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特表2024-504615測位完全性を決定するための無線デバイス懸念イベント観測およびインジケータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】測位完全性を決定するための無線デバイス懸念イベント観測およびインジケータ
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240125BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240125BHJP
   G01S 5/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W64/00
G01S5/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542666
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 SE2022050037
(87)【国際公開番号】W WO2022154736
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/137,601
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.BLUETOOTH
3.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】グンナルソン, フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】シュレエバスタフ, リテッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマチャンドラ, プラディーパ
(72)【発明者】
【氏名】モダレス ラザヴィ, サラ
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC14
5K067AA03
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
5K067LL11
(57)【要約】
無線デバイス(WD)懸念イベント観測およびインジケータのための方法、システムおよび装置が開示される。一実施形態では、ネットワークノードが、地域局所環境完全性インジケータを決定し、決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイスに送るように設定される。一実施形態では、無線デバイスが、支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得し、地域局所環境インジケータに基づいて測位完全性を決定するように設定される。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノード(16)で実現される方法であって、
地域局所環境完全性インジケータを決定すること(S134)と、
決定された前記地域局所環境完全性インジケータを無線デバイス(WD)(22)に送ること(S136)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記WD(22)からの報告を受信することであって、前記報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、前記地域局所環境完全性インジケータが前記少なくとも1つの局所環境測定問題に基づいて決定される、報告を受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの局所環境測定問題が、異なる測位測定値を比較し、前記比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、前記WD(22)によって検出される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記地域局所環境完全性インジケータを支援データと一緒に前記WD(22)に送ること、前記地域局所環境完全性インジケータが、前記WD(22)の推定された位置に関連する測位完全性を示し、前記WD(22)の前記推定された位置が前記支援データに基づく、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、および前記ネットワークノード(16)からの要求の結果として、前記WD(22)からの前記報告を受信すること、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記要求が、前記ネットワークノード(16)から前記WD(22)へのロケーション情報提供メッセージを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して前記WD(22)からの前記報告を受信すること、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガが、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記WD(22)の事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、前記WD(22)からの前記報告を受信すること、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
局所環境測定問題を監視し、前記局所環境測定問題について報告する前記WD(22)の機能を示す情報を受信すること
を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記局所環境測定問題を監視し、前記局所環境測定問題について報告する前記WD(22)の前記機能を示す前記情報が、前記WD(22)において事前設定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記地域局所環境完全性インジケータが地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
無線デバイス(WD)(22)で実現される方法であって、
支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得すること(S138)と、
前記地域局所環境インジケータに基づいて測位完全性を決定すること(S140)と
を含む、方法。
【請求項14】
決定された前記測位完全性に基づいて前記WD(22)の位置を推定すること
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ネットワークノード(16)に報告を送ることであって、前記報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、前記地域局所環境完全性インジケータが前記少なくとも1つの局所環境測定問題に基づく、報告を送ること
を更に含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
異なる測位測定値を比較し、前記比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、前記少なくとも1つの局所環境測定問題を検出すること
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、および前記ネットワークノード(16)からの要求の結果として、前記報告を前記ネットワークノード(16)に送ること、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記要求が、前記ネットワークノード(16)から前記WD(22)へのロケーション情報提供メッセージを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して前記報告を前記ネットワークノード(16)に送ること、請求項15または16に記載の方法。
【請求項20】
前記トリガが、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記WD(22)の事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、前記報告を前記ネットワークノード(16)に送ること、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
局所環境測定問題を監視し、前記局所環境測定問題について報告する前記WD(22)の機能を示す情報を前記ネットワークノード(16)に送ること
を更に含む、請求項13から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記局所環境測定問題を監視し、前記局所環境測定問題について報告する前記WD(22)の前記機能を示す前記情報が、前記WD(22)において事前設定される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記地域局所環境完全性インジケータが地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される、請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
処理回路(68)を備えるネットワークノード(16)であって、前記処理回路(68)が、前記ネットワークノード(16)に請求項1から12に記載の方法のうちのいずれか1つまたは複数を実行させるように設定されている、ネットワークノード(16)。
【請求項26】
処理回路(84)を備える無線デバイス(WD)(22)であって、前記処理回路(84)が、前記WD(22)に請求項13から24に記載の方法のうちのいずれか1つまたは複数を実行させるように設定されている、無線デバイス(WD)(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信に関し、特に、無線デバイス(WD)懸念イベント(feared event)観測およびインジケータのための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)第4世代/Long-Term Evolution/エボルブドパケットコア(4G/LTE/EPC)および第5世代/新無線(New Radio:NR)/5Gコア(5G/NR/5GC)における測位は、LTE測位プロトコル(LPP)を介した無線デバイス(WD、ユーザ機器またはUEとも呼ばれる)とロケーションサーバ2との間の直接対話を用いて、図1のアーキテクチャによってサポートされる。その上、無線リソース制御(RRC)プロトコルを介した無線基地局4とWDとの間の対話によってある程度までサポートされる、LPPaプロトコルを介したロケーションサーバ2とサービング無線基地局(BS)4との間の対話もある。無線基地局4は、(「第1のインターフェース」とも呼ばれる)第1のインターフェースプロトコルを介してモビリティネットワークエンティティ(MNE)6と対話し、モビリティネットワークエンティティ6は、(「第2のインターフェース」とも呼ばれる)第2のインターフェースプロトコルを介してロケーションサーバ2と対話する。いくつかの適用例では、ロケーションサーバは、(「第3のインターフェース」とも呼ばれる)第3のインターフェースプロトコルを介してGNSS補正データプロバイダ8と対話する。
【0003】
3GPP LTE
4G/LTE/EPCおよび5G/NR/5GCでは、サーバ/ノード/機能/インターフェース/プロトコルは以下のように名付けられる。
【0004】
両方の場合において、ロケーションサーバ2は、オープンモバイルアライアンス(OMA)セキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)によって定義されたシグナリング、または何らかの他のユーザプレーンシグナリングとの、LPPを伝達するユーザプレーン通信を通じてWDと直接対話していることもある。SUPLの場合、ロケーションサーバ2はSUPLロケーションプラットフォーム(SLP)と示され、WDはSUPL対応端末(SET)と示される。
【0005】
ロケーションサーバ2と補正データプロバイダ8との間の第3のインターフェースを介したインターフェース、シグナリングおよびメッセージハンドリングのためのいくつかのオプションがある。1つのオプションは、ユーザプレーンシグナリングプロトコル、インターネットプロトコルによる海事用無線技術委員会(RTCM)のネットワーク化転送(NTRIP)とのRTCM特別委員会(special committee)によって定義されたメッセージハンドリングである。RTCM SCは、最初に、GNSSに対する差分補正を定義した。
【0006】
3GPPリリース9(Rel9)は、アシスト全地球航法衛星システム(GNSS)に対するサポートを導入し、支援データの範囲はリリースを通じて改良されてきた。リリース5(Rel15)では、リアルタイムキネマティクス(RTK)GNSSに対するサポートが導入された。支援データは、既知の位置と既知のアンテナ設定とをもつノードである1つまたは複数の基準局と、1つまたは複数の衛星システムからの信号を測定することが可能なGNSS受信機とからの観測に基づいて生成され、衛星システムは1つまたは複数の衛星を含み、各衛星は1つまたは複数の信号を送信する。一般的に、GNSS RTK支援データは、別個の機能、補正データプロバイダまたはNRTKサーバによって提供される。
【0007】
GNSSはジェネリックなシステムを表し、例としてはGPS、GLONASS、GALILEOおよびBeiDouがある。これらのシステムは、それぞれ特定のGNSS信号識別情報に関連付けられた全地球航法衛星システム(GNSS)信号を送信する、いくつかのGNSS衛星に基づく。衛星は、地球の周りの適合された軌道をたどる。
【0008】
図2は、ホーム加入者システム(HSS)、統合データ管理(UDM)、ロケーションサービス(LCS)クライアント、ゲートウェイモバイルロケーションセンター(GMLC)、モビリティ管理エンティティ(MME)、拡張サービングモバイルロケーションセンター(E-SMLC)、エボルブドユニバーサルUMTS地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)、ネットワーク公開機能(NEF)、ロケーション管理機能(LMF)、アプリケーション機能(AF)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)ならびに無線アクセスネットワーク(RAN)を含む、別のアーキテクチャにおける異なる4G/LTE/EPCおよび5G/NR/5GCエンティティの例を示す。
【0009】
5G信号に基づく5G測位方法は、指向性をもつ無線ビームを使用して送信され得る、特定の無線リソースに関連付けられた、ダウンリンク測位参照信号を用いて実現され得る。各測位参照信号は識別子に関連付けられる。1つまたは複数のそのような信号は、無線基地局に関連付けられた特定の送信ポイントから送信される。
【0010】
測位方法は測定に依拠し、いくつかの測位方法は、GNSS信号、Wi-Fi信号、Bluetooth信号、ビーコン信号、無線アクセス技術(RAT)依存信号などのデバイス測定に依拠する。そのようなデバイス測定は、エラーまたは懸念イベントが起こりやすく、そのようなエラーまたは懸念イベントのサブセットはデバイスの局所環境に起因する。
【0011】
図3は、局所環境エラーまたは懸念イベントの1つの一般的な例であるマルチパス信号伝播を示す。左側では、いくつかのGNSS信号は見通し線(line of sight)経路を介して、いくつかは反射された非見通し線(non- line of sight)経路を介して受信され、図3の右側は、いくつかの信号が見通し線経路を介して受信され、いくつかが反射された非見通し線経路を介して受信される、地上波無線ネットワークについての同様の状況を示す。非見通し線信号の飛行時間は送信機とデバイスとの間の距離を反映しないので、デバイスの局所環境に起因する測定誤差が生じる。
【0012】
局所環境測定問題の他の例としては、限定はしないが、
他の無線送信機からの偶発的な干渉、
しばしばジャミングと示される、他の無線送信機からの意図的な干渉、および/または
しばしばなりすましと呼ばれる、現実に対応しない無線信号飛行時間をデバイスに測定させようとする意図的なフェイク無線信号
がある。
【0013】
MDT
ネットワークプランニング、ネットワーク最適化、ネットワークパラメータ調整またはセッティング(例えば、基地局送信電力、受信アンテナおよび/または送信アンテナの数など)など、自己組織化ネットワーク(SON)に関係する特徴についての、ひいては測位(例えば、無線周波数(RF)パターンマッチングベース測位)についての、いくつかのタイプのWD測定結果を取得するためのドライブテストの代替として、ドライブテストの最小化(MDT)が使用される。WDは、測定のロギングを行うためにネットワークによって設定される。即時MDTとログMDTという2つのMDTモードが存在する。
即時MDTは、高い無線リソース制御(RRC)活動状態(例えば、LTEおよびNRなどにおけるRRC CONNECTED状態)においてWDによって実行される測定と、報告条件が満たされた、例えば、イベントがトリガされたときの、ネットワークノード(例えば、eNodeB、gNodeBなど)への測定の報告とを含む。
【0014】
ログMDT機能は、低い無線リソース制御(RRC)活動状態(例えば、RRCアイドル、RRC非活動など)において動作しているときの、WDによって実行される測定を含む。ネットワークは、報告前に最高48時間の間WDに格納することができる、低いRRC活動状態における測定結果のロギングを実行するようにWDを設定するために、Logged Measurement Configurationメッセージを使用する。設定は、セル中の絶対時間、ロギング持続時間、ロギング間隔または周期(例えば、どのくらいの頻度で測定のロギングを行うか)などの情報、ロギングが必要とされるエリアについての情報などを含む。ロギング持続時間は数分から数時間まで変動し得る。WDは、(ネットワークから受信された)受信された絶対時間に対する測定結果、ロギングされた結果(任意)のロケーション情報などのロギングを行う時間を示す、各ログについての相対的タイムスタンプとともに、測定結果を送信する。
【発明の概要】
【0015】
いくつかの実施形態は、有利には、無線デバイス(WD)懸念イベント観測およびインジケータのための構成のための方法、システム、および装置を提供する。
【0016】
一実施形態では、ネットワークノードは、地域局所環境完全性インジケータを決定し、決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイスに送るように設定される。
【0017】
一実施形態では、無線デバイスは、支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得し、地域局所環境インジケータに基づいて測位完全性を決定するように設定される。
【0018】
一態様によれば、ネットワークノードにおいて実現される方法が提供される。本方法は、地域局所環境完全性インジケータを決定することと、決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイス(WD)に送ることとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法は、WDからの報告を受信することであって、報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、地域局所環境完全性インジケータが少なくとも1つの局所環境測定問題に基づいて決定される、報告を受信することを更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの局所環境測定問題は、異なる測位測定値を比較し、比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、WDによって検出される。いくつかの実施形態では、地域局所環境完全性インジケータを支援データと一緒にWDに送ること、地域局所環境完全性インジケータは、WDの推定された位置に関連する測位完全性を示し、WDの推定された位置は支援データに基づく。
【0020】
いくつかの実施形態では、Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、およびネットワークノードからの要求の結果として、WDからの報告を受信すること。いくつかの実施形態では、要求は、ネットワークノードからWDへのロケーション情報提供メッセージを含む。いくつかの実施形態では、トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介してWDからの報告を受信すること。いくつかの実施形態では、トリガは、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む。いくつかの実施形態では、WDの事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、WDからの報告を受信すること。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報を受信することを更に含む。いくつかの実施形態では、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報は、WDにおいて事前設定される。いくつかの実施形態では、地域局所環境完全性インジケータは地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される。
【0022】
別の態様によれば、無線デバイス(WD)で実現される方法が提供される。本方法は、支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得することと、地域局所環境インジケータに基づいて測位完全性を決定することとを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、決定された測位完全性に基づいてWDの位置を推定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ネットワークノードに報告を送ることであって、報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、地域局所環境完全性インジケータが少なくとも1つの局所環境測定問題に基づく、報告を送ることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、異なる測位測定値を比較し、比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、少なくとも1つの局所環境測定問題を検出することを更に含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、およびネットワークノードからの要求の結果として、報告をネットワークノードに送ること。いくつかの実施形態では、要求は、ネットワークノードからWDへのロケーション情報提供メッセージを含む。いくつかの実施形態では、トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して報告をネットワークノードに送ること。いくつかの実施形態では、トリガは、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む。いくつかの実施形態では、WDの事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、報告をネットワークノードに送ること。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報をネットワークノードに送ることを更に含む。いくつかの実施形態では、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報は、WDにおいて事前設定される。いくつかの実施形態では、地域局所環境完全性インジケータは地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される。
【0026】
また別の態様によれば、処理回路を備えるネットワークノードが提供される。処理回路は、ネットワークノードに上述の方法のうちのいずれか1つまたは複数を実行させるように設定される。
【0027】
また別の態様によれば、処理回路を備える無線デバイス(WD)が提供される。処理回路は、WDに上述の方法のうちのいずれか1つまたは複数を実行させるように設定される。
【0028】
本発明の実施形態、ならびに付随するそれらの利点および特徴のより完全な理解は、以下の詳細な説明を参照し、添付図面と併せて検討することによってより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】LTE測位アーキテクチャの一例を示す図である。
図2】アーキテクチャにおける異なる4G/LTE/EPCおよび5G/NR/5GCエンティティの一例を示す図である。
図3】GNSS衛星が送信する信号の一例を示す図である。
図4】本開示における原理による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信システムを示す例示のネットワークアーキテクチャを示す概略図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも部分的に無線の接続を通じてネットワークノードを介して無線デバイスと通信しているホストコンピュータを示すブロック図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイスでクライアントアプリケーションを実行するための、ホストコンピュータと、ネットワークノードと、無線デバイスとを含む通信システムで実現される例示的方法を示すフローチャートである。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイスでユーザデータを受信するための、ホストコンピュータと、ネットワークノードと、無線デバイスとを含む通信システムで実現される例示的方法を示すフローチャートである。
図8】本開示のいくつかの実施形態による、ホストコンピュータで無線デバイスからユーザデータを受信するための、ホストコンピュータと、ネットワークノードと、無線デバイスとを含む通信システムで実現される例示的方法を示すフローチャートである。
図9】本開示のいくつかの実施形態による、ホストコンピュータでユーザデータを受信するための、ホストコンピュータと、ネットワークノードと、無線デバイスとを含む通信システムで実現される例示的方法を示すフローチャートである。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノードにおける例示的プロセスのフローチャートである。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、WDにおける例示的プロセスのフローチャートである。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、例示的プロセスのフローチャートである。
図13】本開示のいくつかの実施形態による、例示的プロセスのフローチャートである。
図14】本開示のいくつかの実施形態による、例示的プロセスのフローチャートである。
図15】本開示のいくつかの実施形態による、シグナリング図である。
図16】本開示のいくつかの実施形態による、例示的プロセスのフローチャートである。
図17】本開示のいくつかの実施形態による、例示的プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
局所環境測定問題に関する問題は、潜在的に測位性能に悪影響を及ぼすことがある。それはまた、デバイス(例えば、WD)が、予期される不確定性に対応しない位置を推定することを暗示することがあり、このことは、WDが、実際に推定されるものよりも正確な位置を取ることができ、いくつかの自動化されたまたは共同的なコンテキストにおいて使用される場合、潜在的に深刻な暗示が生じることを意味する。
【0031】
いくつかの実施形態は、WDからの局所環境測定問題をクラウドソーシングする方法、ならびに測位完全性に対する局所環境測定問題からの影響を扱うために支援データとして地域局所環境完全性インジケータをWDに提供する方法を含む。
【0032】
いくつかの実施形態は、有利には、地域局所環境完全性インジケータによって、領域に入るWDが、測定問題のために準備され得、WDが測位推定不確定性の十分な評価を有することを保証するために測位完全性を評価するときに、これらの測定問題からの潜在的なマイナスの影響を考慮し得ることを可能にし得る。
【0033】
いくつかの実施形態は、有利には、クラウドソーシングされた地域局所環境測定問題によって、情報の収集が自動化され得、その結果、局所環境完全性インジケータの導入および動作がコスト効率的になることを可能にし得る。
【0034】
例示的実施形態について詳細に記載する前に、実施形態は、主に、無線デバイス(WD)懸念イベント観測およびインジケータの構成に関係する装置構成要素および処理ステップとの組合せに存することに留意されたい。したがって、構成要素は、適切である場合に従来の符号によって図面中に表されており、本明細書の説明の利益を有する当業者には容易に明白となるであろう詳細によって本開示が不明瞭にならないように、実施形態の理解に関連する具体的な詳細のみを示している。明細書全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0035】
本明細書で使用するとき、「第1」および「第2」、「上部」および「下部」などの関係語は、実体または要素同士の任意の物理的または論理的関係もしくは順序を必ずしも要するかあるいは暗示することなく、1つのかかる実体または要素を別の実体または要素と区別することのみに使用されてもよい。本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態のみについて記載するためのものであり、本明細書に記載する概念を限定しようとするものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別段の明示がない限り、複数形も含むものとする。更に、「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用するとき、提示された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを指定するが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在あるいは追加を除外しないことが、理解されるであろう。
【0036】
本明細書に記載する実施形態では、「~と通信している」などの結合用語は、例えば、物理的接触、誘導、電磁放射、無線シグナリング、赤外線シグナリング、または光学シグナリングなどによって遂行されてもよい、電気またはデータ通信を示すのに使用されることがある。当業者であれば、複数の構成要素が連携してもよく、電気およびデータ通信を達成する変更および変形が可能であることを認識するであろう。
【0037】
本明細書に記載するいくつかの実施形態では、「結合された」、「接続された」などの用語は、接続を示すのに本明細書で使用されることがあるが、必ずしも直接ではなく、有線および/または無線接続を含むことがある。
【0038】
本明細書で使用する「ネットワークノード」という用語は、無線ネットワークに含まれる任意の種類のネットワークノードであり得、更に、基地局(BS)、無線基地局、送受信基地局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gノードB(gNB)、エボルブドノードB(eNBもしくはeNodeB)、ノードB、MSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、無線アクセスバックホール統合伝送(IAB)ノード、中継ノード、ドナーノード制御リレー、無線アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、リモートラジオユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(例えば、移動管理エンティティ(MME)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、調整ノード、測位ノード、MDTノードなど)、外部ノード(例えば、サードパーティノード、現在のネットワーク外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)のノード、スペクトルアクセスシステム(SAS)ノード、エレメント管理システム(EMS)などのいずれかを含んでもよい。ネットワークノードはテスト機器も含んでもよい。本明細書で使用する「無線ノード」という用語は、無線デバイス(WD)または無線ネットワークノードなどの無線デバイス(WD)を指すのにも使用されることがある。
【0039】
いくつかの実施形態では、無線デバイス(WD)またはユーザ機器(UE)という非限定用語は、交換可能に使用される。本明細書におけるWDは、無線デバイス(WD)など、無線信号を通じてネットワークノードまたは別のWDと通信することができる、任意のタイプの無線デバイスであることができる。WDはまた、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイスツーデバイス(D2D)WD、マシンタイプWD、またはマシンツーマシン通信(M2M)が可能なWD、低コストおよび/または低複雑性WD、WDを装備したセンサ、タブレット、移動端末、スマートフォン、ラップトップ組込み装備(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、顧客構内機器(CPE)、モノのインターネット(IoT)デバイス、あるいはナローバンドIoT(NB-IOT)デバイスなどであってもよい。
【0040】
また、いくつかの実施形態では、「無線ネットワークノード」という包括的用語が使用される。基地局、無線基地局、送受信基地局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、RNC、エボルブドノードB(eNB)、ノードB、gNB、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、IABノード、中継ノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモートラジオユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)のいずれかを含んでもよい、任意の種類の無線ネットワークノードであることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、「測定問題」および/または「格納された測定問題」という用語は、交換可能に使用されることがあり、局所/地域環境についての情報、そのような局所/地域環境における測位推定/測定精度に対する潜在的なマイナスのおよび/またはプラスの影響に関係し、および/またはそのような影響を示す情報を意味することがある。「測定問題」という用語は、「測位測定/推定精度情報」および「測位測定/推定正確さレベル」という用語のうちの1つまたは複数と交換可能であることがある。
【0042】
いくつかの実施形態では、「測位完全性」という用語は、デバイスによって取られ得る測位精度に関係し、および/またはそのような測位精度を示す、局所/地域環境の状態または品質を意味することがある。
【0043】
本明細書で使用する「シグナリング」という用語は、(例えば、無線リソース制御(RRC)などを介した)上位レイヤシグナリング、(例えば、物理制御チャネルまたはブロードキャストチャネルを介した)下位レイヤシグナリング、またはそれらの組合せのいずれかを含み得る。シグナリングは暗示的であることも明示的であることもある。シグナリングは更に、ユニキャストであることも、マルチキャストであることも、ブロードキャストであることもある。シグナリングはまた、別のノードに対して直接であることも、第3のノードを介してであることもある。
【0044】
シグナリングは、一般に、1つまたは複数のシンボルおよび/または信号および/またはメッセージを含むことがある。信号は、1つまたは複数のビットを含むか、またはそのようなビットを表すことがある。指示は、シグナリングを表し、および/または信号として、または複数の信号として実現されることがある。1つまたは複数の信号がメッセージに含まれ、および/またはメッセージによって表されることがある。シグナリング、特に制御シグナリングは、異なるキャリアで送信され、ならびに/あるいは例えば、1つまたは複数のそのようなプロセスおよび/または対応する情報を表し、および/またはプロセスおよび/または対応する情報に関係する、異なるシグナリングプロセスに関連付けられることがある、複数の信号および/またはメッセージを含むことがある。指示は、シグナリング、および/または複数の信号および/もしくはメッセージを含んでもよく、ならびに/あるいはそれに含まれてもよく、異なるキャリアで送信され、ならびに/あるいは例えば、1つもしくは複数のかかるプロセスを表す、および/またはそれに関連する、異なる確認応答シグナリングプロセスに関連付けられてもよい。チャネルに関連付けられたシグナリングは、そのチャネルに対するシグナリングおよび/または情報を表すように、ならびに/あるいはシグナリングが送信機および/または受信機によってそのチャネルに属すると解釈されるように、送信されてもよい。かかるシグナリングは、一般に、チャネルに対する送信パラメータおよび/またはフォーマットに適合してもよい。
【0045】
指示は、一般に、それが表すおよび/または示す情報を明示的および/または暗示的に示してもよい。暗示的指示は、例えば、送信に使用される位置および/またはリソースに基づいてもよい。明示的指示は、例えば、情報を表す1つもしくは複数のパラメータ、および/またはテーブルに対応する1つもしくは複数のインデックス、および/または1つもしくは複数のビットパターンを用いたパラメータ化に基づいてもよい。
【0046】
本開示の文脈において予め定義されることは、例えば規格で定義される、ならびに/あるいはネットワークまたはネットワークノードからの、例えばメモリに格納された、例えば設定されるものとは独立した特別な設定なしに利用可能な、関連情報を指してもよい。設定されることまたは設定可能であることは、例えばネットワークもしくはネットワークノードによってセット/設定される、対応する情報に関連するとみなされてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、「取得する(obtain)」または「取得する(obtaining)」という用語が本明細書で使用され、例えば、情報が事前定義されている場合などにおけるメモリにおける取得を示すことがある。「取得する(obtain)」または「取得する(obtaining)」という用語はまた、本明細書で使用するとき、取得された情報を示すシグナリングを受信することによる取得を示すことがある。
【0048】
例えば3GPP LTEおよび/または新無線(NR)など、ある特定の無線システムからの専門用語が本開示で使用されることがあるが、これは、本開示の範囲を上述のシステムのみに限定するものとみなすべきではない。広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMax)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、および汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)を非限定的に含む他の無線システムは、本開示内で網羅される発想を活用することによっても利益を得てもよい。
【0049】
更に、無線デバイスまたはネットワークノードによって実施されるものとして本明細書に記載する機能は、複数の無線デバイスおよび/またはネットワークノードにわたって分散されてもよいことに留意されたい。換言すれば、本明細書に記載するネットワークノードおよび無線デバイスの機能は、単一の物理デバイスによる実施に限定されず、実際はいくつかの物理デバイスの間で分散され得ることが想到される。
【0050】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。更に、本明細書で使用する用語は、本明細書および関連分野の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味で解釈されないものであることが理解されるであろう。
【0051】
いくつかの実施形態は、無線デバイス(WD)懸念イベント観測およびインジケータのための構成を提供する。
【0052】
同様の要素が同様の参照番号によって参照される図面を再び参照すると、図4には、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク12と、コアネットワーク14とを備える、LTEおよび/またはNR(5G)などの規格に対応してもよい3GPPタイプのセルラネットワークなど、一実施形態による通信システム10の概略図が示されている。アクセスネットワーク12は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数のネットワークノード16a、16b、16c(集合的にネットワークノード16と呼ばれる)を備え、それぞれ対応するカバレッジエリア18a、18b、18c(集合的にカバレッジエリア18と呼ばれる)を定義する。各ネットワークノード16a、16b、16cは、有線または無線接続20を通じてコアネットワーク14に接続可能である。カバレッジエリア18aに位置する第1の無線デバイス(WD)22aは、対応するネットワークノード16aに無線で接続するか、対応するネットワークノード16aによってページングされるように設定される。カバレッジエリア18b内の第2のWD22bは、対応するネットワークノード16bに無線で接続可能である。複数のWD22a、22b(集合的に無線デバイス22と呼ばれる)がこの例で図示されているが、開示の実施形態は、単一のWDがカバレッジエリア内にある、または単一のWDが対応するネットワークノード16に接続している状況に等しく適用可能である。2つのWD22および3つのネットワークノード16のみが便宜上図示されているが、通信システムは、より多数のWD22およびネットワークノード16を含んでもよいことに留意されたい。
【0053】
また、WD22は、1つを超えるネットワークノード16および1つを超えるタイプのネットワークノード16と同時通信することができ、ならびに/あるいは別個に通信することができる。例えば、WD22は、LTEに対応したネットワークノード16、およびNRに対応した同じまたは異なるネットワークノード16との、デュアルデュアルコネクティビティを有することができる。一例として、WD22は、LTE/E-UTRANの場合はeNBと、NR/NG-RANの場合はgNBと通信することができる。
【0054】
通信システム10自体は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェア内で、あるいはサーバファームの処理リソースとして具体化されてもよい、ホストコンピュータ24に接続されてもよい。ホストコンピュータ24は、サーバプロバイダの所有もしくは制御下にあってもよく、またはサーバプロバイダによって、もしくはサーバプロバイダに代わって操作されてもよい。通信システム10とホストコンピュータ24との間の接続26、28は、コアネットワーク14からホストコンピュータ24に直接延びてもよく、または任意の中間ネットワーク30を介して延びてもよい。中間ネットワーク30は、公衆ネットワーク、私設ネットワーク、またはホストされたネットワークのうちの1つ、もしくは2つ以上の組合せであってもよい。中間ネットワーク30がある場合は、バックボーンネットワークまたはインターネットであってもよい。いくつかの実施形態では、中間ネットワーク30は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を備えてもよい。
【0055】
図4の通信システムは全体として、接続されたWD22a、22bのうちの1つとホストコンピュータ24との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT)接続として記載されることがある。ホストコンピュータ24および接続されたWD22a、22bは、アクセスネットワーク12、コアネットワーク14、任意の中間ネットワーク30、および可能な更なるインフラストラクチャ(図示せず)を中間段階として使用して、OTT接続を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続は、OTT接続が通される関与する通信デバイスのうちの少なくともいくつかが、アップリンクおよびダウンリンク通信のルーティングを認識しているという意味で透明であってもよい。例えば、ネットワークノード16は、ホストコンピュータ24から発するデータが接続されたWD22aに転送(例えば、ハンドオーバ)される、入ってくるダウンリンク通信の過去のルーティングに関して通知されないことがあり、または通知される必要がないことがある。同様に、ネットワークノード16は、WD22aから発してホストコンピュータ24に向かう、出ていくアップリンク通信の将来のルーティングを認識している必要はない。
【0056】
ネットワークノード16は、地域局所環境完全性インジケータを決定し、決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイスに送るように設定された決定ユニット32を含むように設定される。
【0057】
無線デバイス22は、支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得し、地域局所環境インジケータに基づいて測位完全性を決定するように設定された取得器ユニット34を含むように設定される。
【0058】
一実施形態による、前述のパラグラフで考察したWD22、ネットワークノード16、およびホストコンピュータ24の例示の実現例について、次に図5を参照して記載する。通信システム10では、ホストコンピュータ24は、通信システム10の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線もしくは無線接続をセットアップし維持するように設定された、通信インターフェース40を含むハードウェア(HW)38を備える。ホストコンピュータ24は更に、格納および/または処理能力を有してもよい処理回路42を備える。処理回路42は、プロセッサ44とメモリ46とを含んでもよい。特に、中央処理装置などのプロセッサ、およびメモリに加えて、またはそれらの代わりに、処理回路42は、例えば、命令を実行するように適合された、1つもしくは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)を、処理および/または制御する集積回路を含んでもよい。プロセッサ44は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読み出し専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含んでもよい、メモリ46にアクセスする(例えば、メモリに書き込む、および/またはメモリから読み出す)ように設定されてもよい。
【0059】
処理回路42は、本明細書に記載する方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、ならびに/あるいはかかる方法および/またはプロセスを、例えばホストコンピュータ24によって実施させるように設定されてもよい。プロセッサ44は、本明細書に記載するホストコンピュータ24の機能を実施する、1つまたは複数のプロセッサ44に対応する。ホストコンピュータ24は、データ、プログラムソフトウェアコード、および/または本明細書に記載する他の情報を格納するように設定された、メモリ46を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェア48および/またはホストアプリケーション50は、プロセッサ44および/または処理回路42によって実行されると、プロセッサ44および/または処理回路42に、ホストコンピュータ24に関して本明細書に記載されるプロセスを実施させる、命令を含んでもよい。命令は、ホストコンピュータ24と関連付けられたソフトウェアであってもよい。
【0060】
ソフトウェア48は、処理回路42によって実行可能であってもよい。ソフトウェア48はホストアプリケーション50を含む。ホストアプリケーション50は、WD22およびホストコンピュータ24で終端するOTT接続52サービスを介して接続する、WD22などのリモートユーザにサービスを提供するように動作可能であってもよい。サービスをリモートユーザに提供する際、ホストアプリケーション50は、OTT接続52を使用して送信されるユーザデータを提供してもよい。「ユーザデータ」は、記載される機能性を実現するものとして本明細書に記載される、データおよび情報であってもよい。一実施形態では、ホストコンピュータ24は、制御および機能性をサーバプロバイダに提供するために設定されてもよく、サービスプロバイダによって、またはサーバプロバイダに代わって操作されてもよい。ホストコンピュータ24の処理回路42は、ホストコンピュータ24の、ネットワークノード16および/または無線デバイス22の観察、モニタ、制御、それらへの送信、ならびに/あるいはそれらからの受信を可能にし得る。ホストコンピュータ24の処理回路42は、ネットワークノード16および/または無線デバイス22の観察、モニタ、制御、それらへの送信、ならびに/あるいはそれらからの受信を可能にするように設定された、モニタユニット54を含んでもよい。
【0061】
通信システム10は更に、通信システム10に提供され、ホストコンピュータ24およびWD22と通信できるようにするハードウェア58を含む、ネットワークノード16を含む。ハードウェア58は、通信システム10の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップし維持する通信インターフェース60、ならびにネットワークノード16によってサーブされるカバレッジエリア18に位置するWD22との少なくとも無線接続64をセットアップし維持する無線インターフェース62を含んでもよい。無線インターフェース62は、例えば、1つもしくは複数のRF送信機、1つもしくは複数のRF受信機、および/または1つもしくは複数のRF送受信機として形成されてもよく、あるいはそれらを含んでもよい。通信インターフェース60は、ホストコンピュータ24に対する接続66を容易にするように設定されてもよい。接続66は、直接であってもよく、あるいは通信システム10のコアネットワーク14、および/または通信システム10外部の1つもしくは複数の中間ネットワーク30を通ってもよい。
【0062】
図示される実施形態では、ネットワークノード16のハードウェア58は更に、処理回路68を含む。処理回路68は、プロセッサ70とメモリ72とを含んでもよい。特に、中央処理装置などのプロセッサ、およびメモリに加えて、またはそれらの代わりに、処理回路68は、例えば、命令を実行するように適合された、1つもしくは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)を、処理および/または制御する集積回路を含んでもよい。プロセッサ70は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読み出し専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含んでもよい、メモリ72にアクセスする(例えば、メモリに書き込む、および/またはメモリから読み出す)ように設定されてもよい。
【0063】
したがって、ネットワークノード16は更に、例えば内部のメモリ72に、または外部接続を介してネットワークノード16によってアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイスなど)に格納された、ソフトウェア74を有する。ソフトウェア74は、処理回路68によって実行可能であってもよい。処理回路68は、本明細書に記載する方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、ならびに/あるいはかかる方法および/またはプロセスを、例えばネットワークノード16によって実施させるように設定されてもよい。プロセッサ70は、本明細書に記載するネットワークノード16の機能を実施する、1つまたは複数のプロセッサ70に対応する。メモリ72は、データ、プログラムソフトウェアコード、および/または本明細書に記載する他の情報を格納するように設定される。いくつかの実施形態では、ソフトウェア74は、プロセッサ70および/または処理回路68によって実行されると、プロセッサ70および/または処理回路68に、ネットワークノード16に関して本明細書に記載されるプロセスを実施させる、命令を含み得る。例えば、ネットワークノード16の処理回路68は、図10ならびに他の図面を参照して考察する方法など、本明細書で考察するネットワークノード方法を実施するように設定された、決定ユニット32を含んでもよい。
【0064】
通信システム10は更に、既に参照したWD22を含む。WD22は、WD22が現在位置しているカバレッジエリア18にサーブするネットワークノード16との無線接続64をセットアップし維持するように設定された、無線インターフェース82を含んでもよい、ハードウェア80を有してもよい。無線インターフェース82は、例えば、1つもしくは複数のRF送信機、1つもしくは複数のRF受信機、および/または1つもしくは複数のRF送受信機として形成されてもよく、あるいはそれらを含んでもよい。
【0065】
WD22のハードウェア80は更に、処理回路84を含む。処理回路84は、プロセッサ86とメモリ88とを含んでもよい。特に、中央処理装置などのプロセッサ、およびメモリに加えて、またはそれらの代わりに、処理回路84は、例えば、命令を実行するように適合された、1つもしくは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)を、処理および/または制御する集積回路を含んでもよい。プロセッサ86は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読み出し専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)を含んでもよい、メモリ88にアクセスする(例えば、メモリに書き込む、および/またはメモリから読み出す)ように設定されてもよい。
【0066】
したがって、WD22は更に、例えば、WD22のメモリ88に格納された、またはWD22によってアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース、ストレージアレイ、ネットワークストレージデバイスなど)に格納された、ソフトウェア90を備える。ソフトウェア90は、処理回路84によって実行可能であってもよい。ソフトウェア90は、クライアントアプリケーション92を含んでもよい。クライアントアプリケーション92は、ホストコンピュータ24のサポートにより、WD22を介して、サービスを人間または人間以外のユーザに提供するように動作可能であってもよい。ホストコンピュータ24では、実行中のホストアプリケーション50は、WD22およびホストコンピュータ24で終端するOTT接続52を介して、実行中のクライアントアプリケーション92と通信してもよい。サービスをユーザに提供する際、クライアントアプリケーション92は、要求データをホストアプリケーション50から受信し、要求データに応答してユーザデータを提供してもよい。OTT接続52は、要求データおよびユーザデータの両方を伝送してもよい。クライアントアプリケーション92は、ユーザと対話して、提供するユーザデータを生成してもよい。
【0067】
処理回路84は、本明細書に記載する方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、ならびに/あるいはかかる方法および/またはプロセスを、例えばWD22によって実施させるように設定されてもよい。プロセッサ86は、本明細書に記載するWD22の機能を実施する、1つまたは複数のプロセッサ86に対応する。WD22は、データ、プログラムソフトウェアコード、および/または本明細書に記載する他の情報を格納するように設定された、メモリ88を含む。いくつかの実施形態では、ソフトウェア90は、プロセッサ86および/または処理回路84によって実行されると、プロセッサ86および/または処理回路84に、WD22に関して本明細書に記載されるプロセスを実施させる、命令を含み得る。例えば、無線デバイス22の処理回路84は、図11ならびに他の図面を参照して考察する方法など、本明細書で考察するWD方法を実施するように設定された、取得器ユニット34を含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16、WD22、およびホストコンピュータ24の内部の働きは、図5に示されるようなものであってもよく、また独立して、周囲のネットワークトポロジーは図4のものであってもよい。
【0069】
図5では、OTT接続52は、任意の中間デバイスおよびこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングを明示的に参照することなく、ネットワークノード16を介したホストコンピュータ24と無線デバイス22との間の通信を例示するように、抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、WD22から、またはホストコンピュータ24を動作させるサーバプロバイダから、または両方から隠れるように設定されてもよい、ルーティングを決定してもよい。OTT接続52がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは更に、(例えば、ネットワークの負荷分散および再設定に基づいて)ルーティングを動的に変化させる決定を行ってもよい。
【0070】
WD22とネットワークノード16との間の無線接続64は、本開示全体を通して記載する実施形態の教示に従う。様々な実施形態の1つまたは複数は、無線接続64が最終セグメントを形成してもよい、OTT接続52を使用してWD22に提供される、OTTサービスの機能を改善する。より正確には、これらの実施形態のうちのいくつかの教示は、データ率、レイテンシ、および/または消費電力を改善し、それによって、ユーザ待機時間の低減、ファイルサイズに対する制限の緩和、より良好な応答性、電池寿命の延長などの利益を提供してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、測定手順は、データ率、レイテンシ、および1つまたは複数の実施形態を改善する他の因子をモニタリングする目的で提供されてもよい。更に、測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ24とWD22との間のOTT接続52を再設定するための、任意のネットワーク機能性があってもよい。OTT接続52を再設定するための測定手順および/またはネットワーク機能性は、ホストコンピュータ24のソフトウェア48で、またはWD22のソフトウェア90で、または両方で実現されてもよい。実施形態では、センサ(図示せず)は、OTT接続52が通る通信デバイスに配備されるかまたはそれと関連してもよく、センサは、上記に例示したモニタリングされた量の値を供給するか、またはソフトウェア48、90がモニタリングされた量を計算もしくは推定する元となる他の物理量を供給することによって、測定手順に関与してもよい。OTT接続52の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含んでもよく、再設定は、ネットワークノード16に必ずしも影響せず、ネットワークノード16にとって未知または知覚不能であってもよい。いくつかのかかる手順および機能性は当技術分野で知られており実践されていてもよい。特定の実施形態では、測定は、スループット、伝播時間、レイテンシなどのホストコンピュータ24による測定を容易にする、プロプライエタリWDシグナリングを伴ってもよい。いくつかの実施形態では、測定は、OTT接続52が伝播時間、エラーなどをモニタリングしている間、OTT接続を使用して、ソフトウェア48、90がメッセージを、特に空もしくは「ダミー」メッセージを送信させるという点で実現されてもよい。
【0072】
したがって、いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ24は、ユーザデータを提供するように設定された処理回路42と、ユーザデータをセルラネットワークに転送してWD22に送信するように設定された通信インターフェース40とを含む。いくつかの実施形態では、セルラネットワークはまた、無線インターフェース62とのネットワークノード16を含む。いくつかの実施形態では、WD22への送信を準備/開始/維持/サポート/終了する、ならびに/あるいはWD22からの送信の受信を準備/終止/維持/サポート/終了するための、本明細書に記載する機能および/または方法を実施するように、ネットワークノード16が設定され、ならびに/あるいはネットワークノード16の処理回路68が設定される。
【0073】
いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ24は、処理回路42と、WD22からネットワークノード16への送信から発するユーザデータを受信するように設定された通信インターフェース40に設定された通信インターフェース40とを含む。いくつかの実施形態では、ネットワークノード16への送信を準備/開始/維持/サポート/終了する、ならびに/あるいはネットワークノード16からの送信の受信を準備/終止/維持/サポート/終了するための、本明細書に記載する機能および/または方法を実施するように、WD22が設定され、ならびに/あるいは実施するように設定された無線インターフェース82および/または処理回路84を備える。
【0074】
図4および図5は、決定ユニット32、およびそれぞれのプロセッサ内にあるような取得器ユニット34などの様々な「ユニット」を示しているが、これらのユニットは、ユニットの一部分が処理回路内の対応するメモリに格納されるように実現されてもよいことが想到される。換言すれば、ユニットは、ハードウェアで、または処理回路内のハードウェアおよびソフトウェアの組合せで実現されてもよい。
【0075】
図6は、一実施形態による、例えば図4および図5の通信システムなど、通信システムで実現される例示の方法を示すフローチャートである。通信システムは、図5を参照して記載されるものであってもよい、ホストコンピュータ24と、ネットワークノード16と、WD22とを含んでもよい。方法の第1のステップで、ホストコンピュータ24はユーザデータを提供する(ブロックS100)。第1のステップの任意のサブステップで、ホストコンピュータ24は、例えばホストアプリケーション50など、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する(ブロックS102)。第2のステップで、ホストコンピュータ24は、ユーザデータをWD22に伝達する送信を開始する(ブロックS104)。任意の第3のステップで、ネットワークノード16は、本開示全体を通して記載する実施形態の教示に従って、WD22に、ホストコンピュータ24が開始した送信で伝達されたユーザデータを送信する(ブロックS106)。任意の第4のステップで、WD22は、ホストコンピュータ24によって実行されるホストアプリケーション50と関連付けられた、例えばクライアントアプリケーション92など、クライアントアプリケーションを実行する(ブロックS108)。
【0076】
図7は、一実施形態による、例えば図4の通信システムなど、通信システムで実現される例示の方法を示すフローチャートである。通信システムは、図4および図5を参照して記載されるものであってもよい、ホストコンピュータ24と、ネットワークノード16と、WD22とを含んでもよい。方法の第1のステップで、ホストコンピュータ24はユーザデータを提供する(ブロックS110)。任意のサブステップ(図示せず)で、ホストコンピュータ24は、例えばホストアプリケーション50など、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップで、ホストコンピュータ24は、ユーザデータをWD22に伝達する送信を開始する(ブロックS112)。送信は、本開示全体を通して記載する実施形態の教示に従って、ネットワークノード16を介してもよい。任意の第3のステップで、WD22は、送信で伝達されるユーザデータを受信する(ブロックS114)。
【0077】
図8は、一実施形態による、例えば図4の通信システムなど、通信システムで実現される例示の方法を示すフローチャートである。通信システムは、図4および図5を参照して記載されるものであってもよい、ホストコンピュータ24と、ネットワークノード16と、WD22とを含んでもよい。方法の任意の第1のステップで、WD22は、ホストコンピュータ24によって提供される入力データを受信する(ブロックS116)。第1のステップの任意のサブステップで、WD22は、ホストコンピュータ24によって提供される受信した入力データに反応してユーザデータを提供する、クライアントアプリケーション92を実行する(ブロックS118)。加えて、または別の方法として、任意の第2のステップで、WD22はユーザデータを提供する(ブロックS120)。第2のステップの任意のサブステップで、WDは、例えばクライアントアプリケーション92など、クライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する(ブロックS122)。ユーザデータを提供する際、実行されたクライアントアプリケーション92は更に、ユーザから受信したユーザ入力を考慮してもよい。ユーザデータが提供された具体的な手法にかかわらず、WD22は、任意の第3のサブステップで、ホストコンピュータ24へのユーザデータの送信を開始してもよい(ブロックS124)。方法の第4のステップで、ホストコンピュータ24は、本開示全体を通して記載する実施形態の教示に従って、WD22から送信されたユーザデータを受信する(ブロックS126)。
【0078】
図9は、一実施形態による、例えば、図4の通信システムなど、通信システムで実現される例示的方法を示すフローチャートである。通信システムは、図4および図5を参照しながら説明したものであることがある、ホストコンピュータ24と、ネットワークノード16と、WD22とを含むことがある。方法の任意の第1のステップで、本開示全体を通して記載する実施形態の教示に従って、ネットワークノード16は、ユーザデータをWD22から受信する(ブロックS128)。任意の第2のステップで、ネットワークノード16は、受信したユーザデータのホストコンピュータ24への送信を開始する(ブロックS130)。第3のステップで、ホストコンピュータ24は、ネットワークノード16によって開始された送信で伝達されるユーザデータを受信する(ブロックS132)。
【0079】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノード16における例示的プロセスのフローチャートである。ネットワークノード16によって実行される1つまたは複数のブロックおよび/または機能および/または方法は、例示の方法に従って、処理回路68中の決定ユニット32、プロセッサ70、無線インターフェース62などによってなど、ネットワークノード16の1つまたは複数の要素によって実行され得る。例示の方法は、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、地域局所環境完全性インジケータを決定すること(ブロックS134)を含む。本方法は、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイス22に送ること(ブロックS136)を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本方法は、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、WDからの報告を受信することであって、報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、地域局所環境完全性インジケータが少なくとも1つの局所環境測定問題に基づいて決定される、報告を受信することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの局所環境測定問題は、異なる測位測定値を比較し、比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、WDによって検出される。
【0081】
いくつかの実施形態では、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、地域局所環境完全性インジケータを支援データと一緒にWDに送ること、地域局所環境完全性インジケータは、WDの推定された位置に関連する測位完全性を示し、WDの推定された位置は支援データに基づく。
【0082】
いくつかの実施形態では、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、およびネットワークノードからの要求の結果として、WDからの報告を受信すること。いくつかの実施形態では、要求は、ネットワークノードからWDへのロケーション情報提供メッセージを含む。いくつかの実施形態では、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介してWDからの報告を受信すること。いくつかの実施形態では、トリガは、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、WDの事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、WDからの報告を受信すること。いくつかの実施形態では、本方法は、決定ユニット32、処理回路68、プロセッサ70および/または無線インターフェース62などを介して、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報を受信することを更に含む。いくつかの実施形態では、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報は、WDにおいて事前設定される。いくつかの実施形態では、地域局所環境完全性インジケータは地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される。
【0084】
いくつかの実施形態では、地域局所環境完全性インジケータは格納された測定問題に基づいて決定される。
【0085】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイス22における例示的プロセスのフローチャートである。WD22によって実行される1つまたは複数のブロックおよび/または機能および/または方法は、処理回路84の取得器ユニット34、プロセッサ86、無線インターフェース82などによってなど、WD22の1つまたは複数の要素によって実行され得る。例示の方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得すること(ブロックS138)を含む。本方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、地域局所環境インジケータに基づいて測位完全性を決定すること(ブロックS140)を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、本方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、決定された測位完全性に基づいてWDの位置を推定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、ネットワークノードに報告を送ることであって、報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、地域局所環境完全性インジケータが少なくとも1つの局所環境測定問題に基づく、報告を送ることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、異なる測位測定値を比較し、比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、少なくとも1つの局所環境測定問題を検出することを更に含む。いくつかの実施形態では、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、およびネットワークノードからの要求の結果として、報告をネットワークノードに送ること。
【0087】
いくつかの実施形態では、要求は、ネットワークノードからWDへのロケーション情報提供メッセージを含む。いくつかの実施形態では、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して報告をネットワークノードに送ること。いくつかの実施形態では、トリガは、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む。いくつかの実施形態では、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、WDの事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、報告をネットワークノードに送ること。いくつかの実施形態では、本方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82などを介して、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報をネットワークノードに送ることを更に含む。いくつかの実施形態では、局所環境測定問題を監視し、局所環境測定問題について報告するWDの機能を示す情報は、WDにおいて事前設定される。いくつかの実施形態では、地域局所環境完全性インジケータは地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される。
【0088】
いくつかの実施形態では、本方法は、取得器ユニット34、処理回路84、プロセッサ86および/または無線インターフェース82を介してなど、決定された測位完全性に少なくとも部分的に基づいてWD22の位置を推定することを含む。
【0089】
本開示の構成の全体的なプロセスフローについて説明し、本開示のプロセスおよび機能を実現するためのハードウェアおよびソフトウェア構成の例を与えたが、以下のセクションでは、ネットワークノード16、無線デバイス22および/またはホストコンピュータ24によって実現され得る、無線デバイス(WD)懸念イベント観測およびインジケータのための構成の詳細および実施例を与える。
【0090】
図12は、地域局所環境測定問題のクラウドソーシングのためのWD22の観点からのいくつかの実施形態を示す。任意に(ステップS142)、WD22は、(ネットワークノード16からの要求に応じて任意に)局所環境測定問題の監視と報告とをサポートするための機能をネットワークノード16に与える。機能的なWD22として、WD22は、ネットワークノード16からの測定問題の地域局所環境監視の設定を取得する(ステップS144)。WD22は、マルチパス、干渉、ジャミング、なりすましなど、測定問題を検出するために地域局所環境を監視する(ステップS146)。ステップS148において、WD22は、任意にタイムスタンプおよび/またはロケーション情報とともに、検出された地域局所環境測定問題をネットワークノード16に報告する。いくつかの実施形態では、ネットワークノード16は、無線基地局、ロケーションサーバまたは何らかの他のネットワークノードであり得る。
【0091】
図13は、地域および/または局所環境完全性インジケータとともに支援データに基づく測位完全性評価のためのWD22の観点からのいくつかの実施形態を示す。任意に(ステップS150)、WD22は、(ネットワークノード16からの要求に応じて任意に)地域局所環境完全性インジケータをサポートするための機能をネットワークノード16に与える。更に、任意に(ステップS152)、ターゲットWD22は、測位支援データのための支援データ要求をネットワークノード16に与える。ステップS154において、WD22は、ネットワークノード16から、地域局所環境完全性インジケータと一緒に支援データを取得する。ステップS156において、WD22は、測位完全性を評価するために地域局所環境完全性インジケータを使用する。
【0092】
図14は、地域局所環境完全性インジケータとともに支援データに基づく測位完全性評価のためのネットワークノード16の観点からのいくつかの実施形態を示す。任意に(ステップ158)、ネットワークノード16は、WD22から、(ネットワークノード16からの要求に応じて任意に)局所環境完全性インジケータをサポートするための機能を受信する。更に、任意に(ステップS160)、ネットワークノード16は、ターゲットWD22から、支援データのための支援データ要求を取得する。ステップS162において、ネットワークノード16は、格納された支援データ設定に基づいて、地域局所環境完全性インジケータを決定する。ステップS164において、ネットワークノード16は、地域局所環境完全性インジケータと一緒に測位支援データをWD22に与える。
【0093】
図15は、いくつかの実施形態のシグナリングチャートを与える。任意に(ステップS166)、WD22は、(ネットワークノード16からの要求に応じて任意に)地域局所環境完全性インジケータをサポートするための機能をネットワークノード16に与える。更に、任意に(ステップS168)、ターゲットWD22は、測位支援データのための支援データ要求をネットワークノード16に与える。ステップS170において、ネットワークノード16は、格納された支援データ設定に基づいて、地域局所環境完全性インジケータを決定する。ステップS172において、ネットワークノード16は、地域局所環境完全性インジケータと一緒に測位支援データをWD22に与える。ステップS174において、WD22は、測位完全性を評価するために、および測位をサポートするために地域局所環境完全性インジケータを使用する。
【0094】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16は、ロケーションサーバであるが、他の実施形態では、無線基地局であるかまたは何らかの他のネットワークノードであり得る。
【0095】
局所環境測定問題のデバイスベースのクラウンソーシング
局所環境測定問題のクラウドソーシングは、図12によって示されているようにWD22の報告に応じて決まり得、以下の設定(ステップS144)および報告(ステップS148)のオプションについてより詳細に説明する。
ネットワークノード16(例えば、ロケーションサーバ)とWD22との間のLPPを介したデバイス設定および報告
無線基地局とWD22との間のRRCを介したデバイス設定および報告
ネットワークノード16とWD22との間のオーバーザトッププロトコルを介したデバイス設定および報告
ネットワークノード16への後続のアップロードのためのWD22におけるデバイス事前設定および局所格納
【0096】
任意に、WD22が、局所環境測定問題についての情報をサポートするそれの能力に関連する機能をネットワークノード16に与える、ステップS142がある。
【0097】
測定問題を検出する
いくつかの実施形態では、WD22は、測定問題を検出することが可能であり得る。そのような検出(例えば、ステップS146)のいくつかの実施形態は以下を含み得る。
いくつかの実施形態では、WD22は、全ての測位測定値を処理し、位置と不確定性とを推定するために測位測定値の異なるサブセットを使用する。異なる位置推定値を比較することによって、あまり正確でない位置推定値に関連する位置測定値を識別することが可能である。そのような位置測定値は、マルチパス、または異なる形態の干渉など、測定問題に関連し得る。
いくつかの実施形態では、推定された正確な位置を所与として、WD22は、マルチパスに関連する測定値を検出するために、測位測定ごとの測定誤差を推定することができる。一般的に、マルチパスが起こりやすい測位測定は著しい明確な測定誤差に関連する。
【0098】
いくつかの実施形態では、測位方法に応じて、WD22は、ロケーションおよびタイムスタンプ情報に加えて、局所環境測定問題についての異なる情報を取り出し得る。
いくつかの実施形態では、GNSSの場合、WD22は、GNSSタイプと、GNSS衛星と、GNSS信号識別情報とを取り出す。更に、受信信号到着時間、および/または経路方向および/または信号強度など、それぞれ特定の属性をもつ、1つまたは複数の受信信号経路が記録されていることがある。
いくつかの実施形態では、ダウンリンク測位信号の場合、WD22は、信号識別子と、任意に、それぞれ任意に受信信号到着時間、および/または経路方向および/または信号強度に関連する、異なる受信信号経路とを取り出す。
【0099】
LPPを介したデバイス設定および報告
LPPの場合、本発明のいくつかの態様を実現するためのいくつかの異なる実施形態があり得る。
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16(例えば、ロケーションサーバ)は、特定の測位方法に関連するRequestLocationInformationメッセージ、例えばGNSSの場合、GNSS-RequestLocationInformationメッセージの一部として、局所環境測定問題を要求する。WD22は、特定の測位方法に関連するProvideLocationInformationメッセージ、例えばGNSSの場合、A-GNSS-ProvideLocationInformationメッセージの一部として応答する。RAT依存の場合、AoD、DL-TDOA、マルチRTTなど、測位方法ごとの特定の対応するメッセージがある。
ロケーション情報要求/提供メッセージに加えて、WD22は、ロケーションサーバによって与えられる支援データを要求し、ロケーションサーバからの要求に応じて、それの機能についての情報を与え得る。
ネットワークノード16(例えば、ロケーションサーバ)は、CommonIEsRequestLocationInformationメッセージの一部として局所環境測定問題を要求し、WD22は、CommonIEsProvideLocationInformationの一部として測定問題を報告する。
ネットワークノード16(例えば、ロケーションサーバ)は、測位方法に関連する測位測定値についてWD22に尋ねることがあり、ネットワークノード16(例えば、ロケーションサーバ)は、WD22の位置を推定することと、測位測定に測定問題が起こりやすいかどうかを決定することとの両方のために、報告された測位測定値を使用する。
【0100】
RRCを介したデバイス設定および報告
RRCの場合、本発明を現実するためのいくつかの異なる実施形態があり得る。これらは、局所環境測定問題を格納するために、例えばドライブテストの最小化(MDT)特徴の一部として、モビリティネットワークエンティティ(MNE)から無線基地局への要求によってトリガされ得る。無線基地局は、無線基地局に局所環境測定問題を返報するために、WD22に測定要求を送り得る。無線基地局は、取得された情報を、MNEなどのネットワークノード16または異なるネットワークノード16に転送する。
【0101】
更に、いくつかの実施形態では、測定問題結果は通常のRRM測定値報告フレームワークの一部であり得、無線基地局は、測定値報告設定を用いてWD22を設定し得る。WD22は、以下の条件のうちの1つまたは複数が満たされるときに測定値報告をトリガすることが予想され得る。
1)測定問題が検出された、
2)いくつかの測定問題が検出された、および/または
3)監視時間ウィンドウが満了した。
【0102】
上述の条件のいずれかが満たされるとき、いくつかの実施形態では、WD22はネットワークに測定値報告を送る(即時MDT)。代替として、WD22は、検出された測定問題をメモリに格納し、ネットワーク取出しのためにWD22中の測定問題報告の利用可能性をネットワークに示す(ログMDT)。
【0103】
オーバーザトッププロトコルを介したデバイス設定および報告
LPPと同様に、WD22は、設定(例えば、ステップS144)と報告(例えば、S148)とのためにネットワークノード16と対話する。
【0104】
デバイス事前設定および局所格納
いくつかの実施形態では、WD22は、直接的なWD22ユーザ対話においてパラメータを介して事前設定または設定され(例えば、ステップS144)、検出された測定問題は、ネットワークノード16に直接報告されるか、またはWD22に格納され、ネットワークノード16に返送されるかのいずれかである(例えば、ステップS148)。
【0105】
局所環境測定問題のネットワークノードベースのクラウンソーシング
いくつかの実施形態では、ネットワークノード16は、WD22からの測位測定値に基づいて測定問題を検出することが可能であり得る。いくつかの実施形態は以下のうちの1つまたは複数を含む。
ネットワークノード16は、WD22からの測位測定値を取得し、全ての測位測定値を処理し、位置と不確定性とを推定するために測位測定値の異なるサブセットを使用する。異なる位置推定値を比較することによって、あまり正確でない位置推定値に関連する位置測定値を識別することが可能である。そのような位置測定値は、マルチパス、または異なる形態の干渉など、測定問題に関連することがある。
推定された正確な位置を所与として、ネットワークノード16は、マルチパスに関連する測定値を検出するために、測位測定ごとの測定誤差を推定することができる。マルチパスが起こりやすい測位測定は著しい明確な測定誤差に関連する。
【0106】
地域局所環境完全性指示
支援データ表現
いくつかの実施形態では、指示は、LPPの文脈で説明されるが、地域局所環境完全性指示を伝達するための他の手段に一般化され得る。
【0107】
地域局所環境完全性指示は、以下のうちの1つまたは複数など、いくつかの異なる形で表され得る。
地理的基準:
セル、ビーム、トラッキングエリア、参照信号が他の参照信号を支配しているエリアなど、論理領域、および
ロケーション、ロケーションのセット、線分、多角形など、物理領域、
測定問題懸念イベント:
マルチパス:
GNSS信号識別子(ID)、参照信号IDなど、無線信号識別子、
周波数帯域、
時間誤差、信号強度誤差、経路方向誤差など、属性、
測距誤差、測位誤差、
干渉(例えば、偶発的な、ジャミング、なりすまし):
GNSS信号ID、参照信号IDなど、無線信号識別子、
周波数帯域、
時間誤差、信号強度誤差、経路方向誤差など、属性、および/または
測距誤差、測位誤差。
【0108】
ユニキャスト
いくつかの実施形態では、シグナリングは、本開示のいくつかの実施形態のステップを使用して説明され、LPP、RRC、その上、何らかの同様のクライアントサーバプロトコルのうちの1つまたは複数に適用される。LPPトランザクションは、SUPLを介した制御プレーンシグナリングが使用されるのかユーザプレーンシグナリングが使用されるのかとは無関係に同じであり得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、WD22の観点から、上記で説明した図13は本開示のいくつかの実施形態のステップを示す。
【0110】
ブロードキャスト
更に、いくつかの実施形態では、図16によって説明される局所環境完全性指示もブロードキャストされ得る。ステップS176において、ネットワークノード16は、格納された支援データ設定に基づいて、地域局所環境完全性インジケータを決定する。ステップS178において、ネットワークノード16(例えば、ロケーションサーバ)は、地域局所環境完全性指示を含む、ブロードキャストのための支援データをコンパイルする。ステップS180において、ネットワークノード16は、地域局所環境完全性指示と一緒に支援データを無線基地局に与える。
【0111】
いくつかの実施形態では、WD22の観点から、ステップS182において、WD22は、無線基地局ブロードキャストからの支援データと支援データ分解能インジケータとを取得する。ステップS184において、WD22は、測位完全性を評価するために地域局所環境完全性インジケータを使用する。
【0112】
いくつかの実施形態は、ロケーションサーバなど、ネットワークノード16において局所環境測定問題の地域的理解を自動的に確立するために、そのような測定問題のクラウドソーシングを含むソリューションを提供する。格納された測定問題に基づいて、ネットワークノード16は、測定問題による測定懸念イベントについてWD22に警告するために地域局所環境完全性指示を準備することができる。
【0113】
更に、いくつかの実施形態は以下のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0114】
実施形態A1
無線デバイス(WD)と通信するように設定されたネットワークノードであって、
地域局所環境完全性インジケータを決定することと、
決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイスに送ることと
を行うように設定された、および/またはそれらのことを行うように設定された無線インターフェースを含み、および/またはそれらのことを行うように設定された処理回路を含む、ネットワークノード。
【0115】
実施形態A2
地域局所環境完全性インジケータが、格納された測定問題に基づいて決定される、実施形態A1のネットワークノード。
【0116】
実施形態B1
地域局所環境完全性インジケータを決定することと、
決定された地域局所環境完全性インジケータを無線デバイスに送ることと
を含む、ネットワークノードで実現される方法。
【0117】
実施形態B2
地域局所環境完全性インジケータが、格納された測定問題に基づいて決定される、実施形態B1の方法。
【0118】
実施形態C1
ネットワークノードと通信するように設定された無線デバイス(WD)であって、
支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得することと、
地域ロケーション環境インジケータに基づいて測位完全性を決定することと
を行うように設定された、ならびに/またはそれらのことを行うように設定された無線インターフェースおよび/もしくは処理回路を含む、無線デバイス(WD)。
【0119】
実施形態C2
WDおよび/または無線インターフェースおよび/または処理回路が、
決定された測位完全性に少なくとも部分的に基づいてWDの位置を推定する
ように更に設定された、実施形態C1のWD。
【0120】
実施形態D1
支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得することと、
地域ロケーション環境インジケータに基づいて測位完全性を決定することと
を含む、無線デバイス(WD)で実現される方法。
【0121】
実施形態D2
決定された測位完全性に少なくとも部分的に基づいてWDの位置を推定すること
を更に含む、実施形態D1の方法。
【0122】
当業者には認識されるように、本明細書に記載する概念は、方法、データ処理システム、コンピュータプログラム製品、および/または実行可能なコンピュータプログラムを格納するコンピュータ記憶媒体として具体化されてもよい。したがって、本明細書に記載する概念は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態、または本明細書では全て一般に「回路」もしくは「モジュール」と呼ばれる、ソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取ってもよい。本明細書に記載する任意のプロセス、ステップ、作用、および/または機能性は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアおよび/またはハードウェアで実現されてもよい、対応するモジュールによって実施され、ならびに/あるいはそのモジュールに関連付けられてもよい。更に、本開示は、コンピュータプログラムコードがコンピュータによって実行することができる媒体において具体化された、有形のコンピュータ使用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。ハードディスク、CD-ROM、電子ストレージデバイス、光学ストレージデバイス、または磁気ストレージデバイスを含む、任意の好適な有形コンピュータ可読媒体が利用されてもよい。
【0123】
いくつかの実施形態を、本発明の実施形態による、方法、システム、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して、本明細書に記載している。フローチャート図および/またはブロック図における各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実現できることが理解されるであろう。コンピュータプログラム命令は、機械を作成するのに、汎用コンピュータ(それによって専用コンピュータを作成する)、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する手段を作成する。
【0124】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定の方式で機能するように指令することができる、コンピュータ可読メモリまたは記憶媒体に格納されてもよく、それによって、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する命令手段を含む、製品を作成する。
【0125】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実施させて、コンピュータ実装プロセスを生成してもよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行する命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実現するステップを提供する。
【0126】
ブロックに示される機能/動作は、動作図面に示される以外の順序で行われてもよいことが理解されるべきである。例えば、連続して示される2つのブロックは、関与する機能性/動作に応じて、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。図のいくつかは、主要な通信方向を示すのに通信経路上に矢印を含むが、通信は図示される矢印とは逆方向で行われてもよいことが理解されるべきである。
【0127】
本明細書に記載する概念の動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)またはC++などのオブジェクト指向型プログラミング言語で書かれてもよい。しかしながら、本開示の動作を実施するためのコンピュータプログラムコードはまた、「C」プログラミング言語など、従来の手続き型プログラミング言語で書かれてもよい。プログラムコードは、全体的にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、独立型ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで、かつ部分的にリモートコンピュータで、または全体的にリモートコンピュータで、実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を通して、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通して)外部コンピュータに対して行われてもよい。
【0128】
多くの異なる実施形態を、上述の記載および図面と関連して本明細書に開示してきた。これらの実施形態の全ての組合せおよび下位組合せを文字通り記載し例証するのに、過度に繰返し曖昧であろうことが理解されるであろう。したがって、全ての実施形態を任意の形および/または組合せで組み合わせることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載する実施形態の全ての組合せおよび下位組合せの、またそれらを作成し使用する手法およびプロセスの書面による完全な説明を構成すると解釈されるものとし、また任意のかかる組合せまたは下位組合せに対する特許請求の範囲を裏付けるものとする。
【0129】
前述の説明で使用されることがある略語は、以下を含む。
略語の説明
AMF アクセスおよびモビリティ管理機能
DL-PRS ダウンリンク測位参照信号
5GC 5Gコア
EPC エボルブドパケットコア
E-SMLC 拡張サービングモバイルロケーションセンター
GNSS 全地球航法衛星システム
LMF ロケーション管理機能
LPP LTE測位プロトコル
LPPa LTE測位プロトコル付録
LTE Long-Term Evolution
MDT ドライブテストの最小化
MME モビリティ管理エンティティ
MSM 複数の信号メッセージ
NR 新無線
RRC 無線リソース制御
RTK リアルタイムキネマティック
SET SUPL対応端末
SLP SUPLロケーションプラットフォーム
SUPL セキュアユーザプレーンロケーション
【0130】
本明細書に記載する実施形態は、上記で本明細書に特に図示し記載してきたものに限定されないことが、当業者には認識されるであろう。加えて、逆のことが上記で言及されていない限り、添付図面は全て縮尺通りではないことに留意されたい。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の教示に照らして、様々な変更および変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノード(16)で実現される方法であって、
地域局所環境完全性インジケータを決定すること(S134)と、
決定された前記地域局所環境完全性インジケータを無線デバイス(WD)(22)に送ること(S136)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記WD(22)からの報告を受信することであって、前記報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、前記地域局所環境完全性インジケータが前記少なくとも1つの局所環境測定問題に基づいて決定される、報告を受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの局所環境測定問題が、異なる測位測定値を比較し、前記比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、前記WD(22)によって検出される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記地域局所環境完全性インジケータを支援データと一緒に前記WD(22)に送ること、前記地域局所環境完全性インジケータが、前記WD(22)の推定された位置に関連する測位完全性を示し、前記WD(22)の前記推定された位置が前記支援データに基づく、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、および前記ネットワークノード(16)からの要求の結果として、前記WD(22)からの前記報告を受信すること、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記要求が、前記ネットワークノード(16)から前記WD(22)へのロケーション情報提供メッセージを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して前記WD(22)からの前記報告を受信すること、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガが、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記WD(22)の事前設定および設定のうちの少なくとも一方の結果として、前記WD(22)からの前記報告を受信すること、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
局所環境測定問題を監視し、前記局所環境測定問題について報告する前記WD(22)の機能を示す情報を受信すること
を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記局所環境測定問題を監視し、前記局所環境測定問題について報告する前記WD(22)の前記機能を示す前記情報が、前記WD(22)において事前設定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記地域局所環境完全性インジケータが地理的基準および測定問題イベントのうちの少なくとも一方によって表される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
無線デバイス(WD)(22)で実現される方法であって、
支援データと地域局所環境完全性インジケータとを取得すること(S138)と、
前記地域局所環境完全性インジケータに基づいて測位完全性を決定すること(S140)と
を含む、方法。
【請求項14】
決定された前記測位完全性に基づいて前記WD(22)の位置を推定すること
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ネットワークノード(16)に報告を送ることであって、前記報告が少なくとも1つの局所環境測定問題を示し、前記地域局所環境完全性インジケータが前記少なくとも1つの局所環境測定問題に基づく、報告を送ること
を更に含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
異なる測位測定値を比較し、前記比較に基づいて少なくとも1つの測定誤差を推定することによって、前記少なくとも1つの局所環境測定問題を検出すること
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Long-Term Evolution(LTE)測位プロトコル(LPP)メッセージの一部として、および前記ネットワークノード(16)からの要求の結果として、前記報告を前記ネットワークノード(16)に送ること、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記要求が、前記ネットワークノード(16)から前記WD(22)へのロケーション情報提供メッセージを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
トリガの結果として無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して前記報告を前記ネットワークノード(16)に送ること、請求項15または16に記載の方法。
【請求項20】
前記トリガが、モビリティネットワークエンティティ(MNE)からの少なくとも1つの要求と、測定問題検出と、監視時間ウィンドウの満了とを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
処理回路(68)を備えるネットワークノード(16)であって、前記処理回路(68)が、前記ネットワークノード(16)に請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行させるように設定されている、ネットワークノード(16)。
【請求項22】
処理回路(84)を備える無線デバイス(WD)(22)であって、前記処理回路(84)が、前記WD(22)に請求項13から20のいずれか一項に記載の方法を実行させるように設定されている、無線デバイス(WD)(22)。
【国際調査報告】