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特表2024-504623可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/12 20060101AFI20240125BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20240125BHJP
   B41F 15/36 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B41F15/12 A
B41F15/08 303E
B41F15/36 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542704
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2022012759
(87)【国際公開番号】W WO2022159380
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】17/571,821
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/138,856
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(74)【代理人】
【識別番号】100202740
【弁理士】
【氏名又は名称】増山 樹
(72)【発明者】
【氏名】パッツィー エー.マッテロ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エー.ロージーウィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ジェイ.キング
【テーマコード(参考)】
2C035
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FA24
2C035FB33
(57)【要約】
可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステムが提供される。アセンブリ装置10は、アセンブリ装置内での交換用の複数の物品のうちの少なくとも1つの物品を有する。アセンブリ装置は、ドッキングステーションを含む。可動カート100は、使用済みの物品を受け取る、及び/又は新しい物品をアセンブリ装置に提供するように構成される。可動カートは、アセンブリ装置のドッキングステーション内でドッキングするように構成されたインターフェースを含む。本システムは、アセンブリ装置及び可動カートのうちの一方に関連付けられたセンサ120と、アセンブリ装置及び可動カートのうちの他方に関連付けられたレーザとを含む。センサ120及びレーザは、アセンブリ装置のドッキングステーション内での可動カートの最初のドッキングの後に、可動カート100をアセンブリ装置10と位置合わせするように構成される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステムであって、
前記アセンブリ装置は、前記アセンブリ装置内での交換用の複数の物品のうちの少なくとも1つの物品を有し、
前記アセンブリ装置は、ドッキングステーションを含み、
前記可動カートは、使用済みの物品を受け取る、及び/又は新しい物品を前記アセンブリ装置に提供するように構成され、
前記可動カートは、前記アセンブリ装置の前記ドッキングステーション内でドッキングするように構成されたインターフェースを含み、該システムは、
前記アセンブリ装置及び前記可動カートのうちの一方に関連付けられたセンサと、
前記アセンブリ装置及び前記可動カートのうちの他方に関連付けられたレーザと、
を備え、
前記センサ及び前記レーザは、前記アセンブリ装置の前記ドッキングステーション内での前記可動カートの最初のドッキングの後に、前記可動カートを前記アセンブリ装置と位置合わせするように構成される、システム。
【請求項2】
前記センサは、前記アセンブリ装置の支持体上に取り付けられ、前記レーザは、前記可動カートのフレーム上に取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アセンブリ装置は、前記アセンブリ装置の前記支持体上に取り付けられた少なくとも1つを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサは、ステンシルプリンタ内でステンシルを支持するように構成されたステンシル支持体上に取り付けられる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサは、ディスペンサ内で基板を保持するように構成された支持体上に取り付けられる、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記可動カートの前記フレーム上の前記レーザの位置は、前記アセンブリ装置の前記センサの高さと同じ高さにある、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記レーザは、低出力レーザである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサは、前記アセンブリ装置のサブシステムに接続することができる出力信号を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記サブシステムは、コントローラであり、前記センサは、前記コントローラによって処理される出力信号を生成する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記出力信号をx軸及びz軸の相対座標又は絶対座標に変換するように構成されたソフトウェアを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
可動カートをアセンブリ装置に位置合わせする方法であって、
前記アセンブリ装置は、前記アセンブリ装置内での交換用の複数の物品のうちの少なくとも1つの物品を有し、
前記アセンブリ装置は、ドッキングステーションを含み、
前記可動カートは、使用済み物品を受け取る、及び/又は新しい物品を前記アセンブリ装置に提供するように構成され、
前記可動カートは、前記アセンブリ装置の前記ドッキングステーション内でドッキングするように構成されたインターフェースを含み、該方法は、
前記アセンブリ装置及び前記可動カートのうちの一方にセンサを設けることと、
前記アセンブリ装置及び前記可動カートのうちの他方に関連付けられたレーザを前記センサに向けることと、
を含み、
前記センサ及び前記レーザは、前記アセンブリ装置の前記ドッキングステーション内での前記可動カートの最初のドッキングの後に、前記可動カートを前記アセンブリ装置と位置合わせするように構成される、方法。
【請求項12】
前記センサは、前記アセンブリ装置のサブシステムに接続することができる出力信号を生成するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記サブシステムは、コントローラであり、前記センサは、前記コントローラによって処理される出力信号を生成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コントローラは、前記出力信号をx軸及びz軸の相対座標又は絶対座標に変換するように構成されたソフトウェアを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザを較正することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザは、前記レーザが前記可動カートのx軸、y軸、及びz軸座標に位置合わせされるビームを放出することを確実にするであろう標的に対して、前記可動カートの一方側に較正される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサは、前記アセンブリ装置内の全ての軸がそれらの初期化位置にあるときに、前記可動カート上の前記レーザから放出される光の前記ビームが、前記アセンブリ装置がx軸の位置合わせ及びz軸高さについて0,0位置として解釈する公称位置となるように、前記アセンブリ装置上に取り付けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記可動カートが前記アセンブリ装置に対して正しい又は適切な位置にあり、機能を実行することが許容可能であるという情報が前記アセンブリ装置に通知される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
0,0以外の読み取り値が検出された場合、これは、位置ずれとして解釈され、前記アセンブリ装置又は前記可動カートは、前記可動カートがドッキングされたときの前記可動カート及び前記アセンブリ装置の適切な位置合わせを知らせるために、0,0の読み取り値に戻るために必要な調整を行うことができる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
初期化時に0,0以外の読み取り値がある場合、これは、ホーム位置からのオフセットとして解釈され、前記アセンブリ装置の前記コントローラソフトウェアによって、又は前記可動カートの前記コントローラによって、又は両方によって補償することができる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「SYSTEM AND METHOD FOR ALIGNING A MOVABLE CART TO AN ASSEMBLY APPARATUS」と題する、2021年1月19日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第63/138,856号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、この米国仮特許出願は、あらゆる目的で、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本願は、包括的には、粘性材料、例えばはんだペーストを電子基板、例えばプリント回路基板(PCB)上に印刷するステンシルプリンタ及び関連する方法に関し、より具体的には、このようなステンシルプリンタ及び方法を完全に自動化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表面実装プリント回路基板を製造する際に、ステンシルプリンタ及び/又はディスペンサ等の装置を用いて、回路基板上にはんだペーストを堆積させることができる。通常、上にはんだペーストが堆積されることになる、パッド又は何らかの他の導電性表面のパターンを有する回路基板が装置の中に自動的に送り込まれる。
【0004】
ステンシルプリンタにおいては、回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、回路基板上の1つ以上の小穴又はマーク(「基準部(fiducials)」として知られる)を用いて、回路基板をステンシルプリンタのステンシル又はスクリーンと適切に位置合わせする。幾つかのシステムでは、視覚システムを具現する光学位置合わせシステムを用いて、回路基板をステンシルと位置合わせする。プリンタ内で回路基板がステンシルと適切に位置合わせされると、回路基板はステンシルまで上昇させられ、はんだペーストがステンシル上に吐出され、ワイパーブレード(又はスクイージー)がステンシルを横断して、ステンシルの孔を通して回路基板上にはんだペーストを押し出す。その後、ステンシルは回路基板から切り離され、回路基板とはんだペーストとの間の接着によって、材料の大部分が回路基板上に留まる。
【0005】
ディスペンサにおいては、非常に少量の粘性材料又は非常に小さいドットの粘性材料が回路基板上に堆積される。粘性材料は、液体エポキシ若しくははんだペースト、又は何らかの他の関連材料を含み得る。吐出動作を行う前に、回路基板は、吐出システムのディスペンサと位置合わせされるか、又は別様に整合される。1つの既知の方法では、これは、吐出システムの視覚システムを利用して、基準部としても知られるランドマークの位置を照合することによって、又は回路基板上の既知の構成要素の位置を特定することによって実現することができる。位置決めされると、ディスペンサの吐出ヘッドが回路基板上に材料を吐出する。
【0006】
現代のステンシルプリンタ及びディスペンサには、ルーチン動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、切替時において、作業者は、ステンシルプリンタ用のステンシルの変更、ステンシルプリンタ及びディスペンサ用のはんだペーストカートリッジの交換、及び他の物品の交換又は補充等、多くの手作業によるタスクを行わなければならない。これらのタスクのそれぞれにおいて、作業者は手作業でタスクを行う必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つの態様は、可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステムに関する。1つの実施の形態において、アセンブリ装置は、アセンブリ装置内での交換用の複数の物品のうちの少なくとも1つの物品を有する。アセンブリ装置は、ドッキングステーションを含む。可動カートは、使用済みの物品を受け取る、及び/又は新しい物品をアセンブリ装置に提供するように構成される。可動カートは、アセンブリ装置のドッキングステーション内でドッキングするように構成されたインターフェースを含む。1つの実施の形態において、本システムは、アセンブリ装置及び可動カートのうちの一方に関連付けられたセンサと、アセンブリ装置及び可動カートのうちの他方に関連付けられたレーザとを含む。センサ及びレーザは、アセンブリ装置のドッキングステーション内での可動カートの最初のドッキングの後に、可動カートをアセンブリ装置と位置合わせするように構成される。
【0008】
本システムの実施の形態は、センサをアセンブリ装置の支持体上に取り付けることを更に含むことができ、レーザが可動カートのフレーム上に取り付けられる。アセンブリ装置は、アセンブリ装置の支持体上に取り付けられた少なくとも1つのセンサを含むことができる。センサは、ステンシルプリンタ内でステンシルを支持するように構成されたステンシル支持体上に取り付けることができる。センサは、ステンシルプリンタ内で基板を保持するように構成された支持体上に取り付けることができる。可動カートのフレーム上のレーザの位置は、アセンブリ装置のセンサの高さと同じ高さにあるものとすることができる。レーザは低出力レーザとすることができる。センサは、アセンブリ装置のサブシステムに接続することができる出力信号を生成するように構成することができる。サブシステムはコントローラとすることができ、センサは、コントローラによって処理される出力信号を生成するように構成することができる。コントローラは、出力信号をx軸、y軸、及びz軸の相対座標又は絶対座標に変換するように構成されたソフトウェアを含むことができる。
【0009】
本開示の別の態様は、可動カートをアセンブリ装置に位置合わせする方法に関する。アセンブリ装置は、アセンブリ装置内での交換用の複数の物品のうちの少なくとも1つの物品を有する。アセンブリ装置は、ドッキングステーションを含む。可動カートは、使用済み物品を受け取る、及び/又は新しい物品をアセンブリ装置に提供するように構成される。可動カートは、アセンブリ装置のドッキングステーション内でドッキングするように構成されたインターフェースを含む。1つの実施の形態において、本方法は、アセンブリ装置及び可動カートのうちの一方にセンサを設けることと、アセンブリ装置及び可動カートのうちの他方に関連付けられたレーザをセンサに向けることとを含む。センサ及びレーザは、アセンブリ装置のドッキングステーション内での可動カートの最初のドッキングの後に、可動カートをアセンブリ装置と位置合わせするように構成される。
【0010】
本方法の実施の形態は、アセンブリ装置のサブシステムに接続することができる出力信号を生成するようにセンサを構成することを更に含むことができる。サブシステムはコントローラとすることができ、センサは、コントローラによって処理される出力信号を生成することができる。コントローラは、出力信号をx軸、y軸、及びz軸の相対座標又は絶対座標に変換するように構成されたソフトウェアを含むことができる。本方法は、レーザを較正することを更に含むことができる。レーザは、レーザが可動カートのx軸、y軸、及びz軸座標に位置合わせされるビームを放出することを確実にするであろう標的に対して、可動カートの一方側に較正することができる。センサは、アセンブリ装置内の全ての軸がそれらの初期化位置にあるときに、可動カート上のレーザから放出される光ビームが、アセンブリ装置がx軸の位置合わせ及びz軸高さについて0,0位置として解釈する公称位置となるように、アセンブリ装置上に取り付けることができる。情報は、可動カートがアセンブリ装置に対して正しい又は適切な位置にあり、機能を実行することが許容可能であることをアセンブリ装置に通知することができる。0,0以外の読み取り値が検出された場合、これは位置ずれとして解釈され、アセンブリ装置又は可動カートは、可動カートがドッキングされたときの可動カート及びアセンブリ装置の適切な位置合わせを知らせるために、0,0の読み取り値に戻るために必要な調整を行うことができる。初期化時に0,0以外の読み取り値がある場合、これは、ホーム位置からのオフセットとして解釈することができ、アセンブリ装置のコントローラソフトウェアによって、又は可動カートのコントローラによって、又は両方によって補償することができる。
【0011】
添付図面は、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図面では、種々の図に示されている同一又は略同一の各構成部材は同様の符号によって表される。明確であるために、全ての図面において全ての構成部材が符号を付けられていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子基板上にアセンブリ材料を堆積させるために使用される1つの実施形態のアセンブリ装置の正面図である。
図2】電子基板上にアセンブリ材料を堆積させるために使用される別の実施形態のアセンブリ装置の正面図である。
図3図1に示されているアセンブリ装置の正面斜視図である。
図4】一部が取り外された、図3に示されているアセンブリ装置の平面図である。
図5図2に示されているアセンブリ装置の概略図である。
図6図2に示されているアセンブリ装置の一部の正面斜視図である。
図7】アセンブリ装置のガントリーを見るために一部が取り外された、図6に図示されているアセンブリ装置の正面斜視図である。
図8】本開示の実施形態のアセンブリ装置及び可動カートの概略立面図である。
図9】可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステムを有するアセンブリ装置の正面斜視図である。
図10図9に示されているアセンブリ装置の一部の拡大正面斜視図である。
図11図9に示されているアセンブリ装置の別の部分の拡大正面斜視図である。
図12】可動カートをアセンブリ装置に位置合わせするシステムの態様を示す、アセンブリ装置及び可動カートの立面図である。
図13】システムのセンサを示す、システムの拡大斜視図である。
図14】システムのレーザを示す、システムの別の拡大斜視図である。
図15】アセンブリ装置上へのセンサの取付けを示す、システムの別の拡大斜視図である。
図16】可動カート上へのレーザの取付けを示す、システムの更に別の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、包括的には、表面実装技術(SMT)プロセスラインにおいて利用され、アセンブリ材料(例えば、はんだペースト、導電性インク又は封入材料)を基板(substrate)(例えば、本明細書において、「電子基板」、「回路基板」、「板(board)」、「PCB」、「PCB基板」、「基板」、又は「PCB板」と称する)上に塗布するか、又は検査、再加工又は基板上への電子構成要素の載置のような他の動作を実行するように構成される、材料塗布機械(本明細書において、「ステンシルプリンタ」、「スクリーンプリンタ」、「印刷機」、又は「プリンタ」と称する)及び他の機器に関する。具体的には、本開示の実施形態は、プリント回路基板を作製するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら以下に説明される。
【0014】
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本明細書において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本明細書において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本明細書において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙される物品と、その均等物及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本明細書と、引用することにより本明細書の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本明細書の一部をなす文献における用語の使用法は、本明細書の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本明細書における用語の使用法が有効である。
【0015】
例示を目的として、以下、本開示の実施形態について、はんだペースト等のアセンブリ材料を回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンタ、及びアセンブリ材料を回路基板上に堆積させるために使用されるディスペンサを参照しながら説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態は回路基板上にはんだペーストを印刷する及び堆積させるステンシルプリンタ及びディスペンサに限らず、糊及び封止材料等の他の粘着性のアセンブリ材料の吐出を必要とする他の用途において使用できることを理解するであろう。例えば、チップスケールパッケージ用のアンダーフィルとして使用されるエポキシを印刷する又は堆積させるために装置を使用することができる。さらに、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタ及びディスペンサは、回路基板上にアセンブリ材料を印刷する及び堆積させるものに限らず、半導体ウェハー等の様々な基板上に他の材料を印刷するために使用されるものを含む。或る特定の実施形態において、ステンシルプリンタは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(商標)又はEdison(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームを含むことができる。例示的なステンシルプリンタは、概して図1において5で指定されている。この実施形態において、ステンシルプリンタ5は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるEdison(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームである。さらに、或る特定の実施形態において、ディスペンサは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるProdigy(商標)シリーズのディスペンサを含むことができる。例示的なディスペンサは、概して図2において7で指定されている。この実施形態において、ディスペンサ7は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるProdigy(商標)ディスペンサプラットフォームである。
【0016】
図3を参照すると、本開示の実施形態のステンシルプリンタが概して10で示されている。図示されているように、ステンシルプリンタ10は、ステンシルプリンタの構成要素を支持するフレーム12を有する。ステンシルプリンタの構成要素は、一部として、コントローラ14と、ディスプレイ16と、ステンシル18と、プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリとを含むことができる。プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリは、概して20で示されており、以下でより詳細に説明する方法ではんだペーストを塗布するように構成される。1つの実施形態において、コントローラ14は、伝統的な方法でステンシルプリンタのパネルの後ろに位置決めされる。
【0017】
図2に示され、以下で説明するように、ステンシル及びプリントヘッドアセンブリは、適宜、フレーム12に連結することができる、又は別様に接続することができる。1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー22上に取り付けることができ、プリントヘッドアセンブリガントリー22は、フレーム12上に取り付けることができる。プリントヘッドアセンブリガントリー22により、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラ14の制御下においてy軸方向に移動することが可能となるとともに、ステンシル18と係合することでプリントヘッドアセンブリに圧力を加えることが可能となる。或る特定の実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18の上方に載置することができるとともに、z軸方向に降下してステンシルに接触及び封止係合することができる。
【0018】
ステンシルプリンタ10は、プリント回路基板(本明細書においては「プリント配線基板」、「基板」、又は「電子基板」と称する場合がある)をステンシルプリンタ内の印刷位置へ輸送する、レール(図示せず)を有するコンベヤシステムも有することができる。レールは、本明細書においては「トラクターフィード機構」と称する場合がある。トラクターフィード機構は、本明細書において「プリントネスト」と称する場合があるステンシルプリンタの作業領域へ回路基板を送り込む、積み込む、又は別様に送達するとともに、プリントネストから回路基板を積み下ろすように構成される。
【0019】
加えて図4を参照すると、ステンシルプリンタ10は、回路基板29(破線で示されている)を支持する支持アセンブリ28を有する。支持アセンブリ28は、印刷動作時に回路基板が安定するように、回路基板を上昇させ、固定する。或る特定の実施形態において、基板支持アセンブリ28は、特定の基板支持システム、例えば、堅固な支持体、複数のピン、又は柔軟なツールを更に有することができ、基板支持システムは、回路基板が印刷位置にあるときに回路基板の下方に位置決めされる。基板支持システムは、一部が、回路基板の内部領域を支持して、印刷動作時の回路基板の曲げ又は反りを防止するのに使用することができる。
【0020】
1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作時にはんだペーストをプリントヘッドアセンブリに提供する、ディスペンサ、例えば、はんだペーストカートリッジ等の供給源からはんだペーストを受け取るように構成することができる。カートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を利用してもよい。例えば、はんだペーストは、ブレード間において又は外部の供給源から手作業で堆積させることができる。加えて、或る特定の実施形態において、コントローラ14は、Microsoft Corporationによって提供されるMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適したオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピューターを使用し、特定用途向けソフトウェアを用いてステンシルプリンタ10の動作を制御するように構成することができる。コントローラ14は、回路基板を作製する生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラとネットワーク接続することができる。
【0021】
1つの構成において、ステンシルプリンタ10は以下のように動作する。回路基板29は、コンベヤレールを使用してステンシルプリンタ10内へ積み込まれる。支持アセンブリ28は、印刷位置へ回路基板29を上昇させ、固定する。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリのブレードがステンシル18に対して所望の圧力で接触するまでz軸方向に降下される。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー22によって、ステンシル18を横切ってy軸方向に移動される。プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18内の孔を通じて回路基板29上にはんだペーストを堆積させる。プリントヘッドアセンブリが孔を横切ってステンシル18を完全に横断すると、プリントヘッドアセンブリはステンシルから持ち上げられ、回路基板29はコンベヤレール上へ戻るように降下させられる。回路基板29は、ステンシルプリンタ10から解放及び輸送され、これにより、第2の回路基板をステンシルプリンタ内へ積み込むことができる。第2の回路基板29上に印刷するために、プリントヘッドアセンブリはz軸方向に降下させられてステンシルと接触し、第1の回路基板に使用された方向とは逆方向にステンシル18を横切って移動させられる。
【0022】
印刷前に回路基板29に対してステンシル18を位置合わせする、及び印刷後に回路基板を検査する目的のために、撮像システム30を設けることができる。1つの実施形態において、撮像システム30は、ステンシル18と回路基板が支持される支持アセンブリ28との間に配設することができる。撮像システム30は、撮像システムを移動させるために撮像ガントリー32に連結される。1つの実施形態において、撮像ガントリー32は、フレーム12に連結することができ、フレーム12の側方レール間を延在する梁を有し、y軸方向における回路基板29の上方で撮像システム30に前後移動をもたらす。撮像ガントリー32は、撮像システム30を収容するキャリッジデバイスを更に含むことができ、x軸方向における梁の長さに沿って移動するように構成される。撮像システム30を移動させるために使用される撮像ガントリー32の構造は、はんだペースト印刷の技術において既知である。回路基板又はステンシルの予め定められた領域の画像をそれぞれ撮影するためにステンシル18の下方であって回路基板29の上方の任意の位置に撮像システム30が位置することができるような配置となっている。
【0023】
はんだペーストを回路基板に対して1回以上塗布した後、余分なはんだペーストがステンシル18の底に蓄積し得て、概して34で示されるステンシルワイパーアセンブリがステンシルの下方を移動して余分なはんだペーストを除去することができる。他の実施形態において、ステンシル18は、ステンシルワイパーアセンブリの上方を移動してもよい。
【0024】
図5を参照すると、本開示の1つの実施形態に係る吐出システムが、概して40で示されている。吐出システム40は、粘性材料(例えば、接着剤、封止剤、エポキシ、はんだペースト、アンダーフィル材料等)又は半粘性材料(例えば、はんだ付け用フラックス等)を、プリント回路基板又は半導体ウェハー等の電子基板42上に吐出するために使用される。吐出システム40は、代替的に、自動車ガスケット材料を塗布するため、又は或る特定の医療用途において、又は導電性インクを塗布するため等、他の用途において使用されてもよい。粘性材料又は半粘性材料についての参照は、本明細書で使用される場合、例示的であり、非限定的であることが意図されることを理解されたい。1つの実施形態において、吐出システム40は、それぞれ概して44及び46で示される第1の吐出ユニット及び第2の吐出ユニットと、吐出システムの動作を制御するコントローラ48とを含む。吐出ユニット44、46は、本明細書においては吐出ポンプ及び/又は吐出ヘッドと称する場合もあることを理解されたい。2つの吐出ユニット44、46が示されているが、単一の吐出ユニット又は複数の吐出ユニット(3つ以上)を使用してもよいことを理解されたい。
【0025】
吐出システム40は、電子基板42を支持する基部又は支持体52を有するフレーム50と、吐出ユニット44、46を支持して移動させるようにフレームに移動可能に連結された吐出ユニットガントリー54と、例えば較正手順の一部として粘性材料の吐出量を計量し、重量データをコントローラ48に提供する重量測定装置又は重量計56とを含むこともできる。コンベヤシステム(図示せず)又は移動梁等の他の移送機構を吐出システム40において使用し、吐出システムへの電子基板42の積込み及び吐出システムからの電子基板42の積下ろしを制御することができる。ガントリー54は、コントローラ48の制御下においてモーターを使用して移動させ、電子基板42の上方の所定の位置に吐出ユニット44、46を位置決めすることができる。吐出システム40は、様々な情報を作業者に対して表示する、コントローラ48に接続されたディスプレイユニット58を含むことができる。吐出ユニット44、46を制御する任意選択の第2のコントローラを設けてもよい。また、各吐出ユニット44、46は、吐出ユニットが電子基板42の上方又は電子基板上に取り付けられた特徴部の上方に配設される高さを検出するz軸センサを有して構成することができる。z軸センサは、コントローラ48に連結され、センサによって得られた情報をコントローラに中継する。
【0026】
吐出動作を実行する前に、上述したように、電子基板42、例えばプリント回路基板は、吐出システムの吐出ユニット44、46と位置合わせされるか、又は別様に整合させられなければならない。吐出システム40は、視覚システム60を更に含み、視覚システム60は、1つの実施形態において、視覚システムを支持して移動させるようにフレーム50に移動可能に連結された視覚システムガントリー62に連結される。別の実施形態において、視覚システム60は、吐出ユニットガントリー54上に設けられてもよい。上述したように、視覚システム60は、電子基板42上の基準部として知られるランドマーク又は構成要素の位置を照合するために利用される。位置が特定されると、コントローラ48は、吐出ユニット44、46のうちの1つ以上の動きを操作して電子基板42上に材料を吐出するようにプログラムすることができる。
【0027】
本開示のシステム及び方法は、電子基板、例えばプリント回路基板上に材料を吐出することに関する。本明細書において提供されるシステム及び方法の説明は、吐出システム40の支持体52上に支持される例示的な電子基板(例えば、プリント回路基板)を参照する。1つの実施形態において、吐出動作は、材料吐出ユニット44、46を制御するように構成されたコンピューターシステムを含むことができるコントローラ48によって制御される。別の実施形態において、コントローラ48は、作業者によって操作されてもよい。コントローラ48は、視覚システムガントリー62の動きを操作して視覚システム60を移動させ、電子基板42の1つ以上の画像を取得するように構成される。コントローラ48は、吐出ユニットガントリー54の動きを操作して吐出ユニット44、46を移動させ、吐出動作を行うように更に構成される。
【0028】
図6及び図7を参照すると、吐出システムが概して70で示されている。図示されているように、吐出システム70は、吐出システムの主要なサブアセンブリを支持するように構成されたフレーム72を含む。吐出システム70は、x軸方向及びy軸方向に移動するように構成された、概して74で示されるガントリーシステムを更に含む。吐出システム70は、ガントリーシステム74によって支持される、概して76で示される吐出ユニットアセンブリを更に含む。図6は、吐出ユニットアセンブリ76を有する吐出システム70を示し、図7は、吐出ユニットアセンブリが取り外された吐出システムを示している。図示されているように、吐出ユニットアセンブリは、以下で説明するように、基板、例えば基板42上に材料を堆積させるように構成された吐出ユニット78を含む。コンベヤシステム(図示せず)は、吐出システムの支持体80への及び支持体80からの基板、例えば電子基板の積込み及び積下ろしを制御するために吐出システム70において使用することができる。ガントリーシステム74は、支持体80上に設けられた電子基板の上方の所定の位置に吐出ユニットアセンブリ76を位置決めするために、吐出システム40のコントローラ48と同様の方法により、コントローラの制御下においてモーターを使用してx軸方向及びy軸方向に移動させることができる。
【0029】
1つの実施形態において、図6及び図7に示されているように、ガントリーシステム74は、左側方レール82と、右側方レール84と、2つの側方レール間で延在する梁86とを含むように構成することができる。梁86は、吐出ユニットアセンブリ76のy軸移動を実現するために、側方レール82、84に沿ってy軸方向に移動するように構成される。ガントリーシステム74は、梁86に連結されるとともに梁の長さに沿って移動して吐出ユニットアセンブリ76のx軸移動を提供するように構成されたキャリッジ88を更に含む。具体的には、キャリッジ88は、吐出ユニットアセンブリ76の吐出ユニット78を支持し、梁86の長さに沿ってx軸方向に移動して、吐出システム70の支持体80上に位置決めされた電子基板の所望の位置の上方に吐出ユニットを移動させるように構成される。或る特定の実施形態において、xy平面内のガントリーシステム74の移動(すなわち、梁86及びキャリッジ88の移動)は、当該技術において既知のように、それぞれのモーターによって駆動されるボールねじ機構を利用することによって実現されてもよい。
【0030】
吐出ユニットアセンブリ76は、図7に示されているz軸駆動機構90によって吐出ユニット78をz軸方向に移動させるように構成される。z軸移動の量は、吐出ユニット78のニードル(図示せず)の先端と電子基板との間の距離を測定することによって決定することができる。移動するとき、吐出ユニット78は、電子基板の上方の公称クリアランス高さに位置決めすることができる。クリアランス高さは、1つの吐出位置から別の吐出位置へ移動するときに、電子基板の上方の比較的一貫した高さに維持することができる。所定の吐出位置に到達すると、z軸駆動機構90は、電子基板上への材料の吐出を実現することができるように、吐出ユニット78を電子基板まで下降させる。
【0031】
さらに図6及び図7を参照すると、吐出ユニット78は、吐出ユニットを用いて吐出動作を実行するように、電子基板の上方を移動する。しかしながら、吐出前に、正確な吐出が行われ得るように吐出ユニット78に対する電子基板の位置が決定される。具体的には、1つの実施形態において、キャリッジ88は、電子基板の画像を撮影するように設計された光学素子又はカメラを含むように構成することができる。カメラはキャリッジ88に取り付けられるものとして説明するが、カメラは梁86又は独立したガントリー上に別個に取り付けられてもよいことを理解されたい。カメラは、本明細書においては「視覚システム」又は「撮像システム」と称する場合がある。電子基板を吐出ユニットアセンブリ76の吐出ユニット78及びガントリーシステム74と位置合わせするために、電子基板上に設けられた少なくとも2つの基準部の画像がカメラによって撮影される。電子基板が位置ずれしている場合、ガントリーシステムは、電子基板の実際の位置を考慮するように操作することができる。1つの実施形態において、カメラは、吐出ユニットのカメラからニードルまでのオフセット距離を決定するように較正することができる。
【0032】
別の実施形態において、視覚による位置合わせ及びクリアランス高さの検知は、吐出システム70内に設けられたレーザ又は別の較正された距離測定デバイスを用いて実現されてもよい。
【0033】
ステンシルプリンタ及びディスペンサは、それぞれ、或る特定の部品の交換及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、ステンシルプリンタにおいて、典型的なステンシルは、或る特定の期間、例えば4時間後に交換が必要となる。また、ステンシルは、別個の生産運転のために交換する必要がある。加えて、ステンシルプリンタ及びディスペンサの両方において、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンタ及びディスペンサに供給するはんだペーストカートリッジは、時間とともに、例えば4時間以内に交換する必要がある。別個の生産運転には、異なるはんだペースト材料が必要となる場合がある。ステンシルプリンタにおいては、スクイージーブレード及びツールは使用中の摩耗を免れず、定期的に交換する必要がある。
【0034】
本開示の実施形態は、ステンシルプリンタ及びディスペンサ、又はピックアンドプレイスマシン、ウェーブはんだ付け機及び選択的はんだ付け機、リフロー炉、洗浄機、並びに検査機を含むがこれらに限定されない任意の他のタイプのアセンブリ処理機器の切替プロセスを自動化するように構成された送達システムに関する。1つの実施形態において、送達システムは、ステンシルプリンタ及び/又はディスペンサに係合し、交換及び補充用の部品及び材料をステンシルプリンタ及び/又はディスペンサに供給し、及びステンシルプリンタ及び/又はディスペンサから受け取り、切替を行うように構成された可動カートを含む。例えば、ステンシルプリンタ及びディスペンサは、それぞれ、可動カートを受けるように構成されたドッキングステーションを含むことができる。ドッキングステーションは、可動カートがステンシルプリンタ及び/又はディスペンサと連通することを可能にするインターフェースを含むことができる。単一の可動カートは、切替ステンシル、交換ステンシル、交換はんだペーストカートリッジ、補充はんだペーストカートリッジ、交換スクイージーブレード、補充スクイージーブレード、及び交換支持ツールを含むように構成することができる。切替時において、例えば、ステンシルプリンタ及び/又はディスペンサは、それぞれ、異なる物品を生産するように再構成されなければならない。したがって、例えば、異なるタイプのはんだペーストをステンシルプリンタ及び/又はディスペンサ内で利用し、異なる製品を生産することができる。
【0035】
本明細書において説明する切替プロセスは、各物品を交換及び/又は補充するように構成された単一の可動カートによって実現することができる。他の実施形態において、2つ以上の可動カートを設けてもよい。例えば、可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転のために選択される所定の数のペーストカートリッジを支持するように構成することができる。可動カート及び/又はステンシルプリンタ又はディスペンサは、ペーストカートリッジを識別し、ペーストカートリッジを適した環境に貯蔵し、ペーストカートリッジをステンシルプリンタ及びディスペンサへ並びにステンシルプリンタ及びディスペンサから輸送し、ペーストカートリッジを検査し、ステンシルプリンタとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、ペーストカートリッジ等の使用済み部品をステンシルプリンタ及びディスペンサから取り外すように構成することもできる。また、可動カートは、ペーストカートリッジを長期にわたって貯蔵するように構成することができる。1つの実施形態において、はんだペーストの長期にわたる貯蔵は、0℃~10℃(32°F~50°F)で冷蔵することによって実現することができる。ペーストカートリッジは、この温度範囲を維持する可動カート内の場所で貯蔵することができる。別の実施形態において、可動カートは、ステンシルプリンタ内でカートリッジを使用する準備をするために、使用前にペーストカートリッジを予熱するように構成することができる。
【0036】
本開示の実施形態は、さらに、ステンシルプリンタの補充プロセスを自動化するように構成された送達システムに関する。1つの実施形態において、送達システムは、ステンシルプリンタに係合し、交換及び補充用の部品及び材料をステンシルプリンタに供給する、及びステンシルプリンタから受け取るように構成された可動カートを含む。例えば、ステンシルプリンタは、可動カートを受けるように構成されたドッキングステーションを含むことができる。ドッキングステーションは、可動カートがステンシルプリンタと連通することを可能にするインターフェースを含むことができる。単一の可動カートは、切替ステンシル、交換ステンシル、交換はんだペーストカートリッジ、補充はんだペーストカートリッジ、交換スクイージーブレード、補充スクイージーブレード、及び交換支持ツールを含むように構成することができる。補充時において、例えば、ステンシルプリンタの重要な消耗品は定期的に補充されなければならない。1つの例において、はんだペーストカートリッジは、消耗したときに交換する必要がある。さらに、ステンシルワイパーにおいて使用される紙及び溶剤等の他の物品が補充されてもよい。
【0037】
本明細書において説明される補充プロセスは、全ての補充可能な物品を補充するように構成された単一の可動カートによって実現することができる。他の実施形態において、2つ以上の可動カートを設けることができる。例えば、はんだペーストの補充のために、可動カートは、幾つかの交換はんだペーストカートリッジを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンタは、交換はんだペーストカートリッジを識別し、カートリッジを貯蔵し、カートリッジをステンシルプリンタへ及びステンシルプリンタから輸送し、カートリッジを検査し、ステンシルプリンタとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、使用済みカートリッジ等の使用済み物品をステンシルプリンタから取り外すように構成することもできる。
【0038】
図8を参照すると、1つの実施形態において、概して100で示される可動カートが、アセンブリ装置、例えば、ステンシルプリンタ10又は吐出システム70に対してドッキング位置にあるように示されている。図示されているように、可動カート100は、交換及び/又は補充用の物品を支持するように構成されたフレーム又はハウジング102を含む。図示されているように、可動カート100のフレーム102は、概して矩形であり、それぞれ104で示されるホイール又はキャスター上に支持される。1つの実施形態において、可動カート100は、可動カートのハウジング102を押すことによって作業者によって手作業で移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート100は、プッシュバー又はハンドルを有して構成することができる。別の実施形態において、可動カート100は、可動カート、アセンブリ装置10、70、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用制御装置に関連付けられたリモート制御又は自動制御によって、自動的に移動させられるように構成される。この実施形態において、可動カート100は、好適なモーター及びドライブトレインによって駆動されるホイール104と、可動カートに関連付けられた制御装置106とを含むことができる。または、他の実施形態において、制御装置は、アセンブリ装置10、70、生産ライン、及び/又は可動カートを制御するように構成された何らかの他の専用制御装置と関連付けることができる。可動カート100は、可動カートを貯蔵室から例えばアセンブリ装置10、70へ案内するために、1つ以上のセンサ及び/又は視覚システム、例えばカメラを更に含むことができる。
【0039】
1つの実施形態において、可動カート100は、アセンブリ装置10、70用の物品を貯蔵するように構成された、それぞれ108で示される1つ以上の棚を含む。例えば、棚108は、新しいペーストカートリッジ及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジを支持するように特に設計することができる。1つ以上の棚108は、アセンブリ装置10、70とともに動作するのに適した高さを実現するために、ハウジング102内で鉛直に移動するように構成することができる。幾つかの棚108は、アセンブリ装置10、70内で使用される準備ができている清浄な物品又は新しい物品を支持するために、「清浄な棚」として指定することができる。幾つかの棚108は、アセンブリ装置10、70から取り外されるべき使用済み物品を支持するために「清浄でない棚」として指定することができる。棚108は、様々な物品を受けるために互いに特定の距離だけ間隔を空けることができる。例えば、棚108は、ステンシルフレームの厚さに適応するために、互いに3/8インチ~1 1/2インチだけ間隔を空けることができる。
【0040】
可動カート100は、アセンブリ装置10、70上に設けられたドッキングステーション内でドッキングするように設計されたインターフェースを有して構成することができる。図8に示されている1つの実施形態において、可動カート100は、機械インターフェース及び電子通信インターフェースの両方からアセンブリ装置10、70のドッキングステーション112内でドッキングするように構成されたインターフェース110を含む。特定の実施形態において、可動カート100は、アセンブリ装置10、70の固有の機械ドッキングステーションと嵌まり合う固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械的インターフェース/ドッキングステーションは、幾何学的特徴を含むことができる。別の実施形態において、可動カート100は、ピンを有して構成することができ、ピンは、アセンブリ装置10、70と関連付けられたガイド部内で受けられ、可動カートを完全にドッキングする前に、可動カートがアセンブリ装置と整合させられる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサ、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。可動カート100は、アセンブリ装置10、70のドッキングステーション112内でドッキングすると、アセンブリ装置と物理的に係合することができる、又はアセンブリ装置から間隔を空けることができる。
【0041】
本開示の実施形態は、アセンブリ装置のドッキングステーション内での可動カートの最初の位置決めの後に可動カートをアセンブリ装置と位置合わせするために使用されるシステム及び方法に関する。1つの実施形態において、図9図11を参照すると、アセンブリ装置、例えばステンシルプリンタ10は、可動カート上に設けられた1つ以上のレーザから生成された光を検出するように構成された1つ以上のセンサを含む。図示されているように、1つの実施形態において、可動カートをアセンブリ装置と位置合わせするシステムは、アセンブリ装置10の支持構造上に好適に取り付けられる、それぞれ120で示される2つのセンサを含む。2つのセンサ120が示されているが、システムは、可動カートをアセンブリ装置と位置合わせするために1つのセンサのみを含むことができる。図9図11に示されている1つの実施形態において、センサ120は、ステンシル、例えばステンシル18を支持するように構成されたステンシル支持体122上に取り付けられる。センサ120をステンシル支持体122上に設けることにより、可動カートは、最初にアセンブリ装置の前に位置決めされると、正しい位置に配置される。位置合わせが確認されると、可動カートを移動させて、アセンブリ装置内で可動カートを完全にドッキングすることができる。
【0042】
ディスペンサにおいて、1つ又は2つのセンサ、例えばセンサ120を、処理のために回路基板を支持するツールに近接してディスペンサのフレーム上に設けることができる。別の実施形態において、センサは、ディスペンサの吐出ヘッド(複数の場合もある)を支持するガントリー上に設けることができる。上述したように、2つのセンサ120が示されているが、可動カートをアセンブリ装置と正確に位置合わせするために、1つのセンサのみが必要とされることを理解されたい。1つの実施形態において、センサ120は位置検知ダイオードである。
【0043】
図12図14、特に図14を参照すると、システムは、可動カートのフレーム上に取り付けられたレーザ130、例えば低出力レーザを更に含む。1つのレーザ130が図面に示されているが、システムは、可動カートをアセンブリ装置と位置合わせするために、各センサ120に対して1つずつ、2つのレーザを含むことができる。図示されているように、レーザ130は、アセンブリ装置10上に設けられたセンサ120に向けられる光ビーム132を生成するように構成される。可動カート100のフレーム102上のレーザ130の位置は、アセンブリ装置10のセンサ支持体122上のセンサ120の高さと同じ高さにある。レーザ130は、可動カート100をアセンブリ装置10に位置合わせするために、フレーム102上の任意の好適な位置に設けることができる。
【0044】
図15及び図16を参照すると、図15は、センサ120がアセンブリ装置10に固定される方法を示している。図示されているように、センサ120は、装置10のフレームに固定されたスタンドオフを受けるように構成された取付け穴を有するPCB基板を含む。図16は、レーザ130が可動カート100に固定される方法を示す。図示されているように、レーザ130は、好適な締結具によってフレームに固定された帯電防止プラスチックハウジング131によって可動カート100のフレーム102に取り付けられる。
【0045】
動作時において、可動カートがアセンブリ装置の前に最初に位置決めされると、レーザ130は、アセンブリ装置に向けて光ビーム132を放出し、光ビームは、センサ120に向けられ、センサ120によって受信される。位置合わせされると、可動カートは、アセンブリ装置内で完全にドッキングすることができる。
【0046】
1つの実施形態において、センサ120は、サブシステム、例えば、アセンブリ装置のコントローラ及び/又は可動カート100のコントローラ106に接続することができる出力信号を生成するように構成される。ステンシルシステムの場合、センサ120は、ステンシルプリンタ10のコントローラ14に連結され、コントローラ14によって処理される出力信号を生成することができる。ディスペンサの場合、センサ120は、吐出システム40のコントローラ48に連結され、コントローラ48によって処理される出力信号を生成することができる。アセンブリ装置のサブシステム、例えば、アセンブリ装置のコントローラと関連付けられた好適なソフトウェアは、出力信号をx軸、y軸、及びz軸の相対座標又は絶対座標に変換するように構成される。上述したように、サブシステムを、可動カート100に加えて、又は可動カート100に代えて関連付けることができる。
【0047】
さらに、1つの実施形態において、レーザ130は、レーザが可動カートのx軸、y軸、及びz軸座標に位置合わせされる光ビーム132を放出することを確実にするであろう標的に対して、可動カート100の一方側、例えば、可動カートの棚108に較正される。較正により、設置されたときに光ビーム132が十分に位置合わせされることを確実にし、これは、可動カート100をアセンブリ装置に位置合わせするためにセンサ120及びレーザ130を利用する全てのタイプのアセンブリ装置とともにシステムが動作することを確実にするためには重要である。
【0048】
動作時において、センサ120は、アセンブリ装置内の全ての軸がそれらの初期化位置にあるときに、可動カート上のレーザ130から放出された光ビーム132が、アセンブリ装置のサブシステムがx軸位置合せ及びz軸高さ、例えばアセンブリ装置のステンシルの高さについて0,0位置として解釈する公称位置となるような位置で、アセンブリ装置上に取り付けられる。この情報は、可動カートがアセンブリ装置に対して正しい又は適切な位置にあり、例えばステンシルを可動カートからアセンブリ装置へ移送する機能を実行することが許容可能であることをアセンブリ装置に通知する。この場合のy軸は、較正中の光強度測定に使用される。0,0以外の読み取り値が検出された場合、これは位置ずれとして解釈され、アセンブリ装置又は可動カートは、可動カートがドッキングされたときの可動カート及びアセンブリ装置の適切な位置合わせを知らせるために、0,0の読み取り値に戻るために必要な調整を行うことができる。
【0049】
初期化時に0,0以外の読み取り値がある場合、これは、ホーム位置からのオフセットとして解釈され、アセンブリ装置のコントローラソフトウェアによって、又は可動カートのコントローラによって、又は両方によって補償することができる。1つの実施形態において、可動カートのコントローラ(レーザを含む)は、「CANバス」システムによってアセンブリ装置のコントローラ(センサを含む)と通信する。
【0050】
1つの実施形態において、センサは、独国ベルリンのFirst Sensor AGによって提供されるDL100-7 PCBA3検知ダイオードである。センサは、10mm×10mmの活性領域位置検知フォトダイオード及び関連する回路部から構成されるデュオラテラル位置検知モジュールを有するように構成される。検知ダイオードは、フォトダイオードの表面上の光スポットの位置を検知するように構成され、両方の軸の電圧アナログ及び両方の軸のレーザスポット強度を提供する。
【0051】
1つの実施形態において、レーザは、カリフォルニア州ダイヤモンドバーのInfiniter Laserによって提供されるVLM-635/650-02シリーズである。レーザは、調整可能な焦点範囲、例えば、100mm~無限を有する工業用赤色ドットレーザである。
【0052】
1つの実施形態において、可動カートは、可動カートからアセンブリ装置に、及びアセンブリ装置から可動カートに物品を輸送するために使用される、1つ以上のデバイスを有して構成することができる。例えば、デバイスは、基板ツールトレイ等の物品に係合し、ツールトレイをアセンブリ装置から可動カートのトレイへ移動させ、異なるツールトレイを可動カートからアセンブリ装置へ移動させるグリッパーを含むことができる。
【0053】
1つの実施形態において、可動カートは、好適なモーター及びドライブトレインによって駆動されるホイールと、可動カートの移動を制御するように構成された制御装置とを含む。可動カートは、モーター及びドライブトレインを介して可動カートの移動に動力を供給する電源、例えばバッテリーを更に含む。
【0054】
幾つかの実施形態において、可動カートは、コントローラを含み、コントローラは、コントローラによって得られた動作パラメーターに基づいて可動カートの動作を制御するように適合される。コントローラは、アセンブリ装置のコントローラ及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラと通信するように構成することができる。複数の可動カートを有する1つの実施形態において、コントローラは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は他のタイプのネットワークを介して互いに通信する、各可動カート内に設けられた複数のコントローラを具現することができる。他の実施形態において、可動カートのコントローラの動作を制御するためにマスターコントローラを設けることができる。各可動カートには、コントローラに動作可能に連結されるディスプレイを設けることができる。ディスプレイは、限定はしないが、満杯のペーストカートリッジ及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジの数等、可動カートの動作パラメーターを表示するように適合される。このような情報を取得するために、適したモニターを設けることができる。代替的に、又は前述の実施形態に加えて、アセンブリ装置内に設けられたディスプレイ及び/又は生産ラインと関連付けられたディスプレイ上に動作パラメーターを表示させてもよい。
【0055】
他の実施形態において、コントローラは、1つ以上の可動カート専用のコントローラとすることができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、可動カート上の物品についての材料識別は、物品を操作するデバイスと、物品をスキャン及び識別するスキャナーとを含むことができる。例えば、ペーストカートリッジについて、可動カートは、ペーストカートリッジを回転させ、ペーストカートリッジ上に設けられたコード又は所定の識別マークを可動カート上に設けられたスキャナーに対して位置合わせするピンチホイールを有するように構成することができる。システムは、ペーストカートリッジと関連付けられた材料識別をアセンブリ装置のレシピ及び生産時間等に関連付けるように構成される。1つの実施形態において、物品を識別するバーコードを実装することができる。例えば、バーコードは、UPCコード用の1Dスキャナー、QRCコード用の2Dスキャナー、物品上に貼り付けられた印刷ラベル、又は物品上にエッチングされたレーザエッチングラベルを含むことができる。別の実施形態において、物品を識別するRFIDシステムを実装することができる。例えば、RFIDシステムは、物品に貼り付けられるRFIDタグと、可動カートと関連付けられたRFIDリーダーとを含むことができる。RFIDシステムを用いることにより、リーダーと物品との間の見通し線が不要となる。また、可動カート内の全ての物品を識別するためのスキャンが不要となる。別の実施形態において、物品を識別する撮像又は視覚システムを実装することができる。視覚システムは、ステンシルプリンタ若しくはディスペンサと関連付けられた、又は可動カート上の撮像システムと同様の撮像システムであり得る。
【0057】
幾つかの実施形態において、可動カート上にストックされた物品を追跡するためにデータベースが設けられる。1つの実施形態において、データベースは、オープンアプリケーション(App)アーキテクチャを含むことができるとともに、データをアセンブリ装置にプッシュするように構成することができる。可動カートは、アセンブリ装置と通信してアセンブリ装置及び/又は生産ラインに対してデータをプッシュ/プルする、又は生産ラインと直接的に通信するように構成することができる。データベースは、ジョブ情報又は材料情報を含むことができる。データベースは、生産ライン、アセンブリ装置、又はこれら両方と関連付けられた製造実行システム(MES)と更に通信することができる。MESシステムは、生産運転にどの材料が必要かを知るように構成することができる。可動カートは、アセンブリ装置への物品の送達を調整するためにMESシステムと通信するように構成することができる。
【0058】
データベースは、識別情報、例えばバーコード番号に基づいて物品についての情報を取り出すように更に構成することができる。1つの実施形態において、可動カートから来る材料を受け入れるようにアセンブリ装置及び/又は可動カートがプログラムされる中央管理システムを設けることができる。可動カートは、可動カート上の材料を識別するためにデータベースを更新し、可動カート及び/又はアセンブリ装置と関連付けられたデータベースにネットワークから情報をロードするようにプログラムされ、情報は更にMESシステムに関連付けられる。
【0059】
データベースは、使用量及び消費量等の追加の情報を記憶するように更に構成することができる。データベースは、情報をローカル又はリモートに記憶するように構成することができるとともに、1つ以上の生産運転と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。例えば、データベースは、限定はしないが、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールの追跡可能性、ペースト使用量、サイクル等を含むデータを取得及び記憶するように構成することができる。
【0060】
データベースは、交換/補充が必要な場合に予測データを共有するように構成することができる。例えば、ペーストカートリッジに関する情報の記憶に対し、データベースは、ペーストカートリッジへの補充がいつ必要かについての情報を記憶すること、ペーストカートリッジのペーストが少ない場合に特定の機能を実行すること、ペーストカートリッジが少ないことについての警報及び/又は報告をトリガーすること、アセンブリ装置及び/又は生産ラインと関連付けられた在庫管理システムへ信号を送ること、動作パラメーター及び実際の使用並びに上流/下流の機器の活動に基づく消費可能な使用量についての分析を実行すること、交換又は保守(アセンブリ装置について及び/又は可動カートについて)を予測すること、並びに複数箇所に対する相関を行ってペーストカートリッジをいつ切り替えるかについて予測することのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。データベースは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツール等、他の変更可能/消費可能な物品について予測データを共有するように構成することができる。
【0061】
データベースは、ロット追跡可能性と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。加えて、これらの物品がアセンブリ装置に挿入される際に位置合わせ、向き、方向、前後、上下が確実に正しくなるように基板のRFID若しくは機械的キーイング又はステンシルのステンシルフレームが設けられる。この情報は、物品が倉庫から輸送される前、及び/又は物品がアセンブリ装置に設置される前に、正しい向き及び/又は嵌め合いを照合するために使用することができる。低コストなリーダーによりこの機能を実行することができる。
【0062】
1つの実施形態において、リモート制御装置は、クラウド又はISPを介してデータベースと通信して、上述の機能を提供するように構成することができる。別の実施形態において、データベースは、アセンブリ装置又は可動カート又は生産ライン用のコンピューター制御システムの一部とすることができる。
【0063】
幾つかの実施形態において、可動カートは、材料を貯蔵するように構成することができる。可動カートは、材料がどこから来るのか及び材料がどこへ行くのかについて適応する柔軟性を有するように構成することができる。加えて、可動カートは、特定の材料が可動カート上のどこに位置するのかを識別するように構成することができる。或る特定の実施形態において、場所は、自動的な送達又は手作業による送達に関わらず、リモート、ローカル、可動カート上、及び/又はアセンブリ装置上である。上述のように、可動カートは、環境パラメーターを制御するように構成することができる。例えば、可動カートは、貯蔵されたペーストカートリッジを冷やす、使用の準備ができているペーストカートリッジを加熱する、及び使用されたがペーストを保持しているペーストカートリッジを冷やすことにより、ペーストカートリッジ内に収容されたペーストの温度を制御するように構成することができる。1つの実施形態において、ハウジングは断熱することができ、ハウジングひいてはペーストカートリッジの内部を冷却又は加熱するために冷却/加熱ユニットを設けることができる。可動カートは、近々行われる生産に基づいてペーストカートリッジをいつ加熱する/冷やすかを予測する、貯蔵寿命についての時間を追跡する、及び各ペーストカートリッジを適切な温度に正しい時間で個別に制御するように更に構成することができる。他の実施形態において、可動カートは、ペーストカートリッジを移動させるカートリッジシューターを含むことができる。可動カートは、復水を回避するために湿度を制御するように更に構成することができる。可動カートは、清浄な環境、例えば、標準メカニカルインターフェース(SMIF)環境で動作するように更に構成することができる。
【0064】
幾つかの実施形態において、可動カートは、在庫管理を実行するように構成することができる。具体的には、可動カートは、材料がどこに位置するのか、材料がどれくらい使用されるのか、材料がどのように使用されるのか、材料がいつ使用されるのかを識別し、材料及び材料についての情報を顧客在庫管理システムと関連付け、基板当たり又は基板のロット当たりに消費される材料のタイプを追跡するように構成することができる。
【0065】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カート上に貯蔵される物品を整理するように構成することができる。上述のように、1つの実施形態において、限定されないが、ペーストカートリッジを含む複数の資源を貯蔵、輸送、及び送達するために、1つの可動カートを設けることができる。別の実施形態において、可動カートは、単一の資源又は物品を貯蔵し、アセンブリ装置に輸送及び送達するように構成することができる。可動カートは、複数の生産ラインに供するように構成することができる。別の実施形態において、可動カートは、1つのアセンブリ装置に供するように構成することができる。
【0066】
幾つかの実施形態において、可動カートは、物品を可動カートからアセンブリ装置へ及びアセンブリ装置から可動カートへ輸送するように構成することができるとともに、可動カートとアセンブリ装置との間の高度差を計算に入れることが可能なように構成することができる。輸送は、自動化することができる、又は手作業とすることができる。1つの実施形態において、可動カートは、可動カートと関連付けられた無人搬送車(AVG)技術によって移動させることができる、又はリモート制御することができる。別の実施形態において、可動カートは、自律的に移動するように構成することができる。別の実施形態において、可動カートは、手作業で移動されるように構成することができる。更に別の実施形態において、可動カートは、可動カート上に貯蔵される物品を自動的に及び/又は手作業により移動するように構成することができる。例えば、可動カートは、物品を自動で移動させるように構成することができるとともに、物品が手作業で移動される事前に計画された活動の中断に備えることができる。
【0067】
幾つかの実施形態において、可動カートの輸送機能の実行と関連付けられたタイミングは、シフト変更、例えば、作業員のシフト、予定された保守、オンデマンドの活動、例えば、レシピ変更、及び前兆となる事象(ジャストインタイム交換)を計算に入れるようにプログラムすることができる。タイミングは、1つ以上の可動カートを用いた複数ラインバランス制御要件を満たすとともに、生産ライン上におけるリアルタイムのオンデマンド材料供給の需要を満たすようにプログラムすることができる。
【0068】
幾つかの実施形態において、可動カートは、検査を実行するように構成される。例えば、可動カートは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールを含む、カート上及びカート外の物品に対して検査することができる。1つの実施形態において、可動カートと関連付けられた視覚システムは、物品の画像を得るように構成することができる。コントローラと連動した視覚システムは、清浄さ、損傷、摩耗、及び識別情報読取可能性、例えば、バーコードラベルが摩耗しているか、清浄でないか、又は破れているかを検査するように構成することができる。視覚システムは、任意のタイプの2D、3D、又はカラーカメラを具現することができる。
【0069】
幾つかの実施形態において、可動カートは、機械インターフェース及び電子通信インターフェースの両方からアセンブリ装置とインターフェース接続するように構成される。1つの実施形態において、可動カートは、アセンブリ装置の固有の機械インターフェースと嵌まり合う固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械インターフェースは、幾何学的特徴とすることができる。別の実施形態において、可動カートは、ピンを有して構成することができ、ピンは、アセンブリ装置と関連付けられたガイド部内で受けられ、可動カートを完全にドッキングする前に、可動カートがアセンブリ装置と整合させられる。ピンとガイド部とを逆にして、ピンをアセンブリ装置に設け、ガイドを可動カートに設けてもよい。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサ、ラッチ等の他のタイプのガイド部を使用することができる。
【0070】
幾つかの実施形態において、インターフェース及びドッキングステーションは、可動カートをアセンブリ装置に対して適所に維持するクランプシステムを有して構成することができる。例えば、磁気クランプシステムを利用することができる。
【0071】
幾つかの実施形態において、アセンブリ装置は、複数のドッキングステーション、例えば、5つのドッキングステーションを有して構成することができる。ドッキングステーションは、アセンブリ装置の前部、又はアセンブリ装置の後部に設けることができる。
【0072】
可動カート及び/又はアセンブリ装置は、可動カートがアセンブリ装置に対してドッキングできる及びインターフェース接続できるかどうかを照合するように構成することができる。1つの実施形態において、照合は、可動カートが適切な位置にあってアセンブリ装置とインターフェース接続する準備ができているかどうかを確認するために提供することができる。この照合プロセスにより、正しい材料が可動カート上にあるかどうか、及び可動カート材料情報をMESシステムから受け取ることができるか又はローカルで識別できるかどうかを更に判定することができる。正しくない場合、可動カートは、誤った又は損傷した材料が可動カート上にある場合に警報を起動する及び/又は作業者に警告するように構成することができる。
【0073】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カートがアセンブリ装置にドッキングされると可動カート上へ及び可動カート外へ物品を移動させる作動デバイス又はアクチュエータを有して構成することができる。アクチュエータの実施形態は、可動カート、アセンブリ装置、又はこれら両方に実装することができる。別の実施形態において、物品は、可動カートに対して手作業で積み込む及び積み下ろすことができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、可動カートは、生産ラインとインターフェース接続するように構成することができる。この実施形態によれば、生産ラインの作業者は、アセンブリ装置上における可動カートの正しい場所を確認するとともに受け入れを知らせることができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、可動カートは、オープンプラットフォームを介してアセンブリ装置、生産ライン、及び/又は生産ライン内における選択されたマシンと通信するように構成することができる。通信システムは、有線システム、無線システム(共通ネットワーク、メッシュ、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Zigbee(登録商標)、WAN、Nodes、Li-Fi等を介して)、有線及び無線システムの組み合わせ、並びに赤外線(IR)システムを含むことができる。
【0076】
幾つかの実施形態において、可動カートは、専用の電源を有して構成することができる。1つの実施形態において、可動カートは、可動カート内に設けられた自動化された構成要素、例えば、可動カートの内外へステンシルを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へペーストカートリッジを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へスクイージーブレードを移動させるために使用される機構、及び可動カートの内外へツールを移動させるために使用される機構に給電するように構成されたバッテリーを有する。他の実施形態において、可動カートは、無停電電源装置を有して構成することができる。電源は、「ドッキング」されている間に作動を支持するように構成することができる(ドッキングされているときはアセンブリ装置からの高電圧、そうでなく、ドッキング解除されたときは低電圧)。電源は、自律動作のために再充電する、例えば、アセンブリ装置によって提供される電力からバッテリーを再充電するように構成することができる。
【0077】
幾つかの実施形態において、可動カートは、アセンブリ装置とともに機能するように構成することができる。例えば、可動カートは、物品を移送する前に、例えば「ペーストカートリッジ#1234を私にください」といった、アセンブリ装置とのハンドシェーク機能を提供するように構成することができる。可動カート及びアセンブリ装置は、通信プロトコル及び/又は何が消費可能かについてのライブラリリファレンスを有して構成することができる。可動カートは、可動カートが正しい物品を有しているかどうかを判定するように構成することができる。ハンドシェーク機能は、例えば、「ここにペーストカートリッジ#1234があります」といった、物品の正しい移送を確実にする、及び/又は例えば「私はペーストカートリッジ#1234を有しています」といった、物品の後続の移送を確実にするように構成することができる。1つの実施形態において、モバイルデバイスは、可動カート内の物品をスキャン及び識別するとともに、例えば、物品が使用の準備ができているかどうか、洗浄が必要であるかどうか等を判定するように構成することができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カート内の物品の扱い及び取出しと関連付けられたエラーに対処するように構成することができる。例えば、可動カートは、一当事者による不完全なアクション、物品の不完全な移送、例えば、引っかかった又は詰まった物品、移送の落下、例えば、「私はペーストカートリッジ#1234をあなたに渡しました、持っていませんか?」、及び手作業による介入又はマニュアルオーバーライド、例えば、「ここで、助けましょう」を検知するように構成することができる。1つの実施形態において、可動カートと関連付けられたコントローラは、静電放電制御、データ回復及び/又は保護を実行するように構成することができる。
【0079】
幾つかの実施形態において、可動カートは、より高い能力を有して構成することができる。全ての機器を正しい高さにインデックス化することに加えて、可動カートは、取り付けのために全ての機器をマシンガントリーに対して押入れ/押出しする必要が生じ得る。
【0080】
幾つかの実施形態において、アセンブリ装置の既設のマシンガントリー、レール、及びプリントヘッドは、物品を内外へ往復させるように構成することができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、可動カートは、ペーストカートリッジを積み込む/積み下ろすためにペーストカートリッジインデクサーを有して構成することができる。
【0082】
幾つかの実施形態において、可動カートは、アセンブリ装置、生産ライン、及び生産ラインと関連付けられた倉庫と通信するように構成することができる。
【0083】
幾つかの実施形態において、可動カートは、電気/空気インターフェースを有して構成することができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、可動カートは、場所、温度、及び他のデータを含め、例えばはんだペーストカートリッジ等、可動カート上における新しい及び使用済の消耗品を追跡するように構成することができる。
【0085】
幾つかの実施形態において、可動カートは、バーコードリーダー又はRFIDリーダー等の適したスキャンデバイスを用いて全ての消耗品をスキャンするように構成することができる。
【0086】
幾つかの実施形態において、可動カートは、消耗品を適切に位置させるインデックス機構を有して構成することができる。
【0087】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カートに問題がある場合に可動カートをアセンブリ装置から接続解除するバイパススイッチを有して構成することができる。
【0088】
幾つかの実施形態において、可動カートは、能動的又は受動的に環境制御されるように構成することができる。
【0089】
幾つかの実施形態において、可動カートは、スマートフォン統合可能なアプリケーション(App)によって制御されるように構成することができる。
【0090】
本明細書において使用される場合、「自動化された」又は「完全に自動化された」切替は、人間の介入なしに物品を交換又は補充することを説明している。
【0091】
本明細書において使用される場合、「部分的に自動化された」切替は、幾分かの又は限定された人間の介入により物品を交換又は補充することを説明している。
【0092】
本明細書において使用される場合、「輸送(transport)」又は「輸送する(transporting)」は、手作業又はマシンを用いて物品を1つの位置から別の位置へ移動させることを説明している。
【0093】
本明細書において使用される場合、「設置(install)」又は「設置する(installing)」は、使用の準備ができた位置に物品を載置するプロセスを説明している。
【0094】
本明細書において開示されているコンセプトは、ピックアンドプレイスマシン、リフロー炉、ウェーブはんだ付け機、選択的はんだ付け機、検査ステーション、及び洗浄ステーションを含む、電子基板を作製するために使用される他のタイプの機器に利用してもよい。例えば、ツールの交換に向けられたコンセプトは、電子部品を電子基板に搭載するために使用されるピックアンドプレイスマシンに利用することができる。別の例において、物品の交換に向けられたコンセプトは、ウェーブはんだ付け機及び選択的はんだ付け機内におけるはんだの交換、及び洗浄ステーション内における製品の洗浄に利用することができる。
【0095】
このように、少なくとも1つの実施形態の幾つかの態様を記載したが、様々な変形、変更、及び改良が当業者には容易に想到されることが理解される。そのような変形、変更、及び改良は、本開示の一部であることが意図されるとともに、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は単に例としてのものである。
図1
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【国際調査報告】