(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】採血アセンブリおよび関連するデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240125BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542859
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022012409
(87)【国際公開番号】W WO2022155400
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジテンドラ クマル サティヤナラヤナ ナイドゥ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA22
4C267AA24
4C267AA28
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB24
4C267BB31
4C267BB40
4C267CC08
4C267HH20
(57)【要約】
針アダプタは、遠位端および近位端を含み得る本体を含み得る。針アダプタは、本体を通って延びる針を含み得る。針は、遠位先端と近位先端を含んでよい。遠位先端は、本体の遠位端の遠位に延在してもよい。近位先端は、本体の近位端の近位に延在してもよい。針アセンブリは、本体に結合され、近位先端を覆って延びるシースを含み得る。針アセンブリは、本体を取り囲む疎水性ベント要素を含み得る。針アセンブリは、本体の遠位端に結合された隔壁を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端および近位端を備える本体と、
前記本体を通って延在し、遠位先端および近位先端を備える針であって、前記遠位先端が前記本体の前記遠位端の遠位方向に延在し、前記近位先端が前記本体の前記近位端の近位方向に延在する、針と、
前記本体に結合され、前記近位先端を覆って延在するシースと、
前記本体を取り囲む疎水性ベント要素と、
前記本体の前記遠位端に結合された隔壁と、
を含む、針アダプタ。
【請求項2】
前記針は、ノッチを含み、前記本体は、前記針の前記ノッチと整列したノッチを含み、前記疎水性ベント要素は、前記本体の前記ノッチの外縁に接触する、請求項1に記載の針アダプタ。
【請求項3】
前記疎水性ベント要素が、前記隔壁の近位端および前記本体内の段差状の表面に接触する、請求項1に記載の針アダプタ。
【請求項4】
前記本体は、前記隔壁を引っ張るように構成されたキャッチ機構を備える、請求項1に記載の針アダプタ。
【請求項5】
前記本体は、前記本体の前記遠位端と前記本体の前記近位端との間に配置されたカラーをさらに備える、請求項1に記載の針アダプタ。
【請求項6】
前記カラーがねじ山を含む、請求項5に記載の針アダプタ。
【請求項7】
前記疎水性ベント要素の外径が、前記隔壁の外径よりも大きい、請求項1に記載の針アダプタ。
【請求項8】
前記針を通って延びるガイドワイヤをさらに備える、請求項1に記載の針アダプタ。
【請求項9】
前記ガイドワイヤの遠位端は、前記ガイドワイヤの遠位先端から離間された溝を含み、前記ガイドワイヤは、回転するように構成される、請求項8に記載の針アダプタ。
【請求項10】
針アダプタであって、
遠位端および近位端を備える本体と、
前記本体を通って延在し、遠位先端および近位先端を備える針であって、前記遠位先端が前記本体の前記遠位端の遠位方向に延在し、前記近位先端が前記本体の前記近位端の近位方向に延在する、針と、
前記本体に結合され、前記近位先端を覆って延在するシースと、
前記本体を取り囲む疎水性ベント要素と、
前記本体の前記遠位端に結合された隔壁と、
を備える、針アダプタを含み、
第1の近位ポート、第2の近位ポート、および遠位ポートを含むYアダプタであって、前記針アダプタは、前記第1の近位ポートに結合され、前記隔壁は、前記第2の近位ポートと整列され、通気口経路は、前記隔壁の外縁に沿って、前記疎水性ベント要素を通って、前記本体の外面と前記第1の近位ポートの内面との間を通って、前記第1の近位ポートの外へ近位方向に延在する、Yアダプタを含む、
採血アセンブリ。
【請求項11】
前記針は、ノッチを含み、前記本体は、前記針の前記ノッチと整列したノッチを含み、前記疎水性ベント要素は、前記本体の前記ノッチの外縁に接触する、請求項10に記載の採血アセンブリ。
【請求項12】
血流経路が、前記針を通って、前記本体内の前記ノッチを通って前記疎水性ベント要素に延びる、請求項10に記載の採血アセンブリ。
【請求項13】
前記本体は、前記本体の前記遠位端と前記本体の前記近位端との間に配置されたカラーをさらに備え、前記通気口経路は、前記カラーの内面と前記第1の近位ポートの外面との間に延在する、請求項10に記載の採血アセンブリ。
【請求項14】
前記遠位ポートと統合された延長チューブをさらに備える、請求項10に記載の採血アセンブリ。
【請求項15】
前記採血アセンブリは、カテーテルアダプタと、カテーテルから遠位方向に延びる前記カテーテルとをさらに含み、前記延長チューブの遠位端は、カテーテルアダプタ内に統合され、前記延長チューブの近位端は、前記遠位ポート内に統合される、請求項10に記載の採血アセンブリ。
【請求項16】
針アダプタであって、
遠位端および近位端を備える本体と、
前記本体を通って延在し、遠位先端、近位先端、および前記遠位先端と前記近位先端との間に配置されたノッチを備える針であって、前記遠位先端が前記本体の前記遠位端の遠位方向に延在し、前記近位先端が前記本体の前記近位端の近位方向に延在する、針と、
前記本体に結合され、前記近位先端を覆って延在するシースと、
前記本体の壁内に配置され、前記ノッチと流体連通する疎水性ベント要素と、を備える、針アダプタを含む、
採血アセンブリ。
【請求項17】
前記本体の前記遠位端に固定された隔壁をさらに備える、請求項16に記載の採血アセンブリ。
【請求項18】
前記隔壁は、接着剤を介して前記本体の前記遠位端に固定される、請求項17に記載の採血アセンブリ。
【請求項19】
第1の近位ポート、第2の近位ポート、および遠位ポートを含むYアダプタをさらに備え、前記針アダプタは、前記第1の近位ポートに結合され、前記隔壁は、前記第2の近位ポートの近位である、請求項16に記載の採血アセンブリ。
【請求項20】
前記隔壁の近位端が、前記第1の近位ポートの近位端と同じ高さである、請求項16に記載の採血アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月15日に出願された「Blood Draw Assembly and Related Devices and Methods」と題された米国仮出願第63/138,169号の優先権を主張し、その全体の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、患者の血管系に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、または全非経口栄養を注入するために使用され得る。
【0003】
カテーテルは、末梢静脈内(「IV」)カテーテルを含み得る。この場合、カテーテルは、鋭い遠位先端を有する導入針の上に取り付けられ得る。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位先端が、カテーテルの遠位先端を越えて延伸し、針の斜角(bevel)を患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は、一般的に、皮膚を通して患者の血管系へと浅い角度で挿入される。
【0004】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルシステムのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。導入針の配置が確認されると、臨床医は導入針を取り外し、カテーテルを将来の流体注入のために所定の位置に残してもよい。
【0005】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、一般に、採血アセンブリおよび関連するデバイスおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、採血アセンブリは、本体を含み得る針アダプタを含み得る。いくつかの実施形態では、本体は、遠位端および近位端を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、針アダプタは、本体を通って延びる針を含み得る。いくつかの実施形態では、針は、遠位先端と近位先端を含んでよい。いくつかの実施形態では、遠位先端は、本体の遠位端の遠位方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、近位先端は、本体の近位端の近位方向に延在してもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、針アダプタは、本体に結合され、近位先端を覆って延びるシースを含み得る。いくつかの実施形態では、針アダプタは、本体を取り囲んでもよい疎水性ベント要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針アダプタは、本体の遠位端に結合された隔壁を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、採血アセンブリは、第1の近位ポート、第2の近位ポート、および遠位ポートを含み得るYアダプタを含み得る。いくつかの実施形態では、針アダプタは、第1の近位ポートに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁は、第2の近位ポートと整列されてもよい。いくつかの実施形態では、通気口経路は、本体の外面と第1の近位ポートの内面との間で、疎水性通気口要素を通って、隔壁の外縁に沿って近位方向に延びてもよく、第1の近位ポートを出てもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、針は、窪み部(notch)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体は、針のノッチと整列したノッチを含み得る。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素は、本体のノッチの外縁に接触し得る。いくつかの実施形態では、血流経路は、針を通って、本体内のノッチを通って疎水性ベント要素に延在する。
【0010】
いくつかの実施形態では、本体は、本体の遠位端と本体の近位端との間に配置されたカラー(collar)を含み得る。いくつかの実施形態では、カラーは、ねじ山(threading)を含み得る。いくつかの実施形態では、通気口経路は、カラーの内面と第1の近位ポートの外面との間に延在してもよい。いくつかの実施形態では、採血アセンブリは、遠位ポートと一体化された延長チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、採血アセンブリは、カテーテルアダプタと、カテーテルから遠位方向に延びるカテーテルと、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブの遠位端は、カテーテルアダプタ内に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、延長チューブの近位端は、遠位ポート内に統合されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素は、隔壁の近位端および本体内の段差状の表面に接触し得る。いくつかの実施形態では、本体は、隔壁を引っ張るように構成されたキャッチ機構を含み得る。いくつかの実施形態では、本体は、本体の遠位端と本体の近位端との間に配置されたカラー(collar)を含み得る。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素の外径は、隔壁(septum)の外径よりも大きくてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、採血アセンブリは、針を通って延びるガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、ガイドワイヤの遠位先端から離間された溝を含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、回転するように構成され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素は、本体の壁内に配置され、ノッチと流体連通し得る。いくつかの実施形態では、隔壁は、本体の遠位端に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁は、接着剤を介して本体の遠位端に固定され得る。いくつかの実施形態では、隔壁は、第2の近位ポートの近位にあってもよい。いくつかの実施形態では、隔壁の近位端は、第1の近位ポートの近位端と同じ高さである。
【0014】
上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている配置および手段に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。それ故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
【
図1A】
図1Aは、先行技術の採血アセンブリの上面斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、先行技術の採血アセンブリの一部の断面図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、例示的な針アダプタを示す、例示的な採血アセンブリの上面斜視図である。
【
図2D】
図2Dは、いくつかの実施形態による、例示的な通気口経路を示す、例示的なYアダプタに結合された
図2Aの針アダプタの断面図である。
【
図2E】
図2Eは、いくつかの実施形態による、
図2Aの針アダプタの一部の拡大断面図である。
【
図2F】
図2Fは、いくつかの実施形態による、例示的な血流経路を示す、Yアダプタに結合された
図2Aの針アダプタの断面図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、
図2Aの針アダプタおよび例示的ガイドワイヤの上面斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤの例示的な遠位端の上面斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的な針アダプタを示す、採血アセンブリの上面斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、Yアダプタに結合された
図4Aの針アダプタの上面斜視図である。
【
図4E】
図4Eは、いくつかの実施形態による、Yアダプタに結合された
図4Aの針アダプタの断面図である。
【
図4F】
図4Fは、いくつかの実施形態による、Yアダプタから取り外された
図4Aの針アダプタの上面斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的な針アダプタを示す、採血アセンブリの上面斜視図である。
【
図5C】
図5Cは、いくつかの実施形態による、採血アセンブリから取り外された
図5Aの針アダプタの上面斜視図である。
【
図5D】
図5Dは、いくつかの実施形態による、例示的な直線ルアーアダプタから取り外された
図5Aの針アダプタの断面図である。
【
図5E】
図5Eは、いくつかの実施形態による、直線ルアーアダプタに結合された
図5Aの針アダプタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで
図1A~1Bを参照すると、先行技術の採血アセンブリ10が示されている。先行技術の採血アセンブリ10は、先行技術の針アダプタ12を含み、これは、先行技術の針アダプタ12を介して採血した後に血液の痕跡を蓄積する傾向がある。血液の痕跡は、洗浄することが困難であり、先行技術の針アダプタ12は微生物が増殖しやすい。血液の痕跡(traces)は、カニューレ14と隔壁16との間の空間15、先行技術の針アダプタ12の内面の湾曲したまたは傾斜した部分18、および延長チューブ22に近接する内面の段差部分20など、いくつかの場所で発生する。先行技術の針アダプタ12はまた、背圧のために作成されたデッドスペース24を含み、静脈確認または血液フラッシュバックは、背圧のために明確でないことが多い。さらに、先行技術の針アダプタ12は、プライミング流体と純粋な血液との混合を容易にする。
【0017】
ここで
図2Aを参照すると、いくつかの実施形態による、採血アセンブリ26が示されている。いくつかの実施形態では、採血アセンブリ26は、カテーテルアダプタ28およびカテーテル30から遠位に延びるカテーテル30を含み得るカテーテルアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、針ハブに結合された導入針31は、カテーテル30を通って延在してもよく、カテーテル30を血管系に挿入した後、採血または採血の前に除去されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル30は、末梢静脈内カテーテル、中央カテーテル、または末梢に挿入された正中線カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、例えば、BD NEXIVA(商標)クローズドIVカテーテルシステムまたはBD SAF-T-INTIMA(商標)クローズドIVカテーテルシステムなどの、Becton Dickinson&Company of Franklin Lakes,New Jarseyから入手可能な任意の適切なカテーテルアセンブリ、または別の適切なカテーテルアセンブリを含んでもよく、またはそれらに対応してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ28は、遠位端32、近位端34、および遠位端32と近位端34との間に延びる管腔(lumen)を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ28は、遠位端32と近位端34との間に配置されたサイドポート36を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、採血アセンブリ26は、採血アセンブリ26のYアダプタ40に結合され得る針アダプタ38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、Yアダプタ40に事前に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、Yアダプタ40は、遠位ポート42、第1の近位ポート44、および第2の近位ポート46を含み得る。いくつかの実施形態では、Yアダプタは、遠位ポート42、第1の近位ポート44、第2の近位ポート46よりも多くのポートを含むアダプタによって交換されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、採血アセンブリ26は、延長チューブ39を含んでもよく、延長チューブ39は、サイドポート36と一体化された遠位端および遠位ポート42と一体化された近位端を含んでもよい。いくつかの実施形態では、クランプ48は、延長チューブ39上に配置されてもよく、延長チューブ39を通る血流を防止するために、非クランプ位置からクランプ位置に移動してもよい。いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、第1の近位ポート44および採血アセンブリ26から空気を排出するように構成されたベントキャップ50に結合され得る。
【0021】
ここで
図2B~2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、本体52を含み得る。いくつかの実施形態では、本体52は、遠位端54および近位端56を含み得る。いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、本体52を通って延びる針58を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針58は、遠位先端60および近位先端62を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位先端60は、本体54の遠位端52の遠位に延在してもよい。いくつかの実施形態では、近位先端62は、本体52の近位端56の近位に延在してもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、本体52に結合され、鋭利であり得る近位先端62の上に延在するシース64を含み得る。いくつかの実施形態では、シース64は、ゴムおよび/またはエラストマーであってもよい。いくつかの実施形態では、採血デバイスを針アダプタ38に結合することに応答して、近位先端62は、シース64を貫通し得、シース64は、本体52に向かって圧縮され得、針58は、採血デバイスに挿入され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、採血チューブまたはニュージャージー州フランクリンレイクスのBecton Dickinson&Companyから入手可能なBD Vacutainer(登録商標)採血チューブを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、疎水性ベント要素66を含み得る。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、リングを含んでもよく、本体52を取り囲んでもよい。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、膜を含み得る。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、空気を通過させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、流体を吸収し、および/または流体が疎水性ベント要素66を通過するのを防いでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、本体52の遠位端54に結合され得る隔壁68を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体52は、Yアダプタ40からの針アダプタ38の取り外しに応答して、隔壁68を引っ張るように構成されたキャッチ機構70を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キャッチ機構70は、溝または環状溝を含み得る。いくつかの実施形態では、隔壁68は、キャッチ機構70の内側に適合し得る突起を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位先端60は、隔壁68の遠位に配置されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、本体52は、本体52の遠位端54と本体52の近位端56との間に配置されたカラー72を含み得る。いくつかの実施形態では、本体52の外面は、空気チャネルを提供するための半径方向溝74を含み得る。
【0026】
ここで
図2D~2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、針アダプタ38は、例えば、
図2Dに示されるように、第1の近位ポート44に結合され得る。いくつかの実施形態では、隔壁68は、第2の近位ポート46と整列されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁68の遠位端は、隔壁68の近位端よりも大きい直径を含み得る。いくつかの実施形態では、隔壁68の遠位端は、第2の近位ポート46を通って近位に流れるプライミング流体75が隔壁68を超えて遠位に流れるのを防ぐように、Yアダプタ40の内面とシールを形成し得る。いくつかの実施形態では、隔壁68の近位端は、Yアダプタ40の内面から離間されて、第2の近位ポート46を通って近位に流れるプライミング流体75が疎水性ベント要素66に到達するまで流れることができる隙間(clearance)76を形成し得る。いくつかの実施形態では、隙間76は、環状であってもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、通気口経路は、隙間76を通って隔壁の外縁に沿って近位方向に延び、疎水性ベント要素66を通って近位方向に延び、本体52の外面と第1の近位ポート44の内面との間の空間78に入り、半径方向溝74を通って、第1の近位ポート44の外側に延びてもよい。いくつかの実施形態では、空間78は環状であってもよい。いくつかの実施形態では、空気は、第2の近位ポート46を通って近位に流れるプライミング流体75に応答して、通気口経路を通って流れてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、針58の遠位先端60は、針アダプタ38が第1の近位ポート44に結合されるとき、金属ブッシュ79内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁68は、隔壁68が金属ブッシュ79に接触するシールを提供し得る。いくつかの実施形態では、シールは、流体が隔壁68の遠位端に遠位に移動するのを防ぐように環状であってもよい。
【0029】
図2Eに示されるように、疎水性ベント要素66の一部分80は、プライミング流体75を吸収し、疎水性ベント要素66を通るプライミング流体75の通過を防止し得る。いくつかの実施形態では、その一部分80は、
図2Eに示される一部分80よりも大きくても小さくてもよい。いくつかの実施形態では、カラー72の内面は、ねじ山(threading)81を含み得る。いくつかの実施形態では、通気口経路は、カラー72の内面と第1の近位ポート44の外面との間に延在してもよい。
【0030】
ここで
図2F~2Gを参照すると、いくつかの実施形態では、針58は、ノッチ82を含み得る。いくつかの実施形態では、本体52は、針58のノッチ82と整列したノッチ84を含み得る。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、本体52のノッチ82の外縁に接触し、ノッチ82を密封してもよい。いくつかの実施形態では、血流経路は、針58を通って、本体52内のノッチ82を通って疎水性ベント要素66に延在する。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66の一部分86は、血液88を吸収し得る。いくつかの実施形態では、その一部分86は、
図2Hに示される一部分86よりも大きくても小さくてもよい。いくつかの実施形態では、血液88は、患者の血管系へのカテーテル30の挿入および/またはクランプ48のアンクランプに応答して、血流経路を通って近位に流れ得る(例えば、
図2Aを参照されたい)。
【0031】
いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、隔壁68の近位端および/または本体52内の段差状の表面90に接触してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、隔壁68の近位端と、環状であってもよい段差状の表面90との間に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66の外径は、隙間76が終了するように、隔壁68の外径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、Yアダプタ40の内面に接触してもよい。
【0032】
ここで
図3A~3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、採血アセンブリ26は、針58を通って延在し得るガイドワイヤ92を含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ92は、針58および採血アセンブリ26を通ってねじ込まれてもよく、これは、閉塞されたカテーテルを通る採血を容易にし得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ92の遠位端は、ガイドワイヤ92の遠位先端96から離間された溝94を含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ92は、回転するように構成され得、これは、カテーテル30の内部および/または遠位端の近くでのフィブリンシースの除去を容易にし得る(例えば、
図2Aを参照されたい)。いくつかの実施形態では、溝94は、フィブリンシースの引っ張りおよび/または回転を容易にし得る。いくつかの実施形態では、溝94は、ガイドワイヤ92の遠位端の平面カット内に配置されてもよい。
【0033】
ここで
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態による、採血アセンブリ100および針アダプタ102が示されている。いくつかの実施形態では、採血アセンブリ100および針アダプタ102は、1つまたは複数の構成要素および/または動作に関して、それぞれ、
図2A~3Bの採血アセンブリ26および針アダプタ38と類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、針アダプタ102は、Yアダプタ40に事前に取り付けられてもよい。
【0034】
ここで
図4B~4Eを参照すると、いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、本体52の壁104内に配置され、ノッチ82と流体連通し得る。いくつかの実施形態では、隔壁68は、本体52の遠位端54に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁68は、接着剤または別の適切な取り付け手段を介して本体52の遠位端54に固定され得る。いくつかの実施形態では、隔壁68は、第2の近位ポート46の近位にあってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、血流経路は、針58を通って近位に延在してもよい。いくつかの実施形態では、血流経路はまた、針58のノッチ82を通って、本体52のトンネル106内に疎水性ベント要素66まで延びてもよい。いくつかの実施形態では、トンネル106は、本体52の壁104を通って針58から延在してもよい。いくつかの実施形態では、トンネル106は、静脈確認のための強化されたフラッシュバックを提供し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、血流経路を通って近位に流れる血液に応答して、空気は、疎水性ベント要素66から流出してもよい。いくつかの実施形態では、疎水性ベント要素66は、血液などの液体ではなく空気を通過させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ベントキャップ50は、第2の近位ポート46に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、血流経路はまた、第2の近位ポート46内に延在してもよく、空気は、ベントキャップ50から近位方向に流出してもよい。いくつかの実施形態では、血液は、患者の血管系へのカテーテル30の挿入および/またはクランプ48のアンクランプに応答して、血流経路を通って近位方向に流れ得る(例えば、
図4Aを参照されたい)。
【0037】
いくつかの実施形態では、採血デバイスを針アダプタ102に結合することに応答して、近位先端62は、シース64を貫通し得、シース64は、本体52に向かって圧縮され得、針58は、採血デバイスに挿入され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスは、採血チューブまたはニュージャージー州フランクリンレイクスのBecton Dickinson&Companyから入手可能なBD Vacutainer(登録商標)採血チューブを含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、遠位先端60は鋭利であり得、これは、隔壁68を通る針58の挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、遠位先端60は、鈍くてもよい。いくつかの実施形態では、針58の遠位先端60は、金属ブッシュ(bushing)79内に配置され得、これは、Yアダプタの内面への損傷を防止し得る。いくつかの実施形態では、Yアダプタは、低デッドスペースゾーンまたはゼロデッドスペースゾーン108を含み得、これは、血液の痕跡の洗浄および除去を容易にし得る。いくつかの実施形態では、低デッドスペースゾーンまたはゼロデッドスペースゾーン108は、隔壁68の遠位端と金属ブッシュ79との間に延在し得る。
【0039】
ここで
図4Fを参照すると、いくつかの実施形態では、隔壁68の近位端は、第1の近位ポート46の近位端と同じ高さ(flush)であり得、これは、隔壁68の洗浄および消毒を容易にし得る。
図4Fは、患者からの採血が完了した後の針アダプタ102のYアダプタ40からの取り外しを示す。いくつかの実施形態では、針アダプタ102がYアダプタ40から取り外された後、翼状針セットは、隔壁68を通して挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、ベントキャップ50は、取り外され、無針ルアーコネクタと交換されてもよい。
【0040】
ここで
図5Aを参照すると、いくつかの実施形態による、採血アセンブリ110および針アダプタ112が示されている。いくつかの実施形態では、採血アセンブリ110は、1つまたは複数の構成要素および/または動作に関して、
図2A~3Bの採血アセンブリ26および/または
図4A~4Fの採血アセンブリ100と類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、針アダプタ112は、1つまたは複数の構成要素および/または動作に関して、
図2A~3Bの針アダプタ38および/または
図4A~4Fの針アダプタ102と類似または同一であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、針アダプタ112は、Yアダプタ40に事前に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、本体52は、遠位先端60の遠位に延在し得る円筒形部分114を含んでもよい。いくつかの実施形態では、円筒形部分114は、遠位先端60との偶発的な突き刺し(stick)を防止するために針ガードとして機能し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、本体52は、隔壁68を含み得る直線ルアーアダプタ118に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ39は、直線ルアーアダプタ118内に統合されてもよい。いくつかの実施形態では、直線ルアーアダプタ118は、円筒形部分114に挿入するように構成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、カテーテル30およびカテーテルアダプタ28を含み得るカテーテルアセンブリは閉じられてもよく、プライミングは必要でなくてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ39は、例えば、1から4インチの間など、より短くてもよい。
【0044】
本明細書で記載されるすべての例および条件付き文言は、読者が本発明および技術を促進するために本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】