IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司の特許一覧

特表2024-504660信号を処理するための方法および装置
<>
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図1
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図2
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図3
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図4
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図5
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図6
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図7
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図8
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図9
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図10
  • 特表-信号を処理するための方法および装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】信号を処理するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/74 20060101AFI20240125BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240125BHJP
【FI】
G01S13/74
H04W64/00 140
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543022
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2022072307
(87)【国際公開番号】W WO2022152291
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202110059901.8
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】任 斌
(72)【発明者】
【氏名】▲達▼ 人
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲榮▼一
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 振宇
【テーマコード(参考)】
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J070AC01
5J070AE09
5J070AF01
5J070AH31
5J070AH35
5J070AH50
5J070AK22
5J070BC05
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ53
(57)【要約】
本発明は、相対的なグループ遅延に基づいて信号補償を実施し、TOA推定の精度を向上させ、最終的にUE測位精度を向上させるために、信号を処理するための方法および装置を開示する。本発明によって提供される信号を処理するための方法は、受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するステップと、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するステップと、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するステップと、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するステップと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするステップと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための方法。
【請求項2】
ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、
補償されたPRS信号または周波数領域チャネル応答に基づいて到着時間(TOA)測定を実行し、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号を処理するための方法。
【請求項3】
前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(LMF)エンティティに報告する
ことを特徴とする請求項2に記載の信号を処理するための方法。
【請求項4】
前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の信号を処理するための方法。
【請求項5】
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定することは、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定し、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定し、
前記参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号を処理するための方法。
【請求項6】
参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)は、k1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)は、k2番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOSパスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N)
ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)
ことを特徴とする請求項5に記載の信号を処理するための方法。
【請求項7】
ローカル受信信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られ、
【数1】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す
ことを特徴とする請求項6に記載の信号を処理するための方法。
【請求項8】
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告するステップは、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告するステップ、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告するするステップ、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の信号を処理するための方法。
【請求項9】
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するステップと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償するするステップと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための方法。
【請求項10】
周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数2】
ここで、Nはサブバンドのインデックス値を表し、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である
ことを特徴とする請求項9に記載の信号を処理するための方法。
【請求項11】
補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する
ことを特徴とする請求項10に記載の信号を処理するための方法。
【請求項12】
測位参照信号(PRS)構成情報を端末に送信するステップと、
前記端末から報告されたダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するステップと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための方法。
【請求項13】
前記PRS構成情報は、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置と、
PRSの時間領域の位置情報と、
PRSの周波数領域の位置情報と、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知と
のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の信号を処理するための方法。
【請求項14】
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶されているプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って実行するように構成されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得し、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにする
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項15】
ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、前記プロセッサはさらに、
補償されたPRS信号または周波数領域チャネル応答に基づいて到着時間(TOA)測定を実行し、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得する
ことを特徴とする請求項14に記載の信号を処理するための装置。
【請求項16】
前記プロセッサはさらに、前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(LMF)エンティティに報告する
ことを特徴とする請求項15に記載の信号を処理するための装置。
【請求項17】
前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である
ことを特徴とする請求項15または請求項16に記載の信号を処理するための装置。
【請求項18】
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定することは、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定し、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定し、
前記参照サブバンドRの総遅延、τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定する
ことを特徴とする請求項14に記載の信号を処理するための装置。
【請求項19】
参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)は、k1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)は、k2番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOSパスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、τTotal,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N)
ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)
ことを特徴とする請求項18に記載の信号を処理するための装置。
【請求項20】
ローカル受信信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、プロセッサ補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られ、
【数3】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す
ことを特徴とする請求項19に記載の信号を処理するための装置。
【請求項21】
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告することは、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告し、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告する
ことを特徴とする請求項14に記載の信号を処理するための装置。
【請求項22】
前記プロセッサはさらに、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する
ことを特徴とする請求項14に記載の信号を処理するための装置。
【請求項23】
プロセッサ周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数4】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数を表し、M*Qはサブキャリアの総数を表す
ことを特徴とする請求項22に記載の信号を処理するための装置。
【請求項24】
前記プロセッサはさらに、補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する
ことを特徴とする請求項23に記載の信号を処理するための装置。
【請求項25】
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
メモリに記憶されているプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って実行するように構成されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項26】
プロセッサ周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数5】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である
ことを特徴とする請求項25に記載の信号を処理するための装置。
【請求項27】
前記プロセッサはさらに、補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する
ことを特徴とする請求項26に記載の信号を処理するための装置。
【請求項28】
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
メモリに記憶されているプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って実行するように構成されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
測位参照信号(PRS)構成情報を端末に送信し、
前記端末から報告されたダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定する
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項29】
前記PRS構成情報は、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置と、
PRSの時間領域の位置情報と、
PRSの周波数領域の位置情報と、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知と
のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項28に記載の信号を処理するための装置。
【請求項30】
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するように構成された第1のユニットと、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するように構成された第2のユニットと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするように構成された第3のユニットと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項31】
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するように構成された受信ユニットと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する受信ユニット補償ユニットと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項32】
測位参照信号(PRS)構成情報を端末に送信するように構成された送信ユニットと、
前記端末から報告されたダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するように構成された測位ユニットと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項33】
コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の方法を実施することを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年01月18日に中国特許局に提出し、出願番号が202110059901.8であり、発明名称が「信号を処理するための方法および装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに含む。
【0002】
本発明は、通信技術分野に関し、特に信号を処理するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
端末(UE)と基地局間の送信チャネルの遅延により、ダウンリンク参照信号の時間差(Downlink Reference Signal Time Difference,DL RSTD)、アップリンク相対到着時間(Uplink Relative Time Of Arrival,ULRTOA)、端末(UE)側の受信送信(Rx-Tx)時間差および基地局(gNB)側の受信送信(Rx-Tx)時間差などの時間関連位置測定値に特定の測定誤差をもたらすことがある。無線通信のユーザ端末測位システムにおいて、サブメータレベルの測位精度を満足するためには、相対的なグループ遅延が測位性能に直接影響を与える重要な問題の一つである。
【0004】
現在、高精度の相対的なグループ遅延測定と信号補償方法はない。相対的なグループ遅延が処理されない場合、相対的なグループ遅延は到着時間(Time Of Arrival,TOA)推定の精度に直接影響を与えるため、最終的なUE測位精度に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、相対的なグループ遅延に基づいて信号補償を実施し、TOA推定の精度を向上させ、最終的にUE測位精度を向上させるための信号を処理するための方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
信号の受信端末において、本発明の一実施形態によって提供される信号を処理するための方法は、
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するステップと、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するステップと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするステップとを含む。
【0007】
この方法では、受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得し、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定し、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにすることにより、全帯域幅内で相対的グループ遅延を補償することによってTOA推定の精度を向上させ、その結果、最終的に測位精度を向上する。
【0008】
選択的に、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、当該方法は、
補償されたPRS信号または周波数領域チャネル応答に基づいて到着時間(TOA)測定を実行し、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得するステップをさらに含む。
【0009】
選択的に、当該方法は、前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(Location Management Function,LMF)エンティティに報告するステップをさらに含む。
【0010】
選択的に、前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である。
【0011】
選択的に、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するステップは、具体的に、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定するステップと、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定するステップと、
前記参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定するステップとを含み、
選択的に、参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)はk1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)はk2番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOS(Line Of Sight,ライン・オブ・サイト)パスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N)ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される、
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)。
【0012】
選択的に、ローカル受信信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られ、
【数1】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す。
【0013】
選択的に、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告するステップは、具体的に、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告するステップと、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告するステップとを含む。
【0014】
信号の送信端末において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための方法は、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するステップと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償するステップとを含む。
【0015】
選択的に、周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数2】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X'(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数を表し、M*Qはサブキャリアの総数を表す。
【0016】
選択的に、当該方法は、補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信するステップをさらに含む。
【0017】
LMF側において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための方法は、
PRS構成情報を端末に送信するステップと、
前記端末から報告されたDL RSTD測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するステップとを含む。
【0018】
選択的に、前記PRS構成情報は、少なくとも次の1つを含み、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置、
PRSの時間領域の位置情報、
PRSの周波数領域の位置情報、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知。
【0019】
信号の受信端末において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
メモリに記憶されているプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って実行するように構成されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得し、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにする。
【0020】
選択的に、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、前記プロセッサは、さらに、
補償されたPRS信号または周波数領域チャネル応答に基づいて到着時間(TOA)測定を実行し、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得する。
【0021】
選択的に、前記プロセッサは、さらに、
前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(LMF)エンティティに報告する。
【0022】
選択的に、前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である。
【0023】
選択的に、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定することは、具体的に、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定し、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定し、
前記参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定する。
選択的に、参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定される:
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)は、k1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)は、k2のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOSパスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N)ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される。
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)。
【0024】
選択的に、ローカル受信信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、プロセッサ補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られ、
【数3】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す。
【0025】
選択的に、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告することは、具体的に、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告し、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告する。
【0026】
選択的に、前記プロセッサはさらに、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する。
【0027】
選択的に、前記プロセッサ周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数4】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X'(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である。
【0028】
選択的に、前記プロセッサはさらに、
補償された送信信号X'(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する。
信号の送信端末において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
メモリに記憶されているプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って実行するように構成されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する。
【0029】
選択的に、前記プロセッサ周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数5】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X'(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である。
【0030】
選択的に、前記プロセッサはさらに、
補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する。
【0031】
LMF側において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
メモリに記憶されているプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って実行するように構成されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、
PRS構成情報を端末に送信し、
前記端末から報告されたDL RSTD測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定する。
【0032】
選択的に、前記PRS構成情報は、少なくとも次の1つを含み、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置、
PRSの時間領域の位置情報、
PRSの周波数領域の位置情報、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知。
【0033】
信号の受信端末において、本発明の実施形態によって提供される別の信号を処理するための装置は、
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するように構成された第1のユニットと、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するように構成された第2のユニットと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにする第3のユニットと、を含む。
【0034】
信号の送信端末において、本発明の実施形態によって提供される別の信号を処理するための装置は、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するように構成された受信ユニットと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償するように構成された補償ユニットと、を含む。
【0035】
LMF側において、本発明の実施形態によって提供される別の信号を処理するための装置は、
PRS構成情報を端末に送信するように構成された送信ユニットと、
前記端末から報告されたDL RSTD測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するように構成された測位ユニットと、を含む。
【0036】
本発明の別の実施形態は、メモリとプロセッサとを含むコンピューティングデバイスを提供する。前記メモリがプログラム命令を記憶するように構成され、前記プロセッサは、メモリに記憶されたプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って上記のいずれかの方法を実行するように構成される。
【0037】
本発明の別の実施形態はコンピュータ記憶媒体を提供する。前記コンピュータ記憶媒体上記のいずれかの方法を実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明に係る実施例や従来の技術方案をより明確に説明するために、以下に実施例を説明するために必要な図面をについて簡単に紹介する。無論、以下の説明における図面は本発明に係る実施例の一部であり、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0039】
図1】本発明の実施形態によって提供される理想的な相対的なグループ遅延の概略図である。
図2】本発明の実施形態によって提供される相対的なグループ遅延の概略図である。
図3】本発明の実施形態によって提供される受信端末における信号を処理するための方法の概略フローチャートである。
図4】本発明の実施形態によって提供される送信端末における信号を処理するための方法の概略フローチャートである。
図5】本発明の実施形態によって提供されるLMF側によって提供されるLMF側の信号を処理するための方法の概略フローチャートである。
図6】本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置の概略構成図である。
図7】本発明の実施形態によって提供される端末側の信号を処理するための装置の概略構成図である。
図8】本発明の実施形態によって提供される基地局側の信号を処理するための装置の概略構成図である。
図9】本発明の実施形態によって提供される受信端末における信号を処理するための装置の概略構成図である。
図10】本発明の実施形態によって提供される送信端末における信号を処理するための装置の概略構成図である。
図11】本発明の実施形態によって提供されるLMF側における信号を処理するための装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の実施形態における技術的解決策は、本発明の実施形態における添付図面と組み合わせて、以下に明確かつ完全に説明する。記載された実施形態は、本発明の実施形態の一部であるだけで、すべての実施形態ではないことは、明らかである。本発明の実施形態に基づいて、創作活動を伴わない当業者によって取得された他の実施形態は、すべて本発明の保護範囲に係るものとする。
【0041】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project,3GPP(登録商標))は、5Gバージョン16(Rel-16)の新しい無線(New Radio,NR)標準に多様な測定基盤の5G測位参照信号を導入した。信号到達時間に関連する測定値を使用する測位方法は、たとえば、次のとおりである。
NRダウンリンク到着時間差測位方法(DL-TDOA)、
NRアップリンク到着時間差測位方法(UL-TDOA)、
NRマルチセル・ラウンド・トリップ時間測位方法(Multi-RTT)。
【0042】
上記測位方法の共通点は、測位参照信号の到達時間に関する測定値を測位に用いることである。たとえば、ダウンリンク到着時間差(Downlink Time Difference Of Arrival,DL-TDOA)は、ダウンリンク測位参照信号(Downlink Positioning Reference Signal,DL PRS)の到着時間差を測定することに基づいて測位する。また、アップリンク到着時間差(Uplink Time Difference Of Arrival,UL-TDOA)は、アップリンク測定参照信号(Uplink Sounding Reference Signal,UL SRS)の信号の相対的な到着時間差を測定することに基づいて測位する。マルチセル・ラウンド・トリップ時間(Multi-cell Round Trip Time,Multi-RTT)は、DL PRS信号とUL SRS信号のUE Rx-Tx時間差とgNB Rx-Tx時間差を測定することに基づいて測位する。これらの時間関連測定値において、測位用情報は、送信アンテナと受信アンテナとの間の信号伝搬遅延から導出された送信アンテナと受信アンテナとの間の距離である。ただし、これらの時間に関連する測定値は、必然的に他の信号伝搬遅延の影響を受ける。測位精度を向上させるために、信号伝搬遅延の影響を低減し、除去する必要がある。
【0043】
測位参照信号を送信する観点から、測位参照信号が生成された時点と、測位参照信号が送信アンテナによって送信された時点との間には、送信遅延(Tx Delay)がある。また、測位参照信号を受信する観点からは、受信アンテナに測位参照信号が到達した時点から測位参照信号が検出された時点までの受信遅延(Rx Delay)もある。
【0044】
しかし、現在のところ、相対的なグループ遅延を高精度に測定および補償するためのエンジニアリング上利用可能な方法はない。
【0045】
このため、本発明の実施形態は、UEおよび基地局の送信チャネルおよび受信チャネルの相対的なグループ遅延を測定および補償する方法を提案し、様々な測位方法(DL-TDOA、UL-TDOA、Multi-RTTなど)に適用可能である)は、時間に関連する測定(DL RSTD、UL RTOA、UE Rx-Tx 時間差および gNB Rx-Tx 時間差など)に基づく測位を実行する。
【0046】
UEおよび基地局の無線送受信チャネルは、フィルタ、増幅器およびミキサの帯域通過特性によって制限される。無線周波数回路における一部の電気コンポーネント(バンドパス・フィルタなど)の遅延は、キャリア帯域幅範囲内の周波数によって大きく異なる。特に5G NRシステムでは、キャリア周波数帯域またはキャリア周波数でカバーされる帯域幅が非常に大きい。帯域幅内の各サブキャリアの信号コンポーネントでは、それぞれ異なるグループ遅延が発生する。このような遅延を相対的なグループ遅延と呼ぶ。帯域幅が大きいほど、帯域幅内のサブキャリア間の相対的なグループ遅延が大きくなる。遅延の相対的な差は、数ナノ秒(ns)以上である場合がある。5Gは大きな帯域幅をサポートし、高精度な測位が必要であるため、相対的なグループ遅延が5Gの測位の測定に及ぼす影響を無視することはできない。
【0047】
ライン・オブ・サイト( line of sight,LOS) チャネルのチャネル周波数応答:
シングルパス LOS チャネルでは、位相ノイズおよび周波数オフセットによってもたらされる ICI 条件を考慮せずに、LOS パスの伝送遅延、基地局およびUEのクロック・オフセット、基地局およびUEの絶対グループ遅延と相対的なグループ遅延だけを考慮する場合、k番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答H(k)は、次のとおりである:
【数6】
ここで、関連する変数には次の意味がある:
Δτdelay(k)は、サブキャリアkに依存する相対的なグループ遅延を表す。具体的には、
【数7】
τdelayは、fcに依存する絶対グループ遅延を表す。具体的には、
【数8】
τLOSは、1のパス(すなわちLOSパス)の伝送遅延を表す。
Δtは、基地局とUEのクロック・オフセットの累積合計を表す。ここで、基地局とUEのクロック・オフセットの値は、正または負であることができる。
【数9】
【0048】
図1は理想的な相対的なグループ遅延の概略図であり、横軸はサブキャリアインデックスkを表し、縦軸は相対的なグループ遅延の値を表し、その単位はnsである。Relative_group_delayは、相対的なグループ遅延を表す。
【0049】
しかし、現在のところ、相対的なグループ遅延を高精度に測定および補償するためのエンジニアリング上利用可能な方法はない。相対的なグループ遅延が処理されない場合、相対的なグループ遅延はTOA推定の精度に直接影響を与えるため、最終的なUE測位精度に影響を与える。したがって、本発明の実施形態は、信号を処理するための方法および装置を提供し、相対的なグループ遅延に基づいて信号補償を実施し、TOA推定の精度を向上させ、最終的にUE測位精度を向上させる。
【0050】
ここで、本発明の方法および装置は、同一の発明思想に基づいている。問題を解決する方法の原理は装置と同様であるため、装置と方法の実施形態は互いに参照し合うことができ、その繰り返しの説明は省略する。
【0051】
本発明の実施形態によって提供される技術解決策は、様々なシステム、特に5Gシステムに適用可能である。例えば、適用可能なシステムは、世界移動通信システム(global system of mobile communication,GSM)システム、符号分割多元接続(code division multiple access,CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access,WCDMA(登録商標))一般パケット無線サービス(general packet radio service,GPRS)システム、長期進化(long term evolution,LTE)システム、LTE周波数分割二重化(frequency division duplex,FDD)システム、LTE時分割二重化(time division duplex,TDD)、汎用移動通信システム(universal mobile telecommunication system,UMTS)、マイクロ波アクセスのための世界的な相互運用性(worldwide interoperability for microwave access,WiMAX)システム、5Gシステムおよび5G NRシステムなどである。端末装置とネットワーク側装置の両方が、これらのさまざまなシステムに含まれる。
【0052】
本発明の実施形態に係る各端末装置は、ユーザに音声及び/又はデータ接続を提供する装置、無線接続機能を有するハンドヘルド装置又は無線モデムに接続された他の処理装置等であってもよい。異なるシステムでは、端末装置の名前も異なる場合がある。例えば、5Gシステムでは、端末装置をユーザ装置(User Equipment,UE)と呼ぶことができる。無線端末装置は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network, RAN)を介して1つ以上のコアネットワーク(Core Network, CN)と通信することができ、携帯電話(または「セルラ電話」)のようなモバイル端末装置およびモバイル端末装置を有するコンピュータであってもよい。例えば、携帯用、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵型、または、車載モバイル機器であり、これらは、無線アクセスネットワークと言語および/またはデータを交換する。例えば、パーソナル通信サービス(Personal Communication Service,PCS)電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(Session Initiated Protocol,SIP)電話機、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop,WLL)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant,PDA)その他のデバイス。無線端末装置は、本発明の実施形態において限定されないシステム、加入者ユニット、(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、移動局(mobile station)、モバイル(mobile)、リモートステーション(remote station)、アクセスポイント(access point)、リモートターミナル(remote terminal)、アクセス端末装置(access terminal)、ユーザ端末装置(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザデバイス(user device)と呼ぶこともできるだけである。
【0053】
本発明の実施例に係る各基地局端末にサービスを提供する複数のセルを含む基地局であってもよい。異なる特定のアプリケーションシナリオに従って、基地局はアクセスポイントとも呼ばれ得るし、アクセスネットワーク内のエアインターフェース上の1つ以上のセクタを介して無線端末装置と通信するデバイスであってもよい。ネットワーク側装置は、受信したエアフレームを、無線端末装置とアクセスネットワークの他の部分との間のルータとして機能するインターネットプロトコル(IP)パケットと交換するように構成されてもよい。アクセスネットワークの残りは、インターネットプロトコル(IP)通信ネットワークを含むことができる。例えば、本発明の実施例に係るネットワーク側装置は、世界移動通信システム(Global System for Mobile communications,GSM)またはコード分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)におけるネットワーク側装置(Base Transceiver Station,BTS)であってもよく、ワイドバンド コード ディビジョン マルチアクセス(Wide-band Code Division Multiple Access,WCDMA(登録商標))におけるネットワーク側装置(NodeB)、長期進化(long term evolution,LTE)システムにおける進化的なネットワーク側装置(evolutional Node B,eNBまたはe-NodeB)、5Gネットワークアーキテクチャ(next generation system)における5G基地局(gNB)、ホーム エボリューション ノード B(Home evolved Node B,HeNB)、中継ノード(relay node)、フェムト(femto)、ピコ(pico)などであってもよいし、本発明の実施例はこれを限定しない。
【0054】
本発明の実施形態は,明細書の図面を参照して以下に詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の表示順序は、実施形態の順序を表すだけで、実施形態によって提供される技術的解決策の長所と短所を表すものではないことに留意する。
【0055】
本発明の実施形態により提供される技術的解決策において、受信端末は、周波数領域チャネル応答の位相傾き値を測定し、異なるサブバンド幅の差分処理によって相対的なグループ遅延の差分値を取得する、そして、相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカル受信信号に対して、受信端末の受信信号を予め補償するか、相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に通知し、送信端末が送信信号を予め補償する。
【0056】
以下では、UE支援のダウンリンク測位方式を例に説明する(この場合、送信端末が基地局であり、受信端末がUEである)。もちろん、本発明の実施形態によって提供される技術的解決策は、アップリンク測位方式(この場合、送信端末がUEであり、受信端末が基地局である)にも適用可能である。
【0057】
UE側:
ステップ1:UEは、LMFから通知されたPRS信号構成情報を受信する。
ステップ2:UEは、受信したPRS信号に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答H(k)を取得する。例えば、チャネル推定アルゴリズムは、逆離散フーリエ変換(IDFT)に基づくアルゴリズムであってもよい。
ステップ3:UEは、周波数領域分割相関法またはその他の技術的解決法を採用して、周波数領域チャネル応答H(k)の相関値の位相傾き値を測定することにより、相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を取得する。ここで、Δτdelay,sub,diff(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、Nはサブバンドインデックス値を表す。
【0058】
システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドにはQ個のサブキャリア(M=N_used/Q,ここで、N_usedは使用可能なサブキャリアの総数を表し、M、Qはともに2以上の正の整数である)が含まれる。各サブバンド幅内で相対的なグループ遅延Δτdelay(k)((kは1つのサブバンドに含まれるインデックス集合に属する)が基本的に変化しないと仮定されるため、周波数領域チャネル応答の位相傾き値を測定し、そして、異なるサブバンド幅の差分処理により、相対的なグループ遅延の差分値を取得する。
【0059】
実際の状況に応じて、参照サブバンドRとしてサブバンドを選択する。参照サブバンドRの相対的なグループ遅延を基準とし、N(N≠R)番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延をこの基準を参照して補償するここで、N>=1。サブバンドの幅は、LMFによって柔軟に設定できる。
【0060】
k2とk1が参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表すと仮定すると、参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を計算できる。
【数10】
ここで、H(k)の定義は式(1)を参照し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、Rは参照サブバンドのインデックス値を表す。
【0061】
k4とk3がN(N≠R)番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表すと仮定すると、N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を計算できる。
【数11】
式(3)から式(2)を引くことによってN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を取得する。
【数12】
ここで、H(k)の定義は式(1)を参照し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、Δτdelay,sub(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、Nはサブバンドのインデックス値を表す。
ステップ3では、相対的なグループ遅延の概略図を図2に示す。
ステップ4:UEは、各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づいて受信端末の受信信号をローカル受信信号に対して補償するか、または、各サブバンドの相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)を送信端末に通知して、送信端末が送信信号を予め補償するようにする。
【0062】
ここで、報告された相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)は、絶対値またはインデックス・マッピング値の形式にすることができる。
Opt 1)絶対値の形式については、相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)を直接量子化し、その後直接報告する。
Opt 2)インデックス・マッピング値の形式については、UEは、予め補償されたパラメータ値Δτdelay,diff(N)を量子化した後、予め定義またはLMFによってブロードキャストされた量子化補償テーブルに基づいて計算結果に従って量子化インデックス値(index)を報告することができる。すなわち、量子化補償テーブルは予め設定されており、当該テーブルに定量化された相対的なグループ遅延の差分値とインデックス値との対応関係を含み、テーブルを調べることによって定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応するインデックス値を直接報告することができ、報告のオーバーヘッドを削減する。
【0063】
UEは、受信端末の受信信号を、相対的なグループ遅延に基づいてローカル受信信号に対して補償し、補償された周波数領域チャネル応答H’(k)を取得する。
【数13】
ここで、Δτdelay,sub(N)=Δτdelay(k)、全帯域幅範囲内のΔτdelay(k)-Δτdelay,sub,diff(floor((k-1)/Q)+1)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub,diff(N)= Δτdelay,sub(R)が固定値であり、サブバンドの変化に関係せず、ここで、N=floor((k-1)/Q)+1はサブバンドのインデックス値を表す。
Mはサブバンドの総数を表し、Qは1つのサブバンドに含まれるサブキャリアの数を表し、M*Qはサブキャリアの総数を表す。
ステップ5:UEは、ステップ4で補償されたH’(k)に基づいてTOA測定を行い、より正確なTOA測定値と単一差分後のDL RSTD測定値を取得する。
ステップ6:UEは、ステップ5で取得したDL RSTD測定量をロケーション管理機能(Location Management Function,LMF)エンティティに報告する。
【0064】
基地局側:
ステップ1:基地局は、UEによって報告された各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を受信する。
ステップ2:基地局は、UEによって報告された各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)に基づいて周波数領域送信信号X(k)を予めに補償し、予め補償されたX’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する。
【0065】
基地局は、UEによって報告された相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)に基づいて送信信号を予めに補償する。
【数14】
ここで、関連する変数には次の意味がある:
X(k)は送信端末におけるk番目のサブキャリア上での予め補償処理がされていないデータシンボル(K=1...(M*Q))を表し、X’(k)は、k個のサブキャリア上での予め補償処理がされたデータシンボルを表し、Mはサブバンドの総数を表し、Qは1つのサブバンドに含まれるサブキャリアの数を表し、M*Qはサブキャリアの総数を表す。
【0066】
LMF側:
ステップ1:PRS 設定情報をUEに送信する。
PRS構成情報には、同じコンポーネントキャリア(CC)または異なるCCの周波数領域の位置、PRSの時間周波数領域の位置情報が含まれるが、これに限定されない。UE側が補償を行うか基地局が補償を行うかの方式を通知する。この通知は、PRS構成情報内で担持してもよいし、個別に送信してもよいし、または、その通知を送信せずにUE側が補償を行うか基地局が補償を行うかについて予め合意してもよい。
ステップ2:LMFは、UEによって報告されたDL RSTD測定量を受信し、基地局の既知の位置およびその他の情報に基づいてUEの位置を計算する。
【0067】
以下、実施例1および実施例2をUE支援のダウンリンク測位方式を例にとって説明する。実施例1はUE側の受信端末の補償方式であり、実施例2は基地局側の送信端末の事前補償方式である。
【0068】
実施例1:
UE側:
ステップ1:UEは、LMFから通知されたPRS信号構成情報を受信する。
ステップ2:UEは、受信したPRS信号に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答H(k)を取得する。例えば、IDFTベースのウィンドウ除去およびノイズ抑制処理を実行する。
ステップ3:UEは、周波数領域分割相関法またはその他の技術的解決法を採用して、周波数領域チャネル応答H(k)の相関値の位相傾き値を測定することにより、相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)を取得する。
【0069】
総帯域幅のサブキャリア数が3240であると仮定すると、システム帯域幅は270個のサブバンドに分割され、各サブバンドには12個のサブキャリア(つまり1つのPRB)が含まれる。相対的なグループ遅延Δτdelay(k)は各サブバンド内で基本的に変化しないと仮定するので、測定周波数領域チャネル応答の位相傾き値を測定し、そして、異なるサブバンド幅の差分処理により、相対的なグループ遅延の差分値を取得する。
【0070】
ここで、1番目のサブバンドを参照サブバンドとして選択し、参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を基準とし、N(N≠1)番目のサブバンドにおける補償はこの基準を参照する。注意:参照サブバンド位置は、任意のサブバンドである。
【0071】
k2とk1は、参照サブバンド1上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表すと仮定すると、参照サブバンド1の総遅延τTotal,sub(1)を計算できる。
τTotal,sub(1)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(1) 式(8)
ここで、H(k)の定義は式(1)を参照する。
k4とk3は、N(N≠1)番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表すと仮定すると、N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を計算できる。
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N) 式(9)
式(9)から式(8)を引くことによってN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を取得する。
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R) 式(10)
ステップ4:UEは、各サブバンドの相対的なグループ遅延の差分値に基づいて、ローカル受信信号に対する受信端末の受信信号を予めに補償する。
【0072】
UEは、相対的なグループ遅延に基づいて、ローカル受信信号に対する受信端末の受信信号を予めに補償し、補償された周波数領域チャネル応答H’(k)を取得する。
【数15】
ここで、全帯域幅范範囲内のΔτdelay(k)-Δτdelay,sub,diff(floor((k-1)/12)+1)が固定値であり、サブバンドの変化に関係せず、N=floor((k-1)/12)+1はサブバンドのインデックス値を表す。
ステップ5:UEは、ステップ4で補償されたH’(k)に基づいてTOA測定を行い、より正確なTOA測定値と単一差分後のDL RSTD測定量を取得する。
ステップ6:UEは、ステップ5で取得されたDL RSTD測定量をLMFに報告する。
【0073】
LMF側:
ステップ1:PRS 設定情報をUEに送信する。
PRS構成情報は、同じCCまたは異なるCCの周波数領域の位置、PRSの時間周波数領域の位置情報、受信したPRS信号の周波数領域チャネル応答に対して位相補償を実行するよなUE側への通知を含み、これに限定しない。
ステップ2:LMFは、UEによって報告されたDL RSTD測定量を受信し、基地局の既知の位置およびその他の情報に基づいてUEの位置を計算する。
【0074】
実施例2:
UE側:
ステップ1:UEは、LMFから通知されたPRS信号構成情報を受信する。
ステップ2:UEは、受信したPRS信号に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答H(k)を取得する。例えば、IDFTベースのウィンドウ除去およびノイズ抑制処理を実行する。
ステップ3:UEは、周波数領域分割相関法またはその他の技術的解決法を採用して、周波数領域チャネル応答H(k)の相関値の位相傾き値を測定することにより、相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)を取得する。
【0075】
総帯域幅のサブキャリア数を3240と仮定すると、システム帯域幅は810個のサブバンドに分割され、各サブバンドには4つのサブキャリアが含まれる。各サブバンド幅において、相対的なグループ遅延Δτdelay(k)が基本的に変化しないと仮定するので、周波数領域チャネル応答の位相傾き値を測定し、そして、異なるサブバンド幅の差分処理により、相対的なグループ遅延の差分値を取得する。
【0076】
ここで、R=405番目のサブバンドを参照サブバンドとして選択し、参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を基準とし、N(N≠405)番目のサブバンドにおける補償をこの基準を参照する。
【0077】
k2とk1が参照サブバンド405上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表すと仮定すると、参照サブバンドの総遅延τTotal,sub(405)を計算できる。
τTotal,sub(405)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(405) 式(13)
ここで、H(k)の定義は式(1)を参照する。
【0078】
k4とk3は、N(N≠405)番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表すと仮定すると、N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を計算できる。
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N) 式(14)
式(14)から式(13)を引くことにより、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を取得する。
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(405)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(405) 式(15)
【0079】
ステップ4:UEは、各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を送信端末に通知して、送信端末が送信信号を予め補償するようにする。
ここで、報告された相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)は、絶対値またはインデックス・マッピング値の形式にすることができる。
Opt 1)絶対値の形式については、相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)を直接量子化してから直接報告する。
Opt 2)インデックス・マッピング値の形式については、UEは、予め補償されたパラメータ値Δτdelay,diff(N)を量子化した後、予め定義またはLMFによってブロードキャストされた量子化補償テーブルに基づいて計算結果に従って定量化インデックス値(index)を報告することで、報告のオーバーヘッドを削減する。
【0080】
ステップ5:UEは、ステップ4で補償されたH’(k)に基づいてTOA測定を行い、より正確なTOA測定値と単一差分後のDL RSTD測定値を取得する。
ステップ6:UEは、ステップ5で取得されたDL RSTD測定量をLMFに報告する。
【0081】
基地局側:
ステップ1:基地局は、UEによって報告された各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,diff(N)を受信する。
ステップ2:基地局は、UEによって報告された各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づいて周波数領域送信信号X(k)を予めに補償し、予め補償されたX’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する。
【0082】
UEは、各サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告し、基地局は、UEによって報告された相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を予めに補償する。
【数16】
ここで、X(k)は、送信端末におけるk番目のサブキャリア上での予め補償処理がされていないデータシンボル(k=1,...3240)を表し、X’(k)は予め補償処理後のデータシンボルを表す。
【0083】
LMF側:
ステップ1:PRS 設定情報をUEに送信する。
PRS構成情報には、同じCCまたは異なるCCの周波数領域の位置、PRSの時間周波数領域の位置情報、および送信されたPRS信号に対して位相補償を実行するよう基地局に通知する通知が含まれるが、これに限定されない。
ステップ2:LMFは、UEによって報告されたDL RSTD測定量を受信し、基地局の既知の位置およびその他の情報に基づいてUEの位置を計算する。
要約すると、添付図面と組み合わせて、本発明の実施形態は以下の技術的解決策を提供する。
【0084】
図3を参照して、信号の受信端末において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための方法は、以下のステップを含む。
S101:受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得する。
S102:前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定する。
S103:前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにする。
【0085】
ここで、前記受信端末はUEであってもよく、前記送信端末は基地局であってもよいし、または、前記受信端末は基地局であってもよく、前記送信端末はUEであってもよい。
【0086】
この方法では、受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得し、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定し、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにする。全帯域幅内で相対的グループ遅延を補償することによってTOA推定の精度を向上させ、その結果、最終的に測位精度を向上する。
【0087】
受信端末がUEである場合、選択的に、ローカルにおいて受信されたPRS信号を補償するとき、当該方法は、
補償されたPRS信号または到着時間(TOA)測定の実行に基づき、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得するステップをさらに含む。
選択的に、当該方法は、
前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(LMF)エンティティに報告するステップをさらに含む。
【0088】
選択的に、前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である。
【0089】
選択的に、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定することは、具体的に、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定し、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定し、
前記参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定する。
【0090】
選択的に、参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定される:
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)は、k1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)はk2番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOSパスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定される。
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N) ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表す。
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される。
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)。
【0091】
選択的に、ローカル受信信号を補償するとき、補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られる。
【数17】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す。
【0092】
選択的に、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告することは、具体的に、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告し、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告する。
【0093】
従って、図4を参照して、信号の送信端末において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための方法は以下のステップを含む。
S201:サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信する。
S202:前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する。
【0094】
前記受信端末はUEであってもよく、前記送信端末は基地局であってもよいし、または、前記受信端末は基地局であってもよく、前記送信端末はUEであってもよい。
選択的に、周波数領域送信信号は、次の式で補償される。
【数18】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数を表す。
【0095】
選択的に、当該方法は、
補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信するステップをさらに含む。
【0096】
従って、図5を参照して、LMF側において、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための方法は、以下のステップを含む。
S301:PRS構成情報を端末に送信する。
S302:前記端末から報告されたDL RSTD測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定する。
【0097】
選択的に、前記PRS構成情報は、少なくとも次の1つを含み、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置、
PRSの時間領域の位置情報、
PRSの周波数領域の位置情報、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知。
【0098】
図6を参照して、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、
プログラム命令を記憶するように構成されたメモリ11と、
メモリ11に記憶されたプログラム命令を呼び出し、得られたプログラムに従って本発明の実施形態で提供されるいずれかの方法を実行するように構成されたプロセッサ12と、を含む。
【0099】
本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、受信端末における装置であってもよく、送信端末における装置であってもよく、LMF側の装置であってもよい。
具体的に、信号の受信端末における場合:
プロセッサ12は、メモリ11に記憶されたプログラム命令を呼び出すように構成され、得られたプログラムに従って、次の処理を実行する:
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得し、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにする。
【0100】
選択的に、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、前記プロセッサ12は、さらに、
補償されたPRS信号または周波数領域チャネル応答に基づいて到着時間(TOA)測定を実行し、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得する。
【0101】
選択的に、前記プロセッサ12は、さらに、前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(LMF)エンティティに報告する。
選択的に、前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である。
【0102】
選択的に、前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定することは、具体的に、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定し、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定し、
前記参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定する。
【0103】
選択的に、参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定される:
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)は、k1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)は、k2番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOSパスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表す。
【0104】
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定される。
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N)
ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表す。
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される。
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)。
【0105】
選択的に、ローカル受信信号を補償するとき、プロセッサ補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られる。
【数19】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す。
【0106】
選択的に、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告することは、具体的に、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告し、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告する。
【0107】
本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、受信端末の機能だけでなく、送信端末の機能も有する。
選択的に、前記プロセッサ12は、さらに、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する。
【0108】
選択的に、前記プロセッサ周波数領域送信信号は、次の式で補償される。
【数20】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、K=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である。
【0109】
選択的に、前記プロセッサ12は、さらに、補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する。
【0110】
信号の送信端末である場合:
プロセッサ12は、前記メモリ11に記憶されたプログラム命令を呼び出すように構成され、得られたプログラムに従って次の処理を実行する:
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信し、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する。
【0111】
選択的に、前記プロセッサ周波数領域送信信号は、次の式で補償される。
【数21】
ここで、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表し、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、K=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である。
【0112】
選択的に、前記プロセッサ12は、さらに、補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する。
【0113】
LMF側である場合:
プロセッサ12は、前記メモリ11に記憶されたプログラム命令を呼び出すように構成され、得られたプログラムに従って、次の処理を実行する:
PRS構成情報を端末に送信し、
前記端末から報告されたDL RSTD測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定する。
【0114】
選択的に、前記PRS構成情報は、少なくとも次の1つを含み、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置、
PRSの時間領域の位置情報、
PRSの周波数領域の位置情報、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知。
本発明の実施形態により提供される信号を処理するための装置は、受信端末である装置も送信端末である装置も、基地局でもUEでもよい。
【0115】
UEとして使用する場合、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、図7に示すようなものである。プロセッサ600は、メモリ620内のプログラムを読み出し、本発明の実施形態によって提供される送信端末または受信端末における信号を処理するための方法のフローを実行するように構成される。
【0116】
送受信機610は、プロセッサ600の制御下でデータを受信して送信するように構成される。
【0117】
ここで、図7において、バスアーキテクチャは、相互接続されたバスおよびブリッジの任意の数を含得、特に、プロセッサ600によって表される1つ以上のプロセッサとメモリ620によって表される1つ以上のメモリの様々な回路をリンクし得る。バスアーキテクチャさらに、バスアーキテクチャは、周辺装置、電圧調整器、電力管理回路などのさまざまな他の回路をリンクすることができ、これらはすべて当技術分野でよく知られており、したがって、本明細書では再度さらに説明しない。バスインターフェースはインターフェースを提供する。送受信機610は、複数の要素であってもよく、送信機および受信機を含み、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。異なるユーザ機器の場合、ユーザインターフェース630は、必要なデバイスと相互接続または外部接続可能なインターフェースであってもよく、接続されたデバイスは、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック等を含むが、これらに限定されない。
プロセッサ600は、バスアーキテクチャ及び通常の処理を管理し、メモリ620は、プロセッサ600が動作する際に利用するデータを記憶することができる。
【0118】
選択的に、プロセッサ600は、中央処理装置(CPU)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit,特定用途集積回路)、FPGA(Field-Programmable Gate Array,フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはCPLD(Complex Programmable Logic Device,複合プログラマブルロジックデバイス)であってもよい。
【0119】
基地局として使用する場合、本発明の実施形態によって提供される信号を処理するための装置は、図8に示すようなものである。プロセッサ500は、メモリ520内のプログラムを読み出し、本発明の実施形態によって提供される送信端末または受信端末における信号を処理するための方法のフローを実行するように構成される。
【0120】
送受信機510は、プロセッサ500の制御下でデータを受信して送信するように構成される。
【0121】
ここで、図8において、バスアーキテクチャは、相互接続されたバスおよびブリッジの任意の数を含得、特に、プロセッサ500によって表される1つ以上のプロセッサとメモリ520によって表される1つ以上のメモリの様々な回路をリンクし得る。バスアーキテクチャさらに、バスアーキテクチャは、周辺装置、電圧調整器、電力管理回路などのさまざまな他の回路をリンクすることができ、これらはすべて当技術分野でよく知られており、したがって、本明細書では再度さらに説明しない。バスインターフェースはインターフェースを提供する。送受信機510は、複数の要素であってもよく、送信機および受信機を含み、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ500は、バスアーキテクチャ及び通常の処理を管理し、メモリ520は、プロセッサ500が動作する際に利用するデータを記憶することができる。
【0122】
プロセッサ500は、中央処理装置(CPU)、特定用途集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)または複合プログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device,CPLD)であってもよい。
【0123】
信号の受信端末において、図9を参照して、本発明の実施形態によって提供される別の信号を処理するための装置は、
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するように構成された第1のユニット901と、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するように構成された第2のユニット902と、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするように構成された第3のユニット903と、を含む。
【0124】
信号の送信端末において、図10を参照して、本発明の実施形態によって提供される別の信号を処理するための装置は、
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するように構成された受信ユニット801と、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償するように構成された補償ユニット802と、を含む。
【0125】
LMF側において図11を参照して、本発明の実施形態によって提供される別の信号を処理するための装置は、
PRS構成情報を端末に送信するように構成された送信ユニット701と、
前記端末から報告されたDL RSTD測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するように構成された測位ユニット702と、を含む。
【0126】
なお、本発明の実施形態におけるユニット分割は例示的なものであり、単に論理関数分割の一種に過ぎず、実際の実施形態には他の分割方法が存在する可能性がある。さらに、本発明の各実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットは物理的に単独で存在してもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。上記統合ユニットは、ハードウェアの形態で実装することも、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装することも可能である。
【0127】
前記統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決策を本質的に、または先行技術に寄与する部分、あるいはその全部または一部をソフトウェア製品の形で具体化することができるものとする。当該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス等であってもよい)またはプロセッサが本発明の様々な実施形態の方法のすべてまたは一部のステップを実行できるようにするために使用されるいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスクまたはコンパクトディスクまたはプログラムコードを格納できる各種メディアを含む。
【0128】
本発明の実施形態は、デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant,PDA)等であってもよいコンピューティングデバイスを提供する。当該コンピューティングデバイスは、中央プロセッサ(Center Processing Unit ,CPU)、メモリ、入出力装置などを含むことができる。入力装置はキーボード、マウス、タッチスクリーン等を含むことができ、出力装置は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)、陰極線管(Cathode Ray Tube,CRT)等の表示装置を含むことができる。
【0129】
メモリには読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、 ROM)とランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)があり、メモリに記憶されているプログラム命令とデータをプロセッサに提供できる。本発明の実施形態では、メモリは、本発明の実施形態によって提供される方法のいずれかのプログラムを記憶するために使用され得る。
【0130】
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラム命令を呼び出し、得られたプログラム命令に従って本発明の実施形態によって提供される方法のいずれかを実行するよう構成する。
【0131】
本発明の実施形態は、上述した本発明の実施形態によって提供される装置によって使用されるコンピュータプログラム命令を記憶するコンピュータ記憶媒体を提供する。ここで、当該コンピュータ記憶媒体は、上述した本発明の実施形態によって提供される方法のいずれかを実行するためのプログラムを含むものである。
【0132】
前記コンピュータ記憶媒体は、コンピュータにアクセス可能な任意のメディアまたはデータ記憶装置であってもよく、これらに限定されないが、磁気メモリ(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ、磁気光学ディスク(MO)等)、光メモリ(例えば、CD、DVD、BD、HVD等)、半導体メモリ(例えばROM,EPROM,EEPROM,不揮発性メモリ(NAND FLASH)、ソリッドステートディスク(SSD))などを含むことができる。
【0133】
本発明の実施形態によって提供される方法は、端末装置に適用され得るし、ネットワーク装置にも適用され得る。
【0134】
ここで、端末装置は、ユーザ機器(User Equipment,略してUE)、移動局(Mobile Station,略してMS)、移動端末(Mobile Terminal,略してMT)等とも称することができる。選択的に、当該端末は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network,RAN)を介して1つ以上のコアネットワークと通信する能力を有することができる。例えば、端末は、携帯電話(または「セルラ電話」と呼ばれる)であってもよいし、モバイル性を有するコンピュータであってもよい。例えば、端末は携帯型、ポケット型、ハンドヘルド型、コンピュータ内蔵型または車載モバイルデバイスであってもよい。
【0135】
ネットワーク装置は基地局(例えば、アクセスポイント)であってもよい。これは、アクセスネットワーク内のデバイスがエアインターフェースを介して1つ以上のセクタを介して無線端末と通信していることを意味する。基地局は、受信したエアフレームとIPパケットとの間の相互変換を実行するために使用され、無線端末とアクセスネットワークの残りの部分との間のルータとして使用され、ここでアクセスネットワークの残りはインターネットプロトコル(IP)ネットワークを含むことができる。基地局は、エアインターフェースの属性管理をさらに調整してもよい。例えば、基地局は、GSM又はCDMAにおける基地局(BTS,Base Transceiver Station)であってもよいし、WCDMA(登録商標)における基地局(NodeB)であってもよいし、LTEにおける進化型の基地局(NodeBやeNBやe-NodeB,evolutional Node B)であってもよいし、5Gシステム等におけるgNBでもよい。これについて、本発明の実施形態では限定されない。
【0136】
上記の方法の処理フローは、記憶媒体に格納されるソフトウェアプログラムによって実行され得る。記憶されているソフトウェアプログラムが起動されると、上記の方法のステップが実行される。
【0137】
本発明の実施形態が方法、システム及びコンピュータプログラム製品を提供できることは、当業者によって理解されるべきである。したがって、本発明は、ハードウェアの実施形態のみ、ソフトウェアの実施形態のみ、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態をとることができる。また、本発明は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、光学メモリ等を含むがこれに限定されない)に実装されるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0138】
本発明は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図で説明された。フローチャートおよび/またはブロック図のそれぞれのフローおよび/またはブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図のフローおよび/またはブロックの結合は、コンピュータプログラム命令で実施できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、組み込みプロセッサ、または別のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにロードして、コンピュータまたは他のプロセッサで実行される命令が実行されるようにマシンを生成できる。コンピュータ読み取り可能なメモリに格納された命令が、フローチャートの1つ以上のプロセスおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能を実装する命令装置を含む製造物を生成する。
【0139】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方法で動作させることができるコンピュータ可読メモリに格納することもできる、コンピュータ読み取り可能なメモリに格納された命令が、フローチャートの1つ以上のプロセスおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能を実装する命令装置を含む製造物を生成する。
【0140】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードすることも可能であり、コンピュータまたは他のプログラマブルデバイス上で一連の操作ステップを実行してコンピュータが実施した処理を生成する。したがって、コンピュータまたは他のプログラマブルデバイス上で実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能を実施するステップを提供する。
【0141】
当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して種々の変更及び変更を行うことができるものとする。したがって、本発明は、本発明に対するこれらの変更及び変更が本願のクレーム及びそれらに相当する範囲内にある限り、その中でこれらの変更及び変形を包含することを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するステップと、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するステップと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするステップと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための方法。
【請求項2】
ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、
補償されたPRS信号または周波数領域チャネル応答に基づいて到着時間(TOA)測定を実行し、TOA測定値およびダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を取得し、
前記信号を処理するための方法は、前記DL RSTD測定量をロケーション管理機能(LMF)エンティティに報告するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の信号を処理するための方法。
【請求項3】
前記DL RSTD測定量は、TOA測定値に対して単一の処理を実行した後のDL RSTD測定量である
ことを特徴とする請求項2に記載の信号を処理するための方法。
【請求項4】
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定することは、
参照サブバンドRおよび参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)を決定し、
N(N≠R)番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)を決定し、
前記参照サブバンドRの総遅延τTotal,sub(R)と前記N番目のサブバンドの総遅延τTotal,sub(N)に基づき、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値Δτdelay,sub,diff(N)を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号を処理するための方法。
【請求項5】
参照サブバンドRの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(R)=phase(H(k2)*conj(H(k1)))/(-2π(k2-k1)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(R)
ここで、k2とk1は、参照サブバンドR上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k1<k2)を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、H(k1)は、k1番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k2)は、k2番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、τLOSはLOSパスの伝送遅延を表し、Δtは、送信端末と受信端末と受信端末間のクロック・オフセットの累積合計を表し、Δτdelay,sub(R)は、R番目の参照サブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンドの総遅延は、次の式によって決定され、
τTotal,sub(N)=phase(H(k4)*conj(H(k3)))/(-2π(k4-k3)ΔfSCS)=τLOS+Δt+Δτdelay,sub(N)
ここで、k4とk3は、N番目のサブバンド上の任意の2つのサブキャリアインデックス(k3<k4)を表し、H(k3)は、k3番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、H(k4)は、k4番目のサブキャリア上の周波数領域チャネル応答を表し、Δτdelay,sub(N)は、N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延を表し、
N番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値は、次の式によって決定される
Δτdelay,sub,diff(N)=τTotal,sub(N)-τTotal,sub(R)=Δτdelay,sub(N)-Δτdelay,sub(R)
ことを特徴とする請求項に記載の信号を処理するための方法。
【請求項6】
ローカル受信信号または周波数領域チャネル応答を補償する場合、補償後の周波数領域チャネル応答H’(k)は次の式によって得られ、
【数1】
ここで、システム帯域幅がM個のサブバンド幅に分割され、各サブバンドはQ個のサブキャリアを含み、H(k)は、非補償周波数領域チャネル応答を表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔を表し、N=floor((k-1)/Q)+1、Nはサブバンドのインデックス値を表す
ことを特徴とする請求項に記載の信号を処理するための方法。
【請求項7】
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告するステップは、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、報告するステップ、
または、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を定量化し、予め設定された定量化補償テーブルに基づき、定量化された相対的なグループ遅延の差分値に対応する補償インデックス値を報告するするステップ、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の信号を処理するための方法。
【請求項8】
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するステップと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償するするステップと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための方法。
【請求項9】
周波数領域送信信号は、次の式で補償され、
【数2】
ここで、Nはサブバンドのインデックス値を表し、X(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償前のデータシンボルを表し、X’(k)はk番目のサブキャリア上で伝送される補償後のデータシンボルを表し、ΔfSCSはサブキャリア間隔であり、N=floor((k-1)/Q)+1、Δτdelay,sub,diff(N)はN番目のサブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を表し、ここで、k=1...(M*Q)、Mはサブバンドの総数を表し、Qは各サブバンドに含まれるサブキャリアの数であり、M*Qはサブキャリアの総数である
ことを特徴とする請求項に記載の信号を処理するための方法。
【請求項10】
補償された送信信号X’(k)をk番目のサブキャリアにマッピングして送信する
ことを特徴とする請求項に記載の信号を処理するための方法。
【請求項11】
測位参照信号(PRS)構成情報を端末に送信するステップと、
前記端末から報告されたダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するステップと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための方法。
【請求項12】
前記PRS構成情報は、
同じコンポーネントキャリア(CC)の周波数領域の位置または異なるCCの周波数領域の位置と、
PRSの時間領域の位置情報と、
PRSの周波数領域の位置情報と、
送信端末または受信端末が送信された信号を補償する通知と
のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項11に記載の信号を処理するための方法。
【請求項13】
受信した測位参照信号(PRS)に基づいてチャネル推定処理を実行し、周波数領域チャネル応答を取得するように構成された第1のユニットと、
前記周波数領域チャネル応答に基づき、サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を決定するように構成された第2のユニットと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、ローカルにおいて受信されたPRS信号または周波数領域チャネル応答を補償するか、前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を送信端末に報告して、送信端末に送信信号を補償させるようにするように構成された第3のユニットと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項14】
サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値を受信するように構成された受信ユニットと、
前記サブバンド上の相対的なグループ遅延の差分値に基づき、送信信号を補償する受信ユニット補償ユニットと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【請求項15】
測位参照信号(PRS)構成情報を端末に送信するように構成された送信ユニットと、
前記端末から報告されたダウンリンク参照信号の時間差(DL RSTD)測定量を受信し、既知の基地局位置情報に基づいて前記端末の位置を決定するように構成された測位ユニットと、を含む
ことを特徴とする信号を処理するための装置。
【国際調査報告】