(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】血管アクセス器具の前進デバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/08 20060101AFI20240125BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61M25/08
A61M25/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542670
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022012091
(87)【国際公開番号】W WO2022155181
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ジー.ホーティン
(72)【発明者】
【氏名】バート ディー.ピーターソン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA28
4C267BB06
4C267BB63
4C267EE01
4C267HH11
(57)【要約】
血管アクセス器具の前進デバイスは、ハウジングと、ハウジングを通って延在する延長チューブとを含み得る。延長チューブは、ハウジングを通って延在し得る。延長チューブは、第1の管腔と第2の管腔を含み得る。採血経路は、第1の管腔を通って延在し得る。ウェッジは、ハウジングおよび延長チューブの第2の管腔内に配置され得る。一対の対向するピンチ部材は、延長チューブを挟むように構成され得る。一対の対向するピンチ部材は、ハウジング内でウェッジの近位に配置され得、ハウジングとともに延長チューブに沿って移動するように構成され得る。器具は、ウェッジから遠位方向に延在し得る。器具は、第2の管腔内に配置され得る。延長チューブに沿ってハウジングを遠位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材がウェッジを遠位方向に押し、器具が遠位方向に前進させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセス器具の前進デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングを通って延在する延長チューブであって、前記延長チューブは、第1の管腔と第2の管腔を備え、採血経路が前記第1の管腔を通って延在する、延長チューブと、
前記ハウジングおよび前記延長チューブの第2の管腔内に配置されたウェッジと、
延長チューブを挟むように構成された一対の対向するピンチ部材であって、前記一対の対向するピンチ部材は、前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングとともに前記延長チューブに沿って移動するように構成される、一対の対向するピンチ部材と、
前記ウェッジから遠位方向に延びる器具であって、前記器具は、前記第2の管腔内に配置され、前記ハウジングを前記延長チューブに沿って遠位方向に移動させることに応答して、前記一対の対向するピンチ部材がウェッジを遠位方向に押し、前記器具が遠位方向に前進する、器具と、
を備える、血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項2】
前記一対の対向するピンチ部材は、前記ハウジング内で前記ウェッジの近位に配置され、前記延長チューブを挟むように構成された別の一対の対向するピンチ部材をさらに備え、前記別の一対の対向するピンチ部材は、前記ハウジング内に前記ウェッジの遠位に配置され、前記ハウジングとともに前記延長チューブに沿って移動するように構成され、前記延長チューブに沿って前記ハウジングを近位方向に移動させることに応答して、前記一対の対向するピンチ部材が、前記ウェッジを近位方向に押し、前記器具が近位方向に後退する、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項3】
前記延長チューブに沿った前記ハウジングの移動に応答して、前記対向するピンチ部材が、前記ハウジングおよび前記延長チューブに対して回転する、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングの内面が、前記一対の対向するピンチ部材と接触する複数のバンプを備える、請求項3に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項5】
前記対向するピンチ部材は、前記ハウジングに対して固定されている、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項6】
前記器具は、ガイドワイヤを備える、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項7】
遠位アダプタをさらに備え、前記延長チューブの遠位端が前記遠位アダプタに結合される、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項8】
前記遠位アダプタ内に配置され、前記第1の管腔ではなく、前記第2の管腔をシールするように構成された隔壁をさらに備える、請求項7に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項9】
前記遠位アダプタ内に配置され、前記第2の管腔をシールする隔壁をさらに備え、前記隔壁を通って前記第1の管腔から延在する鈍いカニューレをさらに備える、請求項7に記載の血管アクセス器具のデバイス。
【請求項10】
前記遠位アダプタがシャフトおよび対向するレバーロックを備え、前記シャフト上に配置されたキャップをさらに備える、請求項7に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項11】
前記延長チューブの近位端に結合された近位アダプタをさらに備え、前記遠位アダプタまたは前記近位アダプタは、前記延長チューブ上にオーバーモールドされる、請求項7に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項12】
前記第1の管腔が前記延長チューブを通って延在し、前記第2の管腔が前記延長チューブを通って延在する、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項13】
前記延長チューブの上面がマーキングを備え、前記ハウジングが前記マーキングと位置合わせされることに応答して、前記器具がカテーテルチップをある距離だけ超えて遠位方向に前進させられる、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項14】
前記マーキングは、距離を示す、請求項13に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項15】
前記延長チューブの上面が他のマーキングを備え、前記ハウジングが前記他のマーキングと位置合わせされることに応答して、前記器具がカテーテルチップと位置合わせされる、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項16】
前記延長チューブまたは前記遠位アダプタの上面は、マーキングを含み、前記器具の上面は、他のマーキングを含み、前記他のマーキングが前記マーキングと位置合わせされることに応答して、前記器具がカテーテルチップをある距離だけ超えて遠位方向に前進させられる、請求項7に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項17】
前記延長チューブまたは前記遠位アダプタの上面は、マーキングを含み、前記器具の上面は、他のマーキングを含み、前記他のマーキングが前記マーキングと位置合わせされることに応答して、前記器具がカテーテルチップと位置合わせされる。請求項7に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項18】
前記遠位アダプタの上面は、マーキングを備え、前記器具の上面は、他のマーキングを備え、前記他のマーキングが前記マーキングの近位端から前記マーキングの遠位端まで移動されることに応答して、前記器具がカテーテルチップを越えて前記マーキングの長さに等しい距離だけ前進させられる、請求項7に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項19】
前記マーキングの前記長さは、10mm以上50mm以下である、請求項18に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【請求項20】
前記延長チューブの近位端に結合された近位アダプタをさらに備え、前記近位アダプタが採血デバイスに結合するように構成されている、請求項1に記載の血管アクセス器具の前進デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管アクセス器具の前進デバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2021年1月13日に出願された「血管アクセス器具の前進デバイス、システム、および方法」と題する米国仮出願シリアル番号63/137,049に対する優先権を主張し、その全開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
カテーテルは、患者の血管系に液体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、様々な薬剤、または完全非経口栄養を注入するために使用され得る。また、カテーテルは、患者から血液を採取するために使用されることもあり得る。
【0004】
カテーテルには、オーバーザニードル末梢静脈(「IV」)カテーテルが含まれ得る。この場合、カテーテルは、鋭い遠位チップを有する導入針の上に取り付けられ得る。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位チップがカテーテルの遠位チップを超えて延在し、針の斜面が患者の皮膚から離れる方向を上に向けるように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は一般に、浅い角度で皮膚を通して患者の血管系に挿入される。
【0005】
導入針および/またはカテーテルが血管内に適切に配置されていることを確認するために、臨床医は、通常、フラッシュバックチャンバー内で血液の「フラッシュバック」があることを確認する。導入針の配置が確認された後、臨床医は、導入針を取り外し得、将来の採血または輸液に備えて、カテーテルを所定の位置に残しておく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
時間が経つと、フィブリン鞘、血栓、静脈壁や弁の存在により、カテーテルのチップが閉塞する可能性がある。閉塞により、注入および/または採血のためのカテーテルの機能が制限される可能性がある。本明細書で特許請求される主題は、あらゆる欠点を解決する実施形態、または上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書で説明されるいくつかの実装が実施され得る技術分野の一例を説明するためにのみ提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、一般に、器具の前進デバイス、ならびに関連するシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、ハウジングと、ハウジングを通って延在する延長チューブとを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブは、第1の管腔および第2の管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブは、第1の管腔および第2の管腔に対する1つ以上の追加の管腔を含み得ることが理解される。いくつかの実施形態では、採血経路は、第1の管腔および/または1つ以上の追加の管腔を通って延在し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、ハウジングおよび延長チューブの第2の管腔内に配置されたウェッジを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、延長チューブを挟むように構成された一対の対向する挟み部材を含み得る。いくつかの実施形態では、一対の対向するピンチ部材は、ハウジング内に配置され、ハウジングとともに延長チューブに沿って移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、一対の対向するピンチ部材は、ハウジング内でウェッジの近位に配置され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、ウェッジから遠位方向に延在し得る器具を含み得る。いくつかの実施形態では、器具は、第2の管腔内に配置され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングを延長チューブに沿って遠位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材がウェッジを遠位方向に押し得、器具が遠位方向に前進し得る。いくつかの実施形態では、器具は、カテーテルアセンブリを通って患者の血管系内に遠位方向に前進するように構成された血管アクセス器具を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、延長チューブを挟むように構成された別の一対の対向する挟み部材を含み得る。いくつかの実施形態では、他の一対の対向するピンチ部材は、ハウジング内にウェッジより遠位側に配置され得、ハウジングとともに延長チューブに沿って移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングを延長チューブに沿って近位方向に移動させることに応答して、他の一対の対向するピンチ部材がウェッジを近位方向に押し得、器具が近位方向に後退され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、延長チューブに沿ったハウジングの移動に応答して、対向するピンチ部材がハウジングおよび延長チューブに対して回転し得る。いくつかの実施形態では、ハウジングの内面は、一対の対向するピンチ部材と接触する1つ以上のバンプを含み得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材は、ハウジングに対して固定され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、器具は、ガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、遠位アダプタを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブの遠位端は、遠位アダプタに結合され得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、遠位アダプタ内に配置され、第1の管腔ではなく、第2の管腔をシールするように構成された隔壁を含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、遠位アダプタ内に配置され、第2の管腔をシールする隔壁を含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、鈍いカニューレを含み得、このカニューレは、第1の管腔から隔壁を通って延在し得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、遠位アダプタは、シャフトおよび対向するレバーロックを含み得る。いくつかの実施形態では、シャフトは、鈍いカニューレを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイスは、シャフト上に配置されたキャップを含み得る。いくつかの実施形態では、キャップの遠位端は開口部を含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の管腔は、延長チューブを通って延在し得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔は、延長チューブを通って延在し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブの上面にマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジングが当該マーキングと位置合わせされることに応答して、器具は、カテーテルチップを越えてある距離だけ遠位方向に前進し得る。いくつかの実施形態では、マーキングは、距離を示し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブの上面は、他のマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジングが当該他のマーキングと位置合わせされることに応答して、器具は、カテーテルチップと位置合わせされ得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、延長チューブまたは遠位アダプタの上面は、マーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の上面に他のマーキングを含め得る。いくつかの実施形態では、当該他のマーキングが当該マーキングと位置合わせされることに応答して、器具は、カテーテルチップを越えて遠位方向にある距離だけ前進し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、延長チューブまたは遠位アダプタの上面は、マーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の上面に他のマーキングを含め得る。いくつかの実施形態では、当該他のマーキングが当該マーキングと位置合わせされることに応答して、器具は、カテーテルチップと位置合わせされ得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、遠位アダプタの上面は、マーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の上面は、他のマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、当該他のマーキングが当該マーキングの近位端から当該マーキングの遠位端まで移動することに応答して、器具は、カテーテルチップを越えて当該マーキングの長さだけ前進し得る。いくつかの実施形態では、マーキングの長さは、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、または別の長さであり得る。いくつかの実施形態では、マーキングの長さは、例えば、10mm以上50mm以下、10mm以上30mm以下、10mm以上40mm以下、または20mm以上40mm以下であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、器具の送達デバイスは、延長チューブの近位端に結合された近位アダプタを含み得る。いくつかの実施形態では、近位アダプタは、採血デバイスに結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、遠位アダプタおよび/または近位アダプタは、延長チューブ上にオーバーモールドされ得、これにより、流体の漏れを防止し得る。
【0019】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明は、両方とも例および説明であり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された構成および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせ得ること、または他の実施形態を利用し得ること、また、特許請求しない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造的な変更を行い得ることも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用して、さらに具体的かつ詳細に記述および説明されるであろう。
【0021】
【
図1】いくつかの実施形態による、例示的な器具の前進デバイスの上面斜視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、器具の前進デバイスの例示的な遠位端の断面図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、器具の前進デバイスの遠位端の別の例の断面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、内部を通って延在する例示的な延長チューブを示す、器具の前進デバイスの例示的なハウジングの断面図である。
【
図5A】いくつかの実施形態による、ハウジングの部品の一例の上面斜視図である。
【
図5B】いくつかの実施形態による、
図5Aのハウジングの部品に結合するように構成されたハウジングの部品の別の例の上面斜視図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、器具の前進デバイスに結合された例示的なキャップの上面図である。
【
図6B】いくつかの実施形態による、キャップの上面斜視図である。
【
図6C】いくつかの実施形態による、例示的な開口部を示す、キャップの別の上面斜視図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、器具の前進デバイスの例示的な近位端の断面図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、例示的なマーキングを含む例示的な遠位アダプタの上面図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、他の例示的なマーキングを示す、例示的な器具の上面斜視図である。
【
図8C】いくつかの実施形態による、例示的なマーキングを示す、器具の前進デバイスの一部の上面斜視図である。
【
図8D】いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルのカテーテルチップを越えて遠位方向に前進した器具の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで
図1を参照すると、いくつかの実施形態による器具の前進デバイス10が示される。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、ハウジング12と、ハウジング12を通って延在する延長チューブ14とを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、剛体、半剛体、または可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、延長チューブ14に剛性を加えるために共押出しされたガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、マルチ管腔延長チューブを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、ガイドワイヤ、チューブ、または別の適切な器具を含み得る器具16を含み得る。いくつかの実施形態では、器具16は、視認性を高めるために着色され得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、金属または別の適切な材料で構築され得る。これらおよび他の実施形態では、器具16は、前進を容易にするために潤滑剤を塗布またはコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、チューブは柔らかくても硬くてもよい。いくつかの実施形態では、チューブは、血流のための閉路を形成し得、および/またはカテーテルアセンブリ内の薬物の吸着による血液の汚染を低減し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、器具16は、バネまたはコイルを含み得るガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、バネまたはコイルは、バネまたはコイルの長さに沿って変化するピッチを含み得る。例えば、より多くの血流を促進し、流量を増加させるために、カテーテルチップの上流または近位のスプリングまたはコイルのピッチを大きくし得、カテーテルチップ近くのスプリングまたはコイルのピッチは、血液がカテーテルチップを流れることを可能にしながら、血栓がカテーテルチップに入るのを防ぐために、より小さくし得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、バネまたはコイルの中心部分を通って延在し得るロッドを含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ロッドを含んでもよく、バネまたはコイルを含まなくてもよい。
【0025】
時間の経過とともに、カテーテルは、フィブリン鞘、血栓、または静脈壁もしくは弁の存在により、カテーテルチップで閉塞する可能性がある。いくつかの実施形態では、器具16は、カテーテルアセンブリ内におよび/またはカテーテルアセンブリを通って延在し、カテーテルを押し進めるおよび/またはカテーテルの閉塞を破壊するように構成され得る。いくつかの実施形態では、器具16は、採血を妨げる可能性があるカテーテルアセンブリ内または周囲、あるいは静脈内の血栓およびフィブリン鞘を克服し得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、流体送達、採血、患者または装置の監視、または他の臨床上のニーズも容易にしながら、血管系への外傷を軽減し得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、溶血を減少させ、血液曝露を減少させ得る。いくつかの実施形態では、器具16は、カテーテルアセンブリを通って患者の血管系内に遠位方向に前進するように構成された血管アクセス器具を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10の遠位端は、遠位アダプタ18または別の適切なコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18は、患者の血管系内に存在するか、またはすでに留置され得るカテーテルアセンブリに結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、遠位端、近位端、およびカテーテルアダプタの遠位端およびカテーテルアダプタの近位端を通って延在する管腔を含み得るカテーテルアダプタを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、カテーテルアダプタの遠位端から延在し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈内カテーテル、正中カテーテル、または末梢に挿入された中心カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルを通って延在し、カテーテルを患者に挿入するための皮膚および脈管構造の穿刺を容易にし得る導入針を含み得る。いくつかの実施形態では、導入針は、器具の前進デバイス10をカテーテルアセンブリに結合する前に、カテーテルアセンブリから取り外され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、真っ直ぐであり得る。他の実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと一体化された延長チューブを有するように一体化され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタのサイドポートから延在してカテーテルアダプタのサイドポートと一体化された延長チューブを含み得る延長セットを含み得る。いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18は、カテーテルアダプタの近位端および/または無針アクセスコネクタのようなカテーテルアセンブリの一部に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、無針アクセスコネクタは、近位端、Tコネクタ、または延長セットの別の部分に結合され得る。いくつかの実施形態では、無針アクセスコネクタは、ユーザーによる意図的または非意図的な取り外しを防止するために、例えば、接着剤を介して遠位アダプタ18に永久的に接続され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、延長チューブ14の遠位端は、遠位アダプタ18に結合され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14の近位端は、別の遠位アダプタまたは別の適切なコネクタを含み得る近位アダプタ20に結合され得る。いくつかの実施形態では、近位アダプタ20は、採血デバイスに結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、吸引を提供し得る、シリンジ、BD VACUTAINER(登録商標)使い捨てホルダー(ニュージャージー州フランクリンレイクスのBecton, Dickinson and Companyから入手可能)、BD VACUTAINER(登録商標)LUER-LOK(登録商標)アクセスデバイス(同様に、ニュージャージー州フランクリンレイクスのBecton, Dickinson and Companyから入手可能)、または別の適切な採血デバイスを含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、器具16は、注入または採血の前または最中に前進させられ得る。いくつかの実施形態では、採血または注入が完了した後、カテーテルアセンブリから器具の前進デバイス10の結合を外す前に、ユーザーは、ハウジング12を後方または近位方向に移動させることによって器具を後退させ得る。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザーが血液にさらされる危険性が低減され得る。
【0030】
ここで、
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、第1の管腔22および第2の管腔24を含み得、これらは、延長チューブ14の全長に沿って第1の管腔22から分離し得る。いくつかの実施形態では、採血経路は、第1の管腔22を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、器具16は、第2の管腔24内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔24の直径は、第1の管腔22の直径より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の管腔22の直径および/または長さは、所望の流量に基づいて、および/または溶血を低減するために選択され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、ハウジング12を延長チューブ14に沿って遠位方向に移動させることに応答して、器具16は、第2の管腔24内で遠位方向に前進させられ得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12を延長チューブ14に沿って近位方向に移動させることに応答して、器具16は、第2の管腔24内で近位方向に後退され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、遠位アダプタ18内に配置され、第2の管腔24をシールするように、または第2の管腔24への血流を防止するように構成された隔壁26を含み得る。これらおよび他の実施形態では、血液が採血のために遠位アダプタ18から第1の管腔22を通って流体経路28に沿って近位に流れ得るように、隔壁26は、第1の管腔22をシールしなくてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁26は、エラストマーであってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ハウジング12が近位方向に完全に後退したとき、器具16の遠位端は、遠位アダプタ18の遠位端の近位に配置され得る。いくつかの実施形態では、器具16の遠位端は、ハウジング12が近位方向に完全に後退したとき、隔壁26の近位に配置されてもよく、および/または器具16が延長チューブ14内に密封されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、第1の管腔22の遠位端と遠位アダプタ18とを接続し得るカニューレ30を含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、鈍くてもよい。いくつかの実施形態では、流体経路28は、血液の漏出を防止し得るカニューレ30を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、鋼、プラスチック、金属、または別の適切な材料で構築され得る。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、遠位アダプタ18に結合され得、または単一ユニットとして遠位アダプタ18と一体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、隔壁26は、第2の管腔24と同心であってもよく、または適切な壁厚を得るためにわずかにオフセットされていてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18は、シャフト38および対向するレバーロック40を含み得る。いくつかの実施形態では、レバーロック40は、ニードルレスアクセスコネクタへの結合を容易にし得る。いくつかの実施形態では、シャフト38は、カテーテルアセンブリへの挿入力が低減され得る潤滑剤で潤滑され得る。いくつかの実施形態では、雄遠位アダプタは、雄ルアー、雄ルアーロック、雄スリップルアー、ルアー、または別の適切なコネクタを含み得る。
【0036】
ここで、
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、隔壁26は、遠位アダプタ18の内腔の幅を横切って延在し得る。いくつかの実施形態では、隔壁26は、第2の管腔24を密閉し得、または第2の管腔24への血流を防止し得る。いくつかの実施形態では、カニューレ30は、流体がカニューレ30を通して流れることを可能にするために、第1の管腔22から隔壁26を通って延在し得る。
【0037】
ここで、
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、ハウジング12および延長チューブ14の第2の管腔24内に配置されたウェッジ32を含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、延長チューブ14を挟むように構成された一対の対向するピンチ部材34を含み得る。いくつかの実施形態では、一対の対向するピンチ部材34a、bは、ハウジング12内でウェッジ32の近位に配置され、ハウジング12とともに延長チューブ14に沿って移動するように構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、器具16は、ウェッジ32から遠位方向に延在し得る。いくつかの実施形態では、器具16は、第2の管腔24内に配置され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14に沿ってハウジング12を遠位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材34a、bがウェッジ32を遠位方向に押し、器具16を遠位方向に前進させられ得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、延長チューブ14を挟むように構成された別の一対の対向するピンチ部材34c、dを含み得る。いくつかの実施形態では、別の一対の対向するピンチ部材34c、dは、ハウジング内でウェッジ32の遠位に配置され、ハウジング12とともに延長チューブ14に沿って移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14に沿ってハウジング12を近位方向に移動させることに応答して、一対の対向するピンチ部材34c、dがウェッジ32を近位方向に押し、器具16を近位方向に後退させ得る。
【0040】
一対の対向するピンチ部材34a、bおよび別の一対の対向するピンチ部材34c、dは、本開示では、まとめて「対向するピンチ部材34」と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14に沿ったハウジング12の移動に応答して、対向するピンチ部材34は、ハウジング12および延長チューブ14に対して回転し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14に沿ったハウジング12の移動に応答して、対向するピンチ部材34は、器具16を回転し得るハウジング12および延長チューブ14に対して回転し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の内面は、対向するピンチ部材34が回転するときの摩擦を低減し得る対向するピンチ部材34と接触する1つ以上のバンプ36を含み得る。いくつかの実施形態では、ウェッジ32および/または対向するピンチ部材34は、摩擦を低減し得る潤滑剤で潤滑され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、プラスチック、金属、または別の適切な材料で構築され得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、ハウジング12に対して回転するように構成され得る、球形ボール、ボールベアリング、ホイール、またはシリンダを含み得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、滑らかであり得る、またはピンチ部材34の縁に沿って脚を含み得る、ホイールを含み得る。これらの実施形態では、潤滑剤は、摩擦を低減するために、ホイールの軸に塗布され得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34は、ハウジング12に対して固定され得る。例えば、対向するピンチ部材34は、ハウジング12内に成形され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材34の数は、ウェッジ32の形状に基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、例えば、円筒形であるウェッジ32の形状に応じて、一対の対向するピンチ部材34a、bと、別の一対の対向するピンチ部材34c、dとを含み得る。いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、ドッグボーン形状を含むウェッジ12に応じて、一対の対向するピンチ部材34a、bのような単一の一対の対向するピンチ部材34を含み得、単一の一対は、ドッグボーン形状の中央または窪みに配置され得る。
【0043】
ここで、
図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング12は、ハウジング12を通って延在し、延長チューブ14を受け入れるように構成された開口部41を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の内面は、ハウジング12が延長チューブ14に沿って移動するときに、延長チューブ14とハウジング12との間の摩擦を低減するために、延長チューブ14と接触し得る、1つ以上の突出部42を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、ペグ45または任意の他の適切な機構を介して一緒に結合され得る複数の部品44a、bを含み得る。他の実施形態では、ハウジング12は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、ハウジング12は、バンプ36を含み得る複数のカットアウト46を含み得る。これらおよび他の実施形態では、対向するピンチ部材34は、球形ボールを含み得る。いくつかの実施形態では、カットアウト46は、略球形であってもよく、および/または開口部41から外側に延在していてもよい。いくつかの実施形態では、複数の部品44a、bに示されるカットアウト46の半分は、一緒に接合され得、カットアウト46を形成し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、ハウジング12は、ユーザーによるグリップおよび/または片手での前進を容易にするために、硬質または半硬質であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、ユーザーによる握りを容易にする1つ以上のグリップ特徴または形状を含み得る。いくつかの実施形態では、グリップ特徴は、ハウジング12の上部および/またはハウジング12の1つ以上の側面にある隆起部、くぼみ、およびタブの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の形状は、正方形、円筒形、ドッグボーン、または別の適切な形状を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12の形状および/またはグリップ特徴は、ユーザーが器具に接触することなく器具16を前進および/または後退させることを容易にし得、それによって、汚染および/または感染のリスクを低減し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、ユーザーによるグリップを容易にするために、1つ以上のテクスチャード加工された表面を含み得る。
【0046】
ここで、
図6A~6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、シャフト38上に配置されたキャップ48を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップ48は、鈍らせ得るシャフト38からの取り外しを容易にするために、キャップ48の縁に沿って1つ以上のグリップ特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、
図6Bに示すように、キャップ48は、器具の前進デバイス10の輸送中またはプライミング中に、器具がシャフト38のチップを早まって押し過ぎるのを防ぎ得る、遠位端で充填され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、例えば、
図6Cに示すように、キャップ48の遠位端は、開口部50を含み得る。いくつかの実施形態では、開口部50は、材料、コストを削減し、ユーザーが前進前にキャップ48を外すことを怠った場合の器具16への損傷を防止し得る。
【0048】
ここで、
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、延長チューブ14の近位端は、雌ルアー、雌ルアーロック、雌スリップルアー、ルアー、または別の適切なコネクタが含まれ得る近位アダプタ20に結合され得る。いくつかの実施形態では、近位アダプタ20は、採血デバイスに結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の管腔22は、延長チューブ14を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔24は、延長チューブ14を通って延在し得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18は、
図2~3に関して説明した隔壁26のような隔壁を含まなくてもよい。これらおよび他の実施形態では、例えば、
図7に示すように、近位アダプタ20は、近位アダプタ20を通した血液の漏出を防止するために、延長チューブ14の近位端をブロックし得る。いくつかの実施形態では、シーリングは、器具16の周囲にシールを形成するために、延長チューブ14のいずれかの端に近位アダプタ20および/または遠位アダプタ18をオーバーモールドすることによって達成され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、器具の前進デバイス10は、血液漏出を防止するために、第1の管腔22の近位端と近位アダプタ20とを接続し得るカニューレ52を含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレ52は、鈍くされ得る。いくつかの実施形態では、流体経路28は、カニューレ52を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、以下の1つ以上を通る長さおよび/または直径のような流体経路は、流量を増加させ、溶血のリスクを減少させるために、選択または最適化され得る:遠位アダプタ18、近位アダプタ20、カニューレ52、カニューレ30、および延長チューブ14。
【0051】
ここで、
図8A~8Bを参照すると、いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18の上面は、使用中、ユーザーに見え得るマーキング54を含み得る。いくつかの実施形態では、器具16の上面は、他のマーキング56を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18は、ユーザーが遠位アダプタ18を通して、他のマーキング56を見ることが出来るようになり得る透明であり得る。いくつかの実施形態では、マーキング54および/または他のマーキング56は、器具16の前進についてユーザーに指示し得る。いくつかの実施形態では、他のマーキング56がマーキング54の近位端からマーキング54の遠位端まで移動することに応答して、器具16は、マーキング54の長さに等しい距離だけカテーテルチップを越えて前進し得る。いくつかの実施形態では、マーキング54の長さは、30mmまたは別の適切な長さであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、マーキング54および/または他のマーキング56は、成形、エッチング、レーザー加工、塗装、または別の適切な方法で提供され得る。いくつかの実施形態では、マーキング54は、器具の前進デバイス10の長手方向軸に平行な線を含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、マーキング54は、マーキング54の長さに対応する数値および/または単位を含み得る。いくつかの実施形態では、他のマーキング56は、器具の前進デバイス10の長手方向軸に対して垂直であり得る線、または他の適切なマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、器具16は、ユーザーによる器具16の視認性が容易になり得る、影が付けられたり、曇らされたりし得る。いくつかの実施形態では、遠位アダプタ18は、延長チューブ14の遠位端が固定および/または接着され得る結合ポケット57を含み得る。
【0053】
ここで、
図8Cを参照すると、いくつかの実施形態では、延長チューブの上面は、使用中、ユーザーに視認可能であり得る1つ以上のマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、マーキングは、成形、エッチング、レーザー加工、塗装、または別の適切な方法で設けられ得る。いくつかの実施形態では、マーキングは、器具16の前進についてユーザーに指示し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ14の上面は、
図8Aに関して説明したマーキング54を含み得る。いくつかの実施形態では、器具の他のマーキング56(例えば、
図8Bを参照)がマーキング54の近位端からマーキング54の遠位端に移動されることに応答して、器具16は、カテーテルチップを越えて、マーキング54の長さに等しい距離を前進させられ得る。いくつかの実施形態では、マーキング54の長さは、30mmまたは別の適切な長さであり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、延長チューブ14の上面のマーキングは、マーキング58および/またはマーキング60を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12またはマーキング56がマーキング58と位置合わせされることに応答して、器具16は、カテーテル62のカテーテルチップ64をある距離だけ超えて遠位方向に前進させられ得る(例えば、
図8Dを参照)。いくつかの実施形態では、マーキング58は、例えば、30mmのような距離を示し得る。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、マーキング58は、距離に対応する数値および/または単位を含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、ハウジング12またはマーキング56がマーキング60と位置合わせされることに応答して、器具16は、カテーテルチップ64と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、マーキング58および/またはマーキング60は、器具の前進デバイス10の長手方向軸に対して垂直であり得る線、または他の適切なマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、マーキング60は、器具16の遠位端の位置に対応する数値および/または単位を含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、延長チューブ14は、延長チューブ14の中の器具16の視認性を容易にするために透明であり得る。いくつかの実施形態では、マーキング58および/またはマーキング60は、透明であり得る遠位アダプタ18上に配置され得る。ここで、
図8Dを参照すると、器具16は、カテーテルチップ64の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、器具16は、ハウジング12が遠位方向に前進することに応答して、カテーテルチップ64を越えて遠位方向に前進させられ得る。
【0057】
本明細書に列挙される全ての例および条件付きの文言は、本発明および当該技術分野の発展に発明者によって貢献された概念を読者が理解するのを助けるための教育的目的を意図しており、そのような具体的に列挙された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および修正を行うことが出来ることを理解されたい。
【国際調査報告】