(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】フォトレジスト接着制御のための排気ガス監視
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240125BHJP
G03F 7/09 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01L21/30 563
G03F7/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542888
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 US2022012404
(87)【国際公開番号】W WO2022155396
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ペーター プロウド
【テーマコード(参考)】
2H225
5F146
【Fターム(参考)】
2H225CA12
2H225EA06N
2H225EA11N
5F146HA02
(57)【要約】
IC製造プロセスのフォトリソグラフィトラックのための排出流監視システム(100)が、ハウジング(104)と、インフローポート(106)と、アウトフローポート(112)とを含む反応チャンバ(102)を含み、ハウジング(104)は、半導体プロセスウェハ(110)を所定の時間加熱するための熱プレート(108)を含む。インフローポート(106)に結合される流入パイプ(117)が、ガス形態のフォトレジスト接着促進剤(119)を反応チャンバ(102)に供給する。アウトフローポート(112)に結合される流出パイプ(130)が、排出流として反応チャンバ(102)から副産物を除去するように動作可能である。フォトレジスト接着促進剤(119)と半導体プロセスウェハ(110)との間の反応の1つ又は複数の副産物の存在を検出するために、反応チャンバ(102)からの排気流を監視するために、少なくとも1つのガスセンサマニホルドアセンブリ(132)が流出パイプ(130)に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ハウジングと、インフローポートと、アウトフローポートとを含む反応チャンバであって、前記ハウジングが、所定の温度で所定の時間量の間、半導体プロセスウェハを加熱するための熱プレートを含む、前記反応チャンバと、
ガス形態のフォトレジスト接着促進剤を前記反応チャンバに供給するための、前記インフローポートに結合される流入パイプと、
前記反応チャンバから副産物を排出するための、前記アウトフローポートに連結される流出パイプと、
前記フォトレジスト接着促進剤と前記半導体ウェハとの間の反応の1つ又は複数の副産物の存在を検出するために、前記反応チャンバからの排気流を監視するために前記流出パイプに結合される少なくとも1つのガスセンサマニホルドアセンブリと、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記ハウジングが、前記ハウジング内に前記フォトレジスト接着促進剤を実質的に均一に分配するために前記インフローポートに結合される穿孔アプリケータを含み、
前記フォトレジスト接着促進剤が、窒素キャリアガス内のヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気を含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記1つ又は複数の副産物がアンモニア副産物を含み、また、前記少なくとも1つのガスセンサマニホルドアセンブリが、前記排気流中の前記アンモニア副産物を検出するためのアンモニアセンサを含む第1のガスセンサマニホルドアセンブリを含む、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、前記第1のガスセンサマニホルドアセンブリが、
間を接続する中空空間を備えた、入力開口部と、出力開口部とを有するハウジングブロックであって、前記入力開口部が、前記流出パイプの第1の部分に同軸に結合され、前記出力開口部が、前記流出パイプの第2の部分に同軸に結合され、前記ハウジングブロックが、前記中空空間に開口するレセプタクル部分を有するレセプタクルを含み、前記レセプタクルが、感知部分を備える第1のボディ部分と、電気インタフェース部分を備える第2のボディ部分とを有する前記アンモニアセンサを受けるように構成され、前記感知部分が、前記入力開口部と前記出力開口部との間の前記中空空間に突出し、前記中空空間が、前記流出パイプの前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記排気流の通過を促進する、前記ハウジングブロックと、
前記第1のボディ部分の周りに配置され、前記中空空間に開口する前記レセプタクル部分をシールするための第1のOリングシールと、
前記ハウジングブロックに堅固に結合されるカバープレートと、
を含み、
前記カバープレートが、データ取得ユニットとの電気的接続を促進するために前記アンモニアセンサの前記電気インタフェース部分を露出させるための開口部を有し、前記カバープレートの前記開口部をシールするような寸法の第2のOリングシールが、前記アンモニアセンサの前記第2のボディ部分の周りに配置され、前記第2のOリングシールが、前記ハウジングブロックと前記カバープレートとの間で圧縮される、システム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムであって、前記1つ又は複数の副産物が、トリメチルアミン副産物を含み、また前記少なくとも1つのガスセンサマニホルドアセンブリが、前記排気流中の前記トリメチルアミン副産物を検出するためのトリメチルアミンセンサを含む第2のガスセンサマニホルドアセンブリを含む、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記第2のガスセンサマニホルドアセンブリが、
間を接続する中空空間を備える、入力開口部と、出力開口部とを有するハウジングブロックであって、前記入力開口部が前記流出パイプの第1の部分に同軸に結合され、前記出力開口部が前記流出パイプの第2の部分に同軸に結合され、前記ハウジングブロックが、前記中空空間に開口するレセプタクル部分を備えるレセプタクルを含み、前記レセプタクルが、感知部分を備える第1のボディ部分と、電気インタフェース部分を備える第2のボディ部分とを有する前記トリメチルアミンセンサを受けるように構成され、前記感知部分が、前記入力開口部と前記出力開口部との間の前記中空空間内に突出し、前記中空空間が、前記流出パイプの前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記排気流の通過を促進する、前記ハウジングブロックと、
前記ハウジングブロックに堅固に結合されるカバープレートと、
を含み、
前記カバープレートが、データ取得ユニットとの電気的接続性を促進するために前記トリメチルアミンセンサの前記電気インタフェース部分を露出させるための開口部を有し、前記カバープレートの前記開口部をシールするような寸法のOリングシールが、前記トリメチルアミンセンサの前記第2のボディ部分の周りに配置され、前記Oリングシールが、前記ハウジングブロックと前記カバープレートとの間で圧縮される、システム。
【請求項7】
請求項5に記載のシステムであって、前記第1及び第2のガスセンサマニホルドアセンブリが、前記流出パイプに沿って直列に配置される、システム。
【請求項8】
請求項5に記載のシステムであって、前記流出パイプが、第1の並列部分及び第2の並列部分に分岐され、前記第1のガスセンサマニホルドアセンブリが、前記排気流中の第1の副産物を検出するために前記第1の並列部分に結合され、前記第2のガスセンサマニホルドアセンブリが、前記排気流中の第2の副産物を検出するために前記第2の並列部分に結合される、システム。
【請求項9】
集積回路(IC)を製造する方法であって、前記方法が、
半導体プロセスウェハ上に集積回路を製造する際に用いられるフォトリソグラフィ工程においてフォトレジスト層を塗布する前に、反応チャンバ内に配置された半導体プロセスウェハにガス形態の接着促進剤を塗布することと、
前記接着促進剤と前記半導体プロセスウェハとの間の反応の1つ又は複数の副産物の存在を検出するために前記反応チャンバから流れる排気流を監視することと、
検出された副産物が、対応する閾値を上回る量で前記排気流中に存在するという判定に応答して、前記半導体プロセスウェハをIC製造における次の段に進めることと、
を含む方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、ベンチマーク副産物が前記排気流中に存在しないか又は前記対応する閾値未満で存在すると判定することに応答して、(i)前記半導体プロセスウェハの後続の処理を終了することと、(ii)再加工のために前記半導体プロセスウェハを指定することとの少なくとも1つを実施することをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記接着促進剤が、前記反応チャンバ内への流入物として供給される窒素キャリアガス中で搬送されるヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、約70℃~150℃の範囲の温度で約5~30秒間、前記半導体プロセスウェハを加熱することをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記1つ又は複数の副産物が、アンモニア、トリメチルアミン、及び1つ又は複数の揮発性有機化合物(VOC)のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記排気流が、前記排気流中のアンモニアの存在を検出するために、アンモニアセンサによって監視される、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、前記排気流が、前記排気流中のトリメチルアミンの存在を検出するために、トリメチルアミンセンサによって監視される、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、前記排気流が、前記排気流中のVOCの存在を検出するためにVOCセンサによって監視される、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、前記接着促進剤を前記反応チャンバに供給する前に、前記反応チャンバの内部から周囲ガスを除去するために前記反応チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明される実装は、概して半導体製造の分野に関し、より詳細にはフォトレジスト接着制御を促進するための排気ガス監視に関するが、これに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0002】
半導体回路は、半導体基板の準備、パターン化、エッチング、メタライゼーションなどのシーケンスを用いることによって製造され、これらのシーケンスは、所望の半導体回路又は集積回路を基板内に形成するために種々の組み合わせで用いることができる。半導体製造プロセスの一部として、フォトリソグラフィは、半導体ウェハの表面上の特定のデバイス又は回路構造を表すパターンを定めるために用いられる。このパターンはフォトレジストでつくられ、フォトレジストはその下の基板を後続の処理から保護する。保護されていない表面の物理的又は電気的特性は、エッチング、堆積、イオン注入、スパッタリングなどの多数の後続の処理工程によって変更される。パターン化及び後続の処理の上述のサイクルは、デバイス全体が完了するまで数回繰り返され得る。
【0003】
フォトレジストの良好な接着は、フォトリソグラフィ中のパターン転写の完全性を保証するために重要である。フォトレジストのより良好な接着のために半導体プロセスウェハを準備するために、適切な接着促進剤を用いる下塗り(priming)プロセスがしばしば実施される。下塗りプロセスの完全性を損なういかなる不具合も、結果として生じるフォトレジストの不十分な接着が(例えば、後続のエッチング工程における不具合に起因して)デバイス欠陥を引き起こす可能性があり、それは、多くの処理工程が行われた後まで検出されない可能性があるため、コストがかかる恐れがある。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、接着促進反応プロセスの排気ガスを監視して、反応プロセスが満足のいく方式で実施されるかどうかを判定するためのシステムの実装が説明される。この装置はとりわけ、ハウジングと、インフローポートと、アウトフローポートとを含む反応チャンバを含み、ハウジングは、所定の温度で所定の時間量の間、半導体プロセスウェハを加熱するための熱プレートを含む。引き込み又は流入パイプがインフローポートに結合されて、ガス形態のフォトレジスト接着促進剤を反応チャンバに供給する(例えば、キャリアガス中のヘキサメチルジシラザン(HMDS)気相)。反応チャンバから副産物を排出するために流出パイプがアウトフローポートに結合される。フォトレジスト接着促進剤と半導体ウェハとの間の反応の1つ又は複数の副産物の存在を検出するため、反応チャンバからの排気流を監視するために、流出パイプに結合される少なくとも1つのガスセンサマニホルド(manifold)アセンブリが提供される。
【0005】
別の態様において、集積回路(IC)を製造する方法の一実装が説明される。この方法はとりわけ、半導体プロセスウェハ上にICを製造する際に用いられるフォトリソグラフィ工程においてフォトレジスト(PR)層を適用する前に、反応チャンバ内に配置された半導体プロセスウェハにガス形態の接着促進剤を適用することと、接着促進剤と半導体プロセスウェハとの間の反応の1つ又は複数の副産物の存在を検出するために、反応チャンバから流れる排気流を監視することとを含む。検出された副産物が、対応する閾値を上回る量で排気流中に存在するという判定に応答して、半導体プロセスウェハは、IC製造における次の段に進められ得る。一変形例において、例示のプロセスフローが、(i)半導体プロセスウェハの後続の処理を終了すること(例えば、半導体プロセスウェハがPR適用に進まない)、及び/又は、(ii)再加工又はスクラップのために半導体プロセスウェハを指定することのうちの少なくとも1つを実施することを含み得るが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本記載の一実装は、添付の図面の図において、限定ではなく例として示される。本記載における「1つの(an)」又は「1つの(one)」実装に対する異なる言及は、必ずしも同一の実装に対するものではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味し得る。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が或る実装に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実装に関連してそのような特徴、構造、又は特性を実施することは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0007】
添付の図面は本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を形成して、本記載の1つ又は複数の例示の実装を図示する。種々の利点及び特徴は、添付の特許請求の範囲に関連し、また添付の図面を参照して、以下の詳細な記載から理解され得るであろう。
【0008】
【
図1】一実装に従った、IC製造プロセスのフォトリソグラフィトラックで用いるための排気ガス監視装置を含む例示のシステムを示す。
【0009】
【
図2A】一実装に従った、排気ガス副産物を監視するために展開され得る複数のガスセンサマニホルドアセンブリの例示の配置を示す。
【
図2B】一実装に従った、排気ガス副産物を監視するために展開され得る複数のガスセンサマニホルドアセンブリの例示の配置を示す。
【0010】
【
図3】一実装に従った、排出流中のトリメチルアミン副産物を監視するために展開され得るガスセンサマニホルドアセンブリの種々の構成要素を示す。
【0011】
【
図4】一実装に従った、トリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリのハウジングブロック及びカバープレートの種々の図を示す。
【
図5】一実装に従った、トリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリのハウジングブロック及びカバープレートの種々の図を示す。
【0012】
【
図6】一実装に従った、組み立てられたトリメチルアミンセンサマノホルドアセンブリの種々の図を示す。
【0013】
【
図7】一実装に従った、排気流中のアンモニア副産物を監視するために展開され得るガスセンサマニホルドアセンブリの種々の構成要素を示す。
【0014】
【
図8】一実装に従った、アンモニアセンサマニホルドアセンブリのハウジングブロック及びカバープレートの種々の図を示す。
【
図9】一実装に従った、アンモニアセンサマニホルドアセンブリのハウジングブロック及びカバープレートの種々の図を示す。
【0015】
【
図10】一実装に従った、組み立てられたアンモニアセンサマニホルドアセンブリの種々の図を示す。
【0016】
【
図11】一実装に従った、トリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリのための例示のシール配置を示す。
【0017】
【
図12】一実装に従った、アンモニアセンサマニホルドアセンブリのための例示のシール配置を示す。
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例は添付の図面を参照して説明され、図面において、同様の参照符号は同様の要素を指すために概して用いられる。図は、一定の縮尺で描かれておらず、単に例を例示するために提供されているに過ぎない。1つ又は複数の例の理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、及び方法が以下に記載される。しかしながら、いくつかの実施例は、そのような特定の詳細なしに実施され得る。他の例において、実施例の理解を不明瞭にしないために、周知の回路、サブシステム、構成要素、構造、及び技法は詳細に示されていない。従って、本記載の実施例は、そのような特定の構成要素なしに実施されてもよい。
【0020】
これ以降の説明において、添付の図面を参照することができ、例えば、「上側」、「下側」、「頂部」、「底部」、「左側」、「右側」、「表側」、「裏側」、「垂直」、「水平」などの特定の方向の用語が、説明されている図又はその例示の要素の向きに関して用いられ得る。いくつかの実施例の構成要素はいくつかの異なる向きに配置することができるので、方向の用語は説明の目的で用いられており、決して限定するものではない。同様に、「第1の」、「第2の」などと呼ばれる特徴への言及は、いかなる特定の順序、重要性などを示すものではなく、そのような言及は、状況、実装などに応じて、必要な変更を加えて交換されてもよい。さらに、本明細書に記載の例の特徴は、特に断りのない限り、互いに組み合わせることができる。
【0021】
本明細書で用いられる場合、「結合する」という語は、ワイヤレス接続を含み得る「通信可能に結合される」と認定されていない限り、間接的又は直接的な伝導性接続のいずれかを意味する。従って、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接伝導性接続を介するもの、又は他のデバイス及び接続を介した間接的伝導性接続を介するものであり得る。
【0022】
ここで図面を参照し、より詳細には
図1を参照すると、集積回路(IC)製造プロセスのフォトリソグラフィトラックで用いるための例示の装置100が示されており、一実装に従って、排気監視装置103が提供され得る。以下でさらに説明するように、システム100は、フォトリソグラフィパターン化を必要とする任意のプロセス段で(例えば、最終パッシベーション層がウェハに追加される前のフロントエンドオブライン(FEOL)、又はバックエンドオブライン(BEOL)段のいずれかの間に)、フォトレジスト接着を改善するために、接着促進剤(AP)材料がフォトレジスト(PR)工程の前に半導体プロセスウェハに適用される、任意のIC製造フローに適用することができる。
【0023】
制約するものではないが、例示のシステム100及び関連する排気監視装置103が、或る実装に従って説明され、この実装において、例えば、或る種類(class)のヘキサアルキルジシラザン促進剤に属するヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのガス状フォトレジスト接着促進剤が、後続のPR層の接着を高めるために表面を下塗りする反応プロセスを促進するために、反応チャンバ内のシリコン基板を含む半導体プロセスウェハに適用される。基板材料及びその上の関連するプロセス層に応じて、HMDS反応プロセスは、PR接着を促進する信頼できる表面化学物質を示す特定の副産物を放出するように実施されてもよく、1つ又は複数の特定の副産物(ベンチマーク副産物とも呼ばれる)が、プロセスウェハのHMDS処理を実施するための反応プロセスが、満足に又はその他の方式で(例えば、何らかの理由で損なわれて)実施されたかどうかを判定するために監視されてもよい。
【0024】
一配置において、システム100は、ハウジング104と、1つ又は複数のインフローポート106と、1つ又は複数のアウトフローポート112と、を含む反応チャンバ102を含み、ここで、熱プレート108が、ハウジング104の内部105に配置され得、これは、少なくとも1つの半導体プロセスウェハ110を、例えば、特に、半導体ウェハ基板の組成、特定のフォトリソグラフィ層、用いられるフォトレジストのタイプ及び化学物質などに依存し得る、例えば、所定の温度、真空圧、タイミングレンジなどの一連のプロセス条件下に置くように装備され計装される。本明細書の目的のため、半導体プロセスウェハ110は、一般性を失うことなく、半導体ウェハ、プロセスウェハ、処理中(WIP)ウェハなどと呼ばれることもあり、これらは、好適なホルダ、トレイ、キャリア、又はウェハコンベヤ(特に
図1には示されていない)に含まれてもよく、プロセスウェハ100は、処理のためにハウジング104内に配置されるとき、水平、垂直、又は他の向きに配置されてもよい。実装に応じて、反応チャンバ102は、真空ベーキング及び気相下塗りの両方を提供するように構成されてもよく、これは、単一サイクルでの半導体プロセスウェハの脱水及び気相下塗りのために、内部105内に加熱された真空環境を生成するために用いられ得る。従って、反応チャンバ102はまた、いくつかの配置、例えば、「ベークオーブン」、「気相チャンバ」、又は同様の他の用語において、種々の非公式の及び公式の用語によってほぼ同義に言及され得る。
【0025】
一配置において、ガス(例えば、窒素)が、反応チャンバ102に関連する1つ又は複数の配管又は導管システムを介してガス形態のHMDSを搬送するためのキャリアとして用いられ得る。例示として、窒素ガス供給キャニスタ120が、N2センサ122によって監視され得る導管部分121を介して、液体HMDS123を含むタンク又は容器118にN2ガスを供給するように動作可能である。一配置において、HMDS容器118がN2ガスで加圧されてもよい。実装に応じて、N2ガスは、処理中に液体HMDS123の表面の上又はバブルを通って流すことができ、HMDSに富む気相又はエアゾール混合物119を作り出す。これは、導管部分116、117を経て反応チャンバ102に配管される。流量計124及び真空センサ126が、HMDS蒸気及びN2ガス混合物119の流れ状態を監視するのに適した位置で導管部分116、117に結合されてもよく、少なくとも導管部分117が、ハウジング104のインフローポート106に結合される流入パイプとして展開されてもよい。
【0026】
一配置において、反応チャンバ102のハウジング104が、ハウジング104内に配置された半導体プロセスウェハ110の上にフロー125として接着促進剤混合物を均一に分配するためのインフローポート106に結合されるか又はその他の方式で関連する、1つ又は複数の穿孔アプリケータ114(非公式に「シャワーヘッド」と呼ばれる)を含み得、これにより、ウェハ表面上へのガス状接着促進剤材料の実質的に均一な拡散が促進される。適切なプロセス条件下で、HMDS及びいくつかの反応物質(例えば、限定されないが、表面H2O、内部雰囲気H2O、酸素、種々のセラミック及び酸化物、トポグラフィー、ウェハ基板材料などに応じた金属/非金属表面層などを含む)を含む、1つ又は複数の化学反応及び/又は表面反応を、反応プロセスと総称して、反応チャンバ102内で開始して、半導体ウェハの適切な表面処理を引き起こすことができる。シランカップリング剤としてのHMDSは、金属及びセラミックの表面と反応して、表面上に親水性トリメチルシラノール(TMSiOH)を形成するように作用し、これは、後続の段階でのフォトレジストを用いる半導体ウェハ表面のより容易な被覆を促進する。HMDSはまた、周囲の水分と反応し、アンモニア(NH3)及びメチルシラノールに徐々に変換するように動作する。
【0027】
従って、上述の反応プロセスから得られる種々の副産物は、アンモニアと、トリメチルアミンと、1つ又は複数の揮発性有機化合物(VOC)とのうちの少なくとも1つを含み得、これらは、対応するアウトフローポート112でハウジング104に結合される1つ又は複数の流出パイプ130を介して反応チャンバ102から排出流として除去することできる。適切なガスセンサ138(例えば、アンモニアセンサ、トリメチルアミンセンサ、VOCセンサなど)を含む少なくとも1つのガスセンサマニホルドアセンブリ132が、排気監視装置103の一部として流出パイプ130に結合されて、1つ又は複数のベンチマーク副産物の存在を検出し(測定のためにどの副産物が選択されるかに応じて)、HMDS反応プロセスが満足に実施されたか、又は(例えば、反応チャンバ102内に搬送されるHMDS蒸気の低減又は除去をもたらす漏れ又は欠陥に起因して)その他の方式で、実施されたかの判定を容易にする。センサ138の電気インタフェース134が、センサデータを収集し、適切な無線及び/又は有線通信技術及びインフラストラクチャと併せて、任意の既知の又はこれまで未知のデータ収集/送信プロトコルを用いてホストコンピュータ142にデータを送信するためのデータ収集(DAQ)ユニット140に結合され得、データは、HMDS反応プロセスの状態に関する適切なレポート、通知/アラームなど(概して、「実用的プロセスインテリジェンス」と呼ばれる)を生成するために処理され得る。実装に応じて、ホストコンピュータ142は、ローカル又はリモートホストとして、又はIC製造施設に関連付けられたクラウドベースのデータセンタに、展開され得る。
【0028】
一配置において、反応チャンバ102内で例示のHMDS反応プロセスを実現するためのプロセス条件には、ハウジング104内に配置された半導体ウェハ110を、約70℃~150℃の範囲の温度で、約数秒~数十秒(例えば、5~30秒)、約1Torrの内部雰囲気圧力で加熱することが含まれ得る。特定のIC製造フローに応じて、例示のHMDSプロセス段が、いくつかの付加的な及び/又は代替の配置において、他の工程、手順、又は動作を含み得る。例えば、パージサイクルを用いて、HMDSを供給する前に、反応チャンバ102の内部105から周囲ガスをパージすることができる。ポンプ及びパージ配置において、内部105から周囲の酸素及び水分を除去するために、一連の真空及び窒素印加が提供されてもよい。予め加熱された窒素が、半導体ウェハを所望のプロセス温度に加熱するために供給され得る。いくつかの配置において、反応チャンバ102は、低圧まで排気され、周囲水分を実質的に完全に除去するために、純粋な窒素で数回再充填され得る。HMDS及び窒素混合物を供給する前に、反応チャンバ102内の周囲圧力を、ツーリング条件に応じて適切な圧力(例えば、約1Torr)までポンプダウンしてもよい。HMDS及び窒素混合物は、上記で例示されたようなHMDS反応プロセスを達成するための指定された時間量の間、拡散様式で供給され得る。過剰なHMDS及びガス状副産物は排気流として排出され得、その後、反応チャンバ102からの副産物の完全な除去を確実にするために、付加的な真空/窒素サイクルが用いられ得る。
【0029】
引き続き
図1を参照すると、適切な環境処理のためにHMDS反応プロセスのガス状副産物を安全に除去するために、排気流が反応チャンバツール(特に
図1に示されていない)に関連する排気系に搬送される前に、ガスセンサマニホルドアセンブリ132が、適切な位置で流出パイプ130に結合され得る。実装に応じて、例示のシステムが、能動排気システム(例えば、ポンプベースのメカニズム)又は受動排気システム(例えば、受動換気システム)を含み得る。一配置において、ガスセンサマニホルドアセンブリ132が、マニホルドアセンブリ132内に配置されたセンサ138が、以下でさらに詳細に説明するように、流出パイプ131を通って流れるガス状排気流へのアクセスを妨げないように、流出パイプ130の第1の部分136Aと第2の部分136Bとの間に軸方向に配置されてもよい。
【0030】
いくつかの配置において、排気監視装置103が、種々の場所で流出パイプ130に結合され得る複数のガスセンサマニホルドアセンブリを含み得、各ガスセンサマニホルドアセンブリは、排気流中の特定の副産物を検出及び測定するように動作可能なセンサを含むように構成され得る。上述のように、そのようなセンサは、1つ又は複数のアンモニアセンサ、1つ又は複数のトリメチルアミンセンサ、1つ又は複数のVOCセンサなどを、任意の組合せで含むことができ、センサのそれぞれの電気インタフェースが、1つ又は複数のDAQユニットに結合され得る。
図2A及び
図2Bは、一実装に従って展開され得る、複数のガスセンサマニホルドアセンブリの例示の配置を示す。
図2Aの配置200Aは、それぞれのセンサ204-1、204-2を含む2つ又はそれ以上のガスセンサマニホルドアセンブリ202-1、202-2が、反応チャンバから出る流出パイプ部分250に沿って直列形態で配置される配置シナリオを例示する。センサ204-1、204-2のそれぞれの電気インタフェース206-1、206-2は、それぞれ、別個のDAQに、又はまとめてDAQ208として示される複数のセンサをサポートするように動作可能な単一のDAQに結合されるように動作可能である。
図2Bの配置200Bは、複数のガスセンサマニホルドアセンブリ202-1、202-2が、反応チャンバから出る流出パイプ部分250のそれぞれの流出パイプ部分262-1、262-2に沿って並列形態で配置される配置シナリオの例示である。流出パイプ部分250は、複数の並列パイプ部分、例えば、部分262-1、260-2に分岐されて、並列排気流フローを達成するよう動作可能であり、これは、排気流が排気システムに搬送される前に単一のパイプ部分として合流し得る。
図2Aの配置200Aと同様に、センサ204-1、204-2のそれぞれの電気インタフェース206-1、206-2は、それぞれ、別個のDAQに、又は多数のセンサを支持するように動作可能な単一のDAQに結合され得る。例示の配置シナリオは、任意の数の、
図2Aの配置200A、
図2Bの配置200B、及び/又はそれらの任意の変形及び組合せを含み得、複数のガスセンサマニホルドアセンブリ202-1、202-2は、同じ種類のセンサから、又は異なる種類からのセンサ(例えば、アンモニアセンサ、トリメチルアミンセンサ、及び/又はVOCセンサなどの任意の組合せ)を含み得る。
【0031】
概して、例示のガスセンサマニホルドアセンブリは、IC製造ラインの過酷な化学的、物理的、及びその他の環境条件、特にPR接着促進剤処理に用いられるツーリングに耐えることができる任意の適切な材料(例えば、ステンレス鋼)から構築することができる。一配置において、例示のセンサマニホルドアセンブリが、ガスセンサが漏れなどなく排気流の経路内に安全に配置されることを可能にする任意の適切な位置で、反応チャンバの流出パイプ部分に結合するように構成される、カスタマイズ可能な取り付けブロックとして展開され得る。従って、本記載の取り付けブロックは、有利にも、反応チャンバの真空システムの完全性を保証する一方で、それに関連する流出パイプ内に配置されたガスセンサのロバストな保護を提供するように構成され得る。また、取り付けブロックのカスタマイズ可能なハウジング設計は、本明細書の目的のために、種々の展開シナリオにおける任意の市販のガス/蒸気センサ及び/又はカスタマイズされたセンサの収容を促進するように動作可能である。一配置において、例示のガスセンサマニホルドアセンブリは、任意の形式又はタイプの反応チャンバ機器又はツールシステムに設置され得る単一のモジュール式ユニットとして構築及び/又は組み立てられ得、適切な入口及び出口結合又はポートが、排出流出パイプ部と軸方向に整合されてモジュール式ユニットを取り付けるために取り付けブロック内に提供され得る。一実装において、例示のガスセンサマニホルドアセンブリは、Figaro USA Inc.及び関連会社のTGS2603シリーズのトリメチルアミンセンサ及びTGS826アンモニアセンサを収容するように設計された適切なレセプタクル又は間隔を有する取り付けブロック(ハウジングブロックとも呼ばれる)を含み得るが、いくつかの付加的な及び/又は代替の一実装に従って種々のソースからのガスセンサも用いることができる。
【0032】
図3は、
図1の例示の排気ガス監視装置における展開のための一実装に従ったモジュール式ユニットとして提供され得る、トリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリ300の種々の構成要素を示す。一配置において、アセンブリ300は、トリメチルアミンセンサ302Dを収容するような輪郭とされたチャンバ又はレセプタクル304を備えるレセプタクル側303を有するハウジングブロック302Aを含み、ここで、センサ302Dを外部回路要素又は配線(例えば、データ取得のため)に露出させるための開口部310を有するカバープレート302Bが、種々の機械的結合機構、例えば、ねじ、締結具、ボルトなどを用いてハウジングブロック302Aに堅固に結合され得る。例として、ハウジングブロック302Aのレセプタクル側303に複数のねじ穴308を設けることができ、これは、堅固な機械的結合を促進するために、カバープレート302Bの対応する複数のねじ穴309と整合される。センサ302Dは、感知部分311Aを有する第1のボディ部分313と、電気インタフェース部分311Bを有する第2のボディ部分315とを含み得る。カバープレート302Bの開口部310をシールするようなサイズとされたOリングシール302Cが、センサ302Dの第2のボディ部分315の周りに、例えば、センサ302Dの電気インタフェース部分311Bに近接して、配置されてもよく、そのため、ハウジングブロック302Aがカバープレート302Bに強固に結合され、センサ302Dが外部配線/回路要素に露出された電気インタフェース部分311Bを備えるレセプタクル304内に位置するとき、Oリングシール302Cは、ハウジングブロック302Aとカバープレート302Bとの間で圧縮される。
【0033】
反応チャンバのストリーム流出パイプとの結合を提供し、感知のためのハウジングブロック302Aを通る排気ガス流の通過を促進するため、間に連続的な中空空間を有する一対の開口部(orifice)がハウジングブロック302Aに設けられてもよく、その場合、センサレセプタクル304の一部が、それが中空空間(具体的には
図3に示されていない)に開口するように構成され得、それによって、センサ302Dの感知部分311Aが排気ガス流と接するか又はそれに浸るために中空空間内に突出することを可能にする。例示として、開口部306が、
図3に示される3D図に例示されるように、ハウジングブロック302Aの第1の側305に示される。第2の開口部(
図3には図示せず)が、ハウジングブロック302Aの第2の側307に設けられてもよく、又は、側305と同じ側に設けられてもよく、これは、連続的な中空空間(すなわち、空間的連続性)が(例えば、U字形、馬蹄形などとして、ハウジングブロック302Aの同じ側に両方の開口部を備えて)収容され得、レセプタクル304が、感知部分311Aが障害物なしに排気ガス流に接することを可能にする開口を有するような輪郭とされてもよい場合である。一配置において、入来する流出パイプ部分が一方の開口部(例えば、入力開口部と呼ばれる)に結合され得、出ていく流出パイプ部分がそれらの間で排気ガス流を通過させるために他方の開口部(例えば、出力開口部と呼ばれる)に結合され得る。一配置において、入力及び出力開口部、並びに対応する入来するパイプ部分及び出ていく出ていくパイプ部分が、適切なシーリングを用いてねじ嵌めされ得るが、当業者であれば、それぞれの開口部と対応する流出パイプ部分との間の機械的結合が多くの変形形態で達成され得ることが認識されるであろう。
【0034】
図4及び
図5は、例えば、
図3のアセンブリ300などのトリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリの例示の3D表現のハウジングブロック及びカバープレートの種々の図を示し、一実装に従った付加的な詳細を図示する。
図4は、参照数字401で全体的に示されるハウジングブロックの正面
図400A、上面
図400B、及び側面
図400Cを示し、開口部402、404が、間に筒状空間406を備えて連結される。レセプタクル410のレセプタクル部分408が、筒状空間406に開口して、それとの空間的連続性を提供する。複数のホール412が、上述のようにカバープレートとの機械的結合を促進するために、ハウジングブロック401の上面
図400Bに示されており、ホール412が、センサレセプタクル410から離れて配置され得る。
図5は、厚さ502を有するカバープレート501の上面
図500A及び側面
図500Bを示す。カバープレート501を貫通して形成される開口部504は、トリメチルアミンセンサの電気インタフェース部分が外部電子機器にアクセスできるようなサイズ及び形状にすることができ、その一方で、ハウジングブロック401のレセプタクル410と嵌合される際の密な封止を促進し、真空完全性を保証するために、例えば、Oリングシール、ガスケット、又はワッシャーなどのシーリングデバイスを用いることができる。カバープレート501は、上述のようにハウジングブロック401との堅固な機械的結合を促進するために、例えば、カバープレート501の上面
図500Aに示されるように、ハウジングブロック401の対応する孔412と整合される複数の貫通孔512を備えて提供され得る。
【0035】
図6は、一実装に従った組み立てられたトリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリ601の正面
図600A及び上面
図600Bを示し、ハウジングブロック401及びカバープレート501は、モジュール式ユニットとして組み立てられている。トリメチルアミンセンサ602が、開口部402と開口部404との間に延在する中空筒状空間406内に感知部分604が突出するか又はその他の方式で延在するように、レセプタクル410内に配置され、一方、センサ602の電気インタフェース部分606(この図では、関連する電気コネクタなしで示される)が、外部電気接続を促進するために露出されている。入来する流出パイプ部分又は出ていく流出パイプ部分が接続されるかどうかに応じて、開口部402、404のいずれかが、インフローポート又はアウトフローポートとして動作することができる。
【0036】
次に
図11を参照すると、一実装に従った
図3のトリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリのためのOリングシールなどの例示のシール配置1100がその中に示されている。トリメチルアミンセンサ1102が、感知部分1104及び電気インタフェース部分1106(電気コネクタ又はピンは具体的に示されていない)と共に示されている。Oリングシール1108は、上記で詳細に説明したように、モジュール式マニホルドアセンブリにおいて密なシールを提供するために、電気的感知部分1106に近接してセンサ1102の周りに配置される。
【0037】
図7は、
図1の例示の排気ガス監視装置における展開のための一実装に従ったモジュール式ユニットとして提供され得るアンモニアセンサマニホルドアセンブリ700の種々の構成要素を示す。上記の
図3のトリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリ300と同様に、アセンブリ700は、トリメチルアミンセンサとは異なったフォームファクタを有し得るアンモニアセンサ702Eを収容するような輪郭とされたチャンバ又はレセプタクル704を備えるレセプタクル側703を有するハウジングブロック702Aを含む。センサフォームファクタの違いのため、ハウジングブロック702Aのセンサレセプタクル704は、ハウジングブロック302Aのものとは異なる寸法、形状、及び/又は構成とすることができる。また、異なる形状のアンモニアセンサを考慮して真空完全性を保証するために、シーリングは、複数のシーリングデバイスを必要とし得る。上述の差とは別に、アンモニアセンサマニホルドアセンブリ700は、トリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリ300のものと実質的に同様の方式で、単一のモジュール式ユニットとして構成されてもよい。従って、
図3に関して上述した記載は、必要な変更を加えて、
図7にも概して適用可能である。
【0038】
アンモニアセンサ702Eは、感知部分711Aを有する第1のボディ部分713と、電気インタフェース部分711Bを有する第2のボディ部分715とを含み得る。ハウジングブロック702Aのセンサレセプタクル704は、レセプタクル部分(具体的には
図7に示されていない)が、それぞれの流出パイプ部分と結合するために、ハウジングブロック702Aの2つの異なった側又は同じ側に配置され得る、入力開口部と出力開口部との間に延在する中空空間内に開口し得るように成形され得る。例示として、第1の側705に形成された1つの開口部706のみが、ハウジングブロック702Aの3D表現に例示されている。センサレセプタクル704を含むレセプタクル側703に形成された複数の孔708は、アンモニアセンサ702Eがレセプタクル704に位置付けられた後に、それとの堅固な機械的結合を促進するために、カバープレート700Bに形成された対応する複数の貫通孔709と整合され、その結果、感知部分711Aは、ハウジングブロック702Aに形成された中空空間内に延在し、電気インタフェース部分711Bは、DAQ及び関連回路要素との電気的接続を促進するために、カバープレート700Bの開口部710を介して外界に露出される。
【0039】
一配置において、ツーリングシステムの真空完全性を保証するために、二重シール配置が提供され得、ここで、中空空間に開口するレセプタクル部分をシールするために、第1のOリングシール702Cが、センサ702Eの第1のボディ部分713の周りに配置され、及び、カバープレート700Bの第2のボディ部分715及び開口710に関与する機械的インタフェースをシールするために、第2のOリングシール702Dが電気インタフェース部分711Bに近接して、第2のボディ部分715の周りに配置される。
【0040】
図8及び
図9は、例えば、
図7のアセンブリ700などのアンモニアセンサマニホルドアセンブリの例示の3D表現のハウジングブロック及びカバープレートの種々の図を示しており、一実装に従った付加的な詳細を示している。
図8は、参照番号801で全体的に示されるハウジングブロックの正面
図800A、上面
図800B、及び側面
図800Cを示し、開口部802、804が、間に筒状空間806を備えて連結される。レセプタクル810のレセプタクル部分808が、筒状空間806に開口し、それとの空間的連続性を提供する。上述のようにカバープレートとの機械的結合を促進するために、ハウジングブロック801の平面
図800Bに複数の孔812が示されている。
図9は、厚さ902を有するカバープレート901の上面
図900A及び側面
図900Bを示す。カバープレート901に形成される開口部904は、アンモニアセンサの電気インタフェース部分が外部電子機器にアクセスできるようなサイズ及び形状にすることができ、一方で、ハウジングブロック801のレセプタクル810と嵌合したときにそれとの密な封止を促進にし、例えば、Oリングシール、ガスケット、又はワッシャーなどのシーリングデバイスを、真空完全性を保証するために用いることができる。また、レセプタクル810は、レセプタクル部分808とセンサの感知部分との間の密なシールを提供するために、別のシーリングデバイス(例えば、Oリングシール、ガスケット、ワッシャーなどから選択される)が配置され得るように、レセプタクル部分808に近接して輪郭付けられ得る。上述のように、カバープレート901には、ハウジングブロック801との堅固な結合を促進するために、例えば、カバープレート901の平面
図900Aに示すように、ハウジングブロック801に形成された対応する孔812と整合される複数の貫通孔912を設けることができる。
【0041】
図10は、一実装に従った組み立てられたアンモニアセンサマニホルドアセンブリ1001の正面
図1000A及び上面
図1000Bを示し、ハウジングブロック801及びカバープレート901が、モジュール式ユニットとして組み立てられる。アンモニアセンサ1002が、開口部802と開口部804との間に延在する中空筒状空間806内に感知部分1004が突出するように、レセプタクル810内に配置され、一方で、センサ1002の電気インタフェース部分1006(この図では関連する電気コネクタなしで示される)が、外部電気接続を促進するために露出される。入来する流出パイプ部分又は出ていく流出パイプ部分が接続されているかどうかに応じて、開口部802、804のいずれかが、
図6に示されるトリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリ1001の配置と同様のインフローポート又はアウトフローポートとして動作することができる。
【0042】
図12を参照すると、一実装に従った
図7のアンモニアセンサマニホルドアセンブリのための例示のシール配置1200が示されている。アンモニアセンサ1202が、感知部分1204及び電気インタフェース部分1206(電気コネクタ又はピンは具体的に示されていない)を備えて示されている。上記で詳細に説明したように、モジュール式マニホルドアセンブリにおいて密なシールを提供するため、第1のOリングシール1208が、感知部分1204に近接するセンサ1202のボディ部分の周りに配置され、第2のOリングシール1210が、電気的感知部分1206に近接するセンサ1202のボディ部分の周りに配置される。
【0043】
センサデータのデータ取得及び処理に関して、センサインタフェース配線、信号相互接続配線、1つ又は複数のアナログ/デジタルDAQユニット、センサ電源システム、及び1つ又は複数の任意のUSBハブ(例えば、リモートホストと通信するため)などに概して関与する種々の配置が、用いられるセンサのタイプ又は種類、或いは、センサが異なる電気インタフェース部分を有するかどうかにかかわらず、展開され得る。例示のデータ取得及び処理システムは同様の構成及び配置を有し得るが、特定の一実装は、例えば、センサの電気的特性、感知原理、電気コネクタピンアウト、センサ感度などに基づいて異なり得る。例示として、例示のアンモニアセンサは、6つの電気コネクタ又はピン(例えば、TGS826)を有することができ、例示のトリメチルアミンセンサ(例えば、TGS2603)は、4つの電気コネクタ又はピンを有することができるが、本明細書の教示に従って、同様のデータ取得及び監視方式を実施することができる。一実装において、例示のセンサインタフェース配線及び信号相互接続配線が、標準AMPコネクタ、RJ-45コネクタ、CAT-5コネクタなどを含むが、幾つかの配置はワイヤレス接続性に関与し得る。また、PCI(Peripheral Component Interconnect)、PCI Express、PXI(PCI eXtensions Instrumentation)、(Peripheral Component Instrumentation)、PXI Express、イーサネット(Ethernet)などのバス技術も、いくつかのDAQ配置において用いられ得る。センサからのアナログ電圧データは、DAQによって処理され、コンピュータ実装モニタリングシステムに提供され得、そこで、適切なプログラム論理又は命令が、排気流中に存在する副産物の量を特徴付けるためにプロセッサによって実行され得る。処理フロー、センサの電気的特性、及びツーリング条件などに応じて、異なる副産物について異なる閾値を確立することができ、これらは、満足のいくHMDS反応プロセスを示す充分な量で特定の副産物が存在するか否かを判定するのに用いることができる。少量のベンチマーク副産物が検出された場合、WIPウェハに関して適切な封じ込め及び是正措置をとることができる。
【0044】
アンモニア及びトリメチルアミンセンサマニホルドアセンブリが上記で詳細に説明されたが、種々の他のセンサが、本明細書の教示に従って適切なモジュール式センサマニホルドアセンブリが製作され得る付加的な及び/又は代替の構成で展開され得る。例えば、有機溶剤センサ、高VOCセンサなどが、適切なベンチマーク副産物を検知、検出、測定し、WIPウェハに関する適切な制御アクションを決定及び/又は識別するための例示のプロセスフローにおいて、アンモニア及びトリメチルアミンセンサと組み合わせて、又はそれらから独立して、展開され得る。また、或る配置で展開されるセンサのフォームファクタに応じて、例示のセンサマニホルドアセンブリは、種々のサイズ、形状、フォームファクタなどのハウジングブロック及び/又はカバープレートを含み得、種々の開口部、センサレセプタクル、及び/又は入力及び出力開口部が、適切なシーリング配置を収容するために適切な形状、サイズなどで設計され得る。
【0045】
加えて、プロセスレシピは、例えば、ツールタイプ及び/又は処理要件に応じて、製造施設内又は異なる施設にわたって著しく変化し得るので、排気流の検出/監視される副産物のプロセス閾値もかなり変化し得る。いくつかのプロセスフローにおいて、満足のいくHMDS実施が、30~50ppmのアンモニア及び10~15ppmのトリメチルアミンを副産物として生成し得る。一実装において、プロセス「欠陥」点又は閾値は、これらの値の50%以上の減少が検出されたときに確立され得る。HMDS応用例のための異なるレシピを実施する他のツールタイプにおいて、満足な実施が、より少ない量のアンモニア及びトリメチルアミン、例えば、15~20ppmのアンモニア及び5~10ppmのトリメチルアミンを生成し得る。そのようなツーリング条件では、監視される副産物が、予期される出力の25%を下回るとき、実行可能な処理閾値が確立され得る。
【0046】
本記載の排気ガス監視システムの例は、実質的な柔軟性を備えて実装され得るので、一実装が、現在満足し得る動作ポイント(すなわち、「フィンガープリンティング」)を判定するためにHMDS反応チャンバツールの挙動を特徴付け、モデル化し、次いで、それに応じて、異なる副産物について、動作ポイント(例えば、絶対又は相対範囲、パーセンテージなどの観点から)の近辺又はそれに対する適切なプロセス閾値又は制限を設定することを含み得る。そのような閾値はまた、いくつかの配置におけるセンサ感度に依存し得る。従って、処理/ツール条件に応じて、同じベンチマーク副産物に対して異なる閾値を実装することができる。
【0047】
図13A及び
図13Bは、一実装に従った例示の方法に関するフローチャートを示す。プロセスフロー1300Aは、ブロック1302に示すように、例えば、半導体プロセスウェハ内又はその上にICを製造するために用いられるプロセスフローのフォトリソグラフィ工程においてフォトレジスト層を適用する前に、反応チャンバ内に配置された半導体プロセスウェハにガス形態の接着促進剤(例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気などのヘキサアルキルジシラザン)を適用することから開始し得る。ブロック1304において、接着促進剤と、半導体プロセスウェハと、関連する表面層との間の反応の1つ又は複数の副産物(例えば、ベンチマーク副産物)の存在を検出するために、反応チャンバから流れる排気流が監視される。ブロック1306に示されるように、検出された副産物が、対応する閾値を超える量で排気流中に存在するとの判定に応答して、半導体プロセスウェハは、IC製造プロセスの次段に進み、これは、パターン化される層、露光のためのフォトリソグラフィで用いられる光/放射線のスペクトル特性(例えば、436nm(「g線」)、405nm(「h線」)、及び365nm(「i線」)、X線など)に応じて、任意の既知の又はこれまで知られていない技術及びプロセスレシピを用いて、適切なPR材料を適用することに関与し得る。プロセスフロー1300Bは、ブロック1322に示すように、ベンチマーク副産物が、排気流中に存在しないか、又は対応する閾値未満で存在すると判定することに応答して、付加的な及び/又は代替のアクションがとられ得る、変形形態に関与する。例えば、プロセスフローは、(i)半導体ウェハの後続の処理を終了すること(例えば、半導体プロセスウェハがPR適用に進まない)、及び/又は(ii)再加工又はスクラップのために半導体プロセスウェハを指定することのうちの少なくとも1つに関与し得るが、これらに限定されない。
【0048】
上述のように、例示のIC製造フローが、半導体ウェハ処理の種々の段階の間に行われ得るいくつかのフォトリソグラフィ工程を含み得る。従って、適切なPR接着促進剤ツール及び関連する排気ガス監視が、本記載の種々の例に従った製造フローの1つ又は複数の段階で展開され得る。一実装において、各接着促進剤具及び関連する排気ガス監視段階が、適切な表面処理、特定のセンサタイプ及び対応するマニホルドアセンブリ、並びに、それぞれの反応チャンバ動作ポイント及び適用可能な閾値を達成するための特定のプロセスレシピに基づいて、特定のベンチマーク副産物を検出することに関与し得る。また、排気ガス監視方式は、ウェハ基板材料(例えば、Si、SiC、SiGe、GaAs、又は有機半導体材料など)、表面層材料及び組成、接着促進剤材料(例えば、HMDS、非HMDSなど)などに応じて変化してもよい。従って、種々の例が、多くの製造環境において実施され得るロバストであるが柔軟な方式で排気ガスを監視するための適応可能なシステムを提供する。
【0049】
また、ICチップ内にパターン化及び追加される導電層及び絶縁層(例えば、ポリシリコン層、金属層、誘電体層など)の数に応じて、FEOL及びBEOL段を含むIC製造フローの種々の段階で展開され得る。概して、FEOLプロセスフローは、個々のデバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ、抵抗器など)が半導体ウェハ内でパターン形成されるIC製造の第1の部分と考えることができる。FEOLは、概して、金属相互接続層の堆積までのIC処理を含むが、金属相互接続層の堆積は含まない。例示のCMOSプロセスについて、例示として、FEOLが、完全に絶縁されたCMOS素子を形成するために必要とされるすべての製造工程を含み得、これは、ウェハの準備、シャロートレンチ分離、nウェル/pウェル形成、ゲート形成、及びソース/ドレイン形成を含み得る。複合のICデバイスに関与する例示の製造フローにおいて、CMOSウェハは、10~50倍ものフォトリソグラフィサイクルを経る場合もある。
【0050】
BEOLプロセスフローは、個々のデバイスが1つ又は複数の配線層(メタライゼーション層と呼ばれる)と相互接続されるIC製造の第2の部分を含む。BEOLは概して、第1の金属層がシリサイド化及びプレメタル誘電体堆積を受けたFEOLから(例えば、絶縁されたデバイスを用いて)、パターン化されたウェハ上に堆積されるときに始まる。相互接続金属層(例えば、銅又はタングステン層)は、本明細書の一実装に従ったAP適用及び排気ガス監視プロセスが先行するフォトリソグラフィサイクルに従ってパターン化され得る。BEOLは、それぞれの金属層を分離し、金属間ビアを形成するいくつかの金属間誘電体層を含み得るので、複数のフォトリソグラフィサイクルが、例示のBEOLフローにおいて実装され得る。従って、いくつかの実装において、適切なAPツール及び関連する排気ガス監視方式を、BEOLプロセスフローの1つ又はいくつかの金属レベルで展開することもできる。
【0051】
本明細書の例示の一実装は、有利にも、反応プロセスの間接的かつしばしば不適切な評価のみを提供する流入ガス(すなわち、キャリアガス)を監視するのではなく、指定された副産物の検出に基づいてHMDS反応プロセスを直接監視することを可能にする。例示の実装は、PR接着プロセスにおける潜在的な欠陥をリアルタイムで検出する能力を提供するので、欠陥の即時の通知及び補正が行われ得、それによって、大量の欠陥製品及び/又はスクラップ事象が生じることが防止される。
【0052】
種々の実装を示し、詳細に説明してきたが、特許請求の範囲は如何なる特定の実装又は例にも限定されない。上記の詳細な説明のいずれも、任意の特定の構成要素、要素、工程、動作、又は機能が、特許請求の範囲に含まれなければならないように必須であることを暗示するものではない。「A及びBのうちの少なくとも1つ」などの語句、又は同程度に重要な語句が記述又は記載されている場合、これは、「Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方」を意味する。単数形の要素への言及は、そのように明示的に記載されていない限り、「1つであり、1つのみ」を意味するのではなく、代わりに「1つ又は複数」を意味する。当業者に既知である上記の実装の要素に対するすべての構造的及び機能的等価物は、参照によって明示的に本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含される。
【0053】
本記載の図面に示されるフローチャートのいずれかに示される行為、工程、機能、構成要素、又はブロックの順序又はシーケンスは、特定の行為、工程、機能、構成要素、又はブロックの削除又は省略を含んで、特定のフローチャート内で改変、変更、置換、カスタマイズ、又は他の方式で再構成され得る。また、特定のフローチャートに示される行為、工程、機能、構成要素、又はブロックは、本開示の目的のために1つ又は複数のプロセスに関する付加的な変形、改変、及び構成を達成するために、別のフローチャートに示される行為、工程、機能、構成要素、又はブロックと相互混合されてもよく、又はその他の方式で相互配置又は再構成されてもよい。従って、当業者であれば、本明細書に記載される例示の実装が、以下に添付される特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で種々の変形及び変更を伴って実施され得ることを認識するであろう。
【国際調査報告】