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特表2024-504655照明システムの複数の照明デバイスを構成するための制御システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】照明システムの複数の照明デバイスを構成するための制御システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20240125BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542984
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2022050373
(87)【国際公開番号】W WO2022152662
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】21151983.0
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】スキラーチェ ジョルジュ ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】カムプ アントニー レオナルドゥス ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】ゴルゲン ダニエル マルティン
(72)【発明者】
【氏名】フッバース アロイス
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA09
3K273QA14
3K273QA15
3K273RA02
3K273RA04
3K273RA05
3K273RA07
3K273RA17
3K273SA11
3K273SA17
3K273SA35
3K273SA36
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA25
3K273TA29
3K273TA54
3K273TA59
3K273TA62
3K273TA80
3K273UA02
3K273UA22
(57)【要約】
複数の照明デバイスを構成するための制御システムが開示される。制御システムは、複数の照明デバイスとワイヤレス通信するように構成される通信ユニットと、複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化する、及び、1つ以上の通信ユニットを介して、グループ化情報をそれぞれの照明デバイスに通信して、それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させ、グループ化情報は、異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す、ように構成される構成モジュールと、1つ以上の通信ユニットを介して、複数の照明デバイスにブロードキャストコマンドを通信し、ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する、ように構成される制御モジュールとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システムの複数の照明デバイスを構成するための制御システムであって、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含み、当該制御システムは、
前記複数の照明デバイスとワイヤレス通信するように構成される1つ以上の通信ユニットと、
前記複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、前記複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化する、及び
前記1つ以上の通信ユニットを介して、グループ化情報をそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させ、前記グループ化情報は、前記異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す、
ように構成される構成モジュールと、
前記1つ以上の通信ユニットを介して、前記複数の照明デバイスにブロードキャストコマンドを通信し、前記ブロードキャストコマンドは、前記それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する、
ように構成される制御モジュールと、
を含む、制御システム。
【請求項2】
前記複数の照明デバイスのうちの第1の照明デバイスの少なくとも1つの第1のセグメント及び前記複数の照明デバイスのうちの第2の照明デバイスの少なくとも1つの第2のセグメントは、同じ照明制御グループにグループ化される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
グループの数は制限され、照明制御グループの最大数は、前記複数の照明デバイスのセグメントの数よりも小さく、前記構成モジュールは、少なくとも2つのセグメントを同じ照明制御グループにグループ化するように構成される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記構成モジュールは、
前記複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、それぞれの照明デバイスの1つ以上のセグメントの調整レベルを決定し、該調整レベルは、それぞれのセグメントの1つ以上の光源の光出力の調整を定義する、及び
該調整レベルをそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれの調整レベルをそのメモリに記憶させる、
ように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記構成モジュールは、
前記複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、それぞれの照明デバイスの調整レベルを決定し、該調整レベルは、該照明デバイスの光源の光出力の調整を定義する、及び
該調整レベルをそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれの調整レベルをそのメモリに記憶させる、
ように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記調整レベルは、前記光出力の色、明るさ及び/又は彩度の調整を定義する、請求項4又は5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記構成モジュールは、それぞれの照明デバイスによって照らされるべき表面に対する照明デバイスのロケーションを示す情報を得る、及び、前記それぞれの照明デバイスによって照らされるべき表面に対する照明デバイスのロケーションに基づいて前記調整レベルを決定するように構成される、請求項4、5又は6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記構成モジュールは、照明デバイス及び/又はそのセグメントの位置に基づいて前記異なる照明制御グループへの前記異なるセグメントのグループ化を決定するように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項9】
当該制御システムは、前記異なる照明制御グループへの前記複数の個別に制御可能なセグメントの前記異なるセグメントのグループ化を示すユーザ入力を受けるように構成されるユーザインターフェースを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記ブロードキャストコマンドによって定義される光設定は、それぞれの照明制御グループに対するオフ設定を含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項11】
複数の照明デバイスであって、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含む、複数の照明デバイスと、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の制御システムと、
を含む、照明システムであって、
各照明デバイスは、
前記それぞれのグループ化情報を受ける、
前記それぞれのグループ化情報を自身のメモリに記憶する、
前記ブロードキャストコマンドを受ける、
制御コマンドに基づいて及びグループ化情報に基づいてどの光設定に従ってどのセグメントを制御すべきかを決定する、及び
各セグメントの1つ以上の光源をそれぞれの光設定に従って制御する、
ように構成される、照明システム。
【請求項12】
前記複数の照明デバイスの1つ以上は、光源アレイである、請求項11に記載の照明システム。
【請求項13】
照明システムの複数の照明デバイスを構成する方法であって、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含み、当該方法は、
前記複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、前記複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化することと、
1つ以上の通信ユニットを介して、グループ化情報をそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させることであって、前記グループ化情報は、前記異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す、ことと、
前記1つ以上の通信ユニットを介して、前記複数の照明デバイスにブロードキャストコマンドを通信することであって、前記ブロードキャストコマンドは、前記それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する、ことと、
を含む、方法。
【請求項14】
当該方法は、
前記複数の照明デバイスの各々によって、前記それぞれのグループ化情報を受けることと、
前記複数の照明デバイスの各々によって、前記それぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶することと、
前記複数の照明デバイスの各々によって、前記ブロードキャストコマンドを受けることと、
前記複数の照明デバイスの各々によって、制御コマンドに基づいて及びグループ化情報に基づいてどの光設定に従ってどのセグメントを制御すべきかを決定することと、
前記複数の照明デバイスの各々によって、各セグメントの1つ以上の光源をそれぞれの光設定に従って制御することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1つ以上のコンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが前記1つ以上のコンピューティングデバイスの1つ以上の処理ユニットで実行された場合、請求項13又は14に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムの複数の照明デバイスを構成するための制御システムに関する。本発明はさらに、複数の照明デバイス及び制御システムを含む照明システムに関する。本発明はさらに、照明システムの複数の照明デバイスを構成する方法及び該方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のホームシステムは、複数の制御可能な照明デバイスを含む。このようなシステムにおいて、照明デバイスは、ディスプレイ上にレンダリングされているメディアコンテンツに基づいて制御されることができる。ユーザは、例えば、ディスプレイデバイス(例えば、テレビ、PCモニタ、タブレットPC、プロジェクタ等)のディスプレイ上で映画又はゲームをプレイし得る。照明デバイスは、例えば、ディスプレイ上にレンダリングされる画像の色を分析することによって、及び、それに応じて照明デバイスを制御することによって、ディスプレイ上にレンダリングされているメディアコンテンツに基づいて制御されてもよい。代替的に、照明デバイスは、照明デバイスのために予めプログラムされた照明制御命令を含む光スクリプト(light script)に従って制御されてもよい。照明制御命令は、ディスプレイ上にレンダリングされているメディアコンテンツと同期して照明デバイスを制御するために照明デバイスに伝達される。これは、映画又はゲームの雰囲気をユーザの部屋にもたらす。
【0003】
照明デバイスに送信される照明制御命令は、ディスプレイ、空間、ユーザ等に対する照明デバイスのロケーションに依存し、オンスクリーンイベント(例えば、爆発、日没、ディスプレイの片側から接近する物体等)のロケーションが、照明デバイスによって生成される光効果のロケーションに対応する。このようなオンスクリーンイベントが発生する場合、空間内の照明デバイスが同期して制御されることが望ましい。これは、照明デバイスの数が空間内で増加する場合、特に照明デバイスが複数の個別に制御可能なセグメントを含む場合に困難になる。例えば、ライトストリップ(light strip)又は照明タイル(lighting tile)は、個別に制御されることができる(各々が1つ以上の光源を含む)このようなセグメントを含む。これは、複数の制御コマンドが、個別に制御可能なセグメントを制御するために異なる照明デバイスに送信されるべきであることを必要とする。これの不利な点は、現在の(家庭用)照明制御システムは、この量の制御コマンドに対処することができず、その結果、照明デバイス(及びそれらのセグメント)が同期して制御されない、光効果がレイテンシ(latency)を有する、及び/又は光効果間の遷移があまり滑らかではないことである。
【0004】
US 10834804 B1は、照明ゾーンの照明を独立して制御するように構成されるゾーンコントローラで装飾照明ゾーンを構成すること、リモートコントロールから受信される照明コマンドを実行するようにゾーンコントローラをプログラミングすること、及びゾーンコントローラにおいて照明コマンドを独立してアクティブにすることに基づいて、照明ゾーンにおいてリモートに構成可能な照明ディスプレイを自動的に提供することに関連するデバイス及び関連方法を開示している。照明コマンドは、照明シーケンスであってもよい。照明ゾーンは、例えば、時間的に変化する人工ツリー照明パターンをディスプレイするマルチカラー光であってもよい。いくつかの例では、ゾーンコントローラは、リモートコントロールが複数のゾーンを独立してプログラム及びアクティブにすることを可能にするように構成されるマルチゾーンコントローラであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改善されたかたちで(in an improved manner)複数の個別に制御可能なセグメントを各々が含む複数の照明デバイスを制御することができる照明制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、前記目的は、照明システムの複数の照明デバイスを構成するための制御システムであって、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含み、当該制御システムは、
複数の照明デバイスとワイヤレス通信するように構成される通信ユニットと、
複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化する、及び
1つ以上の通信ユニットを介して、グループ化情報(grouping information)をそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させ、グループ化情報は、異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す、
ように構成される構成モジュール(configuration module)と、
1つ以上の通信ユニットを介して、複数の照明デバイスにブロードキャストコマンドを通信し、ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する、
ように構成される制御モジュールと、
を含む、制御システムによって達成される。
【0007】
異なる照明デバイスの異なる個別に制御可能なセグメントが、異なる照明制御グループにグループ化される。照明制御グループは、同じ光設定に従ってグループとして制御されるべきであるセグメントのグループを定義する。このグループ化情報は、各照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させるために、各照明デバイスに伝達される。これは、照明デバイスが、特定のグループを対象とする照明制御コマンドを受ける場合、それに応じて(accordingly)異なるセグメントを制御することを可能にする。制御モジュールは、複数の照明デバイスの各々にブロードキャストコマンドを通信する。ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する。これは、照明デバイスが、各セグメントの1つ以上の光源をそれぞれの光設定に従って制御することを可能にする。(個々の照明デバイス及び/又はそのセグメントへのユニキャストの代わりに)ブロードキャストコマンドを送信することにより、異なる照明デバイスの異なるセグメントの制御が同期されて実行される。さらに、コマンドの数が減少されることに起因して、光効果のレイテンシが減少され、光効果間の遷移がより滑らかになる。したがって、この制御システムは、照明システムのユーザ体験を向上させ、照明システムのネットワークリソースを最適に使用するという利点を提供する。
【0008】
構成モジュールは、複数の照明デバイスのうちの第1の照明デバイスの少なくとも1つの第1のセグメント及び複数の照明デバイスのうちの第2の照明デバイスの少なくとも1つの第2のセグメントが、同じ照明制御グループにグループ化されるように、複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化するように構成されてもよい。ブロードキャストコマンドは、(第1の照明デバイスの)少なくとも1つの第1のセグメントの1つ以上の光源と、少なくとも1つの第2のセグメントの1つ以上の光源とが、(同じ)光設定に従って制御されるように、当該同じ照明制御グループに対する光設定を含んでもよい。これは、異なる照明デバイスの異なるセグメントが同じブロードキャストコマンドによって(同期されて)制御されるため、有益である。
【0009】
(照明デバイスのセグメントがグループ化されるべきである)グループの数は制限されてもよい。照明制御グループの最大数は、複数の照明デバイスのセグメントの数よりも小さくてもよい。それゆえ、構成モジュールは、少なくとも2つのセグメントを同じ照明制御グループにグループ化するように構成されてもよい。少なくとも2つのセグメントは、単一の照明デバイスのセグメントであってもよい。追加的に又は代替的に、少なくとも2つのセグメントは、異なる照明デバイスのセグメントであってもよい。ブロードキャストコマンドのサイズ(すなわち、データ量)が制限され、これにより、利用可能なグループの数を制限してもよい(例えば、最大20グループ)。それゆえ、異なるセグメントを同じ照明制御グループにグループ化する必要があってもよい。
【0010】
構成モジュールはさらに、複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、それぞれの照明デバイスの1つ以上のセグメントの調整レベルを決定し、調整レベルは、それぞれのセグメントの1つ以上の光源の光出力の調整を定義する、及び、調整レベルをそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれの調整レベルをそのメモリに記憶させるように構成されてもよい。照明デバイスは、セグメントがグループ化(grouping)に従ってブロードキャストコマンドに基づいて制御される場合、それぞれのセグメントの1つ以上の光源の光出力を調整してもよい。このような調整は、例えば、ある光源が被照明面に近い場合、被照明面の反射特性が異なるセグメントに対して異なる場合、セグメントが他のセグメントと比較してユーザ及び/又はメディアレンダリングデバイスに近い場合等に必要とされてもよい。これらの調整レベルは、異なる照明デバイス(及びセグメント)に対して異なってもよい。調整レベルを照明デバイスに記憶することは、ブロードキャストコマンドが異なる照明デバイスの異なるセグメントに対してこれらを定義する必要がないため、有益である。ブロードキャストコマンドは、すべてのそれぞれの制御グループに対する光設定を定義し、照明デバイスは、それぞれのセグメントについてそれぞれのメモリに調整レベルが存在する場合にのみ、それぞれのセグメントの光出力を調整する。調整レベルは、光出力の色、明るさ、及び/又は彩度の調整を定義してもよい。
【0011】
追加的に又は代替的に、構成モジュールはさらに、複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、それぞれの照明デバイスの調整レベルを決定し、調整レベルは、照明デバイスの光源の光出力の調整を定義する、及び、調整レベルをそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれの調整レベルをそのメモリに記憶させるように構成されてもよい。各照明デバイスは、セグメントがグループ化に従ってブロードキャストコマンドに基づいて制御される場合、該照明デバイスの1つ以上の光源の光出力を調整してもよい。このような調整は、被照明面までの距離に依存して、被照明面の反射特性に依存して、ユーザ及び/又はメディアレンダリングデバイスに対する照明デバイスの距離に依存して等、必要とされてもよい。調整を適用する別の理由は、異なる照明デバイス間の光出力特性の違い(例えば、演色特性の違い、最小/最大輝度の違い等)である。これらの調整レベルは、異なる照明デバイスに対して異なってもよい。それゆえ、調整レベルを照明デバイスに記憶させることは、ブロードキャストコマンドで定義される光設定が、すべてのそれぞれの制御グループに対して同じであり、照明デバイスは、それぞれのメモリに存在する調整レベルに依存してその光源の光出力を調整するため、有益である。調整レベルは、光出力の色、明るさ、及び/又は彩度の調整を定義してもよい。
【0012】
構成モジュールはさらに、照明デバイス(のそれぞれのセグメント)によって照らされるべき表面に対する照明デバイス(のセグメント)のロケーションを示す情報を得る、及び、照明デバイス(のそれぞれのセグメント)によって照らされるべき表面に対する照明デバイス(のセグメント)のロケーションに基づいて調整レベルを決定するように構成されてもよい。照明デバイス(のそれぞれのセグメント)によって照らされるべき表面に対する照明デバイス(のセグメント)のロケーションを示す情報は、例えば、屋内測位システムから、ユーザインターフェースを介して受けるユーザ入力に基づいて、照明デバイスに含まれる又は照明デバイスに近接するセンサから受けるセンサ入力に基づいて等、得られてもよい。これらの調整レベルは、異なる照明デバイス(及びセグメント)に対して異なってもよい。それゆえ、調整レベルを照明デバイスに記憶することは、ブロードキャストコマンドで定義される光設定が、すべてのそれぞれの制御グループに対して同じであり、照明デバイスは、当該照明デバイス(又はそれぞれのセグメント)についてそれぞれのメモリに調整レベルが存在する場合にのみ、光源の光出力を調整するため、有益である。
【0013】
構成モジュールは、照明デバイス及び/又はそのセグメントの位置に基づいて異なる照明制御グループへの異なるセグメントのグループ化を決定するように構成されてもよい。構成モジュールは、照明デバイス及び/又はそのセグメントの、空間に対する、空間内の予め定められた位置に対する、互いに対する、デバイス又は物体に対する、ユーザに対する等の位置に基づいて照明制御グループを決定するように構成されてもよい。セグメントの位置に基づいてグループを決定することは、近接するセグメントのグループ化を可能にするため、有益である。これは、照明制御グループの最大数が制限される場合にさらに有益であり得る。
【0014】
制御システムはさらに、異なる照明制御グループへの複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントのグループ化を示すユーザ入力を受けるように構成されるユーザインターフェースを含んでもよい。制御システムを動作させるユーザは、ユーザインターフェースを介してグループを示し(indicate)てもよい。
【0015】
ブロードキャストコマンドによって定義される光設定は、それぞれの照明制御グループのセグメントの光特性(例えば、明るさ、色、彩度、ビーム形状/サイズ/方向、等)を制御するための照明制御命令を含んでもよい。様々な例において、ブロードキャストコマンドによって定義される光設定は、それぞれの照明制御グループに対するオフ設定(off-setting)を含み、ブロードキャストコマンドによって定義される別の光設定は、別の照明制御グループに対するオン設定(on-setting)を含んでもよい。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、前記目的は、
複数の照明デバイスであって、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含む、複数の照明デバイスと、
制御システムと、
を含む、照明システムであって、
各照明デバイスは、
それぞれのグループ化情報を受ける、
それぞれのグループ化情報を自身のメモリに記憶する、
ブロードキャストコマンドを受ける、
制御コマンドに基づいて及びグループ化情報に基づいてどの光設定に従ってどのセグメントを制御すべきかを決定する、及び
各セグメントの1つ以上の光源をそれぞれの光設定に従って制御する、
ように構成される、照明システムによって達成される。
【0017】
照明デバイスは各々、グループ化情報及びブロードキャストコマンドを受けるためのレシーバを含んでもよい。これは、照明デバイスが、特定のグループを対象とする照明制御コマンドを受ける場合、それに応じて異なるセグメントを制御することを可能にする。
【0018】
複数の照明デバイスの1つ以上は、光源アレイであってもよい。光源アレイは、一次元アレイ(例えば、LEDストリップ/ストリング)、二次元アレイ(例えば、LEDタイル)、又は三次元アレイ(例えば、LEDキューブ)であってもよい。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、前記目的は、照明システムの複数の照明デバイスを構成する方法であって、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含み、当該方法は、
複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化することと、
1つ以上の通信ユニットを介して、グループ化情報をそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させることであって、グループ化情報は、異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す、ことと、
1つ以上の通信ユニットを介して、複数の照明デバイスにブロードキャストコマンドを通信することであって、ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する、ことと、
を含む、方法によって達成される。
【0020】
方法はさらに、
複数の照明デバイスの各々によって、それぞれのグループ化情報を受けるステップと、
複数の照明デバイスの各々によって、それぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶するステップと、
複数の照明デバイスの各々によって、ブロードキャストコマンドを受けるステップと、
複数の照明デバイスの各々によって、制御コマンドに基づいて及びグループ化情報に基づいてどの光設定に従ってどのセグメントを制御すべきかを決定するステップと、
複数の照明デバイスの各々によって、各セグメントの1つ以上の光源をそれぞれの光設定に従って制御するステップと、
を含んでもよい。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、前記目的は、1つ以上のコンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムプロダクトであって、コンピュータプログラムプロダクトが1つ以上のコンピューティングデバイスの1つ以上の処理ユニットで実行された場合、方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムプロダクトによって達成される。方法のそれぞれのステップは、制御/照明システムの対応する(処理)要素によって実行されてもよい。
【0022】
照明システム、方法及びコンピュータプログラムは、上述した制御システムと同様及び/又は同一の実施形態及び利点を有し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
開示されたシステム、デバイス及び方法の上記の及び追加の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して、デバイス及び方法の実施形態の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明を通してよりよく理解されるであろう。すべての図は概略的であり、必ずしも縮尺どおりではなく、一般に、本発明を明らかにするために必要な部分のみを示し、他の部分は省略されるか、単に示唆される場合がある。
図1図1は、制御システムと、個別に制御可能なセグメントを含み、各セグメントは複数の光源を含む、複数の照明デバイスとを含む照明システムの一例を概略的に示す。
図2図2は、異なる制御グループへの図1の照明デバイスの異なるセグメントのグループ化の一例を概略的に示す。
図3図3a、図3bは、複数の照明デバイスを含む空間及び照明制御グループを示す空間のサブエリアの例を概略的に示す。
図4図4a、図4bは、複数の照明デバイスを含む空間及び照明制御グループを示す空間のサブエリアの例を概略的に示す。
図5図5は、ディスプレイの部分が照明制御グループに対応する照明システムの一例を概略的に示す。
図6図6は、照明システムの複数の照明デバイスを構成する方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、制御システム102と、複数の照明デバイス200、300とを含む照明システム100を概略的に示している。各照明デバイスは、メモリ202、302と、複数の個別に制御可能なセグメント210、220、230、310、320、330とを含み、各セグメントは、1つ以上の光源212、222、232、312、322、332(例えば、LED光源)とを含む。各照明デバイスはさらに、レシーバ204、304と、レシーバ、メモリ及び複数の光源に動作可能に結合されるコントローラ206、306(例えば、1つ以上のプロセッサ)とを含む。照明デバイス206、306は、各々が1つ以上の(LED)光源を含む複数の個別に制御可能な(アドレス指定可能な)照明セグメントを含む任意のタイプの照明デバイスであってもよい。照明デバイスは、例えば、一次元アレイ(例えば、LEDストリップ/ストリング)、二次元アレイ(例えば、LEDタイル)、又は三次元アレイ(例えば、LEDキューブ)であってもよい。照明デバイスは、キーボード、コンピュータマウス、ゲームコントローラ、PCケーシング等の周辺デバイスに組み込まれてもよい。制御システム102は、複数の照明デバイスとワイヤレス通信するように構成される1つ以上の通信ユニット104と、構成モジュール106と、制御モジュール108とを含む。
【0025】
制御システム102は、照明システム100の複数の照明デバイス200、300を構成及び制御するための任意のタイプの制御システムであってもよい。図1の例において、構成モジュール106及び制御モジュール108は、単一のデバイス(例えば、スマートフォン、ブリッジ、ハブ、リモートサーバ等の中央照明制御デバイス)に含まれる。これは一例であり、システムアーキテクチャに依存して、構成モジュール106、制御モジュール108、及び1つ以上の通信ユニット104は、異なるデバイスに分散されてもよいことを理解されたい。構成モジュール106及び制御モジュール108は、例えば、各々が照明デバイス200、300と通信するための独自の通信ユニット104を有する、別個のデバイスに含まれてもよい。構成モジュール106及び制御モジュール108は、制御システム102の1つ以上のプロセッサ(例えば、回路、マイクロコントローラ等)上で実行されてもよい。
【0026】
制御システム102は、照明デバイス200、300とワイヤレス通信するように構成される1つ以上の通信ユニット104を含む。通信ユニットは、照明デバイス200、300を構成及び制御するために(グループ化情報等の)構成情報及び照明制御コマンドを照明デバイス200、300に通信してもよい。通信ユニットは、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Li-Fi、3G、4G、5G又はZigBee(登録商標)等、1つ以上のワイヤレス通信プロトコルを介して通信するためのハードウェアを含んでもよい。特定の通信技術は、照明デバイスの通信能力(communication capability)、ワイヤレス通信技術のための通信ドライバの電力消費及び/又は信号の通信範囲に基づいて選択されてもよい。
【0027】
制御システム102はさらに、照明デバイス200、300を構成するための構成モジュール106を含む。構成モジュール106は、複数の照明デバイス200、300の各照明デバイスについて、複数の個別に制御可能なセグメント210、220、230、310、320、330の異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化するように構成される。構成モジュール106はさらに、1つ以上の通信ユニット104を介して、グループ化情報をそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させるように構成され、グループ化情報は、異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す。構成モジュール106は、例えば、第1の照明デバイス200のセグメント210、220、230をそれぞれの照明制御グループに関連付け、第2の照明デバイス300のセグメント310、320、330をそれぞれの照明制御グループに関連付けてもよい。このグループ化情報は、照明デバイス200、300に伝達される。照明デバイス200、300は、グループ化情報を受け、異なるセグメントの関連付けをそれぞれのメモリに記憶するように構成される。照明デバイス200は、自身の通信ユニット204を介して自身のセグメント210、220、230と照明制御グループとの関連付けを受けてもよく、そのコントローラ206は、これらの関連付けをそのメモリ202に記憶してもよい。同様に、照明デバイス300は、自身の通信ユニット304を介して自身のセグメント310、320、330と照明制御グループとの関連付けを受けてもよく、そのコントローラ306は、これらの関連付けをそのメモリ302に記憶してもよい。構成モジュール106は、(例えば、定期的に、照明デバイス200、300の要求に応じて、照明制御デバイスの要求に応じて、ユーザの要求に応じて等)グループ化情報を更新する、及び、更新されたグループ化情報を照明デバイス200、300に通信するように構成されてもよい。
【0028】
照明デバイス200、300は、異なるグループ化情報セットを記憶するように構成されてもよい。構成モジュール106は、例えば、第1のグループ化情報を照明デバイス200、300に伝達し、第2のグループ化情報を照明デバイス200、300に伝達してもよく、これらの両方が、それぞれのメモリ202、302に記憶されてもよい。照明デバイス200、300は、(例えば、構成モジュール106又は制御モジュール108から)コマンドを受ける、及び、受けたグループ化情報のうちの1つをアクティブにするように構成されてもよい。第1のグループ化情報は、例えば、第1のメディアコンテンツ(例えば、ディスプレイ上にレンダリングされるビデオコンテンツ)に基づく照明デバイスの制御に関連してもよく、第2のグループ化情報は、例えば、第1のメディアコンテンツとは異なるソースに基づく(例えば、第2のメディアコンテンツに基づく、ユーザのロケーションに基づく等)照明デバイスの制御に関連してもよい。これは、照明デバイス200、300に切り替え(switch)を指示するコマンドを照明デバイス200、300に送信することによってセグメントのグループ化を切り替えることを可能にするので有益である。図2は、セグメントを複数の照明制御グループにグループ化する別の例を示している。ここで、構成モジュール102は、第1の照明デバイス200の少なくとも1つの第1のセグメント210及び第2の照明デバイス300の少なくとも1つの第2のセグメント310が同じ照明制御グループ410にグループ化されるように、複数の個別に制御可能なセグメント210、220、230、310、320、330の異なるセグメントを異なる照明制御グループ410、420、430、440、450にグループ化してもよい。この図2の例では、セグメント220は照明制御グループ420にグループ化され、セグメント230は照明制御グループ430にグループ化され、セグメント320は照明制御グループ440にグループ化され、セグメント330は照明制御グループ450にグループ化される。このグループ化情報は、照明デバイス200、300に伝達される。照明デバイス200、300は、グループ化情報を受け、異なるセグメントの関連付けをそれぞれのメモリ202、306に記憶するように構成される。照明デバイス200は、自身の通信ユニット204を介して自身のセグメント210、220、230とそれぞれの照明制御グループ410、420、430との関連付けを受けてもよく、そのコントローラ206は、これらの関連付けをそのメモリ202に記憶してもよい。同様に、照明デバイス300は、自身の通信ユニット304を介して自身のセグメント310、320、330とそれぞれの照明制御グループ410、440、450との関連付けを受けてもよく、そのコントローラ306は、これらの関連付けをそのメモリ302に記憶してもよい。
【0029】
制御システム102はさらに、1つ以上の通信ユニット104を介して、複数の照明デバイス200、300にブロードキャストコマンドを通信するように構成される制御モジュール108を含み、ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する。ブロードキャストコマンドは、照明デバイス200、300の光源212、222、232、312、322、332の光出力を制御するための照明制御コマンドである。ブロードキャストコマンドは、照明デバイス200、300にアドレス指定され、異なる照明制御グループの光源212、222、232、312、322、332の光出力を制御するための制御命令を含んでもよい。(個々の照明デバイス及び/又はそのセグメントへのユニキャストの代わりに)ブロードキャストコマンドを送信することにより、異なる照明デバイス200、300の異なるセグメントの制御が同期されて実行される。ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループの光設定(例えば、光源の1つ以上の光特性を制御するための照明制御命令)を定義する。ブロードキャストコマンドは、第1の照明デバイスのどのセグメントにも関連せず、第2の照明デバイスのセグメントのみに関連する照明制御グループに対する光設定を含んでもよい。これが以下に例示される。再び図2を参照して、表1は、異なる照明制御グループに対する光設定を含むブロードキャストコマンドの一例を概略的に示している。
第1の照明デバイス200がブロードキャストコマンドを受ける場合、そのコントローラ206は、1つ以上のセグメントがブロードキャストコマンドによって定義される1つ以上の照明制御グループに関連付けられているかどうかを判断する。この例では、セグメント210は照明制御グループ410に関連付けられ、セグメント220は照明制御グループ420に関連付けられ、セグメント230は照明制御グループ430に関連付けられる。このグループ化情報はメモリ202に記憶される。結果として、第1の照明デバイス200のコントローラ206は、光設定1に従ってセグメント210の光源を制御し、光設定2に従ってセグメント220の光源を制御し、光設定3に従ってセグメント230の光源を制御する。同様に、第2の照明デバイス300がブロードキャストコマンドを受ける場合、そのコントローラ306は、1つ以上のセグメントがブロードキャストコマンドによって定義される1つ以上の照明制御グループに関連付けられているかどうかを判断する。この例では、セグメント310は照明制御グループ410に関連付けられ、セグメント320は照明制御グループ440に関連付けられ、セグメント330は照明制御グループ450に関連付けられる。結果として、第2の照明デバイス300のコントローラ306は、光設定1に従ってセグメント310の光源を制御し、光設定4に従ってセグメント320の光源を制御し、光設定5に従ってセグメント330の光源を制御する。表1において、光設定は、(照明デバイスのメモリに記憶される照明制御値に対応してもよい)数値として示されているが、光設定の他の例としては、RGB値、CIEカラースペクトルのXY値、ビーム形状/サイズ/方向制御値等が挙げられ得る。ブロードキャストコマンドによって定義される光設定は、照明制御グループに対するオフ設定を含んでもよい。照明制御設定を照明デバイスに伝達することは、当技術分野で知られているため、詳細には論じない。
【0030】
(照明デバイス200、300のセグメントがグループ化されるべきである)グループの数は制限されてもよい。照明制御グループの最大数は、複数の照明デバイスのセグメントの数よりも小さくてもよい。例えば、図2を参照して、照明制御グループの最大数は、5つの照明制御グループであってもよい。それゆえ、構成モジュール106は、少なくとも2つのセグメントを同じ照明制御グループにグループ化するように構成されてもよい。少なくとも2つのセグメントは、(図2に示されるように)異なる照明デバイスのセグメントであってもよい。代替的に、少なくとも2つのセグメントは、単一の照明デバイスのセグメントであってもよい。ブロードキャストコマンドのサイズ(すなわち、データ量)が制限され、これにより、利用可能なグループの数を制限してもよい(例えば、最大20グループ)。それゆえ、異なるセグメントを同じ照明制御グループにグループ化する必要があってもよい。
【0031】
構成モジュール106はさらに、複数の照明デバイス200、300の各照明デバイスについて、それぞれの照明デバイスの1つ以上のセグメントの調整レベルを決定するように構成され、調整レベルは、それぞれのセグメントの1つ以上の光源の光出力の調整を定義してもよい。このような調整は、例えば、ある光源が被照明面に近い場合、被照明面の反射特性が異なるセグメントに対して異なる場合、セグメントが他のセグメントと比較してユーザ及び/又はメディアレンダリングデバイスに近い場合等に必要とされてもよい。構成モジュール106はさらに、通信ユニット104を介して調整レベルをそれぞれの照明デバイスに通信して、それぞれの照明デバイスにそれぞれの調整レベルをそのメモリ202、302に記憶させるように構成されてもよい。照明デバイス200、300は、それぞれのレシーバ204、304を介してそれぞれの調整レベルを受け、それぞれのメモリ202、302に調整レベルを記憶するように構成される。照明デバイス200、300のコントローラ206、306は、セグメントがグループ化に従ってブロードキャストコマンドに基づいて制御される場合、セグメントが制御される際に調整レベルを考慮してもよい。表2は、メモリ202に記憶される第1の照明デバイス200のセグメント210、220、230の調整レベルの例を示している。
第1の照明デバイス200がブロードキャストコマンドを受信する場合、第1の照明デバイス200は、ブロードキャストコマンドによって定義される光設定に従って自身のセグメント210、220、230を制御し、メモリで定義されるように調整を適用する。例えば、ブロードキャストコマンドで定義される光設定は、第1の照明制御グループ(例えば、第1のセグメント210)に対する第1の色、第2の照明制御グループ(例えば、第2のセグメント220)に対する第2の色、及び第3の照明制御グループ(例えば、第3のセグメント230)に対する第3の色であってもよく、第1の照明デバイス200のコントローラ206は、表2を参照して、相応に(accordingly)これらのセグメントの明るさ(第1のセグメント210の光源に対して100%の明るさ、第2のセグメント220の光源に対して80%の明るさ、及び第3のセグメント230の光源に対して60%の明るさ)を調整してもよい。図2の例では、調整レベルは、明るさに関連する。調整レベルの他の例は、異なるセグメントの光源の色、彩度、ビーム形状/サイズ/方向等の他の光特性の調整であってもよい。構成モジュール106はさらに、それぞれのセグメントによって照らされるべき表面に対するセグメントのロケーションを示す情報を得る、及び、それぞれのセグメントによって照らされるべき表面に対するセグメントのロケーションに基づいて調整レベルを決定するように構成されてもよい。それぞれのセグメントによって照らされるべき表面に対するセグメントのロケーションを示す情報は、例えば、屋内測位システムから、ユーザインターフェースを介して受けるユーザ入力に基づいて、照明デバイスに含まれる又は照明デバイスに近接するセンサから受けるセンサ入力に基づいて等、得られてもよい。
【0032】
追加的に又は代替的に、構成モジュール106はさらに、複数の照明デバイス200、300の各照明デバイスについて、それぞれの照明デバイスの調整レベルを決定し、調整レベルは、照明デバイスの光源の光出力の調整を定義する、及び、調整レベルをそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれの調整レベルをそのメモリに記憶させるように構成されてもよい。各照明デバイスは、セグメントがグループ化に従ってブロードキャストコマンドに基づいて制御される場合、上述したように照明デバイスの1つ以上の光源の光出力を調整してもよい。
【0033】
構成モジュール106は、照明デバイス200、300及び/又はそのセグメント210、220、230、310、320、330の位置に基づいて異なる照明制御グループへの異なるセグメントのグループ化を決定するように構成されてもよい。構成モジュール106はさらに、照明デバイス200、300及び/又はそのセグメント210、220、230、310、320、330の位置を示す位置情報を得るように構成されてもよい。位置情報は、例えば、RFベースの測位システム又はコード化光測位システム等の測位システムから、ユーザが仮想空間において照明デバイスを位置決めすることができるユーザインターフェースを介して、照明デバイスから等、得られてもよい。照明デバイスの位置を得るための技術は、当技術分野で知られているため、詳細には論じない。位置情報は、照明デバイス200、300及び/又はそのセグメント210、220、230、310、320、330の、空間に対する、物体に対する、(メディアレンダリング)デバイスに対する、ユーザに対する、互いに対する等の位置を示してもよい。構成モジュール106は、位置情報に基づいてグループ化を決定するように構成されてもよい。例えば、構成モジュール106は、照明デバイスが位置する空間の第1のサブエリアに位置するすべてのセグメントを第1の照明制御グループにグループ化し、照明デバイスが位置する空間の第2のサブエリアに位置するすべてのセグメントを第2の照明制御グループにグループ化してもよい。図3a、3b及び図4a、4bは、照明デバイスのセグメントをその位置に基づいて異なる照明制御グループにグループ化する例を示している。これらの例において、照明デバイスの正方形は、照明デバイスの個別に制御可能なセグメントを示している。例えば、図3aにおいて、照明デバイス540、542、544のセグメントは、空間に対するそのロケーションに基づいてグループ化されている。図3aにおいて、空間500は、5つのサブエリア502、504、506、508、510を含み、照明デバイス540、542、544のロケーションに基づいて、構成モジュール106は、それに応じて個々のセグメントをグループ化してもよい。
【0034】
構成モジュール106は、照明システム100が設置されている空間のサブエリアを示すエリア情報を得るように構成され、各サブエリアは、1つ以上の照明制御グループを定義してもよい。これらのサブエリアに位置する照明デバイスのセグメントは、それに応じて照明制御グループにグループ化されてもよい。サブエリアは、例えば、ユーザ入力に基づいて、又は空間内の物体、ユーザ及び/若しくはデバイスのロケーションに基づいて、予め定義されてもよく、又は構成モジュールによって決定されてもよい。
【0035】
構成モジュール106は、空間500に関する情報(例えば、寸法、空間のタイプ等)、空間500内の物体、デバイス及び/又はユーザの位置に基づいて、サブエリアの数、ロケーション及び/又はサイズを決定するように構成されてもよい。(複数の)物体、(複数の)ユーザ及び/又は(複数の)デバイスの位置情報は、例えば、RFベースの測位システム又はコード化光測位システム等の測位システムから、ユーザが仮想空間においてデバイス及び物体を位置決めすることができるユーザインターフェースを介して等、得られてもよい。物体、ユーザ及び/又はデバイスの位置を得るための技術は、当技術分野で知られているため、詳細には論じない。例えば、図3aにおいて、サブエリアのロケーションは、メディアレンダリングデバイス530に対して決定されていてもよい。サブエリアは、メディアレンダリングデバイス(すなわち、この例ではテレビ)に対して、中央サブエリア506、前左サブエリア504、後左サブエリア502、前右サブエリア508、及び後右サブエリア510があるように位置決めされてもよい。図3Bは、サブエリアのロケーション及びサイズが空間500内の物体520(すなわち、ソファ)のロケーションに基づいて決定されている例を示している。サブエリア502'、504'、506'、508'、510'のサイズ及びロケーションは、これらが物体520を囲み、空間500を実質的に満たすように選択されている。照明デバイス540、542、544のロケーションに基づいて、構成モジュール106は、それに応じて個々のセグメントをグループ化してもよい。他の例では、ユーザは、サブエリアのサイズ及びロケーションを変更してもよい。図4aは、図3aの例の空間500の仮想表現をレンダリングするディスプレイ702を含むユーザ入力デバイス700の例を示している。この例において、ユーザは、(例えば、タッチスクリーンを介して、コンピュータマウス等の周辺デバイスを介して等)ユーザ入力704を提供することによってサブエリア502のサイズを調整する。図4bは、空間を複数のサブエリア601~615に分割する(予め定義されてもよく、決定されてもよく、又はユーザに基づいてもよい、等)グリッド線を含む空間の別の例を示している。照明デバイス540、542、544のロケーションに基づいて、構成モジュール106は、それに応じて個々のセグメントをグループ化してもよい。
【0036】
図5は、ディスプレイの部分が照明制御グループに対応する例を概略的に示している。構成モジュール106は、ディスプレイ530に対する位置に基づいて(例えば、ディスプレイの仮想表現の位置に対する対応する仮想表現のセグメントの位置に基づいて)、照明デバイス920、922、924のセグメントに対する照明制御グループを決定するように構成されてもよい。この例において、ディスプレイ530は14の部分901~914に分割されていて、各々が照明制御グループに対応する。第1の照明デバイス920の上側の2つのセグメントは、その位置に基づいて照明制御グループ901、914にグループ化されていて、第1の照明デバイス920の下側の2つのセグメントは、その位置に基づいて制御グループ913にグループ化されている。(第1の照明デバイス920よりも短く、少ないセグメントを有する)第2の照明デバイス922のセグメントは、その位置に基づいて照明制御グループ906~908にグループ化されている。第3の照明デバイス924のセグメントは、その位置に基づいて照明制御グループ908~913にグループ化されている。その結果、照明デバイスがディスプレイ530上でレンダリングされているメディアコンテンツに基づいて制御される場合、セグメントの光設定は、メディアコンテンツの色に対応する。
【0037】
制御システム102はさらに、異なる照明制御グループへの複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントのグループ化を示すユーザ入力を受けるように構成されるユーザインターフェースを含んでもよい。ユーザは、例えば、サブエリア502、504、506、508、510のサイズ、数及び/又はロケーションを調整する入力を提供してもよい(例えば、図4a参照)。代替的に、ユーザは、例えば、選択されたセグメントを特定の照明制御グループに追加するために、異なる照明デバイスのセグメントを(例えば、ディスプレイ702上で選択することによって)選択してもよい。ユーザインターフェースは、ユーザが照明制御グループを追加又は削除することを可能にしてもよい。
【0038】
図6は、照明システムの複数の照明デバイスを構成する方法800の一例を概略的に示し、各照明デバイスは、メモリと、複数の個別に制御可能なセグメントとを含み、各セグメントは、1つ以上の光源を含み、当該方法は、
複数の照明デバイスの各照明デバイスについて、複数の個別に制御可能なセグメントの異なるセグメントを異なる照明制御グループにグループ化すること802a、802bと、
1つ以上の通信ユニットを介して、グループ化情報をそれぞれの照明デバイスに通信して、該それぞれの照明デバイスにそれぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶させること804であって、グループ化情報は、異なるセグメントがグループ化されているそれぞれの照明制御グループを示す、ことと、
1つ以上の通信ユニットを介して、複数の照明デバイスにブロードキャストコマンドを通信すること810であって、ブロードキャストコマンドは、それぞれの照明制御グループに対するそれぞれの光設定を定義する、ことと、
を含む。
【0039】
さらに、方法は、
複数の照明デバイスの各々によって、それぞれのグループ化情報を受けること806a、806bと、
複数の照明デバイスの各々によって、それぞれのグループ化情報をそのメモリに記憶すること808a、808bと、
複数の照明デバイスの各々によって、ブロードキャストコマンドを受けること812a、812bと、
複数の照明デバイスの各々によって、制御コマンドに基づいて及びグループ化情報に基づいてどの光設定に従ってどのセグメントを制御すべきかを決定すること814a、814bと、
複数の照明デバイスの各々によって、各セグメントの1つ以上の光源をそれぞれの光設定に従って制御すること816a、816bと、
を含んでもよい。
【0040】
ステップ802a、802b、804a、804b及び810は、コンピュータプログラムプロダクトが制御システム102の構成モジュール106及び制御モジュール108等のコンピューティングデバイスの1つ以上の処理ユニット上で実行された場合、コンピュータプログラムプロダクトのコンピュータプログラムコードによって実行されてもよい。ステップ806a、808a、812a、814a、816a、806b、808b、812b、814b及び816bは、コンピュータプログラムプロダクトが照明デバイス200、300のコントローラ206、306等のそれぞれのコンピューティングデバイスの1つ以上の処理ユニット上で実行された場合、コンピュータプログラムプロダクトのコンピュータプログラムコードによって実行されてもよい。
【0041】
ステップ802a及び804aは、第1の照明デバイス200のために制御システム102の構成モジュール106によって実行されてもよく、ステップ802b及び804bは、第2の照明デバイス300のために制御システム102の構成モジュール106によって実行されてもよい。ステップ810は、制御システム100の構成モジュール106によって実行されてもよい。ステップ806a、808a、812a、814a及び816aは、第1の照明デバイス200のコントローラ206によって実行されてもよく、ステップ806b、808b、812b、814b及び816bは、第2の照明デバイス300のコントローラ306によって実行されてもよい。
【0042】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。
【0043】
特許請求の範囲において、括弧内に置かれた参照符号はいずれも、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「含む」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータ又は処理ユニットによって実装されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、同一のハードウェアのアイテムによって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0044】
本発明の態様は、コンピュータにより実行され得るコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されたコンピュータプログラム命令の集合体であってもよいコンピュータプログラムプロダクトにおいて、実施されてもよい。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これらに限定されない任意の解釈可能又は実行可能コードメカニズムであってもよい。命令は、完全な実行可能プログラム、部分実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば更新)、又は既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供され得る。さらに、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータ若しくはプロセッサ、又は「クラウド」にわたって分散されてもよい。
【0045】
コンピュータプログラム命令を格納するのに適した記憶媒体には、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス、内部及び外部ハードディスクドライブ等の磁気ディスク、リムーバブルディスク並びにCD-ROMディスクを含むが、これらに限定されないすべての形態の不揮発性メモリが含まれる。コンピュータプログラムは、斯様な記憶媒体上で頒布されてもよく、又はHTTP、FTP、電子メール、又はインターネット等のネットワークに接続されるサーバを介してダウンロード用に提供されてもよい。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
【国際調査報告】