】
例示的なLNP製剤は、米国特許出願公開第2016/0038432号(プロセスA)に記載されるように、最初に脂質を脂質ナノ粒子に予備形成することなく、オリゴヌクレオチドを脂質の混合物と混合することによってオリゴヌクレオチドを封入する従来のプロセスによって調製された。
【0252】
10%トレハロース(w/v)、および5:60:0:35のDMG-PEG_2000(PEG):Guan-SS-chol(カチオン性脂質):コレステロール:DOPE(ヘルパー脂質)の例示的LNP組成物を含む、例示的な抗IL6RをコードするmRNAのLNP製剤を調製した。99.36%の高い封入効率を達成した。約58nmの粒子サイズが得られ、多分散指数は0.16であった。
【0253】
別の例示的な抗IL4RαをコードするmRNAのLNP製剤は、5:60:0:35のDMG-PEG_2000(PEG):Guan-SS-chol(カチオン性脂質):コレステロール:DOPE(ヘルパー脂質)の例示的なLNP組成物を用いて調製され、同様に、98%の高い封入効率を達成した。約60nmの粒子サイズが0.18の多分散指数で得られた。LNP製剤は下記の表3に記載される。
【0254】
【0255】
この実施例は、高い封入効率を有する脂質ナノ粒子が、抗IL6Rおよび抗IL4Rαのような抗体をコードするmRNAを含むことを示した。
【実施例2】
【0256】
マウスにおけるmRNAがコードする抗体の薬力学的研究
この実施例は、mRNAがコードする抗体を投与されたマウスにおける薬力学的研究を例示する。その後、生理食塩水を投与した対照マウスと比較して、mRNAがコードする抗体を投与したマウスにおいて抗体レベルを評価した。研究設計を以下の表4に概説する。
【0257】
【0258】
種々の免疫標的に対して指向性を有するLNPに封入された抗体をコードするメッセンジャーRNAをマウスに投与した。例示的な標的には、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-13、IL-25、IL-33、IL-4受容体(IL-4R、例えばIL-4Rα)、IL-5受容体(IL-5R)、IL-6受容体(IL-6R)、IL-9受容体(IL-9R)、IL-13受容体(IL-13R)、IL-25受容体(IL-25R)またはIL-33受容体(IL-33R、例えばST2、IL1RL1としても公知である)、2型炎症の他のドライバ、ならびに追加の標的が含まれる。この実施例では、抗IL6Rおよび抗IL4Rαを封入したmRNA-LNPを試験した。
【0259】
約8~10週齢のCD1マウスに、抗IL6Rまたは抗IL4Rαを封入したmRNA-LNPを、約15マイクログラム/動物の用量で気管内投与により投与した。対照マウスには生理食塩水を投与した。4日目に、血清調製のために血液を収集した。マウスを屠殺し、気管支肺胞洗浄液(BALF)、肺および肝臓を含む組織サンプルを収集した。BALFサンプルは、5回の連続的な流体プランジで収集された。最初に収集されたBALF画分は、サイトカインに富むBALFとBAL細胞ペレットである。左右の全肺および肝臓からの8mm生検パンチ2本を液体窒素で凍結した。
【0260】
抗IL6R抗体または抗IL4Rα抗体を用いて処理されたマウスからのBALFにおけるmRNA療法の投与の72時間後に、生理食塩水対照を受けたマウスと比較して、ヒトIgGのレベルを測定した。抗体レベルを定量し、データを
図1および表5に示す。
【0261】
【0262】
この実施例は、抗体をコードするmRNAが送達され、ヒト抗体が標的肺組織において発現されることを示した。本明細書に記載される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。さらに、材料、方法、および実施例は、単に例示であり、限定することを意図しない。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料が、本明細書に記載される。
【0263】
等価物
当業者であれば、日常的な実験でしかないものを使用して、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの等価物を認識するか、または確認することができるだろう。本発明の範囲は、上記の明細書に限定されることを意図するものではなく、むしろ以下の特許請求の範囲に示される通りである。
【配列表】
【国際調査報告】