(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】空気補充システムを備えた車両用化粧室
(51)【国際特許分類】
B64D 11/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
B64D11/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543274
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2021013853
(87)【国際公開番号】W WO2022159068
(87)【国際公開日】2022-07-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520384770
【氏名又は名称】サフラン キャビン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルウェイジ,ロン
(72)【発明者】
【氏名】デュコ,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】マリノ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドディントン,デール
(57)【要約】
車両用化粧室モニュメントアセンブリが、化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を有する筺体と、入口ドアと、化粧室内部に位置するトイレとを含む。筐体は入口を含み、トイレは出口を含む。 空気補充システムは、第1の量の空気を化粧室内部から出口を通って移動させ、第2の量の空気を入口を通って化粧室内部に移動させて、化粧室内部の空気を補充するように構成される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用化粧室モニュメントアセンブリであって、
化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を含む筺体であって、前記複数の壁のうちの1つがその上に入口ドアを含み、前記筐体が入口を含む、筺体と、
前記化粧室内部に位置するトイレであって、前記トイレは出口を含む、トイレと、
第1の量の空気を前記化粧室内部から前記出口を通って移動させ、第2の量の空気を前記入口を通って前記化粧室内部に移動させるように構成されている、空気補充システムとを備える、車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項2】
前記空気補充システムは、前記空気補給システムを作動させるように構成された手動起動スイッチを含み、前記手動起動スイッチは、前記化粧室内部の外側に配置される、請求項1に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項3】
前記手動起動スイッチは起動アセンブリの一部であり、前記起動アセンブリは、前記化粧室内部の空気状態を示すように構成された表示システムを含む、請求項2に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項4】
前記表示システムは、第1の表示状態及び第2の表示状態を含む複数の表示ライトを含み、前記第1の表示状態は車両内部が清潔であることを示し、前記第2の表示状態は、前記車両内部が清潔でないことを示す、請求項3に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項5】
前記起動アセンブリは、前記入口ドア上に配置される、請求項4に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項6】
前記手動起動スイッチは、前記化粧室内部が占有されているときに無効にされる、請求項2に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項7】
前記手動起動スイッチは、前記入口ドアがロックされているときに無効にされる、請求項2に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項8】
前記空気補充システムは、前記化粧室内部が空になった後、所定の秒数で前記空気補充システムを作動させるように構成されたコントローラを含む、請求項1に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項9】
前記空気補充システムは、前記空気補充システムの前回の起動の後、所定の時間量で前記空気補充システムを作動させるように構成されたコントローラを含む、請求項1に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項10】
車両用化粧室モニュメントアセンブリであって、
化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を含む筺体であって、前記複数の壁のうちの1つがその上に入口ドアを含み、前記筐体が入口を含む、筐体と、
前記化粧室内部に位置するトイレであって、前記トイレは出口を含む、トイレと、
第1の量の空気を、前記化粧室内部から前記出口を通って移動させ、第2の量の空気を、前記入口を通って前記化粧室内部に移動させるように構成されている、空気補充システムであって、前記空気補充システムは前記入口ドアの外側に位置する起動アセンブリを含み、前記起動アセンブリは空気補充システムを起動させるように構成された手動起動スイッチと、複数の表示ライトとを含み、前記表示ライトは、車両内部が清潔であることを示す第1の表示状態と、前記車両内部が清潔でないことを示す第2の表示状態とを含み、前記手動起動スイッチは、前記化粧室内部が占有されているとき、および前記入口ドアがロックされているときに無効にされ、前記空気補充システムは、前記化粧室内部が空になった後、所定の秒数で前記空気補充システムを作動させるように構成されたコントローラを含む、空気補充システムとを備える、
車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項11】
前記コントローラは、前記空気補充システムの前回の起動の後、所定の時間量で前記空気補充システムを作動させるように構成される、請求項10に記載の車両用化粧室モニュメントアセンブリ。
【請求項12】
出口を有するトイレを含む車両用化粧室の化粧室内部に空気を補充する方法であって、
(a)第1の量の空気を、前記化粧室内部から前記出口を通って移動させ、第2の量の空気を、入口を通って前記化粧室内部に移動させるステップを含む、方法。
【請求項13】
前記ステップ(a)は、手動起動スイッチの作動後に実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記手動起動スイッチは、前記化粧室内部の外側に配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップ(a)は、前記化粧室内部が空になった後、所定の秒数で実行される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は一般に、航空機または他の車両用のクリーン化粧室に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 民間航空会社のオペレーションは、Covid 19の危機によって混乱している。その結果、飛行前、飛行中、または飛行後に、航空機内部を清浄化、衛生化、消毒、または殺菌さえする技術、製品、および解決策を開発し、展開することが望まれている。本明細書で使用される場合、「清浄化」手段は、清浄、消毒、滅菌、補充、またはそれらの任意の組合せを行う。
【0003】
[0003] 商業サービスで飛行する航空機は、燃料効率が高く、飛行が安全でなければならない。機体製造業者、供給業者、およびFAAなどの政府規制当局は航空機に導入される製品が安全であり、要件および規制を満たし、軽量であり、低電力であり、容積がコンパクトであることを確実にするための手順、規制、プロセス、および要件を開発している。
【0004】
[0004] 航空機の内部を清掃するための解決策が航空会社のオペレータに提案されてきたが、これらの技術、製品、または解決策が、同時に効率性および安全性の業界ニーズも満たすことを保証する必要性が依然として存在する。さらに、市販製品は航空機での使用に適応されているが、これらの製品は、飛行する、または航空機搭載機器として認定されることを可能にするための業界要件を満たさない場合がある。
【0005】
[0005] 航空機の客室内の空気は、典型的には毎時約20回再循環される。さらに、客室に入る新鮮な空気が濾過される。これは、他の多くの公共交通機関よりもクリーンな客室内の雰囲気を提供する。しかしながら、化粧室は乗客が狭い空間に閉じ込められている客室の1つの領域であり、この空間では、空気が開放された客室と同じ頻度で再循環されない。これは、飛行機での旅行中に空気感染する病原体が広がる可能性を高め得る。このような病原体の拡散を低減する試みにおいて、乗客が化粧室を使用するたびに化粧室の内部の空気を再循環させることができる。
【0006】
[0006] 紫外線(UV)光または消毒による細菌およびウイルスの死滅は、UV光源によって放出される光線の直接的な「見通し線」にある表面上で起こる。最適な消毒は、入射角が0°の場合、言い換えれば、表面に対して垂直または法線になる場合に起こる。殺菌有効性は、UV線が殺菌される必要がある表面に対してある角度にある場合、低下する。UV光の有効性は、入射角が増加することにつれて減少する。参考までに、消毒強度は、20°入射角(法線から20°または表面から70°)で約10%、30°入射角で約40%低減される。加えて、UV光源が消毒される表面から離れるほど、消毒表面上の光の強度は低くなる。これは、消毒の有効性を低下させる。参考までに、UV-C光の強度は、光源から約1メートルの距離で約95%低減される。
【0007】
[0007] 本特許出願のいずれかで開示される背景技術の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書で提供される情報のいずれも、先行技術であるか、または現在特許請求されている発明に関連すること、または具体的にもしくは暗示的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本発明は、1つ以上の特徴を含むクリーンな化粧室を対象とする。一般に、クリーンな化粧室は、統合されたタッチレスな解決策(例えば、水および石鹸/消毒剤の分配)を提供すること、オンデマンドで(例えば、空気補充システムを使用して)空中の汚染物質を排除すること、化粧室が占有されているときであっても、清掃が容易な表面形状を実装し、客室通路(または化粧室の囲いの外側)から容易にアクセス可能な1つまたは非常に少数の収納区域に消耗品(例えば、ワイプ)を統合して、乗員の清掃および補充の課題を軽減すること、および乗務員の関与を必要とすることなく、化粧室の衛生状態を乗客に伝達する方法を提供することによって、乗客の衛生上の懸念に対処する。
【0009】
[0009] 本発明の一態様によれば、複数の壁のうちの1つの上に配置される入口ドアと、複数の壁のうちの1つの上に配置され、そこから外向きに延在するタワーアセンブリと共に、化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を有する筺体を含む車両化粧室モニュメントアセンブリが提供される。消毒用凹部がタワーアセンブリの前面に画定され、消毒用凹部は、その中の手指消毒剤へのアクセスを含む。手指消毒剤は、液体またはゲルディスペンサ、消毒用ワイプなどと関連付けることができる。
【0010】
[0010] 好ましい実施形態では、本発明が、1つ以上のアクセスドアを内部に有するタワーアセンブリを使用して、航空機客室通路から直接アクセス可能な手指消毒剤ディスペンサおよび/または消毒用ワイプがストックされ、それらを含むステーションまたはタワーアセンブリを提供する。タワーアセンブリは好ましくは通路(すなわち、化粧室の外側)からアクセス可能な乗客に衛生ステーションを提供し、化粧室の清潔さ、ならびに化粧室および/または客室を可能な限り清潔に保つために取られるステップに関する情報も乗客に提供する。
【0011】
[0011] 好ましい実施形態では、固定タワーまたはタワーアセンブリが化粧室またはギャレーなどの航空機モニュメントに一体化されるか、または化粧室またはギャレーなどのモニュメントの隣に配置される。タワーは非接触式手指消毒剤ディスペンサ、消毒用ワイプディスペンサ、および/またはごみ用容器を含むが、これらに限定されない。ごみ容器は、タワーの内側および/または化粧室内部のごみ区画またはごみ容器空間の内側に配置される。手指消毒剤ディスペンサおよび/または消毒用ワイプディスペンサは、両方とも航空機客室通路からアクセス可能である。ごみ区画は化粧室内から、またはタワー内のごみ容器を介して通路からアクセス可能である。ごみ容器はタワーの通路側から空にされ、これにより、乗務員または保守要員が保守のためにトイレに入る必要性が低減される。
【0012】
[0012] 好ましい実施形態では、タワーの上側に配置されたアクセスパネルまたはドアが、化粧室内に配置され、かつアクセス可能な使い捨てティッシュおよびタオルディスペンサ(全てのタオル、ティッシュ、ワイプなどを本明細書ではワイプと呼ぶことがある)へのアクセスを提供する。これにより、メンテナンスのために乗務員または保守要員が化粧室に入り、ワイプを交換する必要性が低減される。
【0013】
[0013] 好ましい実施形態では、表示パネルがタワーの外側に配置される。この表示パネルは、照明された情報またはグラフィック、表示スクリーン、または統合され色分けされたウォッシュライトを使用して、乗務員および/または乗客に状態情報を伝える。この情報は、限定されないが、飲料カートが客室を通過するおおよその時間、化粧室で使用される清浄化方法および清浄化プロトコルなどの清浄化状態、化粧室の空気が補充されてからの時間、および化粧室の利用可能性/空室などのサービス情報を含むことができる。表示スクリーンは、空き、占有、清掃、使用中などを伝えるために作動する照明されたアイコンを含むことができ、または表示スクリーンはオンボード衛生手順および技術のような情報グラフィックを実行するための埋め込みフラットスクリーンディスプレイであることができ、または広告を含むことができる。
【0014】
[0014] 乗客は、衛生用品が通路からアクセスされ得るので、化粧室に入ることを必要としない衛生ステーションへのアクセスを有することが理解されるのであろう。加えて、表示スクリーンは、客室内の清浄度を増加させるために使用されている手順および技術に関連する追加の情報を乗客に提供し、これは、飛行旅行における乗客の信頼性を増加させるのを助ける。
【0015】
[0015] 本発明の一態様によれば、入口ドアおよび入口を有する化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を含む筺体と、化粧室内部に配置された出口を含むトイレと、化粧室内部から出口を通って第1の量の空気を移動させ、入口を通って化粧室内部に第2の量の空気を移動させるように構成された空気補充システムとを含む車両用化粧室モニュメントアセンブリが提供される。
【0016】
[0016] 好ましい実施形態では、本発明はまた、化粧室の各使用後に空中浮遊病原体を除去する能力を提供する。本発明は、既存のまたは新たに生成された空気入口および出口としてのトイレを使用して、空気流を生成する能力を提供する。空気入口は、能動的(ECSシステムからの強制空気)または受動的(一般客室への換気開口部)であってもよい。入口の位置は、従来技術と比較してカスタマイズすることができる。好ましい実施形態では、トイレ乾式洗浄サイクルが、空気を化粧室から吸引または引き出して、空気中の病原体除去および空気循環を提供するために使用される。乾式洗浄サイクルは、乗客の存在なしに使用され、流れおよび持続時間をカスタマイズすることができる。したがって、化粧室真空システムは、化粧室を使用するたびに化粧室から空気を除去するために、再利用されるか、または使用されることができる。これは、化粧室を使用する全ての乗客に新鮮な空気環境を提供する。好ましい実施形態では、航空機の化粧室内部の空気再循環または補充システムが、30秒未満のサイクル時間を有し、化粧室の内部の現在の空気品質を乗客または乗務員に伝達することができる。
【0017】
[0017] 好ましい実施形態では、トイレ真空システム(または別個の真空システム)が化粧室内部から空気を吸引するために乾燥モード(水なし)で使用される。トイレ洗浄弁(または出口)の開放時間は、抽出される必要な空気量および1つまたは複数の入口の位置に基づいて電子的にプログラムされる。トイレの乾式洗浄は例えば、約150l/sの流れを発生させる短時間で大量のオペレーションである。この真空システムは乗客が化粧室を出た後に自動的に作動させることができ、または化粧室の外側に位置するボタンを押す(または別の方法でスイッチを作動させる)ことによって手動で作動させることができる。人が化粧室の中にいるとき、真空システムの手動起動は無効にされる。好ましい実施形態では、真空が化粧室内部のある量の空気を除去するのに約10秒かかる。化粧室から移動される空気の量は、化粧室内の空気の少なくとも大部分であることが理解されるであろう。一部の空気は定期的な洗浄中にトイレの出口から抽出されるか、または出口から移動され得る(典型的な航空機トイレの出口は通常の洗浄中に約4秒間開放され、その結果、一部の空気が出口を通って漏出し得る)。しかしながら、これは、化粧室内の空気を洗浄または補充するのに十分ではない。したがって、本発明の目的のために、化粧室から移動される第1の量の空気は、空気補充システムの作動前に化粧室内部に存在する空気の量の少なくとも半分であり、空気の100%にも達する。航空機の化粧室の典型的な容積は、約1.1m3である。0°および1気圧における気流は、約0.117m3/秒である。したがって、化粧室の空気の全量(第1の空気量)を完全に除去するには約10秒かかるはずである。この期間は、より大きな容積を有する化粧室ではより長く、より小さな容積を有する化粧室ではより短くなり得る。化粧室の内側と外側との間の圧力差により、客室空気は化粧室ドア減圧ベントおよび/またはECS入口(例えば、ミラーの後ろに位置し得る)を通って化粧室に入る。一実施形態では、HEPA(または他の空気フィルタ)が化粧室に入る空気を濾過するために減圧ベント内に配置される。空気芳香カートリッジまたはディスペンサはまた、化粧室に入る空気に新鮮な香りを導入するために、減圧ベント内に配置され得る。別の実施形態では、空気芳香カートリッジまたはディスペンサが、天井パネルの上など、化粧室の別の領域に配置され得る。
【0018】
[0018] 好ましい実施形態では、化粧室の外側のインジケータが化粧室内の空気品質レベルを伝達する。このインジケータまたは表示スクリーンまたは部材は最後の空気再循環サイクルから経過した時間の量、乗客が最後に化粧室を使用した後に空気が再循環されなかったことを示す赤色などの色の表示、または乗客が最後に化粧室を使用した後に空気が再循環されたことを示す緑色、および/または「空いている」もしくは「占有されている」などの化粧室状態の表示を含むが、これらに限定されない情報を含むことができる
[0019] 本発明の一態様によれば、化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を有する筺体と、複数の壁のうちの1つの上に配置された入口ドアと、化粧室内部に配置された第1の光モジュールを含むUV消毒システムとを含む車両用化粧室モニュメントアセンブリが提供される。第1の光モジュールは、紫外線を発する紫外線光源と、レンズ部材とを備える。UV消毒システムは、その上に反射コーティングを含む第1の反射表面と、消毒される第1の直接表面と、消毒されるべき第1の間接面とを含む。レンズ部材は、消毒されるべき第1の直接面に紫外光線を向けるように構成される。レンズ部材はまた、紫外光線を第1の反射表面に向けるように構成され、第1の反射表面は、消毒されるべき第1の間接面に紫外光線を向けるように傾斜している。好ましくは第1の反射表面で反射する紫外光線が30°~90°の角度で消毒されるべき第1の間接表面に到達し、より好ましくは角度が60°~90°の間であり、最も好ましくは角度が75°~90°の間である。これらの同じ角度範囲は、消毒されるべき直接表面に向けられる光線に適用される。
【0019】
[0020] 好ましい実施形態では、UV消毒システムは、化粧室内部が空になった後、所定の秒数でUV消毒システムを作動させるように構成されたコントローラを含む。好ましい実施形態では、UV消毒システムがUV消毒システムの前回の起動の後、所定の時間量でUV消毒システムを作動させるように構成されたコントローラを含む。
【0020】
[0021] 好ましい実施形態では、第1の反射表面が非反射表面に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、第1の反射表面が非反射表面に平行ではない。好ましい実施形態では、レンズ部材が第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを含む。第1の部分は消毒されるべき第1の直接表面に紫外光線を向けるように構成され、第2の部分は第1の反射表面に紫外光線を向けるように構成される(光線が消毒されるべき直接表面および間接表面に対して異なる角度で向けられてもよい)。
【0021】
[0022] 好ましい実施形態では、UV消毒システムが化粧室内部の外側(例えば、入口ドアの外側)に位置するUV消毒システムを作動させるように構成された手動起動スイッチを含む。好ましくは、手動起動スイッチが化粧室内部のUV消毒状態を示すように構成された表示システムを含む起動アセンブリの一部である。好ましい実施形態では、表示システムが第1の表示状態および第2の表示状態を含む複数の表示灯を含む。第1の表示状態は車室が清浄であることを示し、第2の表示状態は、車室が清浄でないことを示す。好ましい実施形態では、手動起動スイッチは、入口ドアがロックされているとき、手動起動スイッチは無効にされ化粧室の内部が占有されているときに無効にされ、および/または手動起動スイッチは無効にされる。
【0022】
[0023] 好ましい実施形態では、本発明は、航空機内部および/または化粧室内部の表面の少なくともいくつかにUV光消毒を提供するためのUV消毒システムを含む。例えば、UV光は、FUV(222nm波長)、UV-C、UV-Bなどであってもよい。最も多くの接触点を有する化粧室の領域は、ドアハンドルと、蛇口、石鹸ディスペンサ、および廃棄フラップを含むシンク並びにカウンタートップの周りの領域と、洗浄ボタン、シートカバーディスペンサ、シートおよびカバーなどの便器およびトイレシュラウドに関連する特定の領域であることが理解されるのであろう。接触点の数が多い領域では、これらの領域で病原体が広がる可能性が高くなり、したがって、病原体が広がるリスクを低減するために、衛生化のためにより多くの注意が必要となる。したがって、これらの高接触点表面へのUV光の適用は表面を衛生化し、ウイルスなどの伝播のリスクを低減するのに役立ち得る。
【0023】
[0024] さらに、化粧室内の表面に塗布された表面フィルムまたはコーティングは、コーティングされた表面に当たるUV光の約95%を反射することができる。したがって、1つの解決策はUVランプまたは光源を、光線が高リスク表面に垂直に、かつ可能な限りその近くに向けられるように配置することである。しかしながら、これは、コストおよび電力を考慮することを含む複数の理由のために、実現可能ではない場合がある。したがって、本発明はUVランプを、実現可能な限り高リスク表面の近くに配置し、UVランプレンズの幾何学的形状との有効角度を変更し(例えば、光線を屈折させる)、UV反射表面を使用して、UV光を可能な限り効率的に高リスク表面に導き、殺菌ポテンシャルを最大化する。一般に、本発明は、各乗客の使用後に所望の表面が消毒されることを確実にする方法で、化粧室内の高リスク表面上の病原体を迅速に死滅させる消毒システムを提供する。
【0024】
[0025] 好ましい実施形態ではシンクおよびカウンタートップ領域を消毒するために、UV光源は化粧室のミラーの下に配置される。このUV光源は、消毒されるべき特定の表面に、所望に応じてUV光を向けることができるレンズを含む。光を方向転換または角度付けするために、レンズは、様々な厚さの部分を含むことができる。レンズカバーはUV光波または光線(例えば、屈折を介して)を特定の方向および角度(本明細書では「有効角度」と称されることもある)に向ける。化粧室シンクおよびカウンタートップの表面の少なくとも一部は、UV反射材料で被覆される。したがって、UV光がこれらの表面に当たると、UV光の一部は、本明細書では「反射角度」と呼ばれる、UV反射表面に垂直な角度で反射される。システムの有効角度および反射角度は、UV光源からのUV光が化粧室内の特定のターゲットに当たるように構成される。
【0025】
[0026] これらのターゲットは、カウンタートップ表面、具体的にはシンク周囲および廃棄フラップ周囲の周り、廃棄フラップの表面、シンクボウル内の表面、蛇口およびハンドルの下面を含むシンク蛇口およびハンドルの表面、石鹸ディスペンサの下面を含む石鹸ディスペンサの表面、ペーパータオル/ワイプ/ティッシュディスペンサを取り囲む表面、およびドアハンドルの下面を含む内部ドアハンドルの表面を含むが、これらに限定されない。
【0026】
[0027] 好ましい実施形態では、1つ以上のUV光源がベビーチェンジテーブルの下、シュラウドまたはカバーの下の化粧室の壁のうちの1つ以上の上、シートカバーディスペンサの下、および/または化粧室のトイレシュラウドの下に配置することができる。UV光源は、特定の方向および角度、すなわち有効角度にUV光波を方向付ける様々な厚さのレンズカバーを含む。化粧室の便座の周りの表面は、UV反射材料でコーティングされる。これらの表面は、便座を囲む壁、化粧室床パン、トイレシュラウド、および/または便器を含むことができるが、これらに限定されない。UV光がこれらの表面に当たると、UV光の一部は、本明細書では反射角度と呼ばれ得るUV反射表面に垂直な角度で反射される。システムの有効角度および反射角度は、UV光源からのUV光が化粧室内の特定のターゲットに当たるように構成される。ターゲット表面にUV光が確実に当たるようにするために、トイレの幾何学的形状を変更することができ、または、必要な反射角度を提供するために、囲い、反射表面、パネルなどを、化粧室の壁または他の構成要素に追加し、UV反射材料でコーティングすることができる。
【0027】
[0028] 他のターゲットは、トイレ洗浄ボタンの表面、シートカバーディスペンサを取り囲む表面、ディスペンサの下側を含むトイレットペーパーディスペンサの全ての表面、およびトイレ蓋の表面を含み得るが、これらに限定されない。
【0028】
[0029] 本発明は、小型で広い有効性のUVランプを含む。上述のように、これらのランプの有効性は、ランプ上のレンズの幾何学的形状によって、特にレンズの厚さを変化させることによって、影響を受ける。UVランプは、好ましくは化粧室の目立たない場所に配置される。
【0029】
[0030] 本発明はまた、化粧室の特定の反射表面に適用することができるUV反射材料を含む(したがって、反射表面およびその上にコーティングを含まない非反射表面を提供する)。これらのUV反射表面は、乗客間の病原体の拡散に最も関与する表面である多数の乗客接触点を有する化粧室の表面にUV光が当たるように、UV光を向ける。
【0030】
[0031] 広い有効性のUVランプとUV反射表面との組み合わせは、自動化された方法で表面洗浄速度および有効性を最大化するUV消毒ソリューションを作り出す。本発明における1つの重要な成功要因は、化粧室ミラーおよび/または他の目立たない位置の下に適合するUVランプフォームファクタ、ならびに集束された有効角度を提供する可変厚さ光レンズである。第2の重要な成功要因は化粧室表面へのUV反射材料の適用であり、これはUV光が典型的には蛇口ハンドルまたはドアノブの下など、UV光源の見通し線内にないターゲットに向けられることを可能にする。上述の2つの成功要因を組み合わせることにより、清浄化有効性を実現する自動UV消毒システムが作り出される。これは、UV光源をターゲット洗浄面の近くに配置し、光波の方向がターゲット洗浄面の法線にできるだけ近くなるようにUV光を光反射によって配向することにより達成される。これらの因子は、消毒のために移され、ターゲット表面上の病原体に影響を及ぼすエネルギーの量を増加させる。これは、消毒のために、UV光にターゲット表面が曝露される必要がある時間量を減少させる。
【0031】
[0032] 本発明はまた、消毒プロセスが自動化されることを可能にし、その結果、保守要員は、消毒されるべきターゲット表面のために、UVワンドを使用する必要がなく、または消毒化学薬品を適用する必要がない。例えば、UV消毒システムは所定の時間に、または化粧室の(本明細書で論じられる空気補充システムと同様の)各使用後に作動させることができる。好ましい実施形態では、空気補充システムおよびUV消毒システムが両方とも、化粧室の各使用後に作動される。好ましい実施形態では、UV消毒システムが本明細書に記載の手動起動ボタン/スイッチを使用して作動させることができる。自動化されたUV消毒システムおよびプロセスは、高レベルの性能または消毒のために調整することができ、ワンドおよびスプレーのような手動メンテナンスアイテムは、スタッフの訓練および規律に依存し、可変的な結果を有し、想定されるよりもはるかに有効性が低くなり得ることが理解されよう。好ましくはUV消毒システムは、人が化粧室にいるとき(例えば、ドアがロックされているとき、または人が化粧室の内部にいると感知されているとき)には起動されないように、または紫外光を有効化しないように構成される。一実施形態では、UV消毒システムが消毒されるべき間接表面を含まなくてもよい。
【0032】
[0033] 好ましい実施形態では、航空機用化粧室モニュメントアセンブリはまた、隣接する部品間の分割線、水が溜まることを可能にするシンク付近の水平面、およびこれらの物体の周りの洗浄を困難にする石鹸ディスペンサおよび水栓などの水平面から垂直に延びる物体の存在などの、典型的に不清浄をもたらす要因を低減することによって、航空機用化粧室の清浄度の最適化を提供する。
【0033】
[0034] 本発明の一態様によれば、化粧室内部を画定するように協働する第1、第2、第3、および第4の壁を有する筺体と、第2の壁上に配置された入口ドアと、化粧室内部に配置された流し台アセンブリとを含む車両用化粧室モニュメントアセンブリが提供される。流し台アセンブリは、流し台内部を画定するように協働する、後壁、上壁、底壁、第1の側壁、および第2の側壁を含む流し台を含む。上壁は上部表面と底部表面とを含み、底部表面は、流し台流し台内部を部分的に画定する。上部表面は、カウンターである。
【0034】
[0035] 好ましい実施形態では、一般的に使用者が垂直に向けられた手を置く口または開口部を含む流し台が、一般的に水平に向けられた従来の流し台ボウルに取って代わる。流し台の幾何学的形状は、水が水平面(流し台の口に隣接して配置された典型的なカウンタートップなど)上に集まるのを防ぎ、重力によって流し台の底部の排水管を通して水を押しやるのを助ける。流し台はまた、好ましくは、化粧室内の空間を解放する従来の流し台ボウルとカウンタートップとを組み合わせたものよりも小さい設置面積を有する。好ましい実施形態では、流し台の前縁が乱気流中の乗客の安定性のための把手を提供するように成形される。
【0035】
[0036] 好ましい実施形態では、化粧室モニュメントアセンブリが流し台の上に配置された「乾燥棚」も含む。携帯電話や化粧品などの個人用品はこの乾燥した棚の上に置くことができ、これは、液体の全てが乾燥した棚の下の流し台の中に含まれたままであるため、乾燥したままである。好ましい実施形態では、乾燥棚の内部または下方には流し台内部内にあるかまたは流し台内部に分配されるタッチレス水および石鹸ディスペンサも含まれる。使用時に、使用者が手を流し台に挿入し、タッチレス水ディスペンサの下に置くと、手の存在は、タッチレスデバイスを作動させるために使用される、モーションセンサ、IR距離センサ、その他の技術によって捕捉される。水ディスペンサが作動すると、水がディスペンサから流れる。使用者が手を流し台に挿入し、タッチレス石鹸ディスペンサの下に置くと、手の存在は、タッチレスデバイスを作動させるために使用される、モーションセンサ、IR距離センサ、その他の技術によって捕捉される。石鹸ディスペンサが作動すると、石鹸がディスペンサから流れる。
【0036】
[0037] 好ましい実施形態では、UV消毒光が、乾燥棚内および/またはその下に位置し、手が流し台内に存在しないとき、またはそうでなければ(例えば、スイッチ、システムなどによって)起動されるとき、有効化する。このUV光は、流し台内の表面を消毒する。
【0037】
[0038] 好ましい実施形態では、流し台または乾燥棚の露出面上に目に見える取り付け金具はほとんどない。これにより、流し台および乾燥棚の露出面は、乗務員または保守要員によって容易に清掃される。好ましくは、流し台または水槽および乾燥棚が隠された締結具を使用して取り外し可能である。
【0038】
[0039] 好ましい実施形態では、流し台が、使用時にいかなる表面との手の接触もほとんどまたは全く必要とせず、拭き取りが容易であり、その構成要素は強度の洗浄、保守または交換のために取り外しが容易である。UVウイルス破壊技術を潜在的に損傷するデザイン手段の密閉された性質は、最も効果的であり、最も有害ではない場所に焦点を合わせることができることが理解されるのであろう(長時間の曝露によって皮膚に損傷を与える可能性があるため)。湿潤ゾーンおよび乾燥ゾーン(例えば、流し台の上の乾燥棚)のオーバー/アンダー配置は、調度品が化粧室空間内により侵入しにくいようにし、隣接する潜在的に不衛生な表面への乗客の接触のリスクを低減する。
【0039】
[0040] 流し台は、化粧室の手洗い機能を清潔な環境内で隔離し、典型的には、洗浄が困難な機器(蛇口および石鹸ディスペンサなど)を(乾燥棚内の)洗浄しやすい拭き取り面内に埋め込み、能動および受動殺生物技術の安全な統合を可能にする。好ましくは、容易なディープクリーンメンテナンスが、システムインターフェースを切り離す必要なく、全ての主要な接触面を迅速に取り外し可能にすることによって、可能になる。しかし、これは本発明を限定するものではない。
【0040】
[0041] 本発明の一態様によれば、化粧室内部を画定するように協働する複数の壁を有する筺体と、複数の壁のうちの1つの上に配置されたドアと、その外側表面上に第1の視覚的表示コーティングを含む化粧室内部に配置された第1の構成要素とを含む車両用化粧室モニュメントアセンブリが提供される。第1の視覚表示コーティングは、所定の波長範囲内の光波を含む第1の光が照射されると照明するように構成された少なくとも第1の励起添加剤を含む。好ましくは、所定の波長範囲が紫外線範囲内である。その範囲は、全紫外線範囲またはそのサブセットであってもよい。
【0041】
[0042] 本発明の別の態様によれば、部品の外側表面の少なくとも一部を第1の視覚表示コーティングで覆うことを含む、部品を消毒する方法が提供される。第1の視覚表示コーティングは、所定の波長範囲内の光波を含む第1の光が照射されると照明するように構成された少なくとも第1の励起添加剤を含む。本方法はまた、第1の励起添加剤が第1のレベルで照明されるように、紫外線光源を第1の視覚表示コーティングの外側表面に方向付けて、第1の視覚表示コーティングの外側表面を消毒することを含む。好ましい実施形態では、第1の励起添加剤は第1の蛍光添加剤であり、本方法は第1の励起添加剤が第1のレベルよりも明るい第2のレベルで照明されるように、紫外線光源を第1の視覚表示コーティングの外側表面により近づけることをさらに含む。
【0042】
[0043] 好ましい実施形態では、本発明が能動的および受動的消毒方法の両方を含む消毒システムを含む。受動的消毒は、化粧室内の表面に抗菌コーティング、フィルムなどを加えることによって行うことができる。能動的消毒は、表面を消毒するためにUVワンドまたは光を使用することを含み得る。UV消毒は、フライトの間または他の所定の時間に乗組員によって行うことができる。UV消毒はまた、飛行中に所定の時間隔で、またはトイレの各使用後に本明細書に記載のUV消毒システムを使用して、自動的に行うことができる。本発明は、乗客が最も触れる傾向がある表面に塗布されるコーティングまたはフィルム中の抗菌添加剤を使用して航空機の化粧室を消毒することを含む。本発明において、「受動的」とは、抗菌効果ではなく、視覚的指標を指す。受動的表示は、部品が消毒されている発光視覚インジケータである。これは、スポットがUV光を吸収するという点で受動的であり、エネルギーが材料中にある限り、部品が保護されているという視覚的表示(光る/色光/ホログラム)を保持する。アクティブは、部品が表面に向けられたUVワンドまたは光エネルギーを有することを示すインジケータである。グローは、集束された光エネルギーでのみ見える。パッシブとは、一般に、清浄/消毒/殺菌表面を提供するために使用者からのさらなる行為が必要ない場所を指す。「連続的に活性」はこれらのタイプの材料について環境保護庁によって使用される語句であるが、抗菌剤が常に最初の適用を超えて有効であることを示すことが、当業者によって理解されるのであろう。
【0043】
[0044] 細菌、ウイルス、および真菌生物を破壊および粉砕し、それらが航空機内で増殖するのを防ぐために使用することができるいくつかのメカニズムがあることが理解されるのであろう。一般に、細菌、ウイルス、および真菌生物を破壊および粉砕し、それらが航空機内で増殖するのを防止するためのこれらのメカニズムは、本明細書では「消毒」または「清浄」と呼ばれる。
【0044】
[0045] 電気/極性引力は、微生物活性を引き付けて破壊するイオン電荷を有する導電性材料(例えば、銀および銅が一般的である)の追加物である。この形態の受動的消毒は本明細書では「導電性消毒」と呼ばれることがあり、材料は本明細書では「導電性消毒剤」と呼ばれることがある。別の方法は、表面または添加剤が粗い表面トポグラフィを有する機械的破壊を含む。微生物はコロニーを形成するために粗いまたは起伏のある表面に固着するのが困難な時間を有し、粗さはまた、細胞膜を裂くまたは破壊し、細菌を死滅させ、ウイルス増殖を中断させることができるほど粗くなり得る。この形態の受動的消毒は本明細書では「機械的破壊消毒」と呼ばれることがあり、材料は、本明細書では「機械的破壊消毒剤」と呼ばれることがある
[0046] 特定の波長が細胞壁に集中し、細胞壁を破裂させ、細菌、生殖細胞、またはウイルスを無害にすることができるので、UV放射も使用することができる。この形態の「励起された」衛生化は本明細書では「UV消毒」と呼ぶことができ、材料は本明細書では「UV消毒剤」と呼ばれ得る。 これは適切な衛生化が生じることを保証するために、オペレーションの何らかのスキルまたは技術を必要とし、表面全体が効率的に消毒される。
【0045】
[0047] 衛生化が表面トポグラフィー、化学的、電気的引力、または機械的手段によって達成される方法に関し、本明細書で論じられるこれらの方法について、当業者は、抗菌添加剤が微生物を死滅させるタスクを実施する際にどの程度有効であるかを決定することが困難であること、および抗菌添加剤が依然として清浄されるべき表面上に存在するかどうかを決定することも困難であることを理解することができるであろう。例えば、電気的または化学的手段の場合、添加剤は、オペレータの介入または技能なしに、有効性を保証するために媒体を通して均一に分配されるが、材料が活性であり、作用していることの視覚的または機械的立証はない。表面トポグラフィーまたは他の機械的手段に関して、表面はオペレータの介入なしにタスクを達成し、表面が顕微鏡スケールで検査されない限り、それが依然として有効であると決定することはできない。
【0046】
[0048] 本発明は、特定の範囲の波長の光によって照射されたときに発光または照明する、消毒コーティングまたはフィルム中の添加剤または染料の添加を含む。発光は、消毒の視覚的表示を提供する。添加剤は、所望の応答を作り出すために使用されるUVまたはレーザーエネルギーの波長によって定義される蛍光色素および/またはリン光色素であり得る。蛍光およびリン光の両方は物質が光を吸収し、より長い波長であり、よってより低いエネルギーの光を放出する能力に基づく。主な違いはそうするのにかかる時間である。蛍光では、発光は基本的に即時であり、したがって、(UV光などの)光源が連続的にオンである場合、通常は目に見えるだけであり、一方、リン光材料は吸収された光エネルギーをしばらくの間貯蔵し、後に光を放出することができ、結果として、光がオフに切り換えられた後も残光が持続する。
【0047】
[0049] 言い換えれば、蛍光色素はエネルギー源(UV光またはレーザ)が除去されると、即座の応答を提供し、急速に退色する。リン光染料は、吸収されたエネルギーの量および所望のエネルギー減衰応答に基づいて、持続した期間の応答を提供する。照明応答は、5秒~数時間続くことができる。蛍光色素および/またはリン光色素または添加剤は、本明細書では一般に「励起添加剤」と呼ばれ得る。
【0048】
[0050] 励起添加剤は、消毒コーティング/フィルム中の抗菌添加剤と結合するか、または結合される。励起添加剤は、それらが結合している抗菌添加剤の存在を示す視覚的フィードバック(それらが蛍光を発するとき)を提供する。いくつかの方法を使用して、上述の様々な消毒剤および消毒システム中の様々なタイプの微生物不能化剤に励起添加剤を化学的に結合することができる。
【0049】
[0051] イオン性またはナノ粒子銀添加剤(導電性消毒剤)に蛍光性またはリン光性添加剤または染料を添加するために、粒子上にコーティングを提供して、それらのイオン状態を増強し、それを安定化させて、長期保護を提供することができる。染料の化学的性質は銀粒子から離れて、コーティングの外側シェルに結合するように調整することができ、UVまたは他の光によって照射されると、粒子上に明確な色または透かしを示す。これは、導電性消毒剤上にコーティングされ、それに結合された染料を有するコーティングを含む、消毒用のイオン性またはナノ粒子銀添加剤を提供する。
【0050】
[0052] 機械的破壊消毒剤はしばしば、セラミックの微小球を含む、または第四級アンモニウム化合物が表面に影響を与えるために使用される。色素は、トポグラフィーを変化させることなく、または破壊することなく、セラミックを被覆するために使用することができる。
【0051】
[0053] 染料は光が適切に集束され、表面照射が適切に投入されていることを示す視覚的表示とともに、光が適切に集束されているというフィードバックを提供することができるので、UV消毒または除菌は有効であり得る。強度または色は、視覚インジケータとすることができる。
【0052】
[0054] 励起添加剤の例示的な配合物としてはSrAL204+Eu、Dyおよび/またはSr4a114025+Eu、Dyが挙げられる。グレードはライトニックイエロー(520nm励起エネルギー)およびライトニックブルー(490nm励起エネルギー)であり得る。励起添加剤は、抗菌添加剤に直接結合されず、むしろ抗菌添加剤を含むコーティングまたは樹脂を通して分散されてもよい。励起添加剤を含むことの1つの目的は、コーティングが部品の表面上で持続されるか、または依然として活性であり、パネル表面からすり減っていないことを示すことである。抗菌剤はまた、コーティング、フィルムまたは樹脂を通して分散されるので、励起添加剤は、抗菌剤と直ちに接触する必要はない。
【0053】
[0055] 励起添加剤によって提供される視覚的フィードバックは以下の1つ以上を可能にすることが理解されるのであろう:1)表面を消毒するためにUVワンドを使用するときに、より長い消毒時間を必要とする「高優先度領域」の視覚的表示;2)抗菌添加剤が依然として存在し、活性であることの視覚的表示;および3)表面がUV光で最近消毒されたことの視覚的表示。上記のカテゴリー2について、フィルム中の抗菌添加剤は、経時的に分解するか、または同様に作用しない場合がある。したがって、励起添加剤は照明しないか、または所定の閾値未満に照明し得(すなわち、微弱である)、したがって、航空会社に、新しいフィルムが適用される必要があることを知らせる。
【0054】
[0056] 本発明は、客室乗務員および/または清掃乗務員に、UV光で表面を清掃することに関してなされた進歩を視覚化する方法を提供する。表面領域にわたる光の広がり、および微生物を死滅させるのに有効であるためにUV光が必要とされる適用時間は進行を測定する方法があれば、より良好に制御することができる。代替的に、乗客の占有の間に化粧室内の消毒の手段として紫外線が使用される場合、フィルムの視覚的外観の変化(例えば、着色)もまた、最近洗浄された面を乗客に示す方法として使用することができる。
【0055】
[0057] 例えば、蛍光色素は、光のエネルギーがどこに向けられているかを示すために使用される。光が表面に向けられるときの励起または蛍光応答が強ければ強いほど、UV光は強くなり、消毒のレベルはより良好になる。明るいまたは強い励起は強い消毒をもたらしく、弱い励起は弱い消毒をもたらす。好ましくは技術者または乗客が、材料が影響を受け、消毒されたという良好な指標を有するように、リン光染料は、構成要素(例えば、便座)のマーカーまたは目立つ領域上にある。
【0056】
[0058] 第1の好ましい実施形態では、均一なUV蛍光添加剤が抗菌性コーティングまたはフィルムに添加される。好ましい実施形態では、UV蛍光添加剤がイオン性または機械的破壊抗菌添加剤への化学結合を介して抗菌添加剤に結合する。別の好ましい実施形態では表面がブラックライトまたはUV光に曝露されると、UV蛍光添加剤はコバルトブルー、グリーン、レッド(または他の所望の)色で照射される。これは、抗菌添加剤が依然として存在し、病原体を排除する目的を果たしていることを、乗務員または保守要員に示す。表面が所定の色を照明しない(または所定の閾値未満に照明する)場合、これは、抗菌添加剤もはや存在しない(または所定の閾値未満に存在する)ことを示す。
【0057】
[0059] 別の好ましい実施形態では、UV蛍光添加剤の放射照度および半減期特性のためにUV光に曝露されたときに特定の色を照射する特性を有する第1のグループのUV蛍光添加剤が抗菌フィルムの特定の領域に添加される。加えて、第1のグループのUV蛍光添加剤とは異なる色を照射する特性を有する第2のグループのUV蛍光添加剤が、第1のグループのUV蛍光添加剤とは異なる抗菌フィルムの領域に添加される。一実施形態では、第1または第2のグループのUV蛍光添加剤とは異なる照明色の特性を有する追加のグループのUV蛍光添加剤を、第1または第2のグループのUV蛍光添加剤が存在しない抗菌フィルムの領域に加えることができる。抗菌フィルムによって覆われる表面がUV消毒ワンドからのUV光などのUV光に曝露されると、UV蛍光添加剤は、放射照度および半減期などのUV蛍光添加剤特性によって決定される色を照射する。UV蛍光添加剤の第1のグループを含む表面は1つの色(第1の色)を照射し、UV蛍光添加剤の第2のグループを含む表面はUV蛍光添加剤の第1のグループとは異なる色(第2の色)を照射し、追加のUV蛍光グループが抗菌フィルム中に存在する場合、UV蛍光添加剤の追加のグループを含む表面は、UV蛍光添加剤の他のグループとは異なる色(第3の色またはそれ以上)を照射する。第1の色は、より低い接触領域である第2の色を有する領域よりも長い消毒時間を必要とする高接触領域を示し得る。使用時に、追加の消毒時間を必要とする表面の領域を、乗務員または保守要員に視覚的に示すことができる。追加の消毒時間を必要とする領域は、UV消毒ワンドのUV光に曝露されたときに1色に照明され、より少ない消毒を必要とする領域は、UV消毒ワンドのUV光に曝露されたときに異なる色に照明される。
【0058】
[0060] 好ましい実施形態では、2つの技術、リン光色素および蛍光色素が組み合わされる。上述のように、UV蛍光染料は直ちに発光し、指向性消毒UVワンドまたは光がパネルに適切に向けられることを示す。リン光色素は光の光子を吸収し、「点灯」、「照射」または「励起」されたままであるか、または表面が最近清浄化または消毒されたことを示す乗務員または乗客のためのマーカーまたは信頼性ビルダーとして点灯し得る。
【0059】
[0061] 化粧室内部便座は、一例として使用される。使用時に、乗組員(または本明細書で論じる自動UV消毒システム)は便座の表面上にUV光をブロードキャストし、表面から微生物を消毒および排除する。UV光は肉眼では見えないので、光る表面処理は技術者(技術者がいる場合、または自動化システムのメンテナンスサイクル中に、UVランプまたは指向性ライトが表面上に適切に焦点を合わせられることを保証する)が、それらがどこに光を当て、表面を清浄化したかを検証することを可能にする。リン光色素はより長い期間にわたって照明されたままであり、処置後に化粧室に入る乗客が、座席表面が清浄化または消毒され、安全であることを見て知ることを可能にする。
【0060】
[0062] 別の実施形態では、UVエネルギー吸収特性を有する添加剤が特定のおよび/または所定のパターンで抗菌性表面に添加される。好ましい実施形態において、これらの添加剤を特定のパターンで塗布するための方法は、インクジェット印刷であり得る。しかしながら、これは限定ではなく、パターンは他の方法で作成することができる。添加剤を含む表面がUV光に曝露されると、添加剤はエネルギーを与えられ、エネルギーが消散するまで可視光を放出する。これは、UV光を使用して表面が最近清浄化されたときに、乗務員、保守要員、および/または乗客に視覚的表示を提供する。表面上の所定のパターンが光を発する場合、これは、表面が最近清浄化されたことを示す。例えば、所定のパターンは「消毒済み(SANITIZED)」などの単語であってもよいし、ロゴ、エンブレム、または他の視覚的インジケータであってもよい。
【0061】
[0063] 好ましい実施形態において、励起添加剤またはリン光添加剤は、インクジェットプリンタなどを用いてコーティングに添加することができる。表面インジケータまたはコーティングは、染料または励起添加剤を含むまたは含有するインクジェットプリンタに通すことができる清浄な薄膜とすることができる。プリンタは、フィルム上に所定のパターンまたはデザインを印刷する。フィルムが構成要素(例えば、便座、カウンターなど)上に設置されるとき、インクジェット付加画像または所定のパターンは、ここで、消毒の検証のためのインジケータである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
[0064] 本発明は、添付の図面を参照することによって、より容易に理解され得る。
【
図1】本発明の好ましい実施形態による化粧室モニュメントアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1の化粧室モニュメントアセンブリの部分分解図である。
【
図3】
図1の化粧室モニュメントアセンブリの側面図である。
【
図7】流し台アセンブリおよび他の構成要素の分解斜視図である。
【
図8】
図1の化粧室モニュメントアセンブリの上面断面図である。
【
図9】壁が除去された、
図1の化粧室モニュメントアセンブリの斜視図である。
【
図12】空気補充システムの例示的なステップを示すフローチャートである。
【
図13】空気補充システムの例示的なステップを示すフローチャートである。
【
図17】UV消毒システムの一部としての光アセンブリの斜視図である。
【
図17A】
図17のUV消毒システムからの例示的な反射表面を示す概略図である。
【
図17B】
図17のUV消毒システムからの透明材料で覆われた例示的な反射表面を示す概略図である。
【
図18】励起添加剤を含むコーティングを含むトイレおよびシュラウドの上面図である
【
図19】それぞれが異なる色励起添加剤を有する2つのコーティングを上に有するトイレを示す、化粧室モニュメントアセンブリの斜視図である。
【0063】
[0086] 同様の番号は、図面のいくつかの図を通して同様の部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
[0087] 以下の説明および図面は例示的なものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。しかしながら、場合によっては、説明を不明瞭にすることを避けるために、よく知られているまたは従来の詳細は説明されない。本開示における1つまたは一実施形態への言及は必ずしも、同じ実施形態に限った言及ではないが、そのような言及は少なくとも1つの実施形態を意味するものであり得る。ある構成要素が図面に示されていない場合、このことは、その構成要素が「存在しない」ことを記載する特許請求の範囲における否定的な限定のサポートを提供する。しかしながら、上記の記述は限定的なものではなく、別の実施形態では、欠けている構成要素が特許請求される実施形態に含まれ得る。
【0065】
[0088] 本明細書において、「1つの実施形態」、「一実施形態」、「好ましい実施形態」、または実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを手段する単語「実施形態」に言及する他の任意の句への言及は、また、一実施形態に関連して説明される任意の特定の特徴、構造、または特性が任意の実施形態に含まれ得るか、または任意の実施形態から省略または除外され得ることを手段する。「1つの実施形態において」という言い回しが説明の様々な場所に現れても、必ずしも同じ実施形態について参照している訳ではなく、他の実施形態を相互に除外した独立した、または二者択一的な実施形態でもない。さらに、いくつかの実施形態によって示され、他の実施形態によって示されなくてもよく、任意の実施形態から省略されてもよい、様々な特徴が説明される。さらに、本明細書に記載される任意の特定の特徴、構造、または特性は、任意選択であり得る。同様に、いくつかの実施形態に対する要件であるが他の実施形態に対する要件ではない、様々な要件が説明される。必要に応じて、本発明の1つの態様または実施形態に関して本明細書で論じられる特徴のいずれかを、本発明の別の態様または実施形態に適用することができる。同様に、適切な場合、本発明の1つの態様または実施形態に関して本明細書で論じられる特徴のいずれかは、本発明のその態様または実施形態、または本明細書で論じられまたは開示される本発明の任意の他の態様または実施形態に関して任意であり、かつ/またはそれから省略され得る。
【0066】
[0089] 本明細書で使用される用語は、一般に、本開示の文脈内で、および各用語が使用される特定の文脈において、当技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。本開示を説明するために使用される特定の用語は以下に、または本明細書の他の箇所で論じられ、本開示の説明に関して追加のガイダンスを実施者に提供する。便宜上、特定の用語は、例えば、イタリック体および/または引用符を使用して強調表示することができる。強調表示の使用は、用語の範囲および意味に影響を及ぼさない。用語の範囲および意味は、強調表示されているか否かにかかわらず、同じ文脈において同じである。
【0067】
[0090] 同じことは、2つ以上の方法で言うことができることが理解されよう。その結果、代替言語および同義語を本明細書中で議論される用語のいずれかの1以上で用いることができる。用語が本明細書で詳述されるかまたは論じられるかどうかには、特別な意味はない。ある用語の同義語が提供される。1つ以上の同義語の列挙は、他の同義語の使用を除外しない。本明細書で論じられる任意の用語の例を含む本明細書の任意の場所での例の使用は、例示にすぎず、本開示または任意の例示された用語の範囲および意味をさらに限定することを意図するものではない。同様に、本開示は、本明細書で与えられる様々な実施形態に限定されない。
【0068】
[0091] 本開示の範囲をさらに限定することを意図するものではないが、本開示の実施形態による器具、装置、方法、およびそれらの関連する結果の例を以下に示す。読者の便宜のために、タイトルまたはサブタイトルが実施形態において使用されてもよく、これは、本開示の範囲を決して限定すべきではないことに留意されたい。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含めて、本文書が優先する。
【0069】
[0092] 「前」、「後」、「上部」、「底部」、「側部」、「短い」、「長い」、「上へ」、「下へ」、「後」、「前」、「内側」、「外側」、および「下」などの用語は本明細書で使用される場合、単に説明を容易にするためのものであり、図に示されるような構成要素の向きを指すことが理解されよう。本明細書に記載される構成要素の任意の配向が本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0070】
[0093] ここで、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない図面を参照すると、図面は、化粧室モニュメントアセンブリ10を示す。
図1に示すように、化粧室モニュメントアセンブリ10は一般に、協働して化粧室内部22を画定する複数の壁(第1の壁14、第2の壁16、第3の壁18、および第4の壁20)を含む筺体12を含む。筺体12は、好ましくは複数の壁のうちの1つに配置された床24、天井26、および入口ドア28も含む。図では、入口ドア28が第2の壁16上に配置されて示されている。しかしながら、これは限定ではなく、ドアは任意の壁に配置することができる。
【0071】
[0094]
図1~
図4に示されるように、好ましい実施形態では、化粧室モニュメントアセンブリ10が入口ドア28に隣接して第2の壁16上に配置されたタワーアセンブリ30を含む。他の実施形態では、タワーアセンブリ30を他の壁のいずれかに配置することができる。
図2に示されるように、アクセス開口部32(1つ以上のアクセス開口部であってもよく、本明細書では概して第1のアクセス開口部と称される)は第2の壁16(または必要に応じて別の壁)に画定され、タワーアセンブリ30は第1のアクセス開口部32に配置される。第1のアクセス開口部32はタワーアセンブリ内の1つまたは複数のドアが開位置にあるときに、化粧室内部22へのアクセスを提供することが理解されよう。
【0072】
[0095] 好ましい実施形態では、タワーアセンブリ30が上壁34、底壁36、左側壁38、および右側壁40を有するフレーム33を含む。タワーアセンブリはまた、前面42aを含む前壁42を含む。タワーアセンブリ30は第2の壁16から外向きに延在し、タワー内部44を画定する。好ましくは、タワーアセンブリ30はまた、それぞれ開位置と閉位置との間で移動可能で上側および下側または第1および第2のドア46および48を含む。好ましくは、消毒用凹部50および外部ごみ用凹部または開口部52が前面42aに画定される。消毒用凹部50は使用者に手指消毒剤へのアクセスを提供し、外部ごみ用開口部52は、トイレ内部22のごみ容器空間56内に配置されたごみ容器54へのアクセスを提供するか、またはそれと連通され、それによって、誰かがトイレの外部からごみ容器内にごみを配置することを可能にする。好ましい実施形態では、消毒用凹部50および外部ごみ用開口部52が第1および第2のドア46および48の間に配置される。しかし、これは限定ではなく、別の実施形態では、消毒用凹部50および/または外部ごみ用開口部52が第1および第2のドアのいずれかの上方または下方に配置することができる。
【0073】
[0096]
図2に示されるように、好ましい実施形態では第1のドア46が少なくとも部分的に化粧室内部22に位置する(また、少なくとも部分的にタワー内部に位置してもよい)ワイプ収納空間58へのアクセスを提供し、第2のドア48は少なくとも部分的に化粧室内部22に位置する(また、少なくとも部分的にタワー内部に位置してもよい)ごみ容器空間56へのアクセスを提供する。別の実施形態では、第1のドアがワイプ保管空間とごみ容器空間の両方へのアクセスを提供することができる。
図2に示されるように、ワイプ収納空間58はペーパータオル、消毒用ワイプなどの複数のタイプのワイプ60のための空間を含むことができ、その上にワイプ容器を配置するための棚62を含むことができる。第1および第2のドア46および48は、筺体/化粧室の外部からごみ容器54および異なるタイプのワイプ60へのアクセスを提供することが理解されるであろう。
【0074】
[0097]
図3に示されるように、1つ以上のワイプ分配開口部64は、化粧室内部の拭き取りパネル66に画定され、内部ごみ用開口部68も、化粧室内部22のごみ箱パネル70に配置または画定される。拭き取りパネル66はワイプ収納空間58を少なくとも部分的に画定し、ごみ箱パネル70は、ごみ容器空間56を少なくとも部分的に画定する。
【0075】
[0098]
図2に示されるすように、好ましい実施形態では、第1のドア46が手指消毒剤を消毒用凹部50内に分配するように構成されたタワーアセンブリ30内に配置された消毒剤ディスペンサ72へのアクセスを提供する。
図4の消毒剤出口74を参照されたい。消毒剤ディスペンサ72はドア上に、またはタワー内部44内に画定された空間内に配置することができる。消毒剤ディスペンサ72は使用者が手を消毒用凹部50内の適切な位置に配置するときに(例えば、タッチレスセンサを使用して)液体手指消毒剤を分配することができ、または消毒剤ディスペンサは、消毒用凹部内の使用者がアクセスすることができる消毒用ワイプを含むことができる。
【0076】
[0099] 好ましい実施形態では、タワーアセンブリ30が乗客および乗務員に情報を提供するための表示スクリーン76を含む。表示スクリーン76は、タワーアセンブリ30のどこにでも配置することができる。好ましい実施形態では、表示スクリーン76が第1のドア46上に配置される。表示スクリーン76によって提供される情報は例えば、化粧室の空き状態、化粧室内の消毒レベル空気状態(例えば、化粧室内の空気が最後に補充されてからどのくらいの時間が経過したか)、化粧室表面が清浄化されてからどのくらいの時間が経過したか、化粧室を清潔に保つために取られた消毒措置に関する情報などのうちの1つ以上を含むことができる。
【0077】
[0100]
図4に示されるように、好ましい実施形態では、消毒用凹部50および外部ごみ用開口部52の両方が消毒用凹部50および/または外部ごみ用開口部52の内面を消毒するために、その中に少なくとも1つのUV光源78を含むことができる。好ましい実施形態では、UV光源が以下に説明する光アセンブリ200であってよく、
図17に示されるように反射表面220などが含まれ得る。
【0078】
[0101] 好ましい実施形態では、タワーアセンブリ30が、以下でさらに説明されるように、化粧室が「補充状態」または「未補充状態」(または「消毒状態」または「未消毒状態」)にあるかどうかを乗客に示すためにタワーから放射される表示照明を含む。表示照明は、フレーム33の周りのトリム照明、消毒用凹部50または外部ごみ用開口部52から発光する光、表示スクリーン76の色、またはタワーの頂部に配置されたライト80のいずれかまたは全てであってよく、化粧室モニュメントが航空機内に配置されたとき、天井を洗浄または照らして、客室全体から化粧室の状態の表示を提供する。光80は、
図2に示されており、タワーアセンブリの上壁34の下に配置されており、タワーアセンブリは、光を透過させるためのレンズまたは透明カバー82を内部に含むことができる(
図1の光放射線80aを参照)。
【0079】
[0102] 表示照明の結果として、タワーアセンブリ30は、化粧室内部22内の空気が補充または消毒された状態にあることを示す第1の表示状態と、化粧室内部22が補充されていないまたは消毒されていない状態にあることを示す第2の表示状態とを含む。要するに、タワーアセンブリ30が選択された色を発するとき、タワーアセンブリは乗客に、化粧室に入る準備ができていること、および空気が最近清浄空気補給を完了したこと(および/または化粧室がUV消毒サイクルを完了したこと)を示す。第1および第2の表示状態のための任意の色は、本発明の範囲内である。例えば、緑色またはシアン色は補充された、消毒された、または清浄な状態を示すために使用され得、赤色は補充されていない、消毒されていない、または汚れた状態を示すために使用され得る。別の実施形態では、タワーアセンブリ30および/またはそこから放射される表示照明が、2つ以上の表示状態を提供することができ、それぞれに異なる色を提供することができる。例えば、タワーアセンブリは、化粧室が占有されているか占有されていないこと、化粧室のメンテナンスが必要であること、ごみが空にされる必要があること、化粧室の占有者によって客室乗務員の助けが必要とされていることなどを示すことができる。したがって、タワーアセンブリが5つの表示状態を含む場合、各表示状態には異なる色が割り当てられる。
【0080】
[0103]
図1~
図3および
図5~
図8に示されるように、好ましい実施形態では、化粧室モニュメントアセンブリ10が化粧室内部22に配置された洗面器または流し台アセンブリ84を含む。好ましい実施形態では、流し台アセンブリ84が、流し台内部98を画定するように協働する、後壁88と、上壁90と、その中に排水管93を有する底壁92と、第1の側壁94と、第2の側壁96とを含む流し台86を含む。上壁90は、上面90aと底面90bとを含む。底面90bは流し台内部98を部分的に画定し、上面90aはカウンター100である。好ましい実施形態では流し台86が口102または開口部を含み、これを通して、使用者は概して垂直に配向された流し台内部98に入るように手を置く。好ましい実施形態では、流し台86の前端または前縁が乱気流中の乗客の安定性のためのハンドルを提供するように成形される。図面に示されるように、底壁92、第1の側壁94、および第2の側壁96の前縁は、壁の残りの部分よりも厚く、必要なときに使用者によって把持され得る、その周囲に延在するハンドル部分97を含むことができる。
【0081】
[0104]
図6に示されるように、上壁90の底面には、使用者が洗面器内部の適切な位置に手を置いたときに石鹸または水を分配する運動活性化水ディスペンサ91(蛇口)および運動活性化石鹸ディスペンサ89が関連付けられている(
図6の石鹸および水ディスペンサと位置合わせされたアイコン95を参照)。ディスペンサは上壁の底面上に、または以下に説明するシャーシ101上に配置することができる。
図6はまた、本明細書で論じられる光アセンブリ200であり得る、流し台を消毒するためのUV光源を示す。反射表面220(以下でさらに説明する)もまた、流し台86に含まれ得る。
【0082】
[0105]
図7は、流し台アセンブリ84および関連する構成要素の分解図である。好ましい実施形態では、多くの構成要素が深い清浄化のために容易に取り外し可能である。流し台アセンブリ84は、筐体の壁または内壁99に取り付けられたシャーシ101を含む。水および石鹸は、水および石鹸ディスペンサ91および89に送られる。水は、パイプ103および、石鹸リザーバ105からの石鹸を介して送られ得る。しかしながら、これらは例示に過ぎず、水および石鹸は、任意の公知の方法でディスペンサに送ることができる。排水管93の下には、貯留タンク109(例えば、灰色の貯留タンク)等に水を送るための容器107を配置することができる。トイレットペーパーコンソール111は、流し台86の下に配置され、ごみ箱パネル70に取り付けることができる。
【0083】
[0106]
図8に最もよく示されるように、好ましい実施形態では上壁90(したがって、カウンター100)は隣接する入口ドア28から第3の壁18に向かって内向きに傾斜する(
図8の前面90cを参照)。その結果、流し台86の底壁92の前縁の少なくとも一部は、上壁90の前縁を越えて延在する。
図8はまた、ワイプ収納空間58の一部分が化粧室内部22(すなわち、第2の壁の内側)にどのように配置され得るか、およびワイプ収納空間58の一部分がタワー内部44にどのように配置され得るかを示す。図示のように、ワイプディスペンサ60は、タワー内部44内に延在する。これは、ごみ容器空間にも当てはまる。
【0084】
[0107] 好ましい実施形態では、流し台86の上壁90(および/またはカウンター100)が拭き取りパネル66と接触し、それと相対的に面一である湾曲部分または表面104を含む。好ましくは、湾曲表面104の上縁部と拭き取りパネル66の下縁部との間の接合部または溝106が垂直に配向され、したがって、汚れがその中に蓄積することを防止する。本明細書で使用するとき、「接触」は、縁部が互いに接触してもよく、または互いに密接に隣接してもよいことを意味する。
【0085】
[0108]
図3および
図9~
図13に示されるように、好ましい実施形態では、化粧室モニュメントアセンブリ10が、所望のとき(例えば、ボタンが押されるか、またはスイッチが作動されるとき、化粧室から出る使用者などの特定の動作が行われるとき)、化粧室内部22内の空気を補充または清浄する能力を提供する空気補充システム108を含む。化粧室・空気補充システムは、「補充状態」と「未補充状態」とを含む化粧室内の空気の状態を示すことができる。補充状態において、化粧室は、乗客によって使用可能である、または乗客がトイレに入ることができると考えられる。未補充状態では、化粧室が乗客によって使用可能ではない、または乗客が化粧室に入ってはならないと考えられる。好ましい実施形態では、空気補充システムが使用者が化粧室を出るたびに作動される。したがって、使用者が化粧室を出た後、化粧室内部の空気量は補充されていない状態にあり、空気補充システムが作動された後、化粧室内部の空気量は補充された状態にある。以下に説明するように、空気補充システムの作動は自動化することができ、またはボタンまたは他の手動切換動作の押下によって作動させることができる。所定の期間の後、システムは、空気が補充されていない状態にあるとみなすことができる。例えば、化粧室が15分間使用されない場合、化粧室内の空気を補充する必要があり得る。自動化されたシステムでは、空気補充システムが作動し、補充状態に戻る。手動システムでは、表示状態が変化してもよく(例えば、タワーアセンブリ30上のビーコンライト80または他のライトが緑色から赤色に変化してもよく、または以下で説明する表示ライト130が緑色から赤色に変化してもよく)、したがって、使用者が化粧室内の空気を補充するためにボタンを押すことを要求する。好ましい実施形態では、空気が補充されていない状態にある場合、入口ドアはロックすることができる。
【0086】
[0109] 筺体12は筺体の外部(例えば、客室内部、ECSまたは環境制御システムなど)から空気を流入させるための入口110を含む。入口110は化粧室モニュメントアセンブリ10の任意の場所(例えば、複数の壁、天井、床などのいずれか)に配置することができる。
図9に示されるように、好ましい実施形態では、入口110または減圧ベントが入口ドア28内に配置される。
【0087】
[0110] 出口114を含むトイレ112は、化粧室内部22に配置される。出口またはその中の弁は、開状態および閉状態を含む。出口114が開いた状態にあるとき、化粧室内部22は化粧室モニュメントアセンブリ10または筺体12の外部と流体連通し、化粧室内部の空気をそこから引っ張るかまたは吸い込むことができる。真空システム116(
図3参照)は、好ましくは筺体12から化粧室内部22内のある量の空気を引き出すために使用される。好ましい実施形態では、トイレを清浄化するために使用されるのと同じ空気真空システム116を使用するか、または再利用して、空気を出口114または便器開口部を通して化粧室内部から引き出すことができる。好ましい実施形態では、便座および/または便座カバー118が空気が出口から引き出されるときに開放位置にある。この実施形態では、便座および/またはカバー118が、化粧室内部の現在の空気量が出口114から引き出されるかまたは吸い出される前に、開放位置に開くかまたは移動することができるように自動化される。したがって、好ましい実施形態では、システムは、システムが起動されるときはいつでも、便座および/またはカバーを開く。好ましい実施形態では、便座を開くために、便蓋ヒンジ緩衝機構120内のソレノイドが作動され、次いで、空気サイクルが完了したときに作動停止され、したがって、蓋またはカバー118および/または座部が閉じることを可能にする。
【0088】
[0111]
図9に示されるように、システムが作動されると、筺体内のある量の空気は、開いた出口114を通して引っ張られる(
図9の矢印A1参照)。同時に、筺体12の外部からの空気は、入口110を通して引っ張られて、出たばかりのある量の空気を置き換える。システムの作動前に化粧室内部に存在する空気は本明細書では第1の量の空気と呼ぶことができ、入口を通って入るシステムの作動後に化粧室に存在する空気は、本明細書では第2の量の空気または補充された空気と呼ぶことができる。
【0089】
[0112]
図10に示されるように、好ましい実施形態では、入口110は、空気が化粧室内部に入るときに空気が通過するフィルタ122(その中のHEPAフィルタなど)を含む。別の好ましい実施形態では、入口110は、空気が化粧室内部に入るときに空気が通過する、その中に配置された空気清浄器124を含むことができる。
【0090】
[0113] 空気補充システム108は、ボタンが押され、かつ/またはスイッチが作動されると、所定の間隔で作動し得る。好ましい実施形態では、空気補充システム108が、誰も化粧室にいないとき、および入口ドア28が閉じられているときにのみ作動させることができる。一実施形態では空気補充システム108は、入口ドア28がロックされているときには作動させることができないが、それは化粧室が典型的には人が化粧室にいるときにのみロックされるからである。しかしながら、システムはまた、サイクル中に入口ドアが開かれることを防止するために、空気補充サイクルが起ころうとしているときに、ドアを自動的にロックすることができる。好ましい実施形態では、化粧室筺体は、人が化粧室にいるときを決定するためのセンサまたは検出器を含む。
【0091】
[0114]
図10~
図11に示されるように、好ましい実施形態では、空気補充システム108は、手動起動ボタン128と、ボタン128を取り囲むまたは取り囲む複数のインジケータライト130とを含む起動アセンブリ126を含む。インジケータライト130は、ボタン128を囲み、乗務員および/または乗客に情報を伝達するために、リングパターンで色を変えるか、またはオン/オフにすることができる視覚的インジケータである。ボタンは、システムを作動させ、空気を補充するように構成された任意のタイプのスイッチとすることができる。ライトは、LEDまたは他のタイプのライトであってもよい。ライトはまた、線または他の形状に配置することができる。好ましい実施形態では、ライト130が化粧室内部22の空気状態を示すように構成された表示システムである。ライトは、補充状態と未補充状態との間で色を変えるようにプログラムすることができる。ライトは、補充状態では固定であり、未補充状態では点滅または消灯することができる。別の実施形態では、ライトが、空気が補充されてからどれくらいの時間が経過したかを示すためのタイマーとして働くことができる。例えば、照明は空気がちょうど補充されたことを示すために、全て緑色であってもよい。その後、経過する各分(または他の所定の時間)ごとに、ライトの1つが赤色に変わることがある(またはライトが消えることがある)。異なる乗客は、何個の赤色またはオフライトが存在するかに基づいて空気を補充するためにボタン128を押すことを望む場合がある。前回の補充からの時間量もまた、表示スクリーン76上に示されてもよいことが理解されよう(例えば、「前回の空気補充から10分」が画面上に表示されてもよい)。
【0092】
[0115]
図12は、空気補充システム108の使用を示すフローチャートである。示されるように、2つの異なる動作が乗客(当技術分野で知られているように、paxと略記される)が使用し、化粧室を出た後(ステップ132)、左側の空気補充を開始する自動化されたステップ(ステップ134)、または右側の手動起動ボタンを押すかまたは作動させる手動動作(ステップ136)の後に行われ得る。好ましい実施形態では、清浄化サイクルを開始する自動動作(ステップ140)が化粧室の使用後、所定の数(x)秒で開始する(ステップ138)。これは、ドアがロック解除されてからx秒後、ドアが閉じてからx秒後、化粧室内のセンサが人が化粧室の内部にいないことを感知してからx秒後、または別の所定のイベントの後x秒後であり得る。手動起動ボタン128の起動はまた、清浄化サイクルを開始させる(ステップ140)。システムは、自動化オプションと手動オプションの両方、または一方または他方を含むことができる。
図12は、清浄化サイクルステップが2~10秒かかることを示す例示的な「(2~10秒)」を含む。しかしながら、これは限定ではなく、補充サイクル(出口から第1の量の空気を引き出すか、または入口を通って第2の量の空気を移動させる)はより長い(例えば、2~60秒)が、好ましくは30秒未満を要する。清浄化または空気補充サイクル中に、以下のステップ、すなわち、化粧室トイレシステムにおける真空抽出を開始するステップ(ステップ142)、入口を通って客室から空気を抽出するステップ(ステップ144)、HEPAフィルタを通って空気を濾過するステップ(これは任意である)(ステップ146)、入口空気に芳香剤を加えるステップ(これは任意である)(ステップ148)、空気が化粧室内部の上部セクションを通ってトイレ内に流入し、出口を通って流れるステップ(ステップ150)、次いで化粧室が使用できる状態になるステップ(ステップ152)を行うことができる。
【0093】
[0116]
図12はまた、上記のステップのいくつかが発生している間に、起動アセンブリ126(およびそのインジケータライト130)が、空気補充または清浄空気サイクルが発生していることを示すことができることを示す(ステップ154)。例えば、照明は空気補充システムが作動していることを示すために円形パターンで点灯および消灯することができ(プログラムが作動しているコンピュータ画面上のインジケータと同様)、または照明は空気補充システムが作動しているまたは進行中であることを示すために点滅することができる。この進捗表示はまた、ディスプレイ上に示され、および/または洗浄ライト(例えば、80)によって示され得る。
【0094】
[0117] 本考案の好ましい実施形態によれば、
図13は、「清浄化サイクル」または空気補充(または以下で論じる紫外線消毒)がいつ行われ得るかに関連する別のフローチャートまたは決定木(decision trees)を示す。好ましい実施形態では、清浄化サイクルは、乗客が化粧室にいないときにのみ生じる。したがって、システムは、乗客が化粧室にいるかどうかを判定する。これは、自動的に空気補充を開始した後(ステップ134)(例えば、所定の期間が経過し、システムが空気を補充する準備ができた後)または手動起動ボタンを押した後(ステップ136)の両方で行われる。システムは、ドアがロックされているかロック解除されているかを問い合わせ(ステップ160)、入口ドアが閉じられているか開いているかを問い合わせる(ステップ162)。ドアがロックされている場合、システムは、乗客が化粧室にいると仮定し、システムは、ドアがロック解除されるまで問い合わせを続ける。したがって、ドアがロックされているときに乗客が手動起動ボタン128を押すと、何も起こらない。ドアが開いている場合、システムは、ドアが閉じられるまで問い合わせを続ける。ドアがロック解除され、閉じられている場合、システムは、清浄化サイクルを実行することができる(ステップ164)。ドアが再び開かれると(ステップ166)、システムはリセットされる(別の乗客が化粧室に入っていると仮定する)。
【0095】
[0118] 好ましい実施形態では、空気補充システムが、システムの動作を制御するソフトウェアおよび/またはコントローラ(航空機内の化粧室または中央に配置される)を含む。上述のフローチャートおよび/または決定木(decision trees)は、ソフトウエアおよび/または制御装置に関連付けることができる。
【0096】
[0119]
図14~
図17Bに示されるように、好ましい実施形態では、航空機用化粧室モニュメント10が所定の間隔で、または乗客による化粧室の各使用後に、化粧室内の特定の表面を消毒するUV消毒システムを含む。UV消毒システムは消毒されるべき表面(本明細書では「消毒されるべき直接表面」と称される)に向けて、また、消毒されるべき他の表面(本明細書では「消毒されるべき間接表面」と称される)に向けて、UV反射材料で、コーティングされた特定の表面に向けて、UV光を方向付けるレンズを含む。UV消毒システムは上記の空気補充システムと関連付けられてもよく、またはUV消毒システムは空気補充システムとは別個であってもよいが、同様に動作してもよい(例えば、システムは化粧室使用後、またはボタンが押されたときに起動されてもよい)。したがって、空気補充システム(例えば、フローチャートなど)の動作に関連する全ての説明は、UV消毒システムに適用される。
【0097】
[0120]
図14~
図16は、レンズ部材202と、その中にUV光源206を含む1つまたは複数の固定具204とを含む例示的な光アセンブリ200を示す。
図16は、光アセンブリ200の断面を示し、UV光源206から延びる複数の光線を含む。レンズ部材202は、必要に応じて、消毒されるべき直接表面に向かって光線を導く表面形状を含む。図示されるように、いくつかの光線はレンズ部材202を通過するときに方向を変化させないことがあり、一方、他の光線は、レンズの幾何学的形状に基づいて、レンズ部材202を通過するときに、屈折するか、方向を変化させるか、または角度をつけることがある。レンズ部材は、第1面200aと、第2面200bと、厚さとを含む。厚さは、必要に応じて、光線を方向付けるために変化する。例えば、
図16の第1の厚さT1および第2の厚さT2を参照されたい。
【0098】
[0121]
図17~
図17Bは、光アセンブリ200が化粧室内のミラー208の下に配置され、シンク210、カウンタートップ212、蛇口214、および石鹸ディスペンサ216などの表面を消毒するように配置される例を示す。図中の矢印は、光線の方向を表す。L1およびL2とラベル付けされた光線は、光アセンブリ200から放出された光線を表す。これらの光線は、レンズ部材202に基づいて所定の方向に向けられる。光線L1は、消毒されるべき直接表面218に向けられる。例えば、蛇口214の上部に向けられた矢印L1を参照されたい。光線L2は反射表面220に向けられ、光線L3は反射表面220から反射され、消毒される間接面222に向けられたものであり、例えば、石鹸ディスペンサ216の下面を参照されたい。
【0099】
[0122]
図17~17Bは、その上にUV反射コーティング224を含むカウンタートップ212上の例示的な反射表面220を示す。反射表面220は、カウンタートップ面とは異なる角度を有する。
図17Aおよび
図17Bに示されるように、反射表面220の角度は、消毒される間接面222である石鹸ディスペンサ216の下側に光線L3を向けるように選択される。
図17Bに示されるように、反射表面220は反射表面がカウンター(壁、パネル、または反射表面を必要とする他の構成要素)に「埋め込まれる」ように、その上に透明材料226またはコーティングを含むことができ、その結果、水が溜まる場所または汚れが集まる場所を作り出さない。
図17Aおよび17Bは、カウンタートップ表面および傾斜反射表面220(本明細書では「ターゲット反射表面」220と呼ばれる)の両方のUV反射コーティングを示す。いくつかの実施形態はターゲット反射表面220のみを含むことができ、他の実施形態は多くのまたは全ての表面(本明細書では「一般反射表面」と呼ばれる)上にUV反射コーティング224を含むことができ、したがって、可能な限り多くの反射を提供する。
図17Aおよび
図17Bに示されるような他の実施形態は、両方を含むことができる。
【0100】
[0123]
図17はまた、UV光を蛇口214の底部上に反射するための、シンク内の例示的なターゲット反射表面220を示す。これらの反射表面は、例示に過ぎず、光アセンブリ200およびターゲット反射表面220または一般反射表面は多くの表面および構成要素を戦略的に消毒するように、化粧室内部全体に配置され、位置されてもよいことを理解されたい。例えば、
図3、
図4、および
図9は、とりわけ、化粧室内部全体に配置された光モジュール200を示す(
図9の反射表面220も参照)。化粧室内の任意の構成要素または領域はUV光を使用して消毒することができ、例えば、ドアハンドル、シンク(流し台86)の周りの領域、ならびに蛇口、石鹸ディスペンサ、および廃棄物フラップ(存在する場合)を含むカウンタートップ、ならびにトイレ112、トイレシュラウド113、カバー118、洗浄ボタン115、座席カバーディスペンサ、および座席117に関連する特定の領域もまた、消毒することができることが理解されよう。
【0101】
[0124]
図18~19を参照すると、好ましい実施形態では、化粧室モニュメントアセンブリが以下のうちの1つまたは複数を行うための視覚表示システムを含む:1)表面を消毒するためにUV光を使用してより長い消毒時間を必要とする「高優先度領域」の視覚表示を提供すること;2)化粧室内の構成要素上の表面上のコーティング内に抗菌添加剤が依然として存在し、活性であることの視覚表示を提供すること;および/または3)表面が最近消毒されたことの視覚表示を提供すること。
【0102】
[0125] 視覚表示システムは、好ましくは化粧室内の構成部品の表面の多くまたは全てを少なくとも部分的に覆うコーティング、フィルム、パネル等(本明細書では全て「視覚表示コーティング」と呼ぶことがある)に含まれる。視覚表示コーティングは、その中に発光色素または添加剤(本明細書では励起添加剤とも呼ばれる)を含む。好ましい実施形態では、視覚表示コーティングはまた、抗菌添加剤を含み、したがって、消毒コーティングでもある視覚表示コーティングを生成する。本発明は、特定の範囲の波長(例えば、UV光、ブラックライトなど)の光によって照射されたときに発光または照明する、消毒コーティングまたはフィルム中の添加剤または染料の添加を含む。発光は、消毒の視覚的表示を提供する。添加剤は、所望の応答を作り出すために使用されるUVまたはレーザーエネルギーの波長によって定義される蛍光色素および/またはリン光色素であり得る。
【0103】
[0126]
図18は、トイレ112の座部に塗布された、またはその上にコーティングされた、抗菌添加剤と、第1および第2の励起添加剤とを含む視覚表示コーティング168を示す。トイレは一例に過ぎず、視覚表示コーティングは、化粧室内の任意の構成要素の表面に適用することができることが理解されよう。第1の励起添加剤は蛍光添加剤170であり、第2の励起添加剤はリン光添加剤172である。蛍光添加剤170は、消毒UV光のエネルギーがどこに向けられているかを示すために使用することができる。UV光が表面に向けられるときの励起または蛍光応答が強ければ強いほど、UV光がより強く照射され、衛生化のレベルがより良好に生じる。明るいまたは強い励起は強い消毒をもたらし、弱い励起は弱い消毒をもたらす。したがって、使用時に、乗務員がUV光を便座面に近づけると、蛍光添加剤または染料はより明るく照射される。また、乗務員がUV光を便座面の法線に近づけるにつれて、蛍光添加剤または染料はより明るく照射される。これは、光をより近くに移動させ、光を表面の法線に近づさせるために、乗務員に信号を送る。
【0104】
[0127] 化粧室が上述のUV消毒システムを含む実施形態では、乗務員が光アセンブリ200および/または反射表面220およびUVコーティング224を位置決めするプロセスにあるとき、蛍光添加剤は消毒されるべき直接表面および間接表面に到達するUV光の強度に関するガイダンスを提供することができる。
【0105】
[0128] 経時的に、視覚表示コーティング168中の抗菌添加剤は、崩壊または破壊し得る。蛍光添加剤は同様の時間スケールで崩壊または破壊し得、または抗菌添加剤および励起添加剤が互いに結合される場合、コーティング中の励起添加剤の量は抗菌添加剤の量を減少させることができる。その結果、視覚表示コーティング(および/またはその中の蛍光添加剤)は、以前に行ったものよりも、クリーニング中に明るく照らされないことがある。これは、以前のコーティングが消毒にそれほど有効ではなく、交換されるべきであることを示し得る。経時的に表面を磨くまたは洗浄することはまた、抗菌特性および/または励起添加剤の破壊を引き起こし得る。
【0106】
[0129] リン光添加剤172は、表面または視覚表示コーティング168が最近UV光によって消毒されたことを乗務員および乗客の両方に視覚表示を提供するために含まれる。
図18に示されるように、視覚的表示を提供する所定のパターン174を含むことができる。
図18は、便座上の「消毒済み(SANITIZED)」という単語と、シュラウド113上の円形のエンブレムとの2つの所定のパターン18を含む。したがって、便座がUV光を使用して消毒されるたびに、「消毒済み(SANITIZED)」という語は照明または発光し、したがって、乗務員および乗客に、便座が清潔であろうことを視覚的に示す。本明細書で論じられるUV消毒システムが使用され、化粧室が各使用後に消毒される実施形態では、リン光添加剤172が新しい乗客が化粧室に入るたびに照明される。好ましい実施形態では、化粧室が清浄化されたことを示す所定のパターン部分または記号が、UV消毒システムが表面を清浄化し、次いで消灯した後、約60秒間、光るか、または励起される。この場合、化粧室がUV消毒システムによって自動的に洗浄された後、乗客は化粧室に入ったとき(洗浄直後に入った場合)、シンボルを見て、化粧室を使用し終わるまでに、シンボルを消す(リン光もはや励起されない)。システムが自動化されておらず、化粧室が飛行前にUV消毒されている別の実施形態では、リン光またはグローは数時間持続することができる。
図18に示されるように、視覚表示コーティング全体は蛍光添加剤170を含み、所定のパターン部分のみがリン光添加剤172を含む。言い換えると、所定のパターン部分は、蛍光添加剤170とリン光添加剤172との両方を含む。
【0107】
[0130] 好ましい実施形態において、励起添加剤またはリン光添加剤172はインクジェットプリンタなどを使用してコーティングに添加することができる(別の実施形態において、蛍光添加剤170はインクジェット印刷を使用して添加することもできる)。コーティングベースは、リン光性添加剤172をその中に含むインクジェットプリンタに通すことができる清浄な薄膜とすることができる。プリンタは、フィルム上に所定のパターンまたはデザインを印刷する。
【0108】
[0131]
図19は、トイレ112が各々が異なる色で蛍光を発する、または照明する第1および第2の蛍光添加剤170aおよび170bを含む例示的なシナリオを示す。第1および第2の蛍光添加剤170aおよび170bは同じコーティング中に、または別々に塗布される別個のコーティング中に含まれてもよいことが理解されよう。使用時、視覚表示コーティング168によって覆われる表面がUV光に曝露されると、第1の蛍光添加剤170aは第1の色を照射し、第2の蛍光添加剤170bは第2の色を照射する。
図19に示されるように、第1の蛍光添加剤は、便座の高接触領域および便器カバー118の縁上にある。したがって、第1の色は、便座および便器カバー118のリムがより低い接触領域である第2の色を有する領域よりも長い消毒時間を必要とすることを乗務員に示す。
【0109】
[0132] 航空機の化粧室における視覚表示コーティングの使用は、本発明を限定するものではない。視覚表示コーティングは、航空機もしくは車両内で消毒される任意の表面上で、または表面の消毒の視覚表示が望まれる任意の他のシナリオで使用することができる。例えば、視覚表示コーティングは、トレイテーブル、シートベルト、ドアハンドル、アームレスト、ガスパーなどの上の航空機において使用することができる。
【0110】
[0133] 文脈上別段の明確な要求がない限り、本明細書および特許請求の範囲全体を通して、単語「含む」、「含んでいる」などは排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「含むが、これらに限定されない」という意味である。本明細書で使用される用語「接続された」、「結合された」、またはそれらの任意の変形は2つ以上の要素間の直接的または間接的のいずれかの任意の接続または結合を意味し、要素間の接続の結合は物理的、論理的、またはそれらの組合せであり得る。さらに、「本明細書において」、「上述」、「以下」、および同様の意味の単語は本出願において使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の任意の特定の部分を指すものではない。文脈が許す限り、単数または複数を使用する上記の好ましい実施形態の詳細な説明における単語は、それぞれ、複数または単数を含んでもよい。2つ以上の項目のリストに関する単語「または」は、単語の以下の解釈の全てを包含する:リスト中の項目のいずれか、リスト中の項目の全て、およびリスト中の項目の任意の組合せ。
【0111】
[0134] 本開示の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、または上記で開示された正確な形態に教示を限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態および実施例は例示目的で上記に記載されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な等価な修正が可能である。さらに、本明細書で言及される任意の特定の数は単なる例であり、代替の実装形態は、異なる値、測定値、または範囲を採用し得る。
【0112】
[0135] 本明細書で開示または説明される任意の方法の動作は、明示的または暗示的に特定の順序で示され、説明されるが、各方法の動作の順序は特定の動作が逆の順序で実行され得るように、または特定の動作が他の動作と少なくとも部分的に同時に実行され得るように、変更され得る。別の実施形態では、別個の動作の命令または副動作が断続的および/または交互の方法で実装され得る。
【0113】
[0136] 本明細書で提供される開示の教示は、必ずしも上述のシステムではなく、他のシステムに適用することができる。上述の様々な実施形態の要素および動作は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。本明細書で説明または使用される任意の測定または寸法は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。他の測定または寸法は、本発明の範囲内である。
【0114】
[0137] 添付の出願書類に列挙され得る任意のものを含む、上記の任意の特許および出願ならびに他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示の態様は必要に応じて、本開示のなおさらなる実施形態を提供するために、上述の様々な参考文献のシステム、機能、および概念を採用するように修正され得る。
【0115】
[0138] 上記の好ましい実施形態の詳細な説明に照らして、本開示にこれらおよび他の変更を行うことができる。上記の説明は本開示の特定の実施形態を説明し、企図される最良の形態を説明するが、上記の詳細が本文中にどのように現れても、本教示は多くの方法で実施することができる。システムの詳細は本明細書に開示される主題に包含されながら、その実施の詳細においてかなり変化し得る。上記のように、本開示の特定の特徴または態様を説明するときに使用される特定の用語は、その用語が関連する本開示の任意の特定の特徴、特徴、または態様に限定されるように用語が本明細書で再定義されることを暗示するものと解釈されるべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は上記の好ましい実施形態の詳細な説明セクションがそのような用語を明示的に定義しない限り、明細書に開示される特定の実施形態に開示を限定すると解釈されるべきではない。したがって、本開示の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、特許請求の範囲の下で本開示を実施または実施する全ての同等の方法も包含する。
【0116】
[0139] 本開示の特定の態様は特定の請求項の形態で以下に提示されるが、本発明者らは任意の数の請求項の形態で本開示の様々な態様を企図する。例えば、本開示の1つの態様のみが、35 U.S.C§1126パラグラフの下で、ミーンズ・プラス・ファンクション・クレームとして列挙されているが、他の態様も、同様に、ミーンズ・プラス・ファンクション・クレームとして、またはコンピュータ可読媒体において具現化されるなど、他の形態で具現化され得る。(35 U.S.C§112、6パラグラフの下で取り扱われることが意図されているクレームには、「のための手段」という語が含まれる。)。したがって、出願人は、出願後に追加のクレームを追加して、本開示の他の態様のためのこのような追加のクレーム形態を追求する権利を留保する。
【0117】
[0140] したがって、本発明の例示的な実施形態が示され、説明されたが、本明細書で使用される全ての用語は限定ではなく説明的であり、多くの変更、修正、および置換が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】